特許第5964305号(P5964305)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5964305アニリンで置換されたキナゾリン誘導体、その調製方法及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964305
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】アニリンで置換されたキナゾリン誘導体、その調製方法及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 239/94 20060101AFI20160721BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20160721BHJP
   C07D 409/12 20060101ALI20160721BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20160721BHJP
   C07D 471/08 20060101ALI20160721BHJP
   C07D 471/10 20060101ALI20160721BHJP
   C07D 491/107 20060101ALI20160721BHJP
   C07D 493/08 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 31/337 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 31/475 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 31/704 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 31/4196 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 31/138 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 31/565 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 31/17 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 33/24 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 31/4745 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 31/436 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   C07D239/94CSP
   C07D403/12
   C07D409/12
   C07D471/04 104H
   C07D471/08
   C07D471/10 101
   C07D491/107
   C07D493/08 A
   C07D493/08 B
   A61K31/517
   A61K31/5377
   A61K31/506
   A61K39/395 N
   A61K31/337
   A61K31/475
   A61K31/704
   A61K31/4196
   A61K31/138
   A61K31/565
   A61K31/675
   A61K31/17
   A61K33/24
   A61K31/4745
   A61K31/436
   A61P35/00
【請求項の数】10
【全頁数】76
(21)【出願番号】特願2013-526299(P2013-526299)
(86)(22)【出願日】2011年8月30日
(65)【公表番号】特表2013-536253(P2013-536253A)
(43)【公表日】2013年9月19日
(86)【国際出願番号】CN2011001466
(87)【国際公開番号】WO2012027960
(87)【国際公開日】20120308
【審査請求日】2013年9月27日
(31)【優先権主張番号】201010266177.8
(32)【優先日】2010年8月30日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512184858
【氏名又は名称】山東軒竹医薬科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100163658
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 順造
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(72)【発明者】
【氏名】黄 振華
(72)【発明者】
【氏名】董 岩岩
【審査官】 井上 典之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−507533(JP,A)
【文献】 特表2006−505509(JP,A)
【文献】 特表2009−523737(JP,A)
【文献】 特表2009−515851(JP,A)
【文献】 特表2006−517959(JP,A)
【文献】 特表2009−515988(JP,A)
【文献】 米国特許第06127374(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体:
【化1】
[式中、
、以下の基からなる群から選ばれ
【化2】
(式中、環の1〜2個の炭素原子は、独立して或いは異なってO、N(H)及びNCHからなる群から選ばれる、1〜2個のヘテロ原子及び/又は基で置き換えられていてもよく、
pは、0、1又は2である。)
は、水素であり
は、ハロゲンであり
、R及びR、水であり
Lは、Oであり
nは、1、2又は3であり;且つ
mは、0、1又は2である。]。
【請求項2】
が、
【化3】
からなる群から選ばれ;
が、フルオロ又はクロロからなる群から選ばれ;且つ
nが、2である、
請求項1に記載の化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体。
【請求項3】
が:
【化4】
からなる群から選ばれる
請求項1又は2に記載の化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体。
【請求項4】
化合物が
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド、
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イルオキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド、
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4,5]デカン-3-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド、
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4,5]デカン-2-イルメトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド、
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド、
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((2-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-4-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド、
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド、
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド、
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-1-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド、
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド、
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド、及び
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミ
らなる群から選ばれる、
請求項1に記載の化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体。
【請求項5】
反応手順:
【化5】
[式中、R、R、R、R、R、R、L及びnは、請求項1で定義した通りであり;原料2が、R−LHであり;原料3が、RCH=CH−C(O)Cl又はRCH=CH−COOHである。]
(1) 非プロトン極性溶媒に原料2を溶解し、塩基存在下、原料1と反応させて、中間体1を得る工程;
(2) 中間体1を還元剤と反応させて(酸存在下であってもよい)、中間体2を得る工程;及び
(3) 有機溶媒に中間体2を溶解し、有機塩基存在下、原料3と反応させて、式(I)の化合物を得る工程
を含む、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物を調製するためのプロセス。
【請求項6】
請求項1〜の何れか1項に記載の化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体を含む医薬組成物。
【請求項7】
抗腫瘍剤及び免疫抑制剤からなる群から選ばれる第二の治療剤をさらに含み、
該第二の治療剤が、代謝拮抗剤(カペシタビン及びゲムシタビンを含む)、成長因子阻害剤(パゾパニブ及びイマチニブを含む);抗体(ハーセプチン及びベバシズマブを含む);分裂抑制剤(パクリタキセル、ビノレルビン、ドセタキセル及びドキソルビシンを含む);抗腫瘍ホルモン剤(レトロゾール、タモキシフェン及びフルベストラントを含む);アルキル化剤(シクロホスファミド及びカルムスチンを含む);金属プラチナ(カルボプラチン、シスプラチン及びオキサリプラチンを含む);トポイソメラーゼ阻害剤(トポテカンを含む)及び免疫抑制薬(エベロリムスを含む)からなる群から選ばれる、
請求項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
請求項1〜の何れか1項に記載の化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体及び1以上の医薬上許容される担体を含み、
剤形が、任意の医薬上許容される剤形の形態である、医薬製剤。
【請求項9】
過形成疾患及び慢性閉塞性肺疾患を治療するための医薬の調製のための、請求項1〜の何れか1項に記載の化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体の使用。
【請求項10】
該過形成疾患が、癌性疾患及び非癌性疾患を含み、
該癌性疾患が、脳腫瘍、肺癌、非小細胞肺癌、扁平上皮細胞、膀胱癌、胃癌、卵巣癌、腹膜癌、膵臓癌、乳癌、頭頚部癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、結直腸癌、肝臓癌、腎癌、食道腺癌、食道扁平上皮癌、充実性腫瘍、非ホジキンリンパ腫、中枢神経系腫瘍(神経膠腫、多形膠芽細胞腫、神経膠肉腫)、前立腺癌又は甲状腺癌からなる群から選ばれ;且つ
該非癌性疾患が、例えば、皮膚又は前立腺の良性過形成である、
請求項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬技術分野に関し、特に、アニリンで置換されたキナゾリン誘導体、その医薬上許容される塩及びその立体異性体、その調製方法、上記化合物を含む医薬組成物及び上記化合物を含む医薬製剤、過形成疾患及び慢性閉塞性肺疾患の治療における上記化合物の使用、並びに過形成疾患及び慢性閉塞性肺疾患の治療のための医薬の製造における上記化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質チロシンキナーゼは、ATPから、タンパク質基質に存在するチロシン残基へ触媒的にリン酸基を転移させ、正常な細胞増殖を行う酵素である。多くの成長因子受容体タンパク質はチロシンキナーゼを介して働き、シグナルの伝導経路に影響し、さらにこのプロセスにより細胞増殖を制御する。しかしながら、いくつかの状況で、これらの受容体は、変異したり、過剰発現することにより異常が生じ、制御されない細胞増殖や、腫瘍増殖をもたらし、ついには、よく知られた疾患(即ち、癌)を引き起こす。成長因子受容体タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤は、上記のリン酸化プロセスの阻害を介して、癌及び制御されない細胞増殖或いは正常な細胞増殖が特徴のその他の疾患を治療し得る。
【0003】
上皮成長因子受容体(EGFR)は、ヒトの身体組織の細胞膜に広く分布する多機能糖タンパク質であり、トリの赤芽球性白血病ウイルス(v-erb-b)の癌遺伝子類似体(oncogene analog)である。ヒトEGFR/HER1/ErbB-1及びHER2 (ヒト上皮成長因子受容体-2)/ErbB-2/Teu/p185、HER3/ErbB-3、HER4/ErbB-4等が、HER/ErbBファミリーに分類され、タンパク質チロシンキナーゼ(PTKs)に属する。EGFR等が、頭頸部の扁平上皮癌、乳癌、直腸癌、卵巣癌、前立腺癌、非小細胞肺癌のような上皮性腫瘍で発現することが、臨床研究で示されている。Pan-HERチロシンキナーゼ阻害剤は、細胞内領域におけるキナーゼ触媒部位へのATPとの競合的結合により、分子内チロシンの自己リン酸化をブロックし、チロシンキナーゼ活性化をブロックし、HERファミリー活性化を阻害し、それにより細胞周期の進行を阻害し、細胞アポトーシスを加速させ、治療効果をもたらす。
【0004】
EGFRは、リガンドが結合した後、HERファミリーのサブグループと二量体を形成し、次いで、ATPと結合し、EGFR自身のチロシンキナーゼ活性を活性化させる。そのため、自己リン酸化が、細胞内キナーゼ領域の複数のチロシン部位で生じる。Pan-HERチロシンキナーゼ阻害剤は、EGFRとHER2/4への同時作用により、HERファミリーの活性化を阻害し、腫瘍増殖阻害に良好な役割を果たす。Pan-HERチロシンキナーゼ不可逆的阻害剤が、EGFRを効果的に阻害すると共に、HER2/4に対する阻害活性を有するということが、研究によって示されている。HER/ErbBファミリー両方への不可逆阻害を有するこの種の医薬は、薬剤活性を増加させるだけではなく、薬剤耐性を減らし、エルロチニブに耐性を示すH1975細胞系に対する実質的な阻害活性を有する。
【0005】
現在市販されている医薬としては、選択的EGFRチロシンキナーゼ阻害剤ゲフィチニブ(Iressa, ZD1839)、エルロチニブ(Tarceva, OSI-774)及び二重EGFR/HER2阻害剤ラパチニブ(Tykerb, GW572016)が挙げられ、それらの構造を以下に示す。これらの三種の薬剤は、すべて可逆的EGF受容体チロシンリン酸化キナーゼ阻害剤である。これらは一部の腫瘍に対して当初は良好な治療作用を有するということが研究によって示されている。しかしながら、治療数か月後には、再び疾患の進行が起こり、それにより、自然的な或いは二次的な薬剤耐性が形成される。
【0006】
【化1】
【0007】
ゲフィチニブ及びエルロチニブのような市販の薬剤が、広く臨床上使用されていることが、文献(Bioorganic & Medicinal Chemistry (2008) 16 page 3482-3488)にて報告されている。末期のNSCLC(非小細胞肺癌)の長期治療は、治療効果にネガティブな影響をもたらす後天的な薬剤耐性を引き起こし得る。
【0008】
可逆的EFG受容体チロシンキナーゼ阻害剤は、EFG受容体チロシンキナーゼとの結合に対してATPと競合すると考えられている。細胞内ATPの相対的に高い濃度(mMオーダー)により、in-vitroアッセイで高い活性を示す可逆的EGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤が、動物疾病モデルで効果を示すことは困難である。不可逆的EGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤は、ATPと競合せず、それゆえ、非可逆的なEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤が、良好なin-vivo活性を有し得るということが期待される。
【0009】
WO97/38983には、不可逆的EGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤が開示されている。これらの阻害剤において、1つのマイケル受容体がキナゾリンの6位に導入され、それにより、マイケル付加反応が、この受容体と、EGF受容体チロシンキナーゼ活性中心(Cys773)のポケットの壁上のシステインの-SHとの間で起こる。さらに、これらの阻害剤の活性及びこれらの阻害剤とシステインの-SHとの間のマイケル付加反応の複雑さには、正の構造機能相関がある。
【0010】
DE10042061 A1には、キナゾリンの7位にラクトン構造を有する4-フェニルアミンキナゾリン誘導体が開示されている。これは、チロシンキナーゼを媒介されるシグナル伝達に対する阻害活性を有すると考えられている。
【0011】
PF-299(Pfizer)及びアファチニブ(BIBW2992)(Boehringer Ingelheim)が臨床段階IIIにあり、ネラチニブ(HKI292)が臨床段階IIにあるということが、文献(Adv Ther (2011) 28(2) p. 1-8)にて報告されている。これらの化合物は、不可逆的チロシンキナーゼ阻害剤であり、EGFR耐性を克服可能であると考えられている。
【0012】
カネルチニブ(CI-1033)が臨床段階IIにあり、一部のタイプの腫瘍に対する活性を有し、実験モデルで毒性がないということが文献(IDrugs (2004) 7(1) p.58-63)にて報告されている。カネルチニブ(CI-1033)は以下の構造を有する:
【0013】
【化2】
【0014】
良好な抗腫瘍効果を有し、薬剤耐性を減らすことが可能であり且つ良好な耐性を有する薬剤を開発する中で、本発明者らは、Pan-HER不可逆的阻害機能を有するキナゾリン誘導体を発見した。
【発明の概要】
【0015】
従って、本発明は、一般式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩及びその立体異性体を提供する:
【0016】
【化3】
【0017】
[式中、
は、非置換の或いは1〜2個のQ置換基で置換された以下の基からなる群から選ばれ:6〜10員の縮合環-C0−6アルキル基、7〜10員のスピロ環-C0−6アルキル基又は7〜10員の架橋環-C0−6アルキル基(該縮合環、スピロ環又は架橋環の1〜3個の炭素原子は、独立して或いは異なってO、S(O)、N(H)、NCH及びC(O)からなる群から選ばれる、1〜3個のヘテロ原子及び/又は基で置き換えられていてもよく、但し、置き換わった後は、環におけるOとC(O)は互いに隣接しない。)、
