(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5964991
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】装丁要素及び装丁方法
(51)【国際特許分類】
B42F 1/10 20060101AFI20160721BHJP
B42B 5/06 20060101ALI20160721BHJP
B42C 9/00 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
B42F1/10
B42B5/06
B42C9/00
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-554770(P2014-554770)
(86)(22)【出願日】2013年1月22日
(65)【公表番号】特表2015-513476(P2015-513476A)
(43)【公表日】2015年5月14日
(86)【国際出願番号】US2013022474
(87)【国際公開番号】WO2013112439
(87)【国際公開日】20130801
【審査請求日】2015年2月3日
(31)【優先権主張番号】13/743,609
(32)【優先日】2013年1月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/599,546
(32)【優先日】2012年2月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/590,513
(32)【優先日】2012年1月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514190084
【氏名又は名称】マーティン・エイチ・ブルームバーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100093089
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 滋
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・エイチ・ブルームバーグ
【審査官】
佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】
実開平02−135272(JP,U)
【文献】
実開平03−095280(JP,U)
【文献】
実開平07−002074(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3025925(JP,U)
【文献】
特開平09−071075(JP,A)
【文献】
特開平09−156270(JP,A)
【文献】
特開平08−267978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F1/00−23/00
B42C1/00−99/00
B42B2/00−9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート束を装丁する装丁構造体であって、
基部と、該基部のそれぞれの側部と一体に形成されかつそれぞれの側部から伸びる一対の対向した位置にある脚部とを含む装丁部材から成り、
該一対の脚部及び基部は、共に、該脚部及び基部が伸びる方向と直交する面内においてシート束が保持される三角形の形状の保持領域を規定し、
前記一対の脚部は、弾性的に偏倚可能であり且つ互いに向けて配置されているが、偏倚の力のもとにシート束をその間に保持することを許容し得る構造及び配置とされた、前記構造体において、
ステープルが、シート束を通って伸びており、かつその両端がシート束の対向した端部を超えて伸びており、
前記ステープルは、前記三角形の形状の保持領域内に配置され、かつ両端が、それぞれの対向した位置にある脚部に向けて突出することを特徴する、装丁構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の装丁構造体において、
前記基部上に配設された熱接着剤層を含み、該接着剤層の上にシート束が着座している、装丁構造体。
【請求項3】
請求項1に記載の装丁構造体において、
前記脚部の各々は、シート束と接触するよう配置された少なくとも1つの内方に向けたリブを含む、装丁構造体。
【請求項4】
請求項3に記載の装丁構造体において、
前記脚部の各々は、間隔を置いて配設され、かつシート束の対向した側部と接触するよう配置された内方に向けた一連のリブを有し、
前記ステープルの両端は、それぞれの脚部の少なくとも1つのリブと係合するよう突出する、装丁構造体。
