特許第5964416号(P5964416)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5964416データのペーストの改良又はデータのペーストに関する改良
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964416
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】データのペーストの改良又はデータのペーストに関する改良
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/24 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
   G06F17/24
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-515095(P2014-515095)
(86)(22)【出願日】2012年6月14日
(65)【公表番号】特表2014-523566(P2014-523566A)
(43)【公表日】2014年9月11日
(86)【国際出願番号】EP2012002514
(87)【国際公開番号】WO2012171645
(87)【国際公開日】20121220
【審査請求日】2015年3月11日
(31)【優先権主張番号】11305747.5
(32)【優先日】2011年6月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509228994
【氏名又は名称】アマデウス エス.アー.エス.
【氏名又は名称原語表記】AMADEUS S.A.S.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ピエール−ジャン レイスマン
(72)【発明者】
【氏名】タドフ ピアソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェロム ミカエリアン
(72)【発明者】
【氏名】エロナ エスキ
(72)【発明者】
【氏名】ギョーム フォーノル
【審査官】 川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−519611(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0126092(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/20 − 17/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部アプリケーションから、前記外部アプリケーションとは異なる宛先アプリケーションへ、データをペーストする方法であって、前記方法は、
コピーすべき前記外部アプリケーションの区分を選択するステップ;
前記外部アプリケーションの前記選択された区分内のデータを識別するイントロスペクション処理を使用して、前記外部アプリケーションの前記選択された区分を、クリップボードへコピーするステップ;
前記データのデータ型を識別するステップ;
前記宛先アプリケーションで、前記データを、入力ハンドラへ渡すステップ;
前記データ型に基づき、前記入力ハンドラを使用して、前記データを標準形式に変換するステップ;
前記データが前記標準形式に変換された後、前記宛先アプリケーションで、出力ハンドラを伴って、前記データをペーストするためのコンテクストを自動的に決定するステップであって、前記コンテクストは、前記宛先アプリケーションのユーザインターフェース内のユーザのロケーション、または、前記宛先アプリケーションの前記ユーザインターフェース内の前記ユーザによる選択によって定義される、ステップ;
前記データ型と、前記コンテクストと、以前の選択を考慮する人工学習機構とに基づいて、1または2以上の推奨ペースト動作を入手するステップ;
前記1または2以上の推奨ペースト動作に基づいて、前記データのペースト動作を指示するステップ
を含む方法。
【請求項2】
前記1または2以上の推奨ペースト動作を入手するステップは、
前記データの前記データ型および前記コンテクストに基づいて、複数の推奨ペースト動作を識別するステップ;
前記複数の推奨ペースト動作の中からの好ましいペースト動作の選択に対して、ユーザに要求を生成するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記人工学習機構に関連して前記推奨ペースト動作を入手する際に、未来の使用に対するユーザトレンドを決定するために、前記要求に対する前記好ましいペースト動作の選択を記憶するステップ
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記イントロスペクション処理は、ユーザインターフェースエージェントによって適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記データの前記データ型を前記ユーザインターフェースエージェントへ伝達するステップ
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
コピーすべき前記外部アプリケーションの前記区分を選択するために、選択デバイスを提供するステップ
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
コピーすべき前記外部アプリケーションの前記区分を選択するために、選択デバイスを提供するステップ
を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
