【文献】
DVB Document A160, DVB-NGH, physical layer specification,2012年11月,pp.112-127,132
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の望ましい実施形態が添付された図を参照して詳細に説明する。そして、本発明を説明するにあって、関連した公知機能あるいは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に不明瞭にすることが判断された場合はその詳細な説明は省略する。そして後述する用語は本発明での機能を考慮して定義された用語であり、ユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わることができる。したがって、その定義は本明細書全般にかけた内容に基づいてなされるべきである。
【0016】
以下、放送/通信システムでデータ及び情報の送受信による符号率を制御するための技術に対して説明する。以下の説明はヨーロッパデジタル放送標準であるDVB−T2(Digital Video Broadcasting the 2nd Generation Terrestrial)システム及び現在標準化中であるDVB−NGH(Digital Video Broadcasting Next Generation Handheld)システムを基盤とする。しかし、他のシステムにも同一に適用できる。また、以下の説明は、シグナリング情報(signaling information)の伝送による符号率を制御すると仮定するが、他の情報を伝送する場合にも同一に適用できる。
【0017】
放送/通信システムの送信端でLDPC符号器は、K
ldpc個のLDPC情報ビットを受信してN
parity個のパリティビットを生成して、N
ldpc(=K
ldpc+N
parity)個のLDPC符号化ビットを出力するように構成される。以下では説明の便宜のためにビットの入力及び出力に対して言及するが、シンボルの場合にも同一な説明が適用可能であることは言うまでもない。
【0018】
符号器に入力されることができる入力情報ビットのうちシグナリングビット(Signaling bits)は可変長を有する。可変長のシグナリングビットが入力される場合、送信端は短縮(shortening)及び/またはパンクチャリング(puncturing)(以下、短縮/パンクチャリングと称する)を実行することができる。すなわち、LDPC符号器のLDPC情報ビットの長さがK
ldpcであり、LDPC符号器にK
sigのビット長を有するシグナリング(Signalling)ビットが入力されると、K
ldpc−K
sigのビットが短縮される。ここで、短縮されるということはシグナリングビットに(K
ldpc−K
sig)個の‘0’ビットがパディングされLDPC符号化し、LDPC符号化された後、パディングされた‘0’ビットを削除するか、上記パディング及び削除を通した短縮と同一な効果を有したLDPC符号器のパリティ検査行列のサイズの縮小を通して符号化を実行することを意味する。上記パンクチャは、符号化ビットのうち一部、特にパリティビットを伝送から除外することを意味する。
【0019】
他の例として、放送/通信システムの送信端では二つの符号器を連結して使用することができる。一例としてBCH符号とLDPC符号を連結する符号器は、BCH/LDPC(Bose、Chaudhuri、Hocquenghem/Low Density Parity Check)符号器と称する。この場合、BCH符号器は、K
bch個のビットで構成されるBCH情報ビット(BCH information or information bits)を受信して、N
bchビットで構成されるBCH符号化ビット(BCH coded bitsまたはBCH codewordまたはBCH coded block)を出力する。N
bchはLDPC情報ビットの個数(K
ldpc)と同一であり、LDPC符号器に入力される情報であることを意味するLDPC情報ビット(LDPC information bitsまたはLDPC uncoded block)と呼ぶこともある。BCH符号化ビット、すなわちLDPC情報ビットはLDPC符号器に入力されてN
ldpc長さを有するLDPC符号化ビット(LDPC coded bits)あるいはLDPC符号化ブロック(LDPC coded block)あるいはLDPC符号語(LDPC codeword)として出力される。
【0020】
前述したように、符号器に入力される情報語のうちシグナリングビットは可変長を有する。この場合、送信端は、符号器から出力される符号語に対する短縮/パンクチャを実行する。すなわち、BCH/LDPC符号器にK
sigのビット長を有するシグナリングビットが入力されて、K
bch−K
sigのビットが短縮される。ここで、短縮されるということは、入力されるシグナリングビットに(K
bch−K
sig)個の‘0’ビットがパディングされBCH/LDPC符号化された後、パディングされた‘0’ビットを削除することを意味する。
【0021】
