(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るバックアップ給電システムの一例を示す概略図である。
【0027】
本実施の形態では、系統電力12からの電力が、主幹ブレーカー100を介して建物10の分電盤14に供給されている。
【0028】
主幹ブレーカー100の系統電力側には、系統電力12から供給される電力の電流値を検知する主幹ブレーカー電流センサ120が設けられている。
【0029】
なお、
図1において実線は電力が供給される電力線、破線は計測データ又は制御情報が流れる情報線であるとする。
【0030】
分電盤14には、系統電力12とは別に自家発電装置である太陽光発電装置16からの電力が太陽光発電用ブレーカー102を介して供給されている。太陽光発電装置16には、太陽光発電装置の発電量を計測すると共に、建物内のエネルギーの管理や制御を行うHEMS(Home Energy ManagementSystem)30によって制御される太陽光発電制御装置18が設けられている。
【0031】
なお、本実施の形態では、自家発電装置は太陽光発電装置に限定されず、内燃機関による発電装置又は燃料電池等であってもよい。
【0032】
系統電力12及び太陽光発電装置16から分電盤14に供給された電力は、電力負荷手段である家電機器32及び住設機器34に分岐回路22A及び22Bを各々介して供給される。また、系統電力12から供給された電力を充電できる蓄電池60が分岐回路22Cを介して分電盤14に接続されている。
【0033】
分岐回路20A〜20Cには分岐回路20A〜20Cの電流値を計測する電流センサ22A〜22Cが各々設けられている。電流センサ22A〜22Cからの情報線は、HEMS30が分電盤14を制御するための情報線と共にHEMS30に接続されている。
【0034】
分電盤14の分岐回路20A〜20Cには、分岐回路20A〜20Cをオン状態又はオフ状態に切り替えるための分岐ブレーカー24A〜24Cが各々設けられ、分岐ブレーカー24A〜24Cは、HEMS30によって制御される。
【0035】
なお、
図1では、記載の簡略化のために分岐回路は3系統のみ記載しているが、本実施の形態では3系統以上でも3系統以下でもよく、分岐回路の本数に特段の限定はない。
【0036】
蓄電池60には、鉛蓄電池、ニッケル水素電池又はリチウムイオン電池等の、充放電が可能な二次電池が使用される。これらの二次電池の1セルは、起電力が略1〜2Vなので、本実施の形態では、複数のセルを直列にして所望の電圧が得られるようにしている。さらに所望の電圧を得られるように直列に接続された複数のセルからなる集合体を複数並列に束ねパッケージ化することで、所望の電流が得られるようにしている。
【0037】
また、パッケージ化された蓄電池60には、分電盤14を介して供給される交流(例えば、100V、50Hz)を、蓄電池の充電に適した電圧の直流に変換すると共に、蓄電池60が放電した直流を分電盤14から家電機器32及び住設機器34に供給される交流に変換可能な双方向インバータ等の変換手段(図示せず)が設けられている。
【0038】
さらに、蓄電池60は、蓄電池60の充放電を制御すると共に、蓄電池60の電圧値を計測する蓄電池制御装置62を備え、前述のインバータと共にHEMS30によって制御される。
【0039】
HEMS30は、蓄電池60に設けられた蓄電池制御装置62が計測した蓄電池60の電圧値に基づいて、蓄電池60の蓄電量をモニターしている。
【0040】
HEMS30には、分電盤14へ電力を供給する電力線とは別に、停電時にHEMS30をバックアップするための電力を供給するHEMSバックアップ電力線72及び74が、太陽光発電装置16及び蓄電池60からHEMS30に接続されている。
【0041】
HEMS30は、停電時には、太陽光発電装置16又は蓄電池60の電力を自機並びに電力負荷手段である家電機器32及び住設機器34に供給する
【0042】
図2は、本実施の形態に係るバックアップ給電システムに係るHEMS30の概略構成を示すブロック図である。
【0043】
HEMS30は、コンピュータを含んで構成されており、
図2に示すように、CPU36、ROM38、RAM40、及び入出力ポート42を備えて、これらがアドレスバス、データバス、及び制御バス等のバス44を介して互いに接続されている。
【0044】
入出力ポート42には、各種入出力機器として、表示部46、操作部48、及びメモリ50が接続されている。なお、表示部46及び操作部48は一体で構成され、操作部48は、表示部46に設けられたタッチパネルを適用することができる。
