(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964364
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】スイッチト寄生素子を備えた操縦性ビームアンテナを使用するビーム操縦のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 3/44 20060101AFI20160721BHJP
H01Q 19/30 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
H01Q3/44
H01Q19/30
【請求項の数】21
【外国語出願】
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2014-138973(P2014-138973)
(22)【出願日】2014年7月4日
(62)【分割の表示】特願2012-532379(P2012-532379)の分割
【原出願日】2010年10月1日
(65)【公開番号】特開2014-222913(P2014-222913A)
(43)【公開日】2014年11月27日
【審査請求日】2014年8月4日
(31)【優先権主張番号】12/571,667
(32)【優先日】2009年10月1日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】ノアム・リブネ
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル・カトスナー
(72)【発明者】
【氏名】アーネスト・ティー.・オザキ
(72)【発明者】
【氏名】ベレド・バー・ブラチャ
(72)【発明者】
【氏名】モハンマド・エー.・タッソウドジ
【審査官】
岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−094696(JP,A)
【文献】
特開2001−127540(JP,A)
【文献】
特開2001−036337(JP,A)
【文献】
特開昭55−052603(JP,A)
【文献】
特開2004−312774(JP,A)
【文献】
特開昭61−025304(JP,A)
【文献】
特開2003−258533(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/105126(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0158798(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0152893(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナであって、
第1の平面円形構造と;
前記第1の平面円形構造の中心に位置する放射素子と;
前記放射素子の周りに、前記第1の平面円形構造の輪郭上に位置する1つまたは複数の第1の寄生素子と、なお、前記1つまたは複数の第1の寄生素子は、前記放射素子と並行方向に位置合わせされ、前記1つまたは複数の第1の寄生素子は、前記第1の平面円形構造から突き出ている;
1つまたは複数の第1のスイッチと、なお、前記1つまたは複数の第1のスイッチの各第1のスイッチは、前記1つまたは複数の第1の寄生素子の対応する寄生素子をグラウンドから分離しており、前記第1のスイッチの各々は、前記対応する寄生素子をグラウンドから選択的に切断するように構成される;
を具備し、
前記対応する寄生素子は、前記第1のスイッチが前記対応する寄生素子とグラウンドとを接続するときに、反射器として機能して180度の位相で電磁エネルギを反射し、前記第1のスイッチが前記寄生素子をグラウンドから切断するときに、導波器として機能して0度の位相で電磁エネルギを反射し、前記第1のスイッチが前記対応する寄生素子とグラウンドの間にリアクティブ負荷を接続するときに、180度または0度以外の位相で電磁エネルギを反射し、
前記1つまたは複数の第1のスイッチは、個別の数の切替可能なビームを生成するために、前記1つまたは複数の第1の寄生素子のサブセットを前記グラウンドから選択的に切断することによって、360度の方位角にわたる前記アンテナのアクティブビーム操縦制御を可能にする、アンテナ。
【請求項2】
前記対応する寄生素子は、前記第1のスイッチが前記対応する寄生素子と、リアクティブ負荷と、グラウンドとを接続するときに、位相差を有する反射器として機能する、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記アンテナは、ダイポールアンテナであり、前記第1の平面円形構造は、非導電材料を含み、前記放射素子および前記1つまたは複数の第1の寄生素子の各々は、両方向において、前記第1の平面円形構造から垂直に突き出ている、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記アンテナは、モノポールアンテナであり、前記第1の平面円形構造は、グラウンドに結合された導電材料を含み、前記放射素子および前記1つまたは複数の第1の寄生素子の各々は、1つの方向において、前記第1の平面円形構造から垂直に突き出ている、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記第1の平面円形構造に垂直に積み重ねられた第2の平面円形構造と、なお、前記第1の平面円形構造から突き出ている前記1つまたは複数の第1の寄生素子の数と同数の1つまたは複数の第2の寄生素子が、前記第2の平面円形構造から突き出ている;
1つまたは複数の第2のスイッチと、なお、各第2のスイッチは、前記1つまたは複数の第1のスイッチの特定の第1のスイッチに対応し、前記1つまたは複数の第2の寄生素子の対応する第2の寄生素子をグラウンドから選択的に分離し、前記特定の第1のスイッチと同様の構成を有する;
をさらに具備する、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項6】
前記アンテナは、電磁信号を送信することおよび電磁信号を受信することが可能である、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項7】
前記アンテナは、前記放射素子の単一のポートにおいて供給される、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項8】
前記第1の平面円形構造および前記第2の平面円形構造は、主放射ビームの仰角の制御を可能にする、素子間の調整可能な位相差を有するフェーズドアレイの前記素子として供給される、請求項5に記載のアンテナ。
【請求項9】
平面円形構造を備えるアンテナにおいて、1つまたは複数のスイッチの第1のスイッチを使用して、前記アンテナの1つまたは複数の寄生素子の特定の寄生素子を、リアクティブ負荷およびグラウンドに選択的に接続することを具備し、
前記1つまたは複数のスイッチの各スイッチは、前記1つまたは複数の寄生素子の対応する寄生素子をグラウンドから分離し、
前記1つまたは複数の寄生素子は、前記アンテナの放射素子の周りに、前記平面円形構造の輪郭上に位置し、
前記放射素子は、前記アンテナの前記平面円形構造の中心に位置し、
前記1つまたは複数の寄生素子は、前記放射素子と並行方向に位置合わせされ、
前記1つまたは複数の寄生素子は、前記平面円形構造から突き出ており、
前記特定の寄生素子は、前記特定の寄生素子と、グラウンドと、前記リアクティブ負荷とが接続されるときに、位相差を有する反射器として機能し、
前記対応する寄生素子は、前記第1のスイッチが前記対応する寄生素子とグラウンドとを接続するときに、反射器として機能して180度の位相で電磁エネルギを反射し、前記第1のスイッチが前記寄生素子をグラウンドから切断するときに、導波器として機能して0度の位相で電磁エネルギを反射し、前記第1のスイッチが前記対応する寄生素子とグラウンドの間にリアクティブ負荷を接続するときに、180度または0度以外の位相で電磁エネルギを反射し、
前記1つまたは複数の第1のスイッチは、個別の数の切替可能なビームを生成するために、前記1つまたは複数の第1の寄生素子のサブセットを前記グラウンドから選択的に切断することによって、360度の方位角にわたる前記アンテナのアクティブビーム操縦制御を可能にする、方法。
【請求項10】
前記第1のスイッチを使用して、前記特定の寄生素子をグラウンドに選択的に接続することと、前記特定の寄生素子を前記リアクティブ負荷から選択的に切断することをさらに具備し、前記特定の寄生素子は、前記特定の寄生素子がグラウンドに接続され、前記特定の寄生素子が前記リアクティブ負荷から切断されるときに、位相差を有さない反射器として機能する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のスイッチを使用して、前記特定の寄生素子をグラウンドから選択的に切断することと、前記特定の寄生素子を前記リアクティブ負荷から切断することとをさらに具備し、前記特定の寄生素子は、前記特定の寄生素子がグラウンドから切断され、前記特定の寄生素子が前記リアクティブ負荷から切断されるときに、導波器として機能する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータ実行可能命令が記録されたコンピュータ可読な記録媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
第1の平面円形構造を備えるアンテナにおいて、前記アンテナの1つまたは複数の第1のスイッチの特定のスイッチを使用して、前記アンテナの1つまたは複数の第1の寄生素子の特定の寄生素子を、グラウンドから選択的に切断させるコンピュータ可読な記録媒体であり、
前記1つまたは複数の第1のスイッチの各第1のスイッチは、前記1つまたは複数の第1の寄生素子の対応する寄生素子をグラウンドから分離し、
前記1つまたは複数の第1の寄生素子は、前記アンテナの放射素子の周りに、前記第1の平面円形構造の輪郭上に位置し、
前記放射素子は、前記アンテナの前記第1の平面円形構造の中心に位置し、
前記1つまたは複数の第1の寄生素子は、前記放射素子と並行方向に位置合わせされ、
前記1つまたは複数の第1の寄生素子は、前記第1の平面円形構造から突き出ており、
第2の平面円形構造は、前記第1の平面円形構造に垂直に積み重ねられており、
前記第1の平面円形構造から突き出ている前記1つまたは複数の第1の寄生素子の数と同数の1つまたは複数の第2の寄生素子が、前記第2の平面円形構造から突き出ており、
1つまたは複数の第2のスイッチの各第2のスイッチは、前記1つまたは複数の第1のスイッチの特定の第1のスイッチに対応し、前記1つまたは複数の第2の寄生素子の対応する第2の寄生素子をグラウンドから分離し、特定の第1のスイッチと同様の構成を有し、
前記対応する寄生素子は、前記第1のスイッチが前記対応する寄生素子とグラウンドとを接続するときに、反射器として機能して180度の位相で電磁エネルギを反射し、前記第1のスイッチが前記寄生素子をグラウンドから切断するときに、導波器として機能して0度の位相で電磁エネルギを反射し、前記第1のスイッチが前記対応する寄生素子とグラウンドの間にリアクティブ負荷を接続するときに、180度または0度以外の位相で電磁エネルギを反射し、
前記1つまたは複数の第1のスイッチは、個別の数の切替可能なビームを生成するために、前記1つまたは複数の第1の寄生素子のサブセットを前記グラウンドから選択的に切断することによって、360度の方位角にわたる前記アンテナのアクティブビーム操縦制御を可能にする、コンピュータ可読な記録媒体。
【請求項13】
前記第1の円形平面構造および前記第2の円形平面構造は、主放射ビームの仰角の制御を可能にする、前記素子間の調整可能な位相差を有するフェーズドアレイの素子として供給される、請求項12に記載のコンピュータ可読な記録媒体。
【請求項14】
前記特定のスイッチを使用して、前記特定の寄生素子をグラウンドに選択的に接続することと、前記特定の寄生素子をリアクティブ負荷から選択的に切断することとをさらに具備し、前記特定の寄生素子は、前記特定の寄生素子がグラウンドに接続され、前記特定の寄生素子が前記リアクティブ負荷から切断されるときに、位相差を有さない反射器として機能する、請求項12に記載のコンピュータ可読な記録媒体。
【請求項15】
前記特定のスイッチを使用して、前記特定の寄生素子を前記リアクティブ負荷から切断することをさらに具備し、前記特定の寄生素子は、前記特定の寄生素子がグラウンドから切断され、前記特定の寄生素子が前記リアクティブ負荷から切断されるときに、導波器として機能する、請求項12に記載のコンピュータ可読な記録媒体。
