(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964415
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】有機発光素子及びこれを含む発光装置
(51)【国際特許分類】
H05B 33/06 20060101AFI20160721BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
H05B33/06
H05B33/14 A
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-514814(P2014-514814)
(86)(22)【出願日】2012年6月11日
(65)【公表番号】特表2014-519181(P2014-519181A)
(43)【公表日】2014年8月7日
(86)【国際出願番号】KR2012004590
(87)【国際公開番号】WO2012169854
(87)【国際公開日】20121213
【審査請求日】2014年1月31日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0055643
(32)【優先日】2011年6月9日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リー、イェオン ケウン
(72)【発明者】
【氏名】ムーン、キョウン シク
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、セオン スー
【審査官】
川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−335146(JP,A)
【文献】
特開2005−302605(JP,A)
【文献】
特開2009−238455(JP,A)
【文献】
特開2007−320271(JP,A)
【文献】
特開平06−290869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50
H05B 33/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光素子k個(kは、3以上の整数)を電気的に直列連結した発光装置であって、
それぞれの前記有機発光素子は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在された有機層とを含み、
k個の前記有機発光素子を電気的に直列連結するための連結電極が、前記有機発光素子の非発光面側に発光領域と重なるように形成され、
第1電極及び第2電極それぞれに延長可能であり、電気接続部位を有する連結端子が設けられ、第1電極の連結端子は、電源または他の有機発光素子の第2電極の連結端子と電気的に連結され、第2電極の連結端子はもう1つの有機発光素子の第1電極の連結端子または同一の有機発光素子の連結電極と電気的に連結され、有機発光素子の非発光面側に形成された連結電極は、電源、同一の有機発光素子の第2電極の連結端子、または他の有機発光素子の連結電極と電気的に連結され、
電源と連結される一番目の有機発光素子の第1電極は、電源の(+)端子と連結され、一番目の有機発光素子の連結電極は、電源の(−)端子と連結され;または、電源と連結される一番目の有機発光素子の第1電極は、電源の(−)端子と連結され、一番目の有機発光素子の連結電極は、電源の(+)端子と連結され;
一番目に連結される有機発光素子とk番目の有機発光素子との間に連結されるn番目(nは、2〜k−1の整数)の有機発光素子の第1電極は、n−1番目の有機発光素子の第2電極と連結され、n番目の有機発光素子の連結電極は、n−1番目の有機発光素子の連結電極と連結され;
k番目の有機発光素子の第1電極は、k−1番目の有機発光素子の第2電極と連結され、k番目の有機発光素子の連結電極は、k−1番目の有機発光素子の連結電極と連結され、k番目の有機発光素子の第2電極は、当該素子の連結電極と連結される
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
連結電極には、延長可能であり、電気接続部位を有する連結端子が設けられ、
連結電極に設けられた連結端子は、電源、同一の有機発光素子の第2電極に設けられた連結端子、または、他の有機発光素子の連結電極に設けられた連結端子と電気的に連結される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
第1電極、第2電極及び連結電極には、延長可能であり、電気接続部位を有する連結端子が設けられ、
連結端子間の接触によって電気的に連結される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
第1電極と連結電極の一側に連結される連結端子は、溝部を含み、第2電極と連結電極の他側に連結される連結端子は、突出部を含み、
連結端子間の接触は、溝部が設けられた連結端子と突出部が設けられた連結端子との結合によって行われる、請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
