特許第5964426号(P5964426)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964426
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】脂肪酸シンターゼ阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 498/10 20060101AFI20160721BHJP
   A61K 31/5386 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20160721BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160721BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   C07D498/10 SCSP
   A61K31/5386
   A61P35/00
   A61P35/02
   A61P43/00 111
   A61K45/00
【請求項の数】17
【全頁数】132
(21)【出願番号】特願2014-526199(P2014-526199)
(86)(22)【出願日】2012年8月16日
(65)【公表番号】特表2014-521748(P2014-521748A)
(43)【公表日】2014年8月28日
(86)【国際出願番号】US2012051064
(87)【国際公開番号】WO2013028447
(87)【国際公開日】20130228
【審査請求日】2015年6月18日
(31)【優先権主張番号】61/525,402
(32)【優先日】2011年8月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/663,124
(32)【優先日】2012年6月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513110104
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン、インテレクチュアル、プロパティー、ナンバー2、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLAXOSMITHKLINE INTELLECTUAL PROPERTY NO.2 LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100107342
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 修孝
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100137497
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 未知子
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン、マイケル、ゲルグロビッチ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、リー、ムーア
(72)【発明者】
【氏名】シンシア、アン、パリッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ランス、ハワード、リッジャーズ
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ホンギ
【審査官】 黒川 美陶
(56)【参考文献】
【文献】 特表平11−512723(JP,A)
【文献】 特表2006−512404(JP,A)
【文献】 特表2013−542960(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/058322(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/075070(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0055244(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0223808(US,A1)
【文献】 米国特許第04353900(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中、
は、フェニル、5もしくは6員環ヘテロアリール、ナフチル、9もしくは10員環ヘテロシクリルであり、ここで、前記フェニル、5もしくは6員環ヘテロアリール、ナフチル、9もしくは10員環ヘテロシクリルは、置換されていてよいC‐Cアルキル;−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)(フェニル)、−C(=O)OC‐Cアルキル、−C(=O)OH、−C(=O)NR、−O(C‐Cアルキル)NR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、ハロゲン、C‐Cアルコキシ、C‐CシクロアルキルC‐Cアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NRC(=O)C‐Cアルキル、−NRC(=O)NR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、およびRからなる群から独立して選択される1から3つの置換基により置換されていてよく;
は、水素、C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキル、フェニル、および−C‐Cアルキルフェニルからなる群から選択され;
は、水素、C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、または−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキルであり;
あるいは、RおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、酸素、窒素、または硫黄であるさらに1個のヘテロ原子を含有してよく、オキソまたはC‐Cアルキルにより、独立して、1または2回置換されていてよい、3から7員環の飽和環を表し;
は、水素またはメチルであり;
は、酸素、窒素、および硫黄から選択される1から4個のヘテロ原子を含有し、ハロゲン、C‐Cアルキル、CF、C‐Cアルコキシ、および−NRから選択される1または2つの置換基により置換されていてよい、5または6員環のヘテロアリール環であり;
各Rは、ハロゲン、C‐Cアルキル、ヒドロキシル、およびC‐Cアルコキシからなる群から選択され;
は、C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、ヒドロキシC‐Cアルキル−、およびC‐Cヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、前記C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、ヒドロキシC‐Cアルキル−、およびC‐Cヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、C‐Cアルキル、−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)(フェニル)、−C(=O)OH、−C(=O)OC‐Cアルキル、−C(=O)NR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐Cアルコキシ、C‐Cシクロアルコキシ、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NHC(O)C‐Cアルキル、−NHCONR、−NHSO‐Cアルキル、および−NHSONRからなる群から独立して選択される1から4つの置換基により置換されていてよく;
各RおよびR4aは、水素、ハロゲン、C‐Cアルキル、ヒドロキシル、またはC‐Cアルコキシから独立して選択され;
ここで、RおよびR8aは、水素、重水素、シアノ、置換されていてよいC‐Cアルキル、−C‐Cアルキルヒドロキシ、C‐Cアルコキシ、−C‐Cアルキル(=O)OH、−C‐Cアルキル(=O)OC‐Cアルキル、−C‐Cアルキル(=O)NR、−C‐Cアルキル(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルSO‐Cアルキル、−SO‐Cアルキル、−C‐CアルキルSONR、−SONR、−C‐CアルキルNR、−C‐CアルキルNRSO‐Cアルキル、−C‐CアルキルNRSONR、−C‐CアルキルNRC(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルNRC(=O)NR、C‐Cアルキル(=O)NROR、トリアゾリル、およびRから独立して選択され、ここで、いずれのC‐CアルキルおよびC‐Cアルコキシ部分も、ハロゲン、C‐Cアルキル、−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)フェニル、−C‐Cアルキル(=O)OH、C(=O)OH、−C(=O)OC‐Cアルキル、−CONR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、C‐Cアルコキシ、C‐Cシクロアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NRC(O)C‐Cアルキル、−NRCONR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、およびRの群から独立して選択される1から6つの置換基で置換されていてよく、ここで、Rが水素である場合、R8aは、水素または重水素ではなく、およびここで、Rが重水素である場合、R8aは、水素または重水素ではなく;
あるいは、RおよびR8aは、それらが結合している炭素と一緒になって、酸素、窒素、および硫黄から選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有してよく、オキソ、C‐Cアルキル、ハロゲン、C‐Cアルキルヒドロキシ、C‐Cアルコキシ、もしくは−NRにより1から3回置換されていてよい、3から6員環の飽和環を表し;
mは、0、1、2、または3であり;
Yは、CまたはNである。]
による化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
式(I)(A):
【化2】
[式中、
は、フェニル、5もしくは6員環ヘテロアリール、ナフチル、9もしくは10員環ヘテロシクリルであり、ここで、前記フェニル、5もしくは6員環ヘテロアリール、ナフチル、9もしくは10員環ヘテロシクリルは、置換されていてよいC‐Cアルキル;−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)(フェニル)、−C(=O)OC‐Cアルキル、−C(=O)OH、−C(=O)NR、−O(C‐Cアルキル)NR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、ハロゲン、C‐Cアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NRC(=O)C‐Cアルキル、−NRC(=O)NR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、およびRからなる群から独立して選択される1から3つの置換基により置換されていてよく;
は、水素、C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキル、フェニル、および−C‐Cアルキルフェニルからなる群から選択され;
は、水素、C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、または−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキルであり;
あるいは、RおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、酸素、窒素、または硫黄であるさらに1個のヘテロ原子を含有してよく、オキソまたはC‐Cアルキルにより、独立して、1または2回置換されていてよい、3から7員環の飽和環を表し;
は、水素またはメチルであり;
は、酸素、窒素、および硫黄から選択される1から4個のヘテロ原子を含有し、ハロゲン、C‐Cアルキル、CF、C‐Cアルコキシ、および−NRから選択される1または2つの置換基により置換されていてよい、5または6員環のヘテロアリール環であり;
各Rは、ハロゲン、C‐Cアルキル、ヒドロキシル、およびC‐Cアルコキシからなる群から選択され;
は、C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、ヒドロキシC‐Cアルキル−、およびC‐Cヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、前記C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、ヒドロキシC‐Cアルキル−、およびC‐Cヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、C‐Cアルキル、−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)(フェニル)、−C(=O)OH、−C(=O)OC‐Cアルキル、−C(=O)NR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、C‐Cアルコキシ、C‐Cシクロアルコキシ、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NHC(O)C‐Cアルキル、−NHCONR、−NHSO‐Cアルキル、および−NHSONRからなる群から独立して選択される1から4つの置換基により置換されていてよく;
各RおよびR4aは、水素、ハロゲン、C‐Cアルキル、ヒドロキシル、またはC‐Cアルコキシから独立して選択され;
ここで、RおよびR8aは、水素、重水素、シアノ、置換されていてよいC‐Cアルキル、−C‐Cアルキルヒドロキシ、C‐Cアルコキシ、−C‐Cアルキル(=O)OH、−C‐Cアルキル(=O)OC‐Cアルキル、−C‐Cアルキル(=O)NR、−C‐Cアルキル(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルSO‐Cアルキル、−SO‐Cアルキル、−C‐CアルキルSONR、−SONR、−C‐CアルキルNR、−C‐CアルキルNRSO‐Cアルキル、−C‐CアルキルNRSONR、−C‐CアルキルNRC(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルNRC(=O)NR、C‐Cアルキル(=O)NROR、トリアゾリル、およびRから独立して選択され、ここで、いずれのC‐CアルキルおよびC‐Cアルコキシ部分も、ハロゲン、C‐Cアルキル、−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)フェニル、−C‐Cアルキル(=O)OH、−C(=O)OC‐Cアルキル、−CONR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、C‐Cアルコキシ、C‐Cシクロアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NRC(O)C‐Cアルキル、−NRCONR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、トリアゾリル、およびRの群から独立して選択される1から6つの置換基で置換されていてよく、ここで、Rが水素である場合、R8aは、水素または重水素ではなく、およびここで、Rが重水素である場合、R8aは、水素または重水素ではなく;
あるいは、RおよびR8aは、それらが結合している炭素と一緒になって、酸素、窒素、および硫黄から選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有してよく、オキソ、C‐Cアルキル、ハロゲン、C‐Cアルキルヒドロキシ、C‐Cアルコキシ、もしくは−NRにより1から3回置換されていてよい、3から6員環の飽和環を表し;
mは、0、1、2、または3である。]
による、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
式(I)(B):
【化3】
または、式(I)(C):
【化4】
[式中、
は、フェニル、5もしくは6員環ヘテロアリール、ナフチル、9もしくは10員環ヘテロシクリルであり、ここで、前記フェニル、5もしくは6員環ヘテロアリール、ナフチル、9もしくは10員環ヘテロシクリルは、置換されていてよいC‐Cアルキル;−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)(フェニル)、−C(=O)OC‐Cアルキル、−C(=O)OH、−C(=O)NR、−O(C‐Cアルキル)NR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、ハロゲン、C‐Cアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NRC(=O)C‐Cアルキル、−NRC(=O)NR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、およびRからなる群から独立して選択される1から3つの置換基により置換されていてよく;
は、水素、C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキル、フェニル、および−C‐Cアルキルフェニルからなる群から選択され;
は、水素、C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、または−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキルであり;
あるいは、RおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、酸素、窒素、または硫黄であるさらに1個のヘテロ原子を含有してよく、オキソまたはC‐Cアルキルにより、独立して、1または2回置換されていてよい、3から7員環の飽和環を表し;
は、水素またはメチルであり;
は、酸素、窒素、および硫黄から選択される1から4個のヘテロ原子を含有し、ハロゲン、C‐Cアルキル、CF、C‐Cアルコキシ、および−NRから選択される1または2つの置換基により置換されていてよい、5または6員環のヘテロアリール環であり;
各Rは、ハロゲン、C‐Cアルキル、ヒドロキシル、およびC‐Cアルコキシからなる群から選択され;
は、C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、ヒドロキシC‐Cアルキル−、およびC‐Cヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、前記C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、ヒドロキシC‐Cアルキル−、およびC‐Cヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、C‐Cアルキル、−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)(フェニル)、−C(=O)OH、−C(=O)OC‐Cアルキル、−C(=O)NR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、C‐Cアルコキシ、C‐Cシクロアルコキシ、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NHC(O)C‐Cアルキル、−NHCONR、−NHSO‐Cアルキル、および−NHSONRからなる群から独立して選択される1から4つの置換基により置換されていてよく;
各RおよびR4aは、水素、ハロゲン、C‐Cアルキル、ヒドロキシル、またはC‐Cアルコキシから独立して選択され;
ここで、RおよびR8aは、水素、重水素、シアノ、置換されていてよいC‐Cアルキル、−C‐Cアルキルヒドロキシ、C‐Cアルコキシ、−C‐Cアルキル(=O)OH、−C‐Cアルキル(=O)OC‐Cアルキル、−C‐Cアルキル(=O)NR、−C‐Cアルキル(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルSO‐Cアルキル、−SO‐Cアルキル、−C‐CアルキルSONR、−SONR、−C‐CアルキルNR、−C‐CアルキルNRSO‐Cアルキル、−C‐CアルキルNRSONR、−C‐CアルキルNRC(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルNRC(=O)NR、C‐Cアルキル(=O)NROR、トリアゾリル、およびRから独立して選択され、ここで、いずれのC‐CアルキルおよびC‐Cアルコキシ部分も、ハロゲン、C‐Cアルキル、−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)フェニル、−C‐Cアルキル(=O)OH、−C(=O)OC‐Cアルキル、−CONR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、C‐Cアルコキシ、C‐Cシクロアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NRC(O)C‐Cアルキル、−NRCONR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、トリアゾリル、およびRの群から独立して選択される1から6つの置換基で置換されていてよく、ここで、Rが水素である場合、R8aは、水素または重水素ではなく、およびここで、Rが重水素である場合、R8aは、水素または重水素ではなく;
あるいは、RおよびR8aは、それらが結合している炭素と一緒になって、酸素、窒素、および硫黄から選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有してよく、オキソ、C‐Cアルキル、ハロゲン、C‐Cアルキルヒドロキシ、C‐Cアルコキシ、もしくは−NRにより1から3回置換されていてよい、3から6員環の飽和環を表し;
mは、0、1、2、または3である。]
による、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
式(I)(D):
【化5】
[式中、
は、フェニル、ナフチル、キノリル、イソキノリルであり、ここで、前記フェニル、ナフチル、キノリル、イソキノリルは:
置換されていてよいC‐Cアルキル;−CF、C‐Cシクロアルキル、−シアノ、オキソ、ヒドロキシル、ハロゲン、C‐Cアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、および−OCFから独立して選択される1から3つの置換基によって置換されていてよく;
各Rは、ハロゲン、C‐Cアルキル、ヒドロキシル、シアノ、およびC‐Cアルコキシからなる群から選択され;
は、C‐CアルキルおよびC‐Cシクロアルキルからなる群から選択され、
ここで、RおよびR8aは、水素、重水素、シアノ、C‐Cアルキル、−C‐Cアルキルヒドロキシ、C‐Cアルコキシ、−C‐Cアルキル(=O)OH、−C‐Cアルキル(=O)OC‐Cアルキル、−C‐Cアルキル(=O)NR、−C‐CアルキルNR、−C‐CアルキルNRC(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルNRC(=O)NR、C‐Cアルキル(=O)NROR、およびトリアゾリルから独立して選択され、ここで、Rが水素である場合、R8aは、水素または重水素ではなく、およびここで、Rが重水素である場合、R8aは、水素または重水素ではなく;
は、水素およびC‐Cアルキルからなる群から選択され;
は、水素およびC‐Cアルキルであり、
mは、0、1、2、または3である。]
による、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
が、フェニル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、ナフチル、ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、2,3‐ジヒドロベンゾフリル、1,3‐ベンゾジオキソリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾチエニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、1‐H‐インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ジヒドロベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ジヒドロベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、ピロロピリジニル、ピロロピリミジニル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリミジニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニル、ベンゾキサジアゾリル、ベンズチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、トリアゾロピリジニル、プリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、1,5‐ナフチリジニル、1,6‐ナフチリジニル、1,7‐ナフチリジニル、1,8‐ナフチリジニルおよびプテリジニルから選択され、前記フェニル、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、ナフチル、ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、2,3‐ジヒドロベンゾフリル、1,3‐ベンゾジオキソリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾチエニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、1‐H‐インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ジヒドロベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ジヒドロベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、ピロロピリジニル、ピロロピリミジニル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリミジニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニル、ベンゾキサジアゾリル、ベンズチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、トリアゾロピリジニル、プリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、1,5‐ナフチリジニル、1,6‐ナフチリジニル、1,7‐ナフチリジニル、1,8‐ナフチリジニルおよびプテリジニルはすべて、置換されていてよいC‐Cアルキル;−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)(フェニル)、−C(=O)OC‐Cアルキル、−C(=O)OH、−C(=O)NR、−O(C‐Cアルキル)NR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、ハロゲン、C‐Cアルコキシ、C‐CシクロアルキルC‐Cアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NRC(=O)C‐Cアルキル、−NRC(=O)NR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、およびRから独立して選択される1から3つの置換基により置換されていてよい、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
が、フェニルおよび置換されていてよいキノリニルから選択される、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
が、存在しないか、またはフルオロ、ヒドロキシル、メチル、もしくはメトキシである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
が、エチル、イソプロピル、1‐メチルシクロプロピル、1‐ヒドロキシメチルシクロプロピル、およびシクロプロピルから選択される、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
が、フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリニル、ナフタリル、キノリルの群より選択され、ここで、前記フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリニル、ナフタリル、キノリルは、C‐Cアルキル、メチルオキシ、シアノ、NR、およびハロゲンから独立して選択される1から3つの置換基により置換されていてよく、
各Rが、ハロゲン、C‐Cアルキル、ヒドロキシル、およびC‐Cアルコキシからなる群から選択され;
が、C‐Cアルキルおよびシクロプロピルからなる群から選択され;および、
各RおよびR4aが、水素、オキソ、ハロゲン、またはC‐Cアルキルから独立して選択され;
各RおよびR8aが、水素、重水素、シアノ、置換されていてよいC‐Cアルキル、−C‐Cアルキルヒドロキシ、C‐Cアルコキシ、−C‐Cアルキル(=O)OH、−C‐Cアルキル(=O)OC‐Cアルキル、−C‐Cアルキル(=O)NR、−C‐CアルキルNR、トリアゾリル、およびRから独立して選択され、ここで、置換されていてよいC‐CアルキルおよびC‐Cアルコキシ部分のいずれも、ハロゲン、C‐Cアルキル、−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)フェニル、カルボキシル、−C(=O)OC‐Cアルキル、−CONR、フェニル、5もしくは6員環ヘテロアリール、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、C‐Cアルコキシ、C‐Cシクロアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NHC(O)C‐Cアルキル、−NRCONR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、およびRの群から独立して選択される1から4つの置換基により置換されていてよく、ここで、1つのRが水素または重水素である場合、他方のRは、水素または重水素ではなく;
mが、0、1、2、または3であり;
Yが、CまたはNである;
請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容可能な塩、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)酢酸;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐N,N‐ジメチル‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐N‐メチル‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
メチル 3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパノエート;
3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパン酸;
(−)‐3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパナミド;
(+)‐3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパナミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカ‐9‐イル)‐2‐[2‐フルオロ‐4‐(7‐キノリニル)フェニル]アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカ‐9‐イル)‐2‐[2‐フルオロ‐4‐(7‐キノリニル)フェニル]アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(3‐フルオロ‐4’‐メトキシ‐[1,1’‐ビフェニル]‐4‐イル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(+)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(−)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトニトリル;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)酢酸;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
4‐シクロプロピル‐9‐(2‐ヒドロキシ‐1‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
メチル 3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパノエート;
4‐シクロプロピル‐9‐(2‐オキソ‐1‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロピル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(+)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐ヒドロキシエチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(−)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐ヒドロキシエチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐メチルアセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐メチルアセトアミド;
(+)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐(1‐(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(−)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐(1‐(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(3‐フルオロ‐4’‐メトキシ‐[1,1’‐ビフェニル]‐4‐イル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐ヒドロキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(3,4’‐ジフルオロ‐[1,1’‐ビフェニル]‐4‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐ヒドロキシアセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐ヒドロキシアセトアミド;
(+)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐ヒドロキシエチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(−)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐ヒドロキシエチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐5‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐5‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N,N‐ジメチルアセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N,N‐ジメチルアセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐メチルキノリン‐5‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐メチルキノリン‐5‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐メチル 2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセテート;
(−)‐メチル 2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセテート;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐ヒドロキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐ヒドロキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐メトキシアセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐メトキシアセトアミド;
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
エチル 2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセテート;
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐(3‐クロロキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐(3‐クロロキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(−)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
4‐シクロプロピル‐9‐((2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)(4H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)メチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(+)‐4‐シクロプロピル‐9‐((2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)(4H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)メチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(−)‐4‐シクロプロピル‐9‐((2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)(4H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)メチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐(3‐クロロキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐(3‐クロロキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;および、
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド、
から選択される、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカ‐9‐イル)‐2‐[2‐フルオロ‐4‐(7‐キノリニル)フェニル]アセトアミドである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
前記化合物が、1つのエナンチオマーの他方に対するエナンチオマー過剰を有する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項13】
前記化合物が、エナンチオマー的に純粋なR異性体である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項14】
前記化合物が、エナンチオマー的に純粋なS異性体である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能なキャリアを含んでなる、医薬組成物。
【請求項16】
それを必要とするヒトにおいて癌を処置するための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる、医薬組成物であって、前記癌が、胃癌、脳癌(神経膠腫)、神経膠芽腫、白血病、バナヤン‐ゾナナ症候群、コーデン病、レーミット‐デュクロ病、乳癌、炎症性乳癌、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣腫、髄芽腫、結腸癌、頭頸部癌、腎臓癌、肺癌、肝臓癌、黒色腫、腎癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肉腫、骨肉腫、膀胱癌、胃癌、ならびに骨および甲状腺の巨細胞腫からなる群から選択される、医薬組成物。
【請求項17】
それを必要とする哺乳類において癌を処置するための、
a)請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩;および、
b)少なくとも1つの抗新生物剤、
を含んでなる、医薬組成物であって、前記癌が、胃癌、脳癌(神経膠腫)、神経膠芽腫、白血病、バナヤン‐ゾナナ症候群、コーデン病、レーミット‐デュクロ病、乳癌、炎症性乳癌、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣腫、髄芽腫、結腸癌、頭頸部癌、腎臓癌、肺癌、肝臓癌、黒色腫、腎癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肉腫、骨肉腫、膀胱癌、胃癌、ならびに骨および甲状腺の巨細胞腫からなる群から選択される、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪酸シンターゼ(FAS)の阻害剤である新規なスピロ環式ピペリジン、それらを含有する医薬組成物、それらの作製のためのプロセス、および癌の処置のための治療法におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
脂肪酸は、膜の構成要素、膜タンパク質のターゲティングのためのアンカー、脂質二次メッセンジャーの合成における前駆体、およびエネルギー蓄積のための媒体としてを含む、様々な細胞プロセスにおいて非常に重要な役割を有している(Menendez JS and Lupu R, Fatty acid synthase and the lipogenic phenotype in cancer pathogenesis, Nature Reviews Cancer, 7: 763-777 (2007))。脂肪酸は、食餌から得るか、または炭水化物前駆体から新たに合成することができる。後者の生合成は、多機能性ホモ二量体FASによって触媒される。FASは、プライマーとしてアセチル‐CoAおよび二炭素供与体としてマロニルCo‐A、ならびに還元性の相当物としてNADPHを用いることで、長鎖脂肪酸を合成する(Wakil SJ, Lipids, Structure and function of animal fatty acid synthase, 39:1045-1053 (2004)、Asturias FJ et al., Structure and molecular organization of mammalian fatty acid synthase, Nature Struct. Mol. Biol. 12:225-232 (2005)、Maier T, et al., Architecture of Mammalian Fatty Acid Synthase at 4.5 A Resolution, Science 311:1258-1262 (2006))。
【0003】
新たな脂肪酸合成は、胚形成の過程にて、および脂肪酸が肺界面活性剤の産生に用いられる胎生期の肺にて活発である。成人の場合、ほとんどの正常なヒト組織は、脂肪酸を食餌から優先的に摂取する。従って、新たな脂質生合成および脂質生合成酵素の発現のレベルは低い(Weiss L, et al., Fatty-acid biosynthesis in man, a pathway of minor importance. Purification, optimal assay conditions, and organ distribution of fatty-acid synthase. Biological Chemistry Hoppe-Seyler 367(9):905-912 (1986))。対照的に、多くの腫瘍は、新たな脂肪酸合成の率が高い(Medes G, et al., Metabolism of Neoplastic Tissue. IV. A Study of Lipid Synthesis in Neoplastic Tissue Slices in Vitro, Can Res, 13:27-29, (1953))。FASは、前立腺、卵巣、結腸、子宮内膜 肺、膀胱、胃、および腎臓を含む数多くの種類の癌において過剰発現されることが現在示されている(Kuhajda FP, Fatty-acid synthase and human cancer: new perspectives on its role in tumor biology, Nutrition; 16:202-208 (2000))。腫瘍と正常細胞とにおけるFASのこの差異的な発現および機能は、多大な治療ウィンドウの可能性を有する癌治療法へのアプローチを提供する。
【0004】
薬理学的および低分子干渉RNAの媒介によるFASの阻害が、癌細胞の増殖を選択的に阻害することが実証されている。加えて、このような阻害剤は、イン・ビトロで癌細胞のアポトーシスを誘発し、マウス異種移植モデルのイン・ビボで、ヒト腫瘍の成長を抑制する(Menendez JS and Lupu R, Nature Reviews Cancer, 7: 763-777 (2007))。これらの知見に基づいて、FASは、抗新生物介入の主たるターゲットとしての可能性を有すると考えられる。従って、FASの阻害剤が求められている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、以下に示す式(I):
【0006】
【化1】
[式中、
は、フェニル、5もしくは6員環ヘテロアリール、ナフチル、9もしくは10員環ヘテロシクリルであり、ここで、前記フェニル、5もしくは6員環ヘテロアリール、ナフチル、9もしくは10員環ヘテロシクリルは、置換されていてよいC‐Cアルキル;−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)(フェニル)、−C(=O)OC‐Cアルキル、−C(=O)OH、−C(=O)NR、−O(C‐Cアルキル)NR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、ハロゲン、C‐Cアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NRC(=O)C‐Cアルキル、−NRC(=O)NR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、およびRからなる群から独立して選択される1から3つの置換基により置換されていてよく;
は、水素、C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキル、フェニル、および−C‐Cアルキルフェニルからなる群から選択され;
は、水素、C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、または−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキルであり;
あるいは、RおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、酸素、窒素、または硫黄であるさらに1個のヘテロ原子を含有してよく、オキソまたはC‐Cアルキルにより、独立して、1または2回置換されていてよい、3から7員環の飽和環を表し;
は、水素またはメチルであり;
は、酸素、窒素、および硫黄から選択される1から4個のヘテロ原子を含有し、ハロゲン、C‐Cアルキル、CF、C‐Cアルコキシ、および−NRから選択される1または2つの置換基により置換されていてよい、5または6員環のヘテロアリール環であり;
各Rは、ハロゲン、C‐Cアルキル、ヒドロキシル、およびC‐Cアルコキシからなる群から選択され;
は、C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、ヒドロキシC‐Cアルキル−、およびC‐Cヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、前記C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、ヒドロキシC‐Cアルキル−、およびC‐Cヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、C‐Cアルキル、−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)(フェニル)、−C(=O)OH、−C(=O)OC‐Cアルキル、−C(=O)NR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、C‐Cアルコキシ、C‐Cシクロアルコキシ、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NHC(O)C‐Cアルキル、−NHCONR、−NHSO‐Cアルキル、および−NHSONRからなる群から独立して選択される1から4つの置換基により置換されていてよく;
各RおよびR4aは、水素、ハロゲン、C‐Cアルキル、ヒドロキシル、またはC‐Cアルコキシから独立して選択され;
ここで、RおよびR8aは、水素、重水素、シアノ、置換されていてよいC‐Cアルキル、−C‐Cアルキルヒドロキシ、C‐Cアルコキシ、−C‐Cアルキル(=O)OH、−C‐Cアルキル(=O)OC‐Cアルキル、−C‐Cアルキル(=O)NR、−C‐Cアルキル(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルSO‐Cアルキル、−SO‐Cアルキル、−C‐CアルキルSONR、−SONR、−C‐CアルキルNR、−C‐CアルキルNRSO‐Cアルキル、−C‐CアルキルNRSONR、−C‐CアルキルNRC(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルNRC(=O)NR、C‐Cアルキル(=O)NROR、トリアゾリル、およびRから独立して選択され、ここで、いずれのC‐CアルキルおよびC‐Cアルコキシ部分も、ハロゲン、C‐Cアルキル、−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)フェニル、−C‐Cアルキル(=O)OH、−C(=O)OC‐Cアルキル、−CONR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、C‐Cアルコキシ、C‐Cシクロアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NRC(O)C‐Cアルキル、−NRCONR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、およびRの群より独立して選択される1から6つの置換基で置換されていてよく、ここで、Rが水素である場合、R8aは、水素または重水素ではなく、およびここで、Rが重水素である場合、R8aは、水素または重水素ではなく;
あるいは、RおよびR8aは、それらが結合している炭素と一緒になって、酸素、窒素、および硫黄から選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含有してよく、オキソ、C‐Cアルキル、ハロゲン、C‐Cアルキルヒドロキシ、C‐Cアルコキシ、もしくは−NRにより、1から3回置換されていてよい、3から6員環の飽和環を表し;
mは、0、1、2、または3であり;
Yは、CまたはNである。]
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0007】
本発明はまた、式(I)の化合物および薬学的に許容可能なキャリアを含んでなる医薬組成物にも関する。
