【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様として、
- 各フローチャンバの長辺が、隣接するフローチャンバの長辺の隣に位置するように配置され、分離壁によって隣接するチャンバから分離された、少なくとも2つの実質的に平行な細長いフローチャンバの積層体であって、
- 各分離壁が、隣接する2つのフローチャンバ間で連通を成す少なくとも1つの貫通孔を有し、貫通孔が、分離壁に、フローチャンバの積層体を通って引いた想像中心線の各側に交互に配置され、したがってフローチャンバ内の流れ方向が、フローチャンバの延在部(extension)に沿い、かつ隣接するチャンバの流れ方向とは反対となる、積層体と、
- 液体入口から液体出口へと流れる液体がフローチャンバの積層体を通過するように配置された、少なくとも1つの液体入口、および少なくとも1つの液体出口と、さらに
- 少なくとも1つのフローチャンバ内に配置され、それによってフローチャンバ内にいくつかの挿入部フロー通路を形成する少なくとも1つの流路強化挿入部であって、挿入部フロー通路が、フローチャンバ内を流れる液体が挿入部フロー通路を通って送られ、それによってフローチャンバの流れ方向に沿ってジクザグ流路を形成するように配置される、少なくとも1つの流路強化挿入部と
を備える、滞留時間プレートが提供される。
【0005】
滞留時間プレートとは、連続フロー反応器に適したプレートを指す。
【0006】
フローチャンバとは、3次元長方形形状を有するものなどの3次元チャンバを指す。細長いフローチャンバは、1次元が、他の次元の長さよりも長い長さまたは延在部を有することができる。フローチャンバの積層体とは、細長いフローチャンバが、それらの長辺、または最長辺が互いに隣り合って横並びに配置された積層体を指す。積層体は、少なくとも5個のフローチャンバ、少なくとも10個のフローチャンバ、少なくとも15個のフローチャンバなど、フローチャンバを何個でも備えることができる。フローチャンバは、それらの最長辺が実質的に平行となるように積層体として配置される。フローチャンバは、寸法が実質的に等しいものでよく、一フローチャンバが、隣接するチャンバに対してずれないように互いに隣り合って配置することができる。フローチャンバは、分離壁によって分離されている。したがって、分離壁の片面が、一フローチャンバと接触し得、分離壁の他方の面が、積層体の隣接するフローチャンバと接触する。
【0007】
分離壁は、フローチャンバの積層体が直列に結合されるように、すなわち積層体に液体を流すと、積層体の全てのチャンバが液体と接触し得るように、少なくとも1つの貫通孔を有する。チャンバの積層体を通る想像直線を、各チャンバの中心を通るように引くと、貫通孔は、この線の片側と、この線の他方側とで交互に配置される。したがって、貫通孔は、1つ置きの分離壁に、想像直線の同じ側にある。言い換えれば、壁の貫通孔は交互にあり、すなわち貫通孔は想像直線の右側にあるか、または貫通孔は想像直線の左側にある。このように、チャンバの積層体を通って流れる液体は、一チャンバでは第1の流れ方向を有し、積層体の隣接するチャンバでは第1の方向とは反対の第2の方向を有することになる。したがって、液体は、入口から出口へと積層体を通って流れる際に、ジクザグ経路全体に流れることができる。貫通孔は、可能な限り最長の流路が形成されるように分離壁に配置することができる。したがって、貫通孔は、液体が実質的にチャンバの少なくともいくつかの全長にわたって、例えば全てのチャンバの全長にわたって流れることができるように、細長いフローチャンバの短辺に近接するように配置することができる。
【0008】
液体入口および液体出口は、積層体の底部フローチャンバおよび頂部フローチャンバにそれぞれ配置することができる。したがって、液体入口および液体出口は、積層体の両端部のチャンバに配置することができる。したがって、入口から出口へと流れる液体は、積層体の全てのフローチャンバを通過することができる。液体入口および/または出口は、底部フローチャンバおよび頂部フローチャンバの短辺など、細長いフローチャンバの短辺にそれぞれ配置することができる。
