特許第5965081号(P5965081)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5965081セルラー無線ネットワークに対するWiFiチャネルの測定結果の報告
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965081
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】セルラー無線ネットワークに対するWiFiチャネルの測定結果の報告
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20160721BHJP
   H04W 28/08 20090101ALI20160721BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20160721BHJP
   H04W 36/14 20090101ALI20160721BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20160721BHJP
【FI】
   H04W24/10
   H04W28/08
   H04W48/18 113
   H04W36/14
   H04W88/06
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-551233(P2015-551233)
(86)(22)【出願日】2013年12月18日
(65)【公表番号】特表2016-502376(P2016-502376A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】IB2013061112
(87)【国際公開番号】WO2014111772
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2015年7月7日
(31)【優先権主張番号】13/741,473
(32)【優先日】2013年1月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】リチャーズ、クリストファー
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/021009(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/115034(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/123346(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/126062(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0088983(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0042601(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
WiFiネットワークの1つ以上のチャネルの測定結果をセルラー無線ネットワークへ提供する方法であって、
前記セルラー無線ネットワークのノード(28)において、WiFi送受信機(38)及びセルラー無線送受信機(36)を有する少なくとも1つのユーザ機器(32)により提供されるべき少なくとも1つのWiFiチャネルの測定結果を求めるリクエストを準備すること(S100)と、前記少なくとも1つのWiFiチャネルは、前記少なくとも1つのユーザ機器(32)のうちの少なくとも1つにより報告されるWiFiチャネルのリストから選択されることと、
前記セルラー無線ネットワークの前記ノード(28)から、前記少なくとも1つのユーザ機器(32)へ前記リクエストを送信すること(S102)と、
前記セルラー無線ネットワークの前記ノード(28)において、前記少なくとも1つのユーザ機器(32)から、前記少なくとも1つのWiFiチャネルの少なくとも1つの測定結果を受信すること(S104)と、
を含む方法。
【請求項2】
前記測定結果は、受信信号強度標識(RSSI)である、
請求項1の方法。
【請求項3】
前記測定結果は、受信チャネル電力標識(RCPI)であり、前記方法は、前記RCPIをdBm及びmWのうち少なくとも1つの単位に変換することをさらに含む、
請求項1の方法。
【請求項4】
前記セルラー無線ネットワークの前記ノード(28)は、LTE(long term evolution)基地局である、
請求項1の方法。
【請求項5】
前記セルラー無線ネットワークの前記ノード(28)において、前記少なくとも1つの測定結果に基づいて電力節約機能を実行することをさらに含み、
前記電力節約機能は、ユーザ機器(32)のセルラー無線送受信機(36)にスリープモードに入るように命令する、