【請求項5】
請求項4に記載の装丁構造体において、
前記基部上の熱接着剤と、
該熱接着剤上に配設されたコンタクト接着剤とを含む、装丁構造体。
【請求項6】
請求項5に記載の装丁構造体において、
前記基部に金属インサートを含み、
該金属インサートは、前記脚部の各々内に少なくとも部分的に伸びる、装丁構造体。
【請求項7】
請求項6に記載の装丁構造体において、
前記金属インサートは、少なくとも前記基部内に埋設される、装丁構造体。
【請求項8】
請求項1に記載の装丁構造体において、
前記ステープルの各々は、対向した脚部のそれぞれのリブと係合するよう、前記束から突出する両端を有する、装丁構造体。
【請求項9】
請求項1に記載の装丁構造体において、
前記基部に金属インサートを含み、
該金属インサートは、前記脚部の各々内に少なくとも部分的に伸びている、装丁構造体。
【請求項10】
請求項9に記載の装丁構造体において、
前記金属インサートは、基部ピースと、前記基部に関して前記シート束方向へ伸びる端部ピースとを含み、
金属インサートの前記基部ピース及び端部ピースは、それぞれ前記基部及び脚部の内部に埋設され、
上方に伸びる端部ピースの各々は、前記各脚部の部分的な長さを伸びる、装丁構造体。
【請求項11】
請求項1に記載の装丁構造体において、
前記脚部の各々は、一連の又は内方に伸びるリブを有し、
前記脚部の各々は、実質的に平面状の内方に向けた表面を有し、該表面から前記一連のリブが支持されおり、
前記リブの各々は、実質的に平面状の内方に向けた表面に対して鋭角な角度にて一方向に伸びる細長い可撓性のリブとして形成され、
前記ステープルの各々は、リブと係合する端部を有する、装丁構造体。
【請求項12】
請求項11に記載の装丁構造体において、
前記細長いリブの1つは、ステープルの端部に係合して束の収容物が滑り出るのを防止する構造及び配置とされる、装丁構造体。
【請求項13】
請求項12に記載の装丁構造体において、
前記ステープルの側部は、前記脚部の各々にて隣接して配設されたリブの間に配置され得るよう配設される、装丁構造体。
【請求項14】
請求項1に記載の装丁構造体において、
前記脚部の各々は、シート束と接触するよう配置された少なくとも1つの内方に向けたリブを有し、
該細長いリブの1つは、ステープルの端部に係合して束の収容物が滑り出るのを防止する構造及び配置とされる、装丁構造体。
【請求項15】
請求項14に記載の装丁構造体において、
前記ステープルの側部は、前記脚部の各々にて隣接して配設されたリブの間に配置され得るよう配設される、装丁構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
35U.S.第119(e)に基づいて、2012年1月25日付にて出願された共有しかつ同時出願係属中の米国仮特許出願第61/590,513号及び2012年2月16日付にて出願された第61/599,546号に基づいて、本出願に対して優先権を主張するものである。これら出願の各々は、マーチン・ブルームバーグ(Martin Bloomberg)の名にて為されたものであり、その各々は、その全体を引用して本明細書に含めるものである。
【0002】
本発明は、全体として、改良された装丁要素(Binding Element)に関する。本発明は、改良された装丁要素を使用して文書を装丁する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
現在、背表紙に接着剤を有する装丁カバーを含む熱装丁製品が存在する。これらのカバーは、1つ又は2つの装丁紙又は紙/プラスチックの複合体にて出来たものである。これらのカバーは、永久的又は一時的性質のものとすることのできる紙又はプラスチックカバーと組み合わせた金属製とするこのとのできる堅い溝材を利用して作ることもできる。これらの製品は、金属のU字形の溝材から成るものとし、接着剤がその金属上に内に直接配置されるか又はその金属に装着した吸着性材料上に配置されたものとすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フォルダ内に挿入したページを、突出するリップ片にシートが係合するのを防止するように案内するという課題は、端部シートライナーを使用するか又は内部接着剤を形状に合わせて塗布することにより、先行技術にて解決しようとしてきた。
【0005】
卓上型熱装丁機械及び熱装丁カバーは、開発されかつ過去30年にわたって文書の装丁にてかなり受け入れてきた。基本的な製品は、中に何も無い柔軟なカバー本か又は背表紙にホットメルト接着剤又は樹脂を有する硬質カバー本である。適当な背表紙の幅を有するカバーを取り上げ、装丁すべきシートを内部に置く。
【0006】
