(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シミュレーションは、前記メタデータの少なくとも一部に基づいて、アラーム条件を検出すること、及び前記アラーム条件をユーザへ示すことを含む請求項1に記載の方法。
前記医療画像データは、コンピュータトモグラフィ(CT)システム、磁気共鳴画像(MRI)システム、X‐線システム、陽電子射出断層撮影(PET)システム、超音波システム、画像保存通信システム(PACS)アーカイブ及び蛍光透視システムの1つから受信される請求項1に記載の方法。
処置計画としてのコンピュータシミュレーション処置をデータベースに記憶するステップを含み、前記記憶するステップは、患者の主要なメタデータ及びデジタル イメージング アンド コミュニケーションズ(DICOM)ヘッダの少なくとも1つにおいて前記コンピュータシミュレーション処置を記憶することを含む請求項1に記載の方法。
実行されたときに前記命令は、受信された前記医療画像データ及び前記メタデータに基づいて、人工的な医療画像データを生成することを前記コンピュータに実行させる請求項9に記載の一時的でないコンピュータ可読記憶媒体。
前記医療画像データは、コンピュータトモグラフィ(CT)システム、磁気共鳴画像(MRI)システム、X‐線システム、陽電子射出断層撮影(PET)システム、超音波システム、画像保存通信システム(PACS)アーカイブ及び蛍光透視システムの1つから受信される請求項9に記載の一時的でないコンピュータ可読記憶媒体。
実行されたときに前記命令は、処置計画としてのコンピュータシミュレーション処置をデータベースに記憶することを前記コンピュータに実行させ、前記記憶することは、患者の主要なメタデータ及びデジタル イメージング アンド コミュニケーションズ(DICOM)ヘッダの少なくとも1つにおいて前記コンピュータシミュレーション処置を記憶することを含む請求項9に記載の一時的でないコンピュータ可読記憶媒体。
実行されたときに前記命令は、前記デジタル画像ベースモデルを用いて画像誘導処置のコンピュータシミュレーションを行うことを前記コンピュータ装置に実行させる請求項17に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0004】
図を簡素かつ明瞭にするため、図面中に示す要素は必ずしも縮尺通りに描かれてはいない。例えば、それらの要素の一部の寸法は、明瞭にするために、他の要素に比して誇張されている場合もある。さらに、適切だと想定される場合には、対応した類似する要素を指し示すために、複数の図面に亘って参照符号が繰り返される場合がある。
【0005】
以下の詳細な記載において、多くの特定の詳細は、本発明の十分な理解をもたらすために説明される。しかしながら、本発明がこれらの特定の詳細なしに実施され得ることを当業者は理解するであろう。他の例では、周知の方法、手順、構成要素、モジュール、ユニット及び/又は回路は本発明を曖昧なものにさせないように詳細には記載されていない。
【0006】
本発明の実施形態は、医療画像データ及び患者特有のメタデータに基づいて解剖学的及び/又は生理的な構造のデジタル画像ベースモデルを生成することに関する。解剖学的及び/又は生理的な構造は、例えば、血管、心臓、骨又は任意の適用可能な領域、セクション又は被験者の(恐らく内部)の部位のような臓器、組織又は血管であってもよい。本発明のいくつかの実施形態は、生理的な態様を示し、シミュレートし、又は関係が有るかもしれない医療画像データ及び患者特有のメタデータに基づいて、デジタル画像ベースモデルを生成することに関する。デジタルモデルの生理的な態様は、メタデータに基づいてもよい。例えば、特定の患者に関するデジタルモデルは、特定の患者に関するメタデータに基づいて、特定の患者の生理的な態様を示す、又は関係が有るかもしれない。例えば、医療ツールとの相互作用、薬への反応、特定の患者のイベントへの反応は、デジタルモデルにより全てシミュレートされ、示され、及び/又は行われてもよい。生理的な態様をシミュレートすることは、例えば、血管の弾力性、血流のレート、特定の薬物又は異なる薬物用量への反応、骨強度、断裂可能性、放射線への感度、様々なバルーン膨張圧力への血管の反応を含んでもよい。したがって、本発明の実施形態は、多くの目的のための用いられてもよい。医師のトレーニング、研究又は処置のデモンストレーションに用いられてもよいシミュレートした処置を行うことができるためのものである。
【0007】
本発明の実施形態は、被験者から受信した医療画像データ及びさらにdigital imaging and communications (DICOM) image headerのような既存技術で取得又は受信される患者のメタデータに基づいて、解剖学的及び/又は生理的な構造のデジタル画像ベースモデルを生成可能であってもよい。被験者は、例えば、画像誘導処置を受けようとしている患者であってもよい。本発明の実施形態によれば、医療画像データ又は他のデータは、患者特有の医療画像及び患者から取得されたパラメータであってもよい。例えば、医療画像データ又は他のデータは、特定の患者から取得されてもよく、コンピュータ断層撮影(CT)、CT蛍光透視、蛍光透視、磁気共鳴画像(MRI)、超音波、陽電子射出断層撮影(PET)及びX線システム又は他の適切な画像化システムのような一又は複数の画像化システムにより本発明の実施形態に提供されてもよい。本発明のいくつかの実施形態は、本書で記載した医療画像データを入力として使用して、解剖学的構造、器官、系統又は領域の2D、3D又は4Dモデルを作ることができる。
【0008】
本発明の実施形態によれば、解剖学的構造のデジタル画像ベースモデルを生成する方法は、任意のデータ、パラメータ又は他の患者に関連するデータを受信及び組み込むこと、そうでなければ用いることを含んでもよい。例えば、患者の病歴又は状態に関する情報又はメタデータ、既知の疾患、アレルギー、薬物への過敏性等は、メタデータとしてみなされ、解剖学的及び関連付けられた患者の生理的な構造のデジタル画像ベースモデルの生成における本発明の実施形態により用いられる。他のメタデータは、一又はそれ以上の医師、試験結果、例えば放射線システムのような各種のシステムからの結果により生成された診断情報及び/又はオピニオンであってもよい。例えば、放射線技師の医療的な結論及び診断に基づいて、デジタル画像ベースモデルの特定の部位は、さらに向上されてもよい。例えば、特定の部位、領域又は組織の解像度は、例えば、人工CTスライス、合成されたX−線画像又は本明細書に記載されるような他の医療画像データのような追加の人工的な情報を生成又は合成することにより、向上されてもよい。特定の場合に、プラークオクルージョン(例えば、右内頸動脈)率の放射線技師の診断に基づいて、デジタル画像ベースモデルは、できる限り特定の部位におけるプラークオクルージョンに関する任意の態様を反映するように生成されうる。
【0009】
本発明の実施形態によれば、シミュレートされた処置は、メタデータに基づいてもよい。デジタル画像ベースモデルは、関係のある又は関連するメタデータに応じて操作されてもよい。例えば、デジタル画像ベースモデルの各種の属性、行動態様又は他のパラメータは、年齢、性別、医療的な状態又は本明細書に記載される医療画像に加えて特定の患者に関する任意の適用可能なメタデータのようなメタデータに応じたものであってもよく、メタデータに基づいてもよい。例えば、デジタルモデルの行動態様、例えば、シミュレートされた医療ツールとの衝突又はデジタルモデルにより示された投与された薬物への反応は、本明細書に記載されるメタデータに応じて又は基づいてもよい。
【0010】
簡素化及び明確化のために、本明細書に記載される画像システムから受信された画像データではない任意のパラメータ又は情報は、画像データからのこのようなデータと区別するために、“患者メタデータ”又は単に”メタデータ”と本明細書では示される。したがって、本明細書に記載されるような年齢、性別、体重、身長、ライフススタイル、喫煙又は他の習慣、治療履歴又は状態、既往症又はアレルギー又は任意のこのような関連する又は適用可能な情報は、“患者メタデータ”又は単に”メタデータ”と本明細書では示される。本明細書に記載されるように、本発明の実施形態は、画像の各種の視点及び他の医療データをユーザに提供してもよい。いくつかの実施形態では、画像は、受信した生の医療画像データ、人工的に生成された医療画像データ、メタデータ又はメタデータ、生の医療画像データ及び人工的な医療画像データの組み合わせに基づいて生成されてもよい。例えば、人工的なデータは、CTシステムから受信されたCTを検査することにより生成された又は合成されたCTスライス又は画像であってもよい。いくつかの実施形態では、特定の表面、視点又は画像化システムに関する画像は、受信された生の医療画像データ、人工的に生成された医療画像データ及び/又はメタデータに基づいて生成されてもよい。例えば、特定の点又は対象を示すメタデータに基づいて、画像は、生成又は表示されてもよい。例えば、特定の注意を必要とする特定の組織が示すメタデータは、本発明の実施形態により、特定の組織が最もよく見える画像を生成してもよい。
