(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係るパチンコ機の外観を示す全体図である。
【
図2】本発明に係るパチンコ機のブロック図である。
【
図3】本発明に係るパチンコ機のメイン処理を示すフローチャートである。
【
図4】主制御装置による始動入賞処理を示すフローチャートである。
【
図5】主制御装置による特図当否判定処理を示すフローチャートである。
【
図6】主制御装置による図柄変動処理を示すフローチャートである。
【
図9】演出制御装置による表示制御処理を示すフローチャートである。
【
図10】演出制御装置による表示制御コマンド送信処理を示すフローチャートである。
【
図12】主制御装置による先読み処理を示すフローチャートである。
【
図13】演出制御装置による図柄停止コマンド変更処理を示すフローチャートである。
【
図14】主要な制御コマンドの内容を示す模式図である。
【
図17】他の実施形態に係る先読み処理を示すフローチャート及び模式図である。
【
図18】他の実施形態に係る表示制御コマンド送信処理を示すフローチャートである。
【0010】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
【0011】
図1は、遊技機の一例としてのパチンコ機1の全体正面図である。同図を用いてパチンコ機1の概略について説明する。パチンコ機1は、遊技球(以下、単に球という)が打ち出される遊技領域11Aを有し、内枠12に対して着脱自在に取り付けられる遊技盤11と、内枠12を前後方向に開閉自在に軸支する外枠13とを備える。遊技盤11の前方には、内枠12の前後方向に開閉自在に軸支される窓12Aが設けられ、遊技盤11の前方が閉鎖される。
パチンコ機1の下部には発射ハンドル103Dが回動自在に取着され、発射ハンドル103Dが遊技者の操作によって例えば時計周りに回動操作されることにより、内部に装着された打ち出し機構103Bが駆動する。打ち出し機構103Bが駆動すると、上皿構造体16内に貯留された球が内ガイドレール17及び外ガイドレール18の間の発射領域を通って上方に打ち出され、遊技領域11A内に進入する。
【0012】
内枠12の周囲には、スピーカ19やLED等からなる複数の装飾ランプ20が配設される。スピーカ19及び装飾ランプ20は、後述の主制御装置100から送信される制御コマンドにより遊技の進行に沿って制御され、遊技中の演出効果を高める。
【0013】
次に、遊技盤11に配設される遊技部品について説明する。遊技盤11上には、図外の複数の誘導釘や風車が植設されており、遊技領域11A内に進入した球は、これら誘導釘,風車によって誘導されながら下方に流下する。
【0014】
遊技盤11の略中央には、演出図柄表示装置30が配設される。演出図柄表示装置30は、前後方向に貫通する図外の取付け孔を介して遊技盤11にはめ込まれる。演出図柄表示装置30は、例えば液晶画面を有し、当該液晶画面における複数の領域Z1〜Z3に例えば1〜9までの数字やキャラクターからなる演出図柄L,C,Rを上下方向に変動表示(スクロール表示)させるとともに、特図当否判定の結果を遊技者に視認可能な態様で停止表示させる。また、演出図柄表示装置30は、上記各演出図柄を変動表示させるとともに、いわゆるリーチ成立前に展開されるリーチ予告演出や、リーチ後に展開されるリーチ演出等、全ての演出図柄が停止表示されるまでの間、多用な演出を表現することにより遊技を盛り上げる。
演出図柄表示装置30によって如何なる演出が表現されるかは、主制御装置100が生成及び送信する制御コマンドに基づいて規定される。なお、演出図柄表示装置30としては、CRT,ドラム式等の構成であってもよい。
【0015】
演出図柄表示装置30における液晶画面の下方には、複数の保留球表示ランプ21Aが配設される。保留球表示ランプ21Aは、主制御装置100の制御により、第一始動入賞部品22又は第二始動入賞部品23に球が入賞するごとに点灯し、本例では、最大4つまで保留球数(抽選残数)を遊技者に対して報知する。なお、本例では保留球数を4つまでとしたが、これに限られるものではなく、例えば最大8個まで保留可能な構成としてもよい。
【0016】
演出図柄表示装置30の左方には、普通図柄始動部品25が配設される。普通図柄始動部品25は、上下方向に開口する門型の部品であって、内部には普通図柄始動スイッチ25Aが設けられる(
図2参照)。普通図柄始動部品25を球が通過すると、普通図柄始動スイッチ25Aにより検出され、検出信号が主制御装置100に出力される。主制御装置100は、普通図柄始動スイッチ25Aからの検出信号に基づき、普図乱数取得処理、普図当否判定処理及び普図変動表示処理を実行する。
【0017】
演出図柄表示装置30よりも下方には、複数の始動入賞部品22,23が配設される。上方に位置する第一始動入賞部品22は、上方開放の受け入れ口より球を受け入れる固定の始動口として形成される。
一方、第一始動入賞部品22の直下に配設される第二始動入賞部品23は、左右に設けられた一対の開閉翼24の開閉動作により、入賞の難易を変更可能な可変始動口である。開閉翼24は、遊技盤11の裏側に装着された始動口ソレノイド35の駆動により開閉し、当該始動口ソレノイド35は主制御装置100により制御される。開閉翼24の開放動作は、普通図柄が当りを示す態様で停止したことに基づいて実行され、球は開放動作中において第二始動入賞部品23内に入賞し易くなる。一方、開閉翼24が閉鎖中においては、第二始動入賞部品23に球が入賞することは困難(入賞不可能な場合も含む)となる。
【0018】
第一始動入賞部品22及び第二始動入賞部品23の内部には、それぞれ第一始動検出スイッチ22A,第二始動検出スイッチ23Aが設けられる。そして、球が第一始動入賞部品22又は第二始動入賞部品23へ入賞すると、第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aが球の入賞を検出し、当該検出信号が主制御装置100に出力される。
【0019】
主制御装置100は、第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aからの検出信号に基づいて、乱数取得処理、特別図柄(特図)当否判定処理、特別図柄(特図)変動表示処理などの所謂大当りに関する処理を実行するとともに、払出制御装置60に払出コマンドを送信し、賞球払出装置により賞球を3個払出させる賞球払出処理などを実行する。
【0020】
第二始動入賞部品23の直下には、大入賞部品26が配設される。大入賞部品26は、遊技盤11の前方に開口する矩形の大入賞口と、当該大入賞口を開放又は閉鎖状態とする開閉板27と、遊技盤11の裏側に装着され、開閉板27を開閉動作させる大入賞ソレノイド28、及び、大入賞口内に取り込まれた球を検出する大入賞検出スイッチ26Aとから構成される。開閉板27は、後述の大当り遊技の実行に基づいて主制御装置100の制御により駆動する大入賞ソレノイド28の動作によって開放する板体である。主制御装置100は、大入賞検出スイッチ26Aからの検出信号に基づき、払出制御処理を実行し、例えば賞球を15個払出す。
【0021】
第二始動入賞部品23の両側には、複数の一般入賞部品29が配設される。一般入賞部品29は、前記第一始動入賞部品22と同様に、上方開放の受け入れ口より球を受け入れる固定の始動口として形成される。一般入賞部品29の内部には、一般入賞検出スイッチ29Aが設けられ、球が一般入賞部品29へ入賞すると、一般入賞検出スイッチ29Aが球の入賞を検出し、当該検出信号が主制御装置100に出力される。主制御装置100は、一般入賞検出スイッチ29Aからの検出信号に基づき前述と同様の賞球払出処理を実行する。
【0022】
遊技盤11上に配設された左方の装飾部品11B上には、上から順に特別図柄変動表示器31(以下、特図変動表示器という)、普通図柄変動表示器32(以下、普図変動表示器という)、特別図柄保留表示器33(以下、特図保留表示器という)及び普通図柄保留表示器34(以下、普図保留表示器という)が設けられる。
【0023】
