特許第5964691号(P5964691)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964691
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】タッチセンサ及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20160721BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   G06F3/041 610
   G06F3/041 430
   G06F3/044 128
【請求項の数】7
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-178431(P2012-178431)
(22)【出願日】2012年8月10日
(65)【公開番号】特開2014-35754(P2014-35754A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231361
【氏名又は名称】日本写真印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149216
【弁理士】
【氏名又は名称】浅津 治司
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100121120
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 尚
(72)【発明者】
【氏名】高畑 和彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 一登
(72)【発明者】
【氏名】奥村 健治
【審査官】 笠田 和宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−072902(JP,A)
【文献】 特開2004−288172(JP,A)
【文献】 特開2009−217612(JP,A)
【文献】 特開2001−154592(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0134423(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G06F 3/02− 3/047
H03M 11/04−11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と前記第1面の周囲の第2面とが立体形状を構成する電子機器に取り付けられるタッチセンサであって、
前記第1面及び前記第2面に折り曲げて設置される弾性フィルムと、
前記弾性フィルムのうちの前記第1面に配置される第1領域に設けられる第1電極と、
前記弾性フィルムのうちの前記第2面に配置される第2領域に設けられる複数の第2電極と、
前記弾性フィルムに設けられ、前記第1電極及び複数の前記第2電極にそれぞれ接続される複数の信号線と、
外部と接続するための接続端子とを備え、
前記弾性フィルムは、互いに隣接する複数の前記第2電極の間の前記第2領域に、切欠き、スリット及び開口のうちの少なくとも一つが形成され、
複数の前記信号線は、前記第1電極及び複数の前記第2電極と前記接続端子とを電気的に接続するために、前記第1面と前記第2面との境界方向に延びている部分が、前記境界に沿って前記第1面又は前記第2面に配置されている第1配線領域を経由して形成されている、タッチセンサ。
【請求項2】
第1面と前記第1面の周囲の第2面とが立体形状を構成する電子機器に取り付けられるタッチセンサであって、
前記第1面及び前記第2面に折り曲げて設置される弾性フィルムと、
前記弾性フィルムのうちの前記第1面に配置される第1領域に設けられる第1電極と、
前記弾性フィルムのうちの前記第2面に配置される第2領域に設けられる複数の第2電極と、
前記弾性フィルムに設けられ、前記第1電極及び複数の前記第2電極にそれぞれ接続される複数の信号線と、
外部と接続するための接続端子とを備え、
前記弾性フィルムは、互いに隣接する複数の前記第2電極の間の前記第2領域に、切欠き、スリット及び開口のうちの少なくとも一つが形成され、
複数の前記信号線は、複数の前記第2電極と前記接続端子とを電気的に接続するために、前記第1面と前記第2面との境界方向に延びている部分が、前記第1面の反対側に位置する前記第2面の端部に沿って配置されている第2配線領域を経由して形成されている、タッチセンサ。
【請求項3】
前記第1面と前記第2面を形成するための立体カバーをさらに備え、
前記弾性フィルムは、前記立体カバーの前記第1面側から前記第2面側に渡って折り曲げて取り付けられる、
請求項1又は請求項2に記載のタッチセンサ。
【請求項4】
前記第1電極及び前記第2電極から得られる信号に応じて接触と非接触の検出を行う検出デバイスをさらに備え、
前記検出デバイスは、複数の前記第2電極から得られる複数の信号から接触位置の移動を検出する、請求項1から請求項3のいずれかに記載のタッチセンサ。
【請求項5】
前記弾性フィルムは、上側弾性フィルム及び下側弾性フィルムを含み、
前記第1電極は、前記上側弾性フィルムの下面に形成されている上側第1電極及び前記下側弾性フィルムの上面に形成されている下側第1電極を含み、
複数の前記第2電極は、前記上側弾性フィルムの下面に形成されている複数の上側第2電極及び前記下側弾性フィルムの上面に形成されている複数の下側第2電極を含み、
前記上側弾性フィルム及び前記下側弾性フィルムは、互いに隣接する複数の前記上側第2電極の間及び複数の前記下側第2電極の間に切欠き、スリット及び開口のうちの少なくとも一つが形成されている、請求項1から請求項4のいずれかに記載のタッチセンサ。
【請求項6】
複数の前記第2電極は、前記上側第2電極と前記下側第2電極が交互にずれて配置され、
前記上側弾性フィルムに形成されている前記切欠き、前記スリット及び前記開口のうちの少なくとも一つと前記下側弾性フィルムに形成されている前記切欠き、前記スリット及び前記開口のうちの少なくとも一つが交互にずれて配置されている、請求項5に記載のタッチセンサ。
【請求項7】
請求項3に記載のタッチセンサと、
前記タッチセンサの前記立体カバーを蓋として兼用するケーシングとを備えた、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指などによる押下げ操作及び摺動操作などの入力操作を検知するタッチセンサ及びそのようなタッチセンサを備える電子機器に関し、特に立体形状を持つタッチセンサ及びそのタッチセンサを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電子機器の画面などに軽く触れるだけで入力を行わせるため、タッチセンサが入力装置の一つとして電子機器に取り付けられるケースが増加している。さらに近年、電子機器の画面が配置される平坦な主面だけでなく、電子機器の側面などからの入力にもタッチセンサを用いたいとする要望がみられる。
