(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(i)過圧で約200℃〜約300℃の温度で反応ゾーンにて、テレフタル酸及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを接触させ、その間に反応ゾーンから水を除去し、ビス(4−メチルシクロヘキシルメチル)テレフタレートを含むエステル化生成物混合物を形成すること、
(ii)芳香環の水素化に有効な触媒の存在下に第一の水素化ゾーンにおいて、前記エステル化生成物混合物を水素と接触させ、ビス(4−メチルシクロヘキシルメチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを含む液体エフルエントを製造すること、
(iii)第二の水素化ゾーンにおいてエステル水素化触媒の存在下に、前記第一の水素化ゾーンからの前記エフルエントを水素と接触させ、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む水素化生成物を製造すること、及び、
(iv)工程(iii)からの(4−メチルシクロヘキシル)メタノールの少なくとも一部を工程(i)にリサイクルすること、
を含む、テレフタル酸からの1,4−シクロヘキサンジメタノールの調製方法。
工程(ii)中のエステル化生成物混合物を、約150〜約350℃の温度及び約50〜約400バールゲージの圧力で水素と接触させ、そして芳香環の水素化に有効な前記触媒は触媒担体材料に堆積されたパラジウム、白金、ニッケル、ルテニウム又はそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
工程(ii)中のエステル化生成物混合物を、約160〜約300℃の温度及び約50〜170バールゲージの圧力で水素と接触させ、芳香環の水素化に有効な前記触媒はパラジウム、ルテニウム又はそれらの組み合わせを含み、そして前記触媒担体材料はアルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、クロム酸化物、グラファイト、炭化ケイ素又はそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
工程(ii)における第一の水素化ゾーンからのエフルエントを、工程(iii)において、180〜約300℃の温度及び約40〜約400バールゲージの圧力で水素と接触させ、そしてエステル水素化触媒は少なくとも1種の第VIII族金属、銅含有触媒又はそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
前記エステル水素化触媒は亜クロム酸銅、酸化銅、ラネーニッケル、ラネーコバルト又はそれらの組み合わせを含み、そして場合により、亜鉛、バリウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、ニッケル、ルテニウム又はランタンにより促進されている、請求項1記載の方法。
前記1種以上の追加のアルコールは1−ブタノール、2−ブタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、1−ヘキサノール、1−ペンタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール又はそれらの組み合わせを含む、請求項19記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
本発明は、テレフタル酸(本明細書中において「TPA」と略す)を(4−メチルシクロヘキシル)メタノール(本明細書中において「MCHM」」)によりエステル化し、このエステルをCHDMに水素化することによる1,4−シクロヘキサンジメタノールの調製方法を提供する。一般的な実施形態において、本発明はテレフタル酸からの1,4−シクロヘキサンジメタノールの調製方法を提供し、その方法は、
(i)過圧で約200℃〜約300℃の温度で反応ゾーンにて、テレフタル酸及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを接触させ、その間に反応ゾーンから水を除去し、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートを含むエステル化生成物混合物を形成すること、
(ii)芳香環の水素化に有効な触媒の存在下に第一の水素化ゾーンにおいて、前記エステル化生成物混合物を水素と接触させ、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを含む液体エフルエントを製造すること、
(iii)第二の水素化ゾーンにおいてエステル水素化触媒の存在下に、前記第一の水素化ゾーンからの前記エフルエントを水素と接触させ、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む水素化生成物を製造すること、及び、
(iv)工程(iii)からの(4−メチルシクロヘキシル)メタノールの少なくとも一部を工程(i)にリサイクルすること、
を含む。
我々の方法に出発材料として使用されるMCHMは1,4−シクロヘキサンジメタノールの製造における副生成物として生じる。このように、このエステル化プロセスは全体としてのCHDMプロセス中に新たな材料(例えば、テレフタル酸ジメチルを生成するためのメタノール)を導入しないので、我々の新規の方法はテレフタル酸からの1,4−シクロヘキサンジメタノールの調製に要求される装置の量を低減し、そして最終製品の精製を単純化する。本発明の方法は、また、イソフタル酸からの1,3−シクロヘキサンジメタノールの調製にも使用されうる。
【0008】
特に明示のない限り、明細書及び特許請求の範囲において使用される成分の量を表す全ての数、分子量、反応条件などの特性は、用語「約」によって全ての場合に修飾されているものと理解されるべきである。したがって、反対の指示がない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に示される数値パラメータは、本発明によって得ようとしている所望の特性に応じて変更しうるおおよその値である。いずれにしても、各数値パラメータは報告された有効数字の数に照らして、そして通常の端数処理技術を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。さらに、本開示及び特許請求の範囲に記載の範囲は、具体的に全範囲を含み、そして端点のみではないことが意図される。例えば、0〜10と記載される範囲は、0と10の間のすべての整数、例えば、1、2、3、4など、及び、0と10の間の全ての分数、例えば1.5、2.3、4.57、6.1113など、及び端点0及び10を開示していることが意図される。また、例えば、化学置換基に関する範囲、例えば、「C1〜C5炭化水素」はC1及びC5炭化水素、ならびに、C2、C3及びC4炭化水素を具体的に含み、そして開示していることが意図される。
【0009】
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータはおおよその値であるが、具体的な実施例に示される数値はできるかぎり正確に報告されている。しかしながら、数値はそれぞれの試験測定において見られる標準偏差から必然的に得られる誤差を生来的に含んでいる。
【0010】
明細書及び特許請求の範囲において使用されるときに、単数形「a」、「an」及び「the」は内容が明らかに決める場合を除いて、複数の言及を含む。例えば、「プロモータ(a promoter)」又は「反応器(a reactor)」との言及は1つ又はそれより多くのプロモータ及び反応器を含むことが意図される。成分(an ingredient)又は工程(a step)を含む組成物又は方法との言及は、記載の1つのものに加えて、それぞれ他の成分又は他の工程を含むことが意図される。
【0011】
用語「含む(containing)」又は「含む(including)」は「含む(comprising)」と同義であり、少なくとも記載した化合物、要素、粒子又は方法工程などが組成物又は物品又は方法に存在しているが、特許請求の範囲において明確に排除しないかぎり、他の化合物、触媒、材料、粒子、方法工程などが、記載したものとの同一の機能を有するとしても、そのような他の化合物、触媒、材料、粒子、方法工程などの存在を排除しないことを意味することが意図される。
【0012】
また、1つ以上の方法工程の言及は、組み合わせで列挙された工程の前又は後の追加の方法工程、又は、明確に特定された工程の間に介入する方法工程の存在を排除しないことも理解されるべきである。さらに、プロセス工程又は成分の文字入れは別々の活動又は成分を特定するための便利な手段であり、そして列挙された文字入れは、特に指示がないかぎり、いかなる順序で配置されてもよい。
【0013】
我々の方法のエステル化工程は高温及び高圧下に反応ゾーンにおいてテレフタル酸とMCHMを接触させること、及び、反応の進行に伴い、エステル化において生成される水を反応ゾーンから除去することを含む。使用されうるアルコール/酸のモル比は、通常、少なくとも2:1である。例えば、MCHM/テレフタル酸の比は約2:1〜約10:1であることができる。エステル化工程におけるアルコール/酸のモル比の幾つかの追加の例は約2:1〜約9:1、約2:1〜約8:1、約2:1〜約7:1、約2:1〜約5:1、約2:1〜約4:1、及び、約2:1〜約3:1を含む。
【0014】
反応速度を改良しそしてテレフタル酸ジエステルへの転化率を改良するためにエステル化反応により生成される水を除去することが有利である。水の除去は蒸留、メンブレン分離、吸着剤の使用又はそれらの組み合わせなどの当業者に知られている従来の任意の手段により行うことができる。例えば、反応の水はエステル化反応からの単純蒸留又はMCHMとの共沸蒸留により除去されうる。共沸蒸留では、MCHM/水共沸混合物はMCHM層及び水層に分離され、水は除去されそしてMCHM層はエステル化反応に戻される。別の例において、反応の水は温度及び圧力のエステル化条件下に水と共沸混合物を形成する溶媒をエステル化反応混合物に添加することにより共沸蒸留により除去されうる。しかしながら、共沸溶媒の使用は、一般に、エステル化又はCHDM反応生成物混合物のいずれかから共沸溶媒を除去するための追加の工程を要求するであろう。反応の水は、また、吸着剤に反応混合物を暴露し又は通過させることにより除去されうる。反応ゾーンからの反応の水の除去は反応ゾーンにおいてTPA−MCHM反応混合物を通して不活性ガスを通過させること、及び、不活性ガスが反応器に出た後に不活性ガスストリームから水を凝縮することにより支援されうる。窒素は適切な不活性ガスの例である。不活性ガスは、通常、従来の導管又はガススパージングデバイスにより、TPA−MCHM反応混合物の表面の下方にフィードされる。不活性ガスは間欠的又は連続的にフィードされうる。例えば、不活性ガスは、エステル化反応の開始時に連続的にフィードされてよい。TPA−MCHM反応混合物を通過するガスの量は有意に変更可能であるが、通常、1時間当たりの反応混合物1体積当たりにガス約2〜5体積の範囲であろう。これらの方法の多くの変更及び組み合わせが可能であることは当業者に明らかであろう。
【0015】
エステル化はTPA及びMCHMの共同添加により、又は、フィード基質材料の一方の他方に対する増分添加により行うことができる。例えば、テレフタル酸はエステル化反応において使用されるアルコールの全量を含む反応ゾーンに漸増的に添加されうる。又は、MCHMはエステル化プロセスにおいて使用されるTPAの全量又は部分量に漸増的に添加されうる。用語「漸増的に」は、本明細書中に使用されるときに、反応ゾーンにおけるMCHM又はTPA成分の量を増加させるために、1つ以上の増分又は部分でTPA成分又はMCHM成分を反応ゾーンに添加するという平易な意味を有することが意図される。増分はサイズが同一である必要はない。例えば、1つの増分はTPA成分の総量の90%を含み、第二の増分は残りの10%を含むことができる。増分は明確な部分で段階的に添加されるか、又は、連続的に添加されるか、又は、それらの組み合わせであることができる。それゆえ、用語「漸増的に」は、本記載及び特許請求の範囲で使用されるときに、MCHM及び/又はTPA成分の連続的及び段階的添加の両方を含むことが意図される。このように、「漸増的」は、全体のプロセスの間にわたって、MCHM又はTPA成分が反応ゾーンに連続的に添加され、2段階以上の段階で又は別個の工程で添加され、又は、連続的添加及び段階的添加の組み合わせにより添加されることができる。このように、本発明の1つの実施形態において、TPA成分は反応ゾーンに2段階以上の段階で添加される。別の実施形態において、TPA成分は反応ゾーンに連続的に添加される。
【0016】
TPA及びMCHMは過圧下に約200〜約300℃の温度で反応ゾーンで接触される。例えば、TPA及びMCHMは約220℃〜約280℃の温度で、約1.4バールゲージ〜約50バールゲージの圧力で接触されうる。圧力及び温度の他の例では、エステル化工程が約230〜約280℃で、約1.4〜約21バールゲージの圧力、及び、約240〜約270℃で、約1.4〜約6.9バールゲージで操作されうる。
【0017】
