特許第5964990号(P5964990)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5964990-通信ネットワークにおける呼の課金 図000008
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964990
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】通信ネットワークにおける呼の課金
(51)【国際特許分類】
   H04M 15/00 20060101AFI20160721BHJP
   H04M 15/08 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   H04M15/00 E
   H04M15/08
【請求項の数】14
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-553653(P2014-553653)
(86)(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公表番号】特表2015-510719(P2015-510719A)
(43)【公表日】2015年4月9日
(86)【国際出願番号】EP2012077047
(87)【国際公開番号】WO2013110426
(87)【国際公開日】20130801
【審査請求日】2014年9月22日
(31)【優先権主張番号】12305108.8
(32)【優先日】2012年1月27日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100170601
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 孝
(72)【発明者】
【氏名】グプタ,ヴァルン,ジー.
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−212500(JP,A)
【文献】 特開平06−105021(JP,A)
【文献】 特開平10−294808(JP,A)
【文献】 特開2001−274926(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/119440(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M15/00
H04M15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークにおいてプロセッサが呼の課金をする方法であって、
発呼当事者に対応する第1のユーザと被呼当事者に対応する第2のユーザとの間の呼に関する自由裁量課金機能に関する加入情報を受信するステップであって、前記第1のユーザは、第1のテレコム・オペレータに加入され、前記第2のユーザは、前記第1のテレコム・オペレータおよび第2のテレコム・オペレータのうちの1つに加入される、ステップと、
前記受信に基づいて、前記第1のユーザを少なくとも部分的に無料通話とする前記自由裁量課金機能に基づく課金方式に前記第2のユーザが加入されるかどうかを確認するステップと、
前記確認に基づいて、前記第1のユーザの呼課金を決定するために自由裁量課金を適用するステップとを含み、
自由裁量課金を適用する前記ステップは、前記自由裁量課金機能に基づいて前記第1のユーザの当初に予約された課金を再評価するステップを含
前記課金方式は、前記呼の持続時間について前記第1のユーザに呼課金の少なくとも一部を返金することを指定する、
方法。
【請求項2】
前記確認は、前記自由裁量課金機能に関連する課金すべき当事者パラメータに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記課金すべき当事者パラメータは、要求識別子、自由裁量課金機能インジケータ、および少なくとも1つの自由裁量課金機能パラメータを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記確認は、前記自由裁量課金機能に基づく前記課金方式に前記第2のユーザが加入済みであるかどうかを確認するために前記要求識別子の値を決定するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記適用は、前記第1のユーザの前記呼課金を計算するために、前記自由裁量課金機能インジケータおよび前記自由裁量課金機能パラメータを決定するステップを含む、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
自由裁量課金を適用する前記ステップは、
前記自由裁量課金機能インジケータおよび前記自由裁量課金機能パラメータに基づいて前記第1のユーザの当初に予約された課金を再評価するステップ
を含む、請求項乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記自由裁量課金機能インジケータは、前記第1のユーザの完全な無料通話であり、前記第1のユーザの前記無料通話は、前記呼の持続時間について前記第1のユーザに呼課金全体を返金することを指定する、請求項3または5に記載の方法。
【請求項8】
前記自由裁量課金機能インジケータは、制限された期間の課金であり、前記制限された期間の課金は、前記呼の所定の持続時間について前記第1のユーザに課金し前記呼の残りの持続時間について前記第2のユーザに課金すること、および前記呼の前記所定の持続時間について前記第2のユーザに課金し前記呼の前記残りの持続時間について前記第1のユーザに課金することのうちの1つを指定する、請求項3または5に記載の方法。
【請求項9】
前記自由裁量課金機能インジケータは、固定された課金の呼であり、前記固定された課金の呼は、前記呼の持続時間全体について所定の額を前記第1のユーザに課金し、前記呼の前記持続時間の差引勘定額を前記第2のユーザに課金することを指定する、請求項3または5に記載の方法。
【請求項10】
前記自由裁量課金機能インジケータは、サービス・ベースの分割課金であり、前記サービス・ベースの分割課金は、呼が少なくとも2つベアラ・サービスを含むときに、前記呼の第1のベアラ・サービスについて前記第1のユーザに課金し前記呼の第2のベアラ・サービスについて前記第2のユーザに課金することを指定する、請求項3または5に記載の方法。
【請求項11】
前記自由裁量課金機能インジケータは、課金共有であり、前記課金共有は、前記呼の前記持続時間について所定の比率に従って前記第1のユーザおよび前記第2のユーザに課金することを指定する、請求項3または5に記載の方法。
【請求項12】
通信ネットワーク内において呼の課金のための呼課金システム(102)であって、
プロセッサ(202−1)と、
前記プロセッサ(202−1)に結合されたメモリ(206−1)とを備え、前記メモリ(206−1)が、
第2のユーザ(104−2)に関連する呼課金モジュール(106−2)から、発呼当事者に対応する第1のユーザ(104−1)と被呼当事者に対応する前記第2のユーザ(104−2)との間の呼に関する課金すべき当事者パラメータを受信することであって、前記第1のユーザ(104−1)は、第1のテレコム・オペレータに加入され、前記第2のユーザ(104−2)は、前記第1のテレコム・オペレータおよび第2のテレコム・オペレータのうちの1つに加入される、受信することと、
前記課金すべき当事者パラメータに基づいて、前記第1のユーザを少なくとも部分的に無料通話とする自由裁量課金機能に基づく課金方式に前記第2のユーザ(104−2)が加入されるかどうかを確認することと、
前記確認された加入状況および前記課金すべき当事者パラメータに基づいて、前記第1のユーザ(104−1)の呼課金を決定するために自由裁量課金を適用することと
を行うように構成された呼課金モジュール(106−1)を備え、
前記呼課金モジュール(106−1)は、前記自由裁量課金機能に基づいて、前記第1のユーザ(104−1)の当初に予約された課金を再評価するようにさらに構成され、前記呼課金モジュール(106−1、106−2)は、前記再評価に基づいて、前記第1のユーザ(104−1)および前記第2のユーザ(104−2)のうちの少なくとも1つに所定の額を返金するように構成されている、
呼課金システム(102)。
【請求項13】
前記自由裁量課金機能は、前記第1のユーザ(104−1)の無課金、前記第1のユーザ(104−1)の固定された課金、前記第1のユーザ(104−1)と前記第2のユーザ(104−2)との間の課金共有、前記第1のユーザ(104−1)と前記第2のユーザ(104−2)との間のサービス・ベースの分割課金、および制限された期間の課金のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の呼課金システム(102)。
【請求項14】
方法を実行するためのコンピュータ・プログラムを実装したコンピュータ可読媒体であって、前記方法が、
発呼当事者に対応する第1のユーザと被呼当事者に対応する第2のユーザとの間の呼に関する自由裁量課金機能に関する加入情報を受信するステップであって、前記第2のユーザは、第1のテレコム・オペレータに加入される、ステップと、
前記受信に基づいて、前記第1のユーザを少なくとも部分的に無料通話とする前記自由裁量課金機能に基づく課金方式に前記第2のユーザが加入されるかどうかを確認するステップであって、前記第1のユーザは、前記第1のテレコム・オペレータおよび第2のテレコム・オペレータのうちの1つに加入される、ステップと、
前記確認に基づいて、前記第1のユーザの呼課金を決定するために自由裁量課金を適用するステップとを含