コンピュータプログラムを記憶した非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、外部アプリケーションから、前記外部アプリケーションとは異なる宛先アプリケーションへ、データをペーストするように構成され、前記コンピュータプログラムは、
コピーすべき外部アプリケーションの区分を選択するステップ;
前記外部アプリケーションの前記選択された区分内のデータを識別するイントロスペクション処理を使用して、前記外部アプリケーションの前記選択された区分を、クリップボードへコピーするステップ;
前記データのデータ型を識別するステップ;
前記宛先アプリケーションで、前記データを、入力ハンドラへ渡すステップ;
前記データ型に基づき、前記入力ハンドラを使用して、前記データを標準形式に変換するステップ;
前記データが前記標準形式に変換された後、前記宛先アプリケーションで、出力ハンドラを伴って、前記データをペーストするためのコンテクストを自動的に決定するステップであって、前記コンテクストは、前記宛先アプリケーションのユーザインターフェース内のユーザのロケーション、または、前記宛先アプリケーションの前記ユーザインターフェース内の前記ユーザによる選択によって定義される、ステップ;
前記データ型と、前記コンテクストと、以前の選択を考慮する人工学習機構とに基づいて、1または2以上の推奨ペースト動作を入手するステップ;
前記1または2以上の推奨ペースト動作に基づいて、前記データのペースト動作を指示するステップ
のための命令を含む、非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項9】
前記1または2以上の推奨ペースト動作を入手するステップのための命令は、
前記データ型および前記コンテクストに基づいて、複数の推奨ペースト動作を識別するステップ;
前記複数の推奨ペースト動作の中からの好ましいペースト動作の選択に対して、ユーザに要求を生成するステップ
を含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項10】
前記人工学習機構に関連して前記推奨ペースト動作を入手する際に、未来の使用に対するユーザトレンドを決定するために、前記要求に対する前記好ましいペースト動作の選択を記憶するステップのための命令
を更に含む、請求項9に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項11】
前記イントロスペクション処理は、ユーザインターフェースエージェントによって適用される、請求項8に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
前記データの前記データ型を前記ユーザインターフェースエージェントへ伝達するステップのための命令
を更に含む、請求項11に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
コピーすべき前記外部アプリケーションの前記区分を選択するために、選択デバイスを提供するステップのための命令
を更に含む、請求項12に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
コピーすべき前記外部アプリケーションの前記区分を選択するために、選択デバイスを提供するステップのための命令
を更に含む、請求項11に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
前記データの前記コンテクストは、前記ユーザの前記ロケーションが前記宛先アプリケーションの前記ユーザインターフェース内にあることを判断するように構成された前記出力ハンドラのコンテクストマップによって提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記データの前記コンテクストは、前記ユーザの前記ロケーションが前記宛先アプリケーションの前記ユーザインターフェース内にあることを判断するように構成された前記出力ハンドラのコンテクストマップによって提供される、請求項8に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、限定はしないが、特に、異なるアプリケーション間での情報又はデータのペーストを改良する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの状況で、ある場所からデータ又は情報をコピーし、別の場所へそれをペーストすることは一般的に行われている。このことは、異なるアプリケーション、異なる文書などの間でデータがコピー、ペーストされるコンピュータ関連の環境で典型的には行われる。
【0003】
旅行業界では、著しい数の異なるアプリケーションが多くの異なるコンテクストで存在する。例えば、予約の場合、フロント・オフィス用アプリケーション、ミドル・オフィス用アプリケーション、インボイス作成及び支払い用アプリケーション又はあらゆる他の適切な種類のアプリケーションがある場合がある。状況が何であれ、アプリケーションはますます統合されつつあり、データを1つのアプリケーションから別のアプリケーションに転送する必要性が増え続けている。
【0004】
内部システムは、そのシステムのすべての関連プロダクトにおいて多数のスタンドアロン・アプリケーションのシームレスな統合を提供することができる。しかし、ほとんどのシステムは、外部アプリケーションと通信する必要があり、外部アプリケーションから内部アプリケーションにデータを交換、又は逆に内部アプリケーションから外部アプリケーションにデータを交換する必要があることが多い。
【0005】