【0011】
特定のシナリオでは、3Dデジタル画像ベースモデルは、本明細書に記載されるようなCTシステムからの入力に基づいて生成されてもよい。X−線ビューは、特定の領域又は組織が最もよく見えるように、デジタル画像ベースモデル及びメタデータとの相関関係に基づいて生成されてもよい。例えば、二次元(2D)X−線ビューは、ユーザにより特定の組織が最もよく見えるように、二次元表面又は平面に三次元デジタル画像ベースモデルを投影することにより生成されてもよい。本発明の実施形態は、ユーザが患者に対するX−線カメラビュー、位置又は配置を選択し、選択された位置及び/又は配置に配置されるX−線カメラにより提供されるX−線画像を生成することを可能にする。したがって、人工的又は合成されたX−線画像又はビューは、実際のX−線カメラがこのような画像を得るために用いられない場合であっても、生成及び提供されてもよい。したがって、特別な注意を必要とする特定の組織又は領域を示すメタデータに基づいて、ユーザは、組織又は対象の領域のX−線のような画像を要求及び/又は提供されてもよい。
【0012】
例示的な実施形態では、CTシステムから受信されたデータは、デジタル画像ベース3Dモデルを生成するために用いられてもよく、このようなモデルは、さらに、例えば、結腸の検査に用いられる結腸内視鏡にフィットされたカメラにより提供されているビューを生成するために用いられてもよい。したがって、このような例示的な実施形態では、結腸のビューの内部態様を露出するビューは、生成及び表示されてもよい。同様に、任意の適用可能な技術又はシステムに関するビュー又は画像は、デジタル画像ベースモデルに基づいて生成されてもよい。したがって、医師又はシステムが画像ベースモデルを生成及び/又は表示する前のメタデータに基づいて、医師は、医師が対象の特定の領域又は組織を見ることを可能にするビューを要求する及び/又は自動的に提供される。いくつかの実施形態では、メタデータに基づいて、特定のビュー(例えば、本明細書に記載されるようなX−線等又は内部ビュー)は、自動的に生成されてもよい。例えば、腸の炎症性疾患を患う患者を示すメタデータに基づいて、上述したような内部の態様を明らかにするビュー又は結腸のビューは、生成及び表示されてもよい。
【0013】
様々なシステムにより生成されるビュー又は画像を生成するための能力は、当業者により高く評価される。このような能力の利点は、第1の画像化システムから受信されたメタデータ及びデータに基づくため、実質的にコスト及び時間を削減し、本発明の実施形態は、本明細書に記載されるような対象の態様を明らかにする第2の異なるシステムに関する出力を提供してもよい。したがって、メタデータに基づくシミュレートされた画像化装置の角度、向き、位置又は配置に関する画像を合成及び提供するための能力は、医師が対象の領域、組織又は他の態様を効果的に検査可能となるように工業的に高く評価されであろう。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような人工的なビューは、本明細書に記載されるような生の画像データに基づいて生成される画像ベースモデルに加えて又はそれに替えて、表示されてもよい。
【0014】
本明細書に記載されるように、メタデータを表示することは、シミュレートされた処置の進捗又は他の態様により集積又は調整されてもよく、そうでなければ提示に関連してもよい。いくつかの実施形態では、メタデータの提示は、ユーザの選択に従ってもよい。例えば、ユーザは、シミュレートされたモデルの位置をクリックしてもよく、そうでなければシミュレートされたモデルに関する位置、解剖学的組織又は領域における対象を選択又は示してもよく、関連性のあるメタデータにより提供されてもよい。他の実施形態では、メタデータの提示は、自動的に合成されてもよく、そうでなければ、進捗、状態、モード又はシミュレートされた処置の事情により調整されてもよい。例えば、シミュレートされた処置に示されるカテーテル、ワイヤー、ステント又は他のシミュレートされたツールの位置に関するメタデータは、自動的に表示されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、シミュレートされたツールが第1の位置から第2の位置へ移動した時に、第1の表示されたメタデータは、第2の位置に関するメタデータが第1の位置に関するメタデータに替えて提示されるように、第2のメタデータにより自動的に再配置されてもよい。したがって、メタデータの提示は、シミュレートされた処置により自動的に合成、一致及び/又は調整されてもよい。例えば、結腸の炎症性疾患を患う患者に関する最近の検査結果は、シミュレートされたモデルにおける結腸を選択又はクリックすると表示されてもよい。別の実施形態では、解剖学的組織の実際のX−線は、シミュレートされた医療ツールが関連するシミュレートされた解剖学的組織に近づいたときに表示されてもよい。
【0016】
図1は、解剖学的領域の画像ベースデジタルモデルを生成する例示的なシステム100を示す。例示的なシステム100は、さらに、本発明の実施形態に係る画像誘導処置をシミュレートするために用いられてもよい。図示されるように、システム100は、多くのユニットを有し、かつ、入力及び/又は出力(I/O)ユニットに動作可能に接続するコンピューティングデバイスを含むことができる。システム100は、入力ユニット105、出力ユニット120、モデル生成ユニット110、シミュレーションユニット115、管理ユニット135、データリポジトリ140、提示ユニット125、メモリ130及びコントローラ131を含むことができる。入力ユニット105は、例えば、システム100をPACSシステム、マウス、キーボード、タッチスクリーン若しくはタッチパッド、又は任意の適切な入力デバイスと通信可能にするネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。入力ユニット105は、シミュレーションツールを操作し、このようなツールのユーザの操作を追跡する手段を含んでいてもよい。例えば、シミュレーションカテーテルのようなシミュレーションツールをユーザが操作することを可能にするために、入力ユニット105に、ハンドル、アクティベーションボタン等のような物理的なオブジェクトを、実際の医療ツールと共に接続してもよい。
【0017】
また、入力ユニット105は、例えば、画像化システムから、データを受けうる有線又は無線のネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよく、ローカルデータリポジトリ140に、取得したデータ、情報又はパラメータを記憶してもよい。いくつかの実施形態に従って、例えば、通信管理ユニットである、メディエーターユニットが、画像保存通信システム(picture archiving and communication systems;PACS)のような医療画像を記憶するシステム又はサーバーと通信するためにNICを利用してもよいし、そのようなシステム、サーバー又はアプリケーションから任意の関連するイメージング情報、データ又はパラメータを得てもよく、また、得られたデータ、情報又はパラメータをローカルデータリポジトリ140に記憶してもよい。出力ユニット120は、可視出力を可能にするために、ディスプレイ画面又はディスプレイ画面とインターフェースで接続するコンポーネントを、また、可聴出力を可能にするために、スピーカ又は別のオーディオ装置を含むことができる。出力ユニット120は、ディスプレイ、スピーカ、及び/又は他の適切な出力デバイスの一又は複数を含んでもよい。出力ユニット120は、ユーザによって動作されたり又は操作されうる物理的な入力デバイスに対して物理的な力又は抵抗(例、摩擦のような抵抗)を与えたり、発生させたり又は生成しうる、力をフィードバックするコンポーネントをさらに含んでもよい。出力ユニット120及び入力ユニット105は、システム100の他のコンポーネント又はユニットと通信してもよく、また、そのようなユニットが外部システムと通信することを可能にしてもよい。ユニット105、110、115、125及び135は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はこれらの任意の適切な組み合せであったり、これらを含んでいてもよい。出力ユニット120は、データを、外部リポジトリと通信可能にし、例えば、処置計画は、出力ユニット120を通じて、外部画像エータリポジトリ145、外部メタデータリポジトリ147又は処置計画を記憶する他のシステムと通信してもよい。
【0018】
また、
