(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、
前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石と
を備えたロータであって、
前記爪状磁極同士の周方向の各間に設けられ周方向に磁化された極間磁石と、
非磁性体よりなり、組み付けられた前記第1及び第2ロータコアの軸方向の少なくとも一端に嵌着され、前記極間磁石の径方向外側への移動を規制すべく径方向に係合する係合片を有した嵌着部材と、
前記爪状磁極の径方向内側に設けられ径方向に磁化された背面補助磁石とを備え、
前記背面補助磁石は、該背面補助磁石の径方向外側に設けられる前記爪状磁極の周方向両側に隣り合う前記極間磁石の周方向の間に配置されていることを特徴とするロータ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなロータでは、背面補助磁石により漏れ磁束が低減されるものの製品化するにあたり、更なる高効率化及び高出力化を図るべく更なる漏れ磁束の低減が求められている。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、簡単な構成及び組み付けで漏れ磁束を低減することができるロータ及びモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明では、それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石とを備えたロータであって、前記爪状磁極同士の周方向の各間に設けられ周方向に磁化された極間磁石と、非磁性体よりなり、組み付けられた前記第1及び第2ロータコアの軸方向の少なくとも一端に嵌着され、前記極間磁石の径方向外側への移動を規制すべく径方向に係合する係合片を有した嵌着部材と
、前記爪状磁極の径方向内側に設けられ径方向に磁化された背面補助磁石とを備え
、前記背面補助磁石は、該背面補助磁石の径方向外側に設けられる前記爪状磁極の周方向両側に隣り合う前記極間磁石の周方向の間に配置されていることを要旨とする。
【0008】
同構成によれば、爪状磁極同士の周方向の各間には周方向に磁化された極間磁石が設けられるため、第1爪状磁極と第2爪状磁極間の漏れ磁束を低減することができる。よって、例えば、高効率化及び高出力化を図ることができる。又、組み付けられた第1及び第2ロータコアの軸方向の少なくとも一端に嵌着され、極間磁石の径方向外側への移動を規制すべく径方向に係合する係合片を有した嵌着部材を備えるため、簡単な構成及び組み付けで極間磁石の径方向外側への飛び出しを防止することができる。しかも、嵌着部材は非磁性体よりなるため、嵌着部材が漏れ磁束を増大させることはない。
又、爪状磁極の径方向内側には、径方向に磁化された背面補助磁石が設けられるため、その部分での漏れ磁束を低減することができる。その結果、例えば、更に高効率化及び高出力化を図ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のロータにおいて、前記嵌着部材は、前記第1及び第2ロータコアの軸方向両端に嵌着されたことを要旨とする。
同構成によれば、嵌着部材は、第1及び第2ロータコアの軸方向両端に嵌着されるため、軸方向両端側で強固に極間磁石の径方向外側への移動を規制することができ、例えば、嵌着部材が軸方向の一端のみに嵌着されたロータに比べて、極間磁石の径方向外側への飛び出しをより防止することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載のロータにおいて、前記嵌着部材は、前記第1及び第2ロータコアの軸方向の一端のみに嵌着されたことを要旨とする。
同構成によれば、嵌着部材は、第1及び第2ロータコアの軸方向の一端のみに嵌着されるため、例えば、嵌着部材が軸方向両端に嵌着されたロータに比べて、部品点数を少なくすることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記係合片の先端には、前記第1及び第2ロータコアの軸方向の他端側の面と係合する係合爪部が設けられたことを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、係合片の先端には、前記第1及び第2ロータコアの軸方向の他端側の面と係合する係合爪部が設けられるため、請求項3に記載の発明の効果を得ながら、嵌着部材が軸方向に移動することを防止することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記係合片における径方向外側端部の軸中心からの距離は、前記爪状磁極における径方向外側端部の軸中心からの距離以下に設定されたことを要旨とする。
