特許 5965067 検索によって強化されたつながりターゲティング

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】5965067

(24)【登録日】2016年7月8日

(45)【発行日】2016年8月3日

(54)【発明の名称】検索によって強化されたつながりターゲティング

(51)【国際特許分類】

   G06Q 30/02 20120101AFI20160721BHJP

   G06Q 50/00 20120101ALI20160721BHJP

   G06F 17/30 20060101ALI20160721BHJP

   G06F 13/00 20060101ALI20160721BHJP

【ＦＩ】

   G06Q30/02 398

   G06Q50/00 300

   G06F17/30 350C

   G06F17/30 110C

   G06F17/30 340A

   G06F13/00 540P

   G06F13/00 650B

【請求項の数】26

【全頁数】24

(21)【出願番号】特願2015-521655(P2015-521655)

(86)(22)【出願日】2013年7月1日

(65)【公表番号】特表2015-529885(P2015-529885A)

(43)【公表日】2015年10月8日

(86)【国際出願番号】US2013048933

(87)【国際公開番号】WO2014011435

(87)【国際公開日】20140116

【審査請求日】2016年5月11日

(31)【優先権主張番号】13/549,061

(32)【優先日】2012年7月13日

(33)【優先権主張国】US

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】508178054

【氏名又は名称】フェイスブック，インク．

(74)【代理人】

【識別番号】100105957

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 誠

(74)【代理人】

【識別番号】100068755

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 博宣

(74)【代理人】

【識別番号】100142907

【弁理士】

【氏名又は名称】本田 淳

(72)【発明者】

【氏名】ジョウ、ディン

【審査官】 田付 徳雄

(56)【参考文献】

【文献】 特表２０１４−５０２７４７（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特表２０１３−５４２５１８（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１０−２６７００１（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｇ０６Ｑ １０／００ − ９９／００

Ｇ０６Ｆ １３／００

Ｇ０６Ｆ １７／３０

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

広告に関するターゲティング基準を提案するための１以上のシードを広告主からソーシャルネットワーキングシステムのインタフェースを通じて受け取る工程と、
受け取られた前記シードに基づいて、前記ソーシャルネットワーキングシステムによって維持されるソーシャルグラフ内の１以上のシードオブジェクトを識別する工程であって、前記ソーシャルグラフは、データベースに記憶されており、オブジェクトに対応するノードと、つながっているオブジェクト間の前記ソーシャルネットワーキングシステム内に確立された関係を表すつながりとを含む、シードオブジェクト識別工程と、
前記データベースにクエリを行い、前記ソーシャルグラフ内の、前記シードオブジェクトと、識別された前記他のオブジェクトとの間のつながりに基づいて、複数の他のオブジェクトを識別する工程と、
前記ソーシャルネットワーキングシステムのプロセッサを使用して、前記１以上のシードオブジェクトと、前記ソーシャルグラフ内のノードに関連付けられた前記複数の他のオブジェクトのうちの各々との間における類似度を計算する工程であって、シードオブジェクトと前記他のオブジェクトとの間における類似度は、前記他のオブジェクトに関連付けられているノードおよび前記シードオブジェクトに関連付けられているノードの両方とにつながりを有している、前記ソーシャルグラフ内のノードと、前記他のオブジェクトに関連付けられているノードおよび前記シードオブジェクトに関連付けられているノードの両方とにつながりを有していないノードとの比較に少なくとも部分的に基づいて決定される、類似度計算工程と、
計算された前記類似度に基づいて、前記複数の他のオブジェクトから選択される１以上のオブジェクト候補を決定する工程と、
決定された前記オブジェクト候補を前記広告主に提示する工程と、
前記広告に関する前記ターゲティング基準において使用するための前記オブジェクト候補からの１以上のターゲットオブジェクトの選択を前記広告主から受け取る、選択受け取り工程と、
前記ソーシャルネットワーキングシステムの前記プロセッサを使用して、選択された前記ターゲットオブジェクトに基づいて前記広告に関する１以上のターゲティング基準を決定する工程であって、前記ソーシャルネットワーキングシステムのユーザは、前記広告を受け取る資格を有すると識別された選択された前記ターゲットオブジェクトの少なくとも１つとのつながりを有している、ターゲティング基準決定工程と、を含む方法。

【請求項2】

前記１以上のシードは、前記広告に関連付けられた１以上のキーワードを含む、請求項１に記載の方法。

【請求項3】

前記１以上のシードは、前記ソーシャルネットワーキングシステムによって維持され前記広告に関連付けられている１以上のオブジェクトを含む、請求項１に記載の方法。

【請求項4】

オブジェクトは、ページ、グループ、イベント、投稿、コメント、およびコンテンツのうちの少なくとも１つを含む、請求項３に記載の方法。

【請求項5】

前記１以上のシードは、ユーザのリストを含む、請求項１に記載の方法。

【請求項6】

前記シードオブジェクト識別工程は、前記シードオブジェクトを前記広告主から受け取る工程を含む、請求項１に記載の方法。

【請求項7】

前記シードオブジェクトと前記オブジェクトとの間における前記類似度は、前記オブジェクトに関連付けられた前記ノードに関する、および前記シードオブジェクトに関連付けられた前記ノードに関するエッジの数に基づいて正規化される、請求項１に記載の方法。

【請求項8】

前記類似度計算工程は、

【数1】

によって計算され、ｘは、前記オブジェクトに関連付けられた前記ノードを示しており、ｙは、前記シードオブジェクトに関連付けられた前記ノードを示しており、Ｓ（ｘ，ｙ）は、前記オブジェクトに関連付けられた前記ノードと、前記シードオブジェクトに関連付けられた前記ノードとの間における類似度を示しており、Ｎ（ｘ）は、前記オブジェクトに関連付けられた前記ノードにつながっているノードの数を表しており、Ｎ（ｙ）は、前記シードオブジェクトに関連付けられた前記ノードにつながっているノードの数を表す、請求項１に記載の方法。

【請求項9】

前記選択受け取り工程は、
選択された前記１以上のターゲットオブジェクトを受け取ることに応答して、選択された前記ターゲットオブジェクトと、前記ソーシャルグラフ内のノードに関連付けられた１以上のオブジェクトとの間における類似度を計算する工程であって、選択されたターゲットオブジェクトと前記オブジェクトとの間における前記類似度は、選択された前記ターゲットオブジェクトに関連付けられたノード、および前記オブジェクトに関連付けられた前記ノードの両方に対するつながりを有する前記ソーシャルグラフ内のノード同士の比較に少なくとも部分的に基づく、工程と、
計算された前記類似度に基づいて、前記ソーシャルグラフ内のノードに関連付けられた前記オブジェクトからターゲットオブジェクトの第２のセットを選択する工程と、
選択された前記ターゲットオブジェクトの第２のセットを前記広告主に提供する工程と、を含む、請求項１に記載の方法。

【請求項10】

前記広告に関する前記ターゲティング基準において使用するための前記ターゲットオブジェクトの１以上の第２のセットの選択を受け取る工程と、
選択された前記ターゲットオブジェクトの第２のセットに基づいて前記広告に関するさらなる１以上のターゲティング基準を決定する工程と、をさらに含む、請求項９に記載の
方法。

【請求項11】

前記オブジェクト候補は、前記１以上のシードオブジェクトを含む、請求項１に記載の方法。

【請求項12】

前記ソーシャルネットワークによって維持されるユーザプロフィールにアクセスする工程と、
ユーザに関連付けられた前記ソーシャルグラフ内のノードがターゲットオブジェクトに対する少なくとも１つのつながりを有するか否かを前記ユーザプロフィールおよび前記ソーシャルグラフから決定する工程と、
前記ユーザに関連付けられた前記ソーシャルグラフ内の前記ノードがターゲットオブジェクトに対する少なくとも１つのつながりを有することに応答して、前記広告を前記ユーザに提供する工程と、をさらに含む、請求項１に記載の方法。

【請求項13】

前記ターゲティング基準は、ユーザに関連付けられた前記ソーシャルグラフ内のノードが少なくとも１つのターゲットオブジェクトのノードに対するつながりを有するか否かであり、前記つながりは、前記ユーザが前記少なくとも１つのターゲットオブジェクトと対話したことを示す、請求項１に記載の方法。

【請求項14】

前記少なくとも１つのターゲットオブジェクトとのユーザ対話は、ターゲットオブジェクトに「いいね！」と表明すること、ターゲットオブジェクトを見ること、ターゲットオブジェクトを聴くこと、ターゲットオブジェクトに関してコメントすること、およびターゲットオブジェクトを購入することのうちの少なくとも１つを含む、請求項１３に記載の方法。