次に、背表紙を下にしてカバーを加熱したプレートに対して置く。1分等の後、接着剤はシート内にわずかに吸い上げられる程度まで液化する。カバーを除去し、ラック内に置いて冷却させ、その時間の後、装丁した本が得られる。この結合は、永久的であり、カバーを再度、装丁機械に挿入し、再加熱しかつ慎重に編綴しない限り、ページを引き裂くことなく外すことはできない。この為、書類は、法律文書及び変更が望ましくない同様の文書を提示するのにより適したものとなる。
【0007】
市場の大部分を占める色々な熱装丁機械は、120.99度C190.37度C(250度Fから375度F)以上の温度範囲にて作動する。これらの機械は、基本的に、垂直ホルダと、タイマーとを提供するホットプレートである。高温度にて使用されるから、本を装丁機械からに配置しかつ該機械から除去するためには、少なくとも1つの又は両方のカバーをU字形の背表紙に装着するか又は完全な装丁カバーを有する必要がある。この装置の不利益な点は、既にホットメルト接着剤を内部に有するカバーは、卓上型の特別な形態に対して、プリンタを通じて動かすことができず、また、フォイル刻印のようなその他の特別な形態は、追加的な取扱いを必要とする点である。この問題点の一つの解決策は、永久型のグルーを使用して一時的な前側及び後側カバーをU字形の金属溝材内に予め装着することであった。その後、特別な形態とした前側及び後側カバーを挿入し、一時的なカバーは、装丁工程が完了した後、剥ぎ取ることができる。かかるカバーは、装丁すべき各種範囲のシートに対応するためには、広範囲にわたる所定の背表紙の幅を必要とする。また、この工程は時間もかかる。
【0008】
従って、本発明の別の目的は、一時的な前側及び後側カバーを不要にする製品及びシステムを提供することである。
本発明の更に別の目的は、容易に印刷することができ又は標準的な形式にて特別な形態とすることのできる永久的な前側及び後側カバーを有する製品及びシステムを提供することである。以下に、本発明の追加的な目的のリストを掲げる。
(a)効果的な装丁効果を生じさせる新規でかつより簡単な要素とすること。
(b)装丁要素を作り出すため、押出し成形品又は共押出し成形品の形態にある装丁要素とすること。
(c)熱装丁機械に容易に挿入しかつその装丁機械から除去するため、紙シート及び前側及び後側カバーに容易に装着することのできる改良された装丁要素とすること。
(d)ハンドル又は装着したカバーシートを不要にする、改良された装丁要素及びその装丁要素を使用する関係した方法とすること。
(e)装丁要素が広範囲の収容物又はシート数を有することを許容し、よって、在庫すべき背表紙のサイズを少なくする手段とすること。
(f)押出し成形又は共押出し成形技術により装丁要素自体を製造する手段とすること。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の上記及びその他の目的、特徴及び有利な点を実現するため、シート束を装丁する装丁構造体であって、基部と、該基部のそれぞれの側部と一体に形成されかつそれぞれの側部から伸びる一対の対向した位置にある脚部とから成る構造体が提供される。該一対の脚部及び基部は、共に、シートの束が保持される保持領域を規定する。一対の脚部は、弾性的な偏倚部を有して、互いに向けて配置されているが、シートの束を偏倚の力のもとにその間に保持することを許容するように分離可能である。脚部の各々は互いに内方を向けた少なくとも一つのリブを有しており、これらの一つのリブは、シートの束の対向する側部と接触するように配置され、また、熱接着剤層が基部上に配設されており、後で、熱装丁機械内にて形成すべきシート束がこの接着剤層の上に着座している。
【0010】
本発明のその他の目的に従って、一対の脚部の各々にて間隔を置いて配設さ内方に向けた一連のリブが提供される。各リブは、尖鋭とすることができる。各脚部は、折り曲げた端部を含むことができ、また、少なくとも一つのリブがそれぞれの折り曲げた端部から伸びている。各脚部は、それぞれ一対の脚部の折り曲げた端部の各々にて内方に向けた、間隔を置いて内方を向いて配設された一連のリブを含む。折り曲げた端部は、テーパーを付けることができ、また、選択可能に、基部に金属インサートを含む。該金属インサートは、各脚部内に伸びている。また、基部の熱接着剤と、熱接着剤上に配設されたコンタクト接着剤とを含む。また、熱接着剤を保持する別個の溝材と、該溝材を受け入れる基部におけるスロットとを含む。また、シートの束を貫通して伸びるステープルと、各一対の脚部にて間隔を置いて内方に向けて配設された一連のリブとを含み、ステープルは、リブの少なくとも一つと係合可能である。
【0011】