特図変動表示器31は、例えば並列に配置された7セグメントランプにより構成され、主制御装置100により実行される特図変動表示処理により、例えば1〜9までの数字を一定期間高速で変動表示させた後、特図当否判定処理の結果を示す態様で停止表示する。例えば、特図当否判定処理の結果が「当り」である場合には、並列に配置された7セグメントランプに同一の数字(7・7,8・8等)を停止させ、「外れ」である場合は、(−・−)等の記号や、互いに異なる数字を停止させる。
また、特別図柄の変動表示の開始時期及び停止時期は、前述した演出図柄の変動表示の開始時期及び停止時期と略同期しており、遊技者は、特別図柄及び演出図柄の停止態様によって一回の遊技において実行される特図当否判定処理の結果を認識することができる。
【0024】
普図変動表示器32は、例えば並列に配置された丸とバツの記号を表示するランプにより構成される。普図変動表示器32は、普通図柄始動スイッチ25Aから出力される検出信号に基づいて主制御装置100によって実行される普図変動表示処理により、例えば、丸とバツの記号を表示するランプを一定期間高速で点滅させて変動表示させた後、普図当否判定処理の結果を示す態様で停止表示させる。普図当否判定処理は、普通図柄始動スイッチ25Aの入力を契機として取得される乱数に基づいて実行される処理であって、当該取得した乱数と、主制御装置100のROM内に普図当否判定テーブルに記載された乱数とを比較することにより、取得した乱数に対応する結果(「当り」,「外れ」)を抽出する。
ここで、例えば、普図当否判定処理の結果が当りである場合には、丸の記号を表示するランプのみが点灯し、外れである場合には、バツの記号を表示するランプのみが点灯する。よって遊技者は、ランプの点灯態様によって普図当否判定処理の結果を認識することができる。
【0025】
特図保留表示器33は、4つの円形状ランプが最大保留数に対応するように並列に配置された形態であって、第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aからの検出信号に基づいて主制御装置100がランプを順次点灯させ、特図当否判定処理及び特図変動表示処理を実行する度に、消灯するように制御する。
普図保留表示器34は、前述の特図保留表示器33と同様に4つの円形状ランプが最大保留数に対応するように並列に配置された形態であって、普通図柄始動スイッチ25Aからの検出信号に基づいて主制御装置100がランプを順次点灯させ、普図当否判定処理及び普図変動表示処理を実行する度に、消灯するように制御する。
【0026】
以下、
図2に示す制御ブロックを参照して、パチンコ機1の構成について説明する。
同図において、主制御装置100は、入力ポート100Aを介して入力される各検出スイッチからの信号に基づいて遊技全般を司る装置であって、特に第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aからの検出信号に基づいて複数の乱数を取得するとともに、当該取得した乱数に基づいて後述する各種の制御コマンドを生成し、演出制御装置200に送信する。主制御装置100は、演算手段としてのCPUと、遊技に必要な制御プログラムやコマンド抽出用のテーブルデータ、各種の制御コマンド等が格納されたROM、各種の乱数カウンター、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ、或いは、乱数記憶領域等の遊技に必要な情報を一時的に格納するRAMと、入出力ポート100A;100Bを備えるいわゆるコンピュータである。
【0027】
また、主制御装置100のRAMは、後述の特図当否判定に必要な始動情報を第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aによる検出ごとに順次記憶する始動情報記憶領域を有する。始動情報とは、第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aによる検出信号の入力に基づいて取得される複数の乱数(特図当否判定乱数,図柄指定乱数,変動パターン決定用乱数)に関する情報である。
図11の模式図に示すように、始動情報記憶領域は、A1〜A4の4つの領域に区分されており、球が第一始動入賞部品22又は第二始動入賞部品23に入賞するたびに始動情報を所定の上限値(本例では4つ)まで順次記憶する。また、主制御装置100は、後述の処理によりRAMに蓄積された始動情報を記憶された順序で消化し、始動情報に含まれる特図当否判定乱数により当否判定を実行する。また、図示は省略するが主制御装置100には、電源供給用の電源回路や停電時におけるバックアップ回路等が接続されている。
【0028】
主制御装置100には、入力ポート100Aを介して第一始動検出スイッチ22A、第二始動検出スイッチ23A、普通図柄始動スイッチ25A、大入賞検出スイッチ26A及び一般入賞検出スイッチ29Aが接続され、各スイッチからの検出信号が主制御装置100に入力される。
また、主制御装置100には、出力ポート100Bを介して演出制御装置200、特図変動表示器31、普図変動表示器32、特図保留表示器33、普図保留表示器34、始動口ソレノイド35、大入賞ソレノイド28及び払出制御装置60が接続され、各機器は、遊技の進行に合わせて送信,出力される制御コマンドや制御信号により制御される。
【0029】
演出制御装置200は、主制御装置100に対する副制御装置であって、主制御装置100と同様に主制御装置100から受信した制御コマンドに応じて動作する演算手段としてのCPUや、演算動作に必要な制御プログラムやテーブルデータ等が格納されたROM、及び、内部送信用の制御コマンドや演算処理に必要なデータ等を一時的に記憶するRAMを備える。演出制御装置200は、主制御装置100に対して一方向に通信可能に接続されており、主制御装置100から送信された制御コマンドに応じた内部コマンドを各制御部200A乃至200Cに送信し、演出図柄表示装置30、スピーカ19、及び、装飾ランプ20を動作させる。
【0030】
演出制御装置200の表示制御部200Aは、演出図柄表示装置30を直接的に制御する手段であって、図外のCPU,ROM,RAM,画像処理用VDP及び入出力ポートを備え、演出制御装置200から送信されてくる内部コマンドとしての表示制御コマンドの内容に応じて演出図柄表示装置30上に演出図柄L,C,Rを変動表示させるとともに、停止表示までの間に多様な演出を展開させる。
ここで、内部送信される表示制御コマンドの種類としては、図柄変動開始コマンド,リーチ生成コマンド,リーチ演出コマンド,変動停止コマンド等が存在し、所定のタイミングでこれらのコマンドが演出制御装置200から送信される。
表示制御部200AのROMには、演出図柄表示装置30の表示制御を行うための制御プログラムや各種の画像データや動画データ等が格納されており、CPUが表示制御コマンド、及び、制御プログラムに従って各表示制御コマンドに応じた画像データをROMから読出し、該画像データをVDPに出力する。画像処理用VDPは、CPUからの出力処理に従って出力ポートを介して演出図柄表示装置30に画像データを出力する。
【0031】
演出制御装置200の音声制御部200B及びランプ制御部200Cは、それぞれスピーカ19及び装飾ランプ20を直接制御する手段であって、演出制御装置200から送信される内部コマンドとしての音声制御コマンド,ランプ制御コマンドに従ってスピーカ19及び装飾ランプ20をそれぞれ制御する。
【0032】
特図変動表示器31、普図変動表示器32、特図保留表示器33、普図保留表示器34、始動口ソレノイド35、大入賞ソレノイド28及び払出制御装置60は、主制御装置100によって直接制御され遊技の進行に合わせて動作する。以下、上記構成からなる主制御装置100及び演出制御装置200の主要な制御処理とともに、本実施形態に係るパチンコ機1の特徴について説明する。
【0033】
主制御装置100のCPUは、所定のクロック信号(例えば、4[ms])により動作し、ROMに格納された遊技プログラムに従って遊技制御処理を実行する。
図3は、主制御装置100が実行する変動表示に関する遊技制御処理のメインフローである。
主制御装置100は、まず、S100において特図当否判定乱数、図柄指定乱数、変動パターン決定用乱数の更新処理を実行し、S101に移行する。特図当否判定乱数は、主に
