(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無線アクセスインターフェースの複数の論理的に別個のキャリアのうちのそれぞれのキャリアを介して、異なるタイプの端末装置へ、および/または、異なるタイプの端末装置から、データを通信するように構成される少なくとも1つの基地局の構成と、
前記複数のキャリアのうちの第1のキャリアにキャンプオンし、次いで、前記第1のキャリアを介して少なくとも1つの基地局の前記構成とデータを通信するように動作可能な第1の端末装置と、
前記複数のキャリアのうちの第2のキャリアにキャンプオンし、次いで、前記第2のキャリアを介して少なくとも1つの基地局の前記構成とデータを通信するように動作可能な第2の端末装置と、
を含み、
前記第1の端末装置および前記第2の端末装置が前記第1のキャリアおよび前記第2のキャリアと同期してキャンプオン手続きを開始する能力を共に有するように、前記第1のキャリアおよび前記第2のキャリアは、互換性のある同期シグナリングをサポートし、
前記第2の端末装置は、前記第1または第2のキャリアのうちの一方と同期してキャンプオン手続きを開始した後に、前記第2の端末装置が同期した前記キャリアの制御チャネルに関連付けられた物理層のシグナリングの態様に依存して、前記キャンプオン手続きを継続するか否かを判定するように構成され、
物理層のシグナリングの前記態様は、前記第2の端末装置が同期した前記キャリアについてのキャリア動作帯域幅の表示を含み、
前記第2の端末装置は、前記キャリア動作帯域幅が前記第2の端末装置についての装置動作帯域幅よりも大きい場合に前記キャンプオン手続きを継続しないように構成される、
モバイル通信システム。
前記第2のキャリアは、前記標識をブロードキャストするように構成され、前記第1のキャリアは、前記標識をブロードキャストしないように構成される、請求項3に記載のモバイル通信システム。
前記第1の端末装置が前記第2のキャリアとのキャンプオン手続きを完了できないように、前記第1および第2のキャリアは、それぞれのキャンプオン手続きの制御チャネルに関連付けられた互換性のない物理層のシグナリングを採用する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のモバイル通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
上記のように、無線ネットワークの関連動作規格に完全に準拠するために要求される完全な動作機能性を提供されていないかもしれないクラスの装置の動作を可能にする無線ネットワークアーキテクチャを提供する動機がある。例として、現在のLTE規格に完全に準拠するモバイルユーザ機器は、20MHzの無線帯域幅をサポートすることが要求される。無線リソースは、この帯域幅全体にわって、モバイルユーザ機器に割り当てられ得る。そのため、モバイルユーザ機器は、この全範囲にわたって動作可能な送受信機を含む。しかし、そのような広帯域のキャパシティを要求せず、そのため、ネットワークに依然収容されつつも縮小された帯域幅の送受信機を提供されることが可能である場合により安価にされることが可能である、MTC装置のようなクラスの装置が、存在し得るということを、本発明者は認識している。
【0024】
この相互運用性を達成する1つの手法は、異なるキャリアを異なるクラスの装置に提供することである。例えば、第1のキャリアが、ある規格に準拠する第1のクラスの装置に提供され得る一方で、第2のキャリアは、その規格の変形に準拠する第2のクラスの装置に提供され得る。例えば、第1のキャリアが、完全にLTEに準拠するキャリアであり得る一方で、第2のキャリアは、MTCタイプの装置トラフィックにのために、キャリアを最適化するための若干の修正を施したLTE規格に基づき得る。例えば、第2のキャリアは、縮小された帯域幅で動作し得、第1のキャリアを用いて通信され得る潜在的に内容が豊富な全幅のトラフィックよりも、相対的に単純なメッセージトラフィックをサポートするために最適化され得る。この点で、本例における第2のキャリアは、MTCタイプの装置への通信およびMTCタイプの装置からの通信をサポートするための専用メッセージングネットワーク(DMN:dedicated messaging network)の一種であると考えられ得る。このDMNという用語は、ある状況におけるこの種の第2のキャリアについての主な用途に関連付けられる上記タイプのトラフィックを特徴付けるので、参照を容易にするためにこのDMNという用語がここで使用されるということが、当然理解されるであろう。したがって、用語DMNは、キャリアが専ら且つ排他的にMTCタイプの装置のメッセージを通信するためのものであることを示していると意図されるべきでない。
【0025】
したがって、DMNは、従来の広帯域の無線通信キャリアと比較して、相対的に小さいメッセージをより効率的に通信するように適合されることを特徴とし得る。例えば、DMNは、従来の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)のサイズを可能な限り低減させることによって、サブフレーム毎により多くのPDCCHをサポートし得る。別の例において、DMNは、より多量のランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)リソースをサポートするように適合され得る。これは、DMNに恒久的に接続されているわけではないが、コネクションレスな手法で通信するモバイル装置にとって有用であり得る。
【0026】
本発明の実施形態は、本明細書において、3GPP Long Term Evolution(LTE)規格に基づくキャリアを有する無線通信システムにおける例示的実装を具体的に参照しながら説明される。
【0027】
図1は、LTEシステムの例示的アーキテクチャを概略的に示す。LTEシステムは、通信ネットワーク事業者によって提供され、通信を可能とする。
図1に示されるように、ユーザ機器(UE)1として指定されるモバイル通信装置は、LTEではE−UTRAN NodeB(e−nodeB)としばしば呼ばれる基地局(送受信機局)2へ、および、基地局(送受信機局)2から、データを通信するように構成されている。
図1に示すように、モバイル通信装置1の各々は、USIM(Universal Subscriber Identity Module)4を含む。USIM4は、モバイル無線ネットワークにアクセスすること、及びユーザが加入したサービスのために認証されることをモバイル通信装置に可能にする情報およびパラメータを含む。
【0028】
e−nodeB2は、サービングゲートウェイS−GW6および移動性管理エンティティ(MME)8(単純にするために
図1にはMMEへの接続は示されていない)に接続される。S−GW6は、モバイル無線ネットワークにおいて、通信装置1へのモバイル通信サービスのルーティングおよび管理を行うように構成される。移動性管理及び接続性を維持するために、移動性管理エンティティ(MME)8は、ホーム加入者サーバ(HSS)10に記憶された加入者情報を用いて、通信装置1とのEPS(Evolved Packed System)接続を管理する。他のコアネットワークコンポーネントは、ポリシー課金及びリソース機能(PCRF)12と、パケットデータゲートウェイ(P−GW)14とを含む。パケットデータゲートウェイ14は、インターネット網16に接続し、最終的に外部サーバ20に接続する。MTC通信に関連して、MTC通信をサポートするUEは、例えば、MTC端末またはMTC UEと便宜的に呼ばれ得る。また、MTC端末がデータを通信するサーバは、例えば、MTCサーバと便宜的に呼ばれ得る。より一般的には、MTC通信をサポート可能なシステムにおける装置は、MTCエンティティと呼ばれ得る。
【0029】
図1の様々な要素およびそれぞれの動作のモードは周知であり、3GPP(RTM)団体によって管理される関連規格で定義され、例えば、Holma H. and Toskala A, “LTE for UMTS OFDMA and SC−FDMA based radio access”, John Wiley and Sons, 2009.のような本題に関する多くの書籍でも説明される。これら従来のLTEネットワークの態様は、簡潔にするために、これ以上は説明されない。
【0030】
