【文献】
Nakagawa, M.; Kato, S.; Fukazawa, H.; Hasegawa, Y.; Miyazawa, J.; Hino, T.,Oxidative transformation of tryptophan to 3-(2-aminophenyl)-2-pyrrolidone and kynurenine,Tetrahedron Letters,1985年,Vol.26, No.48 ,p.5871-4
【文献】
Rajeswaran, Walajapet G.; Labroo, Rita B.; Cohen, Louis A.; King, Michael M.,Synthesis of 5-[(Indol-2-on-3-yl)methyl]-2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-diones and Spirocyclopropyloxindole Derivatives. Potential Aldose Reductase Inhibitors,Journal of Organic Chemistry,1999年,Vol.64, No.4,p.1369-71
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記使用される錯形成化合物がピリジン−2−カルボン酸である請求項8および9のうちのいずれか一項に記載の式(1−1)の2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類の製造方法。
前記使用される触媒がピリジン−2−カルボン酸と組み合わせた硫酸鉄(II)である請求項9および10のうちのいずれか一項に記載の式(1−1)の2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類の製造方法。
前記使用される溶媒が少なくとも1種類の水混和性有機溶媒および水からなる混合物である請求項1から11のうちのいずれか一項に記載の式(1−1)の2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類の製造方法。
前記使用される塩基は炭酸水素カリウムもしくは炭酸カリウムまたはこれら2種類の混合物である請求項14に記載の式(1−1)の2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類の製造方法。
下記式(4−1)のN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミド類:
【化5】
[式中、
R
1aからR
1dはそれぞれ独立に
水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素および
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルキル[当該シクロアルキル基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[当該アルコキシ基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルコキシ[当該シクロアルコキシ基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
1−C
6)−アルキルチオ[当該アルキルチオ基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルキルチオ[当該シクロアルキルチオ基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]および
フェニルまたは1−ナフチルまたは2−ナフチルまたは1から2個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロ芳香環[当該ヘテロ原子はそれぞれ独立にOおよびNからなる群から選択され、当該アリールまたはヘテロアリール基は置換されていないかフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルおよび(C
1−C
4)−アルキルチオからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]
からなる群から選択され、
R
2は、
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は置換されていないかフッ素によって完全もしくは部分的に置換されている]または
(C
3−C
7)−シクロアルキル[当該シクロアルキル基は置換されていないかフッ素によって完全もしくは部分的に置換されている]
であり、
R
4およびR
5はそれぞれ独立に、
水素、
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[当該アルコキシ基は分岐しているか分岐しておらず、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]
であり、
R
8は、
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は置換されていないかフッ素によって部分的または完全に置換されている]、
(C
1−C
6)−シクロアルキル、(C
1−C
6)−アルケニルまたは(C
1−C
6)−アルコキシアルキル[言及した基のそれぞれは置換されていないかフッ素によって部分的もしくは完全に置換されている]
である]の製造方法であって、
第1段階で、式(6−1)の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン:
【化6】
[式中、
R
1aからR
1dはそれぞれ式(4−1)について定義の通りであり、
R
3は水素であり、
R
7は水素である]を、アリール化によって変換して、下記式(5−1)のトリアジニル−置換されているオキシインドール:
【化7】
[式中、
R
1aからR
1dならびにR
4およびR
5はそれぞれ式(4−1)について定義の通りであり、R
3およびR
7はそれぞれ式(6−1)について定義の通りである]を得て、
第2段階で、式(5−1)のアリール化生成物を、スルホニル化によって変換して、下記式(2−1)のN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドール:
【化8】
[式中、
R
1aからR
1d、R
2およびR
4ならびにR
5はそれぞれ式(4−1)で定義の通りであり、R
3は式(6−1)について定義の通りである]を得て、
第3段階で、式(2−1)のスルホニル化生成物を、
塩基、および構成成分として少なくとも1種類の重金属または重金属の塩を有する触媒と組み合わせて使用する酸化剤の存在下の酸化的開環によって変換して、下記式(1−1)の2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド:
【化9】
[式中、
R
1aからR
1d、R
2ならびにR
4およびR
5はそれぞれ式(4−1)について定義の通りである]を得て、
次に、第4段階で、式(1−1)の酸化生成物を、アルキル化によって変換して、下記式(4−1)のN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミド:
【化10】
[式中、
R
1aからR
1d、R
2、R
4、R
5およびR
8はそれぞれ式(4−1)について定義の通りである]を得て、
使用されるアルキル化試薬が、
X−R
8[式中、Xは塩素、臭素またはヨウ素であり、R
8は式(4−1)について上記で定義の通りである]、または
(R
8)
2SO
4[R
8は式(4−1)について上記で定義の通りである]
である製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、この方法の工業的使用は、試薬として爆発性の次亜塩素酸tert−ブチルを用いることが必要であるという欠点を有する。
【0013】
さらに、使用される2−[(メチルスルファニル)メチル]−1,3,5−トリアジンは、数段階にわたって製造が進行する合成単位であることから、それの使用は工業的用途には不利である。
【0014】
図式1に示した製造経路、詳細にはN−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルメチル)フェニル]アルカンスルホンアミド類の酸化(図式1における化合物A2を参照)は、別の文書における同様の合成例によっても記載されている(WO2007/031208、WO2006/008159およびWO2005/096818A1)。
【0015】
WO2007/031208に開示の方法は、図式2に示されている。これは、置換されている2-(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類の製造のための図式1に示した方法に対する別途方法である。
【0016】
図式2:2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリドの製造(WO2007/031208)
【0017】
【化2】
WO2007/031208によれば、N−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)(メチルスルファニル)メチル]フェニル}メタンスルホンアミドB2を48時間にわたり溶媒中にて炭酸カリウムおよびヨードメタンとともに撹拌し、次に所望の生成物B1を単離する(WO2007/031208における参考例2)。
【0018】
しかしながら、収率は57.5%に過ぎない。
【0019】
さらに、工業的規模での図式2に示した方法の使用には、B2からB1への酸化に常に窒素上でのアルキル化が伴うことから、この経路によって窒素上でアルキル化されない化合物を直接得ることができないという欠点がある。アルキル化剤として使用されるヨウ化メチルは、それの高い蒸気圧および毒性のため、技術的観点から問題でもある。さらに、長い反応時間も不利である。
【0020】
図式2における反応物として使用されるN−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)(メチルスルファニル)メチル]フェニル}メタンスルホンアミドB2の製造の実用性が、図式3にまとめたように、トリアジン化合物の例(X=N)を用いずに、ピリミジン化合物の例(X=CH)のみを用いて、WO2007/031208に示されている。
【0021】
図式3:N−{2−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(メチルスルファニル)メチル]フェニル}メタンスルホンアミドC2の製造(WO2007/031208)
【0022】
【化3】