【0009】
流路強化挿入部とは、チャンバ内を流れる液体が特定の流路を辿るように案内する、フローチャンバ内の挿入部を指す。したがって、この流路は、流路強化挿入部を含まないフローチャンバの流路よりも長い。一例として、全てのフローチャンバは、かかる挿入部を備えることができる。フローチャンバ内に挿入部が存在する場合、液体がフローチャンバを通って流れる挿入部フロー通路が形成される。この挿入部フロー通路は、液体が、フローチャンバの流れ方向に沿ってジクザグ流路を取るように配置される。
【0010】
ジクザグ流路とは、フローが、全体の流れ方向(general flow direction)を辿りながらも、流れの方向が交互に変化する流路を指す。したがって、ジクザグ流路は、方向が交互に鋭角に転換することを特徴とする、全体の線に沿った流れ方向でよい。ジクザグ流路は、2次元ジクザグ流路でよい。デカルト座標を使用することによって、入口から出口への全体的な流路を、y軸に沿った流れ方向として表すことができ、すなわちフローチャンバの積層体はかかるy軸に沿って延ばすことができる。言い換えれば、フローチャンバの積層体を通る想像直線は、y方向でよい。各チャンバの全体的な流れ方向は、x軸に沿うことができ、すなわちy方向に対して垂直な方向である。したがって、フローチャンバは、x方向に細長くてよい。流路は隣接するフローチャンバで交互になっているので、流路は、一フローチャンバでは正のx軸に沿い、隣接するチャンバでは負のx軸に沿うことになり得る。フローチャンバ内のジクザグパターンは、フローチャンバの2次元に延ばすことができる。一例として、ジクザグパターンは、x軸およびy軸によって形成される平面内で延ばすことができる。さらなる例として、フローチャンバ内のジクザグパターンは、x軸およびz軸によって形成される平面内で延ばすことができ、z軸はx軸にもy軸にも垂直な軸である。言い換えれば、フローチャンバの「厚さ」または「深さ」をz方向とし、長さ、すなわちチャンバの最長方向をx方向とし、チャンバの高さをy方向とすることができる。
【0011】
本発明の第1の態様による滞留時間プレートは、滞留時間プレートを通って流れる液体で生じる連続反応に対する優れた伝熱を促進するという点で有利である。さらに、このプレートは、フローチャンバを通って流れる液体にプラグ流状態を与え、それと同時に液体成分の適切な混合を実現する。この滞留時間プレートは、プレートに必要となる材料が少なくなるので、コストがそれほどかからない連続フロー反応器をさらに提供する。このことによってさらに、重量の少ないプレートが得られることになり、したがって連続フロー反応器を組み立てる、または分解するときに取り扱いやすくなる。
【0012】
本発明の第1の態様の実施形態では、ジクザグ流路は、フローチャンバを取り囲むいかなる壁または面にも平行でない平面内で延びている。したがって、上記で使用したデカルト用語を用いると、ジクザグパターンは、xy平面およびxz平面に対してそれぞれ傾斜した平面内で延ばすことができる。
【0013】
本発明の第1の態様の実施形態では、ジクザグ流路は、2つ以上の平面内で延び、それによってフローチャンバの流れ方向に沿って3次元ジクザグ流路を形成している。
【0014】
したがって、上記で使用したデカルト用語を用いると、ジクザグ流路は、例えばx軸およびy軸によって形成される平面と、x軸およびz軸によって形成される平面との両方に延ばすことができる。言い換えれば、この流路は、フローチャンバ内の流れ方向に沿って3次元螺旋形流路を形成することができる。したがって、3次元ジクザグ流路は、x方向に沿って流れる際に、z方向にもy方向にも方向が変わる流路でよく、x方向は、チャンバの延在部に沿った方向である。したがって、この流路は、フローチャンバの延在部に沿ってコイル形流路を形成することができる。このことは、プラグ流特性をなおも与えながらも、液体のさらなる伝熱および混合が可能となるという点で有利である。
