特許第5964500号(P5964500)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964500
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】変調層を有する指向性バックライト
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/22 20060101AFI20160721BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20160721BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20160721BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20160721BHJP
   H04N 13/04 20060101ALI20160721BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20160721BHJP
   G02B 5/32 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   G02B27/22
   G02F1/13357
   G02F1/13 505
   G09F9/00 324
   H04N13/04 180
   G02B5/18
   G02B5/32
【請求項の数】24
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-514974(P2015-514974)
(86)(22)【出願日】2012年6月1日
(65)【公表番号】特表2015-530604(P2015-530604A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(86)【国際出願番号】US2012040607
(87)【国際公開番号】WO2013180737
(87)【国際公開日】20131205
【審査請求日】2015年4月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514274546
【氏名又は名称】レイア、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEIA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100103263
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 康
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド、エイ.ファタル
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ、エイ.ブルグ
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ、エム.サントリ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ、フィオレンティーノ
(72)【発明者】
【氏名】ペン、ゼン
【審査官】 右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−237416(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/003814(WO,A1)
【文献】 特開2008−083532(JP,A)
【文献】 特開2011−133677(JP,A)
【文献】 特開2006−184881(JP,A)
【文献】 特開2011−170178(JP,A)
【文献】 特開2004−077897(JP,A)
【文献】 特表2008−522173(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/152436(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/22 − 27/26
G02B 5/18
G02B 5/32
G02F 1/13 505
G02F 1/13357
G09F 9/00
H04N 13/04
G03H 1/00 − 5/00
F21S 2/00
F21V 8/00
