(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964514
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】オキサシラサイクルおよびこれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
C07F 7/18 20060101AFI20160721BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20160721BHJP
【FI】
C07F7/18 S
!C07B61/00 300
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-520900(P2015-520900)
(86)(22)【出願日】2013年7月2日
(65)【公表番号】特表2015-527312(P2015-527312A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】EP2013063921
(87)【国際公開番号】WO2014009204
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2015年3月6日
(31)【優先権主張番号】102012013711.7
(32)【優先日】2012年7月11日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390008969
【氏名又は名称】ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハルバッハ,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】シュトーラー,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】リーガー,ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】アンガー,クリスティアン
【審査官】
石井 徹
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04528389(US,A)
【文献】
国際公開第03/014167(WO,A1)
【文献】
国際公開第2005/044828(WO,A1)
【文献】
特開平07−149901(JP,A)
【文献】
XU, BAOPEI ET AL,Spiro(benzoxasilole) catalyzed polymerization of oxetane derivatives,JOURNAL OF POLYMER SCIENCE, PART A,1992年,30(9),PP.1899-1909
【文献】
Roman Shchepin et al.,B(C6F5)3-promoted tandem silylation and intramolecular hydrosilylation: diastereoselective synthesis of oxasilinanes and oxasilepanes.,Organic letters,2010年,12(21),PP.4772-4775
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F 7/18
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)または(2)
【化1】
のオキサシラサイクルを調製する方法であって、一般式(3)または(4)
【化2】
のシランを、トリオルガノボランBR
3、アミノボラン錯体R
3NBH
3およびホスフィン−ボランR
3PBH
3から選択されるヒドロシリル化触媒の存在下で反応させる、方法(式中、Rは、非置換のヒドロカルビル基またはハロゲン原子で置換されている、各場合において1から12個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、
R
1、R
2、R
1’およびR
2’は、水
素でありまたは各場合において1から50個の炭素原子を有する、非置
換ヒドロカルビロキシ
基であり、各場合の隣接していない炭素原子は、N、O、PおよびSから選択されるヘテロ原子と置き換えられていてもよく、基R
1、R
2、R
1’およびR
2’のうちの2または3個は、互いに結合していてもよく、
R
3、R
4、R
3’およびR
4’は、各場合において1から50個の炭素原子を有する非置
換ヒドロカルビル基であり、各場合の隣接していない炭素原子は、N、O、PおよびSから選択されるヘテロ原子と置き換えられていてもよ
く、
R
5およびR
6は、各場合において1から50個の炭素原子を有する非置換または置換
アルキル基であり、各場合の隣接していない炭素原子は、N、O、PおよびSから選択されるヘテロ原子と置き換えられていてもよく、
mは、0または1の値であり、
nおよびn’は、1
または2または3の整数値である。)。
【請求項2】
基R3およびR4ならびにR3’およびR4’が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、またはフェニルから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
R6が、メチル、エチル、およびプロピル基から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
