(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964458
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】タッチスクリーンのためのユーザインタフェース
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0485 20130101AFI20160721BHJP
G06F 3/0488 20130101ALI20160721BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20160721BHJP
G06F 3/042 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
G06F3/0485
G06F3/0488
G06F3/041 600
G06F3/042 483
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-554753(P2014-554753)
(86)(22)【出願日】2013年1月20日
(65)【公表番号】特表2015-505116(P2015-505116A)
(43)【公表日】2015年2月16日
(86)【国際出願番号】US2013022335
(87)【国際公開番号】WO2013112387
(87)【国際公開日】20130801
【審査請求日】2014年9月12日
(31)【優先権主張番号】61/591,921
(32)【優先日】2012年1月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513061301
【氏名又は名称】ネオノード インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ベーダシュト レモ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリクソン カール リチャード
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン トマス
(72)【発明者】
【氏名】シャイン ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ヤンソン アンダーシュ
(72)【発明者】
【氏名】クヴィスト ニクラス
(72)【発明者】
【氏名】ペッテション ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】スパーフ ラーシュ
(72)【発明者】
【氏名】カールソン ヨーン
【審査官】
岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−059781(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0181552(US,A1)
【文献】
特開2007−048206(JP,A)
【文献】
特開2009−134451(JP,A)
【文献】
特開2001−069223(JP,A)
【文献】
特開2002−213989(JP,A)
【文献】
特開2010−211399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041− 3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに装着されたディスプレイと、
前記ディスプレイの上面に沿ってグライドしている物体を識別する、前記ハウジングに装着されて該ディスプレイに接続されたタッチセンサと、
圧力が前記ディスプレイに印加されていると判断する、前記ハウジングに装着されて該ディスプレイに接続された圧力センサと、
前記ディスプレイの前記上面に沿ってグライドする前記物体を含むグライド動作を識別する前記タッチセンサに応答して該ディスプレイ上にレンダリングされた画像に第1のスクロール指令を適用し、かつ前記グライド動作が該ディスプレイの縁部に到達したと判断する前記タッチセンサ及び圧力の増加が該ディスプレイに印加されていると判断する前記圧力センサの組み合わせに応答して該画像に前記第1のスクロール指令とは異なる第2のスクロール指令を適用する、前記ハウジングに装着されて該タッチ及び圧力センサにかつ該ディスプレイに接続されたプロセッサと、
を含むことを特徴とするタッチスクリーン。
【請求項2】
前記ディスプレイは、前記ハウジングに柔軟に装着され、
前記圧力センサは、
前記ハウジングに前記ディスプレイの下で剛的に装着された少なくとも1つの光レシーバと、
前記少なくとも1つの光レシーバによって受光された光の量を示す出力を受信するために、かつ該少なくとも1つの光レシーバからの出力の増加に基づいて圧力が前記ディスプレイに印加されていると判断するために該少なくとも1つの光レシーバにかつ前記プロセッサに接続された計算ユニットと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項3】