例えば、特許文献1(特開2001−154592号公報)には、タッチパネルを立体的に成形する技術が開示されている。例えば、特許文献1に記載の発明においては、3次多面状のタッチパネルを形成し、側面にもタッチパネル機能を持たせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−154592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のようにタッチパネルを単純に立体形状に加工しようとすると、例えば透明電極を構成するITO膜などの金属材料の部分を変形させる必要が生じる。ところがこのような金属材料がスパッタリングで形成されているため、タッチパネルを構成するプラスチックフィルムを加熱して変形させようとすると金属材料に生じる応力によってクラック等が発生するなど、悪い条件が重なるとタッチパネルの立体成形が断線を引き起こす原因ともなる。
また、加熱による立体成形をせずに、タッチパネルをプラスチックフィルムで構成して、プラスチックフィルムを弾性変形させてタッチパネルを側面に沿わせようとしても、プラスチックフィルムを変形させることができる曲率には限界がある。例えば、タッチパネルに頻繁に使用されるPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムには腰がある(弾性変形に大きな力が必要である)ため、側面に沿わせようとしてもPETフィルムの弾性により発生する応力によって形状を維持させておくことが難しい。また、タッチセンサを電子機器に貼り付ける際に気泡などが入って美観を損ねることがある。
【0005】
本発明の課題は、立体形状を有する電子機器に合わせて電子機器に立体的に容易に設置し得る安価なタッチセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係るタッチセンサは、第1面と第1面の周囲の第2面とが立体形状を構成する電子機器に取り付けられるタッチセンサであって、第1面及び第2面に折り曲げて設置される弾性フィルムと、弾性フィルムのうちの第1面に配置される第1領域に設けられる第1電極と、弾性フィルムのうちの第2面に配置される第2領域に設けられる複数の第2電極と、弾性フィルムに設けられ、第1電極及び複数の第2電極にそれぞれ接続される複数の信号線と、を備え、弾性フィルムは、互いに隣接する複数の第2電極の間の第2領域、及び第1領域と第2領域の境界のうちの少なくとも一方に、切欠き、スリット及び開口のうちの少なくとも一つが形成されている。
このタッチセンサでは、弾性フィルムを折り曲げて第1面及び第2面に設置する際に弾性フィルムが発生する弾性力を切欠き、スリット及び開口のうちの少なくとも一つにより小さくすることができる。それにより、複数の第2電極を第2面に設置するときに第1電極、複数の第2電極及び複数の信号線に集中する応力を分散させることができる。その結果、第1電極、複数の第2電極及び複数の信号線が破損するのを抑制して歩留まりを向上させることができる。また、このような切欠き、スリット及び開口のうちの少なくとも一つは、プレス加工などによって弾性フィルムの外形の成形と同時に形成できるためコストの上昇を抑えることができる。
【0007】
また、タッチセンサは、第1面と第2面を形成するための立体カバーをさらに備え、弾性フィルムは、立体カバーの第1面側から第2面側に渡って折り曲げて取り付けられてもよい。この場合には、立体カバーに弾性フィルムが取り付けられているので、ハンドリングが容易でタッチセンサの電子機器への取り付けが容易になる。
また、タッチセンサは、外部と接続するための接続端子をさらに備え、複数の信号線は、第1電極及び複数の第2電極と接続端子とを電気的に接続するために、第1面と第2面との境界方向に延びている部分が、境界に沿って第1面又は第2面に配置されている第1配線領域を経由して形成されてもよい。この場合には、複数の信号線の多くの部分が第1配線領域に配置されて複数の信号線のうち境界を横切る部分が減るので、信号線の破損を抑制することができる。
【0008】
また、タッチセンサは、外部と接続するための接続端子をさらに備え、複数の信号線は、複数の第2電極と接続端子とを電気的に接続するために、第1面と第2面との境界方向に延びている部分が、第1面の反対側に位置する第2面の端部に沿って配置されている第2配線領域を経由して形成されてもよい。この場合には、複数の信号線の多くの部分が第2配線領域に配置されて複数の信号線のうち境界を横切る部分が減るので、信号線の破損を抑制することができる。
このタッチセンサは、第1電極及び第2電極から得られる信号に応じて接触と非接触の検出を行う検出デバイスをさらに備え、検出デバイスは、複数の第2電極から得られる複数の信号から接触位置の移動を検出する構成であってもよい。この場合には、接触位置の移動が検出されるので、例えば第2面に平行な連続した動作を量に対応させて入力できるなど、タッチセンサの入力のバリエーションを増やすことができる。
【0009】
このタッチセンサの弾性フィルムは、上側弾性フィルム及び下側弾性フィルムを含み、第1電極は、上側弾性フィルムの下面に形成されている上側第1電極及び下側弾性フィルムの上面に形成されている下側第1電極を含み、複数の第2電極は、上側弾性フィルムの下面に形成されている複数の上側第2電極及び下側弾性フィルムの上面に形成されている複数の下側第2電極を含み、上側弾性フィルム及び下側弾性フィルムは、互いに隣接する複数の上側第2電極の間及び複数の下側第2電極の間に切欠き、スリット及び開口のうちの少なくとも一つが形成されていてもよい。この場合には、上側弾性フィルム及び下側弾性フィルムの応力を緩和することができるので、応力を緩和する効果がさらに大きくなる
このタッチセンサの複数の第2電極は、上側第2電極と下側第2電極が交互にずれて配置され、上側弾性フィルムに形成されている切欠き、スリット及び開口のうちの少なくとも一つと下側弾性フィルムに形成されている切欠き、スリット及び開口のうちの少なくとも一つが交互にずれて配置されていてもよい。この場合には、切欠き、スリット及び開口のうちの少なくとも一つが第1面と第2面の境界に沿って多く配置されるので、弾性が変わる境界が多くなるため、境界付近で上側弾性フィルム及び下側弾性フィルムを折り曲げ易くなる。
本発明の第2見地に係る電子機器は、タッチセンサとケーシングとを備えている。タッチセンサは、第1面と第1面の周囲の第2面とが立体形状を構成する電子機器に取り付けられるタッチセンサである。タッチセンサは、第1面及び第2面に折り曲げて設置される弾性フィルムと、弾性フィルムのうちの第1面に配置される第1領域に設けられる第1電極と、弾性フィルムのうちの第2面に配置される第2領域に設けられる複数の第2電極と、弾性フィルムに設けられ、第1電極及び複数の第2電極にそれぞれ接続される複数の信号線と、第1面と第2面を形成するための立体カバーとを備えている。弾性フィルムは、互いに隣接する複数の第2電極の間の第2領域、及び第1領域と第2領域の境界のうちの少なくとも一方に、切欠き、スリット及び開口のうちの少なくとも一つが形成され、立体カバーの第1面側から第2面側に渡って折り曲げて取り付けられている。そして、ケーシングは、タッチセンサの立体カバーを蓋として兼用する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、立体形状を有する電子機器に合わせて電子機器に立体的に容易に設置できる安価なタッチセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態のタッチセンサを備えるポータブルオーディオプレーヤの斜視図。
