(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
リアクトルを製造する場合、従来から次のような技術が提案されている。
(1)コアとコイルを組み立てて、これに樹脂を含浸する。
(2)コアを先に樹脂にモールドしたり、コイルを先に樹脂にモールドし、両者を組み立てる(特許文献1)。
(3)コイルとI型の中間コアを先にモールドしたものと、U型の端部コアを組み立てる(特許文献2)。
(4)コアもコイルもすべてを一度にモールドする。
【0003】
また、前記の様にして製造されたリアクトルからの放熱技術としては、次のようなものが提案されている。
(1)コアから冷却面へのヒートパス部材を設ける(特許文献3)。
(2)コイル下面に伝熱シートを設ける(特許文献4)。
(3)冷却面側のコイル接触面に絶縁材の放熱板を配置する(特許文献5)。
(4)コア外周面に放熱部材を配置する(特許文献6)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記の様な従来技術は、コアとコイルを組み立てる場合に、それぞれに対しての固定部材が必要となる。特に、従来技術の多くは、コアとコイルの固定対策及び放熱対策として、金属製の放熱ケースに対して、樹脂による封止構造を採用するため、コアとコイルの組立作業が面倒である。
【0006】
また、コアとコイルすべてを一度にモールドするリアクトルでは、コイルとコアの組立時における上記問題点は解決できたが、モールド時に金型内にコイルとコアを同時にセットする必要がある。そのため、コアとコイルのセット及び位置出しのために、複数の補助部材を必要とし、金型の構成を複雑化させることになる。その結果として、組立工程及び成形工程を簡略化できないという課題を残す。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するもので、その目的は組立工程における部品点数の削減及び組立時における作業性の向上を可能としたリアクトル及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明のリアクトル及びその製造方法は、一対のU型コアとその周囲にコイルを巻回して成る樹脂モールド型のリアクトルにおいて、一方のU型コアとそのコアの直線部分の外周にコイルを配置して、これらを一体に樹脂によってモールドして成るコア−コイル部材と、もう一方のU型コアを樹脂によってモールドして成るコア部材を、コア部材のU型コアがコア−コイル部材のコイルの内側に挿入され、コア部材のU型コアとコア−コイル部材のU型コアの端面がギャップ部を介して対向するように組み立てたことを特徴とする。
【0009】
この場合、コア−コイル部材のU型コアとコア部材のU型コアの端面との間には、ギャップ部を確保するためにスペーサを挿入したり、空間のギャップを形成する。スペーサを挿入する構成の場合、コア−コイル部材のコイル内面には、モールド樹脂によってスペーサ挿入用のガイドを形成することが好ましい。
【0010】
前記コア部材とコア−コイル部材を組み合わせる場合に、コア−コイル部材に形成された開口部内に端面以外を樹脂で被覆したI型コアあるいは樹脂で被覆していないI型コア及び必要によってはスペーサを挿入し、その後、コア部材をコア−コイル部材に組み合わせることもできる。
【0011】
前記コア部材及びコア−コイル部材には、リアクトルを取付面に固定するための金属製の固定部材を一緒に樹脂モールドすることができる。この固定部材を樹脂内にモールドすることで、リアクトル内部からの放熱路を確保できる。また、この固定部材の一部に振動や熱膨張を吸収するバネ部を設けることもできる。
【0012】
コア−コイル部材を樹脂モールドする際に、コイルの取付面に対向する部分を露出させることで、コイルから取付面への放熱性を確保することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、コイルとコア、あるいはコアのみを樹脂モールドし、その後モールド品同士を組み立てるので、モールド成型時において金型内で位置決めする部品点数が少なくなる。その結果、簡単な構成の金型で、コアとコイルを精度良く位置決めすることができる。また、コア−コイル部材とコア部材とは、コア−コイル部材にモールドされているコイルの内側に、コア部材にモールドされたコアを挿入するだけの作業で良いので、組立作業も容易である。このように、本発明によれば、コア同士を精度良く組み付けることができ、組立工数も削減されたリアクトル及びその製造方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図面に従って説明する。
