(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
左右方向に並んで配置される少なくとも2つのプレスと、前記少なくとも2つのプレスのそれぞれのプレスに対応する一対の上金型と下金型と、前記下金型に電子部品を搬送する搬送体と、前記電子部品に対する樹脂成形の結果得られたモールド品を前記下金型から取り出す取出体と、を備え、前記下金型はポットを備え、前記下金型は樹脂供給時に前記ポットの高さが略同一の高さになるように設けられ、前記ポット内に液状樹脂を供給してトランスファ樹脂成形を行うマルチプレスタイプの電子部品モールド装置に用いられる樹脂供給装置であって、
前記ポット内に液状樹脂を供給するノズルを有する供給アームと、
前記左右方向、前記上金型と前記下金型とが配置される上下方向、および、前記左右方向と前記上下方向とに垂直な前後方向に沿って前記供給アームを移動させる移動機構と、
を備え、
前記移動機構は、前記少なくとも2つのプレスのうちの第1のプレスに前記液状樹脂を供給する際には、前記供給アームを、前記第1のプレスの近傍に移動させ、前記第1のプレスの前記下金型のポットに前記液状樹脂を供給し、前記液状樹脂の供給後、前記前後方向に沿って前記供給アームを退避させ、さらに、前記搬送体、または、前記取出体が前記左右方向に沿って移動する際には、前記供給アームが前記搬送体、または、前記取出体に衝突しないように前記供給アームを退避位置より下方向に移動させることを特徴とする樹脂供給装置。
左右方向に並んで配置される少なくとも2つのプレスと、前記少なくとも2つのプレスのそれぞれのプレスに対応する一対の上金型と下金型と、前記下金型に電子部品を搬送する搬送体と、前記電子部品に対する樹脂成形の結果得られたモールド品を前記下金型から取り出す取出体と、を備え、前記下金型はポットを備え、前記下金型は樹脂供給時に前記ポットの高さが略同一の高さになるように設けられ、前記ポット内に液状樹脂を供給してトランスファ樹脂成形を行うマルチプレスタイプの電子部品モールド装置であって、
前記ポット内に液状樹脂を供給するノズルを有する供給アームと、
前記左右方向、前記上金型と前記下金型とが配置される上下方向、および、前記左右方向と前記上下方向とに垂直な前後方向に沿って前記供給アームを移動させる移動機構と、
を備え、
前記移動機構は、前記少なくとも2つのプレスのうちの第1のプレスに前記液状樹脂を供給する際には、前記供給アームを、前記第1のプレスの近傍に移動させ、前記第1のプレスの前記下金型のポットに前記液状樹脂を供給し、前記液状樹脂の供給後、前記前後方向に沿って前記供給アームを退避させ、さらに、前記搬送体、または、前記取出体が前記左右方向に沿って移動する際には、前記供給アームが前記搬送体、または、前記取出体に衝突しないように前記供給アームを退避位置より下方向に移動させることを特徴とする電子部品モールド装置。
左右方向に並んで配置される少なくとも2つのプレスと、前記少なくとも2つのプレスのそれぞれのプレスに対応する一対の上金型と下金型と、前記下金型に電子部品を搬送する搬送体と、前記電子部品に対する樹脂成形の結果得られたモールド品を前記下金型から取り出す取出体と、を備え、前記下金型はポットを備え、前記下金型は樹脂供給時に前記ポットの高さが略同一の高さになるように設けられ、前記ポット内に液状樹脂を供給してトランスファ樹脂成形を行うマルチプレスタイプの電子部品モールド装置に用いられる樹脂成形方法であって、
前記少なくとも2つのプレスのうちの第1のプレスの近傍に供給アームを移動させて前記第1のプレスの前記下金型のポットに前記液状樹脂を供給する工程と、
前記左右方向と、前記上金型と前記下金型とが配置される上下方向とに垂直な前後方向に沿って、前記液状樹脂の供給後、前記供給アームを退避させる工程と、
前記搬送体、または、前記取出体が前記左右方向に沿って移動する際、前記供給アームが前記搬送体、または、前記取出体に衝突しないように前記供給アームを退避位置より下方向に移動させる工程と、
を含む樹脂成形方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態は一例であり、本発明はこれらの実施形態により限定されるものではない。
【0015】
図1は、本発明の実施形態にかかる樹脂供給装置10を備える電子部品モールド装置1の概略正面図である。また、
図2は、本発明の実施形態にかかる樹脂供給装置10を備える電子部品モールド装置1の概略平面図である。
【0016】