図2】第1実施形態に係るセンサパネルと立体カバーの組立図。
図3】第1実施形態のセンサパネルの平面図。
図4】(a)図3のセンサパネルの部分拡大図、(b)図3のセンサパネルの部分拡大図、(c)図5のセンサパネルの部分拡大図、(d)図5のセンサパネルの部分拡大図。
図5】(a)第1実施形態のセンサパネルの他の例を示す平面図、(b)第1実施形態のセンサパネルの他の例を示す平面図、(c)第1実施形態のセンサパネルの他の例を示す平面図、(d)第1実施形態のセンサパネルの他の例を示す平面図。
図6】(a)第2実施形態のセンサパネルを構成するPETフィルムの平面図、(b)第2実施形態のセンサパネルを構成するPETフィルムの平面図、(c)第2実施形態のセンサパネルの平面図。
図7】(a)第2実施形態の変形例に係るセンサパネルを構成するPETフィルムの平面図、(b)第2実施形態の変形例に係るセンサパネルを構成するPETフィルムの平面図。
図8】(a)第2実施形態の他の変形例に係るセンサパネルの平面図、(b)第2実施形態の他の変形例に係るセンサパネルの平面図、(c)第2実施形態の他の変形例に係るセンサパネルの平面図。
図9】第3実施形態に係るセンサパネルと立体カバーの組立図。
図10】(a)第3実施形態のセンサパネルを構成するPETフィルムの平面図、(b)第3実施形態のセンサパネルを構成するPETフィルムの平面図。
図11】(a)第3実施形態の変形例に係るセンサパネルを構成するPETフィルムの平面図、(b)第3実施形態の変形例に係るセンサパネルを構成するPETフィルムの平面図。
図12】(a)第4実施形態のセンサパネルの一例を示す平面図、(b)第4実施形態のセンサパネルの他の例を示す平面図、(c)第4実施形態のセンサパネルの他の例を示す平面図、(d)第4実施形態のセンサパネルを構成するPETフィルムの平面図。
図13】(a)第4実施形態の他のセンサパネルを構成するPETフィルムの平面図、(b)第4実施形態の他のセンサパネルを構成するPETフィルムの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〈第1実施形態〉
(1)タッチセンサを備える電子機器の概要
近年、スマートフォン、タブレットPC、ポータブルオーディオプレーヤ、携帯電話、電子ブックリーダー及びICレコーダーなどの電子機器にタッチセンサが頻繁に用いられている。このような小型の電子機器にタッチセンサが多用されるのは、プラスチックフィルムで構成されるタッチセンサが軽量で、小型化し易く、かつ比較的安価に製造できるという利点を持っているからである。手のひらや衣服のポケットに入れて持ち運べるスマートフォンやポータブルオーディオプレーヤなどの小型の電子機器では、その3次元形状も小さく、その電子機器の各面の境界を繋ぐ曲面の曲率半径も小さくなる。
また、スマートフォンやポータブルオーディオプレーヤなどには、液晶表示装置が組み込まれていることが多く、タッチセンサが液晶表示装置の上に設けられ、いわゆるタッチパネルの一部を構成するケースも多くなっている。このようなタッチパネルの一部を構成するタッチセンサは、ITOなど比較的変形させることが難しい金属酸化物などからなる透明導電膜を備えている。
【0013】
以下の第1実施形態に係るタッチセンサの説明では、タッチセンサを備える電子機器として、ポータブルオーディオプレーヤ(以下、PAPと称する)を例に挙げて説明する。図1に示されているPAP10のケーシング19の上面11には、LCD20が取り付けられている。このPAP10は、上面11のほかに、図1に示されている右側面12、左側面13、前面14及び後面15、並びに図示されていない下面を有し、直方体状の立体形状を呈する。このPAP10の上面11に取り付けられているLCD20の表面には、さらにタッチセンサ30が搭載されている。タッチセンサ30は、PAP10の上面11に配置されている上面タッチセンサ部31と右側面タッチセンサ部32と後述する左側面タッチセンサ部33からなる。
図1のLCD20には、スピーカが描かれたアイコン21とインジケータ22が表示されている。PAP10のLCD20上を指で触ると、上面タッチセンサ部31を使って入力を行うことができる。例えば、上面タッチセンサ部31を使って、メニュー画面を呼び出し、さらに演奏される音楽の音量を調節する画面を呼び出した状態が図1に示されている状態である。
右側面タッチセンサ部32は、PAP10の右側面12に設けられている。図1に示されている状態で、例えば、アイコン21の上の上面タッチセンサ部31を指で押さえながら、右側面12を触って親指を移動させると右側面タッチセンサ部32を使って音量を変化させることができる。例えば、右側面12に触れつつ前面14の方に向かって親指を移動させると音量が増加してインジケータ22のバーが伸び、逆に後面15の方に向かって親指を移動させれば音量が減少してインジケータ22のバーが縮むなどの入力と表示が同時に行える。
【0014】
(2)タッチセンサの構成
タッチセンサ30は、主に、図2に示されているセンサパネル40と立体カバー50及び、図1に示されている検出デバイス60で構成されている。立体カバー50は、ここでは、PAP10のケーシング19の上蓋と兼用されている。図2は、立体カバー50の裏側から見た図である。立体カバー50は、右側面52、左側面53、前側面54及び後側面55からなる筒状体の上部に上面51が形成された立体形状を有している。この立体カバー50の上面51と右側面52又は左側面53を繋ぐ曲面部分56,57の曲率半径は、例えば4mm程度である。また、立体カバー50の上面51の中央には開口51aが形成されている。
センサパネル40は、上面51の開口51aに対応する部分に配置され、下面側に配置されるLCD20の映像を透過する透明電極領域40aを有している。センサパネル40の透明電極領域40aの右側には、右側電極領域40bが配置されており、左側には左側電極領域40cが配置されている。透明電極領域40aと右側電極領域40bとの間及び透明電極領域40aと左側電極領域40cとの間に、それぞれ右側配線領域40dと左側配線領域40eが配置されている。右側配線領域40dと左側配線領域40eは、透明電極領域40aの後面側に配置されている後面側配線領域40fに繋がっている。
後面側配線領域40fではフレキシブルプリント基板49(以下、FPCと称する)の接続が行われる。そして、FPC49の先には、検出デバイス60が電気的に接続されている。
【0015】
立体カバー50の右側面52は、即ちPAP10の右側面12であり、立体カバー50の左側面53は、即ちPAP10の左側面13である。上述のセンサパネル40の右側電極領域40bが接着剤によって立体カバー50の右側面52の内壁に貼り付けられ、左側電極領域40cが接着剤によって立体カバー50の左側面53の内壁に貼り付けられる。従って、立体カバー50の上面51と右側面52とを繋ぐ曲面部分56は、透明電極領域40aと右側電極領域40bとの間、ここでは特に右側配線領域40dの右側に位置する。そのため、右側配線領域40dは、平坦な上面51に配置される。同様に、立体カバー50の上面51と左側面53とを繋ぐ曲面部分57は、透明電極領域40aと左側電極領域40cとの間、ここでは特に左側配線領域40eの左側に位置する。そのため、左側配線領域40eも、上面51に配置される。