G09F 13/00 − 13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力平面光ビームを導波するよう構成された透明材料のスラブを備える指向性バックプレーンであって、前記指向性バックプレーンは、前記導波された複数の入力平面光ビームの一部を、前記透明材料のスラブの表面から、3次元(3D)画像の異なる視界の方向に対応する複数の指向性光ビームへと回折させるよう構成された複数の指向性画素を有し、各指向性光ビームは、前記複数の指向性画素の1つの指向性画素の特性により制御された方向及び角拡散を有する、指向性バックプレーンと、
前記複数の指向性光ビームを変調するよう構成された複数の変調器を有する変調層と、
を備え、
前記複数の指向性画素の1つの指向性画素は、前記透明材料スラブの表面内及び表面上の一方または両方に、パターニングされた回折格子を備える、指向性バックライト。
【請求項2】
前記指向性バックプレーンの上に位置するスペーサ層を更に備える、請求項1に記載の指向性バックライト。
【請求項3】
前記変調層は、前記スペーサ層の上に位置する、請求項2に記載の指向性バックライト。
【請求項4】
前記指向性バックプレーンの前記透明材料スラブは、実質的に平面状であり、前記複数の入力平面光ビームは、前記実質的に平面状の透明材料スラブの面の中を伝播するよう構成されている、請求項1に記載の指向性バックライト。
【請求項5】
前記パターニングされた回折格子は、複数の実質的に平行な溝を有する、請求項1に記載の指向性バックライト。
【請求項6】
1つの指向性画素の前記特性は、前記パターニングされた回折格子における回折格子の長さ、回折格子の幅、回折格子の配向、回折格子のピッチ、及び回折格子のデューティサイクルを含む、請求項1に記載の指向性バックライト。
【請求項7】
前記パターニングされた回折格子における前記回折格子のピッチ及び前記回折格子の配向は、前記1つの指向性画素により回折出射される指向性光ビームの前記方向を制御する、請求項6に記載の指向性バックライト。
【請求項8】
前記パターニングされた回折格子における前記回折格子の長さ及び前記回折格子の幅は、前記1つの指向性画素により回折出射される指向性光ビームの前記角拡散を制御する、請求項6に記載の指向性バックライト。
【請求項9】
前記複数の変調器からの単一の変調器は、単一の指向性画素からの指向性光ビームを変調する、請求項1に記載の指向性バックライト。
【請求項10】
前記複数の変調器からの単一の変調器は、1組の複数の指向性画素からの指向性光ビームを変調する、請求項1に記載の指向性バックライト。
【請求項11】
前記指向性バックプレーンは、透明材料の多角形のスラブを備える、請求項1に記載の指向性バックライト。
【請求項12】
前記指向性バックプレーンは、透明材料の円形のスラブを備える、請求項1に記載の指向性バックライト。
【請求項13】
前記複数の指向性画素は、複数の多角形の指向性画素を備える、請求項1に記載の指向性バックライト。
【請求項14】
前記複数の指向性画素は、複数の円形の指向性画素を備える、請求項1に記載の指向性バックライト。
【請求項15】
前記変調層は、LCDベースの変調層を備え、前記複数の変調器は、複数のLCDセルを備える、請求項1に記載の指向性バックライト。
【請求項16】
変調層を有する指向性バックライトを用いて3D画像を生成する方法であって、
複数の指向性画素の複数の特性を規定し、各指向性画素は、パターニングされた回折格子を含み、
透明材料のスラブを備える指向性バックプレーンを作製し前記指向性バックプレーンは、前記指向性バックプレーンに設けられた前記複数の指向性画素を有、前記透明部材スラブは、光ビームを導波するよう構成され、
前記指向性バックプレーンの上に、複数の変調器を有する変調層を付加し、
前記指向性バックプレーンに複数の入力平面光ビームを照射し、前記複数の入力平面光ビームは、前記透明部材スラブ内で導波され、かつ前記透明材料スラブから前記複数の指向性画素により複数の指向性光ビームへと回折され、
前記複数の変調器を用いて前記複数の指向性光ビームを変調して、3D画像の複数の視界を生成する、
ことを含む方法。
【請求項17】
各指向性光ビームは、1つの指向性画素の特性により制御される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
