特許第5965185号(P5965185)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5965185回路接続材料、及びこれを用いた半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965185
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】回路接続材料、及びこれを用いた半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
   H01L21/60 311S
【請求項の数】9
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-79542(P2012-79542)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-211352(P2013-211352A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2015年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108410
【氏名又は名称】デクセリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100096677
【弁理士】
【氏名又は名称】伊賀 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100106781
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 稔也
(74)【代理人】
【識別番号】100113424
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 信博
(74)【代理人】
【識別番号】100150898
【弁理士】
【氏名又は名称】祐成 篤哉
(72)【発明者】
【氏名】森山 浩伸
【審査官】 儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−324125(JP,A)
【文献】 特開2001−127107(JP,A)
【文献】 特開2004−111993(JP,A)
【文献】 特開平08−120228(JP,A)
【文献】 特開2007−129132(JP,A)
【文献】 特開平09−283566(JP,A)
【文献】 特表2011−515839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンダ付き電極が形成された半導体チップと、前記ハンダ付き電極と対向する対向電極が形成された回路基板とを接合するための回路接続材料であって、
前記半導体チップ側に接着される第1の接着剤層と、該第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも高い最低溶融粘度到達温度を有する第2の接着剤層とが積層され、
当該回路接続材料が貼り付けられた前記半導体チップを前記回路基板に前記第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも低い温度で搭載した際、前記第1の接着剤層の厚みHb1が下記式(1)を満たす範囲である回路接続材料。
0.5×He1≦Hb1≦He1+0.75×Hs (1)
前記式(1)中、He1は前記ハンダ付き電極の電極厚みであり、Hsは前記ハンダ付き電極のハンダ厚みである。
【請求項2】
当該回路接続材料が貼り付けられた前記半導体チップを前記回路基板に前記第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも低い温度で搭載した際、前記第1の接着剤層の厚みHb1が下記式(2)を満たす範囲である請求項1記載の回路接続材料。
0.75×He1≦Hb1≦He1+0.75×Hs (2)
前記式(2)中、He1は前記ハンダ付き電極の電極厚みであり、Hsは前記ハンダ付き電極のハンダ厚みである。
【請求項3】
前記第1の接着剤層の溶融粘度と前記第2の接着剤層の溶融粘度の比の最大値が10以上である請求項1又は2記載の回路接続材料。
【請求項4】
前記第1の接着剤層及び前記第2の接着剤層が、膜形成樹脂と、エポキシ樹脂と、エポキシ硬化剤と、アクリル樹脂と、ラジカル重合開始剤とを含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回路接続材料。
【請求項5】
前記半導体チップを前記回路基板に搭載する温度において、前記第1の接着剤層の溶融粘度η1と前記第2の接着剤層の溶融粘度η2との比(η1/η2)が0.8以上の場合、搭載前の第1の接着剤層の厚みHa1及び第2の接着剤層の厚みHa2が下記式(3−1)及び式(3−2)を満たす範囲である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回路接続材料。
0.5×He1≦Ha1≦He1+0.75×Hs (3−1)
He1+He2≦Ha1+Ha2 (3−2)
前記式(3−1)及び式(3−2)中、He1は前記ハンダ付き電極の電極厚みであり、Hsは前記ハンダ付き電極のハンダ厚みであり、He2は前記対向電極の電極厚みである。
【請求項6】
前記半導体チップを前記回路基板に搭載する温度において、前記第1の接着剤層の溶融粘度η1と前記第2の接着剤層の溶融粘度η2との比(η1/η2)が0.6以下の場合、搭載前の前記第2の接着剤層の厚みHa2が下記式(4−1)乃至式(4−3)を満たす範囲である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回路接続材料。
0.5×He1≦Ha1 (4−1)
0.25×Hs+He2≦Ha2≦0.5×He1+Hs+He2 (4−1)
He1+He2≦Ha1+Ha2 (4−3)
前記式(4−1)乃至式(4−3)中、He1は前記ハンダ付き電極の電極厚みであり、Hsは前記ハンダ付き電極のハンダ厚みであり、He2は前記対向電極の電極厚みである。
【請求項7】
ハンダ付き電極が形成された半導体チップと、前記ハンダ付き電極と対向する対向電極が形成された回路基板とを、前記半導体チップ側に接着される第1の接着剤層と、該第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも高い最低溶融粘度到達温度を有する第2の接着剤層とが積層された回路接続材料を介して接合する半導体装置の製造方法であって、
前記回路接続材料が貼り付けられた前記半導体チップを前記回路基板に前記第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも低い温度で搭載し、前記第1の接着剤層の厚みHb1が下記式(1)を満たす範囲とする搭載工程と、
前記半導体チップと前記回路基板とを、前記ハンダ付き電極のハンダの融点以上の温度で熱圧着する熱圧着工程と
を有する半導体装置の製造方法。
0.5×He1≦Hb1≦He1+0.75×Hs (1)
前記式(1)中、He1は前記ハンダ付き電極の電極厚みであり、Hsは前記ハンダ付き電極のハンダ厚みである。
【請求項8】
ウエハ上に回路接続材料を貼り付ける工程と、
前記ウエハをダイシングし、個々の半導体チップに分割する工程と
をさらに有する請求項7記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
ハンダ付き電極が形成された第1の面と、第1の面の反対側に前記ハンダ付き電極と対向する対向電極が形成された第2の面を有する複数のチップ基板を、前記第1の面側に接着される第1の接着剤層と、該第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも高い最低溶融粘度到達温度を有する第2の接着剤層とが積層された回路接続材料を介して積層する半導体装置の製造方法であって、
前記回路接続材料が貼り付けられた第1のチップ基板の第1の面を第2のチップ基板の第2の面に前記第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも低い温度で搭載し、前記第1の接着剤層の厚みHb1が下記式(1)を満たす範囲とする搭載工程と、
