特許第5964575号(P5964575)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964575
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/20 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
   F16H25/20 E
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-266917(P2011-266917)
(22)【出願日】2011年12月6日
(65)【公開番号】特開2013-119876(P2013-119876A)
(43)【公開日】2013年6月17日
【審査請求日】2014年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】安井 努
【審査官】 塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】 実開平07−011870(JP,U)
【文献】 特開平08−121560(JP,A)
【文献】 特開2009−275914(JP,A)
【文献】 特開2000−018358(JP,A)
【文献】 特開2011−136495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転方向と直線方向との間で駆動力の作用方向を変換して機器を駆動するアクチュエータであって、
回転方向の駆動力を発生し又は出力する回転駆動部と、
前記回転駆動部が回転方向の駆動力を発生するときに直線方向の駆動力を出力し、或いは、前記回転駆動部が回転方向の駆動力を出力するときに直線方向の駆動力を発生する直線駆動部と、
前記直線駆動部が一体に設けられ又は固定されるピストンと、
ナット部及びスクリュー部を有し、前記ナット部及び前記スクリュー部が相対回転することで、回転方向と直線方向との間で駆動力の作用方向を変換して伝達する駆動力変換機構と、
筒状の部分を有し、前記ピストン及び前記駆動力変換機構が内側に設置されるケースと、
前記ケースの内側に設けられ、当該ケースに一体に設けられ又は当該ケースに固定されるとともに、内周が前記ピストンの外周を摺動可能に支持するピストン摺動部と、
を備え、
前記ナット部及び前記スクリュー部の一方が、前記ピストンとともに変位するように設けられ、
前記ナット部及び前記スクリュー部の他方が、前記回転駆動部とともに回転し、又は当該回転駆動部に対して回転駆動力伝達機構を介して連動して回転するように設けられ、
前記ピストンにおける前記回転駆動部側となる基端側の部分が前記ケースに対して、前記ケースの軸方向に摺動可能に設置され、かつ前記ピストンにおける先端側の部分が前記ピストン摺動部に対して、前記ケースの軸方向に摺動可能に設置され、
前記スクリュー部の軸心及び前記ナット部の軸心に対して、前記ピストンにおける前記ピストン摺動部と摺動する部分の軸心が偏心するように設定されるとともに、前記ピストン摺動部の内周の中心位置も偏心するように設定され
前記ピストンにおける前記ピストン摺動部と摺動する部分の外径は、前記ピストンにおける前記基端側の部分の外径よりも小さく、
前記ピストン摺動部の内周部は、前記ピストンの軸方向において前記ピストンにおける前記基端側の部分と重なることを特徴とする、アクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載のアクチュエータであって、
前記ピストン摺動部は、円形断面の筒状の摺動用部材として前記ケースと前記ピストンとの間に設置されたブッシュとして設けられ、
前記ブッシュは、内周が前記ピストンの外周に対して摺動可能であるとともに、外周が前記ケースに対して固定され、
前記ブッシュの内周の中心位置が、当該ブッシュの外周の中心位置に対して偏心していることを特徴とする、アクチュエータ。
【請求項3】
請求項2に記載のアクチュエータであって、
前記ブッシュの外周が前記ケースの内周に対してキー結合を介して固定されていることを特徴とする、アクチュエータ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のアクチュエータであって、
前記ピストンは、筒状の部分を有し、前記駆動力変換機構を内側に収納していることを特徴とする、アクチュエータ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のアクチュエータであって、
前記回転駆動部は、回転方向の駆動力を発生し、前記直線駆動部は、直線方向の駆動力を出力することを特徴とする、アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転方向と直線方向との間で駆動力の作用方向を変換して機器を駆動するアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、航空機等、種々の分野において、各種機器を駆動するアクチュエータとして、回転方向と直線方向との間で駆動力の作用方向を変換して機器を駆動するアクチュエータが用いられている。
【0003】
特許文献1においては、電動モータで発生した回転方向の駆動力を駆動ベルト機構を介して伝達し、更に、この回転方向の駆動力をボールスクリュー機構によって直線方向の駆動力に変換し、直線方向の駆動力として出力するアクチュエータが開示されている。また、非特許文献1においても、電動モータで発生した回転方向の駆動力をボールスクリュー機構によって直線方向の駆動力に変換し、直線方向の駆動力として出力するアクチュエータが開示されている。
【0004】
特許文献1或いは非特許文献1に開示されたようなアクチュエータにおいては、回転方向と直線方向との間で駆動力の作用方向を変換して伝達するボールスクリュー機構のような駆動力変換機構が設けられている。このような駆動力変換機構においては、ナット部及びスクリュー部が備えられ、ナット部及びスクリュー部が相対回転することで、駆動力の作用方向の変換が行われる。