請求項1の方法。
【請求項6】
前記セルラー無線ネットワークの前記ノード(28)において、前記少なくとも1つの測定結果に基づいてWiFiネットワークマッピング機能を実行すること(S106)をさらに含み、
前記ネットワークマッピング機能は、少なくとも1つのユーザ機器(32)によりアクセス可能なWiFiチャネルのリストを生成することを含む、
請求項1の方法。
【請求項7】
前記セルラー無線ネットワークの前記ノード(28)において、少なくとも1つの前記測定結果に基づいてユーザ機器(32)ハンドオフ機能を実行すること(S106)をさらに含む、
請求項1の方法。
【請求項8】
前記ユーザ機器(32)ハンドオフ機能は、ユーザ機器(32)に対するセルラー無線ネットワークチャネルの割り当てを中止することを含む、
請求項7の方法。
【請求項9】
前記セルラー無線ネットワークの前記ノード(28)において、WiFiチャネル品質がセルラー無線チャネル品質よりも良好である場合を判定するために、前記少なくとも1つの測定結果を少なくとも1つの閾値と比較することをさらに含む、
請求項1の方法。
【請求項10】
セルラー無線ネットワークプロトコルに適合する信号を処理するように構成されるセルラー無線ネットワークノード(28)であって、
少なくとも1つのユーザ機器の識別情報(50)、及び前記少なくとも1つのユーザ機器(32)のうちの少なくとも1つから受信される、WiFiチャネルの少なくとも1つの測定結果(52)を記憶するように構成されるメモリ(46)と、
前記少なくとも1つの識別されるユーザ機器(32)へ少なくとも1つのWiFiチャネルの測定結果を求めるリクエストを送信し(S102)、
前記少なくとも1つの識別されるユーザ機器(32)から、少なくとも1つのWiFiチャネルの測定結果を受信する(S104)、
ように構成される、セルラー無線送受信機(44)と、
測定結果を求める前記リクエストを生成し(S100)、
前記セルラー無線送受信機に、前記少なくとも1つの識別されるユーザ機器(32)へ少なくとも1つのWiFiチャネルの測定結果を求める前記リクエストを送信させ(S102)、
前記メモリに、前記少なくとも1つのユーザ機器(32)のうちの前記少なくとも1つから受信される前記WiFiチャネルの前記少なくとも1つの測定結果を記憶させる(S104)、
ように構成され、前記メモリ及び前記セルラー無線送受信機と通信関係にあるプロセッサ(48)と、
を含み、
前記少なくとも1つのWiFiチャネルは、前記少なくとも1つのユーザ機器(32)のうちの少なくとも1つにより報告されるWiFiチャネルのリストから選択される
セルラー無線ネットワークノード(28)。
【請求項11】
前記プロセッサ(48)は、前記少なくとも1つのWiFiチャネル測定結果に基づいて電力節約機能(56)を実行するようにさらに構成され、
前記電力節約機能(56)は、ユーザ機器(32)のセルラー無線送受信機(36)にスリープモードに入らせる命令を、前記セルラー無線送受信機(44)により送信させることを含む、
請求項10のセルラー無線ネットワークノード。
【請求項12】
前記プロセッサ(48)は、WiFiネットワークマッピング機能(58)を実行するようにさらに構成され、
前記ネットワークマッピング機能(58)は、少なくとも1つのユーザ機器(32)によりアクセス可能なWiFiチャネルのリストを生成することを含む、
請求項10のセルラー無線ネットワークノード。
【請求項13】
前記プロセッサ(48)は、ユーザ機器ハンドオフ機能(60)を実行するようにさらに構成される、
請求項10のセルラー無線ネットワークノード。
【請求項14】
測定結果を求める前記リクエストは、測定されるべき少なくとも1つのWiFiチャネルを指定する(S102)、
請求項10のセルラー無線ネットワークノード。
【請求項15】
前記プロセッサ(48)は、LTE(long term evolution)基地局の無線リソースコントローラ(34)に組み込まれる、
請求項10のセルラー無線ネットワークノード。
【請求項16】
ユーザ機器であって、
WiFiチャネルのリストをセルラー無線基地局へ送信し、
少なくとも1つのWiFiチャネルを測定するように前記ユーザ機器にリクエストするリクエストを、前記セルラー無線基地局から受信し(S108)、
前記少なくとも1つのWiFiチャネルの測定結果を有する報告を、前記セルラー無線基地局に送信する(S116)、
ように構成される、セルラー無線ユニット(36)と、
WiFiアクセスポイント(30)から信号を受信し(S112)、
少なくとも1つのWiFiチャネルの測定結果を決定するために、受信される前記信号を処理する(S114)、
ように構成される、WiFi送受信機(38)と、
前記セルラー無線ユニットと前記WiFi送受信機との間の通信を遂行するためのインタフェース(40)と、
を含み、
前記少なくとも1つのWiFiチャネルは、前記ユーザ機器(32)により報告されるWiFiチャネルの前記リストから選択される
