(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964519
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04B 3/54 20060101AFI20160721BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
H04B3/54
H04Q9/00 311S
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-551627(P2015-551627)
(86)(22)【出願日】2014年1月9日
(65)【公表番号】特表2016-503994(P2016-503994A)
(43)【公表日】2016年2月8日
(86)【国際出願番号】KR2014000281
(87)【国際公開番号】WO2014109584
(87)【国際公開日】20140717
【審査請求日】2015年7月8日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0002414
(32)【優先日】2013年1月9日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515198164
【氏名又は名称】キム、ビョンフン
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】イ、サン−チョル
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジョン−デ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン−シク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン−チョル
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョン−ジュン
【審査官】
前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−066828(JP,A)
【文献】
特開平10−294682(JP,A)
【文献】
特開平11−307278(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0185185(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 3/54
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線通信装置において、
送信端の電圧変化装置を用いて入力電源波形のゼロ電圧(Zero Crossing)地点をスタート点にし、所定の周期の電圧を単位時間にして、所定の電圧だけ変化させ、送信データを含む変化された電源電圧を送信し、受信端の電圧センシング装置で、電力線を通じて供給される前記変化された電源電圧を感知し、ゼロ電圧地点をスタート点にし、実効値(RMS;Root Mean Square)電圧を測定して、前記変化した電源電圧から前記送信データを受信することを特徴とする、
電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置。
【請求項2】
前記入力電源波形の電圧が一定でないとき、前記電圧変化装置は送信データがHigh(1)であれば、前記単位時間の間、前記所定の電圧だけ変化させず、送信データがLow(0)であれば、前記単位時間の間、前記所定の電圧だけ変化させることを特徴とする、請求項1に記載の電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置。
【請求項3】
前記電圧センシング装置は、初期に前記電力線を通じて受信された電源電圧の実効値電圧を測定し、測定された電圧とは関係なく、波形はHigh(1)に約束し、それ以後、約束された単位時間ごとに実効値電圧を測定し、初期の測定された電圧より臨界電圧以上に下降した電圧であれば、最初のデータを0に決定及びデータの受信を開始し、それ以後、測定電圧が以前の電圧に比べて、その変化が前記臨界電圧未満であれば、受信データを以前のデータと同一に決定し、その変化が前記臨界電圧以上に上昇変化すれば、受信データをHigh(1)に決定し、その変化が前記臨界電圧以上に下降変化すれば、受信データをLow(0)に決定することを特徴とする、請求項2に記載の電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置。
【請求項4】
前記電圧センシング装置は、前記送信端から受信したデータをPWM信号のデューティ(DUTY)を変化させ、ランプの明るさの調節(Dimming)及び電動機速度の調節のための制御信号として使用することを特徴とする、請求項3に記載の電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置。
【請求項5】
前記電圧変化装置は、街路灯分電箱に備えられ、前記電圧センシング装置は、個別の街灯柱内のランプ電源装置に備えられ、前記電圧変化装置は、負荷に電力を供給しながら電圧を変化させるために第1の巻線の下端と第2の巻線の上端がディミングスイッチで連結された2段のタブ単巻変圧器と、前記第1の巻線の上端に供給される入力電源と一端が連結され、他端が前記第1の巻線の下端と前記負荷とを連結する電源線路に連結されるバイパススイッチと、前記第2の巻線の第1のタブに一端が連結され、他端が共通線に連結された第1のスイッチと、前記第2の巻線の第1のタブに一端が連結され、他端が前記共通線に連結された第1の抵抗に連結された第2のスイッチと、前記第2の巻線の第2のタブに一端が連結され、他端が前記共通線に連結された第3のスイッチと、前記第2の巻線の第2のタブに一端が連結され、他端が前記共通線に連結された第2の抵抗に連結された第4のスイッチと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置。
【請求項6】