【請求項15】

広告主システムからの広告に関連付けられた１以上のシードをソーシャルネットワーキングシステムにおいて受け取る工程と、
前記１以上のシードに関連付けられた１以上のシードオブジェクトを識別する工程であって、前記シードオブジェクトは、ソーシャルグラフ内の１以上のノードに対応しており、前記ソーシャルグラフは、データベースに記憶されており、オブジェクトに対応するノードと、つながっているオブジェクト間の前記ソーシャルネットワーキングシステム内に確立された関係を表す複数のつながりとを含む、シードオブジェクト識別工程と、
前記データベースにクエリを行い、前記ソーシャルグラフ内の、前記シードオブジェクトと、識別されたさらなるオブジェクトとの間のつながりに基づいて、複数の前記さらなるオブジェクトを識別する工程と、
前記ソーシャルネットワーキングシステムのプロセッサを使用して、前記１以上のシードオブジェクトと、前記ソーシャルグラフ内のノードに関連付けられた識別された前記さらなるオブジェクトの各々との間における類似度を計算する工程であって、シードオブジェクトと前記さらなるオブジェクトとの間における前記類似度は、前記さらなるオブジェクトに関連付けられているノードおよび前記シードオブジェクトに関連付けられているノードの両方とにつながりを有している、前記ソーシャルグラフ内のノードと、前記さらなるオブジェクトに関連付けられているノードおよび前記シードオブジェクトに関連付けられているノードの両方とにつながりを有していない、前記ソーシャルグラフ内のノードとの比較に少なくとも部分的に基づく、類似度計算工程と、
計算された前記類似度に基づいて前記複数のさらなるオブジェクトから１以上のオブジェクト候補を選択する工程と、
前記広告に関するターゲティング基準として使用するための前記オブジェクト候補からの１以上のターゲットオブジェクトの選択を前記広告主システムから受け取る工程と、
選択されたターゲットオブジェクトを受け取ることに応答して、選択された前記ターゲットオブジェクトと、前記複数のさらなるオブジェクトのうちの各々との間における類似
度を計算する工程であって、選択された前記ターゲットオブジェクトと前記さらなるオブジェクトとの間における類似度は、前記ターゲットオブジェクトおよび前記さらなるオブジェクトを含むつながりに少なくとも部分的に基づく、工程と、
前記ソーシャルネットワーキングシステムのプロセッサを使用して、選択された前記ターゲットオブジェクトと前記複数のさらなるオブジェクトのうちの各々との間における計算された前記類似度に基づいて前記複数のさらなるオブジェクトから１以上のさらなるターゲットオブジェクトを選択する工程と、
前記１以上のさらなるターゲットオブジェクトを前記ソーシャルネットワーキングシステムから前記広告主システムに提供する工程と、
前記広告に関するターゲティング基準として選択された前記ターゲットオブジェクトを使用する旨の確認を前記広告主システムから受け取る工程であって、前記ソーシャルネットワーキングシステムのユーザは、前記広告を受け取る資格を有すると識別された選択された前記ターゲットオブジェクトの少なくとも１つとのつながりを有している、確認受取工程と、を含む方法。

【請求項16】

前記１以上のシードは、前記広告に関連付けられた１以上のキーワードを含む、請求項１５に記載の方法。

【請求項17】

前記１以上のシードは、前記ソーシャルネットワーキングシステムによって維持され前記広告に関連付けられている１以上のオブジェクトを含む、請求項１５に記載の方法。

【請求項18】

オブジェクトは、ページ、グループ、イベント、投稿、およびコメントのうちの少なくとも１つを含む、請求項１７に記載の方法。

【請求項19】

前記１以上のシードは、ユーザのリストを含む、請求項１５に記載の方法。

【請求項20】

前記シードオブジェクト識別工程は、前記シードオブジェクトを前記広告主システムから受け取る工程を含む、請求項１５に記載の方法。

【請求項21】

前記シードオブジェクトと前記複数のさらなるオブジェクトのうちの各々との間における前記類似度は、前記さらなるオブジェクトに関連付けられた前記ノードに関する、および前記シードオブジェクトに関連付けられた前記ノードに関するつながりの数に基づいて正規化される、請求項１５に記載の方法。

【請求項22】

前記類似度計算工程は、

【数2】

によって計算され、ｘは、前記オブジェクトに関連付けられた前記ノードを示しており、ｙは、前記シードオブジェクトに関連付けられた前記ノードを示しており、Ｓ（ｘ，ｙ）は、前記オブジェクトに関連付けられた前記ノードと、前記シードオブジェクトに関連付けられた前記ノードとの間における前記類似度であり、Ｎ（ｘ）は、前記オブジェクトに関連付けられた前記ノードにつながっているノードの数を表しており、Ｎ（ｙ）は、前記シードオブジェクトに関連付けられた前記ノードにつながっているノードの数を表す、請求項１５に記載の方法。

【請求項23】

前記ソーシャルネットワークによって維持されるユーザプロフィールにアクセスする工程と、
ユーザに関連付けられた前記ソーシャルグラフ内のノードがターゲットオブジェクトに対する少なくとも１つのつながりを有するか否かを前記ユーザプロフィールおよび前記ソーシャルグラフから決定する工程と、
前記ユーザに関連付けられた前記ソーシャルグラフ内の前記ノードがターゲットオブジェクトに対する少なくとも１つのつながりを有することに応答して、前記広告を前記ユーザに提供する工程と、をさらに含む、請求項１５に記載の方法。

【請求項24】

前記ソーシャルネットワーキングシステムのユーザに提供するための前記広告を、前記ユーザが少なくとも１つの前記ターゲットオブジェクトと対話したか否かに基づいて選択する工程をさらに含む、請求項１５に記載の方法。

【請求項25】

前記１以上のオブジェクト候補を濾波することによって１以上のターゲットオブジェクトを生成する、濾波工程をさらに含む、請求項１５に記載の方法。

【請求項26】

前記濾波工程は、
前記１以上のオブジェクト候補から関連オブジェクトの１以上のクラスタを識別する工程と、
関連オブジェクトの前記１以上のクラスタから、１以上のシードオブジェクトに基づいて１以上のターゲットオブジェクトを選択する工程と、を含む、請求項２５に記載の方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、一般にはソーシャルネットワーキングに関し、詳細には、ターゲティング基準を定義するためにソーシャルグラフ内のオブジェクトを探す検索を使用して広告に関するターゲティング基準を作成することに関する。

【背景技術】

【0002】

広告主は、ターゲット広告をソーシャルネットワーキングシステムのユーザへ配信するためにソーシャルネットワーキングシステムを利用する。多くの場合、広告がターゲットグループのユーザに届く度合いは、そのターゲットグループを識別するために使用されるターゲティング基準に依存する。たとえば、オレゴン州ポートランドからの新人ジャズボーカリストに関する新たにリリースされるシングルの販売促進を行う広告を提供するために、広告主は、２６歳〜３０歳の男女、ジャズに関心がある、新人ジャズボーカリストに関心がある、太平洋岸北西部の任意の居住地、といったターゲティング基準を指定する。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0003】

これらのターゲティング基準を適用して、ソーシャルネットワーキングシステムは、ユーザのセットを識別し、広告を提供する。しかしながら、このようにしてターゲティング基準を指定して適用することは、ユーザの特徴を指定しているに過ぎず、広告の到達範囲を制限してしまう。広告をターゲティングするためにソーシャルネットワーキングシステムによって記録されているその他の情報を活用しなければ、ソーシャルネットワーキングシステムは、広告の到達範囲をユーザのさらに大きなグループへ拡張するための広告主の能力を制限してしまう。

【課題を解決するための手段】

【0004】

広告主が広告の到達範囲を拡張することを可能にする目的で、ソーシャルネットワーキングシステムは、広告主が、広告に関するターゲティング基準を得るためにソーシャルネットワーキングシステムの検索のシード（種）を蒔くことを可能にする。ターゲティング基準は、広告主が広告を提供しようとするユーザを識別するソーシャルネットワーキングシステム内の１または複数の特徴を指定する。一実施形態において、シードは、広告主が所望するターゲティンググループに関連付けられた１または複数のキーワードを含む。ソーシャルネットワーキングシステムは、シードに関連付けられたシードオブジェクトのセットを識別するために、それ自体が維持するソーシャルグラフにクエリを行う。ソーシャルグラフは、ソーシャルネットワーキングシステム内のユーザまたはその他のオブジェクトを表すノードを含み、ソーシャルネットワーキングシステム内のオブジェクト同士の間における対話および／または関係を表すためにノード同士をつなぐエッジを伴う。したがって、シードオブジェクトは、シードに関連付けられたページ、シードに関連付けられたイベント、シードに関連付けられたグループ、シードに関連付けられたユーザによるステータス更新、または、シードに関連付けられたソーシャルネットワーキングシステム内のその他の任意のオブジェクトである。

【0005】

シードオブジェクトに基づいて、ソーシャルネットワーキングシステムは、シードオブジェクトに関連するさらなるオブジェクト候補を識別する。一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステムは、オブジェクトとシードオブジェクトとの間における類似度に基づいてオブジェクト候補を識別するためにソーシャルグラフを横断する。一実施形態において、シードオブジェクトとオブジェクトとの間における類似度は、シードオブジェクトに関連付けられたノード、およびオブジェクトに関連付けられたノードの両方に
つながっているソーシャルグラフ内のノードの数に基づいて決定される。

【0006】

ソーシャルネットワーキングシステムは、類似度に基づいてオブジェクト候補のセットを広告主に提示する。たとえば、シードオブジェクトに対する少なくともしきい値の類似度を有するオブジェクト候補が、広告主に提示される。ソーシャルネットワーキングシステムは、オブジェクト候補のセットから広告主によって選択された１または複数のターゲットオブジェクトを受け取り、それらの１または複数のターゲットオブジェクトに基づいて広告に関する１または複数のターゲティング基準を決定し、それによって、それらのターゲットオブジェクトのいずれかに対するエッジを伴うユーザが、広告を受け取る資格を有する。

【0007】

一実施形態において、広告の到達範囲をさらに拡張するために、ソーシャルネットワーキングシステムは、広告主からのターゲットオブジェクトの選択の受信に応答して、さらなるオブジェクト候補を探してソーシャルグラフを繰り返し検索する。ソーシャルネットワーキングシステムは、ターゲットオブジェクトとソーシャルグラフ内のオブジェクトとの間における類似度に基づいてさらなるオブジェクト候補を識別するためにソーシャルグラフを横断する。ソーシャルネットワーキングシステムは、さらなるオブジェクト候補のセットを広告主に提示し、それらのさらなるオブジェクト候補のうちの１または複数がさらなるターゲットオブジェクトとして選択されることを可能にする。