すべてのアプリケーション同士で完全な統合が必ずしも可能ではなく、ユーザ自身による操作又は介入が必要である場合がある。このことは、ユーザが、要求される情報をアプリケーション間で共有するために大量のコピー及びペースト動作を実施する必要があることをしばしば意味する。このためには、クリップボード型機能を使用して外部アプリケーションからコピーしたデータを抽出し、強化アプリケーションにそのデータをペーストして、例えば特定のテキスト・フィールドに一定数を事前に記入するシステムが必要である。
【0006】
データ転送用ペースト機能を使用することは新しい概念ではなく、多くの異なるプロダクトがこれを行うために存在する。例えば、Microsoft AccessデータベースからMicrosoft Excelスプレッドシートにテキスト・データをペーストすることが可能である。別の公知のシステムでは、コンピュータ支援設計プログラムのためにベクター・グラフィックスをテキスト形式でインポートすることが可能である。
【0007】
これらの公知のシステムは、ペースト機能を使用して様々な形式の入力テキスト・データを構文解析し、グラフィカル表現を自身のユーザ・インターフェースにペーストする。しかし、どのシステムも、旅行業界で必要とされることがあるフォームベース形式などフォームベース形式に基づくペースト機能を可能にするものではない。
【0008】
米国特許第6,192,380号明細書(INTEL Corporation)は、ユーザ・データを記憶するデータベースと関連して、ウェブ・ベージのフォームに自動的に記入する方法及びシステムを開示している。このシステムは、データ入力がフォームに対して必要かどうかを決定するフォーム認識ユニット;どの種類のデータを必要とするかを決定するタグ認識ユニット;データベース中に整合データを見つけ、抽出する整合ユニット;及びユーザが手入力したデータに基づきデータベースを更新する学習サブユニットを備える。
【0009】
米国特許出願公開第2006/0059247号明細書(IBM Corporation)は、ローカル・メモリ内に記憶されたユーザのテキスト・ファイルに関連付けられたウェブ・ページのフォームを自動的に記入する方法を開示している。このシステムは、テキスト・タグを特定するために記憶したテキスト・ファイルを走査する走査モジュール及びテキスト・タグを特定し、記憶したテキスト・ファイルから整合テキスト・タグを抽出するためにウェブ・ベージのソース・コードを走査するパターン認識制御装置を備える。
【0010】
上述の特許及び特許出願は、例えば旅行業界で直面し得るような異なるアプリケーション間でのコピー及びペースト機能に関連する多くの問題に対処していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,192,380号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0059247号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、従来技術に関連する問題の少なくとも一部を克服することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、異なるアプリケーション間でのペースト機能を改良するシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、添付の特許請求の範囲に示した方法及びシステムを提供する。
【0015】
本発明の第1の態様によれば、コピー元アプリケーション及びコピー先アプリケーションが同じではない場合に、コピー元アプリケーションからコピー先アプリケーションにテキスト・データ及びグラフィックス・データをペーストする方法であって、データがテキスト・データ型であるか、グラフィックス・データ型であるかを識別し、テキスト・データ型が識別された場合、テキスト入力ハンドラを選択し、グラフィックス・データ型が識別された場合、グラフィックス入力ハンドラを選択するステップ;テキスト入力ハンドラ又はグラフィックス入力ハンドラを使用して、識別したデータ型に基づきペースト用標準形式にデータを変換するステップ;ペースト用標準形式のデータのセマンティクス、及びデータをペーストすべきコピー先アプリケーションのユーザのロケーションを決定するステップ;データのセマンティクス及びコピー先アプリケーションのユーザのロケーションの決定に応じて、コピー先アプリケーションの決定したロケーションのどの領域に、データのどの部分をペーストすべきかを決定するステップ;コピー先アプリケーションのそれぞれの領域にデータをペーストするステップを含む方法が提供される。
【0016】
任意選択で、ユーザのロケーションの決定が、ユーザがどのページ、マスク、パネル及び/又はフィールドをコピー先アプリケーションに選択したかを認識するコンテクスト・マップを使用することによって行われる。
【0017】
任意選択で、本方法は、推奨エンジンから適している可能性のあるペースト動作のリストを入手するステップ、データのセマンティクス及びコピー先アプリケーションのユーザのロケーションに応じて、選択のためにユーザにリストを提示するステップ;ユーザによる選択に従ってペースト動作を行うステップをさらに含む。
【0018】
任意選択で、本方法は、推奨エンジンが保持するリストに適合するように、人工学習機構によってユーザ選択を監視し、処理することをさらに含む。
【0019】
任意選択で、本方法は、コピー元アプリケーションからデータをコピーする前に、データにイントロスペクション処理を施すことをさらに含む。
【0020】
任意選択で、イントロスペクション処理が、次のペースト動作用クリップボードにペーストすべきデータのセマンティクスを決定することをさらに含む。
【0021】
任意選択で、イントロスペクション処理が、コピーすべきデータの形式を決定することをさらに含む。