図1に示すx軸、y軸、z軸は直交座標系を構成し、それぞれ
図1の右方向、奥行き方向、上方向が正方向となる座標軸である。
図2以降においても、
図1と同様に、各軸が示されている。なお、ここでは、x軸、y軸、z軸に平行な方向をそれぞれ左右方向、前後方向、上下方向とも呼ぶ。
【0017】
図1および
図2に示す電子部品モールド装置1は、樹脂供給装置10と、第1プレス11と、第2プレス12と、搬送機構13と、リードフレーム整列機構14と、取出機構15と、モールド品収納機構16と、を有する。
【0018】
樹脂供給装置10は、トランスファ成形をする樹脂を第1プレス11および第2プレス12に供給する装置である。樹脂供給装置10の構成については、後述する。
【0019】
第1プレス11は、上プラテン111、上型112、下型113、移動プラテン114、トランスファ機構115、タイバー116、プレス機構117、および、下プラテン118を有する。上型112と下型113は、z軸の正方向および負方向(上下方向)に配置される。
【0020】
上プラテン111と移動プラテン114は、上下に対向配置され、成形する型を固定する機構を有する。上型112は、上プラテン111に固定される型である。下型113は、液体樹脂が注入されるポット119を有し、移動プラテン114に固定される型である。また、移動プラテン114は、z軸の正方向および負方向に移動可能に設けられる。下プラテン118は、第1プレス11の底部に設けられ、プレス機構117を固定する機構を有する。タイバー116は、上プラテン111、移動プラテン114、および、下プラテン118の四隅に挿入され組み付けられる。
【0021】
トランスファ機構115は、油圧、ネジ送り、カム送り等の機構を有し、下型113が有するポット119内に樹脂注入機構101が注入した液体樹脂をキャビティ(図示せず)内に移動させる。
【0022】
プレス機構117は、下型113をz軸の正方向および負方向に移動させ、下型113と上型112とを用いてプレス加工を行い、または、下型113を上型112から引き離す。
【0023】
第2プレス12は、第1プレス11と同様に、上プラテン121、上型122、下型123、移動プラテン124、トランスファ機構125、タイバー126、プレス機構127、および、下プラテン128を有する。第2プレス12の構成は、第1プレス11の構成と同様であるので、説明を省略する。第1プレス11と第2プレス12は、左右方向(x軸の正方向および負方向)に並んで配置される。また、第1プレス11の下金型113と第2プレス12の下金型123は、樹脂供給時にポットの高さが略同一の高さになるように配置される。
【0024】
搬送機構13は、搬送体131、および、搬送体131の移動方向に設けられる搬送体レール(
図8−1参照)を有する。
【0025】
搬送体131は、リードフレーム132をリードフレーム整列機構14から取出し、x軸方向に移動して、第1プレス11の下型113または第2プレス12の下型123に取り付ける。搬送機構13の具体的な構成および動作については後述する。
【0026】
取出機構15は、取出体151、および、取出体151の移動方向に設けられる取出体レール(
図8−9参照)を有する。
【0027】
取出体151は、第1プレス11、または、第2プレス12にて樹脂成形が完了したモールド品152を取出し、モールド品収納機構16に収納する。取出機構15の具体的な構成および動作については後述する。
【0028】
リードフレーム整列機構14は、樹脂成形前のリードフレーム132を収納し、搬送機構13に送り出す機構である。
【0029】
モールド品収納機構16は、ゲートブレーク機構161を有し、樹脂成形が完了したモールド品152を収納する機構である。ゲートブレーク機構161は、取出体151から受け取ったモールド品152から不要な部分(カル、ランナ、ゲート等)を除去する機構を有する。
【0030】
ここで、リードフレーム132、および、モールド品152について説明する。
図3は、リードフレーム132の一例を示す図であり、
図4は、モールド品152の一例を示す図である。
【0031】
図3に示すリードフレーム132は、半導体パッケージに使用される金属薄板であり、
図4に示すモールド品152は、第1プレス11、または、第2プレス12にて樹脂成形が完了したリードフレーム132である。
【0032】
図4に示すモールド品152は、樹脂成形した半導体を5個、リードフレーム132内に有する。モールド品152からカル、ランナ、ゲート等を取り外すと、樹脂成形が完了する。樹脂成形工程を完了したモールド品152から次工程以降ではリードフレームの切断、成形、電気特性試験、型式マーキング等の工程を経て半導体部品が得られる。