本発明の別の実施の形態に従い、シートの束を装丁する装丁構造体であって、対向したカバーを有し、また、基部と、該基部のそれぞれの側部と一体に形成されかつそれぞれの側部から伸びる一対の対向した位置にある脚部材とを含む、要素からなる構造体が提供される。一対の脚部材及び基部は、共にシートの束が保持される保持領域を規定する。一対の脚部材は、一組の内側及び外側脚部により各々、形成される構造及び配置とされ、これらの脚部は、実質的に平行に配設され、それぞれの対向したカバーを受け入れる溝材をその間にて規定する。内側脚部の各々は、シートの束のそれぞれ側部と接触するように配置された少なくとも1つの内方を向いたリブを有している。
【0012】
本発明の別の特徴によれば、脚部材の一対の脚部は、内方を向いた表面を有し、該表面はカバーを保持するため一組の係合歯を有する、内方を向いた表面の少なくとも1つを有する溝材を規定する。一組の脚部の双方の対面する表面は、係合歯を有し、また、基部上に配設された熱接着剤層を有し、該熱接着剤層の上にシートの束が着座し、接着剤層は、脚部材の間にかつ各溝材内にも配設されている。
【0013】
本発明の別の実施の形態に従い、シートを保持する装丁要素を加工する方法であって、基部と、該基部のそれぞれ側部と一体に形成され、かつそれぞれの側部から伸びる一対の対向した位置にある脚部とを含む装丁要素を提供するステップを備え、該一対の側部及び基部は、共にシートの束が保持される領域を規定し、上記一対の脚部は、弾性的偏倚部を有して互いに面するが、偏倚力の下、シートの束をその間にて保持することを可能し得るように分離可能な構造及び配置とされ、基部上に配置され、かつその上にてシートの束が着座する熱接着剤層を提供するステップと、装丁要素を変形又は弱体化させることなく、少なくとも200度Cから315.24度C(400度Fから600度F)の範囲の温度に耐えることのできるエンジニアリングプラスチックにて装丁要素を製造するステップと、装丁要素を熱装丁機械まで搬送し、装丁要素を250度Fから375度Fの範囲の温度に晒し、装丁要素及びシートを接着させるステップとを備える方法が提供される。該方法は、また、装丁要素及び接着剤を共押出し成形品として提供するステップを含むこともできる。
【0014】
図面は説明の目的のためにのみ提供したものであり、本発明の限界を規定することを意図したものではないことを理解すべきである。本発明を図示する図面において、すべての寸法は縮尺によるものである。本発明に従って、図面は縮尺にて示されているが、比率及び相対的な縮尺は、特定の適用例に依存して、変更可能であり、このため、本発明は、何ら特定の構造及び構造の縮尺に限定されるものではない。本明細書に記載した上記及びその他の目的及び有利な点は、以下の添付図面と共に参照したとき、以下の詳細な説明を参照することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図8】1つ又はより多くの接続ステープルを追加した、
図1に示したものと実質的に同一の図である。
【
図9】1つ又はより多くの接続ステープルを追加した、
図2に示したものと実質的に同一の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面および本発明の種々の実施の形態を示す多数の種々の図面について説明する。記載したこれらの実施の形態の各々にて、装丁要素を提供するため使用されるプラスチック押出し成形品又は共押出し成形品が提供される。本発明に従って好ましいプラスチックが使用されるが、基本的な装丁要素について金属材料のような、その他の材料を使用することができる。以下に、好ましいプラスチックについて更に説明する。このため、
図1において、基部11と、一体に形成された対向した脚部12とを有する押出し成形した要素10が提供される。
図1に示したように、脚部12の各々は、内方を向いたリブ14と、かかるリブの少なくとも1つとを有することが好ましい。押出し成形したプラスチック要素10は、装丁されるシートのそれぞれ前側及び後側カバーに対して脚部12の偏倚力を提供し得るような構造とされている。このことは、前側カバーCと、後側カバーBと、シートSとにより
図1に示されている。追加の断面図にて示したその他の実施の形態に関して、同様の符号が使用されている。
【0017】
図1の実施の形態において、脚部12は収容物を強く保持すると同時に、広い範囲の収容物を可能にし、このため、在庫すべき背表紙のサイズが少なくて済むようにする。
図1において、脚部12の通常の着座位置は、これらの脚部が
図1に示したものよりも近くなるが、シート及び前側及び後側カバーを収容し得るように押し広げることができる位置となるであろう。この点に関して、本明細書に開示した装丁要素の重要な特徴の一つは、脚部12が互いに向けて角度を成す方向である。この角度を成す変位は、好ましい多数のリブ14と共に、全体的なシートの厚さ及びカバーの厚さに関係なく、シート及びカバーをしっかりと把持することを可能にする。