【0022】
任意選択で、イントロスペクション処理が、コピーする領域を選択するための選択デバイスを使用することをさらに含む。
【0023】
本発明の第2の様態によれば、コピー元アプリケーション及びコピー先アプリケーションが同じではない場合に、コピー元アプリケーションからコピー先アプリケーションにデータをペーストする方法であって、データのためのデータ型及びデータ型のための適切な入力ハンドラを特定するステップ;データ型に基づき適切な入力ハンドラを使用してデータを標準形式に変換するステップ;出力モジュールにおいて、適切な出力ハンドラを特定するために標準形式のデータのコンテクストを決定するステップ;データの型及びコンテクストに基づき推奨エンジンから推奨ペースト動作を入手するステップ;推奨ペースト動作に基づきペースト動作を指示するステップを含む方法を提供する。
【0024】
任意選択で、本方法は、2つ以上の可能な推奨ペースト動作を特定し、好ましい推奨ペースト動作の選択を要求することをさらに含む。
【0025】
任意選択で、本方法は、他の同様の状況で今後使用するためのユーザ応答を記憶することをさらに含む。
【0026】
任意選択で、本方法は、ペースト動作を開始する前に、データにイントロスペクション処理を施すことをさらに含む。
【0027】
任意選択で、イントロスペクション処理が、次のペースト動作用クリップボードにペーストすべきデータの性質を決定することをさらに含む。
【0028】
任意選択で、イントロスペクション処理が、コピーすべきデータの形式を決定することをさらに含む。
【0029】
別の態様によれば、上記方法ステップを実施するように構成されたシステムが提供される。
【0030】
別の態様によれば、コンピュータ・システム上で実行されるときに上記方法ステップのステップを実施する指示を含むコンピュータ・プログラムが提供される。
【0031】
さらに別の態様によれば、コンピュータ・システム上で実行されるときに上記方法のステップを実施する指示を記憶する非一時的記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、少なくとも以下の利点を提供する。
【0033】
旅行予約システムにおける多数のフォーム要素の事前記入を、単純なペースト動作によって達成することができる。
【0034】
インポート・マスクを使用し、ペースト・コマンドを適用して、様々な予約システムから言語、文法及び他の入力を含めた多数の入力型を構文解析する能力が提供される。
【0035】
データは、構文解析可能なデータのペーストを使用して、バックグラウンド・タブ内に入力することができる。
【0036】
すべてのペーストしたフィールドは、固有の色で強調することができ、これによりユーザがインポートしたデータ又はペーストしたデータを容易に見ることができる。
【0037】
外部アプリケーションから必要な情報を直観的に選択する能力が提供される。このことは、本システムがユーザに統合すべきものを管理する能力を与えるので、完全統合システムと比較すると付加価値を有する。コピーすべきものを選択するだけで、ユーザはごく自然な形で完全に管理する。
【0038】
アプリケーションは、ユーザの挙動を学習し、経時的に確実さを増した状態でデフォルトして挙動する。
【0039】
例として、添付の図面に言及する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の一実施形態に従ったペースト機能の概観の概略図である。
図2】本発明の一実施形態に従った別のペースト機能の概観の概略図である。
図3】本発明の一実施形態に従ったペースト強化機能を達成するために使用するアーキテクチャのブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に従った図2のユーザ・インターフェース(UI)エージェントのアーキテクチャのブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に従ったクイック・ペースト・ルーチンのシーケンス図である。
図6a】本発明の一実施形態に従ったユーザ対話を有するペースト・ルーチンのシーケンス図である。
図6b】本発明の一実施形態に従ったユーザ対話を有するペースト・ルーチンのシーケンス図である。
図7】本発明の一実施形態に従ったさらなるペースト・ルーチンのシーケンス図である。
図8】本発明の一実施形態に従ったコンピュータ・システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、第1の(コピー元)アプリケーションから第2の(標的)アプリケーションへのデータ・インポートを取り扱う。例えば、グラフィカル・システムのペースト機能を使用して、旅行予約システム及び顧客管理システムからグラフィカル・システムへ。これにより、旅行用グラフィカル予約アプリケーション環境又は他の同様のアプリケーションに使用することができる単純なデータ入力方法が提供される。この例では、システムは、元のコンテンツ、及びデータ・インポートの成功したコンテンツの両方に強い視覚的フィードバックも提供する。必要な場合、ユーザはペースト動作の成功したコンテンツを承認することもできる。
【0042】
旅行予約システムのための本発明の複雑なペースト動作は、新規で、発明的であり、スプレッドシート・アプリケーションに見られるような同様の機能とは異なり、非表形式アプリケーションに適用することができる。
【0043】
