(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1つまたは複数のプロセッサにより、複数のスポット内の1つまたは複数の所定の位置で1つまたは複数の無線デバイスから得られた第1の無線周波数(RF)測定値を処理するステップを含み、前記複数のスポットのうちの個々のスポットは物理的な場所または区域を含み、
前記1つまたは複数のプロセッサにより、前記複数のスポットの構造的特徴に少なくとも部分的に基づいて、前記複数のスポットに関して複数のスポットの種類を識別するステップをさらに含み、前記複数のスポットの種類のうちの第1のスポットの種類は、前記複数のスポットのうちの物理的形状の類似性およびランダムに伝播される線が通過する平均の壁の数に少なくとも部分的に基づいて分類された第1のサブセットに基づいて識別され、前記複数のスポットの種類のうちの第2のスポットの種類は、前記複数のスポットのうちの物理的形状の類似性およびランダムに伝播される線が通過する平均の壁の数に少なくとも部分的に基づいて分類された第2のサブセットに基づいて識別され、
前記1つまたは複数のプロセッサにより、少なくとも前記第1のスポットの種類に関して、前記複数のスポットの第1のサブセットのうちの少なくとも2つのスポット内で得られた前記第1のRF測定値に少なくとも部分的に基づいて、信号パラメータモデルを決定するステップであって、前記信号パラメータモデルは、前記第1のRF測定値に少なくとも部分的に基づいて生成された前記第1のスポット特有の無線チャネルの経路損失の振る舞いを近似することができる複数のパラメータまたは定数を含み、前記複数のパラメータまたは定数は、前記第1のスポットの種類で既に測定または観測された値に少なくとも部分的に基づいて推定される、ステップをさらに含む方法。
前記1つまたは複数のプロセッサにより、現在のスポット内で得られた第2のRF測定値を獲得するステップをさらに含み、前記現在のスポットは前記複数のスポットとは別であり、
前記1つまたは複数のプロセッサにより、前記現在のスポットを、前記複数のスポットの種類のうちの1つの種類に、前記第1および第2のRF測定値の間の比較に少なくとも部分的に基づいて関連付けるステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
前記1つまたは複数のプロセッサにより、前記信号パラメータモデルに少なくとも部分的に基づいて、前記現在のスポット内の少なくとも1つのモバイルデバイスによる使用のための補助情報を生成するステップをさらに含む請求項2に記載の方法。
前記1つまたは複数のプロセッサにより、前記少なくとも1つのモバイルデバイスが前記現在のスポット内に配置されている間に前記少なくとも1つのモバイルデバイスの位置を推定することを可能にするために、前記少なくとも1つのモバイルデバイスに前記補助情報の送信を開始するステップをさらに含む請求項3に記載の方法。
位置決定オペレーションを実行するための前記情報は、以下、すなわち、三辺測量オペレーション、三角測量オペレーション、多辺測量オペレーション、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを実行するための情報を含む請求項6に記載の方法。
前記スポットの機能は、以下、すなわち、公会堂、円形劇場、倉庫、オフィスビル、教室棟、劇場、スーパーマーケット、ショッピングモール、コンベンションセンター、スポーツアリーナ、スタジアム、公共交通機関の駅ターミナル、図書館、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つに関連する機能を含む請求項8に記載の方法。
前記1つまたは複数のプロセッサは、現在のスポット内で得られた第2のRF測定値を獲得するための命令でさらにプログラムされ、前記現在のスポットは前記複数のスポットとは別であり、
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記現在のスポットを、前記複数のスポットの種類のうちの1つの種類に、前記第1および第2のRF測定値の間の比較に少なくとも部分的に基づいて関連付けるための命令でさらにプログラムされた請求項12に記載の装置。
位置決定オペレーションを実行するための前記情報は、以下、すなわち、三辺測量オペレーション、三角測量オペレーション、多辺測量オペレーション、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを実行するための情報を含む請求項17に記載の装置。
前記スポットの機能は、以下、すなわち、公会堂、円形劇場、倉庫、オフィスビル、教室棟、劇場、スーパーマーケット、ショッピングモール、コンベンションセンター、スポーツアリーナ、スタジアム、公共交通機関の駅ターミナル、図書館、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つに関連する機能を含む請求項19に記載の装置。
現在のスポットを、前記複数のスポットの種類のうちの1つの種類に、前記複数のスポットの種類のうちの前記1つの種類に関連する1つまたは複数のRF信号伝播特性に少なくとも部分的に基づいて関連付けるための手段をさらに含む請求項23に記載の装置。
前記信号パラメータモデルの適用に少なくとも部分的に基づいて、前記現在のスポット内の少なくとも1つのモバイルデバイスによる使用のための補助情報を生成するための手段をさらに含む請求項24に記載の装置。
前記少なくとも1つのモバイルデバイスが前記現在のスポット内に配置されている間に前記少なくとも1つのモバイルデバイスの位置を推定することを可能にするために、前記少なくとも1つのモバイルデバイスに前記補助情報を提供するための手段をさらに含む請求項25に記載の装置。
前記補助情報は、以下、すなわち、三辺測量オペレーション、三角測量オペレーション、多辺測量オペレーション、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを実行するための情報を含む請求項25に記載の装置。
前記信号パラメータモデルに少なくとも部分的に基づいて、前記現在のスポット内の少なくとも1つのモバイルデバイスによる使用のための補助情報を生成するための命令をさらに含む請求項30に記載のストレージ媒体。
前記少なくとも1つのモバイルデバイスが前記現在のスポット内に配置されている間に前記少なくとも1つのモバイルデバイスの位置を推定することを可能にするために、前記少なくとも1つのモバイルデバイスに前記補助情報の送信を開始するための命令をさらに含む請求項31に記載のストレージ媒体。
前記補助情報は、以下、すなわち、三辺測量オペレーション、三角測量オペレーション、多辺測量オペレーション、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを実行するための情報を含む請求項31に記載のストレージ媒体。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明において、特許請求の対象の完全な理解をもたらすために多くの具体的な詳細が説明される。しかし、特許請求の対象はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが、当業者によって理解されるであろう。その他の場合、特許請求の対象を曖昧にしないように、当業者によって知られている方法、装置、またはシステムは詳細に説明されていない。
【0009】
スポットをそのようなスポットに関連する信号伝播特性に少なくとも部分的に基づいてカテゴリー分けすることに関連する1つまたは複数のプロセスまたはオペレーションを容易にするまたはサポートするために使用され得るいくつかの例示的な方法、装置、または製品が、本明細書において開示される。本明細書において使用されるとき、「分けること」は、スポットを、「箱(bin)」として扱われるスポットの一組の別々の種類またはカテゴリーのうちのスポットの特定の種類またはカテゴリーに関連付ける技術またはプロセスを指す可能性がある。以下でより詳細に説明されるように、箱は、例えば、スポットに関連する伝播空間の類似した物理的形状のために類似した無線チャネル伝播特性を有するいくつかのそのようなスポットを分類することができる。本明細書で使用される用語としての「スポット(venue)」は、例えば、地理座標(例えば、緯度、経度など)、住所、行政区域、郵便番号、名称などによって表される所望のまたは好適な基準点にしたがって物体または物(例えば、ユーザ、モバイルデバイス、ヒートマップの生成ツールなど)の所在地に関連付けられ得る物理的な場所または区域を指す可能性がある。任意的にまたは代替的に、スポットは、単に別の有り得る実装を例示するとすれば、高度、時間、方向、距離などとの関連性も含み得る。当然ながら、これらは、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、これらの点で限定されない。実装によっては、スポットは、例えば、屋内環境(例えば、建物、建物内の通常の領域など)、屋外環境(例えば、ビルの谷間(urban canyon)など)、またはそれらの任意の組み合わせに関連するさまざまな部分的にまたはおおむね囲まれた領域を含み得ることも理解されるであろう。限定ではなく例として、単にいくつか例を挙げるとすれば、スポットは、例えば、オフィスビル、コンベンションセンター、公会堂、円形劇場、倉庫、教室棟、劇場、スーパーマーケット、ショッピングモール、スポーツアリーナ、スタジアム、公共交通機関の駅ターミナル、図書館などを含み得る。やはり、特許請求の対象は、当然そのように限定されない。
【0010】
示されたように、本明細書によって与えられる例示的な方法、装置、または製品は、例えば、測位またはナビゲーション能力を特徴として備えるモバイル通信デバイスにおいてまたはそのようなモバイル通信デバイスとともに使用するために全体または一部が実装され得る。本明細書において使用されるとき、「モバイルデバイス」、「モバイル通信デバイス」、「ハンドヘルドデバイス」など、またはそのような用語の複数形は、交換可能に使用される可能性があり、1つまたは複数の通信プロトコルにしたがった、好適な通信ネットワークを介した情報の無線送信または受信によって通信することができ、ときどき所在地または位置が変わる可能性がある任意の種類の専用のコンピューティングプラットフォームまたはデバイスを指す可能性がある。例として、本明細書においては単にモバイルデバイスと呼ばれる可能性がある専用のモバイル通信デバイスは、例えば、セルラ電話、衛星電話、スマートフォン、ヒートマップまたは電波マップの生成ツールまたはデバイス、観測される信号パラメータの生成ツールまたはデバイス、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、パーソナルエンターテインメントシステム、電子ブックリーダ、タブレットパーソナルコンピュータ(PC)、パーソナルオーディオデバイスまたはパーソナルビデオデバイス、パーソナルナビゲーションユニットなどを含み得る。しかし、これらは、スポットをカテゴリー分けすることに関連する1つまたは複数のプロセスまたはオペレーションを容易にするまたはサポートするために利用され得るモバイルデバイスに関する単なる例示的な例に過ぎないことと、特許請求の対象は、これに関連して限定されないこととを理解されたい。
【0011】
屋内環境、または同様の部分的にもしくはおおむね囲まれた領域(例えば、ビルの谷間など)などの特定の状況において、モバイルデバイスは、例えば、測位またはナビゲーションサービスを可能にするために1つまたは複数の位置推定技術を容易にするまたはサポートするための必要な無線信号を確実に受信または獲得することができない可能性がある。例えば、特定のスポットにおいて、SVまたはその他の無線送信機からの信号は、減衰させられるか、または何らかの形(例えば、不十分、弱い、断片的など)でそれ以外の影響を受ける可能性があり、そのことは、所与の位置推定技術でそれらの信号を使用することを不可能にする可能性がある。したがって、場合によっては、特定のモバイル通信デバイスの測位またはナビゲーション能力は、利便性が低下するか、またはおそらく欠陥がある可能性がある。そのため、特定のモバイル通信デバイスのより信頼できる、正確な、有用な、またはその他のより堅牢な測位またはナビゲーション能力を容易にするまたはサポートするために、効果的または効率的な形で屋内または同様の環境で測位またはナビゲーションサービスを可能にすることができる1つまたは複数の方法、システム、または装置を開発することが望ましい可能性がある。