【0005】
そして、上記のような駆動力変換機構では、ナット部及びスクリュー部のうちの一方が回転し、他方が直線方向に変位することになる。このため、ナット部及びスクリュー部のうち直線方向に変位する要素の回転を規制するための機構が必要となる。尚、非特許文献1においては、ボールスクリュー機構において直線方向に変位するスクリュー部の回転を規制するため、別途、内蔵又は外部に設置される回転規制装置が必要である点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5111708号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Stephen C. Jensen 、外2名、“FLIGHT TEST EXPERIENCE WITH AN ELECTROMECHANICAL ACTUATOR ON THE F-18 SYSTEMS RESEARCH AIRCRAFT”、[online]、NASA、[平成23年11月28日検索]、インターネット〈http://www.nasa.gov/centers/dryden/pdf/88699main_H-2425.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1或いは非特許文献1に開示されたようなアクチュエータによると、駆動力変換機構において、ナット部及びスクリュー部のうち直線方向に変位する要素の回転を規制するための回転規制機構が必要となる。このような回転規制機構は、ナット部及びスクリュー部の一方の回転を規制可能な構造体として構築されるため、アクチュエータの大型化及び構造の複雑化を招いてしまうことになる。そして、アクチュエータが大型化すると、アクチュエータの重量の増大を招いてしまうことになる。また、アクチュエータが大型化すると、更に、アクチュエータの設置の際における設置スペースの制約を増大させてしまうことになる。よって、回転規制機構の簡素化及び小型化を図れ、設置スペースのコンパクト化を図ることができるアクチュエータが望まれる。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、ナット部及びスクリュー部のうち直線方向に変位する要素の回転を規制するための機構を簡素化及び小型化でき、構造の簡素化及び小型化を図るとともに設置スペースのコンパクト化を図ることができる、アクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための第1発明に係るアクチュエータは、回転方向と直線方向との間で駆動力の作用方向を変換して機器を駆動するアクチュエータであって、回転方向の駆動力を発生し又は出力する回転駆動部と、前記回転駆動部が回転方向の駆動力を発生するときに直線方向の駆動力を出力し、或いは、前記回転駆動部が回転方向の駆動力を出力するときに直線方向の駆動力を発生する直線駆動部と、前記直線駆動部が一体に設けられ又は固定されるピストンと、ナット部及びスクリュー部を有し、前記ナット部及び前記スクリュー部が相対回転することで、回転方向と直線方向との間で駆動力の作用方向を変換して伝達する駆動力変換機構と、筒状の部分を有し、前記ピストン及び前記駆動力変換機構が内側に設置されるケースと、前記ケースの内側に設けられ、当該ケースに一体に設けられ又は当該ケースに固定されるとともに、内周が前記ピストンの外周を摺動可能に支持するピストン摺動部と、を備え、前記ナット部及び前記スクリュー部の一方が、前記ピストンとともに変位するように設けられ、前記ナット部及び前記スクリュー部の他方が、前記回転駆動部とともに回転し、又は当該回転駆動部に対して回転駆動力伝達機構を介して連動して回転するように設けられ、前記ピストンにおける前記回転駆動部側となる基端側の部分が前記ケースに対して、前記ケースの軸方向に摺動可能に設置され、かつ前記ピストンにおける先端側の部分が前記ピストン摺動部に対して、前記ケースの軸方向に摺動可能に設置され、前記スクリュー部の軸心及び前記ナット部の軸心に対して、前記ピストンにおける前記ピストン摺動部と摺動する部分の軸心が偏心するように設定されるとともに、前記ピストン摺動部の内周の中心位置も偏心するように設定され、前記ピストンにおける前記ピストン摺動部と摺動する部分の外径は、前記ピストンにおける前記基端側の部分の外径よりも小さく、前記ピストン摺動部の内周部は、前記ピストンの軸方向において前記ピストンにおける前記基端側の部分と重なることを特徴とする。
【0011】
この構成によると、直線駆動部に一体に設けられた又は固定されたピストンは、ケースに一体に設けられた又は固定されたピストン摺動部に対して軸方向に摺動可能に設置されている。そして、そのピストンの軸心と、ピストンの外周を摺動可能に支持するピストン摺動部の内周の中心位置とが、スクリュー部及びナット部の軸心に対して偏心するように設定されている。このため、ピストンはその軸心を中心とした回転方向の変位が規制された状態となり、ナット部及びスクリュー部の軸心を中心とするピストンの回転も規制されることになる。これにより、ピストンは、ナット部及びスクリュー部の他方が回転する際に、ナット部及びスクリュー部の一方の回転を規制して、ナット部及びスクリュー部の一方とともに直線方向に変位することになる。よって、ナット部及びスクリュー部のうち直線方向に変位する要素の回転を規制するための機構について、ケースの内側でスクリュー部及びナット部に対して軸心が偏心したピストンによって構成でき、簡素化及び小型化することができる。そして、このことにより、アクチュエータの構造の簡素化及び小型化を図れ、アクチュエータの重量の増大を抑制でき、更に、アクチュエータの設置スペースのコンパクト化を図ることができる。
【0012】