1.実施形態の全体構成
本実施形態のリアクトルは、
図1に示すように、コア−コイル部材10とコア部材30とを一対に組み立てることで構成されている。組み立てられたリアクトルは、例えば放熱性に優れたアルミ製のベースプレート50などの表面に固定される。
【0016】
本実施形態のリアクトルは、必ずしも図示のようなベースプレート50のみに固定されるものではなく、他の部材の表面にも固定されることから、本明細書ではリアクトルの取付箇所をリアクトルの取付面51と総称する。また、本明細書では、コア−コイル部材10側に設けるU型コアを第1U型コア、固定部材を第1固定部材、コア部材30に設けるU型コアを第2U型コア、固定部材を第2固定部材として説明するが、この第1、第2は説明のための便宜的な記載であり、コア−コイル部材やコア部材に設ける各部材を限定するものではない。
【0017】
2.コア−コイル部材10
前記コア−コイル部材10は、第1U型コア11の両側の直線部分(コアの脚部とも呼ばれる)の外周にコイル12を巻回したものと、コア−コイル部材10を取付面51に固定するための金属製の第1固定部材13を樹脂モールドすることで構成されている。
【0018】
この場合、コイル12は、その内部にコア部材30の第2U型コア31の直線部分が挿入されることから、コイル12と一緒にモールドする第1U型コア11の直線部分の長さよりも長いものであって、
図9の断面図に示すように、コイル12の内側にはコア部材30の第2U型コア31を挿入するための開口部14が形成されている。本実施形態では、コイル12を四角形に巻回していること、及び第1U型コア11の断面が四角形であることから、この開口部14も四角形になっている。
【0019】
図6や
図9の断面図、あるいは
図10の斜視図に示すように、コア−コイル部材10を構成する第1U型コア11やコイル12の表面全体は、前記開口部14の内面も含めてもモールド樹脂15によって被覆されている。ただし、コイル12の取付面51に対向する部分は、樹脂15で被覆することなく、露出した状態にある。すなわち、リアクトルを取付面51に固定した場合に、コイル12の露出部分が取付面51とモールド樹脂15を介在することなく、部分放電を抑止する距離を保って配設される。
【0020】
図8や
図9に示すように、四角に巻回したコイル12の内面の平坦な部分、及び第1U型コア11の両側の直線部分の端面も、樹脂15で被覆することがない露出状態になっている。コイル12の端部は、樹脂15を貫通して、コア−コイル部材10の表面から突出しており、導電バー19によって互いに接続されている。
【0021】
四角形をした前記開口部14の内面のコーナー部分には、コイル12の内面を被覆する樹脂15によってスペーサ20のガイド16が形成されている。このガイド16は、その内周面がスペーサ20のコーナー部の外周形状に合わせて形成された湾曲面を備え、この湾曲面に案内されて、スペーサ20はコイル12表面に接触することなく、開口部14の底に露出している第1U型コア11の端面まで円滑に移動する。
【0022】
第1U型コア11における両側の直線部分の外面と、これに対向するコイル12の内面との間には、コア11の外面を取り囲むように、言い換えればコイル12内面を被覆するように、樹脂層が設けられている。この樹脂層により、第1U型コア11の外面とコイル12内面とが接触しないように位置決めされている。
【0023】
この樹脂層には、コイル12の挿入方向(コイル12の軸方向)に沿った溝15aが形成されている。すなわち、この溝15aは、樹脂層内部に形成された空間部であることから、この溝15aを形成するために、コア−コイル部材10の金型には、コイル12の軸方向に沿った凸部を形成することが必要である。この金型に形成した凸部は、金型内に第1U型コア11及びコイル12を装着する場合に、第1U型コア11とコイル12の位置決め部材としての機能を果たす。
【0024】
前記スペーサ20のガイド16は、開口部14の縁から開口部14の底にある第1U型コア11の端面部分にまで形成されている。この場合、ガイド16は開口部14の四隅にのみ形成されており、開口部14の四辺の中央部分は、樹脂層が存在しない空間部になっている。すなわち、前記の第1U型コア11外周の樹脂層と同様に、金型には四隅のガイド16間の空間部を形成するための凸部が設けられている。この凸部は、スペーサ20のガイド16と同様に、第1U型コア11の端面部分にまで形成されていることから、金型内に第1U型コア11を装着した場合に、第1U型コア11の端面が金型の凸部の端面に当接する。その結果、金型内に第1U型コア11を装着した場合、第1U型コア11のコイル軸方向の正確な位置決めが可能になる。