【0008】

一態様では、上述のこのプロセスは、ターゲットオブジェクトの選択が完了した旨を示す標識を広告主からソーシャルネットワーキングシステムが受け取るまで、ターゲットオブジェクトの広告主による選択に基づいてさらなるオブジェクト候補を生成することを繰り返す。選択完了を示す標識を受け取ったことに応答して、ソーシャルネットワーキングシステムは、広告主によって選択されたターゲットオブジェクトに基づいて広告に関するターゲティング基準を決定する。選択されたターゲットオブジェクトのうちの少なくとも１つに対するエッジを伴うユーザが、広告を受け取る資格を有する。

【図面の簡単な説明】

【0009】

【図1】一実施形態における、広告に関するターゲティング基準を提案するために検索のシードを蒔くことによって広告をソーシャルネットワーキングシステムのユーザにターゲティングするプロセスのハイレベルブロック図。

【図2】一実施形態における、広告に関するターゲティング基準を提案するために検索のシードを蒔くことによって広告をソーシャルネットワーキングシステムのユーザにターゲティングするためのシステムのネットワーク図。

【図3】一実施形態における、ソーシャルグラフの一例の図。

【図4】一実施形態における、広告に関するターゲティング基準を提案するために検索のシードを蒔くことによって広告をソーシャルネットワーキングシステムのユーザにターゲティングするプロセスのフローチャート。

【発明を実施するための形態】

【0010】

これらの図は、例示のみの目的でさまざまな実施形態を示す。本開示の原理から逸脱することなく、本明細書において示されている構造および方法の代替実施形態が採用されることを当業者であれば後述の論考から容易に認識されるであろう。

【0011】

概要
ソーシャルネットワーキングシステムは、それ自体のユーザに、ソーシャルネットワーキングシステムの他のユーザおよびオブジェクトとつながり、対話するための能力を提供する。そしてユーザは、これらのつながりおよび対話を通じて、自身がソーシャルネットワーキングシステムと共有することを選ぶ情報に基づいて、自身に関連する情報およびサ
ービスへのアクセスを得る。たとえば、ユーザによって共有されている情報およびコンテンツは、ソーシャルネットワーキングシステムが、特定の商品またはサービスに関心があるユーザを、それらの商品またはサービスを提供する小売業者とつなぐ上で役立つ。ユーザがさらにソーシャルネットワーク上でつながるようになるにつれて、ソーシャルネットワーキングシステムは、ユーザによって共有されている情報およびコンテンツに基づいて、ユーザとのその他のつながりを見つけて提示する。ソーシャルネットワーキングシステムに特有のこれらの洞察を使用して、ユーザは、これらの洞察を使用しなければ見つからなかったであろう、自身に関連する商品、サービス、イベント、原因、またはその他の関心に関する情報を受け取る。

【0012】

ソーシャルネットワーキングシステムのユーザは、個人、またはその他の任意のエンティティ、たとえば企業またはその他の人間以外のエンティティである。ソーシャルネットワーキングシステムのオブジェクトは、ソーシャルネットワーキングシステムユーザ、または人間以外のオブジェクトである。人間以外のオブジェクトの例として、コンテンツアイテム（たとえば、イメージ、ビデオ、写真、もしくは共有リンク）、グループ（たとえば、同様の関心を有するユーザ）、ソーシャルネットワーキングシステムページ、イベント、メッセージ（たとえば、ステータス更新、投稿、ニュースフィードアイテム、チャット、テキスト、もしくは電子メール）、コンセプト、またはその他の任意の適切なデータが含まれる。その他のソーシャルネットワーキングシステムのオブジェクトとして、たとえば、フォトアルバム、アプリケーション、ロケーションへのチェックイン、コメント、友達リスト、共有リンク、注文、質問、ユーザプロフィールなどが含まれる。

【0013】

ユーザは、ソーシャルネットワーキングシステムに参加し、自らがつながりたいと望む他のユーザにつながりを付加する。ユーザは、名前、年齢、性別、学歴、職歴、居住地、関係ステータス、および関心など、自らについて記述する情報を提供する。そしてソーシャルネットワーキングシステムは、この情報を、それぞれのユーザに関連付けられたユーザプロフィール内に記憶する。

【0014】

ソーシャルネットワーキングシステムにとって内部および外部のユーザ対話に関するその他の情報と組み合わされた、ユーザプロフィール内に記憶されている情報を使用して、ソーシャルネットワーキングシステムは、それ自体のユーザに関連する情報およびサービスを提供する。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステムは、ユーザによって示されている関心、ユーザがソーシャルネットワーキングシステムの別のオブジェクトと共有するつながり、またはより一般的には、ユーザとソーシャルネットワーキングシステムの別のオブジェクトとの間における類似度に基づいて、広告をユーザへターゲティングする。これによって、ソーシャルネットワーキングシステムは、ユーザにとって関心がある可能性がより高い広告をユーザに提供する。

【0015】

オブジェクト、およびオブジェクト同士の間における関係に関する情報（「ソーシャル情報」とも称す）をよりよく体系付けしてそうした情報にアクセスするために、ソーシャルネットワーキングシステムは、ソーシャルグラフを維持する。さまざまな実施形態において、ソーシャルグラフは、複数のノードを含み、ノード同士は、１または複数のエッジによってつながっている。ソーシャルネットワーキングシステム内のさまざまなオブジェクトは、ノードに関連付けられ、ノード同士をつないでいるエッジは、つながっているノード同士に対応するオブジェクト同士の間における関係または対話を識別する。したがって、ソーシャルグラフは、ソーシャルネットワーキングシステム内のオブジェクト同士の間における対話および／または関係を記述する。

【0016】

オペレーションにおいて、ソーシャルネットワーキングシステム内で第１のユーザが第２のユーザとつながっている場合には、それらのユーザは、それぞれノードによって表さ
れ、つながりは、それらのノードをつないでいる１または複数のエッジによって表される。次いで、ユーザによって取られるアクションは、ノード同士の間におけるさらなるエッジによって表される。たとえば、ノード同士の間における所定のエッジは、第１のユーザがメッセージを第２のユーザへ送信することを表し、別のエッジは、第１のユーザが、ソーシャルネットワーキングシステムによって記憶されている画像内の第２のユーザにタグ付けすることを表す。加えて、第１のユーザまたは第２のユーザに関連付けられたメッセージまたは画像は、第１のユーザまたは第２のユーザを表すノードに１または複数のエッジによってつながっている別のものによって表される。

【0017】

一実施形態において、ソーシャルグラフはまた、カスタムグラフオブジェクトタイプおよびグラフアクションタイプを含む。カスタムグラフオブジェクトタイプおよびグラフアクションタイプは、サードパーティ開発者またはソーシャルネットワーキングシステム管理者によって定義される。たとえば、音楽アルバムに関するカスタムグラフオブジェクトは、音楽アルバムに固有のいくつかの定義されたオブジェクトプロパティ、たとえば、タイトル、アーティスト、プロデューサ、年などを有する。そして、音楽アルバムオブジェクトとの対話を記述するグラフアクションタイプは、「購入する」または「聴く」を含む。これらのグラフアクションタイプは、ソーシャルネットワーキングシステムにとって外部のカスタムグラフオブジェクト上でソーシャルネットワーキングシステムのユーザによって実行されたアクションを報告するために、ソーシャルネットワーキングシステムにとって外部のウェブサイト上でサードパーティ開発者によって使用される。ソーシャルネットワーキングシステムにとって外部のアクションおよびオブジェクトを含むソーシャルグラフは、「オープン」ソーシャルグラフと呼ばれる。そのような「オープン」ソーシャルグラフによって、外部ウェブサイト上のカスタムグラフオブジェクトおよびアクションが作成されることおよび取り込まれることが可能となる。

【0018】

たとえば、オープンソーシャルグラフによって、ソーシャルネットワーキングシステムのユーザが、ソーシャルネットワーキングシステムにとって外部のウェブサイト上にホストされているウェブページに関心を示すことが可能となる。これらのウェブページは、ソーシャルネットワーキングシステム内のカスタムグラフオブジェクトとして、ソーシャルグラフ内の対応するノードを伴って表される。さまざまな実施形態において、ウィジェット、ソーシャルプラグイン、プログラマブルロジック、またはコードスニペットを外部ウェブページ内に埋め込むことによって、対応するカスタムグラフオブジェクトが作成される。たとえば、ウェブページに関するカスタムグラフオブジェクトを作成するために、そのウェブページ内にインラインフレーム（ｉＦｒａｍｅ）が埋め込まれる。サードパーティ開発者がカスタムオブジェクトタイプおよびカスタムアクションタイプを定義することを可能にすることは、２０１１年９月２１日に出願された米国特許出願第１３／２３９，３４０号「ソーシャルネットワーキングシステムにおける構造化されたオブジェクトおよびアクション（Ｓｔｒｕｃｔｕｒｅｄ Ｏｂｊｅｃｔｓ ａｎｄ Ａｃｔｉｏｎｓ ｏｎ
ａ Ｓｏｃｉａｌ Ｎｅｔｗｏｒｋｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）」においてさらに記述されており、この米国特許出願第１３／２３９，３４０号は、その全体が本願明細書に援用される。したがって、ウェブページにおいて具体化される任意の情報が、ソーシャルネットワーキングシステム上のソーシャルグラフ内のノードになる。

【0019】

加えて、ソーシャルネットワーキングシステムは、ユーザが、ソーシャルネットワーキングシステムにとって内部および外部の他のユーザおよびオブジェクトと対話するための機構を提供する。一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステムは、ソーシャルネットワーキングシステムのオブジェクトおよび情報に対するユーザのアクセスおよび対話を可能にするために、一連の相互につながっているページを含むウェブベースのインタフェースを使用する。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステムは、それぞれのソーシャルネットワーキングシステムユーザに関するページを表示する。そのページは
、ソーシャルネットワーキングシステムユーザによって入力された、またはソーシャルネットワーキングシステムユーザに関連したオブジェクトおよび情報（たとえば、ユーザの「プロフィール」）を含む。