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシル基、C1−6アルキルアミノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、C1−6アルキルアシルアミノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基及びC3−8シクロアルキル基からなる群から選ばれ;
は、水素、非置換の或いは1〜2個のQ置換基で置換されたC1−6アルキル基若しくはC1−6アルコキシル基、1個のQ置換基で置換されたホルミル基、又はN(H)からなる群から選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシル基、C1−6アルキルアミノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、C1−6アルキルアシルアミノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、C3−8シクロアルキル基、不飽和のC5−7環状ヒドロカルビル、及び飽和又は不飽和の3〜8員のヘテロシクリル(該C3−8シクロアルキル、不飽和のC5−7環状ヒドロカルビル、及び飽和又は不飽和の3〜8員のヘテロシクリルは、1〜2個のQ置換基でさらに置換されていてもよい。)からなる群から選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシル基、C1−6アルキルアミノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、C1−6アルキルアシルアミノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基及びハロゲン置換C1−6アルコキシル基からなる群から選ばれ;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシル基、ハロゲン置換C1−6アルキル基、ハロゲン置換C1−6アルコキシル基、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、C1−6アルキルアシルアミノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6アルキルスルフィニル基又はC1−6アルキルスルホニルアミノ基からなる群から選ばれ;
、R及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシル基、ハロゲン置換C1−6アルキル基、ハロゲン置換C1−6アルコキシル基、C1−6アルキルアミノ基又はジ(C1−6アルキル)アミノ基からなる群から選ばれ;
Lは、共有結合、O、S(O)、N(H)、NCH又はC(O)からなる群から選ばれ;
nは、1、2又は3であり;且つ
mは、0、1又は2である。]。
【0018】
また、本発明は、一般式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体を含む医薬組成物も提供する。
【0019】
また、本発明は、一般式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体及び医薬上許容される担体を含む医薬製剤も提供する。
【0020】
また、本発明は、過形成疾患及び慢性閉塞性肺疾患を治療するための医薬としての、一般式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体、或いは一般式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体を含む医薬組成物も提供する。
【0021】
また、本発明は、過形成疾患及び慢性閉塞性肺疾患の治療のための医薬の製造のための、一般式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体、或いは一般式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体を含む医薬組成物の使用も提供する。
【0022】
また、本発明は、有効量の、一般式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体、或いは一般式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体を含む医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含む、過形成疾患及び慢性閉塞性肺疾患の治療方法も提供する。
【0023】
また、本発明は、以下の工程を含む一般式(I)の化合物を調製するためのプロセスも提供する:反応手順:
【0024】
【化4】
【0025】
[式中、R、R、R、R、R、R、L及びnは、上記で定義した通り;原料1は、US2005/0250761A1に記載の方法に基づき合成したものであり;原料2は、R−LHであり;原料3は、RCH=CH−C(O)Cl又はRCH=CH−COOHである。]
(1) 非プロトン極性有機溶媒に原料2を溶解し、塩基存在下、原料1と反応させて、中間体1を得る工程;
(2) 中間体1を還元剤と反応させて(酸存在下であってもよい)、中間体2を得る工程;及び
(3) 有機溶媒に中間体2を溶解し、有機塩基存在下、原料3と反応させて、式(I)の化合物を得る工程。
【0026】
本明細書中用いられる用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを示す。
【0027】
本明細書で用いられる用語「C1−6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキルを示す。その例としては、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、iso-ペンチル、2-メチルブチル、neo-ペンチル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、iso-ヘキシル、4-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2-メチルペンチル、1-メチルペンチル、3,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、1-メチル-2-メチルプロピル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書で用いられる用語「C1−6アルコキシル」は、「C1−6アルキル−O−」基(C1−6アルキルは上記で定義した通り)を示す。その例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、ペントキシ、neo-ペントキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書で用いられる用語「C3−8シクロアルキル」は、3〜8(例、3、4、5、6、7又は8)個、好ましくは3〜6(例、3〜5)個の炭素原子を含む、単環式飽和炭素環基を示す。その例としては、シクロプロピル、シクロブチル、1-メチルシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書で用いられる用語「C1−6アルキルアミノ」は、「C1−6アルキル−NH−」基(C1−6アルキルは上記で定義した通り)を示す。その例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、ペンチルアミノ、neo-ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本明細書で用いられる用語「ジ(C1−6アルキル)アミノ」は、「(C1−6アルキル)−N−」基(2つのC1−6アルキルは、独立して或いは異なって、上記で定義した通り)を示す。その例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書で用いられる用語「C1−6アルキルカルボニルオキシ」、「C1−6アルキルアシルアミノ」、「C1−6アルキルスルホニル」、「C1−6アルキルスルホニルアミノ」及び「C1−6アルキルスルフィニル」は、それぞれ「C1−6アルキル-C(O)O−」基、「C1−6アルキル-C(O)NH−」基、「C1−6アルキル−SO−」基、「C1−6アルキル−SONH−」基及び「C1−6アルキル−SO−」基(C1−6アルキルは上記で定義した通り)を示す。
【0033】
本明細書で用いられる用語「6〜10員の縮合環」は、6〜10個の炭素原子を含み、互いに隣接する2つの原子を共有する少なくとも2つの環状構造の結合により形成される、飽和又は不飽和の縮合環系(シクロ炭素原子は、独立して或いは異なってO、S(O)、N(H)、NCH及びC(O)からなる群から選ばれる、1〜3個のヘテロ原子及び/又は基で置き換わっていてもよく、但し、置き換わった後は、環におけるOとC(O)は互いに隣接しない。)を示す。その例としては、5,6-ジヒドロイミダゾ[1.2-a]ピラジン-7(8H)-イル、5,6-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-7(8H)-イル、5H-ピロロ[3.4-b]ピリジン-6(7H)-イル、7,8-ジヒドロピリジノ[4.3-d]ピリミジン-6(5H)-イル、2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4.3-c]ピリジン-5(4H)-イル、6,7-ジヒドロチアゾロ[5.4-c]ピリジン-5(4H)-イル、3-メチル-6,7-ジヒドロ-3H-ピラゾロ[4.5-c]ピリジン-5(4H)-イル、2-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロロ-5-イル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書で用いられる用語「7〜10員のスピロ環」は、7-10個の炭素原子を含み、同一原子を共有する少なくとも2つの環により形成される、飽和又は不飽和の縮合環系(シクロ炭素原子は、独立して或いは異なってO、S(O)、N(H)、NCH及びC(O)からなる群から選ばれる、1〜3個のヘテロ原子及び/又は基で置き換えられていてもよく、但し、置き換わった後は、環におけるOとC(O)は互いに隣接しない。)を示す。その例としては、6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル、7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル、8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル、1-メチル-1,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル、2-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル、6-アザスピロ[3.4]オクタン-6-イル、2-オキサ-7-アザスピロ[4.5]デカン-7-イル、2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル、2-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書で用いられる用語「7〜10員の架橋環」は、7〜10個の炭素原子を含み、直接結合しない2つの原子を共有する任意の2つの環によって形成される、飽和又は不飽和の縮合環系(シクロ炭素原子は、独立して或いは異なってO、S(O)、N(H)、NCH及びC(O)からなる群から選ばれる、1〜3個のヘテロ原子及び/又は基で置き換えられていてもよく、但し、置き換わった後は、環におけるOとC(O)は互いに隣接しない。)を示す。その例としては、(1S,4S)-2-メチル-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘキサン、2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、8-メチルビシクロ[3.2.1]オクタン、3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン、7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、3-アザビシクロ[3.3.2]デカン、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
本明細書で用いられる用語「不飽和のC5−7環状ヒドロカルビル」は、5〜7(例、5、6又は7)個の炭素原子を含む単環式不飽和炭素環基を示す。その例としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書で用いられる用語「3〜8員のヘテロシクリル」は、3〜8(例、3、4、5、6、7又は8)個、好ましくは、5〜8個の炭素原子並びに窒素、酸素及び硫黄からなる群から選ばれるヘテロ原子からなる環状系を示す。その例としては、以下の環によって形成される基が挙げられるが、これらに限定されない:アジリジン、2H-アジリジン、ジアジリジン、3H-ジアジリン、アゼチジン、1,2-ジアゼチジン、アゼト、3,4-ジヒドロ-1,2-ジアゼト、ピロール、ピロリン、ピロリジン、イミダゾール、4,5-ジヒドロ-イミダゾール、イミダゾリジン、ピラゾール、4,5-ジヒドロ-ピラゾール、ピラゾリジン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、2-ピリジノン、4-ピリジノン、ピペリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、1,2,4,5-テトラジン、アゼピン、1,2-ジアゼピン、1,3-ジアゼピン、1,4-ジアゼピン、アゾシン、1,4-ジヒドロ-1,4-ジアゾシン、オキシラン、ジオキシラン、チイラン、オキセタン、1,2-ジオキセタン、チエタン、1,2-ジチエト、フラン、テトラヒドロフラン、チエン、2,5-ジヒドロチエン、テトラヒドロチエン、1,3-ジオキソラン、1,3-ジオキソール-2-オン、1,2-ジチオール、1,3-ジチオラン、2H-ピラン、2H-ピラン-2-オン、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン、4H-ピラン、テトラヒドロピラン、4H-ピラン-4-オン、1,4-ジオキシン、1,4-ジチイン、1,4-オキサチイン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、1,3-オキサチアン、オキセピン、チエピン、1,4-ジオキソシン、オキサジリジン、オキサゾール、4,5-ジヒドロオキサゾール、イソオキサゾール、4,5-ジヒドロイソオキサゾール、2,3-ジヒドロイソオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、チアゾール、4,5-ジヒドロチアゾール、イソチアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、2H-1,2-オキサジン、4H-1,2-オキサジン、6H-1,2-オキサジン、2H-1,3-オキサジン、4H-1,3-オキサジン、5,6-ジヒドロ-4H-1,3-オキサジン、6H-1,3-オキサジン、2H-1,4-オキサジン、4H-1,4-オキサジン、2H-1,3-チアジン、4H-1,3-チアジン、5,6-ジヒドロ-4H-1,3-チアジン、6H-1,3-チアジン、2H-1,4-チアジン、4H-1,4-チアジン、モルホリン等。
【0038】
式(I)の本発明化合物は、遊離体として用いられてもよいし、その医薬上許容される塩の形態として用いられてもよい。本発明の式(I)化合物の医薬上許容される塩としては、塩基性基(例、アミノ)の部位で形成される塩及び酸性基(例、ヒドロキシル及びカルボキシル)の部位で形成される塩が挙げられる。塩基性基の部位で形成される塩としては、無機酸と形成する塩(例、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩等);有機カルボン酸と形成する塩(例、酒石酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩等);スルホン酸と形成する塩(例、メシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラ-トシル酸塩、ナフタレンスルホン酸塩等)が挙げられる。酸性基の部位で形成される塩としては、アルカリ金属(例、ナトリウム、カリウム等)と形成する塩;アルカリ土類金属(例、カルシウム、マグネシウム等)と形成する塩;アンモニウム塩;窒素含有有機塩基と形成される塩が挙げられ、上記有機塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルフェニルアミン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N-ベンジル-β-フェニルエチルアミン、1-ジフェニルヒドロキシルメチルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
式(I)の本発明化合物は、可能な限りすべての光学異性体/ジアステレオマーのあらゆる混合物を含み、純粋化合物又は部分的に純粋な化合物を含む。本発明は、これらの化合物のすべての立体異性体を含む。
【0040】
式(I)の本発明化合物は、オレフィン二重結合を含む。別段の定めがない限り、本発明には、そのシス異性体及びそのトランス異性体が含まれる。
【0041】
式(I)の本発明化合物は、互変異性体の形態で存在していてもよい。互変異性体それぞれ及びその混合物が、本発明の範囲に含まれる。
【0042】
一般式(I)の本発明化合物の好ましい一実施形態において、
は、非置換の或いは1〜2個のQ置換基で置換された以下の基からなる群から選ばれ:6〜10員の飽和縮合環-C0−4アルキル基、7〜10員の飽和スピロ環-C0−4アルキル基又は7〜10員の飽和架橋環-C0−4アルキル基(該縮合環、スピロ環又は架橋環の1〜3個の炭素原子は、独立して或いは異なってO、S(O)、N(H)、NCH及びC(O)からなる群から選ばれる、1〜3個のヘテロ原子及び/又は基で置き換えられていてもよく、但し、置き換わった後は、環におけるOとC(O)は互いに隣接しない。)、
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、シアノ、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシル基、C1−4アルキルアミノ基、ジ(C1−4アルキル)アミノ基、C1−4アルキルカルボニルオキシ基、C1−4アルキルアシルアミノ基、C1−4アルキルスルホニル基、C1−4アルキルスルフィニル基、C1−4アルキルスルホニルアミノ及びC3−6シクロアルキルからなる群から選ばれ;