反応混合物から水を除去しながら、式(I)により示されるビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレート及び未反応(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含むエステル化生成物混合物を形成するようにTPA及びMCHMを反応させる。プロセスの1つの実施形態において、所望の転化率の生成物混合物が得られるまで水を除去しながらTPA及びMCHMを加熱する。
【化1】
所望の転化率は当業者に知られている従来の分析方法により決定でき、例えば、NMR、滴定(すなわち、酸価)、ガスクロマトグラフィー及び液体クロマトグラフィーにより決定されうる。酸価は水酸化カリウムによるエステル化生成物混合物の滴定により決定でき、各1gのエステル化生成物混合物当たりに消費される水酸化カリウムのmg(mgKOH/gエステル化生成物混合物)として報告する。エステル化生成物混合物は、通常、酸価が約10mgKOH/gエステル化生成物混合物又はそれ以下であり、プロセスの次の工程で水素化触媒の被毒及び脱活性化を低減するであろう。エステル化生成物混合物の酸価の追加の例は、約8mgKOH/gエステル化生成物混合物又はそれ以下、約5mgKOH又はそれ以下、及び、約3mgKOH又はそれ以下である。エステル化工程は、また、反応混合物から発生する水を測定することによりモニタリングし、反応速度のコンピュータモデリング、又は、エステル化生成物混合物中の反応体又は生成物の濃度を決定することができる任意の他の手段によりモニターされうる。
【0018】
本発明の方法においてTPAをエステル化するために使用されるMCHMは、芳香環の水素化を進行して、対応する1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートジエステルを製造し、それをさらに水素化して、CHDMを生成するTPAジエステルの多段階水素化によるCHDMの製造における副生成物として製造される。本発明の1つの実施形態において、それゆえ、TPAとのエステル化反応に使用されるMCHMはビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートの水素化によるCHDMの調製方法から回収そしてリサイクルすることができる。エステル化に使用されるMCHMは、また、本CHDMプロセスのエステル化工程から回収しそしてリサイクルした未反応MCHMをも含むことができる。本発明の1つの実施形態において、TPAをエステル化するために使用され、エステル化工程にリサイクルされ又はそれらの組み合わせであるMCHMは、少量又は多量で4〜20個の炭素原子を有する1種以上の追加のアルコールをさらに含む。別の実施形態において、1種以上の追加のアルコールは1−ブタノール、2−ブタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、1−ヘキサノール、1−ペンタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール又はそれらの組み合わせを含む。なおも別の実施形態において、工程(i)においてTPAをエステル化するために使用されるMCHMはエステル化工程において使用されるMCHMの合計量を基準として0〜5質量%未満の1種以上の追加のアルコールを含む。追加のアルコールの濃度の他の幾つかの例は0〜3質量%未満、0〜2質量%未満、0〜1質量%未満及び0〜0.5質量%未満である。なおも別の実施形態において、工程(i)においてTPAをエステル化するために使用されるMCHMはエステル化工程において使用されるMCHMの合計量を基準として10質量%を超える1種以上の追加のアルコールを含む。
【0019】
エステル化反応は外来性触媒、すなわち、エステル化反応の速度を上げる目的で反応混合物に添加されるテレフタル酸以外の触媒の存在下又は非存在下に行われることができる。当該技術分野で知られている任意のエステル化触媒を使用することができる。例えば、TPA及びMCHMはチタン、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、ケイ素、スズ、ジルコニウム、亜鉛、アンチモン、マンガン、カルシウム、バナジウム、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又はリン酸の化合物を含む触媒の存在下に接触されうる。例えば、亜鉛、マンガン、スズ、チタン、アンチモン、コバルト及びリチウムなどの金属の酢酸塩、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酸化物及びアルコキシドを使用することができる。有機酸のアルカリ塩などの緩衝化合物は、所望であれば、触媒とともに含まれてよい。
【0020】
エステル化工程において使用されうる触媒の幾つかの代表的な例としては、限定するわけではないが、チタン、ジルコニウム及びスズアルコラート、カルボキシレート及びキレート、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化アンチモン、シュウ酸第一錫、亜鉛アセチルアセトネート、酸化カルシウム及び酸化マンガンが挙げられる。チタン及びジルコニウム触媒は、しばしば、テレフタル酸のエステル化のために使用される。触媒として使用することができる幾つかの典型的なチタンアルコラートとしては、テトラメチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラペンチルチタネート、テトラヘキシルチタネート及びテトラオクチルチタネートが挙げられる。チタン原子上のアルコキシ基は全て同一であっても、又は、異なっていてもよい。上記のアルコラートのジルコニウムカウンターパートは触媒として全体的に又は部分的に置換されていてよい。通常、触媒の濃度はエステル化反応混合物の合計質量を基準として約0.03〜約1質量%であることができる。
【0021】
エステル化プロセスは触媒の存在下に行ってもよいが、TPAがMCHM中で高い溶解度(すなわち、200℃で約1%)を有することが予期せずに判り、それにより、添加触媒なしにエステル化反応がスムーズに進行しうる。このように、本発明の1つの実施形態において、TPA及びMCHMは外来性触媒の非存在下に接触される。触媒の非存在下にエステル化反応工程を行うことで、触媒残留物を除去するための追加の精製工程の必要性が回避され、その触媒残留物は本方法の次の工程で水素化触媒を被毒させ又は有色体及び他の所望されない副生成物の生成を触媒する可能性がある。
【0022】
本発明の方法はバッチ式、半連続式又は連続式で行うことができる。バッチ式では、例えば、撹拌圧力容器にTPA及びMCHMを装填し、加熱しそして加圧し、反応混合物から水を除去しながらエステル化反応を還流条件下で行うことができる。上述のようにMCHM中におけるTPAの高い溶解度は、また、より低い滞留時間にて連続式でエステル化を行うことを可能にし、他のアルコールによるTPAのエステル化のために通常に使用されるものよりも小さい反応器となるであろう。水とともに反応混合物から除去されるすべてのアルコールを回収し、プロセスの過程にわたって反応容器にフィードバックすることができる。反応の終わりに、エステル生成物混合物を次の水素化工程でそのまま使用し、又は、未反応MCHMは蒸留又は当業者に知られている任意の従来手段によってエステル化生成物混合物から回収しそしてリサイクルすることができる。連続操作は、所定の温度、圧力及び液体レベルで維持された圧力容器に連続的又は間欠的にTPA及びMCHMをフィードし、そしてその圧力容器から連続的に又は間欠的にアルコール、水及び生成物含有反応混合物を取り出すことを含む。他の反応器スキームは本発明で使用することができることは当業者に明らかであろう。例えば、エステル化反応は、直列、並列の複数の反応ゾーンで、又は、チューブ状プラグフロー反応ゾーン又はこのようなゾーン列中で、必要であれば消費されなかったフィード基質材料のリサイクルを伴ってバッチ様式又は連続で行うことができる。例えば、エステル化反応混合物は1つ以上の二次反応容器にフィードされてよく、そこで、TPA及び/又はTPA半エステルのジエステル生成物への転化が完了される。
【0023】
エステル化生成物混合物は、通常、エステル化生成物混合物の合計質量を基準として少なくとも50質量%のビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートを含むことができるが、より低い濃度で存在してもよい。エステル化生成物混合物中のビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートの質量百分率の他の例は少なくとも60質量%、少なくとも70質量%、少なくとも80質量%及び少なくとも90質量%である。
【0024】
エステル化生成物混合物は芳香環の水素化に有効な触媒の存在下に第一の水素化ゾーンにおいて水素と接触して、式(II)により表すビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを含む液体エフルエントを製造することができる。
【化2】
【0025】
エステル化生成物混合物の水素化は約150℃〜350℃の温度範囲にわたって行うことができる。一般に、より高い温度は一酸化炭素生成を優先し、それゆえ、この範囲の高い方の温度の使用は、例えば、プロセスの水素エフルエントのすべて又は実質的にすべてをパージすることなどにより、水素化ゾーンから一酸化炭素を除去するための手段を要求することがある。エステル化生成物混合物の水素化のための温度の他の例としては、約160〜約300℃、約180〜約300℃、約170〜約280℃、約170〜約260℃及び約170〜約240℃が挙げられる。プロセスは断熱又は等温プロセスのいずれかで行うことができる。
【0026】
エステル化生成物混合物の水素化は約50〜400バールゲージの圧力範囲内で行われることができる。別の例において、水素化の圧力は約50〜約170バールゲージの範囲とすることができる。
【0027】
エステル化生成物混合物の水素化は、従来の化学処理技術を用いて、バッチ、半連続又は連続式で行うことができる。本発明の別の実施形態では、プロセスは、2つ以上のバッチ、半連続又は連続式の組み合わせを含む。特定の実施形態では、操作モードはエステル化生成物混合物を「トリクルベッド」様式で触媒の1つ以上の固定床の上を通して通過させ、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートのすべて又は一部を(ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(II)に転化させる連続プロセスであることができる。例えば、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(II)を含む、1つ以上の固定触媒床からのエフルエントの一部は、反応器のフィードポートにリサイクルでき、ここで、エステル化生成物フィードのための溶媒として機能する。別の実施形態では、エステル化生成物混合物はシクロヘキサンジカルボキシレート生成物への反応体の実質的に完全な転化をもたらすであろう速度で水素化ゾーンに供給されうる。本発明の幾つかの実施形態において、使用される操作条件で液体である1種以上の不活性な非芳香族化合物は、溶媒又は溶媒混合物として使用されうる。適切な溶媒の例としては、限定するわけではないが、MCHM及びCHDMなどのアルコール及び他のエステルが挙げられる。
【0028】
エステル化生成物混合物フィードの最適なLHSV(LHSV、液時空間速度は単位体積触媒当たりに1時間当たりにフィードされる単位体積反応体)は使用される特定の温度及び圧力に依存しており、それは、上述のように、水素の流速及び/又は純度に依存することができる。トリクルベッド操作において、エステル化生成混合物フィードの液時空間速度は約0.1〜10の範囲にあることができ、好ましい範囲は0.5〜5である。幾つかの実施形態では、エステル化生成物混合物フィードのLHSVの下限は0.1又は0.2又は0.3又は0.4又は0.5又は0.6又は0.7又は0.8又は0.9又は1.0又は2.0又は3.0又は4.0又は5.0又は6.0又は7.0又は8.0又は9.0であることができる。幾つかの実施形態では、エステル化生成物混合物フィードのLHSVの上限は0.2又は0.3又は0.4又は0.5又は0.6又は0.7又は0.8又は0.9又は1.0又は2.0又は3.0又は4.0又は5.0又は6.0又は7.0又は8.0又は9.0又は10.0であることができる。エステル化生成物混合物フィードのLHSVの範囲は、上記の任意の上限と任意の下限値の組み合わせであってよい。
【0029】
全液体流(エステル化生成物混合物フィード+溶媒)のLHSVは1〜40の範囲にあることができる。幾つかの実施形態では、全液体流のLHSVの下限は1.0又は2.0又は3.0又は4.0又は5.0又は6.0又は7.0又は8.0又は9.0又は10又は15又は20又は25又は30又は35であることができる。幾つかの実施形態では、全液体流のLHSVの上限は2.0又は3.0又は4.0又は5.0又は6.0又は7.0又は8.0又は9.0又は10又は15又は20又は25又は30又は35又は40であることができる。全液体流のLHSVの範囲は、上記の任意の上限と任意の下限値の組み合わせであってよい。
【0030】
プロセスで使用される水素ガスは新鮮ガス又は新鮮ガスとリサイクルガスとの混合物を含むことができる。水素ガスは、水素と、場合により存在するCO及びCO