この場合、置換されているアニリンを次亜塩素酸tert−ブチルおよび2−[(メチルスルファニル)メチル]ピリミジンと反応させ、2−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(メチルスルファニル)メチル]アニリンC3を中間体として得る(WO2007/031208における合成例10)。この化合物をスルホニル化して、N−{2−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(メチルスルファニル)メチル]フェニル}メタンスルホンアミドC2を得る(WO2007/031208における合成例9)。スルホニル化の収率は27%に過ぎない。
【0023】
文書WO2007/031208の表5および6には、C2およびC3と同様にして製造されたN−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)(メチルスルファニル)メチル]フェニル}メタンスルホンアミド類B2または2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)(メチルスルファニル)メチル]アニリン類の例もリストアップされている。
【0024】
しかしながら、図式3に示した方法の工業的利用分野には、試薬としての爆発性の次亜塩素酸tert−ブチル(BuOCl)を用いる必要があり、スルホニル化反応における収率が低いという欠点がある。さらに、使用される2−[(メチルスルファニル)メチル]ピリミジンは、同様に製造が数段階かけて進行することから、工業的利用分野に不利である合成単位である。
【0025】
置換されている2-(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類の別の既知の製造方法において、所望の生成物を得るための酸化を過酸化水素を用いて行う。例えば、すでに引用した文書US2009/0062536には、図式4にまとめたように、氷酢酸中過酸化水素を用いる酸化によるN−{2−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(メチルスルファニル)メチル]フェニル}アルカンスルホンアミド類D2からのN−{2−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルボニル]フェニル}アルカンスルホンアミド類D1の製造について記載されている(US2009/0062536における合成例3、4を参照)。
【0026】
図式4:過酸化水素を用いる酸化によるN−{2−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルボニル]フェニル}アルカンスルホンアミド類D1の製造(US2009/0062536)
【0027】
【化4】
文書US2009/0062536の表2および3には、D1と同様にして製造されており、常に窒素上のアルキル基を含むN−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]フェニル}−N−アルキルメタンスルホンアミド類E1の例も挙げてある(すなわち、X=N)(下記の図式5を参照)。
【0028】
図式5:N−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]フェニル}−N−アルキル−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミド類E1の製造(US2009/0062536)
【0029】
【化5】
この方法では、反応物としてN−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)(メチルスルファニル)メチル]フェニル}メタンスルホンアミド類E2を用いる必要があり、その工業的規模での製造には上記の欠点がある。この方法における酸化反応は、最初に硫黄上で起こる。次に、酸性反応条件下に、加水分解が進行してケトンが得られる。従って、酸化可能な硫黄置換基の存在がその方法に必要な条件である。
【0030】
しかしながら、窒素上でアルキル化されていない2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類もこの方法によって製造可能であるか否かは文書US2009/0062536からは明らかではない。N−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]フェニル}−N−アルキルメタンスルホンアミドが製造されているUS2009/0062536で実行されている使用例において酸化剤として無水クロム酸が用いられていることから、これらの化合物を得るための酸化反応を過酸化水素を用いて実行可能か否かも明瞭ではない(US2009/0062536における合成例17、18を参照)。
【0031】
WO2007/031208にも、過酸化水素を用いる酸化によるN−{2−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カルボニル]フェニル}アルカンスルホンアミド類の製造の可能性について言及されている。しかしながら、N−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]フェニル}メタンスルホンアミド類の製造において実施される使用例では、酸化は専ら酸化クロム(VI)で行われる。
【0032】
そこで、先行技術から公知の上記の方法は、上記の理由から、上記の欠点のために、工業的規模での2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類の製造において、その方法の好適性はごく限られたものである。
【0033】
工業的に有用な2-(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類の製造方法を調べると、本発明の文脈で最初に、図式6aに示した酸化的開環によって(N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミド類をN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドール類から製造可能であることがわかった。
【0034】
図式6a:N−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドール類からの2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類の合成
【0035】
【化6】
一般的原理に関して、3−フェニル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン類の酸化的開環による(2−アミノフェニル)(フェニル)メタノン類の形成が公知である。同様に、酸素または過酸化水素を用いて酸化を行うことが可能であることが知られている。
【0036】
例えば、コバルト触媒存在下での酸素による1−メチル−3−フェニル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの酸化が科学系刊行物であるHeterocycles, 1982, 2139に開示されており、酸化の主生成物は反応物の二量体、すなわち2−メチルアミノベンゾフェノンである。生成する別の生成物は、(2−アミノフェニル)(フェニル)メタノンであるが、収率はごく小さく、すなわち2%から6%である。
【0037】
文書US4021469には、メタノール中ナトリウムメトキシドの存在下での酸素による3−フェニル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン類の酸化が開示されている。メチルカーバメート類が最初に生成し、次に水酸化カリウムまたは水を加えた後に第2の反応段階で開裂し、その結果として、還流下に数時間加熱することで水酸化ナトリウムが生成して、(2−アミノフェニル)(フェニル)メタノンが得られる。しかしながら、トリアジン環が加水分解的に開裂すると考えられることから、これらの条件(US4021469における実施例4を参照)は、3−(1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン類の変換には適さない。
【0038】
過酸化水素による3−ヒドロキシ−3−フェニルインドリン−2−オン類の酸化がJ. Chemical Soc., 1959, 2366に記載されている。使用される反応物は、相当するイサチン類にフェニルグリニャル化合物またはフェニルリチウムを加えることで製造される。
【0039】
しかしながら、反応物として必要なトリアジニルグリニャル化合物またはトリアジニルリチウム化合物の製造および変換が工業的条件下で困難であることから、相当する3−ヒドロキシ−3−(1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン類の製造は工業的に実行不可能である。
【0040】
J. Chemical Soc., 1959, 2366に記載の条件は、大過剰の水酸化ナトリウム水溶液の存在下に90℃から95℃で行うものであり、トリアジン環が加水分解的に開裂すると考えられることから、その温度のために3−(1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン類の変換には不適である。収率は60%である。
【0041】
しかしながら、(2−アミノフェニル)(フェニル)メタノン類の製造について記載の条件下で、フェニル環に代えて3位での6員ヘテロ環を有する1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン、特にはトリアジンの酸化的開環が相当する(2−アミノフェニル)カルボニルトリアジン類を与えることが可能であるか否かは、これらの例からは不明瞭である。その反応が工業的規模で経済的に実行可能な形で実施できるか否かも明らかではない。
【0042】
この背景に対して、本発明の目的は、工業的規模での2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類の別途製造方法を提供すること、すなわち非常に簡単な工程および最大の収量での2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類の工業的な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0043】
その目的は、下記式(1−1)の2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類:
【0044】
【化7】
[式中、
R
1aからR
1dはそれぞれ独立に、
水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素および
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は、分岐しているか分岐しておらず、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている。]、