上述したように、短縮は符号率を下げる効果があるので、短縮ビットの個数(the number of bits to be shortened)(すなわち、短縮ビット長)が増加するほど符号化性能は向上する。しかし、シグナリング情報を符号化する場合、入力情報の長さによって符号化性能の差が発生しないことが好ましい。すなわち、受信機で受信パワーが一定な場合、入力情報語の長さによる性能差がないことが好ましい。したがって、パンクチャリングビットの個数(the number of bits to be punctured)(すなわち、パンクチャリングビット長)を短縮ビットの個数によって調節すれば、符号化性能の安全性を得ることができる。ここで、短縮ビットの個数は入力情報語のビット長、すなわち入力情報語のビット個数によって決められるので、結果的にパンクチャリングビットの個数は入力情報語のビット個数に従属する。
【0022】
下記では、パンクチャ動作のために使用される入力パラメータ、すなわちパンクチャされるビットの個数であるN
puncを決定する実施形態に対して説明する。
【0023】
一実施形態として、N
puncは、下記<数式1>乃至<数式4>のうち一つにより算出できる。
【0024】
<数式1>及び<数式2>は、BCH符号を連結した場合と連結しない場合に対して使用される。すなわち、BCH符号を連結する場合、短縮されるビットの個数は(K
bch−K
sig)であるので、N
puncは次の<数式1>のように求められる。
【0026】
また、BCH符号を連結しない場合に短縮されるビットの個数は(K
ldpc−K
sig)であるので、N
puncは次の<数式2>のように求められることができる。
【0028】
ここで、Aは短縮されるビットとパンクチャされるビットの個数比率を表し、K
bch−K
sig及びK
ldpc−K
sigは短縮されるビットの個数を意味する。K
bchは、BCH符号化を通してK
ldpc個のビットで構成されたBCH符号化ビット(BCH coded bits)を生成するために入力されるBCH情報ビットの個数(すなわち、情報ビット長)を表し、K
ldpcは、LDPC符号化ビットを生成するために入力されるLDPC情報ビットの個数を表し、K
sigは、符号器に入力される短縮される前の入力情報語のビット長を表し、Bは、補正因子(factor)を表す。また
【数3】
は、床(floor)関数を意味し、xより小さいか同一な最大の整数を意味する。
【0029】
パンクチャされるビットの個数を<数式1>または<数式2>により求める場合、短縮及びパンクチャしない場合の符号率に比べて低い符号率を構成できる。以上で、Bが0である場合にBは省略できることは当然である。
【0030】
他の実施形態として、以下の<数式3>または<数式4>に基づいてN
puncを求める場合、短縮及びパンクチャしない場合の符号率に比べて高い符号率を構成できる。
【0031】
BCH符号を連結する場合、短縮されるビットの個数はK
bch−K
sigであるので、N
puncは、次の<数式3>のように求められる。
【0033】
BCH符号を連結しない場合、短縮されるビットの個数はK
ldpc−K
sigであるので、N
puncは、次の<数式4>のように求められる。
【0035】
ここで、Aは短縮されるビットとパンクチャされるビットの比率を表し、K
bch−K
sig及びK
ldpc−K
sigは短縮されるビットの個数を意味する。K
bchは、BCH符号化を通してK
ldpc個のビットで構成されたBCH符号化ビットを生成するために入力されるBCH情報ビットの個数(すなわち、情報ビット長)を表し、K
ldpcは、LDPC符号語を生成するために入力されるLDPC情報ビットの個数を表し、K
sigは、符号器に入力される短縮される前の入力情報語のビット長を表し、Bは補正因子(factor)を表す。K
sig_minは、符号器に入力されることができる情報語のうち最も短い情報語のビット長を表す。
【0036】
<数式3>及び<数式4>において、B<N
parity−A(K
ldpc−K
sig_min)の条件が満足すると、N
puncがパリティビットの個数、N
parityより小さくなる。
【0037】
<数式1>乃至<数式4>において、パラメータAとBの値によってN
puncが変更できる。すなわち、AとBの値によって符号率が変わることがある。K
ldpc個のビットを受信してN
ldpc個の符号化ビットを出力する場合、LDPC符号の符号率は以下<数式5>のようである。
【0039】
入力されるK
sig個の情報語ビットに対して短縮とパンクチャ後の有効符号率(effective Code Rate)は以下<数式6>のようである。
【0041】
N
bch_parityはBCH符号のパリティビットの個数であり、BCH符号を使用しない場合、0である。
【0042】
有効符号率は<数式1>乃至<数式4>のAとBによって変わる。以下、符号率の変化を
図1乃至
図3を参照して説明する。
【0043】
図1は、本発明の実施形態による有効符号率の変化を示している。
図1は、K
bch=2100、K
ldpc=2160、N
ldpc=8640である場合、A=1.35、B=3320を<数式3>に適用する場合と、A=1.32、B=3320を<数式3>に適用する場合の符号率変化を表す。示されたように、<数式3>に適用される場合Aの変化によって情報を伝送する符号率は変わる。特に、Aが大きいほど符号率は高くなる。
【0044】