ユーザ機器(32)。
【請求項17】
前記測定結果を有する前記報告は、前記WiFi送受信機(38)において生成される、
請求項16のユーザ機器。
【請求項18】
前記測定結果を有する前記報告は、前記セルラー無線ユニット(36)において生成される、
請求項16のユーザ機器。
【請求項19】
前記リクエストは、測定されるべきWiFiチャネルのリストを含む、
請求項16のユーザ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルラー無線ネットワークに対しWiFiチャネルの測定結果報告を提供するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
WiFiは、WLANとも呼ばれ、ライセンスされていない無線スペクトラムにおけるデータ通信のためのユビキタスなワイヤレス技術となった。IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)の標準IEEE802.11は、WiFiアクセスポイント(AP;access points)により使用されるプロトコルスタック及び関数を定義する。ライセンスされた無線スペクトラムの3GPP LTE(3rd generation partnership project, long term evolution)において、無線通信技術は急速に展開されている。LTEは、無線セルラー通信の第4世代である。LTEのプロトコルスタックは、現在3GPPにより定義されている。セルラーデータ使用量における急速な増加は、過密したライセンスされた無線スペクトラムからトラフィックをオフロードするための手段として、ワイヤレス事業者にWiFiの使用に転じることを促進している。
【0003】
WiFiとセルラー無線ネットワークとは、伝統的に、互いに別個に実装及び運用されてきた。例えば、図1は、既知のセルラー無線ネットワーク10、及び、既知のWiFiネットワーク20を示す。ネットワーク10及び20各々により提供されるカバレッジが同じエリア内で重なり得るとしても、ネットワーク10及び20の各々は、もう一方から独立である。セルラー無線ネットワークは、複数の基地局12を含み、基地局12は、セルと呼ばれる、定義済みの地理的エリア上で通信する無線機を含む。基地局12は、例えば、eUTRAN(evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)、即ちLTEネットワークの基地局、eNB(evolved Node B)であり得る。基地局12のエアインタフェースは、ダウンリンク上ではOFDMA(orthogonal frequency division multiple access)、アップリンク上ではSC−OFDMA(single carrier frequency division multiple access)であり得る。
【0004】
各基地局12は、S1プロトコルを使用してサービングゲートウェイ(S−GW;serving gateway)14と通信関係にあり得る。S−GW14は、基地局12とインターネット及び/又はバックホールネットワークとの間の通信インタフェースである。S−GW14は、そのようなものとしてユーザデータパケットをルーティング及び転送する一方で、eNB間のハンドオーバ期間中にユーザプレーンについてのモビリティアンカーとして、及びLTEと他の3GPP技術との間のモビリティについてのアンカーとしても動作する。
【0005】
基地局12は、モバイル管理エンティティ(MME;mobile management entity)16とも通信関係にある。MME16は、LTEアクセスネットワークについての制御ノードである。MME16は、アイドルモードのユーザ機器(UE;User Equipment)24について、再送信を含むトラッキング及びページング手続きを担当する。MME16は、ベアラ有効化/無効化プロセスに関与し、UEのLTEネットワークへの初期エントリ時及びLTE内ハンドオーバ時における、UE24についてのS−GW14の選択をも担当する。
【0006】
MME16は、ユーザの認証、UEに対する一時的な識別性の生成及び割り当て、サービスプロバイダのPLMN(Public Land Mobile Network)に滞在するUE24の承認を担当し、UEのローミング制限を行使する。MMEは、NAS(non-access stratum)シグナリングのための暗号化/完全性保護についてのネットワーク内の終端点であり、セキュリティキー管理を扱う。シグナリングの合法な傍受も、MME16によりサポートされている。さらに、MME16は、LTEと第2世代/第3世代(2G/3G)アクセスネットワークとの間のモビリティについての制御プレーン機能をも提供する。
【0007】