【請求項16】
前記特定のスイッチを使用して、前記特定の寄生素子をグラウンドに選択的に接続することと、前記特定の寄生素子をリアクティブ負荷に接続することとをさらに具備し、前記特定の寄生素子は、前記特定の寄生素子と、グラウンドと、前記リアクティブ負荷とが接続されるときに、位相差を有する反射器として機能する、請求項12に記載のコンピュータ可読な記録媒体。
【請求項17】
第1の平面円形構造を備えるアンテナにおいて、前記アンテナの1つまたは複数の第1のスイッチの特定のスイッチを使用して、前記アンテナの1つまたは複数の第1の寄生素子の特定の寄生素子を、グラウンドから選択的に切断するための手段を具備し、
前記1つまたは複数の第1のスイッチの各第1のスイッチは、前記1つまたは複数の第1の寄生素子の対応する寄生素子をグラウンドから分離し、
前記1つまたは複数の第1の寄生素子は、前記アンテナの放射素子の周りに、前記第1の平面円形構造輪郭上に位置し、
前記放射素子は、前記アンテナの第1の平面円形構造の中心に位置し、
前記1つまたは複数の第1の寄生素子は、前記放射素子と並行方向に位置合わせされ、
前記1つまたは複数の第1の寄生素子は、前記第1の平面円形構造から突き出ており、
第2の平面円形構造は、前記第1の平面円形構造に垂直に積み重ねられており、
前記第1の平面円形構造から突き出ている前記1つまたは複数の第1の寄生素子の数と同数の1つまたは複数の第2の寄生素子が、前記第2の平面円形構造から突き出ており、
1つまたは複数の第2のスイッチの各第2のスイッチは、前記1つまたは複数の第1のスイッチの特定の第1のスイッチに対応し、前記1つまたは複数の第2の寄生素子の対応する第2の寄生素子をグラウンドから分離し、前記特定の第1のスイッチと同様の構成を有し、
前記対応する寄生素子は、前記第1のスイッチが前記対応する寄生素子とグラウンドとを接続するときに、反射器として機能して180度の位相で電磁エネルギを反射し、前記第1のスイッチが前記寄生素子をグラウンドから切断するときに、導波器として機能して0度の位相で電磁エネルギを反射し、前記第1のスイッチが前記対応する寄生素子とグラウンドの間にリアクティブ負荷を接続するときに、180度または0度以外の位相で電磁エネルギを反射し、
前記1つまたは複数の第1のスイッチは、個別の数の切替可能なビームを生成するために、前記1つまたは複数の第1の寄生素子のサブセットを前記グラウンドから選択的に切断することによって、360度の方位角にわたる前記アンテナのアクティブビーム操縦制御を可能にする、装置。
【請求項18】
前記第1の円形平面構造および前記第2の円形平面構造は、主放射ビームの仰角の制御を可能にする、前記素子間の調整可能な位相差を有するフェーズドアレイの素子として供給される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記特定のスイッチを使用して、前記特定の寄生素子をグラウンドに選択的に接続することと、前記特定の寄生素子を前記リアクティブ負荷から選択的に切断することとをさらに具備し、前記特定の寄生素子は、前記特定の寄生素子がグラウンドに接続され、前記特定の寄生素子が前記リアクティブ負荷から切断されるときに、位相差を有さない反射器として機能する、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記特定のスイッチを使用して、前記特定の寄生素子をリアクティブ負荷から選択的に切断することをさらに具備し、前記特定の寄生素子は、前記特定の寄生素子がグラウンドから切断され、前記特定の寄生素子が前記リアクティブ負荷から切断されるときに、導波器として機能する、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記特定のスイッチを使用して前記特定の寄生素子をグラウンドに選択的に接続することと、前記特定の寄生素子をリアクティブ負荷に選択的に接続することとをさらに具備し、前記特定の寄生素子は、前記特定の寄生素子と、グラウンドと、前記リアクティブ負荷が接続されるときに、位相差を有する反射器として機能する、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には通信システムに関する。より具体的には、本開示は、スイッチト寄生素子(parasitic element)を備えた操縦性ビームアンテナのための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
60GHzの周波数帯域上で高いデータレートを送信することは、相当なアンテナ利得と同様に、エンドポイント・デバイスのオリエンテーション(orientation)における柔軟性を必要とする。この目的のために、多様な移相器を備えた2次元アレイが、従来使用されてきた。しかしながら、これらの解決策と関連づけられる主な欠点は、2次元アレイのアーキテクチャに組み込まれる潜在的に多数の移相器に起因する、高い複雑さとコストである。
【0003】
加えて、移相器は信号の伝送路(line)に配置されるので、高い無線周波数(RF)損失が発生しうる。このような損失は、使用される無線通信デバイスのデータレートおよび送信距離を低減させうる。さらに、多様な移相器を使用する2次元アレイは、方位角および仰角のプレーン(planes)の両方において、制限された角度のカバレッジを有しうる。
【発明の概要】
【0004】
アンテナが、説明される。アンテナは、平面円形構造を含む。アンテナはまた、平面円形構造の中心に位置する放射素子を含む。アンテナはまた、放射素子の周りに、輪郭上に位置する1つまたは複数の寄生素子を含む。1つまたは複数の寄生素子は、放射素子と並行方向に位置合わせ(aligned)される。1つまたは複数の寄生素子は、平面円形構造から突き出ている。寄生素子の各々は、受動回路の一部としてのリアクティブ負荷(reactive load)によってローディングされる(loaded)。アンテナはまた、マルチプル投スイッチ(multiple throw switches)を含む。マルチプル投スイッチは、グラウンドおよび/または1つまたは複数のリアクティブ負荷から、寄生素子の各々を分離しうる。スイッチの第1のポジションでは、寄生素子とグラウンドとの間のショートが作成されうる。スイッチの第2のポジションでは、寄生素子とグラウンドとの間の開回路が作成されうる。スイッチはまた、寄生素子と、リアクティブ負荷と、グラウンドとの間に閉回路を作成しうる。例えば、スイッチは、寄生素子と、集中または分散されたリアクティブ負荷との間に閉回路を作成しうる。このスイッチのポジションは、寄生素子とグラウンドとの間の1つまたは複数のリアクティブ負荷に、寄生素子を接続しうる。1つより多くのリアクティブ負荷が含まれている場合、各リアクティブ負荷は、異なる値を有しうる。
【0005】
任意の1つまたは複数の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが閉じていて、寄生素子がグラウンドにショートされる(shorted to ground)ときに、反射器として機能しうる。寄生素子が反射器として機能するとき、寄生素子は、180度の位相で電磁エネルギーを反射しうる。任意の1つまたは複数の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが開いているときに、導波器として機能しうる。寄生素子が導波器として機能するとき、寄生素子は、0度の位相で電磁エネルギーを反射しうる。任意の1つまたは複数の寄生素子は、スイッチが寄生素子とグラウンドとの間にリアクティブ負荷を接続するときに、180度または0度以外の位相で電磁エネルギーを反射しうる。1つまたは複数のリアクティブ負荷を用いることで、アンテナの放射パターンの制御において、より高い柔軟性が達成されうる。
【0006】
1つの構成では、アンテナは、ダイポールアンテナでありうる。平面円形構造は、非導電材料でありうる。放射素子および各々の寄生素子は、両方向において、平面円形構造から垂直に突き出ることができる。
【0007】
別の構成では、アンテナは、モノポールアンテナでありうる。平面円形構造は、グラウンドに結合された導電材料でありうる。放射素子および各々の寄生素子は、1つの方向において、平面円形構造から垂直に突き出ることができる。この構成では、寄生素子におけるスイッチは、ダイポールの2つのモノポール間にありうる。
【0008】
360度の方位角にわたるアンテナのアクティブビーム操縦制御は、寄生素子とグラウンドとの間の、開いたスイッチ、閉じたスイッチ、およびリアクティブ負荷を接続するスイッチの構成を変更することによって達成されうる。アクティブビーム操縦制御は、個別(discrete)の数の切替可能なビームを生成しうる。
【0009】
アンテナはまた、アンテナに垂直に積み重ねられた1つまたは複数の同様のアンテナを含みうる。同様のアンテナは、アンテナと同数の寄生素子を有しうる。同様のアンテナの各々は、アンテナと同じ、寄生素子とグラウンドとの間の開いたスイッチおよび閉じたスイッチの構成を有しうる。アンテナは、電磁信号を送信することおよび電磁信号を受信することが可能でありうる。アンテナは、放射素子の単一のポートにおいて供給(fed)されうる。アンテナは、パワー分割回路を有していないことがありうる。積み重ねられたアンテナは、素子間の調整可能な位相差を有するフェーズドアレイの素子として供給されることができ、主放射ビームの仰角(elevation angle)の制御を可能にしている。
【0010】
ビーム操縦のために構成された無線通信デバイスがまた、説明される。無線通信デバイスは、垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナと、プロセッサと、プロセッサと電子通信状態にあるメモリとを含む。メモリ中に記憶された命令は、リアクティブ負荷によって、各1次元スイッチトビームアンテナ上の1つまたは複数の寄生素子をローディングするために、プロセッサによって実行可能でありうる。1つまたは複数の寄生素子は、反射器として機能するように切替えられうる。任意の1つまたは複数の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが閉じていて、寄生素子がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能しうる。反射器として機能していない寄生素子は、導波器として機能するように切替えられうる。任意の寄生素子は、寄生素子とグラウンドの間のスイッチが開いていて、いずれのリアクティブ負荷も寄生素子に接続されていないときに、導波器として機能しうる。
【0011】
送信信号ストリームは、ビームを形成するために、各1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子に供給されうる。反射器および導波器として機能している寄生素子の構成は、360度の方位角にわたって各1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために調整されうる。2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子に供給される各送信信号ストリーム間の位相差は、仰角において、垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために調整されうる。
【0012】
各1次元スイッチトビームアンテナは、平面円形構造を含みうる。各1次元スイッチトビームアンテナはまた、平面円形構造の中心に位置する放射素子を含みうる。各1次元スイッチトビームアンテナは、放射素子の周りに、輪郭上に位置する1つまたは複数の寄生素子をさらに含むことができ、それらは、放射素子と並行方向に位置合わせされる。寄生素子は、平面円形構造から突き出ることができ、また、寄生素子の各々は、受動回路の一部としてのリアクティブ負荷によって、負荷をかけられることができる。各1次元スイッチトビームアンテナはまた、グラウンドから1つまたは複数の寄生素子の各々を分離しているスイッチを含みうる。閉じたスイッチは、寄生素子とグラウンドとの間にショートを作成することができ、また、開いたスイッチは、寄生素子とグラウンドとの間に開回路を作成することができる。スイッチはまた、寄生素子とリアクティブ負荷との間に閉回路を作成しうる。例えば、スイッチは、寄生素子と、集中または分散されたリアクティブ負荷との間に閉回路を作成しうる。
【0013】