2などの少量成分及びアルゴン、窒素、又はメタンなどの不活性ガスの混合物であることができ、少なくとも約70モル%の水素を含む。例えば、水素ガスは、少なくとも90モル%の水素を含むことができ、又は、別の例では、少なくとも97モル%の水素を含むことができる。水素ガスは、天然ガスの部分酸化又は水蒸気改質などにより、当技術分野でよく知られた一般的な源のいずれかから得ることができる。高純度水素ガスが所望される場合には、圧力スイング吸着法を使用することができる。ガスリサイクルがプロセスで利用される場合には、リサイクルガスは、通常、水素化ゾーンから下流の生成物回収段階で完全には凝縮されていない水素化反応の1種以上の生成物を少量で含むであろう。このように、本発明の方法でガスリサイクルを使用するときに、ガスリサイクルストリームは、通常、少量のアルカノール、例えば、MCHMを含むであろう。水素は、通常、化学量論過剰量で反応器にフィードされ、通常は系からパージされる。水素パージ速度はプロセスが操作される温度及び圧力に依存する。
【0031】
エステル化生成物混合物の水素化は芳香環の還元に有効である任意の触媒によって触媒されうる。例えば、特定の実施形態において、触媒は、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、クロム酸化物、グラファイト、炭化ケイ素又はそれらの組み合わせを含む触媒担体材料上に堆積された第VIII族金属(IUPAC番号付けによる第8族、9族及び10族)を含むことができる。使用されうる第VIII族金属の例としては、限定するわけではないが、パラジウム、白金、ルテニウム、ニッケル及びそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の1つの実施形態において、第VIII族金属の総量は触媒の合計質量を基準として約0.1〜10質量%であることができる。第VIII族金属の質量%の下限は0.1又は0.2又は0.3又は0.4又は0.5又は0.6又は0.7又は0.8又は0.9又は1.0又は2.0又は3.0又は4.0又は5.0又は6.0又は7.0又は8.0又は9.0であることができる。第VIII族金属の質量%の上限は0.2又は0.3又は0.4又は0.5又は0.6又は0.7又は0.8又は0.9又は1.0又は2.0又は3.0又は4.0又は5.0又は6.0又は7.0又は8.0又は9.0又は10.0であることができる。第VIII族金属の質量%の範囲は任意の上限と任意の下限の任意の組み合わせであってよい。例えば、触媒は、アルミナ上に担持されたパラジウムを含むことができる。本発明の別の実施形態において、触媒は約0.5〜5質量%のパラジウムを含むことができ、その質量%は触媒の合計質量を基準とし、例えば、担体材料+第VIII族金属の合計質量を基準とする。本発明の別の実施形態において、触媒は、約0.5〜5質量%のパラジウムを、場合により、約0.01〜2質量%のニッケル、ルテニウム又はそれらの混合物との組み合わせで含み、ここで、質量%は触媒の合計質量を基準とし、例えば、担体材料+金属の合計質量を基準とする。触媒は、固定床反応器プロセスのための押出物、顆粒、ペレット及びスラリープロセスのための粉末の形態などの任意の従来の形態であってよい。担体の形状は、限定するわけではないが、円筒、球体、星形、又は、任意のタイプの複数ローブの形状であることができる。使用される特定の担体材料及び/又は触媒を調製するために使用される方法に応じて、第VIII族金属は担体の表面上に主に堆積されてよく、又は、担体の実質的に全体にわたって分配されてもよい。
【0032】
触媒は、担体支持材料上又は中への1種以上の第VIII族金属又は第VIII族金属化合物の含浸などの従来技術によって調製することができる。第VIII族金属は、ゼロ価金属として、又は、無機酸又は有機酸の塩及び有機金属錯体などの化合物の形態の酸化金属として提供されうる。1つの実施形態において、担体材料は、水又は有機溶媒などの適切な溶媒中の第VIII族金属化合物の溶液中に担体材料を浸漬することによって、1種以上の第VIII族金属で含浸されることができる。その後、担体材料を乾燥させ、そして金属化合物を第VIII族金属に還元させる。
【0033】
本発明の1つの実施例では、エステル化生成物混合物を、約150〜約350℃の温度及び約50〜約400バールゲージの圧力で、触媒担体材料上に堆積されたパラジウム、白金、ニッケル、ルテニウム又はそれらの組み合わせを含む触媒の存在下で水素と接触させる。別の実施形態では、エステル化生成物混合物を、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、クロム酸化物、グラファイト、炭化ケイ素又はそれらの組み合わせを含む触媒担体材料上に堆積されたパラジウム、ルテニウム又はそれらの組み合わせを含む触媒の存在下に、約180〜約300℃の温度及び約50〜約170バールゲージの圧力で、水素と接触させることができる。温度、圧力及び触媒の他の組み合わせが使用されうることは当業者に明らかであろう。
【0034】
第一の水素化ゾーンでのエステル化生成物混合物の水素化はビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、及び、場合により、(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む液体エフルエントを製造する。液体エフルエントを第二の水素化ゾーンにおいてエステル水素化触媒の存在下に水素と接触させ、1,4−シクロヘキサンジメタノール、式(III)により表されそして以下で「MCHM−ジエーテル」と略される4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む水素化生成物を製造する。MCHMは、エステル化生成物混合物中に存在していたMCHM、
【化3】
ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートの水素化の間に解放されたMCHM、そして追加的に副生成物として製造されたMCHMを含むことができる。
【0035】
第一の水素化ゾーンからの液体エフルエントのための圧力及び温度の水素化条件は、相互に依存しているだけでなく、触媒の活性、操作モード、選択率の考慮及び所望の転化率に依存して変化させることができる。プロセスは、通常、約160〜約300℃の範囲の温度及び約40〜約400バールゲージ(本明細書中で「barg」と略す)の範囲の圧力で行われる。本発明の方法を操作することができる温度及び圧力の更なる例は約200〜約380bargで約175〜約300℃、約300〜約350bargで約200〜約250℃である。速度及び転化率は、一般的に、圧力の増加とともに増加するが、水素の圧縮のエネルギーコスト、ならびに、高圧装置のコストの増加は、一般的に、実用的に最も低い圧力を使用することを有利にする。
【0036】
本発明の方法は、不活性溶媒、すなわち、触媒活性に有意に影響を与えず、水素化生成物と反応しない、水素化されるシクロヘキサンジカルボキシレートエステルのための溶媒の非存在下に又は存在下に行われることができる。このような溶媒の例としては、エタノール及びラウリルアルコールなどのアルコール、モノ−、ジ−及びトリエチレングリコールなどのグリコール、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン及びデカンなどの炭化水素、及び、ジフェニルエーテルなどの芳香族エーテルなどが挙げられる。しかしながら、溶媒の非存在下にプロセスを行い、そして、ニートの溶融シクロヘキサンジカルボン酸エステルを単独、又は、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び他の水素化生成物との混合物としてプロセスへのフィードとして使用することが、しばしば、経済的に有利である。
【0037】
シクロヘキサンジカルボキシレートエステル(II)を含む液体エフルエントの水素化は、バッチ、半連続又は連続プロセスとして行ってよく、種々の反応器タイプを利用してよい。適切な反応器タイプの例としては、限定するわけではないが、撹拌タンク、連続攪拌タンク、スラリー、管状、固定床及びトリクルベッドが挙げられる。複数の反応器、ステージ又は水素化ゾーンを使用することができる。経済的及び操作性の理由から、プロセスは、有利には、連続プロセスとして操作される。連続操作は、例えば、当業者によく知られている顆粒、ペレット、様々なマルチローバル形状のペレット、リング又はサドルなどの粒径がより大きい触媒で固定床を利用することができる。連続法の一例として、触媒床は、高圧のチューブ状又は柱状反応器中に固定され、第一の水素化ゾーンからの液体エフルエントは必要又は所望であれば、不活性溶媒中に溶解され、高圧及び高温で床のトップに連続的にフィードされ、粗製水素化生成物は、反応器の底部から抜き出される。あるいは、床のボトムへとシクロヘキサンジカルボキシレートエステル(II)を含有する液体エフルエントをフィードし、反応器のトップから粗製生成物を抜き出すことができる。転化率を改良し、触媒量を減少させ、又は、定期的なメンテナンス又は触媒除去のために触媒床をバイパスするために、並列又は直列に接続された2つ以上の触媒床又は水素化ゾーンを使用することも可能である。連続操作の別のモードは、未反応エステル及び/又は不活性溶媒中の生成物の溶液を連続的に除去することができるフィルタレッグを備えている撹拌圧力容器中で触媒スラリーを利用する。このようにして、液体反応体又は反応溶液を、触媒の撹拌スラリーを含む攪拌圧力容器に連続的にフィードし、該容器から生成物溶液を連続的に取り出すことができる。
【0038】
一例では、CHDMを含む1つ以上の固定触媒床からの水素化生成物の一部は反応器のフィードポートにリサイクルされることができ、それはシクロヘキサンジカルボキシレートエステル(II)を含む液体エフルエントのための溶媒として機能する。別の実施形態では、液体エフルエントフィードは、シクロヘキサンジカルボキシレートエステル(II)のCHDM生成物への実質的に完全な転化をもたらすであろう速度で水素化ゾーンに供給されうる。本発明の幾つかの実施形態では、用いる操作条件で液体である1種以上の不活性な非芳香族化合物は溶媒又は溶媒混合物として使用されうる。適切な溶媒の例としては、限定するわけではないが、MCHM及びCHDMなどのアルコール及び他のエステルが挙げられる。
【0039】
プロセスを液相、気相、又は、液相と気相の組み合わせ中で行うことができる。例えば、プロセスは、米国特許第5,395,987号明細書に記載されるように気相で行うことができる。気相操作の1つの例において、本発明の方法はシクロヘキサンジカルボキシレートエステル(II)を含む液体エフルエントを本質的に液体のない気相形態で、エステル水素化触媒を含む水素化ゾーンへフィードすることにより、気相フィード条件を用いて操作することができる。従って、フィードストリームは混合物の露点を超える温度で水素化ゾーンに導入される。気相条件が水素化ゾーン全体にわたって存在するようにプロセスを操作することができる。このような気相プロセスは、しばしば、液相法に比べて低い操作圧力の利点を有し、商業プラントの建設コスト及び操作コストを低減することができる。
【0040】
第一の水素化ゾーンからの液体エフルエントのために最適なLHSVは使用される特定の温度及び圧力に依存しており、上述のように、水素の流速及び/又は純度に依存することができる。トリクルベッド操作において、液体エフルエントフィードの液時空間速度は約0.1〜10の範囲にあることができ、好ましい範囲は0.5〜5である。幾つかの実施形態では、液体エフルエントフィードのLHSVの下限は0.1又は0.2又は0.3又は0.4又は0.5又は0.6又は0.7又は0.8又は0.9又は1.0又は2.0又は3.0又は4.0又は5.0又は6.0又は7.0又は8.0又は9.0であることができる。幾つかの実施形態では、液体エフルエントフィードのLHSVの上限は0.2又は0.3又は0.4又は0.5又は0.6又は0.7又は0.8又は0.9又は1.0又は2.0又は3.0又は4.0又は5.0又は6.0又は7.0又は8.0又は9.0又は10.0であることができる。液体エフルエントフィードのLHSVの範囲は、上記の任意の上限と任意の下限値の組み合わせであってよい。
【0041】
全液体流(液体エフルエントフィード+溶媒)のLHSVは1〜40の範囲にあることができる。幾つかの実施形態では、全液体流のLHSVの下限は1.0又は2.0又は3.0又は4.0又は5.0又は6.0又は7.0又は8.0又は9.0又は10又は15又は20又は25又は30又は35であることができる。幾つかの実施形態では、全液体流のLHSVの上限は2.0又は3.0又は4.0又は5.0又は6.0又は7.0又は8.0又は9.0又は10又は15又は20又は25又は30又は35又は40であることができる。全液体流のLHSVの範囲は、上記の任意の上限と任意の下限値の組み合わせであってよい。
【0042】
プロセスで使用される水素ガスは新鮮ガス又は新鮮ガスとリサイクルガスとの混合物を含むことができる。水素ガスは、水素と、場合により存在するCO及びCO