従って、上記の構成によると、ナット部及びスクリュー部のうち直線方向に変位する要素の回転を規制するための機構を簡素化及び小型化でき、構造の簡素化及び小型化を図るとともに設置スペースのコンパクト化を図ることができる、アクチュエータを提供することができる。
【0013】
第2発明に係るアクチュエータは、第1発明のアクチュエータにおいて、前記ピストン摺動部は、円形断面の筒状の摺動用部材として前記ケースと前記ピストンとの間に設置されたブッシュとして設けられ、前記ブッシュは、内周が前記ピストンの外周に対して摺動可能であるとともに、外周が前記ケースに対して固定され、前記ブッシュの内周の中心位置が、当該ブッシュの外周の中心位置に対して偏心していることを特徴とする。
【0014】
この構成によると、ナット部及びスクリュー部に対して軸心が偏心したピストンをケースに対して軸方向に摺動可能で回転方向の変位を規制した状態で支持するためのピストン摺動部を容易に実現することができる。即ち、内周の中心位置が外周の中心位置に対して偏心したブッシュをケースとピストンとの間に設置するだけで、上記の機構を容易に実現することができる。よって、ナット部及びスクリュー部のうち直線方向に変位する要素の回転を規制するための機構の更なる簡素化及び小型化を図ることができる。また、上記の構成によると、ピストン摺動部を構成するブッシュをケースとピストンとの間に装着することで上記の回転を規制するための機構を構築できるため、組立作業も容易に行うことができる。
【0015】
第3発明に係るアクチュエータは、第2発明のアクチュエータにおいて、前記ブッシュの外周が前記ケースの内周に対してキー結合を介して固定されていることを特徴とする。
【0016】
この構成によると、キー結合を介して、ブッシュをケースの内側に容易に固定することができる。よって、ナット部及びスクリュー部に対して軸心が偏心したピストンをケースに対して軸方向に摺動可能で回転方向の変位を規制した状態で設置するための機構を更に容易に実現でき、機構の更なる簡素化及び小型化を図ることができる。また、ケースの内側へのブッシュの取り付け作業を更に容易に行うことができる。
【0017】
第4発明に係るアクチュエータは、第1発明乃至第3発明のいずれかのアクチュエータにおいて、前記ピストンは、筒状の部分を有し、前記駆動力変換機構を内側に収納していることを特徴とする。
【0018】
この構成によると、駆動力変換機構が筒状のピストンの内側に収納されるため、ナット部及びスクリュー部が設置されている領域に異物が入り込んでしまうことを容易に抑制することができる。これにより、ナット部及びスクリュー部における異物噛み込みによる固着状態の発生を抑制することができる。また、ピストンの内側の領域が効率よく利用されるため、更に構造の小型化が図られたスペース効率のよい更にコンパクトなアクチュエータを提供することができる。
【0019】
第5発明に係るアクチュエータは、第1発明乃至第4発明のいずれかのアクチュエータにおいて、前記回転駆動部は、回転方向の駆動力を発生し、前記直線駆動部は、直線方向の駆動力を出力することを特徴とする。
【0020】
この構成によると、回転方向の駆動力の作用方向を変換して直線方向の駆動力を出力するアクチュエータの構造の簡素化及び小型化を図ることができる。また、この構成によると、ナット部及びスクリュー部の一方と、直線駆動部とともに変位するピストンとが、駆動力伝達経路における出力側に設けられる。このため、駆動力伝達経路における出力側で作用する大きな駆動力によって、ナット部及びスクリュー部の軸心を中心とする回転方向に生じる力を、筒状のケースの内周で効率よく分散して支持することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、ナット部及びスクリュー部のうち直線方向に変位する要素の回転を規制するための機構を簡素化及び小型化でき、構造の簡素化及び小型化を図るとともに設置スペースのコンパクト化を図ることができる、アクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施の形態に係るアクチュエータが航空機の翼及び舵面に対して取り付けられた状態を示す模式図である。
図2図1に示すアクチュエータの斜視図である。
図3図2に示すアクチュエータの断面図である。
図4図3に示すアクチュエータの断面の一部を拡大して示す図である。
図5図3に示すアクチュエータの断面の一部を拡大して示す図である。
図6図3に示すアクチュエータにおけるピストン摺動部としてのブッシュを示す平面図である。
図7図6のA−A線矢視方向から見た断面図である。
図8図2に示すアクチュエータの制御構成を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、航空機の動翼を駆動するための航空機用動翼駆動装置としてアクチュエータが用いられる形態を例にとって説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態で例示した形態に限らず、回転方向と直線方向との間で駆動力の作用方向を変換して機器を駆動するアクチュエータに関して広く適用することができるものである。例えば、航空機、ヘリコプター、或いは、飛しょう体において用いられるアクチュエータに対して、本発明を適用することができる。
【0024】
図1は、本発明の一実施の形態に係るアクチュエータ1が航空機の翼101及び舵面102に対して取り付けられた状態を示す模式図である。図1に示すアクチュエータ1は、図1にて翼101及び舵面102のみを図示して主要部の図示を省略した航空機に設置される。そして、アクチュエータ1は、航空機の舵面102を駆動するために用いられる。
【0025】
尚、舵面102を構成する航空機の動翼(操縦翼面)として、補助翼(エルロン)、方向舵(ラダー)、昇降舵(エレベータ)などが挙げられる。また、アクチュエータ1は、フラップやスポイラー等として構成される動翼を駆動する機構として用いられてもよい。
【0026】