は、水素、非置換の或いは1〜2個のQ置換基で置換されたC1−4アルキル基若しくはC1−4アルコキシル基、1個のQ置換基で置換されたホルミル基、又はN(H)からなる群から選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシル基、C1−4アルキルアミノ基、ジ(C1−4アルキル)アミノ基、C1−4アルキルカルボニルオキシ基、C1−4アルキルアシルアミノ基、C1−4アルキルスルホニル基、C1−4アルキルスルフィニル基、C1−4アルキルスルホニルアミノ基、C3−6シクロアルキル基、不飽和のC5−7環状ヒドロカルビル、及び飽和又は不飽和の5〜8員のヘテロシクリル基(該C3−6シクロアルキル、不飽和のC5−7環状ヒドロカルビル、及び飽和又は不飽和の5〜8員のヘテロシクリルは、1〜2個のQ置換基でさらに置換されていてもよい。)からなる群から選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシル基、C1−4アルキルアミノ基、ジ(C1−4アルキル)アミノ基、C1−4アルキルカルボニルオキシ基、C1−4アルキルアシルアミノ基、C1−4アルキルスルホニル基、C1−4アルキルスルフィニル基、C1−4アルキルスルホニルアミノ基及びハロゲン置換C1−4アルコキシル基からなる群から選ばれ;
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシル基、ハロゲン置換C1−4アルキル基、ハロゲン置換C1−4アルコキシル基、C1−4アルキルカルボニルオキシ基、C1−4アルキルアシルアミノ基、C1−4アルキルスルホニル基、C1−4アルキルスルフィニル基又はC1−4アルキルスルホニルアミノ基からなる群から選ばれ;
、R及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシル基、ハロゲン置換C1−4アルキル基、ハロゲン置換C1−4アルコキシル基、C1−4アルキルアミノ基又はジ(C1−4アルキル)アミノ基からなる群から選ばれ;
Lは、共有結合、O、S(O)又はN(H)からなる群から選ばれ;
nは、1、2又は3であり;且つ
mは、0、1又は2である。
【0043】
一般式(I)の本発明化合物の好ましい他の実施形態において、
は、非置換の或いは1〜2個のQ置換基で置換された以下の基からなる群から選ばれ:
【0044】
【化5】
【0045】
(式中、環の1〜3個の炭素原子は、独立して或いは異なってO、S(O)、N(H)、NCH及びC(O)からなる群から選ばれる、1〜3個のヘテロ原子及び/又は基で置き換えられていてもよく、但し、置き換わった後は、環におけるOとC(O)は互いに隣接せず、
pは、0、1又は2である。)、
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシル基、C1−4アルキルアミノ基、ジ(C1−4アルキル)アミノ基及びC3−6シクロアルキル基からなる群から選ばれ;
は、水素、非置換の或いは1〜2個のQ置換基で置換されたC1−4アルキル基、1個のQ置換基で置換されたホルミル基、又はN(H)からなる群から選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシル基、C1−4アルキルアミノ基、ジ(C1−4アルキル)アミノ基、C1−4アルキルカルボニルオキシ基、C1−4アルキルアシルアミノ基、C1−4アルキルスルホニル基、C1−4アルキルスルホニルアミノ基、C3−5シクロアルキル基、及び飽和又は不飽和の5〜8員のヘテロシクリル基(該C3−5シクロアルキル、飽和又は不飽和の5〜8員のヘテロシクリルは、1〜2個のQ置換基で置換されていてもよい。)からなる群から選ばれ;
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシル基、C1−4アルキルアミノ基、ジ(C1−4アルキル)アミノ基、C1−4アルキルカルボニルオキシ基、C1−4アルキルアシルアミノ基、C1−4アルキルスルホニル基、C1−4アルキルスルホニルアミノ基及びハロゲン置換C1−4アルコキシル基からなる群から選ばれ;
は、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1−4アルキル基又はC1−4アルコキシル基からなる群から選ばれ;
、R及びRは、それぞれ独立して、水素、フルオロ又はクロロからなる群から選ばれ;
Lは、共有結合、O、S(O)又はN(H)からなる群から選ばれ;
nは、1、2又は3であり;且つ
mは、0、1又は2である。
【0046】
一般式(I)の本発明化合物の好ましい他の実施形態において、
は、非置換の或いは1〜2個のQ置換基で置換された以下の基からなる群から選ばれ:
【0047】
【化6】
【0048】
(式中、pは、0、1又は2である。)、
は、ハロゲン、アミノ、C1−4アルキル基、C1−4アルキルアミノ基及びジ(C1−4アルキル)アミノ基からなる群から選ばれ;
は、水素、非置換の或いは1〜2個のQ置換基で置換されたメチル、非置換の或いは1〜2個のQ置換基で置換されたエチル、1個のQ置換基で置換されたホルミル基、又はN(H)からなる群から選ばれ;
は、
(1) ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C1−4アルコキシル基、C1−4アルキルアミノ基、ジ(C1−4アルキル)アミノ基、アセトキシル、アセトアミド、メチルスルホニル及びメチルスルホニルアミノ、
(2) シクロプロピル、シクロペンチル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピラジニル及びピリミジニル(これらのQ基は、1〜2個のQ置換基でさらに置換されていてもよい。)
からなる群から選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシル基、C1−4アルキルアミノ基、ジ(C1−4アルキル)アミノ基、ハロゲン置換C1−4アルコキシル、アセトキシル、アセトアミド、メチルスルホニル及びメチルスルホニルアミノからなる群から選ばれ;
は、フルオロ又はクロロからなる群から選ばれ;
、R及びRは、水素であり;
Lは、共有結合又はOからなる群から選ばれ;
nは、2であり;且つ
mは、0、1又は2である。
【0049】
一般式(I)の本発明化合物の好ましい他の実施形態において、
は:
【0050】
【化7】
【0051】
からなる群から選ばれ;
は、水素、非置換の或いは1〜2個のQ置換基で置換されたメチル又は非置換の或いは1〜2個のQ置換基で置換されたエチルからなる群から選ばれ、
は:
(1) メトキシ及びジ(C1−4アルキル)アミノ基、
(2) ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、フリル、シクロプロピル、シクロペンチル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル及びチアゾリル(これらのQ基は、1〜2個のQ置換基でさらに置換されていてもよい。)
からなる群から選ばれ、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシル基、C1−4アルキルアミノ基、ジ(C1−4アルキル)アミノ基及びハロゲン置換C1−4アルコキシル基からなる群から選ばれ;
は、フルオロ又はクロロからなる群から選ばれ;
、R及びRは、水素であり;
Lは、共有結合又はOからなる群から選ばれ;且つ
nは、2である。
【0052】
一般式(I)の本発明化合物の好ましい他の実施形態おいて、
は:
【0053】
【化8】
【0054】
からなる群から選ばれ;
は、水素、非置換の或いは1〜2個のQ置換基で置換されたメチル又は非置換の或いは1〜2個のQ置換基で置換されたエチルからなる群から選ばれ、
は、メトキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルからなる群から選ばれ;
は、フルオロ又はクロロからなる群から選ばれ;
、R及びRは、水素であり;
Lは、共有結合又はOからなる群から選ばれ;且つ
nは、2である。
【0055】
本発明の特に好ましい化合物としては、以下の化合物、その医薬上許容される塩及びその立体異性体が挙げられる:
【0056】
【表A-1】
【0057】
【表A-2】
【0058】
【表A-3】
【0059】
【表A-4】
【0060】
一般式(I)の本発明化合物の調製の実施形態において、一般式(I)の本発明化合物は、以下の具体的な工程により調製することができる:
反応手順:
【0061】
【化9】
【0062】
上記の反応手順において、R、R、R、R、R、R、L及びnは、上記で定義した通り;原料1は、US2005/0250761A1に記載された方法に基づいて合成したものであり;原料2は、R−LHであり;原料3は、RCH=CH−C(O)Cl又はRCH=CH−COOHである。
【0063】
1.中間体1の調製
(1) 原料2を、非プロトン極性溶媒(例、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、アセトニトリル又はジオキサン)に溶解する。混合物に、アルカリ(例、NaH、炭酸カリウム、トリエチルアミン又はDIEA(ジイソプロピルエチルアミン))を撹拌しながらまとめて加える。次いで、混合物に原料1の固体を加える。反応は、室温或いは加熱還流下で数時間行う。
(2) 反応を室温に放冷し、水を加え、混合物をろ過し、ろ過ケーキを真空下で乾燥し、中間体1を得る。或いは、反応を室温に放冷し、水を加え、混合物を有機溶媒(例、酢酸エチル、ジクロロメタン又はクロロホルム)で抽出し、次いで、有機層を留去乾燥し、中間体1を得る。
【0064】
2.中間体2の調製
(1) 中間体1をまとめて溶媒(例、エタノール又はTHF等)(酸(例、酢酸又は希塩酸等)が含まれていてもよい)に加える。次いで、還元剤(例、Fe粉末、Zn粉末、Pd/C又はRaney−Ni等)を加える。反応は室温或いは加熱下で行う。
(2) 反応完結後、反応混合物を室温に放冷し、有機溶媒(例、ジクロロメタン、酢酸エチル又はクロロホルム等)で抽出し、有機層を留去乾燥し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルカラム又は分取クロマトグラフィカラム)で精製し、中間体2を得る。
【0065】
3.式(I)の化合物の調製
(1) 中間体2を有機溶媒(例、THF、ジクロロメタン、アセトニトリル又はDMF等)に溶解し、続いて、混合物に、有機塩基(例、トリエチルアミン又はDIEA等)及び原料3を加え、混合物を室温で数時間撹拌し、反応させる。或いは、中間体2、原料3及び有機塩基(例、DIEA又はトリエチルアミン等)を有機溶媒(例、ジクロロメタン、DMF、THF、アセトニトリル又はDMF等)に溶解し、縮合剤(例、HATU(2-(7-アゾベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)又はDCC(N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド)等)を加える。
(2) 水を反応混合物に加え、混合物を有機溶媒(例、ジクロロメタン、酢酸エチル又はクロロホルム等)で抽出し、有機層を合わせ、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルカラム又は分取クロマトグラフィカラム)で精製し、式(I)の化合物を得た。
【0066】
一般式(I)の本発明化合物、その医薬上許容される塩及びその立体異性体は、哺乳動物(例、ヒト)に経口的、非経口的(静脈内、筋肉内、皮下又は経直腸的等)、経肺的及び局所的に投与してもよい。本発明化合物の1日投与量は、約1から約1000mgであってもよい。
【0067】
式(I)の本発明化合物又は医薬上許容される塩、又はその立体異性体は単独で或いは他の治療剤(特に、抗腫瘍剤及び免疫抑制剤からなる群から選ばれる第二の治療剤)と組み合わせて投与してもよい。上記第二の治療剤は、代謝拮抗剤(例えば、カペシタビン、ゲムシタビン等が挙げられるがこれらに限定されない);成長因子阻害剤(例えば、パゾパニブ、イマチニブ等が挙げられるがこれらに限定されない);抗体(例えば、ハーセプチン、ベバシズマブ等が挙げられるがこれらに限定されない);分裂抑制剤(例えば、パクリタキセル、ビノレルビン、ドセタキセル、ドキソルビシン等が挙げられるがこれらに限定されない);抗腫瘍ホルモン剤(例えば、レトロゾール、タモキシフェン、フルベストラント等);アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、カルムスチン等が挙げられるがこれらに限定されない);金属プラチナ(例えば、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン等が挙げられるがこれらに限定されない);トポイソメラーゼ阻害剤(例えばトポテカン等が挙げられるがこれらに限定されない);免疫抑制薬(例えばエベロリムス等が挙げられるがこれらに限定されない)からなる群から選ばれる。投与される成分すべては、単一製剤の形態で或いは分割製剤の組み合わせとして、同時に或いは連続的に且つ別々に投与してもよい。
【0068】
式(I)の本発明化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体は、過形成疾患及び慢性閉塞性肺疾患の治療に用いてもよい。過形成疾患としては、癌性疾患及び非癌性疾患が挙げられる。癌性疾患は、脳腫瘍、肺癌、非小細胞肺癌、扁平上皮細胞、膀胱癌、胃癌、卵巣癌、腹膜癌、膵臓癌、乳癌、頭頚部癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、結直腸癌、肝臓癌、腎癌、食道腺癌、食道扁平上皮癌、充実性腫瘍、非ホジキンリンパ腫、中枢神経系腫瘍(神経膠腫、多形膠芽細胞腫、神経膠肉腫(glioma sarcomatosum))、前立腺癌又は甲状腺癌からなる群から選ばれる。非癌性疾患は、例えば、皮膚又は前立腺の良性過形成である。
【0069】
本発明は、上述のような、一般式(I)の本発明化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体、並びに1以上の医薬上許容される担体及び/又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。上記組成物は、一般式(I)の本発明化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体、並びに1以上の従来の医薬上許容される担体及び/又は希釈剤を混合することにより調製することができる。上記組成物は、それを必要とする患者に、経口的、非経口的、経肺的又は局所的に投与するための、いかなる臨床上或いは医薬上許容される投薬形態としても得ることができる。
【0070】
経口投与のために、一般式(I)の本発明化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体は、従来の固体製剤(例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤等)又は経口液体製剤(例えば、経口液剤、経口懸濁液剤、シロップ剤等)の形態であってもよい。経口製剤の調製のために、適切なフィラー、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、希釈剤等を加えてもよい。従来のフィラーとしては、デンプン、粉砂糖、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム二水和物、デキストリン、微結晶性セルロース、ラクトース、アルファデンプン、マンニトール等が挙げられる。従来の結合剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、PVP−K30、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプンのり、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒプロメロース、糊化デンプン等が挙げられる。従来の崩壊剤としては、乾燥デンプン、ポリビニルポリピロリドン(cPVP)、クロスカルメロースナトリウム、ナトリウムカルボキシメチルデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。従来の潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク粉末、ドデシル硫酸ナトリウム、アカシアゴム等が挙げられる。従来の希釈剤としては、水、エタノール、グリセリン等が挙げられる。
【0071】
非経口投与のために、従来の方法に基づいて、一般式(I)の本発明化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体は、注射用製剤(注射液、滅菌粉末注射剤及び濃縮注射液を含む)の形態であってもよい。注射用製剤を調製するために、医薬品製造における従来の方法を用いてもよく、水性溶媒又は非水性溶媒を用いてもよい。最も一般的に用いられる水性溶媒は、注射用水である。また、0.9%NaCl水溶液又はその他の適切な水溶液も用いてもよい。最も一般的に用いられている非水性溶媒は、植物油(例えば、注射用大豆油等)である。また、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の水溶液も用いてもよい。注射用製剤を調製するために、薬剤の性質に合わせて添加剤を加えてもよい。添加剤としては、浸透圧調整剤、pH値調整剤、可溶化剤、フィラー、酸化防止剤、静菌剤、乳化剤、懸濁化剤等が挙げられる。
【0072】
直腸的、経肺的又は局所的な投与のために、一般式(I)の本発明化合物、その医薬上許容される塩又はその立体異性体は、従来の方法に基づいて、坐薬、吸入剤、噴霧剤、軟膏、クリーム剤、ゲル、散剤、ローション剤、ドロップ剤、経皮パッチ等の形態であってもよい。
【0073】
本発明は優れた抗腫瘍効果を有することを示している。したがって、本発明は過形成疾患及び慢性閉塞性肺疾患に対する良好な治療効果が期待され、薬剤耐性の形成を減らすことが期待される。さらに、本発明化合物は調製が容易であり、本発明は安定性を有しており、それゆえ本発明は、工業規模の生産が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0074】
以下実施例は、発明について例示することを意図し、その範囲を限定することを意図しない。上記開示内容に基づいて達成可能なすべての技術的解決法は本発明の範囲内に含まれる。
実施例において、使用した原料は、例えば、Jingyan Chemicals (上海);Titan chemical(上海);Darui (上海);Ouhechem (北京);Tetranov Biopharm (鄭州);Guanghan Bio-Tech (四川);Accela ChemBio (上海);Alfa Aesar (天津);TCI (上海);J&K (北京);及びBepharm (上海)から入手できる。
【0075】
便宜上、以下のよく知られた略語を、化合物を示すために以下で用いる。
【0076】
DMF: ジメチルホルムアミド
THF: テトラヒドロフラン
DIPEA/DIEA: ジイソプロピルエチルアミン
EA: 酢酸エチル
EtOH: エタノール
DCM: ジクロロメタン
MeOH: メタノール
HATU: 2-(7-アゾベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩
