【文献】
入門講座[電力系統の運用と電気設備](20年度改訂版)第6章 電力系統を構成する諸設備[火力・自家発電],火力原子力発電,日本,社団法人火力原子力発電技術協会,2008年11月15日,第59巻,第69−73頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電力供給網(G)に接続されている定置式発電装置(2)を運転する方法であって、前記電力供給網(G)における動的なネットワーク障害が発生するとき、特に電気的なショートが発生するとき、少なくとも一つの障害値(N1〜N29)が前記発電装置(2)の少なくとも一つの運転パラメータの状態値(S1〜S9)に応じて確定され、前記少なくとも一つの障害値(N1〜N29)が前記発電装置(2)の少なくとも一つの構成要素(3、4、5)と関連づけられており、前記発電装置(2)の前記少なくとも一つの構成要素(3、4、5)のための保守用信号(M)が、前記少なくとも一つの障害値(N1〜N29)に応じて出力され、
前記少なくとも一つの障害値(N1〜N29)に応じて前記ネットワーク障害の深刻度が確定され、及び/又は出力されることを特徴とする方法。
前記少なくとも一つの障害値(N1〜N29)を確定するために、前記発電装置(2)の前記少なくとも一つの運転パラメータの前記状態値(S1〜S9)は、前記のネットワーク障害に先立って、及び/又はネットワーク障害時に、及び/又はネットワーク障害後に確定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
前記障害値(N1〜N29)は、前記少なくとも一つの運転パラメータの前記状態値(S1〜S9)と、少なくとも一つの予め設定可能な基準値とに応じて確定されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の方法。
前記発電装置(2)は、前記電力供給網(G)に接続されている発電機(5)、該発電機(5)に接続されている内燃機関(3)、および当該内燃機関(3)の回転可能に取り付けられたエンジンシャフト(6)に前記発電機(5)の回転可能に取り付けられた発電機シャフト(7)を接続するための連結装置(4)のうちの少なくとも一つの構成要素を含んでいることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
前記発電装置(2)の少なくとも一つの構成要素(3、4、5)であって、好適には前記発電機(5)及び/又は前記内燃機関(3)及び/又は前記連結装置(4)のための保守用信号(M)が、少なくとも1つの障害値(N1〜N29)に応じて、及び/又は前記ネットワーク障害の深刻度に応じて出力されることを特徴とする請求項1記載の方法。
それぞれの障害値(N1〜N29)は、少なくとも二つの取りうる値のうちの一つを有しており、好適には、その少なくとも二つの値は0及び1であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【背景技術】
【0002】
電力供給網(例:公共の送電網)での動的なネットワークの障害、特に電気的なショートは、ネットワークに接続されている構成要素(各種機器)に多大な負荷を引き起こすことがある。動的ネットワーク(送電網)の障害とは、数百ミリ秒(ms)から、例えば700msまで、特に500ms未満の継続時間で電圧降下または電圧変動である。
【0003】
パラレルモード(平行モード)とは、送電網が、AC発電機のAC電圧の位相だけではなく、公称電圧と公称周波数を指示することを意味する。
【0004】
特に、電力供給網に接続されている発電装置の場合には、ネットワークのショートが、発電装置の発電機の電力供給網に接続されている固定子の巻線に高電流強度を発生させ、追加的な結果として、発電機の回転子の巻線にも高電流を発生させることがある。さらに、高いショートの電流は回転子に接続されている発電機のシャフト(shaft、軸)に作用するトルクの増加を引き起こす。発電機のシャフトは、一般的に、連結手段によって内燃機関のシャフトに接続されており、このように発生したトルクは、その連結手段によって内燃機関に伝達されることがあり、不都合な振動や揺動を内燃機関に発生させることがある。
【0005】