前記ディスプレイは、印加された圧力に応答して弾力的に曲がる可撓性材料を含み、
前記圧力センサは、
前記ハウジングに前記ディスプレイの下で剛的に装着された少なくとも1つの光レシーバと、
前記少なくとも1つの光レシーバから受光した光の量を示す出力を受信するために、かつ該少なくとも1つの光レシーバからの出力の増加に基づいて圧力が前記ディスプレイに印加されていると判断するために該少なくとも1つの光レシーバにかつ前記プロセッサに接続された計算ユニットと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項4】
前記圧力センサは、前記物体により前記ディスプレイに印加されている複数のレベルの圧力を判別し、前記第2のスクロール指令は、前記圧力センサによって判別された前記レベルの圧力に対応する速度で前記ディスプレイ上にレンダリングされた前記画像をスクロールする、
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記タッチセンサが前記ディスプレイ上のタッチを検出した時だけ前記圧力センサの出力に基づいて圧力が該ディスプレイに印加されていると判断することを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項6】
前記タッチセンサ及び前記圧力センサは、
前記ディスプレイを横切る光ビームを放出するために前記ハウジング内の該ディスプレイの下にある共有の複数の光エミッタと、
前記放出された光ビームを受光するために前記ハウジング内の前記ディスプレイの下にある共有の複数の光レシーバと、
(i)前記光レシーバのうちの第1のもので予想される光の量よりも少ない受光に基づくタッチの場所、及び(ii)該レシーバのうちの第2のもので予想される光の量よりも多い受光に基づく該タッチの圧力を判断するために該レシーバに接続された共有計算ユニットと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項7】
前記第2のスクロール指令は、それが前記第1のスクロール指令によって先行された時だけ適用されることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、その内容の全体がこれにより明細書に組み込まれる本発明者RemoBehdasht、Richard Henriksson、Thomas Eriksson、Joseph Shain、Anders Jansson、Niklas Kvist、Robert Petterson、Lars Sparf、及びJohn Karlssonによる2012年1月29日出願の「光ベースのタッチスクリーンのためのユーザインタフェース」という名称の米国特許仮出願番号第61/591,921号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本発明の分野は、圧力感応タッチスクリーンである。
【背景技術】
【0003】
多くの消費者電子デバイスは、現在、指又はスタイラスタッチユーザ入力と共に使用するためのタッチ感応スクリーンを組み込んでいる。これらのデバイスは、移動電話及び車載娯楽システムのような小型スクリーンデバイスからノートブックコンピュータのような中型スクリーンデバイス、更に空港の搭乗手続きステーションのような大型スクリーンデバイスに及んでいる。しかし、タッチスクリーンは、一般的に、指又はスタイラスタップ及びスイープ動作の形態のユーザ入力に制限される。スクリーンに印加される圧力の量の検出を可能にする圧力感応ディスプレイは、ユーザインタフェースに対する追加の可能性を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第12/486,033号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の態様は、タッチ場所及びスクリーンに印加された圧力の量の両方を検出するタッチスクリーンのためのユーザインタフェースに関する。
【0006】
本発明の更に別の態様は、これらのユーザインタフェースを実施するタッチスクリーンに関し、一実施形態において、光エミッタと光レシーバとのアレイを使用してタッチセンサ及び圧力センサの両方を実施するタッチスクリーンに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の実施形態により、ハードタッチとソフトタッチの間で判別する光ベースのタッチスクリーンを提供する。一実施形態において、剛的に装着されたスクリーンは、エミッタ及びレシーバによって取り囲まれる。ハードタッチは、ハードタッチによって引き起こされる剛的に装着されたスクリーンの曲げから生じる複数のレシーバで検出される光の増加によってソフトタッチとは区別される。別の実施形態において、スクリーンは、剛的に装着されたエミッタ及びレシーバによって取り囲まれたハウジングに柔軟に装着される。タッチの圧力は、スクリーンをハウジングの中に降下させ、複数のレシーバで検出される光の増加をもたらす。異なる圧力の量は、検出される光の増加量の差に対応する。