【0012】
よって、屋内または同様の環境で、異なる技術が、例えば、ナビゲーションまたは測位サービスを可能にするために使用され得る。例えば、モバイルデバイスは、モバイルデバイスから、知られているまたは報告されている位置(例えば、スポット内など)に配置された3つ以上の地上の無線送信機までの測定された2点間距離または範囲を使用してモバイルデバイスがそのモバイルデバイスの位置を推定することができる三辺測量に基づく手法を使用することができる。1つの実装において、位置の推定値を得るため、または三辺測量に基づく屋内ナビゲーションもしくは測位サービスを可能にするために、モバイルデバイスは、例えば、好適なサーバ(例えば、測位サーバ、ナビゲーションサーバ、情報サーバなど)から補助情報を受信することができる。以下でより詳細に説明されるように、そのような補助情報は、例えば、スポット内の知られている決まった位置に配置された利用可能な無線送信機(例えば、アクセスポイント、測位ビーコン、フェムトセルなど)の識別情報または位置と、特定の観測される信号パラメータモデルに関連する1つまたは複数の分けられるパラメータ(binned parameter)または分けられる定数(binned constant)とを含み得る。任意の好適な位置決定技術またはオペレーションが、位置推定を容易にするまたはサポートするために利用され得ることを理解されたい。例えば、モバイルデバイスの位置に関する推定値を決定するためにさまざまな無線送信機から受信された信号を使用して、1つまたは複数の三角測量、多辺測量(multilateration)などのオペレーションが、利用され得る。
【0013】
本明細書において使用されるとき、「分けられるパラメータ」または「分けられる定数」は、定数値を有し、スポットの一組の別々の種類またはカテゴリー(例えば、箱)のうちのスポットの特定の種類またはカテゴリーに関連する物理的な無線チャネルのスポットに特有の特徴を示す乗数因子、または同様の関数の構成単位、または係数を指す可能性がある。以下で検討されるように、1つの特定の実装において、分けられるパラメータは、例えば、スポットの種類またはカテゴリーに、そのようなスポットに関連する伝播空間の物理的形状に関する仮定に少なくとも部分的に基づいて当てはまるいくつかの定数を含み得る。分けられるパラメータは、例えば、ヒートマップ情報を生成するために利用され得るか、または任意的にもしくは代替的に、十分に正確な位置決定を可能にするために補助情報の形態でモバイルデバイスに伝えられ得ることも理解されるであろう。もちろん、分けられるパラメータに関するそのような詳細は、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、そのように限定されない。対象の例示的な分けられるパラメータの特定の態様が、
図2を参照して以下でより詳細に説明される。
【0014】
やはり以下で検討されるように、観測される信号パラメータモデルは、例えば、好適なサーバからの補助情報の一部としてモバイルデバイスに転送され、特定の受信されたまたは観測された無線信号特性と無線送信機までの範囲との間の関数的関係を定義するルックアップ数式またはテーブルとして実装され得る。例えば、1つの特定の実装において、三辺測量に基づくオペレーションによってそのような範囲を測定するための観測される無線信号特性は、米国電気電子学会(IEEE)無線ローカルアクセスネットワーク(WLAN)規格802.11の受信信号強度インジケータ(RSSI)として表される信号強度を含む可能性があるが、特許請求の対象は、そのように限定されない。したがって、そのような補助情報を用いて、モバイルデバイスは、必要な計算を実行して、1つまたは複数の範囲測定値を取得し、例えば、知られている三辺測量に基づく技術を利用してそのモバイルデバイスの位置を十分な精度で推定することができる。説明の目的で、ここでは、無線送信機までの範囲が、少なくとも部分的に、例えば、そのような無線送信機から受信された信号から媒体アクセス制御識別子(MAC ID)アドレスを獲得し、受信された無線信号の1つまたは複数の検出可能な範囲に基づくまたは範囲に依存する特性(例えば、信号強度、往復遅延など)を測定することによって推定され得る。無線送信機の識別情報または位置は、例えば、任意の好適な無線送信機マッピングサービスデータベース(例えば、無線マッピング記録(wireless mapping almanac)など)から、または直接スポットのオペレータから取得され得る。示されたように、「スポット」は、区域、建物など、そのような区域、建物などの内部の通常の領域、またはその他の部分的にもしくはおおむね囲まれた領域(例えば、ビルの谷間など)を指す可能性があり、「位置」は、そのようなスポット内のモバイルデバイスの特定のまたは具体的な所在地(例えば、格子点、対象地点など)を指す可能性がある。当然ながら、そのような詳細は、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象の範囲は、この点で限定されない。
【0015】
屋内または同様の環境でモバイルデバイスの位置を推定するための別の有り得る手法は、例えば、1つまたは複数のヒートマップまたは電波マップシグネチャマッチング技術を実行することを含み得る。例えば、モバイルデバイスで受信された、本明細書においては「信号シグネチャ」または単に「シグネチャ」と呼ばれる、無線信号の1つまたは複数の特性が、データベースに記憶された個々の信号シグネチャが1つまたは複数の所定の位置と関連付けられている(例えば、モバイルデバイス、情報サーバ、測位サーバなどにある)好適なデータベースにヒートマップまたは電波マップ値として記憶されたそのような特性の予測されるシグネチャと比較され得る。本明細書において使用されるとき、「所定の位置」は、受信された無線信号の1つまたは複数の観測される特性の記憶された予測されるシグネチャに関連付けられ得る1つまたは複数の既に測定された位置、推定された位置、近似された位置、予想された位置、シミュレートされた位置などの位置を指す可能性がある。そのような特性は、例えば、フィンガープリンティング(fingerprinting)、レイトレーシング(ray tracing)などの1つまたは複数の好適なまたは所望のプロセスまたは技術を利用して測定され得るが、特許請求の対象は、1つの特定のプロセスまたは技術に限定されないことが理解されるであろう。受信される無線信号の観測される特性は、例えば、単にいくつか例を挙げるとすれば、受信信号強度インジケータ(RSSI)、往復時間(RTT)、または往復遅延(RTD)などの1つまたは複数の整数値によって表され得る。モバイルデバイスで受信された無線信号によって示される特性にもっともよく一致する、データベース内のシグネチャを見つけることによって、一致するシグネチャに関連する位置が、モバイルデバイスの推定された位置として使用され得る。当然ながら、これは、ヒートマップまたは電波マップシグネチャマッチングに関する単なる例に過ぎず、特許請求の対象は、そのように限定されない。
【0016】
示されたように、1つの実装において、ヒートマップまたは電波マップシグネチャマッチングを容易にするまたはサポートするために、屋内ナビゲーションまたは測位システムは、好適なサーバ(例えば、測位、ナビゲーション、情報サーバなど)からの補助情報をモバイルデバイスに提供することができる。ここで、補助情報は、知られている位置に配置された1つまたは複数の無線送信機までの範囲の測定を容易にするまたはサポートするために、例えば、本明細書においてはヒートマップ情報と呼ばれる可能性がある既に測定されたヒートマップまたは電波マップ値を含み得る。上述のように、そのような範囲は、例えば、無線送信機のMAC IDアドレスを獲得し、1つまたは複数の観測されるまたは受信される範囲に基づくまたは範囲に依存する信号特性(例えば、信号強度、往復遅延など)を測定することによって推定され得る。この示された例において、MAC IDアドレスは、知られているまたは報告されている無線送信機(例えば、WLAN、Bluetooth(登録商標)など)に関してモバイルデバイスによって取得された所定の位置の信号シグネチャに関連付けられる可能性があるが、特許請求の対象は、そのように限定されない。
【0017】
このように、屋内または同様の環境において、所与のモバイルデバイスに関して、本明細書においては「位置決定」とも呼ばれる可能性がある位置推定が、上述のように、モバイルデバイスに提供された補助情報に少なくとも部分的に基づいて得られる可能性がある。そのような補助情報は、知られている位置にある1つもしくは複数の無線送信機もしくは同様の地上の範囲測定もしくは位置測定のソースまでの範囲の測定、または同様の位置推定技術を容易にするまたはサポートするために、例えば、ヒートマップまたは電波マップ情報と、適用可能な観測される信号パラメータモデルに関連する1つまたは複数の分けられるパラメータとを含み得る。例えば、ヒートマップ情報などの特定の補助情報は、1つまたは複数の好適なプロセスまたは技術を用いて収集されるかまたはそうでなければ生成される可能性がある。例えば、1つの実装において、「RFフィンガープリンティング」または単に「フィンガープリンティング」として知られている技術が、利用され得る。フィンガープリンティングにおいて、RF測定値は、格子点におけるヒートマップ信号シグネチャを特徴づけるために、特定のスポットのフロアプランにマッピングされた各格子点において利用可能なアクセスポイントから直接獲得または取得され得る。フィンガープリンティングは、スポットのフロアプランの詳細と、信号の減衰、反射、マルチパスなどとを考慮に入れることができる。収集される情報は、広範囲にわたる可能性があり、上述のように、1つまたは複数の信号シグネチャマッチングプロセスまたはオペレーションを容易にするまたはサポートするために、特定の位置に関連して、好適なフィンガープリンティングデータベースに記憶され得る。フィンガープリンティングは、直接的な測定を行うことに伴う膨大な実地調査と、あらゆる格子点、および格子上の利用可能なアクセスポイントに関して複数のパラメータまたは因子(例えば、反射、減衰、マルチパスなど)の大量の計算を実行することとを含むので、フィンガープリンティングは、多大な計算もしくは労働力を必要とするか、時間がかかるか、またはときには法外なコストがかかる可能性がある。もちろん、これらは、単にフィンガープリンティング技術に関する詳細であるに過ぎず、特許請求の対象は、これに関連して限定されるように意図されていない。
【0018】
任意的にまたは代替的に、補助情報は、例えば、モバイルデバイスにおける無線信号のシグナリング(例えば、RSSIなど)またはタイミング(例えば、RTDなど)特性を1つまたは複数の利用可能なアクセスポイントまでの範囲に関連付けるためのモデルを作成することと、ヒートマップ情報を生成することとを試みる可能性がある「レイトレーシング」として知られる技術を使用して生成または取得され得る。レイトレーシングは、少なくとも部分的に、屋内の無線伝播特性をシミュレートし、そのようにして、屋内無線チャネルのスポットに特有の特徴を示すために利用され得る。例えば、特定のスポットの建材、壁またはその他の信号の障害物の密度、フロアプラン、レイアウトなどが、RSSI、RTDの関数として、そのようなスポット内に配置されたアクセスポイントまでの範囲をモデル化するために分析され得る。1つの特定の実装において、スポットの物理的特徴または特性を使用して、アクセスポイントから送信された無線信号の予測される減衰が、単に1つの有り得る例を示すとすれば、そのようなアクセスポイントまでの範囲のRSSI対距離の関数としてモデル化され得る。次に、特定のスポットの種類のスポット内に配置されたモバイルデバイスは、モバイルデバイスで受信された信号のRSSIに(例えば、特定のスポットの種類またはカテゴリーに関連する)減衰モデルを適用することによって、アクセスポイントまでの範囲の推定値または測定値を得ることができる。アクセスポイントの位置の知識によって、モバイルデバイスは、上で検討されたように、そのようなアクセスポイントまでのこれらの範囲の推定値または測定値に少なくとも部分的に基づいて、そのモバイルデバイスの所在地または位置を推定することができる。しかし、レイトレーシングは、前もってまたはその他の方法で特定のスポットまたは場所から得ることが比較的難しい可能性がある建材、材質係数(material coefficient)、スポットの内部(例えば、壁、障害物など)などの膨大なまたは非常に詳細な知識を必要とする可能性がある。さらに、レイトレーシングのシミュレーションを完了するために必要とされるコンピュータ時間は、スポットの内部の平面または表面の数とともに増える可能性がある。例えば、複雑なケースでは、平面(例えば、壁、部屋など)の数の増加