送信端の電圧変化装置を用いて入力電源波形のゼロ電圧(Zero Crossing)地点をスタート点にし、所定の周期の電圧を単位時間にして、所定の電圧だけ変化させ、送信データを含む変化された電源電圧を送信し、受信端から電力線を通じて供給される前記変化された電源電圧を感知し、ゼロ電圧地点をスタート点にし、実効値(RMS;Root Mean Square)電圧を測定して、前記変化した電源電圧から前記送信データを受信することを特徴とする、
電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御方法。
【請求項7】
前記入力電源波形の電圧が一定でないとき、前記電圧変化装置は送信データがHigh(1)であれば、前記所定の電圧だけ変化させず、送信データがLow(0)であれば、前記所定の電圧だけ変化させることを特徴とする、請求項6に記載の電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御方法。
【請求項8】
前記電圧センシング装置は、初期に前記電力線を通じて受信された電源電圧の実効値電圧を測定し、測定された電圧とは関係なく、波形はHigh(1)に約束し、それ以後、約束された単位時間ごとに実効値電圧を測定し、初期の測定された電圧より臨界電圧以上に下降した電圧であれば、最初のデータを0に決定及びデータの受信を開始し、それ以後、測定電圧が以前の電圧に比べて、その変化が前記臨界電圧未満であれば、受信データを以前のデータと同一に決定し、その変化が前記臨界電圧以上に上昇変化すれば、受信データをHigh(1)に決定し、その変化が前記臨界電圧以上に下降変化すれば、受信データをLow(0)に決定することを特徴とする、請求項7に記載の電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御方法。
【請求項9】
前記電圧センシング装置は、前記送端から受信したデータをPWM信号のデューティ(DUTY)を変化させ、ランプの明るさの調節(Dimming)及び電動機速度の調節のための制御信号として使用することを特徴とする、請求項8に記載の電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御方法。
【請求項10】
送信端の電圧変化装置において、入力電源波形のゼロ電圧(Zero Crossing)地点をスタート点にし、データ未転送の状態ではHighを維持し、転送しようとするデータ値に対応してLOW状態の時間を単位時間のn倍数に維持するように所定の電圧だけ変化させ、送信データを含む変化された電源電圧を送信し、受信端から電力線を通じて供給される前記変化された電源電圧を感知し、ゼロ電圧地点をスタート点にし、実効値(RMS;Root Mean Square)電圧を測定して、前記変化した電源電圧から前記送信データを受信することを特徴とする、
電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御方法。
【請求項11】
前記電圧変化装置は、街路灯分電箱に備えられ、前記電圧センシング装置は、個別の街灯柱内のランプ電源装置に備えられ、前記電圧変化装置は、負荷に電力を供給しながら電圧を変化させるために第1の巻線の下端と第2の巻線の上端がディミングスイッチで連結された2段のタブ単巻変圧器と、前記第2の巻線の第1のタブに一端が連結され、他端が共通線に連結された第1のスイッチと、前記第2の巻線の第1のタブに一端が連結され、他端が前記共通線に連結された第1の抵抗に連結された第2のスイッチと、前記第2の巻線の第2のタブに一端が連結され、他端が前記共通線に連結された第3のスイッチと、前記第2の巻線の第2のタブに一端が連結され、他端が前記共通線に連結された第2の抵抗に連結された第4のスイッチと、を含み、前記ディミングスイッチ及び前記第1のスイッチがオン(ON)の状態で、前記電圧変化装置が電圧を変化させるために、前記第1のタブから第2のタブに転換する際に、前記第2のスイッチをオン(ON)させる第1の段階と、前記第4のスイッチをオン(ON)させる第2の段階と、前記第1のスイッチをオフ(OFF)させる第3の段階と、前記第3のスイッチをオン(ON)させる第4の段階と、前記第2のスイッチをオフ(OFF)させる第5の段階と、前記第4のスイッチをオフ(OFF)させる第6の段階と、を行って、前記タブの転換を行うことを特徴とする、請求項6または10に記載の電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御方法。
【請求項12】
前記電圧変化装置は、前記第1の巻線の上端に供給される入力電源と一端が連結され、他端が前記第1の巻線の下端と前記負荷とを連結する電源線路に連結されるバイパススイッチをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力線通信装置及び方法に関し、特に、電力線通信の劣悪なチャンネル環境を克服するために、送信端から伝達しようとするデータを、電力線を通じて供給される常用電源の電圧(振幅)を変化させて送信し、これを受信端から電力線を通じて供給される電源の電圧をセンシングしてデータを受信する電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力線通信(PLC;Power Line Communication)は、電力線を通信線として使用して、100kHz〜30MHzの通信信号を高周波フィルタを用いて分離して送受信する方法であって、周波数多重分割方式によって電源と通信信号を多重化して同時に転送するところ、一般的に60Hzの電源及び通信信号として数十kHz〜数MHzの高周波信号を使用する。電力線通信の送信端及び受信端における原理を
図1A及び
図1Bに簡略に示した。
【0003】
電力線通信は、照明、ホームネットワークなどの様々な分野に適用することができるところ、そのうち、街路灯、両方向管制システムを例に挙げると、街路灯分電箱内に位置したマスター(Master)モデムが電力線を媒介体にしてディミング命令を転送し、街灯柱内に位置するスレーブ(Slave)モデムが命令を受信し、これに合わせてディミング用安定器を制御することでランプの明るさを制御する方式である。
【0004】