【0014】
同構成によれば、係合片における径方向外側端部の軸中心からの距離は、爪状磁極における径方向外側端部の軸中心からの距離以下に設定されるため、係合片が爪状磁極よりも径方向外側に突出することがない。よって、例えば、係合片が、ロータの径方向外側に設けられるステータとのエアギャップを広げてしまうことがない。
【0015】
請求項6に記載の発明では、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記嵌着部材は、前記極間磁石の軸方向の移動を規制すべく軸方向に係合する極間軸方向係合部を有することを要旨とする。
【0016】
同構成によれば、嵌着部材は、極間磁石の軸方向の移動を規制すべく軸方向に係合する極間軸方向係合部を有するため、更なる部品の追加を要することなく、簡単な構成及び組み付けで極間磁石の軸方向の飛び出しを防止することができる。
【0017】
請求項7に記載の発明では、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のロータにおいて
、前記嵌着部材は、前記背面補助磁石の軸方向の移動を規制すべく軸方向に係合する背面軸方向係合部を有することを要旨とする。
【0018】
同構成によれば
、嵌着部材は、背面補助磁石の軸方向の移動を規制すべく軸方向に係合する背面軸方向係合部を有するため、更なる部品の追加を要することなく、簡単な構成及び組み付けで背面補助磁石の軸方向の飛び出しを防止することができる。
【0019】
請求項8に記載の発明では、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記係合片は、前記極間磁石の径方向外側の全面を覆うように形成されたことを要旨とする。
【0020】
同構成によれば、係合片は、極間磁石の径方向外側の全面を覆うように形成されるため、例えば、極間磁石が破損したとしても、その破片の径方向外側への飛び出しを防止することができる。
【0021】
請求項9に記載の発明では、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記嵌着部材は、前記第1及び第2ロータコアの軸方向端面と対向する部分の一部に孔を有することを要旨とする。
【0022】
同構成によれば、嵌着部材は、第1及び第2ロータコアの軸方向端面と対向する部分の一部に孔を有するため、嵌着部材によるロータの重量の増大を抑制することができる。
請求項10に記載の発明では、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記係合片は、その周方向端部が前記爪状磁極と径方向に係合して径方向外側への移動が規制されたことを要旨とする。
【0023】
同構成によれば、係合片は、その周方向端部が爪状磁極と径方向に係合して径方向外側への移動が規制されるため、極間磁石の径方向外側への移動を強固に規制することができ、極間磁石の径方向外側への飛び出しをより防止することができる。
【0024】
請求項11に記載の発明では、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のロータを備えたモータを要旨とする。
同構成によれば、モータにおいて、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の発明の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、簡単な構成及び組み付けで漏れ磁束を低減することができるロータ及びモータを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した一実施形態を
図1〜
図5に従って説明する。
図1に示すように、モータ1のモータケース2は、有底筒状に形成された筒状ハウジング3と、該筒状ハウジング3のフロント側(
図1中、左側)の開口部を閉塞するフロントエンドプレート4とを有している。また、筒状ハウジング3のリア側(