図5は、完成した半導体の一例を示す図である。
【0033】
次に、樹脂供給装置10の具体的な構成について説明する。
図6は、実施形態にかかる樹脂供給装置10の構成を示す断面図である。なお、
図6に示す断面図は、
図1および
図2における樹脂供給装置10のB−B’の断面である。
【0034】
樹脂供給装置10は、樹脂注入機構101、ノズル102、第1レール103、第1スライダ104、第2レール105、第2スライダ106、第3レール107、および、第3スライダ108を有する。
【0035】
樹脂注入機構101は、第2スライダ106に固定して設けられ、先端にノズルが取り付けられる。また、樹脂注入機構101は、内部に液体樹脂を封入したシリンジ(図示せず)、および、シリンジを押し込んで液体樹脂をノズル102へ送り出すシリンジプランジャ(図示せず)を有する。シリンジの押し込みは、モータによるネジ送り、油圧シリンダ、エアシリンダ等の押し込み量を制御可能な機構で制御される。
【0036】
ノズル102は、樹脂注入機構101に取り付けられ、樹脂注入機構101のシリンジから送り出される液体樹脂を第1プレス11の下型113または第2プレス12の下型123のポット119内へ注入する。
【0037】
第1レール103は、樹脂注入機構101をx軸の正方向および負方向(前後方向)に移動させるように、x軸方向に沿って設けられるレールである。第1スライダ104は、第1レール103上を移動可能に設けられるスライダである。第1レール103、および、第1スライダ104は、樹脂注入機構101をx軸の正方向および負方向に移動させる第1移動機構を構成する。
【0038】
第2レール105は、樹脂注入機構101をy軸の正方向および負方向に移動させるように、第3スライダ108上にy軸方向に沿って設けられるレールである。第2スライダ106は、樹脂注入機構101に固定され、第2レール105上を移動可能に設けられるスライダである。第2レール105、および、第2スライダ106は、樹脂注入機構101をy軸の正方向および負方向に移動させる第2移動機構を構成する。
【0039】
第3レール107は、樹脂注入機構101をz軸の正方向および負方向に移動させるように、第1スライダ104上にz軸方向に沿って設けられるレールである。第3スライダ108は、第3レール107上を移動可能に設けられるスライダである。第3レール107、および、第3スライダ108は、樹脂注入機構101をz軸の正方向および負方向に移動させる第3移動機構を構成する。
【0040】
樹脂注入機構101は、第1移動機構によってx軸の正方向および負方向に移動し、第2移動機構によってy軸の正方向および負方向に移動し、第3移動機構によってz軸の正方向および負方向に移動する。
【0041】
具体的には、樹脂注入機構101は、液体樹脂の注入が行われる場所が第1プレス11と第2プレス12で変更される度に、プレス第1移動機構によって第1プレス11と第2プレス12の間を移動する。また、樹脂注入機構101は、第1プレス11、または、第2プレス12において液体樹脂を注入する際に、第2移動機構、および、第3移動機構によって、上型112、122と下型113、123の間へ移動する。
【0042】
各移動機構は、リニアウェイ等のガイドレールによってガイドされ、モータ、油圧または空圧等によって駆動される。なお、各移動機構は、それぞれの移動方向への移動量を制御可能な機構であれば、いかなる機構であってもよい。
【0043】
次に、電子部品モールド装置1における樹脂注入機構101の移動について説明する。
図7−1から
図7−7は、モールド品加工の各手順における樹脂注入機構101の位置を示す図である。
図7−1から
図7−7は、
図2と同じく、電子部品モールド装置1の平面図であり、
図2における樹脂供給装置10、第1プレス11、および、第2プレス12の部分を拡大して示している。
【0044】
図7−1は、樹脂注入機構101の待機位置を示す図である。
図7−1では、樹脂注入機構101は、第1プレス11と第2プレス12の間の位置に待機している。なお、このとき、樹脂注入機構101は、z軸の負方向に下降した状態で待機している。
【0045】
また、第1プレス11の下型113にリードフレーム132が取り付けられ、第2プレス12の下型123にプレスが完了して成形されたモールド品152が取り付けられている。