1つの指向性画素の前記特性は、前記パターニングされた回折格子における回折格子の長さ、回折格子の幅、回折格子の配向、回折格子のピッチ、及び回折格子のデューティサイクルを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の変調器からの単一の変調器は、単一の指向性画素からの指向性光ビームを変調する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の変調器からの単一の変調器は、1組の複数の指向性画素からの指向性光ビームを変調する、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記変調層は、LCDベースの変調層を備え、前記複数の変調器は、複数のLCDセルを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
3次元(3D)画像形成指向性バックライトであって、
材料層を備える指向性バックプレーンであって、前記材料層は、光を平面光ビームとして前記材料層内に導波するよう構成され、前記指向性バックプレーンは、前記材料層内に導波された複数の入力平面光ビームの一部を、前記指向性バックプレーンの表面から離れるように配向された複数の指向性光ビームへと明視野として回折させるよう構成された複数の指向性画素を有し、各指向性光ビームは、前記複数の指向性画素の1つの指向性画素の特性により制御された方向及び角拡散を有する、指向性バックプレーンと、
前記複数の指向性光ビームを変調するよう構成された複数の変調器を有する変調層であって、前記変調層は、前記指向性バックプレーンの表面に隣接している、変調層と、
を備え、
前記複数の指向性画素の対応する組からの変調された複数の指向性光ビームの組は、3D画像を形成する複数の異なる視界の1つの視界を表す、3D画像形成指向性バックライト。
【請求項23】
前記変調層の各変調器は、単一の指向性画素からの単一の光ビームを変調するよう構成されている、請求項22に記載の3D画像形成指向性バックライト。
【請求項24】
1つの指向性画素のパターニングされた回折格子における回折格子のピッチ及び回折格子の配向は、前記1つの指向性画素により回折出射される指向性光ビームの方向を制御する、請求項22に記載の3D画像形成指向性バックライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2012年4月27日に出願された“Directional Pixel for Use in a Display Screen”という名称のPCT特許出願番号PCT/US2012/035573(代理人整理番号82963238)と、2012年5月31日に出願された“Directional Backlight”という名称のPCT特許出願番号 (代理人整理番号83011348)とに関連するものであり、いずれも本出願の譲受人に譲渡されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
表示画面に明視野(light field)を再生する能力は、画像処理及び表示技術における主要な探究であった。明視野は、空間内の各点を通って各方向に進むすべての光線の組である。いかなる自然な実際の光景も、その光景を通過するすべての光線の強度、色、及び方向に関する情報をもたらすその明視野により十分に特徴付けることができる。目標は、表示画面の閲覧者が、光景を、本人が直接経験するかのように経験することを可能にすることである。
【0003】
テレビ、パーソナルコンピュータ、ラップトップ機、及び携帯機器の現在利用可能な表示画面は、概して2次元のままであり、従って明視野を正確に再生することができない。3次元(“3D”)ディスプレイが最近出現したが、与える視界(view)の数が限られることに加えて、角度分解能及び空間分解能が不足するという欠点がある。例は、ホログラム、パララックスバリア、又はレンチキュラレンズに基づく3Dディスプレイを含んでいる。
【0004】
これらのディスプレイの間での共通の課題は、広範囲の視野角及び空間分解能にわたって優れた画質を達成するために、画素レベルで正確に制御される明視野を生成することが困難なことである。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、添付の図面とともに以下の詳細な説明と関連付けてより十分に理解することができ、添付の図面では、全体にわたって同様の参照符号は同様の部分を指している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】様々な例による指向性バックライト(directional backlight)の概略図を示す。
図2A図1による指向性バックライトの例示の上面図を示す。
図2B図1による指向性バックライトの例示の上面図を示す。
図3A図1による指向性バックライトのさらなる上面図を示す。
図3B図1による指向性バックライトのさらなる上面図を示す。
図4】三角形の形状を有する指向性バックライトを示す。
