(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
電柱間に架設される高圧線には、高圧線を分岐させて柱上変圧器に引き込む引下線が接続される。引下線は、高圧線に固定される引下線用コネクタを介して高圧線と電気的・機械的に固定される。
引下線用コネクタについて
図1を参照して説明する。
引下線用コネクタ200は、高圧線W1を挟圧する円弧状の挟圧部(挟圧面)211、221が互いの対向面に形成された第一挟圧片210及び第二挟圧片220とを備えている。また引下線用コネクタ200は、第一挟圧片210及び第二挟圧片220の夫々に貫通形成されて互いに連通する第一挿通孔212及び第二挿通孔222と、第二挟圧片220側から第二挿通孔222及び第一挿通孔212に跨がって軸部231bが挿通されると共に第二挟圧片220に対する相対回転を禁止されたボルト231と、第一挟圧片210の第一挿通孔212から突出したボルト231の軸部231bに螺着されるナット233と、を備えている。また、ボルト231は、その頭部231a近傍の軸部231bに貫通形成されて引下線W2を挿通するための引下線挿通穴232を備えている。更に、引下線用コネクタ200は、第一挟圧片210と第二挟圧片220とを一体化すると共に、2つの挟圧部211、221を互いに離間させる方向に弾性付勢する概略C字形状の線材からなるバネ部材234を備えている。
【0003】
引下線用コネクタを高圧線に固定する際には、引下線用コネクタを支持するコネクタ支持具が用いられる。
図5は、従来のコネクタ支持具の使用状況を示す図であり、
図1の矢印B方向から観察した図に対応する。
従来のコネクタ支持具240は、コネクタ200の下端部(バネ部材234側)を収容する概略円筒状の収容部241と、収容部241の側面に形成されてバネ部材234が挿入されるスリット242と、絶縁操作棒(不図示)の先端に着脱自在に装着するための菊座部243とを備えている。コネクタ支持具240は、予め絶縁操作棒の先端に固定された状態にて使用される。
従来は、引下線W2を保持したコネクタ200を高圧線W1周りに1周させて引下線W2を高圧線W1に巻き付けた後、絶縁操作棒の先端に取り付けられたコネクタ支持具240をコネクタ200に装着し、挟圧部211、221間に高圧線W1が位置するように絶縁操作棒を操作してコネクタ200を移動させていた。
しかし、コネクタ200は重心位置の関係から引下線W2周りに回転して横を向いた姿勢で安定してしまい、バネ部材234が下方に向くことは殆どない。そのため、作業員の一人が絶縁ヤットコを操作してバネ部材234が下方に位置するようにコネクタ200の向きを調整し、もう一人の作業員が絶縁操作棒の先端に固定されたコネクタ支持具240を、コネクタ200の真下からコネクタ200に装着する必要があり、コネクタ200にコネクタ支持具240を装着する作業に無駄に多くの時間を要していた。
【0004】
コネクタを支持する支持具として特許文献1には、コネクタのボルトの頭部及びナットを嵌める受け部を一端部に有して対向配置された2枚の側板部と、側板部の他端部に配置されて2枚の側板部間の距離を一定に保持する架橋部材と、側板部の中間部に配置されて2枚の側板部の間隔を拡大又は縮小させるボルト及びナットを備えた支持具が記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0013】
〔第一の実施形態〕
本発明の第一の実施形態に係る引下線用コネクタ支持具について、
図1及び
図2に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る引下線用コネクタ支持具の使用状態を示す正面図である。
図2は、
図1のA矢視図及びB矢視図である。
本発明の第一の実施形態に係る引下線用コネクタ支持具(以下、単に「支持具」という)は、コネクタの挟圧片の外側面に添設されて挟圧片を挟持する2つの挟持部のうちの一方を開閉するように構成して、支持具をコネクタに対して容易に着脱できるようにした点に特徴がある。
