(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5964472
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】ロボットと工作機械の動作制限機能を有する加工システム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/18 20060101AFI20160721BHJP
B25J 19/06 20060101ALI20160721BHJP
B23Q 11/00 20060101ALI20160721BHJP
F16P 3/14 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
G05B19/18 X
B25J19/06
G05B19/18 D
B23Q11/00 D
F16P3/14
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-19380(P2015-19380)
(22)【出願日】2015年2月3日
【審査請求日】2016年1月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 高弘
【審査官】
牧 初
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−64158(JP,A)
【文献】
特開昭59−169747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/18−19/416
G05B 19/42−19/46
B25J 1/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
数値制御装置により制御される工作機械と、ロボット制御装置により制御され、作業を行うロボットとを有する加工システムにおいて、
前記加工システム内の作業者に危険が及ぶ領域に作業者が存在するかどうかを検出する作業者検出装置を備え、
前記ロボット制御装置は、
前記作業者検出装置の検出結果から前記工作機械の動作制限を決定する動作決定手段と、
前記動作決定手段が決定した動作制限を前記数値制御装置に通知する通知手段と、を有し、
前記数値制御装置は、
前記通知された動作制限に従って前記工作機械の動作を制限する、
ことを特徴とする加工システム。
【請求項2】
前記動作決定手段は、
前記作業者検出装置の検出結果から、前記工作機械と前記作業者との距離を算出する作業者位置算出手段を有し、
前記作業者位置算出手段の作業者位置算出結果から前記工作機械の動作制限を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の加工システム。
【請求項3】
数値制御装置により制御される工作機械と、ロボット制御装置により制御され、作業を行うロボットとを有する加工システムにおいて、
前記加工システム内の作業者に危険が及ぶ領域に作業者が存在するかどうかを検出する作業者検出装置を備え、
前記数値制御装置は、
前記作業者検出装置の検出結果から前記ロボットの動作制限を決定する動作決定手段と、
前記動作決定手段が決定した動作制限を前記ロボット制御装置に通知する通知手段と、を有し、
前記ロボット制御装置は、
前記通知された動作制限に従って前記ロボットの動作を制限する、
ことを特徴とする加工システム。
【請求項4】
前記動作決定手段は、
前記作業者検出装置の検出結果から、前記ロボットと前記作業者との距離を算出する作業者位置算出装置を有し、
前記作業者位置算出装置の作業者位置算出結果から前記ロボットの動作制限を決定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の加工システム。
【請求項5】
前記動作決定手段は、
少なくとも二つの動作制限レベルを有し、
前記動作制限レベルに対応する動作制限の内容および設定を記憶するメモリを有し、
前記動作制限レベルを選択することで、前記メモリに記憶した動作制限を設定する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の加工システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工システムに関し、特に、工作機械とロボットを含む要素から構成される加工システムにおいて、効率的に作業者の安全を確保することができる加工システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットと工作機械が構成要素として含まれる加工システムにおいて、従来、生産性の高い加工システムを確立するため、作業者がシステム内に立ち入らないことを前提に、ロボットの動作速度、工作機械の扉開閉速度や軸送り速度などを速くしてきた。しかしながら近年、ロボットを停止することなく、作業者がパレットの交換やワークの補充等の作業を行うことが可能となる「安全柵を必要としないロボット」の開発が進んでいる。
【0003】
これらのロボットはセンサを使用し、作業者とロボットの距離に応じて動作が制限される。これらのロボットをロボットシステムに適用した場合、同じ加工システム内の工作機械にも作業者がアクセス可能となるため、工作機械の動作制限用のセンサ(例えば特許文献1、特許文献2)を新たに追加する必要がある。
【0004】