本発明は、GDS(Global Distribution System)と、低価格キャリア用ウェブサイトなどの非GDSアプリケーションとの間の対話を可能にもする。ユーザは、航空会社のウェブサイトで推奨を検索し、次に別の供給業者のウェブサイトへ行き、本発明のコピー/ペースト機構を使用して、1つのアプリケーションから別のアプリケーションに検索基準を転送することができる。このことは、ユーザの側でデータを再入力する必要及び二度手間を回避することになる。ユーザは、同じ検索基準を使用し、この検索基準を異なるアプリケーションにペーストすることができ、それによって、検索要件に合う、より可能な推奨を見つけることができる。
【0044】
また、本発明は、外部システムからデータを入手し、向上ペースト動作により標的アプリケーション上でカスタマイズした操作を動作させる方法を提案する。本発明は、必要な場合、クリップボードへのコピー機能(copy to clipboard functionality)を施さない拡張形態をさらに提供する。これらの機能を以下でより詳細に説明する。
【0045】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に従ったペースト動作の概略図が示される。ユーザは、外部アプリケーション(A)にアクセスする。この外部アプリケーション(A)は、本発明のシステムで動作させるためにいかなる変更も必要としない。ユーザは、データを選択し、次に標準クリップボードへのコピー機能を使用する。次に、ユーザは、強化アプリケーション(enriched application)100(向上ペーストシステム(EPS,enhanced paste system)とも呼ばれる)にデータをペーストする。これにより、本発明の強化処理が開始される。
【0046】
ユーザが向上アプリケーションにデータをペーストすると、入力ファクトリ、又はモジュール102が起動する。入力ファクトリは、データのコピー元を決定することを試みる。これは、あらゆる適切な認識技法によって実施され、向上アプリケーションは、データがコピーされたコピー元アプリケーションを識別することを可能にする。入力ファクトリは、コピー元アプリケーションを識別した後、データ用特定処理が必要かどうかを決定することができ、したがって適切な特別ハンドラに委任することができる。
【0047】
入力ファクトリは、強化ペースト機構を適用すべきかどうか決定する必要がある。ユーザが、通常のテキストを1つの内部テキスト・フィールドから別のテキスト・フィールドにコピーするように、クリップボードに「通常のテキスト」をコピーした場合、標準ペースト機構があれば十分である。通常ペースト動作又は強化ペースト動作が必要かどうかを決定するためには、システムは以下のように決定する。ユーザが、特定のテキスト・フィールド又はクリップボードのコンテンツをペーストする領域を識別した場合、標準ペースト機構が実施される。しかし、ユーザが、いくつかの異なるフィールドなどの「ペースト可能ではない」領域に同時にペーストしようとした場合、今度は、以下でより詳細に説明する強化ペースト機構が実施されることになる。
【0048】
入力コピー元のための入力ファクトリによって選択される特定のハンドラ(104、106)は、データのソース及び性質、即ちデータ型及びセマンティクスによって決まる。テキストがペーストされる上記の例では、テキスト・ハンドラ(106)を使用することになる。テキスト・ハンドラは、テキスト・データを抽出し、後で使用するためにこのテキスト・データを変換することになる。或いは、このハンドラは、グラフィカル・ハンドラ(104)であってもよく、このグラフィカル・ハンドラ(104)は、コピーするグラフィック・データを解析することによって、グラフィック・データをXMLなどのペースト用標準データ形式に変換し得る。異なる型のハンドラを異なる型のデータに使用することができる。さらに、異なるハンドラに関して、データの型は、あらゆる適切な型であってよく、上記した例に限定されるものではない。
【0049】
データはハンドラから出力ファクトリ、又はモジュール108に送られ、この出力ファクトリ、又はモジュール108は、入力ハンドラによって算出された標準化データに基づいて起動される。出力ファクトリは、必要な出力114を処理、生成するために、正確な出力ハンドラ(110、112)を選ぶ責任を負う。入力ファクトリのハンドラは、強化アプリケーションの詳細を出力ファクトリに伝達する。さらに、出力ファクトリは、どのユーザ・インターフェース画面が起動しているか、入力データに基づいてどの操作を取るべきかをわかっている。標的アプリケーションのユーザの「ロケーション」のこの依存状態を、以下、ペーストすべき入力データの「コンテクスト」と呼ぶ。例えば、テキスト・コンテンツのコンテクストに基づき、正確なテキスト・フィールドを選択し、入力データから直接来たデータを記入することができる。換言すれば、コピーステップから、未変換のデータを直接そのままペーストすることが実施される。別の例では、グラフィック・コンテンツのコンテクストに基づいて、コピーした画像データ内でテキストを認識し、プレーンテキスト又は定様式テキストに変換することができ、正確なテキスト・フィールドが選択され、変換したテキストの正確な部分を記入する。その一方で、コンテクストが、強化アプリケーションの特定のロケーションに画像データをペーストすべきであることを示す場合、未変換のコピーした画像データ、又は別の画像形式に変換した画像データをコンテクストに応じて強化アプリケーションの正しいロケーションにペーストすることができる。
【0050】
入力データのデータ型、セマンティクス又はコンテクストに曖昧さがある場合には中間ポップアップ(図示せず)が現れ、ユーザが必要に応じて選択を行うことを可能にする。ポップアップは、任意選択の要素で、無効化することができ、したがってユーザがデフォルト値を信頼することを可能にする。ポップアップを有効化する場合には、単純化した一組のオプションをユーザが選択することができる。
【0051】