このように、電力線通信を用いた街路灯の両方向管制システムは、別途の線路工事なしに既存の個別の街灯柱と分電箱に電力線通信システムを設け、管理担当の役員のパトロールや申請者の申告による状況の発生前に中央統制システムを通じてリアルタイムで個別の街路灯の状況を一目で把握することができ、個別の街路灯の漏電、安定器、ランプの故障の際に直ちに電源を遮断し、管理担当の携帯電話または中央制御局に状況の発生に関する情報を通報する。
【0005】
前述したように、電力線通信は別途の通信線路が不要であり、設置が容易であり、別途の通信料金が不要であるという利点がある。
【0006】
しかし、電力線通信は、制限された転送電力により通信距離において限界があり、電動モーターのように非同期的に発生するノイズや60Hzの定数倍の周波数から発生する高周波ノイズ、さらに電子機器のスイッチを連結または遮断する際に発生する独立的なインパルスノイズなどの高い負荷干渉と雑音が発生し、環境によるインピーダンスの変化によって信号減衰の不確実性が存在するという問題がある。
【0007】
前述した電力線通信の問題が発生する具体的な理由は次のようである。先ず、電力線は、本来、電気エネルギーの伝達を目的として製作されたものなので、60Hzの低周波電気信号に対して適当であるように設計されている。つまり、高周波信号の伝達特性には関心がなく、これによって、単に絶縁要件のみを満たせるように作られた電力線の被覆と、任意に設けられる分岐回路及び各種の負荷機器が電力線チャンネルの特性に影響を与える要因として作用する。
【0008】
従って、このような電力線の特性により、相対的に高周波信号である通信信号は、周波数の増加によって大きく減殺され、分岐による信号損失と歪曲に耐えなければならず、電気エネルギーの伝達過程で発生する熱による背景雑音と共に、絶縁被覆では防止できない外部からの様々な干渉信号が存在するようになるので、このような電力線通信の問題を克服するための方案が切実に要望される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述した問題を解決するために、本発明の第1の目的は、制御信号を転送するための別途の通信線路が不要であり、設置が容易であり、通信料金が不要であると共に、転送電力の限界がないことから距離の限界を有しないため、220V/60Hzが伝達される範囲ならどこでも電力線通信が可能な電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置及び方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、負荷干渉及び雑音の影響が少なく、信号減衰の不確実性が消えると共に、周波数変調装置を用いた周波数変調技術は不要であり、別途のカップラー装置が不要である電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置及び方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の第3の目的は、別途の線路工事なしに、従来の街路灯分電箱と個別の街灯柱にそれぞれ電圧変化装置(街路灯分電箱内に位置)と、電圧センシング装置を含むランプ電源装置(個別の街灯柱内に位置)と、を設け、環境及び必要に応じて街路灯の明るさを制御(ディミング)することができ、これを通じてエネルギーの節約が可能な街路灯ランプディミング制御方式に適用できる電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置及び方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の第4の目的は、既存の電圧変化を通じたディミングシステムとは異なって、データ通信を通じて制御できるディミング段階を、送受信データのビット数がnである場合、2n段階の制御ができると共に、ビット数を増やすことにおいて、制限的な要素なしに更に多くの段階の制御が可能な電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した目的を達成するための本発明は、電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置において、送信端の電圧変化装置を用いて入力電源波形のゼロ電圧(Zero Crossing)地点をスタート点にし、所定の周期の電圧を単位時間にして、所定の電圧だけ変化させ、送信データを含む変化された電源電圧を送信し、受信端の電圧センシング装置で、電力線を通じて供給される前記変化された電源電圧を感知し、ゼロ電圧地点をスタート点にし、実効値(RMS;Root Mean Square)電圧を測定して、前記変化した電源電圧から前記送信データを受信することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置は、前記入力電源波形の電圧が一定でないと、前記電圧変化装置は送信データがHigh(1)であれば、前記単位時間の間、前記所定の電圧だけ変化させず、送信データがLow(0)であれば、前記単位時間の間、前記所定の電圧だけ変化させることを特徴とする。つまり、単位時間の間の変化量を測定する。よって、徐々に変化する量は無視される。
【0015】
また、本発明に係る電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置の前記電圧センシング装置は、初期に前記電力線を通じて受信された電源電圧の実効値電圧を測定し、測定された電圧とは関係なく、波形はHigh(1)に約束し、それ以後、約束された単位時間ごとに実効値電圧を測定し、初期の測定された電圧より臨界電圧以上に下降した電圧であれば、最初のデータを0に決定及びデータの受信を開始し、それ以後、測定電圧が以前の電圧に比べて、その変化が前記臨界電圧未満であれば、受信データを以前のデータと同一に決定し、その変化が前記臨界電圧以上に上昇変化すれば、受信データをHigh(1)に決定し、その変化が前記臨界電圧以上に下降変化すれば、受信データをLow(0)に決定することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置の前記電圧センシング装置は、前記送信端から受信したデータをPWM信号のデューティ(DUTY)を変化させ、ランプの明るさの調節(Dimming)及び電動機速度の調節のための制御信号として使用することを