前記課金方式は、前記呼の持続時間について前記第1のユーザに呼課金の少なくとも一部を返金することを指定する、
コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題は、通信ネットワークに関し、詳細には、限定するものではないが、通信ネットワークにおける呼の課金に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ電話機、携帯情報端末、ポータブル・コンピュータ、およびデスクトップ・コンピュータなどの通信デバイスは、ユーザに、様々なモバイル通信サービスおよびコンピュータ・ネットワーキング能力を提供する。これらの通信サービスは、テキストまたは音声の形のデータ、たとえば音声呼を、ユーザの間で交換することを可能にする。ユーザは、その後、様々なパラメータに基づいて、セルラ・サービス・プロバイダまたはテレコム・オペレータ(telecom operator)によって提供された通信サービスについて課金され得る。そのようなパラメータの例は、発信呼または着信呼などの呼のタイプ、呼の持続時間、ならびに発呼当事者および被呼当事者の位置とすることができる。
【0003】
一般に、2人のユーザが電話呼に出ているときに、発呼当事者は、発呼オペレータによって提供される料金プランに従って独立に課金され得、被呼当事者は、被呼オペレータによって提供される料金プランに従って独立に課金され得る。発呼オペレータおよび被呼オペレータは、ここでは、それぞれ発呼当事者および被呼当事者のテレコム・オペレータを指す。さらに、これらの料金プランは、同一のテレコム・オペレータ内で特別料金レートを提供する場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
この概要は、通信ネットワークでの呼の課金に関する概念を導入するために提供されるものである。この概要は、請求される主題の本質的特徴を識別することを意図されたものではなく、請求される主題の範囲を決定しまたは限定する際に使用されることを意図されたものでもない。
【0005】
一実装形態では、本主題は、通信ネットワークで呼に課金する方法を含む。この方法は、第1のユーザと第2のユーザとの間の呼に関する自由裁量課金機能に関する加入情報を受信するステップであって、第1のユーザは、第1のテレコム・オペレータに加入され、第2のユーザは、第1のテレコム・オペレータおよび第2のテレコム・オペレータのうちの1つに加入される、ステップを含む。この方法は、受信に基づいて、第2のユーザが自由裁量課金機能に加入されるかどうかを確認するステップと、確認に基づいて、第1のユーザの呼課金を決定するために自由裁量課金を適用するステップとをさらに含む。
【0006】
一実装形態では、自由裁量課金を適用するステップは、自由裁量課金機能インジケータおよび自由裁量課金機能パラメータに基づいて第1のユーザの当初に予約された課金を再評価するステップを含む。
【0007】
別の実装形態では、本主題は、通信ネットワーク内での呼の課金のための呼課金システムに関する。このシステムは、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを含む。メモリは、第2のユーザに関連する呼課金モジュールから、第1のユーザと第2のユーザとの間の呼に関する課金すべき当事者パラメータを受信するように構成された呼課金モジュールを含む。第1のユーザは、第1のテレコム・オペレータに加入され、第2のユーザは、第1のテレコム・オペレータおよび第2のテレコム・オペレータのうちの1つに加入される。呼課金モジュールは、課金すべき当事者パラメータに基づいて、第2のユーザが、自由裁量課金機能に加入されるかどうかを確認し、確認された加入状況および課金すべき当事者パラメータに基づいて、第1のユーザの呼課金を決定するために自由裁量課金を適用するようにさらに構成されている。
【0008】
一実装形態では、呼課金モジュールは、自由裁量課金機能に基づいて、第1のユーザの当初に予約された課金を再評価するようにさらに構成され、呼課金モジュールは、再評価に基づいて、第1のユーザおよび第2のユーザのうちの少なくとも1つに所定の額を返金するように構成されている。
【0009】
さらなる実装形態では、本主題は、方法を実行するためのコンピュータ・プログラムを実装したコンピュータ可読媒体に関する。この方法は、第1のユーザと第2のユーザとの間の呼に関する自由裁量課金機能に関する加入情報を受信するステップであって、第2のユーザは、第1のテレコム・オペレータに加入される、ステップを含む。この方法は、受信に基づいて、第2のユーザが自由裁量課金機能に加入されるかどうかを確認するステップであって、第1のユーザは、第1のテレコム・オペレータおよび第2のテレコム・オペレータのうちの1つに加入される、ステップをさらに含む。この方法は、確認に基づいて、第1のユーザの呼課金を決定するために自由裁量課金を適用するステップをも含む。
【0010】
詳細な説明を、添付図面を参照して説明する。図面では、符号の左端の桁(1つまたは複数)が、その符号が初めて現れる図面を識別する。同一の符号が、同様の特徴および構成要素を指すために図面全体を通じて使用される。本主題の実施形態によるシステムおよび/または方法のいくつかの実施形態を、添付図面を参照して例としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本主題の実装形態による、呼課金を決定する通信ネットワーク環境を示す図である。
図2a】本主題の実装形態による、呼課金システムを示す図である。
図2b】本主題の実装形態による、課金すべき当事者パラメータを示す図である。
図2c】本主題の実施形態による、Global System for Mobile(GSM)ネットワーク環境でのコール・フロー図を示す図である。
図3】本主題の実装形態による、呼課金の方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
遠隔通信ネットワークなどの通信ネットワークにおいて呼についての課金をするシステムおよび方法を説明する。このシステムおよび方法を、様々なコンピューティング・システム内で実施することができる。説明される方法(1つまたは複数)を実施できるシステムは、デスクトップ・コンピュータ、ハンドヘルド・デバイス、ラップトップまたは他のポータブル・コンピュータ、携帯電話機、および固定回線電話機などを含むが、これらに限定されない。さらに、この方法を、Global System for Mobile Communication(GSM)ネットワーク、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)ネットワーク、Personal Communications Service(PCS)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、Next Generation Network(NGN)、IPベースのネットワーク、公衆交換電話網(PSTN)、およびサービス総合ディジタル網(ISDN)などの通信ネットワークのいずれにおいても実施することができる。本明細書での説明は、ある種のネットワークを参照するが、当業者によって理解されるように、このシステムおよび方法を、いくつかのの変更は伴うが、他のネットワークおよびデバイスで実施することができる。
【0013】
通常、通信ネットワークにおいて、発呼当事者は、被呼当事者に電話をかける。一般に、発呼当事者および被呼当事者は、発信呼または着信呼などの呼のタイプ、呼の持続時間、ならびに発呼当事者および被呼当事者の位置など、様々なパラメータに基づいて、呼について独立に課金される。さらに、現在の課金機構は、それぞれのサービス・プロバイダの課金ポリシまたは課金プランに依存して、発呼当事者と被呼当事者との両方についいてこの独立の課金機構をサポートする。一例では、ユーザAが、1分の持続時間の間に、ホーム通話区域(home calling area)内にいるすなわち、ローミングしていないユーザBを呼び出す。この場合に、通常、ユーザAは、ユーザAが加入される料金プランに従って課金され、ユーザBは、ユーザBの料金プランに基づいて課金されるものとすることができ、この料金プランは、この場合には、ユーザBは、ローミングしていないので、ユーザBには課金されないと言うことができる。
【0014】
さらに、ある種の呼課金機構では、発呼当事者および被呼当事者は、自らのそれぞれのテレコム・オペレータによって提供される料金プランに依存して、特別なレートまたは割り引かれたレートで課金される場合がある。たとえば、ユーザA、B、およびCが、同一のテレコム・オペレータに加入される場合がある。さらに、ユーザA、B、およびCが、ある料金プランに加入する場合があり、ユーザのそれぞれは、毎月の加入料金で割り引かれたレートでお互いに電話をかけることができる。しかし、ユーザA、B、およびCが、異なるテレコム・オペレータに加入される場合には、これらのユーザは、上で述べた呼課金機構の利益を享受することができない。
【0015】
したがって、言い替えると、一般に、呼課金機構は、オペレータ固有であり、他の加入者のために部分的にまたは完全に支払う手段または動的に呼ごとにプレミアムを課金する手段のいずれかによってお互いの課金に影響する加入者に関する柔軟性なしでそれぞれの加入者によって独立に分担される。
【0016】