(C
3−C
7)−シクロアルキル[当該シクロアルキル基は、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている。]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[当該アルコキシ基は、分岐しているか分岐しておらず、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている。]、
(C
3−C
7)−シクロアルコキシ[当該シクロアルコキシ基は、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている。]、
(C
1−C
6)−アルキルチオ[当該アルキルチオ基は分岐しているか分岐しておらず、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている。]、
(C
3−C
7)−シクロアルキルチオ[当該シクロアルキルチオ基は、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている。]、および
フェニルまたは1−ナフチルまたは2−ナフチルまたは1から2個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロ芳香環[当該ヘテロ原子はそれぞれ独立に、OおよびNからなる群から選択され、当該アリールまたはヘテロアリール基は置換されていないかフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルおよび(C
1−C
4)−アルキルチオからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている。]
からなる群から選択され、
R
2は、
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は、置換されていないかフッ素によって完全もしくは部分置換されている。]または
(C
3−C
7)−シクロアルキル[当該シクロアルキル基は置換されていないかまたはフッ素によって完全もしくは部分置換されている。]
であり、
R
4およびR
5はそれぞれ、水素、
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルから選択される1以上の置換基によって置換されている。]または
(C
1−C
6)−アルコキシ[当該アルコキシ基は分岐しているか分岐しておらず、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている。]
である。]の製造方法であって、
反応物として下記式(2-1)のN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドール:
【0045】
【化8】
[式中、
R
1aからR
1dならびにR
2、R
4およびR
5はそれぞれ式(1−1)で定義の通りであり、
R
3は水素である。]を用いること、
ならびに、
−塩基および
−酸化剤
の存在下に、最初に溶媒中に入れた一般式(2−1)の反応物の変換を行うこと
を含む方法によって達成される。
【0046】
式(1−1)の化合物の本発明による製造方法の中心的な考え方は、反応物としての、そして酸化的開環によるそれの変換における、オキシインドール、特には式(2−1)のN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドールの選択に関するものである。
【0047】
好適な溶媒中に最初に入れる反応物は、最初に好適な塩基で脱プロトン化する。酸化剤を加えた後、式(2−1)の化合物の所望の酸化的開環が生じて、式(1−1)の化合物が得られる。
【0048】
工業的規模での反応物として使用される式(2−1)のN−スルホニル置換されている3−トリアジニルオキシインドールの製造は、特許出願EP111598751に記載されている。
【0049】
特に好ましいものは、
R
1aからR
1dがそれぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素および
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は分岐しているか分岐しておらず、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシまたは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている。]、
(C
3−C
7)−シクロアルキル[当該シクロアルキル基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルまたは(C
3−C
7)−シクロアルキルまたは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている。]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[当該アルコキシ基は分岐しているか分岐しておらず、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシまたは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている。]、
(C
3−C
7)−シクロアルコキシ[当該シクロアルコキシ基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルまたは(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている。]
からなる群から選択され、
R
2が(C
1−C
6)−アルキルであり、当該アルキル基がフッ素によって完全もしくは部分置換されており、
R
3が請求項1で定義の通りであり、
R
4およびR
5がそれぞれ独立に、
(C
1−C
6)−アルコキシであり、当該アルコキシ基が分岐しているか分岐しておらず、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシまたは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている、式(1−1)の2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリドの製造である。
【0050】
非常に好ましいものは、
R
1aからR
1dがそれぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、メトキシからなる群から選択され、
R
2がジフルオロメチルであり、R
3が水素であり、R
4およびR
5がそれぞれメトキシである式(1−1)の2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類の製造である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明の化合物に関して、上記および下記で用いられる呼称についてまとめて説明する。これらについては当業者であれば熟知しているものであり、詳細には下記で説明する定義を有する。
【0052】
「ハロゲン」という用語は、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0053】
基に用いる場合、「ハロゲン」という用語は、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味する。
【0054】
アルキルは、直鎖または分岐の開鎖飽和ヒドロカルビル基である。
【0055】
「(C
1−C
4)アルキル」という表現は、炭素原子について言及されている範囲に従って1から4個の炭素原子を有するアルキルに関する簡易な表示法であり、それは、その表現がメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチルプロピルまたはtert−ブチル基を含むことを意味する。より大きい指定範囲の炭素原子を有する一般的アルキル基、例えば「(C
1−C
6)アルキル」はそれに応じて、より大きい数の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基をも含み、すなわちその例によれば、5および6個の炭素原子を有するアルキル基も含む。
【0056】
シクロアルキルは、好ましくは3から8個の環炭素原子を有する炭素環式の飽和環系であり、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。置換されていても良いシクロアルキルの場合、置換基を有する環状基が含まれ、シクロアルキル基上の二重結合を有する置換基、例えばメチリデンなどのアルキリデン基も含まれる。
【0057】
置換されていても良いシクロアルキル基の場合、多環式脂肪族系も含まれ、例えばビシクロ[1.1.0]ブタン−1−イル、ビシクロ[1.1.0]ブタン−2−イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン−1−イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン−2−イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン−5−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル(ノルボルニル)、アダマンタン−1−イルおよびアダマンタン−2−イルである。
【0058】
置換されているシクロアルキル基の場合、スピロ環状脂肪族系も含まれ、例えばスピロ[2.2]ペンタ−1−イル、スピロ[2.3]ヘキサ−1−イル、スピロ[2.3]ヘキサ−4−イル、3−スピロ[2.3]ヘキサ−5−イルである。
【0059】
アリールは、好ましくは6から14、特には6から10個の環炭素原子を有する単環式、二環式または多環式芳香族系であり、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントレニルなど、好ましくはフェニルである。
【0060】
「置換されていても良いアリール」という用語は、テトラヒドロナフチル、インデニル、インダニル、フルオレニル、ビフェニリルなどの多環系も含み、結合部位は芳香族系上である。
【0061】
系統的な用語において、アリールは、「置換されていても良いフェニル」という用語にも包含される。
【0062】
アルコキシは酸素原子を介して結合したアルキル基であり、アルケニルオキシは酸素原子を介して結合したアルケニル基であり、アルキニルオキシは酸素原子を介して結合したアルキニル基であり、シクロアルキルオキシは酸素原子を介して結合したシクロアルキル基であり、シクロアルケニルオキシは酸素原子を介して結合したシクロアルケニル基である。
【0063】