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明に係る電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御装置の前記電圧変化装置は、街路灯分電箱に備えられ、前記電圧センシング装置は、個別の街灯柱内のランプ電源装置に備えられ、前記電圧変化装置は、負荷に電力を供給しながら電圧を変化させるために第1の巻線の下端と第2の巻線の上端がディミングスイッチで連結された2段のタブ単巻変圧器と、前記第1の巻線の上端に供給される入力電源と一端が連結され、他端が前記第1の巻線の下端と前記負荷とを連結する電源線路に連結されるバイパススイッチと、前記第2の巻線の第1のタブに一端が連結され、他端が共通線に連結された第1のスイッチと、前記第2の巻線の第1のタブに一端が連結され、他端が前記共通線に連結された第1の抵抗に連結された第2のスイッチと、前記第2の巻線の第2のタブに一端が連結され、他端が前記共通線に連結された第3のスイッチと、前記第2の巻線の第2のタブに一端が連結され、他端が前記共通線に連結された第2の抵抗に連結された第4のスイッチと、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、前述した目的を達成するための本発明は、電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御方法において、送信端の電圧変化装置を用いて入力電源波形のゼロ電圧(Zero Crossing)地点をスタート点にし、所定の周期の電圧を単位時間にして、所定の電圧だけ変化させ、送信データを含む変化された電源電圧を送信し、受信端から電力線を通じて供給される前記変化された電源電圧を感知し、ゼロ電圧地点をスタート点にし、実効値(RMS;Root Mean Square)電圧を測定して、前記変化した電源電圧から前記送信データを受信することを特徴とする。
【0019】
尚、本発明に係る電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御方法は、前記入力電源波形の電圧が一定でないと、前記電圧変化装置は送信データがHigh(1)であれば、前記所定の電圧だけ変化させず、送信データがLow(0)であれば、前記所定の電圧だけ変化させることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御方法において、前記電圧センシング装置は、初期に前記電力線を通じて受信された電源電圧の実効値電圧を測定し、測定された電圧とは関係なく、波形はHigh(1)に約束し、それ以後、約束された単位時間ごとに実効値電圧を測定し、初期の測定された電圧より臨界電圧以上に下降した電圧であれば、最初のデータを0に決定及びデータの受信を開始し、それ以後、測定電圧が以前の電圧に比べて、その変化が前記臨界電圧未満であれば、受信データを以前のデータと同一に決定し、その変化が前記臨界電圧以上に上昇変化すれば、受信データをHigh(1)に決定し、その変化が前記臨界電圧以上に下降変化すれば、受信データをLow(0)に決定することを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御方法において、前記電圧センシング装置は、前記送端から受信したデータをPWM信号のデューティ(DUTY)を変化させ、ランプの明るさの調節(Dimming)及び電動機速度の調節のための制御信号として使用することを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御方法において、送信端の電圧変化装置において、入力電源波形のゼロ電圧(Zero Crossing)地点をスタート点にし、データ未転送の状態ではHighを維持し、転送しようとするデータ値に対応してLOW状態の時間を単位時間のn倍数に維持するように所定の電圧だけ変化させ、送信データを含む変化された電源電圧を送信し、受信端から電力線を通じて供給される前記変化された電源電圧を感知し、ゼロ電圧地点をスタート点にし、実効値(RMS;Root Mean Square)電圧を測定して、前記変化した電源電圧から前記送信データを受信することを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御方法において、前記電圧変化装置は、街路灯分電箱に備えられ、前記電圧センシング装置は、個別の街灯柱内のランプ電源装置に備えられ、前記電圧変化装置は、負荷に電力を供給しながら電圧を変化させるために第1の巻線の下端と第2の巻線の上端がディミングスイッチで連結された2段のタブ単巻変圧器と、前記第2の巻線の第1のタブに一端が連結され、他端が共通線に連結された第1のスイッチと、前記第2の巻線の第1のタブに一端が連結され、他端が前記共通線に連結された第1の抵抗に連結された第2のスイッチと、前記第2の巻線の第2のタブに一端が連結され、他端が前記共通線に連結された第3のスイッチと、前記第2の巻線の第2のタブに一端が連結され、他端が前記共通線に連結された第2の抵抗に連結された第4のスイッチと、を含み、前記ディミングスイッチ及び前記第1のスイッチがオン(ON)の状態で、前記電圧変化装置が電圧を変化させるために、前記第1のタブから第2のタブに転換する際に、前記第2のスイッチをオン(ON)させる第1の段階と、前記第4のスイッチをオン(ON)させる第2の段階と、前記第1のスイッチをオフ(OFF)させる第3の段階と、前記第3のスイッチをオン(ON)させる第4の段階と、前記第2のスイッチをオフ(OFF)させる第5の段階と、前記第4のスイッチをオフ(OFF)させる第6の段階と、を行って、前記タブの転換を行うことを特徴とする。
【0024】
さらに、本発明に係る電力線通信における常用電源の振幅の変化を用いたディミング制御方法において、前記電圧変化装置は、前記第1の巻線の上端に供給される入力電源と一端が連結され、他端が前記第1の巻線の下端と前記負荷とを連結する電源線路に連結されるバイパススイッチをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
前述したように、本発明は、制御信号を転送するための別途の通信線路が不要であり、設置が容易であり、通信料金が不要であるという利点がある。