は、線(ray)の反射、回析、または伝送の数の増加につながる可能性があり、したがって、計算コストもしくは労力を非常に、またはときには実行できないほどに高くする。少なくとも1つの線がそれぞれの有り得る受信機に対して必要とされるので、シミュレーションのコストも、無線受信機の数が増やされるにつれて増加する可能性がある。当然ながら、レイトレーシングに関する詳細は、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、そのように限定されない。
【0019】
新しいまたは現在のスポットにおいて、例えば、フィンガープリンティングまたはレイトレーシングのシミュレーションは、上述のように、屋内ナビゲーションまたは測位サービスを容易にするまたはサポートする適切なまたは必要な補助情報を提供するために新たにまたは「一から」実行され得る。本明細書で使用されるとき、「現在のスポット」または「新しいスポット」は、交換可能に使用される可能性があり、1つまたは複数の無線信号特性(例えば、信号強度、往復遅延など)がまだ測定またはその他の方法で観測されていない1つまたは複数のスポットを指す可能性がある。例えば、現在のスポットは、ヒートマップまたは電波マップ情報、補助情報、1つまたは複数の分けられるパラメータに関連する情報、観測される信号パラメータモデルなどの特定の情報が探索、生成、作成などの処理をされている特定のスポットを含み得る。したがって、1つの特定の実装において、現在のスポットは、例えば、ヒートマップの生成ツール、観測される信号パラメータモデルの生成ツールなどを使用してモデル化またはシミュレートされるべき特定のスポットを含み得るが、特許請求の対象は、そのように限定されない。以下でより詳細に説明されるように、補助情報を新たにまたは「一から」生成する、そのような多大な計算もしくは労働力を必要とする、時間がかかる、またはその他の点で複雑なプロセスは、新しいまたは現在のスポットを特定のカテゴリーまたは種類に分けることによって除去されるか、またはそうでなければ削減される可能性があり、(例えば、類似した伝播特性などを有する)スポットの特定の種類が、特定の観測される信号パラメータモデルに関連付けられ得る。例えば、特定のシミュレーションまたは実験において、必ずではないが概して、スポットで(例えば、無線送信機などから)送信されたRF信号は、スポットの特定の種類の伝播特性に応じて異なる減衰をする可能性があることが観察された。RF信号の減衰に影響を与えるそのような特性は、例えば、単にいくつか非限定的な例を挙げるとすれば、有り得るRF干渉環境、壁の材質、壁の密度、オープンスペース内の仕切られた小部屋の存在、スポットの古さ、スポットの形状、スポットの機能(例えば、公会堂、円形劇場、倉庫、オフィスビル、教室棟、劇場、スーパーマーケット、ショッピングモール、コンベンションセンター、スポーツアリーナ、スタジアム、公共交通機関の駅ターミナル、図書館など)によって決まる可能性がある。よって、同様のカテゴリーまたは種類のスポットは、類似した伝播特性または信号減衰特性を示す可能性があり、したがって、以下で説明されるように、単一の観測される信号パラメータモデルに関して1つにグループ化されるか、または分けられる可能性がある。
【0020】
そのため、1つの実装において、複数のスポットの種類またはカテゴリーが、定義される可能性があり、それぞれのスポットの種類またはカテゴリーが、独自の観測される信号パラメータモデルに関連付けられる。特定のスポットの種類に関する観測される信号パラメータモデルは、少なくとも部分的に、例えば、特定のスポットの種類の、統計的に有意な数のスポットに対して、フィンガープリンティングまたはレイトレーシングに関連して検討された1つまたは複数のシミュレーションを実行することによって最初に導出され得る。示されたように、観測される信号パラメータモデルは、特定の受信されたまたは観測された信号特性の関数として範囲を近似することができる可能性があり、1つまたは複数の位置推定技術を使用することによって十分に正確な位置決定を得るためにモバイルデバイスによって利用される可能性がある。1つの特定の実装において、観測される信号パラメータモデルは、無線送信機から受信された信号のRSSIとそのような送信機までの範囲との間の関係を定義する可能性があるが、特許請求の対象は、そのように限定されないことが理解されるであろう。単に別の有り得る実装を例示するとすれば、例えばRTDなどのその他の観測された信号特性も、全体または一部が利用され得る。
【0021】
示されたように、観測される信号パラメータモデルは、特定のスポットのカテゴリーまたは種類に関連する補助情報の一部としてモバイルデバイスに送信され得る。三辺測量に基づく手法において、これは、例えば、好適なサーバからモバイルデバイスに転送され、スポットの種類に基づく定数または分けられるパラメータと特定のスポットの物理的特徴または特性との間の関係を定義するルックアップ数式またはテーブルとして実装され得る。以下で説明されるように、そのような物理的特徴または特性は、例えば、距離、通過される平面(例えば、壁の通過など)、障害物(例えば、ラック、湾曲部など)などの数の対数として表され得る。ヒートマップ測位技術を利用する1つの実装において、観測される信号パラメータモデルは、例えば、ヒートマップ情報を効果的または効率的に生成するために使用される可能性があり、ヒートマップ情報は、その後、補助情報の一部としてモバイルデバイスに伝えられる可能性がある。そのようなヒートマップ情報は、例えば、スポットの特定の種類またはカテゴリーに関連する物理的な無線チャネルにおいて無線信号がどのように伝播または減衰するかの特定の傾向を反映する観測される信号パラメータモデルの適用に少なくとも部分的に基づいて生成される可能性がある。生成されたヒートマップ情報は、その後、例えば、上述のように十分に正確な位置決定を可能にするために、ヒートマップシグネチャマッチングに関連して必要な計算を実行するために1つまたは複数のモバイルデバイスによって使用され得る。例えば、1つの特定の実装において、ヒートマップ情報または同様の補助情報は、以下で説明されるように、複数のスポットの種類のうちの1つのスポットの種類に類似または合致するスポット内の1つまたは複数の位置で得られたRF測定値に少なくとも部分的に基づいて生成され得る。そのような補助情報は、好適なサーバ(例えば、測位サーバ、ナビゲーションサーバなど)によってアクセスされるか、またはそうでなければ取得される可能性があり、同じまたは類似の種類のスポット(例えば、新しいまたは現在のスポットなど)内にある間に少なくとも1つのモバイルデバイスによってそのモバイルデバイスの位置を推定するために使用するために提供され得る。当然ながら、これらは、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、そのように限定されない。
【0022】
ここで、スポットをカテゴリー分けすることに関連する1つまたは複数のプロセスまたはオペレーションを容易にするまたはサポートすることを通信で可能にされ得る例示的な動作環境100に関連する機能的またはその他の特定の特徴を示す概略図である
図1に注目する。動作環境100は、非限定的な例として本明細書において説明されることと、スポットをカテゴリー分けすることに関連する1つまたは複数のプロセスまたはオペレーションは、さまざまな通信ネットワークまたはネットワークの組み合わせに関連して全体または一部が実装され得ることとを理解されたい。そのようなネットワークは、例えば、公衆ネットワーク(例えば、インターネット、ワールドワイドウェブ)、私設ネットワーク(例えば、イントラネット)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)などを含み得る。
【0023】
示されるように、動作環境100は、例えば、対象の例示的なスポットまたは同様の領域104内に動作可能に配置された1つまたは複数の無線送信機102a、102b、および102cを含み得る。たとえいくつかの無線送信機のみが示されているとしても、任意の数の無線送信機が、動作環境100に関連する1つまたは複数の技術またはプロセスを容易にするまたはそうでなければサポートするために実装され得る。また、示される構成は、単に例示的な構成であるに過ぎず、特許請求の対象は、その構成に限定されないことを理解されたい。1つの実装において、スポット104は、例えば、1つまたは複数の進入路、廊下、仕切られた小部屋、壁、仕切り、階段、ドア、部屋、エレベータなどを有する可能性があるスポットの内部またはその一部によって定義され得ることがわかる。もちろん、特許請求の対象は、いかなる特定の領域、フロアプラン、内部、サイズなどにも限定されない。特許請求の対象の範囲は、屋内での実施に限定されないことにも留意されたい。示されたように、本明細書において説明される例示的な実装は、例えば、動作環境100のすべてまたは一部に関連付けられ得る屋内環境、屋外環境、またはそれらの任意の組み合わせにおいて部分的にまたはほぼすべてが利用される可能性がある。
【0024】
無線送信機102a、102b、および102cは、すべて、例えば同じ種類のデバイスであるか、または実装によってはアクセスポイント、測位ビーコン、基地局などの異なる種類のデバイスを表す可能性がある。1つの特定の実装において、無線送信機は、例えば、無線信号を送信することができるだけでなく、無線信号を受信することもできる1つまたは複数のアクセスポイントを含み得る。106の破線によって全体的に示されるように、無線送信機は、例えば、無線送信機の識別情報または位置、マップまたはスポット情報などを含む補助情報などの、動作環境100に関連する好適なまたは所望の情報を提供することができる1つまたは複数の有線または無線通信またはコンピューティングネットワークを表す可能性があるネットワーク108に動作可能に結合され得る。マップまたはスポット情報は、例えば、対象のスポットまたは領域に関連する屋内もしくは同様の環境またはそのような環境の一部に関連する電子的なデジタルマップ情報(例えば、フロアプランなど)を含み得る。ここで、非限定的な例として、マップ情報は、例えば、スポット104に関する1つまたは複数のコンピュータ支援設計(CAD)情報交換ファイルのすべてまたは一部を含み得る。例として、マップまたはスポット情報は、例えば、壁、部屋、ドア、通路、エレベータ、階段、はしご、床、天井などの、スポット104の1つまたは複数の構造的特徴を特定する可能性がある。無線送信機の位置情報は、単に1つの有り得る実装を例示するとすれば、3次元デカルト座標空間の(X, Y, Z)座標を含み得る。当然ながら、特許請求の対象は、これらの点で限定されない。
【0025】
特定の例示的な実装において、ネットワーク108は、例えば、リンク112などの1つまたは複数の無線通信リンクを介して1つまたは複数のモバイルデバイスに好適なまたは所望の情報を提供することができるインターネットまたはその他の同様のコンピューティングもしくは通信リソースを含み得る。そのような情報は、例えば、上述のように、特定の観測される信号パラメータモデルに関連する分けられるパラメータ、ヒートマップ情報などの形態の補助情報を含み得る。示されるように、ネットワーク108は、例えば、1つまたは複数のモバイルデバイス、無線送信機などとの通信のためのカバーエリアを拡大することができる、例えば、セルラまたはその他の同様の無線通信システムまたはネットワーク(例えば、Wi-Fiなど)を含み得る通信ネットワーク110に結合される可能性がある。1つの特定の実装において、通信ネットワーク110は、フェムトセルに基づくまたはフェムトセルをサポートする動作可能なカバー領域を提供するために、本明細書においてはリンク114によって参照される1つまたは複数の無線通信リンクを利用することができる。