垂直に積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナの各々は、反射器として機能している寄生素子および導波器として機能している寄生素子の同じ構成を使用しうる。信号ストリームは、ビームを形成するために、各1次元スイッチトビームアンテナの各放射素子に供給されうる。信号ストリーム間の位相差は、ビームの仰角を操縦し、仰角においてビームの放射パターンを制御しうる。
【0014】
ビーム操縦のための方法が、説明される。1つまたは複数の寄生素子は、リアクティブ負荷によって、1次元スイッチトビームアンテナ上にローディングされる。1つまたは複数の寄生素子は、反射器として機能するように切替えられる。任意の1つまたは複数の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが閉じていて、寄生素子がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能する。反射器として機能していない寄生素子は、導波器として機能するように切替えられる。任意の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが開いているときに、導波器として機能する。反射器および導波器として機能している寄生素子は、360度の方位角にわたって各1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために調整される。
【0015】
2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナは、垂直に積み重ねられうる。送信信号ストリームは、ビームを形成するために、垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子に供給されうる。送信信号ストリーム間の位相差は、ビームの仰角を操縦し、ビームのパターンを制御しうる。
【0016】
送信信号ストリームは、垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子に供給されうる。垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子に供給される送信信号ストリーム間の位相差は、仰角において、垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために調整されうる。垂直に積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナの各々は、反射器として機能している寄生素子および導波器として機能している寄生素子の同じ構成を使用しうる。2次元アンテナの信号は、デジタルで組み合わせられうる。
【0017】
ビーム操縦のために構成された無線通信デバイスがまた、説明される。無線通信デバイスは、リアクティブ負荷によって、1次元スイッチトビームアンテナ上の1つまたは複数の寄生素子をローディングするための手段を含む。無線通信デバイスはまた、反射器として機能するように、1つまたは複数の寄生素子を切替えるための手段を含む。任意の1つまたは複数の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが閉じていて、寄生素子がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能する。無線通信デバイスは、反射器として機能していない寄生素子を導波器として機能するように切替えるための手段をさらに含む。任意の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが開いているときに、導波器として機能する。スイッチはまた、寄生素子とリアクティブ負荷との間に閉回路を作成しうる。例えば、スイッチは、寄生素子と、集中または分散されたリアクティブ負荷との間に閉回路を作成しうる。
【0018】
無線通信デバイスはまた、垂直フェーズドアレイを形成するために、2つ以上の1次元ビームアンテナを垂直に積み重ねるための手段を含む。無線通信デバイスは、垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子に、送信信号ストリームを供給するための手段をさらに含む。無線通信デバイスはまた、360度の方位角にわたって各1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、反射器および導波器として機能している寄生素子の構成を調整するための手段を含む。無線通信デバイスは、仰角において、2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、垂直フェーズドアレイを形成する2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナに供給される送信信号ストリーム間の位相差を調整するための手段をさらに含む。
【0019】
無線通信デバイスはまた、垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの各々から受信される信号を組み合わせ、処理するための手段を含む。無線通信デバイスは、垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの各々によって送信される信号を分割し、処理するための手段をさらに含む。
【0020】
ビーム操縦のためのコンピュータ可読媒体が、説明される。コンピュータ可読媒体は、その上に命令を含む。命令は、リアクティブ負荷を用いて、1次元スイッチトビームアンテナ上の1つまたは複数の寄生素子に負荷をかけるためと、1つまたは複数の寄生素子を、反射器として機能するように切替えるためのものである。任意の1つまたは複数の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが閉じていて、寄生素子がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能する。命令は、さらに、反射器として機能していない寄生素子を導波器として機能するように切替えるためのものである。任意の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが開いているときに、導波器として機能する。
【0021】
命令はまた、2つ以上の垂直に積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子に送信信号ストリームを供給するためのものである。命令は、360度の方位角にわたって各垂直に積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、反射器および導波器として機能している寄生素子の構成を調整するためのものである。命令はまた、仰角において、垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、2つ以上の垂直に積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子に供給される送信信号ストリーム間の位相差を調整するためのものである。
【0022】
ビーム操縦のために構成された無線通信デバイスが、説明される。無線通信デバイスは、垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナと、プロセッサと、プロセッサと電子通信状態にあるメモリとを含む。メモリ中に記憶された命令は、リアクティブ負荷を用いて、各1次元スイッチトビームアンテナ上の1つまたは複数の寄生素子に負荷をかけるために、プロセッサによって実行可能である。1つまたは複数の寄生素子は、反射器として機能するように切替えられる。任意の1つまたは複数の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが閉じていて、寄生素子がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能する。
【0023】
反射器として機能していない寄生素子は、導波器として機能するように切替えられる。任意の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが開いているときに、導波器として機能する。送信信号ストリームは、各1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子から受信される。反射器および導波器として機能している寄生素子の構成は、360度の方位角にわたって各1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために調整される。2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子によって受信される各送信信号ストリーム間の位相差は、仰角において、垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために調整される。
【0024】
各1次元スイッチトビームアンテナは、平面円形構造と、平面円形構造の中心に位置する放射素子と、放射素子の周りに、輪郭上に位置する1つまたは複数の寄生素子を含みうる。寄生素子は、放射素子と並行方向に位置合わせされうる。寄生素子は、平面円形構造から突き出ることができる。寄生素子の各々は、受動回路の一部としてのリアクティブ負荷によって、負荷をかけられうる。各1次元スイッチトビームアンテナはまた、グラウンドから1つまたは複数の寄生素子の各々を分離する複数のスイッチを含みうる。閉じたスイッチは、寄生素子とグラウンドとの間にショートを作成することができ、また、開いたスイッチは、寄生素子とグラウンドとの間に開回路を作成するか、あるいはリアクティブ負荷が切替えられる(switched in)ことを可能にすることができる。垂直に積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナの各々は、反射器として機能している寄生素子および導波器として機能している寄生素子の同じ構成を使用しうる。
【0025】
ビーム操縦のために構成された無線通信デバイスがまた、説明される。無線通信デバイスは、リアクティブ負荷を用いて、各1次元スイッチトビームアンテナ上の1つまたは複数の寄生素子に負荷をかけるための手段を含む。無線通信デバイスはまた、1つまたは複数の寄生素子を反射器として機能するように切替えるための手段を含む。任意の1つまたは複数の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが閉じていて、寄生素子がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能する。無線通信デバイスは、反射器として機能していない寄生素子を導波器として機能するように切替えるための手段をさらに含む。任意の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが開いていて、いずれのリアクティブ負荷も寄生素子に接続されていないときに、導波器として機能する。無線通信デバイスはまた、各1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子から送信信号ストリームを受信するための手段を含む。無線通信デバイスは、360度の方位角にわたって各1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、反射器および導波器として機能している寄生素子の構成を調整するための手段をさらに含む。無線通信デバイスはまた、仰角において、垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子によって受信される各送信信号ストリーム間の位相差を調整するための手段を含む。
【0026】
無線通信デバイスは、垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの各々から受信される信号を組み合わせ、処理するための手段を含みうる。
【0027】