【0008】
これに加えて、本発明の実施形態により、ハウジングと、ハウジングに装着されたディスプレイと、ディスプレイの上面に沿ってグライドする物体を識別するためにハウジングに装着されてディスプレイに接続されたタッチセンサと、ディスプレイに圧力が印加されていると判断するためにハウジングに装着されてディスプレイに接続された圧力センサと、ディスプレイの上面に沿ってグライドしている物体を識別するタッチセンサに応答してディスプレイ上にレンダリングされた画像に第1のスクロール指令を適用するために、かつ圧力がディスプレイに印加されていると判断する圧力センサに応答して画像に第2のスクロール指令を適用するためにハウジングに装着されてタッチ及び圧力センサにかつディスプレイに接続されたプロセッサとを含むタッチスクリーンを提供する。
【0009】
更に、本発明の実施形態により、タッチ感応及び圧力感応ディスプレイを含む電子デバイスのプロセッサによって実行された時に、プロセッサをして電子デバイスのユーザインタフェースを有効にさせ、それによってディスプレイに沿ったグライド動作及びディスプレイに印加された圧力の量の両方が同じユーザインタフェース指令を発生させる命令を格納する持続性コンピュータ可読媒体を提供する。
【0010】
更に、本発明の実施形態により、タッチ感応及び圧力感応ディスプレイを含む電子デバイスのプロセッサによって実行された時に、プロセッサをしてデバイスのユーザインタフェースを有効にさせ、それによってディスプレイ上にレンダリングされた画像が、ディスプレイに印加されている圧力に応答してズーミングされ、それによってズーミングが、最初に圧力が印加された画像内の場所がズーミングされた画像の中心であるように実行される命令を格納する持続性コンピュータ可読媒体を提供する。
【0011】
本発明は、図面と共に与えられる以下の詳細説明からより完全に理解され、かつ認められるであろう。
【0012】
図では、100台に付番された要素は、一般的に光ビームに関し、200台に付番された要素は、一般的に光源に関し、300台に付番された要素は、一般的に光レシーバに関し、500台に付番された要素は、一般的に導光体に関し、700台に付番された要素は、一般的に回路要素に関し、800台に付番された要素は、一般的に電子デバイスに関し、900台に付番された要素は、一般的にユーザインタフェースに関する。1000台に付番された要素は、流れ図の作動である。
【0013】
類似に付番された要素は、同じタイプの要素を表すが、それらは、同一の要素である必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態による16エミッタ及び16レシーバを有するタッチスクリーンを示す図である。
【
図2】本発明の実施形態により圧力感応タッチスクリーン上でズーム機能を起動する方法を示す略流れ図である。
【
図3】本発明の実施形態による圧力感応タッチスクリーン上のズーム機能の起動の概略図である。
【
図4】本発明の実施形態により圧力感応タッチスクリーン上でスクロール機能を起動する方法を示す略流れ図である。
【
図5】本発明の実施形態によりハードプレスの発生を検出するタッチスクリーンを示す図である。
【
図6】本発明の実施形態によりハードプレスの発生を検出するタッチスクリーンを示す図である。
【
図7】本発明の実施形態によりハードプレスの発生を検出するタッチスクリーンを示す図である。
【
図8】本発明の実施形態によりハードプレスの発生を検出するタッチスクリーンを示す図である。
【
図9】本発明の実施形態により剛的に装着された7インチLCDスクリーンに圧力が印加された時に検出される光の増加を示す棒グラフである。
【
図10】本発明の実施形態により剛的に装着された7インチLCDスクリーンに圧力が印加された時に検出される光の増加を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の態様は、圧力感応タッチスクリーン及びタッチ表面に関する。
【0016】
説明を明確にするために、本明細書を通して「タッチスクリーン」という語は、電子ディスプレイを含むか又は含まない場合があるタッチ感応表面を指すための一般用語として使用される。従って、本明細書で使用される「タッチスクリーン」という語は、取り分け、多くのラップトップコンピュータに含まれるマウスタッチパッド及び手持ち式電子デバイスのカバーを含む。「光学タッチスクリーン」という語は、取り分け、予想される光の強度と検出される光の強度の差に基づいてタッチを検出するスクリーンを含む光ベースのタッチスクリーンを指す一般用語として使用され、検出される光の強度は、予想される光の強度よりも強いか又は弱い場合がある。「スクリーンガラス」という語は、透明なスクリーン表面を指す一般用語として使用される。スクリーンは、取り分け、ガラスから、又は取り分け、クリスタル、アクリル、及びプラスチックを含むガラス以外の材料から製造することができる。本発明の一部の実施形態において、スクリーンは、近赤外線光を通すが、それ以外は不透明である。