2などの少量成分及びアルゴン、窒素、又はメタンなどの不活性ガスの混合物であることができ、少なくとも約70モル%の水素を含む。例えば、水素ガスは、少なくとも90モル%の水素を含むことができ、又は、別の例では、少なくとも97モル%の水素を含むことができる。水素ガスは、天然ガスの部分酸化又は水蒸気改質などにより、当技術分野でよく知られた一般的な源のいずれかから得ることができる。高純度水素ガスが所望される場合には、圧力スイング吸着法を使用することができる。ガスリサイクルがプロセスで利用される場合には、リサイクルガスは、通常、水素化ゾーンから下流の生成物回収段階で完全には凝縮されていない水素化反応の1種以上の生成物を少量で含むであろう。このように、本発明の方法でガスリサイクルを使用するときに、ガスリサイクルストリームは、通常、少量のアルカノール、例えば、MCHMを含むであろう。水素は、通常、化学量論過剰量で反応器にフィードされ、通常は系からパージされる。水素パージ速度はプロセスが操作される温度及び圧力に依存するであろう。
【0043】
第一の水素化ゾーンからの液体エフルエント中のシクロヘキサンジカルボキシレートエステル(II)の水素化はアルコールへのエステルの還元に有効である任意の触媒によって触媒することができる。典型的なエステル水素化触媒としては銅含有触媒及び第VIII族金属含有触媒が挙げられる。適切な銅含有触媒の例としては、アルミナ上の銅触媒、酸化銅、還元酸化銅/酸化亜鉛触媒でプロモータを含む又は含まないもの、マンガン促進銅触媒、及び、還元亜クロム酸銅触媒でプロモータを含む又は含まないものが挙げられ、一方、適切な第VIII族(IUPAC番号付けによる第8族、第9族及び第10族)金属含有触媒としては、白金、パラジウム、ニッケル及びコバルト触媒が挙げられる。適切な酸化銅/酸化亜鉛触媒前駆体はCuO/ZnO混合物を含み、Cu:Zn質量比は約0.4:1〜約2:1の範囲にあり、それは約0.1質量%〜約15質量%のバリウム、マンガン又はバリウムとマンガンとの混合物により促進されたものである。このような促進されたCuO/ZnO混合物としては、マンガン促進CuO/ZnO前駆体が挙げられる。適切な亜クロム酸銅触媒前駆体としては、Cu:Cr質量比が約0.1:1〜約4:1の範囲であり、好ましくは約0.5:1〜約4:1の範囲にあるものが挙げられる。促進亜クロム酸銅触媒前駆体としては、Cu:Cr質量比が約0.1:1〜約4:1の範囲であり、好ましくは約0.5:1〜約4:1の範囲にあり、それは約0.1質量%〜約15質量%のバリウム、マンガン又はバリウムとマンガンとの混合物により促進された亜クロム酸銅触媒が挙げられる。マンガン促進銅触媒前駆体は、通常、約2:1〜約10:1のCu:Mn質量比を有し、そしてアルミナ担体を含むことができ、その場合に、Cu:Al質量比は、通常、約2:1〜約4:1である。例えば、特定の実施形態において、触媒は、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、クロム酸化物、グラファイト、炭化ケイ素又はそれらの組み合わせを含む触媒担体材料上に堆積された第VIII族金属を含むことができる。
【0044】
エステル水素化触媒はラネー金属触媒をも含むことができる。ラネー金属触媒は、シクロヘキサンジカルボキシレートエステルを対応するシクロヘキサンジメタノールへ水素化するために有用な任意の触媒活性金属を含むことができる。例示のラネー金属としてはニッケル、コバルト、銅又はそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、ラネー金属触媒は、ニッケルを含むことができる。本明細書中で使用するときに、用語「ラネー金属」は、「ラネー」プロセス、すなわち、合金から1種以上の成分を選択的に除去し、残りの金属を触媒として残留させることにより金属触媒が調製されるプロセスによって製造された金属を意味する。ラネープロセスは、例えば、米国特許第1,628,190号及び同第6,284,703号明細書に記載されている。合金成分は任意の方法によって除去することができ、例えば、化学的手段で溶解することにより、又は、揮発することにより除去することができる。通常、ラネー金属は、アルミニウム、亜鉛、ケイ素又はそれらの組み合わせなどの浸出可能な合金成分を含有する金属の合金を水酸化ナトリウムと接触させることにより製造される。残留している触媒金属は、一般的に、非常に活性な多孔質又は細分割された状態である。通常、ラネー合金の場合と同様に、触媒合金中のラネープロセス金属/浸出可能な合金成分の質量比は約10:90〜約90:10の範囲にあることができる。ラネー触媒は、また、触媒合金中に存在する触媒活性金属と同一である必要はない金属バインダーを含むことができる。むしろ、触媒合金中で、また、バインダーとして、互いに異なるラネープロセス金属をプロモータ金属と組み合わせることが可能であり、特定の触媒プロセスへ触媒特性を調整する際に、さらなる自由度を提供する。例えば、バインダーはニッケル、コバルト、銅、鉄、及び、必要に応じて、プロモータ金属であることができる。一般に、ラネー金属触媒を製造するために使用される金属のいずれかもが適切である。バインダー金属は到達不能な純粋な形態で使用することができる。
【0045】
本発明の方法の1つの実施形態では、第一の水素化ゾーンからの液体エフルエントは160〜約300℃の温度で、約40〜約400bargの圧力で、少なくとも1種の第VIII族金属、銅含有触媒又はそれらの組み合わせを含むエステル水素化触媒の存在下で、水素と接触される。別の実施形態において、エステル水素化触媒は亜クロム酸銅、酸化銅、ラネーニッケル、ラネーコバルト又はそれらの組み合わせを含み、場合により、亜鉛、バリウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、ニッケル、ルテニウム又はランタンで促進されている。温度、圧力及び触媒の他の可能な組み合わせは当業者に明らかであろう。
【0046】
第一の水素化ゾーンからのエフルエントの水素化は、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)(III)、及び、エステル化生成物混合物中に存在していた、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートの水素化の間に解放された、及び、副生成物として追加的に製造された、(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む、水素化生成物を生成する。水素化生成物中に存在しているMCHMは、エステル化生成物混合物中に存在しており、それとともに輸送される未反応MCHM、及び、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサンジカルボキシレートエステル(II)の水素化によって解放されるMCHMに加えて、副生成物として製造されるMCHMを含むことができる。1モルのシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(II)の水素化が2モルのMCHM及び1モルのCHDMを製造するであろうことは当業者に明らかであろう。追加のMCHMはビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートのCHDMへの全体としての水素化の副生成物として製造される。このように、用語「副生成物」は、本発明の水素化生成物中に存在するMCHMに関して本明細書中に使用されるときに、エステル化生成物混合物中に存在する未反応MCHM、及び、シクロヘキサンジカルボキシレートエステル(II)の水素化により解放されるMCHMに加えて、第一の水素化ゾーン及び第二の水素化ゾーン内で生成されるMCHMを意味すると理解される。
【0047】
第二の水素化ゾーンからの水素化生成物中のMCHMは回収されて、テレフタル酸とのエステル化工程にリサイクルされることができる。例えば、水素化生成物中のMCHMは水素化生成物混合物の蒸留によって回収することができる。分別蒸留は、水素化生成物の種々の成分の分離を改善するために用いることができる。回収及び/又はリサイクルされるMCHMは、少量又は多量で4〜20個の炭素原子を有する1種以上の追加のアルコールをさらに含むことができる。リサイクルされるMCHM中に存在しうる追加のアルコールの幾つかの例としては、1−ブタノール、2−ブタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、1−ヘキサノール、1−ペンタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0048】
本発明の別の実施形態はテレフタル酸からの1,4−シクロヘキサンジメタノールの調製方法であって、
(i)過圧で、外来性触媒の非存在下に、約220℃〜約280℃の温度で反応ゾーンにて、約2:1〜約5:1のアルコール/酸のモル比でテレフタル酸及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを接触させ、その間に反応ゾーンから水を除去し、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレート及び未反応(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含むエステル化生成物混合物を形成すること、
(ii)アルミナ上のパラジウムの触媒の存在下に第一の水素化ゾーンにおいて、エステル化生成物混合物を水素と接触させ、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを含む液体エフルエントを製造すること、
(iii)第二の水素化ゾーンにおいて亜クロム酸銅触媒の存在下に、前記第一の水素化ゾーンからの前記エフルエントを水素と接触させ、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む水素化生成物を製造すること、
(iv)水素化生成物から(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを蒸留により回収すること、及び、
(v)(4−メチルシクロヘキシル)メタノールの少なくとも一部を工程(i)にリサイクルすること、
を含む。
【0049】
例えば、第一の水素化ゾーンからのエフルエントの水素化は、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)(III)、及び、エステル化生成物混合物中に存在しており、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートの水素化の間に解放され、また、副生成物として製造される(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む水素化生成物を製造する。本発明の1つの実施形態では、テレフタル酸と接触される(4−メチルシクロヘキシル)メタノールの全部又は一部は、上記方法の工程(v)からリサイクルされる。別の実施形態では、工程(iii)の水素化生成物中のMCHMの量は工程(i)におけるテレフタル酸とのエステル化反応に要求される(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを満たすのに十分な量である。さらに別の実施形態では、上記のプロセスは連続プロセスである。
【0050】
上記のとおり、MCHMは蒸留により第二の水素化ゾーンからの粗製水素化生成物から回収することができる。なお、第二の水素化ゾーンからの水素化生成物からのMCHMの蒸留後に、蒸留ボトムを、蒸留ボトム中の主要部分の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む下層、及び、蒸留ボトム中の主要部分の4,4’−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)(III)及び他の不純物を含む上層に分離することができる。用語「主要部分」は「より多量の部分」という一般的に受け入れられている意味を有することが意図される。例えば、用語「蒸留ボトム中の主要部分の4,4’−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)」は、蒸留ボトム中に存在する4,4’−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)の合計量の半分を超えることを意味することが意図される。層を容易に分離することができ、そしてCHDMを回収し、下層の単純蒸留により精製することができる。MCHM−ジエーテル及び他の不純物を含む上層を捨て、又は、他の用途に使用することができる。我々の発明は、それゆえ、CHDMの調製及び精製を包含する方法を提供する。したがって、本発明の別の態様は、1,4−シクロヘキサンジメタノールの調製方法であって、
(i)芳香環の水素化に有効な触媒の存在下に第一の水素化ゾーンにおいてビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートを水素と接触させ、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを含む液体エフルエントを製造すること、
(ii)第二の水素化ゾーンにおいてエステル水素化触媒の存在下に、前記第一の水素化ゾーンからの前記エフルエントを水素と接触させ、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む水素化生成物を製造すること、