図5に示す特図当否判定処理(「当り」,「外れ」判定処理)において用いられる乱数であって、逐次カウントアップする0〜65535までの整数値を取り得るループ式カウンター(乱数カウンター1)から、第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aからの検出信号の入力を契機として取得される。
【0034】
図柄指定乱数、及び、変動パターン決定用乱数は、主に
図6に示す図柄変動処理に用いられる乱数であって、逐次カウントアップする0〜99までの整数値を取り得るループ式カウンター(乱数カウンター2,3)からそれぞれ、第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aからの検出信号の入力を契機として取得される。各乱数の更新処理においては、乱数カウンター1乃至3の値が一巡するたびに初期値を変化させ、特に「当り」に相当する特図当否判定乱数を容易に推測不可能としている。
【0035】
主制御装置100は、S101においてスイッチ入力処理を実行し、S102に移行する。
スイッチ入力処理は、入力ポート100Aを介して出力される第一始動検出スイッチ22A,第二始動検出スイッチ23A,普通図柄始動スイッチ25A,一般入賞検出スイッチ29Aからの検出信号を入力する処理である。
【0036】
主制御装置100は、S102において始動入賞処理を実行し、S103に移行する。
図4は、始動入賞処理を示すサブフローチャートである。
同図に示すとおり、始動入賞処理は、まずS200において前述のスイッチ入力処理に基づいて第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aからの検出信号が入力したかを判定し、YESの場合S201に移行し、NOの場合メイン処理に復帰する。主制御装置100は、S201においてRAMの始動情報格納領域に記憶された始動情報が上限の4未満であるかを判定し、YESの場合S202に移行し、NOの場合処理を終了する。
【0037】
主制御装置100は、S202において始動情報を取得し、S203に移行する。始動情報の取得とは、前述した特図当否判定乱数,図柄指定乱数,変動パターン決定用乱数を各乱数カウンター(1乃至3)から抽出する処理であって、各乱数は、RAM内の始動情報記憶領域に一群の始動情報として格納される。主制御装置100は、S203において始動情報記憶数を更新して、S204に移行する。当該処理は、前述の処理により得られた始動情報を始動情報格納領域のうち最も上位の領域に格納する処理であって、始動情報の数を「1」加算する処理である。また、当該処理とともに、特図保留表示器33の表示、及び、保留球表示ランプ21Aを1増加させる処理を実行し、未だ特図当否判定がなされていない保留球が増加したことを遊技者に報知する。
【0038】
主制御装置100は、S204において取得した始動情報に基づいて先読み処理を実行し、処理を終了する。先読み処理の詳細は後述するが、当該処理の実行により演出制御装置200側では、後述のポート出力処理がなされる前に演出図柄変動パターンを認識することが可能となる。
【0039】
図3に戻り、主制御装置100はS103において特図当否判定処理を実行し、S104に移行する。特図当否判定処理は、「当り」か「外れ」かのいずれかを判定する処理であって、当該処理により「当り」として判定された場合には、いわゆる「大当り」として後述の大当り遊技が実行される。
【0040】
図5は、特図当否判定処理を示すサブフローチャートである。
同図に示すとおり、特図当否判定処理は、まずS300において前述のS202の処理により始動情報が始動情報格納領域に記憶されているかを判定し、YESの場合S301に移行し、NOの場合メイン処理を終了する。主制御装置100は、S301において現在の遊技状態が大当り遊技中であるかを判定し、YESの場合処理を終了し、NOの場合S302に移行する。つまり、大当り遊技中においては、特図当否判定処理は実行されない。主制御装置100は、S302において特別図柄が変動表示中であるかを判定し、YESの場合処理を終了し、NOの場合S303に移行する。つまり、特別図柄変動中においては、特図当否判定処理は、実行されない。
【0041】
S301,302の判定により、大当り遊技中、かつ、特別図柄変動中でない場合、主制御装置100は、S303において確変フラグがONであるかを判定し、YESの場合S305に移行し、NOの場合S304に移行する。確変フラグとは、現在の遊技状態が高確率遊技(確率変動遊技)である場合にON動作するフラグであって、RAM内の遊技状態記憶領域内に格納される。また、確変フラグのON,OFFの切り替え処理は、「当り」の種別に基づいて後述の大当り遊技処理中に実行される。また、高確率遊技とは、高確率遊技ではない低確率遊技の場合と比べて、特図当否判定の結果が「当り」となる確率が、例えば10倍程度高く設定された状態であって、大当り遊技を獲得し易い遊技状態である。
【0042】
主制御装置100は、S304において遊技状態が低確率状態(確変フラグOFF)であることに基づいてROMから低確率用当否判定テーブルを読出し、S306に移行する。主制御装置100は、S305において遊技状態が高確率状態(確変フラグON)であることに基づいてROMから高確率用当否判定テーブルを読出し、S306に移行する。
【0043】
主制御装置100は、S306において、始動情報格納領域内に最先に格納された始動情報の中から特図当否判定乱数を読み出し、読み出した該乱数をS304又はS305において読出した当否判定テーブルと照合し、当否判定の結果(当り又は外れ)を判定(抽選)し、処理を終了する。
【0044】
当否判定テーブルには、S202において取得した特図当否判定乱数と、これに対応する当否結果が個別に規定されており、1つの乱数に対して1つの当否結果が抽出され、判定の結果(「当り」又は「外れ」、及び、「当り」の場合その種別(低確率当り又は高確率当り)がRAM内の当否結果記憶領域に格納される。低確率当りとは、大当り遊技後の遊技状態が低確率遊技となる「当り」であり、高確率当りとは、大当り遊技後の遊技状態が高確率遊技となる「当り」である。即ち、本実施形態においては、「当り」の種別によって大当り遊技後の遊技状態を移行させるいわゆる確変機能を搭載した構成である。
【0045】
遊技状態が高確率遊技である場合において読み出される高確率用当否判定テーブルは、遊技状態が低確率遊技である場合において読み出される低確率用当否判定テーブルと比較して、当否判定の結果が「当り」となる確率が約10倍程度高く設定されており、高確率遊技中において高確率用当否判定テーブルが読み出されることにより、遊技者は大当りを獲得し易くなる。
なお、本実施形態に係るパチンコ機1は、例えば低確率遊技である場合に、「当り」となる確率が約360分の1に設定され、高確率遊技、いわゆる確変遊技である場合に「当り」となる確率が約36分の1程度に設定されている。
以上、S300からS306までの処理が特図当否判定処理であり、この場合の主制御装置100は、特図当否判定手段として機能する。また、当該特図当否判定処理は、後述の先読み処理の際に実行されるS704の特図当否判定処理に対して第1の判定処理である。
【0046】
図3に戻り主制御装置100は、S104において図柄変動処理を実行し、S105に移行する。
図柄変動処理は、特図当否判定の結果をその停止表示の態様によって報知する特別図柄、及び、演出図柄の変動表示の態様を決定する処理である。
具体的には、前述の特図当否判定の結果と、変動パターン決定用乱数、及び、図柄指定乱数に基づいて、演出制御装置200に送信する各種の制御コマンドを生成し、当該制御コマンドをRAMのコマンド格納領域に格納する処理である。
ここで、
図14(a)に示すように主制御装置100によって生成される制御コマンドには、変動開始コマンド、変動パターンコマンド,図柄指定コマンド等が存在し、RAMのコマンド格納領域に一時的に格納された各制御コマンドは、後述のS106のポート出力処理により演出制御装置200に対して送信される。
各制御コマンドを受信した演出制御装置200は、各制御コマンドに含まれる各種の情報に基づいて、内部コマンドとしての表示制御コマンド(図柄変動開始コマンド,リーチ生成コマンド,リーチ演出コマンド,変動停止コマンド)を所定のタイミングにより表示制御部200Aに対して送信する。
以下、
図6に基づいて主制御装置100により実行される図柄変動処理について説明する。