【0015】
本発明の第1の態様の実施形態では、少なくともいくつかの挿入部フロー通路が、流路強化挿入部と、フローチャンバを取り囲む任意の壁との間で形成される。
【0016】
「任意の壁」とは、上述の分離壁でも、分離壁に対して垂直な壁でもよい。一例として、壁は、滞留時間プレートが連続プレート反応器に取り付けられる際に形成することができる。実施形態では、滞留時間プレートは、それ自体が取り囲む壁、すなわち分離壁に対して垂直な壁をさらに備える。
【0017】
一例として、流路強化挿入部は、ジクザグパターンを形成する長方形または正方形のバッフルを備えることができ、各バッフルは、2つの第1の平行な縁部、および2つの第2の平行な縁部を有し、ジクザグパターンが、バッフルの第1の平行な縁部が、隣接するバッフルの第1の平行な縁部と、隣接するバッフルの第2の平行な縁部間である角度を成すように出合うことによって形成され、
このジグザグパターンは、第1の縁部が分離壁と接触するように、細長いフローチャンバの方向に沿って延び、さらに、
隣接する2つのバッフル同士が、それらの第1の縁部のところでオフセットして出合い、それによって1つ置きのバッフルが、第1の縁部に沿って第1の方向に位置がずれ、間にあるバッフルが、第1の縁部に沿って反対方向に位置がずれた交互のパターンを形成し、それによってバッフルの第2の縁部と、フローチャンバを取り囲む任意の壁との間で挿入部フロー通路が形成されている。
【0018】
上記の特定の実施形態は、詳細な説明および図では「A型」として示す例として例示している。
【0019】
したがって、挿入部は、ジグザグパターンを形成する正方形もしくは長方形の区画、またはバッフルによって形成することができる。ジグザグパターンは、隣接するバッフルの2つの第1の縁部同士が、隣接するバッフルの第2の縁部間で所定の角度を成すように出合うことによって形成される。これは、隣接する2つのバッフルの第2の平行な縁部が、角度βなどの傾斜で互いに傾斜していることを意味する。この角度は、約25°から115°、例えば約90°でよい。しかし、βは、バッフルのジグザグパターン全体にわたって一定でよく、すなわちバッフルは1つ置きに互いに平行でよい。
【0020】
さらに、隣接するバッフル同士は、第1の縁部に沿った方向にオフセットして互いに出合い、それによって交互のパターンを形成している。このパターンでは、バッフルは1つ置きに、隣接するバッフルに対して位置がずれている。言い換えれば、全てのバッフルの中心を通る想像直線を引くと、1つ置きのバッフルが、この想像直線に対して垂直な軸に沿った第1の方向に位置がずれ、間にあるバッフルが、この第1の方向とは反対の方向に位置がずれている。
【0021】
このように位置がずれているため、プレートをプレート反応器に取り付けると、第2の縁部と、チャンバを取り囲む壁との間で挿入部フロー通路が形成される。したがって、これらの壁は、滞留時間プレートの分離壁に平行となる。本発明者らは、このタイプの挿入部によって、液体がフローチャンバの方向に沿って「ねじれた」形またはほぼ螺旋形の経路、すなわち2つ以上の平面内で延びるジクザグ流路を取ることになるという点で、このタイプの挿入部は有利であることを見出した。
【0022】
本発明の第1の態様の実施形態では、流路強化挿入部は、それ自体に挿入部フロー通路を備える。したがって、挿入部は、液体が挿入部を通って流れるための貫通孔を備えることができる。
【0023】
さらに、この挿入部は、挿入部の少なくともいくつかの挿入部フロー通路のところから延びるバッフルを備えることができる。
【0024】
バッフルは、挿入部の表面から延ばすことができる。かかるバッフルは、液体をジグザグパターンで案内する一助となり得る。バッフルは、正方形または長方形など、いかなる形でもよい。バッフルは、挿入部の表面に対して垂直となるように延ばすことができる。少なくともいくつかのバッフル、およびいくつかの挿入部フロー通路は、同じ寸法を有することができる。