ビーム操縦のために構成された無線通信デバイスが、説明される。無線通信デバイスは、リアクティブ負荷を用いて、各1次元スイッチトビームアンテナ上の1つまたは複数の寄生素子に負荷をかけるためのコンピュータ実行可能命令を含む。無線通信デバイスはまた、1つまたは複数の寄生素子を反射器として機能するように切替えるためのコンピュータ実行可能命令を含む。任意の1つまたは複数の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが閉じていて、寄生素子がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能する。無線通信デバイスは、反射器として機能していない寄生素子を導波器として機能するように切替えるためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む。任意の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが開いているときに、導波器として機能する。無線通信デバイスはまた、各1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子から送信信号ストリームを受信するためのコンピュータ実行可能命令を含む。無線通信デバイスは、360度の方位角にわたって各1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、反射器および導波器として機能している寄生素子の構成を調整するためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む。無線通信デバイスは、仰角において、垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子によって受信される各送信信号ストリーム間の位相差を調整するためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、第1の無線通信デバイスと、第2の無線通信デバイスとを備えた無線通信システムを示す図である。
【
図2】
図2は、本願の方法および装置で使用するための1次元スイッチトビームアンテナを例示する図である。
【
図2A】
図2Aは、寄生素子と、リアクティブ負荷と、グラウンドとの間の切替えを例示する図である。
【
図3】
図3は、本願の方法および装置で使用するための2次元操縦性ビームアンテナを例示する図である。
【
図4】
図4は、1次元スイッチトビームアンテナと、受信無線通信デバイスとを備えた無線通信システムを示す図である。
【
図5】
図5は、受信無線通信デバイスに向けて送信を方向づけている1次元スイッチトビームアンテナを備えた無線通信システムを示す図である。
【
図6】
図6は、方向づけられた信号送信の経路の外部に移動した受信無線通信デバイスの以前の位置に向けて送信を方向づけている1次元スイッチトビームアンテナを備えた無線通信システムを示す図である。
【
図7】
図7は、受信無線通信デバイスの新しい位置に向けて送信の方向を調整された1次元スイッチトビームアンテナを備えた無線通信システムを示す図である。
【
図8】
図8は、M個−素子(M-element)の垂直フェーズドアレイと、受信無線通信デバイスとを備えた無線通信システムを示す図である。
【
図9】
図9は、M個−素子の垂直フェーズドアレイと、最近変更された仰角を有する受信無線通信デバイスとを備えた無線通信システムを示す図である。
【
図10】
図10は、1次元スイッチトビームアンテナを使用してビーム操縦するための方法を例示するフロー図である。
【
図10A】
図10Aは、
図10の方法に対応するミーンズ・プラス・ファンクション・ブロック(means-plus-function blocks)を例示する図である。
【
図11】
図11は、2次元操縦性ビームアンテナを使用して、方位角において360度および仰角においてほぼ180度にわたってビーム操縦するための方法を例示するフロー図である。
【
図12】
図12は、無線通信デバイス内に含まれうる、ある特定の構成要素を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、第1の無線通信デバイス102aと、第2の無線通信デバイス102bとを備えた無線通信システム100を示す。無線通信デバイス102は、無線信号を送信する、無線信号を受信する、あるいはその両方を行うように構成されうる。例えば、第1の無線通信デバイス102aは、第2の無線通信デバイス102bに、信号ストリーム106aの一部としてデータを送信しうる。第1の無線通信デバイス102aは、第1のアンテナ108を使用してデータを送信しうる。
【0030】
アンテナは、信号を送信することおよび信号を受信することの両方のために構成されうる。例えば、第1の無線通信デバイス102aは、信号を送信することおよび受信することの両方のために、第1のアンテナ108を使用しうる。第2の無線通信デバイス102bは、第2のアンテナ110を使用して、第1の無線通信デバイス102aから送信された信号を受信しうる。第2の無線通信デバイス102bは、したがって、第1の無線通信デバイス102aから信号ストリーム106bを受信しうる。
【0031】
図2は、本願の装置および方法で使用するための1次元スイッチトビームアンテナ220を例示する。1次元スイッチトビームアンテナ220は、マルチプルの1次元スイッチトビームアンテナ220が、それぞれ垂直フェーズドアレイにおける素子として使用されうるように、積み重ね可能なユニットでありうる。垂直フェーズドアレイは、
図3に関連してより詳細に述べられる。1次元スイッチトビームアンテナ220は、放射素子212を含みうる。放射素子212は、電磁波の放射および受信が可能でありうる。例えば、放射素子212は、金属の薄片、導電性ロッド、またはコイルでありうる。放射素子212は、平面円形構造216の中心に位置しうる。放射素子212は、モノポールまたはダイポールのいずれかでありうる。
【0032】
放射素子212が、モノポール型である場合、平面円形構造216は、導電性グラウンドプレーンでありうる。例えば、導電性の平面円形構造216は、銅またはアルミニウムから作成されうる。放射素子212がモノポール型である場合、放射素子212は、放射素子212から放射される波長の4分の1の距離分、平面円形構造216から垂直に突き出ることができる。あるいは、放射素子212は、その他の距離分、平面円形構造216のから(out of)突き出ることができる。例えば、放射素子212が60GHzの周波数帯域で信号を放射するように設計されている場合には、信号の波長は、およそ5mmであることができ、また、放射素子212は、1.25mmの距離分、平面円形構造216から突き出ることができる。放射素子212がダイポール型である場合、平面円形構造216は、導電性または非導電性のプレーンでありうる。例えば、非導電性の平面円形構造216は、シリコンから形成されうる。放射素子212がダイポール型である場合、放射素子212は、同じ距離分、平面円形構造216の各側面から垂直に突き出ることができるが、この場合の平面構造は、導電材料から作成されていない。あるいは、放射素子212がダイポール型である場合、放射素子212は、平面円形構造216から任意の距離において、片面または両面上に存在しうる。
【0033】
1次元スイッチトビームアンテナ220はまた、N(1つまたは複数)個の寄生素子214を含みうる。寄生素子214は、放射素子212と、同じサイズおよび構造でありうる。あるいは、寄生素子214は、放射素子212とは異なるサイズでありうる。例えば、放射素子212がモノポール型である場合、寄生素子214もまたモノポール型でありうる。同様に、放射素子212がダイポール型である場合、寄生素子214もまたダイポール型でありうる。寄生素子214は、放射素子212の周りに、輪郭上に位置し、放射素子212と並行方向に位置合わせされうる。例えば、寄生素子214はまた、平面円形構造216から垂直に突き出ることができる。複数の寄生素子214は、放射素子212から等距離にありうる。あるいは、複数の寄生素子214は、異なる距離で、放射素子212から離されうる。
【0034】
ここでN個と称される寄生素子214の数は、奇数か偶数のいずれかになりうる。N個は、奇数になることが好ましくありうる。寄生素子214の各々は、ショート回路、開回路、誘導性負荷および/または容量性負荷などのリアクティブ負荷によって負荷をかけられうる。誘導性負荷または容量性負荷は、分散または集中されうる。リアクティブ負荷は、受動回路でありうる。回路構成は、単純かつ極めて低コストでありうる。回路構成は、各々の負荷がRF信号経路内ではなく、寄生素子214上にあるので、低コストでありうる。単純な回路構成は、複雑さを最小限に抑える。寄生素子214の各々は、切替え能力を有することができる。例えば、寄生素子214は、スイッチ218によってグラウンドから分離されうる。スイッチ218が開いている、すなわちオフのポジションにあるときに、寄生素子214は、導波器として機能しうる。スイッチ218が閉じている、すなわちオンのポジションにあるときに、寄生素子214は、反射器として機能しうる。
【0035】
寄生素子214が反射器として機能していて、1次元スイッチトビームアンテナ220が信号206を送信しているときに、放射素子212から、寄生素子214によって受信された電磁信号は、放射素子212のもとに向かって反射されうる。反射された電磁信号は、主放射ビームの方向において、放射素子212によって放射された電磁信号に同相で(in phase)加えられうる。主放射ビームは、放射パターンの主なまたは最大のローブを指す。放射パターンは、角度の関数としての相対アンテナ利得または電界強度のグラフでありうる。寄生素子214が反射器として機能していて、1次元スイッチトビームアンテナ220が信号を受信しているときに、放射素子212の方向から寄生素子214によって受信された電磁信号は、放射素子212のもとに向かって反射され、それによって、信号利得を増加させている。さらに、放射素子212以外の方向から寄生素子214によって受信された電磁信号は、放射素子212から離して反射されることができ、それによって、放射素子212によって受信される信号雑音を低減させている。あるいは、複数の寄生素子214は、反射器として機能しうる。
【0036】
寄生素子214が導波器として機能していて、1次元スイッチトビームアンテナ220が信号206を送信しているときに、放射素子212から、寄生素子214によって受信される電磁信号は、受信されて再放射されうる。寄生素子214から再放射された信号は、主放射ビームの方向において、放射素子212から放射された信号に同相で加えられることができ、それによって、全体(total)の送信された信号を増加させる。寄生素子214が導波器として機能していて、1次元スイッチトビームアンテナ220が信号を受信しているときに、放射素子212以外の方向から寄生素子214によって受信された電磁信号は、同相で吸収および再放射されることができ、それによって、放射素子212によって受信される全体の信号強度を増加させる。
【0037】
寄生素子214を、反射器および導波器として機能することの間で切替えることによって、1次元スイッチトビームアンテナ220のアクティブな制御が得られうる。例えば、1次元スイッチトビームアンテナ220は、反射器として機能している寄生素子214と、導波器として機能している寄生素子214との異なる組み合わせを使用して、全360度の方位角の範囲にわたるビーム操縦が可能でありうる。1つの構成では、寄生素子214のうちの1つは、反射器として機能することができ、また、N−1個の他の寄生素子214は、導波器として機能することができる。寄生素子214のリアクティブ負荷がRF信号経路中になく、中心の放射素子212は、パワー分割回路なしで、単一のポートによって供給されるので、損失は最小限に抑えられうる。N個の独立ビームが、N個の寄生素子214に負荷をかけることによって、形成されうる。追加のビームは、N個の独立ビームの重ね合せ(superposition)によって、または反射器として作動している複数の寄生素子214の使用によって、形成されうる。
【0038】
図2Aは、寄生素子254と、リアクティブ負荷251と、グラウンドとの間の切替えを例示する。
図2Aの寄生素子254は、
図2の寄生素子214の1つの構成でありうる。各寄生素子254a、254bは、スイッチ258a、258bに接続されうる。1つの構成では、スイッチ258は、マルチプル投スイッチでありうる。例えば、スイッチ258は、第1のポジション、第2のポジション、および第3のポジションを有しうる。スイッチ258は、寄生素子254a、254bの接続を、第1のポジションでは、寄生素子254a、254bとグラウンドとの間のショート255a、255bと、第2のポジションでは、寄生素子254a、254bとグラウンドとの間の開回路253a、253bと、または第3のポジションでは、寄生素子254a、254bと、リアクティブ負荷251a、251bと、グラウンドとの間の閉回路と、で切替えうる。