【0045】
表示部46には一例として、太陽光発電装置16の発電量、蓄電池60の蓄電量、並びに家電機器32及び住設機器34の消費電力量が表示される。
【0046】
また、操作部48が、停電時に電力負荷手段の一覧を表示することができる表示部46に設けられたタッチパネルの場合には、表示された電力負荷手段を指定する操作が可能となる。
【0047】
HEMS30は、操作部48で指定された電力負荷手段、例えば家電機器32と接続されている分岐ブレーカー24Aをオン状態にすることにより、指定された電力負荷手段に太陽光発電装置16又は蓄電池60の電力を供給することができる。
【0048】
メモリ50には、分岐ブレーカー24A〜24Cを制御するプログラム、蓄電池制御装置62を制御するプログラム、太陽光発電制御装置18を制御するプログラム及びこれらのプログラムを実行するための各種情報等が記憶されている。
【0049】
HEMSは、メモリ50に記憶されたプログラムをRAM40等に展開してCPU36で実行することにより、建物10へ供給する電力の制御等の各種制御を行うようになっている。
【0050】
また、メモリ50には、電力負荷手段の優先順位を予め記憶しておいてもよい。
【0051】
HEMS30は、メモリ50に記憶されている優先順位において上位に規定されている電力負荷手段に太陽光発電装置16又は蓄電池60の電力を供給するようにしてもよい。
【0052】
さらに、入出力ポート42には、分電盤14、太陽光発電制御装置18及び蓄電池制御装置62等が接続されている。
【0053】
続いて、本実施の形態に係るHEMS30の制御について説明する。本実施の形態では、停電時に太陽光発電装置16又は蓄電池60の電力が共有される優先順位を予めメモリ50に記憶しておくことが可能である。
【0054】
かかる優先順位は、操作部48からの操作に基づいて作成され、メモリ50に記憶するようにしてもよいが、各電力負荷手段の消費電力量及び各電力負荷手段が電力を消費した時間に基づいて決定してもよい。
【0055】
以下、本実施の形態では、電流センサ22A〜22Cの計測結果に基づいて、各分岐回路に接続されている電力負荷手段の属性を推定することにより、電力負荷手段の優先順位を決定する手順を説明する。
【0056】
より具体的には、電力負荷手段が接続された分岐回路の消費電力量に基づいて、各分岐回路に冷蔵庫が接続されているか否か、各分岐回路に24時間動作する機器が接続されているか否かを判定する。
【0057】
冷蔵庫は、冷蔵品を保存するために、優先的に電力が供給されるべきであるし、ファクシミリ等の24時間稼動が要求される機器も優先的に電力が供給されるべきだからである。
【0058】
まず、冷蔵庫が接続されている分岐回路か否かを判定する制御について説明する。
図3は、本実施の形態に係る給電システムにおける冷蔵庫が接続されている分岐回路か否かを判定するための処理のフローチャートである。なお、
図3に示した各手順は各分岐回路において個別に行われるものとする。
【0059】
ステップ300では、判定に係る分岐回路の電流値を電流センサによって所定時間毎に計測する。
【0060】
なお、所定時間は種々の長さが考えられ、本実施の形態では10分程度とするが、この所定時間は接続されている冷蔵庫等の機器の特性等を考慮して変更可能であり、数分程度でもよい。
【0061】
ステップ302では、計測した電流値から当該分岐回路の消費電力量を算出する。建物等の施設内に供給される電力の電圧は概ね100Vなので、各分岐回路の電流値が計測できれば、各分岐回路の消費電力量は、計測した電流値と電圧値100Vとの積で算出されるので、別途電圧を測定する手段を本実施の形態では要しない。
【0062】
しかしながら、電圧の変動等が生じ得る分岐回路においては、電流センサ22A〜22Cに加えて、別途、電圧を計測する手段を各分岐回路に設けてもよい。
【0063】
ステップ304では、計測した電流値及び算出した消費電力量をメモリ50に記憶する。
【0064】
ステップ306では、電流の計測を規定の回数だけ行ったか否かを判定し、規定の回数だけ計測した場合は手順をステップ308に移行させる。規定の回数だけ測定したか否かは、メモリ50に記憶した電流値が規定の回数に相当する数であるか否かで判定できる。
【0065】