【0025】
一例として、バッフルおよび挿入部貫通通路は、液体をフローチャンバの流れ方向に沿って、少なくとも2つの異なるジグザグパターンで案内するように配置することができる。
【0026】
少なくとも2つの異なるジグザグパターンは、絡み合わせることができる。こうすることによって、液体の混合をさらに助けることができる。さらに、少なくとも2つの異なるジグザグパターンは、同一平面にあってもよい。
【0027】
したがって、挿入部は、液体を絡み合った2つの経路に案内するように配置することができ、それらの経路はそれぞれジクザグ型のパターンを形成する。これらの経路は、同一平面にあっても、異なる平面にあってもよい。こうした経路は、例えばフローチャンバに挿入すると、バッフルの端部と、フローチャンバの壁との間に通路が残るバッフルを使用することによって実現することができる。
【0028】
一例として、挿入部は、いくつかの挿入部フロー通路がシートに沿って列として配置された細長いシートを備えることができ、バッフルがシートの挿入部フロー通路のところから、シートの第1の面からと、シートの第1の面とは反対の第2の面からとで交互に延びている。
【0029】
上記の特定の実施形態は、詳細な説明および図では「B型」として示す例として例示している。本発明者らは、かかる挿入部によって、液体が絡み合った2つのジグザグパターンで流れるように案内され、それによって液体のプラグ流および混合が促進されることを見出した。
【0030】
このシートは、金属シートでよい。細長いシートを、シートの細長い方向が、チャンバの細長い方向と位置が合うように、フローチャンバ内に配置することができる。挿入部フロー通路および/またはバッフルは、正方形または長方形の形状を有することができる。バッフルは、フローチャンバの流れ方向に対して傾斜させてもよい。したがって、バッフルの表面に対する法線は、チャンバの全体的な流れ方向と位置合わせされたベクトルに対してある角度を成すことができる。
【0031】
バッフルは、シートの面または表面に対して垂直となるように延ばすことができる。
【0032】
一例として、2つ以上のバッフルを、挿入部の挿入部フロー通路のところから延ばすことができる。例えば、少なくとも2つのバッフルを、各挿入部フロー通路から互いに反対方向に延ばすことができ、これらのバッフルは、バッフルの表面がフローチャンバの流れ方向に対して傾斜するように配置することができる。
【0033】
上記の特定の実施形態は、詳細な説明および図では「C型」として示す例として例示している。したがって、フローはある角度でバッフル表面に当たることになり得、すなわちバッフルの表面から延びる法線ベクトルは、フローチャンバ内の流れ方向を表すベクトルに対してある角度を成すことができる。「反対方向」とは、少なくとも2つのバッフルが、シートの異なる面で挿入部フロー通路から延びることを意味し得る。上記で使用したデカルト用語を用いると、バッフルは、挿入部から正のz方向および負のz方向にそれぞれ延ばすことができる。
【0034】
フローチャンバは、上記の「C型」実施形態による少なくとも1つの挿入部を備えることができる。例えば、フローチャンバは、互いに隣り合って並んだ少なくとも2つの挿入部、例えば3つの挿入部を備えることができ、それによって液体をフローチャンバの流れ方向に沿って交錯したジグザグパターンで案内することができる。
【0035】
本発明の第1の態様の実施形態では、流路強化挿入部は、金属フォーム、またはオフセットストリップフィンタービュレータである。
【0036】
したがって、挿入部は、特定の形状を形成するように折り重ねることができる金属シートから構築することができる。適切な挿入部は、例えば金属フォーム、折重ねシート挿入部、バッフルラダーシート挿入部、積層シート挿入部、オフセットストリップフィンタービュレータ、またはそれらの組合せでよい。こうした挿入部によって、混合およびプラグ流を促進することができる。