【0020】

ソーシャルネットワーキングシステムのユーザインタフェースは、ウェブブラウザ、またはウェブブラウザ以外のアプリケーション、たとえば、専用のソーシャルネットワーキングシステム移動体デバイス、またはコンピュータ、アプリケーションからアクセスできる。したがって、本明細書において使用される際には、「ページ」は、ウェブページ、アプリケーションインタフェースもしくはディスプレイ、ウェブページもしくはアプリケーション上に表示されるウィジェット、ボックスもしくはその他のグラフィカルインタフェース、別のページ上のオーバーレイウィンドウ（ソーシャルネットワーキングシステムのコンテキストの範囲内であるか、もしくは範囲外であるかを問わず）、または、ソーシャルネットワーキングシステムプラグインもしくは統合機能を伴う、ソーシャルネットワーキングシステムにとって外部のウェブページである。

【0021】

ページは、画像またはビデオなどのコンテンツ、および他のユーザへの、他のユーザからの、または他のユーザによる通信またはソーシャルネットワーキングシステムアクティビティを含む。ページはまた、その他のソーシャルネットワーキングシステムページへのリンク、および一態様では、さらなる機能、たとえば、検索、リアルタイム通信、コンテンツアイテムアップローディング、購入、広告、およびその他の任意のウェブベースの技術または能力を含む。より一般的には、ページは、コンセプト、またはグループに関連付けられる。

【0022】

ソーシャルネットワーキングシステムは、広告に関するターゲティング基準を広告主が決定することを可能にするために、ウェブベースのインタフェース、または別の適切なインタフェースを使用する。たとえば、広告主は、１または複数のシードをソーシャルネットワーキングシステムに提供し、ソーシャルネットワーキングシステムは、１または複数のシードに関連付けられているオブジェクト候補を識別するためにソーシャルグラフにアクセスする。オブジェクト候補は、インタフェースによって広告主に提示され、それによって広告主は、ターゲティング基準を定義するために使用されたターゲットオブジェクトを選択するためにそれらのオブジェクト候補を使用する。一実施形態において、そのインタフェースは、広告主がターゲットオブジェクトを選択したことに応答してさらなるオブジェクト候補を提示するように修正される。一実施形態において、ターゲティング基準は、ターゲットオブジェクトの選択が完了した旨を示す標識を広告主からソーシャルネットワーキングシステムが受け取ったことに応答して指定される。

【0023】

ソーシャルグラフの構造に起因して、ソーシャルネットワーキングシステムは、ソーシャルネットワーキングシステム内のオブジェクト同士の間における関係を、ソーシャルネットワーキングシステム内のそれらのオブジェクトの対応するノードに基づいて容易に分析する。一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステムは、広告主から受け取られたシードに対応するオブジェクトに関連したオブジェクトを識別するために、オブジェクトに対応するソーシャルネットワーキングシステム内のノード同士の間における類似度を決定する。類似度は、近接度、比較されるノード同士に関連付けられた近隣ノード同士の類似度、またはその他の任意の適切な方法を含む任意の数の方法によって決定される。図１〜図５とともにさらに記述するように、ソーシャルネットワーキングシステムは、一実施形態において、ソーシャルグラフを使用して類似のノードへのつながりを繰り返し検索および識別し、それによって広告主は、広告をターゲティングするためにソーシャルネットワーキングシステムからのさらなる情報を活用する。

【0024】

図１は、広告をソーシャルネットワーキングシステムのユーザにターゲティングするプ
ロセスの一実施形態のハイレベルブロック図を示す。図１の例において、このプロセスは、ソーシャルネットワーキングシステム１００と広告主１０２との間における対話を示す。ソーシャルネットワーキングシステム１００は、広告主１０２との間でデータをやり取りする。それらのデータは、１または複数の広告、および１または複数のシード１０６を含む。広告主１０２は、１または複数のシード１０６を広告１０４に関連付ける。たとえば、シード１０６は、広告１０４に関連付けられたキーワード、広告主の名前、競合業者の名前、製品名、または、広告主１０２が広告１０４に関連付けるその他の情報である。さらなる例として、シード１０６は、ソーシャルネットワーキングユーザのリストなどのユーザ情報を含む。広告１０４は一般に、広告１０４の受け手に製品またはサービスに関する所定のアクションを取らせるように意図されているデータを含む。アクションの例として、購入すること、さらなる情報について問い合わせること、製品もしくはサービスを認識するようになること、または受け手によるその他の適切な対話が含まれる。

【0025】

広告１０４を１または複数のソーシャルネットワーキングシステムユーザにターゲティングするために、広告主１０２は、１または複数のシード１０６をソーシャルネットワーキングシステム１００に提供し、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、１または複数のシード１０６に関連付けられたオブジェクトを識別する。一実施形態において、シード１０６は、ソーシャルネットワーキングシステム１００へ送信される広告１０４内に含まれる。あるいは、シード１０６は、広告１０４とは別にソーシャルネットワーキングシステム１００へ送信される。シード１０６は一般に、広告１０４に関連したソーシャルネットワーキングシステム１００内のオブジェクトを識別するためにソーシャルネットワーキングシステム１００によって使用される広告１０４に関連付けられた情報を含む。シード１０６は、広告主１０２によって所望される程度に特定なまたは一般的なものである。

【0026】

さまざまな実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、エンティティを表すさまざまなタイプのオブジェクトを含む。図１の例において、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、ユーザプロフィールオブジェクト１１０、コンテンツオブジェクト１１２、およびエッジオブジェクト１１４を含む。ユーザプロフィールオブジェクト１１０は、ソーシャルネットワーキングシステム１００のユーザについて記述する情報を含む。ユーザ情報は、経歴データ、人口統計学的データ、学歴、職歴、または、ユーザについて記述するその他のデータを含む。コンテンツオブジェクト１１２は、ソーシャルネットワーキングシステム１００上の任意のタイプのオブジェクト、たとえば、ステータス更新、メッセージ、写真、イメージ、オーディオデータ、ビデオデータ、ページもしくはその他のデータ、ページ投稿、共有リンク、アプリケーション、または小売業者もしくは現地におけるチェックインイベントを含む。すなわち、コンテンツオブジェクト１１２は、ソーシャルネットワーキングシステム１００上でユーザによって作用される任意のオブジェクトを含む。ユーザと、コンテンツオブジェクト１１２との間における対話は、エッジオブジェクト１１４を生成する。エッジオブジェクト１１４は、ユーザに関する識別情報、コンテンツオブジェクト１１２、および実行されたアクションのタイプを含む、オブジェクト同士の間における対話または関係に関する情報を記述する。たとえば、エッジオブジェクト１１４は、ユーザプロフィールオブジェクト１１０同士の間における関係、またはユーザプロフィールオブジェクト１１０とコンテンツオブジェクト１１２との間における関係を記述する。

【0027】

ソーシャルネットワーキングシステム１００はまた、ソーシャルグラフモジュール１０８を含み、ソーシャルグラフモジュール１０８は、取り出されたユーザプロフィールオブジェクト１１０、コンテンツオブジェクト１１２、およびエッジオブジェクト１１４を使用してソーシャルグラフを生成する。上述したように、および図３とともにさらに記述するように、ソーシャルグラフによって、ソーシャルネットワーキングシステム１００がオ
ブジェクト同士の間における関係または対話をさらに容易に識別することが可能となる。ソーシャルグラフにおいて、それぞれのオブジェクトはノードによって表され、それぞれのエッジオブジェクトは、対話するオブジェクト同士に対応するノード同士の間におけるつながりとして表される。

【0028】

シード１０６に関連付けられたオブジェクトは、本明細書において「シードオブジェクト」とも呼ばれ、それらのシードオブジェクトは、広告に関連したページ、イベント、投稿、コメント、コンテンツ、またはグループである。たとえば、「コーヒー」というシード１０６が受け取られた場合には、ソーシャルグラフモジュール１０８は、「コーヒー」というシード１０６に関連付けられたページ、「コーヒーが好き」もしくは「会ってコーヒーを飲みましょう」などのユーザからのコメント、新コーヒーブレンドの無料サンプルを提供する小売業者のロケーションにおけるイベント、または新ブレンドを試す予定を示すユーザニュースフィード内の投稿であるシードオブジェクトを識別する。ソーシャルグラフおよびシードオブジェクトを使用して、ソーシャルグラフモジュール１０８は、１または複数のオブジェクト候補を識別し、それらのオブジェクト候補は、シードオブジェクトを使用して識別されたソーシャルグラフからのさらなるオブジェクトである。それらのオブジェクト候補は、ソーシャルネットワーキングシステム１００から広告主１０２に提供され、それによって広告主１０２は、それらのオブジェクト候補からターゲットオブジェクトを選択する。

【0029】

広告主１０２は、ターゲットオブジェクト、ならびにそれらのターゲットオブジェクトに関連付けられた広告１０４、または広告識別子をソーシャルネットワーキングシステム１００の広告ターゲティングモジュール１２０へ送信する。それらのターゲットオブジェクトに基づいて、広告ターゲティングモジュール１２０は、広告１０４が提供されるソーシャルネットワーキングシステムユーザを識別するために使用される１または複数のターゲティング基準を生成する。一実施形態において、ターゲティング基準は、１または複数のターゲットオブジェクトとのユーザ対話を含む。ターゲットオブジェクトとの対話の例として、ターゲットオブジェクトに関する好みを示すこと（すなわち、ターゲットオブジェクトに「いいね！」と表明すること）、ターゲットオブジェクトを購入すること、ターゲットオブジェクトに関してコメントすること、ターゲットオブジェクトを聴くこと、ターゲットオブジェクトに参加することまたは参加する予定を計画すること、ターゲットオブジェクトに招待すること、ターゲットオブジェクトにチェックインすること、ターゲットオブジェクトを閲覧すること、ターゲットオブジェクトにタグ付けすること、ターゲットオブジェクトに関連付けられたオンラインゲームをプレイすること、またはターゲットオブジェクトとのその他の任意の適切な対話が含まれる。