WiFiネットワーク20は、ワイヤレスアクセスポイント22を含む。各WiFiアクセスポイントは、コンピュータなどのユーザ機器24とインターネットとの間の通信インタフェースとして機能する。1つ以上の(相互に接続された)アクセスポイントのカバレッジは、ホットスポットと呼ばれ、2、3部屋の小さなエリアから何平方マイルもの大きなエリアまで拡張し得る。より大きなエリアでのカバレッジは、カバレッジの重複する一群のアクセスポイントを必要とする可能性がある。
【0008】
通信ネットワーク10のようなセルラー無線ネットワークとWiFiネットワーク20とは、2つの独立した無線エアインタフェース及びネットワークを利用し、各々が自己のOAM基盤を有する。2つのネットワークアーキテクチャは別個のものであるため、2つのネットワーク間で加入者データセッションの高速かつ信頼性のあるモビリティ(ハンドオフ)を実行する能力は大幅に制限される。例えば、LTEからWiFiへ、及びその逆の、データパケットのロスのないシームレスなローミングは、今日の別個のネットワークでは非常に複雑なタスクである。
【0009】
今日製造されているスマートフォンデバイスの圧倒的多数は、3GPPセルラー(3G及び4G)並びにWiFiのケイパビリティの双方を含む。これらユーザ機器24は、各技術について別個の無線機及びプロトコルスタックを有する(デュアルスタック又はデュアル無線機と称される)。双方のワイヤレス技術は、同時にかつ独立的に動作する。WiFiリンクの無線ステータスをセルラー無線ネットワークが知得するための方法は存在しない。そのため、セルラー無線ネットワークは、WiFiリンクの使用を基準としてアドミッション、モビリティ又は負荷分散の決定を行うことができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、WiFiネットワークチャネルの測定結果をセルラー無線ネットワークに提供する方法及び装置を有益に提供する。一態様によれば、本発明は、セルラー無線ネットワークのノードにおいて、少なくとも1つのWiFiチャネルの測定結果を求めるリクエストを準備すること、を含む方法を提供する。当該測定結果は、WiFi送受信機及びセルラー無線送受信機を有する少なくとも1つのユーザ機器により提供されるべきものである。上記方法は、セルラー無線ネットワークのノードから、少なくとも1つのユーザ機器へリクエストを送信すること、を含む。セルラー無線ネットワークのノードは、少なくとも1つのユーザ機器から、少なくとも1つのWiFiチャネルの少なくとも1つの測定結果を受信する。
【0011】
本態様によれば、いくつかの実施形態では、上記測定結果は、受信信号強度標識(RSSI)である。いくつかの実施形態では、上記測定結果は、受信チャネル電力標識(RCPI)であり、上記方法は、RCPIをdBm及びmWのうち少なくとも1つの単位に変換することをさらに含む。いくつかの実施形態では、セルラー無線ネットワークのノードは、LTE(long term evolution)基地局である。いくつかの実施形態では、上記方法は、セルラー無線ネットワークのノードにおいて、少なくとも1つの測定結果に基づいて電力節約機能を実行することをさらに含んでもよく、電力節約機能は、ユーザ機器のセルラー無線送受信機にスリープモードに入るように命令することを含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、セルラー無線ネットワークのノードにおいて、少なくとも1つの測定結果に基づいてWiFiネットワークマッピング機能を実行すること、を含む。ネットワークマッピング機能は、少なくとも1つのユーザ機器によりアクセス可能なWiFiチャネルのリストを生成すること、を含んでもよい。上記方法は、セルラー無線ネットワークのノードにおいて、少なくとも1つの測定結果に基づいてユーザ機器ハンドオフ機能を実行すること、をさらに含んでもよい。ユーザ機器ハンドオフ機能は、ユーザ機器へのセルラー無線ネットワークチャネルの割り当てを中止すること、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、セルラー無線ネットワークのノードにおいて、WiFiチャネル品質がセルラー無線チャネル品質よりも良好である場合を判定するために、少なくとも1つの測定結果を少なくとも1つの閾値と比較すること、を含む。
【0012】