【0026】
いくつかの稲妻形のシンボルによって全体的に示されるように、モバイルデバイス116a、116b、および116cは、無線送信機102を介してネットワーク108と通信することができる。やはり、たとえいくつかのモバイルデバイスのみが示されているとしても、任意の数のモバイルデバイスが、動作環境100に関連する1つまたは複数の技術またはプロセスを容易にするまたはそうでなければサポートするために実装され得ることを理解されたい。示されたように、無線信号が、例えば、三辺測量、三角測量、ヒートマップまたは電波マップシグネチャマッチング技術などの単一のまたは複数の信号に基づく技術に少なくとも部分的に基づいてナビゲーションまたは測位サービスを容易にするまたはサポートするための、少なくとも1つのモバイルデバイス116による使用のために提供され得る。また、無線信号は、1つまたは複数のその他の目的で少なくとも1つのモバイルデバイス116に提供され得る。例えば、1つまたは複数のモバイルデバイスは、上述のように、スポットまたはマップ情報、アクセスポイント情報などを得るための、情報をプルもしくはプッシュする通信技術またはその他の同様の情報通信プロセスのために作動され得る。
【0027】
特定の実装において、無線信号は、例えば、十分に正確な位置決定を可能にするために少なくとも1つのモバイルデバイス116から1つまたは複数の利用可能な無線送信機(例えば、102a、102b、102cなど)までの範囲の1つまたは複数の測定を容易にするまたはサポートするために、補助情報を提供することができる。1つの特定の実装において、三辺測量に基づく位置決定を使用して、例えば、利用可能な無線送信機(例えば、102a、102b、102cなど)の識別情報または位置と、特定の観測される信号パラメータモデルに関連する1つまたは複数の分けられるパラメータとが、提供され得る。ここで、例えば、そのような観測される信号パラメータモデルは、以下でより詳細に説明されるように、同様の種類またはカテゴリーのスポットにおいて得られたRF測定値に少なくとも部分的に基づいてスポット104に関して導出され得る。観測される信号パラメータモデルは、例えば、利用可能な無線送信機102から受信された1つまたは複数の観測される無線信号特性と、そのような送信機までの範囲との間の関係を定義する数式またはルックアップテーブルとして実装され得る。
【0028】
示されたように、特定の実装において、補助情報は、ヒートマップに基づく測位を容易にするまたはサポートするために少なくとも1つのモバイルデバイス116に提供され得る。ここで、補助情報は、例えば、動作環境100によって容易にされるまたはサポートされる1つまたは複数のシミュレーションを用いてスポット104に関して生成された好適なまたは所望のヒートマップ情報を含み得る。以下で説明されるように、そのようなヒートマップ情報は、特定の格子点に関連し、例えば、スポット104を表すスポットの種類またはカテゴリーに適用可能な分けられるパラメータを利用する観測される信号パラメータモデルを用いて生成された1つまたは複数のヒートマップ値を含み得る。生成されたヒートマップ情報は、その後、ネットワーク108、通信ネットワーク110などに関連する好適なサーバに記憶され、上述のように、(例えば、ヒートマップシグネチャマッチングなどによって)十分に正確な位置決定を可能にするために少なくとも1つのモバイルデバイス116に転送され得る。当然ながら、そのような詳細は、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、そのように限定されない。
【0029】
図示されていないが、動作環境100は、局所または大域座標系に関連付けられ、実質的に一様な間隔(例えば、隣接する格子点の2フィートの間隔)でスポット104のフロアプランに重ねられるまたはマッピングされる可能性がある点の格子を含むヒートマップを含み得る。したがって、各無線送信機102に関して、ヒートマップは、格子点を、例えば、単にいくつか例を挙げるとすれば、無線送信機102と関連する格子点との間で送信される信号に関する平均RSSI、RSSIの標準偏差、平均RTD、RTDの標準偏差、または同様の値を含むヒートマップ情報に関連付けることができる。点の格子の尺度(例えば、隣接する点の間の間隔または距離)は、測位またはナビゲーションサービスの精度の所望のレベル、利用可能なリソース(例えば、メモリなど)の量、カバーされるマップまたは部屋のサイズなどに少なくとも部分的に基づいて変えられ得る。1つの特定の実装において、格子点は、例えば、スポット104のすべてまたは一部をカバーする十分に規則的な間隔で設けられるまたは配置される可能性がある。格子点は、例えば、動作環境100のすべてまたは一部に関連するサービスまたはカバーエリア内にやはり入っている限りは、スポット104の外まで広がる可能性があることに留意されたい。当然ながら、ヒートマップに関するそのような詳細は、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、これに関連して限定されない。
【0030】
このことを念頭に置いて、ここで、スポットをそのようなスポットに関連する伝播特性に少なくとも部分的に基づいてカテゴリー分けすることに関連する1つまたは複数のプロセスまたはオペレーションを実行するための例示的なプロセス200の実装を示す流れ図である
図2に注目する。たとえ1つまたは複数のオペレーションが特定の順序に関して図示または説明されるとしても、例えば、同時オペレーションを含むその他の順序が使用される可能性もあることを理解されたい。さらに、以下の説明は、特定のその他の図(例えば、
図3〜4など)で示される特定の態様または特徴を参照するが、1つまたは複数のオペレーションは、その他の態様または特徴とともに実行される可能性がある。
【0031】
例示的なプロセス200は、オペレーション202において、複数のスポットの種類またはカテゴリーを定義することから始まる可能性がある。特定のシミュレーションまたは実験において、スポットの同様の種類またはカテゴリーは、例えば、伝播空間の類似した物理的形状のために類似した無線チャネル伝播特性を有する可能性があることが観察された。したがって、そのような観察に少なくとも部分的に基づいて、例えば、受信された無線信号の信号強度、往復遅延時間、または同様の特性がスポットの異なる種類またはカテゴリーでどのように比較されるかの全体的な傾向が、特定され得る。そのような傾向に少なくとも部分的に基づいて、スポットの異なる種類またはカテゴリーでの伝播空間の物理的形状、無線信号の測定されるシグナリング(例えば、RSSIなど)またはタイミング(例えば、RTDなど)の特性に関する仮定が近似される可能性があり、無線チャネルの経路損失の振る舞いのスポットに特有の予測がなされる可能性があることが理解されるであろう。よって、1つの実装において、スポットの種類またはカテゴリーは、例えば、伝播空間の類似した物理的形状によるそれらのそれぞれの無線チャネル伝播特性の類似性を示すそのような傾向に少なくとも部分的に基づいて定義され得る。限定ではなく例として、伝播空間の物理的な無線チャネル特性のそのような類似性を考慮に入れるが必ずしもそれに限定せずに、スポットの種類またはカテゴリーは、例えば、単にいくつか例を挙げるとすれば、オフィスビル、コンベンションセンター、公会堂、円形劇場、倉庫、教室棟、劇場、スーパーマーケット、ショッピングモール、スポーツアリーナ、スタジアム、公共交通機関の駅ターミナル、図書館などを含むように定義され得る。当然ながら、特許請求の対象は、そのように限定されない。例えば、特定の実装において、スポットの種類は、スポット内のRF信号の伝播または減衰に影響を与えるその他の特性または要因に少なくとも部分的に基づいて定義され得る。そのような特性または要因は、例えば、スポットの古さ、(例えば、国、国の一部などに応じた)適用可能なまたは強制されるRFトラフィックパターンまたはネットワークプロトコル、無線干渉環境、壁の密度、建物または壁の材質などを含み得る。また、1つの特定の実装において、スポットが、例えば、スポットの種類またはカテゴリーに少なくとも部分的に基づいてさらに定義され得る。例えば、上述の検討にしたがって、ショッピングモールなどの対象のスポットはその他のショッピングモールと類似している可能性があることが初めに仮定される可能性があり、そのような仮定は、その後、特定のショッピングモールを屋内モール、屋外モールなどに分類するために改良される可能性があることが理解されるであろう。やはり、当然ながら、これは、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、そのように限定されない。
【0032】
オペレーション204に関して、観測される信号パラメータモデルが、複数の定義されたスポットの種類のうちの1つまたは複数の種類に対して、そのような複数の定義されたスポットの種類のうちの少なくとも1つの種類の複数のスポット内の1つまたは複数の所定の位置で得られたRF測定値に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。上述のように、そのような測定値は、例えば、対象のスポットに関連する伝播空間の無線チャネル特性を決定することができるフィンガープリンティング、レイトレーシング、または同様の技術を使用する1つまたは複数のRFに基づくシミュレーションを用いて取得され得る。以下で説明されるように、そのような測定値は、スポットに特有の無線チャネルの経路損失の振る舞いを近似することができるいくつかの分けられるパラメータまたは定数を作るために有利に利用される可能性があり、そして今度は、それらの分けられるパラメータまたは定数が、スポットに特有の観測される信号パラメータモデルを特徴づけるまたは定義するために使用される可能性がある。
【0033】
よって、観測される信号パラメータモデルは、例えば、示されたように、同様の種類またはカテゴリーの統計的に有意な数のスポットで(例えば、フィンガープリンティング、レイトレーシングなどにより)測定または取得された1つまたは複数の伝播チャネル特性に初めに少なくとも部分的に基づく可能性があるいくつかの分けられるパラメータまたは定数を含み得る。より具体的には、1つの特定の実装において、そのようなパラメータは、対象のスポットの種類またはカテゴリーに、そのようなスポットに関連する伝播空間の物理的形状に関する仮定に少なくとも部分的に基づいて当てはまる(例えば、最もよく、比較的よく、適切になど)いくつかの定数を含み得る。以下で説明されるように、1つまたは複数の定数または分けられるパラメータは、同様の種類またはカテゴリーのスポットで既に測定または観測されたそのような定数または分けられるパラメータの初期値または知られている値に少なくとも部分的に基づいて推定され得る。当然ながら、これは、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、そのように限定されない。例えば、特定の実装において、平均的な定数または分けられるパラメータが、1つまたは複数のクラウドソーシング技術によって取得された、特定のスポットに関する実験に基づいた情報または知識に少なくとも部分的に基づいて推定され得ることも理解されるであろう。
【0034】
1つの特定の実装において、観測される信号パラメータモデルは、例えば、RSSIなどの何らかの受信されたまたは観測された範囲に基づくまたは範囲に依存する信号特性の関数として範囲を近似することができる関係を含み得る。たとえ1つまたは複数のプロセスまたはオペレーションが本明細書においてRSSIに関連して説明されるとしても、例えば、RTDまたはRTTなどの、受信された無線信号の1つまたは複数の特性を表す任意の好適な測定基準が利用され得ることを理解されたい。この示された例において、観測される信号パラメータモデルは、距離または範囲の関数としてRSSIを近似する信号強度対距離モデル(例えば、RSSI対距離)の形態で特徴づけられ得る。例えば、利用可能な無線送信機の位置およびそれらの無線送信機のそれぞれの基準電力(reference power)または送信電力と、屋内環境の物理的構造(例えば、障害物、湾曲部、壁など)との知識を用いて、観測される信号パラメータモデルが導出される可能性があり、特定のスポット内の好適なまたは所望の位置(例えば、格子点など)における信号強度が推定される可能性がある。