3GPP LTEリリース8、9および10(Rel8/9/10)は、6、15、25、50、75または100のリソースブロックの使用を表す1.4MHzから20MHzまでの6つのダウンリンク送信帯域幅の構成を定義する。先に述べたように、全てのRel8/9/10の端末装置は、Rel8/9/10規格に準拠するために、20MHzの最大シングルキャリア帯域幅をサポートすることが要求される。しかし、全ての帯域幅の構成について、Rel8/9/10は、基本的な物理層の同期信号(プライマリ同期信号(PSS)およびセカンダリ同期信号(SSS))および最も根本的なシステム情報(マスタ情報ブロック−MIB)が、1.4MHzの送受信機によって受信可能な中央の6つのリソースブロックのみを用いて送信されることを規定している。しかし、残りのキャリアシステム情報を受信するために、端末装置は、キャリアの全帯域幅を受信可能なことが要求される。
【0031】
しかし、先に述べたように、いくつかのアプリケーションについて、例えば、マシンタイプ通信(MTC)および/または専用メッセージングネットワーク(DMN)に関する状況では、低コスト故に低性能の装置を製造する動機が存在する。理想的には、装置を単純化することによって、特徴およびスループットの低減だけでなく、要求される動作の帯域幅の縮小も可能となる。Rel8/9/10について規定されたものよりも帯域幅の性能が低い端末装置とは、より高い帯域幅の性能を規定するRel8/9/10準拠ネットワーク上では当該装置が正確に動作することができないということを意味し得る。例えば、帯域幅の性能がより低い端末装置は、Rel8/9/10準拠ネットワークのMIBに含まれるものはもちろん、システム情報を受信することすらできない場合がある。別個のネットワーク/キャリアが従来のRel8/9/10の端末装置および提案される新しいクラスのより低性能な装置に提供される場合は、このことは問題ではない。なぜならば、新しいクラスのより低性能な装置に提供されるキャリアの動作特徴は、より低性能な装置をサポートするために、Rel8/9/10規格とは独立して修正され得るからである。それでも、このシナリオでは、異なるクラスの装置が、他のキャリアの動作に著しく影響を与えることなく、意図されたキャリアを識別し、キャンプオンすることができることを、保証するという問題が残る。例えば、低性能な装置は、Rel8/9/10のより高い帯域幅のキャリアがある場合でも、目標の専用メッセージングネットワークに関連付けられたキャリアを発見し、キャンプオンすることができることが理想であろう。さらに、DMNにキャンプオンするRel8/9/10の性能を有する装置が、DMNにキャンプオンしていない場合に使用し得るより高い帯域幅のRel8/9/10のキャリアのカバレッジエリアにある場合であっても、DMNにキャンプオンするRel8/9/10の性能を有する装置によりDMNキャリアが押し寄せられないことが望ましい。
【0032】
したがって、併置(collocate)されまたは重なるキャリアを含み、例えば、(より)高い帯域幅のLTE Rel8/9/10のキャリアである第1のキャリアと、(より)低い帯域幅の専用メッセージングネットワーク(DMN)に関連付けられている第2のキャリアとを含むシナリオでは、低性能/低帯域幅(つまりDMN)の装置がDMNキャリアを発見し選択することができることを保証し、同時に、Rel−8/9/10の性能を有する装置がDMNに過剰な負荷をかけることなく当該装置のトラフィックパターンをサポートできるキャリアを選択する(またはキャリアの方に向けられる)ことができることを保証するメカニズムへの動機が存在するということを、発明者は認識している。
【0033】
この問題に対処するために発明者が認識しているいくつかの手法に移る前に、説明を補助するために、本明細書において用いられるいくつかの用語をまず紹介する。
【0034】
発明の様々な実施形態は、例えば、キャンプオン/セル選択手続き中に、どのように第1のクラスおよび第2のクラスの装置が第1のキャリアおよび第2のキャリアから適切な手法で選択し得るのか、ということに概して関連している。ここで考察される具体例のうちのいくつかでは、第1のクラスの装置および第1のキャリアは、例えばLTE Rel8/9/10規格のような特定の規格に準拠し、第2のクラスの装置および第2のキャリアは、これらの特定の規格の修正バージョンに準拠する(例えば、より低い性能の装置をサポートするために修正された規格のバージョンに基づく)。したがって、純粋に参照および説明を補助するため、第1のクラスの装置および第1のキャリアは、いくつかの例では、レガシー装置およびレガシーキャリアと呼ばれ得る。一方、第2のクラスの装置および第2のキャリアは、いくつかの例で、DMN装置およびDMNキャリア(または、代替的に、MTC装置およびMTCキャリア)と呼ばれ得る。しかし、これらの用語は、2つのクラスの装置およびキャリアを区別するために、発明の実施形態の特定の実装の説明を容易にするためのラベルとして単に使用されることが理解されるであろう。したがって、「レガシー」という用語は、いずれの旧式の形式を示すものとして解釈されるべきではなく、実際、本明細書において、レガシー装置およびレガシーキャリアと呼ばれる装置およびキャリアは、例えば、Rel11以降の将来のLTE規格のリリースに準拠する装置およびキャリアに等しく対応し得る。同様に、既に述べたように、DMNは、基本的なメッセージングサービスのみを排他的にサポートするネットワークを指すと解釈されるべきでない。さらに、第2のクラスの装置および第2のキャリアは、本明細書において、第1のクラスの装置および第1のキャリアの動作規格に(例えば、性能が低減されていることから)完全には準拠しないものとして説明されるが、それでも固有の規格に準拠し得る。さらに、第1のクラスおよび第2のクラスの装置とキャリアとの両方に関して、本明細書に記載の機能性は、例えば、将来のLTE規格のリリースといった将来の規格の異なる態様に準拠し得る。
【0035】
図2は、どのようにレガシーキャリアおよびDMNキャリアがモバイル無線通信のための利用可能なスペクトル内の帯域幅を割り当てられ得るかを概略的に示す。この例では、レガシーキャリアは、20MHzの帯域幅を有し、DMNキャリアは、1.4MHzの帯域幅を有する。DMNキャリアは、周波数がより高く、2つのキャリアは、直接隣接しているわけではない。しかし、これは単に1つの例示的な構成を反映しており、他の実施形態は、利用可能なスペクトル内の異なるキャリア帯域幅および相対的なキャリアの配置を採用し得るということが、理解されるであろう。
【0036】
以下の説明の目的で、レガシーキャリアは、LTE Rel10のキャリアであり、DMNキャリアは、いくつかの態様がLTE Rel10のキャリアと共通しているが、DMNキャリアが主としてサポートしようとする特定のトラフィックタイプ(例えば、散発的なショートメッセージトラフィック)を考慮してDMNキャリアの動作を最適化するためにいくつかの態様が異なることが想定される。原則として、DMNは、レガシーネットワークとは動作の相互互換性も類似性もなく、根本的に異なる作法で動作するように構成され得る。しかし、レガシータイプのネットワークは、十分に規定されており、関連する動作上の態様の多くは最適化され、DMNキャリアに等しく適合される。DMNキャリアが既存のネットワークと同じ原理に少なくとも広く基づいていると、そうでない場合よりも、そのような新たなタイプのネットワークのロールアウト及び導入が容易にもなる。例えば、以下で説明する具体的な実施形態のいくつかでは、DMNネットワークおよびレガシーネットワークは、LTE Rel8/9/10のキャリアについて規定されたものと同じ同期信号構造および同じ物理ブロードキャストチャネル(PBCH)構造を共有することが想定される。しかし、DMNがその通常の動作の面でLTE Rel10のネットワークとどのように異なり得るのかという具体的な詳細は、以下に説明するキャンプオン手続きに著しい影響を与えるわけではない。
【0037】
キャンプオン中の正確なセル選択(つまり、レガシーキャリアとDMNキャリアとを選ぶこと)の問題には2つの側面があり、それらは順次説明される。第1の側面は、DMNキャリアへキャンプオンしようとするDMN装置によるセル選択に関し、第2の側面は、レガシーキャリアへキャンプオンしようとするレガシー装置によるセル選択に関する。
【0038】
<DMN装置によるキャリア選択>
図3Aは、発明の実施形態に係るDMN装置によって実行されるセル選択手続きのいくつかの態様を概略的に示すフロー図である。
【0039】
例えば、起動に引き続き、キャリアへのキャンプオンを試みるDMN装置は、その位置でブロードキャストされているPSSおよびSSSのシグナリングを識別し、復号することを試みる。DMN装置がPSSおよびSSSを用いてキャリアと同期すると、DMN装置は、フレームタイミングを判定し、続けてPBCHを復号して、そのキャリアについてのMIBを判定する。関連規格に記載される公知の作法でDMN装置がこの同期およびPBCH復号処理を実行し得るように、レガシーキャリアおよびDMNキャリアは、同じPSS、SSSおよびPBCH構造を採用することが、ここでは想定される。この同期およびPBCH復号ステップは、