別の態様によれば、本発明は、セルラー無線ネットワークプロトコルに適合する信号を処理するように構成されるセルラー無線ネットワークノードを提供する。当該セルラー無線ネットワークノードは、メモリと、セルラー無線送受信機と、プロセッサとを含む。上記メモリは、少なくとも1つのユーザ機器の識別情報を記憶するように構成される。上記メモリは、少なくとも1つのユーザ機器のうちの少なくとも1つから受信される、WiFiチャネルの少なくとも1つの測定結果を記憶するようにさらに構成される。セルラー無線受信機は、少なくとも1つの識別されるユーザ機器へ少なくとも1つのWiFiチャネルの測定結果を求めるリクエストを送信するように構成される。セルラー無線受信機は、少なくとも1つの識別されるユーザ機器から、少なくとも1つのWiFiチャネル測定結果を受信するようにさらに構成される。上記プロセッサは、上記メモリ及び上記セルラー無線送受信機と通信関係にあり、測定結果を求めるリクエストを生成するように構成される。上記プロセッサは、セルラー無線送受信機に、少なくとも1つの識別されるユーザ機器へ少なくとも1つのWiFiチャネルの測定結果を求めるリクエストを送信させる、ようにさらに構成される。上記プロセッサは、メモリに、少なくとも1つのユーザ機器のうちの少なくとも1つから受信されるWiFiチャネルの少なくとも1つの測定結果を記憶させる、ようにさらに構成される。
【0013】
本態様によれば、いくつかの実施形態では、プロセッサは、少なくとも1つのWiFiチャネル測定結果に基づいて電力節約機能を実行するようにさらに構成される。電力節約機能は、ユーザ機器のセルラー無線送受信機にスリープモードに入らせる命令を、セルラー無線送受信機により送信させることを含み得る。上記プロセッサは、WiFiネットワークマッピング機能を実行するようにさらに構成され得る。ネットワークマッピング機能は、少なくとも1つのユーザ機器によりアクセス可能なWiFiチャネルのリストを生成すること、を含み得る。いくつかの実施形態では、上記プロセッサは、ユーザ機器ハンドオフ機能を実行するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、測定結果を求めるリクエストは、測定されるべき少なくとも1つのWiFiチャネルを指定する。指定される少なくとも1つのWiFiチャネルは、ユーザ機器により報告されるWiFiチャネルのリストから選択される。いくつかの実施形態では、上記プロセッサは、LTE(long term evolution)基地局の無線リソースコントローラに組み込まれる。
【0014】
さらに別の態様によれば、本発明は、少なくとも1つのWiFiチャネルを測定するようにユーザ機器にリクエストするリクエストを、セルラー無線基地局から受信し、少なくとも1つのWiFiチャネルの測定結果を有する報告を、セルラー無線基地局に送信する、セルラー無線ユニットを有するユーザ機器を提供する。ユーザ機器は、WiFiアクセスポイントから信号を受信し、少なくとも1つのWiFiチャネルの測定結果を判定するために、受信された信号を処理するように構成される、WiFi送受信機をも含む。ユーザ機器は、セルラー無線ユニットとWiFi送受信機との間の通信を遂行するためのインタフェースをも含む。
【0015】
本態様によれば、1つの実施形態では、測定結果を有する報告は、WiFi送受信機において生成され、別の実施形態では、測定結果を有する報告は、セルラー無線ユニットにおいて生成される。いくつかの実施形態では、測定結果を有する報告は、ユーザ機器によって受信される少なくとも1つのWiFiチャネルのリストを含み、少なくとも1つのWiFiチャネルのうちの各々は、異なる測定結果に関連付けられる。いくつかの実施形態では、リクエストは、測定されるべきWiFiチャネルのリストを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明及びそれに付随する利益及び特徴についてのより完全な理解は、添付図面と併せて考える場合に以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解されるであろう。
【0017】
図1】既知のセルラー無線ネットワーク及び既知のWiFiネットワークのブロック図である。
図2】本発明の原理に従って構築されるセルラー無線ネットワークノード、WiFiアクセスポイント、及びユーザ機器を有する通信システムのブロック図である。
図3】本発明の原理に従って構築されるセルラー無線ネットワークノードのブロック図である。
図4】セルラー無線ネットワークノードによる、WiFiチャネル測定結果の取得のための例示的なプロセスのフローチャートである。
図5】セルラー無線ネットワークノードからのリクエストに応答して、ユーザ機器においてチャネル測定結果を取得し及び送信するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る例示的な実施形態について詳細に説明する前に、本実施形態は、主として、セルラー無線ネットワークへのWiFiチャネルの測定結果報告の提供に関する、装置コンポーネント及び処理ステップの組み合わせに属することに留意されたい。したがって、ここでの説明の利益を有する当業者には容易に明らかとなるであろう詳細な開示を不明瞭にしないために、システム及び方法のコンポーネントは、本発明の実施形態の理解に関係のある特定の詳細のみを示す図面において慣用記号により適切な場所に表されている。注目すべきは、ここでの説明はセルラー無線及びWiFiに言及するが、本発明は、そのようなものに限定されない。ライセンスされていない又はライセンスされた通信技術に基づく通信は、ここに記載されるセルラー無線及びWiFi技術のうち1つ又は双方について用いられ得ると考えられる。