【0035】
上記の検討にしたがって、1つの特定の実装において、観測される信号パラメータモデルは、例えば、対象の3つの定数または分けられるパラメータを利用するRSSI対距離モデルによって表され得るが、特許請求の対象は、そのように限定されない。したがって、ここで、例として、特定のスポット内の任意の好適なまたは所望の位置における信号強度は、(例えば、知られているアクセスポイントによって送信される)基準電力または最大信号強度の定数に距離の対数と経路損失定数または伝播係数との積を加えた値に、通過される壁の数の対数と壁損失係数または壁損失定数との積を加えた値として推定され得る。よって、以下を考える。
RSSI(d)=SS
maxまたはP
ref+ γまたはC
prop×log(距離)+C
WL×log(通過される壁) (1)
ここで、SS
maxまたはP
refは、基準電力または最大信号強度の定数を表し、γまたはC
propは、経路損失定数または伝播係数を表し、C
WLは、所与の数の壁の通過に関して信号が減衰する割合を示す壁損失係数を表す。
【0036】
この示された例において、伝播係数は、例えば、(例えば、無線送信機からモバイルデバイスまでなどの)進んだ距離にともなう信号強度の低下の観点で特定の屋内環境の密度を反映する分けられるパラメータとして利用され得る。上述のように、伝播係数は、そのようなパラメータの初期値を知り、好適なまたは所望の調整を行うことによって(例えば、近似、仮定、平均などによって実験的に)推定され得る。例示するために、空いている空間において、伝播係数αは、知られており、(-2)と測定される。したがって、より密なまたは雑然とした環境(例えば、スポットなど)における伝播係数は、例えば、値がより小さな負の数であるほど、信号強度が距離にともなってより早く低下するという仮定に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも(-2)以下の値を含むように推定され得る。よって、特定の屋内環境の密度(例えば、壁、障害物など)を反映する伝播係数または分けられるパラメータは、(-2)、(-3)、(-4)などと推定され得る。当然ながら、これは、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、そのように限定されない。
【0037】
伝播係数は、見通しのある(line-of-sight)(LOS)状況と見通しのない(non-line-of-sight)(非LOS)状況とに対して異なる可能性があることを理解されたい。例えば、非LOS経路損失係数は、スポットの特定の種類またはカテゴリーに関連するさまざまなマルチパスまたは通路の影響(例えば、反射、回析など)を示すように推定または選択され得る。加えて、たとえ3つの対象の分けられるパラメータのみが関係1で使用されるとしても、任意の好適なまたは所望の数の対象の分けられるパラメータが利用され得ることを理解されたい。例えば、無線信号が特定の種類の壁を通過するためにどのくらい減衰するかを表す壁の材質係数も、利用され得る。この分けられるパラメータは、例えば、特定のスポットに使用される建材によって変わる可能性がある。例示するために、乾式壁を持つオフィスビルは、セメント壁または金属板もしくは金属の含有物を有する壁を持つ円形劇場とは異なる壁の材質係数を有する可能性がある。当然ながら、これらは、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、これらの例に限定されない。
【0038】
上述のように、受信される無線信号の1つまたは複数の特性を表す任意の好適な測定基準が、使用され得る。例えば、(例えば、ヒートマップまたは電波マップなどを生成するために)1つまたは複数のRTD値を推定するために、特定の知られている無線送信機に関連する処理遅延が、対象の好適な分けられるパラメータとして利用され得る。さらに、マルチパス伝播において存在する信号の反射は、信号強度に比較的大きな影響があるが、伝播遅延への影響は比較的小さい可能性がある。したがって、マルチパス伝播または反射が存在する場合、往復遅延の測定値は、RSSIに基づく測定値よりも好適または望ましいと考えられ得る。当然ながら、そのような観察は、単に例示的な観察であるに過ぎず、特許請求の対象を限定するように意図されていない。
【0039】
オペレーション206において、例えば、現在のまたは新しいスポットなどのスポットが、複数のスポットの種類のうちの1つの種類に、複数のスポットの種類のうちのそのような1つの種類に関連する1つまたは複数のRF信号伝播特性に少なくとも部分的に基づいて関連付けられ得る。上述のように、スポットの同様の種類またはカテゴリーは、例えば、類似した伝播空間の形状、壁の材質、無線干渉環境などのために類似した無線チャネル伝播特性を有する可能性がある。よって、同様のスポットは、類似した信号伝播または同様の特性を示す可能性があり、したがって、単一の適用可能な観測される信号パラメータモデルに関して1つにグループ化されるか、または分けられる可能性がある。ここで、例えば、特定のスポットは、単に1つの有り得る実装を例示するとすれば、伝播空間の物理的形状の類似性に少なくとも部分的に基づいて上述のカテゴリーなどのスポットの種類またはカテゴリーの有限の組から選択されたスポットの種類に関連付けられ得る。
【0040】
次に、スポットが、例えば、伝播空間の類似した物理的形状のために単一の観測される信号パラメータモデルに関して1つにグループ化されるか、または分けられる可能性がある非限定的な例示的実装における
図2のオペレーション206をさらに説明する図である
図3に目を向ける。ここで、例えば、300で全体的に示されるオフィスビルが、スポットのそのような種類またはカテゴリーを表す対応する観測される信号パラメータモデルを伴う、スポットの種類1などの別個の種類またはカテゴリーに分けられ得ることが理解される。同様に、ショッピングモール302は、例えば、スポットの種類Nによって、独自の(例えば、適用可能であるなどの)観測される信号パラメータモデルなどを伴う別の別々のまたは別個のスポットの種類またはカテゴリーに分けられ得る。特定の箱に関連するスポットは、例えば、以下で説明されるように、屋内ナビゲーションまたは測位に基づくサービスを容易にするまたはサポートするために、適用可能な観測される信号パラメータモデルと関連して利用され得る。示されたスポットおよびそれぞれのスポットの種類またはカテゴリーは、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、それらの例に限定されないことを理解されたい。また、別々の箱は、例えば、大まかなスポットの種類の中のいくつかの下位の種類またはカテゴリー(例えば、ショッピングモール型のスポットなどの中の屋外モール、屋内モールなど)を含み得ることに留意されたい。したがって、対象のスポットは、以下で説明されるように、例えば、対象のスポットの形状(例えば、部屋の平均のサイズ、ランダムに伝播される線に関する壁の通過の平均の数など)を分析することによって、特定の箱の中の対応するスポットの種類にマッチングされ得る。
【0041】
1つの特定の実装において、例えば、現在のまたは新しいスポットなどのスポットは、対象のそのようなスポットまたは領域のフロアプランのマップの分析に少なくとも部分的に基づいてスポットの種類またはカテゴリーに分類されるか、または関連付けられる可能性がある。例えば、専用のコンピューティングプラットフォームが、対象の特定のスポットに関連するデジタルマップの形態のスポット情報をダウンロードするかまたはその他の方法で得るための1つまたは複数の常駐型のまたはウェブベースのマッピングサービスアプリケーションの命令を実行することができる。上述のように、特定のスポット情報は、例えば、対象のスポットまたは領域の構造的特徴、レイアウト、配置など(例えば、壁、部屋、ドア、通路、エレベータ、階段、はしご、床、天井など)を特定する情報を含み得るスポットのCADファイルから得られる可能性がある。特許請求の対象はこの点で範囲を限定されないが、フロアプランは、例えば、多くのスポットのCADファイルに共通する既存の特徴を用いて、自動化された方法で分析され得る。例として、1つまたは複数のプロセスまたはオペレーションが、例えば、スポット内の部屋または通路の数、部屋の空間対部屋以外の空間の面積、部屋のサイズまたは位置などの、対象のスポットまたは領域に関連するさまざまな構造的特徴を分析するために実行され得る。例えば、スポットのサイズ(例えば、面積など)に比して十分な数の小さなサイズの部屋がスポットに存在する場合、対象のスポットまたは領域は、コンベンションセンターではなくオフィスビルを含むことが推測され得る。別の例として、スポットが、そのスポットの部屋の空間に比して十分な量または体積の廊下の空間を含む場合、そのようなスポットは、ショッピングモールに分類され得る。例示のために、別の非限定的な例として、オフィスビルは、比較的長い廊下とともに十分な数の小さな空間(例えば、部屋など)を有する可能性がある一方、ショッピングモールは、比較的広い廊下とともに比較的高い天井を有する可能性がある。当然ながら、そのような詳細は、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、これに関連して限定されない。
【0042】
任意的にまたは代替的に、好適なアプリケーションは、対象のスポットまたは領域が分類されるかまたは分けられ得るスポットの種類に関する有り得る選択肢のリストを絞り込み、そのようにして、より適切なスポットの種類を選択する選択肢を提供することができる。例えば、スポットは、初めは、(例えば、サーバなどから得られた)スポットの情報、または(例えば、モバイルデバイスなどに入力された)スポットの説明などに少なくとも部分的に基づいて大まかなスポットの種類またはカテゴリーに関連付けられる可能性がある。大まかなスポットの種類へのスポットのそのような最初の関連付けに少なくとも部分的に基づいて、スポットは、スポットのフロアプラン(例えば、スポットの形状、部屋の平均のサイズ、ランダムに伝播される線に関する壁の通過の平均の数など)をさらに分析することなどによってさらに分類される(例えば、より適切になど)可能性がある。例示するために、対象のスポットは、初めは、大まかなショッピングモール型の箱に関連付けられる可能性があり、その後、必要とされる場合は、モバイルデバイスに関連するユーザインターフェースから(例えば、モールのドロップダウンリストからユーザ入力などによって)、またはサーバから(例えば、マップの分析などによって)受信される信号に応じて、屋内型モール、屋外型モールなどとして分類される可能性がある。当然ながら、特許請求の対象は、そのように限定されない。
【0043】
再び
図2の流れ図を参照すると、オペレーション204において、対象の特定のスポットを少なくとも1つのスポットの種類に関連付けた後、少なくとも1つのモバイルデバイスによる使用のための補助情報が、生成され得る。補助情報は、例えば、特定のスポットの種類またはカテゴリーに関連する観測される信号パラメータモデルの適用に少なくとも部分的に基づいて生成され得る。
【0044】
より具体的には、1つの特定の実装において、補助情報は、例えば、効果的または効率的な方法で好適なまたは所望の位置(例えば、格子点など)に対して実行される1つまたは複数のシミュレーションまたはモデル化技術を用いて新しいスポットに関して生成されたヒートマップ情報を含み得る。上述のように、好適なまたは所望の位置に関して観測される信号特性(例えば、RSSI、RTDなど)を得るために、(例えば、無線送信機などまでの)LOSまたは非LOS距離、通過されるべき障害物または壁の数などの対象の1つまたは複数の分けられるパラメータが、決定され、例えば、上で検討された関係1などの単一の数式に組み合わされる可能性がある。