第2電極と連結電極の一側に連結される連結端子は、溝部を含み、第1電極と連結電極の他側に連結される連結端子は、突出部を含み、
連結端子間の接触は、溝部が設けられた連結端子と突出部が設けられた連結端子との結合によって行われる、請求項3に記載の発光装置。
【請求項6】
電源は、定電流駆動ドライバを含む、請求項1に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光素子及びこれを含む発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子は、発光性有機化合物に電流が流れれば光を出す電界発光現象を利用した自発光型素子を意味する。有機発光素子は、熱安定性に優れていて、駆動電圧が低いという長所があるから、ディスプレイまたは照明など多様な産業分野において次世代素子として注目されている。
【0003】
しかしながら、有機発光素子は、低電圧及び高電流素子であって、素子の面積が増加すれば素子内に含まれた透明電極に対する面抵抗が増加する。有機発光素子の積層構造内の電極層は、限定された電気伝導性を有し、特に透明電極層の面抵抗を低下させることには限界がある。個別有機発光素子を大面積化すれば、透明電極の面抵抗の増加によって部分的に電圧降下が発生することができる。現在、有機発光素子の発光効率を2スタック構造のホワイト素子で約30lm/W水準であると言ったら、白熱電球の光束である約600lmの光束を得るためには、約30x30cm
2面積の有機発光素子が必要である。
【0004】
一般的に、均一に発光する10x10cm
2サイズの素子を製作するためには、約1Ω/□水準の面抵抗を有する透明電極が必要である。しかし、ITO電極では、約1Ω/□水準の面抵抗を具現することがほとんど不可能な水準なので、別途の補助電極が要求される。補助電極として開口率が90%のアルミニウム金属を使用する場合には、1Ω/□の面抵抗を得るために、約280nm厚さのアルミニウム膜が必要である。
【0005】
しかし、透明電極の面抵抗は、発光面積に反比例して低くならなければならない。したがって、30x30cm
2面積の有機発光素子を均一な輝度で発光させるためには、0.1Ω/□水準の透明電極が必要である。0.1Ω/□の面抵抗を具現するためには、補助電極として使用されるアルミニウムを2.8μm厚さで形成しなければならない。この程度水準の厚さで金属を蒸着することは、非効率的であり、フォトリソグラフィ(photolithography)工程を行うに無理がある厚さである。
【0006】
したがって、現在の発光効率を有する有機発光素子を利用して白熱電球あるいはそれより光束がさらに大きい蛍光灯を代替するためには、10x10cm
2面積のサイズの有機発光素子を多数配置することが30x30cm
2以上面積の有機発光素子を製造するより効率的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、多数の有機発光素子を発光させるために必要な電気的連結作業が単純な有機発光素子を提供する。また、有機発光素子の追加または交替が容易な発光装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在された有機層を含む有機発光素子であって、前記有機発光素子の非発光面側に2つ以上の素子を電気的に直列連結する連結電極が形成された有機発光素子に関する。また、有機発光素子k個(kは、
3以上の整数)を電気的に直列連結した発光装置に関する。それぞれの前記有機発光素子は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在された有機層とを含み、k個の前記有機発光素子を電気的に直列連結するための連結電極が、前記有機発光素子の非発光面側に
発光領域と重なるように形成され、第1電極及び第2電極それぞれに延長可能であり、電気接続部位を有する連結端子が設けられ、第1電極の連結端子は、電源または他の有機発光素子の第2電極の連結端子と電気的に連結され、第2電極の連結端子はもう1つの有機発光素子の第1電極の連結端子または同一の有機発光素子の連結電極と電気的に連結され、有機発光素子の非発光面側に形成された連結電極は、電源、同一の有機発光素子の第2電極の連結端子、または他の有機発光素子の連結電極と電気的に連結され、電源と連結される一番目の有機発光素子の第1電極は、電源の(+)端子と連結され、一番目の有機発光素子の
連結電極は、電源の(−)端子と連結され;または、電源と連結される一番目の有機発光素子の第1電極は、電源の(−)端子と連結され、一番目の有機発光素子の
連結電極は、電源の(+)端子と連結され;一番目に連結される有機発光素子とk番目の有機発光素子との間に連結されるn番目(nは、
2〜k−1の整数)の有機発光素子の第1電極は、n−1番目の有機発光素子の第2電極と連結され、n番目の有機発光素子の連結電極は、n−1番目の有機発光素子の連結電極と連結され;k番目の有機発光素子の第1電極は、k−1番目の有機発光素子の第2電極と連結され、k番目の有機発光素子の連結電極は、k−1番目の有機発光素子の連結電極と連結され、k番目の有機発光素子の第2電極は、当該素子の連結電極と連結されてよい。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明による有機発光素子は、多数の有機発光素子を容易に電気的に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の1つの実施例による有機発光素子を示す模式図である。