【0037】
さらに、挿入部は、貫通通路が形成されたシートから構築することができ、これらの通路を前にカバーしていたシート材料でバッフルを形成することができる。したがって、貫通通路とバッフルとは、同じ形状を有することができる。したがって、例えば、貫通通路を正方形または長方形とする場合、貫通通路およびバッフルは、各貫通通路について、正方形または長方形の3辺に沿ってシートを切断し、次いで第4の辺に沿ってバッフルを折り出し、それによって貫通通路、および挿入部の貫通通路のところから延びるバッフルを形成することができる。この様子が、本開示の例えば
図6にさらに示されている(以下の詳細な説明参照)。
【0038】
本発明の第1の態様の実施形態では、流路強化挿入部は、少なくとも1つの触媒でコーティングされている。一例として、挿入部は金属フォームでよく、このフォームを少なくとも1つの触媒でコーティングすることができる。触媒は、フローチャンバ内で生じる反応用の触媒でよい。
【0039】
本発明の第1の態様の実施形態では、フローチャンバ間の少なくとも1つの貫通孔は、その少なくとも1つの貫通孔を通過する液体の混合を高めるためのネットを有する。
【0040】
さらに、滞留時間プレートはまた、滞留時間プレートの使用時に、チャンバへのアクセス、かつプロセスフローへのアクセスを行うための1つまたは複数のアクセスポート、あるいは1つまたは複数のポート孔、あるいはそれらの組合せを備えることができる。
【0041】
本発明の第2の態様として、2枚のユーティリティプレート間に配置された、本発明の第1の態様による滞留時間プレートを備え、これらのユーティリティプレートが、フローチャンバの対向する2つの壁を形成し、これらの壁が、フローチャンバ間の分離壁によって形成される壁に対して垂直である、組立て式滞留時間区画が提供される。
【0042】
したがって、流路強化挿入部の形状が、少なくともいくつかの挿入部フロー通路が流路強化挿入部とフローチャンバを取り囲む任意の壁との間で形成されるような形状である場合、かかる挿入部フロー通路は、挿入部と、フローチャンバに面するユーティリティプレートの一部または表面との間で形成されることになる。
【0043】
一例として、少なくとも1枚のユーティリティプレートは、ユーティリティ連結プレート、タービュレータプレート、タービュレータフレームプレート、Oリング、伝熱プレート、およびユーティリティフレームプレートの積層体を備えることができる。
【0044】
さらに、滞留時間プレートは、ユーティリティフレームプレートに嵌め込むことができ、伝熱プレートは、フローチャンバの対向する壁の一方を形成することができる。
【0045】
さらに、ユーティリティ面は、Oリングおよびバリアプレートによって閉じることができる。ユーティリティ導管に、タービュレータプレートを配置することができる。導管は、伝熱流体の入口または出口用の2つのポートを有することができる。両端部には、連結ポートがあってもよい。これらの連結ポートは、プラグ、熱電対、または他の機器を保持するように設計することができる。
【0046】
したがって、組立て式滞留時間区画は、滞留時間プレート、および2枚のユーティリティプレートを備えることができる。ユーティリティフローまたは伝熱流体は、2枚のユーティリティプレートを通って流れるように分割することができ、すなわち滞留時間プレートの各面に1つの流れを生じ、出口で回収することができる。したがって、プロセス面とユーティリティ面とは完全に分離しておくことができ、流体間は封止部によって封止されているため、接触することがなく、例えば全ての封止部を雰囲気に向けることができる。封止部は、ユーティリティプレートの一部を成す伝熱プレートによって分離することができる。滞留時間プレートは、各面をユーティリティプレートで閉じることができる。ガスケットによって、少なくとも1枚のユーティリティプレートのユーティリティフレームプレート内の滞留時間プレートを封止することができる。