そして、右側電極領域40b及び左側電極領域40cには、透明電極領域40aの配置位置とは反対側に三角形状の切欠き48が形成されている。この三角形状の切欠き48は、曲面部分56,57に達する部分にまで延びている。
【0016】
(3)センサパネルの構成
図3には、折り曲げられる前のセンサパネル40の平面形状が示されている。このセンサパネル40は、電極などが形成される弾性フィルムとしてPETフィルム45を備えている。弾性フィルムとしては、熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチック、ガラス及び金属などから選択される材料を単独で又は組み合わせて用いることができる。特に、弾性フィルムの透明な部分には、熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチック及びガラスから選択される材料が用いられる。熱可塑性プラスチックフィルムとしては、例えばPETフィルムがある。また、これらを組み合わせて用いる場合には、例えば、ガラスにPETフィルムを積層して用いることが考えられる。
センサパネル40のPETフィルム45上には、透明電極領域40aにITOなどで6つの透明電極41が形成されている。立体カバー50の右側面52に近い列に形成されているのが右列透明電極41Rであり、左側面53に近い列に形成されているのが左列透明電極41Lである。PETフィルム45上の右側電極領域40bには、銀ペーストなどで5つの右側電極42が形成され、左側電極領域40cには銀ペーストなどで5つの左側電極43が形成されている。そして、FPC49とこれら透明電極41、右側電極42及び左側電極43を接続するための金属配線パターン44が、PETフィルム45上の右側配線領域40d、左側配線領域40e及び後面側配線領域40fに銀ペーストなどで形成されている。このような構成では、右側電極42、左側電極43及び金属配線パターン44を同一工程で同時に形成することができる。
【0017】
さらに詳述すれば、図4(a)に示されているように、立体カバー50の右側の曲面部分56に対応する折り曲げ領域40iよりも上面51の側に右側配線領域40dが配置されている。そのため、右列透明電極41Rに接続される金属配線パターン44a及び右側電極42に接続される金属配線パターン44cが立体カバー50の上面51に配置される。同様に、図4(b)に示されているように、立体カバー50の左側の曲面部分57に対応する折り曲げ領域40jよりも上面51の側に左側配線領域40eが配置されている。そのため、左列透明電極41Lに接続される金属配線パターン44b及び左側電極43に接続される金属配線パターン44dが立体カバー50の上面51に配置される。
【0018】
図4(a)及び図4(b)に示されているように、右側配線領域40d及び左側配線領域40eには、金属配線パターン44c2,44d2が配置され、PETフィルム45が折れ曲がる折り曲げ領域40i,40jには、金属配線パターン44c2,44d2が配置される。折り曲げ領域40i,40jに配置される金属配線パターン44c2,44d2の幅は、右側配線領域40d及び左側配線領域40eの長手方向に沿って延びている金属配線パターン44c1,44d1の幅よりも広くなっている。
図4(a)及び図4(b)に示されているように、5つの右側電極42及び5つの左側電極43の間に設けられている切欠き48は、折り曲げ領域40i,40jまで達している。そのため、右側電極42の周囲の5つに分かれたPETフィルム45の一つ一つが曲げられ、同様に左側電極43の周囲の5つに分かれたPETフィルム45の一つ一つが曲げられる。
これら右側電極42及び左側電極43を接着するための接着剤は、折り曲げ領域40i,40jには塗布されない。それにより、接着後の折り曲げ領域40i,40jの曲率半径は、曲面部分56,57の曲率半径よりも大きくなる。その結果、金属配線パターン44c2,44d2が破損しにくくなる。そのために、例えば、接着剤は、切欠き48の端部を結ぶ直線よりも右側電極42及び左側電極43が形成されている側に塗布される。
【0019】
(4)検出デバイスによる検出
検出デバイス60は、金属配線パターン44及びFPC49を介して透明電極41、右側電極42及び左側電極43に電気的に接続されている。この検出デバイス60は、これら透明電極41、右側電極42及び左側電極43に指などが近づくことによる静電容量の変化によって流れる電流を検出する。そして、検出デバイス60は、その検出結果に基づいて、どの電極が押されたかというデータを出力する。検出デバイス60から出力されるデータは、PAP10を制御する中央演算処理装置(図示せず)に伝送される。
また、この検出デバイス60は、指などが近づくことによる静電容量の変化を経時的に検出するように構成されている。例えば、図1を用いて説明したように、5つの右側電極42に対して親指を上に向かって動かすと、静電容量の変化が下側にある右側電極42から上側にある右側電極42へと移動する。この静電容量の変化を経時的に検出することで、親指を上にスライドさせる動きで入力があったことが検出デバイス60で検出される。このような検出デバイス60の検出結果から、図1を用いて説明した音量を変化させるような入力を行うことができる。
【0020】
(5)第1実施形態の作用効果
以上説明したように、第1実施形態に係るタッチセンサ30は、PAP10(電子機器の一例)に取り付けられている。このPAP10の上面11(第1面の一例)と、右側面12及び左側面13(第2面の一例)とが立体形状を構成している。タッチセンサ30は、PETフィルム45(弾性フィルムの一例)と透明電極41(第1電極の一例)と5つの右側電極42及び5つの左側電極43(複数の第2電極の例)と多数の金属配線パターン44(複数の信号線の一例)とを備えている。透明電極41は、PAP10の上面11に配置される透明電極領域40a(第1領域の一例)に設けられる。5つの右側電極42及び5つの左側電極43は、PAP10の右側面12及び左側面13に配置される右側電極領域40b及び左側電極領域40c(第2領域の例)に設けられる。多数の金属配線パターン44は、透明電極41、5つの右側電極42及び5つの左側電極43にそれぞれ接続される。PETフィルム45の右側電極領域40b及び左側電極領域40cには、右側電極42と右側電極42の間及び左側電極43と左側電極43の間に三角形状の切欠き48が形成されている。
【0021】
このタッチセンサ30では、折り曲げ領域40i,40jで折り曲げることによりPETフィルム45をPAP10の右側面12及び左側面13に沿わせるよう弾性変形する際に、切欠き48によって分離している5つの右側電極42及び5つの左側電極43を個々に弾性変形させることができる。そのため、切欠き48間の右側電極領域40b及び左側電極領域40cのそれぞれを折り曲げるのに必要な力は小さくなる。そして、右側電極領域40b及び左側電極領域40cを立体カバー50の右側面52及び左側面53に貼り付けるときに透明電極41、5つの右側電極42、5つの左側電極43及び金属配線パターン44に集中する応力を分散させることができる。その結果、透明電極41、5つの右側電極42、5つの左側電極43及び金属配線パターン44が破損するのを抑制して歩留まりを向上させることができる。また、このような切欠き48は、プレス加工などによってPETフィルム45の外形の成形と同時に形成できるためコストの上昇を抑えることができる。