本主題の実装形態によれば、通信ネットワークにおいて呼の課金をするシステムおよび方法が説明される。一実装形態では、発呼当事者と被呼当事者との間の呼で、被呼当事者は、発呼当事者および被呼当事者のテレコム・オペレータにかかわりなく、発呼当事者が課金されるやり方を執ることができる。一例では、被呼当事者に、呼の発呼当事者の課金を執る決定権を与えることによって、動的な柔軟性を提供することができる。一例では、被呼当事者は、自由裁量課金機能に加入することができ、これによって、被呼当事者は、呼中の発呼当事者の課金機構または課金方式を執ることができる。
【0017】
一実装形態では、自由裁量課金機能は、被呼当事者などのユーザによって加入され得る、発呼当事者に適用可能な課金ルールまたは課金ポリシに関する情報を含むサービスである。たとえば、テレコム・オペレータは、ユーザが加入できる異なる呼課金方式を提供することができる。これらの呼課金方式は、動的な形で、発呼当事者および被呼当事者に関連するネットワーク・エンティティの間で共有され得、発呼当事者が呼について課金されるやり方を執ることができる。したがって、自由裁量課金機能に格納された情報を、動的課金情報と呼ぶことができる。
【0018】
一実装形態では、動的課金情報を、呼中に発呼当事者と被呼当事者との間で共有することができる。たとえば、加入状況およびその詳細を、コール・フロー中に遠隔通信ネットワークを介して被呼当事者に関連するネットワーク・エンティティによって発呼当事者に関連するネットワーク・エンティティに転送することができる。自由裁量課金機能に関する動的課金情報が、発呼当事者に関連するネットワーク・エンティティと共有された後に、発呼当事者は、被呼当事者によって加入された自由裁量課金機能に従って呼について課金され得る。コール・フローは、呼が終了するまで、呼の持続時間を通じて進行する。呼中に、自由裁量課金機能を実施して、呼の持続時間の間に、発呼当事者およびいくつかの場合に被呼当事者が分担するコストを再評価することができる。一例では、発呼当事者に、発呼当事者の既存の課金方式に従って課金することができ、課金の再評価は、自由裁量課金機能に関する動的課金情報が発呼当事者に関連するネットワーク・エンティティと共有された後に、自由裁量課金機能に加入した被呼当事者との呼について発生し得る。自由裁量課金機能の様々な実装形態については後述する。
【0019】
一実装形態では、発呼当事者を、第1のテレコム・オペレータに加入させることができ、被呼当事者を、別のテレコム・オペレータ、たとえば第2のテレコム・オペレータに加入させることができる。被呼当事者に、呼課金システムを介して、発呼当事者が呼について課金されるやり方を執るオプションを与えることができる。
【0020】
一実装形態では、呼課金システムは、無料で発信呼(OC)をかけることを容易にする。前述の実装形態では、被呼当事者に、呼ごとに呼の持続時間全体について支払う動的オプションを与えることができる。たとえば、被呼当事者を、顧客ヘルプライン番号とすることができ、ここで、すべての発呼者すなわち発呼当事者は、自らのそれぞれのテレコム・オペレータにかかわりなく、無料で顧客ヘルプライン番号を呼び出すことができる。一実装形態では、たとえばService Switching point(SSP)を介し、被呼当事者のservice control point(SCP)を介して発呼当事者のSCPに、被呼当事者が、決定権課金機能への被呼当事者の加入について発呼当事者に知らせることを容易にすることができる。その後、発呼当事者および被呼当事者の課金には、自由裁量課金機能に従って影響がもたらされ得る。
【0021】
別の実装形態では、呼課金システムは、固定された課金でOCをかけることを容易にする。前述の実装形態では、被呼当事者は、発呼当事者に、呼の持続時間とは独立に、呼の全体について固定された金額を支払うように指示することができる。たとえば、発呼当事者に、呼の持続時間にかかわりなく、呼について「X」通貨単位を支払うように指示することができる。この例では、テレコム・オペレータは、この呼課金機能の役に立つ当事者の間で呼の勘定を支払うために、オフライン調整を容易にすることができる。
【0022】
別の実装形態では、課金システムは、発呼当事者と被呼当事者との間の呼の課金共有を容易にする。一例では、被呼当事者は、自由裁量課金機能に加入することができ、50対50比など、呼の課金をそれによって分割すべき比率を動的に定義することができ、これによって、被呼当事者は、呼の総課金の半分を支払うことができ、発呼当事者は、残りの半分を支払うことができる。課金を、任意の比率で共有することができ、上で開示された例に限定されないことを了解されたい。また、オペレータは、そのようなサービスの加入に関して、呼ごとにまたは固定された基礎で追加のプレミアムを課金することができる。
【0023】
さらなる実装形態では、課金システムは、発呼当事者と被呼当事者との間でのサービス・ベースの分割課金を容易にする。たとえば、ビデオ通話中に、被呼当事者は、ビデオ・サービスの課金を分担するように発呼当事者に指示することができ、被呼当事者は、呼サービスの課金を分担することができる。前述の実装形態では、サービス・ベースの分割課金を、複数のベアラ・サービスを有するすべての呼タイプにまたがって適用可能とすることができる。
【0024】
別の実装形態では、課金システムは、発呼当事者と被呼当事者との間の制限された期間の課金を容易にする。前述の実装形態では、被呼当事者は、一例で、制限された持続時間の間にのみ呼の課金を分担するように発呼当事者に指示することができ、被呼当事者は、呼の残りの持続時間の課金を分担する。一例では、被呼当事者は、発呼当事者がたとえば5分の初期期間について支払うことを指定することができ、被呼当事者は、呼の残りの持続時間について支払うことができる。別の例では、被呼当事者は、発呼当事者が、呼の開始からたとえば1分の満了の後の呼の課金を分担することを指定することができる。これは、被呼当事者が、最初の1分の課金を分担し、発呼当事者が、呼が存在する残りの時間期間の課金を分担することを意味する。
【0025】
上記の実装形態は、説明のために本主題の様々な実施形態の例として引用されたものである。上で言及された実装形態を、限定的な意味で解釈してはならないことに留意されたく、本主題が、発呼当事者と被呼当事者との間での課金の動的共有を、自らのテレコム・オペレータにかかわりなく導入することに留意されたい。本主題の範囲を、上で引用した例以外の他の機能に拡張することができ、その拡張が、テレコム・オペレータがその顧客に様々な課金オプションを提供することを容易にすることができることを当業者は了解するはずである。
【0026】
本主題によれば、課金システムを、service switching point(SSP)、市内交換機、およびSCPでの実質的に些細なソフトウェア機能強化を用いて実施することができる。したがって、追加のハードウェアの実装は、不要である可能性があり、これは、資本費用および労力をさらに減らす。さらに、本主題を、テレコム・オペレータにかかわりなく加入者のために実施することができる、すなわち、本発明は、オペレータ不可知である。その形で、テレコム・オペレータにかかわりなく、通信ネットワークにまたがって特殊な課金料金を組み込むことを容易にすることができる。たとえば、全世界のフリー・ダイヤル番号を、顧客に提供することができ、ここで、テレコム・オペレータにかかわりなく、顧客は、特別なレートで、ある番号に電話をかけることができるものとすることができる。
【0027】
この説明および図面が、単に、本主題の原理を示すことに留意されたい。したがって、当業者が、本明細書で明示的には説明されないか図示されないが、本主題の原理を実施し、その趣旨および範囲に含まれる様々な配置を考案できることを了解されたい。さらに、本明細書で列挙されるすべての例は、主に、特に読者が本主題の原理と、本発明人が当技術を促進するために貢献する概念とを理解するのを助ける教育的目的のみのためのものであることが意図され、そのような具体的に列挙される例および条件への限定なしに解釈されなければならない。さらに本主題の原理、態様、および実施形態ならびにその特定の例を列挙する本明細書のすべての言明は、その均等物を包含することが意図されている。
【0028】
当業者は、本明細書で使用される単語during(〜の間)、while(〜の間)、およびwhen(〜のとき)が、開始するアクションの際に瞬間的にアクションが行われることを意味する正確な用語ではなく、初期アクションとその初期アクションによって開始される反応との間に、伝搬遅延など、短いが穏当な遅延があってもよいことをも了解するであろう。さらに、単語「connected(接続された)」は、説明の明瞭さのために終始使用され、直接接続または間接接続のいずれをも含むことができる。
【0029】
図1に、本主題の一実装形態による、呼の課金を決定するように構成され得る呼課金システム102を実施する通信ネットワーク環境100を示す。通信ネットワーク環境100は、通信ネットワーク103を介してお互いと通信する、集合的に通信デバイス104と称する1つまたは複数の通信デバイス104−1、104−2、104−3、…および104−Nを含む。通信デバイス104は、限定なしに、デスクトップ・コンピュータ、ハンドヘルド・デバイス、ラップトップまたは他のポータブル・コンピュータ、ネットワーク・コンピュータ、携帯電話機、および陸線電話機などを含むことができる。通信デバイス104のそれぞれは、通信デバイス104が結合される通信ネットワーク103によって定義される通信プロトコル上で働く。
【0030】