【0017】
説明を明確にするために、本明細書を通して「エミッタ」という語は、特に発光ダイオード(LED)及び光をディスプレイ表面に向けるレンズ又は反射器に光を出力する光ファイバ又は管状導光体の出力端を含む発光要素を指すための一般用語として使用される。「レシーバ」という語は、特にフォトダイオード(PD)及びディスプレイ表面を横断した光ビームを受光してこれを光検出要素又は特に電荷結合デバイス(CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサである画像センサに向ける光ファイバ又は管状導光体の入力端を含む光検出要素を指すための一般用語として使用される。
【0018】
本発明は、取り分け、抵抗式、容量式、投影容量式、及び光ベースのタッチセンサを含む様々なタッチスクリーン技術を使用する複数の実施形態を有する。同様に、多くの異なる圧力感知技術が本発明の様々な実施形態に使用される。説明の目的で、本明細書は、光ベースのタッチセンサ及び圧力センサを説明するが、他のタイプのセンサも本発明の範囲に含まれる。
【0019】
本発明の実施形態により、光ベースのタッチスクリーンは、特に赤外線又は近赤外線発光ダイオード(LED)を含む1つ又はそれよりも多くのエミッタ、及びタッチスクリーン又はタッチ表面を取り囲む周囲に沿って配置された特にフォトダイオード(PD)を含む複数のレシーバを含む。エミッタは、スクリーン表面に実質的に平行に光を投影し、この光がレシーバによって検出される。スクリーンの一部分の上に置かれた指又はスタイラスのようなポインタが光ビームの一部を遮り、それに応答してレシーバの一部は光の強度を検出しない。レシーバの位置の形状及びレシーバが検出する光の強度は、ポインタのスクリーン座標を決定するのに十分である。エミッタ及びレシーバは、コントローラによる選択的起動及び停止に対して制御される。一般的に、各エミッタ及びレシーバは、I/Oコネクタを有し、信号が、起動されるエミッタ及びレシーバを指定するために送信される。
【0020】
本発明の実施形態において、複数のエミッタが、矩形のスクリーンの2つの隣接する側面に沿って配置され、複数のレシーバが、他方の2つの隣接する側面に沿って配置される。これに関して、
図1を参照すると、本発明の実施形態による16のエミッタ200及び16のレシーバ300を有するタッチスクリーン800の図が示されている。エミッタ200は、タッチスクリーンの上部全体に赤外線又は近赤外線光ビームを放出し、それぞれのエミッタ200の真向いの対応するレシーバ300によって検出される。ポインタがタッチスクリーン800にタッチした時に、ポインタは、レシーバ300の一部に光が到達することを遮る。どの光ビームがポインタによって遮られたかをレシーバ出力から識別することにより、ポインタの場所を決定することができる。
【0021】
本発明の実施形態は、タッチ作動中にタッチ感応表面に印加された圧力の量を検出する。圧力の検出は、ライトタッチとハードプレスの判別を可能にし、かつ別のアクションをタッチとプレスに関連付けるユーザインタフェースに対して有用である。例えば、ユーザは、ボタン又はアイコンをそれにタッチすることによって選択することができ、かつボタン又はアイコンに関連付けられた機能をそれをプレスすることによって起動することができる。このようなユーザインタフェースは、「移動コンピュータユニットのためのユーザインタフェース」という名称の本出願人の現在特許出願中の米国特許出願第12/486,033号明細書に記載されている。
【0022】
中央処理ユニットへのタッチセンサ及び圧力センサ入力は、処理ユニットが非圧力タッチ動作と圧力を印加するタッチ動作との間を区別することを可能にする。これは、処理ユニットが、非圧力タッチのためのタップ及びスイープ動作の標準的な組と、ある程度の下向きの圧力がスクリーン表面に印加された時のユーザ入力の追加の組とを提供することを可能にする。
【0023】
本発明の一部の実施形態において、圧力動作は、ズーム指令を起動するのに使用され、すなわち、ユーザは、画像を拡大するためにスクリーン上に表示された画像を押下する。ズーム指令は、一般的に、スクリーンが押下されている間に時間と共にズーム比が徐々に増大する滑らかなズームである。本発明の一実施形態において、圧力センサは、印加された圧力の複数のレベルを判別し、ズーム比が増加する速度は、検出される圧力の量に対応し、従って、より大きい圧力は、より速い増加速度に対応する。
【0024】