【0022】
このタッチセンサ30は、PAP10の右側面12及び左側面13を形成するための立体カバー50をさらに備えている。PETフィルム45は、立体カバー50の右側面52の側から左側面53の側に渡って折り曲げて取り付けられている。この構成では、立体カバー50でタッチセンサ30のハンドリングができるので、PAP10へのタッチセンサ30の取り付けがさらに容易になる。
このタッチセンサ30は、外部と接続するためのFPC49(接続端子の一例)を備えている。金属配線パターン44は、透明電極41、5つの右側電極42及び5つの左側電極43とFPC49とを電気的に接続するための金属配線パターン44c1,44d1(PAP10の上面11と右側面12及び左側面13との境界方向に延びている部分の例)が、右側配線領域40d及び左側配線領域40e(第1配線領域の例)を経由して形成されている。金属配線パターン44c1,44d1がPAP10の上面11に折り曲げ領域40i,40j(境界の一例)に沿って配置されている右側配線領域40d及び左側配線領域40eを使って金属配線パターン44の多くの部分を配線できているので、金属配線パターン44の破損を抑制することができる。
また、タッチセンサ30が備えている検出デバイス60は、透明電極41及び右側電極42及び左側電極43から得られる信号に応じて人がセンサに接触したか、接触していないかの検出を行う。この検出デバイス60は、5つの右側電極42及び5つの左側電極43から得られる複数の信号から接触位置の移動を検出することができる。このように構成されているので、例えば接触位置の移動に数量を対応させることで、図1を用いて説明したように、音量などの変化する量を入力することができ、入力方法のバリエーションを増やすことができる。
【0023】
(6)変形例1A
上記第1実施形態では、三角形状の切欠き48が形成される場合について説明したが、右側配線領域40d及び左側配線領域40eを分離する形状は、三角形状の切欠き48に限られるものではなく、図5(a)に示されているセンサパネル40Aの円弧状の切欠き48A、図5(b)に示されているセンサパネル40Bの四角形状の切欠き48B、図5(c)に示されているセンサパネル40Cのスリット48C、或いは図5(d)に示されているセンサパネル40Dの開口48Dなど他の形状であってもよい。なお、開口48Dなどの開口が他の構成と判別しにくいことから開口には斜線を施している。
また、切欠き48A,48B、スリット48C及び開口48Dは、互いに隣接する右側電極42A,42B,42C,42D及び互いに隣接する左側電極43A,43B,43C,43Dの間だけでなく、これらの間に形成される切欠き48A,48B、スリット48C及び開口48Dとほぼ同じ間隔で右側電極42A,42B,42C,42D又は左側電極43A,43B,43C,43Dの間以外の箇所にダミーの切欠き48Ad,48Bd、スリット48Cd及び開口48Ddを設けてもよい。このようなダミーの切欠き48Ad,48Bd、スリット48Cd及び開口48Ddを設けることで、金属配線パターン44A,44B,44C,44Dに掛かる応力を緩和することができる。
なお、全ての切欠き48A,48B、スリット48C及び開口48Dの間に、右側電極42A,42B,42C,42D及び左側電極43A,43B,43C,43Dを設けてダミーの切欠き48Ad,48Bd、スリット48Cd及び開口48Ddを設けない構成とすることもできる。
また、これら切欠き、スリット及び開口の少なくとも2つを組み合わせて用いてもよい。
【0024】
(7)変形例1B
上記第1実施形態では、図4(a)及び図4(b)に示されているように、右側配線領域40d及び左側配線領域40eがPAP10の上面11に配置される場合について説明したが、図4(c)及び図4(d)に示されているように、切欠き48に代えて開口48Dを形成して右側配線領域40Dd及び左側配線領域40Deが右側面12及び左側面13に取り付けられるように構成してもよい。
多数の金属配線パターン44(複数の信号線の一例)は、右側電極42及び左側電極43とFPC49とを電気的に接続するために右側面12及び左側面13の長手方向(第1面と第2面との境界方向の例)に沿って延びている金属配線パターン44Dc,44Ddを含んでいる。また、金属配線パターン44Dcは、金属配線パターン44Dc1,44Dc2からなり、金属配線パターン44Ddは、金属配線パターン44Dd1,44Dd2からなる。この場合、金属配線パターン44Dc1,44Dd1が、PETフィルム45Dの端部に沿って配置されている右側配線領域40Dd及び左側配線領域40Deをそれぞれ経由して形成されている。また、右側配線領域40Dd及び左側配線領域40Deの長手方向に対して交差する向きに曲がっている部分44Dc2,44Dd2が曲面部分56,57には掛からなくなるので、配線破損の抑制効果はさらに大きくなる。
この構成では、平坦な右側配線領域40Dd及び左側配線領域40De(第2配線領域の一例)を使って金属配線パターン44Dの多くの部分を配線できるので、金属配線パターン44Dの破損を抑制することができる。
(8)変形例1C
上記第1実施形態では、切欠き48が折り曲げ領域40i,40jにまで達する場合について説明したが、切欠き48は折り曲げ領域40i,40jに達していなくてもよい。この点に関しては、スリット48C及び開口48Dなどについても同様であり、これらは、折り曲げ領域に達していてもよく、また折り曲げ領域に達していなくてもよい。また、開口48Dなどについては、折り曲げ領域に達している部分と達していない部分が混在していてもよい。
【0025】
〈第2実施形態〉
(9)センサパネルの構成
上記第1実施形態のセンサパネル40は、一枚のPETフィルム45を用いて形成された1層の電極を持つタイプであったが、図6に示されているように、2枚のPETフィルム45E,45Fを重ねて用いて形成された2層の電極を持つタイプにも本発明を適用できる。図6に示されている第2実施形態に係るセンサパネル40Eは、例えば、第1実施形態のセンサパネル40に代えて立体カバー50の裏面に貼り付けて、PAP10に用いることができる。そのため、ここでは、センサパネル40Eの構成について詳細に説明し、センサパネル40EのPAP10への取り付けなどについては説明を省略するが、X層の右側電極領域40Eb及び左側電極領域40Ecには、透明電極領域40Eaの配置位置とは反対側に四角形状の切欠き48Eが形成されており、Y層の右側電極領域40Fb及び左側電極領域40Fcには、透明電極領域40Faの配置位置とは反対側に四角形状の切欠き48Fが形成されている。そして、これら切欠き48E,48Fが、第1実施形態の切欠き48と同様に、センサパネル40EのPAP10への取り付けを容易にする。
このセンサパネル40Eは、電極などが形成される弾性フィルムとしてPETフィルム45E,45Fを備えている。