図1に示すアクチュエータ1は、直線方向に沿って伸縮するように変位することで本実施形態の機器である舵面102を駆動するアクチュエータとして設けられている。そして、アクチュエータ1の一端側の端部が、舵面102に取り付けられた揺動軸103に対して、軸受或いは円筒状の摺動用部材を介して回転自在に取り付けられている。これにより、アクチュエータ1は、舵面102に対して、一端側が揺動自在に取り付けられている。
【0027】
また、アクチュエータ1の他端側の端部は、翼101に取り付けられた連結軸104に対して、軸受或いは円筒状の摺動用部材としてのブッシュを介して回転自在に取り付けられている。これにより、アクチュエータ1は、連結軸104を介して、翼101に対して回転自在に支持されている。
【0028】
また、舵面102は、翼101側に対して、支点軸105を介して、回転自在に支持されている。また、支点軸105と揺動軸103とは、軸方向が互いに平行に延びるように設けられている。そして、支点軸105と揺動軸103との間の距離寸法は、アクチュエータ1の作動によって支点軸105を中心として揺動させて舵面102を駆動するために必要なトルクアーム長さを確保できるように、適宜設定されている。
【0029】
尚、一端側が支点軸105に対して揺動自在に取り付けられるとともに他端側が連結軸104に対して揺動自在に取り付けられるリアクションリンクが更に設置されてもよい。このようなリアクションリンクが設けられることで、翼101に対して揺動する可動側の舵面102が受ける負荷が、舵面102が揺動自在に支持される固定側の翼101に対して、直接に影響してしまうことを抑制することができる。
【0030】
次に、本実施形態に係るアクチュエータ1について詳しく説明する。図2は、アクチュエータ1の斜視図である。図3は、アクチュエータ1の断面図である。図1乃至図3に示すアクチュエータ1は、回転方向と直線方向との間で駆動力の作用方向を変換して舵面102を駆動するアクチュエータとして設けられている。そして、アクチュエータ1は、電動モータ11、出力部12、ピストン13、駆動力変換機構14、ケース15、ブッシュ16、ギヤ機構17、位置検出器18、等を備えて構成されている。尚、図3では、一部の要素については、その全体或いは更にその一部に関し、断面ではなく外形が図示されている。
【0031】
電動モータ11は、図示が省略された電源からドライバ19を介して電流が供給されることで回転方向の駆動力を発生する駆動源として設けられている。そして、電動モータ11は、本実施形態における回転駆動部を構成している。また、電動モータ11は、正逆回転動作が可能なモータとして構成され、後述するアクチュエータコントローラ20からの指令に基づいてフィードバック制御が行われる。
【0032】
尚、電動モータ11は、ドライバ19を介してアクチュエータコントローラ20によって制御される。ドライバ19は、アクチュエータコントローラ20からの指令に基づいて、電動モータ11へ供給する電流と、電動モータ11の回転数と、を制御し、電動モータ11を駆動する。電動モータ11及びドライバ19は、ケース15に対して固定されている。
【0033】
出力部12は、直線方向の駆動力を出力する部分として設けられ、揺動軸103に対して揺動自在に取り付けられている。そして、出力部12は、回転駆動部である電動モータ11が回転方向の駆動力を発生するときに直線方向の駆動部を出力する本実施形態の直線駆動部を構成している。
【0034】
本実施形態では、上述のように、電動モータ11として設けられた回転駆動部が、回転方向の駆動力を発生し、出力部12として設けられた直線駆動部が、直線方向の駆動力を出力するように構成されている。しかし、この例に限らず、回転駆動部及び直線駆動部の入出力構成が逆の形態が実施されてもよい。例えば、圧力流体が給排されることで作動するシリンダ機構として設けられた直線駆動部が直線方向の駆動力を発生し、回転軸部として設けられた回転駆動部が回転方向の駆動力を出力するように構成されたアクチュエータが実施されてもよい。
【0035】
ピストン13は、一方の端部が開口する筒状の部分として設けられた筒状部13aを備え、出力部12とともに直線方向に変位する部材として設けられている。そして、ピストン13は、開口する側と反対側の端部において、出力部12に対して固定されている。また、ピストン13の筒状部13aの内側には、後述する駆動力変換機構14及び位置検出器18が収納されている。尚、本実施形態では、ピストン13が出力部12に固定された形態が例示されているが、この通りでなくてもよい。ピストン13と出力部12とが一体に設けられた形態が実施されてもよい。
【0036】
図4は、図3に示すアクチュエータ1の断面の一部を拡大して示す図であって、アクチュエータ1におけるピストン13及び駆動力変換機構14が設置されている箇所を拡大して示す図である。図3及び図4に示す駆動力変換機構14は、ナット部21及びスクリュー部22を有し、ナット部21及びスクリュー部22がが相対回転することで、回転方向と直線方向との間で駆動力の作用方向を変換して伝達する機構として設けられている。
【0037】
また、本実施形態では、駆動力変換機構14は、同軸心を中心として互いに相対回転可能に設けられたナット部21及びスクリュー部22と、ナット部21及びスクリュー部22の間に配置される複数のボールと、を備えて構成されている。即ち、本実施形態では、駆動力変換機構14は、ボールスクリュー機構として設けられ、複数のボールが、ナット部21の内周に設けられたネジ溝とスクリュー部22の外周に設けられたネジ溝との間で転動しながら循環するように構成されている。尚、図3及び図4では、ナット部21及びスクリュー部22の間に配置される複数のボールの図示と、ナット部21及びスクリュー部22に設けられたネジ溝の図示とが、省略されている。
【0038】
また、ナット部21は、ピストン13の筒状部13aの内側に設置されている。そして、筒状部13aの内周及びナット部21の外周のそれぞれには、キー部材23が嵌まり込むキー溝が形成されている。即ち、ピストン13とナット部21とは、キー部材23を介してキー結合されている。これにより、ピストン13とナット部21とが、互いに回転不能に固定されている。