【0008】
本発明はまた、式(I)の化合物の有効量を、それを必要とするヒトに投与することを含んでなる、癌を処置する方法にも関する。
【0009】
本発明はまた、式(I)の化合物および第二の化合物を、それを必要とするヒトに共投与することを含んでなる、癌を処置する方法にも関する。
【発明の具体的説明】
【0010】
本発明は、式(I)の化合物、およびその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0011】
本発明はまた、式(I)(A)の化合物:
【0012】
【化2】
またはその薬学的に許容可能な塩にも関し、式中、R、R、R、R、R4a、R、R、R、R、R8a、およびmは、式(I)に従って定義される。
【0013】
本発明はまた、式(I)(B)の化合物:
【0014】
【化3】
またはその薬学的に許容可能な塩にも関し、式中、R、R、R、R、R4a、R、R、R、R、R8a、およびmは、式(I)に従って定義される。
【0015】
本発明はまた、式(I)(C)の化合物:
【0016】
【化4】
またはその薬学的に許容可能な塩にも関し、式中、R、R、R、R、R4a、R、R、R、R、R8a、およびmは、式(I)に従って定義される。
【0017】
本発明はまた、式(I)(D):
【0018】
【化5】
[式中、
は、フェニル、ナフチル、キノリル、イソキノリルであり、ここで、前記フェニル、ナフチル、キノリル、イソキノリルは、置換されていてよいC‐Cアルキル;−CF、C‐Cシクロアルキル、−シアノ、オキソ、ヒドロキシル、ハロゲン、C‐Cアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、および−OCFから独立して選択される1から3つの置換基によって置換されていてよく;
各Rは、ハロゲン、C‐Cアルキル、ヒドロキシル、シアノ、およびC‐Cアルコキシからなる群から選択され;
は、C‐CアルキルおよびC‐Cシクロアルキルからなる群から選択され、
ここで、RおよびR8aは、水素、重水素、シアノ、C‐Cアルキル、−C‐Cアルキルヒドロキシ、C‐Cアルコキシ、−C‐Cアルキル(=O)OH、−C‐Cアルキル(=O)OC‐Cアルキル、−C‐Cアルキル(=O)NR、−C‐CアルキルNR、−C‐CアルキルNRC(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルNRC(=O)NR、C‐Cアルキル(=O)NROR、およびトリアゾリルから独立して選択され、ここで、Rが水素である場合、R8aは、水素または重水素ではなく、およびここで、Rが重水素である場合、R8aは、水素または重水素ではなく;
は、水素およびC‐Cアルキルからなる群から選択され;
は、水素およびC‐Cアルキルであり、
mは、0、1、2、または3である。]
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩にも関する。
【0019】
1つの態様では、本発明は、Rが、置換されていてよいC‐Cアルキル;−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)(フェニル)、−C(=O)OC‐Cアルキル、−C(=O)OH、−C(=O)NR、−O(C‐Cアルキル)NR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、ハロゲン、C‐Cアルコキシ、C‐CシクロアルキルC‐Cアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NRC(=O)C‐Cアルキル、−NRC(=O)NR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、およびRから独立して選択される1から3つの置換基により置換されていてよいフェニルである式(I)、(I)(A)、(I)(B)、(I)(C)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0020】
別の態様では、本発明はまた、Rが、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、またはトリアジニルから選択され、ここで、前記フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、およびトリアジニルはすべて、置換されていてよいC‐Cアルキル;−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)(フェニル)、−C(=O)OC‐Cアルキル、−C(=O)OH、−C(=O)NR、−O(C‐Cアルキル)NR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、ハロゲン、C‐Cアルコキシ、C‐CシクロアルキルC‐Cアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NRC(=O)C‐Cアルキル、−NRC(=O)NR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、およびRから独立して選択される1から3つの置換基により置換されていてよい、式(I)、(I)(A)、(I)(B)、もしくは(I)(C)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩にも関する。
【0021】
別の態様では、本発明はまた、Rが、置換されていてよいC‐Cアルキル;−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)(フェニル)、−C(=O)OC‐Cアルキル、−C(=O)OH、−C(=O)NR、−O(C‐Cアルキル)NR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、ハロゲン、C‐Cアルコキシ、C‐CシクロアルキルC‐Cアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NRC(=O)C‐Cアルキル、−NRC(=O)NR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、およびRから独立して選択される1から3つの置換基により置換されていてよいナフチルである、式(I)、(I)(A)、(I)(B)、もしくは(I)(C)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩にも関する。
【0022】
別の態様では、本発明はまた、Rが、ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、2,3‐ジヒドロベンゾフリル、1,3‐ベンゾジオキソリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾチエニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、1‐H‐インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ジヒドロベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ジヒドロベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、ピロロピリジニル、ピロロピリミジニル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリミジニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニル、ベンゾキサジアゾリル、ベンズチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、トリアゾロピリジニル、プリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、1,5‐ナフチリジニル、1,6‐ナフチリジニル、1,7‐ナフチリジニル、1,8‐ナフチリジニル、またはプテリジニルから選択され、ここで、前記ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、2,3‐ジヒドロベンゾフリル、1,3‐ベンゾジオキソリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾチエニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、1‐H‐インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ジヒドロベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ジヒドロベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、ピロロピリジニル、ピロロピリミジニル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリミジニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニル、ベンゾキサジアゾリル、ベンズチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、トリアゾロピリジニル、プリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、1,5‐ナフチリジニル、1,6‐ナフチリジニル、1,7‐ナフチリジニル、1,8‐ナフチリジニル、およびプテリジニルはすべて、置換されていてよいC‐Cアルキル;−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cアルキル、−C‐CアルキルC‐Cシクロアルキル、−C(=O)C‐Cシクロアルキル、−C(=O)(フェニル)、−C(=O)OC‐Cアルキル、−C(=O)OH、−C(=O)NR、−O(C‐Cアルキル)NR、フェニル、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、ハロゲン、C‐Cアルコキシ、C‐CシクロアルキルC‐Cアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NRC(=O)C‐Cアルキル、−NRC(=O)NR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、およびRから独立して選択される1から3つの置換基により置換されていてよい、式(I)、(I)(A)、(I)(B)、もしくは(I)(C)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩にも関する。
【0023】
別の態様では、本発明はまた、Rが、フェニルおよび置換されていてよいキノリニルから選択される、式(I)、(I)(A)、(I)(B)、もしくは(I)(C)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩にも関する。
【0024】
別の態様では、本発明はまた、各Rが、存在しないか、またはフルオロ、ヒドロキシル、メチル、もしくはメトキシである、上記の態様のいずれかの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩にも関する。
【0025】
別の態様では、本発明はまた、Rが、エチル、イソプロピル、1‐メチルシクロプロピル、1‐ヒドロキシメチルシクロプロピル、およびシクロプロピルから選択される、上記の態様のいずれかの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩にも関する。
【0026】
別の態様では、本発明はまた、各RおよびR4aが、水素、オキソ、ハロゲン、もしくはC‐Cアルキルから独立して選択される、上記の態様のいずれかの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩にも関する。
【0027】
本発明はまた:
が、フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリニル、ナフタリル、キノリルの群より選択され、ここで、前記フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリニル、ナフタリル、キノリルは、C‐Cアルキル、メチルオキシ、シアノ、NR、およびハロゲンから独立して選択される1から3つの置換基により置換されていてよく、
各Rが、ハロゲン、C‐Cアルキル、ヒドロキシル、およびC‐Cアルコキシからなる群から選択され;
が、C‐Cアルキルおよびシクロプロピルからなる群から選択され;および、
各RおよびR4aが、水素、オキソ、ハロゲン、またはC‐Cアルキルから独立して選択され;
各RおよびR8aが、水素、重水素、シアノ、置換されていてよいC‐Cアルキル、−C‐Cアルキルヒドロキシ、C‐Cアルコキシ、−C‐Cアルキル(=O)OH、−C‐Cアルキル(=O)OC‐Cアルキル、−C‐Cアルキル(=O)NR、−C‐CアルキルNR、トリアゾリル、およびRから独立して選択され、ここで、置換されていてよいC‐CアルキルおよびC‐Cアルコキシ部分のいずれも、ハロゲン、C‐Cアルキル、−CF、C‐Cシクロアルキル、−C(O)C‐Cアルキル、−C(O)C‐Cシクロアルキル、−CO(フェニル)、カルボキシル、−CO‐Cアルキル、−CONR、フェニル、5もしくは6員環ヘテロアリール、−SO‐Cアルキル、−SONR、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、C‐Cアルコキシ、C‐Cシクロアルコキシ、ヒドロキシC‐Cアルキル−、C‐CアルコキシC‐Cアルキル−、−OCF、−NR、RNC‐Cアルキル−、−NHC(O)C‐Cアルキル、−NRCONR、−NRSO‐Cアルキル、−NRSONR、およびRの群より独立して選択される1から6つの置換基により置換されていてよく、ここで、Rが水素である場合、R8aは、水素または重水素ではなく、およびここで、Rが重水素である場合、R8aは、水素または重水素ではなく;
mが、0、1、2、または3であり;
Yが、CまたはNである;
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩も提供する。
【0028】
本発明はまた、以下の式(I)の化合物:
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)酢酸;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐N,N‐ジメチル‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐N‐メチル‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
メチル 3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパノエート;
3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパン酸;
(−)‐3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパナミド;
(+)‐3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパナミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカ‐9‐イル)‐2‐[2‐フルオロ‐4‐(7‐キノリニル)フェニル]アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカ‐9‐イル)‐2‐[2‐フルオロ‐4‐(7‐キノリニル)フェニル]アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(3‐フルオロ‐4’‐メトキシ‐[1,1’‐ビフェニル]‐4‐イル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(+)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(−)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトニトリル;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)酢酸;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
4‐シクロプロピル‐9‐(2‐ヒドロキシ‐1‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
メチル 3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパノエート;
4‐シクロプロピル‐9‐(2‐オキソ‐1‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロピル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(+)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐ヒドロキシエチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(−)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐ヒドロキシエチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐メチルアセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐メチルアセトアミド;
(+)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐(1‐(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(−)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐(1‐(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(3‐フルオロ‐4’‐メトキシ‐[1,1’‐ビフェニル]‐4‐イル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐ヒドロキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(3,4’‐ジフルオロ‐[1,1’‐ビフェニル]‐4‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐ヒドロキシアセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐ヒドロキシアセトアミド;
(+)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐ヒドロキシエチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(−)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐ヒドロキシエチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐5‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐5‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N,N‐ジメチルアセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N,N‐ジメチルアセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐メチルキノリン‐5‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐メチルキノリン‐5‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐メチル 2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセテート;
(−)‐メチル 2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセテート;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐ヒドロキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐ヒドロキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐メトキシアセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐メトキシアセトアミド;
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
エチル 2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセテート;
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐(3‐クロロキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐(3‐クロロキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(−)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
4‐シクロプロピル‐9‐((2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)(4H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)メチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(+)‐4‐シクロプロピル‐9‐((2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)(4H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)メチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
(−)‐4‐シクロプロピル‐9‐((2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)(4H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)メチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン;
2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐(3‐クロロキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐(3‐クロロキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド;および、
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド、
ならびにその薬学的に許容可能な塩にも関する。
【0029】
1つの態様では、本発明の化合物は、一方のエナンチオマーが他方に対してエナンチオマー的に過剰である。1つの態様では、本発明の化合物は、エナンチオマー的に純粋なR異性体である。1つの態様では、本発明の化合物は、エナンチオマー的に純粋なS異性体である。
【0030】
1つの態様では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能なキャリアを含んでなる医薬組成物が提供される。1つの態様では、本発明は、癌の処置のための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の有効量の使用を提供する。1つの態様では、本発明は、癌処置用医薬の製造のための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0031】
別の態様では、それを必要とするヒトに式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含んでなる、癌を処置する方法が提供される。1つの態様では、癌は:胃癌(gastric)、脳癌(神経膠腫)、神経膠芽腫、白血病、バナヤン‐ゾナナ症候群(Bannayan-Zonana syndrome)、コーデン病、レーミット‐デュクロ病、乳癌、炎症性乳癌、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣腫、髄芽腫、結腸癌、頭頸部癌、腎臓癌(kidney)、肺癌、肝臓癌、黒色腫、腎癌(renal)、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肉腫、骨肉腫、膀胱癌、胃癌(stomach)、ならびに骨および甲状腺の巨細胞腫からなる群から選択される。
【0032】
別の態様では、それを必要とする哺乳類において癌を処置する方法が提供され、その方法は:前記哺乳類に、治療有効量の、
a)式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩;
および
b)少なくとも1つの抗新生物剤、
を投与することを含む。
【0033】
本発明はまた、実験セクションにて例示される化合物にも関する。必須ではないが通常は、本発明の塩は、薬学的に許容可能な塩である。「薬学的に許容可能な塩」の用語に包含される塩は、本発明の化合物の無毒性の塩を意味する。本発明の化合物の塩は、酸付加塩を含んでよい。一般的に、塩は、薬学的に許容可能な無機および有機酸から形成される。適切な酸塩のより具体的な例としては、マレイン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、フーミック酸塩(fumic)、フマル酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、ギ酸塩、乳酸塩、アレイック酸塩(aleic)、酒石酸塩、クエン酸塩、パルモイック酸塩(palmoic)、マロン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、フェニル酢酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フマル酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシレート)、ナフタレン‐2‐スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化水素酸塩、リンゴ酸塩、テロイック酸塩(teroic)、タンニン酸塩などが挙げられる。
【0034】
その他の代表的な塩としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプチン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシネート、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、メチル硫酸塩、マレイン酸一カリウム、ムケート(mucate)、ナプシレート、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボネート(embonate))、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシレート、トリエチオダイド、およびバレリアン酸塩が挙げられる。
【0035】
薬学的に許容可能なものではないその他の塩も、本発明の化合物の作製に有用であり得るものであり、これらは、本発明のさらなる側面を形成するものと見なされるべきである。シュウ酸塩またはトリフルオロ酢酸塩などのこれらの塩は、それら自体は薬学的に許容可能なものではないが、本発明の化合物およびその薬学的に許容可能な塩を得る際の中間体として有用である塩の作製において有用であり得る。
【0036】
式(I)の化合物またはその塩は、立体異性体の形態(例:1つ以上の不斉炭素原子を含有する)で存在してよい。個々の立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびこれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。本発明はまた、式(I)で表される化合物または塩の個々の異性体を、1つ以上のキラル中心が反転したそれらの異性体との混合物としても含む。同様に、式(I)の化合物または塩は、式で表される以外の互変異性体の形態で存在してよく、これらも、本発明の範囲内に含まれることは理解される。本発明が、上記で定める特定の基のすべての組み合わせおよびサブセットを含むことは理解されたい。本発明の範囲は、立体異性体の混合物、ならびに精製されたエナンチオマー、またはエナンチオマー的に/ジアステレオマー的に濃縮された混合物を含む。また、式(I)で表される化合物の個々の異性体、ならびにその完全にまたは部分的に平衡化された混合物のいずれも、本発明の範囲内に含まれる。本発明はまた、式(I)で表される化合物または塩の個々の異性体、ならびに1つ以上のキラル中心が反転したそれらの異性体との混合物も含む。本発明が、上記で定める特定の基のすべての組み合わせおよびサブセットを含むことは理解されたい。
【0037】
本発明はまた、式(I)の化合物の種々の重水素化形態も含む。炭素に結合した利用可能である各水素原子が、独立して、重水素原子により置き換えられてよい。当業者であれば、式(I)の化合物の重水素化形態を合成する方法は分かるであろう。式(I)の化合物の重水素化形態の作製には、市販の重水素化出発物質が用いられてよく、またはそれらは、重水素化試薬(例:重水素化リチウムアルミニウム)を用いる従来の技術を用いて合成されてもよい。
【0038】
定義
用語は、その認められた意味の範囲内で用いられる。以下の定義は、定義された用語を明らかにすることを意図しており、限定することを意図するものではない。
【0039】
本明細書で用いられる場合、「アルキル」の用語は、好ましくは1から12個の炭素原子を有する、直鎖状または分岐鎖状炭化水素ラジカルを意味し、これらは、非置換または置換、飽和または不飽和であってよく、多置換度が本発明の範囲内に含まれる。置換されてよい場合、アルキル基は、非置換であるか、または、ハロゲン、アミノ、置換アミノ、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボキシアミド、アミノカルボニル、およびヘテロシクリルからなる群から選択される適切な置換基で置換される。本明細書で用いられる場合、「アルキル」の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n‐ブチル、t‐ブチル、イソペンチル、n‐ペンチルなど、ならびにこれらの置換された形態が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
本明細書で用いられる場合、「シクロアルキル」の用語は、非置換または置換、単環式または多環式の飽和非芳香族環を意味する。代表的な「シクロアルキル」基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど、ならびにこれらの非置換および置換された形態が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
本明細書で用いられる場合、「アルコキシ」の用語は、基−ORを意味し、ここで、Rは、上記で定めるC‐CアルキルまたはC‐Cシクロアルキルである。「C‐Cアルコキシ」の用語は、連結酸素原子を通して結合した少なくとも1から4個までの炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状炭化水素ラジカルを意味する。本発明において有用である代表的な「(C‐C)アルコキシ」基としては、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、n‐プロポキシ、イソプロポキシ、n‐ブトキシ、s‐ブトキシ、およびt‐ブトキシが挙げられる。
【0042】
「ヘテロシクロアルキル」は、飽和または部分不飽和であり、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1から3個のヘテロ原子を含む3から10個の環原子を含有する、非芳香族一価の単環式または二環式ラジカルを含む基または部分を表す。本発明において有用であるヘテロシクロアルキルの代表例としては、これらに限定されないが、アゼチジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、1,3‐ジオキソラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホニリル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、ジニドロピラニル、1,3‐ジオキサニル、1,4‐ジオキサニル、1,3‐オキサチオラニル、1,3‐オキサチアニル、1,3‐ジチアニル、ヘキサヒドロ‐1H‐1,4‐ジアゼピニル、アザビシクロ[3.2.1]オクチル、アザビシクロ[3.3.1]ノニル、アザビシクロ[4.3.0]ノニル、オキサビシクロ[2.2.1]ヘプチル、および1,5,9‐トリアザシクロドデシルが挙げられる。
【0043】
本明細書で用いられる場合、「ヘテロシクリル」の用語は、1個以上のヘテロ原子を含有する、非置換もしくは置換された単環式または多環式環系を意味する。好ましいヘテロ原子としては、窒素、酸素、および硫黄が挙げられ、N‐オキシド、硫黄オキシド、およびジオキシドを含む。ヘテロ環式環は、これらに限定されないが、3から8員環であってよく、完全飽和されているか、または1以上の不飽和度を有する。本定義内には、多置換度が含まれる。「ヘテロ環式」基の例としては、これらに限定されないが、テトラヒドロフラニル、ピラニル、1,4‐ジオキサニル、1,3‐ジオキサニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホニリル、アゼチジニル、ピペラジニル、ピロリジノニル、ピペラジノニル、ピラゾリジニル、およびこれらの種々の互変異性体、ならびにこれらの非置換および置換された形態が挙げられる。「9または10員環ヘテロシクリル」の用語は、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1から5個のヘテロ原子を含む9または10個の環原子を含有する、完全不飽和または部分不飽和の二環式基を表し、この基は、非置換であっても、または本明細書で定める置換基の1つ以上によって置換されていてもよい。選択される9または10員環ヘテロシクリル基は、窒素、酸素、または硫黄の環ヘテロ原子を1個含有し、ならびに、所望に応じて、1、2、3、もしくは4個の追加の窒素環原子、および/または1個の追加の酸素もしくは硫黄原子を含有してよい。9または10員環ヘテロシクリル基の例としては、これらに限定されないが、ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、2,3‐ジヒドロベンゾフリル、1,3‐ベンゾジオキソリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾチエニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、ベンズイミダゾリル、ジヒドロベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ジヒドロベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、ピロロピリジニル、ピロロピリミジニル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリミジニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニル、ベンゾキサジアゾリル、ベンズチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、トリアゾロピリジニル、プリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、1,5‐ナフチリジニル、1,6‐ナフチリジニル、1,7‐ナフチリジニル、1,8‐ナフチリジニル、およびプテリジニルが挙げられる。
【0044】
「アリール」の用語は、指定された数の炭素原子、特に6〜10個の炭素原子を含有する炭素環式芳香族部分(フェニルまたはナフチルなど)を意味する。アリールラジカルの例としては、これらに限定されないが、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、フェナントリジニルなどが挙げられる。特に断りのない限り、「アリール」の用語はまた、芳香族炭化水素ラジカルの各々の可能性のある位置異性体も含み、1‐ナフチル、2‐ナフチル、5‐テトラヒドロナフチル、6‐テトラヒドロナフチル、1‐フェナントリジニル、2‐フェナントリジニル、3‐フェナントリジニル、4‐フェナントリジニル、7‐フェナントリジニル、8‐フェナントリジニル、9‐フェナントリジニル、および10‐フェナントリジニルなどである。
【0045】
本明細書で用いられる場合、「ヘテロアリール」の用語は、特に断りのない限り、(1もしくは複数の)炭素および少なくとも1つのヘテロ原子を含有する芳香族環系を意味する。ヘテロアリールは、単環式または多環式、置換または非置換であってよい。単環式ヘテロアリール基は、環に1から4個のヘテロ原子を有していてよく、一方多環式ヘテロアリールは、1から8個のヘテロ原子を含有していてよい。多環式ヘテロアリール環は、縮合、スピロ、または架橋による環接合部を含有していてよく、例えば、二環式ヘテロアリールは、多環式ヘテロアリールである。二環式ヘテロアリール環は、8から12個の構成原子を含有していてよい。単環式ヘテロアリール環は、5から8個の構成原子(炭素およびヘテロ原子)を含有していてよい。代表的な5から6員環ヘテロアリールとしては、これらに限定されないが、フラニル、チオフェニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3‐トリアゾリル、1,2,4‐トライゾリル(1,2,4-traizolyl)、オキサゾリル、イソキサゾリル、1,2,3‐オキサジアゾリル、1,2,5‐オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、およびトリアジニルが挙げられる。その他の代表的なヘテロアリール基としては、これらに限定されないが、ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、2,3‐ジヒドロベンゾフリル、1,3‐ベンゾジオキソリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾチエニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、ベンズイミダゾリル、ジヒドロベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ジヒドロベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、ピロロピリジニル、ピロロピリミジニル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリミジニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニル、ベンゾキサジアゾリル、ベンズチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、トリアゾロピリジニル、プリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、1,5‐ナフチリジニル、1,6‐ナフチリジニル、1,7‐ナフチリジニル、1,8‐ナフチリジニル、およびプテリジニルが挙げられる。ヘテロアリールに対する適切な置換基は、「置換されていてよい」の定義中に記載される。
【0046】
本明細書で用いられる場合、「ヘテロ環式」、「ヘテロ環(heterocycle)」、「ヘテロ環(heterocycl)」基、またはこれらの文法的変形語は、「ヘテロアリール」および「ヘテロシクロアルキル」基を含む。
【0047】
本明細書で用いられる場合、「シアノ」の用語は、−CN基を意味する。
【0048】
本明細書で用いられる場合、「されてよい(optionally)」の用語は、前に記載される(1もしくは複数の)事象が、発生しても、または発生しなくてもよいことを意味し、発生する(1もしくは複数の)事象、および発生しない(1もしくは複数の)事象の両方を含む。
【0049】
本明細書で用いられる場合、特に断りのない限り、「置換されていてよい(optionally substituted)」の語句、またはその文法的変形語は、多置換度を含む1つ以上の置換基による所望に応じて存在してよい置換を示す。この語句は、本明細書に記載され示される置換の重複として解釈されるべきではない。代表的な存在してよい置換基としては、アシル、アルキル、アルキルスルホニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシル、オキソ、アミド、スルファミド、ウレア、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、フェニルカルボニル、ジアルキルアミノスルホンアミド、モルホリノ、スルホンアミド、チオウレア、ニトロ、ピロリジニル、ピラゾリル、ピロリル、フェニル、およびテトラゾリルが挙げられ、ここで、ピロリジニル、ピラゾリル、およびテトラゾリルは、1から3つのC‐Cアルキルでさらに置換されていてよい。
【0050】
「エナンチオマー的に濃縮された」とは、そのエナンチオマー過剰がゼロよりも大きい生成物を意味する。例えば、エナンチオマー的に濃縮された、とは、そのエナンチオマー過剰が約50%ee超、約75%ee超、および約90%ee超である生成物を意味する。
【0051】
「エナンチオマー過剰(Enantiomeric excess)」または「ee」は、一方のエナンチオマーの他方に対する過剰であり、パーセントで表される。従って、ラセミ混合物中には両方のエナンチオマーが同量で存在することから、エナンチオマー過剰はゼロである(0%ee)。しかし、一方のエナンチオマーが、生成物の95%を構成するように濃縮された場合、エナンチオマー過剰は90%eeとなる(濃縮された方のエナンチオマーの量、95%、から他方のエナンチオマーの量、5%、を差し引く)。
【0052】
「エナンチオマー的に純粋」とは、そのエナンチオマー過剰が100%eeである生成物を意味する。
【0053】
「ジアステレオマー」とは、少なくとも2つのキラル中心を有する化合物を意味する。
【0054】
「ジアステレオマー過剰」または「de」とは、一つのジアステレオマーの他に対する過剰であり、パーセントで表される。
【0055】
「ジアステレオマー的に純粋」とは、そのジアステレオマー過剰が100%deである生成物を意味する。
【0056】
「(1もしくは複数の)半減期」とは、物質の半分の量が、生体外または生体内において、別の化学的に異なる種に変換されるのに要する時間を意味する。
【0057】
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
【0058】
「ヘテロ原子」とは、窒素、硫黄、または酸素原子を意味する。
【0059】
「構成原子」とは、鎖または環を形成する1もしくは複数の原子を意味する。鎖中および環内に2個以上の構成原子が存在する場合、各構成原子は、その鎖または環内の隣接する構成原子と共有結合している。鎖または環上で置換基を作り上げる原子は、鎖または環の構成原子ではない。
【0060】
「オキソ」とは、置換基=Oを意味する。
【0061】
本明細書で用いられる場合、「生理学的機能性誘導体」の用語は、哺乳類への投与後に本発明の化合物またはその活性代謝物を(直接または間接的に)提供する能力を有する、エステルまたはアミドを例とする本発明の化合物の薬学的に許容可能な誘導体のいずれをも意味する。そのような誘導体は、過度な実験を行うことなく、および生理学的機能性誘導体を教示する範囲内において参照により本明細書に組み込まれるBurger’s Medicinal Chemistry And Drug Discovery, 5th Edition, Vol 1: Principles and Practiceを参照することで、当業者には明らかである。
【0062】
「薬学的に許容可能な」とは、確かな医学的判断の範囲内において、妥当なベネフィット/リスク比に対応して、過剰な毒性、刺激性、またはその他の問題もしくは困難な状況を起こすことなくヒトおよび動物の組織との接触における使用に適している化合物、物質、組成物、および剤形を意味する。
【0063】
本発明の範囲内の化合物は、2つ以上の互変異性体の形態で存在してよく;そのような互変異性体の形態はすべて、本発明の範囲内に含まれる。
【0064】
本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および1つ以上の賦形剤(製薬技術の分野ではキャリアおよび/または希釈剤とも称される)を含んでなる医薬組成物(医薬製剤とも称される)をさらに提供する。賦形剤は、製剤のその他の成分と適合性を有すること、およびそのレシピエント(すなわち、患者)に対して有害ではないことという意味で、許容されるものである
【0065】
本発明の別の側面によると、式(I)の化合物またはその塩と少なくとも1つの賦形剤とを混合(または添加混合)することを含む、医薬組成物を製造するためのプロセスが提供される。
【0066】
医薬組成物
医薬組成物は、単位用量あたり所定量の活性成分を含有する単位剤形(unit dose form)であってよい。そのような単位は、式(I)の化合物もしくはその塩の治療有効用量、または所望される治療有効用量を達成するために任意の時間に複数の単位剤形が投与され得るような治療有効用量の一部を含有してよい。好ましい単位用量製剤は、本明細書にて上記で挙げるように、活性成分の1日用量もしくはサブ用量、またはその適切な一部を含有するものである。さらに、そのような医薬組成物は、製薬技術分野で公知のいかなる方法で作製してもよい。
【0067】
医薬組成物は、経口(頬側または舌下を含む)、直腸内、経鼻、局所(頬側、舌下、または経皮を含む)、膣内、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、または皮内を含む)経路を例とする、適切ないかなる経路による投与用に適合させてもよい。そのような組成物は、活性成分を(1もしくは複数の)賦形剤と会合させることを例とする、製薬技術分野で公知のいかなる方法で作製してもよい。
【0068】
経口投与用に適合される場合、医薬組成物は、錠剤またはカプセルなどの別個の単位;粉末または顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液または懸濁液;食用フォームまたはホイップ;水中油型液体エマルジョンまたは油中水型液体エマルジョンであってよい。本発明の化合物もしくはその塩、または本発明の医薬組成物はまた、「速溶性」医薬として投与するために、キャンディ、ウェハー、および/またはタンテープ(tongue tape)製剤中に組み込んでもよい。
【0069】
例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合、活性薬物成分は、エタノール、グリセロール、水などの経口用無毒性の薬学的に許容可能な不活性キャリアと組み合わせてよい。粉末または顆粒は、化合物を適切な微細サイズに粉砕し、例えばデンプンまたはマンニトールのような食用炭水化物などの医薬用キャリアを同様に粉砕したものと混合することによって作製される。香味剤、保存剤、分散剤、および着色剤も存在していてよい。
【0070】
カプセルは、上述のように粉末混合物を作製し、それを成形されたゼラチンまたは非ゼラチン系の鞘部に充填することによって作製される。コロイド状シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、固体ポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑沢剤を、充填作業の前に粉末混合物へ添加してよい。カンテン、炭酸カルシウム、または炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤も、カプセルが摂取された際の医薬の利用度を向上するために添加してよい。
【0071】
さらに、所望される場合または必要な場合、適切なバインダー、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤も、混合物中へ組み込んでよい。適切なバインダーとしては、デンプン、ゼラチン、グルコースもしくはベータ‐ラクトースなどの天然糖類、トウモロコシ甘味剤、アラビアガム、トラガカントガムなどの天然および合成ガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。このような剤形に用いられる滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定されないが、デンプン、メチルセルロース、カンテン、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。
【0072】
錠剤の製剤は、例えば、粉末混合物を作製し、造粒またはスラッギングを行い、滑沢剤および崩壊剤を添加し、プレスして錠剤とすることによって行われる。粉末混合物は、粉砕されていることが適切である化合物を、上述の希釈剤またはベースと、ならびに所望に応じてカルボキシメチルセルロース、およびアルギン酸塩、ゼラチン、もしくはポリビニルピロリドンなどのバインダー、パラフィンなどの溶解抑制剤(solution retardant)、四級塩などの再吸収促進剤、ならびに/またはベントナイト、カオリン、もしくはリン酸二カルシウムなどの吸収剤と共に混合することで作製される。粉末混合物は、シロップ、デンプンペースト、アカディア粘液(acadia mucilage)、またはセルロース系もしくはポリマー系物質の溶液など、バインダーを湿潤させ、それをスクリーンに通すことによって造粒してよい。造粒を行う代わりに、粉末混合物を錠剤機に通してもよく、その結果、不完全に形成されたスラッグが得られ、これを崩壊させて顆粒とする。顆粒は、錠剤成形ダイスに付着することを防止するために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、またはミネラル油を添加することによって潤滑してよい。潤滑された混合物を、次に圧縮して錠剤とする。本発明の化合物または塩はまた、易流動性不活性キャリアと組み合わせ、造粒またはスラッギング工程を経ることなく、直接圧縮して錠剤としてよい。シェラックのシールコート、糖またはポリマー系物質のコーティング、およびワックスの光沢コーティングからなる透明 不透明の保護コーティングを提供してよい。用量の違いを区別するために、これらのコーティングに染料を添加してよい。
【0073】
溶液、シロップ、およびエリキシールなどの経口液は、一定量が活性成分の所定量を含有するように単位剤形として作製してよい。シロップは、本発明の化合物またはその塩を適切に香味付けされた水溶液中に溶解することによって作製してよく、一方エリキシールは、無毒性のアルコール系媒体を用いて作製される。懸濁液は、本発明の化合物またはその塩を無毒性媒体中に分散させることによって製剤してよい。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存剤、ペパーミントオイルなどの香味添加剤、天然甘味剤、サッカリン、またはその他の合成甘味剤なども添加してよい。
【0074】
該当する場合、経口投与用の単位用量製剤は、マイクロカプセル化してよい。その製剤はまた、例えばコーティングすることにより、または微粒子物質をポリマー、ワックスなどに包埋することにより、放出が遅延または持続されるように作製してもよい。
【0075】
本発明において、錠剤およびカプセルは、医薬組成物の送達に好ましいものである。
【0076】
本明細書で用いられる場合、「処置(treatment)」の用語は、予防を含み、指定された病状の軽減、病状の1つ以上の症状の除去もしくは低減、病状の進行の遅延もしくは除去、および過去に罹患した、もしくは診断を受けた患者または対象における病状の再発の防止、または遅延を意味する。予防(または疾患発症の防止もしくは遅延)は、通常、発症した疾患もしくは病状を有する患者に対して行われるであろうものと同じ、または類似の方法で薬物を投与することによって達成される。
【0077】
本発明は、本発明の化合物が標的とする少なくとも1つの疾患状態を有する哺乳類、特にヒトにおける処置の方法を提供する。そのような処置は、式(I)の化合物またはその塩の治療有効量を、前記哺乳類、特にヒトに投与する工程を含む。処置はまた、式(I)の化合物またはその塩を含有する医薬組成物の治療有効量を、前記哺乳類、特にヒトに投与する工程を含んでもよい。
【0078】
本明細書で用いられる場合、「有効量」の用語は、例えば研究者または医師によって求められる、組織、系、動物、もしくはヒトの生物学的または医学的応答を引き起こす薬物または医薬剤の量を意味する。
【0079】