図1には、外部画像データリポジトリ145、外部メタデータリポジトリ147及び画像化ユニット146が示される。外部画像リポジトリ145を、任意の適切な又は適用可能なデータベース、リポジトリ又はアーカイブとすることができる。例えば、外部の画像データリポジトリ145を、医療画像管理システム(PACS)のアーカイブ又はリポジトリとすることができる。当技術分野において知られているように、PACSシステムは、医療画像の記憶、検索、分配及び提示のために専用のコンピューティング及び/又は他の装置を含むことができる。様々なフォーマット、例えば、デジタルイメージングアンドコミュニケーション(DICOM)に従って、PACSシステムにおける画像を記憶することができる。通常、PACSシステムは、CT、MRI又は他の画像及び関連するデータのようなアーカイビングデータのためのアーカイビングシステムと、患者特有の情報又はプライベートな情報を電送するためのセキュアなネットワークと、そして場合によっては、アーカイビングシステムから画像又は他のデータを受けるコンピューティングデバイスと、を含んだり又はこれらに動作可能に接続される。本発明のいくつかの実施形態は、例えば、ネットワークに接続されたネットワークインターフェースカード(NIC)を介して、PACSシステムとの通信が可能になるように、PACSシステムと情報をやり取りするように構成することができる。外部メタデータリポジトリ147は、適切な又は適用可能なデータベース、リポジトリ又はアーカイブであってもよい。例えば、外部メタデータリポジトリ147は、本明細書に記載されるような、PACSアーカイブ又はリポジトリであってもよい。いくつかの実施形態では、同一のPACSリポジトリ又はデータベースシステムは、外部メタデータリポジトリ147及び外部画像データリポジトリ145の両方を実装又は支援するように用いられてもよい。いくつかの実施形態では、外部メタデータリポジトリ147は、外部画像データリポジトリ、例えば、PACSシステム又はDICOMシステムと組み合わされてもよい。
【0019】
本発明の実施形態によれば、システム(例えば、システム100)は、データ又はメタデータを受信、そうでなければ取得するために、又は情報又はメタデータを(例えば、ストレージへ)送信するために、任意の適用可能な又は適切なシステムとやり取りする。任意の基準又はプロトコルに応じて記憶される情報は、ネットワーク又はシステム100のように直接接続されたシステムと情報をやり取りするシステムから得られてもよい。本発明の実施形態は、任意の基準又はプロトコルに応じて情報を送信及び/又は受信してもよい。例えば、健康管理記録、データ又はメタデータは、ヘルスレベル7(HL7)電子データインターチェンジ(EDI)又はヘルスインフォマティクスサービスアーキテクチャ(HIS A)のようなプロトコルに従って本発明の実施形態に係るシステムにより(例えば、外部システム又はシステム100により)記憶され、送られ又は受信されてもよい。
【0020】
管理ユニット135は、例えば、ネットワークを介したり、そして場合によっては、所定のプロトコルに準拠すること及び/又は所定のプロトコルを実装することによって、PACSシステムでありうる外部データリポジトリ145と情報をやり取りしてもよい。CT、MRI又は他の画像及び関連するデータを、PACS又は他のシステムからこのように取り出したり、受けたり又は獲得することができ、さらに、本明細書に記載のように用いたり、及び/又は、例えば、データリポジトリ140に、記憶されたりバッファリングされてもよい。管理ユニット135は、例えば、ネットワーク又は通信バスのような直接接続を通じて、関連する、適用可能な又は要求されるメタデータを検索するために外部メタデータリポジトリ147と情報をやり取りしてもよい。例えば、年齢、性別、体重、身長、血圧、心拍数又は他のバイタルサイン、運動習慣、病歴及び/又は検査結果、家系、喫煙習慣、既往症、アレルギー、薬物に対する過敏性、X−線又は様々な領域の画像又は取得可能な任意の医療記録のようなパラメータ、データ又は情報は、外部メタデータリポジトリ147から取得可能であってもよい。簡素化及び明確化のために、単一の外部メタデータリポジトリ147が
図1に示されることがわかる。しかし、システム100は、任意の関連する、適用可能な又は要求されたメタデータを取得するために多数のメタデータリポジトリと情報をやり取りしてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、メタデータリポジトリ147は、メタデータを取得するために、例えば、他の医療機関の他のリポジトリと情報をやり取りしてもよい。さらに別の実施形態では、メタデータは、メタデータリポジトリ147と接続されてもよい、又はそうでなければシステム100と接続されてもよいコンパクトディスク(CD)のようなリムーバブルストレージデバイス及びメディアにより、メタデータリポジトリ147へ提供されてもよい。したがって、本発明の実施形態は、メタデータのソースのタイプ、種類又は他の態様により、あるいはこのようなメタデータが通信及び/又は受信されることにより、制限されない。管理ユニット135は、システム100のコンポーネントと情報をやり取りしてもよく、システム100のオペレーションを調整してもよい。例えば、管理ユニット135は、例えば、データリポジトリ140が外部リポジトリから要求されたデータを受信するために、データリポジトリ140及び外部データリポジトリ145、画像化ユニット146及びメタデータリポジトリ147のような外部データリポジトリのオペレーションを調整してもよい。
【0022】
イメージングユニット146は、コンピュータ断層撮影(CT)、CT蛍光透視、蛍光透視、磁気共鳴画像(MRI)、超音波、陽電子射出断層撮影(PET)及びX線システム又は他の任意の適切な画像化システムのような画像化システムであってもよい。図示するように、外部の画像データリポジトリ145によってイメージングユニット146から医療画像データ及び/又は関連するデータを受けてもよい。外部リポジトリ145は、他の適用可能な供給元から医療画像データを受けてもよい。これは、例えば、リモートのサイト又は病院からネットワークを介して、又はリポジトリ145に接続していてもよいリムーバブル記憶装置によってである。図示したように、システム100は、イメージングユニット146から画像データ及び/又は関連データを直接受けてもよい。図示していないが、システム100は、適用可能な任意の供給元からイメージングデータ及び/又は他のデータを受けることができ、したがって、本発明のいくつかの実施形態は、医療イメージングデータ又は他のデータの供給元の種類、性質又は他の態様によっても、そのようなデータが伝達される方法及び/又は受けられる方法によっても制限されない。
【0023】
モデル生成ユニット110は、例えば、器官の脈管システム又は対象の体内の他の関心分野のような解剖学的構造の3次元解剖学的モデルである、デジタルモデル及びそのグラフィック表現を生成するためのコンポーネント又はモジュールを含むことができる。例えば、入力ユニット105を介してCTシステムから受けた医療画像である、画像化システムから受けた情報に従って、モデルをモデル生成ユニット110によって生成してもよい。本発明のいくつかの実施形態が、解剖学的構造のデジタル画像ベースのモデルを生成する方法又はシステムに制限されないことを理解されるであろうし、そのようなモデルを生成するために本発明の範囲から外れることなく任意の方法又はシステムを用いることができる。画像データに基づいて生成されることに加えて、モデルは、本明細書に記載されるように取得され、かつデータリポジトリ140に記憶されるメタデータに基づいてモデル生成ユニット110により生成されてもよい。例えば、医療分析及び測定に基づいて、より正確なモデルが生成されてもよい。患者から得られる任意の測定、結果、パラメータ又はメタデータは、モデルの生成に用いられてもよい。例えば、測定された血管の様々な部位の直径は、血管のモデリングに用いられてもよい。
【0024】
本発明の実施形態によれば、デジタル画像ベースモデルは、様々な行動態様と関連付けられてもよい。例えば、シミュレーションユニット115は、メタデータに基づいて、モデルを機能させる、そうでなければ特性を示させてもよい。例えば、シミュレートされた医療ツールとのモデル(又はモデルの組織)のやり取りは、特定のモデルに対する仕様であってもよい。例えば、上述した例示的な場合において、堅くなった血管壁を有する高齢患者のモデルは、カテーテルが若い患者のモデルとは異なって反応してもよく、例えば、カテーテルが高齢患者のモデルにおける血管壁に対して押されたとき、壁は、若い患者のモデルの同様の壁のようには折れたり曲がったりしない。デジタル画像ベースモデルは、例えば、年齢、性別、体重、身長、血圧、心拍数又は他のバイタルサイン、運動習慣、病歴及び/又は検査結果、家系、喫煙習慣、既往症、アレルギー、薬物に対する過敏性、X−線又は様々な領域の画像又は他の医療、個人又は関連する情報等の任意の他のメタデータに応じて生成されてもよい。
【0025】