【0019】
ここで用いられるものとして、“第1の”及び“第2の”、“上部の(top)”及び“下部の(bottom)”等といった関係を示す用語は、そのようなエンティティ又はエレメント間の何らかの物理的又は論理的な関係又は順序を必ずしも必要とすることなく、又は意味することなく、1つのエンティティ又はエレメントを別のエンティティ又はエレメントと区別するためだけに使用され得る。
【0020】
セルラー無線ネットワークのキャパシティをWiFiで補うことの動機づけの1つは、データトラフィックを自律的にオフロードすることであるから、エンドユーザのセッションを1つのネットワークから別のネットワークに移動する決定を行う必要があるネットワークノードは、現在のところ、オフロードされたトラフィックを受信するために他のネットワークノードの能力を判定する手段を有しなければならない。特に、LTEのトラフィックをWiFiネットワークにハンドオフするか否かを確認するために、LTEのeNBは、1つ以上のWiFiアクセスポイントとユーザ機器との間のリンクのチャネル品質に関する情報を有するべきである。
【0021】
ここで図面に戻って、図2には、本発明の原理に従って構築される、セルラー無線ネットワークノード28、WiFiアクセスポイント30、及びユーザ機器32を有する通信システム26のブロック図が示されている。セルラー無線ネットワークノードは、例えば、LTE(long term evolution)基地局といった、3GPPノードであり得る。セルラー無線ネットワークノード28は、ユーザ機器32とセルラー無線ネットワークとの間でシグナリングする制御プレーンを扱う無線リソースコントローラ34を含む。無線リソースコントローラ34の機能は、UE32と、ネットワーク内の別のユーザ機器又は固定電話からの別の発信元といった別のエンティティとの間の接続を確立すること及び解放することを含み得る。無線リソースコントローラ34の機能は、システム情報のブロードキャスト、アドミッション及びハンドオフといったモビリティ機能、ページング通知、UE認証、OAM機能及び電力制御をも含んでもよい。
【0022】
特に、無線リソースコントローラ34は、少なくとも1つのWiFiチャネルの測定結果を求めるリクエストを準備し、少なくとも1つのユーザ機器32へ当該リクエストを送信し、少なくとも1つのユーザ機器32から少なくとも1つのWiFiチャネルの少なくとも1つの測定結果を受信するように機能し得る。さらに、セルラー無線リソースコントローラ34は、WiFiネットワークをマッピングする機能を実行してもよい。そのようなマッピングは、セルラー無線ネットワークノードと関連付けられているセル内外のWiFiアクセスポイントの識別情報、及び識別されるWiFiアクセスポイント各々に関連付けられるチャネルを判定することを含んでもよい。
【0023】
UE(user equipment)32は、セルラー無線ネットワークノード28とワイヤレスで通信するためのセルラー無線送受信機36、WiFiアクセスポイント30と通信するためのWiFi送受信機38、及びセルラー無線送受信機36とWiFi送受信機38との間の通信を遂行するためのインタフェース40を含む。WiFi送受信機38は、WiFiチャネル測定結果を生成するためのWiFiチャネル測定ユニット42を含む。
【0024】
動作において、セルラー無線ネットワークノード28のセルラー無線リソースコントローラ34は、少なくとも1つのWiFiチャネルの測定結果を求めるリクエストを準備する。リクエストの準備は、定期的に、若しくはWiFiネットワークへトラフィックがオフロードされるべきであるという判定に応じて、若しくはセルラー無線ネットワークへのユーザ機器のアドミッションの際、又はセルラー無線ネットワークからWiFiネットワークへのユーザ機器32のハンドオフを遂行する際に実行されてもよい。当該リクエストは、WiFiチャネル、即ち、チャネル測定結果が取得されるべき対象の周波数のリストを含み得る。例えば、チャネルのリストは、UEによって報告されるWiFiチャネルのリストから選択されてもよい。あるいは、又は加えて、当該リクエストは、測定されるべきWiFiリンクを有する1つ以上のUE32のリストを含んでもよい。あるいは、又は加えて、当該リクエストは、1つ以上のUEへの、測定されるべきダウンリンクチャネルを有する1つ以上のWiFiアクセスポイントのリストを指定してもよい。当該リクエストは、WiFiネットワークへの1つ以上のチャネルについてのチャネル測定を実行させるための、1つ以上のUE32に対する命令をさらに含んでもよい。
【0025】
