(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な装飾表示装置と、遊技領域を流下する遊技球の始動入賞領域への入賞に基づき前記変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段と、当該遊技制御手段からの指令情報に基づき前記変動表示ゲームの表示制御を行う演出制御手段と、を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果となった場合に、遊技領域を流下する遊技球を受け入れ可能な状態に変動入賞装置を開閉させることにより遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記遊技制御手段は、前記停止結果態様が特別結果となった場合に、前記変動入賞装置を開閉可能とする変動入賞装置開閉制御手段を備え、
前記特別遊技状態は、
前記停止結果態様が所定の第1特別結果となった場合に、前記変動入賞装置開閉制御手段が前記変動入賞装置の動作態様として第1動作態様を選択する第1特別遊技状態と、
前記停止結果態様が所定の第2特別結果となった場合に、前記変動入賞装置開閉制御手段が前記変動入賞装置の動作態様として前記第1動作態様よりも遊技者が獲得可能な遊技価値が少ない第2動作態様を選択する第2特別遊技状態と、を含み、
前記遊技制御手段は、特定条件の成立を契機として、遊技状態を第1遊技状態から当該第1遊技状態よりも前記第2特別遊技状態となる頻度が高い第2遊技状態へと変更する遊技状態変更手段を備え、
前記演出制御手段は、前記遊技状態として前記第2遊技状態が設定されている間、所定の特定演出を実行し、
前記特定演出は、前記第2特別遊技状態中も進行される連続演出であることを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機の斜視図が示されている。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(
図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0016】
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、上皿21の上面右側には、上皿内の遊技球を下皿23へ移動させるための球抜き操作部26が設けられている。
【0017】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が操作ダイヤル24を回動操作すると、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作するによって、遊技開始時にログイン操作をしたり、遊技終了時にログアウト操作を取得するとともに、表示装置41(
図2参照)で実行される変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができるようにされている。
【0018】
次に、
図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。
この実施例の遊技盤においては、遊技領域32のほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられ、センターケース40の中央に形成された開口窓部より表示装置41の表示部が臨むように配置されている。即ち、センターケース40の周縁部には装飾部材が形成され表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0019】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0020】
さらに、本実施形態では、遊技領域32のセンターケース40の左側に、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(
図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0021】
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(
図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方は、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(変動入賞装置、大入賞口)38が配設されている。
【0022】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(
図3参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
【0023】
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(
図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
さらに、センターケース40の右側部には左右に移動可能な盤演出装置としての装飾役物44が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下隅)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0024】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特
図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特
図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部および各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を有するLED表示部53とを備える。また、一括表示装置50のLED表示部53には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
【0025】
特
図1表示器51と特
図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
このように、表示装置41とは別に、特図変動表示ゲームを実行する特
図1表示器51と特
図2表示器52が設けられているため、表示装置41では当該遊技機の変動表示ゲームに関する演出ではなく他の遊技機の演出と連動した演出を行うようにしても、当該遊技機の本来の変動表示ゲームはきちんと実行することができる。
【0026】
LED表示部53の普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特
図1保留表示器は、特
図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
【0027】
LED表示部53の特
図2保留表示器は、特
図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特
図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
【0028】
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。第3遊技状態表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor16ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0029】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠の上皿又は下皿に排出される。
【0030】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(
図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
【0031】
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図始動ゲート34を遊技領域32の右側に設けることで、普図始動ゲート34を狙って遊技領域32の右側へ遊技球を発射すると特別変動入賞装置38へ入賞しにくくし、特別変動入賞装置38を狙って遊技領域32の左側へ遊技球を発射すると普図始動ゲート34へ入賞しないような遊技盤を実現することができる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
【0032】
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(
図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0033】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(
図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
【0034】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特
図1表示器51または特
図2表示器52(変動表示装置)で第1または第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特
図1表示器51若しくは特
図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
なお、この実施例では、特
図2表示器の第2変動表示ゲームで停止結果態様が特別結果態様となった場合と、特
図1表示器の第1変動表示ゲームで停止結果態様が特別結果態様となった場合とで遊技者に付与する利益(例えばラウンド数)を同一にしているが、よりも、第2変動表示ゲームで停止結果態様が特別結果態様となった場合の方が遊技者に付与する利益を多くなるように設定してもよい。また、2種類の大入賞口を設けて、第2変動表示ゲームで特別結果態様となった場合と、第1変動表示ゲームで特別結果態様となった場合とで、開放する大入賞口を変えるようにしても良い。
【0035】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特
図1表示器51、特
図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。
【0036】
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0037】
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
【0038】
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。第2特図変動表示ゲームを、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行せず、始動入賞の発生順に特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0039】
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムの構成例を示す。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0040】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0041】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0042】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0043】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が16R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0044】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0045】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