【
図2】本発明の他の1つの実施例による有機発光素子を示す模式図である。
【
図3】本発明による有機発光素子の多様な適用例を示す模式図である。
【
図4】別途の接続部材を利用した有機発光素子間の電気的接続方法を示す模式図である。
【
図5】本発明の1つの実施例による有機発光素子の態様とそれに対応する断面構造を示す図である。
【
図6】本発明の1つの実施例による複数の有機発光素子が電気的に連結された構造の発光装置を示す模式図である。
【
図7】本発明の1つの実施例による複数の有機発光素子が電気的に連結された構造の発光装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在された有機層とを含む有機発光素子であって、前記有機発光素子の非発光面側に2つ以上の素子を電気的に直列連結する連結電極が形成された構造の有機発光素子を提供する。
【0012】
有機発光素子は、電流を一定に維持する定電流駆動をすることが安定的である。有機発光素子は、有機物の温度が上がるほど駆動時に素子の端子抵抗が減少する特性を有している。もし、有機発光素子を長期間定電圧駆動をする場合には、持続的な駆動によって素子で熱が発生するようになり、素子内の抵抗が減少し、初期設定値よりさらに大きな電流が素子内に流れるようになる。さらに大きな電流が流れれば、さらに大きな熱が発生するようになり、それによってさらに大きな電流が流れる悪循環が惹起されることができる。その結果として、適正水準以上の高い明るさで駆動しながら素子の寿命が短縮される悪影響を与えることができる。そのため、有機発光素子の温度が上昇しても、初期設定した電流だけが素子に流れるように制御することができるドライバを使用するようになり、これは、無機発光素子の駆動時にも一般的なものである。
【0013】
一般的な直列連結は、一番目の素子の陰極または陽極端子と電源の一方の端子とを連結し、電源の他方の端子は、直列連結された素子のうち最終に連結された素子と連結しなければならない。しかし、このような連結方式は、電気的連結が完成された後に素子を追加しなければならない場合には、作業が煩雑になり、電源と直列連結された最後の素子とは、連結電線の長さが足りないかまたは残るようになる問題が起こりやすい。
【0014】
これに対し、本発明による有機発光素子を含む発光装置は、直列連結で多数の有機発光素子を駆動するにもかかわらず、発光装置と電源との電気的な連結は、電源と一番目の素子によってすべてのものが行われるので、以後に素子を拡張するか減らすことが非常に簡便であるという長所がある。
【0015】
本発明による有機発光素子は、第1電極及び第2電極それぞれに延長可能であり、電気接続部位を有する連結端子が設けられた構造であることができる。例えば、第1電極の連結端子は、電源または他の有機発光素子の第2電極の連結端子と電気的に連結され、第2電極の連結端子は、他の有機発光素子の第1電極の連結端子と電気的に連結されることができる。
【0016】
また、有機発光素子の非発光面側に形成された連結電極は、電源または他の有機発光素子の連結電極と電気的に連結された構造であることができる。前記連結電極の形状は、特に制限されず、電線を利用して連結するか、直線形、曲線形または分岐鎖などの形状であることができる。
【0017】
前記有機発光素子の非発光面側に形成された連結電極は、1個または2個以上であることができ、連結電極が2個以上形成される場合に、各連結電極は、互いに連結された構造であることができる。
【0018】
また、前記連結電極には、延長可能であり、電気接続部位を有する連結端子が設けられることができる。具体的には、連結電極に設けられた連結端子は、電源または他の有機発光素子の連結電極に設けられた連結端子と電気的に連結されることができる。
【0019】
本発明の1つの実施例による有機発光素子は、第1電極、第2電極及び連結電極には、延長可能であり、電気接続部位を有する連結端子が設けられ、連結端子間の接触によって電気的に連結される構造である。前記連結端子は、溝部または突出部が形成された構造であり、連結端子間の接触は、前記溝部と突出部の結合によって行われることができる。
【0020】
例えば、前記第1電極と連結電極の一側に連結される連結端子は、溝部を含み、第2電極と連結電極の他側に連結される連結端子は、突出部を含み、連結端子間の接触は、溝部が設けられた連結端子と突出部が設けられた連結端子との結合によって行われることができる。また、他の例としては、前記第2電極と連結電極の一側に連結される連結端子は、溝部を含み、第1電極と連結電極の他側に連結される連結端子は、突出部を含み、連結端子間の接触は、溝部が設けられた連結端子と突出部が設けられた連結端子との結合によって行われることができる。
【0021】
前記連結端子は、電気的連結が可能な場合なら特に制限されず、例えば、被覆された電線、金属板、金属テープ、PCB(印刷回路基板、printed circuit board)またはFPCB(軟性印刷回路基板、flexible printed circuit board)形態であることができる。
【0022】