シミュレーションユニット115は、画像誘導処置のシミュレーションを生成するためのコンポーネントを含んでもよい。例えば、シミュレーションユニット115を用いて、画像誘導処置の前処置としてユーザがシミュレーションを行うとき、デジタルモデルのグラフィック描写及びシミュレーションプロセスは、出力ユニット120の1つであるモニタに表示されてもよい。(例えば、モデル生成ユニット110による)解剖学的組織、システム、セクション又は領域のデジタルモデルの生成及び(例えば、シミュレーションユニット115による)処置のシミュレーションは、米国特許出願公開第2009/0177454号に記載されるような方法、システム及び/又は他の態様に従ってもよい。解剖学的組織、システム、セクション又は領域のデジタルモデルの生成は、本明細書に記載されるようなメタデータに基づいて又は従ってもよい。同様に、画像誘導処置のシミュレーションは、メタデータに基づいて又はしたがってもよい。シミュレーションユニット115は、メタデータに基づいて画像誘導処置のシミュレーションを生成するコンポーネントを含んでもよい。例えば、シミュレートされたモデルは、シミュレーションユニット115により、関連するメタデータに関する属性又は特性を示す、含む又は有するようされてもよい。例えば、薬物の(シミュレートされた)投与に対する過敏性又は反応、シミュレートされた医療ツールとの情報のやり取り、又はシミュレートされたモデルの他の態様又は作用は、関連する患者のメタデータに従って又は基づいてもよい。
【0026】
コントローラ131は、中央処理ユニットプロセッサ(CPU)のような適切なコントローラ又は処理ユニットであってもよい。メモリ130は、任意の適切なメモリのコンポーネント、デバイス、チップ又はシステムであることができ、コントローラ131によって実行されてもよいアプリケーション又は他の実行可能コード、及び/又は、例えば、コントローラ131によって実行されるアプリケーション又はプログラムによって用いられうるデータである、データを記憶してもよい。例えば、モデル生成ユニット110及び/又はシミュレーションユニット115を実装する実行可能コード、アプリケーション又はモジュールを、メモリ130にロードし、コントローラ131によって実行してもよい。
【0027】
本明細書に記載されるようなシステム100は、例示的なシステムであることが理解される。本発明の実施形態によれば、システム100は、単一のコンピュータ装置に実装されてもよく、それに替えて、分散された構成において、2又はそれ以上のコンピュータ装置に実装されてもよい。例えば、モデル生成ユニット110は、第1のコンピュータ装置で動作してもよく、第1の管理ユニットにより管理されてもよい一方で、シミュレーションユニット115は、別のコンピュータ装置で動作してもよく、第1の管理ユニットと通信する第1の管理ユニットにより管理されてもよい。別の例示的な実施形態では、管理ユニット135は、コンピュータ装置で動作してもよく、モデル生成ユニット110は、第2のコンピュータ装置で動作してもよく、シミュレーションユニット115は、第3のコンピュータ装置で動作してもよい。
【0028】
提示ユニット125は、シミュレーション処置及び関連する医療画像データのビデオ、オーディオ又は他の態様を、制御、調整又は管理することができる。例えば、提示ユニット125は、複数の供給元からデータ、パラメータ又は他の情報を受け、受けた又は獲得したデータをユーザに対する提示に取り入れてもよい。提示ユニット125は、単一の提示内にて、多くの供給元からの情報の提示を調整、同期、又はその他関連させることができる。
【0029】
例えば、提示ユニット125は、画像誘導シミュレート処置の提示及び/又はパフォーマンスを同時に調整又は行ってもよいと本明細書に記載されるように、例えば、患者のメタデータの表示である、メタデータの提示を調整したり又は同期することができる。代替的に又は付加的に、提示ユニットは、ユーザ選択に従って情報の提示を発生させることができる例として、また、本明細書に記載したように、そのような選択に従って、ユーザからのビュー選択を受けてもよいし、また、関連するメタデータを提示することができる。管理ユニット135は、任意のモジュール、ユニット、アプリケーション又は他の適用可能なエンティティーと情報をやり取りすることができ、流れ、処置又は本書に記載されるような他の態様の協調、スケジューリング、アービトレーション、監督及び/又は管理を行うことができる。例えば、管理ユニット135は、処置計画の提示を調整又は同期してもよい。
【0030】
図2が参照され、本発明のいくつかの実施形態に係る解剖学的構造の患者に特有のデジタル画像ベースモデルを生成し、画像誘導処置をシミュレーションする方法を説明する例示的なフローチャート図を示している。本方法は、特定の被験者又は治療を受ける患者に関する特定の患者に関する医療画像データ及びメタデータを受信することを含んでもよい(ボックス210)。医療画像データは、例えば、CT又はMRIスキャナのような画像化又はスキャニングシステム、若しくは画像保存通信システム(picture archiving and communication systems;PACS)のような外部画像データリポジトリから直接受信してもよい。当業者には理解されるように、医療画像データは、他の適用可能な情報源から受信されてもよい。メタデータは、メタデータリポジトリ、データベース又は他の情報源、例えば、本明細書に記載されるメタデータリポジトリ147から直接受信してもよい。当業者には理解されるように、メタデータは、他の適用可能な情報源から受信されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、受信された医療画像データ及びメタデータは、データリポジトリ140のようなデータリポジトリ内にローカル又は内部的に記憶されてもよい。いくつかの実施形態によれば、受信されたデータに基づいて、データは生成されてもよい。例えば、本明細書に記載されるように、300枚のCT画像及びメタデータのセットに基づいて、拡張された600枚のセットが生成されてもよい。例えば、初めの画像のセットを検査し、かつさらに、特定の患者に関するメタデータを検査することにより、本発明の実施形態、例えば、コントローラにより実行される実行可能なコードは、追加の画像を生成又は作成してもよく、それによって新たな画像のセットが作成されてもよい。例えば、画像単位の1センチメートル(1cm)の動き当たりの単一の画像を得ることによる与えられた画像のセットが生成された場合、新たなセットは、画像化ユニットの1/2センチメートル(1/2cm)の動きを反映するために画像を人工的に生成することにより生成されてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、元のセットにおける2つの連続的な画像に基づき、さらに本明細書に記載されるようなメタデータに基づいて、追加画像は、例えば、2つの画像間の変位を観察することにより、及び関連するメタデータにより反映される様々な態様を観察することにより、人工的に生成されてもよい。例えば、本明細書で説明されるメタデータに基づいて、本発明の実施形態は、対象となる特定の領域の人工的な画像を生成してもよい。例えば、特定の疾患又は病態を示すメタデータに基づいて、関連する画像は、高い解像度を求めてもよい。したがって、メタデータに基づいて、追加の人工的な画像は、特定の領域のよりよい視野を提供するために生成されてもよい。画像の生成又は他の医療画像データに基づくこのようなメタデータは、自動的又はユーザの選択に基づいてもよい。例えば、患者の検討したメタデータを有すると、医師は、生成されたモデルが要求される特定の領域の高い解像度を求めてもよい。このような場合に、医師は、このような高い解像度により生成された領域を選択してもよく、又はより多くの画像に基づいてモデル化されたこのような領域を有してもよい。このような選択に基づいて、追加又は人工的な画像は、本明細書に記載されるように生成されてもよい。
【0033】
他の実施形態では、メタデータに基づく人工的な画像の生成は、自動的であってもよい。例えば、システム100は、追加の画像を自動的に生成する、又は特定のパラメータ、値又は患者のメタデータに関する他の基準に基づいて取得可能な特定領域当たりの最小の画像の数を突き止めるように構成されてもよい。例えば、心臓の取り得る病態を含むメタデータは、少なくとも、画像化ユニットの1/4センチメートル(1/4cm)の動きを反映する解像度が、心臓又はデジタルモデルにおける心臓周辺の特定の領域のために実現されるように、追加の人工的な画像を生成してもよい。任意の他の規則又は基準は、同様に、任意飲めたデータ及び/又はモデル化された領域又は解剖学的組織に関連して構成されてもよい。
【0034】