【0026】
また、本発明は、転送電力の限界をなくすことで、距離の限界を有しないため、220V/60Hzが伝達される範囲ならどこでも電力線通信が可能であり、電力線のRMS電圧を測定することで、電圧センシングの際にノイズが平均化して消えるため、負荷干渉及び雑音の影響が少なく、電力線のインピーダンスは60Hzに合うように設計されるため、信号減衰の不確実性が消えると共に、電圧変化装置を使用することで、周波数変調装置を用いた周波数変調技術が不要であり、別途のカップラー(Coupler)装置が不要であるという利点がある。
【0027】
これによって、本発明は、本発明を適用した街路灯ランプのディミング制御方式に別途の線路工事なしに既存の個別の街灯柱と街路灯分電箱に電圧変化装置と電圧センシング装置を設け、環境及び必要に応じて街路灯の明るさを制御(ディミング)することができ、これを通じてエネルギーを節約することができる効果がある。
【0028】
また、本発明は、従来の電圧変化を通じたディミングシステムとは異なって、データ通信を通じて制御可能なディミング段階を送受信データのビット数がnである場合、2n段階の制御が可能な街路灯ランプのディミング制御方式を提供することができるという利点があり、ビット数を増やすことにおいて制限的な要素がなく、これを通じて更に多くの段階制御が可能であるという利点がある。
【0029】
尚、本発明は、転送しようとするデータ値に対応するように単位時間のn倍数でLOWを転送し、データの未転送時にはHIGHに維持するデータ送受信方法の場合、送信端装置のスイッチング変化数量が下降と上昇の2回のみを通じて行われることができるため、システムを安定的に動作させることができ、受信端でもセンシングに対する複雑性が消えるという利点がある。
【0030】
また、本発明は、電圧が変化する過程中でも受信端の動作に必要な電力の遮断なしに電圧の変化が可能なので、受信端制御部がバッテリーなしに安定的に動作することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1A】一般的な電力線通信の送信端及び受信端での原理を示す図である。
【
図1B】一般的な電力線通信の送信端及び受信端での原理を示す図である。
【
図2A】本発明の電力線通信装置及び方法による送受信端の基本原理を示す図である。
【
図2B】本発明の電力線通信装置及び方法による送受信端の基本原理を示す図である。
【
図3A】実際の電力線使用環境における本発明の電力線通信装置及び方法による送受信端の応用原理を示す図である。
【
図3B】実際の電力線使用環境における本発明の電力線通信装置及び方法による送受信端の応用原理を示す図である。
【
図4】本発明に係る電力線通信装置及び方法を街路灯ランプディミング制御に適用した構成図である。
【
図5】本発明に係る電力線通信装置及び方法に使用される電圧変化装置の回路図である。
【
図6A】
図5の電圧変化装置の電圧変化時の状態を示す回路図である。
【
図6B】
図5の電圧変化装置の電圧変化時の状態を示す回路図である。
【
図6C】
図5の電圧変化装置の電圧変化時の状態を示す回路図である。
【
図7A】
図5の電圧変化装置の電圧変化の過程を段階別に示す回路図である。
【
図7B】
図5の電圧変化装置の電圧変化の過程を段階別に示す回路図である。
【
図7C】
図5の電圧変化装置の電圧変化の過程を段階別に示す回路図である。
【
図7D】
図5の電圧変化装置の電圧変化の過程を段階別に示す回路図である。
【
図7E】
図5の電圧変化装置の電圧変化の過程を段階別に示す回路図である。
【
図7F】
図5の電圧変化装置の電圧変化の過程を段階別に示す回路図である。
【
図7G】
図5の電圧変化装置の電圧変化の過程を段階別に示す回路図である。
【
図8】本発明に係る電力線通信装置及び方法を街路灯ランプディミング制御方式に適用する場合の街路灯分電盤の構成を示す図である。
【
図9】本発明に係る電力線通信装置及び方法に使用される受信部の電圧センシング装置のブロック構成図である。
【
図10A】
図9の電圧センシング装置の電圧変換器の一例を示す図である。
【
図10B】
図9の電圧センシング装置の電圧変換器の一例を示す図である。
【
図10C】
図9の電圧センシング装置の電圧変換器の一例を示す図である。
【
図11A】
図9の電圧センシング装置の電波整流回路とサンプリング方法をそれぞれ示す図である。
【
図11B】
図9の電圧センシング装置の電波整流回路とサンプリング方法をそれぞれ示す図である。
【
図12A】
図9の電圧センシング装置の電圧の実効値を計算して受信データを抽出する方法をそれぞれ示す図である。
【
図12B】
図9の電圧センシング装置の電圧の実効値を計算して受信データを抽出する方法をそれぞれ示す図である。
【
図13】
図9の電圧センシング装置のCPUの制御信号として使用するPWM信号の一例を示す図である。
【
図14】表1による命令転送フレームのフォーマットを示す図である。
【
図15A】ビットの種類によるパルス維持時間を示す図である。
【
図15B】ビットの種類によるパルス維持時間を示す図である。
【
図15C】ビットの種類によるパルス維持時間を示す図である。
【
図16】
図15Aないし
図15Cの規則によって表1において6段階で変更を要求する命令の波形の一例を示す図である。
【
図17A】電圧変化装置の各伝達状態による回路図である。
【
図17B】電圧変化装置の各伝達状態による回路図である。
【
図17C】電圧変化装置の各伝達状態による回路図である。
【
図18A】出力電圧の維持時間でディミング命令を伝達する方法を示す図である。
【
図18B】出力電圧の維持時間でディミング命令を伝達する方法を示す図である。
【
図18C】出力電圧の維持時間でディミング命令を伝達する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図面のうち、同じ構成は可能な限り何れにも同じ符号を付けていることに留意されたい。以下の説明において具体的な特定事項が示されているところ、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものである。さらに、本発明の説明において、関連した公知の機能、あるいは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明にする恐れがあると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0033】