セルラー無線リソースコントローラ34により準備されるリクエストは、セルラー無線ネットワークノード28により1つ以上のUE32に送信される。セルラー無線送受信機36は、当該リクエストを受信し、当該リクエストを復調及び復号する。WiFi送受信機38は、まだアクティブ化されていない場合、直ちにアクティブ化される。リクエストは、インタフェース40を介してWiFi送受信機38に送信される。WiFi送受信機38は、当該リクエストを受信及び処理する。例えば、WiFi送受信機38は、当該リクエストにより指定されるWiFiチャネルを識別し、指定されるチャネルについてあらかじめ判定されるチャネル品質指標を読み出してもよい。あるいは、WiFi送受信機38は、1つ以上のWiFiアクセスポイント30へのチャネルのアップリンク上の送信を開始し、指定されるチャネル上の1つ以上の応答ダウンリンク信号を1つ以上のWiFiアクセスポイント30から受信してもよい。WiFiチャネル測定ユニット42は、その後、受信した各々のダウンリンク信号に基づいてチャネル品質の測定を実行してもよい。チャネル測定は、複数のチャネルの各々について実行されてもよい。チャネル測定結果は、チャネル品質インジケータ(CQI;channel quality indicator)、受信信号強度標識(RSSI;received signal strength indication)、受信チャネル電力インジケータ(RCPI;received channel power indicator)又はその他のチャネル測定結果のうちの1つであってもよい。RCPIは、dBm又はmWに変換されてもよい。この変換は、セルラー無線ネットワークノードにおいて、又はユーザ機器において実行されてもよい。
【0026】
チャネル測定結果は、WiFi送受信機38からセルラー無線送受信機36にインタフェース40を介して送信される。いくつかの実施形態では、チャネル測定結果は、WiFi受信機38及びセルラー無線送受信機36のうちの1つにより1つの報告へと集約されてもよい。セルラー無線送受信機36は、チャネル測定結果報告をセルラー無線リソースコントローラ34に送信する。セルラー無線リソースコントローラ34は、チャネル測定結果報告を1つ以上の目的のために使用してよい。例えば、チャネル測定結果報告は、複数のUEのうちの1つ以上のどのUEが、1つの又は別のWiFiアクセスポイントにハンドオフされるべきかを判定するために使用されてもよい。UE32がハンドオフされるべきであるとセルラー無線リソースコントローラ34が判定する場合、セルラー無線リソースコントローラ34は、ハンドオフされるべきUE32へのセルラー無線接続を終了させてもよい。UE32がWiFiネットワークにハンドオフされるべきかを判定するための条件は、チャネル測定結果と比較される閾値であってもよい。例えば、第1のチャネルの第1のチャネル測定結果が閾値を上回る場合、当該第1のチャネルに対応するUE32を、当該チャネルに対応するWiFiアクセスポイントへとハンドオフする決定が行われてもよい。
【0027】
図3は、図2のセルラー無線ネットワークノード28のさらに詳細なブロック図である。セルラー無線ネットワークノード28は、セルラー無線リソースコントローラ34及びセルラー無線送受信機44を含む。無線リソースコントローラ34は、メモリ46及びプロセッサ48を含む。メモリ46は、UEのリスト50及びWiFiチャネル測定結果52を記憶する。いくつかの実施形態では、メモリ46は、複数のWiFiアクセスポイントのアイデンティティ及び各WiFiアクセスポイントに関連付けられているチャネルといった、追加的なデータを記憶してもよい。メモリは、WiFiアクセスポイントの位置、及び/又はWiFiアクセスポイントがセルラー無線ネットワークノード28に関連付けられるセル内にあるか又はセル外にあるかの標識をも記憶してもよい。
【0028】
プロセッサ48は、セルラー無線ネットワークノード28の無線リソースの制御に関連する機能を実行する。例えば、プロセッサ48は、WiFiチャネル測定結果を求めるリクエストを生成するリクエスト生成器54を含む。リクエストは、測定されるべき1つ以上のWiFiチャネルを指定してもよい。WiFiチャネルは、1つ以上のUE及び/又は1つ以上のWiFiアクセスポイントに関連付けられてもよい。
【0029】
プロセッサ48は、電力節約機能56をも開始し得る。例えば、電力節約機能56は、セルラー無線送受信機36及び/又はWiFi送受信機38をパワーダウンさせるための命令を含んでもよい。UEのWiFi送受信機42をパワーダウンさせるためのパワーダウン命令は、UE32により使用されるWiFiチャネルの品質が劣悪であるという判定に応じて生成されてもよい。別の例として、UEのセルラー無線送受信機をパワーダウンさせるためのパワーダウン命令が、UE32により使用されるWiFiチャネルが強いという判定に応じて生成されてもよい。このように、電力節約機能56は、セルラー無線送受信機36及びWiFi送受信機38のうちの1つ又は両方へ、スリープモードに入るように命令し得る。
【0030】