アルキルチオは硫黄原子を介して結合したアルキル基であり、アルケニルチオは硫黄原子を介して結合したアルケニル基であり、アルキニルチオは硫黄原子を介して結合したアルキニル基であり、シクロアルキルチオは硫黄原子を介して結合したシクロアルキル基であり、シクロアルケニルチオは硫黄原子を介して結合したシクロアルケニル基である。
【0064】
ハロアルキル、−アルケニルおよび−アルキニルはそれぞれ、同一もしくは異なるハロゲン原子によって部分的もしくは完全に置換されているアルキル、アルケニルおよびアルキニルであり、例えばCH
2CH
2Cl、CH
2CH
2F、CHClCH
3、CHFCH
3、CH
2Cl、CH
2Fなどのモノハロアルキル;CCl
3またはCF
3またはCF
2CF
3などのパーハロアルキル;CHF
2、CH
2F、CH
2CHFCl、CHCl
2、CF
2CF
2H、CH
2CF
3などのポリハロアルキルであり、ハロアルコキシは例えば、OCF
3、OCHF
2、OCH
2F、OCF
2CF
3、OCH
2CF
3およびOCH
2CH
2Clであり、同じことがハロアルケニルおよび他のハロゲン置換されている基にも当てはまる。
【0065】
「1以上の基によって置換されている」という定義は、別段の定義がない限り、独立に1以上の同一もしくは異なる基を意味し、基本構造としての一つの環上の2以上の基が1以上の環を形成していることができる。
【0066】
置換されているアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、フェニル、ベンジル、複素環およびヘテロアリール基などの置換されている基は、例えば、置換されていない基本構造から誘導される置換されている基であり、その置換基は、例えば、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、カルボキシルまたはカルボキシル基、イソシアノ、アジド、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、カルバモイル、モノおよびジアルキルアミノカルボニル、置換されているアミノ(アシルアミノ、モノおよびジアルキルアミノなど)、トリアルキルシリルおよび置換されていても良いシクロアルキル、置換されていても良いアリール、置換されていても良い複素環(後者の環状基のそれぞれは、言及したアルキル基でのようにヘテロ原子もしくは二価の官能基を介して結合していても良い。)、およびアルキルスルフィニルと等価な基の群からの1以上、好ましくは1、2もしくは3個の基であり、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル、アルキルホスフィニル、アルキルホスホニルならびに環状基(=「環状基本構造」)の場合には、アルキル、ハロアルキル、アルキルチオアルキル、アルコキシアルキル、置換されていても良いモノおよびジアルキルアミノアルキルおよびヒドロキシアルキルの両方のエラスチオマー(erastiomers)も含む。
【0067】
置換されているアルキルなどの「置換されている基」という用語は、置換基として、言及される飽和炭化水素系基に加えて、置換されていても良いアルケニル、アルキニル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、モノおよびジアルケニルアミノカルボニル、モノおよびジアルキニルアミノカルボニル、モノおよびジアルケニルアミノ、モノおよびジアルキニルアミノ、トリアルケニルシリル、トリアルキニルシリル、置換されていても良いシクロアルケニル、置換されていても良いシクロアルキニル、フェニル、フェノキシなどの相当する不飽和脂肪族および芳香族基を含む。環に脂肪族成分を有する置換されている環状基の場合、二重結合によって環に結合した置換基を有する環系も、例えばメチリデンまたはエチリデンなどのアルキリデン基、またはオキソ基、イミノ基もしくは置換されているイミノ基によって含まれる。
【0068】
置換されていないまたは置換されている基のそれぞれは、分岐および未分岐であることができる。例えば、「C
4−アルキル」と称される基は、未分岐のブチル基だけでなく、tert−ブチルなどの他の全てのC
4異性体を含む。
【0069】
2以上の基が1以上の環を形成している場合、これらは炭素環、ヘテロ環、飽和、部分飽和、不飽和、例えば芳香族であることができ、さらに置換されていても良い。縮合環は好ましくは5員もしくは6員環であり、特に好ましいものはベンゾ縮合環である。
【0070】
この方法の好ましい実施形態では、構成成分として少なくとも一つの重金属または重金属の塩を有する重金属触媒を用いることで、反応物として選択される式(2−1)の化合物での酸化的開環の特に効率的な成績が得られるものと考えられる。好適な重金属は、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、スズ、アンチモン、ビスマス、銀、金、タングステン、ルテニウムおよび/またはオスミウムである。
【0071】
有利には、重金属触媒の効果は、望ましくない副生成物のレベルを低下させることであることから、反応の生成物収率を高めることができるようにすることである。
【0072】
例えば、過酸化水素水溶液による図式6bで下記に示した式(2−1)のN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドール類の酸化で、触媒を用いない場合、生成物として望まれる式(1−1)のケトンだけでなく、大量の式(3−1)のアルコールが副生成物として生成するという欠点があることが認められた。
【0073】
図式6b:触媒を用いないN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドール類(2−1)の酸化におけるケトン(1−1)およびアルコール(3−1)の形成
【0074】
【化9】
その反応条件下ではさらに反応して式(1−1)のケトンを与えない式(3−1)のアルコールが生成することで、収率低下につながることから不利である。
【0075】
3-フェニル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン類の酸化的開環に関して上記で引用の先行技術からは、過酸化水素によるN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドール類(2−1)の酸化的開環によって実際に、部分的に式(3−1)のアルコールが生成することは明らかではない(図式6b参照)。そして、不利なアルコール生成の回避に関しての技術的記述も先行技術ではわからない。
【0076】
望ましくない副生成物生成の証拠に関しては、比較合成例1変法C(実施例参照)の形で、過酸化水素水溶液によるN−スルホニル−置換されている3-トリアジニルオキシインドールの酸化を、触媒を加えずに行った。得られる生成物は混合物であり、それは、HPLC分析(面積パーセント)によれば、約13%程度のケトンおよび約76%程度のアルコールからなる。このケトン/アルコールの比もNMRによって確認した。
【0077】
興味深い点として、重金属塩存在下に、特には鉄塩存在下に酸化を行う場合、式(3−1)のアルコールの生成を、実質的またはほぼ完全に抑制することが可能であることが認められている。
【0078】
有利には、その方法によって、非常に簡単な工程による工業的規模での2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類の製造が可能となり、所望のケトンではなく望ましくないアルコール化合物が生成する望ましくない副反応を制御下に回避することで所望のケトン化合物の高収率を得ることができる。
【0079】
基本的に、複数の酸化剤によって酸化的開環を起こすことができる。本発明の文脈において、すなわちオキシインドール類の酸化的開環では、触媒と組み合わせた酸化剤の使用が特に有利であることが認められた。
【0080】
本発明に好ましい酸化剤は、構成成分として少なくとも一つの重金属または重金属の塩を有する触媒と組み合わせた過酸化水素である。非常に好ましいのは、構成成分として少なくとも一つの重金属または重金属の塩を有する触媒と組み合わせた過酸化水素水溶液の使用である。
【0081】
別の好ましい酸化剤は過マンガン酸カリウムである。これは単独で用いることができるか、構成成分として少なくとも一つの重金属または重金属の塩を有する触媒と組み合わせることができる。
【0082】
使用される触媒または触媒系は、好ましくは、下記で具体的に記載の重金属塩、重金属粉末、すなわち
−硫酸鉄(II)、塩化鉄などの鉄塩、および
−鉄粉、および
−硫酸銅(II)、塩化銅(II)などの銅塩、および
−銅粉、および
−上記触媒のうちの少なくとも二つの混合物
である。
【0083】
金属触媒の安定性を高めるため、1以上の錯形成物質、例えばピリジン−2−カルボン酸を各場合で、金属粉または金属塩に加えることができる。好ましいものは、
−鉄塩の錯形成化合物、例えばピリジン−2−カルボン酸との混合物、および
−銅塩の錯形成化合物、例えばピリジン−2−カルボン酸との混合物、または
−上記触媒系のうちの少なくとも二つの混合物
である。
【0084】
特に好ましい鉄塩は、硫酸鉄(II)もしくは塩化鉄、またはこの2種類の塩の混合物である。非常に好ましい銅塩は、硫酸銅(II)もしくは塩化銅(II)、またはこの2種類の塩の混合物である。
【0085】
特に好ましい錯形成化合物はピリジン−2−カルボン酸である。
【0086】
最も好ましい触媒系は、硫酸鉄(II)およびピリジン−2−カルボン酸からなる混合物である。
【0087】
この最も好ましい実施形態に関して、好ましいものの例を挙げると、触媒系として硫酸鉄およびピリジン−2−カルボン酸を加えて、過酸化水素水溶液によるN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドールの酸化を行う合成例1の変法Aである。反応物として使用されるN−スルホニル置換されている3−トリアジニルオキシインドールは、合成例1変法Cで使用される反応物と同一である。式(1−1)に相当するケトンが90%の収率で得られる。望ましくない副生成物である式(3−1)のアルコールは全く検出されないものと考えられる。
【0088】
使用される溶媒は、好ましくは完全または部分的に水混和性の有機溶媒である。完全または部分的に水混和性の有機溶媒は、
−ニトリル類、特にはアセトニトリル、または
−アルコール類、特には2−プロパノール、または
−ケトン類、特にはアセトン
である。
【0089】
言及の有機溶媒は、好ましくは水との混合物で用いられる。
【0090】
特に好ましいものは、溶媒としてのアセトニトリルおよび水の混合物を用いて、または2−プロパノールおよび水の混合物を用いてその方法を実施することである。
【0091】
非常に好ましいものは、アセトニトリルおよび水の比が2:1から1:2の範囲であるアセトニトリルおよび水からなる溶媒混合物を用いて当該方法を行うことである。
【0092】