前記第1のチップ基板の第1の面と前記第2のチップ基板の第2の面とを前記ハンダ付き電極のハンダの融点以上の温度で熱圧着する熱圧着工程と
を有する半導体装置の製造方法。
0.5×He1≦Hb1≦He1+0.75×Hs (1)
前記式(1)中、He1は前記ハンダ付き電極の電極厚みであり、Hsは前記ハンダ付き電極のハンダ厚みである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップの搭載に用いられる回路接続材料、及びこれを用いた半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、基板への半導体チップの搭載方法において、工程短縮を目的に、半導体IC(Integrated Circuit)電極と基板電極とを金属接合又は圧接接合する前にアンダーフィルフィルムを基板上に貼り付ける「先供給型アンダーフィルフィルム」の使用が検討されている。
【0003】
この先供給型アンダーフィルフィルムを使用した搭載方法は、例えば、以下のように行われる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
工程A:ウエハにアンダーフィルフィルムを貼り付け、ダイシングして半導体チップを得る。
【0005】
工程B:基板上で半導体チップの位置合わせを行う。
【0006】
工程C:高温・高圧により半導体チップと基板を圧着し、ハンダバンプの金属結合による導通確保、及びアンダーフィルフィルムの硬化による半導体チップと基板の接着を行う。
【0007】
このような搭載方法において、例えば、特許文献2には、フレックス効果を有する接着剤を使用することにより、ハンダの濡れ性を向上させ、接合状態を改善させることが提案されている。
【0008】
しかしながら、従来のアンダーフィルフィルムでは、ハンダ付き電極側にも、ハンダが濡れ広がってしまい、対向する電極との良好な接合を得ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−28734号公報
【特許文献2】特開2001−93940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、対向する電極との良好な接合を得ることができる回路接続材料、及びこれを用いた半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、本発明は、ハンダ付き電極が形成された半導体チップと、前記ハンダ付き電極と対向する対向電極が形成された回路基板とを接合するための回路接続材料であって、前記半導体チップ側に接着される第1の接着剤層と、該第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも高い最低溶融粘度到達温度を有する第2の接着剤層とが積層され、当該回路接続材料が貼り付けられた前記半導体チップを前記回路基板に前記第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも低い温度で搭載した際、前記第1の接着剤層の厚みHb1が下記式(1)を満たす範囲であることを特徴とする。
【0012】
0.5×He1≦Hb1≦He1+0.75×Hs (1)
【0013】
前記式(1)中、He1は前記ハンダ付き電極の電極厚みであり、Hsは前記ハンダ付き電極のハンダ厚みである。
【0014】
また、本発明は、ハンダ付き電極が形成された半導体チップと、前記ハンダ付き電極と対向する対向電極が形成された回路基板とを、前記半導体チップ側に接着される第1の接着剤層と、該第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも高い最低溶融粘度到達温度を有する第2の接着剤層とが積層された回路接続材料を介して接合する半導体装置の製造方法であって、前記回路接続材料が貼り付けられた前記半導体チップを前記回路基板に前記第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも低い温度で搭載し、前記第1の接着剤層の厚みHb1が下記式(1)を満たす範囲とする搭載工程と、前記半導体チップと前記回路基板とを、前記ハンダ付き電極のハンダの融点以上の温度で熱圧着する熱圧着工程とを有することを特徴とする。
【0015】
0.5×He1≦Hb1≦He1+0.75×Hs (1)
【0016】
前記式(1)中、He1は前記ハンダ付き電極の電極厚みであり、Hsは前記ハンダ付き電極のハンダ厚みである。
【0017】
また、本発明は、ハンダ付き電極が形成された第1の面と、第1の面の反対側に前記ハンダ付き電極と対向する対向電極が形成された第2の面を有する複数のチップ基板を、前記第1の面側に接着される第1の接着剤層と、該第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも高い最低溶融粘度到達温度を有する第2の接着剤層とが積層された回路接続材料を介して積層する半導体装置の製造方法であって、前記回路接続材料が貼り付けられた第1のチップ基板の第1の面を第2のチップ基板の第2の面に前記第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも低い温度で搭載し、前記第1の接着剤層の厚みHb1が下記式(1)を満たす範囲とする搭載工程と、前記第1のチップ基板の第1の面と前記第2のチップ基板の第2の面とを前記ハンダ付き電極のハンダの融点以上の温度で熱圧着する熱圧着工程とを有することを特徴とする。
【0018】
0.5×He1≦Hb1≦He1+0.75×Hs (1)
【0019】
前記式(1)中、He1は前記ハンダ付き電極の電極厚みであり、Hsは前記ハンダ付き電極のハンダ厚みである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度が第2の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも低く、搭載時の第1の接着剤層と第2の接着剤層の界面が所定の位置にある回路接続材料を用いるため、ハンダ付き電極側にハンダが濡れ広がるのを防ぐとともに、対向する電極側にハンダを濡れ広がらせることができ、対向する電極との良好な接合を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】搭載前の半導体チップを模式的に示す断面図である。
図2】搭載後の半導体チップを模式的に示す断面図である。
図3】第1の接着剤層及び第2の接着剤層の溶融粘度の一例を示すグラフである。
図4図3に示す溶融粘度における溶融粘度比(第1層/第2層)を示すグラフである。
図5】本実施の形態における半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
図6】ウエハ上にアンダーフィルフィルムを貼り付ける工程を模式的に示す斜視図である。
図7】ウエハをダイシングする工程を模式的に示す斜視図である。
図8】半導体チップをピックアップする工程を模式的に示す斜視図である。
図9】半導体チップを基板に搭載する工程を模式的に示す斜視図である。
図10】ハンダの濡れ広がりが良好な状態の断面の模式図である。
図11】ハンダの濡れ広がりが不十分な状態の断面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、下記順序にて詳細に説明する。
1.回路接続材料
2.半導体装置の製造方法
3.実施例
【0023】
<1.回路接続材料>
図1は、搭載前の半導体チップを模式的に示す断面図であり、図2は、搭載後の半導体チップを模式的に示す断面図である。
【0024】
図1、2に示すように、本実施の形態における回路接続材料20は、ハンダ付き電極が形成された半導体チップ10と、ハンダ付き電極と対向する対向電極が形成された回路基板30とを接合するために使用される。
【0025】
半導体チップ10は、シリコンなどの半導体11表面に集積回路が形成され、バンプと呼ばれる接続用のハンダ付き電極を有する。ハンダ付き電極は、銅などからなる電極12上にハンダ13を接合したものであり、電極12の厚みHe1とハンダ13の厚みHsとを合計した厚み(He1+Hs)を有する。
【0026】