【0039】
また、筒状部13aの内周壁には、ピストン13の軸方向における出力部12側に向かって径寸法が小さくなるように段状に縮径する段部13bが形成されている。そして、ナット部21は、その出力部12側に配置される端部が筒状部13aにおける段部13bに当接した状態で、筒状部13a内に設置される。そして、筒状部13aにおける出力部12側と反対側からリングナット24が筒状部13aに取り付けられることで、ナット部21が、ピストン13に対して、その軸方向においても固定される。
【0040】
尚、筒状部13aには、ピストン13の軸方向における出力部12側と反対側の端部の内周においてメネジ部分が設けられている。そして、外周にオネジ部分が設けられたリングナット24が、筒状部13bの内周のメネジ部分に対して螺合するように筒状部13bに対して取り付けられる。これにより、段部23bに当接したナット部21が、筒状部13aの内周に螺合するリングナット24によって締め付けられ、ピストン13に固定される。
【0041】
上記のように、本実施形態では、ナット部21及びスクリュー部22の一方であるナット部21が、ピストン13に固定され、ピストン13とともに変位するように設けられている。
【0042】
スクリュー部22は、ピストン13の筒状部13aの内側に配置されている。そして、ケース15に対して、片持ち状に保持された状態で、軸受25を介して回転自在に支持されている。スクリュー部22の内側には、軸方向に貫通して延びる貫通孔が設けられている。この貫通孔には、後述する位置検出器18が配置されている。また、本実施形態では、ナット部21及びスクリュー部22の他方であるスクリュー部22が、回転駆動部である電動モータ11に対して、後述のギヤ機構17を介して、連動して回転するように設けられている。
【0043】
尚、駆動力変換機構14は、ナット部及びスクリュー部が相対回転することで回転方向と直線方向との間で駆動力の作用方向を変換して伝達する機構であればよく、ボールスクリュー機構以外の機構として構成されていてもよい。例えば、アクメスクリュー機構、或いは、ローラスクリュー機構として構成されていてもよい。
【0044】
図1乃至図4に示すケース15は、ピストンケース部15aとギヤケース部15bとを備えて構成されている。ピストンケース部15aは、ケース15における筒状の部分として設けられ、ピストン13及び駆動力変換機構14が内側に設置されている。ピストンケース部15aにおける一方の端部は、外部に開口するように設けられている。そして、ピストンケース部15aの内側に設置されたピストン13の端部が、ピストンケース部15aにおける一方の端部の開口から外部に向かって突出している。ピストンケース部15aから突出したピストン13の端部には、出力部12が固定されている。
【0045】
ギヤケース部15bは、ピストンケース部15aに対して、ピストンケース部15aにおけるピストン13が突出する側と反対側の端部において、固定されている。そして、ギヤケース部15bの内側には、ギヤ機構17が設置されている。
【0046】
図5は、図3に示すアクチュエータ1の断面の一部を拡大して示す図であって、アクチュエータ1におけるギヤ機構17が設置されている箇所を拡大して示す図である。図3及び図5に示すギヤ機構17は、電動モータ11の回転方向の駆動力をスクリュー部22に伝達する本実施形態の回転駆動力伝達機構として設けられている。また、本実施形態では、ギヤ機構17は、電動モータ11の回転を減速して伝達する減速機構として設けられている。そして、ギヤ機構17は、電動モータ11の回転が入力されるインプットギヤ26、スパーギヤ(27、28)、サンギヤ29、プラネタリギヤ30、リングギヤ31、回転筒部32、等を備えて構成されている。
【0047】
インプットギヤ26は、入力軸26aに固定されており、電動モータ11の回転は、入力軸26aを介してインプットギヤ26に伝達される。インプットギヤ26は、ギヤケース部15bに対して回転自在に支持された回転軸27aに固定されたスパーギヤ27に噛み合うように設置されている。更に、スパーギヤ27は、ギヤケース部15bに対して回転自在に支持された回転軸28aに固定されたスパーギヤ28に噛み合うように設置されている。
【0048】
また、回転軸28aは、一方の端部にスパーギヤ28が固定され、他方の端部にサンギヤ29が固定されている。サンギヤ29の周囲には、複数のプラネタリギヤ30が設置され、各プラネタリギヤ30は、サンギヤ29に噛み合うように設置されている。尚、各プラネタリギヤ30は、ギヤケース部15bに固定された回転軸30aに対して回転自在に支持されており、サンギヤ29の周りを周方向に移動しないように設置されている。また、各プラネタリギヤ30は、リングギヤ31の内周に設けられた内歯に噛み合うように設置されている。
【0049】
リングギヤ31は、筒状に形成された回転筒部32の端部に対してボルト部材を介して固定されている。回転筒部32は、スクリュー部22側に向かって外径が段状に小さくなるように縮径した縮径部分32aが設けられている。そして、回転筒部32は、この縮径部分32aにおいて、ギヤケース部15bに対して、軸受33を介して回転自在に支持されている。また、回転筒部32は、縮径部分32aの内側において、キー部材34を介したキー結合により、スクリュー部22の外周に対して固定されている。また、リングギヤ31及び回転筒部32の軸心と、サンギヤ28が取り付けられた回転軸28aの軸心と、スクリュー部22の軸心とは、一致している。
【0050】
上述した構成を備えたギヤ機構17においては、まず、電動モータ11の回転駆動力が、入力軸26aを介してインプットギヤ26に入力される。そして、インプットギヤ26とスパーギヤ27との噛み合いを介して、電動モータ11の回転が減速されてスパーギヤ27に伝達される。スパーギヤ27に伝達された回転は、スパーギヤ27に噛み合うスパーギヤ28に伝達され、更に、スパーギヤ28とともに回転する回転軸28aを介してサンギヤ29に伝達される。