なお、規定の回数は、各分岐回路に冷蔵庫が接続されているか否かを判定可能なだけの回数である。当該回数は種々の回数が考えられるが、消費電力量から機器の特徴を把握するには1日の各時刻における消費電力量の変化を把握する必要があることと、本実施の形態のように、10分毎に計測するのが望ましいのであれば、24時間分、合計144回計測することが考えられる。
【0066】
ステップ306で、電流の計測を規定の回数行っていないと判定された場合は、手順をステップ300以前に戻し、再度、電流の計測を実行する。
【0067】
ステップ308では、メモリ50に記憶した規定回数分の消費電力量から最大消費電力及び平均消費電力を算出する。
【0068】
図4は、本実施の形態において冷蔵庫が接続されている分岐回路か否かの判定に用いる各分岐回路の消費電力量の一例を示した図であり、規定回数分の消費電力量の結果から平均消費電力、最大消費電力及び最小消費電力が各々算出されている。
【0069】
ステップ310では、以下の式(1)に従って、当該分岐回路に冷蔵庫が接続されているか否かを判定する。
最大消費電力−平均消費電力>規定値 ・・・(1)
【0070】
冷蔵庫は、誘導モータを作動させて冷媒を圧縮する際に、待機状態に対して5〜10倍に相当する電力消費が突発的にあるので、平均消費電力に対して突出した最大消費電力が認められる分岐回路には冷蔵庫が接続されていると判定できる。
【0071】
判定値は各冷蔵庫の電力消費の特性によって種々の値が考えられるので、試験を通じて統計的に算出されることが望ましい。本実施の形態では、一例として、判定値を300Wとした。
【0072】
ステップ310において、式(1)に従って、最大消費電力と平均消費電力との差が規定値を上回った場合は、当該分岐回路には冷蔵庫が接続されているとステップ312で判定し、
図3のフローチャートによる処理を終了する。
【0073】
ステップ310において、式(1)に従って、最大消費電力と平均消費電力との差が規定値以下の場合は、当該分岐回路には冷蔵庫が接続されていないとステップ314で判定し、
図3のフローチャートによる処理を終了する。
【0074】
以上説明したように、
図3のフローチャートの手順によれば、当該分岐回路の電力消費の傾向から、当該分岐回路に冷蔵庫が接続されているか否かを判定できる。
【0075】
続いて、
図5を用いて、本実施の形態における、24時間動作する機器が当該分岐回路に接続されているか否かを判定する処理について説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る給電システムにおける24時間動作している機器が接続されている分岐回路か否かを判定するための処理のフローチャートである。なお、
図5に示した各手順は各分岐回路において個別に行われるものとする。
【0076】
ステップ500では、24時間計を0にリセットし、ステップ502において所定時間毎に電流の計測を開始する。所定時間は種々の長さが考えられ、本実施の形態では10分とする。
【0077】
ステップ504では、計測した電流値から当該分岐回路の消費電力量を算出する。
【0078】
ステップ506では、計測した電流値及び算出した消費電力量をメモリ50に記憶する。
【0079】
ステップ508では、24時間計を参照して電流の計測を開始してから24時間が経過したか否かを判定し、計測開始から24時間を経過していない場合は、手順をステップ500以前に戻す。
【0080】
ステップ508で、電流の計測を開始してから24時間が経過したと判定された場合は、ステップ510で当該分岐回路の最小消費電力を算出する。
【0081】
図6は、本実施の形態に係る給電システムにおける24時間動作している機器が接続されている分岐回路か否かの判定に用いる各分岐回路の消費電力量の一例を示した図である。
図6では、24時間にわたって、10分毎に各分岐回路の電流値が計測され、計測された電流値から各分岐回路の消費電力量が算出され、さらに各分岐回路の最小消費電力が算出されている。
【0082】
ステップ512では、最小消費電力が0Wか否かが判定され、0Wの場合は、ステップ514において、その分岐回路には24時間動作する機器が接続されていないとして、
図5の処理を終了する。なお、機器によっては、待機状態で微弱な電力を消費するものがあるので、ステップ512では最小消費電力が所定の閾値未満の場合は、最小消費電力が0Wであると判定してよい。当該閾値は種々の値が考えられるが、一例として3〜5W程度とすることが考えられる。
【0083】
ステップ512で、最小消費電力が0Wではないと判定された場合は、ステップ516において、その分岐回路には24時間動作する機器が接続されているとして、