センサパネル40EのPETフィルム45E上には、透明電極領域40EaにITOなどでX層の透明電極41Eが形成されている。X層の透明電極41Eは、立体カバー50の前面54と平行に延びており、前面54から後面55に向かって複数行形成されている。PETフィルム45E上の右側電極領域40Ebには、銀ペーストなどで6つの右側電極42Eが形成され、左側電極領域40Ecには銀ペーストなどで6つの左側電極43Eが形成されている。そして、FPC49とこれら透明電極41E、右側電極42E及び左側電極43Eを接続するための金属配線パターン44Eが、PETフィルム45E上の右側配線領域40Ed、左側配線領域40Ee及び後面側配線領域40Efに銀ペーストなどで形成されている。このような構成では、右側電極42E、左側電極43E及び金属配線パターン44Eを同一工程で同時に形成することができる。
また、PETフィルム45F上には、透明電極領域40FaにITOなどでY層の透明電極41Fが形成されている。Y層の透明電極41Fは、立体カバー50の右側面52及び左側面53に平行に延びており、右側面52から左側面53に向かって複数列形成されている。PETフィルム45F上の右側電極領域40Fbには、銀ペーストなどで6つの右側電極42Fが形成され、左側電極領域40Fcには銀ペーストなどで6つの左側電極43Fが形成されている。そして、FPC49とこれら透明電極41F、右側電極42F及び左側電極43Fを接続するための金属配線パターン44Fが、PETフィルム45F上の右側配線領域40Fd、左側配線領域40Fe及び後面側配線領域40Ffに銀ペーストなどで形成されている。このような構成では、右側電極42F、左側電極43F及び金属配線パターン44Fを同一工程で同時に形成することができる。
【0026】
さらに詳述すれば、立体カバー50の右側の曲面部分56に対応する折り曲げ領域40Eiよりも上面51の側に右側配線領域40Edが配置されている。そのため、透明電極41Eに接続される金属配線パターン44Ea及び右側電極42Eに接続される金属配線パターン44Ecが立体カバー50の上面51に配置される。同様に、立体カバー50の左側の曲面部分57に対応する折り曲げ領域40Ejよりも上面51の側に左側配線領域40Eeが配置されている。そのため、透明電極41Eに接続される金属配線パターン44Eb及び左側電極43Eに接続される金属配線パターン44Edが立体カバー50の上面51に配置される。
同様に、立体カバー50の右側の曲面部分56に対応する折り曲げ領域40Fiよりも上面51の側に右側配線領域40Fdが配置され、金属配線パターン44F,44Fcが立体カバー50の上面51に配置される。また、立体カバー50の左側の曲面部分57に対応する折り曲げ領域40Fjよりも上面51の側に左側配線領域40Feが配置され、金属配線パターン44Fb,44Fdが立体カバー50の上面51に配置される。
【0027】
(10)検出デバイスによる検出
検出デバイス60は、金属配線パターン44及びFPC49を介して透明電極41E,41F、右側電極42E,42F及び左側電極43E,43Fに電気的に接続されている。そして、検出デバイス60は、これら透明電極41E,41F、右側電極42E,42F及び左側電極43E,43Fに指などが近づくことによる静電容量の変化によって流れる電流を検出する点は上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態の検出デバイス60の検出が第1実施形態と異なるのは、透明電極41E,41FにおいてはX層とY層に指などが近づくことによる静電容量の変化を経時的に検出するように構成されている点である。例えば、図1を用いて説明したように、5つの右側電極42に対して親指を上に向かって動かすと、静電容量の変化が下側にある右側電極42から上側にある右側電極42へと移動する。この静電容量の変化を経時的に検出することで、親指を前面54の方に向かってスライドさせる動きで入力があったことが検出デバイス60で検出される。このような検出を繰り返して得られる検出デバイス60の検出結果から、図1を用いて説明した音量を変化させるような入力を行うことができる。
【0028】
(11)第2実施形態の作用効果
このセンサパネル40Eは、PETフィルム45E(上側弾性フィルムの一例)及びPETフィルム45F(下側弾性フィルムの一例)を備えている。透明電極41E(上側第1電極の一例)は、PETフィルム45Eの下面に形成され、透明電極41F(下側第1電極の一例)は、PETフィルム45Fの上面に形成されている。6つの右側電極42E及び6つの左側電極43E(上側第2電極の例)は、PETフィルム45Eの下面に形成されている。また、6つの右側電極42F及び6つの左側電極43F(下側第2電極の例)は、PETフィルム45Fの上面に形成されている。そして、PETフィルム45E,45Fは、互いに隣接する右側電極42E,42F及び左側電極43E,43Fの間に、四角形状の切欠き48E,48Fが形成されている。この構成では、2枚のPETフィルム45E,45Fについて応力を緩和することができるので、応力を緩和する効果がさらに大きくなる。
特に、図6に示されている右側電極42E及び左側電極43Eと右側電極42F及び左側電極43Fとが交互にずらして配置され、PETフィルム45E,45Fに形成されている切欠き48E,48Fが交互にずらして配置されている。このような構成をとることにより、PETフィルム45E,45Fが2枚と1枚の境界が連続して続くので、弾性が変わる境界が連続するため、PAP10の上面11と右側面12及び左側面13の境界付近でPETフィルム45E,45Fを折り曲げ易くなる。
【0029】
(12)変形例2A
上記第2実施形態では、センサパネル40Eが静電容量式のタッチセンサ30に用いられて立体カバー50の内側に貼り付けられるものとして説明している。しかし、センサパネル40Eは、抵抗膜式のタッチセンサ30に用いられ、立体カバー50の外部に対して露出するように形成されていてもよい。例えば、タッチセンサ30が抵抗膜式であって、立体カバー50の内壁に貼り付けられるものであっても、立体カバー50に開口部を設けるなどすれば、従来の押しボタンと同様に右側面52や左側面53からの入力が可能である。
【0030】
(13)変形例2B
上記第2実施形態でのセンサパネル40Eでは、PETフィルム45E,45Fに切欠き48E,48Fが設けられ、PAP10の上面11の側に右側配線領域40Ed,40Fd及び左側配線領域40Ee,40Fe(第1配線領域の例)が設けられる場合について説明した。しかし、第2実施形態のセンサパネルにおいても、第1実施形態と同様に、四角形状の切欠き48E,48Fに代えて、他の形状の切欠きを設けることもでき、切欠き、スリット及び開口のうちの少なくとも一つを設けることもできる。さらには、切欠き、スリット及び開口のうちの少なくとも2つを組み合わせて設けることもできる。また、第1実施形態と同様に、右側配線領域40Ed,40Fd及び左側配線領域40Ee,40FeがPETフィルム45E,45Fの端部に沿って設けられてもよい。