DCC: N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド
EDC: 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
DMAP: 4-ジメチルアミノピリジン
【0077】
I.本発明化合物の調製例
本発明化合物の原料としてN-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミンを、US2005/0250761A1に基づいて調製した:
【0078】
【化10】
【0079】
その工程は以下の通り:
反応手順:
【0080】
【化11】
【0081】
2-アミノ-4-フルオロ安息香酸、酢酸及びホルムアミジンを2-メトキシエタノールの存在下加熱還流しながら反応させ、7-フルオロ-3H-キナゾリン-4-オンを得た。得られた生成物を硝化し7-フルオロ-6-ニトロ-3H-キナゾリン-4-オンを得、さらに塩化チオニルで処理し、4-クロロ-6-ニトロ-7-フルオロキナゾリンを得た。得られた生成物をイソプロパノールに溶解し、4-フルオロ-3-クロロフェニルアミンを加え、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミンを得た。
【0082】
実施例1
(E)-N-[7-(8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)キナゾリン-6-イル]-4-(ピペリジン-1-イル)-2-ブテンアミド (化合物1) の調製
【0083】
【化12】
【0084】
(1) 7-(8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0085】
【化13】
【0086】
NaH (468mg,12mmol)が入った丸底フラスコに、氷浴下、DMF(20mL)を加え、次いで8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール(1.0g,7.8mmol)のDMF(2mL)溶液を滴下した。混合物を30分間撹拌した。次いで、そこにN-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(1.75g, 5.2mmol)をまとめて加えた。混合物を室温に自然昇温し、終夜反応させた。水(60mL-80mL)を加えた。形成した沈殿物を、吸引ろ過し、固体を得、真空下で乾燥し、7-(8-オキサビシクロ[3,2,1]オクタン-3-イルオキシ)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(2.3g) を収率100%で得た。
【0087】
(2) 7-(8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)-N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0088】
【化14】
【0089】
7-(8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (2.3g, 5.2mmol) を氷酢酸及びエタノール (氷酢酸/エタノール=1/3)の混合溶液(120mL)に溶解した。次いで、Fe粉末 (2.04g, 36.4mmol)を加えた。混合物を室温に自然昇温し、終夜反応させた。反応を吸引ろ過し、エタノールを真空下で除去した。適切な量の水を加えた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、混合物を中性にした。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、粗生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィ (DCM/メタノール=10/1で溶出)で精製し、7-(8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)-N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)キナゾリン-4,6-ジアミン (500mg) を収率23%で得た。
【0090】
(3) (E)-N-[7-(8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)キナゾリン-6-イル]-4-ブロモ-2-ブテンアミドの調製
【0091】
【化15】
【0092】
7-(8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)-N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)キナゾリン-4,6-ジアミン (500mg,1.2mmol)をジクロロメタン (20mL)に溶解した。混合物にトリエチルアミン (976mg)及び(E)-4-ブロモ-2-ブテノイル クロリド (275mg, 1.5mmol)を順次加えた。混合物を室温で12 時間撹拌し、反応に適切な量の水を加えた。反応を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、粗生成物を得、精製することなく直接次の工程に用いた。
【0093】
(4) (E)-N-[7-(8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)キナゾリン-6-イル]-4-(ピペリジン-1-イル)-2-ブテンアミドの調製
【0094】
【化16】
【0095】
前工程の生成物(E)-N-[7-(8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)キナゾリン-6-イル]-4-ブロモ-2-ブテンアミドを、アセトニトリル (20mL) に溶解した。ピペリジン (205mg, 2.4mmol)及び炭酸セシウム (787mg, 2.4mmol)を加えた。40℃で12 時間撹拌し反応させた。適切な量の水を反応に加えた。反応をジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=5/1で溶出)で精製し、(E)-N-[7-(8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)キナゾリン-6-イル]-4-(ピペリジン-1-イル)-2-ブテンアミド (20mg)を収率3%で得た。
分子式: C30H33ClFN5O3
質量スペクトル (m/e): 566.3 (M+1) 283.6(M/2)
1HNMR: (400MHz, CDCl3) δ9.13(s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.00 (d, 1H), 7.54 (m, 2H), 7.18 (t, 1H), 7.07 (m, 1H), 6.22 (d, 1H), 4.98 (m, 1H), 4.60 (m, 2H), 3.25 (m, 2H), 2.51 (m, 4H), 2.23 (m, 4H), 1.88-2.03 (m,10H).
【0096】
実施例2
(E)-N-[7-(7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルオキシ)-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)キナゾリン-6-イル]-4-(ピペリジン-1-イル)-2-ブテンアミド (化合物2) の調製
【0097】
【化17】
【0098】
(1) 7-(7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルオキシ)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0099】
【化18】
【0100】
NaH (531mg, 22mmol)を入れた丸底フラスコに、氷浴下、DMF (20mL)を加え、次いで、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール (1.0g, 8.8mmol) のDMF (2mL)溶液を滴下した。混合物を30分間撹拌した。ついで、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (1.98g, 5.9mmol)を一気に加えた。混合物を室温に自然昇温し、終夜反応させた。水 (60mL-80mL)を加えた。形成した沈殿物を吸引ろ過し、ろ過ケーキを得、真空下で乾燥し、7-(7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルオキシ)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (2.5g)を収率100%で得た。
【0101】
(2) 7-(7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルオキシ)-N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0102】
【化19】
【0103】
7-(7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルオキシ)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (2.5g, 5.8mmol)を、氷酢酸及びエタノール (氷酢酸/エタノール=1/3)の混合溶液(120mL)に溶解した。次いで、Fe粉末 (2.28g, 40.7mmol)を加えた。混合物を室温に自然昇温し、終夜反応させた。反応を吸引ろ過し、エタノールを真空下で除去した。適切な量の水を加えた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、混合物を中性にした。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、粗生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィ (DCM/メタノール=10/1で溶出) で精製し、7-(7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルオキシ)-N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)キナゾリン-4,6-ジアミン(600mg) を収率25%で得た。
【0104】
(3) (E)-N-[7-(7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルオキシ)-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)キナゾリン-6-イル]-4-ブロモ-2-ブテンアミドの調製
【0105】
【化20】
【0106】
7-(7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルオキシ)-N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)キナゾリン-4,6-ジアミン(600mg, 1.5mmol)を、ジクロロメタン (20mL)に溶解した。混合物に、トリエチルアミン (1.21g)及び(E)-4-ブロモ-2-ブテノイルクロリド (366mg, 2.0mmol)を順次加えた。混合物を室温で12 時間撹拌した。適切な量の水を反応に加えた。反応を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、粗生成物を得、精製することなく直接次の工程に用いた。
【0107】
(4) (E)-N-[7-(7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルオキシ)-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)キナゾリン-6-イル]-4-(ピペリジン-1-イル)-2-ブテンアミドの調製
【0108】
【化21】
【0109】
前工程の生成物(E)-N-[7-(7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルオキシ)-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)キナゾリン-6-イル]-4-ブロモ-2-ブテンアミドをアセトニトリル (20mL)に溶解した。ピペリジン (255mg, 3.0mmol)及び炭酸セシウム (978mg, 3.0mmol) を加えた。40℃で12 時間撹拌しながら反応させた。適切な量の水を反応に加えた。反応をジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=5/1で溶出)で精製し、(E)-N-[7-(7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルオキシ)-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)キナゾリン-6-イル]-4-(ピペリジン-1-イル)-2-ブテンアミド (25mg) を収率3%で得た。
分子式: C29H31ClFN5O3
質量スペクトル (m/e): 552.2 (M+1)
1HNMR: (400MHz, CDCl3) δ9.13(s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.97 (d, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.54 (m, 1H), 7.18 (m, 2H), 6.23 (d, 1H), 4.80 (m, 2H), 4.64 (m, 1H), 3.23 (m, 2H), 2.49 (m, 4H), 2.20 (m, 2H), 1.88-2.03 (m, 10H).
【0110】
実施例3
(E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル)キナゾリン-6-イル]-4-(ピペリジン-1-イル)-2-ブテンアミド (化合物3) の調製
【0111】
【化22】
【0112】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0113】
【化23】
【0114】
2-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン(500mg,3.2mmol)、炭酸カリウム (1.0g,7.2mmol)及びN-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (560mg,1.7mmol) をアセトニトリル (20mL)に溶解した。混合物を加え82℃にし、4 時間反応させた。反応を室温に放冷した。水 (30mL) を加えた。反応を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=40/1で溶出) で精製し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(600mg) を収率75%で得た。
【0115】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0116】
【化24】
【0117】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(600mg,1.3mmol) をエタノール (9mL)及び酢酸 (3mL)に溶解した。混合物を加え80℃にし、2 時間反応させた。反応完結後、溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、乾燥し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-メチル-2,7-ジアザスピロ[4,5]デカン-7-イル)キナゾリン-4,6-ジアミン (500mg) を収率87%で得た。
【0118】
(3) (E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル)キナゾリン-6-イル]-4-ブロモ-2-ブテンアミドの調製
【0119】
【化25】
【0120】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル)キナゾリン-4,6-ジアミン(500mg, 1.1mmol)及び(E)-4-ブロモ-2-ブテノイル クロリド (1.1g, 6mmol) をTHF (20mL)に溶解した。混合物にDIPEA (2mL)を順次加えた。混合物を室温で1 時間撹拌した。溶液に水 (30mL)を加えた。溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、留去乾燥した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=60/1で溶出)で精製し、(E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル)キナゾリン-6-イル]-4-ブロモ-2-ブテンアミド (230mg) を収率36%で得た。
【0121】
(4) (E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル)キナゾリン-6-イル]-4-(ピペリジン-1-イル)-2-ブテンアミドの調製
【0122】
【化26】
【0123】
(E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル)キナゾリン-6-イル]-4-ブロモ-2-ブテンアミド (240mg, 0.4mmol)、ピペリジン (70mg, 0.8mmol)及び炭酸カリウム (110mg, 0.8mmol) をアセトニトリル (20mL)に溶解した。混合物を50 ℃で8 時間反応させた。反応完結後、反応混合物に適切な量の水を加えた。反応を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮した。濃縮物シリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=15/1で溶出)で精製し、(E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル)キナゾリン-6-イル]-4-(ピペリジン-1-イル)-2-ブテンアミド(18mg) を収率8%で得た。
分子式: C32H39ClFN7O
質量スペクトル (m/e): 592.3 (M+1), 296.6(M/2)
1HNMR: (400MHz, CDCl3) δ9.00(s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.99 (d, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.08 (m, 2H), 6.16 (d, 1H), 3.21 (d, 2H), 2.90-3.20 (m, 7H), 2.46-2.78 (m, 5H), 2.38 (s, 3H), 1.28-1.79 (m,12H).