そのようなネットワークの障害に対抗し、ネットワークの障害時およびネットワークの障害発生後に発電装置の安定性を促進するために、好適な対抗措置をとる内燃機関のための制御手段が提供できる。そこで、発電機によって電力供給網に送達することのできる電力に好適に適合した発電機に接続された内燃機関の機械的動力によって、発電機の電力供給網との共時性(synchronicity)が維持されることが提供可能となる。そのことは、例えば、燃焼プロセスに関して、例えば、点火の遅延または中断、あるいは内燃機関の対応するアクチュエータ(作動装置、例えば、バタフライバルブまたは燃料計測バルブ)の位置の変更といった適応によってもたらされる。
【0006】
ネットワーク障害、特に電気的なショートの結果としての発電装置への損傷を防止するため、あるいは損傷を最小限にするため、保守管理計画は通常において、一定回数のショートの発生後に保守(維持管理)を実行することにしている。しかし、この点に関して、発生したネットワーク障害またはショートが重度のネットワーク障害であるか軽度のネットワーク障害であるかが区別されていない。従来の知られた保守管理計画では、発電装置またはその構成要素(例えば、発電機、連結装置、内燃機関)のネットワーク障害に対する反応も考慮されていない。その結果、発生した障害が、発電装置にほとんど影響を及ぼさないような軽微なネットワーク障害であったとしても障害発生直後に、保守管理計画が、発電装置の保守を提供することがある。一方、発生した最初のネットワーク障害が高い損傷の可能性を有している場合であっても、複数回の電気的なショートが発生した後にのみ保守管理計画が発電装置の保守を提供することもある。さらに、知られた保守管理計画は、次の保守作業で調査対象である発電装置の構成要素に関する情報を与えることもしない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
一つの好適な実施形態によれば、障害値は、その少なくとも1つの運転パラメータの状態値と、少なくとも1つの設定可能な規準値と、に応じて確認されることができる。規準値とは、例えば、しきい値でもよく、その場合、障害値は運転パラメータの状態値がそのしきい値を超えているか、あるいはしきい値を下回っているかによって影響される。
【0014】
運転パラメータは、例えば、以下に掲げる一以上の運転パラメータであってもよい。
【0015】
点火に関係する運転パラメータ
ネットワーク障害の結果として、特にショートの結果として、並びに、電力供給網との発電機の共時性を維持するために、内燃機関のエンジン制御システムが、内燃機関と発電機の回転速度を維持するために、従って、所望の水準の電力供給網との発電機の共時性を維持するために、遅延された点火あるいは点火の中断を提供することが可能である。
【0016】
しかし、点火の中断または遅延は、異常な運転状態を表わし、不都合な不着火(misfire)の可能性のある原因ともなり得る。
【0017】
点火関連の運転パラメータに関して確認すべきである、可能性のある(とりうる、possible)状態値は、点火時間の遅延の発生、燃焼時の中断の発生、および燃焼の中断時間である。
【0018】
ターボチャージャに関係する運転パラメータ
ターボチャージャで加給される内燃機関の場合には、燃焼チャンバ内へ給入される燃料−空気混合物の状態の急激な変化、及び/又は燃焼チャンバから排出される排気ガスの状態の急激な変化はターボチャージャの減速を引き起こす可能性がある。この場合には、ターボチャージャのスロットリング(絞り)は燃料−空気混合物の逆流を導きかねず、結果的に、例えば、ネットワーク障害中に燃料−空気混合物の濃縮に起因するターボチャージャの不都合な加速が引き起こされかねない。
【0019】
ターボチャージャ関連の運転パラメータに関して確認すべきである、可能性のある状態値は、ターボチャージャのスロットリングの発生、およびターボチャージャのスロットリング時間である。
【0020】
トルクに関係する運転パラメータ
電力供給網のショートと、電力供給網に結合されている発電機の固定子巻線において電力供給網に流れる高電流は、発電機の回転子に作用するトルクの急激な増加を招き得る。そのような急激なトルクの増加は、発電機の回転子に接続されている内燃機関、または内燃機関と発電機との間に配置される連結装置に負(negative)の影響を及ぼしかねない。
【0021】