プロセッサ48は、WiFiネットワークマッピング機能58をも開始し得る。そのようなマッピングは、1)セルラー無線ネットワークノードに関連付けられるセルの内外のWiFiアクセスポイントの識別情報を判定すること、2)識別されるWiFiアクセスポイント各々に関連付けられるチャネルを判定すること、3)各WiFiアクセスポイントと通信関係にあるUEを判定すること、4)1つ以上のUEによりアクセス可能なWiFiチャネルのリストを生成すること、及び/又は4)各UE及び各WiFiアクセスポイントに関連付けられる各WiFiチャネルについてのチャネル品質を判定すること、を含み得る。
【0031】
プロセッサ48は、ハンドオフ機能60をも開始し得る。そのようなハンドオフ機能は、1)UEが割り当てられるセルラー無線チャネルの品質が閾値を下回ったことを判定すること、2)UEが割り当てられるWiFiチャネルの品質が閾値を上回ったことを判定すること、及び3)UEのセルラー無線チャネルの使用を終了すること、を含み得る。ハンドオフを完了するためのWiFiネットワークとセルラー無線ネットワークとの間の追加的な協調は、本開示の範囲を超えている。
【0032】
セルラー無線ネットワークノード28のセルラー無線送受信機44は、少なくとも1つのUE32に少なくとも1つのWiFiチャネルの測定結果を求めるリクエストを送信し、少なくとも1つのWiFiチャネル測定結果を少なくとも1つのUE32から受信する。
【0033】
図4は、セルラー無線ネットワークノード28によるWiFiチャネル測定結果の取得のための例示的なプロセスのフローチャートである。プロセスは、セルラー無線ネットワークノード28において、WiFiチャネルの測定結果を求めるリクエストを準備すること(ブロックS100)を含む。WiFiチャネルの測定結果を求めるリクエストは、セルラー無線ネットワークノード28から送信される(ブロックS102)。WiFiチャネルの測定結果は、セルラー無線ネットワークノード28において、当該リクエストを受信したUE32から受信される(ブロックS104)。セルラー無線ネットワークノード28において、WiFiチャネルの測定結果に基づいて、上述した電力節約機能、WiFiネットワークマッピング機能、及びハンドオフ機能のうち少なくとも1つが開始される(ブロックS106)。
【0034】
セルラー無線ネットワークノードからのリクエストに応じて、ユーザ機器においてチャネル測定結果を取得及び送信するための例示的なプロセスが、図5を参照して記載される。セルラー無線ネットワークノード28から、UE32のセルラー無線送受信機36により、WiFiチャネルの測定結果を求めるリクエストが受信される(ブロックS108)。ユーザ機器のWiFi送受信機は、まだアクティブ化されていなければ、アクティブ化される(ブロックS110)。UE32のWiFi送受信機38において、WiFiアクセスポイント30からの信号が受信される(ブロックS112)。当該信号は、チャネルの測定結果を決定するために処理される(ブロックS114)。測定結果は、UE32のセルラー無線送受信機36を介して、セルラー無線ネットワークノード28へ報告される(ブロックS116)。
【0035】
本発明は、ハードウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現され得る。ここに記載された方法を実行するために適合される任意の種類のコンピューティングシステム、又はその他の装置は、ここに記載された機能を実行するのに適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、1つ以上の処理エレメントと、ロードされ実行される際に、ここに記載された方法を実行するようなコンピュータシステムを制御する、記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムとを有する専用コンピュータシステムであり得る。本発明はまた、ここに記載された方法の実装を可能にする全ての特徴を含み、コンピューティングシステムにロードされたときにこれらの方法を実行することができるコンピュータプログラム製品に組み込まれることもできる。記憶媒体とは、任意の揮発性又は不揮発性の記憶装置のことをいう。
【0036】
本文脈におけるコンピュータプログラム又はアプリケーションは、情報処理ケイパビリティを有するシステムに、直接的に、又はa)別の言語、コード若しくは表記法(notation)への変換、b)異なる材料形態での複製、のいずれか若しくは両方の後に特定の機能を実行させることを意図した命令のセットの、何らかの言語、コード又は表記法における任意の表現を意味する。
【0037】
本発明が特にここに図示され上述されたものに限定されないことは、当業者には理解されるであろう。加えて、上で別段の言及のない限り、添付図面の全ては縮尺通りでないことに留意すべきである。種々の修正及び変形は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、上記の教示に照らして可能である。
図1
図2
図3
図4
図5