(iii)工程(ii)からの水素化生成物を蒸留して、水素化生成物中の主要部分の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む留出物、及び、水素化生成物中の主要部分の1,4−シクロヘキサンジメタノール及び4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)を含む蒸留ボトムを回収すること、
(iv)前記蒸留ボトム中の主要部分の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む下層、及び、前記蒸留ボトム中の主要部分の4,4’−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)を含む上層を、前記蒸留ボトムに形成させること、及び、
(v)工程(iv)の上層及び下層を分離し、蒸留により該下層から1,4−シクロヘキサンジメタノールを回収すること、
を含む。
上記の方法は上述したようなエステル化法、水素化工程、触媒、温度、圧力、反応器配置及び製品の種々の実施形態を任意の組み合わせで含むことが理解されるべきである。
【0051】
例えば、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートは(4−メチルシクロヘキシル)メタノールによるテレフタル酸のエステル化に製造でき、そして約150〜約350℃の温度で、約50〜約400バールゲージの圧力で、触媒担体材料上に堆積されたパラジウム、白金、ニッケル、ルテニウム又はそれらの組み合わせを含む触媒の存在下で水素と接触させることによって水素化されうる。我々の方法の別の実施形態では、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートは約180〜約250℃の温度で、約50〜約170バールゲージの圧力で、水素と接触させることができ、触媒はパラジウム、ルテニウム又はそれらの組み合わせを含み、そして触媒担体材料はアルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、クロム酸化物、グラファイト、炭化ケイ素又はそれらの組み合わせを含む。さらに別の実施形態では、工程(i)における触媒はアルミナ上にパラジウムを含む。
【0052】
第一の水素化ゾーンからのエフルエントは少なくとも1種の第VIII族金属、銅含有触媒又はそれらの組み合わせを含むエステル水素化触媒の存在下で、180〜約300℃の温度で、約40〜約400バールゲージの圧力で、水素と接触させることができる。エステル水素化触媒の幾つかの代表的な例としては、亜クロム酸銅、酸化銅、ラネーニッケル、ラネーコバルト又はそれらの組み合わせが挙げられる。これらの触媒は、場合により、亜鉛、バリウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、ニッケル、ルテニウム、ランタン、チタン又はそれらの組み合わせにより促進されうる。
【0053】
上述のとおり、本方法の工程(ii)の水素化生成物からのMCHMの蒸留後に、蒸留ボトムは上層及び下層を形成し、ここで、下層は蒸留ボトム中に存在していたCHDM生成物のほとんどを含み、上層は蒸留ボトム中の主要部分の4,4’−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)及び他の不純物を含む。例えば、下層は、下層の合計質量を基準として少なくとも50質量%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む。別の例では、上層は上層の合計質量を基準として、少なくとも70質量%の4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)を含む。CHDMは蒸留により下層から回収することができる。
【0054】
本方法の工程(iii)において水素化生成物から回収されるMCHMはテレフタル酸のエステル化によるビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートの調製方法に通過されうる。このように回収されたMCHMのリサイクルは、全体のCHDMプロセスで製造される副生成物を利用し、テレフタル酸エステルフィード原料の調製のために使用されるアルコールなどの追加の材料の導入を回避し、フィード原料及び最終製品の精製を簡素化する。我々の方法の別の実施形態は、それゆえ、
(i)約180℃〜約250℃の温度及び約50〜約170バールゲージの圧力で、アルミナ上パラジウム触媒の固定床を含む第一の水素化ゾーンに、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレート及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含むエステル化反応生成物を水素とともにフィードし、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを含む液体エフルエントを製造すること、
(ii)約180〜約300℃の温度及び約100〜約400バールゲージの圧力で、亜クロム酸銅触媒を含む固定床を含む第二の水素化ゾーンに、工程(i)からの液体エフルエントを水素とともにフィードし、1,4−シクロヘキサンジメタノール、(4−メチルシクロヘキシル)メタノール及び4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)を含む水素化生成物を製造すること、
(iii)工程(ii)からの水素化生成物を蒸留して、水素化生成物中の主要部分の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む留出物、及び、水素化生成物中の主要部分の1,4−シクロヘキサンジメタノール及び4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)を含む蒸留ボトムを回収すること、
(iv)前記蒸留ボトム中の主要部分の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む下層、及び、前記蒸留ボトム中の主要部分の4,4’−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)を含む上層を、前記蒸留ボトムに形成させること、
(v)工程(iv)の上層及び下層を分離し、蒸留により該下層から1,4−シクロヘキサンジメタノールを回収すること、及び、
(vi)工程(iii)の留出物からの(4−メチルシクロヘキシル)メタノールをエステル化プロセスに通過させ、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートを製造すること、
を含む、1,4−シクロヘキサンジメタノールの調製方法である。
上記の方法は、上述のようなエステル化プロセス、水素化工程、触媒、温度、圧力、反応器配置及び生成物の種々の実施形態を任意の組み合わせで含むことが意図される。
【0055】
上記の方法の1つの実施形態では、例えば、下層は、下層の合計質量を基準として少なくとも50質量%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む。別の例では、上層は上層の合計質量を基準として5質量%以下の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む。
【0056】
上述のとおり、上層は蒸留ボトム中に存在していた主要部分のMCHM−ジエーテル、すなわち、4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)(III)を含む。例えば、上層は上層の合計質量を基準として少なくとも70質量%の4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)を含むことができる。別の例では、上層は上層の合計質量を基準として少なくとも80質量%の4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)を含むことができる。
【0057】
本方法の工程(iii)中の水素化生成物から回収されるMCHMは、テレフタル酸のエステル化によりビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートの調製方法へと、回収MCHMを通過させることでリサイクルされうる。本方法の1つの実施形態において、工程(iii)で回収されるMCHMの量は下流のCHDMプロセスに要求される工程(i)の全エステル化反応生成物を調製するのに十分である。
【0058】
上述のエステル化、水素化及び精製工程を組み合わせて、唯一の外来性フィード原料がテレフタル酸である、テレフタル酸からのCHDMの調製のための統合された方法を形成することができる。それゆえ、本発明のなおも別の態様はテレフタル酸からの1,4−シクロヘキサンジメタノールの調製方法であって、
(i)過圧で約200℃〜約300℃の温度で反応ゾーンにて、少なくとも2:1のアルコール/酸のモル比でテレフタル酸及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを接触させ、その間に反応ゾーンから水を除去し、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレート及び未反応(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含むエステル化生成物混合物を形成すること、
(ii)芳香環の水素化に有効な触媒の存在下に第一の水素化ゾーンにおいて、エステル化生成物混合物を水素と接触させ、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを含む液体エフルエントを製造すること、
(iii)第二の水素化ゾーンにおいてエステル水素化触媒の存在下に、前記第一の水素化ゾーンからの前記エフルエントを水素と接触させ、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む水素化生成物を製造すること、
(iv)工程(iii)からの水素化生成物を蒸留して、水素化生成物中の主要部分の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む留出物、及び、水素化生成物中の主要部分の1,4−シクロヘキサンジメタノール及び4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)を含む蒸留ボトムを回収すること、
(v)前記蒸留ボトム中の主要部分の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む下層、及び、前記蒸留ボトム中の主要部分の4,4’−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)を含む上層を、前記蒸留ボトムに形成させること、
(vi)工程(v)の上層及び下層を分離し、蒸留により該下層から1,4−シクロヘキサンジメタノールを回収すること、及び、
(vii)工程(iv)からの(4−メチルシクロヘキシル)メタノールの少なくとも一部を工程(i)にリサイクルすること、
を含む。
上記の方法は上述したようなエステル化法、水素化工程、触媒、温度、圧力、反応器配置及び製品の種々の実施形態を任意の組み合わせで含む。
【0059】
1つの実施形態において、例えば、TPA及びMCHMは約200〜約300℃の温度で約1.4バールゲージ〜約50バールゲージの圧力で反応ゾーンにおいて接触される。エステル化工程を行うことができる圧力及び温度の他の例は、約1.4〜約21バールゲージの圧力で約220〜約280℃、約1.4〜約6.9バールゲージで約240〜270℃である。使用できるアルコール/酸のモル比は、通常、少なくとも2:1である。エステル化工程におけるアルコール/酸のモル比の幾つかの追加の例としては約2:1〜約9:1、約2:1〜約8:1、約2:1〜約7:1、約2:1〜約5:1、約2:1〜約4:1及び約2:1〜約3:1が挙げられる。
【0060】
水の除去は、当業者に知られている任意の従来手段によって達成することができ、例えば、蒸留、メンブレン分離、吸収剤の使用又はそれらの組み合わせによって達成することができる。本発明の方法の1つの実施形態では、エステル化の水は蒸留により反応ゾーンから除去され、そして工程(i)は蒸留によりエステル化生成物混合物から(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを回収し、そして工程(i)の反応ゾーンにリサイクルすることをさらに含む。1つの実施形態において、例えば、水及び/又はMCHMは水/MCHM共沸混合物の蒸留、次いで、水及びMCHM層の分離によって除去することができる。水は、次いで、プロセスから除去することができ、MCHMは工程(i)のエステル化反応ゾーンに戻され又はリサイクルされうる。
【0061】