【0046】
図7−1に示すように、樹脂注入機構101を含む樹脂供給装置10は、y軸方向において、第1プレス11、および、第2プレス12の位置よりもより正方向側に退避できるように設けられる。この構成により、第1プレス11と第2プレス12との間隔を、樹脂注入機構101の大きさに制限されることなく狭くすることができる。
【0047】
この場合、x軸方向に沿って移動する搬送体131や取出体151と、退避した樹脂供給装置10とが衝突しないよう、樹脂供給装置10はz軸の負方向に下降する。これにより、樹脂成形の各種動作を並行して行うことができる。このような樹脂供給装置10の動作については、後に詳しく説明する。
【0048】
また、樹脂供給装置10は、z軸の負方向に下降した状態で待機していることによって、第1プレス11がプレス作業を行っている際に発生する熱が、樹脂注入機構101内の液体樹脂に影響を及ぼすことを抑制できる。
【0049】
樹脂注入機構101は、z軸の負方向に下降した状態で、
図7−1に示す待機位置からリードフレーム132が取り付けられている第1プレス11側(x軸の負方向)に移動する。
【0050】
図7−2は、樹脂注入機構101が第1プレス11側に移動した状態を示す図である。また、
図7−2では、第2プレス12の下型123に取り付けられたモールド品が、前述の取出機構15により取り出されている。
【0051】
図7−3は、樹脂注入機構101が第1プレス11にて液体樹脂を注入している状態を示す図である。樹脂注入機構101は、z軸の正方向に上昇した後、y軸の負方向に移動して、ノズル102の先端を下型113のポット119の直上まで位置し、液体樹脂を注入する。
【0052】
図7−4は、樹脂注入機構101が第1プレス11での液体樹脂の注入を完了した状態を示す図である。樹脂注入機構101は、第1プレス11での液体樹脂の注入を完了し、y軸の正方向に移動して元の位置に戻っている。樹脂注入機構101は、y軸の正方向に移動して元の位置に戻った後、z軸の負方向に下降する。
【0053】
また、
図7−4では、第2プレス12の下型113に、前述の搬送機構13によりリードフレーム132が取り付けられている。
【0054】
樹脂注入機構101は、第1プレス11での液体樹脂の注入を完了した後、
図7−1に示した待機位置に再び戻る。その後、樹脂注入機構101は、第2プレス12で液体樹脂を注入するために、z軸の負方向に下降した状態で、リードフレーム132が取り付けられている第2プレス12の方(x軸の正方向)に移動する。
【0055】
図7−5は、樹脂注入機構101が第2プレス12側(x軸の正方向)に移動した状態を示す図である。また、
図7−6は、樹脂注入機構101が第2プレス12にて液体樹脂を注入している状態を示す図である。樹脂注入機構101は、z軸の正方向に上昇した後、y軸の負方向に移動して、ノズル102の先端を下型123のポット129の直上まで位置し、液体樹脂を注入する。
【0056】
また、
図7−6では、第1プレス11の下型113に取り付けられたモールド品が取出機構15により取り出されている。
【0057】
図7−7は、樹脂注入機構101が第2プレス12での液体樹脂の注入を完了した状態を示す図である。樹脂注入機構101は、第1プレス11での液体樹脂の注入を完了し、y軸の正方向に移動して元の位置に戻っている。樹脂注入機構101は、y軸の正方向に移動して元の位置に戻った後、z軸の負方向に下降する。
【0058】
そして、樹脂注入機構101は、
図7−1に示した待機位置に再び戻る。その後、樹脂注入機構101は、第1プレス11で液体樹脂を注入するために、z軸の負方向に下降した状態で、リードフレーム132が取り付けられている第1プレス11側(x軸の負方向)に移動する。
【0059】
樹脂注入機構101は、
図7−1〜7−7に示した各位置へ移動し、第1プレス11の下型113、および、第2プレス12の下型123への液体樹脂の注入を繰り返す。なお、樹脂注入機構101は、第1プレス11、または、第2プレス12における液体樹脂の注入が完了した後、
図7−1に示した待機位置に戻ると説明したが、待機位置で静止せずに、そのまま他方のプレスでの液体樹脂の注入を行ってもよい。
【0060】
次に、樹脂成形装置1における樹脂成形の手順について説明する。また、第1プレス11、搬送機構13、および、取出機構14の具体的な構成についても併せて説明する。
【0061】
図8−1から
図8−12は、樹脂成形装置1における樹脂成形の手順の説明に供する図である。