過酸化水素を酸化剤として用いる場合、過酸化アセトン類の形成は、アセトンを溶媒として用いる場合に予想されるはずである。過酸化アセトンの形成は技術的理由のために不利である。しかしながら、言及した欠点は、必ずしも溶媒として有用な全てのアセトン類に適用されるものではない。
【0093】
その方法は塩基存在下に行う。その塩基は、反応物として用いられるN−スルホニル−置換された3−トリアジニルオキシインドール類の完全または部分的な脱プロトン化を生じさせる。脱プロトン化後の反応物はより反応性が高いエノレート型で存在することから、塩基を用いることで、反応速度が全体的に大きくなる。
【0094】
好ましいのは、下記の塩基:
−炭酸カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸セシウム、および
−炭酸水素カリウムまたは炭酸水素ナトリウム、および
−水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化バリウム、および
−リン酸カリウム(K
3PO
4)、リン酸水素カリウム(K
2HPO
4)またはリン酸ナトリウム
を用いることである。
【0095】
使用される塩基が窒素上で四置換されている式N(R
10)
4OHの水酸化アンモニウム類でもあり、R
10基がそれぞれ独立に(C
1−C
6)−アルキル(前記アルキル基は分岐しているか分岐していない)およびベンジルからなる群から選択されることは、本発明の範囲内である。
【0096】
特に好ましい塩基は炭酸カリウムまたは炭酸水素カリウムであり、それらはそれぞれ単独でまたは混合物で用いる。
【0097】
その塩基は、単独でまたは数種類の塩基の混合物として、等モル量でまたは過剰量で用いる(1.0から2.5当量、好ましくは1.0から1.2当量)。
【0098】
酸化剤も、等モル量でまたは過剰量で用いる(1から7当量、好ましくは2から3当量)。
【0099】
触媒は、等モル量または不足量で用いる(0.0001から0.5当量、好ましくは0.001から0.01当量)。
【0100】
反応物は、1回で、または24時間以下、好ましくは6時間以下、特別には0.05から6時間の期間にわたって数回で加えることができる。個々の反応物を加えた後、撹拌時間は連続していることが有利であると考えられる(0.1から12時間、好ましくは0.5から3時間)。
【0101】
酸化の反応温度は、−20℃から60℃の範囲、好ましくは10℃から40℃の範囲である。式(2)の反応物の脱プロトン化は、酸化と同じ温度または異なる温度で行うことができる。
【0103】
成績に関しては、N−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドールに最初に好適な溶媒中で塩基(全量または一部)を加え、次に触媒および適宜に追加分の同一もしくは別の塩基もしくは異なる塩基の混合物を1回以上で加えてから、酸化剤を加えることが有利である。
【0104】
ある添加の変法では、酸化剤として過マンガン酸カリウムを用いる場合、最初に好適な溶媒に酸化剤および塩基を入れ、次にN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドールを、そのまままたは上記の溶媒に溶解もしくは懸濁させて1回または複数回で加える。あるいは、最初に入れたN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドールおよび酸化剤に、塩基を1回または複数回で加えることもできる。
【0105】
N−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドールを塩として反応混合物に加えることは、本発明の範囲内である。この場合、少ない塩基を用いることが可能な場合がある。
【0106】
N−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドールおよび塩基を、純粋な形態で、または互いに前混合して反応混合物に加えることができ、または溶媒もしくは溶媒混合物に溶解または懸濁させることができる。反応途中で追加の溶媒を加えて、反応物がより良好に混合できるようにすることが可能である。
【0107】
使用される反応条件に応じて、全ての反応物を添加した後の連続撹拌時間は、96時間以下、好ましくは0.05から24時間の範囲内である。
【0108】
式(1)の所望の生成物の後処理および単離は各種形態で行うことができ、例えば溶媒の選択によって決まり、または生成物が固体であるか液体であるかによって決まる。
【0109】
式(1)または(1−1)の固体生成物を含む反応混合物を濾過する。そうして得られた固体生成物は、好適な溶媒および/または酸水溶液で洗浄することができる。
【0110】
さらに、生成物がより溶けにくい別の相対的に高沸点の溶媒を一般式(1−1)の生成物を含む反応混合物に加え、相対的に低沸点の溶媒を完全または部分的に留去することが想到される。次に、固体での生成物を濾過し、好適な溶媒および/または酸水溶液で洗浄することができる。
【0111】
濾過および適宜の洗浄後に得られる生成物を好適な溶媒または数種類の溶媒の混合物から撹拌することで抽出して、より高い純度の生成物を得ることも、本発明の範囲内である。
【0112】
別の後処理手段では、反応混合物を好適な溶媒で抽出し、次にその溶媒から生成物を単離する。
【0113】
式(1−1)の生成物は、遊離スルホンアニリド類(すなわち、スルホンアニリド窒素上でプロトン化された化合物)として、または塩(すなわち、スルホンアニリド窒素上で脱プロトン化され、カチオン性対イオンを有する化合物)として単離することができる。その塩は、好適なカチオン性対イオンとしてカリウム、ナトリウム、セシウム、リチウム、バリウムまたはテトラアルキルアンモニウムを含むことができる。
【0114】
同様に、単離を行わずに、反応混合物中に存在する式(1−1)の生成物または塩をさらに、変換生成物に変換することが可能であることが想到される。
【0115】
詳細には、反応混合物中に存在する式(1−1)の生成物または塩を、単離してまたは単離せずに変換して、スルホンアニリド窒素上でのアルキル化によって変換生成物を得て、N−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミド類を得ることが可能である。
【0116】
そうして得ることができる一般式(4−1)のN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミド類:
【0117】
【化10】
は、除草活性(WO2007/031208A2)および殺菌活性(WO2006/008159A1)を有することが示されている。
【0118】
式(2−1)のN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドール類から進行する一般式(4−1)のN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミドの取得は、公知の合成経路と比較して経済的に有利である。
【0119】
従って本発明は、下記式(2−1)のN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドール:
【0120】
【化11】
またはそれの塩(2−1a):
【0121】
【化12】
[式中、
R
1aからR
1dはそれぞれ独立に、
水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素および
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は分岐しているか分岐しておらず、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルキル[当該シクロアルキル基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[当該アルコキシ基は分岐しているか分岐しておらず、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルコキシ[当該シクロアルコキシ基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
1−C
6)−アルキルチオ[当該アルキルチオ基は分岐しているか分岐しておらず、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルキルチオ[当該シクロアルキルチオ基は、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]および
フェニルまたは1−ナフチルまたは2−ナフチルまたは1から2個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロ芳香環[そのヘテロ原子はそれぞれ独立にOおよびNからなる群から選択され、当該アリールまたはヘテロアリール基は置換されていないかフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルおよび(C
1−C
4)−アルキルチオからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]
からなる群から選択され、
R
2は、
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は置換されていないかフッ素によって完全もしくは部分的に置換されている]、または
(C
3−C
7)−シクロアルキル[当該シクロアルキル基は置換されていないかフッ素によって完全もしくは部分的に置換されている]
であり、
R
3は水素であり、
R
4およびR
5はそれぞれ水素、
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシまたは(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[当該アルコキシ基は分岐しているか分岐しておらず、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]
であり、
一般式(2−1a)の塩中のMはLi、Na、K、Cs、Ba、Mg、Ca、ZnまたはN(R
c)
4であり、R
c=Hまたは(C
1−C
6)−アルキルまたはベンジルであり、
対イオンM
+の数が、特定の電荷によって決まることで、一般式(2−1a)の化合物は全体で非電荷となっている]の農業部門における有効成分の合成における反応物または中間体としての使用も提供する。
【0122】
特に好ましいものは、
R
1aからR
1dがそれぞれ独立に、
水素、フッ素、塩素、および
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は分岐しているか分岐していない]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[当該アルコキシ基は分岐しているか分岐していない]
からなる群から選択され、
R
