【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
【0009】
構成1.本構成のグロープラグは、軸線方向に延びる軸孔を有し、外周面に内燃機関の取付孔に螺合するためのねじ部を具備する筒状のハウジングと、
少なくとも自身の先端部が前記ハウジングの先端から突出した状態で、前記軸孔に挿設されるヒーター部材とを備えるグロープラグであって、
前記ハウジングは、
前記内燃機関の取付孔に前記ねじ部を螺合した際に、前記内燃機関の座面に対して圧接する圧接部と、
前記圧接部及び前記ねじ部間に設けられた筒状の先端側胴部とを有し、
前記先端側胴部の肉厚は、
前記ねじ部のねじ径がM12である場合に1.6mm以下であり、
前記ねじ部のねじ径がM10、M9、又は、M8である場合に0.9mm以下であり、
前記先端側胴部には、前記軸線方向に沿って延びる凸状又は凹状をなす先端側補強部が、前記ハウジングの周方向に沿って間欠的に複数設けられ
、
前記先端側胴部は、内周において前記ヒーター部材を保持する保持部を具備し、
前記先端側補強部は、前記保持部よりも後端側に設けられることを特徴とする。
【0010】
尚、「軸線方向に沿って延びる」とあるのは、厳密に先端側補強部が軸線方向に沿って延びる場合のみならず、先端側補強部が軸線に対して若干(例えば、筒状の先端側胴部を平面に展開したとき、展開された先端側胴部における先端側補強部の延出方向と、軸線とのなす角度のうち鋭角の角度が5°以下となる程度)だけ斜めになっている場合も含む。
【0011】
上記構成1によれば、先端側胴部の肉厚が、ねじ部のねじ径がM12である場合に1.6mm以下とされ、ねじ部のねじ径がM10、M9、又は、M8である場合に0.9mm以下とされている。従って、先端側胴部ひいてはハウジングの軽量化を図ることができる。その結果、燃費性能の向上や製造コストの削減を図ることができる。
【0012】
一方で、上述のように先端側胴部を薄肉とした場合には、軸力による先端側胴部の座屈変形が懸念される。この点、上記構成1によれば、先端側胴部には、軸線方向に沿って延びる凸状又は凹状をなす先端側補強部が、ハウジングの周方向に沿って間欠的に複数設けられている。従って、先端側胴部の機械的強度を著しく高めることができる。その結果、前記軸力による先端側胴部の変形をより確実に防止することができる。
さらに、上記構成1によれば、先端側補強部は、ヒーター部材を保持する保持部よりも後端側に設けられている。すなわち、先端側補強部は、保持部から外れた位置に設けられている。従って、ヒーター部材に対して保持部の内周をより確実に密着させることができ、両者間において優れた気密性を確保することができる。その結果、燃焼室内において良好な気密性を確保することができる。
【0013】
構成2.本構成のグロープラグは、上記構成1において、前記ハウジングは、
前記ねじ部よりも後端側に設けられ、前記内燃機関への取付時に工具が係合される工具係合部と、
前記工具係合部及び前記ねじ部間に設けられた筒状の後端側胴部とを有し、
前記後端側胴部の肉厚は、
前記ねじ部のねじ径がM12である場合に1.6mm以下であり、
前記ねじ部のねじ径がM10、M9、又は、M8である場合に0.9mm以下であり、
前記後端側胴部には、前記軸線方向に沿って延びる凸状又は凹状をなす後端側補強部が、前記ハウジングの周方向に沿って間欠的に複数設けられることを特徴とする。
【0014】
尚、「軸線方向に沿って延びる」とあるのは、厳密に後端側補強部が軸線方向に沿って延びる場合のみならず、後端側補強部が軸線に対して若干(例えば、筒状の後端側胴部を平面に展開したとき、展開された後端側胴部における後端側補強部の延出方向と、軸線とのなす角度のうち鋭角の角度が5°以下となる程度)だけ斜めになっている場合も含む(後述する構成4においても同様)。
【0015】
上記構成2によれば、後端側胴部の肉厚が、ねじ部のねじ径がM12である場合に1.6mm以下とされ、ねじ部のねじ径がM10、M9、又は、M8である場合に0.9mm以下とされている。従って、後端側胴部の軽量化を図ることができ、上記構成1により先端側胴部の軽量化が図られることと相俟って、ハウジングを一層軽量とすることができる。その結果、燃費性能の向上や製造コストの削減をより効果的に実現することができる。
【0016】
一方で、後端側胴部が薄肉である場合には、ねじり応力による後端側胴部のねじれ変形が懸念される。この点、上記構成2によれば、後端側胴部には、軸線方向に沿って延びる凸状又は凹状をなす後端側補強部が、ハウジングの周方向に沿って間欠的に複数設けられている。従って、後端側胴部の機械的強度を顕著に高めることができ、後端側胴部は、前記ねじり応力に抗する十分なねじり耐力を有するものとなる。その結果、前記ねじり応力による後端側胴部の変形をより確実に防止することができる。
【0019】
構成
3.本構成のグロープラグは、軸線方向に延びる軸孔を有し、外周面に内燃機関の取付孔に螺合するためのねじ部を具備する筒状のハウジングと、
少なくとも自身の先端部が前記ハウジングの先端から突出した状態で、前記軸孔に挿設されるヒーター部材とを備えるグロープラグであって、
前記ハウジングは、
前記ねじ部よりも後端側に設けられ、前記内燃機関への取付時に工具が係合される工具係合部と、
前記工具係合部及び前記ねじ部間に設けられた筒状の後端側胴部とを有し、
前記後端側胴部の肉厚は、
前記ねじ部のねじ径がM12である場合に1.6mm以下であり、
前記ねじ部のねじ径がM10、M9、又は、M8である場合に0.9mm以下であり、
前記後端側胴部には、前記軸線方向に沿って延びる凸状又は凹状をなす後端側補強部が、前記ハウジングの周方向に沿って間欠的に複数設けられることを特徴とする。
【0020】
上記構成
3によれば、後端側胴部の肉厚が、ねじ部のねじ径がM12である場合に1.6mm以下とされ、ねじ部のねじ径がM10、M9、又は、M8である場合に0.9mm以下とされている。従って、後端側胴部ひいてはハウジングの軽量化を図ることができる。その結果、燃費性能の向上や製造コストの削減を図ることができる。
【0021】
さらに、上記構成
3によれば、後端側胴部には、軸線方向に沿って延びる凸状又は凹状をなす後端側補強部が、ハウジングの周方向に沿って間欠的に複数設けられている。従って、後端側胴部の機械的強度を顕著に高めることができ、ねじり応力による後端側胴部の変形をより確実に防止することができる。
【0022】
構成
4.本構成のグロープラグの製造方法は、上記構成1乃至
3のいずれかに記載のグロープラグの製造方法であって、
前記ハウジングを形成するハウジング形成工程を含み、
前記ハウジング形成工程は、板状の金属材に対して深絞り加工を施すことにより、前記ハウジングとなるべき筒状のハウジング中間体を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0023】
上記構成
4によれば、深絞り加工より、ハウジングとなるべきハウジング中間体が製造されるように構成されている。従って、全体的に薄肉とされた軽量のハウジングをより容易に製造することができ、生産性の向上を図ることができる。
【0024】
また、ハウジングを全体的に薄肉とできるため、ハウジングの一層の軽量化を図ることができる。その結果、燃費性能の向上や製造コストの削減等の作用効果をさらに高めることができる。