図1中、右側)の端部には、回路基板等の電源回路を収容した回路収容ボックス5が取着されている。
【0028】
筒状ハウジング3の内周面にはステータ6が固定されている。ステータ6は、径方向内側に延びる複数のティースを有する電機子コア7と、電機子コア7のティースに巻装されたセグメントコンダクタ(SC)巻線8とを有する。
【0029】
モータ1のロータ11は回転軸12を有し、ステータ6の内側に配置されている。回転軸12は非磁性体の金属シャフトであって、筒状ハウジング3の底部3a及びフロントエンドプレート4に支持された軸受13,14により回転可能に支持されている。
【0030】
ロータ11は、
図2〜
図5に示すように、2対の第1及び第2ロータコア21,22と、界磁磁石としての環状磁石23(
図4及び
図5参照)と、背面補助磁石としての第1及び第2背面補助磁石24,25(
図3及び
図4参照)と、極間磁石としての第1及び第2極間磁石26,27(
図3参照)と、一対の嵌着部材28,29とを備える。
【0031】
第1ロータコア21は、略円板状のコアベースとしての第1コアベース21aの外周部に、等間隔に複数(本実施形態では5つ)の爪状磁極としての第1爪状磁極21bが径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成されている。第1爪状磁極21bの周方向端面21c,21dは径方向に延びる(軸方向から見て径方向に対して傾斜していない)平坦面とされ、第1爪状磁極21bは軸直交方向断面が扇形状とされている。又、各第1爪状磁極21bの周方向の幅(角度)、即ち前記周方向端面21c,21dの幅(角度)は、周方向に隣り合う第1爪状磁極21b同士の隙間の幅(角度)より小さく設定されている。又、第1爪状磁極21bは、径方向外側から見て長方形形状に形成されている。
【0032】
又、第2ロータコア22は、第1ロータコア21と同形状であって、略円板状のコアベースとしての第2コアベース22a(
図4参照)の外周部に、等間隔に複数(本実施形態では5つ)の爪状磁極としての第2爪状磁極22bが径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成されている。又、第2爪状磁極22bの周方向端面22c,22dは径方向に延びる(軸方向から見て径方向に対して傾斜していない)平坦面とされ、第2爪状磁極22bは軸直交方向断面が扇形状とされている。又、各第2爪状磁極22bの周方向の幅(角度)、即ち前記周方向端面22c,22dの幅(角度)は、周方向に隣り合う第2爪状磁極22b同士の隙間の幅(角度)より小さく設定されている。又、第2爪状磁極22bは、径方向外側から見て長方形形状に形成されている。そして、第2ロータコア22は、各第2爪状磁極22bがそれぞれ対応する各第1爪状磁極21b間に(即ち、第1爪状磁極21bと周方向に交互に)配置され、又、
図4に示すように、対向する第1コアベース21aと第2コアベース22aとの軸方向の間に環状磁石23が配置(挟持)されるようにして第1ロータコア21に対して組み付けられる。尚、この際、第1爪状磁極21bと第2爪状磁極22bとの周方向の間には、径方向外側から見て長方形の溝が形成されることになる。
【0033】
環状磁石23は、その外径が第1及び第2コアベース21a,22aの外径と同じに設定され、第1爪状磁極21bを第1の磁極(本実施形態ではN極)として機能させ、第2爪状磁極22bを第2の磁極(本実施形態ではS極)として機能させるように、軸方向に磁化されている。
【0034】
又、
図4に示すように、各第1爪状磁極21bの背面(径方向内側の面)と第2コアベース22aの外周面との間には、第1背面補助磁石24が配置されている。第1背面補助磁石24は、その軸直交方向断面が扇形状の略直方体形状とされ、その部分での漏れ磁束を低減すべく、第1爪状磁極21bの背面に当接する側が第1爪状磁極21bと同極のN極に、第2コアベース22aに当接する側が同第2コアベース22aと同極のS極となるように径方向に磁化されている。
【0035】
又、
図3、及び
図4に示すように、各第2爪状磁極22bの背面(径方向内側の面)と第1コアベース21aの外周面との間には、第2背面補助磁石25が配置されている。第2背面補助磁石25は、その軸直交方向断面が扇形状の略直方体形状とされ、その部分での漏れ磁束を低減すべく、第2爪状磁極22bの背面に当接する側が第2爪状磁極22bと同極のS極に、第1コアベース21aに当接する側が同第1コアベース21aと同極のN極となるように径方向に磁化されている。