図3AのステップA1によって表される。
【0040】
ステップA2において、DMN装置は、MIBでシグナリングされた情報からキャリア帯域幅(dl−帯域幅)を導出し、帯域幅がDMN装置の帯域幅の動作性能に互換性があるか否かを判定する。つまり、DMN装置は、その動作帯域幅(例えば1.4MHz)を認識し、この帯域幅と、DMN装置がキャンプオンを試みているシグナリングされたキャリアの帯域幅とを比較し得る。
図2に示される例示的な帯域幅の割当てを参照すると、DMN装置がレガシーキャリアに同期した場合、MIBでシグナリングされたdl−帯域幅は、20MHzのキャリア帯域幅を示し、DMN装置がDMNキャリアに同期した場合は、MIBでシグナリングされたdl−帯域幅は、1.4MHzのキャリア帯域幅を示す。
【0041】
ステップA2において、DMN装置が、シグナリングされたキャリア帯域幅はDMN装置の動作帯域幅よりも大きいと判定する場合、DMN装置は、レガシー装置向けのネットワークにキャンプオンを試みていると想定し、処理は、「Y」と記された分岐に従って、ステップA3に至る。ステップA3では、DMN装置は、現在のキャンプオン手続きを終了し、ステップA2に戻り、異なるキャリアと同期し、当該異なるキャリアについてのPBCHを復号することによって、別のキャリアへキャンプオンを試みる。
【0042】
しかし、ステップA2において、DMN装置が、シグナリングされたキャリア帯域幅は、DMN装置の動作帯域幅よりも大きくはないと判定する場合、DMN装置は、DMN装置用のネットワークへキャンプオンを試みていると想定し、処理は、「N」と記された分岐に従って、ステップA4に至る。ステップA4では、例えば、無線キャリアキャンプオン手続きについての概ね従来の技術に従って、キャンプオン手続きが継続する。
【0043】
そのため、
図3Aの処理の原理に従って、複数のキャリアの中からキャリアの選択を試みるあるクラスの装置は、キャリアのうちの1つと同期してそのキャリアについてブロードキャストされるマスタ情報ブロックでシグナリングされる情報から、キャリアについての動作帯域幅を判定し、キャリアについての動作帯域幅の値に基づいてそのキャリアの選択を進めるように、構成される。
【0044】
図3Bは、発明の別の実施形態に係るDMN装置によって実行されるセル選択手続きのいくつかの態様を概略的に示すフロー図である。
【0045】
図3BのステップB1は、上記の
図3Aの中の対応するステップA2に類似し、ステップA2から理解されるであろう。しかし、
図3Bの処理によれば、DMNキャリアは、キャリアがDMNに関連付けられているという特定の表示をブロードキャストするように構成され、キャリアへキャンプオンすることを望むみ得るDMN装置は、ネットワークの適合性の確認としてこの標識を探索するように構成される。例えば、DMN標識フラグは、LTE Rel8/9/10では予備であるMIBビットのうちの1つ(または1以上)(現在は、10ビットの予備がある)でシグナリングされ得る。これによって、DMN装置は、MIBの復号の直後に、キャンプオンを進めるか(否か)を決定することができる。別の例では、DMN標識フラグは、MIB自体ではシグナリングされずに、代わりに、予め定められた(または予め定められた方式によって(例えば、dl−帯域幅に基づいて)導出可能な)、例えばMIBに関する特定の時間/周波数または時間/周波数オフセットのような送信リソースで、ブロードキャストされ得る。
【0046】
したがって、ステップB2において、DMN装置は、キャリアがDMN標識/フラグをブロードキャストしているか否かを判定する。この例では、
図3Bに示されるように、DMNは、PBCH上のMIBでDMN標識をシグナリングするように構成されることが想定されるが、先に述べたように、フラグはPBCH外で同様にシグナリングされ得る。しかし、この点において発明のいくつかの実施形態の重要な態様は、キャリアのいずれかのシステム情報ブロック(SIB)の復号が必要である前に、DMN標識の存在はDMN装置によって導出可能であるということである。なぜならば、このことによって、DMN装置が「誤った」キャリアにキャンプオンを試みているか否かを判定する時間を減らすことができるからである。
【0047】
ステップB2において、DMN装置が、予め定められたDMN標識をキャリアが含まないと判定する場合、DMN装置は、レガシー装置用のキャリアにキャンプオンを試みていると想定し、処理は、「N」と記された分岐に従って、ステップB3に至る。ステップB3では、DMN装置は、現在のキャンプオン手続きを終了し、ステップB2に戻り、異なるキャリアと同期し、当該異なるキャリアについてのPBCHを復号することにより、別のキャリアへキャンプオンを試みる。
【0048】
しかし、ステップB2において、DMN装置が、キャリアは、想定したDMN標識を含むと判定した場合、DMN装置は、DMN装置用のキャリアにキャンプオンを試みていると想定し、処理は、「Y」と記された分岐に従って、ステップB4に至る。ステップB4では、例えば、無線キャリアキャンプオン手続きについての概ね従来の技術に従って、キャンプオン手続きが継続する。
【0049】
そのため、
図3Bの処理の原理に従って、複数のキャリアの中からキャリアの選択を試みるあるクラスの装置は、そのキャリアのうちの1つと同期し、ネットワークはそのクラスの装置によって選択されるのに適切であることを示す標識をそのキャリアがブロードキャストしているかを判定するように、構成される。ネットワークが適切であるクラスの装置の標識は、装置がいずれかのSIBを復号する前に通信され得る。例えば、標識は、PBCHに含まれ、または、関連するクラスの装置用のキャリアで標識を通信するために確保された特定または導出可能な送信リソースに含まれ得る。
【0050】
発明の実施形態の例示的実装は
図3Aおよび
図3Bの態様をともに組み合わせ得るということが、理解されるであろう。例えば、両手続きを順次実装することによって、よりロバストなキャリア選択方式がDMN装置に提供され得る。例えば、
図3Bを参照して説明された処理の態様は、相対的に小さい帯域幅を有するレガシーキャリアが存在する場合にキャリア間を区別することを支援するために、
図3Aを参照して説明された処理に基づく実装に組み込まれ得る。
【0051】
<レガシー装置によるキャリア選択>
原則として、DMN装置によるキャリア選択に関連して以上で説明したようなものに類似した技術は、レガシーキャリアへキャンプオンを試みる装置に関して同様に適用され得る。しかし、ここでの問題は、上記のDMN装置のキャリア選択メカニズムが、LTE Rel8/9/10のような関連規格で現在規定されるものからDMN装置/キャリアのために修正された挙動にある程度依存していることである。例えば、
図3Bに関連して上述した種類の装置クラスの標識をユーザ端末が探索するための規定、または
図3Aに関連して上述したようなMIBでシグナリングされたdl−帯域幅の値に基づいてキャンプオンの挙動を修正するための規定は、現在の規格にはない。したがって、レガシー装置またはキャリアにおける挙動またはシグナリングの修正を要求することなく、DMNキャリアが存在しても、既存の規格に準拠するレガシー装置がレガシーキャリアを正確に選択することを支援するために、異なるアプローチが以下に提案される。
【0052】
この観点から、レガシー装置がレガシーキャリアにキャンプオンするための処理は、全体的に従来の作法で進行し得る。以下で説明されるメカニズムは、レガシー装置がDMNキャリアへキャンプオンを試みることを妨げる手続きに主に焦点を当てる。さらに、これは、少なくともいくつかの実施形態では、レガシー装置をキャンプオン手続きの早期にDMNキャリアから排除する目的で行われる。
【0053】