通信ネットワーク103を、無線ネットワーク、有線ネットワーク、またはその組合せとすることができる。通信ネットワーク103は、お互いに相互接続され、単一の大きいネットワークとして機能する個々のネットワークの集合(たとえば、インターネットまたはイントラネット)とすることができる。そのような個々のネットワークの例は、Global System for Mobile Communication(GSM)ネットワーク、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)ネットワーク、Personal Communications Service(PCS)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、Next Generation Network(NGN)、公衆交換電話網(PSTN)、およびサービス総合ディジタル網(ISDN)を含むが、これらに限定されない。技術に依存して、通信ネットワーク103は、ゲートウェイおよびルータなどの様々なネットワーク・エンティティを含むが、そのような詳細は、理解しやすくするために省略されている。たとえば、GSM固有ネットワークでは、Customized Applications for Mobile Enhanced Logic CAMELサポートを提供することができ、CDMA固有ネットワークでは、Wireless Intelligent Network(WIN)サポートを提供することができる。
【0031】
前述の説明は、通信デバイス104−1および104−2を参照して説明され、これを、他の通信デバイス104に拡張することもできることを理解されたい。さらに、通信デバイス104−1のユーザを、第1のユーザ104−1と称する場合があり、通信デバイス104−2のユーザを、第2のユーザ104−2と称する場合がある。さらに、第1のユーザ104−1および第2のユーザ104−2を、集合的にユーザ104と称する場合がある。第1のユーザ104−1は、音声呼を介して第2のユーザ104−2と通信することができる。第1のユーザ104−1を、第1のテレコム・オペレータに加入させることができ、第2のユーザ104−2を、第1のテレコム・オペレータまたは第2のテレコム・オペレータなどの別のテレコム・オペレータのいずれかに加入させることができる。
【0032】
一実装形態では、発呼当事者、たとえば第1のユーザ104−1が、第2のユーザ104−2などの被呼当事者に電話をかける。前述の実装形態では、呼中に、第1のユーザ104−1がラッチされ得る発信service switching point(O−SSP)110−1を、第2のユーザ104−2がラッチされ得る着信service switching point(T−SSP)110−2と通信するように構成することができる。概して、Service Switching Point(SSP)は、複数の加入者の間での呼のルーティングを容易にするルーティング・エンティティである。SSPは、ユーザの加入を検証し、ユーザによって使用されるテレコム・サービスの課金を計算するために、それぞれのService Control Point(SCP)に照会することができる。発信呼セグメントおよび着信呼セグメントのそれぞれのSCPは、それぞれのアクションを行うようにSSPに指示することによって、コール・フローを制御する。SSPは、それぞれのSCPに、呼中にさらなる指示について照会することができる、定義されたトリガ・ポイントを有する。SSPは、開始から終了までの呼の抽象的なビュー(オフ・フック、ダイヤリング、応答、応答なし、ビジー、ハング・アップなど)を表す有限状態機械であるBasic Call State Machine(BCSM)を実施する。各状態がトラバースされるときに、交換機は、SSPが、どのように進行すべきかに関するさらなる指示を待つためにSCPへの照会をそこで呼び出すことができるDetection Point(DP)に出会う。トリガする判断基準は、テレコム・オペレータによって定義され、加入者発呼番号またはダイヤルされた番号を含むことができる。
【0033】
一例では、第2のユーザ104−2が、呼課金システム102によって提供される自由裁量課金機能に加入済みであると考えられたい。第2のユーザ104−2によって加入された自由裁量課金機能に関する情報を、T−SCP112−2などの対応するSCP内に格納することができる。同様に、第1のユーザ104−1も、自由裁量課金機能に加入されている場合に、この自由裁量課金機能に関するデータを、O−SCP112−1に格納することができる。自由裁量課金機能を、様々な組合せで提供することができ、これを、本草稿の後のステージで説明する。
【0034】
一実装形態では、O−SCP112−1およびT−SCP112−2は、とりわけ、それぞれ呼課金モジュール106−1および106−2を含むことができる。T−SCP112−2の呼課金モジュール106−2を、自由裁量課金機能に関するデータをT−SSP110−2に転送するように構成することができる。さらに、O−SSP110−1およびT−SSP110−2は、とりわけ、それぞれ呼課金通信モジュール108−1および108−2を含むことができる。動作中に、呼課金通信モジュール108−1および108−2を、そのそれぞれのSCP、具体的には呼課金モジュール106−1および106−2からデータを受信するように構成することができる。
【0035】
動作中に、発信呼セグメントの第1のユーザ104−1が電話をかけている間に、O−SSP110−1を、第1のユーザ104−1が電話をかけるのに十分な権利を有するかどうかをチェックするためにO−SCP112−1に照会するように構成することができる。加入権の形とすることができる権利は、第1のユーザ104−1の勘定残高および位置を含むことができるが、これらに限定されない。この照会に応答して、O−SCP112−1を、グラントされたタイム・スライスを応答するように構成することができ、このグラントされたタイム・スライスは、O−SSP110−1が十分な権利についてもう一度O−SCP112−1に照会する前に呼が進行できる時間を示す。さらに、着信呼セグメントでは、T−SSP110−2を、第2のユーザ104−2が着呼に応答するための十分な権利を有するかどうかをチェックするために呼を受信するときにT−SCP112−2に決まって照会するように構成することができる。一実装形態では、T−SCP112−2を、勘定残高および自由裁量課金機能の詳細など、加入詳細を格納するように構成することができる。
【0036】
T−SCP112−2から第2のユーザ104−2の権利を入手したときに、T−SSP110−2を、第2のユーザ104−2に呼をルーティングするように構成することができる。T−SSP110−2を、自由裁量課金機能に関する動的課金情報をO−SSP110−1と共有するように構成することができる。さらに、一例では、呼中に、当初に割り当てられたタイム・スライスの満了時に、O−SSP110−1を、呼を継続するためのさらなる呼権利についてO−SCP112−1にさらに照会するように構成することができる。この照会では、自由裁量課金機能に関する動的課金情報を、O−SCP112−1と共有することができる。別の例では、呼を、第1のユーザ104−1または第2のユーザ104−2のいずれかによって終了することができる。さらに、呼中に、自由裁量課金機能が、O−SCP112−1に通信される前に、O−SCP112−1は、第1のユーザ104−1が加入されている通常の課金ポリシに従って、第1のユーザ104−1に課金することができる。しかし、O−SCP112−1によって割り当てられた最初のタイム・スライスの満了時など、動的課金情報がO−SCP112−1と共有された後に、O−SCP112−1を、自由裁量課金機能に従って第1のユーザ104−1に課金するように構成することができる。別の例では、O−SCP112−1を、第1のユーザ104−1について、初期タイム・スライスの間に、当初にブロックされまたは借方記入されたすべての課金を貸方記入しまたは借方記入するように構成することもできる。動的課金情報を共有するときに、自由裁量課金機能を利用して、自由裁量課金機能の特定の詳細および呼の持続時間に依存して、第1のユーザ104−1と第2のユーザ104−2との両方に適用すべき課金を調整しまたは再評価することができる。言い替えると、自由裁量課金情報が、T−SCP112−2とO−SCP112−1との間で共有された後に、この2つのSCPを、呼の残りについて加入された自由裁量課金機能に従ってそのレーティング/課金ルールを独立に改訂するように構成することができる。
【0037】
図2aに、本主題の実装形態による、呼課金システム102を示す。この図は、呼発信側と呼着信側とを示す。O−SSP110−1およびO−SCP112−1は、発信側に配置され、T−SSP110−2およびT−SCP112−2は、着信側に配置される。図2cに、本主題の実装形態による、GSMネットワークでの呼の課金の決定を示すコール・フロー図を示す。たとえば、このコール・フローを、図2aに示された呼課金システム102に関して適用することができる。このコール・フロー図内で使用される様々な矢印インジケータは、O−SSP110−1、O−SCP112−1、T−SSP110−2、およびT−SCP112−2などの様々なエンティティに対応するデータの転送を示す。図2(a)の説明を、GSMネットワークに関してかなり詳細に行ったが、呼の課金を、他のネットワーク、たとえばCDMAネットワークについても決定できることを理解されたい。
【0038】
一実装形態では、第1のユーザ104−1および第2のユーザ104−2が電話をかけまたは受けることを可能にするために、この実装形態内の通信ネットワーク環境は、CAMELプロトコルを実施することができる。コール・フロー図を、発呼者当事者である第1のユーザ104−1および被呼当事者である第2のユーザ104−2に関してかなり詳細に説明した。様々なタイプの呼が可能であり、たとえば、呼のタイプを、1つまたは複数のベアラ・サービス、このケースではビデオ・ベアラ・サービスおよびオーディオ・ベアラ・サービスを含むビデオ通話とすることもできる。さらに、第1のユーザ104−1もしくは第2のユーザ104−2のいずれかまたは第1のユーザ104−1と第2のユーザ104−2との両方を、そのホーム通話領域(home calling region)の外部すなわちローミングしつつあるものとすることができる。