図5】六角形の形状を有する指向性バックライトを示す。
図6】円形の形状を有する指向性バックライトを示す。
図7】様々な例による指向性バックライトを用いて3D画像を生成するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
変調層(modulation layer)を有する指向性バックライトが開示される。本明細書で一般に用いられるように、指向性バックライトは、複数の指向性光ビームの形で明視野を提供するために使用される表示画面(例えばLCD表示画面)の層である。これらの指向性光ビームは、指向性バックライトの複数の指向性画素により散乱される。各指向性光ビームは、各種の1つの指向性画素から生じ、この指向性画素の特性に基づく所定の方向及び角拡散を有する。この顕著な指向性は、複数の指向性ビームを、複数の変調器(modulator)を使用して変調することを可能にする(即ち、オン/オフされるか又は明度が変化される)。これらの変調器は、例えば(複数の偏光器を有する又は有しない)液晶ディスプレイ(“LCD”)の複数のセルでもよい。微小電気機械(“MEMS”)の機構、流体の機構、磁気の機構、電気泳動の機構、又は電気信号を印加すると光の強度を変調するその他の機構を含む各種の機構に基づくものなど、その他のタイプの変調器が使用されてもよい。
【0008】
様々な例において、複数の指向性画素は、複数の入力平面光ビーム(input planar lightbeam)が照射される指向性バックプレーン(directional backplane)に設けられている。これらの指向性画素は、複数の入力平面光ビームを受け取り、これらの一部(fraction)を複数の指向性光ビームへと散乱させる。必要に応じてこれらの指向性光ビームを変調するために、これらの指向性画素の上に変調層が配置される。変調層は、複数の変調器(例えば複数のLCDセル)を含み、各変調器は、単一の指向性画素からの単一の指向性光ビーム、又は1組の複数の指向性画素からの1組の複数の指向性光ビームを変調する。変調層は、多数の異なる視界を有する3D画像を生成することを可能とし、各視界は、1組の複数の指向性光ビームにより提供される。
【0009】
様々な例において、指向性バックプレーンのこれらの指向性画素は、指向性バックプレーンの内部又は上部(top)に設けられた実質的に平行な複数の溝のパターニングされた複数の回折格子(grating)を有している。指向性バックプレーンは、例えば、入力平面光ビームを指向性画素内に導波(guide)する透明材料のスラブ(slab)でもよく、とりわけ例えば、窒化シリコン(“SiN”)、ガラス又は水晶、プラスチック、インジウムスズ酸化物(“ITO”)などの透明材料のスラブでもよい。パターニングされた回折格子は、指向性バックプレーン又は導波管(waveguide)に直接エッチングされた溝、又は指向性バックプレーン又は導波管の上部に堆積された材料(例えば、堆積されてエッチング又はリフトオフされ得る任意の材料であり、任意の誘電体又は金属を含む)で形成された溝から成り得る。これらの溝は、傾斜していてもよい。
【0010】
本明細書でより詳細に以下で説明されるように、各指向性画素は、回折格子の長さ(即ち、入力平面光ビームの伝播軸に沿った寸法)、回折格子の幅(即ち、入力平面光ビームの伝播軸を横切る寸法)、溝の配向、ピッチ、及びデューティサイクルにより規定することができる。各指向性画素は、溝の配向及び回折格子のピッチにより決定される方向と、回折格子の長さ及び幅により決定される角拡散とを有する1つの指向性光ビームを放射することができる。50%程度のデューティサイクルを用いることにより、パターニングされた回折格子の2番目のフーリエ係数が消滅し、これにより付加的な望ましくない方向への光の散乱を防止する。これは、各指向性画素から、その出力角度とは無関係に一方向の光ビームだけが出現することを保証する。
【0011】
本明細書でより詳細に以下で説明されるように、指向性バックライトは、所定の3D画像を生成するように選択された特定の回折格子の長さ、回折格子の幅、溝の配向、ピッチ、及びデューティサイクルを有する複数の指向性画素を用いて設計することができる。この3D画像は、複数の指向性画素により放射された複数の指向性光ビームから生成されて変調層により変調され、1組の複数の指向性画素からの変調された複数の指向性光ビームが所定の画像の視界を生成する。
【0012】
以下の説明において、実施形態の十分な理解をもたらすために、多数の特定の詳細が説明されることが理解される。しかしながら、これらの実施形態は、これらの特定の詳細に限定されることなく実施できることが理解される。他の例では、これらの実施形態の説明が不必要に不明瞭になることを回避するために、周知の方法及び構造は詳細には説明されないことがある。また、これらの実施形態は互いに組み合わされて用いられてもよい。