図5の処理を終了する。
【0084】
以上説明したように、
図5の処理によれば、各分岐回路に24時間動作する機器が接続されているか否かを判定することができる。
【0085】
本実施の形態では、上述の各分岐回路に冷蔵庫が接続されているか否か、及び各分岐回路に24時間動作する機器が接続されているか否かの判定に加えて、停電の直前に使用されていた分岐回路及び前回の停電時に電力が供給される分岐回路として指定された分岐回路を特定する。
【0086】
まず、停電の直前に使用されていた分岐回路の特定について説明する。
【0087】
停電の直前に使用すなわち電力が供給されていた分岐回路には、停電になっても引き続き電力が供給された方が望ましい。本実施の形態では、メモリ50に各分岐回路の時系列での消費電力量が記憶されているので、当該記憶に基づいて、停電が発生した直前に使用していた分岐回路を特定する。
【0088】
具体的には、HEMS30は、系統電力12から主幹ブレーカー100への電流を検知する主幹ブレーカー電流センサ120が電流値0Aを検知した時を停電と判断する。また、メモリ50に記憶された各分岐回路における時系列での電流値と、前述の停電と判断した時の時刻とから、停電の直前に使用されていた分岐回路を特定する。
【0089】
次に、前回の停電時に電力が供給される分岐回路として指定された分岐回路について説明する。
【0090】
前回の停電時に電力が供給される分岐回路として指定された分岐回路は、重要な機器が接続されている可能性が高いので、次の停電時にも電力が供給された方が望ましい。本実施の形態では、メモリ50に記憶されているユーザが特定の電力負荷手段をオン状態にするために分岐ブレーカー24A〜24Cを操作した履歴を参照して、前回の停電時に電力が供給される分岐回路として指定された分岐回路を特定する。
【0091】
本実施の形態では、停電時に使用する電力負荷手段を指定する操作が操作部48から可能なので、メモリ50に操作部48からの操作の履歴を記憶しておくことにより、前回の停電時に使用した電力負荷手段、当該電力負荷手段に係る分岐ブレーカー及び分岐回路をメモリ50に記憶されている操作部48の操作の履歴から特定できる。
【0092】
以上のように、本実施の形態では、(1)冷蔵庫が接続されている分岐回路、(2)24時間動作する機器が接続されている分岐回路、(3)停電の直前に使用されていた分岐回路、(4)前回停電時に電力が供給される分岐回路として指定された分岐回路の各々を判定した。
【0093】
本実施の形態では、上記(1)〜(4)の事項に基づいて、停電の場合に電力供給を優先すべき分岐回路を判断する。
【0094】
具体的には、(1)冷蔵庫が接続されていると判定された分岐回路に最大の加点を、(2)24時間動作する機器が接続されていると判定された分岐回路に2番目に大きな加点を、(3)停電の直前に使用されていた分岐回路に3番目に大きな加点を、(4)前回停電時に電力が供給される分岐回路として指定された分岐回路に4番目に大きな加点を各々行い、加点の和が大きな分岐回路を停電の場合に電力供給を優先すべき分岐回路と判断する。
【0095】
本実施の形態では、複数の分岐回路すべてにおいて、上記(1)〜(4)の事項に係る判定が行われる。従って、上記(1)〜(4)の全事項についての加点の和が最大となった分岐回路が停電時に最優先で電力が供給されるべき分岐回路となる。
【0096】
図7は、本実施の形態において停電時に電力を優先的に供給する分岐回路を判断する際に用いられる判定表の一例を示す図である。
【0097】
図7では、(1)冷蔵庫が接続されていると判定された分岐回路に5点を、(2)24時間動作する機器が接続されていると判定された分岐回路に4点を、(3)停電の直前に使用されていた分岐回路に2点を、(4)前回停電時に電力が供給される分岐回路として指定された分岐回路に1点を各々加点して、各分岐回路について加点の和を求め、加点の和が大きい順に従って優先順位をつけている。
【0098】
本実施の形態では、
図7のようにして求めた各分岐回路の優先順位を表示部46に表示し、ユーザが停電時に使用する分岐回路を指定する際に参照できるようにする。また、表示された優先順位に従ってHEMS30が自動制御で停電時に使用する分岐回路を選択してもよい。
【0099】
自動制御による停電時に使用する分岐回路の選択は、所定時間以内にユーザが停電時に使用する分岐回路を指定しなかった場合に実行されるようにしてもよい。所定時間は、数分〜10分程度でもよいし、数時間〜24時間程度であってもよい。また、停電時に使用する分岐回路を自動制御で選択した場合は、その旨を表示部46に報知するようにしてもよい。