【0051】
回転軸28aとともにサンギヤ29が回転すると、その回転は、サンギヤ29に噛み合う複数のプラネタリギヤ30を介して、減速されてリングギヤ31に伝達される。これにより、リングギヤ31が、回転筒部32とともに、ギヤケース部15bに対して、回転軸28a及びスクリュー部22の軸心を回転中心として回転する。そして、回転筒部32の回転とともに、回転筒部32に対してキー結合を介して固定されたスクリュー部22も回転する。
【0052】
上記により、スクリュー部22は、回転駆動部である電動モータ11に対して、回転駆動力伝達機構であるギヤ機構17を介して、連動して回転するように構成されている。尚、本実施形態では、回転駆動力伝達機構が、ギヤ機構として構成された形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、回転駆動力伝達機構が、周回する駆動ベルトを備える機構として設けられてもよい。また、回転駆動力伝達機構としてのギヤ機構は、上述したギヤ機構17の形態に限らず、種々変更されて実施されてもよい。また、スクリュー部22が、回転駆動力伝達機構を介さずに、回転駆動部である電動モータ11とともに回転するように構成されていてもよい。即ち、電動モータ11の回転駆動力が直接にスクリュー部22に伝達されるように構成されていてもよい。
【0053】
図6は、ブッシュ16を示す平面図である。また、図7は、図6のA−A線矢視方向から見たブッシュ16の断面図である。図3図4図6及び図7に示すブッシュ16は、ケース15のピストンケース部15aにおける出力部12側の端部の内側に設けられ、ピストンケース部15aに対して固定されている。また、ブッシュ16は、円形断面の筒状の摺動用部材として設けられ、ケース15のピストンケース部15aとピストン13の筒状部13aとの間に設置されている。そして、ブッシュ16は、内周16aがピストン13の外周に対して摺動可能であるとともに、外周16bがケース15に対して固定されている。これにより、ブッシュ16は、内周16aがピストン13の外周を摺動可能に支持する本実施形態におけるピストン摺動部として構成されている。
【0054】
尚、ピストン13及びケース15は、例えば、ステンレス鋼を素材として形成されている。一方、ブッシュ16は、例えば、アルミニッケルブロンズを素材として形成されている。また、ブッシュ16の素材としては、ベリリウムカッパ等の他の金属材料、或いは、ポリエーテルエーテルケトン等の樹脂材料、などが選択されてもよい。
【0055】
また、ブッシュ16の外周16bには、キー部材35が嵌まり込むキー溝16cが形成されている。そして、ピストンケース部15aにおける出力部12側の端部の内周にも、キー部材35が嵌まり込むキー溝が形成されている。これにより、ブッシュ16の外周16bがピストンケース部15aの内周に対してキー部材35によるキー結合を介して固定されている。
【0056】
また、ブッシュ16の外周16bには、ブッシュ16の径方向に短く突出してフランジ状に張り出すとともにブッシュ16の周方向に沿って延びる段部16dが設けられている。キー結合を介してピストンケース部15aの内周に対して周方向における変位が拘束されたブッシュ16は、ピストンケース部15aの内周において段状に径寸法が縮小するように縮径した部分に対して、段部16dにおいて当接するように、設置されている。そして、この状態で、ブッシュ16は、ピストンケース部15aにおける出力部12側の端部の内周に設けられたメネジ部分に螺合するオネジ部分が外周に設けられたリングナット36によって、ピストンケース部15aに対して軸方向においても固定される。即ち、ブッシュ16は、ピストンケース部15aの内周において段状に縮径した部分とリングナット36との間で段部16dが締め付けられ、ピストンケース部15aに対して固定される。
【0057】
また、図6に示すように、ブッシュの16の内周16aの中心位置C3(図6にて一点鎖線の交線で示す位置C3)は、ブッシュ16の外周16bの中心位置C4(図6にて一点鎖線の交線で示す位置C4)に対して偏心している。即ち、ブッシュ16においては、円形断面の内周16aの中心位置C3が、円形断面の外周16bの中心位置C4に対して、偏ってずれた位置に位置している。
【0058】
そして、アクチュエータ1においては、ピストン13が、ピストン摺動部であるブッシュ16に対して、ケース15の軸方向に摺動可能に設置されている。即ち、アクチュエータ1では、円形断面の筒状部13aの外周が、ブッシュ16の内周16aに対して、ピストンケース部15aの軸方向において、摺動するように構成されている。また、アクチュエータ1では、スクリュー部22の軸心及びナット部21の軸心は、ケース15のピストンケース部15aの軸心と位置が一致している。尚、スクリュー部22の軸心及びナット部21の軸心は、図3乃至図5においては、一点鎖線C1で示されており、以下、スクリュー部22の軸心C1及びナット部21の軸心C1とも称する。
【0059】
上述した構成により、アクチュエータ1においては、スクリュー部22の軸心C1及びナット部21の軸心C1に対して、ピストン13の筒状部13aの軸心C2が偏心するように設定されている。そして、スクリュー部22の軸心C1及びナット部21の軸心C1に対して、ブッシュ16の内周16aの中心位置C3も偏心するように設定されている。尚、ピストン13の筒状部13aの軸心C2は、図3乃至図5においては、一点鎖線で示されており、筒状部13aの外周の径方向における中心を繋ぐ仮想の中心線として構成される。そして、ブッシュの16の内周16aの中心位置C3が、ピストン13の筒状部13aの軸心C2上に配置されている。一方、ブッシュ16の外周16bの中心位置C4が、スクリュー部22の軸心C1及びナット部21の軸心C1上に配置されている。
【0060】