ハンダとしては、Sn−37Pb共晶ハンダ(融点183℃)、Sn−Biハンダ(融点139℃)、Sn−3.5Ag(融点221℃)、Sn−3.0Ag−0.5Cu(融点217℃)、Sn−5.0Sb(融点240℃)などを用いることができる。
【0027】
回路基板30は、例えばリジット基板、フレキシブル基板などの基材31に回路が形成されている。また、半導体チップ10が搭載される実装部には、半導体チップ10のハンダ付き電極と対向する位置に所定の厚みHe2を有する対向電極32が形成されている。
【0028】
回路接続材料20は、半導体チップ10側に接着される第1の接着剤層21と、第1の接着剤層21の最低溶融粘度到達温度T1よりも高い最低溶融粘度到達温度T2を有する第2の接着剤層22とが積層された2層構造を有する。
【0029】
ここで、第1の接着剤層21及び第2の接着剤層22の最低溶融粘度到達温度T1、T2(T1<T2)は、常温よりも高く、ハンダ融点よりも低い(25℃<T1,T2<ハンダ融点)。
【0030】
また、回路接続材料20は、図2に示すように回路接続材料20が貼り付けられた半導体チップ10を回路基板30に第1の接着剤層21の最低溶融粘度到達温度T1よりも低い温度で搭載した際、第1の接着剤層21の厚みHb1が下記式(1)を満たす範囲である。
【0031】
0.5×He1≦Hb1≦He1+0.75×Hs (1)
【0032】
式(1)中、He1はハンダ付き電極の電極厚みであり、Hsはハンダ付き電極のハンダ厚みである。
【0033】
このような回路接続材料20は、第1の接着剤層21の最低溶融粘度到達温度T1が第2の接着剤層22の最低溶融粘度到達温度T2よりも低く、第1の接着剤層21と第2の接着剤層22との界面Hb1が式(1)を満たす範囲であることにより、ハンダ付き電極側にハンダが濡れ広がるのを防ぐとともに、対向電極32側にハンダを濡れ広がらせることができ、対向電極32との良好な接合を得ることができる。
【0034】
また、図2に示すように、半導体チップ10を回路基板に搭載した際、第1の接着剤層21の厚みHb1が下記式(2)を満たす範囲であることがより好ましい。
【0035】
0.75×He1≦Hb1≦He1+0.75×Hs (2)
【0036】
式(2)中、He1はハンダ付き電極の電極厚みであり、Hsはハンダ付き電極のハンダ厚みである。
【0037】
第1の接着剤層21と第2の接着剤層22との界面Hb1が式(2)を満たす範囲であることにより、ハンダ付き電極側にハンダが濡れ広がるのをさらに防ぐことができ、対向電極32側にハンダを十分に濡れ広がらせることができる。
【0038】
半導体チップ10搭載時の第1の接着剤層21と第2の接着剤層22との界面の位置は、搭載温度における第1の接着剤層21及び第2の接着剤層22の溶融粘度によって変化するため、搭載温度における溶融粘度により搭載時前の第1の接着剤層21の厚みHa1を決定することができる。
【0039】
具体的には、半導体チップ10を回路基板30に搭載する温度において、第1の接着剤層21の溶融粘度η1と第2の接着剤層22の溶融粘度η2との比(η1/η2)が0.8以上の場合、搭載前の第1の接着剤層21の厚みHa1及び第2の接着剤層22の厚みHa2が下記式(3−1)及び式(3−2)を満たす範囲であることが好ましい。
【0040】
0.5×He1≦Ha1≦He1+0.75×Hs (3−1)
He1+He2≦Ha1+Ha2 (3−2)
【0041】
式(3−1)及び式(3−2)中、He1はハンダ付き電極の電極厚みであり、Hsはハンダ付き電極のハンダ厚みであり、He2は対向電極の電極厚みである。
【0042】
搭載温度における溶融粘度比(η1/η2)が0.8以上の場合、搭載前の第1の接着剤層21の厚みHa1と、搭載後の第1の接着剤層21の厚みHb1との変化が小さい。このため、搭載前の第1の接着剤層21の厚みHa1及び第2の接着剤層22の厚みHa2を式(3−1)及び式(3−2)を満たす範囲とすることにより、搭載後の界面Hb1が式(1)を満たす範囲内とすることができる。
【0043】
また、半導体チップ10を回路基板30に搭載する温度において、第1の接着剤層21の溶融粘度η1と第2の接着剤層22の溶融粘度η2との比(η1/η2)が0.6以下の場合、搭載前の第1の接着剤層21の厚みHa1及び第2の接着剤層22の厚みHa2が下記式(4−1)乃至式(4−3)を満たす範囲であることが好ましい。
【0044】
0.5×He1≦Ha1 (4−1)
0.25×Hs+He2≦Ha2≦0.5×He1+Hs+He2 (4−1)
He1+He2≦Ha1+Ha2 (4−3)
【0045】
式(4−1)乃至式(4−3)中、He1はハンダ付き電極の電極厚みであり、Hsはハンダ付き電極のハンダ厚みであり、He2は対向電極の電極厚みである。
【0046】
搭載温度における溶融粘度比(η1/η2)が0.6以下の場合、搭載前の第2の接着剤層22の厚みHa2と、搭載後の第2の接着剤層22の厚みHb2との変化が小さい。このため、搭載前の第2の接着剤層22の厚みHa2及び第2の接着剤層22の厚みHa2を式(4−1)乃至式(4−3)を満たす範囲とすることにより、搭載後の界面Hb1が式(1)を満たす範囲内とすることができる。
【0047】
図3は、第1の接着剤層及び第2の接着剤層の溶融粘度の一例を示すグラフである。また、図4は、図3に示す溶融粘度における溶融粘度比(第1層/第2層)である。
【0048】
第1の接着剤層21及び第2の接着剤層22の溶融粘度は、100Pa・s以上50000Pa・s以下であることが好ましい。また、第1の接着剤層21の溶融粘度と第2の接着剤層21の溶融粘度の比の最大値が10以上であることが好ましい。これにより、熱圧着時のハンダの濡れ広がりが向上して、より良好な接合状態を得ることができる。
【0049】
次に、回路接続材料20の第1の接着剤層21及び第2の接着剤層22について説明する。第1の接着剤層21及び第2の接着剤層22は、共に、膜形成樹脂と、エポキシ樹脂と、エポキシ硬化剤とを含有する。
【0050】
膜形成樹脂は、平均分子量が10000以上の高分子量樹脂に相当し、フィルム形成性の観点から、10000〜80000程度の平均分子量であることが好ましい。膜形成樹脂としては、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の種々の樹脂を用いることができる。これらの膜形成樹脂は、1種を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いても良い。これらの中でも、本実施の形態では、膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂が好適に用いられる。
【0051】
エポキシ樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、スピロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テルペン型エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、α−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いても良い。これらの中でも、本実施の形態では、高接着性、耐熱性の点から、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0052】
エポキシ硬化剤は、特に限定されるものではないが、ハンダ表面の酸化膜を除去するフラックス機能を有する酸無水物を用いることが好ましい。酸無水物としては、例えばテトラプロペニル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、などの脂肪族酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などの脂環式酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの芳香族酸無水物などを挙げることができる。これらのエポキシ硬化剤は、1種を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いても良い。これらのエポキシ硬化剤の中でもこれらのうちハンダ接続性の点から、脂肪族酸無水物を用いることが好ましい。