また、特許文献3では、センサと安全コントローラを用い、ロボットの稼動範囲と作業者の侵入禁止領域を随時変更することが出来、ロボットと作業者が近接する環境でも安全で効率的な作業を可能にしている。更に、特許文献4では、ロボットに受信機、作業者に発信機をそれぞれ取り付け、その情報からロボットに対する作業者の位置を検出し、作業者の動作領域を設定することで、ロボットの動作範囲を制限している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−107170号公報
【特許文献2】特許第4306104号公報
【特許文献3】特開2007−283450号公報
【特許文献4】特開2006−043862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜4に開示される技術を導入するためには、作業者の安全を確保するために、ロボットや工作機械ごとに、動作制限用のセンサのためのセンサを設置しなければならず、コスト面における問題があった。一方で、コスト面を重視して、センサを設置せずに、従来同様、効率を重視して工作機械の動作速度を向上した場合、作業者がパレットの交換やワークの補充等の作業を行なう際や工作機械の付近に誤って進入した際に、ドアの開閉や、テーブルやコラムや主軸が高速で動作した場合に、切粉や十分に固定されていないワーク等が機外に投げ出される等、作業者に危険が及ぶ可能性がある。逆に、作業者の安全を確保するため工作機械の動作に制限をかけた場合、作業者がいない場合でも動作に制限がかかり、非効率となる。
【0007】
そこで本発明の目的は、工作機械とロボットを含む要素から構成される加工システムにおいて、工作機械に新たにセンサ及び配線を追加することなく、効率的に作業者の安全を確保することができる加工システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の請求項1に係る発明は、数値制御装置により制御される工作機械と、ロボット制御装置により制御され、作業を行うロボットとを有する加工システムにおいて、前記加工システム内の作業者に危険が及ぶ領域に作業者が存在するかどうかを検出する作業者検出装置を備え、前記ロボット制御装置は、前記作業者検出装置の検出結果から前記工作機械の動作制限を決定する動作決定手段と、前記動作決定手段が決定した動作制限を前記数値制御装置に通知する通知手段と、を有し、前記数値制御装置は、前記通知された動作制限に従って前記工作機械の動作を制限する、ことを特徴とする加工システムである。
【0009】
本願の請求項2に係る発明は、前記動作決定手段は、前記作業者検出装置の検出結果から、前記工作機械と前記作業者との距離を算出する作業者位置算出手段を有し、前記作業者位置算出手段の作業者位置算出結果から前記工作機械の動作制限を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の加工システムである。
【0010】
本願の請求項3に係る発明は、数値制御装置により制御される工作機械と、ロボット制御装置により制御され、作業を行うロボットとを有する加工システムにおいて、前記加工システム内の作業者に危険が及ぶ領域に作業者が存在するかどうかを検出する作業者検出装置を備え、前記数値制御装置は、前記作業者検出装置の検出結果から前記ロボットの動作制限を決定する動作決定手段と、前記動作決定手段が決定した動作制限を前記ロボット制御装置に通知する通知手段と、を有し、前記ロボット制御装置は、前記通知された動作制限に従って前記ロボットの動作を制限する、ことを特徴とする加工システムである。
【0011】
本願の請求項4に係る発明は、前記動作決定手段は、前記作業者検出装置の検出結果から、前記ロボットと前記作業者との距離を算出する作業者位置算出装置を有し、前記作業者位置算出装置の作業者位置算出結果から前記ロボットの動作制限を決定する、ことを特徴とする請求項3に記載の加工システムである。
【0012】
本願の請求項5に係る発明は、前記動作決定手段は、少なくとも二つの動作制限レベルを有し、前記動作制限レベルに対応する動作制限の内容および設定を記憶するメモリを有し、前記動作制限レベルを選択することで、前記メモリに記憶した動作制限を設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の加工システムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、工作機械に新たにセンサ及び配線を追加することなく、効率的に作業者の安全を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態における加工システムの要部ブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態における加工システム上で実行される処理のフローチャートである。
【
図3】複数のセンサを用いて作業者を検出する場合の加工システムの構成例である。
【
図4】作業者を検出したセンサによって動作制限レベルを決定する処理のフローチャートである。
【
図5】作業者の工作機械からの距離を検出する場合の加工システムの構成例である。
【
図6】作業者の工作機械からの距離により動作制限レベルを決定する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
本発明では、工作機械とロボットを含む要素から構成される加工システムにおいて、工作機械に新たにセンサ及び配線を追加することなく、工作機械と作業者の距離が近いときには、工作機械のドアの開閉速度やドア開時のテーブル送り速度や主軸回転速度に制限をかけ作業者の安全を確保し、工作機械と作業者の距離が十分に離れている際には、ドア開時のテーブル送り速度や主軸回転速度の制限を無効にし、テーブル送りや主軸回転の加減速と扉の開閉をオーバラップさせる等の方法で、工作機械の動作を速める。
