【実施例】
【0038】
本願発明に係る実施例の構成を、
図1〜
図4を用いて説明する。
図1に示すように、ステアリングホイール1は、図示せぬステアリングシャフトを連結するステアリングシャフト取付孔2aを有するボス部2、運転者が把持するリム部3、及びボス部2とリム部3の芯金とを結ぶスポーク部4a,4b、5a,5b、6a,6bを備えた構成になっている。リム部3の芯金、ボス部2及びスポーク部4a,4b、5a,5b、6a,6bは、アルミニウム合金やマグネシウム合金などを用いて一体成形によって構成されている。
【0039】
ボス部2及びスポーク部4a,4b、5a,5b、6a,6bが、運転者側に露呈しないようにするため、ボス部2はステアリングパッド9(
図2参照)によって乗員側が覆われ、スポーク部4a,4b、5a,5b、6a,6bは、一対のフィニッシャー7a,7bによって覆われている。ステアリングパッド9の外周縁側は、一対のフィニッシャー7a,7bの内側面25との間で所望の隙間を介して配設されている。
尚、
図2では、透明状態にしたステアリングパッド9を示している。
【0040】
各フィニッシャー7a,7bは、内側面25と外側面26とを上面で連結した横断面形状が逆コ字状に形成されており、各側面25,26には所望の意匠を施しておくことができる。また、各フィニッシャー7a,7bの上方側の端部上面27には、必要に応じてスイッチ類等を配設しておくこともできる。
【0041】
ステアリングホイール1の裏面側にはロアカバー8が配されており、ロアカバー8によっ
てステアリングホイール1の裏面側が覆われている。ステアリングパッド9や各フィニッシャー7a,7bやロアカバー8は、ABS樹脂材などのような硬質の合成樹脂材によってそれぞれ一体成形によって構成されている。
【0042】
スポーク部4a,4b、5a,5b、6a,6b に連結したリム部3の芯金の外周部は、軟質の合成樹脂材等によって覆われた構成になっている。
【0043】
各スポーク部4a,4b、5a,5b、6a,6bの配置構成を、ステアリングホイールの中立状態における上面視において説明すると、スポーク部4a,4bは、ボス部2から左右方向に延設した形状に構成されており、延設した先端部側は、リム部3の芯金に連結している。スポーク部5a,5bは、ボス部2から下方側に向かって延設した形状に構成されており、ボス部2側から離れた途中における下部屈曲部23bから乗員側に屈曲した形状に形成されており、乗員側に屈曲したスポーク部5a,5bは上部屈曲部23aにおいて下方に屈曲してリム部3の芯金に連結した形状に構成されている。
【0044】
スポーク部5a,5bの下部屈曲部23b間には、補強部22が形成されており、補強部22はスポーク部6a,6bによって上部に配したスポーク部4a,4bとそれぞれ連結した構成になっている。補強部22及びスポーク部6a,6bを形成しておくことにより、リム部3の操作を確実にボス部2に伝達させることができる。しかも、スポーク部4a,4b及びスポーク部5a,5bを軽量化した構成にしても、補強部22及びスポーク部6a,6bによってスポーク部4a,4b及びスポーク部5a,5bにおける強度を向上させることができるので、リム部3の操作が確実にボス部2に伝達できる。
【0045】
図3には、フィニッシャー7bの裏面における構成を示している。しかし、各フィニッシャー7a,7bの形状は互いに鏡面対称とした形状に構成されているので、フィニッシャー7aの裏面における構成としては、フィニッシャー7bの裏面における構成を鏡面対称にした配置構成として形成されている。そのため、フィニッシャー7aの裏面における構成の図示は、省略している。
【0046】
図3にフィニッシャー7bの裏面を示しているように、各フィニッシャー7a,7bの裏面において、各フィニッシャー7a,7bの上端側における部位には、上部係止部10が各フィニッシャー7a,7bの裏面から立設する形で形成されており、各フィニッシャー7a,7bの下端側における部位には、下部係止部12が形成されている。各フィニッシャー7a,7bの下端側と上端側との間における下端側寄りの部位には、中間係止部11が各フィニッシャー7a,7bの裏面から立設する形で形成されている。
【0047】
各フィニッシャー7a,7bの下端側には、各フィニッシャー7a,7bをステアリングホイール1に取り付けた状態において、対向する各フィニッシャー7b,7a側に向けて延設した延設部13a,13bが設けられている。各延設部13a,13bの裏面には、突起部14と係止片15とが立設されている。
【0048】
また、各延設部13a,13bには、開口16が形成されており、開口16を間に挟んで、上下方向に突起部14と係止片15とが配設されている。係止片15の頭部には、突起部14方向に突出した爪部15aが形成されている。そして、下部係止部12としては、延設部13a,13bと各延設部13a,13bの裏面に形成した突起部14と係止片15とを有した構成になっている。
【0049】
各スポーク部5a,5bの下端側には、各延設部13a,13bの裏面に形成した突起部14を嵌合させる嵌合孔18(
図4参照)と係止片15の爪部15aを係合させる係止部19(
図4参照)とが形成されている。嵌合孔18と係止部19とによって、係合受け部17が構成されている。
【0050】
図4は、
図2におけるIV−IV断面図を示しており、下部係止部12と係合受け部17との係合状態を示している。また、
図2は、ステアリングホイール1に一対のフィニッシャー7a,7bを取り付けた状態を示している。即ち、下部係止部12と係合受け部17とを係合させた状態において、