図2は、A=1.35、B=3320である場合、多様な情報ビット長、280、396、880、1350、1550、1670、1900に対する符号語のFER(Frame error rate)を示している。
【0045】
示されたように、入力情報ビットの個数K
sigが280である場合に性能劣化が発生することが分かる。したがって、FER=10e−4である場合、最も性能が優れている場合と性能が悪い場合の性能差が0.7dB程度発生することが分かる。
【0046】
図3は、A=1.32、B=3320である場合、多様な入力情報ビット長、280、396、880、1350、1550、1670、1900に対する符号語のFER(Frame error rate)を示している。
【0047】
示されたように、
図2の場合、符号率が低いので全体的に性能の向上があることが分かる。特に、入力情報ビットの個数K
sigが1350である場合、他の場合に対応して性能が非常に良いことがわかる。また最も性能が優れている場合と性能が悪い場合のFER=10e−4である場合、性能差が0.7dB程度発生することが分かる。
【0048】
以上で言及した通り、入力情報ビット長による符号化性能の差が大きく発生しないことが好ましい。したがって、入力情報ビット長によって<数式1>乃至<数式4>のA及びB値を別にする方法が必要である。
【0049】
したがって、本発明の実施形態では、以下<数式7>及び<数式8>のようにN
puncを決定する。
【0052】
上記した通り、入力情報ビット長によってA及びBの相異する値、すなわち、A
1及びB
1あるいはA
2及びB
2が使用される。
【0053】
ここで、B
1が整数であれば、上記<数式7>は下記のように変形できる。
【0055】
また、A
1=C+D(ここで、Cは整数であり、Dは実数である)であれば、上記<数式7>は下記のように変形できる。
【0057】
同様に、<数式8>は上記の<数式7>と同様に変形できる。
【0058】
<数式7>及び<数式8>の実施形態では、一つの所定の閾値K
thを基準に入力情報ビット長が小さい場合と大きい場合とを区分したが、入力情報ビット長を区分するために複数の閾値が使われ、これにより2組以上のA及びBの値が使用されることが出来ることは当然である。
【0059】
一実施形態として、K
thは、N
puncによる符号化性能の差が発生しないように実験的に決定されてもよい。特に性能が相対的に優れている場合、又は、性能が相対的に悪い場合に対応する値がK
thとして決定される。また、K
sig=K
thである場合、N
punc値が同一になるように相異するパラメータ対(A
1,B
1)及び(A
2,B
2)が決定される。
【0060】
上述したように、パンクチャリングビットの個数は短縮ビットの個数によって調節されることが望ましく、短縮ビットの個数は入力情報語のビット長によって決められる。したがって、短縮ビットパンクチャリングビットの個数比率を表すA
1及びA
2は、入力情報語のビット長によって決められる常数値になることができる。これによって、B
1及びB
2はまた常数値として決定されてもよい。
【0061】
以上のようにN
puncが決められると、送信端はN
puncを利用して、入力情報ビットを符号化して生成した符号化ビット(coded bits)のうちパリティビットに対するパンクチャ動作を実行する。
【0062】
図4は、本発明の実施形態による有効符号率の変化を表した図であり、A=1.35、B=3320を<数式3>に適用する場合と、A=1.32、B=3320を<数式3>に適用した場合とを、<数式7>及び<数式8>が使用される場合(「proposed」で図示)と比較して図示している。「proposed」は、K
bch=2100、K
ldpc=2160、N
ldpc=8640である場合、A
1=1.3、B
1=3357、A
2=1.35、B
2=3320、K
th=1350を<数式7>に適用する場合であり、K
sigがK
thと同一な値である1350以上では、A=1.35、B=3320を<数式3>に適用する場合と同一な符号率が現れることが分かる。
【0063】
図5は、本発明の実施形態によるFERを表す図であり、多様な情報ビット長、280、396、880、1350、1550、1670、1900に対するFER性能を表す。図示したように、入力情報ビット長が280である場合、
図2に示した実施形態よりも符号率が低いので、性能がより優れていることが分かる。また、入力情報ビット長が1350である場合、
図3に示した実施形態よりも符号率が高いので性能の劣化が発生することが分かる。したがって、全体的な性能差は0.3dBであり、
図2乃至
図3よりも符号化性能の差が減少した。
【0064】
以上では、上記の数式を利用してパンクチャされるビットの個数であるN
puncを求める実施形態を説明した。一方、以下では、上記の数式を利用して求められる値をN
puncの仮値、すなわち一時的パンクチャリングビット個数(N
punc_temp)として、いくつかの過程を通して、より精密にN
puncを求める実施形態に対して説明する。後述する実施形態では、送信端は、N
puncを利用してパンクチャ動作を実行するにあって、追加的なパラメータ、一例としてBCHパリティビットの個数、変調次数などによってN
puncを追加的に精密に調整することができる。以下、N