「治療有効量(therapeutically effective amount)」の用語は、そのような量を受けていない対応する対象と比較して、疾患、障害、もしくは副作用の処置、治癒、予防、または寛解の改善、または、疾患もしくは障害の進行速度の低下をもたらすいかなる量をも意味する。この用語はまた、その範囲内に、正常な生理学的機能を向上させるのに有効である量も含む。治療法に用いられる場合、治療有効量の式(I)の化合物、ならびにその塩は、未加工のままの化学物質として投与してよい。加えて、その活性成分は、医薬組成物として提供してもよい。
【0080】
治療法に用いられる場合に、治療有効量の式(I)の化合物またはその塩を、未加工のままの化学物質として投与し得ることが可能ではあるものの、通常は、それは、医薬組成物または製剤の活性成分として提供される。
【0081】
本発明の化合物またはその塩の正確な治療有効量は、処置を受ける対象(患者)の年齢および体重、処置を必要とする正確な障害およびその重篤度、医薬製剤/組成物の性質、ならびに投与経路を含むがこれらに限定されない数多くの因子に依存し、最終的には、担当医師または獣医の判断となる。通常、式(I)の化合物またはその塩は、1日あたりレシピエント(患者、哺乳類)の体重に対して約0.1〜100mg/kgの範囲にて、より通常は、1日あたり体重に対して0.1〜10mg/kgの範囲にて処置のために与えられる。許容される1日量は、約1〜約1000mg/日、好ましくは約1〜約100mg/日であってよい。この量は、1日あたり単一の用量で与えてよく、または合計の1日量が同じであるように1日あたりいくつか(2、3、4、5、またはそれ以上)のサブ用量で与えてもよい。その塩の有効量は、式(I)の化合物自体の有効量に比例して決定してよい。処置のために本明細書で言及されるその他の病状の処置(予防を含む)に対しても、同様の用量が適切であるはずである。一般的に、適切な用量は、医療または製薬の技術分野における当業者であれば、容易に決定することができる。
【0082】
組み合わせ
式(I)の化合物が癌の処置のために投与される場合、「共投与(co-administering)」の用語およびその派生語は、本明細書で用いられる場合、本明細書で述べるFAS阻害化合物、ならびに化学療法および放射線治療を含む癌の処置に有用であることが公知である1もしくは複数のさらなる活性成分の同時投与、またはいずれかの形の別個の順次投与を意味する。1もしくは複数のさらなる活性成分の用語は、本明細書で用いられる場合、癌の処置を必要とする患者に投与されると、有利な特性を示すか、もしくはそのことが公知であるいかなる化合物または治療薬剤も含む。好ましくは、投与が同時ではない場合、化合物は、互いに近接した時間間隔で投与される。さらに、化合物が同じ剤形で投与されるか否かは問題ではなく、例えば、1つの化合物は、局所投与してよく、別の化合物は、経口投与してもよい。
【0083】
通常、処置される感受性の高い腫瘍に対する活性を有するいずれの抗新生物剤(anti-neoplastic agent)も、本発明における癌処置で共投与してよい。そのような薬剤の例は、Cancer Principles and Practice f Oncology by V.T. Devita and S. Hellman (editors), 6th edition (February 15, 2001), Lippincott Williams & Wilkins Publishersに見出すことができる。当業者であれば、関与する薬物および癌の特定の特性に基づいて、薬剤のどの組み合わせが有用であるかを識別することができる。本発明において有用である典型的な抗新生物剤としては、これらに限定されないが、ジテルペノイドおよびビンカアルカロイドなどの微小管阻害剤;白金配位錯体;ナイトロジェンマスタード、オキサアザホスホリン、アルキルスルホネート、ニトロソウレア、およびトリアゼンなどのアルキル化剤;アントラサイクリン、アクチノマイシン、およびブレオマイシンなどの抗生物質剤;エピポドフィロトキシンなどのトポイソメラーゼII阻害剤;プリンおよびピリミジンアナログおよび抗葉酸化合物などの代謝拮抗剤;カンプトテシンなどのトポイソメラーゼI阻害剤;ホルモンおよびホルモンアナログ;シグナル伝達経路阻害剤;非受容体チロシンキナーゼ血管新生阻害剤;免疫治療剤;アポトーシス促進剤;ならびに細胞周期シグナル伝達阻害剤が挙げられる。抗新生物剤の限定されないリストは、本明細書にて提供される。
【0084】
本発明のFAS阻害化合物との組み合わせまたは共投与に用いられる1もしくは複数のさらなる活性成分の例は、化学療法剤である。
【0085】
微小管阻害剤または有糸分裂阻害剤は、細胞周期のM期または有糸分裂期の腫瘍細胞の微小管に対して活性である、期特異的薬剤である。微小管阻害剤の例としては、ジテルペノイドおよびビンカアルカロイドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
天然源由来のジテルペノイドは、細胞周期のG/M期で作用する期特異的抗癌剤である。ジテルペノイドは、微小管のβ‐チューブリンサブユニットを、このタンパク質と結合することによって安定化すると考えられる。次に、そのタンパク質の分解が阻害され、有糸分裂が停止して細胞死が続いて発生すると考えられる。ジテルペノイドの例としては、パクリタキセルおよびそのアナログのドセタキセルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
パクリタキセル、5β,20‐エポキシ‐1,2α,4,7β,10β,13α‐ヘキサ‐ヒドロキシタキサ‐11‐エン‐9‐オン4,10‐ジアセテート2‐ベンゾエートの(2R,3S)‐N‐ベンゾイル‐3‐フェニルイソセリンによる13‐エステルは、太平洋イチイ(Pacific yew)の木であるタキサスブレビフォリア(Taxus brevifolia)から単離された天然のジテルペン生成物であり、注射用溶液TAXOL(商標)として市販されている。それは、テルペンのタキサンファミリーのメンバーである。それは、Wani et al. J. Am. Chem, Soc., 93:2325. 1971によって1971年に初めて単離され、化学的およびX線結晶学的方法によってその構造が特定された。その活性の1つの機構は、パクリタキセルのチューブリンに結合する能力に関連し、それによって、癌細胞の成長を阻害する。Schiff et al., Proc. Natl, Acad, Sci. USA, 77:1561-1565 (1980);Schiff et al., Nature, 277:665-667 (1979);Kumar, J. Biol, Chem, 256: 10435-10441 (1981)。いくつかのパクリタキセル誘導体の合成および抗癌活性のレビューについては、D.G.I. Kingston et al., Studies in Organic Chemistry vol. 26, entitled “New trends in Natural Products Chemistry 1986”, Attaur-Rahman, P.W. Le Quesne, Eds. (Elsevier, Amsterdam, 1986) pp 219-235、を参照されたい。
【0088】
パクリタキセルは、米国において、難治性卵巣癌の処置における臨床用途に対して(Markman et al., Yale Journal of Biology and Medicine, 64:583, 1991;McGuire et al., Ann. Intem, Med., 111:273,1989)および乳癌の処置に対して(Holmes et al., J. Nat. Cancer Inst., 83:1797,1991)承認されている。それは、皮膚における新生物(Einzig et. al., Proc. Am. Soc. Clin. Oncol., 20:46)および頭頸部癌(Forastire et. al., Sem. Oncol., 20:56, 1990)の処置に対して可能性のある候補である。この化合物はまた、多嚢胞性腎臓疾患(Woo et. al., Nature, 368:750. 1994)、肺癌、およびマラリアの処置に対しても可能性を示す。パクリタキセルによる患者の処置は、骨髄抑制(bone marrow suppression)をもたらし(multiple cell lineages, Ignoff, R.J. et. al, Cancer Chemotherapy Pocket Guide, 1998)、それは閾値濃度(50nM)を超える投与の継続期間に関連している(Kearns, C.M. et. al., Seminars in Oncology, 3(6) p.16-23, 1995)。
【0089】
ドセタキセル、(2R,3S)‐N‐カルボキシ‐3‐フェニルイソセリン,tert‐ブチルエステルの5β‐20‐エポキシ‐1,2α,4,7β,10β,13α‐ヘキサヒドロキシタキサ‐11‐エン‐9‐オン4‐アセテート2‐ベンゾエートによる13−エステル,三水和物は、TAXOTERE(商標)として注射用溶液として市販されている。ドセタキセルは、乳癌の処置に必要とされている。ドセタキセルは、ヨーロッパイチイ(European Yew)の木の針状葉から抽出した天然の前駆体10‐デアセチル‐バッカチンIIIを用いて作製されるパクリタキセル(前項参照(q.v.))の半合成誘導体である。ドセタキセルの用量制限毒性は、好中球減少症である。
【0090】
ビンカアルカロイドは、ニチニチソウ属の植物に由来する期特異的抗新生物剤である。ビンカアルカロイドは、細胞周期のM期(有糸分裂)にて、チューブリンと特異的に結合することによって作用する。その結果、結合されたチューブリン分子は、重合して微小管となることができない。有糸分裂は中期で停止され、続いて細胞死が発生すると考えられる。ビンカアルカロイドの例としては、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビノレルビンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
ビンブラスチン、ビンカロイコブラスチン硫酸塩は、VELBAN(商標)として注射用溶液として市販されている。それは、種々の固形腫瘍の第二選択治療法としての効能を有する可能性があるが、主として、精巣癌、ならびに、ホジキン病;ならびにリンパ球性および組織球性リンパ腫を含む種々のリンパ腫の処置において必要とされる。ビンブラスチンの用量制限副作用は、骨髄抑制である。
【0092】
ビンクリスチン、ビンカロイコブラスチン,22‐オキソ‐,硫酸塩は、ONCOVIN(商標)として注射用溶液として市販されている。ビンクリスチンは、急性白血病の処置に必要とされ、ホジキンおよび非ホジキン悪性リンパ腫のための処置計画にも有用であることが見出されている。脱毛症および神経学的影響が、ビンクリスチンの最も一般的な副作用であり、それより低い程度ではあるが、骨髄抑制および胃腸粘膜炎の副作用が発生する。
【0093】
酒石酸ビノレルビン(NAVELBINE(商標))の注射用溶液として市販されているビノレルビン、3’,4’‐ジデヒドロ‐4’‐デオキシ‐C’ ‐ノルビンカロイコブラスチン[R‐(R,R)‐2,3‐ジヒドロキシブタンジオエート(1:2)(塩)]は、半合成ビンカアルカロイドである。ビノレルビンは、単一剤として、またはシスプラチンなどのその他の化学療法剤と組み合わせて、種々の固形腫瘍、特に非小細胞肺癌、進行乳癌、およびホルモン不応性前立腺癌の処置において必要とされる。ビノレルビンの最も一般的な用量制限副作用は、骨髄抑制である。
【0094】
白金配位錯体は、期非特異的抗癌剤であり、これはDNAと相互作用を起こす。白金錯体は、腫瘍細胞に進入し、アクア化を受けてDNAと鎖内および鎖間架橋を形成し、腫瘍に対する有害な生物学的効果を引き起こす。白金配位錯体の例としては、シスプラチンおよびカルボプラチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
シスプラチン、シス‐ジアンミンジクロロ白金は、PLATINOL(商標)として注射用溶液として市販されている。シスプラチンは、主として、転移性精巣癌および卵巣癌、ならびに進行膀胱癌の処置において必要とされる。シスプラチンの主な用量制限副作用は、水分負荷および利尿により制御し得る腎毒性、ならびに聴器毒性である。
【0096】
カルボプラチン、白金,ジアンミン[1,1‐シクロブタン‐ジカルボキシレート(2‐)‐O,O’]は、PARAPLATIN(商標)として注射用溶液として市販されている。カルボプラチンは、進行卵巣癌の第一および第二選択処置で主として必要とされる。カルボプラチンの用量制限毒性は、骨髄抑制である。
【0097】
アルキル化剤は、期非特異的抗癌剤(non-phase anti-cancer specific agents)であり、強い求電子剤である。通常、アルキル化剤は、ホスフェート、アミノ、スルフヒドリル、ヒドロキシル、カルボキシル、およびイミダゾール基などのDNA分子の求核部分を通したアルキル化により、DNAと共有結合を形成する。そのようなアルキル化は、核酸機能を撹乱して細胞死へと導く。アルキル化剤の例としては、シクロホスファミド、メルファラン、およびクロラムブシルなどのナイトロジェンマスタード;ブスルファンなどのアルキルスルホネート;カルムスチンなどのニトロソウレア;ならびにダカルバジンなどのトリアゼンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
シクロホスファミド、2‐[ビス(2‐クロロエチル)アミノ]テトラヒドロ‐2H‐1,3,2‐オキサアザホスホリン2‐オキシド一水和物は、CYTOXAN(商標)として注射用溶液または錠剤として市販されている。シクロホスファミドは、単一剤として、またはその他の化学療法剤と組み合わせて、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、および白血病の処置において必要とされる。脱毛症、悪心、嘔吐、および白血球減少症が、シクロホスファミドの最も一般的な用量制限副作用である。
【0099】
メルファラン、4‐[ビス(2‐クロロエチル)アミノ]‐L‐フェニルアラニンは、ALKERAN(商標)として注射用溶液または錠剤として市販されている。メルファランは、多発性骨髄腫および卵巣の切除不能な上皮癌の緩和処置に必要とされる。骨髄抑制が、メルファランの最も一般的な用量制限副作用である。
【0100】
クロラムブシル、4‐[ビス(2‐クロロエチル)アミノ]ベンゼンブタン酸は、LEUKERAN(商標)錠剤として市販されている。クロラムブシルは、慢性リンパ性白血病、およびリンパ肉腫などの悪性リンパ腫、巨大濾胞性リンパ腫、およびホジキン病の緩和処置に必要とされる。骨髄抑制が、クロラムブシルの最も一般的な用量制限副作用である。
【0101】
ブスルファン、1,4‐ブタンジオールジメタンスルホネートは、MYLERAN(商標)錠剤として市販されている。ブスルファンは、慢性骨髄性白血病の緩和処置に必要とされる。骨髄抑制が、ブスルファンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0102】
カルムスチン、1,3‐[ビス(2‐クロロエチル)‐1‐ニトロソウレアは、凍結乾燥された物質の単一のバイアルとしてBiCNU(商標)として市販されている。カルムスチンは、単一剤として、またはその他の薬剤と組み合わせて、脳腫瘍、多発性骨髄腫、ホジキン病、および非ホジキンリンパ腫の緩和処置に必要とされる。遅延性骨髄抑制が、カルムスチンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0103】
ダカルバジン、5‐(3,3‐ジメチル‐1‐トリアゼノ)‐イミダゾール‐4‐カルボキサミドは、物質の単一バイアルとしてDTIC‐Dome(商標)として市販されている。ダカルバジンは、転移性の悪性黒色腫の処置に、およびその他の薬剤と組み合わせてホジキン病の第二選択処置に必要とされる。悪心、嘔吐、および食欲不振が、ダカルバジンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0104】
抗生物質の抗新生物剤は、期非特異的薬剤であり、DNAと結合またはインターカレートする。通常、そのような作用は、安定なDNA複合体または鎖切断をもたらし、それが核酸の通常の機能を撹乱して、細胞死へと導く。抗生物質の抗新生物剤の例としては、ダクチノマイシンなどのアクチノマイシン、ダウノルビシンおよびドキソルビシンなどのアントロサイクリン(anthrocyclins);ならびにブレオマイシンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
アクチノマイシンDとしても知られるダクチノマイシンは、注射用剤形にてCOSMEGEN(商標)として市販されている。ダクチノマイシンは、ウィルム腫瘍および横紋筋肉腫の処置に必要とされる。悪心、嘔吐、および食欲不振が、ダクチノマイシンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0106】
ダウノルビシン、(8S‐シス‐)‐8‐アセチル‐10‐[(3‐アミノ‐2,3,6‐トリデオキシ‐α‐L‐リキソ‐ヘキソピラノシル)オキシ]‐7,8,9,10‐テトラヒドロ‐6,8,11‐トリヒドロキシ‐1‐メトキシ‐5,12ナフタセンジオン塩酸塩は、リポソーム注射用剤形としてDAUNOXOME(商標)として、または注射液としてCERUBIDINE(商標)として市販されている。ダウノルビシンは、急性非リンパ球性白血病および進行したHIV関連カポジ肉腫の処置において寛解誘導のために必要とされる。骨髄抑制が、ダウノルビシンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0107】
ドキソルビシン、(8S、10S)‐10‐[(3‐アミノ‐2,3,6‐トリデオキシ‐α‐L‐リキソ‐ヘキソピラノシル)オキシ]‐8‐グリコロイル,7,8,9,10‐テトラヒドロ‐6,8,11‐トリヒドロキシ‐1‐メトキシ‐5,12ナフタセンジオン塩酸塩は、注射用剤形としてRUBEX(商標)またはADRIAMYCIN RDF(商標)として市販されている。ドキソルビシンは、急性リンパ芽球性白血病および急性骨髄芽球性白血病の処置において主として必要とされるが、いくつかの固形腫瘍およびリンパ腫の処置においても有用な構成成分である。骨髄抑制が、ドキソルビシンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0108】
ブレオマイシン、ストレプトマイセスベルチシルス(Streptomyces verticillus)の株から単離された細胞傷害性グリコペプチド抗生物質の混合物は、BLENOXANE(商標)として市販されている。ブレオマイシンは、単一剤として、またはその他の薬剤と組み合わせて、扁平上皮細胞癌、リンパ腫、および精巣癌の緩和処置として必要とされる。肺および皮膚の毒性が、ブレオマイシンの最も一般的な用量制限副作用である。
【0109】
トポイソメラーゼII阻害剤としては、エピポドフィロトキシンが挙げられるが、これに限定されない。
【0110】
エピポドフィロトキシンは、植物マンダラゲに由来する期特異的抗新生物剤である。エピポドフィロトキシンは、通常、トポイソメラーゼIIおよびDNAと3元複合体を形成することで、細胞周期のSおよびG期の細胞に作用し、DNA鎖の切断を引き起こす。鎖切断が蓄積して、続いて細胞死が発生する。エピポドフィロトキシンの例としてはエトポシドおよびテニポシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
エトポシド、4’‐デメチル−エピポドフィロトキシン9[4,6‐0‐(R)‐エチリデン‐β‐D‐グルコピラノシド]は、注射用溶液またはカプセルとしてVePESID(商標)として市販されており、一般的には、VP‐16として知られている。エトポシドは、単一剤として、またはその他の化学療法剤と組み合わせて、精巣癌および非小細胞肺癌の処置において必要とされる。骨髄抑制が、エトポシドの最も一般的な副作用である。白血球減少症の発生の方が、血小板減少症よりも重度となる傾向にある。
【0112】
テニポシド、4’‐デメチル‐エピポドフィロトキシン9[4,6‐0‐(R)‐チエニリデン‐β‐D‐グルコピラノシド]は、注射用溶液としてVUMON(商標)として市販されており、一般的には、VM‐26として知られている。テニポシドは、単一剤として、またはその他の化学療法剤と組み合わせて、小児急性白血病の処置において必要とされる。骨髄抑制が、テニポシドの最も一般的な用量制限副作用である。テニポシドは、白血球減少症および血小板減少症の両方を誘発し得る。
【0113】
代謝拮抗剤の抗新生物剤(antimetabolite neoplastic agents)は、DNA合成を阻害することによって、またはプリンもしくはピリミジン塩基合成を阻害することでDNA合成を制限することによって、細胞周期のS期(DNA合成)に作用する期特異的抗新生物剤である。その結果、S期は進行せず、続いて細胞死が発生する。代謝拮抗剤の抗新生物剤の例としては、フルオロウラシル、メトトレキセート、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、およびゲムシタビンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
5‐フルオロウラシル、5‐フルオロ‐2,4‐(1H,3H)ピリミジンジオンは、フルオロウラシルとして市販されている。5‐フルオロウラシルの投与は、チミジレート合成の阻害を引き起こし、またRNAおよびDNAの両方にも組み込まれる。その結果は、通常は細胞死である。5‐フルオロウラシルは、単一剤として、またはその他の化学療法剤と組み合わせて、乳癌、結腸癌、直腸癌、胃癌、および膵臓癌の処置において必要とされる。骨髄抑制および粘膜炎が、5‐フルオロウラシルの用量制限副作用である。その他のフルオロピリミジンアナログには、5‐フルオロデオキシウリジン(フロクスウリジン)および5‐フルオロデオキシウリジン一リン酸が含まれる。
【0115】
シタラビン、4‐アミノ‐1‐β‐D‐アラビノフラノシル‐2(1H)‐ピリミジノンは、CYTOSAR‐U(商標)として市販されており、一般的にはAra‐Cとして知られている。シタラビンは、成長するDNA鎖中へのシタラビンの末端組み込みによってDNA鎖伸張を阻害することにより、S期にて細胞期特異性を示すと考えられる。シタラビンは、単一剤として、またはその他の化学療法剤と組み合わせて、急性白血病の処置において必要とされる。他のシチジンアナログには、5‐アザシチジンおよび2’,2’‐ジフルオロデオキシシチジン(ゲムシタビン)が含まれる。シタラビンは、白血球減少症、血小板減少症、および粘膜炎を誘発する。
【0116】
メルカプトプリン、1,7‐ジヒドロ‐6H‐プリン‐6‐チオン一水和物は、PURINETHOL(商標)として市販されている。メルカプトプリンは、依然として特定されていない機構によってDNA合成を阻害することにより、S期にて細胞期特異的性を示す。メルカプトプリンは、単一剤として、またはその他の化学療法剤と組み合わせて、急性白血病の処置において必要とされる。骨髄抑制および胃腸粘膜炎が、高用量におけるメルカプトプリンの予期される副作用である。有用なメルカプトプリンアナログは、アザチオプリンである。
【0117】
チオグアニン、2‐アミノ‐1,7‐ジヒドロ‐6H‐プリン‐6‐チオンは、TABLOID(商標)として市販されている。チオグアニンは、依然として特定されていない機構によってDNA合成を阻害することにより、S期にて細胞期特異的性を示す。チオグアニンは、単一剤として、またはその他の化学療法剤と組み合わせて、急性白血病の処置において必要とされる。白血球減少症、血小板減少症、および貧血を含む骨髄抑制が、チオグアニン投与の最も一般的な用量制限副作用である。しかし、胃腸系副作用も発生し、用量制限となり得る。他のプリンアナログには、ペントスタチン、エリトロヒドロキシノニルアデニン、フルダラビンホスフェート、およびクラドリビンが含まれる。
【0118】
ゲムシタビン、2’‐デオキシ‐2’、2’ ‐ジフルオロシチジン一塩酸塩(β‐異性体)は、GEMZAR(商標)として市販されている。ゲムシタビンは、S期に、G1/S境界を通しての細胞の進行を遮断することにより、細胞期特異的性を示す。ゲムシタビンは、シスプラチンと組み合わせて局所的に進行した非小細胞肺癌の処置において、および単独では局所的に進行した膵臓癌の処置において必要とされる。白血球減少症、血小板減少症、および貧血症を含む骨髄抑制が、ゲムシタビン投与の最も一般的な用量制限副作用である。
【0119】
メトトレキセート、N‐[4[[(2,4‐ジアミノ‐6‐プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]‐L‐グルタミン酸は、メトトレキセートナトリウムとして市販されている。メトトレキセートは、プリンヌクレオチドおよびチミジレートの合成に必要とされるジヒドロ葉酸レダクターゼの阻害を通して、特異的にS期にてDNAの合成、修復、および/または複製を阻害することにより、細胞期効果を示す。メトトレキセートは、単一剤として、またはその他の化学療法剤と組み合わせて、絨毛上皮腫、髄膜白血病、非ホジキンリンパ腫、ならびに乳癌、頭部癌、頸部癌、卵巣癌、および膀胱癌の処置において必要とされる。骨髄抑制(白血球減少症、血小板減少症、および貧血症)および粘膜炎が、メトトレキセート投与の予期される副作用である。
【0120】
カンプトテシンおよびカンプトテシン誘導体を含むカンプトテシン類は、トポイソメラーゼI阻害剤として利用可能であるかまたは開発中である。カンプトテシンの細胞傷害活性は、そのトポイソメラーゼI阻害活性と関係していると考えられる。カンプトテシンの例としては、イリノテカン、トポテカン、および以下に記載する7‐(4‐メチルピペラジノ‐メチレン)‐10,11‐エチレンジオキシ‐20‐カンプトテシンの種々の光学的形態が挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
イリノテカンHCl、(4S)‐4,11‐ジエチル‐4‐ヒドロキシ‐9‐[(4‐ピペリジノピペリジノ)カルボニルオキシ]‐1H‐ピラノ[3’,4’,6,7]インドリジノ[1,2‐b]キノリン‐3,14(4H,12H)‐ジオン塩酸塩は、注射用溶液CAMPTOSAR(商標)として市販されている。
【0122】
イリノテカンは、その活性代謝物SN‐38と共に、トポイソメラーゼI‐DNA複合体に結合するカンプトテシンの誘導体である。細胞傷害性は、トポイソメラーゼI:DNA:イリンテカン(irintecan)またはSN‐38の3元複合体と複製酵素との相互作用により引き起こされる修復不能の二本鎖切断の結果として発生するものと考えられる。イリノテカンは、結腸または直腸の転移性癌の処置において必要とされる。イリノテカンHClの用量制限副作用は、好中球減少症を含む骨髄抑制、および下痢を含むGIへの作用である。
【0123】
トポテカンHCl、(S)‐10‐[(ジメチルアミノ)メチル]‐4‐エチル‐4,9‐ジヒドロキシ‐1H‐ピラノ[3’,4’,6,7]インドリジノ[1,2‐b]キノリン‐3,14‐(4H,12H)‐ジオン一塩酸塩は、注射用溶液HYCAMTIN(商標)として市販されている。トポテカンは、トポイソメラーゼI‐DNA複合体に結合して、DNA分子のねじれ歪みに応答してトポイソメラーゼIにより引き起こされる一本鎖切断の再連結を阻止するカンプトテシン誘導体である。トポテカンは、卵巣の転移性癌および小細胞肺癌の第二選択処置において必要とされる。トポテカンHClの用量制限副作用は、骨髄抑制、主として好中球減少症である。
【0124】
ラセミ混合物(R,S)の形態、ならびにRおよびSエナンチオマーを含む、現在開発中である以下の式Aのカンプトテシン誘導体も興味深く:
【0125】
【化6】
【0126】
これは、「7‐(4‐メチルピペラジノ‐メチレン)‐10,11‐エチレンジオキシ‐20(R,S)‐カンプトテシン(ラセミ混合物)、または「7‐(4‐メチルピペラジノ‐メチレン)‐10,11‐エチレンジオキシ‐20(R)‐カンプトテシン(Rエナンチオマー)、または「7‐(4‐メチルピペラジノ‐メチレン)‐10,11‐エチレンジオキシ‐20(S)‐カンプトテシン(Sエナンチオマー)の化学名で知られている。このような化合物ならびに関連する化合物は、作製方法を含めて、米国特許第6,063,923号;同第5,342,947号;同第5,559,235号;同第5,491,237号、および1997年11月24日出願の係属中の米国特許出願第08/977,217号に記載されている。
【0127】
ホルモンおよびホルモンアナログは、その(1もしくは複数の)ホルモンと癌の成長および/または成長欠如との間に関係性が存在する場合に、癌を処置するために有用な化合物である。癌処置に有用なホルモンおよびホルモンアナログの例としては、小児における悪性リンパ腫および急性白血病の処置に有用であるプレドニゾンおよびプレドニゾロンなどのアドレノコルチコステロイド;副腎皮質癌およびエストロゲン受容体を含むホルモン依存性乳癌の処置に有用であるアナストロゾール、レトラゾール(letrazole)、ボラゾール(vorazole)、およびエクセメスタンなどのアミノグルテチミドならびにその他のアロマターゼ阻害剤;ホルモン依存性乳癌および子宮内膜癌の処置に有用であるメゲストロールアセテートなどのプロゲストリン;前立腺癌および良性前立腺肥大症の処置に有用である、エストロゲン、アンドロゲン、およびフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、シプロテロンアセテートなどの抗アンドロゲン剤、ならびにフィナステリドおよびデュタステリドなどの5α‐レダクターゼ;ホルモン依存性乳癌およびその他の感受性癌の処置に有用であるタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェンなどの抗エストロゲン、ならびに米国特許第5,681,835号、同第5,877,219号、および同第6,207,716号に記載のものなどの選択的エストロゲン受容体調節剤(SERMS);ならびに、前立腺癌処置のための、ゴセレリンアセテートおよびリュープロリドなどのLHRHアゴニストおよびアンタゴニストを例とする、黄体形成ホルモン(LH)および/または卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を刺激するゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)およびそのアナログ、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0128】
レトロゾール(商品名Femara)は、外科手術後のホルモン反応性乳癌の処置のための経口非ステロイド系アロマターゼ阻害剤である。アロマターゼ酵素の作用を通してのアンドロゲンの変換によってエストロゲンが産生される。次に、エストロゲンは、エストロゲン受容体と結合し、それによって、細胞分裂が引き起こされる。レトロゾールは、そのチトクロムP450ユニットのヘムとの競合的な可逆性結合によって、アロマターゼによるエストロゲン産生を阻止する。この作用は特異的であり、レトロゾールは、ミネラロ‐またはコルチコステロイドの産生を低下させない。
【0129】
シグナル伝達経路阻害剤は、細胞内変化を引き起こす化学的プロセスを遮断または阻害する阻害剤である。本明細書で用いられる場合、この変化は、細胞増殖または分化である。本発明に有用であるシグナル伝達阻害剤には、受容体チロシンキナーゼ、非受容体チロシンキナーゼ、SH2/SH3ドメイン遮断剤、セリン/トレオニンキナーゼ、ホスホチジルイノシトール‐3キナーゼ、ミオ‐イノシトールシグナル伝達、およびRas癌遺伝子の阻害剤が含まれる。
【0130】
いくつかのタンパク質チロシンキナーゼは、細胞成長の制御に関与する種々のタンパク質中の特定のチロシル残基のリン酸化を触媒する。そのようなタンパク質チロシンキナーゼは、受容体または非受容体キナーゼとして広く分類することができる。
【0131】
受容体チロシンキナーゼは、細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通型ドメイン、およびチロシンキナーゼドメインを有する膜貫通型タンパク質である。受容体チロシンキナーゼは、細胞成長の制御に関与し、一般に成長因子受容体と称される。これらのキナーゼの多くの不適切なまたは制御されない活性化、すなわち、例えば過剰発現または変異による異常なキナーゼ成長因子受容体活性は、制御されない細胞成長をもたらすことが示されている。従って、このようなキナーゼの異常活性は、悪性の組織成長に結びつけられている。その結果として、そのようなキナーゼの阻害剤は、癌の処置方法を提供する可能性がある。成長因子受容体としては、例えば、上皮性成長因子受容体(EGFr)、血小板由来成長因子受容体(PDGFr)、erbB2、erbB4、血管内皮成長因子受容体(VEGFr)、免疫グロブリン様および上皮成長因子相同ドメインを有するチロシンキナーゼ(TIE‐2)、インスリン成長因子‐I(IGFI)受容体、マクロファージコロニー刺激因子(cfms)、BTK、ckit、cmet、線維芽細胞成長因子(FGF)受容体、Trk受容体(TrkA、TrkB、およびTrkC)、エフリン(eph)受容体、およびRET癌原遺伝子が挙げられる。成長受容体のいくつかの阻害剤が開発中であり、それにはリガンドアンタゴニスト、抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、およびアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。成長因子受容体および成長因子受容体機能の阻害剤は、例えば、Kath, John C., Exp. Opin. Ther. Patents (2000) 10(6):803-818;Shawver et al DDT Vol 2, No.2 February 1997;および、Lofts, F.J. et al, "Growth factor receptors as targets", New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy, ed. Workman, Paul and Kerr, David, CRC press 1994, London、に記載されている。
【0132】
成長因子受容体キナーゼではないチロシンキナーゼは、非受容体チロシンキナーゼと称される。本発明において有用である非受容体チロシンキナーゼは、抗癌剤の標的または考え得る標的であり、cSrc、Lck、Fyn、Yes、Jak、cAbl、FAK(接着斑キナーゼ)、ブルトン型チロキシンキナーゼ、およびBcr‐Ablが挙げられる。そのような非受容体キナーゼおよび非受容体チロシンキナーゼ機能の阻害剤は、Sinh, S. and Corey, S.J., (1999) Journal of Hematotherapy and Stem Cell Research 8 (5): 465-80;およびBolen, J.B., Brugge, J.S., (1997) Annual review of Immunology. 15: 371-404、に記載されている。
【0133】
SH2/SH3ドメイン遮断剤は、PI3‐K p85サブユニット、Srcファミリーキナーゼ、アダプター分子(Shc、Crk、Nck、Grb2)、およびRas‐GAPを含む種々の酵素またはアダプタータンパク質中のSH2またはSH3ドメイン結合を分断する薬剤である。抗癌薬物の標的としてのSH2/SH3ドメインは、Smithgall, T.E. (1995), Journal of Pharmacological and Toxicological Methods. 34(3) 125-32にて考察されている。
【0134】
Rafキナーゼ(rafk)、マイトジェンまたは細胞外制御キナーゼ(Mitogen or Extracellular Regulated Kinase)(MEK)、および細胞外制御キナーゼ(ERK)の遮断剤を含むMAPキナーゼカスケード遮断剤;ならびにPKC(アルファ、ベータ、ガンマ、イプシロン、ミュー、ラムダ、イオタ、ゼータ)の遮断剤を含むタンパク質キナーゼCファミリーメンバー遮断剤、を含むセリン/トレオニンキナーゼの阻害剤。IkBキナーゼファミリー(IKKa、IKKb)、PKBファミリーキナーゼ、AKTキナーゼファミリーメンバー、およびTGFベータ受容体キナーゼ。そのようなセリン/トレオニンキナーゼおよびそれらの阻害剤は、Yamamoto, T., Taya, S., Kaibuchi, K., (1999), Journal of Biochemistry. 126 (5) 799-803;Brodt, P, Samani, A., and Navab, R. (2000), Biochemical Pharmacology, 60. 1101-1107;Massague, J., Weis-Garcia, F. (1996) Cancer Surveys. 27:41-64;Philip, P.A., and Harris, A.L. (1995), Cancer Treatment and Research. 78: 3-27、Lackey, K. et al Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, (10), 2000, 223-226;米国特許第6,268,391号;およびMartinez-Iacaci, L., et al, Int. J. Cancer (2000), 88(1), 44-52、に記載されている。
【0135】
PI3‐キナーゼ、ATM、DNA‐PK、およびKuの遮断剤を含むホスホチジルイノシトール‐3キナーゼファミリーメンバーの阻害剤も、本発明において有用であり得る。そのようなキナーゼは、Abraham, R.T. (1996), Current Opinion in Immunology. 8(3) 412-8;Canman, C.E., Lim, D.S. (1998), Oncogene 17(25) 3301-3308;Jackson, S.P. (1997), International Journal of Biochemistry and Cell Biology. 29(7):935-8;およびZhong, H. et al, Cancer res, (2000) 60(6), 1541-1545、にて考察されている。
【0136】
ホスホリパーゼC遮断剤およびミオイノシトールアナログなどのミオイノシトールシグナル伝達阻害剤も、本発明において有用である。そのようなシグナル阻害剤は、Powis, G., and Kozikowski A., (1994) New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy ed., Paul Workman and David Kerr, CRC press 1994, London、に記載されている。
【0137】
シグナル伝達経路阻害剤の別の群は、Ras癌遺伝子の阻害剤である。そのような阻害剤としては、ファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニル‐ゲラニルトランスフェラーゼ、およびCAAXプロテアーゼの阻害剤、ならびにアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、および免疫療法剤が挙げられる。そのような阻害剤は、野生型変異体rasを含有する細胞におけるrasの活性化を遮断し、それによって抗増殖剤として作用することが示されている。Ras癌遺伝子の阻害については、Scharovsky, O.G., Rozados, V.R., Gervasoni, S.I. Matar, P. (2000), Journal of Biomedical Science. 7(4) 292-8;Ashby, M.N. (1998), Current Opinion in Lipidology. 9 (2) 99-102;およびBennett, C.F. and Cowsert, L.M. BioChim. Biophys. Acta, (1999) 1489(1):19-30、にて考察されている。
【0138】
上述のように、受容体キナーゼリガンド結合に対する抗体アンタゴニストも、シグナル伝達阻害剤として利用され得る。シグナル伝達経路阻害剤のこの群には、受容体チロシンキナーゼの細胞外のリガンド結合ドメインに対するヒト化抗体の使用が含まれる。例えば、Imclone C225 EGFR特異的抗体(Green, M.C. et al, Monoclonal Antibody Therapy for Solid Tumors, Cancer Treat. Rev., (2000), 26(4), 269-286参照);Herceptin(商標)erbB2抗体(Tyrosine Kinase Signalling in Breast cancer: erbB Family Receptor Tyrosine Kniases, Breast cancer Res., 2000, 2(3), 176-183参照);および2CB VEGFR2特異的抗体(Brekken, R.A. et al, Selective Inhibition of VEGFR2 Activity by a monoclonal Anti-VEGF antibody blocks tumor growth in mice, Cancer Res. (2000) 60, 5117-5124参照)である。
【0139】
非受容体キナーゼ血管新生阻害剤もまた、本発明において有用であり得る。血管新生に関連するVEGFRおよびTIE2の阻害剤は、シグナル伝達阻害剤に関して上記で考察している(両受容体とも受容体チロシンキナーゼである)。erbB2およびEGFRの阻害剤が、血管新生を、主としてVEGF発現を阻害することが示されていることから、一般的に、血管新生は、erbB2/EGFRシグナル伝達と関連している。従って、erbB2/EGFR阻害剤を、血管新生の阻害剤と組み合わせることは理にかなっている。従って、非受容体チロシンキナーゼ阻害剤を、本発明のEGFR/erbB2阻害剤と組み合わせて用いてよい。例えば、VEGFR(受容体チロシンキナーゼ)を認識しないがリガンドに結合する抗VEGF抗体;血管新生を阻害するインテグリン(アルファベータ)の低分子阻害剤;エンドスタチンおよびアンジオスタチン(非RTK)も、開示されたerbファミリー阻害剤との組み合わせにおいて有用であることが示され得る(Bruns CJ et al (2000), Cancer Res., 60: 2926-2935;Schreiber AB, Winkler ME, and Derynck R. (1986), Science, 232: 1250-1253;Yen L et al. (2000), Oncogene 19: 3460-3469)。
【0140】
VOTRIENT(商標)として市販されているパゾパニブは、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)である。パゾパニブは、塩酸塩として提供され、その化学名は、5‐[[4‐[(2,3‐ジメチル‐2H‐インダゾールー6‐イル)メチルアミノ]‐2‐ピリミジニル]アミノ]‐2‐メチルベンゼンスルホンアミド一塩酸塩である。パゾパニブは、進行腎細胞癌を有する患者の処置用として承認されている。
【0141】
AVASTIN(商標)として市販されているベバシズマブ(Bevacisumab)は、VEGF‐Aを遮断するヒト化モノクローナル抗体である。AVASTIN(商標)は、結腸直腸癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、および神経膠芽腫を含む種々の癌の処置用に承認されている。
【0142】
リツキシマブは、RITUXAN(商標)およびMABTHERA(商標)として販売されているキメラモノクローナル抗体である。リツキシマブは、B細胞上のCD20と結合し、細胞アポトーシスを引き起こす。リツキシマブは、静脈内投与されるものであり、関節リウマチおよびB細胞非ホジキンリンパ腫の処置用に承認されている。
【0143】
オファツムマブは、ARZERRA(商標)として販売されている完全ヒトモノクローナル抗体である。オファツムマブは、B細胞上のCD20と結合し、フルダラビン(Fludara)およびアレムツズマブ Campath)による処置に対して耐性を有する成人における慢性リンパ性白血病 CLL;白血球の癌の一種)の処置に用いられる。
【0144】
トラスツズマブ(HEREPTIN(商標))は、HER2受容体と結合するヒト化モノクローナル抗体である。その元々の適応症は、HER2陽性乳癌である。
【0145】
セツキシマブ(ERBITUX(商標))は、上皮増殖因子受容体(EGFR)を阻害するキメラマウスヒト抗体である。
【0146】
mTOR阻害剤としては、これらに限定されないが、ラパマイシン(FK506)およびラパログ(rapalogs)、RAD001またはエベロリムス(Afinitor)、CCI‐779またはテムシロリムス、AP23573、AZD8055、WYE‐354、WYE‐600、WYE‐687、およびPp121が挙げられる。
【0147】
エベロリムスは、ノバルティスからAfinitor(商標)として販売されており、シロリムスの40−O−(2‐ヒドロキシエチル)誘導体であり、mTOR(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質)阻害剤として働く。それは現在、臓器移植拒絶反応の予防のための免疫抑制剤および腎細胞癌の治療剤として用いられている。エベロリムスおよびその他のmTOR阻害剤に対しても、数多くの癌における使用について多くの研究が行われてきた。これは、以下の化学構造(式II)および化学名を有する:
【化7】
ジヒドロキシ‐12‐[(2R)‐1‐[(1S,3R,4R)‐4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)‐3‐メトキシシクロヘキシル]プロパン‐2‐イル]‐19,30‐ジメトキシ‐15,17,21,23,29,35‐ヘキサメチル‐11,36‐ジオキサ‐4‐アザトリシクロ[30.3.1.04,9]ヘキサトリアコンタ‐16,24,26,28‐テトラエン‐2,3,10,14,20‐ペントン
【0148】
ベキサロテンは、Targretin(商標)として販売されており、レチノイドX受容体(RXR)を選択的に活性化させるレチノイドのサブクラスのメンバーである。これらのレチノイド受容体は、レチノイン酸受容体(RAR)とは異なる生物活性を有する。化学名は、4‐[1‐(5,6,7,8‐テトラヒドロ‐3,5,5,8,8‐ペンタメチル‐2‐ナフタレニル)エテニル]安息香酸である。ベキサロテンは、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL、皮膚癌の一種)の処置のために、その疾患を少なくとも1つの他の薬物では良好に処置することができなかった患者で用いられる。
【0149】
Nexavar(商標)として市販されているソラフェニブは、多標的キナーゼ阻害剤と称される薬物のクラスである。その化学名は、4‐[4‐[[4‐クロロ‐3‐(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイルアミノ]フェノキシ]‐N‐メチル‐ピリジン‐2‐カルボキシアミドである。ソラフェニブは、進行腎細胞癌(腎臓から開始する癌の一種)の処置に用いられる。ソラフェニブはまた、切除不能な肝細胞癌(外科手術で処置することができない肝臓癌の一種)の処置にも用いられる。
【0150】
免疫療法計画において使用される薬剤もまた、式(I)の化合物との組み合わせが有用であり得る。erbB2またはEGFRに対する免疫応答を発生させる数多くの免疫学的戦略が存在する。これらの戦略は、一般的に、腫瘍ワクチン接種の範囲内である。免疫学的手法の効力は、小分子阻害剤を用いたerbB2/EGFRシグナル伝達経路の阻害と組み合わせることにより、大きく向上され得る。erbB2/EGFRに対する免疫学的/腫瘍ワクチン手法の考察は、Reilly RT et al. (2000), Cancer Res. 60: 3569-3576;およびChen Y, Hu D, Eling DJ, Robbins J, and Kipps TJ. (1998), Cancer Res. 58: 1965-1971、に見出される。
【0151】
erbB阻害剤の例としては、ラパチニブ、エルロチニブ、およびゲフィチニブが挙げられる。ラパチニブ、N‐(3‐クロロ‐4‐{[(3‐フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)‐6‐[5‐({[2‐(メチルスルホニル)エチル]アミノ}メチル)‐2‐フラニル]‐4‐キナゾリナミン(示した式IIIで表される)は、erbB‐1およびerbB‐2(EGFRおよびHER2)チロシンキナーゼの強力な経口小分子二重阻害剤であり、HER2陽性転移性乳癌の処置において、カペシタビンとの組み合わせとして承認されている。
【化8】
【0152】
式(III)の化合物の遊離塩基、HCl塩、およびジトシレート塩は、1999年7月15日公開の国際公開第99/35146号および2002年1月10日公開の国際公開第02/02552号に開示される手順に従って作製することができる。
【0153】
エルロチニブ、N‐(3‐エチニルフェニル)‐6,7‐ビス{[2‐(メチルオキシ)エチル]オキシ}‐4‐キナゾリナミン 商品名Tarcevaで市販)は、示した式IVで表される:
【化9】
【0154】
エルロチニブの遊離塩基およびHCl塩は、例えば、米国特許第5,747,498号、実施例20に従って作製することができる。
【0155】
ゲフィチニブ、4‐キナゾリナミン,N‐(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)‐7‐メトキシ‐6‐[3‐4‐モルホリン)プロポキシ]は、示した式Vで表される:
【化10】
【0156】
商品名IRESSA(商標)(アストラ‐ゼネカ(Astra-Zenenca))で市販されているゲフィチニブは、局所的に進行した、または転移した非小細胞肺癌の患者の、白金系およびドセタキセルによる化学療法がいずれも失敗した後の処置に、単剤療法として必要とされる。ゲフィチニブの遊離塩基、HCl塩、および二HCl塩は、1996年4月23日に出願され、1996年10月31日に国際公開第96/33980号として公開された国際特許出願第PCT/GB96/00961号の手順に従って作製することができる。
【0157】
トラスツズマブ(HEREPTIN(商標))は、HER2受容体と結合するヒト化モノクローナルである。その元々の適応症は、HER2陽性乳癌である。
【0158】
セツキシマブ(ERBITUX(商標))は、上皮増殖因子受容体(EGFR)を阻害するキメラマウスヒト抗体である。
【0159】
ペルツズマブ(2C4とも称される、商品名Omnitarg)は、モノクローナル抗体である。「HER二量体化阻害剤」と称される薬剤系列中のそのクラスの最初の物質である。それは、HER2と結合することによって、HER2の他のHER受容体との二量体化を阻害し、そのことによって腫瘍増殖の遅延がもたらされるとする仮説が立てられている。ペルツズマブは、2001年1月4日公開の国際公開第01/00245号に記載されている。
【0160】
リツキシマブは、RITUXAN(商標)およびMABTHERA(商標)として販売されているキメラモノクローナル抗体である。リツキシマブは、B細胞上のCD20と結合し、細胞アポトーシスを引き起こす。リツキシマブは、静脈内投与されるものであり、関節リウマチおよびB細胞非ホジキンリンパ腫の処置用に承認されている。
【0161】
オファツムマブは、ARZERRA(商標)として販売されている完全ヒトモノクローナル抗体である。オファツムマブは、B細胞上のCD20と結合し、フルダラビン(Fludara)およびアレムツズマブ(Campath)による処置に対して耐性を有する成人における慢性リンパ性白血病(CLL;白血球の癌の一種)の処置に用いられる。
【0162】
アポトーシス促進計画において用いられる薬剤も(例:bcl‐2アンチセンスオリゴヌクレオチド)、本発明の組み合わせにおいて用いることができる。タンパク質のBcl‐2ファミリーのメンバーは、アポトーシスを遮断する。bcl‐2の上方制御は、従って、化学療法抵抗性と関連付けられている。研究により、上皮成長因子(EGF)が、bcl‐2ファミリーの抗アポトーシスメンバー(すなわち、mcl‐1)を刺激することが示された。従って、腫瘍中のbcl‐2の発現を下方制御するように設計された戦略が、臨床上の有益性を示し、それは現在フェーズII/III試験中であり、すなわち、ゲンタ(Genta)のG3139 bcl‐2アンチセンスオリゴヌクレオチドである。bcl‐2に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド戦略を用いるそのようなアポトーシス促進戦略は、Water JS et al. (2000), J. Clin. Oncol. 18: 1812-1823;およびKitada S et al. (1994), Antisense Res. Dev. 4: 71-79、にて考察されている。
【0163】
細胞周期シグナル伝達阻害剤は、細胞周期の制御に関与する分子を阻害する。サイクリン依存性キナーゼ(CDK)と称されるタンパク質キナーゼのファミリー、およびサイクリンと称されるタンパク質のファミリーとのそれらの相互作用が、真核細胞周期を通しての進行を制御する。異なるサイクリン/CDK複合体の調和された活性化および不活性化は、細胞周期を通しての正常な進行のために必要である。細胞周期シグナル伝達のいくつかの阻害剤が開発中である。例えば、CDK2、CDK4、およびCDK6を含むサイクリン依存性キナーゼ、ならびにそれらの阻害剤の例が、例えば、Rosania et al, Exp. Opin. Ther. Patents (2000) 10(2):215-230、に記載されている。
【0164】
1つの態様では、本発明の癌の処置方法は、式(I)の化合物および/またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、もしくはプロドラッグと、微小管阻害剤、白金配位錯体、アルキル化剤、抗生物質剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼI阻害剤、ホルモンおよびホルモンアナログ、シグナル伝達経路阻害剤、非受容体チロシンキナーゼ血管新生阻害剤、免疫治療剤、アポトーシス促進剤、ならびに細胞周期シグナル伝達阻害剤からなる群から選択されるものなどの少なくとも1つの抗新生物剤とを、共投与することを含む。