【0124】
実施例4
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (化合物4)の調製
【0125】
【化27】
【0126】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0127】
【化28】
【0128】
8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール (0.7g, 5mmol) をDMF (20mL)に溶解した。60% 水素化ナトリウム (0.4g, 10mmol) をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し、1 時間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (1.12g, 3.3mmol)を加えた。混合物を50℃で終夜撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (560mg) を収率37%で得た。
【0129】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0130】
【化29】
【0131】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(560mg,1.22mmol) を酢酸及びエタノール (CH3COOH/EtOH=1/3)の混合溶媒 (20mL) に溶解した。次いで、Fe粉末 (343mg, 6.12mmol)を加えた。混合物を70℃に昇温し、1 時間撹拌した。反応完結後、混合物を減圧下ロータリーエバポレートし、EtOHを除去した。水 (30mL) を加えた。混合物をEAで抽出し、混合物を1mol/L NaOH 溶液で塩基性に調整した。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (360mg) を収率69%で得た。
【0132】
(3) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミドの調製
【0133】
【化30】
【0134】
アクリル酸 (243mg, 3.37mmol) をDMF (10mL)に溶解した。得られた混合物に氷浴下にてDMAP (162mg, 1.35mmol)、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン(360mg, 0.84mmol)及びEDC (193mg, 1.01mmol)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。残渣をジエチルエーテルで洗浄し、N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルオキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (54mg) を収率13%で得た。
分子式: C25H25ClFN5O2
質量スペクトル (m/e): 482.2 (M+1), 241.6(M/2)
1HNMR: (400MHz, DMSO-d6) δ9.78 (s, 1H), 9.55(s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.14 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.41 (t, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.58 (m, 1H), 6.30 (d, 1H), 5.80 (d, 1H), 4.83 (m, 1H), 3.03 (m, 2H), 2.12 (s, 3H), 2.10 (m, 2H), 1.88 (m, 6H).
【0135】
実施例5
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イルオキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (化合物5) の調製
【0136】
【化31】
【0137】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イルオキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0138】
【化32】
【0139】
8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-オール (0.4g, 2.5mmol) をDMF (60mL)に溶解した。60% 水素化ナトリウム (0.4g, 10mmol) をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し、1時間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (1.12g, 3.3mmol)を加えた。混合物を50℃で終夜撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イルオキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (1.0g) を収率82%で得た。
【0140】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イルオキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0141】
【化33】
【0142】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イルオキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (1.0g, 2.05mmol) を酢酸及びエタノール (CH3COOH/EtOH=1/3)の混合溶媒 (80mL)に溶解した。混合物にFe粉末 (1.5g, 26mmol)を加えた。混合物を70℃に昇温し、1 時間撹拌した。反応完結後、混合物を減圧下ロータリーエバポレートし、EtOHを除去した。水 (30mL) を加えた。混合物を 1mol/L NaOH 溶液で塩基性に調製した。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イルオキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン(400mg) を収率43%で得た。
【0143】
(3) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イルオキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミドの調製
【0144】
【化34】
【0145】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イルオキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン(400mg, 0.9mmol) をDCM (20mL)に溶解した。得られた混合物に、トリエチルアミン (0.3mL)及びアクリロイル クロリド (81mg, 0.9mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=5/1で溶出) で精製し、N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イルオキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド(100mg) を収率22%で得た。
分子式: C26H27ClFN5O3
質量スペクトル (m/e): 512.2 (M+1), 256.6(M/2)
1HNMR: (400MHz, CDCl3) δ9.15(s, 1H), 8.64(s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.96 (d, 1H), 7.55 (m, 2H), 7.16 (t, 1H), 7.12 (s, 1H), 6.50 (d, 1H), 6.35 (m, 1H), 5.92 (d, 1H), 5.20 (m, 1H), 4.23 (m, 2H), 3.07(m, 1H), 2.96 (m, 2H), 2.64 (s, 3H), 2.38 (m, 4H), 2.04 (d, 1H), 1.84 (d, 1H), 1.44(t, 1H).
【0146】
実施例6
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (化合物6) の調製
【0147】
【化35】
【0148】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0149】
【化36】
【0150】
(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イル)メタノール (300mg, 1.08mmol) をDMF (20mL)に溶解した。60% 水素化ナトリウム (97mg, 2.43mmol) をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し、1 時間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(362mg, 1.08mmol) を加えた。混合物を50℃で終夜撹拌した。反応完結後、大量の水を加えた。混合物をろ過し、ろ過ケーキを真空下で乾燥し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (516mg) を収率95%で得た。
【0151】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0152】
【化37】
【0153】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (516mg, 1.03mmol) を、酢酸及びエタノール (CH3COOH/EtOH=1/3)の混合溶媒 (60mL)に溶解した。混合物にFe粉末 (346mg, 6.18mmol)を加えた。混合物を室温で12 時間撹拌した。反応完結後、混合物を減圧下ロータリーエバポレートし、EtOHを除去した。水 (30mL)を加えた。混合物を1mol/L NaOHで塩基性に調整した。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=10/1で溶出)で精製し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (100mg) を収率21%で得た。
【0154】
(3) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミドの調製
【0155】
【化38】
【0156】
反応フラスコで、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (100mg, 0.21mmol)をジクロロメタン (10mL)に溶解した。混合物を、0 ℃に冷却した。トリエチルアミン (42mg, 0.42mmol) を反応フラスコに加えた。アクリロイル クロリド(17mg, 0.19mmol) をDCM (1mL)に溶解した。得られた溶液を、ゆっくり反応フラスコに加えた。混合物を室温で30分間反応させた。反応を、蒸留水 (10mL)で三回洗浄し、減圧下で留去し、ジクロロメタンを除去し、粗の黄色粉末状生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィ (DCM/MeOH=15/1で溶出) で精製し、淡黄色粉末固体としてN-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-3-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (15mg) を収率14%で得た。
分子式: C27H29ClFN5O3
質量スペクトル (m/e): 526.2 (M+1), 263.6(M/2)
1HNMR:(400MHz, CDCl3) δ9.10(s, 1H), 8.63(s, 1H), 8.32 (s, 1H), 7.86 (d, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.48(d, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.10 (m, 1H), 6.48 (d, 1H), 6.38 (m, 1H), 5.86 (d, 1H), 4.18 (t, 2H), 4.08 (t, 1H), 3.87(t, 1H), 2.91 (s, H), 2.60 (m, 4H), 2.36 (m, 3H), 2.13(t, 1H), 1.80-2.11(m, 4H), 1.60(m, 1H).
【0157】
実施例7
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-2-イルメトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (化合物7) の調製
【0158】
【化39】
【0159】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-2-イルメトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0160】
【化40】
【0161】
8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-2-イルメタノール(280mg, 1.5mmol) をDMF (20mL)に溶解した。60% 水素化ナトリウム(1.1g,27mmol)をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し1 時間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (508mg, 1.5mmol)を加えた。混合物を50℃で終夜撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-2-イルメトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(380mg) を収率50%で得た。
【0162】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-2-イルメトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0163】
【化41】
【0164】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-2-イルメトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (380mg, 0.76mmol) を、酢酸及びエタノール (CH3COOH/EtOH=1/3)の混合溶媒 (8mL)に溶解した。混合物にFe粉末 (343mg, 6.12mmol)を加えた。混合物を70℃に昇温し、1 時間撹拌した。 反応完結後、混合物を減圧下ロータリーエバポレートし、EtOHを除去し、水 (30mL)を加えた。混合物を1mol/L NaOH 溶液で塩基性に調整した。混合物 を酢酸エチルで抽出した。有機層を、減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=15/1で溶出) で精製し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-2-イルメトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (180mg) を収率50%で得た。
【0165】
(3) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-2-イルメトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミドの調製
【0166】
【化42】
【0167】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-2-イルメトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン(175mg, 0.38mmol) をジクロロメタン (30mL)に溶解した。トリエチルアミン (77mg) を加えた。アクリロイル クロリド (31mg, 0.34mmol)を氷浴下滴下した。混合物を室温で 0.5 時間撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=20/1で溶出)で精製し、N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(8-メチル-1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-2-イルメトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド(14mg) を収率8%で得た。
分子式: C27H29ClFN5O3
質量スペクトル (m/e): 526.2 (M+1), 263.7(M/2)
1HNMR (400MHz, CDCl3) δ8.92 (s, 1H), 8.55(s, 1H), 7.98 (d, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.20(s, 1H), 7.13 (t, 1H), 6.47 (d, 2H), 5.86 (d, 1H), 4.47 (m, 1H), 4.24 (d, 1H), 4.10 (t, 1H), 3.05 (m, 4H), 2.49 (s, 3H), 1.78-1.97 (m,8H).
【0168】
実施例8
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (化合物8) の調製
【0169】
【化43】
【0170】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)エトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0171】
【化44】
【0172】
2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)エタノール (0.2g, 1.4mmol) をDMF (10mL)に溶解した。60% 水素化ナトリウム (1.12g, 2.8mmol)をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し、30分間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(470mg, 1.4mmol)を加えた。混合物を50℃で終夜撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)エトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (500mg) を収率78%で得た。
【0173】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0174】
【化45】
【0175】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イルエトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (500mg, 1.1mmol) をEtOH (10mL)及びCH3COOH (3mL)の混合溶媒に溶解した。混合物にFe粉末 (343mg, 6.12mmol)を加えた。室温で 12 時間撹拌しながら反応させた。反応完結後混合物を減圧下ロータリーエバポレートし、EtOHを除去した。水 (30mL)を加えた。混合物を1mol/L NaOH 溶液で塩基性に調整した。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=10/1で溶出)で精製し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イルエトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン(200mg) を収率43%で得た。
【0176】
(3) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミドの調製
【0177】
【化46】
【0178】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (200mg, 0.47mmol) をジクロロメタン (20mL)に溶解した。トリエチルアミン (200mg)及びアクリロイル クロリド (43mg, 0.47mmol) を氷浴下加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=5/1で溶出)で精製し、N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド 40mg) を収率18%で得た。
分子式: C25H25ClFN5O2
質量スペクトル (m/e): 482.2 (M+1), 241.6 (M/2)
1HNMR (400MHz, CDCl3) δ9.15(s, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.83 (d, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.22 (t, 1H), 7.05 (m, 1H), 6.49 (d, 1H), 5.86 (d, 1H), 4.38 (t, 2H), 3.78 (d, 2H), 3.10 (d, 2H), 2.80 (s, 3H), 2.39 (m, 1H), 1.83 (m, 2H), 1.74 (m, 2H).
【0179】
実施例9
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((2-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロロ-4-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (化合物9)の調製
【0180】
【化47】
【0181】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((2-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロロ-4-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0182】
【化48】
【0183】
(2-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロロ-4-イル)メタノール (380mg, 2.45mmol)をDMF (20mL)に溶解した。60% 水素化ナトリウム (1.6g, 40mmol) をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し、1 時間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (1.08g, 3.2mmol) を加えた。混合物を50℃で終夜撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((2-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロロ-4-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(318mg) を収率28%で得た。
【0184】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((2-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロロ-4-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン
【0185】
【化49】
【0186】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((2-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロロ-4-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(318mg, 0.68mmol)を酢酸及びエタノール (CH3COOH/EtOH=1/3)の混合溶媒 (8mL)に溶解した。混合物にFe粉末 (200mg, 3.57mmol)を加えた。混合物を70℃に昇温し、1.5 時間撹拌した。反応完結後、混合物を減圧下ロータリーエバポレートし、EtOHを除去した。水 (30mL)を加えた。混合物を1mol/L NaOH 溶液で塩基性に調整した。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下でロータリーエバポレートし、乾燥した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=15/1で溶出) で精製し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((2-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロロ-4-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン(90mg) を収率30%で得た。
【0187】
(3) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((2-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロロ-4-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミドの調製
【0188】
【化50】
【0189】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((2-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロロ-4-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン(80mg, 0.18mmol) を、ジクロロメタン (30mL)に溶解した。トリエチルアミン (40mg) を加えた。アクリロイル クロリド (16mg, 0.18mmol) を氷浴下滴下した。混合物を室温で0.5 時間撹拌した。 反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=20/1で溶出)で精製し、N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((2-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロロ-4-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (20mg) を収率22%で得た。
分子式: C26H27ClFN5O2
質量スペクトル (m/e): 496.3(M+1), 248.7(M/2)
1HNMR (400MHz, CDCl3) δ8.79 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 7.96 (d, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.15 (m, 1H), 6.70 (m, 1H), 6.51 (d, 1H), 5.85 (d, 1H), 4.18 (m, 1H), 4.10 (m,1H), 3.41-3.95 (m, 2H), 3.38 (d, 1H), 3.03-3.12 (m, 4H), 2.82 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 1.22 (m, 3H).
【0190】
実施例10
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (化合物10)の調製
【0191】
【化51】
【0192】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0193】
【化52】
【0194】
(7-メチル-7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)メタノール (283mg, 2.0mmol) をDMF (10mL)に溶解した。60% 水素化ナトリウム (160g, 4.0mmol) をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し、1 時間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (1.13g, 3.0mmol)を加えた。混合物を50℃で終夜撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=8/1で溶出)で精製し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (427mg) を収率47%で得た。
【0195】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0196】
【化53】
【0197】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (427mg, 0.93mmol) を酢酸及びエタノール (CH3COOH/EtOH=1/3)の混合溶媒 (28mL)に溶解した。混合物にFe粉末 (312mg, 5.58mmol)を加えた。混合物を70℃に昇温し、1 時間撹拌した。反応完結後、混合物を減圧下ロータリーエバポレートし、EtOHを除去した。水 (30mL)を加えた。混合物を1mol/L NaOH 溶液で塩基性に調整した。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン(157mg) を収率40%で得た。
【0198】
(3) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミドの調製
【0199】
【化54】
【0200】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (157mg, 0.37mmol) をジクロロメタン (10mL)に溶解した。トリエチルアミン (111mg, 1.10mmol)及びアクリロイル クロリド (33mg, 0.37mmol) を氷浴下で加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=15/1で溶出)で精製し、N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (20mg) を収率11%で得た。
分子式: C25H25ClFN5O2
質量スペクトル (m/e): 482.2 (M+1), 241.7(M/2)
1HNMR (400MHz, CDCl3) δ9.08 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 7.88 (m, 2H), 7.51 (d, 1H), 7.24(s, 1H), 7.10 (t, 1H), 6.48 (d, 1H), 6.38 (m, 1H), 5.88 (d, 1H), 4.22 (m, 1H), 4.10 (t, 1H), 3.56 (s, 1H), 3.44 (s, 1H), 2.94 (m, 1H), 2.46 (s, 3H), 2.25 (m, 1H), 1.99 (m, 1H), 1.70 (m, 1H), 1.68 (m, 1H), 1.41 (m, 1H), 1.05 (m, 1H).