トルク関連の運転パラメータに関して確認すべきである、可能性のある状態値は、発電機のシャフトでのトルクの水準(torque level)、連結装置でのトルクの水準、およびエンジンシャフトでのトルクの水準であり得る。
【0022】
電圧に関係する運転パラメータ
ショートの結果として、通常は三相の特徴を備えた電力供給網の少なくとも一相で電圧が下降する。その際に発生する最低電圧値と電圧降下時間は、ネットワーク障害の深刻度を決定するために使用できる。
【0023】
電圧関連の運転パラメータに関して確認すべきである、可能性のある状態値は、発電機の電圧水準、電圧降下の発生、および電圧降下時間であり得る。
【0024】
電流に関係する運転パラメータ
ショートの結果として、通常は三相の特徴を備えた電力供給網の少なくとも一相で電流の上昇が発生する。この場合には、高電流強度が電気構成要素の熱負荷を増加し、損傷を及ぼす可能性がある高電磁力を発生させる可能性がある。
【0025】
電流関連の運転パラメータに関して確認すべきである、可能性のある状態値は、発電機の電流の水準、電流強度の増加の発生、および電流強度の増加時間であり得る。
【0026】
有効電力に関係する運転パラメータ
有効電力は回転速度を介してトルクに関係するため、有効電力はトルクの評価のための代用として、または追加的に利用できる。この場合、有効電力は、電圧、電流、および力率測定から確かめることができ、有効電力はトルクに比例する。
【0027】
有効電力関連の運転パラメータに関して確認すべきである、可能性のある状態値は、発電装置によって、または発電装置の発電機によって電力供給網に送達される有効電力の水準であり得る。
【0028】
回転速度に関係する運転パラメータ
ショートの時に、内燃機関によって発電機に加えられる機械的な動力と、発電機によって電力供給網に送達される電力との間の不均衡には、所望の定格回転速度値からの回転速度の偏差が関与する。この場合には変動が発生可能であり、内燃機関のエンジンシャフトに接続されている機械的構成要素(たとえば連結装置)に対して負荷が作用する可能性がある。
【0029】
回転速度関連の運転パラメータに関して確認すべきである、可能性のある状態値は、発電機シャフトの回転速度の水準、連結装置の回転速度の水準、およびエンジンシャフトの回転速度の水準である可能性がある。
【0030】
負荷角に関係する運転パラメータ
知られているように、発電機の固定子の回転する磁界のベクトルと、発電機の回転子の回転する磁界のベクトルとの間の角度は負荷角と称される。負荷角は、電力供給網への発電機の電気結合の測定角度であり、電力供給網への電力の送達の効率を決定する。所望の規格値(nominal value)からの負荷角の大きなずれ(deviations)は、発電機の回転子に対して大きな電気的機械力(electromechanical force)とトルクとを発生させ、その結果、連結装置と内燃機関とに大きな電気機械力とトルクとを加える可能性がある。
【0031】
負荷角関連の運転パラメータに関して確認すべきである、可能性のある状態値は、負荷角の水準、およびネットワーク障害の排除後の負荷角の水準であり得る。
【0032】
励磁器電流に関係する運転パラメータ
励磁器電流(exciter current)は、発電機の回転子巻線の界磁電流(field current)の水準を決定する。特に大きく増加した励磁器電流および巻線絶縁体または回転子巻線に接続されている整流ブリッジ(rectifier bridge)への損傷が、ショートを原因として電機子の反作用によって発生する可能性がある。ショート発生時に増加する発電機の固定子巻線の固定子電流は、巻線の絶縁に損傷を及ぼす可能性がある発電機の回転子巻線に対応して高い電流を誘導する。一方、整流器によって通電が阻止される結果として発生する高誘導電圧は、整流器のダイオードに損傷を及ぼす可能性がある。
【0033】
励磁器電流または励磁器回路に関係する運転パラメータ関連の運転パラメータに関して確認すべきである、可能性のある状態値は、励磁器電流の水準、および所定の励磁器電流強度の持続時間であり得る。
【0034】