【0039】
寄生素子254a、254bは、スイッチ258a、258bが第3のポジションにあり、寄生素子254a、254bと、リアクティブ負荷251a、251bと、グラウンドとの間に閉回路を作成しているときに、位相差を有する反射器として機能しうる。反射器の位相差は、リアクティブ負荷251に依存しうる。1つの構成では、スイッチ258は、寄生素子254と、別のリアクティブ負荷(図示せず)と、グラウンドとの間に閉回路を作成する追加のポジションを含みうる。
【0040】
図3は、本願の方法で使用するための2次元操縦性ビームアンテナ330を例示する。2次元操縦性ビームアンテナ330は、M個(2つ以上)の1次元スイッチトビームアンテナ320を積み重ねることによって形成されうる。各1次元スイッチトビームアンテナ320は、円形平面構造216上に、N個の寄生素子314、324、334によって囲まれている放射素子312、322、332を有しうる。各1次元スイッチトビームアンテナ320は、各平面円形構造216上に、同数のN個の寄生素子314、324、334を、同じ構成で有しうる。例えば、
図3の各1次元スイッチトビームアンテナ320は、7個の寄生素子314、324、334を有する。積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナ320の各々は、2分の1から1の波長の距離だけ離されうる。
【0041】
アンテナのプレーンに垂直な方向に、M個の1次元スイッチトビームアンテナ320を積み重ねることによって、1次元スイッチトビームアンテナ320の各々は、M個−素子の垂直フェーズドアレイにおける素子として使用されうる。M個−素子の垂直フェーズドアレイはまた、2次元操縦性ビームアンテナと称されうる。M個−素子の垂直フェーズドアレイでは、個々の1次元スイッチトビームアンテナ320の各々は、寄生素子が整列するように、垂直に位置合わせされうる。例えば、寄生素子314aは、寄生素子334aの真上にありうる寄生素子324aの真上にありうる。個々の1次元スイッチトビームアンテナ320の各々はまた、同じ水平のビームを形成するように構成されうる。したがって、各1次元スイッチトビームアンテナ320は、寄生素子314、324、334のために同じ切替えスキームを使用しうる。1次元スイッチトビームアンテナ320の各々を位置合わせすることによって、M個の素子の垂直フェーズアレイが形成され、また、適切な位相を用いて、M個の垂直素子の各々に供給することによって、仰角において、より狭いかつスキャン可能なビームが形成されうる。
【0042】
適切な位相を用いて、2次元操縦性ビームアンテナ330のM個の垂直素子の各々を供給することによって、仰角ビーム操縦が達成されうる。垂直にスキャンされるビームは、隣接した垂直素子314、324、334の間のプログレッシブ(progressive)位相シフトによって生成される。この位相シフトは、デジタル移相器を用いた従来のフェーズドアレイ供給によって、またはロットマンレンズ(Rotman lens)あるいはバトラーマトリックス(Butler matrix)などの、ブートレースレンズ(bootlace lens)に接続されているスイッチング機構(switching mechanism)によって達成されうる。この供給ネットワークの単純性は、仰角において固有の制限された角度のカバレッジによってもたらされる。
【0043】
図4は、1次元スイッチトビームアンテナ220と、受信無線通信デバイス102bとを備えた無線通信システム400を示す。1次元スイッチトビームアンテナ220は、放射素子212と、1つまたは複数の寄生素子214とを含みうる。例えば、示されている1次元スイッチトビームアンテナ220は、5個の寄生素子214を有する。1次元スイッチトビームアンテナ220は、送信アンテナとして機能しているように示さているが、この1次元スイッチトビームアンテナ220は、受信アンテナとして同等に作動しうる。
【0044】
1次元スイッチトビームアンテナ220は、2次元操縦性ビームアンテナ330の一部として作動しうる。したがって、図では、単一の1次元スイッチトビームアンテナ220のみが示されているが、同様の水平の操縦機能をもって、追加の1次元スイッチトビームアンテナ220が単一の1次元スイッチトビームアンテナ220の上または下に積み重ねられうる。図には示されていないが、1次元スイッチトビームアンテナ220および/または2次元操縦性ビームアンテナ330は、無線通信デバイス102aの一部として作動しうる。
【0045】
60GHzの周波数帯域上で高いデータレートを送信するためのリンクバジェット(link budget)は、相当なアンテナ利得と同様に、エンドポイント・デバイスのオリエンテーションにおける柔軟性を必要とする。言い換えれば、1次元スイッチトビームアンテナ220にとっては、受信無線通信デバイス102bに向けて送信を方向づけること、および/または、受信無線通信デバイス102bにとっては、受信の角度を方向づけること、が有益でありうる。
【0046】
受信無線通信デバイス102bは、送信を受信するために1次元スイッチトビームアンテナ220を使用することができ、それによって、受信無線通信デバイス102bに、受信される信号利得を最適化するように受信の方向を操縦することを可能にしている。あるいは、受信無線通信デバイス102bは、無線送信を受信するのに適した任意のアンテナを使用しうる。
【0047】
無線デバイスのオリエンテーションにおける柔軟性を達成するためには、方位角および仰角において広い範囲にわたるビーム操縦能力を備えた狭ビームアンテナが適切でありうる。
図4に示されている1次元スイッチトビームアンテナ220は、方位角において360度にわたるビーム操縦が可能でありうる。操縦能力およびアンテナ利得の多くのプションは、1次元スイッチトビームアンテナ220において使用される寄生素子214の数の適切な選択によって可能になりうる。360度の水平の視野をカバーする個別の数の切替可能なビームは、使用される寄生素子214の数に応じて生成されうる。例えば、各々が、360度の水平の視野の異なる部分をカバーしているN個の個別の切替可能なビームは、1次元スイッチトビームアンテナ220におけるN個の寄生素子214を使用して生成されうる。
【0048】
図5は、受信無線通信デバイス102bに向けて送信540を方向づけている1次元スイッチトビームアンテナ220を備えた、無線通信システム500を示す。1次元スイッチトビームアンテナ220は、5個の寄生素子214を含みうる。受信無線通信デバイス102bに向かって、1次元スイッチトビームアンテナ220の送信540を操縦するために、1次元スイッチトビームアンテナ220上のスイッチ218は、調整されうる。例えば、スイッチS4 218dは、閉じられることができ、それによって、寄生素子214dをグラウンドにショートしている。そのとき、寄生素子214dは、反射器として機能しうる。同様に、スイッチ218a、218b、218cおよび218eは、各々が開かれることができ、それによって、寄生素子214a、214b、214cおよび214eと、グラウンドとの間に開回路を作成している。あるいは、寄生素子214a、214b、214cおよび214dは、集中または分散されたリアクティブ負荷に、スイッチによって接続されうる。したがって、寄生素子214a、214b、214cおよび214eは、放射素子によって送信される信号のための導波器として機能しうる。したがって、放射素子212によって送信される信号540は、反射器として機能している寄生素子214dから離して方向づけられうる。反射器および導波器は、
図2に関連してより詳細に上述されている。
【0049】
図6は、方向づけられた信号送信640の経路の外部に移動した受信無線通信デバイス102bの以前の位置に向けて送信640を方向づけている1次元スイッチトビームアンテナ220を備えた、無線通信システム600を示す。1次元スイッチトビームアンテナ220は、受信無線通信デバイス102bの以前の位置に向けて信号送信640を方向づけていることがありうる。したがって、寄生素子214a、214b、214cおよび214eが、導波器として機能している一方で、寄生素子214dは、反射器として機能しうる。1次元スイッチトビームアンテナ220にとっては、受信無線通信デバイス102bの現在の位置に向けて送信640を方向づけし直す(redirect)ことが有益でありうる。受信無線通信デバイス102bの現在の位置に向けて送信640を方向づけし直すために、反射器として機能している寄生素子214と、導波器として機能している寄生素子214との異なる組み合わせが使用されうる。
【0050】
図7は、受信無線通信デバイス102bの新しい位置に向けて送信740の方向を調整した1次元スイッチトビームアンテナ220を備えた、無線通信システム700を示す。受信無線通信デバイス102bの新しい位置に基づいて、1次元スイッチトビームアンテナ220は、反射器として機能している寄生素子214および導波器として機能している寄生素子214の構成を調整しうる。例えば、スイッチS5 218eは、閉じられることができ、それによって、寄生素子214eとグラウンドとの間にショートを作成している。寄生素子214eは、反射器として機能しうる。スイッチS1−S4 218a−dは、各々が開かれることができ、それによって、寄生素子214a−dとグラウンドとの間に開回路を作成している。あるいは、寄生素子214a−dは、集中または分散されたリアクティブ負荷に、スイッチによって接続されうる。そのとき、寄生素子214a−dは、導波器として機能しうる。反射器として機能している寄生素子214および導波器として機能している寄生素子214の新しい構成に基づいて、1次元スイッチトビームアンテナ220は、受信無線通信デバイス102bに向けて、放射素子212からの送信740を方向づけることができる。
【0051】
図8は、M個−素子の垂直フェーズドアレイ830と、受信無線通信デバイス102bとを備えた無線通信システム800を示す。M個−素子の垂直フェーズドアレイ830は、アンテナのプレーンに垂直な方向に積み重ねられたM個の1次元スイッチトビームアンテナ820を含みうる。1次元スイッチトビームアンテナ820の各々は、同数の放射素子812、822、832および寄生素子814、824、834を含みうる。例えば、図において、各1次元スイッチトビームアンテナ820は、5個の寄生素子814、824、834によって囲まれた1つの放射素子812、822、832を含む。寄生素子814、824、834は、垂直に位置合わせされうる。例えば、第2の1次元スイッチトビームアンテナ820b上の寄生素子824aは、第1の1次元スイッチトビームアンテナ820a上の寄生素子834aの真上にありうる。
【0052】
1次元スイッチトビームアンテナ820の各々の上の寄生素子814、824、834の各々は、寄生素子814、824、834とグラウンドとの間にスイッチとリアクタンス回路を含みうる。垂直に位置合わせされた寄生素子814、824、834は、同様のリアクタンス回路を使用しうる。あるいは、垂直に位置合わせされた寄生素子は、リアクタンス回路を共有しうる。例えば、寄生素子814aは、寄生素子824aおよび寄生素子834aと、1つのリアクタンス回路を共有しうる。
【0053】
垂直フェーズドアレイアンテナ830における1次元スイッチトビームアンテナ820の各々は、同期されうる。例えば、垂直フェーズドアレイアンテナ830における1次元スイッチトビームアンテナ820の各々は、反射器として機能している寄生素子814、824、834および導波器として機能している寄生素子814、824、834の同じ構成を使用しうる。したがって、寄生素子814aが、スイッチを使用して、寄生素子814aとグラウンドとの間にショートを作成することによって反射器として機能するように切替えられる場合、寄生素子824aおよび寄生素子834aもまた、寄生素子824aとグラウンドとの間のショートおよび寄生素子834aとグラウンドとの間のショートを作成することによって反射器として機能するように切替えられうる。
【0054】