【0039】
一実装形態では、O−SCP112−1は、1つまたは複数のプロセッサ202−1、インターフェース(1つまたは複数)204−1、およびプロセッサ202−1に結合されたメモリ206−1を含む。O−SSP110−1は、1つまたは複数のプロセッサ202−2、インターフェース(1つまたは複数)204−2、およびプロセッサ202−2に結合されたメモリ206−2を含む。T−SSP110−2は、1つまたは複数のプロセッサ202−3、インターフェース(1つまたは複数)204−3、およびプロセッサ202−3に結合されたメモリ206−3を含む。T−SCP112−2は、1つまたは複数のプロセッサ202−4、インターフェース(1つまたは複数)204−4、およびプロセッサ202−4に結合されたメモリ206−4を含む。
【0040】
プロセッサ202−1…202−4を、単一の処理ユニットまたは、そのすべてが複数のコンピューティング・ユニットを含むことができる複数のユニットとすることができる。プロセッサ202−1…204−4を、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、ディジタル信号プロセッサ、中央処理装置、状態機械、論理回路網、および/または動作命令に基づいて信号を操作する任意のデバイスとして実施することができる。他の能力の中でも、プロセッサ202−1…202−4は、メモリ206−1…206−4に格納されたコンピュータ可読命令およびデータを取り出し、実行するように構成されている。
【0041】
インターフェース204−1…204−4は、様々なソフトウェア・インターフェースおよびハードウェア・インターフェース、たとえば、キーボード、マウス、外部メモリ、およびプリンタなどの周辺デバイス(1つまたは複数)のインターフェースを含むことができる。さらに、インターフェース204−1…204−4は、呼課金システム102が、通信ネットワーク内のウェブ・サーバおよび外部データベースなど(図には図示せず)、他のコンピューティング・デバイスと通信することを可能にすることができる。インターフェース204−1…204−4は、たとえばLAN、ケーブルなどの有線ネットワークと、たとえばWLAN、セルラ、衛星などの無線根とワークとを含むネットワークなど、様々なプロトコルおよびネットワーク内での複数の通信を容易にすることができる。インターフェース204−1…204−4は、呼課金システム102を複数のコンピューティング・デバイスに接続するための1つまたは複数のポートを含むことができる。
【0042】
メモリ206−1…206−4は、たとえば、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)およびダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)などの揮発性メモリならびに/または読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能ROM、フラッシュ・メモリ、ハード・ディスク、光ディスク、および磁気テープなどの揮発性メモリを含む、当技術分野で既知の任意のコンピュータ可読媒体を含むことができる。メモリ206−1…206−4は、それぞれモジュール(1つまたは複数)208−1…208−4およびそれぞれデータ210−1…210−4をも含む。
【0043】
モジュール(1つまたは複数)208−1…208−4は、特定のタスクを実行しまたは特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。一実装形態では、O−SCP112−1のモジュール208−1およびT−SCP112−2のモジュール208−4は、それぞれ呼課金モジュール106−1および呼課金モジュール106−2を含む。同様に、O−SSP110−1のモジュール208−2およびT−SSP110−2のモジュール208−3は、それぞれ呼課金通信モジュール108−1および呼課金通信モジュール108−2を含む。さらに、モジュール208−1…208−4は、それぞれ他のモジュール(1つまたは複数)214−1…214−4を含む。他のモジュール(1つまたは複数)214−1…214−4は、それぞれのSSPおよびSCPのアプリケーションおよび関数を増補するプログラムまたはコーディングされた命令を含むことができる。
【0044】
さらに、データ210−1…210−4は、なかんずく、モジュール(1つまたは複数)208−1…208−4のうちの1つまたは複数によって処理され、受信され、生成されるデータを格納するリポジトリとして働く。一実装形態では、データ210−1および201−4は、それぞれ呼課金データ220−1および220−4を含む。データ210−2および210−3は、たとえば、それぞれ呼課金通信データ220−2および220−3を含む。データ210−1…210−4は、一例でモジュール(1つまたは複数)208内の1つまたは複数のモジュールの実行の結果として生成されるデータを含むことができる他のデータ(図示せず)をも含むことができる。一実装形態では、呼課金システム102は、CAMELプロトコルによってサポートされるGSMネットワーク上で動作する。
【0045】
一例では、第1のユーザ104−1などのユーザは、別のユーザ、たとえば第2のユーザ104−2に電話をかける。前述の例では、第2のユーザ104−2を、呼課金システム102に加入させることができる。一実装形態では、自由裁量課金機能を、呼課金モジュール106−2内で実施することができる。さらに、その場合に、当初に呼中に、発信側で、呼課金通信モジュール108−1を、たとえばCAMELプロトコル・ベースのInitial Detection Point(IDP)動作などのIDP 203を用いて呼課金モジュール106−1に照会するように構成することができる。それに応答して、呼課金モジュール106−1を、CONTINUE動作を用いて、グラントされた時間持続時間と一緒にApply Charging(AC)動作205を応答するように構成することができ、このグラントされた時間持続時間は、呼課金通信モジュール108−1が呼を進行させるためにもう一度呼課金モジュール106−1に照会する前に呼が進行できる時間を示す。たとえば、グラントされた時間持続時間を、AC動作の「MaxCallDuration」パラメータ内で、O−SCP112−1からO−SSP110−1に提供することができる。
【0046】
一例では、勘定残高、料金プラン、または課金ルールなどの加入詳細と、自由裁量課金機能ヘの加入権とを呼課金データ220−1および220−4に格納することができる。
【0047】
さらに、動作中に、AC動作205の受信時に、O−SSP110−1を、Initial Address Message(IAM)207を転送するためにトリガすることができ、IAM 207は、T−SSP110−2への着呼を示す。着信側では、T−SSP110−2を、IAM 207の受信時に、IDP 209を用いてT−SCP112−2に照会するように構成することができる。概して、第2のユーザのSCP、この場合にはT−SCP112−2を、Home Location Register(HLR)を介してSSPによって決定することができる。IDP 209は、第2のユーザ104−2が呼に応答するのに十分な権利を有するか否かの情報を入手する。前述の例では、呼課金通信モジュール108−2を、要求された情報を入手するために呼課金モジュール106−2に照会することによってチェックを実行するように構成することができる。ここで、第2のユーザ104−2が、自由裁量課金機能に加入したかどうかを確認することができる。T−SCP112−2は、受信されたIDP 209に応答して勘定残高を獲得するなど、要求されるチェックのすべてを実行し、T−SSP110−2に、Apply Charging(AC)RRBCSMおよびCONTINUE動作211を応答する。一実装形態では、このAC、RRBCSM、およびCONTINUE動作211は、第2のユーザ104−2によって加入された自由裁量課金機能に固有のデータを含むパラメータ「課金すべき当事者」を含む。
【0048】
図2bに、本主題の実装形態による、課金すべき当事者パラメータの例を示す。課金すべき当事者パラメータを、オクテット文字列とすることができ、ここで、8ビット値を、事前に定義された値を示すように構成することができる。たとえば、ビット0を、要求識別子222とすることができ、ここで、値=0は、通常のAC呼出を識別し、値=1は、「自由裁量課金」呼出を識別する。さらに、ビット1から3は、どの種類の自由裁量課金機能がユーザによって加入されたのかを示すのに使用される自由裁量課金機能インジケータ224とすることができる。たとえば、2進システムで、ビット1、2、および3を、値0から7に割り当てることができ、ここで、値0から4を、「発呼当事者の無課金」、「固定された課金の呼」、「サービス・ベースの分割課金」、「課金共有」、および「制限された期間の課金」とすることができる。値5から7を、予備または将来の使用のためのものとすることができる。さらに、自由裁量課金機能のそれぞれを、この草案の後のステージでコール・フローに関して説明する。さらに、オクテット文字列のビット4から7を、自由裁量課金機能パラメータ226を示すのに使用することができる。たとえば、「固定された課金の呼」自由裁量課金機能について、課金の値を、この課金すべき当事者パラメータで定義することができる。