尚、アクチュエータ1では、ピストン13の筒状部13aの外周において、筒状部13aの軸方向における中途位置に、筒状部13aの径方向外側に向かって凸状に突出した凸部13cが設けられている。凸部13cは、筒状部13aの外周に沿って周方向に延びるように設けられている。そして、凸部13cの外周は、ピストンケース部15aの内周に摺動可能に配置されている。ピストン13は、凸部13cによっても、ピストンケース部15aの軸方向に摺動可能に設置されている。
【0061】
図3乃至図5に示す位置検出器18は、本体部18a及びこの本体部18aに対して変位するプローブ18bを有し、本体部18aに対するプローブ18bの相対位置を検出する機構として設けられている。本体部18aは、筒状に形成された部分を有し、ギヤケース部15bに固定された支持プレート37に対して一方の端部が固定されて設置されている。尚、支持プレート37は、複数のプラネタリギヤ30を中途位置にてそれぞれ回転自在に支持する複数の回転軸30aによって、ギヤケース部15bに固定されている。そして、支持プレート37の外周と回転筒部32の内周との間には、支持プレート37に対して回転筒部32を内側から回転自在に保持する軸受38が設置されている。
【0062】
また、本体部18aは、支持プレート37に対して片持ち状に支持され、スクリュー部22の内側を貫通する貫通孔において、スクリュー部22の軸方向に沿って延びるように設置されている。尚、本体部18aの外周とスクリュー部22の内周との間には、隙間が形成されている。これにより、本体部18aとスクリュー部22とが接触しないように構成されている。また、本体部18aは、内部に1次側及び2次側のコイルが設けられている。
【0063】
プローブ18bは、軸状に形成された部分を有し、図示が省略された可動鉄心が設けられた一方の端部が、本体部18aの内側に配置されている。そして、プローブ18bは、スクリュー部22の内側の貫通孔においてスクリュー部22の軸方向に沿って延びるように設置されている。更に、プローブ18bは、他方の端部が、スクリュー部22の端部から突出するとともにピストン13の端部に対してピストン13の内側から固定されている。これにより、プローブ18bは、ピストン13を介して出力部12に取り付けられており、出力部12とともに変位するように設けられている。プローブ18bは、出力部12とともに変位することで、一方の端部に設けられた可動鉄心が、本体部18aのコイルの内側で相対変位するように構成されている。上記の構成より、位置検出器18は、ケース15に対する出力部12の変位量を検出するように構成されている。
【0064】
図8は、アクチュエータ1の制御構成を模式的に示すブロック図である。アクチュエータコントローラ20は、ドライバ19を介して、アクチュエータ1の作動を制御する。アクチュエータコントローラ20は、図示が省略された上位のコンピュータからの指令信号に基づいて、アクチュエータ1を制御する。これにより、上位のコンピュータからの指令基づいて、アクチュエータ1が駆動する舵面102の動作が制御されることになる。
【0065】
また、位置検出器18においては、本体部18aの1次側のコイルが励磁された状態でプローブ18bの可動鉄心が変位することで本体部18aの2次側のコイルで発生した誘起電圧に基づく信号が位置検出信号S1として出力される。そして、この出力された位置検出信号S1は、アクチュエータコントローラ20に送信される(図8を参照)。
【0066】
また、アクチュエータコントローラ20には、位置検出器18から送信される位置検出信号S1が入力されることに加え、電動モータ11におけるレゾルバ等の回転数検出器にて検出された回転数信号が電動モータ11からドライバ19を介して送信されて入力される。そして、アクチュエータコントローラ20は、位置検出信号S1と上記の回転数信号とに基づいて、ドライバ19に対して電動モータ11を駆動させる指令信号S2を出力する。このように、アクチュエータコントローラ20は、ドライバ19を介して電動モータ11の回転数を制御し、出力部12のケース15に対する位置のフィードバック制御を行う。
【0067】
次に、アクチュエータ1の作動について説明する。電動モータ11が回転駆動力を発生すると、入力軸26aとともにインプットギヤ26が回転する。そして、インプットギヤ26に入力された回転が、スパーギヤ27、スパーギヤ28、回転軸28aを介してサンギヤ29に伝達される。更に、サンギヤ29に伝達された回転は、プラネタリギヤ30を介してリングギヤ31に伝達される。これにより、リングギヤ31とともに回転筒部32が回転し、回転筒部32にキー部材34を介して固定されたスクリュー部22が軸心C1を中心として回転することになる。
【0068】
そして、駆動力変換機構14において、スクリュー部22が回転することで、スクリュー部22とナット部21との間で循環する複数のボールを介してナット部21が駆動される。一方、ナット部21は、ピストン13の内周に固定されている。また、直線駆動部である出力部12に固定されたピストン13は、ケース15に固定されたピストン摺動部であるブッシュ16に対して軸方向に摺動可能に設置されている。そして、そのピストン13の軸心C2と、ピストン13の外周を摺動可能に支持するブッシュ16の内周16aの中心位置C3とが、スクリュー部22及びナット部21の軸心C1に対して偏心するように設定されている。
【0069】
上記の構成のため、スクリュー部22の回転によってナット部21が駆動される際には、ピストン13はその軸心C2を中心とした回転方向の変位が規制された状態となる。そして、ナット部21及びスクリュー部22の軸心C1を中心とするピストン13の筒状部13aの回転も規制されることになる。これにより、ピストン13は、スクリュー部22が回転する際に、ナット部21の回転を規制して、ナット部21とともに直線方向に変位することになる。尚、ナット部21及びピストン13の出力部12側への直線方向の変位量は、スクリュー部22の出力部12側の端部に固定されるとともにナット部21の端部に対して当接可能に設けられたストッパリング39によって規制されている。
【0070】