原則として、DMNキャリアがLTE Rel8/9/10に準拠しない新しい同期シグナリング方式を採用し得る。それにより、レガシー装置は、DMNキャリアへのキャンプオンの開始を試行することすらできなくなり得る。しかし、先に述べたように、レガシーキャリアとDMNキャリアとの基本的なレベルの互換性を維持することが好ましくあり得る理由が存在する。このことを念頭に、DMNキャリアは、原則として、例えばLTE Rel8/9/10といった既存のキャンプオン手続きに完全に準拠するキャンプオン手続きを採用することが可能であり、レガシー装置をレガシーキャリアに再度向ける前に、レガシー装置は、通常の手法でDMNにおける登録を完了することができる。しかし、これは、DMNおよびレガシーネットワークのトラフィックパターンの異なる特徴および装置要求を考慮すると、DMN装置についてのキャンプオン手続きを最適化することを可能にするための柔軟性を減少させる。つまり、このアプローチは、いくつかの実装について望まれ得るよりもレガシーキャリアとのより多くの互換性をサポートすることをDMNキャリアに要求し得る。さらに、レガシー装置が離れる前にDMNキャリアについてのキャンプオン手続きを完了させることを可能にすることは、DMNについての全体のシグナリングの負荷の増加、及び登録手続きの遅延につながる。これは、ユーザにとって苛立たしい(frustrating)ものであり得る。
【0054】
したがって、いくつかの場合において、どの程度、DMNがレガシーネットワークに準拠する/後方互換性を有することが望まれる程度に従って(つまり、それぞれのクラスの装置についてのそれぞれのキャリアの間で互換性が望まれる度合いに基づいて)、キャンプオン手続きの異なる段階でレガシー装置のDMNキャリアへのキャンプオンを妨げることが好ましくあり得るということを、発明者は認識している。したがって、第2のクラス/タイプの装置(例えば、DMN/MTCタイプの装置)による使用を主に意図するキャリアに第1のクラス/タイプの装置(例えば、レガシー装置)がキャンプオンすることを、キャンプオン手続きの異なる段階で、特にLTE Rel8/9/10に準拠するユーザ端末が従うキャンプオン手続きの異なる段階で妨げるための、様々な異なるメカニズムを、発明者は確立している。
【0055】
したがって、これらキャンプオン/セル選択手続きに準拠するクラスの装置がDMNのキャンプオン/セル選択手続きを完了させることを妨げるために、LTE Rel8/9/10のキャンプオン手続きの異なる段階で使用され得る様々な異なる技術を発明者は確認している。これらの異なる技術は、概ね、キャンプオン手続きに適用され得るのが早い順序で、以下に説明される。これらの技術のうちの様々な技術は、個別に使用され、または、レガシー装置がDMNキャリアにキャンプオンすることを妨げるための複数の異なる手法を提供するために、必要に応じて上記技術のうちの他の技術との組合せで使用され得る。
【0056】
異なる技術は、説明の目的から、概ね3つのグループに分類されると考えられ得る。グループは、(1)物理層チェック、(2)システム情報ブロック1(SIB1)チェック、および(3)初期アクセスチェックと呼ばれ得る。異なる技術が概ねこの順序で以下に説明される。これらの技術を説明する際に、従来のキャンプオン手続きの様々な態様が参照され、LTE Rel8/9/10の確立されたセル選択/キャンプオン手続きを参照することによって、具体的な実施形態がこの観点で例示される。LTE Rel8/9/10に関連する一般的なセル選択手続き、および関連する用語ならびに頭字語は、周知であり、関連規格において十分に定義されているため、簡潔にするために、ここでは詳細には説明しない。以下に説明される実施形態の大部分では、レガシー装置/キャリアは、LTE Rel8/9/10の確立されたセル選択/キャンプオン手続きに従うように構成され、DMN装置/キャリアも、所望の挙動を起こすための修正/変更を伴うが、同じ一般的原理およびそれらセル選択/キャンプオン手続きの段階に従うように構成される、ということが想定される。特に、以下の実施形態の説明は、レガシー装置のキャンプオン手続きとは異なる手法で振るまうことをレガシー装置に要求せずに、レガシー装置がDMNキャリアにキャンプオンすることを妨げるために、DMNキャリアについてのセル選択/キャンプオン手続きがレガシーキャリアについてのセル選択/キャンプオン手続きとどのように異なり得るのかということに焦点を当てる。
【0057】
<レガシー装置によるキャリア選択のための物理層チェック>
レガシー装置のDMNキャリアへのキャンプオンを妨げる支援をする1つのメカニズムは、DMNキャリアのMIB(PBCHが)がレガシーキャリアのMIB(PBCH)と比べて異なるやり方で符号化/スクランブルされるように、DMNキャリアを構成することである。ここで、レガシーキャリアおよびDMNキャリアが同じ同期シグナリング手続き(例えば、PSSおよびSSS)を採用することによって、両クラスの装置は例えばLTE Rel8/9/10に定義される同期手続きに従って両方のタイプのキャリアに同期できると想定する。しかし、DMNキャリア上のMIBについての異なる符号化は、レガシー装置の、このMIBへアクセスする能力を妨げる。したがって、装置に依存した回数の試行後、装置は、この状況下でLTE Rel8/9/10の装置について定義された挙動に従ってその特定のキャリアについてのキャンプオン手続きを終了し、別のキャリアを探索する。一方で、DMN装置は、異なるやり方で符号化/スクランブルされたDMNキャリアのMIBを復号可能なように構成され得る。それにより、DMN装置は、MIBを復号し、キャンプオン手続きを進めることができる
【0058】
いくつかの実装では、DMN装置は、レガシーキャリアのMIBではなく、DMNキャリアのMIBを復号する能力(例えば、関連する復号方式の知識)を有するように構成され得る。したがって、このメカニズムは、両クラスの装置が「誤った」タイプのキャリア(つまり、主に他方のクラスの装置用のキャリア)にキャンプオンすることを妨げるために使用され得る。他の実装では、DMN装置は、レガシーキャリアとDMNキャリアとの両方のそれぞれのMIBを復号できるように構成され得る。これによって、例えば、DMN装置は、適切なDMNキャリアが利用可能でない場合、レガシーキャリアをフォールバックとして使用することが可能となる。例えば、DMN装置は、まず、MIBについてのDMN符号化方式を想定してセル選択を実行することによって、DMNキャリアへキャンプオンすることを試みるように構成され得る。そして、DMN装置は、所定の時間または所定の回数の試行の後、DMNキャリアへキャンプオンすることに成功しない場合、レガシーキャリアへのキャンプオンを試みるように戻り得る。
【0059】
図4Aは、レガシー装置が、妨げられる(frustrated)MIB取得アプローチに従って、レガシータイプキャリアとDMNタイプキャリアとの両方を含む通信システムにおいてキャリアへキャンプオンを試みる際、どのように振るまい得るか、といういくつかのステップを概略的に示すフロー図である。
【0060】
キャリアへキャンプオンを試みるレガシー装置は、例えば、起動に引き続き、その位置でブロードキャストされるPSSおよびSSS信号を識別し、復号することを試み得る。先に述べたように、ここでは、レガシー装置が両方のタイプのキャリアに同期可能なように、レガシーキャリアおよびDMNキャリアが、互換性のある同期シグナリングを使用することが、想定される。この同期ステップは、
図4AのステップC1によって表される。
【0061】
ステップC2において、レガシー装置は、PBCHを復号し、MIBを読み込むことを試みる。
【0062】
例えば、キャリアが、レガシー装置の動作規格によって規定されるものとは異なるPBCH符号化方式を実装するDMNキャリアであるために、ステップC2においてレガシー装置がMIBを読み込むことに失敗した場合、レガシー装置は、LTE Rel8/9/10規格に従って、現在のキャリアにキャンプオンするという試行を終了する。これは、ステップC3へと至る、「N」と記された処理分岐によって、
図4Aに概略的に表される。ステップC3では、装置は、現在のキャンプオン手続きを終了し、別のキャリアへのキャンプオンを試みる。
【0063】
しかし、レガシー装置がステップC1において同期したキャリアがレガシーキャリアである場合、装置は、(無関係な問題は存在しないと想定して)通常の方法でステップC2においてPBCH上のMIBを復号することが可能であり、処理は、「Y」分岐に従って、ステップC2からステップC4まで至る。ステップC4では、装置のキャンプオン手続きは、従来技術に従って継続し得る。
【0064】
そのため、
図4Aの処理の原理に従って、通信システムは、2つのクラスの装置をサポートする2つのタイプのキャリアを含み、2つのタイプのキャリアについての同期手続きは、互いに互換性を有するが、各キャリアについてのマスタ情報ブロックを読み込む手続きに互換性はない。したがって、第1のクラスの装置は、両方のタイプのキャリアに同期することができるが、2つのタイプのキャリアの一方についての、キャリア帯域幅、システムフレーム番号、およびPHICH構成などの基本的なキャリア情報を読み込むことはできず、このキャリアについてのキャンプオン手続きの完了を妨げられる。重要なことに、これは、キャンプオン手続きの早期の段階で達成され、第1のクラスの装置の挙動にいずれの修正も必要とせず達成可能である。