2がメチル[そのメチルがフッ素によって完全もしくは部分的に置換されている]、または
(C
3−C
7)−シクロアルキル[当該シクロアルキル基はフッ素によって完全もしくは部分的に置換されている]
であり、
R
3が水素であり、
R
4およびR
5がそれぞれ独立に、
(C
1−C
4)−アルキル[当該アルキル基は分岐しているか分岐していない]、
(C
1−C
4)−アルコキシ[当該アルコキシ基は分岐しているか分岐していない]
であり、
一般式(2−1a)の塩におけるMがNaおよびKである式(2−1)のN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドールまたは式(2−1a)の塩の、農業部門における有効成分の合成のための中間体としての使用である。
【0123】
非常に好ましいものは、
R
1aからR
1dがそれぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、メトキシからなる群から選択され、
R
2がジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり、
R
3が水素であり、
R
4およびR
5がそれぞれ独立にメトキシである式(2−1)のN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドールまたは式(2−1a)の塩の、農業部門における有効成分の合成のための中間体としての使用である。
【0124】
最も好ましいものは、R
1aからR
1dがそれぞれ独立に水素およびフッ素からなる群から選択され、R
2がジフルオロメチルであり、R
3が水素であり、R
4およびR
5がそれぞれ独立にメトキシである式(2−1)のN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドールまたは式(2−1a)の塩の、農業部門における有効成分の合成のための中間体としての使用である。
【0125】
一般式(1−1)の化合物を製造するための上記の酸化方法は、酸化的開環の機構を特徴とすることから、反応物が酸化的開環の影響を受けやすいため、反応物としてのオキシインドール類の選択に基づくものである。
【0126】
反応物または中間体としてのオキシインドール構造を有する化合物の選択は、一般式(1−1)を製造し、それから進行させて、除草作用および殺菌作用において優れていることが知られている一般式(4−1)の化合物を製造する多段階方法を特徴付けるものである。
【0127】
一般式(1−1)の化合物を製造するための、一般式(2−1)のオキシインドール化合物の酸化的開環に基づく上記酸化方法は、図式7に記載の多段階方法の成分段階である。
【0128】
多段階方法において反応物または中間体として使用されるオキシインドール化合物を下記の図式7にまとめてあり、一般式(7−1)、(6−1)、(5−1)および(2−1)と呼称している。
【0129】
図式7:作物保護に好適で特に除草性である一般式(1−1)および(4−1)の化合物を製造するための多段階方法
【0130】
【化13】
図式7に示した多段階方法は、既知のN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]−アルカンスルホンアミド類(4−1)および2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類(1−1)の製造方法と比較して、オキシインドール化合物を反応物または中間体として用いるという点で注目すべきものである。これにより、既知の方法と比較して、その方法を工業的規模で行うことができ、同時に高収率を得ることができるという利点が得られる。
【0131】
図式7にまとめた方法の実施を、以下に説明する。
【0132】
ここでは、図式7で全体で5段階のプロセスの第1の反応段階に関係する還元を、独立の予備段階B)としてここで扱う。
【0133】
図式7にまとめた他の反応段階、すなわちアリール化、スルホニル化、酸化およびアルキル化の段階は、以下において総称で方法A)と称する。
【0134】
A)下記式(4−1)のN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミド類:
【0135】
【化14】
[式中、
R
1aからR
1dはそれぞれ独立に
水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素および
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルキル[当該シクロアルキル基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[当該アルコキシ基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルコキシ[当該シクロアルコキシ基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
1−C
6)−アルキルチオ[当該アルキルチオ基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルキルチオ[当該シクロアルキルチオ基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]および
フェニルまたは1−ナフチルまたは2−ナフチルまたは1から2個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロ芳香環[当該ヘテロ原子はそれぞれ独立にOおよびNからなる群から選択され、当該アリールまたはヘテロアリール基は置換されていないかフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルおよび(C
1−C
4)−アルキルチオからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]
からなる群から選択され、
R
2は、
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は置換されていないかフッ素によって完全もしくは部分的に置換されている]または
(C
3−C
7)−シクロアルキル[当該シクロアルキル基は置換されていないかフッ素によって完全もしくは部分的に置換されている]
であり、
R
4およびR
5はそれぞれ独立に、
水素、
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[当該アルコキシ基は分岐しているか分岐しておらず、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]
であり、
R
8は、
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は置換されていないかフッ素によって部分的または完全に置換されている]、
(C
1−C
6)−シクロアルキル、(C
1−C
6)−アルケニルまたは(C
1−C
6)−アルコキシアルキル[言及した基のそれぞれは置換されていないかフッ素によって部分的もしくは完全に置換されている]]
の製造方法であり、
第1段階で、式(6−1)の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン:
【0136】
【化15】
[式中、
R
1aからR
1dはそれぞれ式(4−1)について定義の通りであり、
R
3は水素であり、
R
7は水素である]を、アリール化によって変換して、下記式(5−1)のトリアジニル−置換されているオキシインドール:
【0137】
【化16】
[式中、
R
1aからR
1dならびにR
4およびR
5はそれぞれ式(4−1)について定義の通りであり、R
3およびR
7はそれぞれ式(6−1)について定義の通りである]を得て、
第2段階で、式(5−1)のアリール化生成物を、スルホニル化によって変換して、下記式(2−1)のN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドール:
【0138】
【化17】
[式中、
R
1aからR
1d、R
2およびR
4ならびにR
5はそれぞれ式(4−1)で定義の通りであり、R
3は式(6−1)について定義の通りである]を得て、
第3段階で、式(2−1)のスルホニル化生成物を、酸化的開環によって変換して、下記式(1−1)の2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド:
【0139】
【化18】
[式中、
R
1aからR
1d、R
2ならびにR
4およびR
5はそれぞれ式(4−1)について定義の通りである]を得て、
次に、第4段階で、式(1−1)の酸化生成物を、アルキル化によって変換して、下記式(4−1)のN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミド:
【0140】
【化19】
[式中、
R
1aからR
1d、R
2、R
4、R
5およびR
8はそれぞれ式(4−1)について定義の通りである]を得て、
使用されるアルキル化試薬は、
X−R
8[式中、Xは塩素、臭素またはヨウ素であり、R
8は式(4−1)について上記で定義の通りである]、または
(R
8)
2SO
4[R
8は式(4−1)について上記で定義の通りである]
である。
【0141】
式(4−1)のN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミドの製造方法A)は、本発明の主題である酸化を除いて、先行技術の出願の主題である四つの構成段階からなり、それらは以下のものである。
【0142】
−置換されているまたは置換されていない1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン類(6−1)のトリアジニル−置換されているオキシインドール類(5−1)へのアリール化。この方法は、工業的規模で可能であり、特許出願EP10196205.8に記載されている。このアリール化の実行可能性に関しては、この場合、特許出願EP10196205.8の内容が挙げられる。
【0143】
−トリアジニル−置換されているオキシインドール類(5−1)のN−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドール類(2−1)へのスルホニル化。この方法は、工業的規模で可能であり、特許出願EP11159875.1に記載されている。このスルホニル化の実行可能性に関しては、この場合、特許出願EP11159875.1の内容が挙げられる。
【0144】
−N−スルホニル−置換されている3−トリアジニルオキシインドール類(2−1)の2-(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類(1−1)への酸化的開環。この方法は、工業的規模で可能であり、本発明の主題の一部を形成している。
【0145】