【0100】
本実施の形態では、上述の加点の和が最大の分岐回路を停電時に電力供給が優先される分岐回路として表示するようにしてもよい。また、上述の加点の和が最大の分岐回路を停電時に使用する分岐回路としてHEMSが自動制御で選択してもよいし、HEMSによる自動制御を、ユーザがあとからカスタマイズできるようにしてもよい。
【0101】
また、本実施の形態では、停電が起きた時間帯に応じて、停電時に電力供給が最優先される分岐回路、上記の優先順位の1位及び2位、又は上記の優先順位の1位から3位までを停電時に電力供給が優先される分岐回路として表示するようにしてもよい。
【0102】
例えば深夜であれば、電力消費量は少ないと思われるので、優先順位の1位から3位までを停電時に電力供給が優先される分岐回路として表示し、昼間等の電力消費量の多い時間帯の停電では、電力供給が最優先される分岐回路を表示することが考えられる。
【0103】
また、HEMS30は、蓄電池及び自家発電装置から供給可能な電力を予め把握しておき、いわゆる計画停電で、停電が開始される時刻及び該停電が終了する時刻が予め明らかである場合に、加点の和が大きく優先順位が高い分岐回路の中から当該計画停電の間に電力の供給が可能な分岐回路を判断し、当該判断結果を表示部46に表示するようにしてもよい。
【0104】
計画停電の情報は、ネットワークを経由して取得可能であってもよいし、操作部48から入力されたものであってもよい。
【0105】
例えば、HEMS30は、計画停電の情報から当該計画停電の期間を抽出し、メモリ50に記憶した複数の分岐回路の各々の消費電力量に基づいて当該計画停電の期間に各分岐回路が消費する電力量を推定する。
【0106】
推定した電力量と蓄電池60の蓄電量とを比較し、推定した電力量が蓄電池60の蓄電量以下の場合は、計画停電時にすべての分岐回路に蓄電池60の電力を供給する。
【0107】
推定した電力量が蓄電池60の蓄電量を超える場合は、計画停電時に優先順位において上位に規定されている分岐回路に蓄電池60の電力を供給する。
【0108】
蓄電池60の蓄電量は、蓄電池制御装置62が計測した蓄電池60の電圧値から算出可能であり、各分岐回路の消費電力量は、電流センサ22A〜22Cによって計測された電流値から算出できる。
【0109】
また、蓄電池60に加えて太陽光発電装置16のような自家発電装置による電力を利用できる場合には、計画停電の期間に各分岐回路が消費する電力量として推定した電力量と蓄電池60の蓄電量と自家発電装置の発電量とを比較する。
【0110】
推定した電力量が蓄電池60の蓄電量と自家発電装置の発電量との合計以下の場合は、計画停電時にすべての分岐回路に蓄電池及び自家発電装置の電力を供給する。
【0111】
推定した電力量が蓄電池60の蓄電量と自家発電装置の発電量との合計を超える場合は、計画停電時に優先順位において上位に規定されている分岐回路に蓄電池及び自家発電装置の電力を供給する。
【0112】
本実施の形態では、自家発電装置が内燃機関による発電装置、燃料電池又は太陽光発電装置の場合は、これらの発電装置の定格出力等に基づいて、自家発電装置が供給可能な電力を把握することができる。
【0113】
又は、自家発電装置の発電量を計測するための電流センサ及び電圧センサを別途備えるようにしてもよい。
【0114】
当該電流センサ及び電圧センサが計測した結果をメモリ50に累積的に記憶しておき、所定期間における当該電流センサ及び電圧センサが計測した結果の平均値に基づいて、自家発電装置が供給可能な電力を把握することができる。
【0115】
なお、所定期間は、最近1週間、最近1カ月等のある程度の長さの期間であればよい。
【0116】
また、本実施の形態では、表示部46に、蓄電池又は自家発電装置が供給可能な電力と各分岐回路の消費電力量とから蓄電池又は自家発電装置によって電力供給が可能な時間を表示するようにしてもよい。
【0117】
例えば、表示部46に、「冷蔵庫及び24時間動作機器以外の全機器の電源をOFFとすることとで、あと5時間電力を供給できます」というメッセージを表示させ、ユーザに節電を促すことも可能である。
【0118】
以上説明したように、本実施の形態では、各分岐回路の電力の消費の傾向から優先的に電力を供給すべき分岐回路を決定し、停電時に蓄電池又は自家発電装置から電力が供給される電力負荷手段を限定できるバックアップ給電システムを提供することができる。