図1のスポット104の特定の例において、例えば、LOS距離は、モバイルデバイス116bから無線送信機102bまでの距離を含む可能性があり、非LOS距離は、モバイルデバイス116から無線送信機102aまでの距離を含む可能性がある。当然ながら、これらは、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、そのように限定されない。加えて、(例えば、利用可能な無線送信機などからの)無線信号が通過することになる障害物(例えば、壁、湾曲部など)の数または種類も、(例えば、フロアプランなどにより)決定される可能性があり、したがって、適切な係数または分けられるパラメータが、選択または入力され得る。新しいスポットの種類(例えば、
図1のオフィスビル型のスポットなど)に少なくとも部分的に基づいて、適切なまたは適用可能な観測される信号パラメータモデルが、選択され(例えば、「オフィスビル」型など)、例えば、好適なまたは所望の位置(例えば、格子点など)に関する1つまたは複数のヒートマップ値を生成する1つまたは複数の必要な計算を専用のコンピューティングプラットフォームが実行することを可能にするために適用される可能性がある。
【0045】
別の実装において、補助情報は、上述のように、例えば、モバイルデバイスに伝えられる可能性がある特定の観測される信号パラメータモデルに関連する1つまたは複数の分けられるパラメータを含み得る。ここで、例えば、そのような補助情報は、上記の関係1に関連して説明された1つまたは複数のオペレーションまたはプロセスを使用してやはり生成され得る。よって、これらの例に示されるように、新しいスポットに関する減衰または伝播特性は、使用するためにモバイルデバイスに提供され得るごく少数の分けられるパラメータにまとめられるか、または近似される可能性がある。このように、新しいスポットのシミュレーションは、より少ないコンピューティングリソースまたはオーバヘッドなどでより短い時間で完了される可能性があり、したがって、その新しいスポットのシミュレーションを、例えば、レイトレーシングまたはフィンガープリンティングよりも効率的または効果的にする。
【0046】
オペレーション210において、補助情報は、少なくとも1つのモバイルデバイスが1つまたは複数の測位技術またはオペレーションを使用してそのモバイルデバイスの位置を推定することを可能にするために、例えば、現在のまたは新しいスポットなどの対象のスポット内に配置されている間に使用するためにそのようなモバイルデバイスに提供され得る。例えば、1つの特定の実装において、補助情報は、上述のように、三角測量に基づくオペレーションを容易にするまたはサポートするために、適用可能な観測される信号パラメータモデルに関連する1つまたは複数の分けられるパラメータの形態で全体または一部がモバイルデバイスに提供され得る。やはり示されたように、別の実装において、補助情報は、モバイルデバイスが十分に正確な位置決定のためのヒートマップシグネチャマッチングに関連する必要な計算を実行することを可能にするために、ヒートマップ情報の形態で提供される可能性がある。当然ながら、これらは、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、そのように限定されない。
【0047】
1つの実装において、対象の特定のスポットまたは領域に関連する補助情報は、例えば、例示的なプロセス200に関連する1つまたは複数のメモリの位置に記憶され得る。例えば、そのような補助情報は、対象のスポットのフロアプランに重ねられるまたはマッピングされるヒートマップに関連する1つまたは複数の格子点に関連して記憶され得るが、特許請求の対象は、そのように限定されない。補助情報は、例えば、いくつかの要因(例えば、タイミング校正、無線送信機の位置が変更されたかまたは不明であるなど)による誤差の量を有する可能性がある、モバイルデバイスの初期の推定された位置を反映し得る。したがって、1つの実装において、補助情報は、例えば、1つまたは複数のクラウドソーシング技術によって、全体または一部が時間の経過とともにさらに更新または改善される可能性がある。例えば、好適なまたは所望の補助情報は、対象のスポットまたは領域内に配置されている間にモバイルデバイスが獲得することができる好適なまたは所望の測定値に少なくとも部分的に基づいて、時間の経過とともに更新または改善される可能性がある。より具体的には、単に1つの有り得る例を示すとすれば、例えば、モールの買い物客または常連客が、所望のタスクを実行し(例えば、必要な測定値を集める、情報を送り返すなど)、それを行うことに対して何らかの方法で報酬を与えられる可能性がある。任意的にまたは代替的に、好適な測位、ナビゲーションなどのサービスは、例えば、モバイルデバイスに関連する位置認識ユニットから、それらのモバイルデバイスのユーザからの許可を受けて、好適なまたは所望の情報を得ることができる。よって、好適なサービスまたはサーバがより多くの更新を受け取るほど、対象の特定のスポットまたは領域に関してより正確な情報が学習される可能性があり、したがって、より優れたマッピング、測位、ナビゲーションなどをもたらす。そのような技術は、例えば、対象の分けられるパラメータなどの好適なまたは所望の補助情報が、スポットの種類またはカテゴリーの大きな箱(例えば、ショッピングモールなど)から特定のまたは具体的なスポット(例えば、特定のモールなど)に改善されるまたは絞り込まれる可能性があるので、十分な柔軟性をもたらすことができる。当然ながら、そのような詳細は、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、これに関連して限定されない。
【0048】
ここで、スポットをそのようなスポットに関連する無線信号伝播特性に少なくとも部分的に基づいてカテゴリー分けすることに関連する1つまたは複数のプロセスまたはオペレーションを実行するための例示的なプロセス400の別の実装を示す流れ図である
図4に注目する。やはり、たとえ1つまたは複数のオペレーションが特定の順序に関して図示または説明されるとしても、例えば、同時オペレーションを含むその他の順序が使用される可能性もあることも理解されたい。さらに、以下の説明は、特定のその他の図(例えば、
図3〜4など)で示される特定の態様または特徴を参照するが、1つまたは複数のオペレーションは、その他の態様または特徴とともに実行される可能性がある。
【0049】
オペレーション402において、複数のスポットの種類のうちの選択された1つの種類に適用可能な観測される信号パラメータモデルに関連する補助情報が、モバイルデバイスにおいて、またはモバイルデバイスによって受信され得る。上述のように、補助情報は、測位、ナビゲーション、情報サーバなどの好適なサーバからモバイルデバイスに伝えられる可能性がある。三辺測量に基づく手法を利用する1つの実装において、そのような補助情報は、例えば、単にいくつか例を挙げるとすれば、利用可能な無線送信機(例えば、アクセスポイント、測位ビーコン、フェムトセルなど)の識別情報または位置と、適用可能な観測される信号パラメータモデルに関連する1つまたは複数の分けられるパラメータまたは定数とを含み得る。そのような分けられるパラメータは、例えば、伝播空間の物理的形状の類似性に少なくとも部分的に基づいて、上述のカテゴリーなどのスポットの種類またはカテゴリーの有限の組から選択されたスポットの種類に関連付けられ得るが、当然ながら、特許請求の対象は、そのように限定されない。やはり示されたように、ヒートマップ測位技術を利用する1つの実装において、補助情報は、例えば、十分に正確な位置決定を可能にするためのヒートマップシグネチャマッチングに関連する必要な計算を実行するために1つまたは複数のモバイルデバイスによって使用され得るヒートマップ情報を含む可能性がある。
【0050】
オペレーション404に関して、モバイルデバイスは、例えば、現在のまたは新しいスポットなどの複数のスポットの種類のうちの選択された1つの種類のスポット内に配置されている間に、そのようなモバイルデバイスにおいて受信された1つまたは複数の信号に対する観測される信号パラメータモデルの適用に少なくとも部分的に基づいてそのモバイルデバイスの位置を推定することができる。例えば、観測される信号パラメータモデルは、上述のように、無線送信機から受信された無線信号の1つまたは複数の特性(例えば、RSSI、RTDなど)と、そのような送信機までの範囲との間の関係を定義する、スポットの特定の種類またはカテゴリーに適用可能な1つまたは複数の分けられるパラメータを利用することができる。したがって、そのようなパラメータを用いて、モバイルデバイスは、上述のように、必要な計算を実行して、1つまたは複数の範囲測定値を取得し、例えば、知られている三辺測量に基づく技術を利用してそのモバイルデバイスの位置を十分な精度で推定することができる。任意的にまたは代替的に、モバイルデバイスは、例えば、やはり示されたように、十分に正確な位置決定を可能にするための適用可能な観測される信号パラメータモデルを使用して作られたヒートマップ情報を用いるヒートマップシグネチャマッチングオペレーションを実行することによってそのモバイルデバイスの位置を推定することができる。したがって、観測される信号パラメータモデルに基づく補助情報は、例えば、効果的または効率的な方法で屋内環境または同様の部分的にもしくはおおむね囲まれた領域内でナビゲーションまたは測位に基づくサービスを可能にすることができる。
【0051】
1つの特定の実装において、対象の特定のスポット(例えば、現在のもしくは新しいスポットなど)の分類、またはスポットの特定の別個の種類もしくはカテゴリー(例えば、箱)へのそのようなスポットの関連付けが、モバイルデバイスにおいて、またはモバイルデバイス上で実行され得る。例えば、スポットの情報が、(例えば、ユーザなどによって)モバイルデバイスに入力され得る。例として、ユーザは、モバイルデバイスを操作して、モバイルデバイスに関連するユーザディスプレイを介して特定のスポットの分類を実行することができるが、特許請求の対象は、そのように限定されない。ディスプレイは、例えば、視覚的な内容を管理またはそうでなければ操作するためのコンピューティングアプリケーションまたはプラットフォームに関するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)としての任意の好適なアプリケーションウィンドウを含み得る。本明細書において使用されるとき、「グラフィカルユーザインターフェース」(GUI)は、表示される視覚的情報を利用して、ユーザが、例えば、ポインタまたはポインティングデバイスによってモバイルデバイスに関連する専用のコンピューティングプラットフォームを制御または操作することを可能にするプログラムインターフェースを指す可能性がある。モバイルデバイスおよびディスプレイは、通常、特定のハードウェアである一方、GUIは、通常、そのような特定のハードウェアによって実行されるように設計されたアプリケーションである。一部の実装において、モバイルデバイスは、当該モバイルデバイスがインターネットなどのネットワーク上に置かれた表示情報とインタラクションすることを可能にするネットワークブラウザまたは同様のアプリケーションも含み得る。当然ながら、GUIのさまざまな実装があり得るが、特許請求の対象を特定の実装に限定することは意図されていない。
【0052】
上記の検討にしたがって、1つの実装において、ユーザは、モバイルデバイスを操作して、適用可能な箱に対象のスポットを関連付けるために、(例えば、同様の種類またはカテゴリーのスポット内、シミュレートされることになるスポット内などにある間に)そのようなスポットを分類するか、またはそうでなければスポットの種類またはカテゴリーの有限の組からスポットの特定の種類を選択することができる。スポットの種類のそのような組は、例えば、メモリからその組を取り出すこと、好適な通信リンク(例えば、無線、有線など)を介してその組を受信することなどによってアクセスまたは取得され得る。例として、ユーザは、例えば、単に1つの有り得る実装を例示するとすれば、対象の特定のスポットに関連する可能性があるスポットの種類のリストからスポットの特定の種類またはカテゴリーをユーザが選択することができるドロップダウン情報メニューなどの(例えば、ユーザディスプレイ上などの)1つまたは複数のユーザが選択可能な情報フィールドを提示され得る。例えば、ユーザは、対象のスポットがオフィスビル、コンベンションセンター、スポーツアリーナなどを含むことを(例えば、フロアプランを見ることなどによって)認識または推測することができ、したがって、適用可能な箱にそのようなスポットを関連付けるためにモバイルデバイス上で、またはモバイルデバイスにおいて適切な分類を行う(例えば、手動で、ドロップダウンメニューを介してなど)ことができる。ユーザは、少なくとも部分的に、モバイルデバイスに関連する専用のコンピューティングプラットフォームによって、または例えば