ピストン13がケース15に対してその軸方向に沿って直線方向に変位すると、ピストン13に固定された出力部12が揺動自在に取り付けられた舵面102が、翼101に対して揺動するように駆動されることになる。
【0071】
以上説明したように、アクチュエータ1によると、ナット部21及びスクリュー部22のうち直線方向に変位する要素(本実施形態では、ナット部21)の回転を規制するための機構について、ケース15の内側でスクリュー部22及びナット部21に対して軸心が偏心したピストン13によって構成でき、簡素化及び小型化することができる。そして、本実施形態によると、上記によって、アクチュエータ1の構造の簡素化及び小型化を図れ、アクチュエータ1の重量の増大を抑制でき、更に、アクチュエータ1の設置スペースのコンパクト化を図ることができる。
【0072】
また、アクチュエータ1によると、ナット部21及びスクリュー部22に対して軸心が偏心したピストン13をケース15に対して軸方向に摺動可能で回転方向の変位を規制した状態で支持するためのピストン摺動部を容易に実現することができる。即ち、アクチュエータ1によると、内周16aの中心位置C3が外周16bの中心位置C4に対して偏心したブッシュ16をケース15とピストン13との間に設置するだけで、上記の機構を容易に実現することができる。よって、ナット部21及びスクリュー部22のうち直線方向に変位する要素の回転を規制するための機構の更なる簡素化及び小型化を図ることができる。また、本実施形態によると、ピストン摺動部を構成するブッシュ16をケース15とピストン13との間に装着することで上記の回転を規制するための機構を構築できるため、アクチュエータ1の組立作業も容易に行うことができる。
【0073】
また、アクチュエータ1によると、キー結合を介して、ブッシュ16をケース15の内側に容易に固定することができる。よって、ナット部21及びスクリュー部22に対して軸心が偏心したピストン13をケース15に対して軸方向に摺動可能で回転方向の変位を規制した状態で設置するための機構を更に容易に実現でき、機構の更なる簡素化及び小型化を図ることができる。また、本実施形態によると、ケース15の内側へのブッシュ16の取り付け作業を更に容易に行うことができる。
【0074】
また、アクチュエータ1によると、駆動力変換機構14が筒状のピストン13の内側に収納されるため、ナット部21及びスクリュー部22が設置されている領域に異物が入り込んでしまうことを容易に抑制することができる。これにより、ナット部21及びスクリュー部22における異物噛み込みによる固着状態の発生を抑制することができる。また、本実施形態によると、ピストン13の内側の領域が効率よく利用されるため、更に構造の小型化が図られたスペース効率のよい更にコンパクトなアクチュエータ1を提供することができる。
【0075】
また、本実施形態によると、回転方向の駆動力の作用方向を変換して直線方向の駆動力を出力するアクチュエータ1の構造の簡素化及び小型化を図ることができる。また、本実施形態によると、ナット部21と、直線駆動部としての出力部12とともに変位するピストン13とが、駆動力伝達経路における出力側に設けられる。このため、駆動力伝達経路における出力側で作用する大きな駆動力によって、ナット部21及びスクリュー部22の軸心C1を中心とする回転方向に生じる力を、ケース15における筒状のピストンケース部15aの内周で効率よく分散して支持することができる。
【0076】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0077】
(1)前述の実施形態では、アクチュエータとして、電動モータによって駆動される電動アクチュエータを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。油圧モータ或いは油圧シリンダ機構などのような圧力流体で作動するアクチュエータが実施されてもよい。
【0078】
(2)前述の実施形態では、回転駆動部が回転方向の駆動力を発生し、直線駆動部が直線方向の駆動力を出力する形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。直線駆動部が直線方向の駆動力を発生し、回転駆動部が回転方向の駆動力を出力するアクチュエータが実施されてもよい。この場合、駆動力変換機構は、直線駆動部にて発生した直線方向の駆動力の作用方向を回転方向に変換することになる。
【0079】
(3)前述の実施形態では、ピストン摺動部が、ケースに固定された形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。ピストン摺動部が、ケースに一体に設けられた形態が実施されてもよい。
【0080】
(4)前述の実施形態では、ナット部が、ピストンとともに変位するように設けられ、スクリュー部が、回転駆動部に対して回転駆動力伝達機構を介して連動するように設けられた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。スクリュー部が、ピストンとともに変位するように設けられ、ナット部が、回転駆動部とともに回転し、又は回転駆動部に対して回転駆動力伝達機構を介して連動するように設けられた形態が実施されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、回転方向と直線方向との間で駆動力の作用方向を変換して機器を駆動するアクチュエータに関して広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0082】
1 アクチュエータ
11 電動モータ(回転駆動部)
12 出力部(直線駆動部)
13 ピストン
14 駆動力変換機構
15 ケース
16 ブッシュ(ピストン摺動部)
17 ギヤ機構(回転駆動力伝達機構)
21 ナット部
22 スクリュー部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8