【0013】
次に図1を参照して、様々な例による指向性バックライトの概略図が説明される。指向性バックライト100は、複数の光源から1組の複数の入力平面光ビーム110を受け取る指向性バックプレーン105を含む。これらの複数の光源は、例えば発光ダイオード(“LED”)及びレーザなど、約30nm以下のスペクトル帯域幅を有する1つ又は複数の狭帯域幅(narrow-bandwidth)の光源を含んでいてもよい。これらの入力平面光ビーム110は、実質的に平面状に設計されている指向性バックプレーン105と実質的に同一の面を伝播する。
【0014】
指向性バックプレーン105は、指向性バックプレーン105の内部又は上部に設けられた複数の指向性画素115a〜dを有する透明材料(例えば、SiN、ガラス又は水晶、プラスチック、ITOなど)のスラブからなり得る。指向性画素115a〜dは、複数の入力平面光ビーム110の一部を複数の指向性光ビーム120a〜dへと散乱させる。様々な例において、各指向性画素115a〜dは、実質的に平行な複数の溝(例えば指向性画素115a用の溝125a)のパターニングされた複数の回折格子を有している。回折格子の溝の厚さは、すべての溝に関して実質的に同一とすることができ、実質的に平面状の設計をもたらす。これらの溝は、指向性バックプレーンにエッチング可能であり、又は指向性バックプレーン105の上部に堆積された材料(例えば、堆積されてエッチング又はリフトオフされ得る任意の材料であり、任意の誘電体又は金属を含む)で形成可能である。
【0015】
各指向性光ビーム120a〜dは、対応する指向性画素115a〜dを形成するパターニングされた回折格子により決定される所定の方向及び角拡散を有する。具体的には、各指向性光ビーム120a〜dの方向は、パターニングされた回折格子の配向及び格子ピッチにより決定される。また、各指向性光ビームの角拡散は、パターニングされた回折格子の、回折格子の長さ及び幅により決定される。例えば、指向性光ビーム115aの方向は、パターニングされた回折格子125aの配向及び格子ピッチにより決定される。
【0016】
この実質的に平面状の設計及び入力平面光ビーム110からの指向性光ビーム120a〜dの形成は、従来の回折格子(diffraction grating)よりも実質的に小さいピッチを有する回折格子を必要とすることが理解される。例えば、従来の回折格子は、実質的に回折格子の面にわたって伝播する光ビームが照射されると、光を散乱させる。本願において、各指向性画素115a〜dの回折格子は、指向性光ビーム120a〜dを生成する場合、入力平面光ビーム110と実質的に同一の平面上にある。
【0017】
指向性光ビーム120a〜dは、回折格子の長さL、回折格子の幅W、溝の配向θ、及び回折格子のピッチΛを有する指向性画素115a〜dの回折格子の特性により正確に制御される。具体的には、次式のように、回折格子125aの長さLが、入力光の伝播軸に沿った指向性光ビーム120aの角拡散ΔΘを制御し、回折格子の幅Wが、入力光の伝播軸を横切る指向性光ビーム120aの角拡散ΔΘを制御する、
【数1】
ただし、λは指向性光ビーム120aの波長である。回折格子の配向角θにより規定される溝の配向と、Λにより規定される回折格子のピッチ又は周期とが、指向性光ビーム120aの方向を制御する。
【0018】
回折格子の長さL及び回折格子の幅Wは、0.1〜200μmの範囲のサイズで変化し得る。溝の配向角θ及び回折格子のピッチΛは、指向性光ビーム120aの所望の方向を満たすように設定してもよく、例えば、溝の配向角θは約−40〜+40度であり、回折格子のピッチΛは約200〜700nmである。
【0019】
様々な例において、指向性画素115a〜dにより散乱された指向性光ビーム120a〜dを変調するために、複数の変調器(例えば複数のLCDセル)を有する変調層130が、指向性画素115a〜dの上に位置している。指向性光ビーム120a〜dの変調は、それらの明度を変調器で制御すること(例えば、オン/オフすること、又は明度を変化させること)を伴う。例えば、変調層130内の変調器は、指向性光ビーム120a及び120dをオンにして、指向性光ビーム120b及び120cをオフにすることに使用されてもよい。指向性光ビーム120a〜dを変調する能力は、多数の異なる画像視界を生成することを可能にする。
【0020】