punc_tempを利用して最終的にパンクチャされるビットの個数を表すN
puncを計算するための手順を説明する。
【0066】
一時的パンクチャリングビット個数(N
punc_temp)を、先に説明した<数式7>及び、上記の数式に関連した説明と実質的に同一な下記の<数式9>を通して計算する。
【0068】
本実施形態では、BCH符号と連結されたLDPC符号を使用し、<数式9>では、
図4の説明を通して提示した値である(A
1,B
1)=(1.3,3357)及び(A
2,B
2)=(1.35、3320)である場合の例を記載した。
【0070】
N
punc_tempを利用して一時的符号化ビット個数N
post_tempを下記<数式10>を通して計算する。
【0072】
ここで、K
sigは先に説明された通り、入力情報ビットの個数であり、一例としてシグナリングビット(signaling information bits)の個数であり得る。N
bch_parityはBCHパリティビットの個数を表し、N
ldpc_parity_ext_4KはLPDC符号の種類によって決められる常数値である。
【0074】
N
post_tempと変調次数(modulation order)を考慮して、最終符号化ビット個数(各LDPCブロックのビット個数)を次の<数式11a>のように計算する。
【0076】
ここで、η
MODは変調次数を示し、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature PSK)、16−QAM(16-ary Quadrature amplitude modulation)、64−QAM(64-ary QAM)に対して各々1、2、4、6になる。
【0077】
上記の数式のように各情報語ブロックを符号化したビット個数N
postを決定する理由は、N
postがブロックインターリーバのコラム(column)数の倍数になるようにするためである。上記ブロックインターリーバは、図示又は追加的に説明されないが、各LDPCブロックのビットが、以後ビットインターリビングされる過程で使用されるものである。
【0078】
ブロックインターリーバを使用しない場合、一例で、BPSKとQPSKだけを使用する場合に<数式11a>は次の<数式11b>に変更可能であることは当然である。
【0081】
最後に、各LDPCブロックのパリティビットのうちパンクチャするビットの個数を表すN
puncは、下記<数式12>のように計算される。
【0083】
図6は、本発明の実施形態による入力情報ビット長によってパリティビットをパンクチャするための手順を表した順序図を示す。
【0084】
図6を参照すれば、ステップ600で、伝送するためのシグナリング情報を含む入力情報ビットの個数(すなわち、入力情報ビット長)が決定される。ステップ602で、送信端は、パンクチャするビットの個数、すなわちパンクチャリングビット長を計算するためのパラメータを確認する。すなわち、<数式7>乃至<数式8>で言及した通り、入力情報ビット長によってA
1、B
1を選択するか、あるいはA
2、B
2を選択するかを決定する。図示しないが、入力情報ビット長によって2個以上の所定のパラメータ対のうち一つを選択することも可能である。他の実施形態として、ステップ602で、送信端は入力情報ビット長を所定の閾値1350と比較した結果にしたがって、<数式9>で使用されるためのパラメータ値(A
1,B
1)=(1.3,3357)あるいは(A
2,B
2)=(1.35,3320)を取得する。
【0085】
ステップ604では、上記決定されたパラメータに基づいてパンクチャするパリティビットの個数(すなわち、パンクチャリングパリティビット長)を計算する。ステップ604でパンクチャするパリティビットの個数は、一実施形態として<数式7>及び<数式8>のように決定されたり、あるいは<数式9>乃至<数式12>を通して決定されることができる。ステップ606では、上記計算したパンクチャリングパリティビット長に基づいて符号語に対するパリティビットのパンクチャが実行される。
【0086】
一方、上記で入力情報ビットであるシグナリングビットに対して生成されたパリティビットは、シグナリングビットが伝送されるフレームと同一なフレーム及び先行するフレームを通じて分れて伝送されることができる。この場合、シグナリングビットと同一なフレームを通じて伝送されるパリティビットを最初のパリティと称し、先行するフレームを通じて伝送されるパリティビットを2番目のパリティあるいは追加パリティ(Additional Parity)と称する。
【0087】
図7は、本発明の実施形態によって2種類のパリティビットを伝送するためのフレーム構成を示している。
【0088】
示されたように、1階層(Layer1)シグナリングビットは、(i)番目のフレーム702を通して伝送され、シグナリングビットに対して生成された最初のパリティ710は、シグナリングビットと共に(i)番目のフレーム702を通して伝送され、追加パリティ712は、(i−1)番目のフレーム700を通して伝送される。
【0089】