【0047】
主制御装置100は、S400において前述の当否判定の結果が「当り」であるかを判定し、YESの場合S401に移行し、NOの場合S402に移行する。主制御装置100は、S401において当否判定の結果が「当り」であることに基づいて当り用変動パターンテーブルをROMから読出し、S403に移行する。一方、主制御装置100は、S402において当否判定の結果が「外れ」であることに基づいて外れ用変動パターンテーブルをROMから読出し、S403に移行する。
【0048】
図7は、複数存在する変動パターンテーブルの一例を示す模式図である。
各変動パターンテーブルには、前述の処理により取得された1つの変動パターン決定用乱数に対応する特別図柄変動時間情報、及び、演出図柄変動種別情報が規定され、
図14(a)に示すように、各情報はそれぞれ変動開始コマンド及び変動パターンコマンドに含まれる情報となる。
【0049】
図7(a)に示す変動パターンテーブルは、現在の遊技状態が低確率状態(確変フラグOFF)であって、時短フラグがOFFである場合に参照されるテーブルである。
ここで、時短フラグとは、現在の遊技状態が時間短縮遊技(時短遊技)である場合にON動作するフラグであって、RAM内の遊技状態記憶領域内に格納される。時短フラグのON,OFFの切り替え処理は、確変フラグと同様に後述の大当り遊技処理中に実行される。
本実施例に係るパチンコ機1において、時短遊技は、例えば全ての大当り遊技終了後、特別図柄が100回変動するまで継続するように設定され、当該期間中においては、特別図柄及び演出図柄の平均変動時間は時短フラグがOFFである場合と比較して相対的に短縮され、遊技者は短い期間の間に効率良く特図当否判定処理を受けることが可能となる。
なお、時短遊技の有無は、これに限られるものではなく、大当りに対して一定の割合で時短遊技を付与することや、他の特定の条件を満たしたことにより時短遊技を付与すること等としてもよい。
【0050】
変動パターンテーブルには、特図当否判定の結果が「当り」の時に参照される当り用のテーブルと、「外れ」の時に参照される外れ用のテーブルが存在し、特図当否判定の結果、及び、現在の遊技状態に応じたテーブルが参照される。変動パターンテーブルには、0から99までの変動パターン決定用乱数それぞれの乱数について、1つの特別図柄変動時間情報と演出図柄変動種別情報が割り当てられている。
特別図柄変動時間とは、特図変動表示器31上に表示される特別図柄が変動表示を開始してから停止表示されるまでの時間である。また、特別図柄変動時間は、演出図柄表示装置30上に表示される演出図柄の変動時間をも規定するものであり、略同時期に変動表示を開始した特別図柄及び演出図柄は、略同時期に停止表示されることとなる。つまり、特別図柄と演出図柄の変動開始及び変動停止とは同期している。
【0051】
演出図柄変動種別とは、演出図柄が変動表示を開始してから停止表示されるまでの間に展開される演出の種類を示し、演出図柄変動種別に応じた演出が演出図柄表示装置30上で展開されることにより、大当り獲得への期待感を高めるものである。
図7(a)に示すように、例えば、外れ用の変動パターンテーブルに規定された「通常変動1(外れ)」は、演出図柄表示装置30の液晶画面における複数の領域Z1〜Z3のうち、領域Z1,Z3においてスクロール表示される演出図柄L,Rが液晶画面上に設定された大当りラインL1において、互いに異なる図柄で停止表示された後に、後述するスーパーリーチ演出に発展することなく残る領域Z2においてスクロール表示される演出図柄Cを停止表示させる演出である(
図15(a)参照)。つまり、遊技者は、最終的に大当りラインL1に互いに異なる演出図柄L,C,Rが停止表示されることにより、特図当否判定の結果が「外れ」であったことを認識可能となる。
【0052】
また、
図7(a)に示す「通常変動2(外れ)」は、演出図柄表示装置30の液晶画面における複数の領域Z1〜Z3のうち、領域Z1,Z3においてスクロール表示される演出図柄L,Rを液晶画面に設定された大当りラインL1において、同一図柄で先行して停止表示させ(リーチ状態を形成)、後述するスーパーリーチ演出に発展することなく、残る領域Z2においてスクロール表示される演出図柄Cがリーチ(テンパイ)を形成した図柄と異なる図柄で停止表示させる演出である(
図15(b)参照)。
つまり、「通常変動1」と「通常変動2」とでは、演出図柄L,Rがリーチ状態を形成するか否かが異なり、どちらもスーパーリーチに発展しない点で共通する。
【0053】
また、当り用,外れ用の変動パターンテーブルに規定された「リーチ演出1(当り,外れ)乃至リーチ演出5(当り,外れ)」は、領域Z1,Z3においてスクロール表示される演出図柄L,Rをいわゆるリーチ状態とする点は、「通常変動2(外れ)」と同様であるが、リーチ状態形成後、大当りへの期待感を高めるいわゆるスーパーリーチと呼ばれる種々の演出が展開される点で異なる。
スーパーリーチの態様としては、種々の態様が存在するが、例えば特定のキャラクターを登場させて、該キャラクターが演出図柄Cを引張る等することにより、演出図柄C(1〜9までの数字、及びキャラクター)を低速でスクロールさせ、リーチ状態を形成する演出図柄L,Rと同一の図柄を徐々に大当りラインL1に近づくように変動表示させること等が挙げられる。
そして、最終的に当り用のリーチ演出であるか、或いは、外れ用のリーチ演出であるかによって、演出図柄Cがリーチ状態を形成する演出図柄L,Rと同一の図柄で停止表示されるか、又は、演出図柄L,Rと異なる図柄で停止表示されることとなる。なお、最後に停止する演出図柄Cの停止処理については後述する。
本例においては、リーチ演出1(外れ)及びリーチ演出2(外れ)が選択された場合、演出制御装置200が、表示制御部200Aを介して演出図柄Cを最終的にリーチ状態を形成する演出図柄L,Rに対して例えば±5コマの範囲で停止表示させるように制御し、リーチ演出3(外れ)乃至リーチ演出5(外れ)が選択された場合、演出図柄Cを最終的にリーチ状態を形成する演出図柄L,Rに対して±1コマの範囲で停止表示させるように制御している。
このようにリーチ演出(演出図柄変動種別情報)の種類によって、最終的に停止表示される演出図柄Cの範囲に一定のバラツキ、或いは、収束性を設けることにより、遊技者に対して感覚的に各リーチ演出に対する期待感の差を演出することが可能となる。
【0054】
また、当り用の変動パターンテーブルと外れ用の変動パターンテーブルとを比較すると、当り用変動パターンテーブルが参照された場合において、演出図柄変動種別がリーチ演出3乃至リーチ演出5の何れかとなる確率は概ね80%であり、演出図柄変動種別がリーチ演出1又はリーチ演出2となる確率は、概ね20%となるように設定されている。
一方で、外れ用変動パターンテーブルが参照された場合において、演出図柄変動種別がリーチ演出3乃至リーチ演出5の何れかとなる確率は概ね10%であり、演出図柄変動種別がリーチ演出1又はリーチ演出2となる確率は概ね20%、その他の変動となる確率は概ね70%に設定されている。
以上の振分から明らかなように、リーチ演出3乃至リーチ演出5は、特図当否判定の結果が「当り」であるときに抽出され易い演出であり、逆に特図当否判定の結果が「外れ」であるときには抽出され難い演出である。
よって、事前に特図当否判定の結果を知り得ない遊技者は、特図当否判定の結果が内部的に「外れ」の場合であっても、演出図柄表示装置30上でリーチ演出3乃至リーチ演出5に対応する演出が展開された時点で、リーチ演出1又はリーチ演出2に対応する演出が展開されたときよりも大当りへの期待感を高く持つことが可能である。一方で、遊技者はリーチ演出1又はリーチ演出2に対応する演出が展開された場合には、リーチ状態ではあっても大当りへの期待感を持ち難くなる。
しかしながら本実施形態に係るパチンコ機1においては、本来、大当りへの期待感を高く持ち難いリーチ演出、換言すれば、特図当否判定の結果が「外れ」である場合に相対的に選択され易い演出(本例ではリーチ演出1又は2)であっても、後述の変動停止コマンド変更処理の実行により、常に大当りへの期待感を持続させるようにしている。
【0055】