基R5およびR6上の置換基が、ハロゲンまたは水素またはシアノ基である、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、革新的なオキサシラサイクルおよびこれらの調製に関する。
【背景技術】
【0002】
DE102008000353A1は、≡Si−O−C(R
1)(R
2)(R
3)タイプの少なくとも1個のアルコキシシリル基を含む架橋性ポリマーブレンドおよび無水シラン架橋のためのこれらの使用を記載している。Organic Letters、2010年、12巻、4772−4775頁は、分子内ヒドロシリル化によるオキサシリナンおよびオキサシレパンの合成を記載している。酸素に隣接している第四級置換のC原子を有する構造は記載されていない。DE19628588A1は、環状シランエステルおよびこれらの加溶媒分解生成物、また、これらの環状シランエステルおよび加溶媒分解生成物を調製する方法を記載している。この調製は、ハイドロジェンシランを介し、これがオルガノハイドロジェンシランエステル段階によるヒドロシリル化反応において環状オルガノシランエステルに転化される。Tetrahedron Letters、1992年、33巻、5037頁は、Pt触媒を使用して5員環を形成する分子内ヒドロシリル化を記載している。DE102006048217およびDE102010003108は、環状アルコキシシランの調製を記載している。しかし、この場合には、スピロ環状シランまたはアルコキシ置換オキサシラサイクルは、記載されていない。分子内ヒドロシリル化により調製される、酸素に隣接している第四級置換のC原子を有するスピロ環状オキサシラサイクルおよびアルコキシ置換オキサシラサイクルには言及していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102008000353号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第19628588号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102006048217号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102010003108号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Organic Letters、2010年、12巻、4772−4775頁
【非特許文献2】Tetrahedron Letters、1992年、33巻、5037頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一般式(1)および(2)
【0006】
【化1】
(式中、
R
1、R
2、R
1’およびR
2’は、水素、ハロゲン、シアノ、OHでありまたは各場合において1から50個の炭素原子を有する、非置換もしくは置換ヒドロカルビロキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ基、もしくはヒドロカルビル基であり、各場合の隣接していない炭素原子は、N、O、PおよびSから選択されるヘテロ原子と置き換えられていてもよく、基R
1、R
2、R
1’およびR
2’のうちの2または3個は、互いに結合していてもよく、
R
3、R
4、R
3’およびR
4’は、各場合において1から50個の炭素原子を有する非置換もしくは置換ヒドロカルビル基であり、各場合の隣接していない炭素原子は、N、O、PおよびSから選択されるヘテロ原子と置き換えられていてもよく、または高分子量の基であり、
R
5およびR
6は、各場合において1から50個の炭素原子を有する非置換または置換ヒドロカルビル基であり、各場合の隣接していない炭素原子は、N、O、PおよびSから選択されるヘテロ原子と置き換えられていてもよく、
mは、0または1の値であり、
nおよびn’は、少なくとも1の整数値である。)
のオキサシラサイクルを提供する。
【0007】
一般式(1)および(2)のオキサシラサイクルは、環部分中に、C原子が第四級置換であるSi−O−C結合が存在していることが注目すべき点であり、各場合における当該化合物は、少なくとも1個の別のヒドロカルビロキシ基を有する式(1)のスピロ環状化合物または式(2)の環状化合物である。
【0008】
非置換または置換ヒドロカルビロキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ基またはヒドロカルビル基は各々、好ましくは1から12個の炭素原子、より詳細には1から6個の炭素原子を有する。
【0009】
ヒドロカルビル基の例は、アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、1−n−ブチル、2−n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル基;ヘキシル基、例えば、n−ヘキシル基;ヘプチル基、例えば、n−ヘプチル基;オクチル基、例えば、n−オクチル基およびイソオクチル基、例えば、2,2,4−トリメチルペンチル基;ノニル基、例えば、n−ノニル基;デシル基、例えば、n−デシル基;ドデシル基、例えば、n−ドデシル基;オクタデシル基、例えば、n−オクタデシル基;シクロアルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル基およびメチルシクロヘキシル基;アリール基、例えば、フェニル、ナフチル、アントリルおよびフェナントリル基;アルカリール基、例えば、o−、m−、p−トリル基;キシリル基およびエチルフェニル基;ならびにアラルキル基、例えば、ベンジル基、α−およびβ−フェニルエチル基である。