図1の図面において、各脚部12の最上部は、その着座位置において、
図1に示した距離の半分だけ隔てることができる。この間隔は、双方の脚部をシートSの方向に向けて強く偏倚させることを可能にする。
図1には、基部12の上に配設された熱接着剤16も示されている。この接着剤層は、単一体として、又は装丁要素自体共に共押出し成形品として提供することができる。また、追加的な強度を提供する選択可能な金属インサート18を提供することもできる。
図1において、金属インサート18は、装丁要素の基部11に沿って伸びるものとして基本的にのみ示されている。しかし、本発明のその他の実施の形態(
図4参照)において、該インサートは、その端部にて各側部12内に上方に伸びるものとしてしてもよい。
【0018】
次に、
図2に示した第二の実施の形態に関して説明する。この実施の形態は、基部21と、対向した脚部22とを有する押出し成形プラスチック要素20を含む。この実施の形態において、脚部12の各々は、シートSに面する表面上を伸びる保持歯25を有する折り曲げた端部24を備えている。
図2には、熱接着剤26も示されており、該熱接着剤は、基部21と共に押出し成形し、又はホットメルト接着剤又は別個のグルーストリップ片により又は接着剤インサートにより追加することができる。
図1に示した実施の形態におけるように、
図2の実施の形態において、脚部22は、内方に向けて偏倚されかつ収容物をしっかりと保持すると同時に、要素が広範囲の厚さのシート及びカバーを収容するのを許容するため使用される。
図2において、
図2に示した実施の形態は、折り曲げた端部を有するため、脚部22は、
図1の実施の形態におけるように、角度を成すようには配設されないであろう。また、脚部24の自由端は、
図2に示したように、尖鋭として、シート及びカバーに対する更なる接触力を提供するようにすることができる。
図2の図において、各脚部の最上部は、
図1におけるように、その着座位置において、
図2に示した距離の半分だけ隔てることができる。
【0019】
次に、共押出し成形した要素30の形態とした、本発明の第二の実施の形態について、
図3を参照する。この要素は、基部31を含む硬質な押出し成形プラスチックとし、また、脚部12を形成する、よりスポンジ状のプラスチック材料との押出し成形品とすることができる。脚部32の対面する表面には、把持面34が設けられることが好ましい。
図3には、選択可能な金属補強インサート35のみならず、熱接着剤36も示されている。
【0020】
次に、
図4に示した本発明の第四の実施の形態について説明する。この実施の形態は、共押出し成形した圧着可能な金属ライナー45と共に押出し成形したプラスチック要素40を採用している。基本的なプラスチック要素40は、基部41と、対向した脚部42とを含む。脚部42の各々は、折り曲げた端部42にて終わっている。
図4には、実線で当初の位置にて、また、破線で脚部が性質上、内方に偏倚されて、カバーC及びBに対し強く固着される位置にて示されている。共押出し成形した圧着可能な金属ライナー45は、基部41を貫通して、
図4に示したように、脚部42の各々の実質的な長さを伸びることが好ましい。
図4の脚部の非偏倚位置は、双方の脚部42、42が
図4に示したものよりも互いに接近した位置となるであろう。
【0021】
次に、
図5に示した本発明の第五の実施の形態について説明する。この実施の形態は、基部51と、図示したリブを有する対向した脚部52とを備える要素5を含む、
図1に関して以前に説明したものと実質的に同一である。この実施の形態において、熱接着剤56に加えて、コンタクト接着剤57も提供される。
なお、コンタクト接着剤とは、コンタクト(接触)が意味する如く接着剤が対象に対し僅かのコンタクト(接触)圧力のみで接着する接着剤を意味するが、これは当業者に取って自明の事項である。この構成は、収容物を単一体として組み合わせるため、収容物を最初に保持し、かつ該単一体を熱装丁機械に挿入し、また、除去すると共に、かかる単一体を永久的に装丁することを可能にする。この実施の形態は、脚部が各種の厚さを受け入れることができるため、装丁すべき材料の各種の厚さを許容すると同時に、カバーB、Cに対し偏倚力を加えることを許容する。
【0022】
本発明の第六の実施の形態が
図6に示されている。この実施の形態は、押出し成形したプラスチック要素60を含み、該プラスチック要素60は、
図1及び
図5に示した実施の形態と同様に、基部61と、対向した脚部62とを含む。この特別な実施の形態において、押出し成形したプラスチック要素は、熱接着剤を保持するスナップ嵌め式又は摺動式要素を収容する外形を有している。そのスナップ嵌め式部材は、熱接着剤層66を支持する溝材又はストリップ65により