単一の1次元スイッチトビームアンテナ820と同様に、垂直フェーズドアレイアンテナ830における各1次元スイッチトビームアンテナ820の各寄生素子814、824、834は、反射器または導波器のいずれかとして機能することができ、それによって、垂直フェーズドアレイアンテナ830に360度の水平の視野をカバーして送信を方向づけることを可能にする。例えば、寄生素子814d、824dおよび834dは、寄生素子814d、824dおよび834dの各々が反射器として機能するように、各々がグラウンドにショートされうる。垂直フェーズドアレイアンテナ830における各1次元スイッチトビームアンテナ820の他の寄生素子814、824、834は、寄生素子814、824、834とグラウンドとの間に開回路を有しうる。したがって、各1次元スイッチトビームアンテナ820の他の寄生素子814、824、834は、各々が導波器として機能しうる。したがって、垂直フェーズドアレイアンテナ830は、受信無線通信デバイス102bに向かって、360度の方位角にわたって送信840を操縦しうる。
【0055】
受信無線通信デバイス102bは、垂直フェーズドアレイアンテナ830とは異なる仰角に位置しうる。したがって、垂直フェーズドアレイアンテナ830にとっては、360度の方位角操縦に加えて、仰角操縦を提供することが有利でありうる。垂直フェーズドアレイアンテナ830は、適切な位相を用いて、垂直フェーズドアレイアンテナの放射素子812、822、832の各々を供給することによって、ほぼ180度の仰角操縦を達成しうる。
【0056】
送信信号は、垂直フェーズドアレイアンテナ830によって組み合わせられうる。例えば、各1次元スイッチトビームアンテナ820のための送信信号は、デジタルで分割され、また、デジタルで組み合わせられうる。送信信号をデジタルで分割するために、送信信号は、送信のために位相が異なるストリームに分割されうる。その後、位相シフトされたストリームは、受信のために組み合わせられうる。送信信号をデジタルで分割することおよびデジタルで組み合わせることは、ベースバンドにおいて行われることができ、また、複素領域(complex domain)で実行されることができる。組み合わせることおよび分割することはまた、アンテナ周波数において、または中間周波数(IF)において、送信アンテナおよび受信アンテナの近くで行われうる。両方の場合において、オペレーションは、実数アナログ領域(real analog domain)で起こりうる。
【0057】
図9は、M個−素子の垂直フェーズドアレイアンテナ830と、最近変更された仰角を有する受信無線通信デバイス102bとを備えた、無線通信システム900を示す。M個−素子の垂直フェーズドアレイアンテナ830は、ほぼ180度の仰角操縦が可能であるので、送信ビーム940は、受信無線通信デバイス102bの仰角における変更にかかわらず、受信無線通信デバイス102bの位置に方向づけられうる。したがって、M個−素子の垂直フェーズドアレイアンテナ830は、送信940を受信無線通信デバイス102bに向けてより正確に方向づけることができ、それによって、M個−素子の垂直フェーズドアレイアンテナ830と受信無線通信デバイス102bとの間のリンクバジェットを改善している。
【0058】
図10は、1次元スイッチトビームアンテナ220を使用してビーム操縦するための方法1000を例示する。1次元スイッチトビームアンテナ220は、リアクティブ負荷を用いて、1つまたは複数の寄生素子214に負荷をかけうる1002。リアクティブ負荷は、誘導性および/または容量性でありうる。その後、1次元スイッチトビームアンテナ220は、1つまたは複数の寄生素子214を反射器として機能するように切替えうる1004。1次元スイッチトビームアンテナ220は、寄生素子214をグラウンドにショートすることによって、寄生素子214を反射器として機能するように切替えうる。1次元スイッチトビームアンテナ220は、反射器として機能していない寄生素子214を導波器として機能するように切替えうる1006。1次元スイッチトビームアンテナ220は、寄生素子214とグラウンドとの間に開回路の作成することによって、寄生素子214を導波器として機能するように切替えうる。
【0059】
その後、1次元スイッチトビームアンテナ220は、放射素子212に信号ストリームを供給しうる1008。1次元スイッチトビームアンテナ220は、360度の方位角にわたってビームを操縦するために、反射器および導波器として機能している寄生素子214を調整しうる1010。例えば、1次元スイッチトビームアンテナ220は、宛先デバイスの位置に従って、ある特定の寄生素子214を、導波器として機能することから、反射器として機能するように、および、ある特定の寄生素子214を、反射器として機能することから、導波器として機能するように、切替えうる。
【0060】
上記に説明された
図10の方法1000は、
図10Aに例示されるミーンズ・プラス・ファンクション・ブロック1000Aに対応する様々なハードウェアおよび/またはソフトウェアの(複数の)構成要素および/または(複数の)モジュールによって実行されうる。言い換えれば、
図10に例示されたブロック1002乃至1010は、
図10Aに例示されるミーンズ・プラス・ファンクション・ブロック1002A乃至1010Aに対応する。
【0061】
図11は、2次元操縦性ビームアンテナ330を使用して、方位角において360度および仰角においてほぼ180度にわたってビーム操縦するための方法1100を例示するフロー図である。2次元操縦性ビームアンテナ330は、2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ220を垂直に積み重ねること1102によって形成されうる。上述されたように、2次元操縦性ビームアンテナ330はまた、M個−素子の垂直フェーズドアレイアンテナと称されうる。その後、2次元操縦性ビームアンテナ330は、各々の1次元スイッチトビームアンテナ220内の1つまたは複数の寄生素子314、324、334を反射器として機能するように切替えうる1104。寄生素子314、324、334は、寄生素子314、324、334がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能しうる。その後、2次元操縦性ビームアンテナ330は、反射器として機能していない寄生素子314、324、334を導波器として機能するように切替えうる1106。寄生素子314、324、334は、寄生素子314、324、334とグラウンドとの間に開回路が存在するように、寄生素子314、324、334とグラウンドとの間のスイッチが開いているときに、導波器として機能しうる。
【0062】
その後、2次元操縦性ビームアンテナ330は、各1次元スイッチトビームアンテナ320の各放射素子312、322、332に同様の信号ストリーム106を供給しうる1108。操縦性ビームの仰角における方向を決定する任意の2つの連続した放射素子の間には、制御された位相差が存在しうる。放射素子312、322、332は、電磁波として信号ストリーム106を送信しうる。2次元操縦性ビームアンテナ330は、ビームの方位角を操縦するために、反射器および導波器として機能している寄生素子314、324、334を調整しうる1110。その後、2次元操縦性ビームアンテナ330は、ビームの仰角を操縦するために、放射素子312、322、332に供給される信号ストリーム間の位相差を調整しうる1112。
【0063】
上記に説明された
図11の方法1100は、
図11Aに例示されるミーンズ・プラス・ファンクション・ブロック1100Aに対応する様々なハードウェアおよび/またはソフトウェアの(複数の)構成要素および/または(複数の)モジュールによって実行されうる。言い換えれば、
図11に例示されたブロック1102乃至1112は、
図11Aに例示されるミーンズ・プラス・ファンクション・ブロック1102A乃至1112Aに対応する。
【0064】
図12は、無線通信デバイス1202内に含まれうるある特定の構成要素を例示する。無線通信デバイス1202は、プロセッサ1203を含む。プロセッサ1203は、汎用のシングルチップまたはマルチチップのマイクロプロセッサ(例えば、ARM)、特別用途のマイクロプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP))、マイクロコントローラ、プログラマブルゲートアレイ等でありうる。プロセッサ1203は、中央処理装置(CPU)と称されうる。
図12の無線通信デバイス1202には、単一のプロセッサ1203しか示されていないが、代替の構成では、複数のプロセッサの組み合わせ(例えば、ARMとDSP)が使用されうる。
【0065】
無線通信デバイス1202はまた、メモリ1205を含みうる。メモリ1205は、電子情報を記憶することが可能な任意の電子構成要素でありうる。メモリ1205は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、RAM内のフラッシュメモリデバイス、プロセッサとともに含まれるオンボード(on-board)メモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、およびこれらの組み合わせを含むもの等として具体化されうる。
【0066】
データ1207および命令1209が、メモリ1205中に記憶されうる。命令1209は、ここに開示された方法を実現するために、プロセッサ1203によって実行可能でありうる。命令1209を実行することは、メモリ1205中に記憶されているデータ1207を使用することを伴いうる。
【0067】
無線通信デバイス1202はまた、無線通信デバイス1202と遠隔位置との間の信号の送信および受信を可能にする送信機1211および受信機1213を含みうる。送信機1211および受信機1213は、総称的にトランシーバ1215と称されうる。アンテナ1217は、トランシーバ1215に電気的に結合されうる。無線通信デバイス1202はまた、複数の送信機、複数の受信機、複数のトランシーバおよび/または複数のアンテナ(図示せず)を含みうる。
【0068】
無線通信デバイス1202の様々な構成要素は、パワーバス、制御信号バス、ステータス信号バス、データバス等を含みうる1つまたは複数のバスによってともに結合されうる。明瞭さのために、
図12では、様々なバスが、バスシステム1219として例示されている。
【0069】
ここに説明された技術は、直交多重化スキームに基づく通信システムを含む様々な通信システムに使用されうる。このような通信システムの例は、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)システム等を含む。OFDMAシステムは、直交周波数分割多重化(OFDM)を利用し、これは、システム帯域幅全体を、複数の直交サブキャリアへ分割する変調技術である。これらのサブキャリアはまた、トーン、ビン等と称されうる。OFDMでは、各サブキャリアは、データを用いて個別に変調されうる。SC−FDMAシステムは、システム帯域幅にわたって分散されたサブキャリアで送信するインタリーブFDMA(IFDMA)、隣接サブキャリアのブロックで送信するローカライズドFDMA(LFDMA)、あるいは、隣接するサブキャリアの複数のブロックで送信するエンハンスト(enhanced)FDMA(EFDMA)を利用しうる。一般に、変調シンボルは、OFDMでは周波数領域で送られ、SC−FDMAでは時間領域で送られる。
【0070】
「決定すること(determining)」という用語は、幅広い様々な動作を包含し、それによって、「決定すること」は、演算すること、計算すること、処理すること、導出すること、調査すること、検索すること(例えば、テーブル、データベース、または別のデータ構造で検索すること)、確かめること、およびそれに類することを含みうる。また、「決定すること」は、受信すること(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)等を含みうる。また、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立すること等を含みうる。
【0071】
「〜に基づく」という表現は、別な方法で明確に規定されていない限り、「〜だけに基づく」を意味していない。言い換えれば、「〜に基づく」という表現は、「〜だけに基づく」および「〜に少なくとも基づく」の両方を説明している。
【0072】
「プロセッサ」という用語は、汎用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセサ(DSP)、コントローラ、マイクロコントローラ、ステートマシン(state machine)等を包含するように幅広く解釈されるべきである。いくつかの状況下では、「プロセッサ」は、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等を指すことができる。「プロセッサ」という用語は、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または、その他任意のこのような構成のような、処理デバイスの組み合わせを指すことができる。