【0036】
又、第1背面補助磁石24と第2背面補助磁石25とは、
図4に示すように、環状磁石23が配置される軸方向位置で互いに軸方向に重なるように、言い換えると環状磁石23が配置される軸方向位置にも配置されるように設定されている。
【0037】
そして、上記のように第1及び第2ロータコア21,22と、環状磁石23と、第1及び第2背面補助磁石24,25とによって構成される中間部材Wは一対設けられ、それらが軸方向に対称(
図4参照)となるように積層されている。
【0038】
そして、第1爪状磁極21bと第2爪状磁極22bとの周方向の間には、第1及び第2極間磁石26,27が配置されている。詳しくは、本実施形態の第1及び第2極間磁石26,27の軸方向長さは、第1及び第2爪状磁極21b,22bの軸方向長さの2倍の長さに設定されている。又、第1及び第2極間磁石26,27は、その軸直交方向断面が扇形状の略直方体形状とされている。そして、第1極間磁石26は、第1爪状磁極21bの一方の周方向端面21cと前記第1背面補助磁石24の周方向端面とで形成される平坦面と、第2爪状磁極22bの他方の周方向端面22dと前記第2背面補助磁石25の周方向端面とで形成される平坦面との間に配置されている。又、本実施の形態の第2極間磁石27は、第1爪状磁極21bの他方の周方向端面21dと前記第1背面補助磁石24の周方向端面とで形成される平坦面と、第2爪状磁極22bの一方の周方向端面22cと前記第2背面補助磁石25の周方向端面とで形成される平坦面との間に配置されている。そして、第1及び第2極間磁石26,27は、第1及び第2爪状磁極21b,22bとそれぞれ同じ磁極となるように(第1爪状磁極21b側がN極で、第2爪状磁極22b側がS極となるように)周方向に磁化されている。
【0039】
そして、上記のように組み付けられた部材における第1及び第2ロータコア21,22の軸方向両端には嵌着部材28,29が嵌着されている。
嵌着部材28,29は、非磁性体(本実施形態では、樹脂材)よりなり、回転軸12が貫通される中央孔を有した円板部28a,29aと、該円板部28a,29aの外縁から軸方向に延びる周方向に複数(本実施形態では10個)の係合片28b,29bとを有する。
【0040】
詳述すると、円板部28a,29aの外径は、前記第1及び第2ロータコア21,22の外径(詳しくは第1及び第2爪状磁極21b,22bの径方向外側端部を繋ぐ円の直径)と同じに設定されている。そして、円板部28a,29aは、上記のように組み付けられた第1及び第2ロータコア21,22の軸方向両端と当接するように配置される。又、本実施形態の円板部28a,29aは、
図4に示すように、前記第2背面補助磁石25の軸方向の移動を規制すべく第2背面補助磁石25の軸方向端面(露出面)とも軸方向に当接(係合)する背面軸方向係合部を構成している。又、本実施形態の円板部28a,29aは、
図5に示すように、前記第1及び第2極間磁石26,27の軸方向の移動を規制すべく第1及び第2極間磁石26,27の軸方向端面とも軸方向に当接(係合)する極間軸方向係合部をも構成している。
【0041】
係合片28b,29bは、前記第1及び第2極間磁石26,27の径方向外側への移動を規制すべく第1及び第2極間磁石26,27と径方向に当接(係合)するように形成されている。詳しくは、係合片28b,29bは、軸直交方向断面が軸方向に一定で、軸方向から見て第1及び第2極間磁石26,27の外周面(詳しくは円弧状の径方向外側端面)に沿った円弧状に形成されている。又、係合片28b,29bにおける径方向外側端面の軸中心からの距離は、前記第1及び第2爪状磁極21b,22bの径方向外側端面の軸中心からの距離と同じに設定され、係合片28b,29bにおける径方向外側端面と第1及び第2爪状磁極21b,22bの径方向外側端面とで1つの円が形成されるように設定されている。又、本実施形態の係合片28b,29bの軸方向長さは、第1及び第2極間磁石26,27の軸方向長さの約1/5に設定されている。
【0042】
そして、嵌着部材28,29は、円板部28a,29aの中央孔と回転軸12が圧入固定されることによって、
図2、
図4及び
図5に示すように、前記第1及び第2ロータコア21,22等からなる部材の軸方向両端に嵌着されている。
【0043】
次に、上記のように構成されたモータ1の作用について説明する。