変調層130は、スペーサ層135の上部に配置されてもよく、スペーサ層135は、1つの材料で形成されてもよいし、又は単に指向性画素115a〜dと変調層130の変調器との間の間隔(即ち空気)からなるものでもよい。スペーサ層135は、例えば約0〜100μmといった幅を有していてもよい。
【0021】
指向性バックプレーン105は、単に説明の目的のために、4つの指向性画素115a〜dを有して示されていることが理解される。様々な例による指向性バックプレーンは、指向性バックプレーンが使用される様子(例えば3Dの表示画面、3Dの腕時計、携帯機器など)に依存して、多数の(例えば100個より多くの)指向性画素を有して設計可能である。指向性画素が、例えば円、楕円、多角形、又は他の幾何学的形状を含む任意の形状を有していてもよいことも理解される。
【0022】
次に、図2A図2Bが注目され、図2A図2Bは、図1による指向性バックライトの上面図を示す。図2Aでは、指向性バックライト200が、透明なスラブ内に設けられた複数の多角形の指向性画素(例えば指向性画素210)を含む指向性バックプレーン205を有して示されている。各指向性画素は、複数の入力平面光ビーム215の一部を1つの出力指向性光ビーム(output directional lightbeam)(例えば指向性光ビーム220)へと散乱させることができる。各指向性光ビームは、1つの変調器(例えば指向性光ビーム220用のLCDセル225)により変調される。指向性バックプレーン205のすべての指向性画素により散乱されて複数の変調器(例えばLCDセル225)により変調された複数の指向性光ビームは、組み合わされたとき、3D画像を形成する複数の視界を表すことができる。
【0023】
同様に、図2Bでは、指向性バックライト230が、透明なスラブ内に設けられた複数の円形の指向性画素(例えば指向性画素240)を含む指向性バックプレーン235を有して示されている。各指向性画素は、複数の入力平面光ビーム245の一部を1つの出力指向性光ビーム(例えば指向性光ビーム250)へと散乱させることができる。各指向性光ビームは、1つの変調器(例えば指向性光ビーム250用のLCDセル255)により変調される。指向性バックプレーン235のすべての指向性画素により散乱されて複数の変調器(例えばLCDセル255)により変調された指向性光ビームは、組み合わされたとき、3D画像を形成する複数の視界を表すことができる。
【0024】
様々な例において、単一の変調器は、1組の複数の指向性画素からの1組の複数の指向性光ビームを変調することに使用されてもよい。即ち、所定の変調器が、図2A図2Bに示すように指向性画素ごとに単一の変調器を有する代わりに、1組の複数の指向性画素の上に配置されていてもよい。
【0025】
次に図3A図3Bを参照して、図1による指向性バックライトの上面図が説明される。図3Aでは、指向性バックライト300が、透明なスラブ内に設けられた複数の多角形の指向性画素(例えば指向性画素310a)を含む指向性バックプレーン305を有して示されている。各指向性画素は、複数の入力平面光ビーム315の一部を1つの出力指向性光ビーム(例えば指向性光ビーム320a)へと散乱させることができる。1組の複数の指向性光ビーム(例えば指向性画素310a〜dにより散乱された指向性光ビーム320a〜d)が、1つの変調器(例えば指向性光ビーム320a〜dを変調するためのLCDセル325a)により変調される。例えば、LCDセル325aは、指向性画素310a〜dをオンにするように使用され、LCDセル325dは、指向性画素330a〜dをオフにするように使用される。指向性バックプレーン305のすべての指向性画素により散乱されてLCDセル325a〜dにより変調された複数の指向性光ビームは、組み合わされたとき、3D画像を形成する複数の視界を表すことができる。
【0026】
同様に、図3Bでは、指向性バックライト340は、透明なスラブ内に設けられた複数の円形の指向性画素(例えば指向性画素350a)を含む指向性バックプレーン345を有して示されている。各指向性画素は、複数の入力平面光ビーム355の一部を1つの出力指向性光ビーム(例えば指向性光ビーム360a)へと散乱させることができる。1組の複数の指向性光ビーム(例えば指向性画素350a〜dにより散乱された指向性光ビーム360a〜d)が、1つの変調器(例えば指向性光ビーム360a〜dを変調するためのLCDセル370a)により変調される。例えば、LCDセル370aは、指向性画素350a〜dをオンにするように使用され、LCDセル370dは、指向性画素365a〜dをオフにするように使用される。指向性バックプレーン345のすべての指向性画素により散乱されてLCDセル370a〜dなどの複数の変調器により変調された複数の指向性光ビームは、組み合わされたとき、3D画像を形成する複数の視界を表すことができる。