【0073】
「メモリ」という用語は、電子情報を記憶することができる任意の電子構成要素を包含するように幅広く解釈されるべきである。メモリという用語は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブル読取専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電子的に消去可能なPROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気的または光学的なデータ記憶装置、レジスタ等のような、様々なタイプのプロセッサ可読媒体を指すことができる。プロセッサが、メモリから情報を読み取る、および/または、メモリに情報を書き込むことができる場合には、メモリはプロセッサと電子通信状態にあると言われている。プロセッサに統合されたメモリは、プロセッサと電子通信状態にある。
【0074】
「命令」および「コード」という用語は、任意のタイプの(複数の)コンピュータ可読ステートメントを含むように幅広く解釈されるべきである。例えば、「命令」および「コード」という用語は、1つまたは複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数(functions)、手順等を指すことができる。「命令」および「コード」は、単一のコンピュータ可読ステートメントあるいは多くのコンピュータ可読ステートメントを含みうる。
【0075】
ここに説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれら任意の組み合わせで実現されうる。ソフトウェアで実現される場合、これら機能は、コンピュータ可読媒体に、1つまたは複数の命令として記憶されうる。「コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータによってアクセスされうる任意の利用可能な媒体を指す。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、あるいは、データ構造または命令の形式で所望のプログラムコードを記憶または搬送するために使用でき、かつ、コンピュータによってアクセスされうるその他任意の媒体を備えることができる。ここで使用される場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多目的ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイ(登録商標)ディスクを含み、ここでディスク(disks)は、通常磁気的にデータを再生し、一方ディスク(discs)は、レーザーを用いて光学的にデータを再生する。
【0076】
ソフトウェアあるいは命令もまた、送信媒体上で送信されうる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、電波、およびマイクロ波のようなワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバまたは他の遠隔ソースから送信される場合には、この同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、電波、およびマイクロ波のようなワイヤレス技術は、送信媒体の定義に含まれる。
【0077】
ここに開示された方法は、説明された方法を達成するための1つまたは複数のステップまたは動作を具備する。方法のステップおよび/または動作は、請求項の範囲から逸脱することなく互いに置き換えられうる。言い換えれば、特定の順序のステップまたは動作が、説明されている方法の正常なオペレーションに必要でない限り、特定のステップおよび/または動作の順序および/または使用は、請求項の範囲から逸脱することなく修正されうる。
【0078】
さらに、
図10および
図11によって例示されているような、ここに説明された方法および技術を実行するためのモジュールおよび/または他の適切な手段は、デバイスによって、ダウンロードされるおよび/または別の方法で得られうることが理解されるべきである。例えば、デバイスは、ここに説明された方法を実行するための手段の転送(transfer)を容易にするために、サーバに結合されうる。あるいは、デバイスに記憶手段を提供または結合する際に、デバイスが様々な方法を得ることができるように、ここに説明された様々な方法は、記憶手段(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスク等のような物理記憶媒体)によって提供されうる。さらに、ここに説明された方法および技術をデバイスに提供するためのその他任意の適切な技術が利用されうる。
【0079】
請求項は、上記に例示された明確な構成および構成要素に限定されないことが理解されるべきである。様々な修正、変更、および変形が、ここに説明されたシステム、方法、および装置の配置、オペレーションおよび詳細において、請求項の範囲から逸脱することなく行われうる。
以下に本願発明の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] 平面円形構造と;
前記平面円形構造の中心に位置する放射素子と;
前記放射素子の周りに、輪郭上に位置する1つまたは複数の寄生素子と、なお、前記1つまたは複数の寄生素子は、前記放射素子と並行方向に位置合わせされ、前記1つまたは複数の寄生素子は、前記平面円形構造から突き出ている;
前記1つまたは複数の寄生素子の各々をグラウンドから分離しているスイッチと、なお、第1のポジションにおけるスイッチは、寄生素子とグラウンドとの間にショートを作成し、第2のポジションにおけるスイッチは、前記寄生素子とグラウンドとの間に開回路を作成する;
を具備するアンテナ。
[C2] 任意の前記1つまたは複数の寄生素子は、前記寄生素子とグラウンドとの間の前記スイッチが前記第1のポジションにあるときに、反射器として機能する、C1に記載のアンテナ。
[C3] 任意の前記1つまたは複数の寄生素子は、前記寄生素子とグラウンドとの間の前記スイッチが前記第2のポジションにあるときに、導波器として機能する、C1に記載のアンテナ。
[C4] 第3のポジションにおけるスイッチは、前記寄生素子と、リアクティブ負荷と、グランドとの間に閉回路を作成し、任意の前記1つまたは複数の寄生素子は、前記スイッチが前記第3のポジションにあるときに、位相差を有する反射器として機能する、C1に記載のアンテナ。
[C5] 前記アンテナは、ダイポールアンテナであり、前記平面円形構造は、非導電材料であり、前記放射素子および前記寄生素子の各々は、両方向において、前記平面円形構造から垂直に突き出ている、C1に記載のアンテナ。
[C6] 前記アンテナは、モノポールアンテナであり、前記平面円形構造は、グラウンドに結合された導電材料であり、前記放射素子および前記寄生素子の各々は、1つの方向において、前記平面円形構造から垂直に突き出ている、C1に記載のアンテナ。
[C7] 360度の方位角にわたる前記アンテナのアクティブビーム操縦制御は、前記寄生素子とグラウンドとの間の前記第1および第2のポジションにおけるスイッチの構成を変更することによって達成され、アクティブビーム操縦制御は、個別の数の切替可能なビームを生成する、C1に記載のアンテナ。
[C8] 前記アンテナに垂直に積み重ねられた1つまたは複数の同様のアンテナをさらに具備し、なお、前記同様のアンテナは、前記アンテナと同数の寄生素子を有し、前記同様のアンテナの各々は、前記アンテナと同じ、寄生素子とグラウンドとの間の前記第1および第2のポジションにおけるスイッチの構成を有する、C1に記載のアンテナ。
[C9] 前記アンテナは、電磁信号を送信することおよび電磁信号を受信することが可能である、C1に記載のアンテナ。
[C10] 前記アンテナは、前記放射素子の単一のポートにおいて供給され、前記アンテナは、パワー分割回路を有していない、C1に記載のアンテナ。
[C11] 前記積み重ねられたアンテナは、素子間の調整可能な位相差を有するフェーズドアレイの前記素子として供給され、主放射ビームの仰角の制御を可能にしている、C8に記載のアンテナ。
[C12] ビーム操縦のために構成された無線通信デバイスであって、
垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナと;
プロセッサと;
前記プロセッサと電子通信状態にあるメモリと;
前記メモリ中に記憶された命令と;
を具備し、
前記命令は、
1つまたは複数の寄生素子を反射器として機能するように切替える、なお、任意の前記1つまたは複数の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが第1のポジションにあり、前記寄生素子がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能する;
反射器として機能していない前記寄生素子を導波器として機能するように切替える、なお、任意の前記寄生素子は、前記寄生素子とグラウンドとの間の前記スイッチが第2のポジションにあり、前記寄生素子とグラウンドとの間に開回路を作成しているときに、導波器として機能する;
ビームを形成するために、各1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子に送信信号ストリームを供給する;
360度の方位角にわたって各1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、反射器および導波器として機能している前記寄生素子の構成を調整する;および
仰角において、前記垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、前記2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ上の前記放射素子に供給される各送信信号ストリーム間の位相差を調整する;
ために前記プロセッサによって実行可能である、無線通信デバイス。
[C13] 前記命令は、1つまたは複数の前記寄生素子を、位相差を有する反射器として機能するように切替えるために、前記プロセッサによってさらに実行可能であり、なお、任意の前記寄生素子は、前記寄生素子とグラウンドとの間の前記スイッチが第3のポジションにあり、前記寄生素子と、受動回路の一部としてのリアクティブ負荷と、グランドとの間に閉回路を作成しているときに、位相差を有する反射器として機能する、C12に記載の無線通信デバイス。
[C14] 各1次元スイッチトビームアンテナは、
平面円形構造と;
前記平面円形構造の中心に位置する放射素子と;
前記放射素子の周りに、輪郭上に位置する1つまたは複数の前記寄生素子と、なお、前記寄生素子は、前記放射素子と並行方向に位置合わせされ、前記寄生素子は、前記平面円形構造から突き出ている;
前記1つまたは複数の寄生素子の各々をグラウンドから分離しているスイッチと、なお、前記第1のポジションにおける前記スイッチは、寄生素子とグラウンドとの間にショートを作成し、前記第2のポジションにおける前記スイッチは、前記寄生素子とグラウンドとの間に開回路を作成し、第3のポジションにおけるスイッチは、前記寄生素子と、受動回路の一部としてのリアクティブ負荷と、グランドとの間に閉回路を作成する;
を具備する、C12に記載の無線通信デバイス。
[C15] 前記垂直に積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナの各々は、反射器として機能している前記寄生素子および導波器として機能している前記寄生素子の同じ構成を使用する、C12に記載の無線通信デバイス。
[C16] ビームを形成するために、各1次元スイッチトビームアンテナの各放射素子に信号ストリームを供給することをさらに具備し、なお、前記信号ストリーム間の位相差は、前記ビームの仰角を操縦して、仰角において前記ビームの放射パターンを制御する、C14に記載の無線通信デバイス。
[C17] ビーム操縦のための方法であって、前記方法は、
1つまたは複数の寄生素子を反射器として機能するように切替えることと、なお、任意の前記1つまたは複数の寄生素子は、前記寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが第1のポジションにあり、前記寄生素子がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能する;