【実施例】
【0165】
略語:aq.、水性;BocO、ジ‐tert‐ブチルジカーボネート;CDI、1,1’‐カルボニルジイミダゾール;CHCl、ジクロロメタン;CHCl、クロロホルム;CHCN、アセトニトリル;CsCO、炭酸セシウム;CsF、フッ化セシウム;d、日;DBU、1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ‐7‐エン;DIAD、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート;DIPEA、ジイソプロピルエチルアミン;DMF、N,N‐ジメチルホルムアミド;DMSO、ジメチルスルホキシド;EDC、N‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N’‐エチルカルボジイミド塩酸塩;EtO、ジエチルエーテル;EtOAc、酢酸エチル;EtOH、エタノール;h、時間;HCl、塩酸;HOAc、酢酸;HOAt、1‐ヒドロキシ‐7‐アザベンゾトリアゾール;HOBt、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール;KCO、炭酸カリウム;KOAc、酢酸カリウム;KOCN、シアン酸カリウム;KPO、リン酸カリウム;MeOH、メタノール;MgSO、硫酸マグネシウム;min.、分;N、窒素ガス;NaHCO、炭酸水素ナトリウム;NaOAc、酢酸ナトリウム;NaSO、硫酸ナトリウム;NHOH、水酸化アンモニウム;NMP、N‐メチルピロリドン;PdCl(dppf)、1,1’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン‐パラジウム(II)ジクロリド・ジクロロメタン複合体;Pd(P‐t‐Bu、ビス(トリ‐tert‐ブチルホスフィン)パラジウム(0);Pd(PPh、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0);PPh、トリフェニルホスフィン;i‐PrOH、イソプロピルアルコール;THF、テトラヒドロフラン;TFA、トリフルオロ酢酸
【0166】
作製
本明細書で述べる誘導体は、以下で述べる一般的方法によって作製した。
【0167】
スキーム/実験
スピロ環式ピペリジンは、スキームIに概略的に示す順序によって、保護ピペリジノンから作製することができる。ピペリジノンをエポキシドへ変換後、種々のアミンの添加によってエポキシドを開環して、アミノアルコール中間体を形成することができる。次に、塩化クロロアセチルなどの試薬を用いたアシル化および環化、ならびにこれに続くBOC基の除去により、スピロ環式ピペリジン中間体が得られる。
【0168】
【化11】
条件:a)ヨウ化トリメチルスルホキソニウム、NaH、DMSO;b)R3−NH、MeOHまたはEtOH、還流;c)塩化クロロアセチル、NaHCO、THF;d)KCO、(n‐Bu)N(HSO)、NaOH水溶液、THF;e)HCl、EtOH、ジオキサン
【0169】
市販されていない場合、スピロ環式ピペリジンとのカップリングに適する臭化アルキル中間体は、官能化前駆体の臭素化によって作製することができる(スキームII)。別の選択肢として、官能化アルコール利用することができ、これを次に、トシレートまたはメシレートのいずれかとして活性化することができる。適切な中間体を作製する方法を説明するいくつかの実施例を、実験セクションに提供する。
【0170】
【化12】
条件:a)NBS、AIBN、CCl;b)MsCl、EtN、CHCN
【0171】
次に、スピロ環式ピペリジンを、臭化物、トシレート、またはメシレートなどの脱離基(LG)を有する適切な試薬によるアルキル化を通して作り上げることができる(スキームIII)。次に、種々のアリールもしくはヘテロアリールボロネートまたはボロン酸を用いた鈴木クロスカップリングによって最終生成物が得られ、これをキラルクロマトグラフィによって分割することができる。
【0172】
スキームIII:
【化13】
条件:a)DIPEA、EtN、またはピリジン、CHCN、23〜90℃;b)R1−B(OR)、PdCl(dppf)‐CHCl(触媒)、KCO水溶液、ジオキサン、100〜120℃
【0173】
鈴木クロスカップリング反応における自由度を高めるために、作り上げられた臭化アリールを中間体ボロネートへ変換し、次に種々のハロゲン化アリールまたはヘテロアリールとカップリングさせて、目的の化合物を作製することもできる(スキームIV)。
【0174】
スキームIV:
【化14】
条件:a)4,4,4’,4’,5,5,5’,5’‐オクタメチル‐2,2’‐ビ‐1,3,2‐ジオキサボロラン、PdCl(dppf)‐CHCl(触媒)、KOAc、ジオキサン、100℃;b)R1−Br、PdCl(dppf)‐CHCl(触媒)、KCO水溶液、ジオキサン、100〜120℃
【0175】
作り上げられた臭化アリールを作製するための別の選択肢としての方法が利用可能であり、そのうちのいくつかを以下で概略的に示す。ペタシス反応を利用して、スピロ環式ピペリジンを、適切なアルデヒド、およびボロン酸またはエステルとカップリングさせることができる(スキームV;Southwood, TJ; Curry, MC; Hutton, CA, Tetrahedron 2006, 62, 236-242、およびその中の参考文献を参照)。β‐アミノエステル誘導体を作製するために、アリールアルデヒドおよびシリルケテンアセタールとスピロ環式ピペリジンとのマンニッヒ型反応も行うことができる。
【0176】
【化15】
条件:a)CHCl、23℃;b)B(OMe)、DMSO、23℃
【0177】
実験セクション:
実施例1
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)酢酸
【0178】
【化16】
【0179】
a)1,1‐ジメチルエチル 1‐オキサ‐6‐アザスピロ[2.5]オクタン‐6‐カルボキシレート
ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(50.2mmol)および無水ジメチルスルホキシド(DMSO)(50mL)の混合物を、室温にて1時間攪拌した。次に、この反応物を0℃に冷却し、ミネラルオイル中の60% 水素化ナトリウム(60.2mmol)を、数分間にわたって少しずつ添加した。この反応物を室温まで加温し、2時間攪拌した。得られた白色スラリーを0℃に冷却し、次に固体1,1‐ジメチルエチル 4‐オキソ‐1‐ピペリジンカルボキシレート(50.2mmol)により一度に処理した。氷浴を取り外し、室温での攪拌を18時間継続した。氷冷水(150mL)を添加し、この混合物をジエチルエーテル(3×)で抽出した。抽出物を鹹水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、続いて減圧蒸発させて、黄色オイルを得た。このオイルを、酢酸エチルに溶解し、シリカ粉末(約20g)で処理し、蒸発乾固させた。これを焼結ガラス漏斗中のシリカの短パッド上に配置し、ヘキサンで洗浄した(500mL;ろ液は廃棄)。次に、このシリカパッドを、2:1 ヘキサン/酢酸エチルで洗浄した。ろ液を真空蒸発させることで、表題の生成物が淡黄色オイルとして得られ(6.40g、収率57%)、これは静置後に固化した。MS(ES)+ m/e 214.1[M+H]+.H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.47(s,11H)1.72‐1.87(m,2H)2.69(s,2H)3.36‐3.50(m,2H)3.63‐3.83(m,2H)
【0180】
b)1,1‐ジメチルエチル 4‐[(シクロプロピルアミノ)メチル]‐4‐ヒドロキシ‐1‐ピペリジンカルボキシレート
密封可能反応容器に、1,1‐ジメチルエチル 1‐オキサ‐6‐アザスピロ[2.5]オクタン‐6‐カルボキシレート(14.07mmol)、エタノール(70mL)、およびシクロプロピルアミン(42.2mmol)を投入した。この容器を窒素でパージし、密封し、75℃の油浴中に20時間配置した。この反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。得られたオイルを、シリカゲルクロマトグラフィ(酢酸エチル中の5% メタノール)で精製した。適切な画分を減圧濃縮し、乾燥して、表題の生成物を、粘稠な無色オイルとして得た(3.56g、収率94%)。MS(ES)+ m/e 271.4[M+H]H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ 4.20(s,1H),3.59(d,J=12.6Hz,2H),3.05(br.s.,2H),2.16‐2.00(m,2H),1.49‐1.31(m,14H),0.42‐0.29(m,2H),0.24‐0.13(m,2H)
【0181】
c)1,1‐ジメチルエチル 4‐{[(クロロアセチル)(シクロプロピル)アミノ]メチル}‐4‐ヒドロキシ‐1‐ピペリジンカルボキシレート
テトラヒドロフラン(500mL)中の1,1‐ジメチルエチル 4‐[(シクロプロピルアミノ)メチル]‐4‐ヒドロキシ‐1‐ピペリジンカルボキシレート(329mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(500mL)中の炭酸水素ナトリウム(3193mmol)の激しく攪拌する懸濁液へ、0℃にて添加した。塩化クロロアセチル(332mmol)を、温度を0℃に維持しながら10分間かけて滴下した。氷浴を取り外し、この混合物を2時間攪拌し、この時点で、塩化クロロアセチルのさらなるアリコート(41.1mmol)を添加した。この混合物を72時間攪拌し、次にろ過して炭酸水素ナトリウムを除去し、フィルターベッドをテトラヒドロフラン(300mL)で洗浄して、粗表題生成物を得た。MS(ES)+ m/e 347.1[M+H+]
【0182】
d)1,1‐ジメチルエチル 4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐カルボキシレート
テトラヒドロフラン(1300mL)中の1,1‐ジメチルエチル 4‐{[(クロロアセチル)(シクロプロピル)アミノ]メチル}‐4‐ヒドロキシ‐1‐ピペリジンカルボキシレートの溶液を、炭酸カリウム(28.8mmol)および硫酸水素テトラブチルアンモニウム(11.72mmol)で処理し、水酸化ナトリウムの15体積/体積%溶液(1195mmol)を4時間かけて添加した。この混合物を一晩攪拌し、分液フラスコに移した。水層を排出し、有機層をt‐ブチルメチルエーテル(1.5L)で希釈し、鹹水と飽和塩化アンモニウム水溶液との混合物(250mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、蒸発させて、粗表題生成物をゲルとして得た。MS(ES)+ m/e 311.3[M+H+];H NMR(400MHz,CDCl)δ 4.14(s,2H),3.86(brs,2H),3.26‐3.01(m,4H),2.84‐2.70(m,1H),1.83(d,J=12.1Hz,2H),1.58‐1.42(m,11H),0.92‐0.80(m,2H),0.74‐0.58(m,2H)
【0183】
e)4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩
1,1‐ジメチルエチル 4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐カルボキシレートをエタノール(300mL)に溶解し、氷浴上で冷却した。ジオキサン(300mL)中の塩化水素の4M溶液を、温度を低く維持しながら添加した。氷浴を取り外し、この混合物を周囲温度にて一晩攪拌した。固体を回収し、少量のエタノールおよびジエチルエーテルで洗浄して、表題の生成物を得た(47.1g、58%)。母液をジエチルエーテル(1.2L)で処理し、30分間攪拌し、固体を回収し、乾燥して、3工程全体での合わせた収率78%にて表題の生成物を得た(63.69g)。MS(ES)+ m/e 211.0[M+H+];H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ 9.17‐8.64(m,2H),4.04(s,2H),3.14(d,J=13.1Hz,2H),3.01‐2.85(m,2H),2.83‐2.71(m,1H),1.96‐1.83(m,2H),1.83‐1.68(m,2H),0.76‐0.67(m,2H),0.64‐0.55(m,2H)
【0184】
f)2‐(4‐ブロモフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)酢酸
ジクロロメタン(20mL)中の4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(8.11mmol)の懸濁液を、室温にて1N 水酸化ナトリウム水溶液(10mL)で処理した。1時間の攪拌後、ジクロロメタン層は透明となった。この混合物を分液漏斗に移し、有機相を除去した。水層をジクロロメタンで2回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。得られた黄色オイルをジクロロメタン(20mL)に溶解し、2‐オキソ酢酸一水和物(8.11mmol)および(4‐ブロモフェニル)ボロン酸(8.11mmol)により室温にて処理した。この反応物を室温にて4日間攪拌し、この時点で、追加の2‐オキソ酢酸一水和物(8.11mmol)を等量添加した。この反応物を一晩攪拌し、この時点で、懸濁液を真空濃縮した。残渣を逆相HPLC(5〜30% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製して、表題の化合物を白色固体として得た(18%)。MS(ES)+ m/e 422.9/424.8[M+H](臭化物同位体パターン)
【0185】
g)7‐キノリニルトリフルオロメタンスルホネート
無水ジクロロメタン(DCM)(25.0mL)中の7‐キノリノール(9.44mmol)およびピリジン(12.27mmol)の氷浴冷却した懸濁液へ、無水トリフリン酸(10.38mmol)をゆっくり添加し、得られた暗色溶液を室温にて一晩攪拌した。この混合物を水、鹹水、および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、蒸発させて、黄褐色固体を得た。フラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル中の50% ヘキサン)で精製して、表題の生成物を白色固体として得た(2.43g、収率92%)。MS(ES)+ m/e 277.9[M+H]H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ ppm 7.68(dd,J=8.34,4.29Hz,1H)7.76(dd,J=8.97,2.65Hz,1H)8.14(d,J=2.78Hz,1H)8.24(d,J=9.09Hz,1H)8.49‐8.55(m,1H)9.04(dd,J=4.30,1.77Hz,1H)
【0186】
h)7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン
1,4‐ジオキサン(40mL)中の7‐キノリニルトリフルオロメタンスルホネート(8.66mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(10.39mmol)、PdCl2(dppf)‐CH2Cl2付加体(0.432mmol)、1,1’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.433mmol)、および酢酸カリウム(26.0mmol)の懸濁液をフラスコへ投入し、100℃にて2時間加熱した。得られた暗色懸濁液を室温まで冷却し、酢酸エチル中に取り出し、水(2×)および鹹水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させて、オイル(2.25g)とした。このオイルを、フラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン中の10〜60% 酢酸エチル)で精製した。所望される画分を1つにまとめ、蒸発させてオイルとし、これをジクロロメタン中に取り出し、再度真空蒸発させることで、表題の生成物が淡黄色オイルとして得られ(1.72g、収率74%)、これは、静置後に固化した。MS(ES)+ m/e 256.2[M+H]H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ ppm 1.34(s,12H)7.58(dd,J=8.34,4.04Hz,1H)7.80(dd,J=8.08,1.01Hz,1H)7.93‐8.00(m,1H)8.34(s,1H)8.36‐8.41(m,1H)8.95(dd,J=4.29,1.77Hz,1H)
【0187】
i)2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)酢酸
1,4‐ジオキサン(2mL)およびエタノール(0.2mL)中の2‐(4‐ブロモフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)酢酸(0.402mmol)の溶液を、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(0.442mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.020mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(0.602mL)で処理した。容器を窒素でパージし、密封し、この反応物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて10分間マイクロ波照射した。次に、得られた黒色溶液を、水(50mL)および鹹水(10mL)で希釈し、この水溶液を、ジクロロメタンおよびテトラヒドロフランにより順に抽出した。テトラヒドロフラン層のみが生成物を含有していた。水層を真空濃縮し、得られた固体をエタノールで研和した。このエタノール溶液をろ過し、テトラヒドロフラン層に添加した。この有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。この粗物質を逆相HPLC(10〜35% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製して、表題の化合物を白色固体として得た(32%)。MS(ES)+ m/e 472.4[M+H]
【0188】
実施例2
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0189】
【化17】
【0190】
a)ジクロロメタン(0.75mL)中の2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)酢酸(0.110mmol)の溶液を、室温にて、N‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N’‐エチルカルボジイミド塩酸塩(31.7mg、0.165mmol)および4‐(ジメチルアミノ)ピリジン(0.441mmol)で処理した。この混合物を10分間攪拌し、この時点にて、臭化アンモニウム(0.132mmol)を一度に添加した。この反応物を室温にて一晩攪拌し、この時点にて、溶液を水(50mL)で希釈し、30重量/体積% 水酸化アンモニウム溶液を用いて、pHを約10に調節した。水層をジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗物質を逆相HPLC(25〜55% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製し、次に、再度逆相HPLC(5〜25% 0.1%TFA含有アセトニトリル/0.1%TFA含有水)で精製した。生成物画分を1つにまとめ、30重量/体積% 水酸化アンモニウム溶液を用いてpHを約10に調節し、この混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。得られた生成物を、水(0.5mL)に懸濁し、凍結乾燥して、表題の化合物を白色固体として得た(28%)。MS(ES)+ m/e 471.3[M+H]
【0191】
実施例3
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐N,N‐ジメチル‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0192】
【化18】
【0193】
a)N,N‐ジメチルホルムアミド(1mL)中の2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)酢酸(0.191mmol)の溶液を、室温にて、ジイソプロピルエチルアミン(0.573mmol)および塩化2‐クロロ‐1,3‐ジメチル‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐3‐イウム(ジクロロメタン中の25%、0.108mL)で処理した。この反応物を10分間攪拌し、この時点にて、ジメチルアミン(THF中の2M、0.286mmol)を一度に添加した。この反応物を一晩攪拌し、この時点にて、追加のジメチルアミン(THF中の2M溶液を50μL)および塩化2‐クロロ‐1,3‐ジメチル‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐3‐イウム(ジクロロメタン中の25%、0.030mL)を添加した。この反応混合物をさらに30分間攪拌し、次に、真空濃縮した。粗物質を逆相HPLC(5〜35% 0.1%TFA含有アセトニトリル/0.1%TFA含有水)で精製した。生成物画分を1つにまとめ、30重量/体積% 水酸化アンモニウム溶液を用いてpHを約10に調節し、この混合物をジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、表題の化合物を白色固体として得た(26%)。MS(ES)+ m/e 499.4[M+H]
【0194】
実施例4
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐N‐メチル‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0195】
【化19】
【0196】
a)ジクロロメタン(2mL)中の2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)酢酸(0.191mmol)の溶液を、室温にて、N‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N’‐エチルカルボジイミド塩酸塩(0.286mmol)および4‐(ジメチルアミノ)ピリジン(0.763mmol)で処理した。10分間の攪拌後、この混合物を、メタナミン(THF中の2M)(0.400mmol)で処理した。反応容器を密封し、この反応物を、室温にて16時間攪拌した。この時点にて、追加分のN‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N’‐エチルカルボジイミド塩酸塩(0.15mmol)およびメタナミン(THF中の2M)(0.400mmol)を添加し、この溶液を室温にて3時間攪拌した。この反応物を、窒素気流下にて濃縮した。残渣を逆相HPLC(5〜35% 0.1%TFA含有アセトニトリル/0.1%TFA含有水)で、次に、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜9% メタノール/ジクロロメタン)で精製し、続いて10%アセトニトリル含有水(1mL)から凍結乾燥して、表題の化合物を白色固体として得た(26%)。MS(ES)+ m/e 485.4[M+H]
【0197】
実施例5
メチル 3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパノエート
【0198】
【化20】
【0199】
a)4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
ジクロロメタン(10mL)中の4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(8.11mmol)の懸濁液を、1N NaOH水溶液(10.00mmol)で処理した。この二相混合物を1時間攪拌し、この時点にて、白濁していた有機層が透明となった。フラスコの内容物を、水(50mL)およびジクロロメタン(50mL)でさらに希釈し、層を分離した。水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、表題の化合物を黄色オイルとして得た(80%)。MS(ES)+ m/e 211.2[M+H]
【0200】
b)メチル 3‐(4‐ブロモフェニル)‐3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)プロパノエート
Tanaka, et. al(Eur. J. Org. Chem. 2009, 1148-1151)の手順に従って、ジメチルスルホキシド(7mL)中の4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン(1.427mmol)の溶液を、4‐ブロモベンズアルデヒド(2.140mmol)、tert‐ブチル((1‐メトキシビニル)オキシ)ジメチルシラン(2.140mmol)、およびボロン酸トリメチル(2.85mmol)で処理した。この反応物を、室温にて16時間攪拌し、この時点にて、反応物を、水(10mL)でゆっくり希釈し、続いて、さらに30分間攪拌した。この水性混合物を、酢酸エチルで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、水および鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮乾固した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の化合物を得た(28%)。MS(ES)+ m/e 450.9/453.1 [M+H](臭化物同位体パターン)
【0201】
c)メチル 3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパノエート
1,4‐ジオキサン(2mL)中のメチル 3‐(4‐ブロモフェニル)‐3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)プロパノエート(0.399mmol)の溶液を、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(0.439mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.020mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(1.196mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、この反応物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。次に、この黒色反応混合物を、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、Silicycle Si‐チオール(30mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を逆相HPLC(15〜60% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製して、表題の化合物が黄色オイルとして得られ、これを続いて1mLの水から凍結乾燥し、次にヘキサンで研和し、窒素気流下にて乾燥して、表題の化合物を白色固体として得た(61%)。MS(ES)+ m/e 500.3[M+H]
【0202】
実施例6
3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパン酸
【0203】
【化21】
【0204】
a)エタノール(1mL)中のメチル 3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパノエート(0.238mmol)の溶液を、LiOH(0.476mmol)で処理し、室温にて4日間攪拌した。この反応混合物を真空濃縮し、残渣を逆相HPLC(15〜50% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製して、表題の化合物が白色固体として得た(72%)。MS(ES)+ m/e 486.3[M+H]
【0205】
実施例7
(−)‐3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパナミド
【0206】
【化22】
【0207】
a)ジクロロメタン(1mL)中の3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパン酸(0.152mmol)の溶液を、4‐(ジメチルアミノ)ピリジン(8.19μmol)、N,N’‐ジイソプロピルカルボジイミド(0.183mmol)、および臭化アンモニウム(0.229mmol)で処理した。この反応混合物を密封し、室温にて一晩攪拌した。出発物質の変換が最小限であったので、追加の4‐(ジメチルアミノ)ピリジン(8.19μmol)を添加し、この反応物を室温にて3時間攪拌し、この時点にて、この混合物をアセトニトリル(1mL)で希釈し、反応容器を密封し、40℃にて一晩攪拌した。発生した変換が少量であったため、N‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N’‐エチルカルボジイミド塩酸塩(0.183mmol)、4‐(ジメチルアミノ)ピリジン(0.457mmol)、および追加分の臭化アンモニウム(0.229mmol)を添加した。この反応混合物を密封し、室温にて一晩攪拌した。この時点にて、反応物を窒素気流下で濃縮乾固した。粗物質を逆相HPLC(10〜50% 0.1%TFA含有アセトニトリル/0.1%TFA含有水)で精製した。所望される生成物を含有する画分を1つにまとめ、得られた混合物のpHを、30重量/体積% 水酸化アンモニウム溶液を用いて約10に調節した。これを真空濃縮して最小体積とし、次に、ジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、表題の化合物のラセミ体を得た。キラルHPLC(Chiralpak AS‐H、9:1 アセトニトリル:メタノール)を用いてこのラセミ体を分割し、続いて真空濃縮、および5%アセトニトリル含有水からの凍結乾燥により、表題の化合物を、>99%eeにて白色固体として得た(収率23%)。MS(ES)+ m/e 485.4[M+H].α=−20度(c=0.01、9:1 アセトニトリル:メタノール)
【0208】
実施例8
(+)‐3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパナミド
a)実施例7aから、表題の生成物も、キラルHPLC(Chiralpak AS‐H、9:1 アセトニトリル:メタノール)を用い、続いて真空濃縮、および5%アセトニトリル含有水からの凍結乾燥を行うことにより、>99%eeにて単離した(収率23%)。MS(ES)+ m/e 485.4[M+H].α=+21度(c=0.01、9:1 アセトニトリル:メタノール)
【0209】
実施例9
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカ‐9‐イル)‐2‐[2‐フルオロ‐4‐(7‐キノリニル)フェニル]アセトアミド
【0210】
【化23】
【0211】
a)2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐ヒドロキシアセトアミド
水(15mL)中のシアン化カリウム(49.4mmol)および塩化アンモニウム(99mmol)の溶液へ、固体4‐ブロモ‐2‐フルオロベンズアルデヒド(24.68mmol)を、続いてジエチルエーテル(30.0mL)を添加した。この反応混合物を室温にて激しく15分間攪拌し、次に、水相に氷酢酸(49.4mmol)をゆっくり添加することで、pH=5に調節した。この反応物を水で希釈し、次に層を分離し、水層をエーテルで抽出した(×3)。1つにまとめたエーテル層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、真空濃縮して、中間体シアノヒドリンを薄黄色オイルとして得た。1,4‐ジオキサン(20mL)中のこの粗シアノヒドリンの溶液へ、濃塩酸(10mL、329mmol)を添加した。この反応溶液を室温にて18時間攪拌し、次に、氷冷水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×)。この抽出物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×)および鹹水で洗浄し、次に硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧蒸発して、表題の化合物を薄黄色固体として得た(4.57g、収率73%)。MS(ES)+ m/e 248.1,250.1[M+H]H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ ppm 5.06(d,J=5.05Hz,1H)6.28(d,J=5.05Hz,1H)7.30‐7.45(m,3H)7.45‐7.55(m,2H)
【0212】
b)2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカ‐9‐イル)アセトアミド
無水アセトニトリル(50.0mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐ヒドロキシアセトアミド(14.35mmol)およびトリエチルアミン(43.1mmol)の溶液へ、純塩化メタンスルホニル(20.81mmol)を添加した。この反応物を室温にて18時間攪拌し、次に、追加のトリエチルアミン(43.1mmol)を添加し、続いて、固体4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(15.79mmol)を一度に添加した。この反応物を90℃にて3時間加熱し、次に、室温まで冷却し、水(150mL)で希釈し、1時間攪拌した。固体をろ過で回収し、水でリンスし、次に空気吸引により、続いて真空により乾燥して、表題の化合物を白色固体として得た(3.53g、収率55%)。MS(ES)+ m/e 440.1,442.3 [M+H]
【0213】
c)(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカ‐9‐イル)‐2‐[2‐フルオロ‐4‐(7‐キノリニル)フェニル]アセトアミド
1,4‐ジオキサン(36.9mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカ‐9‐イル)アセトアミド(4.61mmol)、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(5.76mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.138mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(18.44mmol)の懸濁液中に、アルゴンを10分間バブリングし、次に、この反応物を、100℃にて2時間加熱した。この反応物を冷却し、シリカ粉末(約10g)で処理し、続いて減圧下にて蒸発乾固した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル、次に10% メタノール/酢酸エチル)によりシリカゲル上で精製し、続いて生成物画分を1つにまとめ、濃縮して残渣とし、これをジクロロメタンに取り出し、セライトを通してろ過し、真空濃縮して、表題の生成物のラセミ体を薄黄褐色固体として得た(2.27g、収率91%)。MS(ES)+ m/e 489.5[M+H]。キラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)でこのラセミ体をキラル分割して、表題の生成物を薄黄色フォームとして得た(1.0g、45%)。この固体を、熱3,3‐ジメチル‐2‐ブタノン(10mL)により、超音波下にて5分間研和した。この懸濁液を室温まで冷却し、固体をろ過し、続いて真空乾燥して、表題の化合物をオフホワイト色固体として、100%eeにて得た(770mg、34%)。MS(ES)+ m/e 489.4[M+H].α=+43度(c=0.2、メタノール)
【0214】
実施例10
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカ‐9‐イル)‐2‐[2‐フルオロ‐4‐(7‐キノリニル)フェニル]アセトアミド
a)実施例9cから、表題の生成物も、キラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)を用いて、99.4%eeにて単離した(収率45%)。MS(ES)+ m/e 489.5[M+H].α=−44度(c=0.2、メタノール)
【0215】
実施例11
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0216】
【化24】
【0217】
a)7‐ブロモ‐3‐メチルキノリン
攪拌棒、水よりも重い溶媒用のディーン‐スタークトラップ、および冷却管を取り付けた1L丸底フラスコに、2‐アミノ‐4‐ブロモベンズアルデヒド(20g、100mmol)、硫酸ナトリウム(71.0g、500mmol)、およびp‐トルエンスルホン酸一水和物(4.75g、25.00mmol)を投入した。固体を無水クロロホルム(498mL)中に取り、この懸濁液を、1‐エトキシプロパ‐1‐エン(14.39mL、130mmol)で処理した。次に、この混合物を攪拌しながら加熱して一晩還流した。この反応混合物を室温まで冷却し、2L分液漏斗に移した。この溶液を、200mLの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、200mLの水で1回抽出した。有機層を単離し、水層を1つにまとめ、さらなる100mLのジクロロメタンで2回再抽出した。次に、有機部分をプールし、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して残渣とした。この残渣をフラッシュクロマトグラフィ(0.2〜1.9% メタノール:ジクロロメタン)で精製した。所望される物質を含有する画分をプールし、濃縮して、表題の化合物を明オレンジ色固体として得た(5.603g、25.2mmol、収率25%)。MS(ES) m/e 221.8[M+H]
【0218】
b)(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
乾燥1,4‐ジオキサン(1.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(0.223mmol)の溶液を、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.268mmol)、酢酸カリウム(0.499mmol)、およびPdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.011mmol)で処理した。この溶液を、窒素で脱気し、密封し、100℃にて3時間攪拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、7‐ブロモ‐3‐メチルキノリン(0.223mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.011mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(0.669mmol)で処理した。反応容器を窒素ガスでパージし、密封し、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間マイクロ波照射した。得られた黒色混合物を、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、Silicycle Si‐チオール(30mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(0〜10% メタノール/ジクロロメタン、続いて30% メタノール/ジクロロメタン)で精製し、キラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)で分割して、>99%eeにて表題の化合物を得た(収率31%)。MS(ES)+ m/e 503.2[M+H].α=+38度(c=0.03、メタノール)
【0219】
実施例12
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例11bから、表題の生成物も、キラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)を用いて、>99%eeにて単離した(収率31%)。MS(ES)+ m/e 503.2[M+H].α=−36度(c=0.03、メタノール)
【0220】
実施例13
4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
【0221】
【化25】
【0222】
a)1‐ブロモ‐4‐(1‐ブロモエチル)ベンゼン
ジクロロメタン(8mL)中の1‐(4‐ブロモフェニル)エタノール(1.492mmol)の溶液を、0℃にて、ジクロロメタン(2mL)中の三臭化リン(0.597mmol)の溶液を滴下することで処理した。この反応物を室温まで加温し、一晩攪拌した。次に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)で反応停止し、2時間攪拌した。この二相混合物を、ジクロロメタン(50mL)でさらに希釈し、有機層を水層から分離した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空下にて濃縮乾固した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(0〜25% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の生成物を透明オイルとして得た(91mg、収率23%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ ppm 1.97(d,J=6.82Hz,3H)5.50(q,J=6.82Hz,1H)7.48(d,J=8.59Hz,2H)7.57(m,J=8.59Hz,2H)
【0223】
b)9‐(1‐(4‐ブロモフェニル)エチル)‐4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
N,N‐ジメチルホルムアミド(1.5mL)中の4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(0.341mmol)の溶液を、炭酸カリウム(0.682mmol)および1‐ブロモ‐4‐(1‐ブロモエチル)ベンゼン(0.341mmol)で処理した。この反応混合物を室温にて一晩攪拌した。この溶液を水(50mL)で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を1つにまとめ、鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、表題の化合物を褐色残渣として得た(117mg、87%)。MS(ES) m/e 392.9/394.7[M+H](臭化物同位体パターン)
【0224】
c)4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
1,4‐ジオキサン(1.5mL)中の9‐[1‐(4‐ブロモフェニル)エチル]‐4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン(0.297mmol)の溶液を、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(0.329mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.015mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(0.892mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、150℃にて20分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、Silicycle Si‐チオール(20mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。得られた粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィ(4〜10% メタノール/ジクロロメタン)で、続いて逆相HPLC(5〜35% 0.1%TFA含有アセトニトリル/0.1%TFA含有水)で精製した。所望される生成物を含有する画分を1つにまとめ、得られた混合物のpHを、30重量/体積% 水酸化アンモニウム溶液で約11に調節した。この混合物を、最小体積まで真空濃縮し、次にジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。得られた半固体を水から凍結乾燥して、表題の化合物を白色固体として得た(26mg、18%)。MS(ES) m/e 442.1[M+H]
【0225】
実施例14
4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(3‐フルオロ‐4’‐メトキシ‐[1,1’‐ビフェニル]‐4‐イル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
【0226】
【化26】
【0227】
a)4‐ブロモ‐1‐(1‐ブロモエチル)‐2‐フルオロベンゼン
ジクロロメタン(40mL)中の1‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)エタノール(8.95mmol)の溶液を、0℃にて、ジクロロメタン(10mL)中の三臭化リン(3.58mmol)の溶液を滴下することで処理した。この反応混合物を室温まで加温し、一晩攪拌した。この溶液を真空濃縮して残渣とした。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン)で精製して、表題の化合物を透明オイルとして得た(1.47g、収率58.3%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ ppm 2.00(d,J=6.82Hz,3H)5.58(q,J=7.07Hz,1H)7.47(dd,J=8.34,1.77Hz,1H)7.57‐7.65(m,2H)
【0228】
b)9‐(1‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)エチル)‐4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
N,N‐ジメチルホルムアミド(10mL)中の4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(2.483mmol)の溶液を、炭酸カリウム(7.45mmol)および4‐ブロモ‐1‐(1‐ブロモエチル)‐2‐フルオロベンゼン(2.483mmol)で処理した。この反応物を室温にて3日間攪拌した。この溶液を水(200mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を1つにまとめ、鹹水で洗浄し(5回)、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、表題の化合物を黄色オイルとして得た(1.01g、89%)。MS(ES) m/e 411.0/412.9[M+H](臭化物同位体パターン)
【0229】
c)4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(3‐フルオロ‐4’‐メトキシ‐[1,1’‐ビフェニル]‐4‐イル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
1,4‐ジオキサン(2mL)中の9‐[1‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)エチル]‐4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン(0.219mmol)の溶液を、(4‐メトキシフェニル)ボロン酸(0.241mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(10.94μmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(0.656mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、130℃にて20分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、Silicycle Si‐チオール(20mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。得られた粗物質を、逆相HPLC(15〜45% 0.1%TFA含有アセトニトリル/0.1%TFA含有水)で精製した。所望される生成物を含有する画分を1つにまとめ、得られた混合物のpHを、30重量/体積% 水酸化アンモニウム溶液で約10に調節した。この混合物を、最小体積まで真空濃縮し、次にジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィ(3〜10% メタノール/ジクロロメタン)で精製して、表題の化合物を白色固体として得た(46mg、45%)。MS(ES) m/e 439.1[M+H]
【0230】
実施例15
(+)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
【0231】
【化27】
【0232】
a)1,4‐ジオキサン(2mL)中の9‐(1‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)エチル)‐4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン(0.438mmol)の溶液を、キノリン‐7‐イルボロン酸(0.481mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.022mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(1.313mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、130℃にて20分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。水層をさらに鹹水(50mL)で希釈し、次にテトラヒドロフランで抽出した。有機層を1つにまとめ、Silicycle Si‐チオール(50mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(4〜10% メタノール/ジクロロメタン)で精製し、続いて生成物を、キラルHPLC(Lux Cellulose‐2カラム、アセトニトリル:メタノール 85:15)で分割して、表題の化合物を白色固体として得た(50mg、23%)。MS(ES)+ m/e 460.2[M+H]、>99%ee、α=+38度(c=0.02、アセトニトリル:メタノール 85:15)
【0233】
実施例16
(−)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
a)実施例15aから、表題の生成物を、キラルHPLC(Lux Cellulose‐2カラム、アセトニトリル:メタノール 85:15)を用い、続いて真空濃縮することで単離した(51mg、収率24%)。MS(ES)+ m/e 460.3[M+H]、>97%ee、α=−36度(c=0.02、アセトニトリル:メタノール 85:15)
【0234】
実施例17
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトニトリル
【0235】
【化28】
【0236】
a)2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトニトリル
1,4‐ジオキサン(5mL)中の2‐(4‐ブロモフェニル)アセトニトリル(2.55mmol)の溶液を、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(2.64mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.083mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(5.10mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて20分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(100mL)で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の化合物を黄色固体として得た(424mg、64%)。MS(ES)+ m/e 245.3[M+H]
【0237】