図7(a)及び図7(b)に、上述したセンサパネルの構成の一例を示す。図7(a)に示されているセンサパネル40Gは、電極などが形成される弾性フィルムとしてPETフィルム45G,45Hを備え、切欠きに代えて開口48G,48Hが形成されている。図7(a)において、開口は斜線で示されている四角形の部分であり、開口48Gには、複数の右側電極42Gの間に形成されたものと、複数の左側電極43Gの間に形成されたものとがある。図7(b)において、開口は斜線で示された部分であり、開口48Hには、複数の右側電極42Hの間に形成されたものと、複数の左側電極43Hの間に形成されたものとがある。
センサパネル40GのPETフィルム45G上には、透明電極領域40GaにITOなどでX層の透明電極41Gが形成されている。X層の透明電極41Gは、立体カバー50の右側面52及び左側面53に対して平行に延びており、右側面52から左側面53に向かって7行形成されている。PETフィルム45G上の右側電極領域40Gbには、銀ペーストなどで9つの右側電極42Gが形成され、左側電極領域40Gcには銀ペーストなどで9つの左側電極43Gが形成されている。そして、FPC49とこれら透明電極41G、右側電極42G及び左側電極43Gを接続するための金属配線パターン44Gが、PETフィルム45Gの端部に沿った右側配線領域40Gd及び左側配線領域40Ge(第1配線領域の例)、並びに後面側配線領域40Gfに銀ペーストなどで形成されている。このような構成では、右側電極42G、左側電極43G及び金属配線パターン44Gを同一工程で同時に形成することができる。
また、PETフィルム45H上には、透明電極領域40HaにITOなどでY層の透明電極41Hが形成されている。Y層の透明電極41Hは、立体カバー50の前面54及び後面55に対して平行に延びており、前面54及び後面55に向かって9列形成されている。PETフィルム45H上の右側電極領域40Hbには、銀ペーストなどで9つの右側電極42Hが形成され、左側電極領域40Hcには銀ペーストなどで9つの左側電極43Hが形成されている。そして、FPC49とこれら透明電極41H、右側電極42H及び左側電極43Hを接続するための金属配線パターン44Hが、PETフィルム45Hの端部に沿った右側配線領域40Hd及び左側配線領域40He、並びに後面側配線領域40Hfに銀ペーストなどで形成されている。このような構成では、右側電極42H、左側電極43H及び金属配線パターン44Hを同一工程で同時に形成することができる。
PETフィルム45GとPETフィルム45Hが重ねあわされるとき、PETフィルム45Gの右側電極42G及び左側電極43GがPETフィルム45Hの開口48Hに重なり、PETフィルム45Hの右側電極42H及び左側電極43HがPETフィルム45Gの開口48Gに重なる。
立体カバー50の右側面52に、重なったPETフィルム45G、45Hの右側配線領域40Gd,40Hdが配置される。そのため、右側電極42G,42Hに接続される金属配線パターン44Gc,44Hcが立体カバー50の右側面52に貼り付けられる。同様に、立体カバー50の左側面53に、重なったPETフィルム45G、45Hの左側配線領域40Gd,40Hdが配置される。そのため、左側電極42Hに接続される金属配線パターン44Gd,44Hdが立体カバー50の左側面53に貼り付けられる。
【0031】
(14)変形例2C
図6に示されているX層の右側電極42Eの前面側の辺42E1及び後面側の辺42E2は、PETフィルム45Eの前面側の辺45E1に平行な直線である。また、Y層の右側電極42Fの前面側の辺42F1及び後面側の辺42F2は、PETフィルム45Fの前面側の辺45F1に平行な直線である。同様に、X層の左側電極43Eの前面側の辺43E1及び後面側の辺43E2は、PETフィルム45Eの前面側の辺45E1に平行な直線である。また、Y層の左側電極43Fの前面側の辺43F1及び後面側の辺43F2は、PETフィルム45Fの前面側の辺45F1に平行な直線である。そのため、X層の右側電極42E及び左側電極43EとY層の右側電極42F及び左側電極43Fとの境界も直線になる。そのため、例えばPAP10の操作者がX層の右側電極42EとY層の右側電極42Fに沿って指を移動させて、図1に示されている音量調整を行うと、指の移動にともなうタッチセンサ30の静電容量及び抵抗値などの検出対象の物理量の変化が急峻になる。その結果、互いに隣接する右側電極42E,42Fの一方から他方に移ったか否かという2つの状態の検出は行えるものの、一方から他方に移りつつあるという検出を行うのは難しい。
そこで、図8(a)、図8(b)及び図8(c)に記載されているように、センサパネル40J,40K,40Lには、それぞれく字型の端辺を有する切欠き48J、凸型の切欠き48K、W字型の切欠き48Lが形成されている。右側から入力する場合、例えばセンサパネル40JのX層の右側電極42J1の中心部近傍からY層の右側電極42J2の中心部近傍に指が移動する。丁度、右側電極42J1の中心部とY層の右側電極42J2の中心部の中間地点の近傍に指があるときには、静電容量は、右側電極42J1の中心部近傍から右側電極42J2の中心部近傍に向かって変化するときの中間的な値を安定的に維持することができる。それにより、検出デバイス60は、指の位置がX層の右側電極42J1の中心部とY層の右側電極42J2の中心部の中間地点にあることを検出しやすくなる。検出デバイス60の持つ検出の分解能を上げれば、さらに詳細に指の位置を検出することができる。このような効果は、例えば、センサパネル40K,40Lの凸型の切欠き48K及びW字型の切欠き48LとX層の右側電極42K1,42L1及びY層の右側電極42K2,42L2との間においても同様に生じる。
つまり、く字型の切欠き48J、凸型の切欠き48K及びW字型の切欠き48Lの電極間の境界部分に注目すると、次のように考えることができる。隣接する一方の電極と他方の電極(例えばX層の右側電極42J1,42K1,42L1及びY層の右側電極42J2,42K2,42L2)が並ぶ方向に対して、直交する直線を引いてその直線を並ぶ方向に沿って動かす。すると、く字型の切欠き48J、凸型の切欠き48K及びW字型の切欠き48Lの電極間の境界部分では、この直線がX層の右側電極42J1,42K1,42L1を通る部分の長さと、この直線がY層の右側電極42J2,42K2,42L2を通る部分の長さとは、連続的に増減する。換言すると、複数の電極が並ぶ方向に対して直交する直線が電極を横切る長さを考えれば、く字型の切欠き48J、凸型の切欠き48K及びW字型の切欠き48Lは、一方の電極から他方の電極にこの直交する直線を動かすときに、一方の電極と直線との交わる長さが漸次減少すると同時に他方の電極と直線との交わる長さが漸次増加する形状を電極に与えているということである。
そして、第1実施形態のセンサパネル40,40A,40B,40C,40Dのような1層のセンサパネルにおいても切欠きやスリットや開口をく字型や凸型やW字型にすることで、このような形状を電極に与えることができる。
なお、センサパネル40J,40K,40Lにおいて、X層の右側電極42J1,42K1,42L1及びY層の右側電極42J2,42K2,42L2並びに、X層の左側電極43J1,43K1,43L1及びY層の左側電極43J2,43K2,43L2以外の構成は、例えば図6に示されているセンサパネル40Eと同様である。
【0032】
〈第3実施形態〉
(15)タッチセンサの構成の概要