反射器として機能していない前記寄生素子を導波器として機能するように切替えることと、なお、任意の前記寄生素子は、前記寄生素子とグラウンドとの間の前記スイッチが第2のポジションにあり、前記寄生素子とグラウンドとの間に開回路を作成しているときに、導波器として機能する;
360度の方位角にわたって各1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、反射器および導波器として機能している前記寄生素子を調整することと;
を具備する方法。
[C18] 1つまたは複数の前記寄生素子を、位相差を有する反射器として機能するように切替えことをさらに具備し、なお、任意の前記寄生素子は、前記寄生素子とグラウンドとの間の前記スイッチが第3のポジションにあり、前記寄生素子と、受動回路の一部としてのリアクティブ負荷と、グランドとの間に閉回路を作成しているときに、位相差を有する反射器として機能する、C17に記載の方法。
[C19] 2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナを垂直に積み重ねることをさらに具備する、C17に記載の方法。
[C20] ビームを形成するために、前記垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子に送信信号ストリームを供給することをさらに具備し、なお、前記送信信号ストリーム間の位相差は、前記ビームの仰角を操縦して、前記ビームのパターンを制御する、C19に記載の方法。
[C21] 前記垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子に送信信号ストリームを供給することと、仰角において、前記垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、前記垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ上の前記放射素子に供給される前記送信信号ストリーム間の位相差を調整することとをさらに具備する、C19に記載の方法。
[C22] 前記垂直に積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナの各々は、反射器として機能している前記寄生素子および導波器として機能している前記寄生素子の同じ構成を使用する、C19に記載の方法。
[C23] 前記2次元アンテナの信号をデジタルで組み合わせることをさらに具備する、C20に記載の方法。
[C24] ビーム操縦のために構成された無線通信デバイスであって、
1つまたは複数の寄生素子を反射器として機能するように切替えるための手段と、なお、任意の前記1つまたは複数の寄生素子は、前記寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが第1のポジションにあり、前記寄生素子がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能する;
反射器として機能していない前記寄生素子を導波器として機能するように切替えるための手段と、なお、任意の前記寄生素子は、前記寄生素子とグラウンドとの間の前記スイッチが第2のポジションにあり、前記寄生素子とグラウンドとの間に開回路を作成しているときに、導波器として機能する;
垂直フェーズドアレイを形成するために、2つ以上の1次元ビームアンテナを垂直に積み重ねるための手段と;
前記垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子に送信信号ストリームを供給するための手段と;
360度の方位角にわたって各1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、反射器および導波器として機能している前記寄生素子の構成を調整するための手段と;
仰角において、前記2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、前記垂直フェーズドアレイを形成する前記2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナに供給される前記送信信号ストリーム間の位相差を調整するための手段と;
を具備する無線通信デバイス。
[C25] 前記垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの各々から受信される信号を組み合わせ、処理するための手段をさら具備する、C24に記載の無線通信デバイス。
[C26] 前記垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの各々によって送信される信号を分割し、処理するための手段をさらに具備する、C24に記載の無線通信デバイス。
[C27] コンピュータ実行可能命令を用いて符号化されたコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令の実行は、
1つまたは複数の寄生素子を反射器として機能するように切替えることと、なお、任意の前記1つまたは複数の寄生素子は、前記寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが第1のポジションにあり、前記寄生素子がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能する;
反射器として機能していない前記寄生素子を導波器として機能するように切替えることと、なお、任意の前記寄生素子は、前記寄生素子とグラウンドとの間の前記スイッチが第2のポジションにあり、前記寄生素子とグラウンドとの間に開回路を作成しているときに、導波器として機能する;
2つ以上の垂直に積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子に送信信号ストリームを供給することと;
360度の方位角にわたって各垂直に積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、反射器および導波器として機能している前記寄生素子の構成を調整することと;
仰角において、前記垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、前記2つ以上の垂直に積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナ上の前記放射素子に供給される前記送信信号ストリーム間の位相差を調整することと;
のためのものである、コンピュータ可読媒体。
[C28] ビーム操縦のために構成された無線通信デバイスであって、
垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナと;
プロセッサと;
前記プロセッサと電子通信状態にあるメモリと;
前記メモリ中に記憶された命令と;
を具備し、
前記命令は、
1つまたは複数の寄生素子を反射器として機能するように切替える、なお、任意の前記1つまたは複数の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが第1のポジションにあり、前記寄生素子がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能する;
反射器として機能していない前記寄生素子を導波器として機能するように切替える、なお、任意の前記寄生素子は、前記寄生素子とグラウンドとの間の前記スイッチが第2のポジションにあり、前記寄生素子とグラウンドとの間に開回路を作成しているときに、導波器として機能する;
各1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子から送信信号ストリームを受信する;
360度の方位角にわたって各1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、反射器および導波器として機能している前記寄生素子の構成を調整する;および
仰角において、前記垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、前記2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナ上の前記放射素子によって受信される各送信信号ストリーム間の位相差を調整する;
ために前記プロセッサによって実行可能である、無線通信デバイス。
[C29] 各1次元スイッチトビームアンテナは、
平面円形構造と;
前記平面円形構造の中心に位置する放射素子と;
前記放射素子の周りに、輪郭上に位置する1つまたは複数の前記寄生素子と、なお、前記寄生素子は、前記放射素子と並行方向に位置合わせされ、前記寄生素子は、前記平面円形構造から突き出ている;
前記1つまたは複数の寄生素子の各々をグラウンドから分離しているスイッチと;
を具備する、C28に記載の無線通信デバイス。
[C30] 前記垂直に積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナの各々は、反射器として機能している前記寄生素子および導波器として機能している前記寄生素子の同じ構成を使用する、C28に記載の無線通信デバイス。
[C31] ビーム操縦のために構成された無線通信デバイスであって、
1つまたは複数の寄生素子を反射器として機能するように切替えるための手段と、なお、任意の前記1つまたは複数の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが第1のポジションにあり、前記寄生素子がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能する;
反射器として機能していない前記寄生素子を導波器として機能するように切替えるための手段と、なお、任意の前記寄生素子は、前記寄生素子とグラウンドとの間の前記スイッチが第2のポジションにあり、前記寄生素子とグラウンドとの間に開回路を作成しているときに、導波器として機能する;
各1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子から送信信号ストリームを受信するための手段と;
360度の方位角にわたって各1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、反射器および導波器として機能している前記寄生素子の構成を調整するための手段と;
仰角において、前記垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、2つ以上の垂直に積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナ上の前記放射素子によって受信される各送信信号ストリーム間の位相差を調整するための手段と;
を具備する無線通信デバイス。
[C32] 前記垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの各々から受信される信号を組み合わせ、処理するための手段をさら具備する、C31に記載の無線通信デバイス。
[C33] ビーム操縦のために構成された無線通信デバイスであって、
前記無線通信デバイスは、コンピュータ実行可能命令を用いて符号化されたコンピュータ可読媒体を有し、前記コンピュータ実行可能命令の実行は、
1つまたは複数の寄生素子を反射器として機能するように切替えることと、なお、任意の前記1つまたは複数の寄生素子は、寄生素子とグラウンドとの間のスイッチが第1のポジションにあり、前記寄生素子がグラウンドにショートされるときに、反射器として機能する;
反射器として機能していない前記寄生素子を導波器として機能するように切替えることと、なお、任意の前記寄生素子は、前記寄生素子とグラウンドとの間の前記スイッチが第2のポジションにあり、前記寄生素子とグラウンドとの間に開回路を作成しているときに、導波器として機能する;
各1次元スイッチトビームアンテナ上の放射素子から送信信号ストリームを受信することと;
360度の方位角にわたって各1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、反射器および導波器として機能している前記寄生素子の構成を調整することと;
仰角において、前記垂直に積み重ねられた2つ以上の1次元スイッチトビームアンテナの方向を操縦するために、2つ以上の垂直に積み重ねられた1次元スイッチトビームアンテナ上の前記放射素子によって受信される各送信信号ストリーム間の位相差を調整することと;
のためのものである、無線通信デバイス。