【0201】
実施例11
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (化合物11) の調製
【0202】
【化55】
【0203】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)エトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0204】
【化56】
【0205】
2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)エタノール (338mg, 2mmol) をDMF (20mL)に溶解した。60% 水素化ナトリウム (0.4g, 10mmol) をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し、1 時間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (1.12g, 3.3mmol) を加えた。混合物を50℃で終夜撹拌した。反応完結後、水 (50mL)を加えた。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)エトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(560mg) を収率58%で得た。
【0206】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0207】
【化57】
【0208】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)エトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (560mg, 1.15mmol)を酢酸及びエタノール (CH3COOH/EtOH=1/3)の混合溶媒 (20mL)に溶解した。混合物にFe粉末 (343mg, 6.12mmol)を加えた。混合物を70℃に昇温し、1 時間撹拌した。反応完結後、混合物を減圧下ロータリーエバポレートし、EtOHを除去した。水 (30mL) を加えた。混合物を1mol/L NaOH 溶液で塩基性に調整した。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン(360mg) を収率69%で得た。
【0209】
(3) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミドの調製
【0210】
【化58】
【0211】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (360mg, 0.79mmol)及びトリエチルアミン (112mg) をジクロロメタン (20mL)に溶解した。アクリロイル クロリド (71mg, 0.79mmol) を滴下した。混合物を室温で 1 時間撹拌した。反応完結後、水(50mL)を加えた。混合物をEAで抽出し、減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。残渣をジエチルエーテルで洗浄し、N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (34mg) を収率8%で得た。
分子式: C27H29ClFN5O2
質量スペクトル (m/e): 510.3(M+1), 255.8(M/2)
1HNMR (400MHz, CDCl3) δ9.13 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.15 (t, 1H), 6.50 (d, 1H), 6.34 (m, 1H), 5.90 (d, 1H), 4.29 (m, 2H), 2.69 (t, 1H), 2.66 (d, 1H), 2.50 (s, 3H), 1.27-2.35 (m, 11H).
【0212】
実施例12
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-1-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (化合物12)の調整
【0213】
【化59】
【0214】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-1-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0215】
【化60】
【0216】
(5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-1-イル)メタノール (370mg, 2.62mmol)をDMF (20mL)に溶解した。60% 水素化ナトリウム (157mg, 3.93mmol) をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し、1 時間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(588mg, 1.75mmol) を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応完結後、水 (20mL) を加えた。混合物をろ過した。ろ過ケーキを真空下で乾燥し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-1-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(690mg) を収率86%で得た。
【0217】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-1-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0218】
【化61】
【0219】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-1-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(69mg, 1.51mmol)を酢酸及びエタノール (CH3COOH/EtOH=1/3)の混合溶媒 (60mL)に溶解した。混合物にFe粉末 (507mg, 9.06mmol)を加えた。混合物を30℃に昇温し、12 時間撹拌した。反応完結後、混合物を減圧下ロータリーエバポレートし、EtOHを除去した。水 (30mL) を加えた。混合物を1mol/L NaOH 溶液で塩基性に調整した。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=10/1で溶出) で精製し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-1-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (100mg) を収率15%で得た。
【0220】
(3) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-1-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミドの調製
【0221】
【化62】
【0222】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-1-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン(100mg, 0.23mmol) をDCM (10mL)に溶解した。トリエチルアミン (46mg, 0.46mmol) を加えた。アクリロイル クロリド (19mg, 0.21mmol)を氷水浴中滴下した。混合物を室温で30分間撹拌した。反応完結後、水 (50mL)を加えた。混合物をEAで抽出し、減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=15/1で溶出) で精製し、N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-1-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド(14mg) を収率14%で得た。
分子式: C25H25ClFN5O2
質量スペクトル (m/e): 482.3 (M+1), 241.6 (M/2)
1HNMR (400MHz, CDCl3) δ9.35 (s, 1H), 9.00 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.54 (d, 1H), 6.95(m, 2H), 6.52 (m, 2H), 5.83 (m, 1H), 4.57 (m, 1H), 3.65 (m, 1H), 0.68-3.23 (m, 12H).
【0223】
実施例13
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (化合物13)の調製
【0224】
【化63】
【0225】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0226】
【化64】
【0227】
(6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)メタノール (400mg, 2.58mmol) をDMF (20mL)に溶解した。60% 水素化ナトリウム (230mg, 3.87mmol) をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し、1 時間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(954mg, 2.83mmol) を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応完結後、水 (20mL) を加えた。混合物をろ過した。ろ過ケーキを真空下で乾燥し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(300mg) を収率25%で得た。
【0228】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0229】
【化65】
【0230】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(300mg, 0.64mmol)を酢酸及びエタノール (CH3COOH/EtOH=1/3)の混合溶媒 (60mL)に溶解した。混合物にFe粉末 (177mg, 3.18mmol) を加えた。混合物を30℃に昇温し、12 時間撹拌した。反応完結後、混合物を減圧下ロータリーエバポレートし、EtOHを除去した。水 (30mL)を加えた。混合物を1mol/L NaOH 溶液で塩基性に調整した。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン(200mg) を収率71%で得た。
【0231】
(3) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミドの調製
【0232】
【化66】
【0233】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン(200mg, 0.45mmol) をDCM (10mL)に溶解した。トリエチルアミン (46mg, 0.46mmol) を加えた。アクリロイル クロリド (39mg, 0.43mmol) を氷水浴中滴下した。混合物を室温で30分間撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=15/1で溶出)で精製し、N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (25mg) を収率12%で得た。
分子式: C26H27ClFN5O2
質量スペクトル (m/e): 496.2 (M+1), 248.6(M/2)
1HNMR (400MHz, CDCl3) δ9.13 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 7.97 (d, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.55 (d, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.17 (t, 1H), 6.52 (d, 1H), 6.42 (m, 1H), 5.90 (d, 1H), 4.39 (m, 1H), 4.07 (t, 1H), 2.69 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.04 (s, 1H), 1.80 (m, 2H), 1.56 (m, 2H), 1.30 (m, 2H).
【0234】
実施例14
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (化合物14)の調製
【0235】
【化67】
【0236】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)エトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0237】
【化68】
【0238】
2-(6-メチル-6-アザスピロ[2,5]オクタン-1-イル)エタノール(9g, 53mmol) をDMF (200mL)中に溶解した。60% 水素化ナトリウム(10g, 0.25 mol) をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し、1 時間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (18g, 53mmol) を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応完結後、水 (20mL) を加えた。混合物をろ過した。ろ過ケーキをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=20/1で溶出) で精製し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)エトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (17.0g) を収率66%で得た。
【0239】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0240】
【化69】
【0241】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)エトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (17g, 35mmol) を、酢酸及びエタノール (CH3COOH/EtOH=1/3)の混合溶媒 (300mL)に溶解した。混合物にFe粉末 (13.6g, 243mmol)を加えた。混合物を室温で12 時間撹拌した。反応完結後、混合物を減圧下ロータリーエバポレートし、EtOHを除去した。水 (30mL)を加えた。混合物を1mol/L NaOH 溶液で塩基性に調整した。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=20/1で溶出) で精製し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (8.2g) を収率51%で得た。
【0242】
(3) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミドの調製
【0243】
【化70】
【0244】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン(300mg, 6.6mmol) をDCM (50mL)に溶解した。トリエチルアミン (2.0g, 145mmol) を加えた。アクリロイル クロリド (600mg, 6.7mmol) を氷水浴中滴下した。混合物を室温で30分間撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=30/1で溶出) で精製し、N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(6-メチル-6-アザスピロ[2.5]オクタン-1-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (0.5g) を収率15%で得た。
分子式: C27H29ClFN5O2
質量スペクトル (m/e): 510.2 (M+1), 255.9(M/2)
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ9.14 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.99 (d, 1H), 7.55 (m, 1H), 7.53(m, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.19 (t, 1H), 6.52 (d, 1H), 6.41 (m, 1H), 5.90 (d, 1H), 4.34 (m, 2H), 2.82 (m, 2H), 2.80(m, 2H), 2.38 (s, 3H), 0.62-2.19 (m, 9H).
【0245】
実施例15
(E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-2-ブテンアミド (化合物15)の調製
【0246】
【化71】
【0247】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンを、実施例8の工程(1)及び(2)に基づき調製した。
trans-2-ブテン酸 (0.12g, 1.2mmol) をDMF (5mL)に溶解した。次いで、HATU (0.05g, 1.32mmol)、トリエチルアミン (0.5mL)及びN4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (500mg, 1.2mmol)を加えた。混合物を室温で 12 時間撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。反応をジクロロメタンで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=10/1-5/1で溶出) で精製し、(E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-((1R,5S,6S)-3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-2-ブテンアミド (30mg) を収率5%で得た。
分子式: C26H27ClFN5O2
質量スペクトル (m/e): 496.2 (M+1), 248.6(M/2)
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ10.45 (br s,1H), 9.40 (br s, 1H), 8.97 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.72(m, 1H), 7.46 (t, 1H), 7.29 (m, 1H), 6.98 (m, 1H), 6.47 (d, 1H), 4.26 (m, 2H), 3.54 (m, 2H), 3.34 (m, 3H), 2.76 (s, 3H), 1.74-1.91 (m, 6H), 1.23 (m, 1H).
【0248】
実施例16
(E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-2-ブテンアミド (化合物16) の調製
【0249】
【化72】
【0250】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンを実施例18の工程(1)及び(2)に基づき調製した。
trans-2-ブテン酸 (98mg, 1.1mmol) をDMF (10mL)に溶解した。次いで、HATU (563g, 1.32mmol)、DIEA (441mg, 3.4mmol)及びN4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル))メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (400mg, 0.88mmol)を加えた。混合物を室温で12 時間撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。反応をジクロロメタンで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=10/1-5/1で溶出)で精製し、(E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル))メトキシ)キナゾリン-6-イル]-2-ブテンアミド (30mg) を収率7%で得た。
分子式: C28H31ClFN5O2 MW: 524
質量スペクトル (m/e): 524.2 (M+1), 262.6(M/2)
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ9.08 (s,1H), 8.65 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.96 (d, 1H), 7.52 (d, 1H), 7.23(s, 1H), 7.15 (t, 1H), 7.06 (m, 1H), 5.99 (d, 1H), 4.17 (d, 2H), 2.84 (m, 1H), 2.27 (m, 4H), 2.26 (s, 3H), 2.00 (m, 2H), 1.97 (d, 3H), 1.62-1.82 (m, 6H).
【0251】
実施例17
(E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-2-ペンテンアミド (化合物17) 及びその塩酸塩の調製
【0252】
【化73】
【0253】
(1) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンを、実施例18の工程 (1)及び(2)に基づき調製した。
【0254】
(2) (E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-2-ペンテンアミドの調製
trans-2-ペンテン酸 (86mg, 0.86mmol) をDMF (10mL)に溶解した。次いで、HATU (425g, 1.12mmol)、DIEA (333mg, 2.6mmol)及びN4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (300mg, 0.66mmol) を加えた。混合物を室温で12 時間撹拌した。反応完結後、水(50mL)を加えた。反応をジクロロメタンで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=10/1-5/1で溶出)で精製し、(E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-2-ペンテンアミド (30mg) を収率8%で得た。
【0255】
(3) (E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-2-ペンテンアミド (化合物17)塩酸塩の調製
(E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-2-ペンテンアミド (58mg, 0.11mmol)をメタノール (10mL)に溶解した。HCl を室温で滴下した。2 時間撹拌しながら反応させ、次いで、溶媒を留去し、黄色固体として(E)-N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-2-ペンテンアミド 塩酸塩 (61mg) を収率100%で得た。
分子式: C29H34Cl2FN5O2
質量スペクトル (m/e): 538.1 (M+1), 269.6(M/2)
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ11.0(br s, 1H),9.41(s, 1H), 9.01 (s,1H), 8.94 (s, 1H), 8.82 (s, 1H), 7.98 (d, 1H), 7.65(d, 1H), 7.52 (t, 1H), 7.26 (s, 1H), 5.67 (m, 2H), 4.24 (d, 2H), 3.28 (d, 2H), 2.80 (m, 2H), 2.74 (s, 3H), 1.63-1.98 (m, 14H).