【0014】
引下線用コネクタ支持具(支持具1)は、ベース10と、第一挟圧片210の外側面に添設される第一挟持部21を備えると共にベース10によって支持された第一挟持部材20と、一端部に、第二挟圧片220の外側面に添設されることにより第一挟持部21との間で第一挟圧片210及び第二挟圧片220を挟持する第二挟持部31を備え、中間部にベース10によって回動自在に支持された軸支部33を備え、他端部に軸支部33を中心として第二挟持部31を第一挟持部21に対して開閉動作させる操作部35を備えた第二挟持部材30と、ベース10に設けられて絶縁ヤットコにて把持可能な把持部50と、を備えている。
ベース10、第一挟持部材20、第二挟持部材30、及び把持部50は、容易には変形しない程度の剛性を有した金属、樹脂等から構成される。
【0015】
ベース10は、第一挟持部材20、第二挟持部材30、及び把持部50を一体化させる部材であり、ベース10には第一挟持部材20及び把持部50が固定されている。ベース10に対して第二挟持部材30のみが回動動作する構成であり、支持具1の構成が簡略化されている。
ベース10は概略平板状であり、ベース10の一面10a側には、第一挟持部材20及び第二挟持部材30の第二挟持部31が一面10aと交差する方向に突出している。ベース10の他面10b側には第二挟持部材30の操作部35及び、把持部50が突出している。本実施形態におけるベース10は、概略平板状であるが、その形状は特に限定されない。
【0016】
第一挟持部材20の第一挟持部21は、ナット233を外部に露出させる第一開口23を有する。コネクタ200を高圧線W1に取り付ける際には、間接ラチェット等のレンチ類を用いてナット233をボルト231に締結させる必要があるから、ナット233は、支持具1をコネクタ200に装着した状態で支持具1から露出している必要がある。従って、第一挟持部材20の第一挟持部21の厚さ(
図1中左右方向の長さ)は、ナット233の軸方向長よりも短く(薄く)設定される。これにより、ナット233は第一開口23から第一挟圧片210との非対向面側へ突出する。第一挟持部21から露出したナット233に間接ラチェット等のレンチ類(不図示)を嵌合又は係合させることができ、ナット233をボルト231に締結することができる。
【0017】
図2に示す第一開口23は、第一挟持部21の長手方向の一端縁21aを切り欠いた凹状の切欠きである。第一開口23の開口幅tは、切欠きに沿ってナット233が進退移動可能な大きさに設定されている。このため、ナット233は第一挟持部21に対して、第一開口23に沿って
図2中上下方向に移動可能である。
図1のように第一挟持部材20がベース10に対して固定されていたとしても、第二挟持部材30を第二挟持片220から離間させて支持具1を下方に移動させれば、支持具1を引下線用コネクタ200から容易に取り外すことができる。
【0018】
第二挟持部材30の第二挟持部31は、第一挟持部21に対向して配置されており、第一挟持部21と第二挟持部31との対向面にて、コネクタ200を挟持する。
第二挟持部材30は、長手方向中間部に設けた軸支部33において、ベース10によって回動自在に軸支されており、第二挟持部31は軸支部33を中心として回動しつつ第一挟持部21に対して接離移動する。
第二挟持部材30の第二挟持部31は、ボルト231の頭部231aを外部に露出させる第二開口37を有する。第二開口37は、第二挟持部31の短手方向の一端縁31cを切り欠いた切欠きである。第二開口37は、引下線挿通穴232から引き出された引下線W2及びボルト231の頭部231aが第二挟持部31の内側の面(第一挟持部21との対向面)と干渉しないようにする。このようにすることで、第二挟持部31の内側の面(第一挟持部21との対向面)を第二挟圧片220の外側面から浮かないようにすることができ、コネクタ200挟持した支持具1のコネクタ200からの脱落やガタツキを防止する。なお、第二挟持部31は回動により、第一挟持部21に対して接近又は離間移動するので、第二開口37の一端縁31c側の開口幅は第一開口23とは異なり、必ずしもボルト231の頭部231aが通過可能である必要はない。
