特許第5964545号(P5964545)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5964545靱帯再生外科手術の際に利用する装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964545
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】靱帯再生外科手術の際に利用する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20160721BHJP
   A61F 2/08 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   A61B17/56
   A61F2/08
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2010-549841(P2010-549841)
(86)(22)【出願日】2009年3月4日
(65)【公表番号】特表2011-514204(P2011-514204A)
(43)【公表日】2011年5月6日
(86)【国際出願番号】US2009035988
(87)【国際公開番号】WO2009111539
(87)【国際公開日】20090911
【審査請求日】2012年3月2日
【審判番号】不服2014-23587(P2014-23587/J1)
【審判請求日】2014年11月19日
(31)【優先権主張番号】61/033,648
(32)【優先日】2008年3月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504048135
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ビー・エリス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・シー・フェラガモ
(72)【発明者】
【氏名】ブライス・ベデルカ
【合議体】
【審判長】 内藤 真徳
【審判官】 竹下 和志
【審判官】 関谷 一夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−333964(JP,A)
【文献】 米国特許第6120511(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B17/56
A61F2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
靱帯再生外科手術の際に利用するための装置において、
第1のマーキングセットと、第2のマーキングセットと、前記第1のマーキングセットと前記第2のマーキングセットとの間に配置されている窓とを備えている、ハンドルと、
前記ハンドルに結合されているチューブであるとともに、このチューブの第2の端部分が、前記ハンドルの穴内に配置されているチューブと、
レーザーマーキング部を含んでいる第2の端部分と、数値マーキング部を含んでいる第1の端部分と、を有しているガイドワイヤと、
前記ハンドルに結合されているロック機構であるとともに、シャフトと、前記シャフトに結合されているノブとを備え、さらに、前記シャフトが、前記チューブに対して前記ガイドワイヤを固定するために、前記ハンドルの貫通穴内に配置されている、ロック機構と、
を備え、
前記ハンドルに設けられた前記窓が、前記チューブおよび前記穴を通して配置され得るよう構成された前記ガイドワイヤ上の前記数値マーキング部に関する視認性を提供しているとともに、前記ガイドワイヤの前記第1の端部分に関する視認性を提供していることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記チューブが、カニューレとされていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シャフトには、ネジ加工が成されているノブとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記チューブの前記第2の端部分が、前記ハンドルに対して直接的に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2008年3月4日に出願された、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている米国仮特許出願第61/033,648号明細書のPCT国際出願である。
【0002】
本発明は、靱帯再生外科手術、より具体的には、身体再生外科手術の際に長さを決定するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
靱帯再生外科手術のための再生トンネルを大腿骨内に形成することが、例えば膝蓋腱(patellar tendon)や半腱様筋腱(semitendinosis tendon)のような軟組織移植片を取り付けるために必要とされる。大腿骨に形成されたトンネルの長さが決定される必要があり、トンネル内に移植片を固定するために利用されるインプラントの適切な長さを決定するためには、計算する必要がある。現在、これらの長さを決定するために、手計算が行なわれている。これら手計算は不正確であり、時間を要する場合がある。従って、これら長さを計算するための装置及び方法が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一の実施態様では、本発明は、靱帯再生外科手術で利用するための装置に関する。装置は、ハンドルと、ハンドルに結合されているチューブと、ハンドルに結合されているロック機構とを含んでいる。ハンドルは、第1のマーキングセットと、第2のマーキングセットと、第1のマーキングセットと第2のマーキングセットとの間に配置されている窓とを備えているハンドルとを含んでいる。チューブは、挿管可能である。該チューブは、ハンドルに結合されている第1の端部分と、第2の端部分とを含んでいる。ロック機構は、シャフトと、シャフトに結合されているノブとを含んでいる。