上記第1実施形態のセンサパネル40及び第2実施形態のセンサパネル40Eなどは、折り曲げ領域40i,40jが直線状に延びている。しかし、折り曲げ領域は直線状である場合に限られるものではなく、折り曲げ領域が曲線状であってもよい。
図9に示されているタッチセンサ30Mは、上面視円形の立体カバー50Mにセンサパネル40Mを立体に貼付している。また、立体カバー50Mの上面51Mは、円形の開口51Maを持ち、リング状の形状を呈する。そして、立体カバー50Mの側面52Mも筒状に成形されている。従って、上面51Mから側面52Mに続く曲面部分56Mも、リング状である。
立体カバー50Mが上述のような形状を有するため、上面51M及び側面52Mにセンサ機能を付加するためのセンサパネル40Mは、透明電極41Mが形成される上面が円形に成形され、側面電極42Mが形成される側面もリング状に配置される。
図9には示されていないが、第3実施形態に係るタッチセンサ30Mも、第1実施形態のタッチセンサ30と同様に、主に、センサパネル40Mと立体カバー50Mと検出デバイス(図示せず)とで構成されている。
【0033】
(16)センサパネルの構成
センサパネル40Mは、図10に示されているように、2枚のPETフィルム45M,45Nを重ねて用いて形成された2層の電極を持つタイプである。図9に示されている第2実施形態に係るセンサパネル40Mは、例えば、立体カバー50Mの裏面に貼り付けて、円盤状のポータブルオーディオプレーヤに用いることができ、その場合、立体カバー50Mはポータブルオーディオプレーヤの上蓋に兼用される。第2実施形態のセンサパネル40Eと第3実施形態のセンサパネル40Mは、形状が異なるだけであるので、詳しい説明に代えて、第2実施形態のセンサパネル40Eと第3実施形態のセンサパネル40Mの各構成の対応関係を示す。
センサパネル40EのPETフィルム45Eにセンサパネル40MのPETフィルム45Mが対応し、PETフィルム45FにPETフィルム45Nが対応する。
PETフィルム45Eの上に形成されているX層の透明電極41Eには、透明電極41Mが対応し、Y層の透明電極41Fには、透明電極41Nが対応する。
PETフィルム45Eの上に形成されているX層の右側電極42E及び左側電極43Eには、PETフィルム45Mの6つのX層の側面電極42Mが対応する。PETフィルム45Fの上に形成されているY層の右側電極42F及び左側電極43Fには、PETフィルム45Nの6つのY層の側面電極42Nが対応する。
そして、FPC49とこれら透明電極41E、右側電極42E及び左側電極43Eを接続するための金属配線パターン44Eには、PETフィルム45M上の透明電極41M及び側面電極42Mを接続するための金属配線パターン44Mが対応する。このような構成では、側面電極42M及び金属配線パターン44Mを同一工程で同時に形成でき、側面電極42N及び金属配線パターン44Nを同一工程で同時に形成できる。
さらに詳細にみると、X層の透明電極41Eに接続される金属配線パターン44Ea,44Ebには、透明電極41Mに接続される金属配線パターン44Maが対応し、右側電極42Eに接続される金属配線パターン44Ecには、側面電極42Mに接続される金属配線パターン44Mcが対応する。同様に、Y層の透明電極41Fに接続される金属配線パターン44Fa,44Fbには、透明電極41Nに接続される金属配線パターン44Naが対応し、右側電極42Fに接続される金属配線パターン44Fcには、側面電極42Nに接続される金属配線パターン44Ncが対応する。
【0034】
(17)第3実施形態の作用効果
第3実施形態のセンサパネル40Mは、上述したように第2実施形態のセンサパネル40Eと同様の構成を有しており、センサパネル40Mを備える第3実施形態のタッチセンサ30Mは、センサパネル40Eを備える第2実施形態のタッチセンサと同様の作用効果を奏する。
(18)変形例3A
上記第3実施形態でのセンサパネル40Mでは、PETフィルム45M,45Nに切欠き48M、48Nが設けられ、PAPの上面の側に側面電極42M,42Nに接続される金属配線パターン44Mc,44Ncが設けられる場合について説明した。
しかし、第3実施形態のセンサパネルにおいても、第2実施形態と同様に、切欠き48M,48Nに代えて、他の形状の切欠きを設けることもでき、切欠き、スリット及び開口のうちの少なくとも一つを設けることもできる。また、第2実施形態と同様に、金属配線パターン44Mc,44NcがPETフィルム45M,45Nの端部に沿って設けられてもよい。
このように、金属配線パターンがPETフィルムの端部に沿って設けられる場合の一例を図11(a)及び図11(b)に示す。なお、図11(a)及び図11(b)に示されているセンサパネル40Pは、センサパネル40Pを構成する各部の配置位置がセンサパネル40Mと異なるだけであるため、センサパネル40Mの各部に対応するセンサパネル40Pの符号の数字を同じにして示し、説明を省略する。このセンサパネル40Pは、PETフィルム45P,45Qの外周に切欠き80を有している。この切欠き80によって側面52Mに側面電極42P,42Qの部分を貼り付けやすくなっている。なお、図11(a)及び図11(b)において、斜線で示されている四角形の部分が開口である。図11(a)及び図11(b)では、切欠き80をPETフィルム45P,45Qの外周のうちの1箇所に設けたが、複数個所に設けてもよい。
【0035】
〈第4実施形態〉
(19)タッチセンサの構成の概要
上記第1乃至第3実施形態では、切欠き48,48A,48B,48E,48F,48J,48K,48L,48M,48N、スリット48C及び開口48D、48G,48Hを、互いに隣接する電極42,42A〜42N,42P,42Q,43,43A〜43N,43P,43Qに形成する場合について説明したが、開口やスリットは、透明導電膜と右側電極、左側電極又は側面電極との間に形成されてもよい。この場合のスリットは針の穴のようなものであってもよく、ミシン目のような形状も含む。
図12(a)には、センサパネル40Bに円形の開口70Bが追加され、図12(b)には、センサパネル40Cに長穴70Cが追加され、図12(c)には、センサパネル40Dにスリット70Dが追加され、図12(d)には、センサパネル40Eに開口70E,70Fが追加されている。なお、図12(c)において斜線で示されている四角形の部分も開口である。
また、図13(a)及び図13(b)には、センサパネル40Mに開口70M,70Nが追加されている。
このように、曲面部分56,56M,57に対応する箇所に、スリット70D、開口70B,70C,70E,70F,70M,70Nが追加されることにより、さらにPETフィルム45B,45C,45D,45E,45F,45M,45Nが折り曲げやすくなる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【符号の説明】
【0036】
10 ポータブルオーディオプレーヤ
20 LCD
30,30E,30M タッチセンサ
40,40A〜40E,40G,40J,40K,40M,40P センサパネル
50,50M 立体カバー
60 検出デバイス
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