【実施例】
【0021】
[実施例1:安定化剤としてフュームドアルミナを含む、アトラジン、ピロキサスルホン、およびフルチアセト−メチルからなるサスポエマルション濃厚調合物の調製]
(ステップA:アトラジン/ピロキサスルホンの懸濁濃厚物(SC))
179.90グラムの脱イオン水、0.10グラムの氷酢酸、36.00グラムのポリエチレングリコール、0.60グラムの消泡剤(ダウ・ケミカル社から入手したDow(登録商標) Antiform AF)、0.60グラムの防腐剤(ダウ・ケミカル社から入手したKathon(商標)CG/ICP)、14.10グラムのアルキル系のEO/PO共重合体の非イオン性界面活性剤(ダウ・ケミカル社から入手したTergitol(商標)XD)、20.10グラムのアクリル系のグラフト共重合体の界面活性剤(Huntsman Performance Productsから入手したTersperse(登録商標)G−2500)、7.80グラムのフュームドアルミナ(Evonic Industriesから入手したAcrodisp(登録商標)W630)の水性分散媒、37.50グラムのピロキサスルホン(純度99.3%)、および303.0グラムのアトラジン(純度97.0%)の混合物を、1リットルのビーカーに加えて、シルヴァーソンのホモジナイザーを用いて、4500rpmで5分間混合した。混合物は、アイガーミルに移されて、3000rpmで15分間粉砕され、3ミクロン未満のD90での粒径を得た。
【0022】
(ステップB:水中型のフルチアセト−メチルエマルション(EW))
12.36グラムのフルチアセト−メチル(純度99.1%)および47.50グラムの非イオン性の高分子界面活性剤(Crodia Crop Careから入手したAtlox(商標)4914)を、475.00グラムのナフタレンを低減した芳香族系溶媒(ExxonMobile Chemicalsから入手したAromatic200ND)に加えた。混合物を攪拌して約65℃まで加熱し、溶液を形成した。この溶液を、0.50グラムの氷酢酸、60.00グラムのプロピレングリコール、50.00グラムのポリアルキレンオキシドブロック共重合体(Crodia Crop Careから入手したAtlas(商標)G5000)、0.50グラムの消泡剤(ダウ・ケミカル社から入手したDow(登録商標)Antifoam AF)、および1.00グラムの防腐剤(ダウ・ケミカル社から入手したKathon(商標)CG/ICP)を353.00グラムの脱イオン水中に含む、温めた(約65℃)溶液に加えた。この混合物を、シルヴァーソンのホモジナイザーを用いて、均一な混合物が形成されるまでホモジナイズした。
【0023】
(ステップC:サスポエマルション濃厚(SE)調合物)
サスポエマルション濃厚物は、ステップAで得られた367.82グラムのアトラジン/ピロキサスルホンのSCと、ステップBで得られた51.84グラムのフルチアセト−メチルのEWとを、4.67グラムの脱イオン水中で組み合わせて形成された。得られた組成物は、均一な混合物が得られるまで攪拌された。得られたサスポエマルション濃厚組成物は、8オンスの複数のガラスジャー中に均等に分配され、シールされ、安定性試験のために、そのいずれかが54℃に昇温された温度で2週間保管された。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による分析では、昇温した温度で2週間後では以下の結果が示された。初期の分析結果:アトラジン42.33%、ピロキサスルホン5.40%、フルチアセト−メチル0.16%。昇温後の分析結果:アトラジン42.48%、ピロキサスルホン5.42%、フルチアセト−メチル0.16%。この結果により、組成物が化学的に安定であることが示された。
【0024】
2週間後にサスポエマルション濃厚組成物を視覚的に観察すると、相分離または沈殿は見られなかった。この結果により、組成物が物理的に安定であることが示された。
【0025】
[実施例2:安定化剤としてフュームドアルミナを含む、アトラジン/ピロキサスルホンの懸濁濃厚物(SC)および水中型のフルチアセト−メチルエマルション(EW)の調製]
実施例1のステップAと同様にして、アトラジンおよびピロキサスルホンを含む、別のSC組成物を調製した。実施例1のステップBと同様にして、フルチアセト−メチルを含む、別のEW組成物を調製した。以下の表2Aは、別のSC組成物をまとめたものであり、表2Bは、別のEW組成物をまとめたものである。
【0026】
【表2A】
【0027】
【表2B】
【0028】
[実施例3:安定化剤としてフュームドアルミナを含む、アトラジン、ピロキサスルホンおよびフルチアセト−メチルのサスポエマルション濃厚調合物の調製]
(ステップA:アトラジン/ピロキサスルホンの懸濁濃縮物(SC))