本発明による有機発光素子に含まれる前記第1電極及び/または第2電極は、光透過性であることができる。例えば、前記有機発光素子は、上部発光または下部発光方式であることができ、発光面に隣接する電極は、光透過性物質で形成されることができる。
【0023】
前記第1電極は、例えば、陰極であり、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物(IZO:Indium Zinc Oxide)及び亜鉛酸化物(ZnO)よりなる群から選択される1種以上であることができる。
【0024】
前記連結電極は、導電性物質なら特に制限されず、金属またはその酸化物を含むことができる。前記金属は、AlまたはCuなどが使用されることができ、絶縁性物質によりコーティングされた構造であることができる。
【0025】
前記有機層は、発光層を含み、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層で構成された群から選択される1つ以上の層を含む積層構造であり、前記積層構造は、一回またはそれ以上の繰り返された構造であることができる。また、前記有機層は、必要に応じて封止層が追加に形成された構造であることができる。
【0026】
また、本発明は、前記有機発光素子を複数個(k、kは、2以上の整数)含む発光装置を提供する。具体的には、前記発光装置は、複数個の有機発光素子を電気的に直列連結した構造である。本発明による発光装置において連結される有機発光素子の数は、具現しようとするディスプレイまたは照明の面積あるいは形態によって異なる。
【0027】
本発明の1つの実施例で、前記発光装置は、前記有機発光素子k個(kは、2以上の整数)を電気的に直列連結した発光装置であって、電源と連結される一番目の有機発光素子の第1電極は、電源の(+)端子と連結され、一番目の有機発光素子の連結端子は、電源の(−)端子と連結され;一番目に連結される有機発光素子とk番目の有機発光素子との間に連結されるn番目(nは、0〜k−1の整数)の有機発光素子の第1電極は、n−1番目の有機発光素子の第2電極と連結され、n番目の有機発光素子の連結電極は、n−1番目の有機発光素子の連結電極と連結され;k番目の有機発光素子の第1電極は、k−1番目の有機発光素子の第2電極と連結され、k番目の有機発光素子の連結電極は、k−1番目の有機発光素子の連結電極と連結され、k番目の有機発光素子の第2電極は、当該素子の連結電極と連結される構造であることができる。
【0028】
他の例としては、前記有機発光素子k個(kは、2以上の整数)を電気的に直列連結した発光装置であって、電源と連結される一番目の有機発光素子の第2電極は、電源の(−)端子と連結され、一番目の有機発光素子の連結端子は、電源の(+)端子と連結され;一番目に連結される有機発光素子とk番目の有機発光素子との間に連結されるn番目(nは、0〜k−1の整数)の有機発光素子の第1電極は、n−1番目の有機発光素子の第2電極と連結され、n番目の有機発光素子の連結電極は、n−1番目の有機発光素子の連結電極と連結され;k番目の有機発光素子の第1電極は、k−1番目の有機発光素子の第2電極と連結され、k番目の有機発光素子の連結電極は、k−1番目の有機発光素子の連結電極と連結され、k番目の有機発光素子の第2電極は、当該素子の連結電極と連結される構造であることができる。
【0029】
前記発光装置は、第1電極、第2電極及び連結電極には、延長可能であり、電気接続部位を有する連結端子が設けられ、電源、電極及び連結電極のうちいずれか1つ以上の連結は、連結端子間の接触によって電気的に直列連結される構造であることができる。
【0030】
例えば、前記発光装置は、第1電極と連結電極の一側に連結される連結端子は、溝部を含み、第2電極と連結電極の他側に連結される連結端子は、突出部を含み、連結端子間の接触は、溝部が設けられた連結端子と突出部が設けられた連結端子との結合によって行われることができる。他の例としては、前記発光装置は、第2電極と連結電極の一側に連結される連結端子は、溝部を含み、第1電極と連結電極の他側に連結される連結端子は突出部を含み、連結端子間の接触は、溝部が設けられた連結端子と突出部が設けられた連結端子間の結合によって行われることができる。
【0031】
前記発光装置において使用される電源の種類は、特に制限されないが、例えば、定電流駆動ドライバを含むことができる。多数の有機発光素子を連結して照明源として駆動するためには、有機発光素子を直列連結した後、定電流駆動ドライバを電源として利用することが簡明である。市中で紹介される定電流駆動ドライバは、当該製品の出力可能な電圧範囲内で直列連結された素子の数に関係なく、同一電流を出力するように製造された製品がある。本発明は、このような定電流駆動ドライバを利用するとき、1個の素子からドライバ出力電圧範囲まで多数の素子を容易に直列連結することができるコネクターが形成された有機発光素子及びこれを含む発光装置を提供する。
【0032】
また、本発明による発光装置は、有機発光素子を含む場合なら、特に制限されず、例えば、照明またはディスプレイ装置などが含まれる。
(発明を実施するための形態)
【0033】
以下、本発明による発光装置に対する図面などを通じて本発明をさらに詳述するが、本発明の範疇がそれによって限定されるものではない。
【0034】