【0010】
ヒドロカルビル基R
3、R
4、R
3’、R
4’、R
5およびR
6上の置換基は、ハロゲン、例えば、フッ素、塩素、もしくは臭素またはシアノ基であり得る。
【0011】
基R
3およびR
4ならびにR
3’およびR
4’は、好ましくは1から12個、より詳細には1から6個の炭素原子を有する。また、好ましくは(ポリマー性)繰返し単位を有する高分子量の基が好ましい。基R
3およびR
4ならびにR
3’およびR
4’は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、フェニルまたはカルボキシル基−C(O)OCH
3が特に好ましい。
【0012】
一般式(1)および(2)のオキサシラサイクルの環部分は、少なくとも1個の5員環(n、n’=1)、好ましくは6または7員環(n、n’=2、3)である。一般式(1)および(2)のオキサシラサイクルは、2個の環部分(式(1))または1個の環部分(式(2))を有する。一般式(2)のオキサシラサイクルは、少なくとも1個のOR
5基を好ましくは有し、式中、R
5は、好ましくはアルキルまたはアリール基である。R
6は、好ましくはアルキル、カルボニルまたはアリール基、例えば、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メトキシ、エトキシ、アセトキシなどである。
【0013】
好ましい構造の例は、以下の通りである:
a)n=2;R
1、R
2=H;R
3、R
4=CH
3
b)n=3;R
1、R
2=H;R
3、R
4=CH
3
c)n’=2;R
1’、R
2’=H;R
3’、R
4’=CH
3;m=1;R
5=CH
3、R
6=CH
3
d)n’=2;R
1’、R
2’=H;R
3’、R
4’=CH
3;m=1;R
5=C
2H
5、R
6=CH
3
e)n’=2;R
1’、R
2’=H;R
3’、R
4’=CH
3;m=1;R
5=C
2H
5、R
6=C
2H
5
f)n’=2;R
1’、R
2’=H;R
3’、R
4’=CH
3;m=1;R
5=i−C
3H
7、R
6=CH
3
g)n’=2;R
1’、R
2’=H;R
3’、R
4’=CH
3;m=0;R
5=CH
3
h)n’=2;R
1’、R
2’=H;R
3’、R
4’=CH
3;m=0;R
5=C
2H
5
【0014】
本発明は、さらに、一般式(3)
【0015】
【化2】
の化合物から一般式(1)のオキサシラサイクルを調製する方法、および一般式(4)
【0016】
【化3】
のシランから一般式(2)のオキサシラサイクルを調製する方法であって、
一般式(3)または(4)のシランを、ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させる、方法を提供する。
【0017】
一般式(3)または(4)のシランは、当業者によく知られている一般的な方法を使用して、調製することができる。例えば、クロロシランを、末端二重結合を含有している対応するアルコールと反応させることができ、続いて分子内ヒドロシリル化により閉環が行われる。
【0018】
一般式(1)または(2)のオキサシラサイクルは、当業者に既知のヒドロシリル化触媒を使用して、分子内ヒドロシリル化によって調製され得る。触媒として、白金族金属もしくはこれらの化合物、またはトリオルガノボランBR
3またはアミノボラン錯体R
3NBH
3またはホスフィン−ボランR
3PBH
3(式中、Rは、非置換のヒドロカルビル基またはハロゲン原子で置換されている、各場合において1から12個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。)の使用が好ましい。
【0019】
白金族金属およびこれらの化合物として、白金および/またはこれの化合物が好ましい。ここでは、脂肪族不飽和化合物のSi原子に直接結合される水素原子の添加にこれまでも使用されてきた触媒すべてを使用することが可能である。このような触媒の例は、金属白金および微分散された白金であるが、これらは、二酸化ケイ素、酸化アルミニウムまたは活性炭などの担体上に載せられていてもよく;白金の化合物または錯体、例えば、白金ハロゲン化物、例えば、PtCl
4、H
2PtCl
6・6H
2O、Na
2PtCl
4・4H
2O、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、白金−アルコキシド錯体、白金−エーテル錯体、白金−アルデヒド錯体、白金−ケトン錯体、この場合、これらは、H
2PtCl
6・6H
2Oおよびシクロヘキサノンの反応生成物を含み、白金−ビニルシロキサン錯体、より詳細には、検出可能な無機結合ハロゲンを有するまたは有さない白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、ビス(γ−ピコリン)白金二塩化物、トリメチレンジピリジン白金二塩化物、ジシクロペンタジエン白金二塩化物、ジメチルスルホキシド−エチレン白金(II)二塩化物、また、四塩化白金とオレフィンの反応生成物、ならびに四塩化白金と第一級アミンまたは第二級アミンまたは第一級アミンおよび第二級アミンの反応生成物、例えば、1−オクテン中に溶解している四塩化白金とsec−ブチルアミンとの反応生成物またはEP−B 110 370によるアンモニウム−白金錯体である。パラジウムおよび/またはこれの化合物、例えばテトラキストリフェニル−ホスフィンパラジウム(0)などが同様に適している。
【0020】