【0046】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、ロングリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<ロングリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0047】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御手段(演出制御装置)300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0048】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理(
図10参照)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0049】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0050】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0051】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0052】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0053】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0054】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0055】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。
なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0056】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。
また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を保証するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0057】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを、中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0058】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0059】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0060】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0061】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0062】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0063】
次に、
図4を用いて、演出制御手段としての演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314と、現在時刻を計時するリアルタイムクロック回路316と、を備えている。リアルタイムクロック回路316は、電池などの内蔵電源を備え、電源遮断中も計時動作を継続できるように構成されている。
【0064】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データ、コマンドリストが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には圧縮された音声データやフレーズ再生処理に必要なシーケンス、簡易アクセスのためのコマンド列等が記憶された音声ROM324が接続されている。
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAM311a,312aは、それぞれのチップ内部に設けられているが、チップの外部に設けるようにしてもよい。
【0065】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)305や、画像データを描画処理するための描画回路306、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する表示回路308などが設けられている。VDP313については後に詳しく説明する。
【0066】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0067】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0068】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくる演出制御コマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
なお、本実施形態においては、演出制御コマンドは16ビットで構成されており、これを8ビットのデータバスとストローブ信号SSBTで送信するため、16ビットの演出制御コマンドを8ビットの前半コマンド(MODE)と後半コマンド(ACTION)とに分けて、ストローブ信号SSBTを2度立ち上げることで送信し、受信側ではSSBの立ち上がりに同期してコマンドを取り込むようになっている。
【0069】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める装飾役物44等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠に設けられているLEDやモータ等の枠演出装置(例えばムービングライト16のモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0070】
さらに、演出制御装置300には、遊技機の前面枠12に設けられ遊技者が操作可能な演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25a、上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチ44aのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
【0071】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0072】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0073】
次に、遊技制御装置100および演出制御装置300において行われる大まかな遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、LED表示部53において、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、LED表示部53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
【0074】
なお、本実施形態においては、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、LED表示部53に、はずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)をRAM111Cに記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。従って、RAM111Cは、始動入賞記憶手段として機能する。
【0075】
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御情報(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特
図1表示器51や特
図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
【0076】
一方、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特
図1表示器51や特
図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態(16R大当りまたは2R大当り)を発生させる処理を行う。この特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
【0077】
そして、大当りの場合には大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1.8秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、16回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
さらに、本実施形態の遊技機においては、特図変動表示ゲームの結果態様が小当りとなると、大当りの際よりも遊技者が獲得可能な遊技価値(賞球)が少ない遊技状態(小当り遊技)を発生させる処理を行う。この小当り遊技では、2R大当りと同様に、大入賞口の開放(例えば1.8秒)を2回繰り返す制御を行う。
【0078】
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特
図1表示器51や特
図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
さらに、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に遊技状態として大当りの発生確率を高い確変状態を発生したり、特定の条件の成立で小当りの発生確率の高い小当りモードを発生可能となっている。
なお、大当りはいわゆる条件装置の作動を伴う当りのことであり、小当りは条件装置の作動を伴わない当りである。ここで、条件装置が作動するとは、例えば大当たり状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38の開閉扉38cを連続して開閉させるための大当たりフラグがセットされることを意味し、条件装置が作動しないとは大当たりフラグがセットされないことを意味する。
【0079】
小当りモードでは、例えば通常は1/100の当選確率を1/5の当選確率に高める。「特定の条件」としては、小当りの一部(当り乱数値が所定の値となった)への当選や、別途に設けた確率決定用の乱数の抽選、特図変動表示ゲームが所定回数連続して外れとなる天井条件の成立などが考えられる。また、小当りモードの終了条件としては、モードに移行した後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行したことや、モードに移行した後に所定時間が経過したこと、乱数によるモードからの転落抽選などが考えられる。なお、小当りモードの終了条件としての所定回数は1つ(例えば10回)に限定されず、抽選により10回、25回、50回等のいずれかに設定しても良い。また、この場合、所定回数ごとに継続演出を挟むようにしても良い。
一方、大当りに関する確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
【0080】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
【0081】
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、大当りの確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0082】
以下、上記のような遊技制御を実行する上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される処理について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に
図5及び
図6に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる
図7に示すタイマ割込み処理とからなる。
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、
図5に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0083】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ:RAM111C)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0084】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、