図1は、本発明の1つの実施例による有機発光素子を示す模式図である。有機発光素子100は、四角形状であり、基板10上に陰極、陽極及び前記陰極と陽極の間に介在された有機層を含む積層体が形成される。また、前記積層体を覆う封止層20が形成された構造である。有機発光素子の一側には、第1電極30と第2電極40が延長突出している。また、有機発光素子100の発光面の反対面には、直線形態の連結電極50が形成されている。前記有機発光素子100は、電極30、40間の接続及び連結電極50間の接続によって電源または他の有機発光素子と電気的に直列連結されることができる。
【0035】
図2は、本発明の他の1つの実施例による有機発光素子200を示す模式図である。
図2には、第1電極30、第2電極40及び連結電極50に連結端子61、62が形成された構造である。第1電極30と連結電極50の一側には、溝部が形成された連結端子61が設けられ、第2電極40と連結電極50の他側には、突出部が形成された連結端子62が設けられた構造である。第1電極30、第2電極40及び連結電極50に設けられた連結端子61、62は、電源または他の有機発光素子と電気的に直列連結されることができる。
【0036】
図3には、本発明による有機発光素子の多様な形態を開示した。
図3の(a)には、第1電極と連結端子の一側に溝部が形成された連結端子が設けられ、第2電極と他の連結端子の一側に突出部が形成された連結端子が設けられた構造である。また、第1電極と第2電極は、90゜程度の角を形成している。
図3の(b)は、第1電極及び連結電極の一側にそれぞれ溝部が形成された連結端子が設けられ、第2電極及び連結電極の他側に突出部が形成された連結端子が設けられた態様である。各連結端子は、四角形構造の有機発光素子の面積範囲を逸脱しないように形成されており、これにより、有機発光素子の集積度を高めることができる。
図3の(c)は、(b)に示された構造と比べて、第1電極及び連結電極に連結される連結端子がそれぞれ2個ずつさらに形成された構造である。これにより、1つの有機発光素子に電気的に連結される有機発光素子の数を増やすことができる。
図3の(d)は、第1電極、第2電極及び連結電極すべてに溝部が形成された連結端子が設けられた態様である。これは、突出部が形成された連結端子を具備する他の有機発光素子と電気的に連結されることができる。
【0037】
図4には、
図3の(d)に示された有機発光素子が別途の延長可能な接続部材により他の有機発光素子と電気的に連結される構造を示す図である。左側に示された有機発光素子には、第1電極、第2電極及び連結電極にそれぞれ溝部が形成された連結端子が設けられており、他の有機発光素子と電気的に接続するために別途の接続部材が使用されることができる。前記接続部材は、突出部が形成された連結端子が設けられており、接続部材の突出部が形成された連結端子は、左側有機発光素子に設けられた溝部が形成された連結端子と結合される。右側の有機発光素子は、連結電極が電線に形成されており、連結端子間の接続が可能な場合なら、多様な構造の有機発光素子の電気的に連結されることができることを示す。
【0038】
図5は、本発明の1つの実施例による有機発光素子を上部で観察した構造(a)と側面で観察した断面構造(b)を示す図である。第1電極と第2電極が延長された部分(A−A'で表示された部分)は、連結端子により他の有機発光素子の第2電極及び第1電極とそれぞれ電気的に連結されることができる。連結電極が発光面の反対側に形成された部分(B−B'で表示された部分)は、それぞれ連結端子により他の有機発光素子の連結電極と電気的に連結されることができる。
【0039】
図6には、本発明の1つの実施例による2個の有機発光素子が電源(power)に電気的に直列連結された構造の発光装置が示されている。電源(power)と連結された一番目の有機発光素子は、陰極が電源の(+)端子と連結され、一番目の有機発光素子の連結電極は、電源の(−)端子と連結される。次に、一番目の有機発光素子の陽極は、二番目の有機発光素子の陰極が連結され、一番目の有機発光素子の連結端子と二番目の有機発光素子の連結端子が連結される。二番目の有機発光素子の陽極は、当該素子の連結電極と連結される。このような過程を通じて、電源(power)に2個の有機発光素子が電気的に直列連結される。本発明による発光装置は、電源(power)と一番目の有機発光素子の連結構造を維持した状態で、二番目の有機発光素子に別途の有機発光素子をさらに連結することができる。
【0040】
図7には、本発明の1つの実施例による多数の有機発光素子が電源(power)に電気的に直列連結された構造の発光装置が示されている。
図7に示された発光装置は、電源(power)と連結された一番目の有機発光素子に電気的に連結された有機発光素子の数が増加されただけであり、電気的接続構造は、
図6と事実上同一である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明による有機発光素子は、多様な形態の大面積化された照明またはディスプレイなどに具現可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 基板
20 封止層
30 第1電極
40 第2電極
50 連結電極
61、62 連結端子
100、200 有機発光素子