エステル化反応は外来性エステル化触媒、すなわち、エステル化反応の速度を上げる目的で反応混合物に添加されるテレフタル酸以外の触媒の存在下又は非存在下に行われることができる。当該技術分野で知られている任意のエステル化触媒を使用することができる。例えば、TPA及びMCHMはチタン、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、ケイ素、スズ、ジルコニウム、亜鉛、アンチモン、マンガン、カルシウム、バナジウム、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又はリン酸の化合物を含む触媒の存在下に接触されうる。エステル化プロセスは触媒の存在下で行ってもよいが、反応は触媒を添加することなくてもスムーズに進行する。このように、本発明の1つの実施形態では、TPA及びMCHMは外来性触媒の非存在下で接触される。触媒の非存在下にエステル化反応工程を行うことで、触媒残留物を除去するための追加の精製工程の必要性が回避され、その触媒残留物は本方法の次の工程で水素化触媒を被毒させ又は有色体及び他の所望されない副生成物の生成を触媒する可能性がある。
【0062】
第二の水素化ゾーンからの水素化生成物は、他の生成物に加えて、エステル化生成物混合物中に存在していたMCHM、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートの水素化の間に解放されるMCHM、及び、副生成物としてさらに製造されるMCHMを含む。このMCHMの全部又は一部は、例えば、蒸留によって回収され、そして本発明の方法のエステル化工程(i)にリサイクルされることができる。本発明の1つの実施形態では、テレフタル酸と接触させる(4−メチルシクロヘキシル)メタノールの全部又は一部は第二の水素化ゾーンの水素化生成物からリサイクルされる。例えば、水素化生成物から回収されるMCHMは、エステル化生成物混合物から回収されるMCHMと合流され、エステル化反応にリサイクルされうる。別の実施形態において、エステル化に使用されるMCHMの全ては第二の水素化ゾーンの水素化生成物からの回収MCHMである。
【0063】
本発明の方法は、バッチ、半連続又は連続モードで行うことができる。1つの例では、連続操作は、所定の温度、圧力及び液体レベルで維持された圧力容器に連続的又は間欠的にTPA及びMCHMをフィードし、そしてその圧力容器から連続的に又は間欠的にアルコール、水及び生成物含有反応混合物を除去し、エステル化生成物混合物を第一の水素化ゾーンに連続的に通過させ、第一の水素化ゾーンからのエフルエントを第二の水素化ゾーンに連続的に通過させ、第二の水素化ゾーンの水素化生成物からのMCHMを連続的に蒸留し、蒸留ボトムを上層及び下層に連続的に分離させ、層を連続的に分離させ、下層からCHDMを蒸留し、そして水素化生成物から回収されるMCHMを連続的にリサイクルしてエステル工程に戻すことを含むことができる。他の反応器スキームは本発明で使用することができることは当業者に明らかであろう。例えば、エステル化及び水素化反応工程は、直列、並列の複数の反応ゾーンで、又は、チューブ状プラグフロー反応ゾーン又はこのようなゾーン列中で、必要であれば消費されなかったフィード基質材料のリサイクルを伴ってバッチ様式又は連続で行うことができる。例えば、テレフタル酸及びMCHMは固定床又は攪拌反応器中で接触されうる。上記のとおり、テレフタル酸は反応ゾーンに漸増的に添加されうる。別の例において、エステル化反応混合物は1つ以上の二次反応容器にフィードされてよく、そこで、TPA及び/又はTPA半エステルのジエステル生成物への転化が完了される。
【0064】
エステル化生成物混合物は、通常、エステル化生成物混合物の合計質量を基準として少なくとも50質量%のビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートを含むであろう。エステル化生成物混合物中のビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートの質量百分率の他の例は少なくとも60質量%、少なくとも70質量%、少なくとも80質量%及び少なくとも90質量%である。
【0065】
第一及び第二の水素化ゾーンの様々な実施形態を上述した。例えば、工程(ii)のエステル化生成物混合物は約150〜約350℃の温度及び約50〜約400バールゲージの圧力で、芳香環を水素化するのに有効な触媒であって、触媒担体材料上に堆積されたパラジウム、白金、ニッケル、ルテニウム又はそれらの組み合わせを含む触媒の存在下で、水素と接触されうる。別の例では、工程(ii)中のエステル化生成物混合物を約180〜約300℃の温度及び約50〜約170バールゲージの圧力で水素と接触させ、芳香環を水素化するのに有効な触媒はパラジウム、ルテニウム又はそれらの組み合わせを含み、そして触媒担体材料は、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、クロム酸化物、グラファイト、炭化ケイ素又はそれらの組み合わせを含む。さらに別の例では、芳香環を水素化するのに有効な触媒はアルミナ上のパラジウムを含む。
【0066】
ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(II)を含む第一の水素化ゾーンからのエフルエントは、180〜約300℃の温度及び約40〜約400バールゲージの圧力で、少なくとも1種の第VIII族金属、銅含有触媒又はそれらの組み合わせを含むエステル水素化触媒の存在下で、水素と接触されうる。エステル水素化触媒の幾つかの代表的な例としては、亜クロム酸銅、酸化銅、ラネーニッケル、ラネーコバルト又はそれらの組み合わせで、場合により、亜鉛、バリウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、ニッケル、ルテニウム又はランタンで促進されたものが挙げられる。
【0067】
我々の新規のCHDMプロセスのなおも別の実施形態はテレフタル酸からの1,4−シクロヘキサンジメタノールの調製方法であって、
(i)過圧で、外来性触媒の非存在下に、約220℃〜約280℃の温度で反応ゾーンにて、約2:1〜約5:1のアルコール/酸のモル比でテレフタル酸及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを接触させ、その間に反応ゾーンから水を除去し、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレート及び未反応(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含むエステル化生成物混合物を形成すること、
(ii)エステル化生成物混合物から未反応(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを蒸留により回収し、精製済みエステル化生成物混合物を形成し、そして未反応(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを工程(i)の反応ゾーンにリサイクルすること、
(iii)アルミナ上のパラジウムの触媒の存在下に第一の水素化ゾーンにおいて、精製済みエステル化生成物混合物を水素と接触させ、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを含む液体エフルエントを製造すること、
(iv)第二の水素化ゾーンにおいて亜クロム酸銅触媒の存在下に、前記第一の水素化ゾーンからの前記エフルエントを水素と接触させ、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む水素化生成物を製造すること、
(v)工程(iv)からの水素化生成物を蒸留し、水素化生成物中の主要部分の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む留出物、及び、水素化生成物中の主要部分の1,4−シクロヘキサンジメタノール及び4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)を含む蒸留ボトムを回収すること、
(vi)前記蒸留ボトム中の主要部分の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む下層、及び、前記蒸留ボトム中の主要部分の4,4’−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)を含む上層を、前記蒸留ボトムに形成させること、及び、
(vii)工程(vi)の上層及び下層を分離し、蒸留により該下層から1,4−シクロヘキサンジメタノールを回収すること、及び、
(viii)工程(v)からの(4−メチルシクロヘキシル)メタノールの少なくとも一部を工程(i)の反応ゾーンにリサイクルすること、
を含む。
上記の方法は上述したようなエステル化プロセス、水素化工程、触媒、温度、圧力、反応器配置及び製品の種々の実施形態を任意の組み合わせで含むことが理解される。
【0068】
1つの実施形態において、例えば、工程(iv)中の水素化生成物中のMCHMの量は工程(i)におけるエステル化反応に要求されるMCHMを満たすのに十分な量である。別の実施形態において、テレフタル酸と接触されるMCHMの全部又は一部は、第二の水素化ゾーンの水素化生成物からリサイクルされる。例えば、水素化生成物から回収されるMCHMはエステル化生成物混合物から回収されるMCHMと混合され、そしてエステル化反応にリサイクルされうる。別の実施形態において、エステル化に使用されるMCHMのすべては第二の水素化ゾーンの水素化生成物からの回収MCHMである。さらに別の実施形態では、上記のプロセスは全体的に又は一部に連続プロセスで操作されうる。
【0069】
第二の水素化ゾーンからの水素化生成物の蒸留の後に、蒸留ボトムは、蒸留ボトム中に存在していたMCHM−ジエーテル及び不純物のほとんどを含む上層と、蒸留ボトム中に存在していたCHDMのほとんどを含む下層に分離する。例えば、上層は、上層の合計質量を基準として10質量%以下の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む。別の例では、上層は下層の合計質量を基準として、5質量%以下の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む。別の例では、上層は上層の合計質量を基準として少なくとも70質量%の4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)を含むことができる。なおも別の例では、上層は上層の合計質量を基準として少なくとも80質量%の4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)を含むことができる。
【0070】
本発明は、また、下記の項目1〜25に示す下記の実施形態を含む。
1.(i)過圧で約200℃〜約300℃の温度で反応ゾーンにて、少なくとも2:1のアルコール/酸のモル比でテレフタル酸及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを接触させ、その間に反応ゾーンから水を除去し、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートを含むエステル化生成物混合物を形成すること、
(ii)芳香環の水素化に有効な触媒の存在下に第一の水素化ゾーンにおいて、前記エステル化生成物混合物を水素と接触させ、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを含む液体エフルエントを製造すること、
(iii)第二の水素化ゾーンにおいてエステル水素化触媒の存在下に、前記第一の水素化ゾーンからの前記エフルエントを水素と接触させ、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む水素化生成物を製造すること、及び、
(iv)工程(iii)からの(4−メチルシクロヘキシル)メタノールの少なくとも一部を工程(i)にリサイクルすること、
を含む、テレフタル酸からの1,4−シクロヘキサンジメタノールの調製方法。
【0071】
2.工程(i)の温度は約220℃〜約280℃であり、そして圧力は約1.4バールゲージ〜約6.9バールゲージである、項目1記載の実施形態を含む方法。
【0072】
3.アルコール/酸の比は約2:1〜約5:1である、項目1〜2のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0073】
4.アルコール/酸の比は約2:1〜約3:1である、項目1〜3のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0074】
5.水は蒸留により工程(i)において反応ゾーンから除去される、項目1〜4のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0075】
6.工程(i)は蒸留により前記エステル化生成物混合物から(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを回収することをさらに含む、項目1〜5のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0076】
7.テレフタル酸及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールは外来性触媒の非存在下に接触される、項目1〜6のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0077】