また、第二開口37を短手方向の一端縁31cから形成したことにより、第二挟持部31の長手方向一端部(上端部)は、ボルト231の頭部231aに係止可能な係止部39が形成されている。係止部39をボルト231の頭部231aに係止することにより、支持具1がコネクタ200に吊り下げられる格好となるので、支持具1がコネクタ200から脱落しにくくなる。
第二挟持部材30の長手方向他端部には、第二挟持部材30を回転操作するための操作部35が形成されている。第二挟持部31は、操作部35を軸支部33周りに回動させることにより、その回動操作に伴って、第一挟持部21に対して矢印C方向に接離移動する。
絶縁ヤットコ250と接触する操作部35の表面には、滑止部材36が配置されている。滑止部材36は、絶縁ヤットコ250との間で高い摩擦力を発生させる材料(例えばゴム等)を塗布するか、又は当該材料からなるシート状部材を貼付すること等により形成される。或いは、操作部35の表面に複数の溝(又は凹凸)を形成して、これを滑止部材としてもよい。絶縁ヤットコ250にて操作部35を操作したときに、絶縁ヤットコの滑動を防止して操作性を向上させる。
【0019】
支持具1は、第二挟持部材30を閉止方向(第一挟持部材20に対して接近する方向)に常時弾性付勢する弾性付勢部材(不図示)を備えている。弾性付勢部材は、例えば軸支部33に内蔵したトーションバネとすることができる。
把持部50は、ベース10に設けられている。把持部50は、ベース10の他面10b(第一挟持部材20が形成された面とは反対の面)から、この面と交差する方向に突出形成されている。
絶縁ヤットコ250と接触する把持部50の表面には滑止部材51が配置されている。滑止部材51は、絶縁ヤットコ250との間で高い摩擦力を発生させる材料(例えばゴム等)を塗布するか、又は当該材料からなるシート状部材を貼付すること等により形成される。或いは、操作部35の表面に複数の溝を形成して、これを滑止部材としてもよい。絶縁ヤットコ250にて把持部50を把持等したときに、絶縁ヤットコ250の滑動を防止して操作性を向上させる。
把持部50のベース10寄りの位置には、外方に突出したつば状のヤットコストッパ53が設けられている。ヤットコストッパ53は、容易には変形しない程度の剛性を有した金属、樹脂等から構成される。ヤットコストッパ53は、絶縁ヤットコ250にて把持部50を把持したとき、把持部50に対する絶縁ヤットコ250の、図中上下方向における位置を安定させる。ヤットコストッパ53は、把持部50と一体形成されてもよいし、別体として構成された部品を後に一体化させたものでもよい。
【0020】
第一挟持部21と第二挟持部31の面内の適所には、バネ部材234を外部に露出させて、各挟持部とバネ部材234との干渉を防止するスリット状のバネ部材露出穴25、41が貫通形成されている。なお、バネ部材234は、必ずしも外部に露出させる必要はない。例えば、各挟持部のコネクタ200との対向面にバネ部材234を受け入れる凹所を形成して、各挟持部とバネ部材234との干渉を防止する構成としてもよい。
【0021】
第一挟持部材20の長手方向の他端部21bには、第二挟持部31との対向面から第二挟持部31に向けてコネクタストッパ60が突出形成されている。コネクタストッパ60の上面は、コネクタ200の下端が当接する当接面である。
ナット233をボルト231に締結する際に、間接ラチェットをボルト231の軸周りに回転させることから、コネクタ200には一時的に押し下げる力が働く。このような力が加わったとき、コネクタストッパ60がコネクタ200の下端を支持することにより、コネクタ200の姿勢を安定させて、ナット233の締結作業を容易に行えるようにする。
コネクタストッパ60は、容易には変形しない程度の剛性を有した金属、樹脂等から構成される。コネクタストッパ60は、第一挟持部材20と一体成形されてもよいし、別体として構成された部品を後に一体化させたものでもよい。