b)2‐ブロモ‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトニトリル
四塩化炭素(2mL)中の2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトニトリル(0.409mmol)の溶液を、窒素気流により3分間脱気した。次に、この溶液をN‐ブロモスクシンイミド(0.450mmol)およびアゾビスイソブチロニトリル(0.020mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物を、75℃の油浴中にて一晩攪拌した。次に、この反応混合物をシリカゲル上に直接ローディングし、真空濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜80% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の化合物を得た(30mg、17%)。MS(ES)+ m/e 322.9/325.0[M+H](臭化物同位体パターン)
【0238】
c)2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトニトリル
N,N‐ジメチルホルムアミド(0.5mL)中の4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(0.101mmol)の溶液を、炭酸カリウム(0.209mmol)および2‐ブロモ‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトニトリル(0.070mmol)で処理した。この反応物を、室温にて一晩攪拌し、この時点にて、水(50mL)でこれを希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。水層をさらに鹹水(25mL)で希釈し、テトラヒドロフランで2回抽出した。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。得られた粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜9% メタノール/ジクロロメタン)で精製した。所望される生成物を含有する画分を1つにまとめ、真空濃縮し、水から凍結乾燥して、表題の化合物を淡黄色固体として得た(15%)。MS(ES)+ m/e 453.2[M+H]
【0239】
実施例18
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)酢酸
【0240】
【化29】
【0241】
a)2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)酢酸
ジクロロメタン(10mL)中の4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(4.05mmol)の懸濁液を、1N 水酸化ナトリウム水溶液(5.00mmol)で室温にて処理した。1時間後、反応物の有機層が、白濁から透明に変わった。水層をピペットで取り除いた。残った有機溶液に、2‐オキソ酢酸一水和物(4.05mmol)および(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)ボロン酸(4.05mmol)を室温にて添加した。この反応物を、室温にて3日間攪拌し、その後、溶液を、窒素気流下にて濃縮乾固した。得られた粗物質を、アセトニトリル(10mL)で希釈し、マイクロ波反応器バイアルへ移した。この反応容器を密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、80℃にて30分間の、続いて100℃にて30分間のマイクロ波照射を施した。この反応物を真空下にて濃縮乾固した。得られた粗物質を、逆相HPLC(10〜40% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製して、表題の化合物を白色固体として得た(853mg、45%)。MS(ES)+ m/e 441.0/443.1[M+H](臭化物同位体パターン)
【0242】
b)2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)酢酸
1,4‐ジオキサン(2mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)酢酸(0.408mmol)の溶液を、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(0.449mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.020mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(1.224mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。この反応混合物を、メタノール(10mL)で希釈し、Silicycle Si‐チオール(20mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、逆相HPLC(10〜40% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製し、続いて水から凍結乾燥して、表題の化合物を白色固体として得た(134mg、63%)。MS(ES)+ m/e 490.3[M+H]
【0243】
実施例19
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0244】
【化30】
【0245】
a)ジクロロメタン(1mL)中の2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)酢酸(0.142mmol)の溶液を、N‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N’‐エチルカルボジイミド塩酸塩(0.213mmol)および4‐(ジメチルアミノ)ピリジン(0.568mmol)で処理した。この混合物を10分間攪拌し、この時点にて、臭化アンモニウム(0.171mmol)を添加した。この反応物を室温にて2日間攪拌した。次に、この反応物を窒素気流下にて濃縮乾固した。得られた粗生成物を、逆相HPLC(10〜40% 0.1%TFA含有アセトニトリル/0.1%TFA含有水)で精製した。所望される生成物を含有する画分を1つにまとめ、得られた混合物のpHを、30重量/体積% 水酸化アンモニウム水溶液で約10に調節した。この混合物を最小体積まで真空濃縮し、次に、ジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。生成物を、キラルHPLC(Chiralpak IC、アセトニトリル:メタノール 1:1)で分割し、続いて水(1mL、5%アセトニトリル含有)から凍結乾燥して、表題の化合物を白色固体として、>99%eeにて得た(収率25%)。MS(ES)+ m/e 471.3[M+H];α=−58度(c=0.05、アセトニトリル‐メタノール 1:1)
【0246】
実施例20
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例19aから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chiralpak IC、アセトニトリル:メタノール 1:1)を用い、続いて水(5%アセトニトリル含有)から凍結乾燥することで、白色固体として単離した(収率25%)。MS(ES)+ m/e 471.3[M+H]、>97%ee、α=+56度(c=0.07、アセトニトリル‐メタノール 1:1)
【0247】
実施例21
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0248】
【化31】
【0249】
a)ジクロロメタン(2mL)中の2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)酢酸(0.257mmol)の溶液を、N‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N’‐エチルカルボジイミド塩酸塩(0.386mmol)および4‐(ジメチルアミノ)ピリジン(1.030mmol)により、室温で処理した。この混合物を10分間攪拌し、この時点にて、臭化アンモニウム(0.309mmol)を添加した。この反応物を室温にて一晩攪拌した。次に、この反応物を窒素気流下にて濃縮乾固した。得られた粗生成物を、逆相HPLC(10〜40% 0.1%TFA含有アセトニトリル/0.1%TFA含有水)で精製した。所望される生成物を含有する画分を1つにまとめ、得られた混合物のpHを、30重量/体積% 水酸化アンモニウム水溶液で約10に調節した。この混合物を最小体積まで真空濃縮し、ジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。水から凍結乾燥して、表題の生成物を白色固体として得た(47mg、35%)。MS(ES)+ m/e 489.5[M+H]
【0250】
実施例22
4‐シクロプロピル‐9‐(2‐ヒドロキシ‐1‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)エチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐2‐オン
【0251】
【化32】
【0252】
a)イソプロパノール(3mL)中の4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン(0.951mmol)および2‐(4‐ブロモフェニル)オキシラン(0.951mmol)の溶液を、酢酸ニッケル(II)(0.048mmol)で処理した(Synlett 2004, 5, 846-850を参照)。この反応混合物を室温にて一晩攪拌した。この反応物を真空下にて濃縮乾固し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(0〜9% メタノール/ジクロロメタン)で精製した。所望される中間体を、位置異性体の1:3混合物(H NMRによる)として単離した(合計109mg、0.266mmol)。この混合物を、1,4‐ジオキサン(2mL)で希釈し、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(0.264mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.012mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(0.720mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。この反応混合物を、水(50mL)で希釈し、そのpHを、1N HCl水溶液を用いて3に調節した。この水性混合物を酢酸エチルで2回洗浄して若干存在する非極性不純物を除去し、その後、水層のpHを、30重量/体積% 水酸化アンモニウム水溶液で約10に調節した。得られた塩基性溶液をジクロロメタンで3回抽出した。ジクロロメタン層を1つにまとめ、Silicycle Si‐チオール(50mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。この位置異性体混合物を、キラルHPLC(Chiralpak AS‐Hカラム、アセトニトリル:メタノール 9:1)で、続いて逆相HPLC(20〜50% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製して、表題のラセミ体化合物を固体として得た(13mg、収率3%)。MS(ES)+ m/e 458.4[M+H]
【0253】
実施例23
メチル 3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパノエート
【0254】
【化33】
【0255】
a)メチル 3‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)プロパノエート
ジクロロメタン(10mL)中の4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(4.05mmol)の懸濁液を、1N NaOH水溶液(10.00mmol)で処理し、1時間攪拌し、その間に有機層が透明となった。有機層を水層から分離し、水層は、続いてジクロロメタンにより4回抽出した。ジクロロメタン層を1つにまとめ、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。この得られた残渣を、ジメチルスルホキシド(7mL)に溶解し、4‐ブロモ‐2‐フルオロベンズアルデヒド(6.08mmol)、tert‐ブチル((1‐メトキシビニル)オキシ)ジメチルシラン(6.08mmol)、およびボロン酸トリメチル(8.11mmol)で処理した。この反応物を、室温にて2日間攪拌した。この時点にて、反応物を、水(20mL)でゆっくり反応停止し、室温にて1時間攪拌した。次に、この溶液を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を1つにまとめ、鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜7% メタノール/ジクロロメタン)で精製した。所望される生成物を含有する画分を選択し、真空濃縮した。得られたオイルを酢酸エチル(100mL)中へ取り出し、30重量/体積% 水酸化アンモニウム水溶液で3回洗浄し、鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空下にて濃縮乾固した。得られたオイルをジクロロメタン中へ取り出し、真空下にて濃縮乾固して、表題の化合物を透明オイルとして得た(1.148g、収率57%)。MS(ES)+ m/e 469.2/471.2 [M+H](臭化物同位体パターン)
【0256】
b)メチル 3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐3‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロパノエート
1,4‐ジオキサン(6mL)中のメチル 3‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐3‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)プロパノエート(1.924mmol)の溶液を、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(2.116mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.096mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(5.77mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、Silicycle Si‐チオール(100mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜7% メタノール/ジクロロメタン)で精製して、表題の化合物を褐色固体として得た(802mg、収率72%)。MS(ES)+ m/e 518.4[M+H]
【0257】
実施例24
4‐シクロプロピル‐9‐(2‐オキソ‐1‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロピル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
【0258】
【化34】
【0259】
a)1‐ブロモ‐1‐(4‐ブロモフェニル)プロパン‐2‐オン
四塩化炭素(2.5mL)中の1‐(4‐ブロモフェニル)プロパン‐2‐オン(1.173mmol)の溶液を、窒素気流により5分間脱気し、この時点にて、この溶液を、N‐ブロモスクシンイミド(1.291mmol)およびアゾビスイソブチロニトリル(0.059mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物を、80℃にて攪拌しながら一晩加熱した。得られたオレンジ色溶液を、真空下にて濃縮乾固した。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜35% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の化合物を得た(94mg、19%)。1H NMR(400MHz,DMSO‐d)d ppm 2.27(s,3H)6.12(s,1H)7.39(m,J=8.59Hz,2H)7.62(d,J=8.59Hz,2H).
【0260】
b)9‐(1‐(4‐ブロモフェニル)‐2‐オキソプロピル)‐4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
N,N‐ジメチルホルムアミド(1mL)中の1‐ブロモ‐1‐(4‐ブロモフェニル)プロパン‐2‐オン(0.225mmol)の溶液を、炭酸カリウム(0.676mmol)および4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(0.237mmol)で処理した。この反応混合物を室温にて一晩攪拌し、この時点にて、水(50mL)および鹹水(20mL)で希釈した。この水性混合物をジクロロメタンで4回抽出した。有機層を1つにまとめ、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空下にて濃縮乾固して、粗表題化合物を褐色固体として得た。この粗固体を、次の反応で直接用いた。MS(ES)+ m/e 421.2/423.0 [M+H](臭化物同位体パターン)
【0261】
c)4‐シクロプロピル‐9‐(2‐オキソ‐1‐(4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)プロピル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
1,4‐ジオキサン(1.5mL)中の実施例24bからの粗9‐(1‐(4‐ブロモフェニル)‐2‐オキソプロピル)‐4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オンの溶液を、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(0.245mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.0113mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(0.668mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜6% メタノール/ジクロロメタン)で、続いて逆相HPLC(20〜60% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製して、表題の化合物をベージュ色固体として得た(38mg、2工程全体の収率34%)。MS(ES)+ m/e 470.3[M+H]
【0262】
実施例25
(+)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐ヒドロキシエチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
【0263】
【化35】
【0264】
a)2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)エタノール
1M ボラン‐テトラヒドロフラン複合体(20mmol)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)酢酸(4.29mmol)の溶液を、室温にて3日間攪拌した。この時点にて、追加分の1M ボラン‐テトラヒドロフラン複合体(5mmol)をこの反応物へ添加した。反応容器を密封し、50℃にて3時間攪拌した。次に、この反応物を室温まで冷却し、6N HCl水溶液(5mL)を添加することでゆっくり反応停止した。この混合物を真空下にて濃縮乾固し、粗物質を酢酸エチル(200mL)で希釈した。この有機混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、および鹹水で1回洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空下にて濃縮乾固した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン、続いて0〜60% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の化合物を半固体として得た(660mg、収率63%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)d ppm 2.72(t,J=6.69Hz,2H)3.52‐3.65(m,2H)4.74(t,J=5.43Hz,1H)7.26‐7.37(m,2H)7.47(dd,J=9.73,1.89Hz,1H)
【0265】
b)酢酸4‐ブロモ‐2‐フルオロフェネチル
ジクロロメタン(5mL)およびピリジン(10mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)エタノール(3.01mmol)の溶液を、4‐(ジメチルアミノ)ピリジン(0.151mmol)および無水酢酸(9.04mmol)で処理した。この反応物を室温にて一晩攪拌した。この時点にて、反応物をジクロロメタン(100mL)で希釈した。有機層を、1N HCl水溶液で3回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、および鹹水で1回洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、表題の化合物を淡ベージュ色オイルとして得た(710mg、収率81%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)d ppm 1.96(s,3H)2.90(t,J=6.44Hz,2H)4.20(t,J=6.57Hz,2H)7.26‐7.43(m,2H)7.51(dd,J=9.73,1.89Hz,1H)
【0266】
c)酢酸2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)エチル
四塩化炭素(6mL)中の酢酸4‐ブロモ‐2‐フルオロフェネチル(2.72mmol)の溶液を、窒素気流により5分間脱気し、この時点にて、この溶液を、N‐ブロモスクシンイミド(2.99mmol)およびアゾビスイソブチロニトリル(0.272mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物を、80℃にて8時間攪拌し、この時点にて、反応物を室温まで冷却し、一晩攪拌した。得られた混合物を、真空下にて濃縮乾固した。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜50% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の化合物をベージュ色オイルとして得た(790mg、収率77%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)d ppm 2.00(s,3H)4.57(dd,J=11.62,7.07Hz,1H)4.67(dd,J=11.75,7.20Hz,1H)5.52(t,J=7.07Hz,1H)7.45‐7.55(m,1H)7.59‐7.70(m,2H)
【0267】
d)2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)エチルアセテート
N,N‐ジメチルホルムアミド(5mL)中の酢酸2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)エチル(0.971mmol)の溶液を、炭酸カリウム(2.91mmol)および4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(1.019mmol)で処理した。この反応物を室温にて一晩攪拌した。次に、この反応溶液を水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで4回抽出した。1つにまとめた有機層を、水で4回、鹹水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、表題の化合物をオイルとして得た(385mg、収率76%)。MS(ES)+ m/e 469.1/471.2[M+H](臭化物同位体パターン)
【0268】
e)4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐ヒドロキシエチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
1,4‐ジオキサン(1.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)エチルアセテート(0.345mmol)の溶液を、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(0.380mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.017mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(1.035mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。次に、この混合物を、真空下にて濃縮乾固した。褐色残渣を、エタノール(2mL)で希釈し、この溶液を、油浴中、50℃にて一晩攪拌し、その後、この反応物を、窒素気流下にて濃縮乾固した。この粗物質を、水(50mL)に懸濁し、酢酸エチルで3回抽出した。水層を鹹水(20mL)でさらに希釈し、テトラヒドロフランでさらに1回抽出を行った。有機層(酢酸エチルおよびテトラヒドロフラン)を1つにまとめ、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜6% メタノール/ジクロロメタン)およびキラルHPLC(Chromegachiral CC、メタノール)で精製して、表題の化合物を白色固体として、>98%eeにて得た(21mg、収率12%)。MS(ES)+ m/e 476.1[M+H].α=+20度(c=0.04、メタノール)
【0269】
実施例26
(−)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐ヒドロキシエチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
a)実施例25eから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chromegachiral CC、メタノール)を用い、続いて水(1mL)から凍結乾燥することで、白色固体として、>98%eeにて単離した(20mg、収率11%)。MS(ES)+ m/e 476.1[M+H].α=−22度(c=0.03、メタノール)
【0270】
実施例27
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐メチルアセトアミド
【0271】
【化36】
【0272】
a)2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐N‐メチルアセトアミド
ジクロロメタン(20mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)酢酸(10.56mmol)の溶液を、塩化オキサリル(31.7mmol)およびジメチルホルムアミド(0.106mmol)で処理した。発泡が15分間観察された。泡立ちが収まってから、反応物を真空下にて濃縮乾固した。得られたオイルをジクロロメタンに溶解し、真空下にて濃縮乾固した。次に、この物質をテトラヒドロフラン(20mL)で希釈し、メタナミン(31.7mmol)を滴下して処理した。発泡が再度観察された。この反応物を2時間にわたって攪拌すると、析出物が形成された。反応の内容物を、真空下にて濃縮乾固し、次に最小量のメタノールに溶解した。続いて、固体が析出するまで、酢酸エチルをこの溶液に添加した。析出物を真空ろ過で回収した。同様の方法で、さらに2回の生成分を母液から回収した。得られた固体を1つにまとめ、ジクロロメタンで研和した。この固体を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜5% メタノール/ジクロロメタン)で精製して、表題の化合物を白色固体として得た(610mg、収率22%)。MS(ES)+ m/e 246.0/247.8[M+H](臭化物同位体パターン)
【0273】
b)2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐N‐メチルアセトアミド
四塩化炭素(5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐N‐メチルアセトアミド(2.479mmol)の溶液を、窒素気流により5分間脱気し、この時点にて、この溶液を、N‐ブロモスクシンイミド(2.73mmol)およびアゾビスイソブチロニトリル(0.248mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物を、80℃にて一晩攪拌した。一晩攪拌後、反応物を室温まで冷却した。再度、この反応混合物を、窒素気流により3分間脱気し、N‐ブロモスクシンイミド(0.56mmol)およびアゾビスイソブチロニトリル(0.124mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物を、80℃にて2日間攪拌した。次に、反応物を冷却し、真空下にて濃縮乾固した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜50% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の化合物を白色固体として得た(296mg、収率33%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)d ppm 2.65(d,J=4.55Hz,3H)5.81(s,1H)7.49(dd,J=8.59,1.77Hz,1H)7.61(dd,J=9.98,1.89Hz,1H)7.72(t,J=8.21Hz,1H)8.49(br.s.,1H)
【0274】
c)2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐N‐メチルアセトアミド
N,N‐ジメチルホルムアミド(3mL)中の2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐N‐メチルアセトアミド(0.579mmol)の溶液を、炭酸カリウム(1.715mmol)および4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(0.632mmol)で処理した。この反応物を、室温にて一晩攪拌した。次に、この反応溶液を、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を1つにまとめ、水で3回、鹹水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜6% メタノール/ジクロロメタン)で精製して、表題の化合物を黄色オイルとして得た(185mg、収率63%)。MS(ES)+ m/e 454.0/455.9[M+H](臭化物同位体パターン)
【0275】
d)(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐メチルアセトアミド
1,4‐ジオキサン(2mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐N‐メチルアセトアミド(0.366mmol)の溶液を、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(0.403mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.018mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(1.099mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(50mL)および鹹水(20mL)で希釈し、ジクロロメタンで4回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。この物質を、ヘキサンで研和し、このヘキサン溶液を廃棄した。残渣を、キラルHPLC(Chromegachiral CC、メタノール)で精製し、続いて、水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥して、表題の化合物をベージュ色固体として、>98%eeにて得た(50mg、収率25%)。MS(ES)+ m/e 503.1[M+H].α=+34度(c=0.04、メタノール)
【0276】
実施例28
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐メチルアセトアミド
a)実施例27dから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chromegachiral CC、メタノール)を用い、続いて水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥することで、ベージュ色固体として、>98%eeにて単離した(55mg、収率28%)。MS(ES)+ m/e 503.1[M+H].α=−34度(c=0.03、メタノール)
【0277】
実施例29
(+)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐(1‐(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
【0278】
【化37】
【0279】
a)1‐(((tert‐ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)シクロプロパナミン
無水ジクロロメタン(25mL)中の(1‐アミノシクロプロピル)メタノール(9.69mmol)、4‐(ジメチルアミノ)ピリジン(0.484mmol)、およびトリエチルアミン(21.32mmol)の攪拌溶液へ、クロロ(1,1‐ジメチルエチル)ジメチルシラン(10.66mmol)を添加した。20時間の攪拌後、この反応物を、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止し、ジクロロメタンで抽出した。抽出物を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮して、粗表題化合物を無色液体として得た(1.70g、収率78%)。MS(ES)+ m/e 202.2[M+H]
【0280】
b)tert‐ブチル 4‐(((1‐(((tert‐ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)シクロプロピル)アミノ)メチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシレート
純エタノール(40mL)中の1‐(((tert‐ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)シクロプロパナミン(10.09mmol)の溶液へ、tert‐ブチル 1‐オキサ‐6‐アザスピロ[2.5]オクタン‐6‐カルボキシレート(9.61mmol)を一度に添加した。この反応物を、還流下にて20時間加熱し、次に冷却し、シリカ上で蒸発させた。固体をフラッシュクロマトグラフィ(30〜80% ヘキサン中の酢酸エチル)で精製して、表題の生成物を無色オイルとして得た(719mg、収率16%)。MS(ES)+ m/e 415.5[M+H]
【0281】
c)tert‐ブチル 4‐((N‐(1‐(((tert‐ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)シクロプロピル)‐2‐クロロアセトアミド)メチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシレート
無水ジクロロメタン(30mL)中のtert‐ブチル 4‐(((1‐(((tert‐ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)シクロプロピル)アミノ)メチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシレート(1.688mmol)およびN,N‐ジイソプロピルエチルアミン(4.22mmol)の0℃に冷却した攪拌溶液へ、純塩化クロロアセチル(2.53mmol)を添加した。30分後、この反応物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。1つにまとめた抽出物を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、シリカ上で蒸発させた。この固体をフラッシュクロマトグラフィ(30% ヘキサン中の酢酸エチル)で精製して、表題の生成物を薄オレンジ色オイルとして得た(742mg、収率85%)。MS(ES)+ m/e 491.4[M+H]
【0282】
d)tert‐ブチル 4‐(1‐(((tert‐ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)シクロプロピル)‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐カルボキシレート
無水テトラヒドロフラン(20mL)中のtert‐ブチル 4‐((N‐(1‐(((tert‐ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)シクロプロピル)‐2‐クロロアセトアミド)メチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシレート(1.511mmol)の溶液へ、ミネラルオイル中の60% 水素化ナトリウム(3.02mmol)を一度に添加した。この懸濁液を、還流下にて1時間加熱し、次に冷却し、水(1mL)で反応停止し、真空下にて蒸発乾固した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(20〜80% ヘキサン中の酢酸エチル)で精製して、表題の生成物を無色オイルとして得た(450mg、収率64%)。MS(ES)+ m/e 455.3[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.03(s,6H)0.76‐0.98(m,13H)1.47(s,11H)1.70‐1.89(m,2H)2.90‐3.18(m,2H)3.35(s,2H)3.70(br.s.,2H)3.85(br.s.,2H)4.11(s,2H)
【0283】
e)4‐(1‐(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
1,4‐ジオキサン(2mL)中のtert‐ブチル 4‐(1‐(((tert‐ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)シクロプロピル)‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐カルボキシレート(0.988mmol)の溶液を、ジオキサン中の4N HCl(8.00mmol)で処理した。この反応物を室温にて2.5時間攪拌した。次に、反応内容物を、真空下にて濃縮乾固し、この時点にて、出発物質のすべてが消費された分けではなかったと判断した。この物質を、1,4‐ジオキサン(2mL)中に懸濁し、ジオキサン中の4N HCl(8.00mmol)で処理した。この混合物を50℃にて2時間攪拌し、この時点にて、反応内容物を、真空下にて濃縮乾固した。この物質をジクロロメタン(5mL)で希釈し、再度濃縮乾固して、粗表題化合物を塩酸塩として得た。この粗生成物を次の工程で直接用いた。MS(ES)+ m/e 241.0[M+H]
【0284】
f)2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセトアミド
エタノール(75.0mL)および水(15.0mL)による4‐ブロモ‐1‐(ブロモメチル)‐2‐フルオロベンゼン(56.0mmol)の溶液へ、シアン化ナトリウム(67.2mmol)を添加した。この反応物を3日間還流し、次に冷却し、水で希釈した。固体を回収し、水(100mL)および6N HCl水溶液(50mL)で1時間スラリー化し、次にろ過し、吸引乾燥した。回収した固体をジクロロメタンで再度スラリー化し、固体を回収し、乾燥して、表題の生成物を白色固体として得た(6.9g、収率52%)。MS(ES)+ m/e 232.1、233.9[M+H]H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ ppm 3.43(s,2H)6.99(br.s.,1H)7.28(t,J=8.08Hz,1H)7.36(dd,J=8.34,2.02Hz,1H)7.47(dd,J=9.60,2.02Hz,1H)7.50(br.s.,1H)
【0285】
g)2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセトアミド
無水四塩化炭素(85mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセトアミド(29.7mmol)およびN‐ブロモスクシンイミド(37.2mmol)の懸濁液へ、2,2’‐アゾビス(2‐メチルプロピオニトリル)(1.487mmol)を添加した。この反応混合物を、85℃にて4日間加熱した。得られた懸濁液を真空濃縮し、残渣を鹹水中に取り出し、次に酢酸エチルで抽出した。1つにまとめた抽出物を、硫酸ナトリウムおよび脱色チャコール上で乾燥し、セライトの短パッドでろ過し、蒸発させて粗残渣とした。この残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン中の30% 酢酸エチル)で精製して、表題の生成物をクリーム色固体として得た(3.60g、収率38%)。MS(ES)+ m/e 310.1、312.1[M+H]H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ ppm 5.79(s,1H)7.48(dd,J=8.59,1.77Hz,1H)7.59(br.s.,1H)7.61(dd,J=9.85,2.02Hz,1H)7.70(t,J=8.21Hz,1H)7.91(br.s.,1H)
【0286】
h)2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐(1‐(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
N,N‐ジメチルホルムアミド(5mL)中の2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセトアミド(1.037mmol)の溶液を、炭酸カリウム(2.96mmol)および実施例29aからの粗4‐(1‐(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩で処理した。この反応物を室温にて一晩攪拌した。次に、この反応溶液を水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、水で3回、鹹水で3回洗浄し、続いて、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空下にて濃縮乾固して、粗表題化合物を黄色オイルとして得た(H NMRで特定された85%純度の物質500mg、2工程合わせた収率91%)。MS(ES)+ m/e 470.1/472.0[M+H](臭化物同位体パターン)
【0287】
i)(+)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐(1‐(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
1,4‐ジオキサン(2mL)中の粗(純度85%)2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐(1‐(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(0.488mmol)の溶液を、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(0.537mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.024mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(1.464mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。追加分の7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(0.117mmol)およびPdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.012mmol)を添加した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて5分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(50mL)および鹹水(20mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、Silicycle Si‐チオール(20mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。得られた固体を逆相HPLC(20〜60% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製した。所望される生成物を含有する画分を選択し、1つにまとめ、真空下にて濃縮乾固した。さらに、キラルHPLC(Chromegachiral CC、メタノール)で精製し、続いて、水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥して、表題の化合物を白色固体として、>98%eeにて得た(43mg、収率16%)。MS(ES)+ m/e 519.3[M+H].α=+47度(c=0.05、メタノール)
【0288】
実施例30
(−)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐(1‐(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
a)実施例29iから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chromegachiral CC、メタノール)を用い、続いて水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥することで、白色固体として、>98%eeにて単離した(46mg、収率17%)。MS(ES)+ m/e 519.3[M+H].α=−32度(c=0.05、メタノール)
【0289】
実施例31
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0290】
【化38】
【0291】
a)乾燥1,4‐ジオキサン(1.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(0.341mmol)の溶液を、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.409mmol)、酢酸カリウム(0.499mmol)、およびPdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.017mmol)で処理した。この溶液を、窒素気流により3分間脱気し、この時点にて、反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物を、油浴中100℃にて一晩攪拌した。この時点にて、この反応物を室温まで冷却し、7‐ブロモ‐2‐メチルキノリン(0.341mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.017mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(1.022mmol)を添加した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(100mL)および鹹水(30mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、Silicycle Si‐チオール(20mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(0〜9% メタノール/ジクロロメタン)で精製し、続いてキラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)および水(25%アセトニトリル含有)からの凍結乾燥を行って、表題の化合物を、>98%eeにて白色固体として得た(38mg、収率21%)。MS(ES)+ m/e 503.0[M+H].α=+48度(c=0.04、メタノール)
【0292】
実施例32
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例31aから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chromegachiral CC、メタノール)を用い、続いて水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥することで、白色固体として、>98%eeにて単離した(38mg、収率21%)。MS(ES)+ m/e 503.0[M+H].α=−27度(c=0.04、メタノール)
【0293】
実施例33
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(3‐フルオロ‐4’‐メトキシ‐[1.1’‐ビフェニル]‐4‐イル)アセトアミド
【0294】
【化39】
【0295】
a)乾燥1,4‐ジオキサン(1.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(0.341mmol)の溶液を、(4‐メトキシフェニル)ボロン酸(0.375mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.017mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(1.022mmol)で処理した。この溶液を、窒素気流により3分間脱気し、この時点にて、反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、Silicycle Si‐チオール(20mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜6% メタノール/ジクロロメタン)で、続いて逆相HPLC(20〜60% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製した。所望される生成物を含有する画分を選択し、1つにまとめ、真空下にて濃縮乾固した。生成物を、水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥して、表題の化合物を白色固体として得た(87mg、収率51%)。MS(ES)+ m/e 468.2[M+H]
【0296】
実施例34
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐ヒドロキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0297】
【化40】
【0298】