【0016】
より具体的には、ロボットに対する安全対策用のセンサの検出結果から作業者と工作機械の距離をロボットが計算し、計算した作業者の位置に応じてドア開閉速度や各軸送り速度や主軸回転速度を決定する。そして、決定した設定内容に基づいて工作機械の動作速度を設定する。
【0017】
元々ロボットに対する安全対策用のセンサを使用するため、工作機械に対するセンサ及び配線を追加する必要がなく、作業者の位置を監視しながらロボットと共に工作機械の動作速度を変更することで、作業者の安全を確保でき かつ 作業者効率的な加工システムを実現できる。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態における加工システムの概略ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態における加工システム1は、ロボット10と工作機械20からなり、それぞれ制御装置(ロボットコントローラ30、数値制御装置40)を持ち、それぞれ制御装置を介して接続されている。作業者検出装置50は、ロボット10に対する安全対策用に作業者の位置を測定するセンサを備えており、該センサが出力する測定結果に基づいて作業領域内の作業者の位置を検出し、検出結果をロボットコントローラ30へ出力する。そして、ロボットコントローラ30は、作業者検出装置50から出力された検出結果を使用して、ロボットの動作制限を行っている。
【0019】
図2に本実施形態における加工システム1の動作の全体の流れを示す。本実施形態では、工作機械20に対して、少なくとも2つの動作制限レベルLを設定し、それぞれの動作制限レベルに対応する動作制限(ドア開閉時最大速度制限やドア開時の最大テーブル送り速度制限、最大主軸回転速度制限、警告音や警告ランプによる報知等)を工作機械20に登録する。本実施形態の場合、各レベルをL
1、L
2と表現し、添え字の数字が大きいほど制限が強くなることとする。また、動作制限レベルを弱める際に使用するカウンタNと、動作制限を弱める判断に使用する閾値Xを用意する。また、L’は工作機械20に現在設定されている動作制限レベルを記憶しておくロボットコントローラ30内の内部変数である。なお、
図2の処理は、一定時間毎に周期的に実行される。
【0020】
●[ステップSA01]作業者検出装置50が、ロボット10に対する安全対策用のセンサの測定結果に基づいて作業者の位置を検出し、該検出結果をロボットコントローラ30へ出力する。
●[ステップSA02]ロボットコントローラ30は、一定のアルゴリズム(後述)に則り、動作制限レベルLを決定する。
●[ステップSA03]ロボットコントローラ30は、工作機械20に現在設定されている動作制限レベルL’と、ステップSA02で決定した動作レベルLとが一致するか否かを判定する。動作制限レベルL’と動作レベルLが一致しない場合にはステップSA04へ進み、一致する場合にはステップSA07へ進む。
【0021】
●[ステップSA04]ロボットコントローラ30は、工作機械20に現在設定されている動作制限レベルL’と、ステップSA02で決定した動作レベルLの強さを比較する。L’がLより小さい場合にはステップSA08へ進み、L’がL以上であればステップSA05へ進む。
●[ステップSA05]ロボットコントローラ30は、工作機械20に現在設定されている動作制限レベルL’よりもステップSA02で決定した動作レベルLの制限が弱い場合、危険方向への変更となるため即座に動作制限レベルを送信せずに、カウンタNをインクリメントする。
●[ステップSA06]ロボットコントローラ30は、カウンタNと、あらかじめ設定されている確認周期の閾値Xとを比較する。カウンタNが閾値Xよりも大きい場合にはステップSA08へ進み、それ以外は今周期の本処理を終了する。
【0022】
●[ステップSA07]ロボットコントローラ30は、カウンタNをクリアして、今周期の本処理を終了する。
●[ステップSA08]ロボットコントローラ30は、カウンタNをクリアする。
●[ステップSA09]ロボットコントローラ30は、工作機械20に設定する動作制限レベルL’をLで更新する。
【0023】
●[ステップSA10]ロボットコントローラ30は、ステップSA09で更新した動作制限レベルL’を工作機械20へ送信する。
●[ステップSA11]工作機械20は、更新された動作制限レベルL’を受信する。
●[ステップSA12]工作機械20は、受信した動作制限レベルに応じて、予め割り付けられた動作制限の設定を、加工動作や、周辺機器などの動作に反映させる。
【0024】
なお、上述した処理フローでは、動作制限として、あらかじめ工作機械20に動作制限レベルを設定し、それぞれの動作制限レベルに工作機械20の動作制限を割り当て、ロボットコントローラ30が決定した動作制限レベルを受信した際に、受信した動作制限レベルに割り当てられた動作制限の設定を反映する方法を説明したが、動作制限レベルを設定せずに、ロボット側が工作機械20の動作制限を直接決定し、送信する方法でもかまわない。
【0025】
図3は、作業者検出装置50として、ロボットに2つのエリアセンサ等の作業者の有無を検出するセンサを設け、それぞれのセンサによる作業者の検出状況に応じて動作制限レベルを変更する場合の例を示している。
図3において、ロボット10は、センサ51、センサ52を備えており、センサ51側の領域に作業者が立ち入った場合には動作制限レベルをL
1に、センサ52側の領域に作業者が立ち入った場合には動作宣言レベルをL