【0065】
レガシー装置がDMNキャリアへキャンプオンすることを妨げる支援をする別のメカニズムは、PCFICHが、レガシーキャリアのPCFICHと比較して、異なるやり方で符号化/スクランブルされるように、DMNキャリアを構成することである。そのような場合、レガシーキャリアおよびDMNキャリアは、同じ同期シグナリング手続きおよびPBCH符号化を採用し得る。そのため、両方のクラスの装置は、例えば、LTE Rel8/9/10の定義された同期手続きに従って、両方のタイプのキャリアに同期し、それぞれのMIBを読み込むことができる。しかし、DMNキャリア上のPCFICHについての異なる符号化は、キャンプオン手続きのこの段階を越えて進むというレガシー装置の能力を阻害する。一方で、DMN装置は、DMNキャリアの修正されたPCFICHを復号できるように構成され、そのため、DMN装置は、PCFICHを復号し、キャンプオン手続きを進めることができる。いくつかのケースでは、DMNキャリアのPCFICHがレガシーキャリアと同じ手法で符号化され得るが、DMNキャリアについての制御フォーマット標識(CFI)は、レガシー装置が読み込み可能である予め定められた値を採用し得るが、これによって、レガシー装置は、キャンプオン手続きを進めることを妨げられる。例えば、DMNキャリアは、レガシーキャリアの確保されたCFI、例えば全てゼロに対応するCFIコードワードを採用し得る。
【0066】
上述のPBCH上のMIBに関して、同じ理由から、いくつかの実装では、DMN装置は、DMNキャリアのPCFICHのみを正確に復号できるように構成され得る。他の実装では、DMN装置は、レガシーキャリアとDMNキャリアとの両方のそれぞれのPCFICHを正確に復号できるように構成され得る。
【0067】
図4Bは、レガシー装置が、苛立たしいPCFICH復号アプローチに従って、レガシータイプキャリアとDMNタイプキャリアとの両方を含む通信システムにおいてキャリアにキャンプオンを試みる際、どのように振るまい得るか、という、いくつかのステップを概略的に示すフロー図である。
【0068】
キャリアへキャンプオンすることを試みるレガシー装置は、例えば、起動に引き続き、その位置でブロードキャストされるPSSおよびSSS信号を識別し、復号することを試みる。先に述べたように、ここで、レガシー装置が両方のタイプのキャリアに同期可能なように、レガシーキャリアおよびDMNキャリアが、互換性のある同期シグナリングを使用することが、想定される。この同期ステップは、
図4Bの中のステップD1によって表される。
【0069】
キャリアと同期した後、レガシー装置は、PBCHを復号し、キャリアのMIBを読み込むことを試みる。先に述べたように、この例では、レガシーキャリアおよびDMNキャリアが互換性のあるPBCH符号化を使用し、そのため、レガシー装置は、両方のタイプのキャリアのMIBを読み込むことができると、想定される。このPBCH復号ステップは、
図4Bの中のステップD2によって表される。
【0070】
ステップD3において、レガシー装置は、PCFICHの復号し、CFIを読み込むことを試みる。
【0071】
ステップD3において、例えば、キャリアは、レガシー装置の動作規格によって規定されるものとは異なるPCFICH符号化方式を実装するDMNキャリアであるために、レガシー装置がCFIの読み込みに失敗した場合、レガシー装置は、LTE Rel8/9/10規格に従って、現在のキャリアへキャンプオンする試行を終了する。これは、ステップD4へと至る「N」と記された処理分岐によって、
図4Bに概略的に表される。ステップD4では、上記装置は、現在のキャンプオン手続きを終了し、別のキャリアへキャンプオンを試みる。
【0072】
しかし、レガシー装置がステップD1において同期したキャリアがレガシーキャリアである場合、当該装置は、(無関係な問題は存在しないと想定して)通常の手法で、ステップD3においてPCFICH上のCFIを判定することが可能であり、処理は、「Y」分岐に従って、ステップD3からステップD5まで至る。ステップD5では、装置のキャンプオン手続きが従来の技術に従って継続し得る。
【0073】
そのため、
図4Bの処理の原理に従って、通信システムは、2つのクラスの装置をサポートするための2つのタイプのキャリアを含む。両方のタイプのキャリアについての同期手続きおよびMIBの符号化には、互いに互換性があるが、使用可能なCFI(つまり、キャンプオン手続きが進むことを可能にするという意味で使用可能)を判定するための手続きには、互換性がない。したがって、第1のクラスの装置は、両方のタイプのキャリアに同期可能であり、キャリア帯域幅のような2つのタイプのキャリアについての基本的なキャリア情報を読み込み可能であるが、第1のクラスの装置は、一方のタイプのキャリアについての制御フォーマットの表示を読み込むことができない。これは、CFIを通信するために異なる符号化/スクランブル方式をこのキャリアが使用するためであるか、または、キャリアが第1のクラスの装置についての確保された(つまり、使用可能ではない)標識である制御フォーマット標識を採用するためである。一方で、第2のクラスの装置は、PCFICHを正確に復号する/使用可能なCFIを判定するように構成され得る。それによって、第2のクラスの装置は、第2のタイプのキャリアへのキャンプオンを進めることが可能となる。例えば、第2のクラスの装置は、第2のタイプのキャリア上のCFIについて、異なる符号化方式を考慮するように構成され得る。あるいは、CFIが、同じ手法で符号化されているが、第1のクラスの装置の確保されたコードワードに設定されている場合には、第2のクラスの装置は、確保された値の検出に引き続き、有効なCFIを判定するように構成され得る。例えば、DMNキャリアは、固定された制御フォーマットによって動作するように定義され得る。そのため、真のCFIが実際に予め定められる。あるいは、DMNキャリアは、CFI情報を通信して、DMNキャリアのために新たに定義された別個の信号でキャリアをDMNキャリアとして示すために最初に使用された確保された値を置き換えるように、構成され得る。
【0074】
LTEに準拠するレガシー装置がDMNキャリアへキャンプオンすることを妨げる支援をする別のメカニズムは、DMNキャリア上のシステム情報ブロックタイプ1(SIB1)をレガシー装置が復号できないように、DMNキャリアを構成する。LTE Rel8/9/10についての確立されたキャンプオン手続きに従って、SIB1を取得できない装置は、セルをバーリングされたものとして扱い、セル再選択を実行する。一方で、DMN装置は、DMNキャリア上の修正されたSIB1を読み込めるように構成され、キャンプオン手続きを進めることができる。
【0075】
例えば、LTE Rel8/9/10に従って、SIB1は、MIBで送信されるシステムフレーム番号に関連する特定回数、ダウンリンクキャリア上で送信される。しかし、使用される特定の周波数リソースおよびトランスポートブロックサイズは、CRCがシステム情報(SI)RNTI(Rel8/9/10では全て1(FFFF))でスクランブルされた従来の作法で、PDCCHシグナリングを使用してシグナリングされる。したがって、レガシー装置がDMNキャリア上のSIB1を正確に取得することを妨げるために、DMNキャリア上でのSIB1のシグナリングがレガシーキャリアに比べて修正され得る、多くの方法がある。例えば、DMNキャリア上のSIB1についてのPDCCHは、レガシーキャリアのSIB1についてのPDCCHと比較して、(システムフレーム番号に関連する)異なる回数送信され得る。あるいは、または加えて、異なるPDCCHフォーマットが、2つの異なるタイプのキャリア上のSIB1のために使用されて、レガシー装置がDMNキャリアについてのPDSCH上のSIB1の内容を取得することが妨げられ得る。例えば、異なるCRCスクランブル、または、他の異なる符号化手続き/スクランブル手続きが、使用され得る。
【0076】
これら全ての技術に共通して、DMN装置は、両方のタイプのキャリアまたはDMNキャリアのみにキャンプオンできるように構成され得る。例えば、DMN装置は、DMNキャリアのSIB1を取得できるが、レガシーキャリアではSIB1を取得できないように、構成され得る。したがって、他の技術と同様に、このメカニズムは、一方のクラスの装置が「誤った」タイプのキャリア(つまり、主に他方のクラスの装置用のキャリア)にキャンプオンすることを妨げるために使用され得る。他の実装では、DMN装置は、レガシーキャリアとDMNキャリアとの両方についてのSIB1を取得できるように構成され得る。このことによって、例えば、DMN装置は、適切なDMNキャリアが利用可能でない場合、レガシーキャリアをフォールバックとして使用することが可能となる。