【0047】
プロセス面、すなわち滞留時間プレートは、発泡PTFEガスケットによって伝熱プレートに接して閉じることができる。一例として、バッフルを備えた挿入部によって、滞留時間プレートにプロセスフローチャネルを形成することができる。このチャネルは、入口ポートおよび出口ポートに連結することができる。チャネルへのアクセスポートがいくつかあってもよく、これらのアクセスポートは、同一プレートに機械加工することができる。
【0048】
滞留時間プレートを使用することによって、プレートを通る液体フロー間を混合し、かつそれらの液体フロー間の伝熱を行うことができる。このプレートは、フレームとともに使用することができ、このフレームでは、プレートを他の機能を有する他のプレートとともに積層させることができる。
【0049】
本発明の第3の態様として、本発明の第2の態様による1つまたは複数の組立て式滞留時間区画、および挟持装置を備え、この挟持装置は、フレームと、滞留時間区画が間に配置される2枚のエンドプレートとを備える、フローモジュールが提供される。
【0050】
このフローモジュールは、連続フロープレート反応器などのプレート反応器でよい。
【0051】
さらに、このフローモジュールは、円盤ばね、およびテンションロッドを備えることができる。例えば、円盤ばねのパイルは、滞留時間プレートにかかる挟持力を分散させるように、エンドプレートで支持されたばねグリッドとして配置することができ、この滞留時間プレートは、2枚のエンドプレート間に配置することができる。
【0052】
フレームは、封止表面全体にわたって十分な挟持力および圧力分散を与えて、安全な動作が確実に得られるように設計することができる。
【0053】
組立て式滞留時間区画は、反応器フレーム内で互いに積層させることができ、この区画をフレーム内に組み付け、挟持して封止し、圧力を保持することができる。組立て式滞留時間区画は、個々に積層させても、他のプレートと組み合わせて積層させてもよい。目的によって、意図されたプロセスに合う構成が画定される。
【0054】
プロセスフローチャネルは、方向が頻繁に逆になる渦流が誘起されるように成形することができる。こうすることによって、フローが、プラグ流の必須要件である層流であっても、フローの混合、良好な反応速度、および伝熱が実現される。ユーティリティフロー導管は、フロー内に渦流を生じさせるタービュレータプレートを装備することができ、このプレートは、壁から液体フローへの、または液体フローから壁への熱搬送の一助となる。
【0055】
さらに、フローモジュールはまた、1つまたは複数のフロープレートを備えることができる。かかるフロープレートは、中央平面で分割可能であり、2つの部品を備えることができ、各部品はチャネル面およびユーティリティ面を備える。フロープレートのこれら2つの部品は相対部品でよく、互いに鏡映となっている。これら2つの部品を一体に合わせると、相対部品となっている2つのチャネル面間でチャネルを形成することができる。チャネルは、湾曲した障害部、側壁、およびチャネル床を備えることができる。湾曲した障害部は、側壁によって分離された平行な列として配列することができる。湾曲した障害部の列の裏面は溝を有することができ、それによってユーティリティ面で伝熱流体が流れるように障害部が中空となっている。
【0056】
本発明の第4の態様として、第3の態様によるフローモジュールの、化学反応用の反応器としての使用が実現される。
【0057】
本発明のフローモジュールまたは滞留時間プレートは、以下のプロセス作業、すなわち製造、反応、混合、ブレンディング、極低温作業の実施、洗浄、抽出および精製、pH調節、溶媒交換、化学物質の製造、中間化学物質の製造、低温作業で実施する際のAPI(医薬品有効成分)の製造、医薬品中間体の製造、スケールアップおよびスケールダウン開発、析出または結晶化、多重注入または多重添加または複数測定または多重サンプリングの実施、多段反応を伴う作業、予備冷却作業、予熱作業、ポスト加熱およびポスト冷却作業、バッチ処理から連続処理への変換プロセス、分流および再合流作業を行う際に有用となり得る。