【0053】
エポキシ硬化剤の使用量は、硬化有効量が配合され、少なすぎるとハンダ濡れが不十分となり、多すぎると保存安定性が低下する傾向がある。エポキシ硬化剤として脂肪族酸無水物を使用した場合、エポキシ樹脂100重量部に対して15質量部以上90質量部以下であることが好ましく、より好ましくは40質量部以上70質量部以下である。
【0054】
また、必要に応じて硬化促進剤を含有させてもよい。硬化促進剤の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7塩(DBU塩)、2−(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの第3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾ−ル類、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物などが挙げられる。また、硬化促進剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜5.0質量部が必要に応じて配合される。
【0055】
また、第1の接着剤層21及び第2の接着剤層22は、共に、膜形成樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤に加え、さらにアクリル樹脂と、ラジカル重合開始剤とを含有することが好ましい。これにより、搭載温度と圧着時の最高到達温度との差が70℃以上あるような急加熱を行う場合であっても、ボイドの発生を防ぐことができる。
【0056】
アクリル樹脂としては、単官能(メタ)アクリレート、2官能以上の(メタ)アクリレートを使用可能である。単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。2官能以上の(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールF―EO変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA―EO変性ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらのアクリル樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、本実施の形態では、2官能(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
【0057】
ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物などのラジカル発生剤を好ましく使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等を挙げることができる。これらの有機過酸化物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、本実施の形態では、パーオキシエステルが好適に用いられる。
【0058】
また、その他の添加組成物として、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーを含有することにより、圧着時における樹脂層の流動性を調整し、粒子捕捉率を向上させることができる。無機フィラーとしては、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等を用いることができる。
【0059】
さらに、必要に応じて、エポキシ系、アミノ系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系などのシランカップリング剤を添加してもよい。
【0060】
次に、前述した回路接続材料が膜状に形成された先供給型アンダーフィルフィルムの製造方法について説明する。本実施の形態における回路接続材料の製造方法は、第1の接着剤層21と、第2の接着剤層22とを貼り合わせるものである。
【0061】
具体的には、第1の接着剤層21を作成する工程と、第2の接着剤層22を作成する工程と、第1の接着剤層21と第2の接着剤層22とを貼り付ける工程とを有する。
【0062】
第1の接着剤層21を作成する工程では、膜形成樹脂と、エポキシ樹脂と、エポキシ硬化剤とを含有する接着剤組成物を溶剤に溶解させる。溶剤としては、トルエン、酢酸エチルなど、又はこれらの混合溶剤を用いることができる。第1の接着剤層21の樹脂組成物を調整後、バーコーター、塗布装置などを用いて剥離基材上に塗布する。
【0063】
剥離基材は、例えば、シリコーンなどの剥離剤をPET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methylpentene−1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)などに塗布した積層構造からなり、組成物の乾燥を防ぐとともに、組成物の形状を維持するものである。
【0064】
次に、剥離基材上に塗布された樹脂組成物を熱オーブン、加熱乾燥装置などにより乾燥させる。これにより、厚さ5〜50μm程度の第1の接着剤層21を得ることができる。
【0065】
また、第2の接着剤層22を作成する工程は、第1の接着剤層21と同様、膜形成樹脂と、エポキシ樹脂と、エポキシ硬化剤とを含有する接着剤組成物を溶剤に溶解させる。そして、第2の接着剤層22の樹脂組成物を調整後、これを剥離基材上に塗布し、溶剤を揮発させることにより、第2の接着剤層22を得ることができる。
【0066】
次の第1の接着剤層21と第2の接着剤層22とを貼り付ける工程では、第1の接着剤層21と第2の接着剤層22とを貼り付けて積層し、2層構造の先供給型アンダーフィルフィルムを作製する。
【0067】
このように第1の接着剤層21と第2の接着剤層22とを貼り付けることにより、2層構造の先供給型アンダーフィルフィルムを得ることができる。
【0068】
なお、上述の実施の形態では、第1の接着剤層21と第2の接着剤層22とを貼り付けて製造することとしたが、これに限られるものではなく、一方の接着剤層を形成した後、他方の接着剤層の樹脂組成物を塗布し、乾燥させて製造しても良い。
【0069】
<2.半導体装置の製造方法>
次に、前述した先供給型アンダーフィルフィルムを用いた半導体装置の製造方法について説明する。
【0070】
図5は、本実施の形態における半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。図5に示すように、本実施の形態における半導体装置の製造方法は、アンダーフィルフィルム貼付工程S1と、ダイシング工程S2と、半導体チップ搭載工程S3と、熱圧着工程S4とを有する。
【0071】
図6は、ウエハ上にアンダーフィルフィルムを貼り付ける工程を模式的に示す斜視図である。図6に示すように、アンダーフィルフィルム貼付工程S1では、ウエハ1の直径よりも大きな直径を有するリング状又は枠状のフレームを有する治具3によりウエハ1を固定し、ウエハ1上にアンダーフィルフィルム2を貼り付ける。アンダーフィルフィルム2は、ウエハ1のダイシング時にウエハ1を保護・固定し、ピックアップ時に保持するダイシングテープとして機能する。なお、ウエハ1には多数のIC(Integrated Circuit)が作り込まれ、ウエハ1の接着面には、図1に示すようにスクライブラインによって区分される半導体チップ10毎にハンダ付き電極が設けられている。
【0072】
図7は、ウエハをダイシングする工程を模式的に示す斜視図である。図7に示すように、ダイシング工程S2では、ブレード4をスクライブラインに沿って押圧してウエハ1を切削し、個々の半導体チップに分割する。
【0073】
図8は、半導体チップをピックアップする工程を模式的に示す斜視図である。図8に示すように、各アンダーフィルフィルム付き半導体チップ10は、アンダーフィルフィルムに保持されてピックアップされる。
【0074】
図9は、半導体チップを基板に搭載する工程を模式的に示す斜視図である。回路基板30は、例えばリジット基板やフレキシブル基板であり、半導体チップ10が搭載される実装部には、半導体チップ10のハンダ付き電極と導通接続される電極が形成されている。