電力線通信の劣悪なチャンネル環境を克服するためには、以下の多様な技術が必要である。必要な技術には、先ず、これは電力線を媒介体にしてデータを周波数に載せるための周波数変調技術が必要であり、変調された通信信号を電力線と結合するカップリング技術と、受信端で希望する通信信号のみを受け入れ、不要な帯域の信号を取り除くためのフリーフィルタ技術、さらにエラー率を減らすために、コード化された符号体系に変えるチャンネルコーディング技術などがある。
【0034】
このために、本発明に係る電力線通信装置及び方法は、送信端から伝達しようとするデータを、電力線を通じて供給される常用電源(例えば、220V/60Hz or 50Hz、100V/60Hz or 50Hzなど)の電圧(振幅)を変化させて送信し、これを受信端から電力線を通じて供給される電源の電圧をセンシングしてデータを受信する方法を提案する。特に、本発明に係る電力線通信装置及び方法は、電圧の変化時にも受信端に電力が途切れずに供給される電力線通信装置及び方法を提案する。
【0035】
図2Aまたは
図2Bは、本発明に係る電力線通信装置及び方法による送受信端の基本原理を示す図であり、220V/60Hzの電源波形に対する一例として、10Vの電圧変化装置を用いて電圧(振幅)を変化させて送信データ(10011010)を送信し、受信端では電力線を通じて供給される電源の電圧をセンシングしてデータ(10011010)を受信する。
図2Aまたは
図2Bに示すように、一周期の電力線送信または受信波形が一つのデータを表示する。一方、送受信側の間に約束した一定の周期が一つのデータを表示することもできる。受信端の電圧センシング装置はゼロ電圧(Zero Crossing)地点をスタート点にし、実効値(RMS;Root Mena Square)電圧を測定することで、受信されたデータを受信する。
【0036】
図3Aまたは
図3Bは、実際の電力線の使用環境における本発明に係る電力線通信装置及び方法による送受信端の応用原理を示す図であり、実際の電力線環境では常に電源波形220V/60Hzが維持されず、電力使用環境に応じてリアルタイムで電圧が変わり続く(急激に変わるよりは、1周期に亘って、大きくは2〜3V程度変わる。)。
【0037】
図3Aに示すように、送信端では220V/60Hzの電力線入力電圧が、時間の経過につれて2Vずつ下降し、また時間の経過につれて2Vずつ上昇する場合には、一例として、送信データが1であれば電圧変化装置での電圧の降下が発生せず、送信データが0である場合のみに10Vの電圧を降下させて転送する。
【0038】
これによって、
図3Bに示すように、受信端では、初期に電力線を通じて受信された波形はHigh(1)に約束し、それ以後、約束された単位時間ごとに実効値電圧を測定して、限界値電圧(Vth、一例として6V)以上に下降した電圧であれば、最初のデータを0に決定してデータの受信を開始する。次に、受信信号の測定電圧が8V上昇し、Vthより更に大きな上昇変化を見せると二番目のデータを1に決定する。同様に、それ以後、受信された信号の電圧を測定して、以前の電圧と比較した結果がVthより小さければ以前のデータを受信信号のデータに決定し、更に大きな上昇変化を見せると以前のデータとは関係なく1に、更に大きな下降変化を見せると以前のデータとは関係なく0に決定する。
【0039】
次に、本発明に係る電力線通信装置及び方法を街路灯ランプディミング制御に適用した構成図である
図4を参照しながら、実施例について詳細に説明する。説明の便宜のために、制御に必要な中央制御局及び携帯型無線端末は示していない。
【0040】
図4に示すように、街路灯分電箱内に電圧変化装置を装着し、電力線を媒介体としてディミング命令を転送すると、街灯柱内に位置した電圧センシング装置が転送されたディミング命令を受信し、これに合わせてディミング用の安定器を制御してランプの明るさを制御する。この際、ディミング用安定器と電圧センシング装置を一体型に構成することもできる。
【0041】
図4に示すように、本発明に係る電力線通信装置及び方法を適用した街路灯ランプのディミング制御方式は、従来のディミング方式とは異なって、別途の線路工事なしに既存の個別の街灯柱と街路灯分電箱に電圧変化装置と電圧センシング装置を設け、環境及び必要に応じて街路灯の明るさを制御(ディミング)することができ、これを通じてエネルギーを節約することができる。これによって、本発明に係る電力線通信装置及び方法を適用した街路灯ランプのディミング制御方式は、従来の電圧変化を通じたディミングシステム(例えば、多段のタブを通じたN段階の電圧変化方式)ではN段階にディミング段階が限られているのに対し、本発明ではデータ通信を通じて制御できるディミング段階の限界性を無くすことができる。つまり、送受信データのビット数がnである場合、2n段階の制御が可能である。
【0042】
前述したように、本発明に係る電力線通信装置及び方法は、制御信号を転送するための別途の通信線路が不要であり、設置が容易であり、通信料金が不要であるという利点がある。
【0043】
また、本発明に係る電力線通信装置及び方法は、既存の電力線通信の問題点を克服し、転送電力の限界を無くすことで距離の限界を有しないため、220V/60Hzが伝達される範囲であればどこへでも電力線通信が可能である。但し、電圧変化装置の上位端(韓電方向)には通信が不可能であり、負荷方向への単方向通信のみが可能であるという限界がある。
【0044】
また、本発明に係る電力線通信装置及び方法は、電力線のRMS電圧を測定することで、電圧センシングの際にノイズが平均化されて消えるため、負荷干渉及び雑音の影響が少ない。また、60Hzに対する電力線のインピーダンスは従来使われていた電力線通信周波数に比べて非常に高いので(数百倍以上)信号減衰の不確実性が消えると共に、電圧変化装置を使用することで周波数変調装置を用いた周波数変調技術が不要であり、別途のカップラー(Coupler)装置が不要である。
【0045】
図5は、本発明に係る電力線通信装置及び方法に使用される電圧変化装置の回路図であり、図示されたように、単巻変圧器の2段のタブ(TAP)の構成を通じて、送信しようとするデータ(High/Low)によって高い電圧と低い電圧を転送する。