【0030】

システムアーキテクチャ
図２は、一実施形態における、広告に関するターゲティング基準を提案するために検索のシードを蒔くことによって広告をソーシャルネットワーキングシステム１００のユーザにターゲティングするためのシステムアーキテクチャ２００のネットワーク図を示す。システムアーキテクチャ２００は、ネットワーク２０８を通じて通信するために結合されているソーシャルネットワーキングシステム１００、広告主１０２、ユーザデバイス２０４、および外部ウェブサイト２０６を含む。この例示的なシステムは、代替トポロジまたは構成により体系付けられること、ならびに、広告に関するターゲティング基準を提案するために検索のシードを蒔くことによって広告をソーシャルネットワーキングシステム１００のユーザにターゲティングするのに十分な別のおよび／またはさらなるモジュールを含む。

【0031】

広告主システム２０２は、広告主１０２に関連付けられており、ユーザ入力を受け取るための、ならびにネットワーク２０８を通じてデータを送信するための、および受け取る
ための１または複数のコンピューティングデバイスを含む。一実施形態において、広告主システム２０２は、たとえば、Ｍｉｃｒｏｓｏｆｔ ＷＩＮＤＯＷＳ（登録商標）に準拠したオペレーティングシステム（ＯＳ）、Ａｐｐｌｅ ＯＳ Ｘ（登録商標）、および／またはＬｉｎｕｘ（登録商標）ディストリビューションを実行する従来のコンピュータシステムである。一実施形態において、広告主システム２０２は、ネットワーク２０８およびウェブベースのインタフェースを通じてソーシャルネットワーキングシステム１００とインタフェース接続される。広告主１０２は、ソーシャルネットワーキングシステム１００のユーザにコンテンツを提供するために広告主システム２０２を使用する。たとえば、広告主１０２は、広告主１０２からのコンテンツを、広告主１０２に関心があるソーシャルネットワーキングシステムユーザに配信するために、広告主システム２０２を使用して、ソーシャルネットワークシステム１０２において１または複数のページを作成および管理する。一実施形態において、広告主１０２は、外部ウェブサイト２０６上にホストされてソーシャルネットワーキングシステム１００を通じてアクセス可能な複数のページを作成する。たとえば、広告主１０２に関連付けられたさまざまな小売業者のロケーションまたは店頭に関するページが作成される。たとえば、スターバックス（Ｓｔａｒｂｕｃｋｓ）は、世界中の１７，０００を超えるスターバックス小売店のそれぞれに関するページを作成および／または管理する。別の例において、コカコーラ社（Ｃｏｃａ−Ｃｏｌａ Ｃｏｍｐａｎｙ）などのブランドオーナは、製品（たとえば、コカ−コーラ（ＣＯＣＡ−ＣＯＬＡ）（登録商標）、ダイエットコーク（ＤＩＥＴ ＣＯＫＥ）（登録商標）など）、または製品のラインナップ（たとえば、ソフトドリンク、エネルギードリンク、およびスポーツドリンク）に関するページを作成する。

【0032】

加えて、広告主１０２は、その他のコンテンツに加えてソーシャルネットワーキングシステムユーザに提示するための広告をソーシャルネットワーキングシステム１００に提供する。一実施形態において、広告主１０２は、シードを通じて広告をソーシャルネットワーキングユーザのグループにターゲティングし、それらのシードは、以下にさらに記述するように、広告に関するターゲティング基準を決定するためにソーシャルネットワーキングシステム１００によって使用される。たとえば、広告システム２０２と、ソーシャルネットワーキングシステム１００との間におけるインタフェースは、広告主１０２が１または複数のシードを識別するための１もしくは複数のダイアログボックス、またはその他の入力機構を含む。広告システム２０２は、ソーシャルネットワーキングシステム１００からネットワーク２０８を通じてシードに基づいてオブジェクト候補を受け取り、それによって広告主１０２は、オブジェクト候補からターゲットオブジェクトを選択する。一実施形態において、広告システム２０２は、広告主１０２へのインタフェースを提供し、それによって広告主は、以下にさらに記述するように、シードを識別すること、ならびにオブジェクト候補からターゲットオブジェクトを識別することが可能になる。たとえば、そのインタフェースは、ソーシャルネットワーキングシステム１００によって識別されたシードオブジェクトおよびオブジェクト候補のリストを表示し、広告主１０２が１または複数のターゲットオブジェクトを選択することを可能にする。

【0033】

たとえば、そのインタフェースは、広告主１０２が、選択ボックスを使用すること、アイテムをリストからインタフェースの別の領域へとドラッグまたは移動させること、およびリスト内のアイテムをクリックすることでシードおよび／またはターゲットオブジェクトを選択することを可能にする。一実施形態において、そのインタフェースはまた、広告主１０２によって選択されたターゲットオブジェクトに基づいて、オブジェクト候補のリストを最新に更新する。ターゲットオブジェクトに対する変更を示すために、そのインタフェースは、そのインタフェースの別の領域内に新たなオブジェクトを含み、または別法として、新たなアイテムを、以前に表示されたアイテムからそれらの新たなアイテムを視覚的に区別するように表示する。以前に表示されたアイテムから新たなアイテムを視覚的に区別することの例として、視覚的なインジケータを新たなアイテムに付加すること、別
の色、フォントサイズ、フォントタイプ、またはその他の形式の特徴により新たなアイテムを表示することが含まれる。

【0034】

外部ウェブサイト２０６は、ユーザデバイス２０４を使用して作用するためのソーシャルネットワーキングユーザのためのグラフオブジェクトを含む。ユーザとグラフオブジェクトとの間における対話は、たとえば、ソーシャルプラグイン、ウィジェット、またはコードスニペットを使用して、ソーシャルネットワーキングシステム１００に通信される。ソーシャルネットワーキングシステム１００は、この対話を観察し、そしてグラフオブジェクトおよびユーザをソーシャルグラフ上のノードとして記憶する。ソーシャルネットワーキングシステム１００はまた、グラフオブジェクトとユーザとの間における対話を、ノード同士の間におけるエッジとしてソーシャルグラフ上に記憶する。たとえば、ユーザは、ユーザデバイス２０４を使用して、デジタル音楽サービスをホストする外部ウェブサイト２０６にアクセスすることによって、エスペランサ・スポルディング（Ｅｓｐｅｒａｎｚａ Ｓｐａｌｄｉｎｇ）による曲、「リトル・フライ（Ｌｉｔｔｌｅ Ｆｌｙ）」の「プレイ」アクションを実行する。ソーシャルネットワーキングシステム１００は、その曲をグラフオブジェクトとして、およびユーザとそのグラフオブジェクトとの間における対話を、ユーザに関連付けられたノードと、曲オブジェクトに関連付けられた別のノードとの間におけるエッジとしてキャプチャを行う。この例において、ソーシャルネットワーキングシステム１００はまた、ユーザと、オブジェクトを記述するサブオブジェクトとの間におけるエッジのキャプチャを行う。前述の曲の例において、曲オブジェクトのサブオブジェクトは、アーティスト−エスペランサ・スポルディング、およびアルバム−チェンバー・ミュージック・ソサエティ（Ｃｈａｍｂｅｒ Ｍｕｓｉｃ Ｓｏｃｉｅｔｙ）を含む。

【0035】

一実施形態において、ユーザデバイス２０４は、広告主システム２０２を参照して記述したのと同様のコンポーネントおよび機能を伴うコンピューティングデバイスを含む。別の実施形態において、ユーザデバイス２０４は、移動体コンピューティングデバイス、たとえば、移動体電話、スマートフォン、タブレットデバイス、または、ネットワーク２０８を通じてソーシャルネットワーキングシステム１００および／もしくは外部ウェブサイト２０６と対話するのに適したその他のデバイスである。一般に、ユーザデバイス２０４は、ソーシャルネットワーキングシステム１００から広告を受け取るために、またはソーシャルネットワーキングシステム１００と対話するために、１または複数のアプリケーションを実行する。一実施形態において、ユーザデバイス２０４は、ｉＯＳ（登録商標）およびＡＮＤＲＯＩＤ（登録商標）など、ユーザデバイス２０４のネイティブオペレーティングシステム上で動作するアプリケーションプログラミングインタフェース（ＡＰＩ）を通じてソーシャルネットワーキングシステム１００と対話する。

【0036】

ネットワーク２０８は、ソーシャルネットワーキングシステム１００、広告主システム２０２、ユーザデバイス２０４、および外部ウェブサイト２０６の間における通信を容易にするために標準的な通信技術および／またはプロトコルを使用する。たとえば、ネットワーク２０８は、イーサネット（登録商標）、８０２．１１標準のファミリ、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス（ＷｉＭＡＸ）、第３世代パートナシッププロジェクト（３ＧＰＰ）標準のファミリ、ＣＤＭＡ、デジタルサブスクライバライン（ＤＳＬ）等などの技術を使用する有線リンクおよび／または無線リンクを含む。同様に、ネットワーク２０８上でサポートされるネットワーキングプロトコルは、マルチプロトコルラベルスイッチング（ＭＰＬＳ）、トランスミッションコントロールプロトコル／インターネットプロトコル（ＴＣＰ／ＩＰ）、ユーザデータグラムプロトコル（ＵＤＰ）、ハイパーテキストトランスポートプロトコル（ＨＴＴＰ）、シンプルメールトランスファプロトコル（ＳＭＴＰ）、およびファイルトランスファプロトコル（ＦＴＰ）を含む。ネットワーク２０８を通じてやり取りされるデータは、ハイパーテキストマー
クアップ言語（ＨＴＭＬ）および拡張マークアップ言語（ＸＭＬ）を含む技術および／または形式を使用して表される。加えて、リンクのうちのすべてまたはいくつかは、セキュアソケットレイヤ（ＳＳＬ）、トランスポートレイヤセキュリティ（ＴＬＳ）、およびインターネットプロトコルセキュリティ（ＩＰｓｅｃ）などの従来の暗号化技術を使用して暗号化される。

