【実施例】
【0011】
<1>全体の構成
本発明のフレキシブルコンテナの吊り上げ装置および吊り上げ方法は、複数のフレキシブルコンテナを同時に吊り上げる装置およびその装置を利用した吊り上げ方法である。
吊り上げ装置は、複数の吊り材2を垂下した吊り枠1と、吊り材2の下端に取り付けた玉掛け具3とより構成する。
フレキシブルコンテナ4の詳細は前記したが、本発明の吊り上げ対象のフレキシブルコンテナ4では、汚染物質を収納する前に、吊り手41の一部に金属プレート42を事前に取り付けておく。
このように金属プレート42のフレキシブルコンテナ4への取り付けは、汚染物質の収納前であるから、作業員が被ばくする心配はない。
【0012】
<2>吊り枠
吊り枠1は、平面矩形の鋼製の枠体である。
この吊り枠1の側面、あるいは下面から複数本の吊り材2を下向きに垂下する。
この吊り材2は鋼線、鋼棒などによって構成する。
吊り材2の本数は、図の実施例では6本を2列に配置してあるが、この数値に限定するものではない。
吊り枠1の上には後述する玉掛け具3の係合棒31の出入りのための信号や、電磁石の磁化と消磁の信号を発信する発信機を搭載しておくこともできる。
【0013】
<3>吊り材の間隔
フレキシブルコンテナ4は等間隔で吊り上げる必要がある。
そのため複数本の吊り材2の設置間隔は、吊り上げ対象のフレキシブルコンテナ4の形状と一定の関係がある。
すなわち1本の吊り材2と、隣接する吊り材2と間の間隔は、吊り上げ対象のフレキシブルコンテナ4の平面幅と同じ、もしくはフレキシブルコンテナ4の平面幅よりも多少広く設置する。
平面幅とは、フレキシブルコンテナ4を平面視した場合にほぼ円形とみなして、その直径の寸法である。
このように吊り材2の間隔を設定することにより、フレキシブルコンテナ4群を一度に等間隔で整然と吊り降ろすことができる。
【0014】
<4>玉掛け具
玉掛け具3は、例えば断面を下向きのU字状に形成した鋼材のブロックである。
U字状に形成した玉掛け具3の内部空間を、係合空間32として利用する。
そして外部からの信号によって、係合空間32を横断して摺動する係合棒31を設ける。
係合棒31とは例えば外部からの電気信号を受けて、ソレノイドバルブ34から係合空間32を横断して飛び出し、あるいは元の位置に戻るプランジャーである。
係合空間32に飛び出した係合棒31、すなわちプランジャーの自由端は、係合空間32の他端面に形成したプランジャー受け35に挿入して位置の確保ができる。
このように、本発明の玉掛け具3では玉掛け作業を遠隔操作で行うものである。
さらに玉掛け具3には外部からの操作で磁化と消磁が可能な電磁石33を取りつける。
この電磁石33は、フレキシブルコンテナ4の吊り手41に取り付けた金属プレート42を吸着して係合空間32に牽引するためのものである。
【0015】
<5>吊り上げ作業
次に本発明のフレキシブルコンテナ4の吊り上げ装置の作動について説明する。
前記したように、除染作業にともなってフレキシブルコンテナ4に収納した土壌、落ち葉などは順次、現場や仮置き場に運搬して積み上げるので、整然とした状態で集積してあるとは限らない。
本発明の装置は、このように現場や仮置き場に集積してある膨大な数のフレキシブルコンテナ4を、効率よく吊り上げ、運搬し、中間貯蔵施設で吊り降ろすための装置である。
【0016】
<6>仮置き場での吊り上げ
まず現場や仮置き場では、フレキシブルコンテナ4は上記したように必ずしも整然と積み上げた状態であるとは限らない。
その状態で本発明の吊り上げ装置を使用して、吊り枠1を下降させ、各吊り材2の先端の玉掛け具3をフレキシブルコンテナ4に接近させる。
玉掛け具3の係合棒31は収納した状態にあり、したがって係合空間32は開放した状態にある。
一方、前記したように、フレキシブルコンテナ4の吊り手41の一部には事前に金属プレート42を取りつけてある。