図1の動作環境などの動作環境によって容易にされるかまたはサポートされ得る任意の好適なルーチンまたはオペレーションを用いてスポットを分類することができることを理解されたい。ある実装において、モバイルデバイスは、例えば、ユーザがスポットの特定の種類を入力行に直接入力すること(例えば、「オフィスビル」と入力することなど)、または既存のドロップダウンオプションのリストから好適なスポットの種類を選択することを可能にすることができる、ドロップダウンメニューと入力行テキストボックスとの編集可能なコンボボックスまたは同様の組み合わせを含み得る。さらに、ユーザは、音声処理または関連する技術を用いて処理される命令によって特定のスポットを分類する可能性があるが、当然ながら、特許請求の対象は、そのように限定されないことに留意されたい。
【0053】
限定ではなく例として、特定のシミュレーションまたは実験に関連して、フィンガープリンティングされた測定値から、特定の観測される信号パラメータモデルを適用することによって生成または取得されたRSSIヒートマップのいくつかの例が、
図5Aおよび5Bに示される。示されるRSSI測定値と、RSSI対距離曲線とは、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、それらの例に限定されないことを理解されたい。このように、特定のシミュレーションまたは実験において、RSSI測定値の膨大な組が、対象のスポットまたは領域で獲得され、観測される信号パラメータが、それらの測定値の上に当てはめられた。特定のパラメータが、少なくとも部分的に、例えば、LOS経路係数、非LOS経路係数、壁損失係数などを含む、測定値に当てはまる近似のために最適化され得ることに留意されたい。特に
図5Aに見られるように、観測される信号パラメータモデルが、妥当なRSSI対距離曲線を提供することができ、そして今度は、そのRSSI対距離曲線が、十分に正確な位置決定を可能にすることができることが見受けられた。
図5Bにさらに示されるように、1つの特定のシミュレーションまたは実験に関連する検証の目的で、RSSI測定値の別の組が、同様の種類またはカテゴリーの、別の対象のスポットまたは領域で獲得された。ここで、(例えば、マップなどから得られた)スポットの伝播空間の物理的形状の知識と、受信された無線信号のおおよそのRF特性とに少なくとも部分的に基づいて、観測される信号パラメータモデルが、RSSIの関数として範囲を近似するのに有益であることが判明する可能性があることが見受けられた。したがって、シミュレートされた対象のスポットまたは領域に関連する例示的なヒートマップの分布図は、そのようなスポットがモデル化のために単一の箱にグループ化され得ることを示す可能性がある。当然ながら、対象のスポットまたは領域に関するそのような詳細は、単に例であるに過ぎず、特許請求の対象は、これに関連して限定されない。
【0054】
図6は、スポットをそのようなスポットに関連する信号伝播特性に少なくとも部分的に基づいてカテゴリー分けすることに関連する1つまたは複数のプロセスまたはオペレーションを部分的にまたはおおむね実施することができる例示的なデバイス600の実装を示す概略図である。1つの実装において、デバイス600は、例えば、任意の好適な通信ネットワークを介してデータまたは情報を交換するように構成できる可能性がある少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有する任意の電子デバイスを含み得る。例えば、デバイス600は、例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットPC、セルラ電話、アクセスポイント、トランシーバチップ、電子ブックリーダ、ワークステーション、サーバデバイス、データストレージユニットなどに関連する1つまたは複数のコンピューティングデバイスまたはプラットフォームを含み得る。その他の例示的な実装において、デバイス600は、別のデバイスにおける使用のために動作可能なように作動され得る1つまたは複数の集積回路、回路基板などの形態をとる可能性がある。例示的なデバイス600に関連して示されるさまざまなコンポーネントのすべてまたは一部、および本明細書において説明されたプロセスまたはオペレーションは、ソフトウェアとともにハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを使用して実装されるか、またはそうでなければそれらを含む可能性があることを理解されたい。例示的なデバイス600は、より多くの、より少ない、または示されているコンポーネントとは異なるコンポーネントを含み得ることにも留意されたい。
【0055】
示されるように、例示的なデバイス600は、スポットをカテゴリー分けすることに関連する1つまたは複数のプロセスまたはオペレーションを容易にするまたはサポートするために、例えば、少なくとも1つの処理ユニット602、メモリ604、通信インターフェース606、電源608、および610で全体的に示される1つまたは複数のその他のコンポーネントを含み得る。処理ユニット602は、ハードウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実装され得る。処理ユニット602は、情報コンピューティング技術またはプロセスの少なくとも一部を実行するように構成できる1つまたは複数の回路を表す可能性がある。限定ではなく例として、処理ユニット602は、1つもしくは複数のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路、デジタル信号プロセッサ、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイなど、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0056】
メモリ604は、処理ユニット602によって実行できる可能性があるコンピュータ可読命令(例えば、プログラム、アプリケーションなど、またはそれらの一部、動作データまたは情報の構造体、プロセッサが実行可能な命令、コード、それらの何らかの組み合わせなど)を記憶するか、包含するか、またはそうでなければそれらに対するアクセスを提供することができる。処理ユニット602によるそのような命令の実行は、例示的なデバイス600を、専用のコンピューティングデバイス、装置、プラットフォーム、それらの何らかの組み合わせなどに変える可能性がある。メモリ604は、任意の情報ストレージ媒体を表す可能性がある。例えば、メモリ604は、主メモリと、605の破線で全体的に示される補助メモリとを含み得る。主メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリなどを含む可能性があり、スポット情報、ヒートマップもしくは電波マップシグネチャ情報、観測される信号パラメータモデル情報、またはスポットをカテゴリー分けすることに関連する1つもしくは複数のプロセスもしくはオペレーションを容易にするもしくはサポートするその他の好適なもしくは所望の情報を含み得ることが理解される。この例においては処理ユニット602と別れているように示されているが、メモリ604のすべてまたは一部は、処理ユニット602内に設けられるか、またはそうでなければ処理ユニット602と同じ場所に配置される/結合される可能性があることを理解されたい。
【0057】
補助メモリ605は、例えば、主メモリと同じもしくは類似した種類のメモリ、または例えば、ディスクドライブ、光ディスクドライブ、テープドライブ、ソリッドステートメモリドライブなどの1つもしくは複数の情報ストレージドライブもしくはシステムを含み得る。特定の実装において、補助メモリ605は、コンピュータ可読媒体618を動作可能なように受けることができるか、またはそうでなければコンピュータ可読媒体618に結合されることを可能にされ得る。コンピュータ可読媒体618は、例えば、例示的なデバイス600のための情報、コード、または命令を記憶するか、またはそれらに対するアクセスを提供することができる任意の媒体(例えば、製品など)を含み得る。
【0058】
コンピュータ可読媒体618は、例えば、処理ユニット602によってアクセスされ得る。したがって、特定の例示的な実装において、方法または装置は、少なくとも1つの処理ユニットまたはその他の同様の回路によって実行される場合に、RF信号測定プロセス、位置決定プロセス、三辺測量に基づくもしくはヒートマップシグネチャに基づくプロセス、またはスポットをカテゴリー分けすることを容易にするもしくはそうでなければサポートするための任意のプロセスのすべてまたは一部を処理ユニット602またはその他の同様の回路が実行することを可能にすることができる、記憶されたコンピュータで実施可能な命令を含み得るコンピュータ可読媒体の形態を全体または一部がとる可能性がある。特定の例示的な実装において、処理ユニット602は、例えば、通信、ルーティングなどの、
図1の動作環境100に関連するその他の機能を実行またはサポートすることができる可能性がある。
【0059】
例示的なデバイス600は、1つまたは複数の有線または無線通信リンクを介した1つまたは複数のその他のデバイスまたはシステムとの通信を可能にするための通信インターフェース606(例えば、無線トランシーバ、モデム、アンテナなど)をさらに含み得る。通信インターフェース606は、デバイス600とその他のデバイスとの間の1つまたは複数のインターフェースを提供することができる。通信インターフェース606は、好適なまたは所望の測位、ナビゲーション、補助、または同様の情報を要求、受信、または提供することができる可能性がある。補助情報は、上述のように、例えば、三辺測量に基づく、ヒートマップもしくは電波マップ測位に基づくオペレーションまたは技術を利用する位置推定を容易にするまたはサポートする任意の好適な情報を含み得る。さらに、特定の実装において、補助情報は、例えば、ルーティンググラフ情報、スポット情報、接続性グラフ(connectivity graph)情報、測位情報、および関連するアノテーション情報などを含み得る。示されたように、通信インターフェース606は、それぞれの無線または有線通信リンクを介して無線または有線信号を伝えるための無線トランシーバ(例えば、送信機および受信機)、ラジオ、アンテナ、有線インターフェースコネクタまたはその他のそのような装置、それらの何らかの組み合わせなどを含み得る。
【0060】
例示的なデバイス600は、例示的なデバイス600のコンポーネントまたは回路の一部またはすべてに電力を供給するための電源608も含み得る。電源608は、例えば、バッテリーなどのポータブル電源である可能性があるか、または(例えば、家、充電所、自動車などの)コンセントなどの固定電源を含む可能性がある。電源608は、例示的なデバイス600に一体化される(例えば、組み込み型であるなど)か、またはそうでなければ例示的デバイス600によってサポートされる(例えば、独立型であるなど)可能性があることを理解されたい。電源608は、太陽光または炭素燃料に基づく発電機などの可搬型電源である可能性もある。図示されていないが、例示的なデバイス600のコンポーネントまたは回路は、出力信号をデジタル化するためのアナログデジタルコンバータ(ADC)を含み得るが、特許請求の対象は、そのように限定されないことに留意されたい。
【0061】