人工的に生成された画像は、コヒーレントであり、生体構造又は関連する患者の他の態様を適切に示す新たなセットの画像を生成するために、2つの関連する元の画像間に挿入されてもよい。このような画像の生成は、本明細書に記載されるように、本発明の実施形態が、よりよい解像度を提供することを可能にし、医療データの相関及びシミュレートされた処置を向上させることが可能となる。メタデータに基づくこのような画像の生成は、本発明の実施形態が、メタデータに基づいて選択的な解像度を提供可能にし、よって、病態又は本明細書に記載される関連するメタデータにより反映されるような患者の他の態様に基づいて、できる限り自動的に、対象の特定の領域に対する高い解像度を提供可能にする。本明細書に記載されるような本発明の実施形態に対して取得可能なメタデータは、メタデータに基づいて患者の高度に関連する医療態様、自動的、選択的及び/又はそうでなければ追加又は人工的な画像を生成することに関するため、よって、自動的及び/又は選択的に解像度及び/又はモデルの選択された領域又は解剖学的組織の精度を増大し、本発明の態様が高く評価される。本明細書に記載されるように受信又は拡張された画像のセットは、例えば、データリポジトリ140内にローカルで記憶されてもよい。
【0035】
本明細書に記載されるように、例えば、画像化システムにより取得される、及び画像化システムから受信される生の医療画像データは、処理されてもよい。医療画像データを処理することは、本明細書に記載されるようなモデルに基づいてビュー又は画像を生成する前に行われてもよい。例えば、レンダリングのためのピクセルは、取得されるピクセル又は他の画像関連データに適用される補間によって生成されてもよい。例えば、CTスライスは、取得されたCTスライスの補間により人工的に生成されてもよい。従来から知られているウィンドウィングトランスフォーメーションは、例えば、画像化システムから受信される又は本明細書に記載されるように人工的に生成される画像のコントラスト又は輝度のような態様を強める、変える又はそうでなければ修正するために、本発明の実施形態により医療画像データに適用される処理の別の例であってもよい。任意のこのような処理は、メタデータに基づいてもよい。例えば、特定の領域又は解剖学的組織のコントラスト又は輝度のような態様は、メタデータに基づいて強められる又は変更されてもよい。例えば、既知の疾患は、特定の領域又は解剖学的組織に影響を及ぼすことが知られている。したがって、患者のメタデータにおけるこのような疾患(又はこのような疾患の可能性)の指示に基づいて、影響を及ぼされやすい領域又は組織のコントラスト又は輝度は増加されてもよい。いくつかの実施形態では、DICOMタグが用いられてもよい。例えば、DICOMタグネーム“WindowCenter” (0028, 1050)及び/又はDICOMタグネーム“WindowWidth” (0028,1051)は、セグメンテーションプロセス又は患者特有のデジタル画像ベースモデルを生成することに関連する他のオペレーションのための閾値を設定するために用いられてもよい。
【0036】
ボックス215に示すように、本方法は、医療画像データ及びメタデータに基づいて解剖学的構造の患者特有のモデルを生成することを含んでもよい。解剖学的構造の生成は、ボックス210により示されるように受信され、及び/又は本明細書に記載されるように生成されたときに、医療画像データ及びメタデータの検査及び/又は処理に基づいてもよい。画像化データが患者特有、例えば、実際の特定の患者を画像化又はスキャニングすることにより生成された、又は特定の患者の画像データ及びメタデータに基づいて拡張されたものである場合、解剖学的モデルは、また、特定の患者であってもよく、すなわち、本明細書に記載されるように生成されたモデルは、特定の、実際の患者を表してもよい。モデルの生成は、米国特許出願公開第2009/0177454号に記載されるような方法、システム及び/又は他の態様に従ってもよい。本明細書にさらに記載されるように、デジタルモデルは、メタデータに基づいて生成されてもよい。解剖学的構造の患者特有のモデルは、例えば、病歴、医師の診断又は意見、患者が摂る薬物治療等の患者に関連する任意のメタデータに基づいて生成されてもよい。
【0037】
例えば、以前の検査に基づいて、患者の血液系におけるプラークタイプは、患者のメタデータに基づいて知られる又は推定されてもよく、シミュレートされたモデルは、このような既知の又は推定されたプラークタイプに基づいてもよい。プラークタイプは、処置のシミュレーションに影響を与えてもよい。例えば、狭窄のプラーク割合が60%である場合、生成されたモデルは、この割合を反映してもよい。病変に関するメタデータは、メタデータの別の例であってもよい。本明細書に記載されるような、モデルの生成及び/又はシミュレートされた処置に用いられてもよい。いくつかの実施形態では、モデルの特定の組織は、メタデータに基づいて生成又はモデル化されてもよい。例えば、不完全な情報は、メタデータを用いて補われてもよい。例えば、画像化システムから受信されたデータは、例えば、血管のような組織のセクションをモデル化するためにのみ十分であってもよいが、血管全体又は要求される血管の追加のセクションをモデル化するためには不十分であってもよい。このような例示的な場合、血管としての特定の組織を識別するメタデータに基づいて、モデル生成ユニット110は、血管の十分な部分がモデル化されるように、血管を拡張してもよい。他の場合には、病変又は他の現象は、メタデータに基づいてモデル化されてもよい。例えば、血管の損傷、組織の変形又は他の態様は、それらが画像化データに反映されない場合、例えば患者から得られたCT画像に反映されない場合であっても、メタデータに基づいてモデル化されてもよい。
【0038】
ボックス220により示されるように、本方法は、メタデータに基づいて、画像誘導処置で用いられる物理的な医療ツールを提案することを付加的に含んでもよい。例えば、メタデータに基づいて、カテーテルモデル又はタイプ、バルーンタイプ又はサイズ、又はワイヤティップは、全てが提案されてもよい。従来技術で知られているように、異なる医療ツール又は医療ツールのタイプは、異なる患者及び/又は異なる患者の病態に適していてもよい。例えば、第1のカテーテルは、第1の疾患又は病態を患う若い男性患者に適しており、第2のカテーテルは、第2の疾患又は病態を患う若い女性患者に適しており、第3のカテーテルは、第3の疾患又は病態を患う高齢の女性患者に適していてもよい。したがって、メタデータから決定される疾患、医療状況又は任意の態様に基づいて、カテーテルのような医療ツールは、ボックス220により示されるように自動的に提案されてもよい。
【0039】
ボックス225により示されるように、本方法は、メタデータに基づいて、画像誘導処置に関する患者に投与される物質又は薬物を提案することを付加的に含んでもよい。例えば、メタデータに基づいて、(例えばバルーン又はステントを展開する前の)ヘパリン又は(例えば、頸動脈がシミュレートされるときの)ニトログリセリン及び/又は(例えば、特定の血圧現象がシミュレートされるときの)アトロピンの投与は、シミュレーションユニット115により自動的に提案されてもよい。投与されることを提案する薬物のタイプは、メタデータに基づいて選択されてもよい。
【0040】
従来技術で知られているように、異なる薬物又は医薬は、異なる患者及び/又は異なる病態に適していてもよい。例えば、第1の薬物及び/又は投薬量は、第1の疾患又は病態を患う若い女性患者に適しており、第2の薬物及び/又は投薬量、医薬又は物質は、第2の疾患又は病態を患う若い男性患者に適しており、第3の薬物及び/又は投薬量、医薬又は物質は、第3の疾患又は病態を患う高齢の男性患者に適していてもよい。したがって、本明細書に記載されるメタデータから決定される疾病、病態及び/又は任意の態様に基づいて、医薬又は物質又はタイプ及び投与及び/又はその導入の率、例えば、鎮静剤の投与の量及び率は、ボックス225により示されるように自動的に提案されてもよい。薬物又は医薬の導入又は投与に関する任意の態様は、本明細書に記載されるメタデータに基づいて自動的に提案されてもよい。例えば、薬物又は医薬のタイプ及び投与量、投与の率及び/又は位置、又は(静脈又は消化管を通じた)他の手段は、本明細書に記載されるメタデータに基づいて全て提案されてもよい。投与の方法及び本明細書に記載されるような他の態様と共に、薬物又は医薬の選択のこのような自動化は、時間を削減し、さらに、誤った決断を回避することを助け、したがって、本発明の高い価値のある特徴又は態様となってもよい。提案された多数の医療ツール、薬物及び/又は投与の方法は、提案された意見のこのような数のうちの1つを選択したユーザへ提示又は表示されてもよい。
【0041】