【0075】
図9に示すように、半導体チップ搭載工程S3では、アンダーフィルフィルム付き半導体チップ10と回路基板30とをアンダーフィルフィルムを介して配置する。また、アンダーフィルフィルム付き半導体チップ10をハンダ付き電極と対向電極32とが対向するように位置合わせして配置する。
【0076】
そして、加熱ボンダーによって、アンダーフィルフィルムに流動性は生じるが、本硬化は生じない程度の所定の温度、圧力、時間の条件で加熱押圧し、搭載する。搭載時の温度条件は60℃以上150℃以下であることが好ましく、より好ましくは80℃以上120℃以下である。また、圧力条件は10N以下であることが好ましく、より好ましくは8N以下である。また、時間条件は1秒以上120秒以下であることが好ましく、より好ましくは5秒以上60秒以下である。これにより、ハンダ付き電極が溶融せずに回路基板30側の電極と接している状態とすることができ、アンダーフィルフィルムが完全硬化していない状態とすることができる。また、低い温度で固定するため、ボイドの発生を抑制し、半導体チップ10へのダメージを低減することができる。
【0077】
次の熱圧着工程S4では、高い温度によりハンダ付き電極のハンダを溶融させ、金属結合を形成させるとともに、アンダーフィルフィルムを完全硬化させる。熱圧着時の温度条件は、ハンダの種類にもよるが、200℃以上280℃以下であることが好ましく、より好ましくは220℃以上260℃以下である。また、時間条件は5秒以上500秒以下であることが好ましく、より好ましくは10秒以上100秒以下である。これにより、ハンダ付き電極と基板電極とを金属結合させるとともに、アンダーフィルフィルムを完全硬化させ、半導体チップ10の電極と回路基板30の電極とを電気的、機械的に接続させることができる。
【0078】
このように本実施の形態における半導体装置の製造方法は、第1の接着剤層21の最低溶融粘度到達温度が第2の接着剤層222の最低溶融粘度到達温度よりも低く、半導体チップ10の搭載時にその界面が所定の位置にある回路接続材料を用いるため、ハンダ付き電極側にハンダが濡れ広がるのを防ぐとともに、対向する電極側にハンダを濡れ広がらせることができ、対向する電極との良好な接合を得ることができる。
【0079】
なお、前述の実施の形態では、アンダーフィルフィルムをダイシングテープとして機能させることとしたが、これに限られるものではなく、ダイシングテープを別に用い、ダイシング後にアンダーフィルフィルムを使用してフリップチップ実装を行ってもよい。
【0080】
[他の実施の形態]
また、本技術は、半導体チップに設けた小さな孔に金属を充填することによって、サンドイッチ状に積み重ねた複数のチップ基板を電気的に接続するTSV(Through Silicon Via)技術にも適用可能である。
【0081】
すなわち、ハンダ付き電極が形成された第1の面と、第1の面の反対側にハンダ付き電極と対向する対向電極が形成された第2の面を有する複数のチップ基板を積層する半導体装置の製造方法にも適用可能である。
【0082】
この場合、回路接続材料は、第1の面側に第1の接着剤層を接着させ、回路接続材料が貼り付けられた第1のチップ基板の第1の面を第2のチップ基板の第2の面に第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度よりも低い温度で搭載し、第1の接着剤層の厚みHb1が下記式(1)を満たす範囲とする。
【0083】
0.5×He1≦Hb1≦He1+0.75×Hs (1)
【0084】
式(1)中、He1はハンダ付き電極の電極厚みであり、Hsはハンダ付き電極のハンダ厚みである。
【0085】
その後、第1のチップ基板の第1の面と前記第2のチップ基板の第2の面とを前記ハンダ付き電極のハンダの融点以上の温度で熱圧着することにより、複数のチップ基板を積層した半導体装置を得ることができる。
【実施例】
【0086】
<3.実施例>
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、厚み、最低溶融粘度到達温度、搭載温度における溶融粘度等が異なるNCF(Non Conductive Film)−A〜NCF―Eを作製し、これを用いて第1の接着剤層と第2の接着剤層とが積層された2層構造の回路接続材料を作製した。そして、回路接続材料を用いてハンダ付き電極を有するICチップと、これに対向する電極を有するIC基板とを接続させ、実装体を作製した。各実装体について、温度サイクル(TCT)試験を行い、濡れ性の評価、及び導通抵抗の評価、及びボイドの評価を行った。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0087】
最低溶融粘度到達温度及び搭載温度における溶融粘度の測定、温度サイクル試験、濡れ性の評価、導通抵抗の評価、及びボイドの評価は、次のように行った。
【0088】
[最低溶融粘度到達温度、及び搭載温度における溶融粘度の測定]
各NCFについて、レオメータ(TA社製ARES)を用いて、5℃/min、1Hzの条件でサンプルの最低溶融粘度到達温度、及び搭載温度(100℃)における溶融粘度を測定した。
【0089】
[温度サイクル(TCT)試験]
各実装体について、−55℃(30min)⇔125℃(30min)の温度サイクルを2000サイクル行った。
【0090】
[濡れ性の評価]
各実装体を切断し、断面研磨を行い、図10及び図11に示す断面図のように、ハンダ付き電極とこれに対向する電極との間のハンダの濡れ広がりの状態をSEM(Scanning Electron Microscope)観察した。図10に示すように対向する電極へのハンダ濡れ広がり距離が25%以上のものを◎、10%以上25%未満のものを○、及び図11に示すように10%未満のものを×と評価した。
【0091】
[導通抵抗の評価]
各実装体について、温度サイクル(TCT)試験後、デジタルマルチメータを用いて280ピンのそれぞれの導通抵抗値の測定を行った。1箇所もOPENが無いものを◎、1箇所以上あるものを×と評価した。
【0092】
[ボイドの評価]
各実装体について、SAT(Scanning Acoustic Tomograph, 超音波映像装置)を用いて観察し、ボイドの発生が無いものを◎、ICチップ面積の10%以下であるものを○、ICチップ面積の10%超のものを×とした。
【0093】
<NCFの作製>
(NCF−A)
フェノキシ樹脂(品名:PKHH、ユニオンカーバイド社製)を13.7質量部、エポキシ樹脂(品名:HP7200H、大日本インキ化学社製)を13.7質量部、酸無水物(品名:MH−700、新日本理化社製)を8.1質量部、イミダゾール(品名:2MZ−A、四国化成工業社製)を0.07質量部、アクリル樹脂(品名:DCP、新中村化学社製)を13.7質量部、有機過酸化物(品名:パーブチルZ、日本油脂社製)を0.7質量部、フィラー(品名:SO−E5、アドマテックス社製)を44.6質量部、及びフィラー(品名:アエロジルRY200、日本アエロジル社製)を5.5質量部配合し、NCF−Aの樹脂組成物を調製した。これを、剥離処理されたPET(Polyethylene terephthalate)にバーコーターを用いて塗布し、80℃のオーブンで3分間乾燥させ、所定厚みのNCF−Aを作製した(カバー剥離PET(25μm)/NCF/ベース剥離PET(50μm))。表1に示すように、NCF−Aの最低溶融粘度到達温度は118℃であった。また、搭載温度における溶融粘度は1500Pa・sでった。
【0094】
(NCF−B)
フェノキシ樹脂(品名:PKHH、ユニオンカーバイド社製)を13.7質量部、エポキシ樹脂(品名:HP7200H、大日本インキ化学社製)を22.7質量部、酸無水物(品名:MH−700、新日本理化社製)を13.4質量部、イミダゾール(品名:2MZ−A、四国化成工業社製)を0.11質量部、フィラー(品名:SO−E2、アドマテックス社製)を44.6質量部、及びフィラー(品名:アエロジルRY200、日本アエロジル社製)を5.5質量部配合し、NCF−Bの樹脂組成物を調製した。これを、剥離処理されたPET(Polyethylene terephthalate)にバーコーターを用いて塗布し、80℃のオーブンで3分間乾燥させ、所定厚みのNCF−Bを作製した(カバー剥離PET(25μm)/NCF/ベース剥離PET(50μm))。表1に示すように、NCF−Bの最低溶融粘度到達温度は135℃であった。また、搭載温度における溶融粘度は1450Pa・sでった。