なお、コネクタストッパ60は、第二の実施形態に示すように、ベース10の一面10a(上面)から上方に突出させた構成としてもよい。
【0022】
コネクタ支持具の使用方法について説明する。
コネクタ200に、柱上変圧器から引き出された引下線W2を接続する。引下線挿通穴232内に引下線W2の先端部を挿通し、引下線挿通穴232から露出した引下線W2の先端部を折り返して、引下線W2が引下線挿通穴232から離脱しないようにする。
コネクタ200に支持具1を装着する。操作部35を操作して第二挟持部31を第一挟持部21から離間させ、第一挟持部21と第二挟持部31との間にコネクタ200を挿入し、第一挟持部21と第二挟持部31とによって第一挟圧片210と第二挟圧片220を挟持した状態とする。このとき、第一開口23からナット233を露出させ、第二開口37からボルト231の頭部231a及び引下線W2を露出させる。なお、この段階で引下線W2は充電されていないため、この作業は素手で行ってよい。
続いて、絶縁ヤットコ250を用いて二人の作業員により引下線W2を高圧線W1に1回だけ巻き付ける(
図5参照)。なお、高圧線W1は活線状態であるので、以降の作業は絶縁ヤットコ等を使用した間接活線工法により行う。引下線W2を高圧線W1に巻き付けた後、支持具1は重心のある把持部50側が下方となるように引下線W2周りに回動してその姿勢が安定する。
一人の作業員が絶縁ヤットコ250にて把持部50を把持し、挟圧部211、221間に高圧線W1が挿入されるようにコネクタ200を移動させる。もう一人の作業員が間接ラチェットを用いてナット233をボルト231に締結し、挟圧部211、221にて高圧線W1を挟圧する。
間接ラチェットの使用時には、絶縁ヤットコ250をヤットコストッパ53に当接させて支持具1を上方に押し上げておくようにすれば、コネクタ200が高圧線W1から離間することはない。また、コネクタ200に対して下向きの力が加わったとしても、コネクタ200はコネクタストッパ60よりも下方に移動しないため、その姿勢を安定させた状態にて締結作業を進めることができる。
最後に、把持部50と操作部35とを絶縁ヤットコ250にて同時に挟持することにより、第二挟持部31をボルト231の頭部231aから離間させる。そして、支持具1を下方に移動させれば、ナット233が第一開口23に沿って移動し、支持具1をスムーズにコネクタ200から取り外すことができる。
【0023】
以上のように本実施形態によれば、絶縁ヤットコにて把持可能な把持部を備えたので、支持具が接続された引下線を高圧線に巻き付けた後であっても、支持具を容易に操作することができる。また、把持部と操作部とを絶縁ヤットコにて同時に挟持するという簡単な操作で、一方の挟持部が他方の挟持部に対して洗濯バサミ状に開閉するようにしたので、支持具の取り外しが容易であり、作業性が向上する。
【0024】
〔第二の実施形態〕
本発明の第二の実施形態に係るコネクタ支持具について
図3に基づいて説明する。
図3は、本発明の第二の実施形態に係る引下線用コネクタ支持具の使用状態を示す正面図である。本実施形態に係るコネクタ支持具は、第一挟持部材を第二挟持部材と同様にベースによって回動自在に支持した点に特徴がある。以下、第一の実施形態と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
第一挟持部材70は、一端部に第一挟圧片210の外側面に添設されることにより第二挟持部31との間で第一挟圧片210及び第二挟圧片220を挟持する第一挟持部21を備え、中間部にベース10によって回動自在に支持された第一軸支部73を備え、他端部に第一軸支部73を中心として第一挟持部21を第二挟持部31に対して開閉動作させる第一操作部75を備えている。
第一挟持部材70は、第二挟持部材30と同様に可動する構成である。また、絶縁ヤットコ250と接触する第一操作部75の表面には、滑止部材76が配置されている。