【0049】
さらに、動作中に、AC、RRBCSM、およびCONTINUE動作211の受信時に、第2のユーザ104−2に、たとえば第2のユーザ104−2の通信デバイスによって、着呼について通知することができる。
【0050】
一実装形態では、第2のユーザ104−2が、呼に応答するときに、T−SSP110−2を、Answer Message(ANM)213を介してこれについてO−SSP110−1に同時に知らせるように構成することができ、ANM213は、第1のユーザ104−1が、呼について課金され始める可能性があることをO−SSP110−1に示すためのトリガを含む。一例では、ANM213は、ANMに基づくISDN User Part(ISUP)プロトコルとすることができる。さらに、一実装形態では、ANM213は、2つのパラメータすなわち、「ユーザ対ユーザ情報」および「ユーザ対ユーザ・インジケータ」をも含む。
【0051】
「ユーザ対ユーザ情報」および「ユーザ対ユーザ・インジケータ」は、第2のユーザ104−2によって加入された自由裁量課金機能の詳細に関する情報を含む。この2つのパラメータを、前に開示した「課金すべき当事者」パラメータから導出することができる。AC、RRBCSM、およびCONTINUE動作211の「課金すべき当事者」パラメータ内で受信される情報を、ANM213の「ユーザ対ユーザ情報」内でO−SSP110−1に透過的に渡すことができる。一例では、「ユーザ対ユーザ情報」および「ユーザ対ユーザ・インジケータ」を、構成可能なビットを有するオクテット文字列とすることができる。課金すべき当事者パラメータからの情報を、ユーザ対ユーザ情報に直接にコピーすることができる。この形で、自由裁量課金機能に関するデータを、発信側、具体的にはO−SSP110−1に通信することができる。したがって、O−SSP110−1は、ANM213のユーザ対ユーザ情報フィールドをチェックして、それが自由裁量課金機能を含むかどうかを識別することができる。一例では、ユーザ対ユーザ・インジケータは、自由裁量課金機能の実施を示すために値11111110に構成される。
【0052】
一実装形態では、ANM213の通信時に、O−SSP110−1およびT−SSP110−2を、個別に、そのそれぞれのSCPにERBCSMを転送するように構成することができる。たとえば、T−SSP110−2は、第2のユーザ104−2が呼に応答したときに、ERBCSM215−1をT−SCP112−2に転送する。同様に、O−SSP110−1は、ERBCSM215−2をO−SCP112−1に転送することができる。したがって、ERBCSMは、呼が応答されたことを示す。
【0053】
動作のこの時点で、第1のユーザ104−1と第2のユーザ104−2との両方が、呼内でお互いに接続される。したがって、O−SCP112−1とT−SCP112−2との両方が、デフォルトの格納された論理に従って、呼の持続時間の間にそれぞれのユーザ104−1および104−2への課金を独立に開始することができる。一例では、第2のユーザ104−2に、T−SCP112−2内に格納されたデフォルト課金論理である自由裁量課金機能に従って課金することができ、第1のユーザ104−1に、O−SCP112−1に格納されたデフォルト課金方式に従って課金することができる。ここで、O−SCP112−1を、AC動作205で第1のユーザ104−1に割り当てられた初期タイム・スライスに基づく額を予約するように構成することができる。
【0054】
呼中に、一実装形態では、当初にAC動作205を介してグラントされたタイム・スライスが満了に近付くときに、O−SSP110−1を、たとえばApply Charging Report動作217を用いて、O−SCP112−1に応答するように構成することができる。一例では、ACR動作217は、グラントされた呼時間からの実際の呼持続時間使用量を示すパラメータ、ならびに先に説明した自由裁量課金機能詳細を含む。さらに、ACR動作217は、AC動作205中にブロックされた持続時間が今完了することをO−SCP112−1に示すことができる。したがって、呼中に、動的課金情報が、第1のACR動作217を介してO−SCP112−1と共有された後に、O−SCP112−1を、自由裁量課金機能に従って第1のユーザ104−1に課金するように構成することができる。O−SCP112−1を、第1のユーザ104−1について、AC動作205に基づいて当初にブロックされまたは借方記入された課金を再評価するように構成することもできる。
【0055】
呼が、最初のタイム・スライスを超えて、すなわち、ACR動作217を超えて継続する場合には、O−SSP110−1およびO−SCP112−1ならびにT−SSP110−2およびT−SCP112−2は、呼中に複数のAC−ACR動作218−1、218−2を交換するように構成されている。たとえば、タイム・スライスの満了ごとに、AC−ACR動作218−1、218−2が、最大の可能な呼持続時間を更新し、要件に従ってさらなるタイム・スライスを獲得するために実行される。最初のACR動作217を介して動的課金情報内で指定された新しい課金機構を、今や、呼の残りの持続時間について適用することができる。さらに、AC−ACR動作218−1、218−2を介して、それぞれO−SSP110−1およびT−SSP110−2の呼課金通信モジュール108−1および108−2を、進捗する呼持続時間を用いてそれぞれのSCPを更新するように構成することができる。この形で、第1のユーザ104−1と第2のユーザ104−2との両方について、自由裁量課金機構に従う呼の課金を適用することができる。呼の持続時間全体に関する総課金を計算するために、それぞれの呼課金モジュール106−1および106−2を、総課金を入手するためにタイム・スライスのそれぞれの課金を計算するように構成することができる。さらに、第1のユーザ104−1または第2のユーザ104−2のいずれかによる呼の終了時に、O−SSP110−1の呼課金通信モジュール108−1およびT−SSP110−2の呼課金通信モジュール108−2を、ACR動作およびERBCSM動作219−1および219−2を転送するように構成することができる。ERBCSM動作219−1および219−2は、呼が解放されまたは切断されたことと、SCPが呼の課金を停止できることとをそのSCPに示す。
【0056】
自由裁量課金機能の様々な例が可能である。後述される実施形態は、説明のためのものである。それらを、限定的な形で解釈してはならない。
【0057】
一実装形態では、自由裁量課金機能は、発呼当事者の無料通話を可能にする。言い替えると、第1のユーザ104−1などの発呼当事者は、呼の持続時間全体について課金されないものとすることができる。一例では、全世界のフリー・ダイヤル番号を、本主題のこの実装形態を用いて実現することができる。この例では、フリー・ダイヤル番号を提供することができ、ここで、フリー・ダイヤル番号は、この自由裁量課金機能に加入される。したがって、すべての発呼当事者は、自らのテレコム・オペレータにかかわりなく、コストなしでフリー・ダイヤル番号を呼び出すことができる。これは、テレコム・オペレータにかかわりなく発呼当事者について無料通話を容易にするために、単一の番号を、任意のテレコム・オペレータについて提供できるという点で有益である。
【0058】
この実装形態では、第2のユーザ104−2は、第1のユーザ104−1の代わりに呼について課金されなければならない。一例では、第1のユーザ104−1がローミングしつつある場合に、第2のユーザ104−2は、このローミング課金について課金されないことになる。
【0059】
呼中に、コール・フローは、図2cに示されているように進行する。動作中に、IDP 209に応答して、T−SCP112−2を、「課金すべき当事者」パラメータを含むAC動作211を応答するように、前に開示したように構成することができる。この実装形態では、「課金すべき当事者」パラメータは、自由裁量課金機能、特に発呼当事者の無課金に関する詳細を含む。
【0060】
この場合に、前に開示したように、オクテット文字列を、対応するビットの次の値を提供することによって構成することができる。
ビット0=1 これは、自由裁量課金機能が使用可能にされることを示す。
ビット1、2、3=0 これは、「発呼当事者の無課金」を示す。
ビット4、5、6、7=0 これは、発呼当事者が、呼について課金されてはならず、通常のAC動作およびACR動作が、SSPとSCPとの間に存在することを示す。
【0061】
コール・フロー中に、ユーザ対ユーザ情報およびユーザ対ユーザ・インジケータが、ANM動作213で、T−SSP110−2からO−SSP110−1に転送される。先に説明したように、ユーザ対ユーザ情報は、課金すべき当事者パラメータを含み、ユーザ対ユーザ・インジケータは、自由裁量課金機能の実装形態を示すのに利用される。一例では、ユーザ対ユーザ・インジケータは、自由裁量課金機能の実装形態を示すために値11111110に構成される。さらに、たとえばCAMELプロトコルに従う、O−SSP110−1からO−SCP112−1へのACR動作217の送信が完了したときに、O−SCP112−1を、「課金すべき当事者」パラメータをスキャンし、「課金すべき当事者」パラメータで指定された詳細に従って第1のユーザ104−1に適用可能な課金を再評価するように構成することができる。この場合に、呼について発呼当事者に適用される課金を、完全に返金することができる。
【0062】