【0095】
(NCF−C)
フェノキシ樹脂(品名:PKHH、ユニオンカーバイド社製)を13.7質量部、エポキシ樹脂(品名:HP7200H、大日本インキ化学社製)を20.6質量部、酸無水物(品名:MH−700、新日本理化社製)を12.1質量部、イミダゾール(品名:2MZ−A、四国化成工業社製)を0.10質量部、アクリル樹脂(品名:DCP、新中村化学社製)を3.3質量部、有機過酸化物(品名:パーブチルZ、日本油脂社製)を0.2質量部、フィラー(品名:SO−E2、アドマテックス社製)を44.6質量部、及びフィラー(品名:アエロジルRY200、日本アエロジル社製)を5.5質量部配合し、NCF−Cの樹脂組成物を調製した。これを、剥離処理されたPET(Polyethylene terephthalate)にバーコーターを用いて塗布し、80℃のオーブンで3分間乾燥させ、所定厚みのNCF−Cを作製した(カバー剥離PET(25μm)/NCF/ベース剥離PET(50μm))。表1に示すように、NCF−Cの最低溶融粘度到達温度は130℃であった。また、搭載温度における溶融粘度は1460Pa・sでった。
【0096】
(NCF−D)
フェノキシ樹脂(品名:PKHH、ユニオンカーバイド社製)を13.7質量部、エポキシ樹脂(品名:HP7200H、大日本インキ化学社製)を15.1質量部、酸無水物(品名:MH−700、新日本理化社製)を8.9質量部、イミダゾール(品名:2MZ−A、四国化成工業社製)を0.08質量部、アクリル樹脂(品名:DCP、新中村化学社製)を11.6質量部、有機過酸化物(品名:パーブチルZ、日本油脂社製)を0.6質量部、フィラー(品名:SO−E2、アドマテックス社製)を44.6質量部、及びフィラー(品名:アエロジルRY200、日本アエロジル社製)を5.5質量部配合し、NCF−Dの樹脂組成物を調製した。これを、剥離処理されたPET(Polyethylene terephthalate)にバーコーターを用いて塗布し、80℃のオーブンで3分間乾燥させ、所定厚みのNCF−Dを作製した(カバー剥離PET(25μm)/NCF/ベース剥離PET(50μm))。表1に示すように、NCF−Dの最低溶融粘度到達温度は120℃であった。また、搭載温度における溶融粘度は1480Pa・sでった。
【0097】
(NCF−E)
フェノキシ樹脂(品名:PKHH、ユニオンカーバイド社製)を13.7質量部、エポキシ樹脂(品名:HP7200H、大日本インキ化学社製)を22.7質量部、酸無水物(品名:MH−700、新日本理化社製)を13.4質量部、イミダゾール(品名:2MZ−A、四国化成工業社製)を0.11質量部、フィラー(品名:SO−E2、アドマテックス社製)を41.8質量部、及びフィラー(品名:アエロジルRY200、日本アエロジル社製)を8.2質量部配合し、NCF−Eの樹脂組成物を調製した。これを、剥離処理されたPET(Polyethylene terephthalate)にバーコーターを用いて塗布し、80℃のオーブンで3分間乾燥させ、所定厚みのNCF−Eを作製した(カバー剥離PET(25μm)/NCF/ベース剥離PET(50μm))。表1に示すように、NCF−Eの最低溶融粘度到達温度は135℃であった。また、搭載温度における溶融粘度は3200Pa・sでった。
【0098】
【表1】
【0099】
[実施例1]
(回路接続材料の作製)
第1の接着剤層としてNCF−Aを使用し、第2の接着剤層としてNCF−Bを使用し、ロールラミネータを用いてラミネートし、NCF−A(Ha1=25μm)/NCF−B(Ha2=25μm)の2層構成のアンダーフィルフィルムを作製した。
【0100】
(実装体の作製)
アンダーフィルフィルムの第1の接着剤層側をウエハ上にプレス機にて、50℃−0.5MPaの条件で貼り合わせ、ダンシングしてハンダ付き電極を有するICチップを得た。
【0101】
ICチップは、その大きさが7mm□、厚み200μmであり、Cuからなる電極の先端にハンダ(Sn−3.5Ag、融点221℃)が形成されたペリフェラル配置のバンプ(φ30μm、85μmピッチ、280ピン)を有するものである。
【0102】
また、これに対向するIC基板は、ICチップと同様、その大きさは7mm□、厚み200μmであり、Cuからなる電極が形成されたペリフェラル配置のバンプ(φ30μm、85μmピッチ、280ピン)を有するものである。
【0103】
図1に示す断面図において、ICチップに相当する半導体チップ10の電極12の厚みHe1は20μmであり、ハンダ13の厚みHsは16μmであった。また、IC基板に相当する回路基板30の電極32の厚みHe2は20μmであった。また、第1の接着剤層21の厚みHa1は25μmであり、第2の接着剤層22の厚みHa2は25μmであった。
【0104】
すなわち、実施例1における厚み基準値は、0.5×He1=10、He1+0.75×Hs=32、0.25×Hs+He2=24、0.5×He1+Hs+He2=46であった。これより、搭載時における第1の接着剤層の厚みHb1は、10μm以上32μm以下の範囲であった。
【0105】
次に、図2に示すように、半導体チップ10のハンダ13と回路基板30の電極32とが接する状態に、フリップチップボンダーを用いて、100℃−2秒−10Nの条件でIC基板上にICチップを搭載した。そして、搭載時における第1の接着剤層の厚みHb1を測定した。
【0106】
その後、フリップチップボンダーを用いて、150℃−5秒−10Nの条件で加熱加圧後、230℃−20秒−30Nの条件でICチップとIC基板とを熱圧着した。さらに、150℃−2時間の条件でキュアし、実装体を得た。この実装体について、前述のように濡れ性の評価、導通抵抗の評価、及びボイドの評価を行った。なお、フリップチップボンダー使用時における温度は、サンプルの実温を測定したものである。
【0107】
(評価結果)
表2に、実施例1の評価結果を示す。第1の接着剤層の溶融粘度と第2の接着剤層の溶融粘度との比の最大値は70であった。また、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比は1.03であった。また、搭載時における第1の接着剤層の厚みHb1は25μmであった。また、実装体のハンダ濡れ性の評価は◎、導通抵抗の評価は◎、及びボイドの評価は○であった。
【0108】
[実施例2]
(回路接続材料の作製)
第1の接着剤層としてNCF−Aを使用し、第2の接着剤層としてNCF−Cを使用し、ロールラミネータを用いてラミネートし、NCF−A(Ha1=25μm)/NCF−C(Ha2=25μm)の2層構成のアンダーフィルフィルムを作製した。
【0109】
(実装体の作製)
アンダーフィルフィルム以外は、実施例1と同様に実装体を作製した。すなわち、図1に示す断面図において、半導体チップ10の電極12の厚みHe1は20μmであり、ハンダ13の厚みHsは16μmであった。また、回路基板30の電極32の厚みHe2は20μmであった。また、第1の接着剤層21の厚みHa1は25μmであり、第2の接着剤層22の厚みHa2は25μmであった。
【0110】
(評価結果)
表2に、実施例2の評価結果を示す。第1の接着剤層の溶融粘度と第2の接着剤層の溶融粘度との比の最大値は12であった。また、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比は1.03であった。また、搭載時における第1の接着剤層の厚みHb1は25μmであった。また、実装体のハンダ濡れ性の評価は◎、導通抵抗の評価は◎、及びボイドの評価は◎であった。
【0111】
[実施例3]
(回路接続材料の作製)
第1の接着剤層としてNCF−Aを使用し、第2の接着剤層としてNCF−Bを使用し、ロールラミネータを用いてラミネートし、NCF−A(Ha1=15μm)/NCF−B(Ha2=35μm)の2層構成のアンダーフィルフィルムを作製した。
【0112】
(実装体の作製)
アンダーフィルフィルム以外は、実施例1と同様に実装体を作製した。すなわち、図1に示す断面図において、半導体チップ10の電極12の厚みHe1は20μmであり、ハンダ13の厚みHsは16μmであった。また、回路基板30の電極32の厚みHe2は20μmであった。また、第1の接着剤層21の厚みHa1は15μmであり、第2の接着剤層22の厚みHa2は35μmであった。