いくつかの本発明の実施形態によれば、使用される要素は、メタデータ及び/又はシミュレートされるモデルに基づいて提案されてもよい。他の実施形態では、要素は、患者のメタデータに基づいて自動的に選択されてもよい。例えば、第1のステントは、若い患者用に提案されてもよく、高齢の患者により適切である第2のステントは、患者のメタデータに示されるような患者の年齢に基づいて自動的に提案又は選択されてもよい。他のエレメントは、患者のメタデータに基づいて選択されてもよく、例えば、腹部大動脈瘤(AAA)及び/又は胸部大動脈瘤(TAA)シミュレーション処置で用いられるエンドグラフト、抹消塞栓シミュレート処置におけるコイル、オープン脳神経外科シミュレート処置において用いられるクリップ、又はオープン腹部外科シミュレート処置において用いられるスリーブは、患者のメタデータに基づいて、シミュレーションユニット115により、自動的に提案されてもよく、自動的に選択されてもよい。
【0042】
本発明の実施形態によれば、追加のボックス220、225及び230により示されるような医療ツール又は薬物を提案することに基づいて、本方法は、医療ツールの選択及び投与される薬物の選択及び使用するための要素を受信することを含んでもよい。本発明の実施形態によれば、本明細書に記載されるような医療ツール、薬物又はエレメントの提案は、写実的(graphically)になされてもよく、例えば、コンピュータ装置又はコントローラ131等のコントローラに動作可能に接続されるディスプレイに表示されてもよい。したがって、選択は、(例えば、タッチスクリーンの場合に)ディスプレイと相互作用(情報をやり取り)することにより行われてもよく、従来から知られているポイント及びクリック装置及び/又はキーボードを用いて行われてもよい。例えば、ユーザは、表示され、提案された医療ツール、エレメント、薬物及び/又は投与の方法のうちの1つをクリックしてもよい。別の実施形態では、医療ツール、エレメント及び/又は投与される薬物は、メタデータ又は他の考慮すべき事項、態様又は基準に基づいて受信することを選択されてもよい。例えば、患者の年齢に基づいて、カテーテルは、選択されてもよく、例えば、小さなカテーテルは、若い患者用に選択されるが、大きなカテーテルは、年配の患者用に選択されてもよい。同様に、特定の第1の疾患を患う患者用に最も適した第1の薬物は、投与のために選択されるが、第2の薬物又は医薬は、異なる第2の疾患を患う第2の患者用に選択されてもよい。
【0043】
ボックス230により示されるように、本方法は、メタデータに基づいて、画像誘導処置に関連して用いられるエレメントを提案することを追加で含んでもよい。例えば、患者の年齢に基づいて、ステンとタイプ又はサイズが提案されてもよい。提案されうる他のエレメントは、エンドグラフト、コイル、クリップ及び/又はスリーブであってもよい。エレメントに関する任意のパラメータは、提案されてもよい。例えば、エレメントの大きさ、タイプ、位置又は向きは、年齢、性別、病歴、及び/又は医師の診断、(過去に患者を検査し、好ましい処置及び/又はエレメントを示した)医師によるエレメントの提示であってもよいメタデータに基づいて全て提案されてもよい。
【0044】
ボックス235により示されるように、本方法は、解剖学的構造、メタデータ、選択されたツール、選択されたエレメント、及び選択された薬物のモデルに基づいて画像誘導処置のシミュレーションを行うことを含んでもよい。本明細書に記載されるように、画像誘導処置のシミュレーションは、関連する実際の処置の任意の態様をシミュレートすることを含んでもよい。例えば、医師は、フォースフィードバックシステムによりフィードバックが提供された医療ツールを操作してもよく、デジタルモデルは、例えば、医療ツール及び/又は投与された薬物への反応、充血又はショック等の状態の仮定のような実際の生活行動を示すために造られてもよい。可能な限りリアルなシミュレートされた処置を生じるモデル及びツールの態様又は行動は、本明細書に記載されるようなシステム100のコンポーネントにより行われてもよい。例えば、コントローラ131は、モデルに、シミュレートされた医療ツール及びシミュレートされた薬物又は医薬の投与に対する任意の実際の生活又は実際の患者の行動及び/又はリアクションを示させてもよい。
【0045】
本発明の実施形態によれば、シミュレートされた処置は、解剖学的モデルのグラフィカル表現を含んでもよい。医療又は他のツールのシミュレートされたモデル(本明細書に記載されるように選択された)のような追加情報と共にモニタに表示されるいくつかの実施形態では、解剖学的構造又は組織のグラフィック表現並びにツール及びエレメントのグラフィック表現は、例えば、動く、曲げる、接触する、圧力又は薬に反応する、出血する等の実際の解剖学的又は物理的な質、特性、性質又は態様を示してもよい。本明細書に記載されるように、質、特性、性質又はモデルの他の態様は、メタデータに基づいて又は従ってもよい。例えば、モデルは、特定の病態を患う特定の患者のような態様又は行動を示してもよい。例えば、シミュレートされた心拍、出血の傾向、導入された薬物への反応は、特定の患者のメタデータに全て基づいてもよい。画像誘導処置のシミュレーションは、例えば、時間を変化又は時間と共に変化する、操作に応じて形状を変える、又は医療ツール又は物質と相互作用する、出血する又はそうでなければ実際の解剖学的組織の振る舞い及び関連するツール、エレメント、医薬又は関連するメタデータに係る他の態様を提示する又は表示する、本明細書に記載されるようなモデルが回転される又はそうでなければ位置付けられる、又は実際の解剖学的システムを模倣する、解剖学的組織の画像又はグラフィック表現を含んでもよい。例えば、カテーテル、ステント又は他のツール装置、又はエレメントは、全て示され、かつさらにシミュレートされてもよい。本明細書に記載されるようなモデルを生成するために用いられる医療画像データ及びメタデータが特定の患者である場合、本明細書に記載されるような生成されたモデルは、また、特定の患者であってもよく、したがって、本明細書に記載されるような処置のシミュレーションは、特定の患者であってもよく、すなわち、実際の特定の患者で行われる実際の処置を反映、シミュレート、そうでなければ関連させてもよい。したがって、医師は、実際の手術の前処置(例えば、外科的なリハーサル又は外科的なシミュレーション)、処置の計画の一部、トレーニングセッション又は術後処置として、画像誘導処置のコンピュータシミュレーションを行ってもよい。
【0046】
ボックス240により示されるように、本方法は、画像誘導処置のシミュレーションを行っている際に、メタデータを提示することを含んでもよい。例えば、関連するメタデータの提示は、画像誘導処置の関連するシミュレーションの実行と同時に行われてもよく、同時であってもよい。いくつかの実施形態では、メタデータの提示は、同期されてもよく、そうでなければ進捗、状態、モード、事情又はシミュレートされた処置の任意の関連する態様により調整されてもよい。したがって、メタデータが特定の患者に関連する場合には、本明細書に記載されるモデル及びシミュレーションは、同様に患者特有であってもよく、患者特有のメタデータは、例えば、シミュレート処置が進行中の間、シミュレートされた処置と共に表示されてもよい。例えば、単一のディスプレイは、
図3に示すような、メタデータ及びシミュレートされた処置を同時に提示するために用いられてもよい。
【0047】
本発明の実施形態に係るシミュレートされた医療処置、メタデータ及び/又は他の情報を集積した提示に関する例示的なスクリーンショット300を示す
図3がさらに参照される。
図3により示されるように、ディスプレイは、例えば、4つの領域310、320、330及び340のような多数の領域に分割されてもよい。第1の領域310は、シミュレートされた処置に関するものであり、したがって、解剖学的構造の患者に特有のデジタル画像ベースモデルを示してもよい。この例示的なディスプレイでは、画像ベースモデルは、結果を示す。領域310は、さらに、シミュレートされた処置時にユーザにより操作される物理的に治療介入する医療ツールを示すシミュレートされた又は仮想的な医療ツールモデルを表示してもよい。例えば、カテーテル312は、血管311に対して示されてもよい。シミュレートされた処置は、例えば、解剖学的組織及びツールの反応又は他の行動又は他の態様と共に、(例えば、本明細書に記載されるようなメタデータに基づいて)医師により取られるアクションの結果としてカテーテルの動きを示すことを含んでもよい。例えば、シミュレーションの進捗として、カテーテル312は、血管311を通じて移動するように示されてもよく、血管311は、移動、曲げ、又はそうでなければ実際に生きている組織によって通常見える又は示されるような現象に反応する又は表すように示されてもよい。血管311のこのような態様は、本明細書に記載されるようなメタデータに基づいてもよい。例えば、高石灰化血管を生じることで知られる疾患を患う患者の血管311は、健康な患者の血管311とは異なるカテーテル312の曲げ、又はそうでなければ反応するように造られてもよい。
【0048】