別の実装形態では、固定された課金の呼が容易にされ、ここで、第1のユーザ104−1などの発呼当事者に、第2のユーザ104−2などの被呼当事者によって、呼全体について固定された額を支払うように指示することができる。たとえば、任意の持続時間の呼について、第1のユーザ104−1は、「X」金銭上の通貨(monetary currency)を課金される。この場合に、呼課金の値が、呼の実際の持続時間未満である場合に、第1のユーザ104−1は、固定された課金だけを支払い、第2のユーザ104−2は、一例では、第2のユーザ104−2のテレコム・オペレータによって指定され得る自らの課金に対する課金の残りを課金されるものとすることができる。
【0063】
先の実装形態に似て、第2のユーザ104−2は、第1のユーザ104−1がローミングしつつある場合に、第1のユーザ104−1のローミング課金を課金されてもされなくてもよい。したがって、テレコム・オペレータによってローミングについて指定される課金ポリシに基づいて、第1のユーザ104−1には、この実装形態によれば、呼の持続時間についてある固定された課金と、追加のローミング課金が見つかる場合にその追加のローミング課金とを支払うように指示することができる。
【0064】
この場合に、前に開示したように、「課金すべき当事者」パラメータのオクテット文字列を、対応するビットの次の値を提供することによって構成することができる。
ビット0=1 これは、自由裁量課金機能が使用可能にされることを示す。
ビット1、2、3=1 これは、「固定された課金の呼」機能が使用可能にされることを示す。
ビット4、5、6、7=FIXED CHARGE VALUE これは、発呼当事者が呼について課金される固定された課金の値を示す。
【0065】
固定された課金の値は、テレコム・オペレータによって事前に定義され、すべての加入者に適用可能とすることができ、あるいは、自由裁量課金加入の性質によって支配されるものとすることができる。さらに、先に説明したように、ACR動作217の送信時に、O−SCP112−1を、課金すべき当事者パラメータをスキャンし、課金すべき当事者パラメータの最後の4ビットに従って固定された値を入手し、第1のユーザ104−1に適用可能な課金を再評価するように構成することができる。再評価に依存して、O−SCP112−1を、第1のユーザ104−1に借方記入または貸方記入のいずれかを行うように構成することができる。
【0066】
さらなる実装形態では、サービス・ベースの分割課金を容易にすることができ、この場合に、呼は、ビデオ通話など、2つの同時ベアラ・サービスを用いることができる。ビデオ通話では、呼は、音声サービスならびにビデオ・サービスを含む。本主題のこの実装形態によれば、ユーザの一方に、ベアラ・サービスの一方について課金することができ、他方のユーザに、他方のベアラ・サービスについて課金することができる。
【0067】
この実装形態では、課金すべき当事者パラメータを、第1のユーザ104−1がどのベアラ・サービスを課金されるのかを示すように構成することができる。「課金すべき当事者」パラメータのオクテット文字列を、対応するビットの次の値を提供することによって構成することができる。
ビット0=1 これは、自由裁量課金機能が使用可能にされることを示す。
ビット1、2、3=2 これは、「サービス・ベースの分割課金」機能が使用可能にされることを示す。
ビット4、5、6、7=TELESERVICE BEARER CODE このサービス・コードは、発呼当事者がどのベアラ・サービスについて課金されるのかを示す。サービス・コードは、テレコム・オペレータによって事前に定義され、すべての加入者に適用可能とすることができる。
【0068】
一例では、O−SCP112−1を、第1のユーザ104−1の呼課金を再評価し、それに従って課金を調整するように構成することができる。ACR動作217を介して課金すべき当事者パラメータを受信したときに、O−SCP112−1を、「課金すべき当事者」パラメータをスキャンし、そこで指定される詳細に従って第1のユーザ104−1に適用可能な課金を再評価するように構成することができる。一例では、O−SCP112−1を、課金すべき当事者パラメータの最後の4ビットで定義されるテレサービス・ベアラ・コードに従って第1のユーザ104−1に課金するように構成することができる。第1のユーザ104−1によって開始されるビデオ通話について、課金すべき当事者パラメータ内で受信されたテレサービス・ベアラ・コードが、ビデオ・ベアラ・サービスを指定する場合に、第1のユーザ104−1は、ビデオ・ベアラ・サービスのみについて課金されなければならない。しかし、第2のユーザ104−2に、T−SCP112−2で課金ルールによって定義されるすべての他の呼加入課金に加えて、オーディオ・ベアラ・サービスについて課金することができる。
【0069】
別の実装形態では、自由裁量課金機能は、第1のユーザ104−1と第2のユーザ104−2との間での課金の共有を含む。たとえば、呼内で、第1のユーザ104−1が呼の総課金の半分を支払うことができ、第2のユーザ104−2が他方の半分を支払うことができる50−50比率など、それによって呼の課金を分割すべき比率を、動的に定義することができる。言い替えると、T−SCP112−2は、発呼課金に適用される分数割引を導出し、それに従って、それ自体の課金の残りの分数値を使用することができる。
【0070】
この場合に、前に開示したように、「課金すべき当事者」パラメータのオクテット文字列を、対応するビットの次の値を提供することによって構成することができる。
ビット0=1 これは、自由裁量課金機能が使用可能にされることを示す。
ビット1、2、3=3 これは、「課金共有」機能が使用可能にされることを示す。
ビット4、5、6、7=FRACTIONAL SPECIFICATION VALUE これは、発呼当事者の分数課金を示す。たとえば、これらの自由裁量課金機能パラメータ226は、次のように分数指定値を含むことができる。
【表1】
【0071】
表1で提供される値は、分数指定値に割り当てることができる値の例である。分数が、表1で提供される例に限定されないことを了解されたい。分数指定値を、テレコム・オペレータによって事前に定義し、すべての加入者に適用可能とすることができ、あるいは、自由裁量課金加入の性質によって支配されるものとすることができる。O−SCP112−1を、課金すべき当事者パラメータの最後の4ビットによって定義される分数指定値を入手するために、ACR動作217の受信時に課金すべき当事者パラメータをスキャンするように構成することができる。分数指定値に基づいて、O−SCP112−1を、AC動作205で予約された課金を再評価し、必要な額を第1のユーザ104−1に返金するように構成することができる。その後、その後のタイム・スライスについて、AC−ACR動作218−1に従って、自由裁量課金機能による更新された課金を適用することができる。
【0072】
別の実装形態では、制限された期間の課金を、自由裁量課金機能によって呼び出すことができる。前述の実装形態では、第2のユーザ104−2は、指定された持続時間の間に課金を分担するように第1のユーザ104−1に指示することができ、その持続時間の後には、第2のユーザ104−2が、課金を分担するはずである。たとえば、第1のユーザ104−1は、呼の最初の1分について課金を分担することができ、第2のユーザ104−2は、呼の残りの持続時間の課金を分担するはずである。別の例では、第2のユーザ104−2に、呼が第1のユーザ104−1にとって無料になるはずの初期持続時間を指定することができ、その持続時間の後には、第1のユーザ104−1に課金することができる。
【0073】
この場合に、前に開示したように、「課金すべき当事者」パラメータのオクテット文字列を、対応するビットの次の値を提供することによって構成することができる。
ビット0=1 これは、自由裁量課金機能が使用可能にされることを示す。
ビット1、2、3=4 これは、「固定された課金の呼」機能が使用可能にされることを示す。
ビット4、5、6、7=CALLING CHARGE TIME DURATION これは、発呼当事者が課金されまたは課金されない時間持続時間を定義する。
【0074】
一例では、呼の当初の5分の持続時間が、第1のユーザ104−1について課金されてはならない。ACR動作217の受信時に、O−SCP112−1を、そこから課金詳細を入手するために課金すべき当事者パラメータをスキャンするように構成することができる。この場合に、実際の呼持続時間およびタイム・スライス持続時間に依存して、第1のタイム・スライスに予約された額を、再評価し、調整することができ、差引勘定を、後続のタイム・スライス予約で調整することができる。実際の呼持続時間が5分より長い場合には、O−SCP112−1を、最初の5分を超える呼持続時間のみについて第1のユーザ104−1に課金し、最初の5分について予約された課金を第1のユーザ104−1に返金するように構成することができる。
【0075】
別の例では、呼の最初の5分の持続時間を、第1のユーザ104−1について課金可能とすることができる。上で規定される形に似て、O−SCP112−1を、課金すべき当事者パラメータをスキャンし、5分を超える呼の持続時間のみについて第1のユーザ104−1に返金するように構成することができる。したがって、実際の呼の持続時間が5分未満である場合には、実際の呼の持続時間が、第1のユーザ104−1に課金するのに使用される。
【0076】
一例では、上で開示した様々な実装形態によれば、「課金すべき当事者」パラメータなどのデータ、オクテット文字列、および対応するコードを、呼課金データ220−4に格納することができる。
【0077】