【0025】
前記の様にコア−コイル部材10には、リアクトルの組立後において、リアクトルを取付面51に固定するための第1固定部材13が設けられている。この第1固定部材13は、帯状の金属板から構成され、その中央部分が樹脂15内にコイル12や第1U型コア11と共にモールドされている。すなわち、第1固定部材13の中央部分は、
図7の断面図に示すように、樹脂15の内部においてL字形の断面を有し、コイル12の端部近傍に第1U型コア11を避けてモールドされている。また、第1固定部材13の両端部は、樹脂15から突出部分の先端が取付面51と平行になるように直角に屈曲し、この屈曲部分にネジ挿入用の穴17が設けられている。
【0026】
コア−コイル部材10を構成するモールド樹脂15における2つのコイル12の中間部分には、コイル12の軸方向に沿った方向でサーミスタSの取付穴18が形成されている。この取付穴18は、型抜き方向に形成されていることから、金型にコイル12の軸方向に沿った棒状の突起を設けておくことで、コア−コイル部材10のモールド成型時に作製される。
【0027】
3.コア部材30
コア部材30は、
図1及び
図9に示すように、第2U型コア31と第2固定部材32を樹脂モールドして製作される。この場合、第2U型コア31の両端面は樹脂36で被覆することなく、コアが露出している。また、図示の実施例では、第2U型コア31の湾曲部分(コアのヨーク部分)の一部にもコアが露出した部分が形成されている。
【0028】
樹脂モールドされた第2U型コア31の2つの直線部分は、その外形が前記コア−コイル部材10に形成されたコイル12内部の開口部14に装着される寸法と形状を有している。この場合、第2U型コア31の直線部分の表面には、
図8や
図11に示すように、コイル12の軸方向に伸びる突条33が形成され、この突条33がコア−コイル部材10の開口部14内面における四隅のガイド16の間に挿入される。本実施の形態において、この突条33は、
図6の断面図に示すように、直線部の上面(取付面51と反対の面)及び第2U型コア31の外側に位置する面に形成されているが、必ずしもこの位置に限定されるものではない。
【0029】
コア部材30に樹脂モールドされた第2固定部材32の中央部分は、
図7や
図11に示すように、コア部材30の下部の樹脂36内、すなわち第2U型コア31の下方に配置されている。第2固定部材32の両端は、コア部材30の樹脂36から突出しており、その突出部分にC字形に屈曲したバネ部34が設けられている。このバネ部34の先端は取付面51と平行に形成されており、その部分に固定部材32を取付面51、すなわちベースプレート50にネジ止めするためのネジ挿入穴35が設けられている。
【0030】
この第2固定部材32の樹脂36内に配設された部分は、
図6及び
図7に示すように、第2U型コア31の表面に接触している。この構造により、第2U型コア36で発生した熱は、この接触部分を通じて第2固定部材32に伝わり、第2固定部材32を経由して、樹脂36の外部に放出される。
【0031】
4.製造方法
前記の様なコア−コイル部材10とコア部材30とをから成る本実施形態のリアクトルは、次のようにして製造する。
【0032】
コア−コイル部材10とコア部材30とを別々に製造する。この場合、コア−コイル部材10については、上面が開口した金型内に、まずコイル12をセットし、その後、第1U型コア11と第1固定部材13をセットする。この場合、前記の様に金型内には、コア−コイル部材10内空間部を形成するための突起が設けられているので、この突起を利用して第1U型コア11とコイル12との位置決めを行う。この金型の突起により、第1U型コア11とコイル12が規制されるため、両者の位置決め精度が高くなる。
【0033】
このような状態で金型内にモールド樹脂15を充填することにより、コイル12、第1U型コア11及び第1固定部材13を一体化する。この場合、コイル12の端部12a及び第1固定部材13の端部は、金型内に形成した空間の内面に密着配置することにより、これらの端部を成型されたコア−コイル部材10の表面から突出させる。
【0034】
同様に、金型の中央部には、コイル12の軸方向に沿って棒状の突起が設けられているので、その突起部分には樹脂15が充填されず、金型内からモールドされたコア−コイル部材10を取り出した場合に、
図10に示すように、コア−コイル部材10の中央にサーミスタ取付穴18が形成される。コア−コイル部材10の成型後には、
図7及び