コネクタストッパ61は、ベース10の一面10a(上面)から上方に突出形成されており、コネクタストッパ61の上面がコネクタ200の下端と当接する当接面である。なお、コネクタストッパ61は第一の実施形態と同様に、第一挟持部21又は第二挟持部31から、他方の挟持部に向けて突出形成したものであってもよい。
本実施形態に係る支持具の使用方法は第一の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
以上のように本実施形態によれば、第二挟持部材30のみならず第一挟持部材20も回動するので、第一挟持部材20と第二挟持部材30を大きく開くことができ、コネクタ200に対して支持具1を着脱する操作が容易となる。
【0025】
〔挟持部の変形実施形態〕
第一挟持部と第二挟持部の変形例について
図4に基づいて説明する。
図4(a)〜(c)は、第一挟持部と第二挟持部の変形例を示した側面図である。
第一挟持部21は、
図2のB矢視図に示す形状の他にも、
図2のA矢視図に示された第二挟持部31と同様の形状とすることができる。
また、第一挟持部21は
図4(a)に示すように、第一挟持部21の長手方向の一端縁21aを切り欠いた凹状の切欠きとしての第一開口23と、スリット状のバネ部材露出穴25とを連結、一体化して1つの切欠きを形成した概略U字形状とすることができる。或いは、第一挟持部21は、
図4(b)に示すように、ナット233の一方の側部(図ではナット233の右側のみ)に沿って伸びる片腕形状とすることができる。或いは、
図4(c)に示すように、第一開口23を第一挟持部21の面内に貫通形成した穴としてよい。この場合、第一挟持部21の長手方向一端部側には、ナット233に係止される係止部27が形成される。また、
図4(c)に示す第一開口23とバネ部材露出穴25とを連結、一体化させてもよい。
【0026】
第二挟持部31は、
図2のA矢視図に示す形状の他にも、
図2のB矢視図に示された第一挟持部21と同様の形状とすることができる。
また、第二挟持部31は
図4(a)に示すように、第二挟持部31の長手方向の一端縁を切り欠いた凹状の切欠きとしての第二開口37とバネ部材露出穴41とを連通させた概略U字形状とすることができる。或いは、第二挟持部31は、
図4(b)に示すように、ボルト231の一方の側部(図ではナット233の右側のみ)に沿って伸びる片腕形状とすることができる。或いは、
図4(c)に示すように、第二開口37を第二挟持部31の面内に貫通形成した穴としてよい。この場合、第二挟持部31の長手方向一端部側には、ボルト231の頭部231aに係止される係止部39が形成される。また、
図4(c)に示す第二開口37と、バネ部材露出穴41とを連結、一体化させてもよい。
【0027】
更に第二挟持部31は、
図4(c)に示す第二開口37の代わりに、第一挟持部21との対向面にボルト231の頭部231a及び引下線W2の先端部を受け入れ可能な凹所を形成してもよい。この場合も、ボルト231の頭部231aには凹所の上部が係止されることになるので、コネクタ200に装着したときの支持具の脱落を防止できる。
何れの場合も、第二挟持部31に関しては、引下線挿通穴232から引き出された引下線W2と干渉しないようにする必要がある。例えば、
図2のB矢視図や
図4(a)、(c)に示す形状の挟持部を第二挟持部として採用する場合、引下線挿通穴232から引き出された引下線W2を受け入れる凹所を、第二挟圧片220との対向面に形成することが望ましい。
上記各構成は、第一挟持部と第二挟持部とで適宜組み合わせて実施することができるが、少なくとも、第一挟持部と第二挟持部の一方がボルト231の頭部231a又はナット233に係止可能な係止部を備えるようにして、コネクタ200からの脱落を防止するように構成することが望ましい。
【0028】
〔本発明の実施態様例と効果〕
(第一の実施態様)
引下線用コネクタ支持具1は、ベース10と、第一挟圧片210の外側面に添設される第一挟持部21を備えると共にベース10によって支持された第一挟持部材20と、一端部に、第二挟圧片220の外側面に添設されることにより第一挟持部21との間で第一挟圧片210及び第二挟圧片220を挟持する第二挟持部31を備え、中間部にベース10によって回動自在に支持された軸支部33を備え、他端部に軸支部33を中心として第二挟持部31を第一挟持部21に対して開閉動作させる操作部35を備えた第二挟持部材30と、ベース10に設けられて絶縁ヤットコにて把持可能な把持部50と、を備えたことを特徴とする。