ロータ11では、第1及び第2背面補助磁石24,25と、第1及び第2極間磁石26,27とが設けられることで、それぞれの配置箇所で漏れ磁束が低減され、ひいては環状磁石23の磁束をモータ1の出力に有効利用することができる。又、第1及び第2極間磁石26,27にはロータ11の回転時に大きな遠心力が掛かるが、係合片28b,29bが径方向に係合することで第1及び第2極間磁石26,27の径方向外側への飛び出しが防止される。
【0044】
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)第1及び第2爪状磁極21b,22bの周方向の各間には周方向に磁化された第1及び第2極間磁石26,27が設けられるため、第1爪状磁極21bと第2爪状磁極22b間の漏れ磁束を低減することができる。よって、環状磁石23の磁束をモータ1の出力に有効利用することができ、例えば、高効率化及び高出力化を図ることができる。又、組み付けられた第1及び第2ロータコア21,22の軸方向両端に嵌着され、第1及び第2極間磁石26,27と径方向に係合する係合片28b,29bを有した一対の嵌着部材28,29を備えるため、簡単な構成及び組み付けで第1及び第2極間磁石26,27の径方向外側への飛び出しを防止することができる。しかも、嵌着部材28,29は非磁性体よりなるため、嵌着部材28,29が漏れ磁束を増大させることはない。
【0045】
(2)係合片28b,29bにおける径方向外側端面の軸中心からの距離は、第1及び第2爪状磁極21b,22bの径方向外側端面の軸中心からの距離と同じに設定されるため、係合片28b,29bが第1及び第2爪状磁極21b,22bよりも径方向外側に突出することがない。よって、例えば、係合片28b,29bが、ロータ11の径方向外側に設けられるステータ6とのエアギャップを広げてしまうことがない。
【0046】
(3)嵌着部材28,29は、第1及び第2極間磁石26,27の軸方向の移動を規制すべく第1及び第2極間磁石26,27の軸方向端面と軸方向に当接(係合)する極間軸方向係合部を構成する円板部28a,29aを有する。よって、更なる部品の追加を要することなく、簡単な構成及び組み付けで第1及び第2極間磁石26,27の軸方向の飛び出しを防止することができる。
【0047】
(4)嵌着部材28,29は、第2背面補助磁石25の軸方向の移動を規制すべく第2背面補助磁石25の軸方向端面(露出面)と軸方向に当接(係合)する背面軸方向係合部を構成する円板部28a,29aを有する。よって、更なる部品の追加を要することなく、簡単な構成及び組み付けで第2背面補助磁石25の軸方向の飛び出しを防止することができる。
【0048】
(5)嵌着部材28,29は、第1及び第2ロータコア21,22の軸方向両端に嵌着されるため、軸方向両端側で強固に第1及び第2極間磁石26,27の径方向外側への移動を規制することができる。よって、例えば、嵌着部材が軸方向の一端のみに嵌着されたロータに比べて、第1及び第2極間磁石26,27の径方向外側への飛び出しをより防止することができる。
【0049】
上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、係合片28b,29bは、軸方向から見て円弧状で軸直交方向断面が軸方向に一定に形成されるとしたが、これに限定されず、例えば、
図6〜
図8に示すように、変更してもよい。
【0050】
詳しくは、この例(
図6〜
図8参照)では、
図7及び
図8に示すように、前記第1及び第2極間磁石26,27における軸方向両端部の径方向外側端部に面取り部26a,27aが形成されている。そして、この例(
図6〜
図8参照)の係合片31,32は、
図7及び
図8に示すように、前記面取り部26a,27aと面接触するように軸方向に対して傾斜した傾斜面31a,32aを有している。このようにしても、上記実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。又、このようにすると、係合片31,32の剛性を容易に高めることができる。
【0051】
・上記実施形態では、係合片28b,29bの軸方向長さは、第1及び第2極間磁石26,27の軸方向長さの約1/5に設定されるとしたが、これに限定されず、例えば、
図9及び
図10に示すように変更してもよい。
【0052】
この例(
図9及び