図8−1から
図8−12は、
図1および
図2におけるC−C’の断面である。
【0062】
図8−1は、第1プレス11におけるリードフレーム132の取り付け前の状態を示す図である。
図8−1に示すように、下型113は下降しており、搬送体131はリードフレーム132を第1プレスの下型113にまだ取り付けておらず、樹脂供給装置10は下型113に液体樹脂を注入するために待機している。なお、搬送体131がリードフレーム132を取り付けている間、樹脂注入機構101はz軸方向に下降している。
【0063】
ここで、第1プレス11の下型113の要部構成について説明する。第1プレス11の下型113は、ポット119と、ポット119の内部に設けられるプランジャ120を有する。
【0064】
ポット119は、樹脂注入機構101のノズル102から注入される液体樹脂を収容する。プランジャ120は、トランスファ機構115によりポット119内を上下に可動し、ポット119内に注入される液体樹脂をキャビティ内に充填させる。
【0065】
次に、搬送機構13の具体的な構成について説明する。搬送機構13は、搬送体131、搬送体レール134、および、搬送体スライダ135を有し、樹脂供給装置10の上方に設けられる。
【0066】
搬送体131は、リードフレーム132を把持するアーム部133を有する。搬送体131は、アーム部133をy軸方向に沿って移動させて、リードフレーム132をリードフレーム整列機構14から取出し、第1プレス11の下型113、または、第2プレスの下型123へ取り付ける動作を行う。
【0067】
搬送体レール134は、搬送体131をx軸の正方向または負方向に移動させるように、x軸方向に沿って設けられるレールである。搬送体スライダ135は、搬送体131に固定され、搬送体レール134上を移動可能に設けられるスライダである。
【0068】
図8−2は、第1プレス11におけるリードフレーム132の取り付け中の状態を示す図である。
図8−2に示すように、下型113は下降しており、搬送体131はリードフレーム132を第1プレスの下型113に取り付け中であり、樹脂供給装置10は下型113に液体樹脂を注入するために待機している。なお、搬送体131がリードフレーム132を取り付けている間、樹脂注入機構101はz軸の負方向に下降している。
【0069】
また、搬送体131は、リードフレーム132を把持したアーム部133を第1プレス11の上型112と下型113の間まで伸長する。
【0070】
図8−2の状態の後、第1プレス11は、リードフレーム132を下型113に取り付けるため、下型113をz軸の正方向に上昇させる。そして、第1プレス11は、アーム部133がリードフレーム132を下型113に取り付けた後、下型113を元の位置まで下降させる。その後、搬送体131は、アーム部133を元の位置に戻し、リードフレーム132の取り付けが終了する。
【0071】
図8−3は、第1プレス11におけるリードフレーム132の取り付け後の状態を示す図である。
図8−3に示すように、下型113にはリードフレーム132が取り付けられ、アーム部133は、元の位置に戻っている。この手順の後、液体樹脂装置10は、下型113に液体樹脂を注入する。
【0072】
図8−4は、第1プレス11における液体樹脂注入前の第1状態を示す図である。
図8−4に示すように、下型113は下降しており、搬送体131はリードフレーム132を第1プレスの下型113に取り付けた後、次のリードフレーム取り付けのために移動しており、樹脂供給装置10は下型113に液体樹脂を注入するために待機している。
【0073】
なお、
図8−1〜
図8−4に示す樹脂注入機構101の状態は、
図7−2に示す状態に相当する。
【0074】
その後、樹脂供給装置10は、下型113に液体樹脂を注入するため、樹脂注入機構101を上型112と下型113の間の高さまでz軸の正方向に上昇させる。また、搬送体131は、次のリードフレーム132をリードフレーム整列機構14に取りに行くため、x軸の負方向に移動している。
【0075】
図8−5は、第1プレス11における液体樹脂注入前の第2状態を示す図である。
図8−5に示すように、樹脂供給装置10は、樹脂注入機構101を上型112と下型113の間の高さまでz軸の正方向に上昇させた後、樹脂注入機構101を上型112と下型113の間までy軸の負方向に移動させる。
【0076】
なお、
図8−5に示す樹脂注入機構101の状態は、
図7−3に示す状態に相当する。
【0077】