2.311キログラムの脱イオン水、7.7グラムの氷酢酸、463.0グラムのポリエチレングリコール、7.7グラムの消泡剤(ダウ・ケミカル社から入手したDow(登録商標) Antifoam AF)、6.9グラムの防腐剤(Thor Specialties ,Incから入手したActicide(登録商標) MV)、181.4グラムのアルキル系のEO/PO共重合体の非イオン性界面活性剤(ダウ・ケミカル社から入手したTergitol(商標)XD)、258.5グラムのアクリル系のグラフト共重合体の界面活性剤(Huntsman Performance Productsから入手したTerperse(登録商標)G−2500)をスラリタンクに加えて、均一になるまで混合した。ピロキサスルホン(480.0グラム、純度99.3%)およびアトラジン(3.8620キログラム、97.0%)は、何回かに分けて添加され、次の部分が添加される前に、各回の添加が完全に混合された。混合物は、アトリターミルに移され、3ミクロン未満のD90での粒径が得られるまで、温度を30℃未満に保って粉砕された。粉砕された混合物は、混合タンクに移され、138.9グラムのフュームドアルミナ(Evonic Industriesから入手したAerodisp(登録商標)W630)の水分散体が添加された。混合物は1時間攪拌され、6.79キログラムの懸濁濃厚物を得た。
【0029】
(ステップB:水中型のフルチアセト−メチルエマルション(EW))
141.4グラムのフルチアセト−メチル(純度99.1%)および544.5グラムの非イオン性の高分子界面活性剤(Crodia Crop Careから入手したAtlox(商標)4914)を、5.4446キログラムのナフタレンを低減した芳香族系溶媒(ExxonMobil Chemicalsから入手したAromatic200ND)に加えて有機相を調製した。混合物は、インラインホモジナイザーを備える15リッターのジャケット付き容器内において、攪拌され約55℃まで加熱されて、溶液が形成された。5.7グラムの氷酢酸、687.7グラムのプロピレングリコール、573.1グラムのポリアルキレンオキシドブロック共重合体(Crodia Crop Careから入手したAtlas(商標)G5000)、5.70グラムの消泡剤(ダウ・ケミカル社から入手したDow(登録商標) Antiform AF)、および4.0492キログラムの脱イオン水を混合容器に加え、均質な混合物が得られるまで55℃に加熱して、水相を調製した。インラインホモジナイザーの再循環ラインによって、温めた有機相を水相に加えた。添加が完了すると、D90での粒径が3ミクロン未満となるまでホモジナイズを引き続き行った。混合物は常温まで冷却でき、10.3グラムの防腐剤(Thor Specialties ,Incから入手したActicide(登録商標)NV)を添加して、約11.2キログラムの均一な混合物が得られるまで攪拌した。
【0030】
(ステップC:サスポエマルション濃厚(SE)調合物)
サスポエマルション濃厚物は、6.658キログラムのステップAで得たアトラジン/ピロキサスルホンのSCを、941.0グラムのステップBで得たフルチアセト−メチルのEWおよび186.0グラムの脱イオン水と組み合わせて形成された。得られた組成物は、7.77キログラムの均一な組成物が得られるまで攪拌された。このサスポエマルションの調合物は、別個の密閉されたガラス容器内に保管された。
【0031】
[参考例A:安定化剤としてフュームドシリカを含む、アトラジン、ピロキサスルホンおよびフルチアセト−メチルのサスポエマルション濃厚調合物の調製]
(ステップA:アトラジン/ピロキサスルホンの懸濁濃厚物(SC))
186.8グラムの脱イオン水、0.50グラムの氷酢酸、30.00グラムのポリエチレングリコール、0.50グラムの消泡剤(ダウ・ケミカル社から入手したDow(登録商標) Antifoam AF)、0.75グラムの防腐剤(ダウ・ケミカル社から入手したKathon(商標)CG/ICP)、11.75グラムのアルキル系のEO/PO共重合体の非イオン性界面活性剤(ダウ・ケミカル社から入手したTergitol(商標)XD)、16.75グラムのアクリル系のグラフト共重合体の界面活性剤(Huntsman Performance Productsから入手したTersperse(登録商標)G−2500)、2.50グラムのフュームドシリカ(Evonic Industriesから入手Aerodisp(登録商標)W7512S、一般にエマルションの安定化剤として使用される)の水性分散体、25.75グラムのピロキサスルホン(純度99.3%)、および222.50グラムのアトラジン(純度97.0%)を1リッターのビーカーに加えて、シルヴァーソンのホモジナイザーを用いて4500rpmで5分間混合した。混合物はアイガーミルに移され、3000rpmで15分間粉砕されて、3ミクロン未満のD90での粒径を得た。
【0032】
(ステップB:水中型のフルチアセト−メチルのエマルション(EW))