−2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類(1−1)のN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミド類(4−1)へのアルキル化。この方法は、特許出願WO2006/008159A1に記載されている。このアルキル化の実行可能性に関しては、この場合、特許出願WO2006/008159A1の内容が挙げられる。
【0146】
上記アリール化は、
−炭酸塩、または
−水酸化物、または
−リン酸塩、または
−上記塩基のうちの少なくとも2種類を含む混合物
の存在下に行う。
【0147】
好ましくは、上記アリールにおいて、使用される塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは2種類の炭酸塩:炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1種類、および2種類の水酸化物:水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムのうちの少なくとも1種類からなる少なくとも2成分の混合物である。
【0148】
上記スルホニル化は、
−1−置換されているイミダゾール塩基、または
−少なくとも1種類の1−置換されているイミダゾール塩基を含む塩基混合物
の存在下に行われる。
【0149】
スルホニル化実施のための特に好ましいイミダゾール塩基は1-メチル−1H−イミダゾール、1−ブチル−1H−イミダゾールまたは1−ベンジル−1H−イミダゾールであり、それは個別にまたは混合物で用いることができ、非常に好ましくは1−メチル−1H−イミダゾールを用いる。
【0150】
上記アルキル化は、標準的なアルキル化剤を用いる行うことができる。メチル化の場合、好ましくは硫酸ジメチルを用いる。
【0151】
式(4−1)のN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホン−アミド類の除草作用(WO2007/031208A2参照)および殺菌作用(WO2006/008159A1参照)はかなり以前から知られている。
【0152】
従って、アリール化、スルホニル化、酸化およびアルキル化からなる方法A)で組み合わせる反応の実行可能性に関しての上記詳細は、式(4−1)の作物保護剤の製造における式(6−1)、(5−1)、(2−1)のオキシインドール類および式(1−1)の化合物の好適性を示している。
【0153】
B)式(4−1)のN−アルキル−N−[2−(1,3,5−トリアジン−2−イルカルボニル)フェニル]アルカンスルホンアミド類の製造方法。反応物として使用される式(6−1)の化合物は、下記式(7−1)の3−(アルキルスルファニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン:
【0154】
【化20】
[式中、
R
1aからR
1dはそれぞれ式(4−1)について定義の通りであり、
R
3は水素であり、
R
7は水素であり、
R
6は、置換されていないか置換されている(C
1−C
14)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル、ベンジルまたはCH
2−C(O)O−(C
1−C
6)−アルキルである。]から、還元によって進行させて実行して、1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(6−1):
【0155】
【化21】
[式中、R
1aからR
1d、R
3およびR
7はそれぞれ式(7−1)について定義の通りである。]を得る前述の工程段階で製造される。
【0156】
方法B)は、置換されているまたは置換されていない3−(アルキルスルファニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン類(7−1)の置換されているまたは置換されていない1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン類(6−1)への還元に関するものである。この方法は工業的規模で可能であり、特許出願EP10162381.7に記載されている。この還元の実行可能性に関しては、この場合、特許出願EP10162381.7の内容が挙げられる。
【0157】
当該還元では、
a)式(7−1)の化合物を極性溶媒に溶解または懸濁させ、
b)その溶液または懸濁液に硫黄含有塩を加え、
その反応混合物を、極性溶媒の沸点を超えない温度で加熱還流する。
【0158】
特に好ましい硫黄含有塩は、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜チオン酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウムおよびチオ硫酸ナトリウムからなる群から選択されるナトリウム塩である。
【0159】
本発明は、上記で説明した酸化方法、すなわち、式(2−1)のオキシインドール化合物の酸化的開環によって製造される式(1−1)の2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類も提供する。
【0160】
【化22】
式中、
R
1aからR
1d、R
2、R
4およびR
5はそれぞれ式(4−1)について定義の通りであり、すなわち
R
1aからR
1dはそれぞれ独立に、
水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素および
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルキル[当該シクロアルキル基は、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[当該アルコキシ基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルコキシ[当該シクロアルコキシ基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
1−C
6)−アルキルチオ[当該アルキルチオ基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
3−C
7)−シクロアルキルチオ[当該シクロアルキルチオ基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルキルおよび(C
1−C
4)−アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]および
フェニルまたは1−ナフチルまたは2−ナフチルまたは1から2個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロ芳香環[当該ヘテロ原子はそれぞれ独立にOおよびNからなる群から選択される、当該アリールまたはヘテロアリール基は置換されていないかフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルおよび(C
1−C
4)−アルキルチオからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]
からなる群から選択され、
R
2は、
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は置換されていないか、フッ素によって完全もしくは部分的に置換されている]、または
(C
3−C
7)−シクロアルキル[当該シクロアルキル基は置換されていないか、フッ素によって完全もしくは部分的に置換されている]、
R
4およびR
5はそれぞれ独立に、
水素、
(C
1−C
6)−アルキル[当該アルキル基は置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]、
(C
1−C
6)−アルコキシ[当該アルコキシ基は分岐しているか分岐しておらず、置換されていないかフッ素、塩素、(C
1−C
4)−アルコキシおよび(C
3−C
7)−シクロアルキルからなる群から選択される1以上の置換基によって置換されている]
である。
【0161】
式(1−1)の上記化合物は、式(4−1)の除草剤または殺菌剤の製造についての上記で説明された方法における重要な中間体である。式(2−1)のオキシインドール化合物の酸化的開環とその後のアルキル化によって製造される式(1−1)の2−(トリアジニルカルボニル)スルホンアニリド類も、同様に本発明の主題の一部を形成する。
【実施例】
【0162】
下記の実施例は、本発明を詳細に説明するものであるが、本発明の主題はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0163】
下記の実施例において、記載されている量は、別段で具体的に定義されていない限り、重量基準である。その説明において、略称重量%=重量パーセントも、同様にそれに用いた。測定単位、物理パラメータ等に関しては、一般的な略称を用い、例えばh=時間、m.p.=融点、l=リットル、ml=ミリリットル、g=グラム、min=分、in vacuo=減圧下に、理論値の=理論収率%、RT=室温、eq.=当量。
【0164】
NMRスペクトラムにおけるカップリングパターンは、それらが見えるように記載する。
【0165】
別段の断りがない限り、HPLC分析に基づく割合は、相対面積パーセントで報告している。
【0166】
LC−MS分析におけるパーセントは、クロマトグラムにおける特定成分の相対的割合に関するものである。
【0167】
実施例1:
N−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]−6−フルオロフェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミドの製造
【0168】
【化23】
変法A(水/アセトニトリル中の過酸化水素および硫酸鉄による酸化):
最初に、1−[(ジフルオロメチル)スルホニル]−3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1H−インドール−2−オール(100g)をアセトニトリル330mLに入れ、懸濁液を加熱して35℃とする。炭酸水素カリウム(25.4g)の水(145mL)中溶液を、45分以内に滴下する。硫酸鉄(II)・7水和物(395mg)およびピリジン−2−カルボン酸(175mg)を水1mL中で前混合し、前記混合物に加える。過酸化水素(35%水溶液、58g)を135分かけて滴下し、内部温度を25℃から28℃に維持する。撹拌を170分間続け、亜硫酸ナトリウム(3g)および炭酸水素カリウム(3g)を加え、40℃で減圧下に混合物を濃縮して282gとし、固体残留物を濾去する。2−プロパノール(150mL)を溶液に加え、塩酸を用いてpHを2に調節して、固体を析出させる。水160mLを加えた後、固体を濾過し、2−プロパノール/水(1:4)100mLおよび水200mLで洗浄し、乾燥させる。これによって、N−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]−6−フルオロフェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミドを97%の純度で得る(86.2g、理論量の90%)。