図1におけるネジ28をスポーク部4a,4bに形成した長孔20とスポーク部5a,5bに形成した取付部21の裏面側からそれぞれ挿入して、上部係止部10と中間係止部11に螺入することで、上下方向に離間して配されたスポーク部4a,4bとスポーク部5a,5bと間に跨った各フィニッシャー7a,7bをそれぞれ取り付けることができる。
【0051】
上部係止部10は、
図5に示すようにスポーク部4a,4bに形成した長孔20の下端寄りに取り付けられているので、ステアリングホイール1に対して衝撃荷重が作用して、ステアリングホイール1が反運転者側に変形したときには、各フィニッシャー7a,7bの上部係止部10が長孔20内に沿って上端寄りへと摺動することができる。
【0052】
次に、ステアリングホイール1に対して衝撃荷重が作用して、リム部3やスポーク部5a,5bが反運転者側に曲げ変形した場合を例に挙げて、このときの各フィニッシャー7a,7bが追従して変形する様子について説明を行う。ステアリングホイール1に対して衝撃荷重が作用して、リム部3やスポーク部5a,5bが反運転者側に曲げ変形すると、係止片15に係合していた係合受け部17の係止部19は、図示せぬステアリングシャフト側に回り込むように回動することになる。
【0053】
このとき、各フィニッシャー7a,7bの係止片15を係合させていたスポーク部5a,5bの係止部19は、係止片15の爪部15aとの係合状態を維持する方向に回動することになる。このとき、リム部3やスポーク部5a,5bが変形する反運転者側への曲げ変形の方向によって、係止片15は図示せぬステアリングシャフト側に回り込むように引っ張り込まれた状態になったり、或いは、各フィニッシャー7a,7bを上方向側に押し上げる状態になる。
【0054】
このような状態に各フィニッシャー7a,7bがおかれても、上部係止部10が長孔20に係止された状態になっているので、各フィニッシャー7a,7bはこれらの状態を許容することができるように上部係止部10は長孔20内を摺動することができる。しかも、上部係止部10が長孔20内を摺動しても、下部係止部12と係合受け部17との係合状態は維持されることになる。
【0055】
このようにして、各フィニッシャー7a,7bは、ステアリングホイール1の変形に追従することができ、しかも、各フィニッシャー7a,7bの下端部は、リム部3との接触状態を維持しながら変形することができるので、ステアリングホイール1が変形しても、各フィニッシャー7a,7bの端部が、外方に飛び出る状態を防止しておくことができる。
【0056】
横断面形状が逆コ字状に形成された各フィニッシャー7a,7bを、逆コ字状の開放側に向かってそのまま曲げようとした場合には、逆コ字状の両側面25,26を外方向側に拡開させるように変形させなければ、各フィニッシャー7a,7bをステアリングホイール1の変形方向に追従させることができない。しかも、このように各フィニッシャー7a,7bを曲げさせるためには、大きな応力を各フィニッシャー7a,7bに作用させなければならない。
【0057】
各フィニッシャー7a,7bを曲げさせるためには、すなわち大きな応力を各フィニッシャー7a,7bに作用させるということは、ステアリングホイール1の変形に対して各フィニッシャー7a,7bが大きな抵抗になってしまう。
【0058】
本願発明では、ステアリングホイール1の変形によって、各フィニッシャー7a,7bに設けた延設部13a,13bに対して曲げ力が作用することになるので、ステアリングホイール1の変形時には、延設部13a,13bは各フィニッシャー7a,7bのステアリングパッド9側の内側面25
を捻じりながら、ステアリングホイール1の変形方向に追従して変形していくことになる。
【0059】
しかも、各フィニッシャー7a,7bの内側面25を捻じりながら、各フィニッシャー7a,7bをステアリングホイール1の変形方向に追従させる応力としては、上述した逆コ字状の両側面25,26を外方向側に拡開させるときに要する応力よりも小さな応力ですむ。その結果、各フィニッシャー7a,7bの横断面形状が逆コ字状に形成されていても、各フィニッシャー7a,7bをステアリングホイール1の変形方向に容易に追従させることができ、ステアリングホイール1の変形に対する大きな抵抗にはならない。
【0060】
また、延設部13a,13bにはそれぞれ開口16が形成されているので、開口16を挟んで上下方向に対向して配した突起部と係止片とは、ステアリングホイールの変形時にはそれぞれ独立して変形することができる。
【0061】
突起部と係止片とがそれぞれ独立して変形することによって、下部係止部としてはステアリングホイールの変形に追従し易くなり、しかも、下部係止部を形成したフィニッシャーの下端がリム部から離間することなく、フィニッシャーはステアリングホイールの変形に追従することができる。
【0062】
また、スポーク部5a,5bには、上部屈曲部23aが形成されているので、ステアリングホイール1の変形に対して上部屈曲部23aを中心としてスポーク部5a,5bを変形させることができ、更に、下部屈曲部23bを中心としたスポーク部5a,5bの変形も生じさせることができるので、スポーク部5a,5bの変形を容易に行わせることができる。
【0063】
しかも、スポーク部5a,5bが容易に変形可能な構成としても、スポーク部5a,5bの下部屈曲部23b間に形成した補強部22及びスポーク部5a,5bとスポーク部4a,4bとの間に配設したスポーク部6a,6bによって、リム部3の操作をボス部2に対して確実に伝達できる構成にしている。
【0064】
また、フィニッシャーの下部係止部を有する延設部は、ステアリングパッドによって覆われているので、露出することがなく意匠性にも優れている。