図8−5の状態の後、樹脂供給装置10は、樹脂注入機構101を作動させ、ノズル102からポット119に液体樹脂を注入する。樹脂供給装置10は、ポット119に液体樹脂を所定量注入した後、樹脂注入機構101を停止させる。
【0078】
図8−6は、第1プレス11における液体樹脂注入後の状態を示す図である。
図8−6に示すように、樹脂供給装置10は、樹脂注入機構101を停止させた後、樹脂注入機構101が元の位置に戻るまで、樹脂注入機構101をy軸の正方向に移動させる。
【0079】
図8−7は、第1プレス11におけるプレス前の状態を示す図である。
図8−7に示すように、第1プレス11がプレス作業を行う前に、樹脂供給装置10は、樹脂注入機構101を下型113の高さよりも低い位置までz軸の負方向に下降させる。
【0080】
なお、
図8−6および
図8−7に示す樹脂注入機構101の状態は、
図7−4に示す状態に相当する。
【0081】
図8−8は、第1プレス11におけるプレス中の第1状態を示す図である。
図8−8に示すように、第1プレス11は、下型113を上昇させ、上型112と組み合わせてプレス型締めを行う。
【0082】
図8−9は、第1プレス11におけるプレス中の第2状態を示す図である。
図8−9に示すように、第1プレス11の型締め中の状態において、プランジャ120がz軸の正方向に上昇し、ポット119内に注入された液体樹脂をキャビティ内に移送する。
【0083】
第1プレス11がプレスを行っている間、樹脂注入機構101は、第2プレス12にて液体樹脂を注入するための位置(
図7−5に示す第2プレス12にて液体樹脂を注入するための位置)へ移動している。また、第1プレス11のプレスが終了し、モールド品が完成した際にモールド品を取出すため、取出体131は、第1プレス11の所定の位置まで移動している。
【0084】
ここで、取出機構15の具体的な構成について説明する。取出機構15は、取出体151、取出体レール154、および、取出体スライダ155を有し、樹脂供給装置10の上方に設けられる。なお取出体レール154は、搬送体レール134と共通のレールとしても構わない。
【0085】
取出体151は、モールド品152を把持可能するアーム部153を有する。取出体151は、アーム部153をy軸方向に沿って移動させ、第1プレス11の下型113または第2プレスの下型123からモールド品152を取出し、モールド品収納機構16へ収納する動作を行う。
【0086】
取出体レール154は、取出体151をx軸の正方向または負方向に移動させるように、x軸方向に沿って設けられるレールである。取出体スライダ155は、取出体に固定され、取出体レール154上を移動可能に設けられるスライダである。
【0087】
なお、
図8−9に示すように、樹脂注入機構101は、z軸の負方向に下型113の高さよりも低い位置まで下降しているので、取出体131が樹脂注入機構101と衝突せず、取出体131の移動を樹脂注入機構101の移動と並行して行うことができる。
【0088】
図8−10は、第1プレス11におけるプレス後のモールド品152の取出し前の状態を示す図である。
図8−10に示すように、第1プレス11は、プレスが終了して開状態となる。第1プレス11が開状態になった後、取出機構15は、モールド品152の取出し動作を行う。
【0089】
図8−11は、第1プレス11におけるモールド品152の取出し中の状態を示す図である。取出体151は、アーム部153を第1プレス11の上型112と下型113の間まで伸長する。
【0090】
図8−11の状態の後、第1プレス11は、アーム部153がモールド品152を下型153から取り出せるように、下型113をz軸の正方向に上昇させる。そして、第1プレス11は、アーム部153がモールド品152を下型113から取出した後、下型113を元の位置まで下降させる。その後、取出体151は、モールド品152を把持したアーム部153を元の位置に戻し、モールド品152の取り出しが終了する。
【0091】
なお、アーム部153の先端にブラシを設け、アーム部153を元の位置に戻す際に、上型112と下型113との間をy軸の正方向にブラシを移動させ、ブラシが上型112と下型113とのクリーニングを行うようにしてもよい。
【0092】
図8−12は、第1プレス11におけるモールド品152の取出し後の状態を示す図である。
図8−12に示すように、取出体151のアーム部153は、モールド品152を把持した状態で、元の位置に戻っている。この手順の後、取出機構15は、取出体151を移動させ、モールド品収納機構16にモールド品152を収納する。