8.テレフタル酸と接触する(4−メチルシクロヘキシル)メタノールのすべて又は一部をCHDMの調製方法からリサイクルする、項目1〜7のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0078】
9.連続法である、項目1〜8のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0079】
10.前記エステル化生成物混合物は少なくとも70質量%のビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートを含む、項目1〜9のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0080】
11.テレフタル酸及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを固定床又は攪拌反応器中で接触させることを含む、項目1〜10のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0081】
12.テレフタル酸を漸増的に反応ゾーンに添加する、項目1〜11のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0082】
13.工程(iii)の水素化生成物中の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールは、エステル化生成物混合物中に存在していた、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートの水素化の間に解放された、及び、副生成物として追加的に製造された(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む、項目1〜12のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0083】
14.工程(ii)中のエステル化生成物混合物を、約150〜約350℃の温度及び約50〜約400バールゲージの圧力で水素と接触させ、そして芳香環の水素化に有効な前記触媒は触媒担体材料に堆積されたパラジウム、白金、ニッケル、ルテニウム又はそれらの組み合わせを含む、項目1〜13のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0084】
15.工程(ii)中のエステル化生成物混合物を、約160〜約300℃の温度及び約50〜170バールゲージの圧力で水素と接触させ、芳香環の水素化に有効な前記触媒はパラジウム、ルテニウム又はそれらの組み合わせを含み、そして前記触媒担体材料はアルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、クロム酸化物、グラファイト、炭化ケイ素又はそれらの組み合わせを含む、項目1〜14のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0085】
16.芳香環の水素化に有効な前記触媒はアルミナ上にパラジウムを含む、項目1〜15のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0086】
17.工程(iii)における第一の水素化ゾーンからのエフルエントを、工程(ii)において、180〜約300℃の温度及び約40〜約400バールゲージの圧力で水素と接触させ、そしてエステル水素化触媒は少なくとも1種の第VIII族金属、銅含有触媒又はそれらの組み合わせを含む、項目1〜16のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0087】
18.前記エステル水素化触媒は亜クロム酸銅、酸化銅、ラネーニッケル、ラネーコバルト又はそれらの組み合わせを含み、そして場合により、亜鉛、バリウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、ニッケル、ルテニウム又はランタンにより促進されている、項目1〜17のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0088】
19.工程(iii)において蒸留により水素化生成物から(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを回収することをさらに含む、項目1〜18のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0089】
20.工程(i)において、TPAと接触され、工程(iv)においてリサイクルされ、又は、それらの組み合わせである、(4−メチルシクロヘキシル)メタノールは4〜20個の炭素原子を有する1種以上の追加のアルコールをさらに含む、項目1〜19のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0090】
21.前記1種以上の追加のアルコールは1−ブタノール、2−ブタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、1−ヘキサノール、1−ペンタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール又はそれらの組み合わせを含む、項目20記載の実施形態を含む方法。
【0091】
22.(i)過圧で、外来性触媒の非存在下に、約220℃〜約280℃の温度で反応ゾーンにて、約2:1〜約5:1のアルコール/酸のモル比でテレフタル酸及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを接触させ、その間に反応ゾーンから水を除去し、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレート及び未反応(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含むエステル化生成物混合物を形成すること、
(ii)アルミナ上のパラジウムの触媒の存在下に第一の水素化ゾーンにおいて、エステル化生成物混合物を水素と接触させ、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを含む液体エフルエントを製造すること、
(iii)第二の水素化ゾーンにおいて亜クロム酸銅触媒の存在下に、前記第一の水素化ゾーンからの前記エフルエントを水素と接触させ、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4'−オキシビス(メチレン)ビス(メチルシクロヘキサン)及び(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを含む水素化生成物を製造すること、
を含み、
(iv)水素化生成物から(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを蒸留により回収することをさらに含み、
(v)(4−メチルシクロヘキシル)メタノールの少なくとも一部は工程(i)にリサイクルされる、項目1〜21のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0092】
23.テレフタル酸と接触する(4−メチルシクロヘキシル)メタノールのすべて又は一部は工程(v)からリサイクルされたものである、項目22記載の実施形態を含む方法。
【0093】
24.水素化生成物中の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールの量は工程(i)に要求される(4−メチルシクロヘキシル)メタノールを満たすのに十分な量である、項目22〜23のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【0094】
25.前記方法は連続法である、項目22〜24のいずれか1項記載の実施形態を含む方法。
【実施例】
【0095】
実施例
本発明は下記の非限定的な実施例によりさらに記載されそして例示される。
【0096】
例1:テレフタル酸の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールによるエステル化
テレフタル酸(10モル)及び50モルの(4−メチルシクロヘキシル)メタノール (「MCHM」)を、2ガロン容量、13.5バールゲージ(196psig)の圧力能力及び約0.3トルの真空能力を有するオイルジャケット付きパイロット規模バッチ反応器に装填した。反応器は中混合を提供するバブルヘリカルスターラを有した。その装置は圧力下に直接反応混合物サンプリングを可能にするサイドサンプルポートを備えた。別個の熱オイルコントロールを有する還流凝縮器は装置ヘッドに直接取り付けられており、部分蒸気/液体分離を可能としていた。水及び他の液体凝縮物を捕獲するために還流凝縮器にウォータジャケット付きカラムを取り付けた。
【0097】
反応体を、5.0バールゲージ(73psig)、260℃、カラム温度を150℃に維持し、5時間20分間攪拌した。2時間30分以内に反応は完了したようであった。カラム温度を156℃に上げ、そして反応水を蒸留により除去した。NMRスペクトルはテレフタル酸のビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートへの最終的な転化率が装填量を基準として94%であることを示した。ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートに加えて、ガスクロマトグラフィー/質量分析法(「GC/MS」)は検出限界内に遊離TPAを示さず、トレース量のTPAのMCHMモノエステル、未反応MCHM及びトレース量の他の不純物を示した。
【0098】
例2:テレフタル酸の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールによるエステル化
テレフタル酸 (10モル)及びMCHM (50モル)を例1に記載の装置と同一の装置に装填した。反応体を、5.0バールゲージ(73psig)、260℃、カラム温度を150℃に維持し、3時間攪拌した。反応器温度を270℃に上げ、そして1時間30分保持した。反応水を蒸留により除去した。カラムの設定点を最終保持時間の間に180℃に上げた。反応は2時間30分間以内に完了したようである。270℃の最終条件で、ある量の追加のMCHM凝縮物を捕獲したが、反応水をほとんど又は全く回収しなかった。プロトンNMRスペクトルはTPAのビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートへの最終的な転化率が96%であることを示した。ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートに加えて、GC/MSはトレース量のTPA、トレース量のTPAのMCHMモノエステル、未反応MCHM及びトレース量の他の不純物を示した。
【0099】
例3:テレフタル酸の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールによるエステル化
例2のエステル化反応を繰り返したが、280℃でさらに1時間30分間の反応時間であった。プロトンNMRスペクトルはTPAのビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートへの最終転化率が98%であることを示した。GC/MS分析は例1と同様であった。
【0100】
例4及び5:テレフタル酸の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールによるエステル化
例2のエステル化反応を繰り返したが、4:1のTPA:MCHMモル比を用いた。反応は3.5時間後に完了したようである。プロトンNMR分析はTPAの転化率が98%及び96%であることを示した。GC/MS分析は例2と同様の結果を示した。
【0101】
例6及び7:テレフタル酸の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールによるエステル化
例2のエステル化反応を繰り返したが、3:1のTPA:MCHMモル比を用いた。反応は4時間後に完了したようである。プロトンNMR分析はTPAの転化率が92%及び97%であることを示した。GC/MS分析は例2、4及び5と同様の結果を示した。
【0102】
例8及び9:テレフタル酸の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールによるエステル化
例2のエステル化反応を繰り返したが、2:1のTPA:MCHMモル比を用いた。反応は4時間後に完了したようである。プロトンNMR分析はTPAの転化率が93%及び91%であることを示した。GC/MS分析は例2、4、5、6及び7と同様の結果を示した。
【0103】
例10(比較例):テレフタル酸の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールによるエステル化
TPA(0.5モル)及びMCHM(2.0モル)を500mL丸底フラスコに装填し(TPA:MCHMモル比4:1)、そして200℃で大気圧下に48時間攪拌した。実質的な量の未溶解TPAは反応容器内に残り、そして非常に少量の水を回収し、そのことはエステル化が不完全であったことを示した。分析データを回収しなかった。