a)乾燥1,4‐ジオキサン(1.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(0.341mmol)の溶液を、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.409mmol)、酢酸カリウム(0.499mmol)、およびPdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.017mmol)で処理した。この溶液を、窒素気流により3分間脱気し、この時点にて、反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物を、油浴中100℃にて一晩加熱した。この黒色溶液を室温まで冷却し、この時点にて、7‐クロロキノリン‐2‐オール(0.341mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.017mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(1.022mmol)を添加した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。出発物質の変換が不完全であったため、反応溶液を、追加分のPdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.017mmol)で処理し、この時点にて、反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物を、油浴中100℃にて60時間攪拌した。この時点にて、反応物を室温まで冷却し、その後、これを再度PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.017mmol)で処理し、窒素でパージし、密封し、油浴中120℃にて一晩攪拌した。この反応物を室温まで冷却し、水(50mL)および鹹水(10mL)で希釈した。この混合物を、酢酸エチルで5回抽出した。1つにまとめた有機層を、Si‐チオール(100mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。この粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜9% メタノール/ジクロロメタン)、逆相HPLC(20〜60% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)、および逆相HPLC(5〜35% 0.1%TFA含有アセトニトリル/0.1%TFA含有水)で精製した。所望される生成物を含有する画分を1つにまとめ、得られた混合物のpHを、30重量/体積% 水酸化アンモニウム水溶液で約10に調節した。この混合物を、最小体積まで真空濃縮し、次に、酢酸エチルで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。生成物を、水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥して、表題の化合物を白色固体として得た(15mg、収率8%)。MS(ES)+ m/e 505.3[M+H]
【0299】
実施例35
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(3,4’‐ジフルオロ‐[1,1’‐ビフェニル]‐4‐イル)アセトアミド
【0300】
【化41】
【0301】
a)乾燥1,4‐ジオキサン(1.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(0.341mmol)の溶液を、(4‐フルオロフェニル)ボロン酸(0.375mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.017mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(1.022mmol)で処理した。この溶液を、窒素気流により3分間脱気し、この時点にて、反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、Silicycle Si‐チオール(20mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。粗物質を、逆相HPLC(20〜65% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)および逆相HPLC(10〜50% 0.1%TFA含有アセトニトリル/0.1%TFA含有水)で精製した。所望される生成物を含有する画分を1つにまとめ、得られた混合物のpHを、30重量/体積% 水酸化アンモニウム水溶液で約10に調節した。この混合物を、最小体積まで真空濃縮し、次に、ジクロロメタンで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。生成物を、水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥して、表題の化合物を白色固体として得た(100mg、収率61%)。MS(ES)+ m/e 456.1[M+H]
【0302】
実施例36
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐ヒドロキシアセトアミド
【0303】
【化42】
【0304】
a)2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセトニトリル
エタノール(75.0mL)および水(15.0mL)による4‐ブロモ‐1‐(ブロモメチル)‐2‐フルオロベンゼン(56.0mmol)の溶液へ、シアン化ナトリウム(67.2mmol)を添加した。この反応物を3日間還流し、次に冷却し、水で希釈した。固体を回収し、水(100mL)および6N HCl水溶液(50mL)で1時間スラリー化し、次にろ過し、吸引乾燥した。回収した固体をジクロロメタンで再度スラリー化し、固体を回収し、乾燥して、2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセトアミドを白色固体として得た(6.9g、収率52%)。ジクロロメタンろ液を蒸発させて、表題の生成物および2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセトアミドの粗混合物(LCMSによる純度72%)(比率1.4:1)を、薄黄色固体として得た(4.5g)。この混合物の一部を、次の工程で直接用いた。表題の生成物:MS(ES)+ m/e 214.0、216.2[M+H]
【0305】
b)メチル 2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセテート
2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセトニトリルおよび2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセトアミドの粗混合物(純度72%)(比率1.4:1、2.0g)のメタノール(6mL)中の溶液を、濃硫酸(4mL、75mmol)を滴下して処理した。次に、容器を密封し、油浴中80℃にて加熱し、3日間攪拌した。この時点にて、反応物を室温まで冷却し、水(50mL)でゆっくり希釈した。次に、この混合物をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を1つにまとめ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および鹹水で洗浄した。有機溶液を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、粗表題化合物を透明オイルとして得た。この粗オイルを、次の工程で直接用いた。H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ ppm 3.63(s,3H)3.74(s,2H)7.34(t,J=8.08Hz,1H)7.38‐7.43(m,1H)7.55(dd,J=9.60,2.02Hz,1H)
【0306】
c)メチル 2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセテート
四塩化炭素(15mL)中の実施例36bからの粗メチル 2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセテートの溶液を、窒素気流により5分間脱気した。次に、この溶液をN‐ブロモスクシンイミド(10.37mmol)およびアゾビスイソブチロニトリル(0.944mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物を、80℃の油浴中にて一晩攪拌した。次に、この反応物を冷却し、真空下にて濃縮乾固した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜30% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の化合物を得た(2.5g)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ ppm 3.74(s,3H)6.19(s,1H)7.47‐7.58(m,2H)7.66(dd,J=10.11,1.77Hz,1H)
【0307】
d)メチル 2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセテート
N,N‐ジメチルホルムアミド(30mL)中のメチル 2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセテート(7.29mmol)の溶液を、炭酸カリウム(19.90mmol)および4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(8.31mmol)で処理した。この反応物を室温にて2日間攪拌した。この反応溶液を水(200mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、水で5回、鹹水で3回洗浄した。この有機溶液を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。得られた半固体を、ジクロロメタン(10mL)で希釈し、真空下にて濃縮乾固した。これを2回繰り返し、この時点にて、得られた固体を高真空下にて一晩乾燥して、表題の化合物を白色固体として得た(3.05g、収率87%)。MS(ES)+ m/e 454.8/456.9[M+H](臭化物同位体パターン)
【0308】
e)メチル 2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセテート
1,4‐ジオキサン(8mL)中のメチル 2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセテート(2.53mmol)の溶液を、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(2.78mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.126mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(7.58mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(100mL)および鹹水(20mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。この残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜5% メタノール/ジクロロメタン)で精製することで、所望される生成物が得られ、これをジクロロメタンに溶解し、真空濃縮を3回行って、表題の化合物を褐色ゲルとして得た(1.21グラム、収率81%)。MS(ES)+ m/e 504.1[M+H]
【0309】
f)(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐ヒドロキシアセトアミド
メタノール(2mL)およびテトラヒドロフラン(2mL)中のメチル 2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセテート(0.560mmol)の溶液を、水酸化カリウム(1.782mmol)およびヒドロキシルアミン(50重量/体積%水溶液、8.16mmol)で処理した。この反応混合物を、室温にて3時間攪拌した。次に、この反応溶液を、窒素気流下にて濃縮乾固した。残渣を、逆相HPLC(20〜60% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製し、続いてキラルHPLC(Chiralpak AS‐Hカラム、アセトニトリル:メタノール 98:2)および水(25%アセトニトリル含有)からの凍結乾燥を行って、表題の化合物を白色固体として得た(20mg、6%)。MS(ES)+ m/e 504.9[M+H]、>99%ee、α=+17度(c=0.02、アセトニトリル:メタノール 98:2)
【0310】
実施例37
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐ヒドロキシアセトアミド
a)実施例36fから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chiralpak AS‐Hカラム、アセトニトリル:メタノール 98:2)を用い、続いて水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥することで、白色固体として、>98%eeにて単離した(21mg、収率7%)。MS(ES)+ m/e 505.0[M+H].α=−18度(c=0.014、アセトニトリル:メタノール 98:2)
【0311】
実施例38
(+)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐ヒドロキシエチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
【0312】
【化43】
【0313】
a)2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)酢酸
エタノール(10mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)アセトアミド(7.20mmol)の懸濁液を、室温にて6N 水酸化ナトリウム水溶液(90mmol)で処理した。次に、容器を油浴中80℃にて攪拌した。1時間後、この反応混合物は透明となった。一晩攪拌後、この反応混合物を室温まで冷却し、この時点にて、pHを6N HCl水溶液で約1に調節した。白色析出物が形成し、この溶液を約10mLの体積まで濃縮し、この時点にて、酢酸エチルで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、鹹水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、表題の化合物を固体として得た(837mg、収率41%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ ppm 3.60(s,2H)7.49(d,J=6.82Hz,2H)12.82(br.s.,1H).
【0314】
b)2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)エタノール
ボラン‐テトラヒドロフラン複合体(1M、20.00mmol)中の2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)酢酸(2.131mmol)の溶液を、油浴中、40℃にて2日間攪拌した。この時点にて、反応内容物を、真空下にて濃縮乾固した。この物質を、水(50mL)に懸濁し、酢酸エチルで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、鹹水で1回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜50% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の化合物を透明オイルとして得た(330mg、収率58%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ ppm 2.74(t,J=6.82Hz,2H)3.46‐3.60(m,2H)4.83(t,J=5.68Hz,1H)7.35‐7.49(m,2H)
【0315】
c)酢酸4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェネチル
ジクロロメタン(2mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)エタノール(1.392mmol)の溶液を、ピリジン(4.00mL)、無水酢酸(4.18mmol)、および4‐(ジメチルアミノ)ピリジン(0.070mmol)で処理した。この反応物を室温にて3日間攪拌した。この時点にて、反応内容物を最小体積まで真空濃縮した。この物質を、水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。1つにまとめた有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で、および鹹水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、表題の化合物をベージュ色オイルとして得た(330mg、収率76%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ ppm 1.95(s,3H)2.91(t,J=6.32Hz,2H)4.18(t,J=6.44Hz,2H)7.47(d,J=7.07Hz,2H)
【0316】
d)酢酸2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)エチル
四塩化炭素(3mL)中の酢酸4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェネチル(1.182mmol)の溶液を、窒素気流により5分間脱気し、次に、N‐ブロモスクシンイミド(1.301mmol)およびアゾビスイソブチロニトリル(0.118mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物を、油浴中80℃にて一晩攪拌した。次に、この反応物を冷却し、窒素気流下にて濃縮乾固した。この粗物質を酢酸エチル(50mL)に溶解し、水で2回洗浄した。次に、有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。生成物をジクロロメタンに溶解し、再度真空下にて濃縮乾固して、表題の化合物を黄色オイルとして得た(403mg、収率86%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ ppm 2.01(s,3H)4.55‐4.70(m,2H)5.50(t,J=7.45Hz,1H)7.55‐7.67(m,2H).
【0317】
e)2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)エチルアセテート
N,N‐ジメチルホルムアミド(5mL)中の酢酸2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)エチル(1.013mmol)の溶液を、炭酸カリウム(3.04mmol)および4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(1.115mmol)で処理した。この反応物を室温にて一晩攪拌した。この反応溶液を水(100mL)で希釈し、ジエチルエーテルで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、粗表題化合物を黄色固体として得た(H NMRから算出される純度80%の物質として405mg、収率65%)。MS(ES)+ m/e 487.2/489.3[M+H](臭化物同位体パターン)
【0318】
f)(+)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐ヒドロキシエチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
1,4‐ジオキサン(2mL)中の粗(純度80%)2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)エチルアセテート(0.361mmol)の溶液を、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(0.397mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.018mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(1.083mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。反応物を冷却し、この時点にて、追加分の7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(0.08mmol)およびPdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.006mmol)を添加した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて5分間のマイクロ波照射を施した。次に、この黒色反応混合物を、窒素気流下にて最小体積(約0.5mL)まで濃縮し、この時点にて、これをエタノールと水との混合物(2mL、1:1)で希釈した。この混合物を、油浴中、80℃にて一晩攪拌した。得られた反応溶液を、窒素気流下にて濃縮乾固し、次に、水(50mL)および鹹水(20mL)で希釈した。この水性混合物を、酢酸エチルで4回抽出した。1つにまとめた有機層を、Silicycle Si‐チオール(50mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜7% メタノール/ジクロロメタン)およびキラルHPLC(Chromegachiral CC、メタノール)で精製し、続いて水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥して、表題の化合物を白色固体として、>99%eeにて得た(29mg、収率15%)。MS(ES)+ m/e 494.1[M+H].α=+4度(c=0.06、メタノール)
【0319】
実施例39
(−)‐4‐シクロプロピル‐9‐(1‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐ヒドロキシエチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
a)実施例38fから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chromegachiral CC、メタノール)を用い、続いて水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥することで、白色固体として、>98%eeにて単離した(32mg、収率17%)。MS(ES)+ m/e 494.1[M+H].α=−5度(c=0.09、メタノール)
【0320】
実施例40
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐5‐イル)フェニル)アセトアミド
【0321】
【化44】
【0322】
a)乾燥1,4‐ジオキサン(1.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(0.273mmol)の溶液を、キノリン‐5‐イルボロン酸(0.300mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.014mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(0.818mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(50mL)および鹹水(20mL)で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(0〜9% メタノール/ジクロロメタン)およびキラルHPLC(Chromegachiral CC、メタノール)で精製し、続いて水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥して、表題の化合物を白色固体として、>99%eeにて得た(30mg、収率21%)。MS(ES)+ m/e 489.5[M+H].α=+38度(c=0.05、メタノール)
【0323】
実施例41
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐5‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例40aから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chiralpak Chromegachiral CC、メタノール)を用い、続いて水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥することで、白色固体として、>99%eeにて単離した(31mg、収率22%)。MS(ES)+ m/e 489.5[M+H].α=−38度(c=0.05、メタノール)
【0324】
実施例42
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N,N‐ジメチルアセトアミド
【0325】
【化45】
【0326】
a)ジクロロメタン(1mL)中の2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)酢酸(0.153mmol)の溶液を、N‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N’‐エチルカルボジイミド塩酸塩(0.230mmol)および4‐(ジメチルアミノ)ピリジン(0.766mmol)で処理した。この混合物を室温にて10分間攪拌し、この時点にて、ジメチルアミン塩酸塩(0.306mmol)を添加した。反応容器を密封し、この反応物を、室温にて一晩攪拌した。この時点にて、追加分のN‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N’‐エチルカルボジイミド塩酸塩(0.230mmol)を添加した。反応容器を密封し、この反応物を、室温にて一晩攪拌した。得られた反応混合物を、窒素気流下にて濃縮乾固した。残渣を、逆相HPLC(20〜65% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製し、続いてキラルHPLC(Chromegachiral CC、メタノール)および水(25%アセトニトリル含有)からの凍結乾燥を行って、表題の化合物を固体として得た(25mg、30%)。MS(ES)+ m/e 517.4[M+H]、>99%ee、α=−69度(c=0.01、メタノール)
【0327】
実施例43
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N,N‐ジメチルアセトアミド
a)実施例42aから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chiralpak Chromegachiral CC、メタノール)を用い、続いてヘキサンによる研和、逆相HPLC(Kromasilシリカゲル、ジクロロメタン:メタノール 95:5)、および水(25%アセトニトリル含有)からの凍結乾燥を行うことで、固体として、>99%eeにて単離した(17mg、収率20%)。MS(ES)+ m/e 517.5[M+H].α=+68度(c=0.02、メタノール)
【0328】
実施例44
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐メチルキノリン‐5‐イル)フェニル)アセトアミド
【0329】
【化46】
【0330】
a)乾燥1,4‐ジオキサン(1.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(0.341mmol)の溶液を、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.409mmol)、酢酸カリウム(0.499mmol)、およびPdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.017mmol)で処理した。この溶液を、窒素気流にて3分間脱気し、この時点にて、反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物を、油浴中90℃にて一晩攪拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、5‐クロロ‐2‐メチルキノリン(0.341mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.017mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(1.022mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。反応物を室温まで冷却し、この時点にて、追加分のPdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.017mmol)を添加した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、150℃にて1時間のマイクロ波照射を施した。反応物を室温まで冷却し、代わりの触媒であるPd‐XPhosプレ触媒(Strem 46‐0268)(0.012mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて30分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタンで4回抽出した。1つにまとめた有機層を、Silicycle Si‐チオール(20mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、逆相HPLC(20〜65% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製し、続いてキラルHPLC(Chromegachiral CC、メタノール)および水(25%アセトニトリル含有)からの凍結乾燥を行って、表題の化合物を白色固体として得た(22mg、12%)。MS(ES)+ m/e 503.1[M+H]、>99%ee、α=+25度(c=0.03、メタノール)
【0331】
実施例45
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐メチルキノリン‐5‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例44aから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chiralpak Chromegachiral CC、メタノール)を用い、続いて水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥して、固体として、>99%eeにて単離した(22mg、収率12%)。MS(ES)+ m/e 503.1[M+H].α=−26度(c=0.03、メタノール)
【0332】
実施例46
(+)‐メチル 2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセテート
【0333】
【化47】
【0334】
a)7‐ブロモ‐3‐メトキシキノリン
実施例62aの手順に従い、1,1,2‐トリメトキシエタンを用いることで、表題の化合物を得た(61%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ ppm 3.94(s,3H)7.72(dd,J=8.84,2.02Hz,1H)7.83(d,J=3.03Hz,1H)7.89(d,J=8.84Hz,1H)8.17(d,=1.77Hz,1H)8.68(d,J=3.03Hz,1H)
【0335】
b)(+)‐メチル 2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセテート
1,4‐ジオキサン(2.5mL)中のメチル 2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセテート(0.626mmol)の溶液を、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’‐オクタメチル‐2,2’‐ビ(1,3,2‐ジオキサボロラン)(0.751mmol)、酢酸カリウム(0.939mmol)、およびPdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.031mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物を、油浴中80℃にて一晩攪拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、7‐ブロモ‐3‐メトキシキノリン(0.626mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.031mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(1.878mmol)で処理した。この溶液を、窒素気流で3分間脱気し、この時点にて、反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(100mL)で希釈し、クロロホルムで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、Silicycle Si‐チオール(50mg)で処理し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、逆相HPLC(20〜65% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製し、続いてキラルHPLC(Chiralpak IAカラム、メタノール:アセトニトリル 1:1)および水(25%アセトニトリル含有)からの凍結乾燥を行って、表題の化合物を白色固体として得た(94mg、26%)。MS(ES)+ m/e 534.2[M+H]、>99%ee、α=+58度(c=0.05、メタノール:アセトニトリル 1:1)
【0336】
実施例47
(−)‐メチル 2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセテート
a)実施例46bから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chiralpak IAカラム、メタノール:アセトニトリル 1:1)を用い、続いて水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥して、固体として、>99%eeにて単離した(84mg、収率23%)。MS(ES)+ m/e 534.2[M+H].α=−62度(c=0.03、メタノール:アセトニトリル 1:1)
【0337】
実施例48
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐ヒドロキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0338】
【化48】
【0339】
a)1,4‐ジオキサン(1.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(0.302mmol)の溶液を、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’‐オクタメチル‐2,2’‐ビ(1,3,2‐ジオキサボロラン)(0.362mmol)、酢酸カリウム(0.453mmol)、およびPdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.030mmol)で処理した。この溶液を、窒素気流で3分間脱気し、この時点にて、反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物を、油浴中90℃にて一晩攪拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、7‐クロロキノリン‐2‐オール(0.302mmol)、2M 炭酸カリウム水溶液(0.906mmol)、およびPd‐XPhosプレ触媒(Strem 46‐0268)(0.030mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物を、90℃の浴中にて16時間攪拌した。得られた黒色混合物を、水(50mL)および鹹水(20mL)で希釈し、クロロホルムで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。得られた粗物質を、逆相HPLC(10〜40% 0.1%TFA含有アセトニトリル/0.1%TFA含有水)で精製した。所望される生成物を含有する画分を1つにまとめ、得られた混合物のpHを、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて約7に調節した。この混合物を最小体積まで真空濃縮し、次に、クロロホルムで3回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、キラルHPLC(Chiralpak AS‐Hカラム、アセトニトリル:メタノール 9:1)で精製し、続いて水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥して、表題の化合物を白色固体として得た(20mg、12%)。MS(ES)+ m/e 505.2[M+H]、>99%ee、α=+43度(c=0.02、アセトニトリル:メタノール 9:1)
【0340】
実施例49
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(2‐ヒドロキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例48aから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chiralpak AS‐Hカラム、アセトニトリル:メタノール 9:1)を用い、続いて水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥して、固体として、>99%eeにて単離した(21mg、収率13%)。MS(ES)+ m/e 505.3[M+H].α=−37度(c=0.01、アセトニトリル:メタノール 9:1)
【0341】
実施例50
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐メトキシアセトアミド
【0342】
【化49】
a)2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐N‐メトキシアセトアミド
ジクロロメタン(1mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)酢酸(0.453mmol)の溶液を、N‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N’‐エチルカルボジイミド塩酸塩(0.680mmol)および4‐(ジメチルアミノ)ピリジン(2.266mmol)により室温にて処理した。この混合物を10分間攪拌し、この時点にて、O‐メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.906mmol)を添加した。反応容器を密封し、この混合物を、室温にて18時間、45℃にて24時間攪拌した。次に、この反応物を室温まで冷却し、ピリジン(0.5mL)で処理した。反応容器を再度密封し、油浴中45℃にて一晩攪拌した。この時点にて、この反応物を室温まで冷却し、追加分のN‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N’‐エチルカルボジイミド塩酸塩(0.680mmol)およびO‐メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.906mmol)で処理した。反応容器を再度密封し、油浴中45℃にて2時間攪拌した。次に、この反応混合物を真空下にて濃縮乾固した。得られたオレンジ色残渣を、ジクロロメタン(10mL)に溶解し、真空濃縮した。残渣を、逆相HPLC(10〜40% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製して、表題の化合物を透明油性固体として得た(89mg、収率38%)。MS(ES)+ m/e 470.1/472.1[M+H](臭化物同位体パターン)
【0343】
b)(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐メトキシアセトアミド
乾燥1,4‐ジオキサン(1mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐N‐メトキシアセトアミド(0.170mmol)の溶液を、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(0.187mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(8.52μmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(0.511mmol)で処理した。反応容器を窒素でパージし、密封し、この混合物に、Biotageイニシエータ中、120℃にて15分間のマイクロ波照射を施した。得られた黒色混合物を、水(50mL)および鹹水(20mL)で希釈し、クロロホルムで4回抽出した。1つにまとめた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、逆相HPLC(20〜50% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製し、続いてキラルHPLC(Chromegachiral CC、メタノール)および水(25%アセトニトリル含有)からの凍結乾燥を行って、表題の化合物を白色固体として得た(11mg、11%)。MS(ES)+ m/e 519.3[M+H]、>99%ee、α=+11度(c=0.03、メタノール)
【0344】
実施例51
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐N‐メトキシアセトアミド
a)実施例50bから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chiralpak Chromegachiral CC、メタノール)を用い、続いて水(25%アセトニトリル含有)から凍結乾燥して、白色固体として、>99%eeにて単離した(10mg、収率10%)。MS(ES)+ m/e 519.3[M+H].α=−10度(c=0.03、メタノール)
【0345】
実施例52
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0346】
【化50】
【0347】
a)7‐ブロモ‐8‐フルオロキノリン
攪拌棒および空気冷却管を取り付けた500mL丸底フラスコに、3‐ブロモ‐2‐フルオロアニリン(10.00g、52.6mmol)、3‐ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム(21.13g、94mmol)、およびプロパン‐1,2,3‐トリオール(グリセロール)(13.57g、147mmol)を投入した。この混合物を、水(11.38mL)中に取り、注意深く濃硫酸(21.06mL)で処理し、次に、攪拌しながら150℃に2時間加熱した。次に、この反応物を室温まで冷却し、フラスコに氷浴を取り付けた。この反応混合物を、5N 水酸化ナトリウム水溶液(約180mL)で注意深く中和した。続いて、この混合物を20分間攪拌し、中性pHを確認し、次にジクロロメタン(1000mL)で希釈した。すべての混合物を分液漏斗に移し、得られたエマルジョンを、約200mLの飽和鹹水で処理し、一晩静置して層分離させた。有機層を単離し、水層を、追加量のジクロロメタン(約400mL)で抽出した。次に、有機部分をプールし、400mLの1N 水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して残渣とした。この残渣を、高真空下にて固化させて、表題の化合物を暗褐色固体として得た(9.16g、収率75%)。MS(ES) m/e 225.9、227.8[M+H]
【0348】
b)(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
攪拌棒を取り付けた20mL反応バイアルに、2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(0.150g、0.350mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.205g、0.806mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.020g、0.025mmol)、および酢酸カリウム(0.076g、0.770mmol)を投入した。これらの固体を1,4‐ジオキサン(3.12mL)で希釈し、この反応混合物を、一晩攪拌しながら90℃に加温した。次に、この反応混合物を、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(0.020g、0.025mmol)、2M 炭酸カリウム水溶液(0.385mL、0.770mmol)、および7‐ブロモ‐8‐フルオロキノリン(0.091g、0.403mmol)で処理し、得られた反応混合物を、90℃にて1時間攪拌した。次に、この混合物を、20mLのジクロロメタンで希釈し、セライト上に硫酸ナトリウムを重ねたパッドでろ過した。ろ液を濃縮して残渣とし、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(0.5〜10% メタノール:酢酸エチル)で精製した。所望される物質を含有する画分をプールし、濃縮して硬質ラッカーとし、この生成物を、キラル分取用HPLC(Chromegachiral CC、100% メタノール)で分割して、表題の化合物をオフホワイト色固体として、>99%eeにて得た(42mg、0.081mmol、収率23%)。MS(ES) m/e 495.4[M+H].α=+40度(c=0.06、メタノール)
【0349】
実施例53
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例52bから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chromegachiral CC、メタノール)を用いて、>99%eeにて単離した(42mg、0.081mmol、収率23%)。MS(ES) m/e 495.3[M+H].α=−39度(c=0.06、メタノール)
【0350】
実施例54
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0351】
【化51】
【0352】
a)7‐ブロモ‐8‐メトキシキノリン
オーブン乾燥した丸底フラスコ中にて、窒素下、N,N‐ジメチルホルムアミド(20mL)中の7‐ブロモキノリン‐8‐オール(1g、4.46mmol)の溶液を、室温にて水素化ナトリウム(ミネラルオイル中の60%分散液、0.268g、6.69mmol)で処理することで、明黄色混合物が得られ、これを3分間攪拌した。次に、ヨードメタン(0.307mL、4.91mmol)をシリンジで添加し、この反応物を30分間攪拌した。水(50mL)により注意深く反応を停止し、酢酸エチル(100mL)で希釈した。層を分離し、有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空濃縮することで液体が得られ、これを一晩静置して固化させて、白色固体とした(1.06g、定量的収率)。MS(ES)+ m/e 237.8、239.7[M+H]
【0353】
b)7‐ブロモ‐8‐メトキシキノリンを用いて、実施例52bに記載の手順に従うことで、キラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)後に、表題の生成物を、>99%eeにて得た(収率26%)。MS(ES) m/e 507.3[M+H].α=+49度(c=0.08、メタノール)
【0354】
実施例55
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例56bから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)を用いて、>99%eeにて単離した(収率28%)。MS(ES) m/e 507.3[M+H].α=−42度(c=0.08、メタノール)
【0355】
実施例56
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0356】
【化52】
【0357】
a)2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)アセトニトリル
ジメチルスルホキシド(10mL)中のシアン化カリウム(0.55g、8.4mmol)の混合物へ、23℃にて、5‐ブロモ‐2‐(ブロモメチル)‐1,3‐ジフルオロベンゼン(2g、7.0mmol)をゆっくり添加し、この反応混合物を3時間攪拌した。この反応混合物を、飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)へ注ぎ入れ、エーテルで抽出した(3×100mL)。1つにまとめた有機層を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し(3×50mL)、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮乾固した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(0〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の生成物を得た(0.84g、52%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ ppm 4.04(s,2H)7.60‐7.62(m,1H)7.62‐7.65(m,1H)
【0358】
b)2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)アセトアミド
酢酸(20mL)中の硫酸(0.96mL、18.1mmol)の溶液へ、2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)アセトニトリル(0.84g、3.6mmol)を少しずつ、攪拌しながらゆっくり添加し、次に、この反応混合物を100℃にて1時間攪拌した。5℃まで冷却後、この混合物を、28〜30% 水酸化アンモニウム水溶液で注意深くpH9に調節し、次に、クロロホルムで抽出した(3×40mL)。1つにまとめた有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(0〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の生成物を得た(0.71g、78%)。MS(ES) m/e 250[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 3.60(s,2H)5.54(br.s.,2H)7.10‐7.21(m,2H)
【0359】
c)2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)アセトアミド
四塩化炭素(5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)アセトアミド(0.4g、1.6mmol)の溶液を、窒素により5分間脱気した。これに、N‐ブロモスクシンイミド(0.28g、1.6mmol)および続いてアゾビスイソブチロニトリル(0.039g、0.24mmol)を攪拌しながら添加した。この反応混合物を、80℃にて一晩攪拌し、次に、室温まで冷却した。この反応混合物を、真空下にて濃縮乾固し、残渣を、フラッシュシクロマトグラフィ(0〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の生成物を得た(60mg、11%)。MS(ES) m/e 328[M+H]
【0360】
d)2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
N,N‐ジメチルホルムアミド(0.5mL)中の4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(45.0mg、0.18mmol)の溶液を、2M 炭酸カリウム水溶液(0.1mL、0.2mmol)で、続いて2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)アセトアミド(60mg、0.18mmol)で処理した。この反応混合物を、40℃にて一晩攪拌し、この時点にて、反応完了まで進行した。この反応混合物を、水(20mL)へ注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した(20mL×3)。1つにまとめた有機層を、乾燥し、濃縮乾固して、粗中間体を得た。1,4‐ジオキサン(2.5mL)中のこの粗中間体、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(23.3mg、0.09mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(0.1mL、0.2mmol)の溶液へ、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(6mg、7.3μmol)を添加した。この反応混合物を、窒素でパージし、密封し、110℃にて25分間マイクロ波を照射し、この時点にて、反応が完了まで進行した。この反応混合物を、酢酸エチル(25mL)で希釈し、5mLの1M HCl水溶液で洗浄した。次に、有機相を鹹水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、セライトのパッドでろ過し、真空濃縮した。この粗生成物を、逆相HPLC(5〜45% アセトニトリル+0.1%TFA:水+0.1%TFA)で精製した。適切な画分を回収し、蒸発させて、表題の化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た(11mg、9%)。MS(ES) m/e 507[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.61‐0.71(m,2H)0.78‐0.89(m,2H)1.98‐2.06(m,4H)2.69‐2.79(m,2H)2.90(br.s.,1H)3.21(s,3H)3.38(br.s.,2H)4.01(s,2H)5.96(br.s.,1H)7.16(br.s.,1H)7.54(d,J=9.35Hz,2H)7.91(dd,J=8.34,5.05Hz,1H)8.09(dd,J=8.72,1.64Hz,1H)8.26(d,J=8.59Hz,1H)8.76‐8.85(m,2H)9.28(dd