【0113】
(評価結果)
表2に、実施例3の評価結果を示す。第1の接着剤層の溶融粘度と第2の接着剤層の溶融粘度との比の最大値は70であった。また、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比は1.03であった。また、搭載時における第1の接着剤層の厚みHb1は15μmであった。また、実装体のハンダ濡れ性の評価は◎、導通抵抗の評価は◎、及びボイドの評価は○であった。
【0114】
[実施例4]
(回路接続材料の作製)
第1の接着剤層としてNCF−Aを使用し、第2の接着剤層としてNCF−Bを使用し、ロールラミネータを用いてラミネートし、NCF−A(Ha1=30μm)/NCF−B(Ha2=20μm)の2層構成のアンダーフィルフィルムを作製した。
【0115】
(実装体の作製)
アンダーフィルフィルム以外は、実施例1と同様に実装体を作製した。すなわち、図1に示す断面図において、半導体チップ10の電極12の厚みHe1は20μmであり、ハンダ13の厚みHsは16μmであった。また、回路基板30の電極32の厚みHe2は20μmであった。また、第1の接着剤層21の厚みHa1は30μmであり、第2の接着剤層22の厚みHa2は20μmであった。
【0116】
(評価結果)
表2に、実施例4の評価結果を示す。第1の接着剤層の溶融粘度と第2の接着剤層の溶融粘度との比の最大値は70であった。また、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比は1.03であった。また、搭載時における第1の接着剤層の厚みHb1は30μmであった。また、実装体のハンダ濡れ性の評価は◎、導通抵抗の評価は◎、及びボイドの評価は○であった。
【0117】
[実施例5]
(回路接続材料の作製)
第1の接着剤層としてNCF−Aを使用し、第2の接着剤層としてNCF−Eを使用し、ロールラミネータを用いてラミネートし、NCF−A(Ha1=40μm)/NCF−E(Ha2=30μm)の2層構成のアンダーフィルフィルムを作製した。
【0118】
(実装体の作製)
アンダーフィルフィルム以外は、実施例1と同様に実装体を作製した。すなわち、図1に示す断面図において、半導体チップ10の電極12の厚みHe1は20μmであり、ハンダ13の厚みHsは16μmであった。また、回路基板30の電極32の厚みHe2は20μmであった。また、第1の接着剤層21の厚みHa1は40μmであり、第2の接着剤層22の厚みHa2は30μmであった。
【0119】
(評価結果)
表2に、実施例5の評価結果を示す。第1の接着剤層の溶融粘度と第2の接着剤層の溶融粘度との比の最大値は70であった。また、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比は0.47であった。また、搭載時における第1の接着剤層の厚みHb1は15μmであった。また、実装体のハンダ濡れ性の評価は◎、導通抵抗の評価は◎、及びボイドの評価は○であった。
【0120】
[実施例6]
(回路接続材料の作製)
第1の接着剤層としてNCF−Aを使用し、第2の接着剤層としてNCF−Dを使用し、ロールラミネータを用いてラミネートし、NCF−A(Ha1=25μm)/NCF−D(Ha2=25μm)の2層構成のアンダーフィルフィルムを作製した。
【0121】
(実装体の作製)
アンダーフィルフィルム以外は、実施例1と同様に実装体を作製した。すなわち、図1に示す断面図において、半導体チップ10の電極12の厚みHe1は20μmであり、ハンダ13の厚みHsは16μmであった。また、回路基板30の電極32の厚みHe2は20μmであった。また、第1の接着剤層21の厚みHa1は25μmであり、第2の接着剤層22の厚みHa2は25μmであった。
【0122】
(評価結果)
表2に、実施例6の評価結果を示す。第1の接着剤層の溶融粘度と第2の接着剤層の溶融粘度との比の最大値は4であった。また、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比は1.01であった。また、搭載時における第1の接着剤層の厚みHb1は25μmであった。また、実装体のハンダ濡れ性の評価は○、導通抵抗の評価は◎、及びボイドの評価は◎であった。
【0123】
[実施例7]
(回路接続材料の作製)
第1の接着剤層としてNCF−Aを使用し、第2の接着剤層としてNCF−Bを使用し、ロールラミネータを用いてラミネートし、NCF−A(Ha1=10μm)/NCF−B(Ha2=40μm)の2層構成のアンダーフィルフィルムを作製した。
【0124】
(実装体の作製)
アンダーフィルフィルム以外は、実施例1と同様に実装体を作製した。すなわち、図1に示す断面図において、半導体チップ10の電極12の厚みHe1は20μmであり、ハンダ13の厚みHsは16μmであった。また、回路基板30の電極32の厚みHe2は20μmであった。また、第1の接着剤層21の厚みHa1は10μmであり、第2の接着剤層22の厚みHa2は40μmであった。
【0125】
(評価結果)
表2に、実施例7の評価結果を示す。第1の接着剤層の溶融粘度と第2の接着剤層の溶融粘度との比の最大値は70であった。また、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比は1.03であった。また、搭載時における第1の接着剤層の厚みHb1は10μmであった。また、実装体のハンダ濡れ性の評価は○、導通抵抗の評価は◎、及びボイドの評価は○であった。
【0126】
【表2】
【0127】
[比較例1]
(回路接続材料の作製)
第1の接着剤層としてNCF−Bを使用し、第2の接着剤層としてNCF−Aを使用し、ロールラミネータを用いてラミネートし、NCF−B(Ha1=25μm)/NCF−A(Ha2=25μm)の2層構成のアンダーフィルフィルムを作製した。
【0128】
(実装体の作製)
アンダーフィルフィルム以外は、実施例1と同様に実装体を作製した。すなわち、図1に示す断面図において、半導体チップ10の電極12の厚みHe1は20μmであり、ハンダ13の厚みHsは16μmであった。また、回路基板30の電極32の厚みHe2は20μmであった。また、第1の接着剤層21の厚みHa1は25μmであり、第2の接着剤層22の厚みHa2は25μmであった。
【0129】
(評価結果)
表3に、比較例1の評価結果を示す。第1の接着剤層の溶融粘度と第2の接着剤層の溶融粘度との比の最大値は0.045であった。また、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比は0.97であった。また、搭載時における第1の接着剤層の厚みHb1は25μmであった。また、実装体のハンダ濡れ性の評価は×、導通抵抗の評価は×、及びボイドの評価は○であった。
【0130】
[比較例2]
(回路接続材料の作製)
第1の接着剤層としてNCF−Aを使用し、第2の接着剤層としてNCF−Bを使用し、ロールラミネータを用いてラミネートし、NCF−A(Ha1=5μm)/NCF−B(Ha2=45μm)の2層構成のアンダーフィルフィルムを作製した。
【0131】
(実装体の作製)
アンダーフィルフィルム以外は、実施例1と同様に実装体を作製した。すなわち、図1に示す断面図において、半導体チップ10の電極12の厚みHe1は20μmであり、ハンダ13の厚みHsは16μmであった。また、回路基板30の電極32の厚みHe2は20μmであった。また、第1の接着剤層21の厚みHa1は5μmであり、第2の接着剤層22の厚みHa2は45μmであった。
【0132】
(評価結果)
表3に、比較例2の評価結果を示す。第1の接着剤層の溶融粘度と第2の接着剤層の溶融粘度との比の最大値は70であった。また、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比は1.03であった。また、搭載時における第1の接着剤層の厚みHb1は5μmであった。また、実装体のハンダ濡れ性の評価は×、導通抵抗の評価は×、及びボイドの評価は○であった。
【0133】
[比較例3]
(回路接続材料の作製)
第1の接着剤層としてNCF−Aを使用し、第2の接着剤層としてNCF−Bを使用し、ロールラミネータを用いてラミネートし、NCF−A(Ha1=40μm)/NCF−B(Ha2=10μm)の2層構成のアンダーフィルフィルムを作製した。