【0104】
例11(比較例):テレフタル酸の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールによるエステル化
例10の反応を繰り返したが、2:1のTPA:MCHMモル比を用いた。結果は例10に関して得られたものと同様であった。
【0105】
例12:テレフタル酸の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールによるエステル化
TPA(2.5モル)及びMCHM(7.6モル)を、約1〜1.5ガロン容量を有し、13.5バールゲージ(196psig)の圧力能力を有し、電気トレース蒸留カラムならびにホットオイルジャケット付きシェルアンドチューブ型凝縮器と次のウォータジャケット付きシェルアンドチューブ型凝縮器を備えた電気加熱実験室規模連続攪拌タンク反応器に装填して、7つの実験を行った。その装置は中混合を提供するためのピッチブレードスターラを有した。反応器と少なくとも同等でかつ一致している圧力等級を有する水冷式容器中に水及び他の凝縮物は捕獲された。反応体を4.8バールゲージ(70psig)で260℃にて8時間、次いで、270℃で1時間、そして最終的に280℃で1時間攪拌した。カラム温度は180℃であった。プロトンNMRによる反応生成物の分析はすべての7つの実験でのTPA転化率は96〜99%であったことを示した。
【0106】
例13:テレフタル酸の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールによるエステル化
例12と同一の装置を用いて、TPA(2.5モル)及びMCHM(5.35モル)を、2.4〜5.2バールゲージ (35〜75psig)の範囲の圧力で7〜8時間攪拌して、4つの実験を行った。反応の間に、温度を140℃から295℃に上昇させた。TPA転化率はプロトンNMRにより91〜98%であった。
【0107】
例14:テレフタル酸の(4−メチルシクロヘキシル)メタノールによるエステル化
例13と同一の装置を用いて、TPA(2.5モル)及びMCHM(7.1モル)を、2.4バールゲージ (35psig)で8〜9時間攪拌して、2つの実験を行った。反応の間に、温度を255℃から275℃に上昇させた。TPA転化率はプロトンNMRにより80〜98%であった。1つの実験での低い転化率は蒸留カラムへのTPAの同伴及び低混合によるものと信じられる。
【0108】
例15:ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレートのビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートへのバッチ水素化
ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)テレフタレート(本明細書中にて「DXT」と略す)をバッチオートクレーブにおいて水素化した。DXT出発材料を、1,4−ジメチルシクロヘキサンジカルボキシレート (「DMCD」と略す)中に20質量%の濃度で溶解した。この混合物(220g)を10gのPd/Al
20
3触媒とともにバッチオートクレーブに装填し、そして124.1バールゲージ(1800psig)及び200℃で1時間水素化した。フィード材料及び最終生成物材料のサンプルを回収し、そしてガスクロマトグラフィー(GC)により分析し、面積%の結果を表1に示した。フィードサンプル及び反応生成物及びエフルエントをAgilent Model 6890を用いたキャピラリーガスクロマトグラフィー又は同等のガスクロマトグラフで熱導電性ディテクタを装備したものを用いて分析した。結果を面積百分率として提供する。GCサンプル(1マイクロリットル)をヘリウムキャリアガスを用いて0.50ミクロン(30m×0.25mm)DB−WAX カラム上に希釈せずに注入した。GCカラムの温度を100℃で2分間維持し、その後、16℃/分で240℃へとプログラムした。240℃の最終温度を20時間維持した。インジェクションポートは100:1スプリット比を用いた。表1において、ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−l,4−ジカルボキシレート水素化生成物は「DXCD」と略しており、そして副生成物である(4−メチルシクロヘキシル)メチル4−メチルシクロヘキサンカルボキシレートは「MCHMエステル」と略している。DXTからDXCDへの転化率は97%であった。データは、また、MCHM及びMCHMエステルの濃度の増加を示す。
【表1】
【0109】
MCHMエステルはDXTの水素化分解生成物を形成するものと考えられ、それゆえ、プロセスからの収量損失を表す。水素化分解プロセスは、また、ある量のMCHMを発生する。
【0110】
例15:ビス(4−メチルシクロヘキシル)メチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートの1,4−シクロヘキサンジメタノール(「CHDM」)へのバッチ水素化
DXCD(800g、83%のDXCDと残部のMCHM及び他の不純物(1.7モルのDXCD))を4100psi及び250℃で40gのCuCr触媒により5時間水素化した。表2中のフィード及び生成物サンプル分析に示されるとおり、出発DXCDの約95%をこの間にCHDMへと転化した。表2において、TPAのMCHMモノエステルを「モノエステル(Monoester)」とラベル化した。分析をガスクロマトグラフィーにより行い、面積%として示す。
【表2】
CHDM及びMCHMの両方は反応の間に同時製造され、そして主な追加の副生成物は観測されなかった。最終生成物中のCHDMシス/トランス異性体比は0.35であった。それはほぼ平衡値である。
【0111】
例16: DXTのDXCDへの連続水素化
124.1バールゲージ(1800psig)及び180〜225℃で固定床反応装置中でDXT材料を連続的に水素化した。反応器として72インチの長さ及び1インチの内径を有する垂直トリクルベッド反応器を用いて、実験を連続操作モードで行った。反応器の温度を反応器の壁内に挿入した10本の一連の熱電対で測定した。反応器に、830mL(519g)のPd/α−Al
20
3触媒押出成形物を装填した。触媒を20mLのPenn Stateパッキング及び104mLのガラスビーズで支持した。追加の400mLのガラスビーズを触媒上に配置した。
【0112】
フィードリザーバはジャケット付きで、4L傾斜容器で、ボトムテークオフバルブを有した。この装置において、液体フィード材料を高圧シリンジポンプを通してリサイクルストリーム中に添加し、その後、プレヒータを通してフィード温度を約反応器温度まで上げた。リザーバー、ポンプヘッド及びフィードラインをスチーム加熱し、フィード材料が凍結することを防いだ。反応器上の3つのゾーンヒータを用いて、実験の間にほぼ等温温度プロファイルを確立した。
【0113】
DXT/リサイクルフィード混合物を、反応容器のトップに水素とともにフィードし、そして触媒と接触させた。粗製生成物を反応器のボトムから取り出し、そしてレベルポットにフィードし、ここで、水素を粗製生成物から分離した。レベルポットから、液体の一部を生成物として抜き出し、残部を反応器のトップにリサイクルした。反応装置中の液体ホールドアップは約1Lであった。装置が正確なプロセス設定(温度、圧力、フィード速度及びリサイクル速度)に到達した後に、装置を適切な時間(3フルベッドターンオーバー)で平衡に維持した。リサイクル速度は幾分か変動したが、典型的なリサイクル速度は約11〜12L/時であると評価された。
【0114】
DXTフィード材料及び水素化生成物サンプルの面積百分率組成を表3に示す。
【表3】
【0115】
これらのサンプルにおいて、DXTのほとんどは所望の生成物DXCDに転化されたが、不純物として上記のMCHMエステル及びMCHM−ジエーテルも形成した。MCHMエステルの面積%濃度はフィード材料中よりも生成物中で8倍近く高かった。MCHMエステルの形成はDXTの水素化分解の間に起こるものと考えられ、このため、プロセスに対する収量損失を表す。MCHMエステルの各1モルは、しかしながら、エステル基の水素化の間にMCHM2モルへと水素化される。MCHM−ジエーテルは2つのMCHM分子の反応から形成し、還元に対して比較的に不活性であり、それゆえ、非可逆的にMCHMを消費する。
【0116】
例17:DXTのDXCDへの連続水素化
例16に記載されたのと同一の反応装置を用いて、ジエーテル生成の速度を低減しそしてMCHMの消費を限定するために触媒の非存在下に調製したDXTフィード材料を用いたDXTからDXCDへの第二の連続水素化を行った。さらに、水素化を137.9バールゲージ(2000psig)で、低い酸度のPd/α−Al
2O
3触媒(750mL、662.8g)及びより低い温度 (200℃)を用いて行った。フィード材料、生成物サンプルの分析を表4に示す。分析をガスクロマトグラフィーにより行い、そして面積%として示す。
【表4】
【0117】
MCHMジエーテル/所望の生成物DXCDの比は0.03〜0.04であった。これらの値は例16の比0.17(表3に示す)と比較してよく、そして約4倍減少している。さらに、MCHMジエーテル及びMCHMエステルのレベルはほぼ等しく、プロセスがMCHMに対して中立であることを示す。
【0118】
例18:DXCDのCHDMへの水素化分解
表3に示す第一の水素化の生成物はさらに反応してCHDMを生じた。この反応はトリクルベッド反応器中で225℃及び344.7バールゲージ(5000psig)でCuCrを触媒として用いて行った。分析をガスクロマトグラフィーにより行っており、そして面積%として示す。典型的な生成物サンプルの分析を表5に示す。
【表5】
【0119】
DXCDの水素化分解により、1モルのCHDM毎に2モルのMCHMを生じる。最終生成物サンプルは12.9〜13.1%のCHDMをMCHM中に溶解して含む。生成物材料は、主としてMCHMエステルの還元により、フィード材料よりも低い濃度の不純物を含む。90%より多量のMCHMエステルは水素化分解工程の間に還元され、エーテル生成により失われたMCHMの一部を置き換えた。エーテル自体は比較的に不活性であり、そして次の精製工程で除去されねばならないであろう。面積%濃度が質量%に対応すると仮定すると、DXCDの水素化分解はDMCDの生成に対してほぼ100%選択的であり、有意な副生成物はこの工程の間に観測されなかった。CHDM生成物のシス/トランス異性体比は0.42であった。
【0120】
例19:DXCDの水素化からのCHDMの精製
MCHM、CHDM、MCHM−ジエーテル及び他の種々の副生成物を含む粗製最終生成物を連続水素化分解操作から分離した。粗製生成物をガスクロマトグラフィーにより分析し、そして下記の表6に示す(単純化のためにトレース量の不純物を除く)。MCHM−ジエーテルの3つの異性体はシクロヘキサン環のシス/トランス異性体のためにガスクロマトグラフィーで見ることができる。
【表6】
合計濃度は以下のとおりである。
【表7】
【0121】
上記の粗製生成物を過剰のMCHMを除去するために蒸留に付した。このことは、1リットルフラスコ、マグネチック攪拌棒、及び、カラム間にフィードポートを有する2つの10” Penn State充填カラム、フィード材料のためのニードルバルブ、フィードタンク、蒸気テークオフヘッド、マグネチックバルブリフター、蒸気テークオフヘッド上の凝縮器、材料受け取り用凝縮器、フラクションカッター、レシーバー、3つの温度計(ベース、フィード、テークオフ蒸気)及びマグネチックスターラからなる真空蒸留器で行った。蒸留装置を約10トルで操作し、そしてトップテークオフ比は35%に設定した。条件、温度プロファイル及びフィード速度の表は下記の表7に含まれ、そして分析結果(GC、面積%)を表8に示す。
【表8】
【表9】
【0122】
蒸留器からの画分の分析から示されるとおり、非常の少量のCHDMが回収MCHMへと失われた。蒸留の完了後に、室温に冷却すると固形分を形成する2相がベースに形成された。相を分離し、804gのボトム層及び314.1gのトップ層を提供した。これらの層のGC分析(面積%)を表9に示す。各層の面積百分率の合計は98%であった。
【表10】
【0123】
「MW268」及び「MW394」としてラベル化した不純物をGC−MSにより、それぞれ(4−メチルシクロヘキシル)メチル4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート及び1−(4−メチルシクロヘキシル)メチル4−オクチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートと特定した。各層の組成を表10に要約する。
【表11】
【0124】
2リットル丸底フラスコ、攪拌棒、温度計、10”Pen state充填カラム、マグネチックテークオフヘッド、凝縮器、フラクションカッター及びテークオフレシーバを用いてボトム層を蒸留し、MCHMジエーテルを留去した。相分離混合物からのボトム層をベースに装填した。熱及び真空を装置に課し、カラムを表11に要約するように操作した。
【表12】
【0125】
エーテル除去工程の後に、マグネチックテークオフヘッドを除去し、3”Vigreuxカラムで置き換え、ヒートテープをテークオフラインに適用し、回収までCHDMを溶融させておいた。蒸留プロファイルを表12に示し、そして蒸留画分の分析を表13に提供する。
【表13】
【表14】