そこで、1か所の玉掛け具3の電磁石33だけを遠隔操作で磁化させることにより、一番近いフレキシブルコンテナ4の吊り手41を吸引して係合空間32に引き寄せることができる。
吊り手41を係合空間32まで吸引したら、係合棒31を押し出して吊り手41を係合空間32に確保する。
この作業を連続して行うことにより、すべての玉掛け具3に1袋ずつのフレキシブルコンテナ4を係合することができる。
その状態で吊り枠1を吊り上げる。
【0017】
<7>吊り降ろし
すべての吊り材2に1袋ずつのフレキシブルコンテナ4を確保した吊り枠1を、運搬車両5の上から吊り降ろす。
運搬車両5が車輪と荷台を備えたトラックであれば、その荷台51にはフレキシブルコンテナ4の寸法に合わせた仕切52を設置する。(
図3)
その仕切52り内に、吊り枠1で確保したフレキシブルコンテナ4をクレーンなどで吊り降ろす。
仕切52の上端面は円弧面、傾斜面としておき、その仕切に沿ってフレキシブルコンテナ4を吊り降ろせば、均等な間隔を維持してすべてのフレキシブルコンテナ4を1袋ずつ、整然と仕切52内に収納することができる。
その状態を確認したら、遠隔操作によって玉掛け具3の係合棒31を引き戻し、係合空間32の一部を開放する。
その状態で吊り枠1を引き上げれば、すべてのフレキシブルコンテナ4は1袋ずつ整然と仕切内に収納した状態となる。
【0018】
<8>中間貯蔵施設での吊り上げ準備
本発明の装置は中間貯蔵施設にも設置してある。
中間貯蔵施設に車両5が到着したら、荷台51に整然と並んだフレキシブルコンテナ4の上に本発明の装置の吊り枠1を降ろしてゆく。
吊り枠1から垂下した吊り材2の間隔は、荷台に並べたフレキシブルコンテナ4の間隔と等しいから、各吊り材2の下端を、各フレキシブルコンテナ4の上に下げてゆくことができる。
【0019】
<9>玉掛け具での係合
玉掛け具3がフレキシブルコンテナ4の上に接近したら、玉掛け具3の電磁石33を起動して、フレキシブルコンテナ4の吊り手41に取り付けた金属プレート42を吸引する。
金属プレート42が吸引されることによって吊り手41の一部は玉掛け具3の係合空間32に位置する。
その状態で例えばソレノイドバルブ34に信号を与えて、係合棒31であるプランジャーを係合空間32を横断する状態で突出させる。
すると係合棒31はフレキシブルコンテナ4の吊り手41の間に進入する。
その後に電磁石33への通電を切って、吊り手41を自由な状態とする。
【0020】
<10>同時吊り上げ
各玉掛け具3での係合棒31の突出は、一度の信号によって同時に行うことができるから、すべてのフレキシブルコンテナ4は1袋ずつ各吊り材2の下端に取り付けられた状態となる。
その状態で吊り枠1を引き上げれば、荷台51上の全部のフレキシブルコンテナ4を同時に吊り上げて中間貯蔵施設内に運び込むことができる。
【0021】
<11>吊り降ろし
吊り枠1を貯蔵位置に移動したら、玉掛け具3の係合棒31を、信号によって同時に引き戻して、すべての玉掛け具3とフレキシブルコンテナ4の吊り手41の係合を解除する。
すでに電磁石33への通電は切ってあるから、すべてのフレキシブルコンテナ4と吊り材2との係合を解除でき、フレキシブルコンテナ4を所定の位置に設置できる。
吊り枠1は再度上昇させて、次の搬入作業に取り掛かる。
こうして膨大な数量のフレキシブルコンテナ4を、整然と効率よく迅速に中間貯蔵施設に搬入して積み上げることができ、しかも作業員がフレキシブルコンテナ4に接近することなく安全に行うことができる。
【0022】
<12>他の用途
以上の説明は仮置き場から中間設備への運搬、搬入の過程に関するものであったが、本発明の方法、装置はもちろんそのような状況での使用に限定するものではなく、例えば中間貯蔵施設内での扱い、その他一般の港湾での運搬、搬入など広い用途に使用することができる。