図2を参照すると、本発明の実施形態により圧力感応タッチスクリーン上でズーム機能を起動する方法の簡略な流れ図が示されている。作動1011で、タッチがタッチスクリーン上で検出されたか否かの判断が行われる。検出されなかった場合に、本方法は終了する。検出された場合に、作動1012で、圧力がタッチスクリーンに印加されているか否かの判断が更に行われる。印加されていない場合に、本方法は、作動1011に戻る。印加されている場合に、スクリーンに印加されている圧力の現在のレベルが検出され、前にスクリーンに印加された圧力のレベルと比較される。現在の圧力レベルが前の圧力レベルよりも高いと作動1013で判断された場合に、作動1015で、ズーミングの速度が上がり、本方法は作動1012に戻る。そうではなく、現在の圧力レベルが前の圧力レベルよりも低いと作動1014で判断された場合に、作動1016で、ズーミングの速度が下がり、本方法は作動1012に戻る。そうでなければ、現在の圧力と前の圧力レベルが同じであり、作動1017で、ズーミング速度が維持され、本方法は作動1012に戻る。
【0025】
ピンチ又はスプレッド動作によって起動される指令のような従来のズーム指令は、表示された画像部分の中心にズームインする。画像の異なる部分にズームインするためには、ユーザは、望ましい場所にその中心をもたらすように画像をパンし、次に、ズーム指令を実行しなければならない。
【0026】
対照的に、本発明の実施形態により、ズーミングの中心は、ディスプレイでタッチされた場所である。
図3を参照すると、本発明の実施形態による圧力感応タッチスクリーン上のズーム機能の起動の概略図が示されている。
図3は、ズーム作動が実行される前及び実行された後の圧力感応タッチスクリーン800の2つの画像を示している。ズーム作動が実行される前のタッチスクリーン800を示している上側の画像では、タッチスクリーン800がスクリーンの右上コーナに飛行機を表示している。指900は、ズーム機能を起動するために飛行機の位置でタッチスクリーン800に下向きの圧力を印加しているように示されている。タッチスクリーン800は、指900の場所を検出し、その場所にズーミングされた画像の中心を置く。従って、ズーム作動が実行された後のタッチスクリーン800を示している下側の画像では、飛行機がタッチスクリーン800の中心にある。指900は、ズーミングを通してその元の場所に留まっている。
【0027】
本発明の実施形態において、圧力センサは、スクロール指令のパラメータを制御する。文書又は他のオブジェクトの表示がタッチスクリーン800の限界を超えて拡大した時に、文書又はオブジェクトの一部分が表示され、ユーザは、文書又はオブジェクトを上又は下にスクロールするためにスクリーンの垂直方向に沿って指をスイープする。一実施形態において、ユーザの指がスクリーンの上縁又は下縁に到達した時でも、スクリーンとの接触が維持される限りスクロールは継続する。この実施形態において、スクロールの速度は、タッチスクリーン800に指によって印加された圧力の量に基づいて判断され、従って、より大きいスクリーン上の圧力は、より速いスクロール速度に対応する。
【0028】
多くの場合に、大きい文書又はオブジェクトをスクロールするユーザがスクロールの速度を動的に変えることは有用である。例えば、ユーザは、文書内の望ましい区域に移動するために迅速にスクロールし、次に、望ましい区域内でスクロールをゆっくり続けることを望む場合がある。本発明の実施形態により、ユーザは、タッチスクリーン800に指によって印加される圧力の量を調節することにより、スクロール速度を制御する。一実施形態において、ユーザは、スクリーンに更に圧力を印加することによってスクロール速度を遅くする。従って、文書のナビゲートは直感的であり、すなわち、ユーザは、垂直方向のスクロール動作の後にタッチスクリーン800との接触を維持することによってスクロールを開始し、次に、圧力をスクリーンに印加してスクロール速度を下げる。多くの場合に、圧力を低減するよりも圧力を増す方がユーザにとって容易である。
【0029】
図4を参照すると、本発明の実施形態により圧力感応タッチスクリーン上でスクロール機能を起動する方法の略流れ図が示されている。作動1021で、ユーザは、タッチスクリーンに沿って垂直方向に指をスイープすることにより文書又は他のオブジェクトをスクロールする。作動1022で、指がタッチスクリーンの縁部に到達したか否かの判断が行われる。到達した場合に、作動1023で、タッチがまだ維持されているか否かの判断が行われる。維持されていない場合に、本方法は終了する。そうでなければ、スクリーンに印加されている圧力の現在のレベルが検出され、スクリーンに前に印加された圧力のレベルと比較される。現在の圧力レベルが前の圧力レベルよりも高いと作動1024で判断された場合に、作動1025で、スクロール速度が低減され、本方法は作動1023に戻る。そうでなければ、作動1025で、スクロール速度が維持され、同じ速度でスクロールが続けられ、本方法は作動1023に戻る。
【0030】