【0058】
本発明のフローモジュールまたは滞留時間プレートによって実施することができる反応の種類には、付加反応、置換反応、脱離反応、交換反応、消光反応、還元、中和、分解、置換または追出反応、不均化反応、触媒反応、切断反応、酸化、閉環および開環、芳香族化反応および脱芳香族化反応、保護反応および脱保護反応、相間移動および相間移動触媒作用、光化学反応、気相、液相、および固相が関連し、かつ遊離基、求電子体、求核体、イオン、中性分子などが関連し得る反応などが含まれる。
【0059】
アミノ酸合成、不斉合成、キラル合成、液相ペプチド合成、オレフィン複分解、ペプチド合成などの合成もやはり、このフローモジュールまたは滞留時間プレートを用いて実施することができる。このフローモジュールを使用することができる他の種類の合成は、炭水化物化学、二硫化炭素化学、シアン化化学、ジボラン化学、エピクロロヒドリン化学、ヒドラジン化学、ニトロメタン化学などの範囲内の反応、または複素環式化合物、アセチレン化合物、酸塩化物、触媒、細胞毒性化合物、ステロイド中間体、イオン液体、ピリジン化学物質、ポリマー、モノマー、炭水化物、ニトロンなどの合成である。
【0060】
このフローモジュールまたは滞留時間プレートは、アルドール縮合、バーチ還元、バイヤー-ビリガー酸化、クルチウス転位、ディークマン縮合、ディールス-アルダー反応、デーブナー-クネーファナーゲル縮合、フリーデル-クラフツ反応、フリース転位、ガブリエル合成、ゴンバーグ-バックマン反応、グリニャール反応、ヘック反応、ホフマン転位、ヤップ-クリンゲマン反応、レイングルーバ-バッチョインドール合成、マンニッヒ反応、マイケル付加、ミカエリス-アルブゾフ反応、光延反応、鈴木-宮浦反応、レフォルマトスキー反応、リッター反応、ローゼンムント還元、ザントマイヤー反応、シッフ塩基還元、ショッテン-バウマン反応、シャープレスエポキシ化、スクラウプ合成、薗頭カップリング、ストレッカーアミノ酸合成、スワーン酸化、ウルマン反応、ヴィルゲロット転位、ビルスマイヤー-ハック反応、ウィリアムソンエーテル合成、ウィッティヒ反応などの人名反応に適している。
【0061】
このフローモジュールまたは滞留時間プレートが適するさらなる反応には、縮合反応、カップリング反応、鹸化、オゾン分解、環化反応、環化重合反応、脱ハロゲン化、脱水素環化、脱水素化、脱ハロゲン化水素化、ジアゾ化、硫酸ジメチル反応、ハロゲン化物交換、シアン化水素反応、フッ化水素反応、水素化反応、ヨウ素化反応、イソシアン酸反応、ケテン反応、液体アンモニア反応、メチル化反応、カップリング、有機金属反応、金属化、酸化反応、酸化カップリング、オキソ反応、重縮合、ポリエステル化、重合反応や、他の反応、例えばアセチル化、アリール化、アクリル化、アルコキシ化、加アンモニア分解、アルキル化、アリル臭素化、アミド化、アミノ化、アジ化、ベンゾイル化、臭素化、ブチル化、カルボニル化、カルボキシル化、塩素化、クロロメチル化、クロロスルホン化、シアノ化、シアノエチル化、シアノメチル化、シアヌレート化、エポキシ化、エステル化、エーテル化、ハロゲン化、ヒドロホルミル化、ヒドロシリル化、ヒドロキシル化、ケタール化、ニトロ化、ニトロメチル化、ニトロソ化、過酸化、ホスゲン化、4級化、シリル化、スルホクロル化、スルホン化、スルホ酸化、チオカルボニル化、チオホスゲン化、トシル化、アミノ基転移、エステル転移などがある。
【0062】
本発明の他の態様および利点について、添付の図面を参照しながら、以下の本発明の実施形態の詳細な説明に示すものとする。以下の図は、本発明を例示するものであり、本発明の単なる例にすぎず、本発明の範囲を限定するようなものではない。