図6に示されている。同様に、装丁する前に、簡単な熱装丁ストリップを溝材65内に配設することができる。溝材65の対向した脚部は、押出し成形した要素60のスロット67内に受け入れ得る寸法とされている。溝材又は同様の部材は、押出し成形したプラスチックと共に、絞り成形(共押出し成形)して、これにより、追加的な強度及び/又は展性を提供することができる。
【0023】
図7は、本発明の第七の実施の形態の断面図である。この図面には、装丁すべきシートSと、チップボードカバーCと、クリップボードカバーBとが示されている。
図7において、基部71と、対向した一対の脚部72とを有する可撓性の押出し成形品70も示されている。これらの一対の脚部材の各々は、溝材73を規定する。それぞれの一対の脚部の溝材の各々内には、対面する保持歯74がある。押出し成形品70は、可撓性であり、カバーが開いたとき、側部溝材が曲がり又はまた、下部背表紙71が湾曲するのを許容する。
図7には、ホットメルト接着剤材料76も示されている。この材料は、基本的な押出し成形品と共に、共押出し成形するか又は追加的なステップにて付与することができる。
【0024】
図7において、一対の脚部材及び基部は、共に、シートの束が保持される保持領域を規定する。該一対の脚部材は、各々が一組の内側及び外側脚部により形成され、これらの内側及び外側脚部は、実質的に平行に配置され、その間に、それぞれの対向したカバーB、Cを受け入れる溝材73を規定するような構造及び配置とされている。内側脚部の各々は、シートの束のそれぞれの側部と接触するように配置された少なくとも1つの内方を向いたリブ77を有している。
【0025】
本発明のその他の特徴によれば、脚部材72の一対の脚部は、溝材73を規定する内方を向いた表面を有し、内方を向いた表面の少なくとも1つは、カバーを保持する一組の係合歯74を有し、一組の脚部の内方を向いた表面の双方は、係合歯を有している。熱接着剤層が基部上に配設されており、該熱接着剤層の上にシートの束が着座する。該熱接着剤層は、
図7に示したように、脚部材の間に配設し、また、溝材内に配設することもできる。
【0026】
熱接着剤材は、共押出し成形工程中に付与し又は押出し成形した後に、付与することができる。かかる熱接着剤は、多層型とし、又は分配可能な仕方にて付与し、中間的な接着作用及び長期間の熱作用型接着作用の双方を提供することができる。望ましい可撓性又は堅牢さは、単に、熱接着材料の厚さを変えるだけで、又は共押出し成形工程中、二つ以上のフォーメーションを組み合わせるだけで、実現することができる。
【0027】
次に、
図8及び
図9に関して説明する。これらの図面は、断面図である、それぞれの
図1及び
図2と実質的に同一である。したがって、
図8及び
図9において、
図1及び
図2にて以前に使用したものと同一の参照番号が使用されている。以前の出願係属中の出願において、採用できる材料の型式については、詳細に説明されていない。装丁要素は、金属、プラスチックにて製造し、また、ナイロン又は複合材料のような材料を含むことができる。また、以前、押出し成形又は共押出し成形法により要素を製造するものとして工程を説明した。これと代替的に、使用する工程は、装丁要素を製造するため、押し抜き、射出成形法及びその他の型式の工程を含むことができる。
【0028】
以前の図面のみならず、
図8及び
図9に示したシートSは、接着剤にて共に装丁するか又はステープル留めすることができる。
図8及び
図9には、特にステープルを使用する場合が示されている。これは、
図8のステープル19と、
図9のステープル27とを含む。
図8において、長手方向鉤付きリブ14は、ステーブル19に係合して、このようにして、収容物が滑り出るのを防止する。同様に、
図9の断面図において、保持リブ25は、一つ又は複数のリブ27に掛止してシートを適所に保つ。
【0029】
本発明の製品は、いかなる形式の摺動式装丁要素及び熱装丁背表紙又はカバーの双方に対する改良であると考えられる。この製品を熱装丁機械にて使用するのに適したものとするため、装丁外形部は、高温プラスチック又は複合材にて押出し成形するか又はばね鋼にて形成する必要がある。ホットメルト接着剤は、共押出し成形するか、又は製品を形成するときに追加されることになろう。アセタールプラスチック及びその他のエンジニアリングプラスチックは、その弾性を保持しつつ、315.24度C(600度F)までの温度に耐えることができる。このことは、既存の熱装丁装置内にて作用するホットメルト接着剤を含む摺動式バインダクリップを有することを可能にする。
【0030】