図8に示すように、この取付穴18内に、サーミスタSを挿入して接着剤などで固定する。このとき接着剤を使用することなく、サーミスタSを取付穴18内に圧入しても良い。
【0035】
一方、コア部材30についても、同様にして金型内に第2U型コア31と第2固定部材32をセットした後、金型内に樹脂36を充填することにより、モールド成型を行う。このコア−コイル部材10の成型と、コア部材30の成型は1つの金型内で同時に行っても、別々の金型を使用して異なるタイミングで行っても良い。
【0036】
このようにして形成したコア部材30の第2U型コア31の直線部分を、コア−コイル部材10のコアの内側に挿入することで、リアクトルを組み立てる。この場合、
図1及び
図9に示すように、まず、コア−コイル部材10の2つの開口部14の底に露出している第1U型コアの端面と、コア部材30の第2U型コア31の端面に接着剤60を塗布する。
【0037】
その後、コア−コイル部材10の開口部14内にスペーサ20を挿入し、次いでコア部材30の第2U型コア31の直線部を開口部14内に挿入する。このとき、スペーサ20は開口部14の四隅に形成されたガイド16によって、開口部14の奥まで円滑に挿入される。このときガイド16が無く、コイル12の内面が露出していると、コイル12の導線にスペーサ20の縁が引っ掛かってしまうが、本実施形態では、ガイド16によってコイル12の内面が平滑になっているので、スペーサ20を円滑に挿入できる。
【0038】
スペーサ20の挿入後は、
図8や
図9に示すように、コア部材30の第2U型コア31の直線部を、コア−コイル部材10の開口部14内に挿入する。その結果、接着剤60及びスペーサ20を介して、コア−コイル部材10とコア部材30とは一体化される。
【0039】
このとき、前記サーミスタSのリード線は、コア−コイル部材10とコア部材30との接合面からリアクトル外部に引き出す。また、コア−コイル部材10の樹脂15から突出しているコイル12の端部12aは、
図2及び
図4に示すように、導電バー19によって電気的に接続する。
【0040】
このようにして、組み立てられたリアクトルを取付面51に固定するには、
図1や
図2に示すように、取付面51を有するベースプレート50上にリアクトルを配置し、各固定部材13,32に設けられたネジ挿入穴17,35に止めネジ52を挿入し、止めネジ52の先端をベースプレート50のネジ穴53に締結する。
【0041】
このとき、コア−コイル部材10にモールドしたコイル12の取付面51に対向する部分は、コイル12が露出しているので、
図6の断面図のように、伝熱性の接着剤61を使用して、コイル12の露出部分と取付面51とを固定する。その場合、予め取付面51に伝熱性の充填剤を配合した絶縁シート62や絶縁塗料を設けておくことで、コイル12と取付面51との絶縁を確保しつつ、コイル12の熱をベースプレート50に逃がすことが可能になる。
5.実施形態の効果
本実施形態のリアクトルは、次のような効果を有する。
【0042】
(1)前記コア−コイル部材10およびコア部材30は各々を取付面51へ固定する固定部材13,32を一体成型する。そのため、固定部材13,32を別途設ける必要がなく、取付面51に対するリアクトルの固定が容易である。
【0043】
(2)リアクトルを取付面51に対して固定するための固定部材33を金属板から構成し、しかも、その一部に金属板を屈曲させたバネ部34を形成している。そのため、リアクトルのギャップ部で発生する振動や熱膨張をこのバネ部34により吸収することができる。
【0044】
(3)第2固定部材32の樹脂36内に配設された部分を第2U型コア31の表面に接触させているので、第2U型コア36で発生した熱は、この接触部分から第2固定部材32を経由して樹脂36の外部に放出されるので、放熱性に優れている。
【0045】
(4)前記コア−コイル部材10のコイル12は、少なくとも取付面51の対向する部分を含む1か所以上においてコイル12表面がモールド部から露出している。そのため、金型とコイル12の位置決め時に前記露出部分を金型に接触させることで、モールド時における両者の正確な位置決めを実施できる。また、コイル12やコア11,31は樹脂15,36によってモールドされているため放熱性が悪くなるが、この露出部分が取付面51に接触することで、放熱性も向上する。
【0046】
(5)前記コア−コイル部材10のモールド部に、コイル軸方向のサーミスタ取付用の穴18を設けている。すなわち、リアクトルには、その温度を測定するサーミスタSの取付が要求されることがある。本実施形態では、成型後にコア−コイル部材10をコイル12の軸方向に沿って金型から取り出しているので、このサーミスタ取付用の穴18をコイル12の軸方向に設けることで、コア−コイル部材10の成型と同時にサーミスタ取付用の穴18も成型できる。そのため、サーミスタ取付用の穴18を、通常では配置が困難であるコイル12間の略中央部に設けることができ、温度検出の精度が向上する。また、リアクトルの完成後に改めて穴を設ける場合に比較して、穴18の作成作業も簡単である。