白金触媒は、各場合において白金を元素として計算しておよび一般式(3)または(4)のシランの重量に対して、好ましくは0.5から500重量ppm(100万重量部あたりの重量部)、より詳細には2から300重量ppmの量で使用される。
【0021】
アミノボラン錯体R
3NBH
3の例は、トリメチルアミン−ボラン、トリエチルアミン−ボラン、トリシクロペンチルアミン−ボラン、トリフェニルアミン−ボランまたはジメチルベンジルアミン−ボランである。
【0022】
ホスフィンボランR
3PBH
3の例は、トリメチルホスフィンボラン、トリブチルホスフィンボランまたはトリフェニルホスフィンボランである。
【0023】
トリオルガノボランBR
3の例は、B(C
6F
5)
3である。
【0024】
Rは、好ましくは、フッ素または塩素で置換されているヒドロカルビル基、より詳細には全フッ化ヒドロカルビル基である。触媒としてはB(C
6F
5)
3の使用が特に好ましい。
【0025】
トリオルガノボランBR
3は、各場合において一般式(3)または(4)のシランに対して、好ましくは0.1から10mol%、より詳細には0.5から5mol%の量で使用される。
【0026】
分子内ヒドロシリル化の温度は、好ましくは−80℃から120℃、より好ましくは−10℃から50℃、より詳細には0℃から30℃である。
【0027】
分子内ヒドロシリル化は、非プロトン性溶媒が存在するまたは存在しない状態で実施され得る。非プロトン性溶媒を使用する場合、好ましい溶媒または溶媒混合物は、それぞれ0.1MPaで最高120℃までの沸点または沸点範囲を有するものである。このような溶媒の例は、エーテル、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル;塩素化炭化水素、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン;炭化水素、例えば、ペンタン、n−ヘキサン、ヘキサン異性体混合物、ヘプタン、オクタン、洗浄用ベンゼン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン;シロキサン、より詳細には、トリメチルシリル末端基を有し、好ましくは0から6個のジメチルシロキサンユニットを備えた直鎖状ジメチルポリシロキサン、もしくは好ましくは4から7個のジメチルシロキサンユニットを備えた環状ジメチルポリシロキサン、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサン;ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソプロピルケトンおよびメチルイソブチルケトン(MIBK);エステル、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸プロピル、酪酸エチルおよびイソ酪酸エチル;二硫化炭素、ならびにニトロベンゼンまたはこれらの溶媒の混合物である。
【0028】
オキサシラサイクルは、シロキサンと有機ポリマーの変性および架橋への適用を見出すものである。例えば2−イソプロポキシ−2,6,6−トリメチル−1,2−オキサシリナンなどの環状構造は、新規な重合可能で架橋性のテレケリック構造の調製に使用され得る。触媒添加なしで、これらの構造は、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンと反応して、テレケル(telechele)を形成する。
【0029】
一般式(1)および(2)のオキサシラサイクルが、触媒(K)によって開環が実現され、シラノール基≡Si−OHおよび末端二重結合が形成されるということが注目すべき点である。この一例は、以下の構造
【0030】
【化4】
であり、2,2,8,8−テトラメチル−1,7−ジオキサ−6−シラスピロ[5.5]ウンデカンの開環によって形成される。DE102008000353A1とは対照的に、ビニル官能性化合物が、低分子量脱離生成物として放出されることはない。開環後、ビニル官能性化合物は、Si原子上に残存する。開環は、(大気中の)水分が侵入することなく行われることが特に好ましい。好ましい触媒(K)は、ルイス酸およびブレンステッド酸である。
【0031】
上記式中の上記記号はすべて、各場合において互いに独立して定義を有する。
【0032】
別段の指示がない限り、以下の実施例におけるすべての量およびパーセンテージ数値は、重量基準で示されており、圧力はすべて0.10MPa(絶対圧)であり、温度はすべて20℃である。
【実施例】
【0033】
[実施例1] ビス((2−メチルペンタ−4−エン−2−イル)オキシ)シランの合成(3)
熱乾燥させた、還流冷却器および滴下漏斗を備えた三つ口シュレンクフラスコに、乾燥ジエチルエーテル250mLを装入し、次いで、以下の混合物、すなわち、ジエチルエーテル50mL中の1−メチルイミダゾール31.9g(389mmol)および2−メチルペンタ−4−エン−2−オール38.9g(389mmol)からなる混合物約25mlを滴下漏斗において添加する。次いで、混合物を−78℃に冷却し、ジクロロシラン19.63g(194mmol)をその中に撹拌しながら拡散させる。ジクロロシランはシュレンクチューブ中に−78℃で前もって凝縮されている。この手順中、残存溶液を滴下漏斗においてゆっくり滴加し、その後、反応混合物を室温に温める。混合物を10時間撹拌した後、形成されたメチルイミダゾール塩酸塩をシュレンクフリットでろ過し、溶媒を減圧下で除去する。精製を分別凝縮(0.3mbar、オイルバス温度:60℃)により実施して、無色液体形状のビス((2−メチルペンタ−4−エン−2−イル)オキシ)−シラン35.7g(156mmol、81%)を得る。