図3の320により示されるように、第2の領域又はエリアは、関連するメタデータを提示することに専用又は関連してもよい。例えば、及び示されるように、患者の年齢、体重及び他のメタデータ情報が示されてもよい。本明細書に記載されるように、様々な情報、提示モード及び他の機能は、メタデータの提示について可能となってもよい。例えば、領域320におけるメタデータの提示は、シミュレーション領域310で示される、シミュレートされたツール又はシミュレートされたツールの一部の位置に相関性がある又は同期されてもよい。例えば、特定の位置又は領域に関するメタデータは、カテーテル311又はカテーテル311の先がこのような特定の位置又は領域に近接した場合に、領域320に表示されてもよい。
【0049】
例えば、第1の位置に関連するメタデータは、カテーテル312の先がこのような第1の位置から所定の距離内にあるとき、領域320に提示されてもよい。シミュレートされた処置が進み、カテーテル312が第2の位置又は配置に移動したとき、このような第2の位置又は配置に関連するメタデータは、例えば、カテーテル312の先がこのような第2の位置から所定の距離内にあるとき、領域320に提示されてもよい。本明細書に記載されるような提示又は関連するメタデータによるシミュレートされたモデル及び/又は処置の相関、同期、調整及び/又は集積は、任意の適用可能な設計又は構成に応じて実装及び/又は行われてもよい。例えば、
図1により示されるように、提示ユニット125は、任意の関連する情報又は状態、事情、進捗又はシミュレーションの他の態様に関連するパラメータを取得するために、シミュレーションユニット115と情報をやり取りしてもよい。提示ユニット125は、さらに、関連するメタデータを取得し、かつさらにこのようなめたデータの表示を生じるために、データリポジトリ140(又は任意の他の適用可能なデータリポジトリ)と情報をやり取りしてもよい。したがって、シミュレーション及びメタデータに関連する任意の関連する情報を保有し、提示ユニット125は、シミュレートされた処置によるメタデータの提示を調整、同期又はそうでなければ関連付けてもよい。
【0050】
例えば、シミュレートされた処置用に用いられるシミュレートされたモデルは、メタデータに基づいて生成されてもよく、シミュレートされたモデルは、関連するメタデータに対するリファレンスを含んでもよい。従来から知られているように、多数の物体、構造又はエレメントに関するクロスリファレンスは、デジタルエレメント、データオブジェクト又は他の構造と互いに関連付けられるために使用されてもよい。例えば、シミュレートされたモデルの特定の領域又は体積は、本明細書に記載されるような特定のメタデータに基づいて又は従って生成されてもよい。したがって、シミュレートされたモデルにおけるエレメントに関連するクロスリファレンス及びメタデータ情報、パラメータ又はエレメントは、シミュレートされたモデル及び/又は関連するメタデータによる処置の提示を相関し、調整し、同期し、そうでなければ関連付けるために維持され、かつ使用されてもよい。例えば、提示ユニット125は、モデルが生成される(例えば、モデル生成ユニット110によって)ことに基づいてメタデータへの基準を受信又は取得してもよく、リポジトリ140からの関連するメタデータパラメータ又は値を用い、さらに320により示されるようにメタデータパラメータを表示してもよい。本明細書に記載されるようなメタデータの集積された提示及びシミュレートされたモデルが生成される。例えば、(図示しないが)領域320にメタデータを表示することに替えて又は加えて、メタデータは、シミュレーション領域310に表示されてもよい。例えば、本明細書に記載されるようなクロスリファレンスを用いて、特定の領域又は解剖学的組織に関するメタデータは、当該領域又は組織の近傍(例えば、オーバーレイモードで)又は近接して表示されてもよい。
【0051】
330により示されるように、第3の領域は、システム100のオペレータに対して命令、提案又は他のガイダンスを表示するために用いられてもよい。このようなガイダンスは、メタデータに基づいてもよい。例えば、特定の薬物に対する患者の取り得る過敏性を示すメタデータに基づいて、このような薬物の量を削減する提案は、領域330に表示されてもよい。別の例は、投薬量を増加するため、又は特定の医薬を投与するための提案であってもよい。例えば、メタデータに基づいて、処置のパフォーマンスを軽減又は助ける薬物を希釈した血液を患者が必要とするかどうかを判断してもよい。したがって、適切な薬剤又は医薬を導入するための提案は、領域330に提示されてもよい。
【0052】
本発明の実施形態によれば、モニタされたパラメータは、定義又は選択されてもよい。条件付き演算は、モニタされた又はトラックされたパラメータに対して定義される、又は関連付けられてもよい。例えば、シミュレートされたバイタルサイン、例えば、シミュレートされたモデルの血圧又は心拍は、モニタされてもよい。アラーム条件又は他の基準は、モニタされたパラメータに関連付けられてもよい。例えば、ユーザの定義又は選択に応じて、アラームは、デジタルモデルにより生成された心拍信号が所定のレートを超えるときに、始動されてもよい。パラメータ、条件又はデジタルモデルに関する他の態様をモニタすることは、任意の基準、規則、閾値、限界、量、レベル又は他の品質又はパラメータに基づいてもよい。パラメータをモニタすることは、リアルタイムで行われてもよく、例えば、患者のバイタルサインは、シミュレートされた処置が進行中である、例えば、実際の(シミュレートされない)処置が行われている間に、モニタされてもよい。アラームを示すこと、及び/又はそうでなければトラック又はモニタされたパラメータに関する情報を提供することは、リアルタイムで行われてもよい。例えば、超過した露出持続時間を示すことは、シミュレートされた処置時に、リアルタイムで行われてもよい。モニタされたパラメータに関連する任意の情報は、記憶されてもよい。例えば、記憶された処置計画は、関連する又はトラックされたパラメータに関する値を含んでもよい。例えば、アラーム条件を検出すると、アラームが発生し(例えば、処置の開始からの関連時間)、アラーム条件及び任意の他の関連情報を生じる値、レベル、又は量は、例えば、処置計画に記録されてもよい。他の記録スキームも可能であり、例えば、モニタされたパラメータに関する情報を記録することは、周期的、連続的又はその反対が行われてもよい。
【0053】
340により示されるように、第4の領域は、メタデータに基づいて生成されるアラーム又は他の指示を表示するために用いられてもよい。例えば、メタデータに基づいて、放射線に露出することに関連する一又はそれ以上の限度が算出されてもよい。例えば、高齢者に対する最大露出期間及び/又は放射線強度は、若年者の患者に対するものと同一でなくてもよい。例えば、性別、薬物に対する過敏性等の他の基準は、処置の様々な態様に全て関連してもよい。したがって、アラーム、警告又は他の指示は、処置及びメタデータに基づいて生成されてもよく、記載されるように、領域340に表示されてもよい。他の領域(図示せず)は、ユーザインターフェース要素、例えば、ユーザが、シミュレートされた処置及び医療データの表示の様々な態様を制御することが可能なグラフィカルユーザインタフェース(GUI)対象物を含んでもよい。例えば、警告の色、音等の様々な態様は、例えば、従来から知られているような技術で選択又は制御されてもよい。別の実施形態では、他の領域は、ディスプレイに示されてもよい。例えば、医療ツールの位置に関するCTスライスは、例えば、別の領域又はモデルにオーバーレイされて示されてもよい。
【0054】
メタデータの提示は、例えば、様々な制約、条件、イベント又はシミュレートされた処置に関する他の態様に応じて自動的にされてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、メタデータは、例えば、進捗、状態及び/又はシミュレートされた処置に関連する事情に基づいて、自動的に選択、提示、置換又はそうでなければ操作されてもよい。例えば、チェックボックス(図示せず)は、ツール又はツールの一部の位置に基づいてメタデータを提示するモードをユーザが選択可能にしてもよい。例えば、“follow tip”のチェックボックスをチェックすることは、本発明の実施形態が、例えば、カテーテル312の先のようなシミュレートされたカテーテルの先の位置に基づいて、メタデータの提示を更新させてもよい。領域310、320、330及び340の他の配置は、可能及び/又はユーザ設定可能であってもよい。したがって、メタデータの提示は、シミュレートされた処置の進捗に基づいてもよい。それに替えて又は加えて、メタデータは、シミュレートされたモデルにおける位置又は領域の選択に基づいて提示されてもよい。例えば、選択の検出、例えば、シミュレートされたモデルの特定の位置又は要素でマウスをクリックすると、関連する情報は、例えば、