好適には、発電装置は、次の構成要素の少なくとも1つを含むことができる。すなわち、電力供給網に接続されている発電機、発電機に接続されている内燃機関、発電機の回転式に取り付けられた発電機シャフトを内燃機関の回転式に取り付けられたエンジンシャフトに接続するための連結装置のうちの少なくとも1つ。少なくとも1つの障害値は、発電機及び/又は内燃機関及び/又は連結装置のうちの少なくとも1つの運転パラメータの状態値に応じて確定され、発電装置の少なくとも1つの構成要素と関連する。
【0035】
発電装置の1つの構成要素は、内燃機関、発電機または連結装置の個別の部品でもあり得る。よって、発電機の固定子巻線、回転子巻線、または整流ブリッジもそれぞれ発電装置の構成要素であると考えられる。
【0036】
好適には、発電装置の運転パラメータの次の状態値のうちの少なくとも1つが確認される。すなわち、内燃機関の点火時間の遅延の発生、内燃機関の燃焼の中断の発生、内燃機関の燃焼の中断時間、内燃機関のターボチャージャのスロットリングの発生、内燃機関のターボチャージャのスロットリングの継続時間、発電機の発電機シャフトでのトルクの水準、連結装置でのトルクの水準、内燃機関のエンジンシャフトでのトルクの水準、発電機の電圧水準、発電機での電圧降下の発生、発電機での電圧降下の継続時間、発電機の電流水準、発電機の電流強度の増加の発生、発電機の電流強度の増加の継続時間、発電機によって電力供給網に伝えられる有効電力の水準、発電機の発電機シャフトの回転速度の水準、連結装置の回転速度の水準、内燃機関のエンジンシャフトの回転速度の水準、発電機の負荷角の水準、ネットワーク障害の除去後の発電機の負荷角の水準、発電機の励磁器電流の水準、および、発電機の所定の励磁器電流の継続時間のうちの少なくとも1つである。
【0037】
一つの好適な変形例では、複数の障害値が確認されて提供されても良い。
【0038】
本発明の一つの好適な実施形態では、それぞれの障害値は、少なくとも2つの取りうる値のうちの1つを有しており、好適にはそれら少なくとも2つの取りうる値は0と1である。
【0039】
この点で、例えば、次の運転パラメータのうちの1以上の障害値が、それぞれの状態値に応じて確定されて提供される。それぞれの障害値は、値が0または1のいずれかである。この点で、その障害値は、例えば、「N」と、障害値を区別するための数字で特定される。状態値および所定の規準値またはしきい値に応じて確定される障害値に関して、それぞれの規準値またはしきい値は、例えば、「P」と、規準値またはしきい値を区別するための数字で特定される。
【0040】
内燃機関の点火に関係する運転パラメータの障害値
N1:点火時間の遅延の発生
N2:燃焼の中断(例:無点火)の発生
N3:燃焼の中断の発生であって、燃焼の中断の継続時間は少なくともP3ミリ秒
N4:燃焼の中断の発生であって、燃焼の中断の継続時間は少なくともP4ミリ秒
【0041】
内燃機関のターボチャージャに関係する運転パラメータの障害値
N5:ターボチャージャのスロットリングの発生
N6:ターボチャージャのスロットリングの発生であって、ターボチャージャのスロットリングの継続時間は少なくともP6ミリ秒
【0042】
内燃機関のエンジンシャフト及び/又は連結装置及び/又は発電機の発電機シャフトでのトルクに関する運転パラメータの障害値
N7:連結装置でのトルクが、許容される最大値P7 kN・mまたはその単位当りの値(p.n.)を超えていること
N8:連結装置でのトルクが、許容される最大値P8 kN・mまたはそのp.n.を超えていること
【0043】
発電機の電圧に関係する運転パラメータの障害値
N9:発電機の正常出力電圧のP9パーセント以下への発電機の電圧降下の発生
N10:P9パーセント以下への電圧降下の発生であって、P9パーセント以下への電圧降下の継続時間は少なくともP10ミリ秒
N11:P11パーセント以下への電圧降下の発生
N12:P11パーセント以下への電圧降下の発生であって、P11パーセント以下への電圧降下の継続時間は少なくともP12ミリ秒
N13:P13b秒以内でのP13aパーセント以下への2つの連続的電圧降下の発生
【0044】
発電機の電流に関係する運転パラメータの障害値
N14:P14アンペアまたはそのp.u.以上への発電機の電流強度の増加の発生
N15:P14アンペアまたはそのp.u.以上への発電機の電流強度の増加の発生であって、少なくともP14アンペアまたはそのp.u.への電流強度の増加の継続時間はP15ミリ秒以上
N16:P16アンペアまたはそのp.u.以上への発電機の電流強度の増加の発生