【0037】

ソーシャルネットワーキングシステム１００は、ウェブサーバ２１０、アクションロガー２１２、ユーザプロフィールストア２１４、エッジストア２１６、コンテンツストア２１８、広告ストア２２０、ソーシャルグラフモジュール１０８、広告ターゲティングモジュール１２０、および広告サーバ２２２を含む。その他の実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、さまざまなアプリケーションに関するさらなる、より少ない、または別のモジュールを含む。ネットワークインタフェース、セキュリティ機能、ロードバランサ、フェイルオーバサーバ、管理およびネットワークオペレーションコンソール等などの従来のコンポーネントは、このシステムの詳細をわかりにくくすることのないように示されていない。

【0038】

ウェブサーバ２１０は、ネットワーク２０８を通じてソーシャルネットワーキングシステム１００を１または複数のユーザデバイス２０４、広告主システム２０２、および外部ウェブサイト２０６にリンクさせる。ウェブサーバ２１０は、ウェブページ、ならびにその他のウェブ関連コンテンツ、たとえばＪａｖａ（登録商標）、ＦＬＡＳＨ（登録商標）、ＸＭＬなどを提供する。ウェブサーバ２１０は、広告に関するターゲティング基準を提案する際に使用するためのシードを広告主１０２から受け取るための、および広告に関するターゲティング基準を選択および決定するためにシードおよびターゲットオブジェクトを広告主１０２に提供するための機能を提供する。ウェブサーバ２１０はまた、ソーシャルネットワーキングシステム１００とユーザデバイス２０４との間においてメッセージを検索および回送するための機能を提供する。たとえば、決定されたターゲティング基準に基づいて広告を提供するためにユーザデバイス２０４と通信する目的で、ウェブサーバ２１０は、インスタントメッセージ、キューに入れられたメッセージ（たとえば、電子メール）、テキストおよびＳＭＳ（ショートメッセージサービス）メッセージ、または、その他の任意の適切なメッセージング技術を使用して送信されるメッセージを使用して、ネットワーク２０８を通じて情報をやり取りする。

【0039】

アクションロガー２１２は、ソーシャルネットワーキングシステム１００上のおよび／またはソーシャルネットワーキングシステム１００外のユーザアクションに関するウェブサーバ２１０からの通信を受け取る。一実施形態において、アクションロガー２１２によって識別されたアクションは、アクションログ内に記憶され、それによって、識別されたアクションを含むソーシャルグラフの構造は単純になる。アクションの例として、ソーシャルネットワーキングシステム１００にとって内部のオブジェクトを伴うアクション、たとえば、一例として、ユーザへのつながりを付加すること、メッセージをユーザへ送信すること、イメージをアップロードすること、ユーザからのメッセージを読み取ること、別のユーザまたはソーシャルネットワーキングシステムのオブジェクトに関連付けられたコンテンツを閲覧することまたは聴くこと、別のユーザによって投稿されたイベントに参加することが含まれる。アクションロガー２１２は、ソーシャルネットワーキングシステム１００にとって外部のユーザアクション、たとえば、外部ウェブサイト２０６上のコンテンツに関する好みを示すそのウェブサイトとの対話、コンテンツストリーミングサービスプロバイダからのストリーミングメディアを閲覧すること、別のソーシャルネットワーキングシステムユーザの推奨に基づいてダウンロードするために曲を購入すること、またはその他の適切なアクションを記録することもできる。アクションロガー２１２は、ソーシャルネットワーキングシステムユーザが、自身がソーシャルネットワーキングシステム１００と共有することを選ぶ情報に基づいて、自身に関連するコンテンツを受け取ることを
支援するために、これらのユーザ対話に関するデータのキャプチャを行う。

【0040】

ソーシャルネットワーキングシステム１００は、ユーザに関するユーザアカウント情報およびその他の関連情報をユーザプロフィールストア２１４内に記憶する。ユーザプロフィールストア２１４内に記憶されているユーザプロフィール情報は、経歴情報、人口統計学的情報、およびその他のタイプの記述的情報を含めて、ソーシャルネットワーキングシステム１００のユーザについて記述する。ユーザプロフィール情報の例として、職業経験、学歴、性別、趣味または好み、ロケーションなどが含まれる。ユーザプロフィールは、ユーザによって提供されるその他の情報、たとえば、イメージまたはビデオを記憶することもできる。特定の実施形態において、ユーザのイメージは、イメージ内に表示されるソーシャルネットワーキングシステム１００を識別するデータでタグ付けされることが可能であり、それらのイメージは、識別されるユーザのユーザプロフィール情報によって識別される。ユーザプロフィールストア２０６は、ユーザによってオブジェクトに関して実行された、および／またはオブジェクトによってユーザに関して実行されたアクションログ内のアクションへの参照を含むこともできる。

【0041】

エッジストア２１６は、ソーシャルネットワーキングシステム１００上でのユーザとその他のオブジェクトとの間におけるつながりを記述する情報を記憶する。いくつかのエッジは、ユーザによって定義されることが可能であり、それによってユーザは、他のユーザとの自身の関係を指定する。たとえば、ユーザは、友達、同僚、パートナ等など、ユーザの実生活の関係が類似する他のユーザとのエッジを生成する。その他のエッジは、ユーザが、ソーシャルネットワーキングシステム１００上のページに関心を示すこと、ソーシャルネットワーキングシステム１００の他のユーザとリンクを共有すること、およびソーシャルネットワーキングシステム１００の他のユーザによって行われた投稿に関してコメントすることなど、ソーシャルネットワーキングシステム１００内のオブジェクトと対話する場合に、生成される。エッジストア２１６は、オブジェクト、関心、および他のユーザに対する親近感スコアなど、エッジに関する情報を含むエッジオブジェクトを記憶する。ソーシャルネットワーキングシステム１００は、ユーザによって実行されたアクションに基づいてオブジェクトに対するユーザの親近感を概算するために親近感スコアを経時的に計算する。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、ソーシャルネットワーキングシステム１００の他のユーザに対するユーザの関心を表すために親近感スコアを計算する。一実施形態において、ユーザと特定のオブジェクトとの間における複数の対話が、エッジストア２１４内の１つのエッジオブジェクト内に記憶される。たとえば、ティト・プエンテ（Ｔｉｔｏ Ｐｕｅｎｔｅ）のアルバム、「エル・レイ・ブラボ（Ｅｌ Ｒｅｙ Ｂｒａｖｏ）」からの複数の曲をプレイするユーザは、それらの曲に関する複数のエッジオブジェクトを有する可能性があるが、ティト・プエンテに関する１つのエッジオブジェクトしか有しない可能性がある。

【0042】

ソーシャルグラフモジュール１０８は、前述したように、ソーシャルネットワーキングシステム１００上に記憶されているソーシャル情報（たとえば、ユーザプロフィール、コンテンツ、エッジオブジェクト）をソーシャルグラフへと体系付けする。上述したように、ソーシャルグラフは、１または複数のエッジによってつながっている複数のノードを含む。それらのノードは、ソーシャルネットワーキングシステム内のさまざまなオブジェクトを表し、ノード同士をつないでいるエッジは、つながっているノード同士に対応するオブジェクト同士の間における関係または関連付けを識別する。したがって、ソーシャルグラフは、ソーシャルネットワーキングシステム内のオブジェクト同士の間における対話および／または関係を記述する。

【0043】

加えて、ソーシャルグラフモジュール１０８によって、広告主が、広告をソーシャルネットワーキングシステムユーザに、またはソーシャルネットワーキングシステムユーザの
グループにターゲティングするためにソーシャルグラフを利用することが可能となる。一実施形態において、ソーシャルグラフモジュール１０８は、広告システム２０２から１または複数のシードを受け取る。上述したように、それらのシードは、広告システム２０２によって提供される広告に関連付けられており、広告に関するターゲティング基準を決定するために使用される。ソーシャルグラフモジュール１０８は、シードをソーシャルグラフ内のノードおよびエッジと比較して、それらのシードに関連付けられたソーシャルネットワーキングシステム１００内のオブジェクト（「シードオブジェクト」とも称す）を識別する。一実施形態において、シードは、１または複数のキーワードを含み、ソーシャルグラフモジュール１０８は、それらの１または複数のキーワードに関連付けられたオブジェクト（たとえば、キーワードを含むオブジェクト）をシードオブジェクトとして識別する。たとえば、「コーヒー」というキーワードであるシードを受け取る場合には、ソーシャルグラフモジュール１０８は、コーヒーについて言及する投稿、コーヒーについて言及するイベント、コーヒーブランドに関連付けられたソーシャルネットワーキングシステム１００内のページなど、「コーヒー」というキーワードに関連したオブジェクトを識別するためにセマンティック解析オペレーションまたは機械学習オペレーションを適用する。ソーシャルグラフモジュール１０８は、シードオブジェクトに関連付けられたユーザ情報を識別することもできる。たとえば、ソーシャルグラフモジュール１０８は、１または複数のユーザ名を、識別されたシードオブジェクトに関連付ける。代替として、または追加として、広告主システム２０２から受け取られたシードは、ソーシャルグラフモジュール１０８によって同様にシードオブジェクトに割り当てられる。たとえば、ソーシャルグラフモジュール１０８は、前述したように、無料のコーヒーに関する申し出を、コーヒーに関連したシードオブジェクトに割り当てる。