引下線用コネクタ支持具1は、絶縁ヤットコにて把持するための把持部50を備えたので、間接活線用の作業用具として好適である。引下線用コネクタ支持具1の操作部35を操作することで、第二挟持部材30が回動し、第二挟持部材30が第一挟持部材20に対して洗濯バサミ状に開閉するので、引下線用コネクタからの取り外しが非常に容易である。また、第二挟持部材30が洗濯バサミ状に開閉する構成なので、引下線用コネクタ支持具は容易に引下線用コネクタから取り外すことができる。
【0029】
(第二の実施態様)
引下線用コネクタ200は、第一挟圧片210及び第二挟圧片220の夫々に貫通形成されて互いに連通する第一挿通孔212及び第二挿通孔222と、第二挟圧片220側から第二挿通孔222及び第一挿通孔212に跨がって軸部231bが挿通されると共に第二挟圧片220に対して相対回転を禁止されたボルト231と、第一挟圧片210の第一挿通孔212から突出したボルト231の軸部231bに螺着されるナット233と、を備えている。
本態様において、引下線用コネクタ支持具1の第一挟持部21は、ナット233を露出させる第一開口23を有することを特徴とする。
第一開口23は、第一挟持部21の端縁を切り欠いた切欠き又は凹所(
図2、
図4(a))としてもよいし、第一挟持部21の面内に形成された穴(
図4(c))としてもよい。第一開口23からナット233が露出するので、ナット233に対して間接ラチェット等のレンチ類を嵌合又は係合させることができ、ナット233をボルト231に締結することができる。
【0030】
(第三の実施態様)
本態様において、第一開口23は、第一挟持部21の一端縁21aを切り欠いた切欠きであり、且つ切欠きに沿ってナット233が進退移動可能な開口幅tを有することを特徴とする。
ナット233は第一挟持部21に対して、第一開口23に沿って
図2中上下方向に移動可能である。
図1のように第一挟持部材20がベース10に対して固定されていたとしても、第二挟持部材30を第二挟持片220から離間させて支持具1を下方に移動させれば、支持具1を引下線用コネクタ200から容易に取り外すことができる。
【0031】
(第四の実施態様)
引下線用コネクタ200は、第一挟圧片210及び第二挟圧片220の夫々に貫通形成されて互いに連通する第一挿通孔212及び第二挿通孔222と、第二挟圧片220側から第二挿通孔222及び第一挿通孔212に跨がって軸部231bが挿通されると共に第二挟圧片220に対して相対回転を禁止されたボルト231と、第一挟圧片210の第一挿通孔212から突出したボルト231の軸部231bに螺着されるナット233と、を備えている。ボルト231は、その頭部231a近傍の軸部231bに貫通形成されて引下線W2を挿通する引下線挿通穴232を備えている。
本態様において第二挟持部材30は、引下線挿通穴232から引き出された引下線W2及びボルト231の頭部231aを外部に露出させる第二開口37を有することを特徴とする。
第二挟持部31の内側の面(第一挟持部21との対向面)を第二挟圧片220の外側面から浮かないようにすることができ、コネクタ200挟持した支持具1のコネクタ200からの脱落やガタツキを防止する。
【0032】
(第五の実施態様)
本態様は、第一挟持部材20がベース10に固定されていることを特徴とする。
第二挟持部材30のみがベース10に対して回動するので、支持具1の構成を簡略化できる。
【0033】
(第六の実施態様)
本態様は、第一挟持部材20がベース10に対して回動自在に軸支されていることを特徴とする。
第二挟持部材30のみならず第一挟持部材20も回動するので、第一挟持部材20と第二挟持部材30を大きく開くことができ、コネクタ200に対して支持具1を着脱する操作が容易となる。