,J=5.18,1.64Hz,1H)
【0361】
実施例57
エチル 2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセテート
【0362】
【化53】
【0363】
a)エチル 2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセテート
四塩化炭素(50mL)中のエチル 2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセテート(3.92g、15.0mmol)の攪拌溶液へ、N‐ブロモスクシンイミド(2.67g、15.0mmol)および続いてアゾビスイソブチロニトリル(0.37g、2.3mmol)をゆっくり添加した。この反応混合物を、90℃にて9時間攪拌し、次に、室温まで冷却した。残渣を、フラッシュシクロマトグラフィ(0〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の生成物を得た(4.9g、収率96%)。MS(ES) m/e 340.9[M+H]
【0364】
b)エチル 2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセテート
ジクロロメタン(10mL)中のtert‐ブチル 4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐カルボキシレート(1g、3.35mmol)の溶液へ、TFA(0.775mL、10.05mmol)を添加した。この反応混合物を、室温にて一晩攪拌し、この時点にて、脱保護が完了まで進行した。この反応混合物を、真空濃縮し、ジクロロメタンを添加し、この溶液を、再度真空濃縮した。残渣を、N,N‐ジメチルホルムアミド(12mL)で溶解した。この溶液へ、炭酸カリウム(0.463g、3.35mmol)およびエチル 2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモフェニル)アセテート(1.079g、3.35mmol)を添加した。この反応混合物を、40℃にて一晩攪拌し、この時点にて、反応が完了まで進行した。この反応混合物を、水(120mL)へ注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した(80mL×3)。1つにまとめた有機層を、乾燥し、真空濃縮した。粗エチル 2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセテートが得られ(590mg)、これを次の工程で直接用いた。MS(ES) m/e 457[M+H]
【0365】
1,4‐ジオキサン(2.5mL)中の粗エチル 2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセテート(590mg)、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(329mg、1.29mmol)、および2M KCO水溶液(1.4mL、2.8mmol)の溶液へ、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(53mg、0.065mmol)を添加した。この反応混合物を、窒素でパージし、密封し、110℃にて25分間マイクロ波を照射し、この時点にて、反応が完了まで進行した。この反応混合物を、酢酸エチル(25mL)で希釈し、5mLの1M HCl水溶液で洗浄した。有機相を鹹水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、セライトのパッドでろ過し、真空濃縮した。この粗生成物を、逆相HPLC(25〜55% アセトニトリル+0.1%TFA:水+0.1%TFA)で精製した。適切な画分を回収し、蒸発させて、表題の化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た(31mg、2工程全体で2%)。MS(ES) m/e 506[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.14(t,J=7.20Hz,3H)1.28(t,J=7.07Hz,3H)2.14(s,1H)2.11(s,1H)2.28‐2.38(m,2H)3.05(t,J=11.75Hz,1H)3.22(t,J=13.26Hz,1H)3.30(s,2H)3.44(d,J=7.07Hz,2H)3.62(d,J=10.11Hz,1H)3.76(d,J=13.89Hz,1H)4.06(s,2H)4.29‐4.41(m,2H)5.43(s,1H)7.71‐7.82(m,3H)7.89‐7.96(m,1H)8.13(d,J=8.59Hz,1H)8.26(d,J=8.59Hz,1H)8.79‐8.84(m,2H)9.27‐9.32(m,1H)
【0366】
実施例58
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0367】
【化54】
【0368】
a)2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
N,N‐ジメチルホルムアミド(2mL)中の2‐ブロモ‐2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)アセトアミド(250mg、0.8mmol)およの4‐エチル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(189mg、0.8mmol)の混合物へ、23℃にて、炭酸カリウム(333mg、2.4mmol)を添加した。この反応混合物を、3時間攪拌し、次に、鹹水(100mL)へ注ぎ入れ、エーテルで抽出した(3×100mL)。1つにまとめた有機層を、鹹水で洗浄し(3×50mL)、無水NaSO上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、フラッシュシクロマトグラフィ(0〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の生成物を得た(214mg、62%)。MS(ES) m/e 428[M+H]H NMR(400MHz,CDCN)δ ppm 1.07(t,J=7.07Hz,3H)1.65‐1.77(m,2H)1.79‐1.91(m,2H)2.10‐2.16(m,1H)2.44(br.s.,1H)2.54(s,1H)2.66(br.s.,1H)3.17(s,2H)3.35(q,J=7.16Hz,2H)3.93(d,J=1.52Hz,2H)4.39(s,1H)6.00(br.s.,1H)7.19(br.s.,1H)7.27‐7.35(m,1H)7.39(t,J=2.27Hz,1H)7.41(t,J=2.15Hz,1H)
【0369】
b)(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
1,4‐ジオキサン(2.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(214mg、0.5mmol)、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(127mg、0.5mmol)、および2M KCO水溶液(0.55mL、1.1mmol)の溶液へ、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(20.4mg、0.025mmol)を添加した。この反応混合物を、窒素でパージし、容器を密封し、110℃にて25分間マイクロ波を照射し、この時点にて、反応が完了まで進行した。この反応混合物を、酢酸エチル(25mL)で希釈し、5mLの1M HCl水溶液で洗浄した。次に、有機相を鹹水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、セライトのパッドでろ過し、真空濃縮した。残渣を、逆相HPLC(5〜65% アセトニトリル:0.1%NHOH含有水)で精製して、表題の生成物がラセミ体として得られ、これをキラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)で分割して、表題の生成物を、>98%eeにて得た(31mg、13%)。α=+21度(c=0.06、メタノール);MS(ES) m/e 477[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.13(t,J=7.20Hz,3H)1.65‐1.74(m,1H)1.75‐1.80(m,1H)1.89‐2.01(m,2H)2.31‐2.41(m,1H)2.58‐2.70(m,2H)2.78(br.s.,1H)3.19(s,2H)3.41(q,J=7.33Hz,2H)3.97‐4.08(m,2H)4.54(s,1H)5.65(br.s.,1H)7.27(br.s.,1H)7.43‐7.48(m,2H)7.55(d,J=1.77Hz,1H)7.64(dd,J=7.96,1.89Hz,1H)7.87(dd,J=8.59,2.02Hz,1H)7.98(d,J=8.59Hz,1H)8.25(dd,J=8.34,1.01Hz,1H)8.36(d,J=1.77Hz,1H)8.97(dd,J=4.04,1.77Hz,1H)
【0370】
実施例59
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例58bから、表題の生成物も、キラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)を用い、続いて真空濃縮および凍結乾燥を行って、>98%eeにて単離した(36mg、収率15%)。α=−22度(c=0.04、メタノール);MS(ES) m/e 477[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.13(t,J=7.20Hz,3H)1.68‐1.80(m,2H)1.90‐2.02(m,2H)2.31‐2.40(m,1H)2.65(t,J=12.63Hz,2H)2.80(d,J=12.13Hz,1H)3.19(s,2H)3.41(d,J=7.07Hz,2H)4.02(d,J=1.77Hz,2H)4.54(s,1H)5.63(br.s.,1H)7.27(br.s.,1H)7.43‐7.53(m,2H)7.55(d,J=1.77Hz,1H)7.64(dd,J=7.96,1.89Hz,1H)7.87(dd,J=8.46,1.89Hz,1H)7.98(d,J=8.34Hz,1H)8.26(d,J=8.34Hz,1H)8.36(s,1H)8.97(dd,J=4.29,1.77Hz,1H)
【0371】
実施例60
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0372】
【化55】
【0373】
a)2‐(7‐ブロモキノリン‐3‐イル)イソインドリン‐1,3‐ジオン
トルエン(60mL)中の2‐(2,2‐ジエトキシエチル)イソインドリン‐1,3‐ジオン(3.16g、12.00mmol)、2‐アミノ‐4‐ブロモベンズアルデヒド(2g、10.00mmol)、およびp‐トルエンスルホン酸一水和物(1.902g、10.00mmol)の混合物を、ディーン‐スターク装置を用いて、還流下にて一晩加熱した。一晩で非常に暗/黒色である固体が析出し、これを回収し、トルエンおよびヘキサンで洗浄し、次に、DMFで強化したクロロホルムに溶解した。この混合物を、NaHCO水溶液で洗浄し(×2)、いかなる析出物も分離の過程での追加クロロホルム中に確実に溶解されるようにした。有機層を乾燥(硫酸ナトリウム)し、シリカゲル上で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィ(0〜2% ジクロロメタン中のメタノール)で精製して、表題の化合物を得た(1.6g、45%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ ppm 9.05(d,1H),8.57(d,J=2.3Hz,1H),8.35(d,J=1.8Hz,1H),8.11(d,J=8.6Hz,1H),8.09‐8.02(m,2H),8.02‐7.93(m,2H),7.87(dd,J=1.9,8.7Hz,1H)
【0374】
b)7‐ブロモキノリン‐3‐アミン
エタノール(200mL)中の2‐(7‐ブロモキノリン‐3‐イル)イソインドリン‐1,3‐ジオン(10g、28.3mmol)の懸濁液を、ヒドラジン(1.777mL、56.6mmol)で処理し、次に、還流下にて1時間加熱した。この混合物を冷却し、析出物を回収し、少量のエタノールで洗浄し、ろ液を蒸発させて灰色固体とした。単離した固体を温エタノールに溶解し、シリカゲル上に吸着させた。この固体を、シリカゲルクロマトグラフィ(50〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題の化合物を得た(3.5g、56%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ ppm 5.83(s,2H)7.14(d,J=2.53Hz,1H)7.49(dd,J=8.84,2.02Hz,1H)7.54‐7.65(m,1H)7.94(d,J=1.77Hz,1H)8.46(d,J=2.78Hz,1H)
【0375】
c)7‐ブロモ‐3‐フルオロキノリン
クロロベンゼン(10mL)中の7‐ブロモキノリン‐3‐アミン(1.0g、4.48mmol)の溶液を、三フッ化ホウ素二水和物(0.429mL、6.72mmol)上に10分間かけて滴下した。この混合物を50℃に加熱し、亜硝酸t‐ブチル(0.773mL、4.48mmol)をこの温度にて、20分間かけて添加した。次に、温度を100℃に上げ、この混合物を30分間攪拌した。この反応混合物を冷却し、氷/炭酸水素ナトリウム水溶液へ注ぎ入れた。得られた固体をエタノールに懸濁し、追加の炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、クロロホルムで抽出した(×3)。1つにまとめた抽出物を、希鹹水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、減圧蒸発させた。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィ(100% ジクロロメタン)で精製して、表題の化合物を得た(350mg、35%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ ppm 7.84(dd,J=8.72,1.39Hz,1H)8.00(d,J=8.84Hz,1H)8.31(d,J=2.02Hz,1H)8.34(dd,J=9.47,2.91Hz,H)9.00(d,1H)
【0376】
d)(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
1,4‐ジオキサン(2.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(110mg、0.25mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’‐オクタメチル‐2,2’‐ビ(1,3,2‐ジオキサボロラン)(63mg、0.25mmol)、および酢酸カリウム(49mg、0.5mmol)の溶液へ、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(20.4mg、0.025mmol)を添加した。この反応混合物を窒素でパージし、次に、120℃にて4時間加熱した。この反応混合物を冷却し、7‐ブロモ‐3‐フルオロキノリン(56.5mg、0.25mmol)および2M KCO水溶液(0.27mL、0.55mmol)を添加した。この反応混合物を、窒素でパージし、攪拌しながら100℃にて1時間加熱した。この反応混合物を、ジクロロメタン(60mL)で希釈し、塩をろ過で除去した。この有機混合物を、セライトおよび硫酸ナトリウムのプラグでろ過した。ろ液を、少量のSilicycle Si‐チオール樹脂で30分間処理し、次に、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、逆相HPLC(10〜70% アセトニトリル:0.1%NHOH含有水)で精製し、続いてキラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)を行って、表題の生成物を、>98%eeにて得た(34mg、27%)。α=+37度(c=0.04、メタノール);MS(ES) m/e 507[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.60‐0.69(m,2H)0.77‐0.86(m,2H)1.64‐1.77(m,2H)1.85‐1.97(m,2H)2.26‐2.38(m,1H)2.57(d,J=14.40Hz,1H)2.66‐2.76(m,2H)2.79(d,J=10.86Hz,1H)3.15(s,2H)4.00(d,J=1.77Hz,2H)4.53(s,1H)5.63(br.s.,1H)7.26(d,J=3.79Hz,1H)7.46(t,J=7.71Hz,1H)7.56(d,J=1.77Hz,1H)7.62(dd,J=7.96,1.89Hz,1H)7.84‐7.93(m,2H)7.93‐8.00(m,1
H)8.38(s,1H)8.88(d,J=2.78Hz,1H)
【0377】
実施例61
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例60dから、表題の生成物も、キラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)を用い、続いて真空濃縮および凍結乾燥を行って、>98%eeにて単離した(33mg、収率26%)。α=−38度(c=0.03、メタノール);MS(ES) m/e 507[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.61‐0.66(m,2H)0.79‐0.85(m,2H)1.64‐1.77(m,2H)1.86‐1.97(m,2H)2.28‐2.36(m,1H)2.57‐2.61(m,1H)2.62‐2.74(m,2H)2.79(d,J=11.12Hz,1H)3.15(s,2H)4.00(d,J=1.77Hz,2H)4.53(s,1H)5.61(br.s.,1H)7.26(d,J=4.29Hz,1H)7.46(t,J=7.71Hz,1H)7.54(d,J=1.77Hz,1H)7.62(dd,J=8.08,1.77Hz,1H)7.87(d,J=2.27Hz,2H)7.95‐8.00(m,1H)8.30‐8.42(m,1H)8.88(d,J=2.78Hz,1H)
【0378】
実施例62
2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
【0379】
【化56】
【0380】
a)7‐ブロモキノリン‐3‐カルボニトリル
トルエン(30mL)中の3,3‐ジエトキシプロパンニトリル(1.80mL、12.00mmol)、2‐アミノ‐4‐ブロモベンズアルデヒド(2g、10.00mmol)、およびp‐トルエンスルホン酸一水和物(0.380g、2.000mmol)の混合物を、ディーン‐スターク装置を用いて、還流下にて3時間加熱した。反応物を冷却し、減圧蒸発させ、残渣を、少量のDMFに溶解し、クロロホルムで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。水層をクロロホルムで抽出し、1つにまとめた抽出物を、鹹水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(0〜3% ジクロロメタン中のメタノール)で精製し、続いてジエチルエーテルで研和して、表題の化合物を得た(1.75g、75%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ ppm 7.95(dd,J=8.72,1.89Hz,1H)8.08(d,J=8.84Hz,1H)8.38(d,J=2.02Hz,1H)9.13(d,J=1.52Hz,1H)9.21(d,1H)
【0381】
b)2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
1,4‐ジオキサン(2.0mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(125mg、0.28mmol)および4,4,4’,4’,5,5,5’,5’‐オクタメチル‐2,2’‐ビ(1,3,2‐ジオキサボロラン)(72mg、0.28mmol)の溶液へ、酢酸カリウム(61mg、0.63mmol)およびPdCl(dppf)‐CHCl付加体(23mg、0.03mmol)を添加した。この反応混合物を窒素でパージし、120℃にて4時間加熱した。この反応混合物を冷却し、7‐ブロモキノリン‐3‐カルボニトリル(66.2mg、0.28mmol)および2M KCO水溶液(0.3mL、0.6mmol)を添加した。この反応混合物を、窒素でパージし、攪拌しながら100℃にて1時間加熱した。冷却した反応混合物を、ジクロロメタン(60mL)で希釈し、塩をろ過で除去した。この有機混合物を、セライトおよび硫酸ナトリウムのプラグでろ過し、ろ液を、少量のSilicycle Si‐チオール樹脂で30分間処理した。この混合物をろ過し、真空濃縮した。残渣を、逆相HPLC(10〜70% アセトニトリル:0.1%NHOH含有水)で精製し、適切な画分を回収し、1つにまとめ、真空濃縮して、期待される生成物をラセミ体として得た(87mg、60%)。実施例63aにて、この物質にキラルHPLCを行った。MS(ES) m/e 514[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.56‐0.66(m,2H)0.75‐0.87(m,2H)1.64‐1.70(m,1H)1.72‐1.77(m,1H)1.85‐1.97(m,2H)2.31(td,J=11.24,2.53Hz,1H)2.56‐2.61(m,1H)2.62‐2.74(m,2H)2.77‐2.86(m,1H)3.15(s,2H)4.00(d,J=2.02Hz,2H)4.55(s,1H)5.65(d,J=4.29Hz,1H)7.27(d,J=4.04Hz,1H)7.49(t,J=7.71Hz,1H)7.56(d,J=1.77Hz,1H)7.65(dd,J=7.96,1.89Hz,1H)8.00(dd,J=8.34,1.77Hz,1H)8.06(d,J=8.34Hz,1H)8.39‐8.47(m,1H)8.63(dd,J=2.02,0.76Hz,1H)9.10(d,J=2.27Hz,1H)
【0382】
実施例63
(+)‐2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
a)実施例62bからの生成物を、キラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)を用いて精製して、表題の生成物を、>98%eeにて得た(38mg、収率48%)。α=+43度(c=0.05、メタノール);MS(ES) m/e 514[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.58‐0.71(m,2H)0.76‐0.87(m,2H)1.63(br.s.,2H)1.89‐2.02(m,2H)2.32(br.s.,1H)2.59(s,1H)2.65(br.s.,1H)2.68‐2.77(m,2H)2.82(br.s.,1H)3.19(br.s.,2H)4.02(br.s.,2H)5.71(br.s.,1H)7.29(br.s.,1H)7.56‐7.65(m,2H)7.65‐7.78(m,1H)8.00(d,J=1.77Hz,1H)8.03‐8.11(m,1H)8.38‐8.47(m,1H)8.64(d,J=1.52Hz,1H)9.10(d,J=2.02Hz,1H)
【0383】
実施例64
(−)‐2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
a)実施例63aから、表題の生成物も、キラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)を用いて、>98%eeにて単離した(38mg、収率48%)。α=−44度(c=0.2、メタノール);MS(ES) m/e 514[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.60‐0.70(m,2H)0.77‐0.85(m,2H)1.66(br.s.,2H)1.86‐1.99(m,2H)2.33(br.s.,1H)2.65(br.s.,2H)2.67‐2.76(m,1H)2.82(br.s.,1H)3.16(s,2H)3.95‐4.07(m,2H)4.58(br.s.,1H)5.74(br.s.,1H)7.30(br.s.,1H)7.51(br.s.,1H)7.59(d,J=1.77Hz,1H)7.65(d,J=7.83Hz,1H)7.99(d,J=1.77Hz,1H)8.03‐8.10(m,1H)8.39‐8.46(m,1H)8.63(dd,J=2.02,0.76Hz,1H)9.10(d,J=2.02Hz,1H)
【0384】
実施例65
(+)‐2‐(4‐(3‐クロロキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
【0385】
【化57】
【0386】
a)7‐ブロモ‐3‐クロロキノリン
実施例62aに記載の手順に従い、2‐クロロ‐1,1‐ジエトキシエタンを用いて、表題の化合物を黄色固体として得た(54%)。H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ ppm 7.85(dd,J=8.84,2.02Hz,1H),7.98(d,J=8.59Hz,1H),8.29(d,J=1.77Hz,1H),8.65(d,J=2.02Hz,1H),8.94(d,J=2.53Hz,1H)
【0387】
b)(+)‐2‐(4‐(3‐クロロキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
1,4‐ジオキサン(2mL)中の7‐ブロモ‐3‐クロロキノリン(100mg、0.41mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(230mg、0.91mmol)、および酢酸カリウム(81mg、0.82mmol)の溶液へ、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(33.7mg、0.04mmol)を添加した。この反応混合物を窒素でパージし、次に、100℃にて4時間マイクロ波を照射した。この反応混合物を冷却し、ジクロロメタン(60mL)で希釈し、いずれの塩をもろ過で除去した。この有機混合物を、シリカゲル上へ真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィ(15〜100% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。適切な画分を回収し、真空濃縮して、3‐クロロ‐7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリンおよび対応するボロン酸の粗混合物(45mg)が得られ、これを次の工程で直接用いた。MS(ES) m/e 290[M+H]
【0388】
1,4‐ジオキサン(0.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(137mg、0.31mmol)、粗3‐クロロ‐7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン/ボロン酸混合物(45.0mg)、および2M 炭酸カリウム水溶液(0.17mL、0.342mmol)の溶液へ、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(10.2mg、0.012mmol)を添加した。この反応混合物を窒素でパージし、密封し、110℃にて25分間マイクロ波を照射し、この時点にて、反応が完了まで進行した。この反応混合物を酢酸エチル(25mL)で希釈し、5mLの1M HCl水溶液で洗浄した。有機相を鹹水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、セライトのパッドでろ過し、濃縮乾固した。残渣を、逆相HPLC(5〜45% アセトニトリル+0.1%TFA:水+0.1%TFA)で精製し、続いてキラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)でラセミ体を分割して、表題の生成物を、>98%eeにて得た(9mg、2工程全体の収率4%)。α=+41度(c=0.02、メタノール);MS(ES) m/e 523.5[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.65(br.s.,2H)0.82(d,J=5.81Hz,2H)1.59(br.s.,4H)1.92(br.s.,1H)2.72(br.s.,3H)3.16(br.s.,3H)4.01(br.s.,2H)4.53(br.s.,1H)5.58(s,1H)7.27(br.s.,1H)7.63(br.s.,1H)7.92(d,J=7.07Hz,2H)8.25(d,J=2.02Hz,1H)8.35(s,1H)8.89(d,J=2.27Hz,1H)
【0389】
実施例66
(−)‐2‐(4‐(3‐クロロキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
a)実施例65bから、表題の生成物も、キラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)を用い、続いて真空濃縮および凍結乾燥を行って、>98%eeにて単離した(14mg、収率7%)。α=−40度(c=0.015、メタノール);MS(ES) m/e 514[M+H]
【0390】
実施例67
2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0391】
【化58】
【0392】
a)7‐ブロモ‐8‐フルオロキノリンを用いて、実施例62bの手順に従うことで、表題のラセミ体生成物をオフホワイト色固体として得た(123mg、収率85%).実施例68aにて、この物質にキラルHPLCを行った。MS(ES) m/e 507[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.61‐0.68(m,2H)0.75‐0.87(m,2H)1.62‐1.71(m,1H)1.72‐1.77(m,1H)1.86‐1.98(m,2H)2.30‐2.40(m,1H)2.64‐2.75(m,3H)2.82(br.s.,1H)3.15(s,2H)4.02(d,J=1.26Hz,2H)4.53(s,1H)5.74(br.s.,1H)7.25(br.s.,1H)7.46‐7.58(m,4H)7.70(d,J=6.82Hz,1H)7.74‐7.80(m,1H)8.28(dt,J=8.34,1.52Hz,1H)9.03(dd,J=4.17,1.64Hz,1H)
【0393】
実施例68
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例67aからの生成物を、キラルHPLC(Lux Cell‐4、メタノール)を用いて精製して、表題の生成物を、>99.9%eeにて得た(36mg、収率29%)。α=+3.7度(c=1.2、メタノール);MS(ES) m/e 507[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.59‐0.68(m,2H)0.78‐0.87(m,2H)1.61‐1.73(m,2H)1.86‐1.90(m,1H)1.90‐1.94(m,1H)2.34(td,J=11.24,2.02Hz,1H)2.64‐2.75(m,3H)2.80(d,J=11.62Hz,1H)3.15(s,2H)4.02(d,J=1.26Hz,2H)4.53(s,1H)5.70(d,J=4.29Hz,1H)7.26(d,J=3.79Hz,1H)7.46‐7.58(m,4H)7.70(d,J=6.82Hz,1H)7.76(d,J=0.76Hz,1H)8.28(dt,J=8.34,1.64Hz,1H)9.03(dd,J=4.17,1.64Hz,1H)
【0394】
実施例69
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例68aから、表題の生成物も、キラルHPLC(Lux Cell‐4、メタノール)を用いて、99.2%eeにて単離した(34mg、収率28%)。α=−10度(c=0.4、メタノール);MS(ES) m/e 507[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.62‐0.70(m,2H)0.79‐0.86(m,2H)1.72‐1.77(m,2H)1.87‐1.98(m,2H)2.31‐2.39(m,1H)2.58‐2.65(m,1H)2.65‐2.75(m,2H)2.80(d,J=11.62Hz,1H)3.16(s,2H)3.97‐4.06(m,2H)4.54(s,1H)5.62(br.s.,1H)7.23‐7.30(m,1H)7.48‐7.58(m,4H)7.70(d,J=6.82Hz,1H)7.77(d,J=8.84Hz,1H)8.28(dt,J=8.34,1.52Hz,1H)9.03(dd,J=4.17,1.64Hz,1H)
【0395】
実施例70
2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
【0396】
【化59】
【0397】
a)2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)‐2‐ヒドロキシアセトアミド
水(30mL)中のシアノカリウム(cyanopotassium)(4.4g、67.9mmol)および塩化アンモニウム(9.1g、170mmol)の溶液へ、4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロベンズアルデヒド(7.5g、33.9mmol)を、続いてジエチルエーテル(60.0mL)を添加した。この反応混合物を、室温にて30分間激しく攪拌した。反応のTLCによる分析から、出発物質のアルデヒドがまだ残っていることが示された。酢酸(5.5mL、49.4mmol)を添加して、反応物のpHを約6とした。30分後、TLCによる分析から、出発物質のアルデヒドが消費されたことが示された。この反応混合物を、水で希釈し、2つの相を分離した。水相をエーテルで抽出した。1つにまとめたエーテル相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧蒸発させて、中間体シアノヒドリンを薄黄色固体として得た。この粗シアノヒドリンの1,4‐ジオキサン(40mL)中の溶液へ、濃塩酸(15mL、493mmol)を添加した。この反応物を90℃にて45分間攪拌し、この時点にて、反応が完了まで進行した。この反応混合物を、氷冷水(100mL)に注ぎ入れ、白濁した溶液を酢酸エチルで抽出した(2×120mL)。1つにまとめた有機抽出物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×15mL)および鹹水(15mL)で洗浄し、次に、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧蒸発させて、表題の生成物を薄黄色固体として得た(6.1g、68%)。MS(ES) m/e 266[M+H]H NMR(400MHz,DMSO‐d)δ ppm 5.12(d,J=5.56Hz,1H)6.48(d,J=5.31Hz,1H)7.45(d,J=7.58Hz,2H)7.49(d,J=7.83Hz,2H)
【0398】
b)tert‐ブチル 4‐((エチルアミノ)メチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシレート
100mLの丸底フラスコへ、tert‐ブチル 1‐オキサ‐6‐アザスピロ[2.5]オクタン‐6‐カルボキシレート(2g、9.38mmol)を投入した。これに、メタノール中の2M エタナミン(23.44mL、46.9mmol)を添加した。フラスコに冷却管を取り付け、この溶液を、還流下(100℃)にて一晩攪拌した。この溶液を冷却し、真空濃縮することで、表題の化合物が得られ(2.4g)、これをさらなる精製を行わずに次へ進めた。MS(ES)+ m/e 259.1[M+H]
【0399】
c)tert‐ブチル 4‐((2‐クロロ‐N‐エチルアセトアミド)メチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシレート
tert‐ブチル 4‐((エチルアミノ)メチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシレート(2.4g)を入れた100mL丸底フラスコへ、ジクロロメタン(30mL)およびトリエチルアミン(3mL、21.52mmol)を投入した。フラスコに滴下漏斗を取り付けた。この容器を窒素下に配置し、この溶液を氷浴で0℃に冷却した。別のバイアル中にて、塩化クロロアセチル(1mL、12.48mmol)をジクロロメタン(20mL)で希釈し、滴下漏斗に移した。この混合物を、冷出発物質に10分間かけて滴下した。次に、この反応混合物を、氷浴をゆっくり室温まで加温しながら、窒素下にて3時間攪拌した。この反応混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、水(2×50mL)および鹹水(1×50mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮して、表題の化合物が得られ(3.23g)、これをさらなる精製を行わずに次へ進めた。MS(ES)+ m/e 335.2[M+H]
【0400】
d)tert‐ブチル 4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐カルボキシレート
tert‐ブチル 4‐((2‐クロロ‐N‐エチルアセトアミド)メチル)‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシレート(3.14g)を入れた250mL丸底フラスコへ、テトラヒドロフラン(50mL)を投入した。容器全体を窒素下に配置し、室温にて攪拌した。これに、NaH(ミネラルオイル中60%、2g、50.0mmol)を少しずつ添加した。添加完了後、この反応混合物を室温にて攪拌した。3時間後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(70mL)をフラスコへ添加した(まず、ピペットを介してゆっくり滴下し、続いて最後の60mLは直接添加してよい)。この溶液を、酢酸エチル(150mL)および水(50mL)を入れた分液漏斗に移した。有機層を、この水溶液で洗浄し、分離し、静置した。水層を酢酸エチルで洗浄した(1×50mL)。1つにまとめた有機抽出物を、鹹水で洗浄し(2×50mL)、分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(50〜100% 酢酸エチル:ヘキサン)で精製して、表題の化合物を得た(1.7g、61%)。MS(ES)+ m/e 299.5[M+H]
【0401】
e)4‐エチル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩
tert‐ブチル 4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐カルボキシレート(800mg、2.68mmol)を入れた100mL丸底フラスコへ、ジオキサン中の4M HCl(10mL、40.0mmol)を投入した。この反応混合物を窒素雰囲気下に置き、室温にて攪拌した。1時間後、LCMSによる分析から、反応が完了したことが示された。この反応混合物を真空濃縮することで、表題の化合物がHCl塩として得られ、これをさらなる精製を行わずに次へ進めた。MS(ES)+ m/e 199.0[M+H]
【0402】
f)2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
無水アセトニトリル(5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)‐2‐ヒドロキシアセトアミド(0.86g、3.2mmol)およびトリエチルアミン(1.4mL、9.7mmol)の溶液へ、純塩化メタンスルホニル(0.33mL、4.2mmol)を添加した。この反応混合物を、40℃にて3時間激しく攪拌し、この時点にて、反応が完了まで進行した。このメシレート中間体混合物に、さらなるトリエチルアミン(1.4mL、9.7mmol)を、続いて4‐エチル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(0.11g、0.48mmol)を添加した。この反応混合物を、出発物質が消費されるまで、90℃にて3時間加熱した。この反応物を水で希釈し、エーテルで抽出した(3×35mL)。1つにまとめたエーテル相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧蒸発した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(65〜100% ジクロロメタン中の10%メタノール:ジクロロメタン)で精製して、表題の生成物を得た(261mg、収率18%)。MS(ES) m/e 446[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.12(t,J=7.20Hz,3H)1.64‐1.71(m,1H)1.73(dd,J=4.17,2.65Hz,1H)1.90‐1.99(m,2H)2.19‐2.27(m,1H)2.54‐2.66(m,1H)2.67‐2.73(m,1H)2.75‐2.81(m,1H)3.15(s,2H)3.41(q,J=6.91Hz,2H)3.98(s,2H)4.69(s,1H)5.68(br.s.,1H)7.15‐7.25(m,2H)7.36(br.s.,1H)
【0403】
g)2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
1,4‐ジオキサン(2.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(252mg、0.57mmol)、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(144mg、0.57mmol)、および2M KCO水溶液(0.62mL、1.24mmol)の溶液へ、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(23mg、0.03mmol)を添加した。この反応混合物を、窒素でパージし、密封し、110℃にて25分間マイクロ波を照射し、この時点にて、反応が完了まで進行した。この反応混合物を、酢酸エチル(25mL)で希釈し、5mLの1M HCl水溶液で洗浄した。有機相を鹹水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、セライトのパッドでろ過し、真空濃縮した。残渣を、逆相HPLC(25〜55% アセトニトリル+0.1%TFA:水+0.1%TFA)で精製して、表題の生成物をトリフルオロ酢酸塩として得た(163mg、収率47%)。MS(ES) m/e 495[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.12(t,J=7.20Hz,3H)1.69‐1.81(m,2H)1.92‐2.04(m,2H)2.31‐2.39(m,1H)2.64‐2.74(m,1H)2.75‐2.83(m,1H)2.87(d,J=12.38Hz,1H)3.17(s,2H)3.41(q,J=7.07Hz,2H)3.99(s,2H)4.79(s,1H)5.65(d,J=4.04Hz,1H)7.39‐7.46(m,3H)7.49(dd,J=8.34,4.29Hz,1H)7.85(dd,J=8.46,1.89Hz,1H)8.00(d,J=8.59Hz,1H)8.26(dd,J=8.46,1.14Hz,1H)8.36(d,J=1.77Hz,1H)8.99(dd,J=4.29,1.77Hz,1H)
【0404】
実施例71
(+)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
a)実施例70gから、表題の生成物を、キラルHPLC(Chiralpak IC、60:40 ヘプタン:エタノール)を用いて、>99.9%eeにて単離した(29mg、収率22%)。α=+23度(c=0.18、メタノール);MS(ES) m/e 495[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.12(t,J=7.20Hz,3H)1.70‐1.81(m,2H)1.99(s,2H)2.31‐2.39(m,1H)2.63‐2.75(m,1H)2.75‐2.84(m,1H)2.88(d,J=11.87Hz,1H)3.18(s,2H)3.41(q,J=7.16Hz,2H)3.99(s,2H)4.79(s,1H)5.69(br.s.,1H)7.43(d,J=9.60Hz,2H)7.45(s,1H)7.49(dd,J=8.21,4.17Hz,1H)7.82‐7.91(m,1H)8.00(d,J=8.59Hz,1H)8.27(d,J=8.34Hz,1H)8.36(s,1H)8.99(dd,J=4.04,1.77Hz,1H)
【0405】
実施例72
(−)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
a)実施例71aから、表題の生成物も、キラルHPLC(Chiralpak IC、60:40 ヘプタン:エタノール)を用いて、99.3%eeにて単離した(31mg、収率23%)。α=−38度(c=0.16、メタノール);MS(ES) m/e 495[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.12(t,J=7.20Hz,3H)1.69‐1.81(m,2H)1.93‐2.02(m,2H)2.35(t,J=10.61Hz,1H)2.63‐2.74(m,1H)2.74‐2.83(m,1H)2.87(d,J=11.37Hz,1H)3.17(s,2H)3.41(q,J=7.33Hz,2H)3.99(s,2H)4.79(s,1H)5.73(br.s.,1H)7.38‐7.47(m,3H)7.49(dd,J=8.34,4.29Hz,1H)7.85(dd,J=8.46,1.89Hz,1H)8.00(d,J=8.59Hz,1H)8.25(d,J=1.01Hz,1H)8.36(d,J=2.02Hz,1H)8.99(dd,J=4.29,1.77Hz,1H)
【0406】
実施例73
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0407】
【化60】
【0408】
a)2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
無水アセトニトリル(25mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)‐2‐ヒドロキシアセトアミド(4.56g、17.1mmol)およびトリエチルアミン(7.17mL、51.4mmol)の溶液へ、純塩化メタンスルホニル(1.7mL、22.3mmol)を添加した。この反応混合物を、40℃にて3時間激しく攪拌し、この時点にて、反応が完了まで進行した。このメシレート中間体に、さらなるトリエチルアミン(7.2mL、51.4mmol)を、続いて4‐シクロプロピル‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン塩酸塩(4.23g、17.1mmol)を添加した。この反応物を、出発物質が消費されるまで、90℃にて3時間加熱した。この反応物を水(25mL)で希釈し、次に相を分離し、水相をエーテルで抽出した(3×25mL)。1つにまとめたエーテル相を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(65〜100% ジクロロメタン中の10%メタノール:ジクロロメタン)で精製して、表題の生成物を得た(1.26g、収率16%)。MS(ES) m/e 458[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.59‐0.69(m,2H)0.75‐0.86(m,2H)1.61‐1.74(m,2H)1.85‐1.95(m,2H)2.21(s,1H)2.53‐2.64(m,2H)2.66‐2.76(m,3H)2.79(br.s.,1H)3.96(s,2H)4.68(s,1H)5.64(br.s.,1H)7.16‐7.26(m,2H)7.35(br.s.,1H)
【0409】
b)(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
1,4‐ジオキサン(2.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロフェニル)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(246mg、0.54mmol)、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)キノリン(137mg、0.54mmol)、および2M KCO水溶液(0.59mL、1.18mmol)の溶液へ、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(21.9mg、0.03mmol)を添加した。この反応混合物を、窒素でパージし、密封し、110℃にて25分間マイクロ波を照射し、この時点にて、反応が完了まで進行した。この反応混合物を、酢酸エチル(25mL)で希釈し、5mLの1M HCl水溶液で洗浄した。有機相を鹹水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、セライトのパッドでろ過し、真空濃縮した。残渣を、逆相HPLC(10〜70% アセトニトリル:0.1%NHOH含有水)で、続いてキラルHPLC(Lux Cell 4、メタノール)で精製して、表題の生成物を、99.9%eeにて得た(61mg、収率22%)。α=+30度(c=0.1、メタノール);MS(ES) m/e 507[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.58‐0.71(m,2H)0.76‐0.87(m,2H)1.65(dd,J=11.12,4.29Hz,1H)1.71‐1.81(m,1H)1.95(s,1H)1.92(s,1H)2.29‐2.38(m,1H)2.64‐2.75(m,2H)2.75‐2.84(m,1H)2.84‐2.96(m,1H)3.14(s,2H)3.98(s,2H)4.78(s,1H)5.68(br.s.,1H)7.40‐7.47(m,3H)7.49(dd,J=8.21,4.17Hz,1H)7.85(dd,J=8.59,2.02Hz,1H)8.00(d,J=8.59Hz,1H)8.27(d,J=8.34Hz,1H)8.36(s,1H)8.99(dd,J=4.29,1.77Hz,1H)
【0410】
実施例74
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2,6‐ジフルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例73bから、表題の生成物も、キラルHPLC(Lux Cell 4、メタノール)を用いて、99.3%eeにて単離した(59mg、収率21%)。α=−33.3度(c=0.3、メタノール);MS(ES) m/e 507[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.61‐0.66(m,2H)0.77‐0.86(m,2H)1.66‐1.78(m,2H)1.86‐1.97(m,2H)2.32(t,J=10.61Hz,1H)2.63‐2.75(m,2H)2.75‐2.82(m,1H)2.87(d,J=11.12Hz,1H)3.14(s,2H)3.98(s,2H)4.78(s,1H)5.85(d,J=4.29Hz,1H)7.39‐7.46(m,3H)7.49(dd,J=8.34,4.29Hz,1H)7.85(dd,J=8.59,1.77Hz,1H)8.00(d,J=8.59Hz,1H)8.26(dd,J=8.46,0.88Hz,1H)8.34‐8.39(m,1H)8.99(dd,J=4.17,1.64Hz,1H).