本発明の一部の実施形態において、タッチ対応デバイスは、PCBのようなベース平面、ベース平面に固定された導光体フレーム、及び導光体フレームの内側で固定されていないタッチスクリーンを吊るす又は「浮かせる」ためにベース平面に取り付けられた弾性部材を含む。タッチスクリーン上のプレスは、z軸に沿って浮いているタッチスクリーンを歪め、導光体フレームの多くを露出させる。上述したようにスクリーンの上に光を向ける導光体フレーム反射器は、露出によってより多くの光がスクリーンを横切ることができるように形成される。従って、スクリーン上のハードプレスが起こった時に、レシーバの多くは、検出した光における突然の増加を検出する。更に、ハードプレスの検出は、同時に検出されるタッチに応じて条件を付けることができ、従って、周囲光における突然の増加によるハードプレスの誤った検出を防ぐ。下向きの圧力が解除された時に、弾性部材が、導光体フレーム内の元の位置にスクリーンを戻す。
【0031】
図5−8を参照すると、本発明の実施形態によりハードプレスの発生を検出するタッチスクリーン800が示されている。
図5は、静止位置のタッチスクリーン800を示しており、スクリーン800は、プリント回路基板700上に装着されて可撓性空隙843を生成する弾力性支持部材841及び842によって支持されている。
図5は、2つの導光体518及び519を示し、一方は、スクリーン800の上のエミッタ200からの光100をレシーバ300に向けるためにスクリーン800のいずれかの側にある。各導光体518及び519の小さい上側部分だけが、スクリーン800の上方に延びている。レシーバ300は、検出された光強度を計算ユニット770に通信する。
【0032】
図6は、部材841及び842に可撓性空隙843を圧縮及び狭めさせるスクリーン上を押し下げる指900を示している。この結果、導光体518及び519のより大きい部分は、スクリーン800の上方に露出され、従って、(a)エミッタ200からの多くの光100がスクリーン800を横断し、レシーバ300によって検出することができ、かつ(b)より多くの周囲光101がレシーバ300に達することができる。様々な実施形態において、検出された光におけるこれらの増加のいずれか又は両方が、ハードプレスを示すのに使用される。他の実施形態において、印加された下向き圧力の量が、追加の検出光の量に基づいて決定され、従って、ハードタッチとハードではないタッチの判別を可能にする。
【0033】
一部の実施形態において、導光体フレームは、下向きの圧力がスクリーン800に印加されなかった場合に弾性部材841及び842の上方の力を釣り合わせるためにスクリーン800の縁部の上に延びる
図7に示す突出リップ520及び521を含む。弾性部材841及び842は、取り分け、可撓性装着材料、捩りバネ、弾性ポリマー体、又は油圧サスペンションシステムを含むことができる。
図8は、単一のPCB700上に配置されたエミッタ200と、計算ユニット770に結合されたレシーバ300と、弾性部材841及び842とを示している。
【0034】
他の実施形態において、タッチスクリーンは、フレームに対して移動することができない。しかし、スクリーンは、ハードプレスに応じて幾分伸縮又は曲げることができる。スクリーンの屈曲は、レシーバの多くの検出された光の突然の増加を引き起こし、スクリーン上のハードプレスを示す。上述したように、ハードプレスの検出は、同時に検出されるタッチに応じて条件付けることができ、従って、デバイスへの衝撃に応じたハードプレスの誤った検出を防ぐ。
【0035】
図9及び10を参照すると、本発明の実施形態により、固定された7インチLCDスクリーンに圧力が印加された時の検出された光の増加を示す棒グラフが示されている。棒グラフは、ソフトタッチが起こった時(
図9)及びハードタッチが起こった時(
図10)のスクリーンの1つの縁部に沿った各エミッタからの検出される光の量を示している。光エミッタ及び光レシーバは、シフト位置合わせされ、それによって各エミッタからの光が2つのレシーバによって検出される。従って、2つの棒が各エミッタに対して示され、2つのレシーバの各々によって検出された光を示す。両方の棒は、光が検出されなかった場合にタッチがLED4の反対側のレシーバで検出されたことを示す。棒グラフは、ソフトタッチの場合よりもハードタッチの場合に隣接するエミッタからより多くの光が検出されることを示している。
【0036】
本発明は、小型、中型、及び大型スクリーンを含むタッチ感応スクリーンを備えた電子デバイスに対する様々な応用を有する。このようなデバイスは、取り分け、コンピュータ、家庭娯楽システム、車載娯楽システム、セキュリティシステム、PDA、携帯電話、電子ゲーム及び玩具、デジタルフォトフレーム、デジタル楽器、電子書籍読取器、TV、及びGPSナビゲータを含む。
【0037】
以上の明細書では、本発明をその特定の例示的な実施形態に関して説明した。しかし、添付の特許請求の範囲に示すような本発明の広範な精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正及び変形を特定の例示的な実施形態に対して行うことができることは明らかであろう。従って、本明細書及び図面は、制限の意味ではなく例示的な意味と見なすものとする。
【符号の説明】
【0038】
100 光
200 エミッタ
300 レシーバ
800 タッチスクリーン
843 可撓性空隙