N17:P16アンペアまたはそのp.u.以上への発電機の電流強度の増加の発生であって、少なくともP16アンペアまたはそのp.u.への電流強度の増加の継続時間はP17ミリ秒以上
N18:P18b秒内でのP18aアンペアまたはそのp.u.以上への発電機の電流強度の連続的増加の発生
【0045】
発電機の有効電力に関係する運転パラメータの障害値
N19:P19キロワットまたはそのp.u.以上の有効電力の発生
N20:P20キロワットまたはそのp.u.以上の有効電力の発生
【0046】
内燃機関のエンジンシャフト及び/又は連結装置及び/又は発電機の発電機シャフトの回転速度に関係する運転パラメータの障害値
N21:P21回転/分以上の回転速度の発生
N22:P22回転/分以上の回転速度の発生
【0047】
発電機の負荷角に関する運転パラメータの障害値
N23:P23°以上の負荷角の発生
N24:P24°以上の負荷角の発生
N25:ネットワーク障害が排除された後のP25°以上の負荷角の発生
N26:スリップ限界以上の負荷角の発生
【0048】
発電機の励磁器電流に関係する運転パラメータの障害値
N27:発電機の正常電流のP27パーセント以上の励磁器電流の発生
N28:P28ミリ秒間のP27パーセント以上の励磁器電流の発生
【0049】
障害値は、2以上の他の障害値の結合(link)から、または複数の運転パラメータの状態値に応じて確定されて提供されることができる。例えば、障害値は、有効電力がP30キロワット以上で、負荷角がスリップ限界(slip limit)以上である状況のために確定されて提供される。
N29:P30キロワット以上の有効電力の発生、およびスリップ限界を超える負荷角の発生
【0050】
特定の変形形態では、少なくとも1つの障害値に応じてネットワーク障害の深刻度が確定され、及び/又は出力される。
【0051】
予め設定可能な値の障害値の数に依存してネットワーク障害の深刻度が確定されて、出力される。好適には、lその設定可能な値は1である。よって、例えば、値1の障害値の数に応じてネットワーク障害は、軽度のネットワーク障害または重度のネットワーク障害として分類され、ネットワーク障害の深刻度に応じて適した保守の勧告(recommendation)が出力される。ネットワーク障害の深刻度の証明(establish)と出力とによって質的な保守の勧告を送達することが可能である。これは、知られた保守管理計画とは異なり、発生したネットワーク障害の回数だけを対象とすることなく、発生したネットワーク障害が重度のネットワーク障害であったか、または例えば、ほんの軽度のものであったかを証明することでネットワーク障害の深刻度を考慮する。
【0052】
その少なくとも1つの保守管理信号は、少なくとも1つの障害値の値に応じて出力が可能である。1つの障害値が2つの値0と1だけであり得る状況では、このことは出力される保守管理信号の特に単純な確定(ascertainment)を可能にする。
【実施例】
【0053】
表1は、状態値と取りうる所定の規準値とに応じて監視された運転パラメータに関するネットワーク障害(軽度のネットワーク障害および重度のネットワーク障害)、およびそれらによって引き起こされる障害値、の2つの実施例を示している。この実施例の場合には、表1において、左側欄1はそれぞれの運転パラメータのグループを示し、欄2は上述の内容に従った運転パラメータのグループのそれぞれの運転パラメータの障害値符号を特定し、欄3は、該当する場合に、上述の内容に従った障害値を確認するためのそれぞれの規準値を示し、欄4は、軽度のネットワーク障害の例のそれぞれの障害値の値を示し、欄5は重度のネットワーク障害の例のそれぞれの障害値の値を示す。軽度のネットワーク障害の場合には7つの障害値が値1であり、重度のネットワーク障害22の場合には障害値は値1である。
【0054】
【表1】
【0055】
特に好適な実施形態においては、その少なくとも1つの障害値及び/又はネットワーク障害の深刻度に応じて、発電装置の少なくとも1つの構成要素に対する、好適には発電機及び/又は内燃機関及び/又は連結装置に対する保守用信号が出力される。
【0056】
表2は、例示として前述に従った、障害値に応じた発電装置の構成要素である内燃機関、連結装置および発電機のための保守用信号を示す。表2の保守用信号「Yes(肯定)」は、本実施例では、それぞれの障害値が値1のものである状態に対応する構成要素のための保守の勧告を表す。対応的に、表2の保守用信号「No(否定)」は、それぞれの障害値に関して対応する構成要素のために保守の勧告が出力されないことを表す。