【0047】
(6)金型の前記コア−コイル部材10のコアがギャップと接着される部位に、ギャップスペーサ20を挿入するためのガイド16が設けられている。そのため、ギャップスペーサ20の金型内での位置決めが正確になる。特に、このガイド16は、コイル12の軸方向、すなわち型抜き方向に設けられているため、コア−コイル部材10の型抜き時に邪魔になることがない。特に、本実施形態では、コイル12の内面に樹脂層が形成され、コイル12が露出しないため、コイル12内面の樹脂層部分にスペーサ20のガイド16を設けることで、スペーサ20を使用した場合に、そのコイル12内部への挿入作業が正確に且つ円滑に行える。
【0048】
(7)前記コア−コイル部材10の略筒型形状を成すコイル12部分とその内部にモールドされたコア部の隙間には、モールド時にコア、コイル12それぞれを位置決めするための溝15aを有する。すなわち、この溝15aは、金型に設けられた突条によって形成されるため、金型内にコアをセットする場合に、この突条部分でコア及びコイルの位置を規制することにより、金型内でコアとコイル12が接触することなく、両者の正確な位置決めが可能となる。
【0049】
(8)前記コア−コイル部材10とコア部材30とを組み立てたリアクトルを、コア−コイル部材10の下面において取付面51に対して接着剤にて固定する。この場合、前記接着剤層を確保するために、固定部材にて取付面51にリアクトルを組み付けた際に、コイル12と取付面51の間に接着剤の塗布厚分の距離が確保されている。このようにすると、コア−コイル部材10の下面に露出したコイル12表面と取付面51との絶縁距離を確保することが可能となり、コイル12と取付面51との間での部分放電の発生を防止できる。
【0050】
6.他の実施形態
本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、下記のような他の実施形態も包含する。
【0051】
(1)前記コア−コイル部材10やコア部材30に使用するコアとしては、先にU型コアとI型コアをギャップを介して接着されたU型+I型コアを使用することができる。その場合には、I型コアを有するタイプのリアクトルであっても、U型コアとI型コアの接合及び位置決めが精度良く簡単に行える。
【0052】
(2)前記コア部材30とコア−コイル部材10を組み合わせる場合に、コア−コイル部材10に形成された開口部15内に端面以外を樹脂で被覆したI型コアあるいは樹脂で被覆していないI型コアを挿入し、その後、コア部材30をコア−コイル部材10に組み合わせることもできる。この場合、単体のI型コアが開口部15内に円滑に挿入されるように、開口部15の内周にI型コア用のガイドを設けることもできる。
【0053】
(3)第1U型コア11における両側の直線部分の外面と、これに対向するコイル12の内面との間に形成された溝15aを、コア部材30にモールドした固定部材32に設けた突片の挿入部とすることができる。すなわち、コア部材30側の固定部材の一部をコア−コイル部材10の開口部15内に突出させて舌片を形成し、この舌片を前記溝15aに配置することで、リアクトル内部の熱をこの舌片を介してコア部材30側の固定部材32に逃がすことができる。
【0054】
(4)前記コア−コイル部材10とコア部材30の組立時に、コア部材30のギャップ面と平行になるU型形状で囲まれた部分と、コア−コイル部材10のコイル12端部面を接着することで、ギャップ部を空間として確保することができる。その場合、スペーサ20を使用しなくても、ギャップ部を形成できる利点がある。特に、前記コア−コイル部材10とコア部材30は金型により精度良く作成できるので、ギャップ部の寸法精度が高くなり、寸法を確保するためにスペーサ20を設ける必要がなくなる。なお、スペーサ20を使用しない場合には、コア−コイル部材10とコア部材30の樹脂15,36の接合面に接着剤を塗布し、両者を固定する。
【0055】
(5)コア部材30の固定部材32に設けるバネ部34を、コア−コイル部材10の固定部材13に設けたり、コア−コイル部材10とコア部材30の両方の固定部材13,32に設けることもできる。
【0056】
(6)本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。