図7(b)は、例えば現在の遊技状態が高確率状態(確変フラグON)であって、時短フラグがONである場合に参照されるテーブルである。テーブルの内容についての詳細な説明は、前述のテーブルと同様であるので省略するが、外れ用のテーブルには、特別図柄変動時間情報が3秒である通常変動3(外れ)が規定され、かつ、概ね80%が当該変動時間となるように振り分けられている。
よって、時短遊技中において当否判定の結果が外れである場合には、特別図柄変動時間情報が3秒となる割合が極めて高く、
図7(b)に示す時短フラグがOFFである非時短遊技の場合と比べ、特別図柄変動時間の平均が短くなる。よって、遊技者は、時短遊技中において短い期間で多くの当否判定を受けることが可能となる。
なお、本例においては、変動テーブルパターンの一例として、上記2組のテーブルを示したが、変動パターンテーブルの数はこれに限られるものではなく、予め想定される遊技状態の組み合わせ(確変フラグON,OFF及び時短フラグON,OFF等)に合わせて複数の組の変動パターンテーブルを格納しておけばよい。
また、各変動パターンテーブルに規定される特別図柄変動時間情報,演出図柄変動種別情報の数、或いは、抽出される割合についても同様であり、遊技状態に合わせて適宜設定することが可能である。また、図示においては、説明の簡易化のため変動パターン決定用乱数を連続する数字として表記したが、ランダムであっても良いことは言うまでもない。以上の処理により生成された変動開始コマンド、及び、変動パターンコマンドはRAM内のコマンド格納領域に一時的に格納される。
【0056】
図6に戻り主制御装置100は、引き続きS404において図柄指定テーブルを読出し、S405において読出した図柄指定テーブルと予め取得された図柄指定乱数から演出図柄L,C,Rと対応する停止図柄を決定し、演出図柄L,C,Rそれぞれの停止図柄情報を含む図柄指定コマンドをRAMのコマンド格納領域内に一時的に格納する。
【0057】
図8は、図柄指定テーブルを示す模式図である。図柄指定テーブルは、変動パターンテーブルと同様にROM内に格納されたデータであって、特図当否判定の結果が「当り」である場合に参照される当り用の図柄指定テーブルと、「外れ」である場合に参照される外れ用の図柄指定テーブルとが存在する。
【0058】
図8(a)に示すように、当り用の図柄指定テーブルは、さらに「当り」の種別(低確率当り,高確率当り)に応じたテーブルに細分化されている。例えば、「当り」の種別が大当り遊技後の遊技状態を高確率遊技へと移行させる「高確率当り」である場合には、一つの図柄指定乱数に対して、演出図柄L,C,Rとそれぞれ対応する高確率当りであることを示す奇数又は特定のキャラクター(Aとする)からなるL,C,R停止図柄情報が規定された図柄指定テーブルが読み出される。
一方、「当り」の種別が遊技状態を低確率遊技へと移行させる「低確率当り」である場合には、一つの図柄指定乱数に対して、演出図柄L,C,Rとそれぞれ対応する低確率当りであることを示す偶数又は特定のキャラクター(Bとする)からなるL,C,R停止図柄情報が規定された図柄指定テーブルが読み出される。なお、
図8(a)に示す図柄指定テーブルは、共に「当り用」であることから演出図柄L,C,Rに対応するL,C,R停止図柄情報が全て同一の数字又はキャラクターとなるように設定されている。
【0059】
一方、
図8(b)に示す外れ用の図柄指定テーブルは、前述の処理により決定される演出図柄変動種別情報に応じたテーブルに細分化されている。
非リーチ外れ用の図柄指定テーブルは、演出用図柄変動種別情報が「通常変動1(外れ)」に決定された場合に参照されるテーブルであって、一つの図柄指定乱数に対して演出図柄L,C,Rに対応するL,C,R停止図柄情報が個別に規定されている。また、当該図柄指定テーブルは、リーチ状態を形成しない「通常変動1(外れ)」の場合に参照されるテーブルであるから、演出図柄L,Rと対応するL,R停止図柄情報が異なる図柄に規定されている。
【0060】
ノーマルリーチ,スーパーリーチ1及びスーパーリーチ2用の図柄指定テーブルは、演出用図柄変動種別情報が「通常変動2(外れ)」,「リーチ演出1(外れ)」及び「リーチ演出2(外れ)」に決定された場合に参照されるテーブルであって、一つの図柄指定乱数に対して演出図柄L,Rに対応するL,R停止図柄情報と、演出図柄Cに対応する停止図柄情報が外れコマ数として規定される。
ここで、外れコマ数とは、リーチを形成する演出図柄L,Rに対する演出図柄Cのズレ量であって、例えば演出図柄L,Rの停止図柄情報が9であって、かつ演出図柄Cの外れコマ数が−1の場合、最終的に停止表示される演出図柄Cは8となる。なお、演出図柄L,C,Rは、1〜9までの数字及びA,Bで表されるキャラクターが順に配列されているものとする。
つまり、ノーマルリーチ,スーパーリーチ1及びスーパーリーチ2用の図柄指定テーブルが参照された場合には、演出図柄L,Rに対応するL,R停止図柄情報と、演出図柄Cに対応する停止図柄情報(C外れコマ数)とを含む図柄指定コマンドが生成、格納される。
【0061】
スーパーリーチ3,スーパーリーチ4及びスーパーリーチ5用の図柄指定テーブルは、演出用図柄変動パターンが「リーチ演出3(外れ)」,「リーチ演出4(外れ)」及び「リーチ演出5(外れ)」に決定された場合に参照されるテーブルであって、前記同様に一つの図柄指定乱数に対して演出図柄L,Rに対応するL,R停止図柄情報と、演出図柄Cに対応する停止図柄情報(外れコマ数)が規定される。
つまり、スーパーリーチ3,スーパーリーチ4及びスーパーリーチ5用の図柄指定テーブルが参照された場合も前記同様に、演出図柄L,Rに対応するL,R停止図柄情報と、演出図柄Cに対応する停止図柄情報(外れコマ数)を含む図柄指定コマンドが生成、格納される。
当該図柄指定テーブルに規定されたC外れコマ数は、全て±1に規定されており、スーパーリーチ3乃至スーパーリーチ5が展開された場合には、演出図柄Cがリーチ状態を形成した演出図柄L,Rに対して1コマ前又は1コマ進んだ位置で停止することとなり、遊技者に対して大当り獲得への期待感を多く与えることが可能となる。
なお、停止図柄の決定は上記処理に限られるものではなく、演出図柄L,C,Rの停止図柄情報を個別に割り当てられた乱数とテーブルを用いてランダムに決定することや、その他周知の方法により決定することができる。また、C外れコマ数を用いることなく演出図柄Cに対応する停止図柄を直接指定するようにしてもよい。
以上、S400からS405までの処理が図柄変動処理であり、この場合の主制御装置100は図柄変動手段として機能する。
【0062】
図3に戻り主制御装置100は、S105において払出制御処理を実行し、S106に移行する。払出制御処理は、前述のスイッチ入力処理よって検出した検出信号に基づいて、各検出スイッチに対応する払出コマンドを生成する処理である。主制御装置100は、例えば第一始動検出スイッチ22A又は第二始動検出スイッチ23Aからの入力に基づいて球を3個払出す旨の払出コマンドを生成しRAMに格納する。また、主制御装置100は、例えば一般入賞検出スイッチ29Aからの入力に基づいて球を5個払出す旨の払出コマンドを生成しRAMに格納する。RAMに格納された払出コマンドは、後述のポート出力処理により、払出制御装置60に対して送信される。
【0063】
主制御装置100は、S106においてポート出力処理を実行する。当該処理は、上述の処理において生成され、RAM内に一時的に格納された各種のコマンドや駆動信号を出力することにより、払出制御装置60、演出制御装置200、及び、主制御装置100により直接制御される各種の表示器やソレノイドを動作させるための処理である。当該処理が実行されることにより、当否判定の結果を示す特別図柄及び演出図柄がそれぞれ特図変動表示器31及び演出図柄表示装置30上で変動表示を開始し、特図変動時間経過後に当否判定の結果を示す態様で停止表示される。以下、特別図柄及び演出図柄の変動開始及び停止について説明する。
【0064】
主制御装置100は、ポート出力処理において、特図変動表示器31に対して駆動開始信号を出力するとともに、特別図柄変動表示時間情報に基づいて時間を計測する図外の変動時間タイマーを作動させ、特別図柄変動表示時間が経過するまで特別図柄表示器31上の特別図柄を変動表示させる。変動表示時間経過後に停止する特別図柄の停止態様は、特図当否判定の結果に基づいて予め設定されており、例えば特図当否判定の結果が高確率当りである場合には、特図変動表示器31に「7・7」,「3・3」等の同一の奇数数字を並列に表示させる。また、特図当否判定の結果が低確率当りである場合には、特図変動表示器31に「2・2」,「4・4」等の同一の偶数数字を並列に表示させる。これに対して、特図当否判定の結果が「外れ」である場合には、特図変動表示器31に「1・5」,「3・9」等の異なる数字を並列に表示させる。特別図柄の停止表示は、主制御装置100の変動タイマーにより計測される変動表示時間が経過したことに基づいて、変動停止信号を特図変動表示器31に出力することにより行われる。