【0093】
なお、本実施形態では、電子部品モールド装置1は、第1プレス11および第2プレス12の2つのプレスを有するものとして説明したが、プレスの数およびレイアウトはこれに限定されない。以下では、プレスの数およびプレスの位置を変更した別のレイアウトについて説明する。
【0094】
図9は、実施形態にかかる樹脂供給装置20を備える電子部品モールド装置2の別のレイアウトを示す概略平面図である。
図9に示す電子モールド装置2は、樹脂供給装置20、第1プレス11、第2プレス12、第3プレス21、および、第4プレス22を有する。
【0095】
具体的には、
図9に示す電子部品モールド装置2は、x軸の正方向に沿って、第3プレス21、第1プレス11、第2プレス12、第4プレス22がこの順に設けられている。ここで、第3プレス21および第4プレス22は、第1プレス11と同一の構成を有する。
【0096】
また、この電子部品モールド装置2には、x軸に沿って第1レール203が設けられ、第1レール203は、第3プレス21の位置から第4プレス22の位置まで延在している。
【0097】
図9に示す電子部品モールド装置2は、
図2に示す電子部品モールド装置1と同様に、x軸方向の中央位置において、第1プレス11と第2プレス12とは所定の間隔を空けて配置される。樹脂注入機構101は、x軸方向において、第1プレス11と第2プレス12との間の位置にて待機する。
【0098】
この電子部品モールド装置2でも、樹脂供給装置20がz軸の負方向に下降することにより、x軸に沿って移動する搬送機構13や取出機構15と衝突しないので、樹脂成形の各種動作を並行して行うことができる。例えば、搬送機構13がリードフレーム132を取り付ける動作と、取出機構15がモールド品152を取出す動作と、樹脂供給装置20が液体樹脂を注入する動作が、それぞれ、異なるプレスにおいて並行して実行される。この構成により、電子部品モールド装置2の生産性をより向上させることができる。
【0099】
なお、樹脂注入機構101の待機位置はx軸方向の中央位置に限定されない。この点について、次に説明する。
【0100】
図10は、実施形態にかかる樹脂供給装置20を備える電子部品モールド装置3の別のレイアウトを示す概略平面図である。
図10に示す電子部品モールド装置3は、樹脂供給装置20、第1プレス31、第2プレス32、第3プレス33、および、第4プレス34を有する。
【0101】
ここで、第1プレス31〜第4プレス34は、第1プレス11と同一の構成を有する。
【0102】
図10に示す電子部品モールド装置3では、4個のプレスがほぼ隙間なく配置されている。そして、樹脂注入機構101は、x軸方向において、プレスが配置されていない第4プレス34に隣接する領域において待機する。
【0103】
この電子部品モールド装置3でも、樹脂供給装置20がz軸の負方向に下降することにより、x軸に沿って移動する搬送機構13や取出機構15と衝突しないので、樹脂成形の各種動作を並行して行うことができる。この構成により、電子部品モールド装置3の生産性をより向上させることができる。
【0104】
さらに、樹脂注入機構101が待機する際に待機位置に近い位置にあるプレスの数が少ないため、プレス作業を行っている際に発生する熱が、樹脂注入機構101内の液体樹脂に及ぼす影響をより小さくできる。
【0105】
また、樹脂注入機構101が備える液体樹脂を封入したシリンジを、ノズルよりもよりz軸の負方向側に設けることとしてもよい。このように樹脂注入機構101を構成することによっても、プレス作業を行っている際に発生する熱が、樹脂注入機構101内の液体樹脂に及ぼす影響をより小さくできる。
【解決手段】左右方向に並んで配置される少なくとも2つのプレスと、少なくとも2つのプレスそれぞれに対応する一対の上金型と下金型と、電子部品を搬送する搬送体と、モールド品を取り出す取出体と、を備える電子部品モールド装置に用いられる樹脂供給装置であって、液状樹脂を供給する供給アーム101と、左右方向、上金型と下金型とが配置される上下方向、および、左右方向と上下方向とに垂直な垂前後方向に沿って供給アーム101を移動させる移動機構103、104、105、106、107、108と、を備え、移動機構は、液状樹脂の供給後、前後方向に沿って供給アーム101を退避させ、さらに、搬送体、または、取出体が左右方向に沿って移動する際、供給アーム101が搬送体、または、取出体に衝突しないように供給アーム101を退避位置より下方向に移動させる。