【0044】

シードオブジェクトを使用して、ソーシャルグラフモジュール１０８は、ターゲティング基準を提案および／または決定するために、シードオブジェクトに関連したさらなるオブジェクト（本明細書において、「オブジェクト候補」と称す）を探してソーシャルグラフを検索する。たとえば、シードオブジェクトからオブジェクト候補を検索するために、ソーシャルグラフモジュール１０８は、１または複数のシードオブジェクトと、ソーシャルグラフ内のその他のオブジェクトとの間における類似度を計算する。類似度は、いくつかの方法で決定される。たとえば、シードオブジェクトとオブジェクトとの間における類似度は、シードオブジェクトを表すノード、およびオブジェクトを表すノードの両方につながっている、ソーシャルネットワーキングシステム１００内のオブジェクトを表すソーシャルグラフ内のノードを決定することによって計算される。一実施形態において、シードオブジェクトを表すノード、およびオブジェクトを表すノードのうちの一方につながっているオブジェクトも、シードオブジェクトとオブジェクトとの間における類似度を決定するために使用される。別の例において、シードオブジェクトを表すノードにつながっている、およびオブジェクトを表すノードにつながっているノードの数を決定すること、ならびにノードのその決定された数を、以下の式に従って、シードオブジェクトを表すノードおよびオブジェクトを表すノードのうちのいずれかの近隣によって正規化することによって、シードオブジェクトを表すノードおよびオブジェクトを表すノードに関して類似度が計算される。

【0045】

【数1】

【0046】

式（１）
Ｓ（ｘ，ｙ）は、ノードｘとノードｙとの間における類似度である。一実施形態におい
て、ノードｘは、シードオブジェクトを表すノードであり、ノードｙは、オブジェクトを表すノードである。前述の式において、Ｎ（ｘ）は、ノードｘを指し示すノードの数を表しており、Ｎ（ｙ）は、ノードｙを指し示すノードの数を表す。

【0047】

一実施形態において、ソーシャルグラフモジュール１０８は、シードオブジェクトを識別するための計算の量を減らすために、類似度を計算する前にシードおよび／またはシードオブジェクトに基づいてソーシャルネットワーキングシステム１００のオブジェクトを濾波するための１または複数の技術を適用する。たとえば、ソーシャルグラフが、オブジェクト候補が識別される元となる増大している多数のオブジェクト候補を含む場合には、１または複数の濾波技術が適用される。たとえば、その多数のオブジェクトを濾波するために、ソーシャルモジュール１０８は、ユーザプロフィールストア２１４、コンテンツストア２１８、およびエッジストア２１６内に記憶されている情報を記述する１または複数のインデックスにアクセスすることによって、関連したオブジェクト同士の１または複数のクラスタを識別する。一実施形態において、これらのストア内の情報は、１または複数のデータ次元、たとえば、トピック別に（たとえば、「コーヒー」）、人口統計学的に、つながりのタイプなどに従ってインデックス付けされる。

【0048】

ソーシャルグラフモジュール１０８は、計算された類似度に基づいて１または複数のオブジェクト候補を選択し、それらのオブジェクト候補を広告システム２０２に通信する。たとえば、ソーシャルグラフモジュール１０８は、類似度のしきい値と等しいまたは類似度のしきい値を超えるシードオブジェクトに対する類似度を有するオブジェクトをオブジェクト候補として識別する。オブジェクト候補を広告システム２０２に通信することは、広告に関するターゲティング基準を決定する際に広告主を支援する。一実施形態において、ソーシャルグラフモジュール１０８は、１または複数の要因に基づいて、広告システム２０２に通信するためのオブジェクト候補のセットを選んで、広告システム２０２に通信されるオブジェクト候補の数を減らす。オブジェクト候補の数を減らすための例示的な要因として、ターゲットオブジェクト同士の間における類似度、オブジェクトタイプ、またはつながりのタイプが含まれる。

【0049】

ソーシャルグラフモジュール１０８は、オブジェクト候補から選択されるターゲットオブジェクトを広告システム２０２から受け取り、それらのターゲットオブジェクトを広告ターゲティングモジュール１２０に送信する。それらのターゲットオブジェクトは、広告ターゲティングモジュール１２０によって広告に関するターゲティング基準を指定するために使用される。別の実施形態において、ソーシャルグラフモジュール１０８は、オブジェクト候補を選択することを参照して上述したように、広告主１０２によって選択されたターゲットオブジェクトに基づいてオブジェクト候補の別のセットを選択する。したがって、ソーシャルグラフモジュール１０８は、どのオブジェクトを広告主１０２がターゲットオブジェクトとして選択するかに基づいて、広告主１０２に提示されるオブジェクト候補を繰り返し変更する。

【0050】

広告ターゲティングモジュール１２０は、ターゲットオブジェクトを使用して、広告に関する１または複数のターゲティング基準を決定する。一実施形態において、広告ターゲティングモジュール１２０は、ユーザがターゲットオブジェクトに対して対話（たとえば、「いいね！」と表明すること、見ること、聴くこと、購入すること、推奨すること、コメントすることなど）を行ったか否かをターゲティング基準として指定する。別の例として、広告ターゲティングモジュール１２０は、ユーザがオブジェクトと対話した回数または頻度をターゲティング基準として選択する。別の実施形態において、広告ターゲティングモジュール１２０は、ターゲットオブジェクトに基づいて広告主１０２またはサードパーティ（たとえば、マーケティングアナリティクスサービス）から受け取られるターゲティング基準を適用する。

【0051】

広告サーバ２２２は、広告システム２０２から受け取られて、広告ストア２２０内に含まれる広告オブジェクトとして記憶されている広告をソーシャルネットワーキングシステム１００のユーザに提供する。広告サーバ２２２は、広告を、その広告に関連付けられていてターゲットオブジェクトから決定された１または複数のターゲティング基準を満たすユーザに提供する。たとえば、広告サーバ２２２は、１または複数のターゲットオブジェクトに対するエッジを有するソーシャルグラフ内のノードに関連付けられたユーザに関連付けられたユーザデバイス２０６に広告を提供する。一実施形態において、広告サーバ２２２によって提供される広告は、ソーシャルネットワーキングシステム１００のユーザによって投稿され広告主がスポンサとなっているコンテンツアイテムを含む。たとえば、ユーザは、そのユーザにつながっている他のユーザと共有される、カリフォルニア州サンフランシスコのコーヒーショップでのチェックインイベントを作成する。そのコーヒーショップの広告主は、チェックインしたユーザにつながっている他のユーザをターゲットとするそのチェックインイベントに基づく広告を作成することによって他のユーザに配信するためにそのチェックインイベントを選択する。

【0052】

ソーシャルグラフ
図３は、一実施形態による、例示的なソーシャルグラフを示す。図３において示されているソーシャルグラフ３００は、別のノードに作用すること、および／または別のノードによって作用されるさまざまなソーシャルネットワーキングシステムのオブジェクトを表すノード３０２、３０４、３０６、３０８、３１０、３１２、および３１４を含む。図３において、ノード３０２、３０４、および３０６は、ユーザオブジェクトを表す。ノード３０８は、外部ウェブサイトに関連付けられたページオブジェクトを表す。ノード３１０は、クッキングアプリケーションからのレシピオブジェクトを表す。ノード３１２は、ビデオストリーミングアプリケーションからのビデオオブジェクト（たとえば、映画）を表しており、ノード３１４は、音楽ストリーミングアプリケーションからの曲オブジェクトを表す。

【0053】

ソーシャルグラフ３００内のノード同士の間におけるエッジは、ノード同士の間における特定の種類のつながりを表す。たとえば、つながりタイプである知り合い３１６は、ノード３０２と３０４とを、およびノード３０２と３０６とをつないでいる。別の例において、つながりタイプである好み３１８は、ノード３０２をノード３０８とつないでいる。つながりは、ノードのうちの１つによって別のノードに対して実行されたアクションから生じる。たとえば、ノード３０２によって表されているユーザオブジェクトは、ノード３１０に対応するオブジェクトに関連付けられたレシピに関するアクション「用意」３２０を実行する。同様に、ノード３０２によって表されているユーザオブジェクトは、ノード３１４に対応するオブジェクトに関連付けられた曲に関する「聴く」３２６というアクションを、およびノード３１２に対応するオブジェクトに関連付けられた映画に関する「見る」３２２を実行する。その他のアクションとして、ソーシャルネットワーキングシステムのオブジェクトをユーザプロフィール内に記載すること、ソーシャルネットワーキングシステムグループもしくはファンページを定期購読（サブスクライブ）もしくは参加すること、メッセージを別のソーシャルネットワーキングシステムユーザに送信すること、ソーシャルネットワーキングシステムノードに関連付けられた購入を行うこと、コンテンツアイテムに関してコメントすること、またはイベントへの招待の返事を求めることを含む。したがって、ソーシャルグラフ３００によって、ソーシャルネットワーキングシステム１００が、ソーシャルネットワーキングシステム１００内のオブジェクト、ならびにそれらのオブジェクトの間における関係または関連付けを表すことを可能とする。

【0054】

ターゲティング基準の決定
図４は、広告をソーシャルネットワーキングシステムのユーザにターゲティングするた
めのプロセス４００の一実施形態のフローチャートを示す。ソーシャルネットワーキングシステム１００は、１または複数のシードに関連付けられた広告を４０２で受け取る。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、その広告を、コンテンツならびに１または複数のシードを含めて、広告オブジェクトとして受け取る。別の例において、広告および１または複数のシードは、広告と１または複数のシードとの間における関連付けを伴って、別々に受け取られる。