出力ハンドラは、正規表現スタイルの構文解析を使用して、ペーストすべきデータが出力ハンドラに有効であるかどうか、及びどのフィールドをどのデータで記入する必要があるかを決定することができる。出力ハンドラの命令はユーザが変更することもでき、その結果、2つ以上のハンドラが有効である場合、使用すべきハンドラをユーザが変更又は選択することができる。
【0052】
ユーザ・インターフェースの変更は、ユーザがデータが変更されていることに気付くように所与の色で画面上に強調することができる。したがって、ユーザは、簡単、明快に(transparently)、あらゆるシステムからテキスト・データをインポートすることができ、動作の間にどのフィールドが変更されたかがわかる。この変更は、上述したように色で示しても、又は他の適切な技法によって示してもよい。
【0053】
本発明のペースト機構は、本来はダイアログを有することができない2つのアプリケーション間に暗黙ダイアログ(implicit dialog)を作成している。
【0054】
ペースト動作を実施するための処理の詳細なステップを、図5図6及び図7を参照して説明する。
【0055】
図2を参照して説明したように、ある状況では、コピー元アプリケーションのコピー機能は、本発明のペースト機構と共に使用するのに十分なほど強力ではない。
【0056】
この場合には、本発明は、UIエージェント200と呼ばれる、第3のスタンドアロン・アプリケーションを提供する。
【0057】
UIエージェント・アプリケーションは、どのデータが有用であり得るかを解析するために、外部コピー元アプリケーション上でイントロスペクション処理を実施し、次に識別したデータをクリップボードにコピーする。
【0058】
イントロスペクションとは、調査のもとにオブジェクトの型を決定する能力であり、外部コピー元アプリケーションで実施される。UIエージェントは、すべての外部アプリケーションで使用することはできないが、標準のウィンドウ又はインターネット制御を使用するアプリケーションで使用することができる。例えば、UIエージェントは、状況によっては異なる型のアプリケーションで作動することができる。例えば、ウェブサイトは、HTML DOMイントロスペクションを使用して支援することができる。この場合、UIエージェントは、HTML DOMの型を特定し、HTML DOM内をナビゲートし、次に必要に応じて変換することができる。
【0059】
ユーザは、外部アプリケーションに直接行かずに、結果がクリップボードに記憶される前にUIエージェントを使用して外部アプリケーション上でイントロスペクション処理を実施することになる。データの次の処理は、図1を参照して説明したように継続され、同じ参照番号が相当する要素に関連する。
【0060】
ユーザがコピーする特定の領域又は一組のフィールドを選択するために、UIエージェントは、クリップボードに画面の領域の画像をコピーすることになる、単純な「スクリーン・トーカー(screen talker)」を含むことができる。小さな領域を選択するには、マジック・ワンドも使用することになる。同様に、フィールド又は領域を選択するための他の機構を使用することもできる。
【0061】
図1又は図2の実施形態のいずれかでは、入力ハンドラがコピー元を解析し、XMLなどの適切なペースト用標準形式(SFP、Standard Format for Pasting)にデータを定様式化すると、出力ハンドラが外部アプリケーションにデータをエクスポート又はペーストする。これは、外部アプリケーションのAPIを使用して実施することができる。例えば、データをGoogleドキュメント(Google Docs)又はLotus Notesにペーストして予定表などに予約を加えることができる。XML又は同様のマークアップ言語をSFPとして使用することが有利である。というのは、XML又は同様のマークアップ言語は、コピーしたデータを構造化し、メタ情報をデータに加えることを可能にし、次に、例えばコピーしたデータの正確な部分を標的アプリケーションの正確なロケーションにペーストするために向上ペースト処理用に利用できるからである。
【0062】
図3を参照して、強化ペーストシステム(EPS、enriched paste system)100をより詳細に説明する。図3は、入力ハンドラ102及び出力ハンドラ108を示す。テキスト・ハンドラ106及びグラフィック・ハンドラ104がそれぞれ示され、ペースト用標準形式300を作製する。出力ハンドラは、例えばニューラル・ネットワーク技法の利用による人工学習機構(ALM)302を含み、この人工学習機構(ALM)302は、情報を記憶するデータベースを含み、後でアクセスすることができる。記憶される情報は、推奨を提示したときにユーザが選択を行ったものである。ALMは、コピーするデータのどの部分を強化(標的)アプリケーションのどのロケーションにペーストするかというユーザの選択を監視し、関連情報を収集、記憶し、また該当する場合には、特定のペースト処理に対して(即ち、強化アプリケーションの特定のロケーションに特定の型及び特定のセマンティクスをペーストするデータに対して)ALM中に記憶した推奨(複数可)を変更するために、推奨エンジン306と通信する。これにより、同様の状況が発生した次のとき、例えば強化(標的)アプリケーションの同じロケーションに同じデータ型及び/又は同じセマンティクスのデータをペーストすべきときに、ユーザに提示する推奨を変更することを可能にする。出力ハンドラは、コンテクスト・マップ304も含む。コンテクスト・マップにより、ユーザが標的アプリケーションのどこにいるかを決定することが可能になる。例えば、ユーザはあるページ、マスク、パネル又はフィールドを選択している。そのページ、マスク、パネル又はフィールドに応じて、ペースト機構の挙動は異なる場合がある。