【0077】
いくつかの点において、DMNキャリアにキャンプオンを試みるレガシー装置についてのSIB1の取得を妨げることに基づくアプローチは、本明細書において述べた他の技術のいくつかと比べて、より多くの待ち時間をもたらし得る。なぜならば、レガシー装置が、SIB1を取得することができないと判断し、セル再選択を実行する前に、遅延がもたらされ得るからである。一方で、DMNキャリアの設計の観点から、SIB1が後方互換的な作法でシグナリングされる必要はない。
【0078】
図4Cは、この妨げられるSIB1の取得アプローチに従って、レガシータイプキャリアとDMNタイプキャリアとの両方を含む通信システムにおいてキャリアにキャンプオンを試みる際に、レガシー装置がどのように振るまい得るか、という、いくつかのステップを概略的に示すフロー図である。
【0079】
キャリアへキャンプオンを試みるレガシー装置は、例えば、起動に引き続き、その位置でブロードキャストされるPSSおよびSSS信号を識別し、復号することを試みる。やはり、ここで、レガシー装置が両方のタイプのキャリアに同期可能なように、レガシーキャリアおよびDMNキャリアが、互換性のある同期シグナリングを使用するということが、想定される。この同期ステップは、
図4Cの中のステップE1によって表される。
【0080】
キャリアと同期した後、レガシー装置は、PBCHの復号して、キャリアのMIBを読み込むことを試みる。やはり、この例では、レガシーキャリアおよびDMNキャリアが、互換性のあるPBCH符号化を使用し、そのため、レガシー装置は、両方のタイプのキャリア上のMIBを読み込むことができることが、想定される。このPBCHの復号ステップは、
図4Cの中のステップE2によって表される。
【0081】
MIBを得た後、レガシー装置は、PCFICHを復号して、キャリアのCFIを読み込むことを試みる。この例では、レガシーキャリアおよびDMNキャリアは、互換性のあるPCFICH符号化を使用し、そのため、レガシー装置が、両方のタイプのキャリア上のCFIを読み込むことができることが、さらに想定される。このPCFICHの復号ステップは、
図4Cの中のステップE3によって表される。
【0082】
ステップE4において、レガシー装置は、SIB1を取得することを試みる。
【0083】
ステップE4において、例えば、対応するPDCCHシグナリングが、期待される時間に存在しない、または、レガシー装置が期待するものとは異なるやり方で(例えば、異なるSI−RNTIを使用して)PDCCH情報が符号化されるため、レガシー装置がSIB1を取得することに失敗した場合、レガシー装置は、LTE Rel8/9/10規格に従って、現在のキャリアへキャンプオンする試行を終了する。このことは、ステップE5に至る「N」と記された処理分岐によって、
図4Cに概略的に表される。ステップE5では、上記装置は、現在のキャンプオン手続きを終了し、別のキャリアへキャンプオンすることを試みる
【0084】
しかし、レガシー装置がステップE1において同期したキャリアがレガシーキャリアである場合、上記装置は、通常の手法で、ステップE4において、SIB1を取得することができるであろう。そして、処理は、「Y」の分岐に従って、ステップE4からステップE6に至る。ステップE6では、レガシー装置のキャンプオン手続きが従来技術に従って継続し得る。
【0085】
そのため、
図4Cの処理の原理に従って、通信システムは、2つのクラスの装置をサポートするための2つのタイプのキャリアを含む。両方のタイプのキャリアについての同期手続きおよびMIBならびにCFI符号化は、互いに互換性を有するが、例えばSIB1のようなキャンプオン手続きを完了させるために要求されるシステム情報を取得する手続きには、互換性はない。したがって、第1のクラスの装置は、両方のタイプのキャリアと同期し、キャリア帯域幅、システムフレーム番号、および示される制御フォーマットのような2つのタイプのキャリアについてのキャリア情報を得ることができるが、第1のクラスの装置は、公衆地上移動性ネットワーク(PLMN)識別リストのようなキャリアについてのシステム情報を取得することができない。
【0086】
より一般的には、物理層チェックと呼ばれる上記技術は、2つのクラスの装置をサポートするための2つのタイプのキャリアを通信システムが含む技術として広く特徴付けられ得る。両方のクラスの装置が両方のタイプのキャリアについてのキャンプオン手続きを少なくとも開始できるように、上記2つのタイプのキャリアでは、それぞれのキャリアについてのキャンプオン手続きに関連付けられる物理層シグナリングの少なくとも初期の態様には、2つのタイプのキャリアについて互換性がある(例えば、互換性のある同期シグナリング)。しかし、少なくとも一方のクラスの装置が、一方のタイプのネットワークにキャンプオンできないように、上記2つのタイプのキャリアでは、2つのタイプのキャリアについてのキャンプオン手続きに関連付けられる物理層シグナリングの続く態様には、互換性がない(例えば、PBCH、PCFICH、またはSIB1取得)。
【0087】
<レガシー装置によるキャリア選択のためのシステム情報ブロック1(SIB1)>
物理層チェックと呼ばれる上記技術は、一般的に、物理層シグナリングのレベルで、2つのタイプのキャリア間に少なくとも部分的な非互換性を提供することを目的にしている。しかし、以下に説明する発明の他の実施形態に係る一群の技術は、レガシー装置がDMNキャリアのSIB1をうまく取得可能であり、レガシー装置がSIB1の内容に基づくキャンプオン手続きを完了させることを妨げるメカニズムを提供することを想定している。これらの技術は、ここでは、SIB1チェックと呼ばれる。上述の物理層チェックに基づく技術のいくつかと比較して、SIB1チェックに基づく技術のいくつかの潜在的な利点は、待ち時間を減少させるということにある。これは、いくつかのSIB1技術は、実際、レガシー装置に現在のキャンプオン手続きを継続すべきでないという積極的な判定を行う能力を提供することができるためであるが、物理層ベースの技術の多くは、何かが誤っているように思われるといったことから、レガシー装置に現在のキャンプオン手続きを中断させる。ある状況では、レガシー装置は、例えば、再試行スケジュールのために、中断するまでに相対的に多くの時間をDMNキャリアへのキャンプオンに費やし得る。このことは、レガシー装置のDMNキャリアへのキャンプオンの試みが全体的に速く可能になり、実際にキャンプオン手続きを終了すると積極的に判定できる段階に至る場合があることを意味する。
【0088】
そのため、以下の技術に従って、DMNキャリアは、少なくとも、レガシー装置がSIB1を取得できるようになる程度まで、SIB1の取得に伴う物理層シグナリングをサポートすることが、想定される。原則的に、DMNキャリアは、DMN装置のための異なるキャンプオン手続きをサポートすることに加えて、物理層シグナリングをサポートし得る。
【0089】
キャリアへキャンプオンを試みるレガシー装置によってSIB1の内容が復号されると、当該装置は、セルがバーリングされているか、使用中のPLMNのID、およびクローズド加入者グループ(Closed Subscriber Group)の詳細を判定することができる。これらの情報のいずれかが、以下にさらに説明されるように、レガシー装置のキャンプオン手続きを終了させるメカニズムとしてDMNキャリアにより使用され得る。
【0090】