18.54グラムのフルチアセト−メチル(純度99.1%)および71.25グラムの非イオン性の高分子界面活性剤(Crodia Crop Careから入手したAtlox(商標)4914)を、712.50グラムのナフタレンを低減した芳香族系溶媒(ExxonMobile Chemicalsから入手したAromatic200ND)に加えた。混合物を攪拌し、65℃まで加熱して溶液を形成した。この溶液を、0.75グラムの氷酢酸、90.00グラムのプロピレングリコール、75.00グラムのポリアルキレンオキシドブロック共重合体(Crodia Crop Careから入手したAtlas(商標)G5000)、0.75グラムの消泡剤(ダウ・ケミカル社から入手したDow(登録商標) Antifoam AF)、および2.25グラムの防腐剤(ダウ・ケミカル社から入手したKathon(商標)CG/ICP)を527.61グラムの脱イオン水に含む、(約65℃に)温めた溶液に加えた。この混合物は、均一混合物が形成されるまで、シルヴァーソンのホモジナイザーを用いてホモジナイズされた。
【0033】
(ステップC:サスポエマルション濃厚(SE)調合物)
449.3グラムのステップAで得たアトラジン/ピロキサスルホンのSCを、50.8グラムのステップBで得たフルチアセト−メチルのEWおよび4.67グラムの脱イオン水と組み合わせて、サスポエマルション濃厚物を形成した。得られた組成物は、均一混合物が得られるまで攪拌された。このサスポエマルション調合物は、別個の密閉されたガラス容器内に保管された。
【0034】
[実施例4:安定化剤としてフュームドアルミナを含む、アトラジン、ピロキサスルホンおよびフルチアセト−メチルの水性懸濁濃厚物の調製]
308.72グラムの脱イオン水、0.72グラムの氷酢酸、46.88グラムのポリエチレングリコール、0.72グラムの消泡剤(ダウ・ケミカル社から入手したDow(登録商標) Antifoam AF)、0.72グラムの防腐剤(Thor Specialties ,Incから入手したActicide(登録商標)MV)、22.96グラムのアクリル系のグラフト共重合体の界面活性剤(Huntsman Performance Productsから入手したTerperse(登録商標)G−2500)、20.88グラムのポリアルキレンオキシドブロック共重合体(Crodia Crop Careから入手したAtlas(商標)G5000)、12.32グラムのフュームドシリカ(Evonic Industriesから入手したAerodisp(登録商標)W7512S、一般にエマルションの安定化剤として使用される)、42.56グラムのピロキサスルホン(純度99.3%)、342.40グラムのアトラジン(純度97.0%)、および1.20グラムのフルチアセト−メチル(純度99.1%)からなる混合物を、2リッターのビーカーに加え、シルヴァーソンのホモジナイザーを用いて、4500rpmで5分間混合した。混合物は、アイガーミルに移されて、3ミクロン未満のD90での粒径が得られるまで粉砕された。このSC調合物は、別個の密閉されたガラス容器内に保管された。
【0035】
(実施例5:物理的および化学的な安定性データ)
100mLのネスラー管内に、20ppmまたは500ppmのいずれかの硬度を有する99.0mLまたは97.0mLの水に加えられた、実施例3および参照例Aから得られた、1.0グラム(1%)または3.0グラム(3%)のいずれかのサスポエマルションの濃厚組成物を用いて、希釈再分散試験を実施した。ネスラー管は、ゴム栓で密閉され、管を10回反転させて内容物を混合した。このように得た試験試料は、周囲温度に保持された。調合物の再懸濁評価は24時間実行され、均一混合物を得るのに要する反転回数を記録した。以下の表4Aに、再分散データをまとめた。
【0036】
【表4A】
【0037】
実施例3および実施例4のサスポエマルション濃厚組成物について、24時間後(初期値)、凍結/融解(F/T)サイクル後(−30℃で2日/常温で2日を3サイクル行う)、および54℃で2週間後の物理的および化学的安定性を分析した。実施例3は、50℃で1および3月後の物理的および化学的安定性、並びに常温で1月後の物理的および化学的安定性についても分析した。試料の粘度(センチポイズ)は、ブルックフィールドRVT粘度計を用いて測定された。スピンドルは3番にし、スピンドルの速度は50にした。粒径は、粒度分布測定装置(Horiba製の粒子散乱型の粒度分布測定装置LA−910)を用いてD90(90%の粒子の大きさがミクロンで報告される)で測定された。分離の割合は、分離した層の高さを測定し、その数値を容器の全高で割って、視覚的に測定された。有効成分は、HPLC分析によって、重量%基準で分析された。これらのデータを以下の表4Bにまとめる。
【0038】
【表4B】
【0039】
上記のデータから分かるように、フュームドアルミナを、サスポエマルション調合物および懸濁濃厚調合物などの農業用の組成物に加えると、フュームドシリカなどの一般に用いられる安定化剤を用いた同様の組成物と比べて、物理的および化学的に安定な組成物が形成される。
【0040】
本発明は、好適な実施形態を強調して説明したものであるが、好適な装置および方法を改変して用いてもよいこと、および本願明細書に明確に説明された以外の方法で、本発明が実行されてもよいことが意図されることは、当業者に明らかであろう。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲で規定されるように、本発明の精神および範囲内に包含される全ての修正を含む。