入力ハンドラ102(上記では入力型ファクトリと呼ばれた)は、上記で前に説明したようにコピーしたデータの型を決定するために使用する。コンテクスト・マップは、カスタム・ハンドラ110及び112それぞれと出力ハンドラで通信する。人工学習機構及びカスタム・ハンドラの両方は推奨エンジン306にリンクさせることができ、この推奨エンジン306は、ユーザがシステムと対話できるポップアップ・ウィンドウを提供する。例えば、推奨エンジン306は、強化(標的)アプリケーションのそれぞれのロケーションに、適している可能性のあるフィールド、セル又はあらゆる他の領域のリストを記憶する。あるロケーションに関して、2つ以上の領域がコピーするデータの部分をペーストするのに適している場合、一組の可能性のある領域が推奨エンジン306によってユーザに提供される。次に、ユーザは、コピーしたデータの部分をペーストすべき正確な領域(複数可)を自分で選択する。追加または代替として、推奨エンジン306は、適している可能性のある出力ハンドラ及び/又はカスタム・ハンドラのリストを保持し、そのリストから、適している可能性のあるハンドラが上記したように選択のためにユーザに提示される。出力ハンドラの自動化された動作、及び必要な場合推奨エンジンによるユーザ対話により、適切なカスタム・ハンドラが、標的アプリケーションに関連データを出力するために選択される。次いで、ペースト機能を完成させることができる。
【0063】
図4を参照して、UIエージェントをより詳細に説明する。UIエージェントは、ウェブ・スパイ、Microsoftオブジェクト・スパイ又はあらゆる他の適切なスパイ・モジュールなどのいくつかの異なるスパイ・モジュールを含むイントロスペクション・エンジン・ファクトリ400を含む。イントロスペクション・エンジン・ファクトリでは、イントロスペクション処理を上記したように実施し、クリップボード402にデータをコピーする。コピーすべき領域の選択は、スクリーン・テイカー(screen taker)404、マジック・ワンド406又は他の適切な型の領域キャプチャ方法によって行うことができる。キャプチャ技法は、クリップボードと対話して、次のペーストステップのための適切な領域を決定する。UIエージェントは、Googleドキュメント又はLotus Notesなどの適切なアプリケーションにデータをペーストすることを可能にするファスト・エクスポート・ペースト・モジュール408も含む。
【0064】
前に示したように、本発明は、図1及び図3を参照して説明したペースト機構及び図2及び図4で説明したUIエージェントにより、コピーステップを増強する任意選択の機能に関する。このように、データを1つのコピー元アプリケーションからコピーし、標準ペースト機構又は向上ペースト機構のいずれかによって標的アプリケーションに転送することができる。
【0065】
図5は、上記した向上ペースト機構のシーケンス図を示す。後に続く数字は、処理中に発生するステップのシーケンスに関する。ステップ1では、ユーザが外部(コピー元)アプリケーションの一区分を選択してコピーする。ステップ2では、コピーした区分をクリップボードに加える。ステップ3では、クリップボードが強化(標的)アプリケーションにペーストされ、ステップ4では、コンテンツが入力ハンドラに受け渡される。ステップ5では、例えば入力型はテキストであるか、又は入力型はグラフィックであるかといった、クリップボード型が決定される。ステップ6では、次に、クリップボードのコンテンツがテキストの場合はテキスト・ハンドラに受け渡され、グラフィックスの場合はグラフィック・ハンドラに受け渡される。ステップ7では、テキスト・ハンドラはクリップボードのコンテンツをペースト用標準形式(SFP)に変換する。ステップ8及びステップ9では、この標準形式が入力ハンドラに戻され、強化アプリケーションに戻され、次にステップ10で出力ハンドラに行く。ステップ11で、次に、出力ハンドラは、コンテクスト・マップを使用して標準形式のコンテクスト、即ち、ユーザがユーザ・インターフェース(Ul)のどこに位置するかを決定する。ステップ12で、コンテクストが出力ハンドラに伝達されると、出力ハンドラはステップ13で使用するために適切なカスタム・ハンドラを決定する。ステップ14では、データがさらなる処理のために適切なカスタム・ハンドラ(この場合は、カスタム・ハンドラ2)に転送される。ステップ15では、次に推奨エンジンが、何をどこにペーストすべきかの推奨を決定するように問い合わせされる。人工学習機構が動作中である場合、ステップ16では、ユーザの好みを解析し、ステップ17ではユーザの好みは推奨エンジンによって考慮することができる。ステップ18では、推奨エンジン及び人工学習機構の結果によりデフォルト推奨が作製され、取るべきペースト操作をカスタム・ハンドラに知らせる。ステップ19では、ペースト動作が行われ、ステップ20では、ユーザ・インターフェースが変更される。ステップ21では、このことは、出力ハンドラに伝達され、出力ハンドラは、ユーザ・インターフェースの変更を強化アプリケーションに伝達する。ステップ22では、次に、強化アプリケーションは、ユーザ・インターフェースの変更をユーザに受け渡し、正確な動作を確認する。
【0066】