主制御装置100は、ポート出力処理において演出制御装置200に対して、前述の処理によって生成された変動開始コマンド、変動パターンコマンド、図柄指定コマンドを送信し、演出制御装置200に対して演出図柄を変動表示させるための表示制御を実行させる。
【0065】
図9は、演出制御装置200により実行される演出図柄表示制御処理のメインフローを示す図である。
演出制御装置200は、S500において主制御装置100により送信される変動開始コマンド、変動パターンコマンド、及び、図柄指定コマンドを受信し、S501において各コマンドに含まれる情報に基づいて各種の表示制御コマンドを生成する処理を実行する。生成された表示制御コマンドは、S502において表示制御部200Aに対して内部送信され、表示制御部200Aは、受信した各種の表示制御コマンドに基づいて演出図柄を所定の態様により変動させた後に停止表示させる。
ここで、
図14(b)に示すように、演出制御装置200により生成される内部コマンドとしての表示制御コマンドには、変動開始コマンドに含まれる変動開始指令に基づいて演出図柄の変動表示を開始させる図柄変動開始コマンド、図柄指定コマンドに含まれる演出図柄L,Rの停止図柄情報に基づいて生成されるリーチ生成コマンド、変動パターンコマンドに含まれる演出図柄変動種別情報に基づいて生成されるリーチ演出コマンド、及び、図柄指定コマンドに含まれる演出図柄Cの停止図柄情報に基づいて生成される変動停止コマンドが存在し、各コマンドは、演出制御装置200のRAM内のコマンド格納領域内に一時的に記憶される。
【0066】
図10は、上述の表示制御コマンド送信処理を示すサブチャートである。
同図に示すように演出制御装置200は、S600において図柄変動開始コマンドを送信し、S601に移行する。図柄変動開始コマンドが表示制御部200Aに内部送信されると、表示制御部200Aは、演出図柄表示装置30上において演出図柄L,C,Rが上下方向に高速スクロールするように変動表示を開始させる。
【0067】
演出制御装置200は、S601において変更指示コマンドを受信したかを判定し、YESの場合、
図13に示す変動停止コマンド変更処理に移行し、NOの場合、引き続きS602に移行してリーチ生成コマンドを制御表示部200Aに送信し、S603に移行する。変動停止コマンド変更処理については後述する。
【0068】
リーチ生成コマンドが内部送信されると、表示制御部200Aは、リーチ生成コマンドに含まれる演出図柄L,Rの指定図柄に基づいて、スクロール中の演出図柄L,Rを演出図柄Cに先行して対応する図柄で停止表示させる。このとき演出図柄L,Rの指定図柄が同一数字又は同一キャラクターである場合、リーチ状態が形成され、異なる場合、非リーチ状態が形成される。また、リーチ生成コマンドの送信タイミングは、特図変動時間に対応して予め規定されており、例えば特別図柄変動時間が12秒であれば8秒経過時に送信し、60秒であれば12秒、100秒であれば15秒経過時に送信するというように、演出制御装置200が変動開始コマンドに含まれる特別図柄変動時間に基づいて決定する。なお、リーチ生成コマンドの送信タイミングを特別図柄変動時間に関わらず、変動表示の開始から一律のタイミングとしてもよいし、別途乱数による抽選を実行することにより決定してもよい。
【0069】
演出制御装置200は、S603において、リーチ演出コマンドが生成されているかを判定し、生成されている場合リーチ演出コマンドを送信してS604に移行し、されていない場合送信することなくS604に移行する。ここで、リーチ演出コマンドが生成されない場合とは、演出図柄変動種別情報が「通常変動1」又は「通常変動2」である場合であって、リーチ状態形成後にスーパーリーチとならない場合、或いは、リーチ状態を形成しない場合である。
【0070】
リーチ演出コマンドが内部送信されると、表示制御部200Aは、リーチ演出コマンドに含まれる指定変動種別に基づいて、対応する動画や画像データをROMから読み出して所定のリーチ演出を展開し、演出図柄Cが停止表示されるまでの間の遊技を盛り上げる。
【0071】
演出制御装置200は、S604において、変動開始コマンドに含まれる特図変動時間が経過したかを判定し、YESの場合、S605において変動停止コマンドを内部送信し、NOの場合処理をループする。
変動停止コマンドが内部送信されると、表示制御部200Aは、変動停止コマンドに含まれる演出図柄Cの指定図柄に基づいて、変動表示中の演出図柄Cを対応する図柄で停止表示させる。これにより、変動表示された演出図柄L,C,Rは全て停止表示された状態となり、停止態様によって遊技者は、特図当否判定の結果が「当り」又は「外れ」であったことを認識可能となる。
【0072】
次に、
図4のS204において実行される先読み処理と、
図10に示すS601の判定、及び、
図13に示す変動停止コマンド変更処理の関係について説明する。
S204の先読み処理は、S306の特図当否判定と、S403の演出図柄変動種別の決定をメイン処理におけるS103及びS104に先んじて実行する処理である。換言すれば、本来、特別図柄及び演出図柄変動中においては実行されない
図5に示す特図当否判定処理及び
図6に示す図柄変動処理を、始動情報の取得を条件として特別図柄及び演出図柄が変動中に実行する処理であり、処理結果によって演出図柄Cの停止図柄を変更する停止図柄変更コマンドをS106のポート出力処理よりも前に演出制御装置200側に送信する処理である。以下、先読み処理について説明する。
【0073】
図12は、S204の先読み処理を示すサブチャートである。
主制御装置100は、S700において始動情報がRAMの始動情報格納領域に記憶されているかを判定し、YESの場合S701に移行し、NOの場合先読み処理を終了する。
主制御装置100は、S701において確変フラグがONであるかを判定し、NOの場合S702において低確率用当否判定テーブルを読み出し、YESの場合S703において高確率用当否判定テーブルを読み出す。主制御装置100は、S704において始動情報の中から特図当否判定乱数を読み出し、読み出した乱数をS702又はS703で読出した当否判定テーブルと照合し、当否判定の結果(当り又は外れ)を判定し、S705に移行する。当該処理は、前述のS306において実行される特図当否判定に対して第2の当否判定である。
【0074】
主制御装置100は、S705において当否判定の結果が当りであるかを判定し、YESの場合S706において当り用変動パターンテーブルを読み出し、NOの場合S707において外れ用変動パターンテーブルを読み出す。主制御装置100は、S708において始動情報の中から変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した乱数をS706又はS707で読み出した変動パターンテーブルと照合し、演出図柄変動種別情報を抽出して処理を終了する。抽出された演出図柄変動種別は、A1〜A4の4つの領域を有する始動情報記憶領域に順に格納された始動情報と紐付けして記憶される。
【0075】
主制御装置100は、S709において、S708において抽出,記憶された演出図柄変動種別が変更可能変動種別であるかを判定する。
ここで、本実施形態における変更可能変動種別は、リーチ演出3(当り,外れ)乃至リーチ演出5(当り,外れ)として予め規定されており、S706又はS707で読み出した変動パターンテーブルからリーチ演出3乃至リーチ演出5の何れかが抽出,記憶された場合に判定がYESとなり、それ以外の演出図柄変動種別が抽出,記憶された場合に判定がNOとなる。
【0076】
S709において判定がYESとなると主制御装置100は、S710において変動停止コマンドの変更指示コマンドを演出制御装置200に送信し、先読み処理を終了する。