【0027】
指向性バックプレーンは、例えば(図4に示すような)三角形、(図5に示すような)六角形、又は(図6に示すような)円形などの様々な形状を有するように設計してもよいことが理解される。図4において、指向性バックプレーン405は、3つの異なる空間方向からの複数の入力平面光ビーム(例えば入力平面光ビーム410〜420)を受け取る。この構成は、これらの入力平面光ビームが異なる色の光を表す(例えば、入力平面光ビーム410が赤色を表し、入力平面光ビーム415が縁色を表し、入力平面光ビーム420が青色を表す)ときに使用され得る。入力平面光ビーム410〜420の各々は、それらの光を1組の複数の指向性画素に合焦するように、三角形の指向性バックプレーン405の辺に配置されている。例えば、入力平面光ビーム410は、1組の指向性画素425〜435により複数の指向性光ビームへと散乱される。指向性画素425〜435のこのサブセット(subset)は、入力平面光ビーム415〜420からの光も受け取ってよい。しかしながら、設計により、この光は指向性バックライト400の意図された視界ゾーンでは散乱されない。
【0028】
例えば、複数の入力平面光ビーム410は、指向性画素425〜435のサブセットGにより、意図された視界ゾーンへと散乱されると想定する。意図された視界ゾーンは、法線から指向性バックライト400へと測定された最大光線角度θmaxにより規定されてもよい。また、これらの入力平面光ビーム410は、指向性画素G440〜450のサブセットにより散乱され得るが、それらの望ましくない光線は、次式が満たされる限り、意図された視界ゾーンの外にある、
【数2】
ただし、λは入力平面光ビーム410の波長であり、neffは指向性バックプレーン405における入力平面光ビーム410の水平伝播の実効屈折率であり、λは(指向性画素440〜450により散乱される)入力平面光ビーム420の波長であり、neffは指向性バックプレーン405における入力平面光ビーム420の水平伝播の実効屈折率である。実効屈折率及び波長が実質的に同一であれば、式2は次式へと変形される。
【0029】
【数3】
2を上回る屈折率nの指向性バックプレーンについては、入力平面光ビームが視射角(grazing angle)の近くで伝播すると、ディスプレイの意図された視界ゾーンは、全空間へと拡張され得る(neff≧2及びsinθmax≒l)ことが分かる。ガラス(例えばn=1.46)などのより低い屈折率の指向性バックプレーンについては、意図された視界ゾーンはほぼθmax<arcsin(n/2)(ガラスについては±45°)に限定される。
【0030】
各指向性光ビームは、1つの変調器(例えばLCDセル455など)により変調されてもよいことが理解される。複数の指向性光ビームの方向及び角度の正確な制御が、指向性バックプレーン405の各指向性画素を用いて達成可能であり、かつ、複数の指向性光ビームが、複数のLCDセルなどの複数の変調器により変調可能であるため、指向性バックライト405は、3D画像の多数の異なる視界を生成するように設計可能である。
【0031】
図4に示す指向性バックプレーン405は、三角形のスラブの先端をカットして図5に示すような六角形の形状を実現できることで、よりコンパクトな設計に成形できることが更に理解される。指向性バックプレーン505は、3つの別々の空間方向から複数の入力平面光ビーム(例えば入力平面光ビーム510〜520)を受け取る。入力平面光ビーム510〜520の各々は、その光を指向性画素(例えば指向性画素525〜535)のサブセットに合焦するように、六角形の指向性バックプレーン505の1つおきの辺(alternating sides)に配置されている。様々な例において、六角形の指向性バックプレーン505は約10〜30mmの範囲にあり得る辺長を有し、指向性画素のサイズは10〜30μm程度である。
【0032】
指向性バックライト500は、複数の変調器の多数の構成と共に示されていることが理解される。例えば、1組の複数の指向性画素からの複数の指向性光ビームを変調するために、単一の変調器が使用されてもよいし(例えば指向性画素525〜535に対してLCDセル540)、又は単一の指向性画素を変調するために、単一の変調器が使用されてもよい(例えば指向性画素560に対してLCDセル555)。当業者は、複数の指向性画素により散乱された複数の指向性光ビームを変調するために、複数の指向性画素とともに使用される複数の変調器の任意の構成が使用可能であることを理解する。
【0033】