一実施形態として、受信端は(i)番目のフレーム702を通して受信したシグナリングビットと最初のパリティを基盤に復号化する。仮に、復号が失敗した場合、受信端は、(i−1)番目のフレーム700を通して受信した追加パリティ712も共に利用して復号化を実行する。他の実施形態として、シグナリングビットと最初のパリティに対する復号が失敗した場合、受信端はシグナリングビットの復号が失敗したと判断し、(i)番目のフレーム702に含まれた追加パリティを保存した後に(i+1)番目のフレームを受信する。もう一つの実施形態として、受信端は(i−1)番目のフレーム700を通して受信した追加パリティを常に保存し、(i)番目のフレーム702を通して受信したシグナリングビット及び最初のパリティと上記保存された追加パリティとを基盤にして復号化を実行する。
【0090】
上述した通り、受信端で入力情報ビットを復号化する場合、追加パリティビットの個数を決定する方法が必要である。以下では、追加パリティビットの個数を決定する方法に対して具体的に説明する。
【0091】
一実施形態として追加パリティビットの個数は以下<数式13>のように表現できる。
【0093】
<数式13>で、α・Il は、最初のパリティビットの個数と追加パリティビットの個数比率を意味する。この中で、αは固定された値であり、I
iは0からL−1値のうち選択されることができ、L1追加パリティ比率(L1 Additional Parity Ratio)を表す。I
iは‘L1_AP_RATIO’というシグナリングを通して伝送されることができる。I
iが0であるという意味は、追加パリティビットを使用しないことを意味する。N
tx_parityは情報語と同一なフレームを通じて伝送されるパリティビット(すなわち最初のパリティビット)の個数を意味し、他の意味では実際に伝送されるパリティビットの個数を意味する。この場合、N
tx_parity=N
parity−N
puncで計算できる。
【0094】
以下では、パンクチャされるパリティビットの個数及び追加パリティの個数を決定する具体的な実施形態を説明する。
【0095】
図8は、パリティ伝送をサポートするためのLDPC符号の構造の一例を示した図である。
【0096】
示した通り、LDPC符号語は、K
ldpc個のLDPC情報ビット800とN
parity個のパリティビットとM
IR個のIR(Incremental Redundancy)パリティビットで構成される。便宜上、N
parity個のパリティビット802とM
IR個のIR(Incremental Redundancy)パリティビット804は「パリティビット」として通称できる。
図8のLDPC符号の構造は、LDPC符号の設計に際して、パリティビット802を優先的に考慮して設計した。したがって、パンクチャの際に、IRパリティビット804が優先的にパンクチャされる。また、
図8のLDPC符号はパリティビット802とIRパリティビット804を区分せず、パリティビットで表現できることは当然である。
【0097】
シグナリングビット806を符号化するために、
図8のLDPC情報ビット800は、シグナリングビット806及びBCH符号のパリティビット807及び短縮のための‘0’パディングビット808で構成され、パリティビット802及びIRパリティビット804は、パンクチャされないパリティビット810及びパンクチャされたパリティビット812で構成される。ここで、各ビットの具体的な位置(すなわち、インデックス)は本発明の主要な要旨と大きい関連がないので本文書では言及しない。すなわち、パリティビット802とIRパリティビット804のうち具体的にどのビットがパンクチャされ、どのビットがパンクチャされないか、すなわちパンクチャリングパターンに対しては言及しない。また、LDPC情報ビット800で、どのビットがシグナリングビット806であり、どのビットが0パディング808であり、どのビットがBCHパリティビット807であるか及び各ビットの位置に対しては言及しない。また、BCH符号のパリティビット807は、BCH符号とLDPC符号の連結符号を使用する場合に存在し、LDPC符号だけ使用する場合、BCHパリティビット807は省略されることは当然である。
【0098】
シグナリングビット806及びBCHパリティビット807及びパンクチャされないパリティビット810は、第1のパーツ814を構成して、
図7の(i)番目のフレーム702に伝送される。また、パンクチャされたパリティビット812のうち一部が追加パリティ816を構成して
図7の(i−1)番目のフレーム700に伝送される。すなわち、パンクチャされたパリティビット812のうち一部は、
図7の追加パリティ807、712と同一である。
【0099】
追加パリティ708を構成する具体的な方法は、多様に決められることができる。一例としてパンクチャされたパリティビット812が優先的に追加パリティとして選択されることができる。
【0100】
以下では、
図8の伝送方法を利用する具体的な例を提示する。
【0101】
K
bch=2100、K
ldpc=2160、N
ldpc=4320、M
IR=4320である場合、R
ldpc=K
ldpc/N
ldpc=1/2,R
IR=K
ldpc/(N
ldpc+M
ldpc)=1/4である。この場合、N
puncは一実施形態によって<数式7>を基盤として以下<数式14>のように求めることができる。
【0103】
<数式14>は、A
1=1.3、B
1=3357で、A
2=1.35,B
2=3320であり、K
th=1350である場合を表す。したがって、