【0256】
実施例18
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド(化合物18)の調製
【0257】
【化74】
【0258】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0259】
【化75】
【0260】
(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メタノール (9g, 53mmol) をDMF (20mL) に溶解した。60% 水素化ナトリウム (10g, 0.25 mol) をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し、1時間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (18g, 53mmol) を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応完結後、水 (20mL)を加えた。混合物をろ過した。ろ過ケーキを真空下で乾燥し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (17g) を収率66%で得た。
【0261】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0262】
【化76】
【0263】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (17g, 35mmol) を酢酸及びエタノール (CH3COOH/EtOH=1/3)の混合溶媒 (60mL) に溶解した。混合物にFe粉末 (13.6g, 243mmol)を加えた。混合物を室温で 12 時間撹拌した。反応完結後、混合物を減圧下ロータリーエバポレートしEtOHを除去した。水 (30mL) を加えた。混合物を1mol/L NaOH 溶液で塩基性に調整した。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=10/1で溶出) で精製し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (10g) を収率63%で得た。
【0264】
(3) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミドの調製
【0265】
【化77】
【0266】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (3g, 6.6mmol) をDCM(10mL)に溶解した。トリエチルアミン (2g, 19.8mmol) を加えた。アクリロイル クロリド (600mg, 6.6mmol) を氷水浴中滴下した。混合物を室温で30分間撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出し、減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=15/1で溶出) で精製し、N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (1.26g) を収率37%で得た。
分子式: C27H29ClFN5O2
質量スペクトル (m/e): 510.2 (M+1), 255.8(M/2)
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ9.12 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.98 (d, 1H), 7.55 (m, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.17 (t, 1H), 6.50 (d, 1H), 6.34 (m, 1H), 5.88 (d, 1H), 4.21 (d, 2H), 2.86 (m, 1H), 2.21-2.50 (m, 7H), 2.07 (t, 2H), 1.82 (m,2H), 1.63-1.71 (m, 4H).
【0267】
実施例19
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド(化合物19)及びその塩酸塩の調製
【0268】
【化78】
【0269】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)エトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0270】
【化79】
【0271】
2-(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)エタノール (2.7g, 14.8mmol) をDMF (20mL)に溶解した。60%水素化ナトリウム (1.78g, 44.5mmol) をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し、1 時間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (4.95g, 14.7mmol) を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応完結後、水 (20mL) を加えた。混合物をろ過した。ろ過ケーキを真空下で乾燥し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)エトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (5.0g) を収率68%で得た。
【0272】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0273】
【化80】
【0274】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)エトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (5g, 10mmol) を酢酸及びエタノール (CH3COOH/EtOH=1/3)の混合溶媒 (250mL)に溶解した。混合物にFe粉末 (1.96g, 35mmol)を加えた。混合物を30℃に昇温し、12 時間撹拌した。反応完結後、混合物を減圧下ロータリーエバポレートし、EtOHを除去した。水 (30mL)を加えた。混合物を1mol/L NaOH 溶液で塩基性に調整した。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=10/1で溶出)で精製し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (2.5g) を収率53%で得た。
【0275】
(3) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミドの調製
【0276】
【化81】
【0277】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン(300mg, 0.64mmol) をDCM (10mL)に溶解した。トリエチルアミン (194mg, 1.92mmol) を加えた。アクリロイル クロリド (60mg, 0.67mmol) を氷水浴中滴下した。混合物を室温で30分間撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=15/1で溶出) で精製し、N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (100mg) を収率30%で得た。
【0278】
(4) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド(化合物19)塩酸塩の調製
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド (100mg, 0.19mmol) をメタノール (10mL)に溶解した。HClガスを氷水浴下導入した。30 分間撹拌しながら反応させ、次いで、溶媒を留去し、白色固体N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-アクリルアミド 塩酸塩 (105mg)を収率97%で得た。
分子式: C28H32Cl2FN5O2
質量スペクトル (m/e): 524.0 (M+1), 262.5 (M/2)
1HNMR (400MHz, DMSO-d6) δ10.72 (br s, 1H),9.77 (br s, 1H), 9.73 (s, 1H), 9.00 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.03 (d, 1H), 7.52(d, 1H), 7.49 (t, 1H), 7.36 (s, 1H), 6.73 (m, 1H), 6.30 (d, 1H), 5.83 (m, 1H), 4.18 (t, 2H), 2.81 (m, 1H), 2.77 (m, 1H), 2.68 (s, 3H), 1.52-2.08 (m, 13H).
【0279】
実施例20
(E)-N-(4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル)-4-ジメチルアミノ-2-ブテンアミド (化合物20) の調製
【0280】
【化82】
【0281】
(1) (E)-N-(4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル)-4-ブロモ-2-ブテンアミドの調製
【0282】
【化83】
【0283】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンを、実施例18の工程(1)及び(2)に基づき調製した。
4-ブロモクロトン酸 (900mg, 5.5mmol) を窒素下THF (10mL)に溶解した。氷浴下DCC (1130mg, 5.5mmol) を加えた。混合物を0.5 時間撹拌した。次いで、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (500mg, 1.1mmol)のDMF (10mL) 溶液を加えた。混合物を40 分間撹拌し、次いで、(E)-N-(4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル)-4-ブロモ-2-ブテンアミドの粗生成物を得た。該粗生成物は次の工程で直接精製することなく用いた。
【0284】
(2) (E)-N-(4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル)-4-ジメチルアミノ-2-ブテンアミドの調製
【0285】
【化84】
【0286】
前工程の生成物(即ち、(E)-N-(4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル)-4-ブロモ-2-ブテンアミド)に、ジメチルアミン塩酸塩 (1.25g, 15.3mmol)及びDIEA (2.68mL, 15.4mmol)を順次加えた。混合物を氷浴下で2 時間継続的に撹拌した。混合物を室温雰囲気に移し、終夜撹拌した。反応に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。反応を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。次いで、濃縮物を逆相分取カラム (C18, ODS-AQ 40-60um, 移動相: メタノール/水 = 50/50) で分離し、(E)-N-(4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル)-4-ジメチルアミノ-2-ブテンアミド(120mg) を収率19.2%で得た。
分子式: C30H36ClFN6O2
質量スペクトル (m/e): 567 (M+1)
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ9.79 (s, 1H), 9.46 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.13-8.17(m, 1H), 7.79-7.83(m, 1H), 7.39-7.46 (m, 1H), 7.27 (s, 1H), 6.77 (dd, 1H), 6.51 (d, 1H), 4.17 (d, 2H), 3.08 (d, 2H), 2.70-2.82 (m, 1H), 2.21 (m, 10H), 2.11(s, 3H), 1.88 (t, 2H), 1.71 (t, 2H), 1.22-1.51 (m, 4H).
【0287】
実施例21
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]-6-ヘキシル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-4-(ジメチルアミノ)クロトンアミド(化合物21)の調製
【0288】
【化85】
【0289】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]-6-ヘキシル)エトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0290】
【化86】
【0291】
2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]-6-ヘキシル)-エタノール (7.5g, 53mmol)をDMF (20mL)に溶解した。60% 水素化ナトリウム(10g, 0.25mol) をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し、1 時間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (18g, 53mmol) を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応完結後、水 (20mL) を加えた。混合物をろ過した。ろ過ケーキを真空下で乾燥し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]-6-ヘキシル)エトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (14.8g) を収率61%で得た。
【0292】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]-6-ヘキシル)-エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0293】
【化87】
【0294】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]-6-ヘキシル)-エトキシ))-6-ニトロキナゾリン-4-アミン(14.8g, 32mmol) を酢酸及びエタノール (CH3COOH/EtOH=1/3)の混合溶媒 (60mL)に溶解した。混合物にFe粉末 (13.6g, 243mmol)を加えた。混合物を室温で 12 時間撹拌した。反応完結後、ロータリーエバポレートしEtOHを除去した。水 (30mL) を加えた。混合物を1mol/L NaOH 溶液で塩基性に調整した。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=10/1で溶出) で精製し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]-6-ヘキシル)エトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (8.3g) を収率62%で得た。
【0295】
(3) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]-6-ヘキシル)エトキシ)キナゾリン-6-イル]-4-クロロクロトンアミドの調製
【0296】
【化88】
【0297】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]-6-ヘキシル)-エトキシ))キナゾリン-4,6-ジアミン (2.73g, 6.6mmol) をDCM (10mL)に溶解した。トリエチルアミン (2g, 19.8mmol) を加えた。4-クロロクロトノイル クロリド (600mg, 6.6mmol) を氷水浴中滴下した。混合物を室温中30 分間撹拌した。 反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=15/1で溶出)で精製し、N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]-6-ヘキシル)-エトキシ)-キナゾリン-6-イル]-4-クロロクロトンアミド (2.81g) を収率81%で得た。
【0298】
(4) N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]-6-ヘキシル)-エトキシ)-キナゾリン-6-イル]-4-ジメチルアミノクロトンアミドの調製
【0299】
【化89】
【0300】
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]-6-ヘキシル)-エトキシ)-キナゾリン-6-イル]-4-クロロクロトンアミド (0.23g, 0.4mmol) をアセトニトリル (30mL)に溶解した。メチルアミン塩酸塩 (0.32g, 4mmol)及び炭酸セシウム (2.6g, 8mmol)を窒素ガス保護下加えた。混合物を加熱還流し、ろ過した。ろ液を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。次いで、得られた残渣を直接、逆相分取カラム (C18, ODS-AQ 40-60um, 移動相: メタノール/水 = 50/50) で分離し、化合物名N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-(2-(3-メチル-3-アザビシクロ[3.1.0]-6-ヘキシル)-エトキシ)キナゾリン-6-イル]-4-ジメチルアミノクロトンアミド (0.14g) を収率37%で得た。
分子式: C28H32ClFN6O2
質量スペクトル (m/e): 539.2 (M+1), 270(M/2)
1HNMR (400MHz, CD3OD) δ 9.20 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 7.94 (d, 1 H), 7.68-7.64 (m, 1H), 7.40-7.35 (m, 2H), 7.11-7.00 (m, 2H), 4.44-4.41 (m, 2H), 4.08 (d, 2H), 3.73 (d, 2H), 3.36 (s, 4H), 3.00-2.67 (m, 8H), 1.96-1.92 (m, 2H), 1.82-1.75 (m, 3H).
【0301】
実施例22
N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((スピロ[3.5]オクタン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-4-ジメチルアミノクロトンアミド (化合物22)の調製
【0302】
【化90】
【0303】
(1) N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((スピロ[3.5]オクタン-2-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0304】
【化91】
【0305】
(スピロ[3.5]オクタン-2-イル)メタノール (8.16g, 53mmol) をDMF (20mL)に溶解した。60% 水素化ナトリウム (10g, 0.25mol) をN2雰囲気下氷浴中一気に加えた。混合物を室温雰囲気に移し、1 時間撹拌した。N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-フルオロ-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (18g, 53mmol)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応完結後、水 (20ml) を加えた。混合物をろ過した。ろ過ケーキを真空下で乾燥し、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((スピロ[3.5]オクタン-2-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (18.68g) を収率75%で得た。
【0306】
(2) N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((スピロ[3.5]オクタン-2-イル)メトキシ)-キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0307】
【化92】
【0308】
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((スピロ[3.5]オクタン-2-イル)メトキシ)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (16.45g, 35mmol) を酢酸及びエタノール (CH3COOH/EtOH=1/3)の混合溶媒 (60mL)に溶解した。混合物にFe粉末 (13.6g, 243mmol)を加えた。混合物を室温で12 時間撹拌した。反応完結後、混合物を減圧下ロータリーエバポレートし、EtOHを除去した。水 (30mL) を加えた。混合物を 1mol/L NaOH 溶液で塩基性に調整した。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=10/1, V/V)で精製し、N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((スピロ[3.5]オクタン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (10g) を収率63%で得た。
【0309】
(3)4-ジメチルアミノクロトノイル クロリド塩酸塩の調製
【0310】
【化93】
【0311】
4-ジメチルアミノクロトン酸 塩酸塩 (1.65g, 10mmol)をTHF (50ml)に溶解した。DMF (0.1mL)を加えた。混合物を0℃に冷却し、SOCl2 (5mL) をゆっくり滴下した。反応を室温に昇温した。0.5 時間後、混合物を加熱還流し、還流下3 時間撹拌した。次いで、室温に放冷し、窒素ガス保護下、過剰なSOCl2を留去し、得られた生成物をそのまま次の工程で用いた。
【0312】
(4)N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((スピロ[3.5]オクタン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-4-ジメチルアミノクロトンアミドの調製
【0313】
【化94】
【0314】
N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-((スピロ[3.5]オクタン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-4,6-ジアミン (3g, 6.6mmol) をDCM (10mL)に溶解した。トリエチルアミン (2g, 19.8mmol) を加えた。ジメチルアミノクロトノイル クロリド塩酸塩(600mg, 6.6mmol) を氷水浴中滴下した。混合物を室温で30分間撹拌した。反応完結後、水 (50mL) を加えた。混合物をEAで抽出した。有機層を減圧下ロータリーエバポレートし、乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ジクロロメタン/メタノール=15/1で溶出) で精製し、N-[4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-((スピロ[3.5]オクタン-2-イル)メトキシ)キナゾリン-6-イル]-4-ジメチルアミノクロトンアミド (1.26g) を収率38%で得た。
分子式: C30H35ClFN5O2
質量スペクトル (m/e): 552.2 (M+1), 256.2(M/2)
1HNMR (400MHz, CD3OD) δ 9.21 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 7.96 (d, 1H), 7.69-7.68 (m, 1H), 7.42 (d, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.04 (t, 1H), 6.84 (d, 1H), 4.37 (d, 2H), 4.09 (d, 2H), 3.0-2.96 (m, 7H), 2.10-2.05 (m, 5H), 1.77-1.63 (m,7H), 1.37-1.33 (m, 3H).