つまり、変更指示コマンドは、先読み処理の結果、決定された演出図柄変動種別が所定の種別(リーチ演出3乃至リーチ演出5)である場合にのみ送信されるコマンドであって、演出制御装置200は、当該コマンドの受信により、所定条件の下で
図13に示す変動停止コマンド変更処理を実行し、現在変動表示中の演出図柄Cの停止図柄を予め設定された特定の図柄Zに変更する。
以上、S700乃至S710の処理が先読み処理であって、この場合の主制御装置100は、先読み手段として機能する。
【0077】
次に、
図10に示すS601の判定について説明する。
演出制御装置200は、S600において図柄変動開始コマンドを送信した後、S601において主制御装置100側から送信される変更指示コマンドを受信したかを判定し、YESの場合、
図13に示す変動停止コマンド変更処理に移行する。
【0078】
図13は、変動停止コマンド変更処理を示すフローチャートである。
演出制御装置200は、S800において、変更可能時間T以前であるかを判定し、YESの場合S801に移行し、NOの場合は処理を終了する。
ここで、変更可能時間Tは、変動開始コマンドに含まれる特別図柄変動時間情報に基づいて設定される。より詳細には、演出図柄L,C,Rの変動開始から演出図柄L,Rが先行停止するまでの時間(リーチ生成コマンドの送信時期)よりも僅かに短くなるように設定される。
つまり、演出図柄L,Rがリーチ状態を形成するまでに変更指示コマンドを受信した場合、判定がYESとなり、演出図柄L,Rがリーチ状態を形成した後に変更指示コマンドを受信した場合、判定がNOとなる。なお、変更可能時間Tを演出図柄L,Rが先行停止する時間と同一時間としてもよいが、処理のタイムラグを考慮し、演出図柄L,Rが先行停止するまでの時間よりも僅かに短く設定するのが望ましい。
【0079】
演出制御装置200は、S801においてS600の処理において、既に変動表示を開始している演出図柄の演出図柄変動種別が変更対象変動種別であるかを判定する。具体的には、RAMに格納されたリーチ演出コマンドに含まれる演出図柄変動指定の種別が予め規定された種別であるかを判定する。
本実施例においては、変更対象変動種別は、特図当否判定が「当り」である場合に選択され難く、「外れ」である場合に選択され易い「リーチ演出1(外れ)」及び「リーチ演出2(外れ)」として予め設定しており、演出図柄変動指定の種別が「リーチ演出1(外れ)」及び「リーチ演出2(外れ)」である場合、判定がYESとなり、S802に移行し、これ以外の種別である場合、判定がNOとなり、停止コマンド変更を行うことなく処理を終了する。
【0080】
演出制御装置200は、S802において、RAM内のコマンド格納領域に格納された変動停止コマンドに含まれる演出図柄Cの指定図柄を特定の指定図柄(報知図柄)Zに書き換え、変動停止コマンドの内容を変更する処理を終了する。
【0081】
図16(a),(b)に示すように、変動停止コマンド変更処理により書き換えられる特定の指定図柄Zは、演出図柄の一種ではあるが、通常表示される1〜9までの数字やキャラクター(A,B)と異なる図柄として設定される。より望ましくは、遊技者に対して以後の変動により大当りを獲得し易いリーチ演出がなされることを示唆するような文字や図形等の図柄とするのがよい。つまり、既に設定された指定図柄が特定の指定図柄Zに書き換えられることにより、
図6のS405において抽出されたC外れコマ数情報に基づいて規定された変更前の指定図柄(図示の例では「3」)が、特定の図柄(Z)に変換されることとなる。なお、特定の指定図柄Zの停止図柄情報は、演出制御装置200のROM内にデータとして格納されている。
そして、当該図柄停止コマンド変更処理後にS605において送信される図柄停止コマンドは、演出図柄Cを上記特定の図柄Zとして指定することになるため、新たに変更された変動停止コマンドが内部送信されると、表示制御部200Aは、該変動停止コマンドに含まれる指定図柄に基づいて、上記特定の図柄を演出図柄Cとして停止表示させる。
【0082】
即ち、変動停止コマンド変更処理が実行されることにより、リーチ状態となるものの、遊技者が大当りへの期待感を抱き難く、いわゆる消化待ちの状態となり易い「リーチ演出1」及び「リーチ演出2」が展開された場合であっても、最後に停止する演出図柄Cが特定の図柄Zとなる可能性があるため、上記リーチ演出中に、遊技に対する興味を失ってしまうことを防止できる。
また、最後に停止する演出図柄Cが特定の図柄Zである場合、後の演出図柄の変動において大当りの期待が高い「リーチ演出3」乃至「リーチ演出5」が展開される可能性を察知できるため、大当りへの期待感を抱き難い「リーチ演出1」及び「リーチ演出2」が展開されたことに伴う失望感、及び、遊技意欲の減退を効果的に低減できるとともに、特定の図柄Zが停止したことによる後の変動表示への期待感を効果的に煽ることが可能となる。
以上、S800乃至S802の処理が変動停止コマンド変更処理であり、この場合の演出制御装置200は、停止図柄変更手段として機能する。
【0083】
なお、特定の指定図柄Zの書き換えについては、上述の例に限られるものではなく、例えば特定の指定図柄Zを±1コマ等の外れコマ数情報により規定してもよい。例えば、特定の指定図柄の外れコマ数を±1コマとして規定した場合、最終的に停止表示される演出図柄Cが特定の指定図柄Zとは異なる図柄となるものの、最終的に大当りラインL1付近に指定図柄Zが停止することから、「リーチ演出1(外れ)」及び「リーチ演出2(外れ)」に対応するスーパーリーチ1,2が展開された場合において、最終的に指定図柄Zが停止するかも知れないという期待感を効果的に煽ることが可能となる。
また、特定の指定図柄の外れコマ数を例えば+5コマとして規定した場合にあっては、スーパーリーチ1,2が展開された場合において、スクロール表示中の演出図柄Cに指定図柄Zが含まれることとなるため、最終的に指定図柄Zが停止するかも知れないという期待感を効果的に煽ることが可能となる。
また、上述の実施形態においては、変更対象変動態種別を予めリーチ演出1又はリーチ演出2として変動停止コマンド変更処理を実行したが、これに限られるものではなく、演出図柄変動種別がリーチ演出3乃至リーチ演出5である場合についても変動停止コマンド変更処理を実行してもよい。さらに、変更可能変動種別の存在によらず、ランダムにスクロール表示される演出図柄Cに特定の指定図柄Zを含めるような変動態様としてもよい。
【0084】
次に、大当り遊技について概説する。主制御装置100によって実行される特図当否判定処理の結果が「当り」であって、主制御装置100により実行される図柄変動処理、及び、演出制御装置200により実行される表示制御コマンド送信処理の結果、特別図柄及び演出図柄が「当り」を示す態様で停止表示された場合、主制御装置100による大当り遊技処理が実行される。
ここで、大当り遊技とは、主制御装置100が、大当りフラグをONにセットした後に出力ポート100Bを介して大入賞ソレノイド28を駆動し、大入賞部品26の開閉板27を開放する遊技である。開閉板27の1回(1ラウンド)の開放動作は、開放開始から大入賞検出スイッチ26Aにより球が10個検出されるまで、又は、開放開始から24秒経過するまでのうち、いずれか早い条件が成立するまで継続される。そして、大当り遊技においては、当該開放動作が最大15回(15ラウンド)まで繰り返される。
【0085】
また、大当り遊技中において主制御装置100は、大入賞検出スイッチ26Aからの入力に基づいて出力ポート100Bを介して払出制御装置60に払出コマンドを送信し、例えば球1個の入賞につき15個の球を遊技者に払い出す。即ち、遊技者は、当否判定の結果が「当り」(「低確率当り」又は「高確率当り」)であることに基づいて実行される大当り遊技の獲得により、極めて短時間に多くの賞球(10×15×15=2250個)を得ることが可能となる。
【0086】
また、大当り遊技処理中においては、「当り」の種別に応じて、大当り遊技後の遊技状態を変更する遊技状態移行処理が実行される。具体的には、「当り」の種別が「高確率当り」である場合には、RAM内の確変フラグをON動作させ、大当り遊技終了後の遊技状態を高確率遊技へと移行させる。一方、「当り」の種別が「低確率大当り」である場合には、RAM内の確変フラグをOFF動作させ、大当り遊技終了後の遊技状態を低確率遊技へと移行させる。なお、高確率遊技中に「高確率当り」となった場合、或いは低確率遊技中に「低確率当り」となった場合、確変フラグは大当り遊技前と同様の状態に維持される。