【0057】
【表2】
【0058】
発電装置の構成要素は、内燃機関、発電機または連結装置の個々の構成要素でもあり得る。よって、発電機の固定子巻線、回転子巻線または整流ブリッジはそれぞれ発電装置の構成要素であると考えることができる。下の表3は例示として前述に従った、障害値に応じた発電装置の発電機の構成要素である固定子巻線、回転子巻線および整流ブリッジのための保守用信号を示す。表3の保守用信号「Yes(肯定)」は、本例では、それぞれの障害値が値1のものである状態に対応する構成要素のための保守の勧告を表す。対応的に表3の保守用信号「No(否定)」は、それぞれの障害値に関して対応する構成要素のための保守の勧告が出力されないことを表している。
【0059】
【表3】
【0060】
好適には、内燃機関は定置式内燃機関であり、特には往復型ガスエンジン(reciprocating gas engine)である。
【0061】
本発明のさらなる詳細と利点は、以下の特定の記載において説明されている。
【0062】
図1は、内燃機関3、発電機5、および、内燃機関3の回転式に取り付けられているエンジンシャフト6を発電機5の回転式に取り付けられている発電機シャフト7に接続するための連結装置4を含んだ発電装置2の概略ブロック回路図である。発電装置2の発電機5は電力供給網Gに電気的に接続されている。本実施例では、電力供給網Gは三相の特徴を有している。
【0063】
電力供給網Gでのネットワーク障害、特に電気的なショートが発生した場合に、特定の保守の勧告を伝達することができるように、発電装置2の複数の運転パラメータが監視される。特に、電力供給網Gでネットワーク障害が発生すると、発電装置の内燃機関3、連結装置4および発電機5である構成要素の種々な運転パラメータの状態値S1からS9が確定され、モニター装置8に信号される。発電装置2の運転パラメータの状態値S1からS9は、例えば、内燃機関3の点火時間の遅延の発生、連結装置4でのトルクの水準、または発電機5の負荷角の水準であり得る。
【0064】
発電装置2の運転パラメータの信号された状態値S1からS9に応じて、モニター装置8は、可能には状態値S1からS9のための設定可能な基準値を利用して、障害値N1からN29を確定する。本例の場合には、モニター装置8は信号された状態値S1から、例えば4つの障害値N1からN4を確定する。障害値N1からN29を確定するための例は前述されている。
【0065】
この点で本例においては、それぞれの障害値N1からN29は2つの可能な値のうちの一方のものである。よって、障害値N1からN29は値0または値1のいずれかのものであり得る。この例では、障害が存在するときは障害値N1からN29は値1のものであり、障害が存在しないときは値0のものである。個々の障害値N1からN29はモニター装置8によっても出力できる。それは図において値0と値1で構成されている連続数字で示されている。従って本例では、全部で22の障害値N1からN29はそれぞれ値1のものであり、全部では22の障害メッセージが存在する。
【0066】
モニター装置8によって確定される障害値N1からN29はそれぞれ発電装置2の1構成要素と関連する。この点で内燃機関3、エンジンのシャフト6、連結装置4、発電機シャフト7、および発電機5は発電装置の構成要素であると考えることができる。しかし発電装置の1構成要素は、内燃機関3、発電機5または連結装置4の個別の構成要素でもあり得る。
【0067】
障害値N1からN29の発電装置2の構成要素との関連に応じて、対応する発電装置2の構成要素のための保守用信号Mが、それぞれの障害値N1からN29に応じて出力される。よって図示の例では、障害値N1は発電装置2の構成要素である内燃機関3に関連づけられており、この場合には、障害値N1が値1のものであるなら保守用信号Mが出力される。例えば、障害値N21が内燃機関3、連結装置4および発電機5の構成要素と関連づけられており、障害値N1が値1のものであるならこれら全ての構成要素3、4、5のために保守用信号Mが出力されることが可能である。障害値N1からN29と発電装置2の構成要素3、4、5との関連の例は表2と表3に関して前述されている。