エンジアリングプラスチックは、PVCよりも押出し成形コストがより高くかつより困難ではあるが、より高温度の接着剤に対応する点にて有益であり、この高温度接着剤は、書類を日の当たる暑い日に自動車のリアウインドウに置いたままにしたときでも、その接着力を保持するであろう。以下に掲げた推奨するエンジニアリングプラスチックを参照されたい。
【0031】
好ましい実施の形態は、装丁要素に対して高温度接着剤を使用するが、一つの代替的な実施の形態は、同一の三角形の外形とすることができ、しかし、より低温度にて作用する共押出し成形した接着剤を用いてPVCにて製造することができる。このためには、約200度Fの低い温度にて作用する熱装丁機械が必要とされよう。これと代替的に、既存の機械をその温度まで低い温度にて作用するようにするため、絶縁性アダプタを提供することも可能である。これは、加熱プレートの表面温度を低くし、PVCが変形し又はその把持力を失うことがないような設計とされよう。かかるアダプタは、表面温度を下げるため、熱装丁機械の加熱プレートの上に配置することができるような絶縁性アダプタの形態とすることができる。市場にある多くの熱装丁機械の場合、機械の開放のど部はストリップを容易に落下させ、かつそのストリップを加熱プレートの上に配置するのに十分、幅が広いから、アダプタストリップを加熱プレートの上に簡単に置くことができる。多くのその他の機械の場合、これらの機械は、カバーを適所に垂直に保持するばね負荷式クランプを有している。これらの機械の場合、ストリップを適所に保持するためには、クランプを押し広げればよい。該アダプタは、その間に絶材料材が配設された対向したテフロン(登録商標)層を含むことができる。該テフロン層は、テフロンにて被覆したガラス繊維を有するようにしてもよい。
【0032】
エンジニアリングプラスチックは、より一般的に使用されている汎用プラスチックよりも広範囲の状態にて優れた機械的性質及び熱的性質を示すプラスチックのグループである。この語は、通常、熱硬化性プラスチックではなくて、熱可塑性材料と呼ばれる。エンジニアリングプラスチックは、容器や包装ではなくて、部品に対して使用されている。
【0033】
エンジニアリングプラスチックの例は、次のものを含む。
1.超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)
2.ナイロン6
3.ナイロン6−6
4.ポリテトラフルオロエチレン(PTFE/TeFlon)
5.アクリルニトリルブタジエンスチレン(ABS)
6.ポリカーボネート(PC)
7.ポリアミド(PA)
8.ポリブチレンテレフタレート(PBT)
9.ポリエチレンテレフタレート(PET)
10.ポリフェニリンオキシド(PPO)
11.ポリスルホン(PSU)
12.ポリエーテルケトン(PEK)
13.ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
14.ポリイミド
15.ポリフォニレンサルファイド(PPS)
16.ポリオキシメチレンプラスチック(POM/Acetal)
17.ポリプロピレン
【0034】
本発明の別の実施の形態によれば、シートを保持する装丁要素を加工する方法であって、基部と、一対の対向した位置にある脚部とを含み、該一対の脚部は、基部のそれぞれの側部と一体に形成されかつそれぞれの側部から伸びている、装丁要素を提供するステップを備える方法が提供される。該一対の脚部及び基部は、共に、シートの束が保持される領域を規定し、該一対の脚部は、弾性的偏倚部を有して互いに向けて配置されるが、その間にて偏倚力の下、シートの束を保持することを可能にし得るよう分離可能な構造及び配置とされている。該方法は、基部の上に配設された熱接着剤層を提供し、この熱接着剤層の上にシートの束が着座し、装丁要素を変形又は弱体化させることなく、少なくとも200度Cから315.24度C(400度Fから600度F)の範囲の温度に耐えることができるエンジアリングプラスチックにて装丁要素を製造するステップを含む。最後のステップは、装丁要素を熱装丁機械まで搬送し、装丁要素を250度Fから375度Fの範囲の温度に晒し、装丁要素及びシートを接着させることである。該方法は、装丁要素及び着剤を共押出し成形品として提供するステップも含む。
【0035】
本発明の限定された数の実施の形態について説明したが、当業者には、添付した請求の範囲により規定されるように、多数のその他の実施の形態及びその変形例が本発明の範囲に属するものと考えられることは、明らかであろう。
以下は、出願当初の請求項の記載である。
(請求項1)
シート束を装丁する装丁構造体であって、
基部と、該基部のそれぞれの側部と一体に形成されかつそれぞれの側部から伸びる一対の対向した位置にある脚部とを含む要素から成る構造体において、