1H NMR(300MHz、CDCl
3、300K):δ[ppm]=5.97−5.76(m、2H、H−3)、5.14−5.00(H、4H、H−4)、4.67(s、2H、Si−H)、2.29(d、
3J=7.3Hz、4H、H−2)、1.3(s、12、H−5)。
13C NMR(75MHz、CDCl
3、300K):δ[ppm]=134.8(s)、117.7(s)、75.5(s)、49.0(s)、29.1(s、2C)。
MS(EI)、m/z(%):213.16(13)[(M−CH
3)
+]、187.13(100)、129.08(87)[(M−C
6H
11O)
+]。
HRMS(C
11H
21O
228Si=[(M−CH
3)
+]):計算値:213.1311、実測値:213.1305。
【0034】
[実施例2] 2,2,8,8−テトラメチル−1,7−ジオキサ−6−シラスピロ[5.5]ウンデカンの合成(1)
熱乾燥させたシュレンクフラスコに、乾燥ジクロロメタン400mL中のビス((2−メチルペンタ−4−エン−2−イル)オキシ)シラン23.8g(104mmol)(実施例1)を装入し、触媒B(C
6F
5)
31.06g(2.07mmol、2mol%)を室温で撹拌しながら添加する。次いで、反応混合物を室温で16時間撹拌し、分別凝縮によって精製する。
1H NMR(300MHz、CDCl
3、300K):1.91−1.64(m、4H)、1.60−1.38(m、4H)、1.29(s、6H)、1.20(s、6H)、0.68−0.42(m、4H)。
13C NMR(126MHz、CDCl
3、300K):74.4(s、2C)、40.9(s、2C)、31.7(s、2C)、30.2(s、2C)、17.8(s、2C)、12.1(s、2C)。
29Si NMR(99MHz、CDCl
3、300K):14.41(s)。
MS(EI)、m/z(%):228(7)[M
+]、213(100)、[(M−CH
3)
+]、186(19)、129(26)、127(23)。
HRMS(C
12H
24O
228Si):計算値:228.1546、実測値:228.1542。
【0035】
[実施例3] メチルクロロ((2−メチルペンタ−4−エン−2−イル)オキシ)シランの合成
熱乾燥させた、滴下漏斗(250ml)を備えた1lのシュレンクフラスコに、乾燥ペンタン500ml中のジクロロメチルシラン20.00g(174mmol)を装入する。滴下漏斗において、メチルイミダゾール10.97g(134mmol)および2−メチルペンタ−4−エン−2−オール13.39g(134mmol)を、乾燥ペンタン150ml中に溶解させ、0℃で1時間にわたって添加する。混合物を0℃で30分間撹拌した後、沈澱したメチルイミダゾール塩酸塩をシュレンクフリットで分離し、溶媒を減圧下で除去する。精製を減圧蒸留により実施する。生成物を10mbarおよび38℃で得る。
収率:19.7g(110.2mmol、68.5%)
1H NMR(500MHz、CDCl
3、300K):δ[ppm]=5.93−5.79(m、1H)、5.33−5.31(m、1H)、5.13−5.05(m、2H)、2.33(d、2H)、1.35(s、6H)、0.52(s、3H)。
【0036】
[実施例4] 2−イソプロポキシクロロ(2−メチルペンタ−4−エン−2−イル)シランの合成(4)
熱乾燥させた、滴下漏斗(250ml)を備えた1lのシュレンクフラスコに、乾燥ペンタン500ml中の実施例3からのメチルクロロ((2−メチルペンタ−4−エン−2−イル)オキシ)シラン4.3g(24mmol)を装入する。滴下漏斗において、メチルイミダゾール1.58g(19mmol)およびイソプロパノール1.45g(24mmol)を、乾燥ペンタン150ml中に溶解させ、0℃で1時間にわたって添加する。混合物を0℃で45分間撹拌した後、沈澱したメチルイミダゾール塩酸塩をシュレンクフリットで分離し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物を分別凝縮によって精製する(オイルバス60℃、レシーバN
2−冷却済み、圧力:0.7−0.2mbar)。
1H NMR(500MHz、CDCl
3、300K):δ[ppm]=5.94−5.80(m、1H)、5.08−5.02(m、2H)、4.73(d、1H)、4.16(七重線、1H)、2.28(d、2H)、1.29(s、6H)、1.21(d、2H)。
【0037】
[実施例5] 2−イソプロポキシ−2,6,6−トリメチル−1,2−オキサシリナン(2)
熱乾燥させたシュレンクフラスコにおいて、実施例4からの2−イソプロポキシクロロ(2−メチルペンタ−4−エン−2−イル)シラン1.17g(5.78mmol)を、ジクロロメタン中に溶解しているB(C
6F
5)
340mg(0.08mmol、1.4mol%)と混合し、この混合物を室温で12時間撹拌する。次いで、ジクロロメタンを減圧下(200mbar)で除去し、粗生成物を分別凝縮によって精製する。
1H NMR(300MHz、CDCl
3):δ4.24−4.06(m、1H)、1.88−1.68(m、2H)、1.56−1.42(m、2H)、1.29(s、3H)、1.17(t、J=5.9Hz、6H)、0.74−0.43(m、2H)、0.11(s、3H)。
MS(EI)、m/z(%):187.2(100)[(M−CH
3)
+]、160.1(15)、159.1(24)、145.1(28)、143.1(13)[(M−OCH(CH
3)
2)
+]、117.1(23)。
HRMS(C
12H
24O
228Si):計算値:202.1389、実測値:202.1381。