図8のパリティビット802とIRパリティビット804のうち<数式14>によるN
punc個のパリティビットがパンクチャされる。あるいは他の実施形態として<数式9>のN
punc_tempを基にして<数式10>乃至<数式12>を利用して求められたN
punc個のパリティビットがパンクチャできる。
【0104】
N
puncを求めるのに使用されるパラメータの具体的な値は、伝送に使用される変調方式及びOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルの個数によって決められることが出来るのは当然である。一例として、変調方式で2
n−QAM(Quadrature Amplitude Modulation)を使用する場合、伝送されるビットの個数である(K
sig+N
bch_parity+N
parity+M
IR−N
punc)はnの倍数となる。ここで、K
sigは入力されるシグナリング情報ビットの個数を意味し、N
bch_parityはBCH符号のパリティビットの個数を意味し、nは変調方式の次数(order)を意味する。
【0105】
また、
図7の追加パリティ712あるいは
図8の追加パリティ816ビットの個数は、以下の<数式15>のように求められることができる。
【0107】
ここで、 I
0=0,I
1=1,I
2=2,I
3=3である。
【0108】
<数式15>は、<数式13>にα=0.35を適用したもので、αは下記の<数式16>を満足するように選択された値である。
【0110】
すなわちαは、Ilが最大値であるI
L-1であり、K
sigが入力されることができる入力情報ビットのうち最も長い長さであるK
sig_maxである場合に伝送される、最初のパリティビットの個数(N
tx_parity)と追加パリティビットの個数(N
add_parity)の和(N
tx_parity+N
add_parity)が最大になり、その合計がN
parity+M
IRより小さい値になるようにする値のうち最大値に決定される。
【0111】
以上の実施形態で、入力される情報ビットのうち最も長い長さであるK
sig_max=2100である場合、N
punc=3320であるのでN
tx_parity=3160であり、I
lが最大値であるI
L-1=I
3=3である場合、N
add_parity=0.35×3×3160=3318であるので、N
tx_parity+N
add_parity=6478であり、N
parity+M
IR=6480より小さい。
【0112】
以上、上記の数式を利用して追加パリティビットの個数であるN
add_parityを求める実施形態を説明した。以下では上記の数式を利用して求められる値であるN
add_parityを基盤にして、伝送に使用される変調方式を考慮してより精密なN
add_parityを求める実施形態に対して説明する。
【0113】
<数式16>は、BPSK変調方式を使用した場合を仮定した式である。すなわち、BPSK変調方式を使用する場合に伝送される、最初のパリティビットの個数と追加パリティビットの個数がN
parity+M
IRより小さな値になるようにα値を決定した。したがって、他の変調方式、一例として、QPSK、16−QAM、64−QAMを使用した場合も最初のパリティビットの個数と追加パリティビットの個数がN
parity+M
IRより小さな値になるようにN
add_parityに対する補正が必要である。したがって、一時的追加パリティビットの個数は以下<数式17>のように求められることができる。
【0115】
Kは、L1追加パリティ比率(L1 Additional Parity Ratio)であり、<数式13>及び<数式15>のI
iのもう一つの表現である。一実施形態として、Kは、‘L1_AP_RATIO’という別途のシグナリングを通じて送信機から受信機に伝えられることができる。一例として、‘L1_AP_RATIO’は2ビットのパラメータであり、上記パラメータが‘00’の場合にK=0、上記パラメータが‘01’の場合にK=1、上記パラメータが‘10’の場合にK=2、上記パラメータが‘11’の場合にK=3を意味する。
【0116】
<数式17>のN
add_parity_tempと変調次数(modulation order)を考慮して、最終追加パリティビットの個数は次の<数式18a>のように計算される。
【0118】
ここで(η
MODは変調次数を示し、BPSK、QPSK、16−QAM、64−QAMに対して各々1、2、4、6になる。
【0119】
<数式18a>のように追加パリティビットの個数N
add_parityを調整する理由は、N
add_parityがブロックインターリーバのコラム数の倍数になるようにするためである。ブロックインターリーバは各追加パリティビットがビットインターリビングされるステップで使用されるものである。
【0120】
ブロックインターリーバを使用しない場合、一例としてBPSKとQPSKだけを使用する場合に<数式18a>は次の<数式18b>に変更可能であることは当然である。
【0122】
また、N
add_parityは伝送に使用されるOFDMシンボルの個数によって決められることができることは当然である。
【0123】