【0046】
以下、
図6Aないし
図6Cを参照しながら、
図5の電圧変化装置の電圧変化時の状態を詳細に説明する。先ず、
図6Aは、出力が200Vである場合の電圧変化装置の回路図であり、入力電圧220V/60Hzに対して1次巻線と2次巻線との巻線比を220:200に調整することで、200Vを出力電圧として出力する。この際、2次電圧は(1次電圧×2次巻線比/1次巻線比)の式から求められるので、入力電圧及び1、2次巻線比を代入すると200Vの出力電圧が求められる。
【0047】
次に、
図6Bは、出力が210Vである場合の電圧変化装置の回路図であり、入力電圧220V/60Hzに対して1次巻線と2次巻線との巻線比を440:420に調整することで、210Vを出力電圧として出力する。同様に、2次電圧は(1次電圧×2次巻線比/1次巻線比)の式から求められるので、入力電圧及び1、2次巻線比を代入すると210Vの出力電圧が求められる。
【0048】
図6Cは、非常状況の発生時に変圧器に加えられる電圧を遮断すると同時に、出力に入力電圧をバイパス(BYPASS)するためのスイッチング回路図を示すものであり、sw5はオフ(off)、sw6はオン(on)に動作させることで、220V/60Hzの入力電圧がそのまま出力電圧として出力される。
【0049】
次に、
図7Aないし
図7Gを参照しながら
図5の電圧変化装置が200Vから210Vに電圧を変化させる過程を段階別に詳細に説明する。送信端と受信端のデータ伝達方法に関する以上の説明において、220Vと10Vの電圧変化を一例として説明したが、210Vを参照電圧(Reference voltage)にし、200Vを10Vに変化した段階で構成をしても動作は同一である。210VはHigh、200VはLowを示す。
【0050】
特に、以下で説明する
図7Aないし
図7Gの電圧変化の過程は、スイッチを通じて流れていた電流がスイッチのオフ(off)動作によって電流の流れが断絶されることによって発生するアーク(Arc)特性を消去するためにダンピング(Damping)抵抗を使用し、少なくとも1つ以上のスイッチが分路巻線を通じてオン(on)されているようにすることで、分路巻線のスイッチの全体がオフ(off)される現象を防止し、タブの変換時にも負荷(受信端)に供給される電源が遮断されず、特に、高圧ランプの場合、瞬間的な電圧の遮断がある場合に再点灯されない問題を解決する。また、受信部が安定的に電源の供給を受け、バッテリーなしに動作することができるという利点がある。
【0051】
先ず、
図7Aは、変化1の段階であって、sw1をオン(on)に動作させる段階であり、
図7Bは、変化2の段階であって、sw1がオン(on)の状態でsw2をオン(on)に動作させる。続いて、
図7Cは、変化3の段階であって、sw1、2がオン(on)の状態でsw4をオン(on)に動作させる段階であり、
図7Dは、変化4の段階であって、sw1をオフ(off)に動作させ、sw2、4のみをオン(on)の状態にする。それ以後、
図7Eは、変化5の段階であって、sw2、4がオン(on)の状態でsw3をオン(on)に動作させる段階であり、
図7Fは、変化6の段階であって、sw3、4はオン(on)の状態に維持しながら、sw2をオフ(off)に動作させる。最後に、
図7Gは、変化7の段階であって、sw3のみをオン(on)の状態を維持するようにsw4をオフ(off)に動作させる。
【0052】
同様に、210Vから200Vに電圧を変化させる場合には、前述した
図7Aないし
図7Gの電圧変化の過程を逆に行う。
【0053】
図8は、本発明に係る電力線通信装置及び方法を、街路灯ランプディミング制御方式に適用する場合の街路灯分電盤の構成を示す図である。
図8を参照する。制御部は、送信しようとするデータによって電圧変換装置のスイッチを制御して出力電圧を変更し、無線モデム(通信部)を通じてサーバとの通信を行い、サーバに各種の電力情報及び状態報告とサーバから伝達されたディミング変更要請データに応答して電圧変換装置のスイッチを制御する。
【0054】
その他にも、本発明に係る電力線通信装置及び方法を適用した街路灯ランプのディミング制御方式の街路灯分電盤は、入出力電圧、電流、力率、電力などを測定する機能を含めており、内部状態表示用ディスプレイ装置(LCD及びLEDなど)及び設定変更要求用キーパッド(KEYPAD)などを含むことができる。
【0055】
図9は、本発明に係る電力線通信装置及び方法に使用される受信部の電圧センシング装置のブロック図であって、電圧変換、及びA/Dコンバータは、送信部から電力線を通じて供給された受信電源(210V or 200V)からCPUが測定できる5Vよりも低い電圧に変換して(PT or CTを利用)サンプリング(Sampling)した上、その値をCPUに伝達する。続いて、CPUは電圧変換、及びA/Dコンバータから伝達された電圧をRMS(実効値)で計算した上、前述した受信部でのデータ判断方法を用いて受信データに変換し、その命令を解釈して、それに該当する制御信号を出力する。SMPSは、受信された交流電圧をCPU及び電圧変換、及びA/Dコンバータが動作するための直流電圧に変換して提供する。
【0056】
図10Aないし
図10Cは、
図9の電圧センシング装置において、受信電源を5V以下の低い電圧に変換することに使用される電圧変換器の一例を示す図であって、
図10A、
図10B、
図10Cは、それぞれ電力変換器(PT;Power Transformer)、抵抗分配器、電流変換器(CT;Current Transformer)を示すものである。
【0057】
先ず、
図10Aを参照する。電力変換器は、1次巻線比と2次巻線比との比率によって1次電圧が2次電圧に変換される方式で電圧変換、及びA/Dコンバータが読める電圧領域に電圧を低下させる。電力変換器は1次側と2次側の回路を電気的に絶縁させるメリットがある。
【0058】
次に、
図10Bを参照する。抵抗比によって220Vの入力電圧を2.2Vの低い電圧に変化させる場合、回路が簡単であるという利点がある。
【0059】
最後に、