該一対の脚部及び基部は、共に、シートの束が保持される保持領域を規定し、
前記一対の脚部は、弾性的な偏倚部を有して、互いに向けて配置されているが、偏倚の力のもとにシートの束をその間に保持することを許容し得るよう分離可能であり、
前記脚部の各々は、互いに内方を向けた少なくとも一つのリブを有しており、これらの一つのリブは、シートの束の対向する側部と接触するように配置された、装丁構造体。
(請求項2)
請求項1に記載の装丁構造体において、
基部上に配設された熱接着剤層を含み、該接着剤層の上にシート束が着座している、装丁構造体。
(請求項3)
請求項1に記載の装丁構造体において、
前記一対の脚部の各々にて間隔を置いて配設された内方に向けた一連のリブを含む、装丁構造体。
(請求項4)
請求項3に記載の装丁構造体において、
各リブは尖鋭である、装丁構造体。
(請求項5)
請求項1に記載の装丁構造体において、
各脚部は、折り曲げた端部を含み、
また、少なくとも一つのリブはそれぞれの折り曲げた端部から伸びている、装丁構造体。
(請求項6)
請求項5に記載の装丁構造体において、
それぞれ一対の脚部の折り曲げた端部の各々にて内方に向けた、間隔を置いて配設された一連のリブを含む、装丁構造体。
(請求項7)
請求項6に記載の装丁構造体において、
前記折り曲げた端部は、テーパーを付けられる、装丁構造体。
(請求項8)
請求項1に記載の装丁構造体において、
基部に金属インサートを含む、装丁構造体。
(請求項9)
請求項8に記載の装丁構造体において、
前記金属インサートは、各脚部内に伸びている、装丁構造体。
(請求項10)
請求項1に記載の装丁構造体において、
基部の熱接着剤と、熱接着剤上に配設されたコンタクト接着剤とを含む、装丁構造体。
(請求項11)
請求項1に記載の装丁構造体において、
熱接着剤を保持する別個の溝材と、該溝材を受け入れる基部におけるスロットとを含む、装丁構造体。
(請求項12)
請求項1に記載の装丁構造体において、
シートの束を貫通して伸びるステープルを含む、装丁構造体。
(請求項13)
請求項12に記載の装丁構造体において、
各一対の脚部にて間隔を置いて内方に向けて配設された一連のリブを含み、
前記ステープルは、該リブの少なくとも一つと係合可能である、装丁構造体。
(請求項14)
シートの束を装丁する装丁構造体であって、
対向したカバーを有し、また、基部と、該基部のそれぞれの側部と一体に形成されかつ該それぞれの側部から伸びる一対の対向した位置にある脚部材とを含む、要素から成る構造体において、
前記一対の脚部材及び基部は、共にシートの束が保持される保持領域を規定し、
前記一対の脚部材は、各々が一組の内側及び外側脚部により形成される構造及び配置とされ、
該脚部は、実質的に平行に配設され、それぞれの対向したカバーを受け入れる溝材をその間にて規定し、
該内側脚部の各々は、シートの束のそれぞれ側部と接触するように配置された少なくとも1つの内方を向いたリブを有する、装丁構造体。
(請求項15)
請求項14に記載の装丁構造体において、
脚部材の一対の脚部は、溝材を規定する、内方を向いた表面を有し、
該内面の少なくとも一方は、カバーを保持するため一組の係合歯を有する、装丁構造体。
(請求項16)
請求項15に記載の装丁構造体において、
一組の脚部の双方の対面する表面は、係合歯を有する、装丁構造体。
(請求項17)
請求項14に記載の装丁構造体において、
基部上に配設された熱接着剤層を含み、該接着剤層の上にシートの束が着座している、装丁構造体。
(請求項18)
請求項17に記載の装丁構造体において、
接着剤層が脚部材の間にてかつ各溝材内に配設されている、装丁構造体。
(請求項19)
シートを保持する装丁要素を加工する方法において、
基部と、一対の対向した位置にある脚部とを含み、該一対の脚部は、基部のそれぞれの側部と一体に形成されかつ該それぞれの側部から伸びている装丁要素を提供し、
前記一対の脚部及び基部は、共に、シートの束が保持される領域を規定し、
前記一対の脚部は、弾性的偏倚部を有して互いに向けて配置されるが、その間にて偏倚力の下、シートの束を保持することを可能にし得るよう分離可能な構造及び配置とされる、ステップと、
基部の上に配設された熱接着剤層を提供し、該熱接着剤層の上にシートの束が着座する、ステップと、
装丁要素を変形又は弱体化させることなく、少なくとも400度Fから600度Fの範囲の温度に耐えることができるエンジアリングプラスチックにて装丁要素を製造するステップと、
装丁要素を熱装丁機械まで搬送し、装丁要素を250度Fから375度Fの範囲の温度に晒し、装丁要素及びシートを接着させるステップとを備える、方法。
(請求項20)
請求項19に記載の方法において、
装丁要素及び接着剤を共押出し成形品として提供するステップを含む、方法。