【0169】
LC−MS:M+H=393(96%)。
【0170】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ(ppm)=9.2(幅広いs、1H)、7.54(d、1H)、7.47(t、1H)、7.34(dt、1H)、6.48(t、1H)、4.12(s、6H)。
【0171】
変法B(過マンガン酸カリウムによる酸化):
最初に、過マンガン酸カリウム(184mg)および炭酸カリウム(96mg)を0℃で水およびアセトニトリル(1:1)の混合物2mLに加える。冷却しながら、1−[(ジフルオロメチル)スルホニル]−3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1H−インドール−2−オール(186mg)を20分以内に固体として少量ずつ加え、混合物をさらに90分間撹拌する。後処理のため、希硫酸(20%水溶液、2mL)を加え、ガス発生が終わるまで混合物を短時間撹拌し、混合物を亜硫酸ナトリウム溶液(10%水溶液、3mL)に滴下する。有機溶媒を減圧下に実質的に除去し、水系残留物をジクロロメタンで抽出する。有機相を塩化アンモニウム水溶液で1回洗浄し、濃縮する。これによって、HPLC純度>99%でN−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]−6−フルオロフェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミドが得られる(123mg、理論値の72%)。NMRは、変法Aで得られる生成物のものに相当する。
【0172】
変法C(=比較例1C−触媒を用いない過酸化水素による酸化):
最初に1−[(ジフルオロメチル)スルホニル]−3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−7−フルオロ−1H−インドール−2−オール(60g)をアセトニトリル165mLに入れ、懸濁液を加熱して35℃を得る。炭酸水素カリウム(14.8g)の水(74mL)中溶液を滴下し、混合物を30分以内で加熱して35℃とし、35℃でさらに10分間撹拌する。混合物を再度冷却して25℃とし、過酸化水素(35%水溶液、34g)を4時間以内に滴下し、その間、内部温度は25℃から27℃に維持する。結果的に透明な均一溶液となる。混合物を終夜にわたり22℃で放置する。HPLCによれば(210nm、面積パーセントでの数字)、15%の標題化合物および78%のアルコール(N−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)(ヒドロキシ)メチル]−6−フルオロフェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミド)が生成している。亜硫酸ナトリウム(18g)および炭酸水素カリウム(19g)を混合物に少量ずつ加え、混合物を減圧下に40℃で濃縮し、その間に留出物168mLを除去する。実施例1変法Aでのように2−プロパノールによる濾過可能な固体としての生成物混合物の単離はできないことから、混合物を水で体積1リットルとし、冷却して5℃とし、pHを塩酸で2に調節し、沈殿固体を濾過し、水1リットルで洗浄する。これによって、混合物50.1gが得られ、それはHPLCによれば、標題化合物(面積14%)およびアルコールN−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)(ヒドロキシ)メチル]−6−フルオロフェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミド(面積82%)からなる。収率は理論値の13%(標題化合物)および理論値の76%(アルコール)である。
【0173】
混合物のNMRは、標題化合物(約12%)およびアルコール(約88%)の存在を確認するものである。
【0174】
N−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)(ヒドロキシ)メチル]−6−フルオロフェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミドの
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ(ppm)=9.4(幅広いs、1H)、7.48(d、1H)、7.31(dt、1H)、7.14(t、1H)、6.57(t、1H)、6.10(s、1H)、4.7(幅広いs、1H)、4.09(s、6H)。
【0175】
合成例2から9は、硫酸鉄(II)・7水和物およびピリジン−2−カルボン酸の存在下にアセトニトリル/水中の過酸化水素による酸化によって行った。
【0176】
実施例2:
N−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]−4−メトキシフェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミド
【0177】
【化24】
LC−MS:M+H=405(100%)。
【0178】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ(ppm)=10.5(幅広いs、1H)、7.78(d、1H)、7.19(dd、1H)、7.14(d、1H)、6.29(t、1H)、4.12(s、6H)、3.78(s、3H)。
【0179】
実施例3:
N−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]−4,6−ジフルオロフェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミド
【0180】
【化25】
LC−MS:M+H=411(91%)。
【0181】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ(ppm)=8.2(幅広いs、1H)、7.35(dd、1H)、7.21(dt、1H)、6.35(t、1H)、4.12(s、6H)。
【0182】
実施例4:
N−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]−6−メトキシフェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミド
【0183】
【化26】
LC−MS:M+H=405(98%)。
【0184】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ(ppm)=8.6(幅広いs、1H)、7.30−7.35(m、2H)、7.24(dd、1H)、6.52(t、1H)、4.11(s、6H)、3.96(s、3H)。
【0185】
実施例5:
N−{2−[(4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]−6−フルオロフェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミド
【0186】
【化27】
LC−MS:M−H=419(100%)。
【0187】
1H NMR(600MHz、CDCl
3):δ(ppm)=9.2(幅広いs、1H)、7.56(d、1H)、7.46(t、1H)、7.35(dt、1H)、6.50(t、1H)、4.55(q、4H)、1.46(t、6H)。
【0188】
実施例6:
1,1−ジフルオロ−N−{2−フルオロ−6−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]フェニル}メタンスルホンアミド
【0189】
【化28】
LC−MS:M+H=377(100%)。
【0190】
1H NMR(600MHz、CDCl
3):δ(ppm)=9.2(幅広いs、1H)、7.52(d、1H)、7.48(t、1H)、7.36(dt、1H)、6.50(t、1H)、4.11(s、3H)、2.72(s、3H)。
【0191】
実施例7:
N−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]−6−フルオロフェニル}−1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミド
【0192】
【化29】
LC−MS:M+H=411(88%)。
【0193】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ(ppm)=8.7(幅広いs、1H)、7.55(dt、1H)、7.40−7.50(m、2H)、4.12(s、6H)。
【0194】
実施例8:
N−{2−クロロ−6−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]フェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミド
【0195】
【化30】
LC−MS:M+H=409、411(100%)。
【0196】
1H NMR(400MHz、DMSO−D
6):δ(ppm)=11.0(幅広いs、1H)、7.88(dd、1H)、7.75(dd、1H)、7.58(t、1H)、6.93(t、1H)、3.96(s、6H)。
【0197】
合成例9および10は、アセトニトリル/水中での過マンガン酸カリウムによる酸化によって行った。
【0198】
実施例9:
N−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]−4−フルオロフェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミド
【0199】
【化31】
LC−MS:M+H=393(96%)。
【0200】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ(ppm)=10.8(幅広いs、1H)、7.87(dd、1H)、7.34−7.42(m、2H)、6.33(t、1H)、4.13(s、6H)。
【0201】
実施例10:
N−{2−[(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルボニル]フェニル}−1,1−ジフルオロメタンスルホンアミド
【0202】
【化32】
LC−MS:M+H=375(90%)。
【0203】
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ(ppm)=11.1(幅広いs、1H)、7.88(d、1H)、7.61−7.68(m、2H)、7.18(t、1H)、6.34(t、1H)、4.12(s、6H)。