図10Cを参照する。電流変換器が100:1の比率である場合、1次電流が2.2mAである場合、2次電流は22uAなので、R2にかかる電圧は2.2V(22uA×100kohm)になる。電流変換器は1次側と2次側が電気的に絶縁されると共に、電力変換器に比べて大きさが小さいという利点がある。
【0060】
図11A及び
図11Bは、
図9の電圧センシング装置で電圧変換、及びA/Dコンバータがサンプリングを容易に行うことができるように交流を脈流に転換する電波整流回路とサンプリング方法をそれぞれ示す図である。この際、電波整流回路には半波整流回路を使用することもでき、Differential A/D converterを使用する場合には、整流回路は省略することができる。サンプリングは1周期の間にn回サンプリングして、リアルタイムでサンプリングしたデジタル値をCPUに伝達する。
【0061】
図12Aまたは
図12Bは、
図9の電圧センシング装置でCPUが電圧のRMS(実効値)を計算して受信データを抽出する方法を示す図である。CPUは、
図12Aに示すように、電圧変換、及びA/Dコンバータから伝達されたデータを持って実効値を計算し、
図12Bに示すように、受信データが検出される。一例として、1周期の実効値を計算したが、様々な周期に対する実効値を計算して平均を取っても関係ない。実効値は以下の数学式1によって求められる。
【0063】
図13は、
図9の電圧センシング装置において、CPUがランプの明るさの調節(Dimming)または電動機速度調節のための制御信号として使用するPWM信号の一例を示す図であって、PWM信号のデューティ(DUTY)変化を通じて送信部から伝達したデータを受信部で受信し、それに合う制御信号に変化させることができる。
【0064】
次に、以下の表1は、送受信される制御データを用いてディミンググ命令を伝達するための各段階別命令データの一例として、16段階のディミング命令を伝達するためには4ビットが必要であるが、通信エラーを補強するために、ディミング命令4ビットで各ビットの4ビットを追加して、計8ビットを示した。
【0066】
図14は、表1による命令転送フレームのフォーマットを示す図であり、
図15Aないし
図15Cは、ビットの種類によるパルス維持時間を示す図であり、スタートビットは基本時間の2倍以上Lowを維持した後、Highに変わり、HighビットはHighとLowの状態に何れも基本時間を維持し、LowビットはHigh状態に基本時間を維持した後、Lowの状態に基本時間の2倍を維持する。基本時間(T)は秒単位に設定される。
【0067】
図15Aないし
図15Cの規則によって、表1において、6段階に変更を要求する命令の波形の一例を
図16に示す。
図16を参照する。6段階に変更を要求する命令の波形は0×69を送らなければならないので、スタート信号の後、L、H、H、L、H、L、L、Hを送る。若し、基本時間(T)を1秒に設定すれば計22Tとして22秒が所要される。
【0068】
図17Aないし
図17Cに各伝達状態による電圧変化装置の回路をそれぞれ示す。
図17Aは、アイドル(Idle)状態のスイッチ開閉状態を示すものであり、
図17Bは、Highビット伝達状態のスイッチ開閉状態を、
図17Cは、Lowビット伝達状態のスイッチ開閉状態を示すものである。
【0069】
図18Aないし
図18Cは、出力電圧の維持時間でディミング命令を伝達する方法を示すものである。
図18Aは、変更された出力電圧の維持時間でディミング命令を伝達する方法であって、基本時間のn倍の間Lowを維持した後、Highに変化するように動作し、基本時間(T)は秒単位で設定する。nが1であればバイパス命令であり、nが2であれば1段階、nが3であれば2段階の手順にディミング命令を伝達する。
【0070】
図18Bは、変更された出力電圧の維持時間でディミング命令を伝達し、
図18Aとは異なって、基本時間のn倍の間Highを維持した後、Lowに変化する。同様に、nが1であればバイパス命令であり、nが2であれば1段階、nが3であれば2段階の手順にディミング命令を伝達する。
【0071】
図18Cは、出力電圧の変更周期でディミング命令を伝達する方法であり、基本時間(T)のn倍の周期で設定回数の間、Low及びHighを変更する。図示されたように、バイパス命令は基本時間(T)の1倍周期で設定回数の間、Low及びHighを変更し、1段階の命令は基本時間(T)の2倍周期で設定回数の間、Low及びHighを変更する方式でディミング命令を伝達することができる。
【0072】
前述したように、本発明に係る電力線通信装置及び方法は、制御信号を転送するための別途の通信線路が不要であり、設置が容易であり、通信料金が不要である。
【0073】
また、本発明に係る電力線通信装置及び方法は、転送電力の限界をなくすことで、距離の限界を有しないため、220V/60Hzが伝達される範囲なら何れも電力線通信が可能であり、電力線のRMS電圧を測定することで、電圧センシングの際にノイズが平均化して消えるため、負荷干渉及び雑音の影響が少なく、60Hzに対する電力線のインピーダンスは、従来に使われていた電力線通信周波数に比べて非常に高いので(数百倍以上)信号減衰の不確実性が消えると共に、電圧変化装置を使用することで、周波数変調装置を用いた周波数変調技術が不要であり、別途のカップラー(Coupler)装置が不要である。
【0074】
これによって、本発明に係る電力線通信装置及び方法を適用した街路灯ランプのディミング制御方式は、別途の線路工事なしに既存の個別の街灯柱と街路灯分電箱に電圧変化装置と電圧センシング装置を設け、環境及び必要に応じて街路灯の明るさを制御(ディミング)することができ、これを通じてエネルギーを節約することができる。
【0075】
また、本発明に係る電力線通信装置及び方法を適用した街路灯ランプのディミング制御方式は、従来の電圧変化を通じたディミングシステムとは異なって、データ通信を通じて制御できるディミング段階を送受信データのビット数がnである場合、2n段階の制御が可能である。
【0076】
一方、本発明の詳細な説明では、具体的な実施例について説明したが、本発明の範囲を超えない限度内で様々な変形が可能であることは言うまでもない。よって、本発明の範囲は説明された実施例に限って定めてはいけないと共に、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものによって定めるべきである。