2に、いずれのセンサでも検知されていない場合には動作制限レベルをL
3に、それぞれ決定するようにあらかじめ設定されている。
【0026】
図4は、
図3のように構成された加工システムにおいて、センサ51、センサ52による測定結果に基づいて、ロボットコントローラ30が動作制限レベルを決定するアルゴリズム(
図2のステップSA02における処理)を示すフローチャートである。
●[ステップSB01]センサ51が作業者を検出しているか否かを判定する。センサ51が作業者を検出している場合にはステップSB02へ進み、検出していない場合にはステップSB03へ進む。
●[ステップSB02]動作制限レベルLをL
1に決定する。
【0027】
●[ステップSB03]センサ52が作業者を検出しているか否かを判定する。センサ52が作業者を検出している場合にはステップSB04へ進み、検出していない場合にはステップSB05へ進む。
●[ステップSB04]動作制限レベルLをL
2に決定する。
●[ステップSB05]動作制限レベルLをL
3に決定する。
【0028】
なお、
図3,4の例では2つのセンサを用いているが、1つ以上であればセンサの数は問わない。また、複数の異なる種類の検出方法をセンサを設け、これらセンサの組み合わせにより動作制限レベルを決定するようにしてもよい。
【0029】
図5は、作業者検出装置50として、ロボット10に、ロボット10から見た作業者の位置を出力するセンサ(図示せず)を設け、該センサにより検出された作業者の位置に応じて工作機械20の動作制限レベルを変更する場合の例を示している。本実施例において、ロボットコントローラ30(図示せず)は、作業者検出装置50から出力された検出結果を使用してロボット10と作業者との距離を算出して、該算出した距離に基づいてロボット30の動作制限を行う。
【0030】
また、ロボットコントローラ30のメモリには、ロボット10と工作機械20の距離や配置があらかじめ登録されており、該登録された距離や配置に基づいて工作機械20と作業者との距離を算出する。
ロボットコントローラ30のメモリには、作業者が工作機械のl
1範囲内にいる場合には動作制限レベルをL
1に、作業者が工作機械20のl
2範囲内にいる場合には動作制限レベルをL
2に、それ以上離れている場合には動作制限レベルをL
3に、それぞれ決定するようにあらかじめ設定されており、算出した工作機械20と作業者との距離と比較することで、工作機械20の動作制限レベルが決定される。
【0031】
図6は、
図5のように構成された加工システムにおいて、センサによる測定結果に基づいて、ロボットコントローラ30が工作機械の動作制限レベルを決定するアルゴリズム(
図2のステップSA02における処理)を示すフローチャートである。
●[ステップSC01]ロボット10が備えるセンサにより作業者の位置を検出し、該検出した作業者の位置と、メモリに記憶されている工作機械20の位置とから、作業者と工作機械20との距離を算出する。
【0032】
●[ステップSC02]ステップSC01で算出した距離がl
1より小さいか否かを判定する。l
1より小さい場合にはステップSC03へ進み、そうでない場合にはステップSC04へ進む。
●[ステップSC03]動作制限レベルLをL
1に決定する。
【0033】
●[ステップSC04]ステップSC01で算出した距離がl
2より小さいか否かを判定する。l
2より小さい場合にはステップSC05へ進み、そうでない場合にはステップSC06へ進む。
●[ステップSC05]動作制限レベルLをL
2に決定する。
●[ステップSC06]動作制限レベルLをL
3に決定する。
【0034】
なお、
図5,6の例では動作制限レベルを3つとしているが、2つ以上であれば動作制限レベルの数は問わない。
【0035】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態の例に限定されることなく、適宜の変更を加えることにより、様々な態様で実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、ロボット10に対する安全対策用センサの検出結果を使用して、ロボットコントローラ30が工作機械20の動作レベルを決定するように構成しているが、逆に、工作機械20に対する安全対策用のセンサの検出結果を使用して、数値制御装置40がロボット10の動作制限レベルを決定するように構成してもよく、その場合は、上述の説明に於けるロボット10側と工作機械20側の役割を入れ替えればよい。
【符号の説明】
【0036】
10 ロボット
20 工作機械
30 ロボットコントローラ
40 数値制御装置
50 作業者検出装置
51,52 センサ
【要約】
【課題】工作機械に新たにセンサ及び配線を追加することなく、効率的に作業者の安全を確保することができる加工システムを提供すること。
【解決手段】本発明の加工システムは、数値制御装置により制御される工作機械と、ロボット制御装置により制御され、作業を行うロボットと、加工システム内の作業者に危険が及ぶ領域に作業者が存在するかどうかを検出する作業者検出装置を備え、ロボット制御装置は、作業者検出装置の検出結果から工作機械の動作制限を決定する動作決定手段と、動作決定手段が決定した動作制限を数値制御装置に通知する通知手段とを有し、数値制御装置は、通知された動作制限に従って工作機械の動作を制限する、ことを特徴とする。工作機械の動作制限レベルの決定をロボット側で行うことで、工作機械に新たにセンサ及び配線を追加することなく、効率的に作業者の安全を確保することができる。
【選択図】
図1