【0055】

ソーシャルネットワーキングシステム１００は、受け取られたシードに基づいて１または複数のシードオブジェクトを４０４で識別する。一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、１または複数のシードに関連付けられたオブジェクトを識別する。たとえば、シードは、１または複数のキーワードを含み、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、キーワードに関連付けられたオブジェクトをシードオブジェクトとして４０４で識別する。一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、セマンティック解析オペレーションまたは機械学習オペレーションを実行することによって、キーワードをシードオブジェクトに割り当てる。

【0056】

シードオブジェクトに基づいて、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、ソーシャルグラフを使用してオブジェクト候補を識別する。一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、シードオブジェクトとその他のオブジェクトとの間における類似度に基づいてオブジェクト候補を識別する。ソーシャルネットワーキングシステム１００は、１または複数のシードオブジェクトと、ソーシャルグラフ内のノードに関連付けられたその他の複数のオブジェクトとの間における類似度を４０６で計算する。類似したノードは、一例として、類似した近隣（すなわち、共通のリンク）を伴うノード、およびソーシャルグラフ上の指定された近接度内の（たとえば、３つの分離度の共同リンク距離内の）ノードを含む。類似度は、いくつかの方法で決定される。たとえば、シードオブジェクトとオブジェクトとの間における類似度は、シードオブジェクトを表すノード、およびオブジェクトを表すノードの両方につながっている、ソーシャルネットワーキングシステム１００内のオブジェクトを表すソーシャルグラフ内のノードを決定することによって計算される。類似度計算のさらなる例は、図２とともに上述されている。

【0057】

一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、シードノードに関連付けられたオブジェクトが比較されるノードの量を減らすための１または複数の基準を使用して、ソーシャルグラフ内のノードを濾波する。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、オブジェクト候補の選択を単純にするために、類似したオブジェクト同士をグループ化またはクラスタ化すること、およびグループまたはクラスタ内のオブジェクトに割り振られたランキングまたは重み付けに基づいてこれらのグループまたはクラスタから１または複数のオブジェクトを選択することによって、それらの複数のオブジェクトを濾波する。一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、ソーシャルネットワーキングシステム１００内に記憶されている情報を記述する１または複数のインデックスにアクセスすることによって、関連したオブジェクト同士の１または複数のクラスタを識別する。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、ユーザプロフィールストア２１４、エッジストア２１６、およびコンテンツストア２１８内に記憶されている情報を使用して、コーヒーに関連したオブジェクト同士をページ、投稿、およびアクション（たとえば、スターバックスにおけるチェックイン）へとクラスタ化する。

【0058】

次いでソーシャルネットワーキングシステム１００は、計算された類似度に基づいて広告主１０２への表示用の１または複数のオブジェクト候補を４０８で決定する。一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、最も高い計算された類似度を伴う表示用のターゲットオブジェクトのセットを４０８で決定する。別の実施形態にお
いて、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、所定の範囲のオブジェクトタイプに関して最も高い計算された類似度を伴う表示用のターゲットオブジェクトのセットを４０８で決定する。あるいは、ソーシャルネットワーキングシステムは、類似度のしきい値と等しいまたは類似度のしきい値を超えるシードオブジェクトに対する類似度を有するオブジェクトをオブジェクト候補として４０８で決定する。たとえば、新曲の販売促進を行う広告に関して、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、コンテンツオブジェクト（たとえば、その同じアーティストによる曲）、ユーザオブジェクト（たとえば、その曲、アルバム、またはアーティストに対する関心を示したユーザ）、アプリケーションオブジェクト（たとえば、聴くための曲を提供するストリーミング音楽サービス）、ならびにその曲に関連したページオブジェクト（たとえば、そのアーティストのウェブサイト上のファンページ、来たるコンサートにおいてそのアーティストをフィーチャするクラブに関するページ、および販売用としてそのアーティストのアルバムを提供するコーヒーショップに関するページ）のそれぞれから、最も高い計算された類似度を伴う５つのオブジェクトをオブジェクト候補として４０８で決定する。

【0059】

別の実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、広告主１０２から受け取られた好みに基づいてオブジェクト候補を４０８で決定する。たとえば、広告主１０２は、オブジェクト候補の数、タイプ、および計算された類似度のしきい値を指定する。別の実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、ランダムに、または広告主システム２０２のディスプレイ制約に最も合うようにオブジェクト候補を４０８で決定する。次いで広告候補が、ソーシャルネットワーキングシステム１００から広告主１０２に４１０で提示される。

【0060】

広告候補から、広告主１０２は、１または複数のターゲットオブジェクトを選択する。一実施形態において、広告主１０２は、ターゲットオブジェクトを選択すること、および選択されたターゲットオブジェクトに基づいてソーシャルネットワーキングシステム１００からさらなるオブジェクト候補を受け取ることによって、オブジェクトを繰り返し選択する。ターゲットオブジェクトの選択およびさらなるオブジェクト候補の提示のそれぞれの繰り返しによって、広告主１０２は、１または複数の広告に関して使用されるターゲティング基準を精選する。これによって、広告主１０２は、ソーシャルネットワーキングシステム１００内のつながりによって関心を持たれる可能性がより高い広告を識別する。

【0061】

ソーシャルネットワーキングシステム１００は、ターゲットオブジェクトの選択が完了した旨を示す標識を広告主１０２から４１２で受け取り、それらのターゲットオブジェクトに基づいて広告に関する１または複数のターゲティング基準を４１４で決定する。たとえば、ターゲティング基準は、ユーザがオブジェクトに対して対話（たとえば、「いいね！」と表明すること、見ること、聴くこと、購入すること、推奨することなど）を行ったか否か、ユーザがオブジェクトと対話した回数、またはユーザとターゲットオブジェクトとの間におけるその他の任意の適切な対話を含む。

【0062】

１または複数のターゲットオブジェクトから決定されたターゲティング基準を使用して、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、そのターゲティング基準に関連付けられた広告が提供されるユーザをソーシャルグラフから識別する。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、ターゲットオブジェクトに対応するノードのうちの少なくとも１つに対するエッジを有するソーシャルグラフ上のノードに対応するユーザオブジェクトを、その広告が提供されるユーザとして識別する。一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム１００は、ターゲットオブジェクトに対するエッジの数に基づいて、ユーザがエッジを有するターゲットオブジェクトの数、または広告を提供されるユーザをさらに精選するためのその他の任意の適切な基準に基づいて、ユーザオブジェクトをランク付けする。たとえば、広告を提供されるユーザのターゲティングクラスタを
形成するために、ユーザオブジェクトとターゲットオブジェクトとの間におけるエッジが使用される。

【0063】

まとめ
実施形態についての前述の記述は、例示の目的で提示されており、すべてを網羅すること、または開示されている厳密な形態に実施形態を限定することを意図されているものではない。上述の開示に照らせば、多くの修正形態および変形形態が可能であることを、関連技術分野における当業者であれば理解するであろう。

【0064】

この記述のうちのいくつかの部分は、情報に関するオペレーションのアルゴリズムおよびシンボル表示という観点から実施形態を記述する。これらのアルゴリズム的な記述および表示は一般に、データ処理技術分野における当業者によって、それらの当業者の作業の実体を他の当業者に効果的に伝達するために使用されている。これらのオペレーションは、機能的に、計算処理的に、または論理的に記述されているが、コンピュータプログラムまたは均等な電気回路、マイクロコードなどによって実装されることがわかる。さらに、一般性を失うことなく、モジュールとしてオペレーションのこれらの構成に言及することが時として便利であることもわかっている。記述されているオペレーションおよびそれらの関連付けられているモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組合せで具体化される。

【0065】

本明細書において記述されているステップ、オペレーション、またはプロセスのうちのいずれも、１または複数のハードウェアモジュールまたはソフトウェアモジュールを用いて、単独で、またはその他のデバイスと組み合わせて実行または実施される。一実施形態において、ソフトウェアモジュールは、記述されているステップ、オペレーション、またはプロセスのうちの任意のものまたはすべてを実行するためにコンピュータプロセッサによって実行されるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータ可読メディアを含むコンピュータプログラム製品とともに実装される。

【0066】

実施形態は、本明細書におけるオペレーションを実行するための装置に関連することも可能である。この装置は、求められている目的のために特別に構築されることが可能であり、および／または、コンピュータ内に記憶されているコンピュータプログラムによって選択的に有効化または再構成される汎用コンピューティングデバイスを含む。そのようなコンピュータプログラムは、非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体、または電子命令を記憶するのに適した任意のタイプのメディア内に記憶されることが可能であり、それらのメディアは、コンピュータシステムバスに結合される。さらに、本明細書において言及されているいかなるコンピューティングシステムも、シングルプロセッサを含むことができ、またはコンピューティング能力を高めるためにマルチプロセッサ設計を採用するアーキテクチャである。

【0067】

実施形態は、本明細書において記述されているコンピューティングプロセスによって生産される製品に関連することも可能である。そのような製品は、コンピューティングプロセスから生じる情報を含むことができ、それらの情報は、非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶され、本明細書において記述されているコンピュータプログラム製品またはその他のデータの組合せの任意の実施形態を含む。

【0068】

最後に、本明細書において使用されている用語は、主として読みやすさおよび教示上の目的で選択されており、本発明の主題に関する線引きまたは画定を行うために選択されてはいない。したがって、本開示の範囲は、この詳細な記述によってではなく、本明細書に基づく出願上で生じるあらゆる請求項によって限定されることが意図されている。したがって、実施形態の開示は、本開示の範囲を例示するものであり、本開示の範囲を限定する
ものではないことが意図されており、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲において示されている。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】