追加パリティビットの個数に対する情報はL1_AP_SIZEというシグナリングパラメータを通して送信機から受信機に伝送可能である。仮りに、複数のLDPC符号化ブロックが伝送のために使用されると、L1_AP_SIZEは符号化ブロックの個数と
【数24】
の乗を指示する。例えば、2個の符号化ブロックを使用する場合、上記‘L1_AP_SIZE’は、
【数25】
を表すことができる。上記シグナリングパラメータを通して受信機では追加パリティビットの個数が分かる。
【0124】
図9は<数式15>のように追加パリティビットの個数を計算した時の符号率を示したものである。符号率は以下<数式19>のように計算される。
【0126】
ここで、N
tx_parityは
図8の814パーツのパリティビットの個数を意味し、ここでは、N
ldpc+M
IR−N
punc=6480−N
puncである。N
add_parityは
図8の816パーツの追加パリティビットを意味する。
【0127】
図9で、AP(Additional Parity)=0は、I
0=0である場合に追加パリティを使用しない場合の符号率を意味し、
図9のAP=1は、I1=1である場合であり、AP=2はI
2=2である場合であり、AP=3はI
3=3である場合の符号率を意味する。
【0128】
本発明のもう一つの実施形態で、
図8のLDPC符号でIRパリティビット804が選択的に使用されてもよい。すなわち、入力される情報語ビットに対してパリティビット802だけを優先的に生成し、IRパリティビット804はIRパリティが必要な場合だけに生成できる。これは符号化/復号化効率を増加させるための方法である。
【0129】
以上で言及した通り、入力情報ビットに対してパリティビット802だけを優先的に生成し、パリティビット802に対してN
puncを一実施形態によって<数式7>を基に以下<数式20>のように求めることができる。
【0131】
<数式20>で、N
puncが正の整数である場合パリティビット802だけを生成した後、パリティビット802だけに対してN
punc個のパリティビットをパンクチャする。一方、N
puncが負の値である場合、パリティビット802とIRパリティビット804を両方生成した後、M
IR+N
puncほどIRパリティビット804だけをパンクチャする。あるいは、他の実施形態によって<数式20>に基づいて<数式10>乃至<数式12>を利用して求められたN
puncほどのパリティビットがパンクチャされる。
【0132】
図10は、本発明の実施形態によって2種類のパリティビットの個数を決定するための手順を示したものである。
【0133】
図10を参照すれば、ステップ1000では<数式7>及び<数式8>あるいは<数式9>乃至<数式12>を利用してパンクチャするパリティビットの個数が計算される。ステップ1002では<数式13、15、17>で使用されるためのパラメータα、I
l、N
tx_parityが決定される。また、ステップ1002で既に決定されたαあるいはI
l値が使用されることができ、I
lは<数式17>及び<数式18>でK値として表現された。上記で言及した通り、Kは‘L1_AP_RATIO’という別途のシグナリングにより指示できる。ステップ1004では、上記決定したパラメータを使用して<数式13>あるいは<数式17>及び<数式18>を基盤に追加パリティビットの個数(すなわち追加パリティビット長)N
add_parityが決定される。ステップ1006では上記計算された追加パリティビットの個数によって追加パリティビットが構成される。
【0134】
図11は、本発明の実施形態による送信端の構成を示している。
【0135】
図11を参照すれば、送信端は、符号器1101、パンクチャ器(Puncturer)1103、制御機(Controller)1105、変調器(Modulator)1107及びRF(Radio Frequency)処理機1109及び選択的に追加パリティ構成機1111を含んで構成される。
【0136】
符号器1101は、伝送するための情報語ビットを符号化して生成した符号化ビットを出力する。例えば、BCH/LDPC符号が使用される場合、符号器1101はK
bch個のビットで構成されたBCH情報ビットをBCH符号化してK
ldpc個のビットで構成されたBCH符号語を生成する。以後、符号器1101はBCH符号語をLDPC符号化してN
ldpc個のビットで構成されたLDPC符号語を生成して出力する。あるいは、(N
ldpc+M
IR)個のビットで構成されたLDPC符号語を生成して出力する。図面で詳細に説明しなかったが、K
bch個のビットで構成されたBCH情報ビットはK
sig個の入力情報ビットに(K
bch−K
sig)個の‘0’ビットを挿入することで構成されることができる。また、図示しないが、(K
bch−K
sig)個の‘0’ パディングされたビットは送信されない。
【0137】
パンクチャ器1103は、制御機1105から提供を受けたパンクチャリングパターン及びパンクチャリングビット長(K
bch−K
sig)によって、符号器1101から提供を受けた符号語をパンクチャする。制御機1105は、情報ビットの個数によってパンクチャリングビット長を算出してパンクチャ器1103を制御する。例えば、制御機1105は、