例示的なデバイス600は、例えば、1つまたは複数のその他のコンポーネント610などのさまざまな回路またはコンポーネントを1つに動作可能なように接続し、任意的にまたは代替的に、必要な入力を受信するかまたは好適な情報をユーザに提供するためのユーザインターフェース614(例えば、ディスプレイ、タッチスクリーン、キーパッド、ボタン、つまみ、マイクロホン、スピーカー、トラックボール、データポートなど)と動作可能なように接続するための1つまたは複数の接続612(例えば、バス、回線、導線、光ファイバなど)も含み得る。その他のコンポーネント610は、もし存在するならば、1つまたは複数のその他のさまざまなセンサ、特徴などを含み得る。
【0062】
図示されていないが、特定の例示的な実装において、例示的なデバイス600は、全地球航法衛星システム(GNSS)に関連し、(例えば、宇宙飛行体、衛星、地上のトランシーバ、無線送信機などからの)1つまたは複数の送信されたまたは受信された無線信号に少なくとも部分的に基づいて、デバイス600またはデバイス600に動作可能に結合されたその他のデバイスに関する何らかの形態の位置/速度/時間推定プロセスを提供またはサポートすることができる位置認識または追跡ユニットを含み得る。位置認識または追跡ユニットは、例えば、何らかの方法で無線信号を受信または送信することができる少なくとも1つの受信機または送信機を含み得るが、特許請求の対象は、そのように限定されない。
【0063】
本明細書において説明された方法は、特定の特徴または例にしたがった応用に応じてさまざまな手段で実装され得る。例えば、そのような方法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、別個の/固定の論理回路、それらの任意の組み合わせなどで実装され得る。ハードウェアまたは論理回路の実装においては、例えば、処理ユニットは、単にいくつか例を挙げるとすれば、1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書において説明された機能を実行するように設計されたその他のデバイスもしくはユニット、またはそれらの組み合わせの中で実装され得る。
【0064】
ファームウェアまたはソフトウェアの実装に関しては、方法は、本明細書において説明された機能を実行する命令を有するモジュール(例えば、プロシージャ、関数など)を用いて実装され得る。命令を有形で具現化する任意の機械可読媒体が、本明細書において説明された方法の実装で使用され得る。例えば、ソフトウェアコードは、メモリに記憶され、プロセッサによって実行される可能性がある。メモリは、プロセッサの内部またはプロセッサの外部に実装され得る。本明細書において使用されるとき、用語「メモリ」は、任意の種類の長期的、短期的、揮発性、不揮発性、またはその他のメモリを指し、任意の特定のメモリの種類もしくはメモリの数、またはメモリが格納される媒体の種類に限定されるべきでない。少なくともいくつかの実装において、本明細書において説明されたストレージ媒体の1つまたは複数の部分は、ストレージ媒体の特定の状態によって表される、データまたは情報を示す信号を記憶することができる。例えば、データまたは情報を示す電子信号は、データまたは情報を二値情報(例えば、1および0)として表すストレージ媒体の一部の状態に作用する、またはそのような状態を変えることによって、ストレージ媒体(例えば、メモリ)のそのような部分に「記憶」され得る。したがって、特定の実装において、データまたは情報を示す信号を記憶するためのストレージ媒体の一部の状態のそのような変化は、ストレージ媒体を異なる状態またはものに変換することとなる。
【0065】
示されたように、1つまたは複数の例示的な実装において、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、別個の/固定の論理回路、それらの何らかの組み合わせなどで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして物理的なコンピュータ可読媒体に記憶され得る。コンピュータ可読媒体は、物理的なコンピュータストレージ媒体を含む。ストレージ媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な物理媒体であってよい。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくはその他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくはその他の磁気ストレージデバイス、または命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用可能であり、コンピュータもしくはコンピュータのプロセッサによってアクセス可能である任意のその他の媒体を含み得る。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(compact disc)(CD)、レーザディスク(laser disc)、光ディスク(optical disc)、デジタルバーサタイルディスク(digital versatile disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy disk)、およびブルーレイディスク(blue-ray disc)を含み、ディスク(disk)が、通常、磁気的にデータを再生する一方、ディスク(disc)は、通常、レーザを用いて光学的にデータを再生する。
【0066】
本明細書において説明された無線通信技術は、無線広域ネットワーク(WWAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)などのさまざまな無線通信ネットワークを用いて実装され得る。用語「ネットワーク」および「システム」は、本明細書においては交換可能に使用される可能性がある。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)ネットワークなどである可能性がある。CDMAネットワークは、ほんのいくつか無線技術を挙げるとすれば、cdma2000、広帯域CDMA(W-CDMA)、時分割同期符号分割多元接続(Time Division Synchronous Code Division Multiple Access)(TD-SCDMA)などの1つまたは複数の無線接続技術(RAT)を実装する可能性がある。ここで、cdma2000は、IS-95、IS-2000、およびIS-856規格にしたがって実装された技術を含み得る。TDMAネットワークは、移動体通信用グローバルシステム(Global System for Mobile Communications)(GSM(登録商標))、デジタル式高度携帯電話システム(Digital Advanced Mobile Phone System)(D-AMPS)、または何らかのその他のRATを実装する可能性がある。GSM(登録商標)およびW-CDMAは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)という名称のコンソーシアムからの文書に記載されている。cdma2000は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)という名称のコンソーシアムからの文書に記載されている。3GPPおよび3GPP2の文書は、公開されている。例えば、WLANは、IEEE 802.11xネットワークを含む可能性があり、WPANは、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE 802.15xを含む可能性がある。無線通信ネットワークは、例えば、ロングタームエボリューション(LTE)、アドバンストLTE (Advanced LTE)、WiMAX、ウルトラモバイルブロードバンド(Ultra Mobile Broadband)(UMB)などのいわゆる次世代技術(例えば、「4G」)を含み得る。
【0067】
また、コンピュータ命令/コード/データは、送信機から受信機に物理的な送信媒体を介して信号によって(例えば、電気的なデジタル信号によって)送信され得る。例えば、ソフトウェアは、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術の物理的なコンポーネントを用いて、ウェブサイト、サーバ、またはその他の遠隔のソースから送信され得る。上記のものの組み合わせも、物理的な送信媒体の範囲に含まれる可能性がある。そのようなコンピュータ命令またはデータは、異なる時間に(例えば、第1の時間および第2の時間に)部分(例えば、第1の部分および第2の部分)に分けて送信され得る。この「発明を実施するための形態」のいくつかの部分は、特定の装置または専用のコンピューティングデバイスもしくはプラットフォームのメモリ内に記憶された二値デジタル信号に対するオペレーションのアルゴリズムまたは記号的表現の形態で示されている。この特定の明細書のケースでは、用語、特定の装置などは、多目的コンピュータが、プログラムソフトウェアからの命令に関連する特定の機能を実行するようにプログラムされてしまえば、その多目的コンピュータを含む。アルゴリズム的記述または記号的表現は、信号処理または関連する技術の通常の技能を有する者によって、それらの者の成果の内容を当該技術に精通したその他の者に伝えるために使用される技術の例である。ここで、および概して、アルゴリズムは、所望の結果をもたらす自己矛盾のない一連のオペレーションまたは同様の信号処理であると考えられる。このケースでは、オペレーションまたは処理は、物理量の物理的操作を含む。必ずではないが通常は、そのような量は、記憶、転送、組み合わせ、比較、またはその他の操作を行われ得る電気的または磁気的信号の形態をとる可能性がある。
【0068】
そのような信号をビット、データ、値、要素、シンボル、文字、変数、用語、数、数字などと呼ぶことが、主に共通使用の理由で便利な場合があることが分かっている。しかし、これらのまたは同様の用語の全ては、適切な物理量に関連付けられるべきであり、単に便宜的なラベルであるに過ぎないことを理解されたい。上記の検討から明らかなように、別途具体的に示されない限り、本明細書の全体を通じて、「処理する」、「算出する」、「計算する」、「決定する」、「確認する」、「識別する」、「関連付ける」、「測定する」、「実行する」などの用語を利用する検討は、専用のコンピュータまたは同様の専用の電子的コンピューティングデバイスなどの特定の装置の動作またはプロセスに言及することが理解される。したがって、本明細書のケースでは、専用のコンピュータまたは同様の専用の電子的コンピューティングデバイスは、その専用のコンピュータまたは同様の専用の電子的コンピューティングデバイスのメモリ、レジスタ、またはその他の情報ストレージデバイス、送信デバイス、もしくはディスプレイデバイス内の物理電子的、電気的、または磁気的量として通常表される信号を操作または変換することができる。
【0069】
本明細書において使用される用語「および」および「または」は、そのような用語が使用される文脈に少なくとも部分的に応じて決まることがやはり期待されるさまざまな意味を含み得る。通常、「または」は、A、B、またはCなどのリストを関連付けるために使用される場合、A、B、およびC(ここでは包含的な意味合いで使用される)と、A、B、またはC(ここでは排他的な意味合いで使用される)とを意味するように意図される。加えて、本明細書において使用される用語「1つまたは複数の」は、単数の任意の特徴、構造、もしくは特性を説明するために使用される可能性があるか、または特徴、構造、もしくは特性の何らかの組み合わせを説明するために使用される可能性がある。しかし、これは、単に例示的な例であるに過ぎず、特許請求の対象は、この例に限定されないことに留意されたい。
【0070】
特定の例示的な技術が、さまざまな方法またはシステムを用いて本明細書において説明され、示されたが、さまざまなその他の修正がなされる可能性があり、均等物が、特許請求の対象から逸脱することなしに代わりに用いられる可能性があることが、当業者によって理解されるに違いない。さらに、多くの修正が、特定の状況を、本明細書において説明された中心的概念から逸脱することなしに特許請求の対象の教示に適合させるためになされる可能性がある。したがって、特許請求の対象は、開示された特定の例に限定されず、むしろ、そのような特許請求の対象は、添付の特許請求の範囲内に入るすべての実装、およびそれらの実装の均等物も含み得ることが意図される。