【0005】
他の実施態様では、本発明は、靱帯再生外科手術の際に利用するための方法に関する。当該方法は、ハンドルを含んでいる装置を準備するステップであって、ハンドルが、第1のマーキングセットと、第2のマーキングセットと、第1のマーキングセットと第2のマーキングセットとの間に配置されている窓とを含んでおり、挿管可能なチューブが、ハンドルに結合されており、チューブが、第1の端部と、第2の端部と、ハンドルに結合されているロック機構とを含んでおり、ロック機構が、シャフトと、シャフトに結合されているノブとを含んでいるステップと;ガイドワイヤを準備するステップであって、ガイドワイヤが、開口部を含んでいる第1の端部分と、マーキング部を含んでいる第2の端部と、第1の端部分と第2の端部分との間に配置されているレーザーマーキング部とを有しているステップと;第2の端部分が大腿骨から延在するように、ガイドワイヤを脛骨及び大腿骨に挿通するステップと;チューブの第1の端部が大腿骨の表面に当接するまで、ガイドワイヤの第2の端部分を越えて装置のチューブを挿入するステップと;大腿骨のトンネルの望ましい長さを決定するために、第1のマーキングセットのマーキングとガイドワイヤの第2の端部分とを関連づけるステップと;移植縫合糸の望ましい長さを決定するために、第2のマーキングセットのマーキングとガイドワイヤの第2の端部分のマーキングとを関連づけるステップと;を含んでいる。
【0006】
当該方法は、脛骨及び大腿骨を貫通してトンネルを穿孔するステップと、縫合糸をガイドワイヤの第1の端部分に結合するステップと、縫合糸を組織移植片に結合するステップと、ガイドワイヤを利用することによって、組織移植片をトンネル内に挿入するステップとを含んでいる。
【0007】
本発明を利用可能なさらなる分野は、以下の発明の詳細な説明から明らかとなる。発明の詳細な説明及びその実施例が、本発明の好ましい実施例を示すが、単に説明を目的としたものにすぎず、本発明の技術的範囲を限定することは意図していないことに留意すべきである。
【0008】
本出願に組み込まれていると共に本明細書の一部分を形成している添付図面は、本発明の実施例を図示し、発明の詳細な説明と共に本発明の原理、特性、及び特徴を説明するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のガイドワイヤを表わす。
図2】膝関節の所望の骨のトンネル経路を通じて挿入された、図1に表わすガイドワイヤを表わす。
図3】本発明における靱帯再生外科手術で利用するための装置内部に配置された、図1に表わすガイドワイヤを表わす。
図4】本発明における靱帯再生外科手術で利用するための装置内部に配置された、図1に表わすガイドワイヤを表わす。
図5】靱帯再生外科手術の際に利用する、本発明における装置及びガイドワイヤを表わす。
図6】大腿骨のトンネルと脛骨のトンネルとに固定された軟組織移植片を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0010】
好ましい実施例に関する以下の説明は、単なる例示にすぎず、開示内容、該開示内容の技術分野、又は該開示内容の利用に限定される訳ではない。
【0011】
図1は、第1の端部分11と第2の端部分12とを有しているガイドワイヤ10を表わす。第2の端部分12は開口部13を含んでおり、第1の端部分11は数値マーキング部14を含んでいる。ガイドワイヤ10は、ガイドワイヤ10の長さ方向に沿って配置されているレーザーマーキング部15も含んでいる。さらに以下に説明するように、レーザーマーキング部15は、靱帯再生手術の準備するための計算において基準位置として機能する。本発明の目的を達成するために、レーザーマーキング部15は、案内ワイヤ10の全周に亘って延在している環状の形態をしている。しかしながら、レーザーマーキング部の形状及び数量は変更可能である。例えば、環状の形態をした1つのレーザーマーキング部を有しているのではなく、2つのレーザーマーキング部それぞれが、180°離隔して配設されていても良い。また、3つ以上のレーザーマーキング部が、案内ワイヤ10の全周に亘って延在している不連続な環状に形成されていても良い。
【0012】
再生外科手術の際に、大腿骨のトンネルと脛骨のトンネルとを適切に位置決めするために、膝関節が関節鏡を通じて視認される必要がある。さらに、ガイドシステムが、トンネルを穿孔する前にドリルガイドを所望のトンネル経路に沿って位置決めするために利用される場合がある。ガイドシステムの一例が米国特許第5139520号明細書に開示されている。当該特許文献の開示内容全体が、参照によって本明細書に組み込まれている。本明細書では、図2に表わすように、トンネルが適切に位置決めされた後に、ガイドワイヤ10が、所望のトンネル経路40に沿って、脛骨50、大腿骨30、大腿四頭筋60、及び皮膚70を通じて挿入され、これによりガイドワイヤ10の部分Pが、皮膚70を貫通して延在するようになる。上述のように、レーザーマーキング部が、その後の計算のための基準位置として機能する。一般に、ガイドワイヤ10を膝関節を通じて挿入する場合に、外科医は、図2に表わすように、レーザーマーキング部15を大腿骨30の外面又は皮層と位置合わせするだろう。レーザーマーキング部15はガイドワイヤ10における0mmを表わし、数値マーキング部14はレーザーマーキング部15からの距離を表わす。
【0013】