図3の領域320のような専用の領域又はエリアに表示されてもよい。したがって、医師は、シミュレートされたモデルに対するメタデータにより提示されてもよい。このような提示は、シミュレートされた処置又はオフラインモードの進行中に行われてもよい。例えば、医師は、シミュレートされた処置を一時停止、停止又は終了してもよく、シミュレートされたモデル(静止又は凍結してもよい)を調べてもよく、さらに、例えば、モデルの対象の位置をチェックすることによりモデルの特定の位置に関するメタデータをレビューするために選択されてもよい。シミュレートされたモデルでの選択又は位置に基づくメタデータを提示することは、本明細書に記載されるようなクロスリファレンスを用いることにより実現されてもよい。
【0055】
図2に戻り、ボックス245により示されるように、フローは、メタデータ基づく画像誘導処置の実行及びシミュレートされた画像誘導処置の進行においてユーザを誘導することを含んでもよい。例えば、ガイダンスは、本明細書に記載されるような
図3の領域330に提供されてもよい。250により示されるように、フローは、メタデータ及び画像誘導処置のシミュレーションの進捗に基づいて、アラーム条件及びアラーム条件の指示の提供を判断することを含んでもよい。例えば、シミュレートされたモデルの様々な態様は、メタデータに関連してもよく、これに従って、アラーム条件は、判断されてもよい。例えば、高齢患者の特定の心拍は、高すぎる又は危険であると判断され、アラームが発生させられ、システム100のオペレータに提供される一方で、患者が幼児の場合には、同一の心拍は、アラームを発生させなくてもよい。同様に、薬物の導入の後に直ぐに特定の心拍は、通常であるとみなされ(例えば、薬物が心拍を増加させると知られている場合)、薬物の導入のため、特定の時間間隔が経過した場合に、同一の心拍は、アラームを発生させ、かつ表示又は提供させてもよい。したがって、アラーム、警告又は他の指示は、少なくとも部分的に、関連するメタデータ及び/又はシミュレートされた処置の進捗に基づいてもよい。
【0056】
ボックス255により示されるように、フローは、データベースに画像誘導処置のシミュレーションに関する情報を記憶することを含んでもよい。例えば、表示されるメタデータ、オペレータのアクション、シミュレーションのスナップショット及び表示され、そうでなければ提供される任意の情報を含むシミュレーション処置全体は、例えば、PACSアーカイブ又は任意の適切な又は適用可能なデータベース、リポジトリ又はアーカイブに記録及び記憶されてもよい。シミュレーション処置におけるシミュレートされたツール、薬物及びエレメントの選択、提案及び/又は使用は、全てが記録及び記憶されてもよい。例えば、シミュレートされた処置全体及び任意の関連する情報、データ又はパラメータは、例えば、メタデータに関連付けられる患者で行われる実際の処置のような実際の処置を計画又は準備するために、後の段階で用いられてもよい処置計画として記憶されてもよい。
【0057】
例えば、ボックス255により示されるような記憶された処置計画は、例えば、シミュレートされた処置を再生することにより、又はそうでなければ記憶された処置計画における情報を提供することにより、シミュレートされた処置時になされた任意の提案又は選択が、医師に示される又は指示されるように、シミュレートされた処置時に提案及び選択されたツール、要素及び薬物を含んでもよい。記憶された処置計画における他のパラメータ又はデータは、C−アーム位置、向き又は角度、任意の関連する病害データ及び/又はシミュレートされた画像であってもよい。処置計画は、任意のストレージに記憶されてもよい。一般的に、本明細書で用いられるような主要なメタデータ(primary metadata)又は主要なメタデータストレージは、メタデータを記述又は記憶すると共に、メタデータを読み出す又は取得するために用いられるメタデータコンテント又はストレージを示してもよい。例えば、DICOMヘッダは、例えば、メタデータ及びDICOMヘッダ(例えば、DICOMタグを用いて)に書き込んだメタデータに基づいてデジタルモデルを生成するために、例えば、DICOMヘッダ又は他の主要なメタデータストレージ又はコンテントに書かれた任意の結果、コメント又はシミュレートされた処置又は処置計画に関する他の情報のようなDICOMヘッダからメタデータを読み出すことにより主要なメタデータとして用いられてもよい。例えば、主要なメタデータストレージ(であってもよく、メタデータストレージ147を含んでもよい)は、処置計画を記憶してもよい。別の実施形態では、PACSシステムは、例えば、特定の患者に関するDICOMヘッダに処置計画を記憶するために用いられてもよい。
【0058】
処置計画は、任意の関連する態様を含んでもよい。例えば、X−線カメラの位置、カテーテルのルート又はナビゲーション、ツール選択、用いられる薬物、エレメント(例えば、ステントのタイプ及び特性)は、処置計画の一部として全てが記録されてもよい。任意の他の情報は、処置計画に関連付けられて記憶されてもよい。例えば、メタデータ又は画像データ(例えば、一又はそれ以上のCTスライス又は画像)は、処置計画の一部として又は関連付けられて記憶されてもよい。処置計画の一部であってもよいデータの別の例は、本明細書に記載されるようなデジタル画像ベースモデルから生成又は合成されたX−線ビューであってもよい。一般的に、処置計画は、次回の処置のための計画であってもよく、例えば、C−アーム位置又は角度(処置の特定の段階用の)が病変のビュー及びデータ等のような態様に関するアプローチ、介入ツール、合併症の潜在的可能性を判断又は提案してもよい。
【0059】
記憶された処置は、任意の時間で、例えば、システム100へロードされてもよく、例えば、トレーニング、個別指導又は他の適用可能な目的、例えば、処置のための準備を再生してもよい。特定の実施形態では、DICOMを用いて、情報は、DICOM画像又は例えば、DICOM情報と関連付けられたメタデータとしての他の物体と関連付けて記憶されてもよい。処置計画を用いることにより、実際の処置は、改善されてもよい。例えば、レビュー、再生又は他の処置計画を用いることにより、医師が実際の処置のためによりよい準備ができるため、放射線への露出が低減される、及び/又は処置時間が短くなる。例えば、処置計画は、リアルな又は実際の処置時に医師に提示(例えば再生)されてもよい。
【0060】
本発明の実施形態は、コンピュータで実行されたときに、特定の患者に関する医療画像データを受信し、特定の患者に関するメタデータを受信し、医療画像データ及びメタデータに基づいて特定の患者の解剖学的構造の患者特有のデジタル画像ベースモデルを生成することをコンピュータに実行させる命令を有する一時的でないコンピュータ可読媒体を含む物品を含んでもよい。コンピュータで実行されたときに、命令は、デジタル画像ベースモデル及びメタデータのコンピュータシミュレーションを行い、メタデータに基づいてデジタル画像ベースモデルを操作することをコンピュータに実行させてもよい。本発明の実施形態に係る物品は、プロセッサ又はコントローラによって実行された場合に、本明細書に開示された方法を実行する命令例えばコンピュータが実行可能な命令をエンコードする、含む、又は保存する、コンピュータ、又はプロセッサが読取り可能な媒体、あるいは、例えばメモリ、ディスクドライブ、又はUSBフラッシュメモリ等のコンピュータ又はプロセッサ記憶媒体等の物品を含んでよい。
【0061】
本発明の実施形態はこうした点に限定されず、本明細書において用いられる、用語「複数」及び「複数の」は、例えば、「多数の」又は「2つ以上」を含んでよい。用語「複数」又は「複数の」は、2つ以上の構成要素、デバイス、要素、ユニット、パラメータ等を記載するために、明細書を通して用いられてよい。
【0062】
明示的に述べない限り、本明細書に記載された本方法の実施形態は、特定の順序又は順番に縛られない。さらに、記載された方法の実施形態又はその要素の一部は、同時に同じ位置で、あるいは、同時に重複の位置において生じるか、又は実行可能である。当該技術分野において公知であるように、機能、タスク、サブタスク、又はプログラム等の実行可能なコードのセグメントの実行は、機能、プログラム、又は他の構成要素の実行のことであってもよい。
【0063】
本発明の実施形態はこうした点に限定されず、例えば、「処理する」、「算出する」、「計算する」、「決定する」、「確立する」、「分析する」、「チェックする」等の用語を用いた記載は、コンピュータのレジスター及び/又はメモリ内での物理的な(例えば電子的な)量として示されるデータを操作し、及び/又は、操作及び/又は処理を実行するための命令を保存し得るコンピュータのレジスター及び/又はメモリあるいは他の情報記憶媒体内で物理的量として類似して示される他のデータに変換する、コンピュータ、計算プラットフォーム、コンピューティングシステム、又は他の電子計算装置の操作及び/又は処理のことをいってよい。
【0064】
本発明の特定の特徴が本明細書において図示及び記載されているが、多くの変形、置換、変更、及び等価物を、当業者は想起し得るものである。それゆえ、添付の特許請求の範囲は、本発明の真なる趣旨内に当てはまるそのような全ての変形及び変更を包含することが意図されている。