このSIB1段階でDMNキャリア上でのレガシー装置のための試行されるキャンプオン手続きを休止する中で、レガシー装置は、キャンプオン手続きの中の相対的に早期にキャンプオン手続きを終了させられ得る。この早期のキャンプオン手続きの終了は、キャンプオン手続きがより速く終了することから生じ得るのみならず、レガシー準拠のSIBがDMNキャリアでさらに送信される必要がない。さらに、DMN特有のSIBは、後方互換性を有する(つまり、レガシー装置によって読み込み可能である)必要がないフォーマットで送信され得る。したがって、このアプローチでは、DMNキャリアは、限定的なレガシーLTEの機能性を特定のサブフレームに提供し得るに過ぎず、最小量の互換性を提供することによって、レガシーLTE装置は、SIB1の読み込み(およびキャンプオン試行破棄の決定)が可能となる。この点で、このアプローチは、レガシーキャリアとは実質的に異なる手法で動作し得るDMNキャリアについてレガシー装置にキャンプオン終了指示を通信する方法を提供するものとして、ある意味で考えることができる。例えば、これは、レガシー装置によって取得され得る後方互換性のSIB1をDMNキャリアが含み得るように、DMNキャリアのレガシーキャリアタイプのダウンリンク制御(つまり、PDCCH)の限定的な使用を通して達成され得る。そのようなレガシーPDCCHシグナリングは、SIB1がレガシーキャリアに存在すると期待されるサブフレームに対応するサブフレームに存在し得るに過ぎない。ある実装において、レガシー装置がさらなるSIBを読み込むことが要求される場合、レガシーPDCCHシグナリングも、それらさらなるSIBが存在するサブフレームに提供され得る。レガシーPDCCHシグナリングがDMNキャリアに提供されるサブフレームに、レガシーキャリアタイプの参照シンボル、PCFICH、およびPHICH(PHICHの場合、物理チャネルの位置のみが同じであり得、内容は異なり得る)を含むことも適切であり得る。他のサブフレーム(つまり、レガシー装置がキャリアを読み込む必要がないサブフレーム)には、レガシーPDCCHシグナリングがDMNキャリアに存在しない場合がある。例えばSIB1に関連するシグナリングのような、レガシー装置/キャリアとのある程度の互換性を提供するシグナリングを含むDMNキャリアのサブフレームも、レガシー装置との互換性があるシグナリングを含み得る。例えば、DMNキャリアは、レガシー固有のシグナリングおよび別個のDMN固有のシグナリングを同じサブフレーム内に含み得る。
【0091】
SIB1のチェックに基づく1つのアプローチは、WCDMA MBSFNおよびIMB MBSFNに採用されているようなセルのバーリングを用いて達成され得る。セルのバーリングは、DMNキャリアのSIB1にフラグを設定することによって実行され得る。したがって、DMNキャリアにキャンプオンを試みるレガシー装置は、セルはアクセスがバーリングされていると判定し、キャンプオン手続きを終了して、セル再選択を実行する。しかし、DMN装置が、セルのバーリングの表示のこの形式を無視するように構成されて、DMN装置は、キャンプオン手続きを進めることができ得る。このアプローチによって、さらなるセルバーリング標識フラグがDMNキャリアについて定義されて、(DMN装置は「従来の」セルバーリング標識を無視するように構成されるので)アクセスについてキャリアが本当にバーリングされているか否かをDMN装置に示し得る。
【0092】
そのため、セルのバーリングに基づくアプローチに従って、通信システムは、2つのクラスの装置をサポートするための2つのタイプのキャリアを含む。第1のクラスの装置は、両方のタイプのキャリアからシステム情報を取得するように少なくとも動作可能であるが、第2のタイプのキャリアは、対応するキャリアが利用可能であるか否かを第1のクラスの装置に示すセルバーリング標識を含み、第2のクラスの装置は、第1のクラスの装置に、対応するキャリアが利用可能であるか否かを示すセルバーリング標識を無視するように構成される。第2のタイプのキャリアは、第2のクラスの装置に、対応するキャリアが利用可能であるか否かを示すセルバーリング標識をさらに含み得る。つまり、第2のタイプのキャリアは、2つの異なるクラスの装置のために別個のセルバーリング標識を含み得る。
【0093】
DMNキャリアにキャンプオンを試みるレガシー装置によるキャンプオン手続きを終了させる他のアプローチは、装置のUSIM内に含まれる情報に基づいてもよく、例えば、PLMN識別および/または閉鎖加入者グループ(CSG)定義/メンバーシップに基づき得る。
【0094】
例えば、レガシーキャリアおよびDMNキャリアは、事業者によって、異なる公衆地上移動ネットワーク(PLMN)識別を割り当てられ得る。キャリアは、それぞれのPLMN IDをSIB1のplmn−IdentityList IEでブロードキャストするように構成され得る。このシナリオでは、DMN装置は、DMNキャリアにアクセスが可能なように構成され得る。また、レガシー装置は、そのようなアクセスが可能でないように構成され得る。
【0095】
実際に、特定の装置(例えば、レガシー装置)を特定のキャリア(例えば、レガシーキャリア)に関連付ける別の潜在的なアプローチは、CSG(Closed Subscriber Group)の基礎となっている原理を修正利用することによってなされる。現在、3GPP LTEフレームワーク内には、CSGの概念が存在する。CSGは、ネットワーク事業者によって、適切な管理手続きを通して維持される。各CSGは、CSG識別子(CSG_ID)を割り振られる。通信システム内では、加入者と、加入者がアクセス可能なCSGとの関係は、HSS/HLRの加入記録に保持され、識別は、端末装置のUSIMのIMSIに基づく。CSG_IDは、端末装置が、対応するCSGへのアクセスを割り振られた場合、個別の端末装置の記録に追加され得る。
【0096】
端末装置がアクセス可能なCSGのIDは、装置のUSIMに記録される。装置管理手続き(例えば、OMA DM(Open Mobile Alliance Device Management))を介して、又は、またはCSGについての手動探索の結果、およびアタッチ(アタッチ手続き中に、CSGにアクセスする装置の権利がHSS加入者記録からチェックされる)のようなNAS手続きの成功の結果として、CSG_IDがUSIMにロードされ得る。
【0097】
LTE Rel8/9/10でのCSGの主な用途は、Home (e)NodeBのような、いわゆるフェムトセルへのアクセスを制御することである。しかし、CSGタイプの機能性が使用されて、装置ID(IMSI)ではなく装置のクラスに基づく手法で、キャリア選択がより広く制御され得るということを、本発明者は認識している。
【0098】
従来のCSG動作に従って、CSGセルとして動作するように構成されているセルは、特定のCSGのIDを有するように構成される。セルは、セル/キャリアをCSGセル/キャリアとして識別するための標識と共に、CSG_IDをSIB1でブロードキャストする。
【0099】
CSGを認識する端末装置は、CSG標識ビットおよびSIB1のCSG_IDを読み込むと、そのCSG_IDが端末装置のCSGホワイトリストにある場合、RRC接続およびNASアタッチを試みるに過ぎない。特定のCSG_IDが装置のCSGホワイトリストにロードされ得るか否かは、IMSIによってインデックスが付されたHSSに保持される加入データによって判定される。したがって、その加入者識別(IMSI)に対応するUSIMが配置されるいずれの端末装置も、CSG_IDがそのIMSIについての加入者記録に記憶されるCSGのセルへのアクセスを有する。
【0100】
発明の実施形態によれば、新たなCSG装置タイプのフィールドが定義される修正CSG方式が提案される。このCSG装置タイプのフィールドは、関連付けられたキャリアへのアクセスが可能なクラスの装置を定義するために使用され得る。CSG装置タイプのパラメータは、従来のCSG_IDと共に、キャリア加入データに記憶され得る。CSG装置タイプのフィールドは、DMN端末装置に記憶されたCSGデータにも伝えられ得る。次いで、キャリアへのアクセスは、CSG_IDベースの制御と同じ原理に従って制限され得るが、代わりに、CSG装置タイプのパラメータに基づき得る。つまり、CSG装置タイプのフィールドに対応する装置性能を宣言する(例えば、そのような装置のタイプの1つは、「DMN装置」であり得る)、キャリアへキャンプオンを試みる装置のみである。この装置の性能の態様は、eNBに伝送された装置性能情報と、コアネットワークに伝送された性能情報とに含まれ得るので、無線アクセスネットとコアネットワークとの両方におけるチェックのために利用可能である。
【0101】
したがって、DMN装置は、接続を試行する前に、その装置性能およびいずれかのCSG_IDをチェックするように構成され得る。コアネットワークも、端末装置によって伝送された装置性能およびHSSの加入データに記憶されたCSG_ID/CSG装置タイプに基づいて、同じチェックを行い得る。
【0102】