また、カラー入力平面光ビームとともに用いられる指向性バックライトは、三原色からの光が3つの別々の方向からもたらされる限り、三角形(図4)又は六角形(図5)の形状の他に任意の形状を有し得ることが理解される。例えば、指向性バックライトは、多角形、円、楕円、又は3つの異なる方向からの光を受け取ることができる別の形状でもよい。次に図6を参照して、円形の形状を有する指向性バックライトが説明される。指向性バックライト600の指向性バックプレーン605は、3つの異なる方向からの入力平面光ビーム610〜620を受け取る。各指向性画素は、円形の形状を有し(例えば指向性画素620)、1つの指向性光ビームを散乱させ、この指向性光ビームは、1つの変調器(例えばLCDセル625)により変調される。各LCDセルは長方形の形状を有し、円形の指向性バックプレーン605は、複数の円形の指向性画素用(又は必要に応じて複数の多角形の指向性画素用)の複数の長方形のLCDセルを収容(accommodate)するように設計されている。
【0034】
本出願による指向性バックライトを用いて3D画像を生成するためのフローチャートが、図7に示されている。最初に、指向性バックライトの複数の指向性画素の特性が規定される(700)。特性は、例えば回折格子の長さ、回折格子の幅、配向、ピッチ、及びデューティサイクルなどといった、複数の指向性画素のパターニングされた複数の回折格子の特性を含んでいてもよい。前述のように、指向性バックライトの各指向性画素は、特性により正確に制御される方向及び角拡散を有する1つの指向性光ビームを生成するように、特性の所定の組を用いて規定可能である。
【0035】
次に、複数の指向性画素を有する指向性バックプレーンが作製される(705)。指向性バックプレーンは、透明材料で形成され、任意の適切な作製技術(とりわけ例えば、光リソグラフィ、ナノインプリントリソグラフィ、ロールトゥロール(roll-to-roll)インプリントリソグラフィ、インプリント型を用いた直接エンボス加工など)を用いて作製してもよい。これらの指向性画素は、指向性バックプレーンにエッチングされてもよいし、又は指向性バックプレーンの上部に堆積された材料(例えば、堆積されてエッチング又はリフトオフされ得る任意の材料であり、任意の誘電体又は金属を含む)を有するパターニングされた複数の格子で形成されてもよい。
【0036】
次に、変調層(例えばLCDベースの変調層)が指向性バックプレーンに付加される(710)。変調層は、指向性バックプレーンの上のスペーサ層の上部に(図1に示すように)配置された複数の変調器(例えば複数のLCDセル)を含む。前述のように、変調層は、単一の指向性画素用の単一の変調器、又は1組の複数の指向性画素用の単一の変調器を有するように設計されていてもよい。上記で更に説明されたように、指向性バックプレーン(及び複数の指向性画素)は、長方形の変調器で形成された変調層を収容するように、様々な形状(例えば多角形、三角形、六角形、円形など)を有していてもよい。
【0037】
複数の狭帯域幅の光源からの光が、複数の入力平面光ビームの形で指向性バックプレーンに入力される(715)。最後に、指向性バックプレーンの複数の指向性画素により散乱されて変調された複数の指向性光ビームから3D画像が生成される(720)。
【0038】
有利には、複数の指向性画素を用いて達成される正確な制御と、指向性バックライトの変調は、実質的に平面な構造を容易に作製することを可能にするとともに、3D画像を生成することを可能とする。複数の指向性画素の別々の構成は、別々の3D画像を生成する。加えて、複数の指向性画素により生成された複数の指向性光ビームは、生成された画像に任意の所望の効果をもたらすように変調可能である。本明細書で説明された指向性バックライトは、表示画面(例えば、テレビ、携帯機器、タブレット、ビデオゲーム装置など)に3D画像を提供するように使用可能であり、他の用途(とりわけ例えば、3D腕時計、3D芸術のデバイス、3Dの医療機器など)にも使用可能である。
【0039】
開示された実施形態のこれまでの説明は、あらゆる当業者が本開示を製造又は使用することができるように提供されていることが理解される。これらの実施形態に対する様々な修正形態が当業者には容易に明らかになるはずであり、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。従って、本開示は、本明細書で示された実施形態に限定されるように意図されたものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴と整合する最も広い範囲を与えられるように意図されている。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7