図6は、ユーザにペースト機構との対話の可能性を提供する、向上ペースト機構のシーケンス図を示す。後に続く数字は、処理中に行われるステップのシーケンスに関連する。ステップ1では、ユーザは、外部(コピー元)アプリケーションの一区分を選択してコピーする。ステップ2では、コピーした区分をクリップボードに加える。ステップ3では、クリップボードが強化(標的)アプリケーションにペーストされ、ステップ4ではコンテンツが入力ハンドラに受け渡される。ステップ5では、例えば入力型はテキストであるか、又は入力型はグラフィックであるかといった、クリップボード型が決定される。ステップ6では、次に、クリップボードのコンテンツが、テキストの場合はテキスト・ハンドラに渡され、グラフィックスの場合はグラフィック・ハンドラに受け渡される。ステップ7では、テキスト・ハンドラがクリップボードのコンテンツをペースト用標準形式に変換する。ステップ8及び9では、この標準形式は入力ハンドラに戻され、強化アプリケーションに戻され、ステップ10では、次に出力ハンドラに行く。ステップ11では、次に、出力ハンドラは、コンテクスト・マップを使用して標準形式のコンテクストを決定、即ち、ユーザがユーザ・インターフェースのどこに位置するかを識別する。ステップ12では、コンテクストが出力ハンドラに伝達されると、出力ハンドラは、ステップ13で使用するために適切なカスタム・ハンドラを決定する。ステップ14では、データがさらなる処理のために適切なカスタム・ハンドラ(この場合はカスタム・ハンドラ2)に転送される。ステップ15では、次に推奨エンジンが、何をどこにペーストすべきかの推奨を決定するように問い合わせされる。ステップ16では、人工学習機構が動作中である場合、ユーザの好みを解析することができる。この場合、システムは単一の推奨にすることができず、そうではなく、いくつかの可能な推奨を有する。ステップ17では、このことにより、より多くの情報が要求される。可能な推奨のリストはステップ18で作製され、カスタム・ハンドラに受け渡される。ステップ19では、より多くの入力が要求され、出力ハンドラに伝達される。ステップ20及び21では、この要求はユーザに受け渡され、したがって、ユーザが可能な任意選択のうち1つを選択することができる。ステップ22では、ユーザは、次に強化アプリケーションに伝達する選択を示す。ステップ23では、次に、強化アプリケーションは出力ハンドラに選択を転送する。ステップ24では、選択は、出力ハンドラによって処理され、カスタム・ハンドラに受け渡され、ステップ25で次に人工学習機構が更新される。ステップ26では、選択したペースト動作がカスタム・ハンドラ2に伝達され、ステップ27では、ユーザ・インターフェースに必要な操作が決定される。ステップ28では、ユーザ・インターフェースの変更はカスタム・ハンドラから出力ハンドラに伝達され、ステップ29では、出力ハンドラから強化アプリケーションに伝達され、ステップ30では強化アプリケーションからユーザに伝達される。
【0067】
図7は、UIエージェントを使用する向上ペースト機構のシーケンス図を示す。後に続く数字は、処理の間行われるステップのシーケンスに関連する。ステップ1では、ユーザは、外部アプリケーションの一区分を選択してコピーする。ステップ2では、イントロスペクション機構がUIエージェントで実施される。ステップ3では、データの型が識別され、向上アプリケーションからUIエージェントに伝達される。ステップ4では、UIエージェントは、次にデータをクリップボードに入れ、ステップ5では、クリップボードが更新され、ユーザに提示される。その後、図5のステップ3からステップ22までとそれぞれ相当する、ステップ6からステップ25まで処理が続けられる。各連続ステップで実施された処理は、各ステップの数字は上記したものと異なるが、図5を参照して説明したものと同一である。
【0068】
ペースト方法を実施するシステムの可能な技術的実装形態を図8に示す。図8では、システムが、システム・バス253に平行に接続したいくつかのユニットによって形成されるコンピュータ250である。詳細には、1つ又は複数のマイクロプロセッサ256がコンピュータ250の動作を制御し;RAM259がマイクロプロセッサ256によってワーキング・メモリとして直接使用され、ROM262がコンピュータ250のブートストラップ用基本コードを記憶する。周辺ユニットを(それぞれのインターフェースにより)ローカル・バス265の周囲にクラスタ化する。詳細には、本明細書に記載の向上ペーストシステムの種々のモジュール、即ち、ファクトリ、入力ハンドラ及び出力ハンドラ、推奨エンジン、UIエージェントを履行する指示、並びに人工学習機構並びにALMデータベースのデータを記憶する大容量メモリは、ハードディスク268、及びCD−ROM274を読み取るドライブ271から構成される。さらに、コンピュータ250は、入力デバイス277(例えばキーボード及びマウス)、及び出力デバイス280(例えば、モニタ及びプリンタ)を含む。ネットワーク・インターフェース・カード283は、コンピュータ250をネットワークに接続するために使用する。ブリッジ・ユニット286が、システム・バス253をローカル・バス265とインターフェース接続する。各マイクロプロセッサ256及びブリッジ・ユニット286が、情報を伝送するシステム・バス253へのアクセスを要求するマスター・エージェントとして動作することができる。アービタ289が、システム・バス253への相互排除と共にアクセスの許可を管理する。システムが異なるトポロジを有する、又はシステムが他のネットワークに基づく場合、同様の考慮が加えられる。
【0069】
本発明を旅行環境における1つのアプリケーションから別のアプリケーションへのデータの転送に言及して説明する。しかし、本発明は、多くの他の分野に適用することができる。
【0070】
本発明をソフトウェア・プログラム及びアプリケーションの両方並びにハードウェア・モジュールに言及して説明してきた。本発明の一部として実施される機能が、本明細書に示された例とは関係なく、ソフトウェア・モジュール若しくはハードウェア・モジュール又はこれらの任意の組合せにおいて実施できることは了解されよう。
【0071】
上記した種々の特徴に対する多くの変形形態が存在し、こうした変形形態は本発明の範囲内に含まれることは了解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8