【0087】
図17及び
図18は、他の実施形態を示すフローチャートである。
上述の実施形態においては、概略、
図12の主制御装置100が、先読み処理の結果、未だ第1当否判定処理が実行されていない保留球(始動情報)内に、変更可能変動パターン(リーチ演出3乃至リーチ演出5)が存在する場合、変更指示コマンドを演出制御装置200側に送信し、演出制御装置200がS801の判定において現在変動表示中の演出図柄の変動種別が変更対象変動パターンであることに基づいて、S802において停止図柄情報を書き換える処理を実行するものとしたが、停止図柄情報を書き換える対象は、現在変動中の演出図柄に限られるものではない。即ち、未だ第1の当否判定処理が実行されていない保留球の変動表示についても変動停止コマンド変更処理を実行することも可能である。
以下、
図17,
図18を用いて他の実施形態について説明するが、上述の実施形態と共通する処理については、同一符号を用いてその説明を省略し、特に異なる処理について説明する。
【0088】
図17(a)は、他の実施形態に係る先読み処理のフローチャートである。
同図において主制御装置100は、S1009においてS708の処理において抽出,決定された演出図柄変動種別をA1〜A4の4つの領域を有する始動情報記憶領域に格納された始動情報と紐付して記憶し、S1010に移行する。主制御装置100は、S1010において、S1009において記憶された演出図柄変動種別が変更可能変動種別であるかを判定し、YESの場合S1011に移行し、NOの場合処理を終了する。
続いて主制御装置100は、S1011において、S1009において記憶した演出図柄変動種別より以前に記憶した演出図柄変動種別の中に、変更対象変動種別があるかを判定し、YESの場合S1012に移行し、NOの場合処理を終了する。主制御装置100は、S1012において変更指示コマンドを生成し、コマンド記憶領域に格納する。格納された変更指示コマンドは、変更対象変動種別と紐付けされた始動情報に基づく第1の特図当否判定処理、及び、図柄変動処理を経て生成される各種の制御コマンド(変動開始コマンド,変動パターンコマンド,図柄指定コマンド)のポート出力処理時に同時に出力される。
【0089】
図17(b)は、始動情報(保留球)と紐付けして記憶される演出図柄変動種別を示す模式図であり、同図を用いて上記先読み処理を概説する。同図に示すように、現在パチンコ機1において演出図柄表示装置30上の演出図柄が変動表示中であると仮定する。
そして、その変動表示中に例えば第一始動入賞部品22に球が3つ入賞し、始動情報が順に取得されると、前述の先読み処理によって、各始動情報に紐付けされた演出図柄変動種別が記憶される。
同図に示すように、先読み処理の結果、保留1に対応する演出図柄変動種別が、「通常変動1(外れ)」であり、保留2に対応する演出図柄変動種別が、「リーチ演出2(外れ)」であり、保留3に対応する演出図柄変動種別が、「通常変動1(外れ)」に決定(先読み)されている場合において、新たに第一始動入賞部品22に球が1つ入賞して始動情報が取得され(保留4)、当該始動情報に対応する演出図柄変動種別が、予め変更可能変動種別として規定された「リーチ演出5(外れ)」であった場合、S1010における判定がYESとなる。そして、続くS1011の処理においては、S1009において記憶した演出図柄変動種別、即ち、変更可能変動種別(「リーチ演出5(当り,外れ)」)以前に記憶した演出図柄変動種別(保留1乃至保留3)の中に、変更対象変動種別があるかを判定する。上記例においては、保留2の始動情報と対応する演出図柄変動種別が予め変更対象変動種別として規定された「リーチ演出2(外れ)」であることから、判定がYESとなり、S1012において変更指示コマンドが生成され、コマンド記憶領域に一時的に格納される。
そして、当該変更指示コマンドは、保留1に格納された始動情報に基づく第1の特図当否判定処理及び図柄変動処理が終了し、保留2に格納された始動情報に基づく第1の特図当否判定処理及び図柄変動処理が実行され、その実行の結果生成された制御コマンドと共に、S106のポート出力処理において演出制御装置200側に送信される。
【0090】
図18は、上述の他の実施形態に対応する変動停止コマンド変更処理を示すフローチャートである。
同図において演出制御装置200は、S601の判定がYESとなったことに基づいて変動停止コマンド変更処理を実行する。ここで、S601の判定がYESとなる場合とは、前述の
図17に示す先読み処理により生成された変更指示コマンドが、S106のポート出力処理において送信され、
図9のS500において当該コマンドを受信した場合である。つまり、
図17(b)における保留2と対応する始動情報に基づく特図当否判定処理、及び、図柄変動処理が実行された場合である。
演出制御装置200は、S601の判定がYESとなったことに基づいてS1100において停止図柄情報を書き換え、処理を終了する。停止図柄情報の書き換えは、前述の実施形態と同様にRAM内のコマンド格納領域に格納された変動停止コマンドに含まれる演出図柄Cの指定図柄を特定の指定図柄(報知図柄)Zに書き換え、変動停止コマンドの内容を変更するものである。
【0091】
即ち、本実施形態においては、変動中の演出図柄の変動停止態様を特定の図柄Zを含む態様で停止させる点で共通するが、特に
図17のS1010,S1011の処理において明らかなように、変更可能変動種別が存在することを条件として、変更対象変動種別の有無を、未だ第1の特図当否判定処理が実行されていない始動情報(乱数)に対応する演出図柄変動種別の中から判定する点で異なり、さらに変更対象変動種別が存在することを条件として、当該変更対象変動種別と対応する始動情報に基づく演出図柄の停止表示の態様を所定の演出図柄、即ち、特定の指定図柄Zを含む態様で停止させる点で異なる。
本実施形態によれば、S800の処理が存在する上述の実施形態と比べて、現在変動中の演出図柄の変動時間による時間的制約がなくなるため、始動情報の消化順序に沿って変更対象変動種別、及び、変更可能変動種別が保留中内に存在する場合、変更対象変動種別に対応する始動情報に基づく演出図柄の停止表示の態様が常に特定の指定図柄Zを含む態様となる。つまり、特定の指定図柄Zが停止表示される頻度を向上させることが可能となり、遊技者に対して特定の図柄Zが停止したことによる後の変動表示への期待感を繰り返し、効果的に煽ることが可能となる。
なお、上述の実施形態においては、変更指示コマンドを、保留2に格納された始動情報に基づく第1の特図当否判定処理及び図柄変動処理の結果生成された制御コマンドと共に送信することにより、当該変動に限って特定の指定図柄Zを含む態様で停止させるものとしたが、これに限られるものではない。
変更指示コマンドを、保留2に格納された始動情報に基づく第1の特図当否判定処理及び図柄変動処理の結果生成された制御コマンドと共に送信するだけでなく、例えば
図17(b)における変更対象変動種別に対応する保留2と変更可能変動種別に対応する保留4との間の保留3に格納された始動情報に基づく第1の特図当否判定処理及び図柄変動処理の結果生成された制御コマンドと共に送信することにより、特定の指定図柄Zを保留2,保留3と連続して停止表示させることが可能となる。このように変更指示コマンドを変更対象変動種別に対応する始動情報(図では保留2)以降の始動情報(図では保留3)に基づく第1の特図当否判定処理及び図柄変動処理の結果生成された制御コマンドと共に送信することにより、特定の始動情報に基づく変動表示において特定の指定図柄Zが停止表示されたことによって遊技者が抱く期待感を後続の始動情報において持続させることが可能となり、変更可能変動種別に対応する始動情報に基づく変動表示に対する期待感をより一層増大させることが可能となる。
【0092】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に何ら限定されることはなく、実施形態を組み合わせて多様な変更、改良を行い得ることが当業者において明らかである。また、そのような多様な変更、改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。