【0134】
(実装体の作製)
アンダーフィルフィルム以外は、実施例1と同様に実装体を作製した。すなわち、図1に示す断面図において、半導体チップ10の電極12の厚みHe1は20μmであり、ハンダ13の厚みHsは16μmであった。また、回路基板30の電極32の厚みHe2は20μmであった。また、第1の接着剤層21の厚みHa1は40μmであり、第2の接着剤層22の厚みHa2は10μmであった。
【0135】
(評価結果)
表3に、比較例3の評価結果を示す。第1の接着剤層の溶融粘度と第2の接着剤層の溶融粘度との比の最大値は70であった。また、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比は1.03であった。また、搭載時における第1の接着剤層の厚みHb1は40μmであった。また、実装体のハンダ濡れ性の評価は×、導通抵抗の評価は×、及びボイドの評価は○であった。
【0136】
[比較例4]
(回路接続材料の作製)
第1の接着剤層としてNCF−Aを使用し、第2の接着剤層としてNCF−Eを使用し、ロールラミネータを用いてラミネートし、NCF−A(Ha1=20μm)/NCF−E(Ha2=50μm)の2層構成のアンダーフィルフィルムを作製した。
【0137】
(実装体の作製)
アンダーフィルフィルム以外は、実施例1と同様に実装体を作製した。すなわち、図1に示す断面図において、半導体チップ10の電極12の厚みHe1は20μmであり、ハンダ13の厚みHsは16μmであった。また、回路基板30の電極32の厚みHe2は20μmであった。また、第1の接着剤層21の厚みHa1は20μmであり、第2の接着剤層22の厚みHa2は50μmであった。
【0138】
(評価結果)
表3に、比較例4の評価結果を示す。第1の接着剤層の溶融粘度と第2の接着剤層の溶融粘度との比の最大値は22であった。また、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比は0.47であった。また、搭載時における第1の接着剤層の厚みHb1は2μmであった。また、実装体のハンダ濡れ性の評価は×、導通抵抗の評価は×、及びボイドの評価は○であった。
【0139】
[比較例5]
(回路接続材料の作製)
第1の接着剤層としてNCF−Aを使用し、第2の接着剤層としてNCF−Bを使用し、ロールラミネータを用いてラミネートし、NCF−A(Ha1=25μm)/NCF−B(Ha2=25μm)の2層構成のアンダーフィルフィルムを作製した。
【0140】
(実装体の作製)
アンダーフィルフィルム、及び、150℃−5秒−10Nの条件で加熱加圧後、200℃−20秒−30Nの条件で熱圧着した以外は、実施例1と同様に実装体を作製した。すなわち、図1に示す断面図において、半導体チップ10の電極12の厚みHe1は20μmであり、ハンダ13の厚みHsは16μmであった。また、回路基板30の電極32の厚みHe2は20μmであった。また、第1の接着剤層21の厚みHa1は25μmであり、第2の接着剤層22の厚みHa2は25μmであった。
【0141】
(評価結果)
表3に、比較例5の評価結果を示す。第1の接着剤層の溶融粘度と第2の接着剤層の溶融粘度との比の最大値は70であった。また、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比は1.03であった。また、搭載時における第1の接着剤層の厚みHb1は25μmであった。また、実装体のハンダ濡れ性の評価は×、導通抵抗の評価は×、及びボイドの評価は○であった。
【0142】
[従来例]
(回路接続材料の作製)
NCF−A(厚み50μm)の1層構成のアンダーフィルフィルムを作製した。
【0143】
(実装体の作製)
アンダーフィルフィルム以外は、実施例1と同様に実装体を作製した。すなわち、図1に示す断面図において、半導体チップ10の電極12の厚みHe1は20μmであり、ハンダ13の厚みHsは16μmであった。また、回路基板30の電極32の厚みHe2は20μmであった。
【0144】
(評価結果)
表3に、従来例の評価結果を示す。実装体のハンダ濡れ性の評価は×、導通抵抗の評価は×、及びボイドの評価は◎であった。
【0145】
【表3】
【0146】
比較例1は、第2の接着剤層の最低溶融粘度到達温度T2が第1の接着剤層の最低溶融粘度到達温度T1よりも低く、T1<T2を満たさないため、対向電極へハンダが濡れ広がらず、温度サイクル(TCT)試験後の導通抵抗がOPENとなる端子が発生した。
【0147】
比較例2は、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比が0.8以上の場合であって、搭載前における第1の接着剤層の厚みHa1が厚み基準値よりも小さいため、搭載後の第1の接着剤層の厚みHb1が式(1)を満たさなくなる。このため、比較例2は、対向電極へハンダが濡れ広がらず、温度サイクル(TCT)試験後の導通抵抗がOPENとなる端子が発生した。
【0148】
比較例3は、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比が0.8以上の場合であって、搭載前における第1の接着剤層の厚みHa1が厚み基準値よりも大きいため、搭載後の第1の接着剤層の厚みHb1が式(1)を満たさなくなる。このため、比較例3は、対向電極へハンダが濡れ広がらず、温度サイクル(TCT)試験後の導通抵抗がOPENとなる端子が発生した。
【0149】
比較例4は、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比が0.6以下の場合であって、搭載前における第2の接着剤層の厚みHa2が厚み基準値よりも大きいため、搭載後の第1の接着剤層の厚みHb1が式(1)を満たさなくなる。このため、比較例4は、対向電極へハンダが濡れ広がらず、温度サイクル(TCT)試験後の導通抵抗がOPENとなる端子が発生した。
【0150】
比較例5は、圧着時の加熱温度がハンダ融点よりも低いため、対向電極へハンダが濡れ広がらず、温度サイクル(TCT)試験後の導通抵抗がOPENとなる端子が発生した。
【0151】
従来例は、対向電極へハンダが濡れ広がらないため、温度サイクル(TCT)試験後の導通抵抗がOPENとなる端子が発生した。
【0152】
一方、実施例1〜4、6、7は、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比が0.8以上の場合であって、搭載前における第1の接着剤層の厚みHa1が厚み基準値の範囲であるため、搭載後の第1の接着剤層の厚みHb1が式(1)を満たすものとなる。このため、対向電極へハンダが十分に濡れ広がり、温度サイクル(TCT)試験後の導通抵抗がOPENとなる端子は発生しなかった。
【0153】
また、実施例5は、搭載温度(100℃)における第1の接着剤層の溶融粘度η1と第2の接着剤層の溶融粘度η2との比が0.6以下の場合であって、搭載前における第2の接着剤層の厚みHa2が厚み基準値の範囲であるため、搭載後の第1の接着剤層の厚みHb1が式(1)を満たすものとなる。このため、対向電極へハンダが十分に濡れ広がり、温度サイクル(TCT)試験後の導通抵抗がOPENとなる端子は発生しなかった。
【0154】
また、実施例2、6は、第1の接着剤層及び第2の接着剤層の両方が、エポキシ系とラジカル系の2種類の硬化反応を有するため、搭載温度と圧着時の最高到達温度との差が70℃以上あるような急加熱を行っても、ボイドの発生を防ぐことができた。
【符号の説明】
【0155】
1 ウエハ、 2 アンダーフィルフィルム、 3 治具、 4 ブレード、 10 半導体チップ、11 半導体、12 電極、13 ハンダ、20 回路接続材料、21 第1の接着剤層、22 第2の接着剤層、 30 回路基板、31 基材、32 対向電極
図1
図2
図3
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図5
図6
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図9
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図11