図10参照)における係合片33,34は、第1及び第2極間磁石26,27の径方向外側の全面を覆うように、それぞれの軸方向長さが、第1及び第2極間磁石26,27の軸方向長さの1/2に設定されている。このようにすると、例えば、第1及び第2極間磁石26,27が破損したとしても、その破片の径方向外側への飛び出しを防止することができる。
【0053】
・上記実施形態の嵌着部材28,29における円板部28a,29aの一部に孔を形成してもよい。例えば、
図11及び
図12に示すように、円板部28a,29aに等角度間隔で複数(この例では4つ)の孔35を形成してもよい。このようにすると、嵌着部材28,29によるロータ11の重量の増大を抑制することができる。
【0054】
又、例えば、
図13及び
図14に示すように、円板部28a,29aに、第1及び第2極間磁石26,27の軸方向端面と軸方向に当接(係合)する極間軸方向係合部36と、第2背面補助磁石25の軸方向端面(露出面)と軸方向に当接(係合)する背面軸方向係合部37とが形成されるように、孔38を形成してもよい。このようにすると、上記実施形態の効果(3),(4)と同様の効果を得ながらも嵌着部材28,29によるロータ11の重量の増大を抑制することができる。
【0055】
・上記実施形態では、嵌着部材28,29は、組み付けられた第1及び第2ロータコア21,22の軸方向両端に嵌着されるとしたが、これに限定されず、
図15及び
図16に示すように、組み付けられた前記第1及び第2ロータコア21,22の軸方向の一端のみに嵌着部材41が嵌着されたロータ11として具体化してもよい。
【0056】
詳しくは、この例(
図15及び
図16参照)の嵌着部材41は、非磁性体(この例では、ステンレス鋼(SUS))よりなり、回転軸12が貫通される中央孔を有した円板部41aと、該円板部41aの外縁から軸方向に延びる周方向に複数(この例では10個)の係合片41bとを有する。そして、この例の係合片41bの軸方向長さは、第1及び第2極間磁石26,27の軸方向長さと同じに設定されている。即ち、この例の嵌着部材41の形状は、上記実施形態の嵌着部材28と略同じであるものの、係合片41bの長さのみが(上記実施形態の係合片28bと)異なるものとされている。
【0057】
このようにすると、例えば、上記実施形態のロータ11(
図2参照)に比べて、部品点数を少なくすることができる。
又、例えば、
図17及び
図18に示すように、上記別例(
図15及び
図16参照)の係合片41bを更に延長して、係合片41bの先端に、第1及び第2ロータコア21,22の軸方向の他端側の面(この例では第1及び第2極間磁石26,27における他端側の面)と係合する係合爪部41cを設けてもよい。この例の係合爪部41cは、組み付け前の状態では前記係合片41bから(曲げられずに)真っ直ぐに延長した形状とされ、配置後に折り曲げられて係合片41bから直角に曲がった形状とされる。尚、組み付け前の状態の係合爪部41cは係合片41bから真っ直ぐに延長した形状であるが、
図17では、便宜上、係合爪部41cが係合片41bから直角に曲げられた状態を図示している。
【0058】
このようにすると、嵌着部材41が軸方向に移動すること、即ち第1及び第2ロータコア21,22に対して組み付けが解除されてしまうことを防止することができる。又、この例では、係合爪部41cが、第1及び第2極間磁石26,27の軸方向の移動を規制すべく第1及び第2極間磁石26,27の軸方向他端面と軸方向に当接(係合)する極間軸方向係合部を構成しており、部品点数を少なくしながら第1及び第2極間磁石26,27の軸方向の飛び出しを防止することができる。
【0059】
・上記実施形態では、各嵌着部材28,29における各円板部28a,29aの外縁から第1及び第2極間磁石26,27の数に対応してそれぞれ10個の係合片28b,29bが延びるとしたが、これに限定されず、例えば、
図19及び
図20に示すように変更してもよい。
【0060】
この例(
図19及び
図20)では、各嵌着部材28,29における各円板部28a,29aの外縁からそれぞれ5個の係合片28c,29cが等角度間隔に形成されている。即ち、一方の嵌着部材28には、第1極間磁石26に対応した係合片28cが形成され、他方の嵌着部材29には第2極間磁石27に対応した係合片29cが形成されている。又、この係合片28c,29cの先端には、第1及び第2ロータコア21,22の軸方向の他端側の面(この例では円板部28a,29aにおける遠い側の面)と係合する係合爪部28d,29dが設けられている。この例の係合爪部28d,29dは、組み付け前の状態では前記係合片28c,29cから(曲げられずに)真っ直ぐに延長した形状とされ、配置後に折り曲げられて係合片28c,29cから直角に曲がった形状とされる。尚、組み付け前の状態の係合爪部28d,29dは係合片28c,29cから真っ直ぐに延長した形状であるが、