図6に図示された手順のように送信端から伝送するための入力情報ビット個数(あるいは、シグナリングビットの個数)によってA値とB値を決定してパンクチャ器1103に提供する。または決定されたパラメータ(A値とB値)からパンクチャされるビットの個数を求めて、求められたパンクチャされるビットの個数をパンクチャ器1103に提供する。変調器1007はパンクチャ器1003から提供を受けた信号を該当変調方式によって変調して出力する。RF処理機1009は変調器1007から提供を受けた変調された信号を高周波信号に変換してアンテナを通して伝送する。
【0138】
選択的な実施形態として追加パリティビットを伝送する場合に制御機1105は
図10に図示された手順のように追加パリティビットの個数を決定して追加パリティ構成機1111に提供する。追加パリティ構成機1111では追加パリティビットを構成して変調器1107に提供する。この時現在フレームで生成された上記追加パリティは、先行するフレームを通じて送信されることに注意すべきである。
【0139】
上記した実施形態で(N
ldpc、K
ldpc)LDPC符号化を基盤とする場合、入力情報ビット長K
sigに対して(K
ldpc−K
sig)ビットが短縮される。この時、BCH符号を連結するとBCH情報ビット長K
bchに対して(K
bch−K
sig)ビットが短縮される。
【0140】
図12は、本発明の実施形態による受信端の構成を示している。
【0141】
図12を参照すれば、受信端は、RF処理機1200、復調器(Demodulator)1202、短縮/パンクチャ処理機1204、復号器(decoder)1206、制御機1208及び選択的に追加パリティ処理機1210を含んで構成される。
【0142】
RF処理機1200は送信端のRF処理機1109で送信した信号を受信して復調器1202に提供する。
【0143】
復調器1202では、送信端の変調器1107の変調方式に対応するようにRF処理機1200から提供されていた信号を復調する。一例として、復調器1202は、変調器1107を通して伝送される短縮/パンクチャされた符号化ビットと追加パリティビット各々に対して、上記各ビットが1であった確率と0であった確率の比率のログを取ったLLR(Log Likely Ratio)値を求めて短縮/パンクチャ処理機1204及び追加パリティ処理機1210に提供できる。追加パリティ処理機1210は選択的な実施形態として、追加パリティが受信されない場合には使用しない。
【0144】
短縮/パンクチャ処理機1204は、復調器1202の出力信号を入力受けて、送信端により短縮及びパンクチャされたビットに対して短縮及びパンクチャに対応する値を生成して復調器1202からの出力信号に挿入する。一例として短縮されたビットに対しては、LLR値を求める時に復号器入力値のうち、(+)あるいは(−)最大値になるようにして、パンクチャされたビットに対してはLLR値を‘0’とする。この時に短縮/パンクチャ処理機1204では短縮及びパンクチャされたビットの個数及びインデックスに対する情報を制御機1208から入力受ける。すなわち、制御機1208では送信端の符号器1101の情報ビットの個数によってパンクチャリングビット長を算出して短縮/パンクチャ処理機1204を制御する。例えば、制御機1208は、
図6に図示された手順のように送信端で伝送するためのシグナリング情報のビット個数によってA値とB値を決定して短縮/パンクチャ処理機1204に提供する。または決定されたパラメータ(A値とB値)からパンクチャされるビットの個数を求めて、求められたパンクチャされるビットの個数を短縮/パンクチャ処理機1204に提供する。この時に送信端の符号器に入力される入力情報ビットの個数に対する情報は、一例として付加的なシグナリングを通して受信機の制御機1208に伝送されることができる。
【0145】
復号器1206は、短縮/パンクチャ処理機1204の出力値を入力受けて復号して情報語ビットを復元する。例えば、BCH/LDPC符号が使用される場合、復号器1206はN
ldpc個あるいは(N
ldpc+M
IR)個のLLR値を入力受けてLDPC復号化してK
ldpc個のビットを復元した後、BCH復号化を通してK
bch個の情報語ビットを復元する。
【0146】
選択的な実施形態として、追加パリティビットが伝送される場合制御機1208は、
図10に図示された手順のように追加パリティビットの個数を決定して、追加パリティ処理機1210に提供する。追加パリティ処理機1210では、送信端により生成された追加パリティビットに対するLLR値を復調器1202から入力受けて復号器1206に提供して、復号器1206は短縮/パンクチャ処理機1204から提供された値と追加パリティ処理機1210から提供された値を共に利用して復号化を実行する。この時、現在フレームで受信された追加パリティは、送信機における処理によって、次のフレームの復号過程で使用されることに注意する。すなわち、現在フレームで受信された符号に対して復号する場合には、先行するフレームで受信された追加パリティビットを利用する。
【0147】
一方、本発明の詳細な説明では具体的な実施形態に関し説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内で色々な変形が可能である。したがって、本発明の範囲は説明された実施形態に限定されず、後述する特許請求範囲だけでなく、それと均等なものにより決まらなければならない。