【0411】
実施例75
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0412】
【化61】
【0413】
a)7‐ブロモ‐3‐メトキシキノリンを用いて、実施例60dの手順に従うことで、表題の生成物がラセミ体として得られ、これを、キラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)を用いて分割して、表題の生成物を、オフホワイト色固体として、>98%eeにて得た(20mg、収率15%)。α=+49度(c=0.05、メタノール);MS(ES) m/e 519[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.59‐0.71(m,2H)0.82(d,J=6.06Hz,2H)1.64‐1.76(m,2H)1.91(t,J=15.03Hz,2H)2.27‐2.40(m,1H)2.62‐2.67(m,1H)2.72(ddd,J=10.93,7.01,4.04Hz,2H)2.76‐2.80(m,1H)3.15(br.s.,2H)4.01(s,5H)4.52(br.s.,1H)5.58(br.s.,1H)7.26(br.s.,1H)7.49(d,J=2.78Hz,2H)7.52‐7.59(m,1H)7.62(br.s.,1H)7.79‐7.87(m,1H)7.90(d,J=8.34Hz,1H)8.30(s,1H)8.72(d,J=2.78Hz,1H)
【0414】
実施例76
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例75aに従って、表題の生成物も、キラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)を用いて、>98%eeにて単離した(20mg、収率15%)。α=−67度(c=0.07、メタノール);MS(ES) m/e 519[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.59‐0.71(m,2H)0.77‐0.88(m,2H)1.75(s,1H)1.72(s,1H)1.93(br.s.,2H)2.33(br.s.,1H)2.65(d,J=6.57Hz,1H)2.72(ddd,J=11.12,7.33,4.04Hz,3H)3.16(br.s.,2H)4.01(s,5H)4.52(br.s.,1H)5.60(d,J=17.94Hz,1H)7.27(br.s.,1H)7.49(d,J=3.03Hz,2H)7.53(s,1H)7.64(br.s.,1H)7.78‐7.86(m,1H)7.90(d,J=8.59Hz,1H)8.30(s,1H)8.72(d,J=2.78Hz,1H)
【0415】
実施例77
(+)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0416】
【化62】
【0417】
a)7‐ブロモ‐8‐メトキシキノリンを用いて、実施例62bの手順に従うことで、表題の生成物がラセミ体として得られ、これを、キラルHPLC(Lux Cell 4、メタノール)を用いて分割して、表題の生成物を、オフホワイト色固体として、>98%eeにて得た(31mg、収率21%)。α=+31度(c=1.2、メタノール);MS(ES) m/e 519[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.61‐0.69(m,2H)0.77‐0.87(m,2H)1.64‐1.75(m,2H)1.86‐1.98(m,2H)2.29‐2.41(m,1H)2.57‐2.68(m,2H)2.68‐2.75(m,1H)2.75‐2.85(m,1H)3.16(s,2H)4.02(d,J=1.77Hz,2H)4.04(s,3H)4.51(s,1H)5.61(br.s.,1H)7.23‐7.31(m,1H)7.42‐7.54(m,4H)7.61(d,J=8.34Hz,1H)7.70(d,J=8.59Hz,1H)8.24(dd,J=8.21,1.64Hz,1H)8.99(dd,J=4.29,1.77Hz,1H)
【0418】
実施例78
(−)‐2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(8‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例77aに従って、表題の生成物も、キラルHPLC(Lux Cell 4、メタノール)を用いて、>98%eeにて単離した(34mg、収率23%)。α=−18度(c=0.7、メタノール);MS(ES) m/e 519[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.60‐0.68(m,2H)0.77‐0.86(m,2H)1.63‐1.71(m,1H)1.73‐1.77(m,1H)1.85‐1.97(m,2H)2.30‐2.41(m,1H)2.58‐2.69(m,2H)2.69‐2.76(m,1H)2.76‐2.84(m,1H)3.16(s,2H)4.02(d,J=1.77Hz,2H)4.04(s,3H)4.51(s,1H)5.62(d,J=4.55Hz,1H)7.24‐7.29(m,1H)7.42‐7.54(m,4H)7.61(d,J=8.59Hz,1H)7.70(d,J=8.34Hz,1H)8.24(dd,J=8.34,1.77Hz,1H)8.99(dd,J=4.29,1.77Hz,1H)
【0419】
実施例79
4‐シクロプロピル‐9‐((2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)(4H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)メチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
【0420】
【化63】
【0421】
a)1,1‐ジメトキシ‐N,N‐ジメチルメタナミン(5g、42mmol)へ、2‐(4‐シクロプロピル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド(245mg、0.5mmol)を添加した。この反応混合物を、攪拌しながら105℃にて一晩加熱し、次に減圧濃縮した。この粗中間体へ、酢酸(10mL)およびヒドラジン水和物(75mg、1.5mmol)を添加した。得られた反応混合物を、攪拌しながら110℃にて2時間加熱し、この時点にて、反応が完了まで進行した。この反応混合物を真空濃縮し、残渣を、逆相HPLC(10〜45% アセトニトリル+0.1%TFA:水+0.1%TFA)で精製して、表題の生成物をトリフルオロ酢酸塩として得た(114mg、36%)。MS(ES) m/e 513[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.61‐0.68(m,2H)0.78‐0.87(m,2H)2.01‐2.13(m,2H)2.18‐2.30(m,2H)2.72(m,J=7.26,7.26,4.04,3.66Hz,1H)3.11‐3.21(m,1H)3.25(s,2H)3.32‐3.42(m,1H)3.48‐3.57(m,1H)3.71(d,J=12.13Hz,1H)4.08(s,2H)6.14(s,1H)7.61(s,1H)7.68(d,J=8.59Hz,1H)7.90(dd,J=8.34,5.05Hz,1H)8.08(dd,J=8.72,1.64Hz,1H)8.19‐8.29(m,2H)8.35(s,1H)8.75(s,1H)8.82(d,J=8.34Hz,1H)9.21(dd,J=5.05,1.52Hz,1H)
【0422】
実施例80
(+)‐4‐シクロプロピル‐9‐((2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)(4H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)メチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
a)実施例79aから、表題の生成物を、キラルHPLC(Lux Cell 4、メタノール)を用いて、>99.9%eeにて単離した(26mg、収率27%)。α=+18度(c=0.07、メタノール);MS(ES) m/e 513[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.56‐0.69(m,2H)0.74‐0.86(m,2H)1.60‐1.73(m,2H)1.77‐1.89(m,2H)2.38‐2.49(m,1H)2.51‐2.61(m,1H)2.64‐2.76(m,3H)3.11(s,2H)4.03(s,2H)5.32(s,1H)7.45‐7.51(m,2H)7.60(dd,J=8.21,1.89Hz,1H)7.81(br.s.,1H)7.83(dd,J=8.46,1.89Hz,2H)7.97(d,J=8.59Hz,1H)8.12(s,1H)8.26(dd,J=8.34,1.01Hz,1H)8.33‐8.40(m,1H)8.98(dd,J=4.17,1.64Hz,1H)
【0423】
実施例81
(−)‐4‐シクロプロピル‐9‐((2‐フルオロ‐4‐(キノリン‐7‐イル)フェニル)(4H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)メチル)‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐3‐オン
a)実施例80aから、表題の生成物も、キラルHPLC(Lux Cell 4、メタノール)を用いて、99.6%eeにて単離した(26mg、収率27%)。α=−32度(c=0.07、メタノール);MS(ES) m/e 513[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 0.60‐0.68(m,2H)0.75‐0.86(m,2H)1.64‐1.77(m,2H)1.79‐1.91(m,2H)2.46(t,J=10.48Hz,1H)2.55‐2.66(m,1H)2.67‐2.80(m,3H)3.13(s,2H)4.03(s,2H)7.45‐7.55(m,2H)7.62(dd,J=8.08,1.77Hz,1H)7.77‐7.82(m,1H)7.84(dd,J=8.59,1.77Hz,1H)7.98(d,J=8.59Hz,1H)8.10(s,3H)8.27(dd,J=8.34,1.01Hz,1H)8.34‐8.38(m,1H)8.98(dd,J=4.17,1.64Hz,1H)
【0424】
実施例82
2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
【0425】
【化64】
【0426】
a)1,4‐ジオキサン(2.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(202mg、0.47mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’‐オクタメチル‐2,2’‐ビ(1,3,2‐ジオキサボロラン)(120mg、0.47mmol)、および酢酸カリウム(93mg、0.94mmol)の溶液へ、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(38.5mg、0.05mmol)を添加した。この反応混合物を窒素でパージし、120℃にて4時間加熱した。この反応混合物を冷却し、7‐ブロモキノリン‐3‐カルボニトリル(110mg、0.47mmol)および2M KCO水溶液(0.52mL、1.04mmol)を添加した。この反応混合物を、窒素でパージし、攪拌しながら100℃にて1時間加熱した。この反応混合物を、ジクロロメタン(60mL)で希釈し、いずれの塩をもろ過で除去した。この有機混合物を、セライトおよび硫酸ナトリウムのプラグでろ過し、ろ液を、少量のSilicycle Si‐チオール樹脂で30分間処理した。この混合物を、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、逆相HPLC(10〜70% アセトニトリル:0.1%NHOH含有水)で精製して、表題の生成物を得た(138mg、収率55%)。MS(ES) m/e 502[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.13(t,J=7.20Hz,3H)1.65‐1.84(m,2H)1.86‐2.04(m,2H)2.25‐2.40(m,1H)2.55‐2.74(m,2H)2.75‐2.87(m,1H)3.18(s,2H)3.41(q,J=7.07Hz,2H)3.92‐4.11(m,2H)4.56(s,1H)5.62(d,J=3.54Hz,1H)7.28(d,J=4.29Hz,1H)7.49(t,J=7.71Hz,1H)7.58(dd,J=11.12,1.77Hz,1H)7.65(dd,J=8.08,1.77Hz,1H)8.00(dd,J=8.59,1.77Hz,1H)8.06(d,J=8.34Hz,1H)8.43(s,1H)8.63(d,J=2.02Hz,1H)9.10(d,J=2.02Hz,1H)
【0427】
実施例83
(+)‐2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
a)実施例82aから、表題の生成物を、キラルHPLC(ChiralPak IC、40:60 イソプロピルアルコール:アセトニトリル)を用いて、98.2%eeにて単離した(37mg、収率27%)。α=+49度(c=0.25、メタノール);MS(ES) m/e 502[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.13(t,J=7.20Hz,3H)1.68‐1.74(m,1H)1.75‐1.80(m,1H)1.89‐1.94(m,1H)1.96(br.s.,1H)2.27‐2.39(m,1H)2.58‐2.70(m,2H)2.75‐2.86(m,1H)3.18(s,2H)3.37‐3.46(m,2H)4.01(d,J=2.02Hz,2H)4.56(s,1H)5.95(br.s.,1H)7.28(br.s.,1H)7.49(t,J=7.71Hz,1H)7.56(d,J=2.02Hz,1H)7.64(dd,J=7.83,1.77Hz,1H)8.01(d,J=1.77Hz,1H)8.03‐8.08(m,1H)8.40‐8.44(m,1H)8.63(dd,J=2.15,0.63Hz,1H)9.10(d,J=2.02Hz,1H)
【0428】
実施例84
(−)‐2‐(4‐(3‐シアノキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
a)実施例83aから、表題の生成物も、キラルHPLC(ChiralPak IC、40:60 イソプロピルアルコール:アセトニトリル)を用いて、98.8%eeにて単離した(33mg、収率24%)。α=−35度(c=0.47、メタノール);MS(ES) m/e 502[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.13(t,J=7.20Hz,3H)1.68‐1.80(m,2H)1.90‐1.94(m,1H)1.94‐1.98(m,1H)2.33(td,J=11.18,2.15Hz,1H)2.58‐2.70(m,2H)2.80‐2.87(m,1H)3.18(s,2H)3.41(q,J=7.07Hz,2H)4.01(d,J=2.02Hz,2H)4.56(s,1H)5.70‐5.78(m,1H)7.27(br.s.,1H)7.49(t,J=7.71Hz,1H)7.56(d,J=1.77Hz,1H)7.65(dd,J=8.08,1.77Hz,1H)7.98‐8.08(m,2H)8.37‐8.44(m,1H)8.63(dd,J=2.15,0.63Hz,1H)9.10(d,J=2.27Hz,1H)
【0429】
実施例85
2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0430】
【化65】
【0431】
a)1,4‐ジオキサン(2.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(212mg、0.5mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’‐オクタメチル‐2,2’‐ビ(1,3,2‐ジオキサボロラン)(126mg、0.5mmol)、および酢酸カリウム(97mg、0.99mmol)の溶液へ、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(40mg、0.05mmol)を添加した。この反応混合物を窒素でパージし、120℃にて4時間加熱した。この反応混合物を冷却し、7‐ブロモ‐3‐メチルキノリン(110mg、0.5mmol)および2M KCO水溶液(0.55mL、1.09mmol)を添加した。この反応混合物を、窒素でパージし、攪拌しながら100℃にて1時間加熱した。この反応混合物を、ジクロロメタン(60mL)で希釈し、いずれの塩をもろ過で除去した。この有機混合物を、セライトおよび硫酸ナトリウムのプラグでろ過した。ろ液を、少量のSilicycle Si‐チオール樹脂で30分間処理した。この混合物を、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、逆相HPLC(10〜70% アセトニトリル:0.1%NHOH含有水)で精製して、表題の生成物を得た(131mg、収率51%)。MS(ES) m/e 491[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.12(t,J=7.20Hz,3H)1.63‐1.86(m,3H)1.86‐2.05(m,2H)2.29‐2.41(m,1H)2.53‐2.59(m,3H)2.59‐2.74(m,2H)2.79(d,J=11.62Hz,1H)3.41(q,J=7.33Hz,2H)3.95‐4.10(m,2H)4.52(s,1H)5.87(d,J=4.04Hz,1H)7.28(d,J=3.54Hz,1H)7.41‐7.50(m,1H)7.55(dd,J=11.37,1.77Hz,1H)7.62(dd,J=7.96,1.89Hz,1H)7.82(dd,J=8.46,1.89Hz,1H)7.90(d,J=8.59Hz,1H)7.97‐8.05(m,1H)8.27‐8.36(m,1H)8.83(d,J=2.27Hz,1H)
【0432】
実施例86
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例85aから、表題の生成物を、キラルHPLC(Lux Cell 4、メタノール)を用いて、99.9%eeにて単離した(52mg、収率40%)。α=−34度(c=0.06、メタノール);MS(ES) m/e 491[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.13(t,J=7.20Hz,3H)1.68‐1.74(m,2H)1.89‐1.98(m,2H)2.29‐2.40(m,1H)2.57(s,3H)2.59‐2.70(m,2H)2.79(dd,J=6.19,3.92Hz,1H)3.19(s,2H)3.41(q,J=7.33Hz,2H)4.02(d,J=1.77Hz,2H)4.53(s,1H)5.61(br.s.,1H)7.22‐7.31(m,1H)7.42‐7.50(m,1H)7.54(d,J=1.77Hz,1H)7.62(dd,J=7.83,1.77Hz,1H)7.80‐7.87(m,1H)7.90(d,J=8.59Hz,1H)8.01(d,J=0.76Hz,1H)8.31(s,1H)8.83(d,J=2.27Hz,1H)
【0433】
実施例87
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メチルキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例86aから、表題の生成物も、キラルHPLC(Lux Cell 4、メタノール)を用いて、99.9%eeにて単離した(51mg、収率39%)。α=+44度(c=0.07、メタノール);MS(ES) m/e 491[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.13(t,J=7.20Hz,3H)1.68‐1.74(m,2H)1.89‐1.98(m,2H)2.29‐2.40(m,1H)2.57(s,3H)2.59‐2.70(m,2H)2.79(dd,J=6.19,3.92Hz,1H)3.19(s,2H)3.41(q,J=7.33Hz,2H)4.02(d,J=1.77Hz,2H)4.53(s,1H)5.61(br.s.,1H)7.22‐7.31(m,1H)7.42‐7.50(m,1H)7.54(d,J=1.77Hz,1H)7.62(dd,J=7.83,1.77Hz,1H)7.80‐7.87(m,1H)7.90(d,J=8.59Hz,1H)8.01(d,J=0.76Hz,1H)8.31(s,1H)8.83(d,J=2.27Hz,1H)
【0434】
実施例88
(+)‐2‐(4‐(3‐クロロキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
【0435】
【化66】
【0436】
a)20mLマイクロ波照射可能バイアルに入れた乾燥1,4‐ジオキサン(3mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(200mg、0.35mmol)の溶液を、ビス(ピナコラート)ジボロン(107mg、0.42mmol)、酢酸カリウム(49mg、0.5mmol)、およびPdCl(dppf)‐CHCl付加体(14.3mg、0.02mmol)で処理した。この溶液を、窒素で3分間脱気し、容器を窒素でパージし、密封し、19時間110℃に加熱した。反応混合物アリコートの分析から、反応が完了まで進行しなかったことが示されたため、追加のビス(ピナコラート)ジボロン(267mg、1.05mmol)、酢酸カリウム(49mg、0.5mmol)、およびPdCl(dppf)‐CHCl付加体(35.8mg、0.044mmol)を添加し、この反応混合物を4時間加熱した。この反応混合物を冷却し、7‐ブロモ‐3‐クロロキノリン(85mg、0.35mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(14.3mg、0.02mmol)、および2M 炭酸カリウム水溶液(0.525mL、1.05mmol)を添加した。この反応混合物を窒素でパージし、密封し、110℃にて1時間加熱した。反応混合物アリコートの分析から、反応が完了まで進行したことが示された。この反応混合物を、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出した(3×100mL)。1つにまとめた有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン(5mL)に溶解し、加熱しながらSilicycle Si‐チオールで処理した(40℃のソニケーターで30秒間)。この混合物をろ過し、溶液を減圧濃縮した。残渣を、逆相HPLC(10〜90% アセトニトリル/0.1%NHOH含有水)で精製することで、ラセミ混合物である表題の生成物が得られ、これをキラルHPLC(ChiralPak IC、40:60 イソプロピルアルコール:アセトニトリル)で分割して、98.5%eeにて表題の生成物を得た(20mg、収率11%)。α=+42度(c=0.12、メタノール);MS(ES) m/e 511[M+H]H NMR
(400MHz,CDCl)δ ppm 1.12(t,J=7.20Hz,3H)1.19(d,J=6.06Hz,1H)1.59‐1.84(m,1H)1.88‐1.95(m,2H)2.29‐2.40(m,1H)2.54‐2.73(m,2H)2.73‐2.84(m,1H)3.18(s,2H)3.41(q,J=7.07Hz,2H)4.02(d,J=2.02Hz,2H)4.53(s,1H)6.32(br.s.,1H)7.30(br.s.,1H)7.42‐7.51(m,1H)7.55(dd,J=11.37,1.77Hz,1H)7.61(dd,J=8.08,1.77Hz,1H)7.84‐7.96(m,2H)8.24(d,J=2.53Hz,1H)8.35(s,1H)8.88(d,J=2.53Hz,1H)
【0437】
実施例89
(−)‐2‐(4‐(3‐クロロキノリン‐7‐イル)‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド
a)実施例88aから、表題の生成物も、キラルHPLC(Chiralpak IC、40:60 イソプロピルアルコール:アセトニトリル)を用いて、99.3%eeにて単離した(18mg、収率10%)。α=−40度(c=0.13、メタノール);MS(ES) m/e 511[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.12(t,J=7.20Hz,3H)1.62‐1.82(m,2H)1.88‐1.95(m,1H)2.27‐2.40(m,1H)2.54‐2.73(m,2H)2.73‐2.85(m,1H)3.18(s,2H)3.41(q,J=7.33Hz,2H)3.94‐4.09(m,3H)4.53(s,1H)6.05(br.s.,1H)7.29(br.s.,1H)7.42‐7.51(m,1H)7.55(dd,J=11.37,1.77Hz,1H)7.62(dd,J=7.96,1.89Hz,1H)7.86‐7.99(m,2H)8.24(d,J=2.27Hz,1H)8.30‐8.39(m,1H)8.88(d,J=2.27Hz,1H)
【0438】
実施例90
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0439】
【化67】
【0440】
a)乾燥1,4‐ジオキサン(3mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(266mg、0.47mmol)の溶液を、ビス(ピナコラート)ジボロン(142mg、0.56mmol)、酢酸カリウム(49mg、0.5mmol)、およびPdCl(dppf)‐CHCl付加体(19mg、0.023mmol)で処理した。この反応混合物を、窒素で約3分間脱気し、容器を窒素でパージし、密封し、110℃に3時間加熱した。反応混合物アリコートの分析から、出発物質がボロネート中間体へ完全に変換されたことが示された。冷却した反応混合物へ、7‐ブロモ‐3‐フルオロキノリン(105mg、0.47mmol)、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(19mg、0.023mmol)、および2M KCO水溶液(0.7mL、1.4mmol)を添加した。この反応混合物を窒素でパージし、密封し、120℃にて1時間加熱した。この反応混合物を、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出した(3×100mL)。1つにまとめた有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。残渣を、逆相HPLC(5〜75% アセトニトリル:0.1%NHOH含有水)で精製することで、ラセミ体である表題の生成物が得られ、これをキラルHPLC(Lux Cell 4、メタノール)で分割して、95%eeにて表題の生成物を得た(29mg、収率12%)。α=+26度(c=0.14、メタノール);MS(ES) m/e 495[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.06‐1.18(m,3H)1.63‐1.84(m,2H)1.90‐1.97(m,2H)2.27‐2.39(m,1H)2.53‐2.73(m,2H)2.80(d,J=11.37Hz,1H)3.18(s,2H)3.41(q,J=7.07Hz,2H)3.95‐4.08(m,2H)4.53(s,1H)6.28(br.s.,1H)7.29(br.s.,1H)7.47(t,J=7.71Hz,1H)7.55(dd,J=11.24,1.89Hz,1H)7.62(dd,J=7.96,1.89Hz,1H)7.83‐7.93(m,2H)
7.93‐8.00(m,1H)8.37(d,J=1.77Hz,1H)8.88(d,J=2.53Hz,1H)
【0441】
実施例91
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐フルオロキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例90aから、表題の生成物も、キラルHPLC(Lux Cell 4、メタノール)を用いて、99.2%eeにて単離した(17mg、収率7%)。α=−26度(c=0.12、メタノール);MS(ES) m/e 495[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.06‐1.18(m,3H)1.61‐1.83(m,2H)1.87‐1.96(m,2H)2.34(td,J=11.12,2.27Hz,1H)2.53‐2.74(m,2H)2.74‐2.85(m,1H)3.18(s,2H)3.41(q,J=7.16Hz,2H)3.92‐4.10(m,2H)4.53(s,1H)6.19(d,J=3.28Hz,1H)7.29(d,J=3.79Hz,1H)7.42‐7.51(m,1H)7.55(dd,J=11.24,1.89Hz,1H)7.62(dd,J=8.08,1.77Hz,1H)7.83‐7.92(m,2H)7.92‐8.03(m,1H)8.37(d,J=1.77Hz,1H)8.88(d,J=2.53Hz,1H)
【0442】
実施例92
(+)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
【0443】
【化68】
【0444】
a)1,4‐ジオキサン(2.5mL)中の2‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロフェニル)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)アセトアミド(198mg、0.46mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’‐オクタメチル‐2,2’‐ビ(1,3,2‐ジオキサボロラン)(117mg、0.46mmol)、および酢酸カリウム(91mg、0.92mmol)の溶液へ、PdCl(dppf)‐CHCl付加体(38mg、0.046mmol)を添加した。この反応混合物を窒素でパージし、120℃にて4時間加熱した。この反応混合物を冷却し、7‐ブロモ‐3‐メトキシキノリン(110mg、0.46mmol)および2M KCO水溶液(0.51mL、1.02mmol)を添加した。この反応混合物を、窒素でパージし、攪拌しながら100℃にて1時間加熱した。この反応混合物を、ジクロロメタン(60mL)で希釈し、いずれの塩をもろ過で除去した。この有機混合物を、セライトおよび硫酸ナトリウムのプラグでろ過し、ろ液を、少量のSilicycle Si‐チオール樹脂で30分間処理した。この混合物を、ろ過し、真空濃縮した。残渣を、逆相HPLC(10〜70% アセトニトリル:0.1%NHOH含有水)で精製することで、ラセミ体である表題の生成物が得られ、これをキラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)で分割して、>98%eeにて表題の生成物を得た(45mg、収率19%)。α=+56°(c=0.02、メタノール);MS(ES) m/e 507[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.12(t,J=7.07Hz,3H)1.68‐1.80(m,2H)1.90‐2.02(m,2H)2.31‐2.41(m,1H)2.58‐2.71(m,2H)2.72‐2.80(m,1H)3.18(s,2H)3.41(d,J=7.33Hz,2H)4.01(s,3H)4.02(d,J=1.77Hz,2H)4.52(s,1H)5.65(d,J=4.55Hz,1H)7.21‐7.33(m,1H)7.44‐7.56(m,3H)7.61(dd,J=7.96,1.89Hz,1H)7.81‐7.94(m,2H)8.30(s,1H)8.71(
d,J=3.03Hz,1H)
【0445】
実施例93
(−)‐2‐(4‐エチル‐3‐オキソ‐1‐オキサ‐4,9‐ジアザスピロ[5.5]ウンデカン‐9‐イル)‐2‐(2‐フルオロ‐4‐(3‐メトキシキノリン‐7‐イル)フェニル)アセトアミド
a)実施例92aから、表題の生成物も、キラルHPLC(Chromegachiral CC4、メタノール)を用いて、>98%eeにて単離した(49mg、21%)。α=−53°(c=0.02、メタノール);MS(ES) m/e 507[M+H]H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.13(t,J=7.20Hz,3H)1.68‐1.80(m,2H)1.90‐2.03(m,2H)2.31‐2.43(m,1H)2.58‐2.70(m,2H)2.75‐2.80(m,1H)3.18(s,2H)3.41(q,J=7.16Hz,2H)4.01(s,3H)4.02(d,J=1.77Hz,2H)4.52(s,1H)5.65‐5.72(m,1H)7.26‐7.31(m,1H)7.44‐7.57(m,3H)7.61(dd,J=7.83,1.77Hz,1H)7.81‐7.93(m,2H)8.30(s,1H)8.71(d,J=3.03Hz,1H)
【0446】
生物学的アッセイ
FAS活性は、以下の2つのアッセイのうちの1つによって測定した。
【0447】
アッセイ#1:
FAS活性の阻害は、FASアッセイの停止後に残ったNADPH基質の検出に基づいて測定することができる。このアッセイは、384‐ウェルフォーマットでの10μLエンドポイントアッセイとして行われ、ここで、反応物は、20μM マロニル‐CoA、2μM アセチル‐CoA、30μM NADPH、および40nM FASを、pH7.0の50mM リン酸ナトリウム中に含有する。このアッセイは、5μLのマロニル‐CoA溶液を、次にアセチル‐CoAおよびNADPHを含有する酵素溶液を、100nLのDMSO中化合物溶液を予め分注しておいたブラック低容量アッセイプレート(Greiner 784076)中に、順に分注することで行われる。この反応物を周囲温度にて60分間インキュベートし、次に、pH7.0の50mM リン酸ナトリウム中の90μM レサズリン、0.3IU/mL ジアホラーゼから構成される発色溶液の5μLで反応停止する。発色反応物の読み取りを、Molecular Devices AnalystまたはAcquest(または同等物)プレートリーダー上、530nm励起波長フィルター、580nm発光フィルター、および561nmダイクロイックフィルターを用いて行う。試験化合物は、純DMSO中、10mMの濃度で調製する。阻害曲線については、化合物を、3倍段階希釈を用いて希釈し、11種類の濃度で試験する(例:25μM〜0.42nM)。曲線の解析は、ActivityBaseおよびXLfitを用いて行い、結果は、pIC50値として表す。
【0448】
アッセイ#2:
FASの阻害はまた、チオ反応性クマリン染料によるCoA生成物の検出に基づいて定量することもできる。このアッセイは、384‐ウェルフォーマットでの10μLエンドポイントアッセイとして行われ、ここで、反応物は、pH7.0の50mM リン酸ナトリウム中の20μM マロニル‐CoA、20μM アセチル‐CoA、40μM NADPH、および2nM FAS、ならびに0.04% Tween‐20を含有する。このアッセイは、5μLの酵素溶液を、100nLのDMSO中化合物溶液を予め分注しておいたブラック低容量アッセイプレート(Greiner 784076)に添加することで行われる。30分後、5μLの基質を添加し、この反応物を周囲温度にてさらに60分間インキュベートする。次に、50μM CPM(7‐ジエチルアミノ‐3‐(4’‐マレイミジルフェニル)‐4‐メチルクマリン CPM;チオ反応性染料)を含有する6M グアニジン‐HClの10μLで反応停止し、30分間インキュベートする。プレートの読み取りを、Envision(パーキンエルマー(PerkinElmer))またはまたは同等のプレートリーダー上、380nm励起波長フィルターおよび486nm発光フィルターを用いて行う。データのフィッティングおよび化合物の調製は、上述のようにして行う。
【0449】
生物学的データ
本発明の代表的な化合物(実施例1〜12)を上記のアッセイに従って試験し、これらはFASの阻害剤であることが見出された。IC50値は、約1から約2000nMの範囲であり;特定の化合物のIC50値は、約1から約100nMの範囲であった。下記に記載の化合物は、本明細書で述べるアッセイに全体として従って試験した。各化合物のIC50は、少なくとも1つの実験から、または複数の実験の平均として報告した。
【0450】
実施例6は、501nMである。
実施例9は、3nMである。
実施例13は、50nMである。
実施例22は、20nMである。
実施例30は、3nMである。
実施例33は、200nMである。
実施例73は、1nMである。
実施例78は、4nMである。
【0451】
脂質生合成アッセイ
培養した一次ヒト前駆脂肪細胞(ゼン‐バイオ(Zen-Bio)、Cat#ASC062801)を、0.2%ゼラチン(シグマ(Sigma)、Cat#G‐6650)でコーティングした96‐ウェルプレート(コスター(Costar)、Cat#3598)中、10% 熱失活ウシ胎仔血清(インビトロジェン(InvitroGen)、Cat#16000‐044)を添加したDMEM/F12培地(インビトロジェン、Cat#11330‐032)中にコンフルーエントに播種する(3×104細胞/ウェル)。翌日(第1日)、種培地を、10% 熱失活ウシ胎仔血清、200μM 3‐イソブチル‐1‐メチルキサンチン(シグマ、Cat#I‐5879)、20nM デキサメタゾン(シグマ、Cat#D‐8893)、20nM GW1929(シグマ、Cat#G‐5668)、および20nM インスリン(インビトロジェン、Cat#03‐0110SA)を添加したDMEM/F12培地から構成される分化培地と交換することで細胞分化を誘発する。第7日、分化培地を、10% 熱失活血清および20nM インスリンを添加したDMEM/F12からなるリフィード培地(re-feed medium)と交換する。この時点にて、適切な濃度の試験化合物およびコントロールをこの培地に添加する。第12日、細胞トリグリセリドの相対量を、Trinderキット(シグマ、Cat#TR0100)を用いて算出する。リフィード培地を吸引し、細胞をPBS(インビトロジェン、Cat#14190‐144)で洗浄し、キット製造元のプロトコルに従ってアッセイを行う。簡潔に述べると、アッセイを行う前に、再構成した溶液AおよびBを、0.01% ジギトニン(シグマ、Cat#D‐5628)と混合し、細胞に添加し;プレートを、37℃にて1時間インキュベートする。吸光度を540nmで読み取る。データは、まず、以下の式:100((UNK−コントロール1)/(コントロール2−コントロール1))、を用いて標準化し、式中、コントロール1は、0%応答コントロールのロバスト平均であり、コントロール2は、100%応答コントロールのロバスト平均である。化合物の複数の希釈物を試験する場合、pXC50を、次の式:y=(a−d)/(1+(s/c)^b)+d、および外れ値の重み付けのためのIRLS(繰返し加重最小二乗(Iterative Re-weighted Least Squares))アルゴリズムを用いた4パラメータ曲線フィッティングを用いた曲線から算出する(Mosteller, F. & Tukey J.W. (1977) Data Analysis and Regression, pp 353-365, Addison-Wesley)。