【0315】
実施例23
(E)-N-(7-(ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イルメトキシ)-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)キナゾリン-6-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エンアミド (化合物23)の調製
【0316】
【化95】
【0317】
(1) 7-(ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イルメトキシ)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-ニトロキナゾリン-4-アミンの調製
【0318】
【化96】
【0319】
ジオキサン (50ml)にビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イルメタノール (3.36g, 30mmol)、炭酸カリウム (4.14g, 30mmol)及び7-フルオロ-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミン)-6-ニトロキナゾリン (3.36g, 10mmol)を加えた。混合物を室温で24 時間撹拌した。反応完結後、水を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (石油エーテル/酢酸エチル=1/1)で精製し、生成物 (7.57g) を収率59%で得た。
【0320】
(2) 7-(ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イルメトキシ)-N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)キナゾリン-4,6-ジアミンの調製
【0321】
【化97】
【0322】
7-(ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イルメトキシ)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-ニトロキナゾリン-4-アミン (1.71g, 4mmol)及びPd/C (0.2 g)をテトラヒドロフラン (30mL)に加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応完結後、水を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を留去乾燥し、生成物(1.40g) を収率88%で得た。
【0323】
(3) (E)-N-(7-(ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イルメトキシ)-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)キナゾリン-6-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エンアミドの調製
【0324】
【化98】
【0325】
(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エン酸 (0.52g, 4mmol)をジクロロエタン (20mL)に加えた。塩化チオニル (0.95g, 8mmol) を氷浴下滴下した。混合物を2 時間加熱還流した。反応完結後、反応を留去乾燥した。得られた残渣をアセトニトリル (50mL)に溶解した。トリエチルアミン (0.3g, 3mmol)及び7-(ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イルメトキシ)-N4-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)キナゾリン-4,6-ジアミン(1.19g, 3mmol) のテトラヒドロフラン (100mL) 溶液を滴下した。混合物を12 時間撹拌し、水を加えた。反応をジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた残渣を分取液体クロマトグラフィ (C18, ODS-AQ 40-60um, 移動相: メタノール/水 = 50/50)で精製し、(E)-N-(7-(ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イルメトキシ)-4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)キナゾリン-6-イル)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エンアミド (0.168g) を収率11%で得た。
分子式: C27H29ClFN5O2
質量スペクトル (m/e): 510 (M+1), 255.7(M/2)
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.78 (s, 1H), 951-9.54 (m, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.51-8.52 (m, 1H), 8.11-8.13 (m, 1H), 7.78-7.80 (m, 1H), 7.41 (t, 1H), 7.23 (s, 1H), 6.77-6.81 (m, 1H), 6.54-6.57 (m, 1H), 4.21-4.23 (m, 1H), 4.05-4.07 (m, 1H), 3.08-3.09 (m, 2H), 2.19 (s, 6H), 1.95-2.01 (m, 1H), 1.83-1.91 (m, 2H),1.88 (m, 2H), 1.71-1.73 (m, 2H), 1.36 (m, 1H), 1.04 (m, 1H).
【0326】
化合物1〜16、18及び20〜23は、化合物17及び化合物19に記載されている塩形成方法に基づき塩を調製することができる。
【0327】
以下化合物を上述の方法に基づき調製することもできる。
【0328】
【化99】
【0329】
【表B-1】
【0330】
【表B-2】
【0331】
【表B-3】
【0332】
【表B-4】
【0333】
II.本発明化合物の抗腫瘍活性のin vitroアッセイ
以下、本発明化合物の優れた効果を、in vitro酵素阻害活性及びin vitro細胞阻害活性により説明する。ただし、本発明化合物の優れた効果は、以下に示す効果に限定されないことに留意すべきである。
【0334】
アッセイ 1
本発明化合物のin vitro酵素阻害活性
サンプル:
対照:ゲフィチニブ、エルロチニブ塩酸塩(安慶沃徳化工有限公司から購入); トシル酸ラパチニブ(台州市晟欣医藥化工有限公司から購入);CI-1033塩酸塩(上海瀚香香料有限公司から購入);及び
本発明化合物:実験室で調製した。化学名及び構造式は調製実施例で示した通り。
アッセイ方法:
以下のアッセイで用いる略語は以下の意味を有する:
HEPES:ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸;
Brij-35:ポリオキシエチレンラウリルエーテル;
DTT:ジチオトレイトール;
コート剤#3:#3コート剤;
EDTA:エチレンジアミン四酢酸(シグマ社から購入);
FAMラベルペプチド:フルオレセインラベルペプチド22 (GL Biochem);
ATP: アデノシン三リン酸 (シグマ);
DMSO: ジメチルスルホキシド;
EGFR: ヒト上皮成長因子受容体(カルナ);
HER2: ヒト上皮成長因子受容体2 (カルナ);
HER4: ヒト上皮成長因子受容体4 (カルナ)
1.アッセイで用いられる試薬の配合
(1) 1.25倍MnCl2不含キナーゼバッファー (62.5 mM HEPES, PH 7.5, 0.001875% Brij-35, 12.5 mMMgCl2, 2.5 mM DTT);
(2) 1.25倍MnCl2含有キナーゼバッファー (62.5 mM HEPES, pH 7.5, 0.001875% Brij-35, 12.5 mMMgCl2, 12.5 mM MnCl2, 2.5 mM DTT);
(3) ストップバッファー (100 mMHEPES, pH 7.5, 0.015% Brij-35, 0.2% コート剤 #3, 50 mM EDTA);
(4) 2.5倍キナーゼ溶液 (1.25倍キナーゼバッファーに対応のキナーゼを加えて、2.5倍のEGFR、HER2、HER4キナーゼ溶液としたもの);
(5) 2.5倍ペプチド溶液 (1.25倍キナーゼバッファーにFAMラベルペプチド及びATPを加え、ペプチド溶液としたもの);
(6) 5倍化合物溶液 (100% DMSOを使用し、異なる濃度勾配を有する50倍化合物溶液とし、水で10倍に希釈し、異なる濃度勾配を有する5倍化合物溶液として得たもの);
2.5μLの5倍化合物溶液を384ウェルプレートに加える;
3.10 μLの2.5倍キナーゼ溶液を加え、10分間インキュベートする;
4.次いで、10μLの2.5倍ペプチド溶液を加え、28℃で1時間反応させる;及び
5.最後に、25μLのストップバッファーを加え、反応を停止させ、キャリパーでデータを読む;
6.曲線にあてはめ、IC50値を得る。
計算阻害率(%)=(最大変換率−変換率)/(最大変換率−最小変換率)×100
曲線へのあてはめは、Xlfitソフトウエアで行いIC50値を得た。
結果は以下の通り。
【0335】
【表1】
【0336】
結論:
本発明化合物がEGFR、HER2、HER4キナーゼに対する強い阻害活性を有し、CI-1033塩酸塩と同程度の活性であることが表1から確認することができる;本発明化合物は、ゲフィチニブ及びエルロチニブ塩酸塩に比べ、HER2キナーゼに対する非常に優れた阻害活性を有することがわかる;本発明化合物は、エルロチニブ塩酸塩及びトシル酸ラパチニブに比べて、HER4キナーゼに対する非常に優れた阻害活性を有することがわかる。
【0337】
アッセイ2
本発明のin vitro細胞阻害活性
サンプル:
対照:ゲフィチニブ、エルロチニブ塩酸塩(安慶沃徳化工有限公司から購入);トシル酸ラパチニブ(台州市晟欣医藥化工有限公司から購入);CI-1033塩酸塩(上海瀚香香料有限公司から購入);及び
本発明化合物:実験室で調製、化学名及び構造式は調製実施例で示した通り。
アッセイ方法:
以下のアッセイで用いる略語は以下の意味を有する:
XTT: 3,3'-ナトリウム [1-(カルバニロイル)-3,4-テトラゾリウム]-ジ(4-メトキシ-6-ニトロ)ベンゼンスルホナート/2,3-ビス-(2-メトキシ-4-ニトロ-5-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム-5-カルボキシアニリド塩(アムレスコ社から購入);
RPMI1640:ロズウェルパーク記念研究所の培地(Hyclone社から購入);
FBS: ウシ胎児血清(Hyclone社から購入);
PBS: リン酸バッファー(Homemade社から購入)
【0338】
1.試薬及び化合物の配合
1) PBSの配合:
NaCl (8g)、KCl (0.2g)、Na2HPO4(1.44g)及びKH2PO4 (0.24g) を超純水(800mL)に加えた。pHを7.4に調整した後、さらに超純水を体積1 Lとなるまで加えた。混合物を20分間加熱滅菌した。
【0339】
2) XTT使用液の配合:
暗所下、XTT粉末 (100mg)を取り、300mlの血清不含RPMI1640培地(50℃に昇温したもので、フェノールレッドを含まないもの)に溶解した。混合物をろ過し、別々にまとめ、直ぐに用いるか或いは一週間以内に用いた。全てのプロセスを暗所で行うことが必要である。
【0340】
3) 試験化合物の配合
・試験化合物の保存溶液の配合:
化合物粉末を、濃度10 mMとなるまでDMSOに溶解した。
・試験化合物の勾配希薄溶液の配合:
まず、10mM試験化合物の保存溶液を10の濃度に4倍連続勾配となるようにDMSOに希釈した。DMSO希釈化合物2μLを998μLの10% FBS含有培地に加えた。その結果、化合物の最大濃度を20mM、DMSOの濃度を0.2%、そして合計10 濃度勾配とした。
【0341】
2.細胞培養
1) 細胞の解凍:
・細胞凍結チューブを液体窒素から取り出し、37℃-39℃の水浴中に入れ、急速に細胞に解凍した。
・凍結保存溶液を15 ml滅菌遠心分離管に移し、そこに、凍結保存溶液の体積の10倍以上の体積になるように培地を加えた。混合物を1000 rpmで4℃にて5 分間遠心分離した。遠心分離管の培地を捨て、次いで、10% FBSを含む培地を加えた。細胞を再懸濁し培養瓶に移した。次の日、溶液を変えた。
【0342】
2) 細胞の継代
・対数増殖期細胞について、培地を捨て、適切な量のPBSを加え、細胞を一度洗浄した。次いで、0.25%膵酵素及び0.02%EDTAを含有する適切な量の消化液を加えた。溶液を37℃で2-5分間置きし、次いで、消化液を除去した後、PBSで一度洗浄した。10%FBSを含む適切な量の培地を加え、消化を停止した。わずかにピペッティングし、細胞を消化させ、細胞通過及びさらなる試験のための細胞懸濁液を得た。
【0343】
3) 細胞の凍結保存
・対数増殖期細胞について、0.25%膵酵素及び0.02%EDTAを含む消化液を用いて細胞を消化し細胞懸濁液を得た。懸濁液を1000 rpmで 4 ℃にて5 分間遠心分離した。培地を捨て、10%DMSO及び90%FBSを含む凍結保存溶液を加え、細胞を再懸濁した。細胞を、別々に2×106 細胞/チューブとなるように細胞凍結チューブに分けた。細胞凍結チューブをプログラム冷却カセットに入れ、-80℃で24 時間保持し、次いで、凍結保存のために液体窒素に移した。
【0344】
3.細胞の平板培養
1) 細胞懸濁液の調製
・培地を培養瓶から除去した。細胞をPBSで二度すすぎ洗った。膵酵素を加え、細胞を消化した。消化された細胞を遠心分離し回収した。細胞を10% ウシ胎児血清を含む培地で再懸濁し、カウントし、適切な濃度(細胞生存率は90%を超えるようにするべき)に調整した。細胞濃度は5×104/mlとした。
【0345】
2) 細胞懸濁液を96ウェルプレート(1ウェルあたり100 μL)に加えた。
【0346】
3) インキュベータにプレートを入れ、37℃で5%CO2下終夜インキュベートした。
【0347】
4. 薬剤での処理
薬剤を細胞培養プレートに加えた。インキュベータにプレートを入れ、37℃で5% CO2下72 時間インキュベートした。
【0348】
5. XTT法を用いた細胞生死判別試験
XTT使用溶液をプレートに加えた。プレートをインキュベータに入れ、37℃で5%CO2下2 時間インキュベートした。次いで、プレートをマイクロプレートリーダに入れ、450 nmで吸光度を読み取った。
【0349】
6. データ処理
1) パーセント阻害を以下の計算式で計算した。
%阻害剤=(吸光度(媒体)−吸光度(化合物))/(吸光度(媒体)−吸光度(陽性対照)×100%;
2) データをGraphPad Prism 5.0に入力し、曲線にプロットし、IC50を得た。
結果:
【0350】
【表2】
【0351】
【表3】
【0352】
【表4】
【0353】
注:上記アッセイで用いられた細胞H1975、Calu-3及びA431は、Chinese Vendorから入手できる。
【0354】
結論:
表2から、本発明化合物のH1975 (NSCLC, 非小細胞肺癌)に対する細胞増殖阻害効果が、エルロチニブ塩酸塩及びトシル酸ラパチニブに比べて非常に優れていることがわかる。
【0355】
表3から、本発明化合物のCalu-3 (NSCLC, 非小細胞肺癌)に対する細胞増殖阻害効果が、トシル酸ラパチニブに比べ優れており、エルロチニブ塩酸塩及びCI-1033塩酸塩に比べて非常に優れていることがわかる。
【0356】
表4から本発明化合物のA431 (類表皮癌)に対する細胞増殖阻害効果が、CI-1033 塩酸塩に比べて優れており、エルロチニブ塩酸塩及びトシル酸ラパチニブに比べて非常に優れていることがわかる。