その後に、図3及び図4に表わすように、装置20は、皮膚70を通じて延在しているガイドワイヤ10の部分Pに被さるように配置される。装置20は、ハンドル21と、第1の端部22a及び第2の端部22bを有しているチューブ22と、ハンドル21に結合されているロック機構23とを含んでいる。ロック機構23は、ノブ23aと、ノブ23aに結合されているシャフト23bとを含んでいる。シャフト23bは、ハンドル21及びチューブ22を貫通して延在している貫通穴24内に配置されている。装置20は、図4に表わすように、チューブ22の第1の端部22aが皮膚を貫通して延在し且つ大腿部の皮層30aに当接するように、ガイドワイヤの部分Pに被さって配置されている。第1の端部22aが大腿部の皮層30aに当接すると、ガイドワイヤ10と係合し、ガイドワイヤ10を装置20に固定するように、ノブ23aを回転させる。装置20のハンドル21は、マーキング部21a,21bと、ガイドワイヤ10の部分Pを視認するための窓21cとを含んでいる。ガイドワイヤ10の第1の端部分11、特に第1の端部の先端部分11aは、理想的な大腿骨のトンネルの深さを計算するための、マーキング部21aとの相関性を有している。ガイドワイヤ10が膝関節を挿通される地点における脛骨及び大腿骨に対する相対的な経路(trajectory)や角度、及び骨の物理的な大きさに依存して、深さが変化するだろう。図3に表わす実施例では、トンネルの深さは40mmである。
【0014】
次に、外科医は、損傷した靱帯を交換するために利用されるだろう組織移植片の長さに対応しているガイドワイヤ10の適切な数値マーキング部14を発見する。例えば膝蓋腱や半腱様筋腱のような組織移植片が、ガイドワイヤを関節内に挿置する前に、当業者にとって既知の採取手法及び計測手法によって大腿部から採取され、測定される。以下に説明するように、ガイドワイヤ10の数値マーキング部14は、固定装置と共に利用される縫合糸ループの長さを計算するために、及び移植片をガイドワイヤ10の第2の端部分12に結合するように縫合するために、マーキング部21bに対応している。例えば図3に表わすように、組織移植片の長さが20mmである場合には、縫合糸ループの長さも20mmであるべきである。縫合糸ループの長さも、ガイドワイヤ10が膝関節を挿通される地点における脛骨及び大腿骨に対する相対的な経路や角度、及び骨の物理的な大きさに依存して変化するだろう。利用可能な縫合糸ループ及び固定装置の例が、米国特許第5306301号明細書及び米国特許第6533802号明細書に開示されている。これら特許文献の開示内容全体が、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0015】
所望のトンネルの長さ及び縫合糸ループの長さを計算した後に、ドリルガイドとしてガイドワイヤ10を利用し、当業者にとって既知の穿孔手法によって大腿骨及び脛骨を穿孔する。図5に表わすように、大腿骨のトンネル80及び脛骨のトンネル90を穿孔した後に、ガイドワイヤ10を移植片400に結合するための固定装置200を介して、縫合糸300をガイドワイヤ10の開口部13を貫通させ、縫合糸300を移植片400に結合させる。固定装置200は、縫合糸ループ100を介して移植片400に事前に結合されている。その後に、図6に表わすように、外科医は、移植片400をトンネル80,90内に引き込むために、及び固定装置200を大腿部の皮層30aに当接させるために、装置20を利用する場合がある。米国特許第5306301号明細書及び米国特許第6533802号明細書に開示されるように、縫合糸300及び移植片400を固定装置200に結合する場合がある。
【0016】
ガイドワイヤ10は、例えばステンレス材料やチタン合金のような、生体適合性を有している金属材料を含んでいる。ガイドワイヤ10の第1の端部分11及び第2の端部分12に形成された、開口部13及び数値マーキング部14は、打ち抜きプレス加工、他の機械加工、彫刻加工によって作られている。ハンドル21、チューブ22、及びノブ23aも、例えばステンレス材料やチタン合金のような、生体適合性を有している金属材料を含んでおり、成形加工又は機械加工によって作られている場合がある。第1のマーキングセット21aと第2のマーキングセット21bとが、機械加工又は彫刻加工によって作られている場合がある。シャフト23bにはネジ加工が成されており、貫通孔24には適合するネジ加工が成されており、これによりシャフト23bが回転した場合に、シャフトが貫通孔24を通じて容易に移動可能となる。
【0017】
本発明の装置20によって、大腿骨のトンネルの長さを計算可能となり、数式を利用して、外科医によって選定された移植片の長さに基づいて適切な縫合糸ループの長さを決定することができるので、手計算をする必要がなくなる。さらに、装置は、脛骨のトンネルと大腿骨のトンネルとからガイドワイヤを安全に取り除くために利用することができる。
【0018】
対応ずる図面を参照することによって、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、上述の典型的な実施例を多様に変更することができるので、上述の説明に含まれている事項及び添付図面に表わされている事項のすべてについて、限定するものとしてではなく、単なる実例として解釈すべきである。従って、以下の本発明の技術的思想は、上述の内容によって限定的に解釈されるべきではなく、特許請求の範囲及びその均等発明に従って規定されるべきである。
【符号の説明】
【0019】
10 ガイドワイヤ
11 第1の端部分
11a 第1の端部分11の先端部分
12 第2の端部分
13 開口部
14 数値マーキング部
15 レーザーマーキング部
20 装置
21 ハンドル
21a マーキング部(第1のマーキングセット)
21b マーキング部(第2のマーキングセット)
22 チューブ
22a 第1の端部
22b 第2の端部
23 ロック機構
23a ノブ
23b シャフト
24 貫通穴
30 大腿骨
30a 大腿部の皮層
40 トンネル経路
50 脛骨
60 大腿四頭筋
70 皮膚
80 大腿骨のトンネル
90 脛骨のトンネル
100 結合ループ100
200 固定装置
300 縫合糸
400 移植片
P ガイドワイヤ10の部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6