さらに、自由裁量課金機能のアクティブ化または非アクティブ化を、たとえば、Unstructured Supplementary Service Data(USSD)動作またはInteractive Voice Response(IVR)動作を介して、ユーザのために容易にすることができる。テレコム・オペレータは、ユーザがそれを用いて自由裁量課金機能をアクティブ化し、非アクティブ化することのできる動作を指定することができる。たとえば、アクティブ化および非アクティブ化のUSSDベースの機構は、エンドユーザが特定のUSSD文字列をダイヤル・インすることを必要とし、ここで、先に説明したように、自由裁量課金機能の異なるタイプに対応するコードを提供することができる。自由裁量課金機能コードおよびUSSD文字列の例を、下の表2に示す。
【表2】
【0078】
特定の発呼当事者のために表2で指定される機能の1つをアクティブ化しまたは非アクティブ化するために、次の文字列を使用することができる。
*<アクティブ化/非アクティブ化コード>*<登録すべき発呼当事者番号>#
【0079】
すべての発呼当事者のために表2で指定される機能の1つをアクティブ化しまたは非アクティブ化するために、次の文字列を使用することができる。
*<アクティブ化/非アクティブ化コード>*0#
【0080】
一例では、テレコム・オペレータは、機能課金プラン、課金共有プラン、および制限された課金プランを提供することができる。これらのプランは、ユーザが加入できるそれぞれの自由裁量課金機能に適用可能なオペレータ・プランを指定することができる。
【0081】
別の例では、ユーザは、加入リストを定義することができ、ここで、このリストは、加入されている自由裁量課金機能ごとに加入者によって登録された発呼当事者を指定する。下の表3は、固定された課金自由裁量課金機能に関するものなど、加入リストの例である。
【表3】
【0082】
同様に、当事者への課金に関する無料通話、サービス・ベースの分割課金、課金共有、および制限された期間の課金など、他の自由裁量課金機能に関する加入リストを提供することができる。
【0083】
さらなる例では、テレコム・オペレータは、機能プラン・テーブルを提供することができ、この機能プラン・テーブルは、自由裁量課金機能の適用可能なオペレータ・プランとそれぞれの課金パラメータとの間のマッピングを定義することができる。たとえば、制限された課金期間機能レート・プランは、被呼加入者が初期呼期間の10秒だけについて発呼当事者に支払わせることを可能にすることができる。別の例では、固定された課金機能レート・プランは、被呼加入者が呼の持続時間全体について10通貨を支払うことを可能にすることができる。次の表(表4a、4b、および4c)は、先に説明した自由裁量課金機能の異なる実装形態の機能プラン・テーブルの例である。
【表4】
【0084】
下の表5は、本主題を説明するために、機能加入テーブルの例を示す。
【表5】
【0085】
表5は、一例ではO−SCP112−1などのSCPに格納できる機能加入テーブルを示す。このテーブルでは、モバイル番号ISDNが、前述の機能をアクティブ化した加入者を識別する。さらに、この場合に、被呼加入者は、固定された課金プラン番号2に加入済みであり、この課金プラン番号2は、被呼加入者が通貨12の固定されたレート(表4aに示されている)で発呼当事者に課金することを可能にする。課金すべき当事者パラメータのBITMAP構成を、課金すべき当事者パラメータ構成に付加することができ、課金すべき当事者パラメータ構成は、この場合に、固定された課金プランに対応する。さらに、MSISDN 9811001100を用いて識別されるこのユーザは、発呼当事者加入リストを定義済みなので、したがって、このリストからのユーザが電話をかけるときに限って、固定された課金機能が適用される。
【0086】
下の表6は、本主題の実装形態によるBITMAP記述を提供する。
【表6】
【0087】
上の実装形態は、性質において網羅的ではなく、限定的な形で解釈されてはならない。当業者は、自由裁量課金機能の様々な他の実装形態が可能であることを了解するはずである。
【0088】
図3に、本主題の実装形態による、呼の課金の方法300を示す。方法300を、図1の説明で言及された様々なコンピューティング・システム内で、複数の異なる形で実施することができる。たとえば、本明細書で説明される方法300を、上で説明した呼課金システム102を使用して実施することができる。
【0089】
方法300を、完全にまたは部分的に、コンピュータ実行可能命令の全般的な文脈で説明することができる。概して、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実行するか特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、手続き、モジュール、関数などを含む。当業者は、この方法のステップを、プログラムされたコンピュータによって実行できることをたやすく了解する。本明細書では、いくつかの実施形態は、プログラム記憶デバイス、たとえば、機械可読またはコンピュータ可読であり、命令の機械実行可能またはコンピュータ実行可能なプログラムを符号化するディジタル・データ記憶媒体を含むことも意図され、前述の命令は、説明される方法300のステップの一部またはすべてを実行する。
【0090】
方法300が説明される順序は、限定として解釈されることを意図されたものではなく、説明される方法ブロックのうちの任意の個数を、この方法または代替方法を実施するために任意の順序で組み合わせることができる。さらに、個々のブロックを、本明細書で説明される主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、この方法から削除することができる。さらに、この方法を、任意の適切なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその組合せで実施することができる。方法300が、呼課金システム102を参照して説明されるが、この説明を、他のシステムに拡張することもできることを理解されたい。
【0091】
ブロック302では、自由裁量課金機能に関する加入情報を、第1のユーザ104−1および第2のユーザ104−2などの発呼当事者と被呼当事者との間の呼について受信する。たとえば、O−SCP112−1などの第1のユーザ104−1に関連するネットワーク・エンティティは、第2のユーザ104−2の自由裁量課金機能に関する加入情報を受信するように構成されている。たとえば、前に開示したように、呼課金通信モジュール108−2を、自由裁量課金機能に関する動的課金情報を呼課金通信モジュール108−1と共有するように構成することができる。自由裁量課金機能を、たとえば、T−SCP112−2内で実施することができ、あるいは、呼課金データ220−4およびT−SSP110−2を、自由裁量課金機能に関する詳細についてT−SCP112−2に照会するように構成することができる。
【0092】
ブロック304では、受信された加入情報に基づいて、第2のユーザ104−2が、自由裁量課金機能に加入されているかどうかを確認することができる。一実装形態では、O−SCP112−1を、第2のユーザ104−2が自由裁量課金機能に加入されているかどうかを判定するために、動的課金情報に含まれる課金すべき当事者パラメータを入手し、スキャンするように構成することができる。一例では、要求識別子222値に基づいて、O−SCP112−1を、第2のユーザ104−2が自由裁量課金機能に加入されているか否かを確認するように構成することができる。
【0093】
ブロック306では、第1のユーザの呼課金を決定するために、自由裁量課金を適用する。たとえば、動的課金情報が、O−SCP112−1と共有された後に、O−SCP112−1を、第1のユーザ104−1の呼課金の決定のために自由裁量課金を適用するように構成することができる。別の例では、IDP 203を介して第1のタイム・スライスにブロックされた課金などの当初に予約された課金の再評価を容易にすることができる。さらに、第2のユーザ104−2によって加入される自由裁量課金機能の特定のタイプに従って、課金の返金を容易にすることができる。
【0094】
一実装形態では、第1のユーザ104−1が、初期タイム・スライス持続時間を超えて呼を継続することを望む場合に、自由裁量課金機能による改訂された課金ポリシを、第1のユーザ104−1の総呼課金を計算するために呼の持続時間全体のすべてのタイム・スライスについて適用することができる。たとえば、第2のユーザ104−2が、「発呼当事者の無料通話」機能に加入済みである場合に、初期タイム・スライスについて予約された課金全体を、第1のユーザ104−1に返金することができる。後続のタイム・スライスについて、自由裁量課金が、適用可能になり、第1のユーザ104−1は、全く課金されないものとすることができる。別の例では、第1のユーザ104−1および第2のユーザ104−2が、ビデオ通話にかかわり、第2のユーザ104−2が、サービス・ベースの分割課金機能に加入される場合に、第1のユーザ104−1には、一方のベアラ・サービスについて課金することができ、第2のユーザ104−2には、他方のベアラ・サービスについて課金することができる。たとえば、自由裁量課金機能が、第1のユーザが音声サービスについて課金されることを指定する場合に、第2のユーザ104−2には、ビデオ・ベアラ・サービスに関して課金することができる。
【0095】
通信ネットワークでの呼の課金の実装形態を、構造的特徴および/または方法に固有の文言で説明したが、添付の特許請求の範囲が、必ずしも説明された構造的特徴または方法に限定されないことを理解されたい。そうではなく、特定の特徴および方法は、通信ネットワークにおける呼の課金の例示的実装形態として開示されたものである。
図1
図2a
図2b
図2c
図3