このアプローチを利用するDMNキャリアへキャンプオンを試みるレガシー装置の応答を説明するために、具体的なシナリオを想定する。レガシー装置は、IMSI番号IMSI(1)に関連付けられたUSIMを有すると考える。さらに、IMSI(1)についての加入者データは、ID CSG_ID(1)を有するCSGへのアクセスが付与されており、「DMN Device」に設定されたCSG装置タイプのフィールドを有すると考える。レガシー装置がCSG_ID(1)をブロードキャストするキャリアを介して、アタッチを試みる場合、装置はそのCSGホワイトリストにCSG_ID(1)を発見し、それによって、キャンプオンを試みて、アタッチを試行する。しかし、アタッチ手続き中、装置は、当然、キャリアのCSG装置タイプに対応する装置性能を宣言しない。次いで、キャリアに関連付けられたコアネットワークは、レガシー装置によって提供されたCSG情報に対して、加入チェックを行い、そのCSGへのアクセスが性能「DMN装置」を宣言する装置のために確保されていることを認識し、それによって、レガシー装置によるアクセスは拒まれるはずである。(既存の手続きを利用する)コアネットワークは、したがって、特定の拒絶要因値が「このCSGについて認証されていない」ことを示すNAS拒絶メッセージをレガシー装置に伝送し得る。次いで、レガシー装置は、そのCSG_IDを、レガシー装置のUSIMに記憶されたAllowed CSG List(ホワイトリスト)から取り除くことを要求される。したがって、レガシー装置がそのCSG_IDを有するキャリアへのキャンプオンを再試行する場合、CSG_IDは、もはやレガシー装置のCSGホワイトリストになく、端末装置は、そのキャリアへのキャンプオンの試行を中止し、そのセルを介したアタッチすら試行しない。
【0103】
したがって、CSG加入情報に「Device Type」の態様を導入することによって、アクセスはUSIMおよび装置のクラスの組合せに基づき得るが、それは、(1)CSG−IDが、USIMのIMSIに対応して、HSSの加入データにある場合、および(2)装置が、新たなCSG加入データフィールド「CSG Device Type」に記憶されるものに対応する装置性能を宣言する場合に初めて、任意の組合せがCSGセルを介してネットワークにアクセス可能であるという意味である。
【0104】
<レガシー装置によるキャリア選択のための初期アクセスチェック>
SIB1の取得に引き続き、LTE Rel8/9/10の従来のキャンプオン手続きにおける動作の次の局面は、SIB2の取得および処理(SIB2についてのスケジューリング情報がSIB1でブロードキャストされる)である。DMNキャリアおよびレガシーキャリアが十分に互換性を有し、レガシー装置がDMNキャリアからSIB1を取得することができ、レガシー装置がSIB1の内容に基づいてキャンプオン手続きを終了させられない通信システムにおいて、SIB2の取得および処理は、レガシー装置が現在のキャリアについてのキャンプオン手続きを中断するよう促され得る別の段階を提供する。
【0105】
例えば、LTE Rel8/9/10に従って、SIB2は、アクセスクラスバーリング(ACB:access class barring)パラメータを提供する。発明の実施形態に係るDMNキャリアは、拡張アクセスバーリング(EAB:extended access barring)パラメータと呼ばれ得る追加の特別化されたACBパラメータを含むよう構成され得る。DMN装置は、これらのEAPパラメータを探索するように構成され得る。また、EABパラメータが存在し、装置に適用可能な場合は、EABパラメータは、ACBパラメータに優先(override)し得る。レガシー装置は、ACBパラメータを認識するのみであるが、DMN装置は、EABパラメータの読み込みおよび解釈も可能である。したがって、DMNキャリアのSIB2がアクセスクラスバーリングパラメータと拡張アクセスバーリングパラメータとの両方を含む場合、ACBパラメータは、レガシー装置をバーリングするように設定され得る一方で、EABパラメータ(DMN装置によって読み込まれる)は、装置からのアクセスを許可するように設定され得る。
【0106】
アクセスクラスバーリングの性質は、端末装置が、RRC接続の確立を試行し得るか否かを決定した場合、確立の初期段階で効果を生じるというものである。したがって、このタイプのレガシー装置のキャンプオン手続きを制御するアプローチは、「初期アクセスチェック」と呼ばれ得る。端末装置が、例えばSIB2のACBパラメータに基づいて、初期アクセスチェックを実行する際に、端末装置がバーリングされると判定した場合、装置は、アクセスの試行を中止し、任意の時間期間、さらなるアクセスの試行を控える。したがって、このアプローチは、レガシー装置のDMNキャリアへのキャンプオンを妨げ得るが、レガシー装置にセル再選択を実行させるためには、さらなるステップが必要となる場合がある。
【0107】
<結論>
図5は、上記発明の実施形態のいずれかを実装するためのモバイル通信システム50の要素を概略的に表す。システムは、第1のキャリア60を用いて、第1の端末装置(UE)56と通信する第1の基地局(eNodeB)52と、第2のキャリア66を用いて、第2の端末装置(UE)58と通信する第2の基地局(eNodeB)54とを含む。参照番号62によって識別される要素によって、
図5に概略的に示されるように、第2の端末装置/ユーザ機器58は、第1の基地局/eNodeB52からキャリア62も受信可能であり、参照番号64によって識別される要素によって、
図5に概略的に示されるように、第1の端末装置/ユーザ機器56は、第2の基地局/eNodeB54からキャリア64も受信可能である。したがって、発明の実施形態に従って、第1の基地局52、第1のキャリア60、62、および第1の端末装置56は、レガシーネットワークに関連付けられ得、第2の基地局54、第2のキャリア64、66、および第2の端末装置58は、DMNネットワークに関連付けられ得る。発明の実施形態は、システム50の関連要素を適切に構成することによって実装され得、例えば、適切なソフトウェアの修正によって、上記機能性を提供し得る。
【0108】
さらに一般的には、上記異なるタイプのキャリアをサポートするハードウェアは、例えば、スクランブル/符号化手続きに関する適切な構成変更を除いて、概ね従来のものであり得、所与の実装についての所望の機能性をサポートし得るということが、理解されるであろう。第1のタイプおよび第2のタイプのキャリアは、実質、全体的に互いに独立したものであり得る場合があり、例えば、実際に、概略的に
図1に示されるタイプの2つ(または2以上)の別個のネットワークアーキテクチャは、2つ(または2以上)の異なるタイプのキャリアをサポートするように展開され得る。他の例では、複数の異なるタイプのキャリアをサポートするハードウェアのアーキテクチャに、ある程度、または完全な重複がある場合がある。例えば、
図1に示される類の個別のeNode−Bは、両方のキャリアを同時にサポートするように構成され得る。
【0109】
したがって、異なるクラスの装置によるキャンプオン手続きの異なる段階でのキャリア選択を制御するための多数の異なる技術が説明された。特に、より新しいタイプの装置をサポートするより新しいタイプのキャリアが、より古いタイプの装置をサポートするより古いタイプのキャリアと並行して、通信システムにどのように含まれ得るか、ということが示された。また、より古いタイプの装置のために定義された挙動の変更を必要とすることなく、より古いタイプの装置によるより新しいタイプのキャリアへのアクセスが制御されることを可能にし、また、より古いタイプのキャリアの変更を必要とすることなく、より新しいタイプの装置によるより古いタイプのキャリアへのアクセスが制御されることを可能にしつつ、より古いタイプのキャリア/装置とより新しいタイプのキャリア/装置との間のある程度の互換性を許可する手法で、どのようにこれ(より新しいタイプのキャリアをより古いタイプのキャリアと並行して通信システムに含めること)が行われ得るか、ということが示された。
【0110】
添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲を逸脱することなく、上記実施形態に様々な改変がなされ得るということが、理解されるであろう。特に、発明の実施形態は、LTEモバイル無線ネットワークを参照して説明されたが、本発明は、GSM、3G/UMTS、CDMA2000などのような他の形態のネットワークに適用可能であるということが、理解されるであろう。本明細書で使用されたMTC端末という用語は、ユーザ機器(UE)、モバイル通信装置、モバイル端末などと置き換え可能である。さらに、基地局という用語は、e−nodeBと交換可能に使用されたが、それらのネットワークエンティティに機能性の違いはないことを理解されたい。
【0111】
本発明のさらなる具体的で好ましい態様が添付の独立請求項および従属請求項に記載される。従属請求項の特徴は、特許請求の範囲に明示的に記載されたものを除いた組合せで、独立請求項の特徴と組み合わせられ得るということが、理解されるであろう。