図19では、便宜上、係合爪部28d,29dが係合片28c,29cから直角に曲げられた状態を図示している。
【0061】
このようにしても、簡単な構成及び組み付けで第1及び第2極間磁石26,27の径方向外側への飛び出し及び軸方向の飛び出しを防止することができる。又、嵌着部材28,29が軸方向に移動すること、即ち第1及び第2ロータコア21,22に対して組み付けが解除されてしまうことを防止することができる。
【0062】
・上記実施形態の係合片28b,29bは、その先端が径方向外側に撓む虞があったが、
図21〜
図23に示すように、その周方向端部が前記第1及び第2爪状磁極21b,22bと径方向に係合して径方向外側への移動が規制される係合片28e,29eに変更してもよい。
【0063】
即ち、この例(
図21〜
図23)では、係合片28e,29eは、上記実施形態の係合片28b,29bよりも周方向の幅(角度)が広く、言い換えると第1及び第2極間磁石26,27の外周面よりも周方向の幅(角度)が広く形成されている。又、第1及び第2爪状磁極21b,22bには、係合片28b,29bにおいて第1及び第2極間磁石26,27よりも周方向に突出する周方向端部が嵌る溝21e,22eが形成されている。これにより、係合片28e,29eは、その周方向端部が第1及び第2爪状磁極21b,22b(溝21e,22e)と径方向に係合して径方向外側への移動(撓み)が規制される。よって、第1及び第2極間磁石26,27の径方向外側への移動を強固に規制することができ、第1及び第2極間磁石26,27の径方向外側への飛び出しをより防止することができる。
【0064】
・上記実施形態の第1及び第2極間磁石26,27は、組み付け状態で第1及び第2コアベース21a,22aと径方向に隙間を有する形状としたが、
図24及び
図25に示すように、第1及び第2コアベース21a,22aと径方向に接する形状の第1及び第2極間磁石51,52に変更してもよい。尚、勿論、他の別例においても、この第1及び第2極間磁石51,52に変更してもよい。
【0065】
・上記別例(
図13及び
図14参照)の円板部28a,29aにおける極間軸方向係合部36は、第1及び第2極間磁石26,27の軸方向端面の一部と軸方向に当接(係合)する形状としたが、
図26及び
図27に示すように、第1及び第2極間磁石26,27の軸方向端面の全面と軸方向に当接(係合)する極間軸方向係合部61に変更してもよい。
【0066】
即ち、この例の円板部28a,29aには、第1及び第2極間磁石26,27の軸方向端面の全面と軸方向に当接(係合)する極間軸方向係合部61と、第2背面補助磁石25の軸方向端面(露出面)と軸方向に当接(係合)する背面軸方向係合部37とが形成されるように、孔62が形成されている。
【0067】
このようにすると、例えば、第1及び第2極間磁石26,27が破損したとしても、その破片の軸方向の飛び出しを防止することができる。
・上記実施形態では、嵌着部材28,29は、円板部28a,29aの中央孔と回転軸12が圧入固定されることによって嵌着されるとしたが、これに限定されず、例えば、各係合片28b,29bが第1及び第2爪状磁極21b,22b間に圧入固定されることによって嵌着されるようにしてもよい。
【0068】
・上記実施形態では、嵌着部材28,29は樹脂材よりなるとしたが、これに限定されず、他の非磁性体よりなるものとしてもよい。例えば、ステンレス鋼や、銅や、銅合金や、アルミや、アルミ合金等よりなるものとしてもよい。
【0069】
・上記実施形態では、第1及び第2ロータコア21,22と、環状磁石23と、第1及び第2背面補助磁石24,25とによって構成される中間部材Wが一対積層されるロータ11に具体化したが、これに限定されず、中間部材Wが積層されないロータにおいて具体化してもよい。
【0070】
・上記実施の形態では、背面補助磁石(第1及び第2背面補助磁石24,25)を備えるロータ11としたが、これに限定されず、背面補助磁石を備えていないロータに変更してもよい。