図6のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
【0085】
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、
図6のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図6のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
【0086】
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
【0087】
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0088】
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
ステップS32に続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0089】
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0090】
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0091】
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
【0092】
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0093】
次に、タイマ割込み処理について
図7のフローチャートを用いて説明する。
図7に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0094】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
【0095】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0096】
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について、
図8を用いて説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図8に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
【0097】
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
【0098】
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理へ移行するために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当り(16R)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0099】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理へ移行するために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理へ移行するために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0100】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)へ移行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0101】
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当り(2R)の大入賞口開放時間の設定や開放回数の更新、小当り中処理へ移行するために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA16)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「8」の場合は、小当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば小当り終了画面のコマンドを設定する処理や、小当り残存球処理へ移行するために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA17)を行う。
【0102】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理へ移行するために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA18)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理(ステップA9)へ移行するために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA19)を行う。
【0103】
上記ステップA9〜A19を実行すると、ステップA20へ移行して、特
図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後、特
図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA21)を行う。その後、特
図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA22)、特
図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA23)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定した場合も、ステップA20に移行して、それ以降の処理を行う。
以上説明したように、本実施形態においては、遊技制御装置100が変動表示ゲーム実行手段および特別遊技状態制御手段として機能する。
【0104】
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。
図9に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
【0105】
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定して(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(Yes)と判定すると、ステップA116へ移行する。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
【0106】
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(No)と判定すると、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上である(Yes)と判定された場合は、ステップA116,A117をスキップして始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0107】
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について、
図10を用いて説明する。
なお、この特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図10に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、大当り乱数をロード(抽出)する(ステップA204)。
【0108】
続いて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA205)。そして、ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;Yes)と判定された場合は、処理をステップA209に移行する。
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
【0109】
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定された場合は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特
図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行う。
続いて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA212)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA213)、該コマンドを演出制御装置300へ送信するためのコマンド設定処理(ステップA214)を行う。
【0110】
その後、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA215)を行った後、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。
ステップA216の後は、監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述の特図保留情報判定処理(ステップA222)にて使用するために準備する(ステップA217)。そして、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA218)。
【0111】
次に、対応する変動パターン乱数1をロード(変動パターン乱数1を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブ(ステップA219)した後、対応する変動パターン乱数2をロード(変動パターン乱数2を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA220)。続いて、対応する変動パターン乱数3をロード(変動パターン乱数3を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。その後、特図保留情報判定処理(ステップA222)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、RWM(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて各種乱数を抽出し、該抽出された各種乱数を始動記憶として記憶可能な始動記憶手段をなす。
【0112】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA222)の詳細について、
図11を用いて説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。従って、本実施形態においては、遊技制御装置100が始動記憶の事前判定手段として機能する。
【0113】
図11に示すように、先ず、先読み演出を実行してもよい条件を満たしているかチェックする(ステップA231)。そして、条件を満たしていない(ステップA232;No)と判定すると、何もせずに当該特図保留情報判定処理から抜ける。一方、先読み演出を実行してもよい条件を満たしている(ステップA232;Yes)と判定すると、大当り判定処理(ステップA233)を行う。
そして、判定処理結果は大当りか否かの判定(ステップA234)を行い、大当りである(Yes)と判定された場合には、次のステップA235で監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し、大当り図柄乱数チェックして対応する大当り情報テーブルを取得して設定する処理(ステップA236)を行って、ステップA241へ移行する。
【0114】
一方、ステップA234で判定処理結果が大当りでない(No)と判定すると、ステップA237へ移行して大当り乱数に基づいて小当りを発生するか否かを判定する小当り判定処理を行い、判定処理結果が小当りでない(ステップA238;No)と判定すると、はずれ情報テーブルを設定する処理(ステップA239)を行った後、ステップA241へ移行する。また、ステップA238で判定処理結果が小当りである(Yes)と判定した場合は、監視対象の始動口スイッチに対応する小当り情報テーブルを設定する小当り情報テーブル設定処理(ステップA240)を行って、ステップA241へ移行する。
ステップA241では、ステップA236,A239またはA240で設定されたテーブルから図柄情報を取得して、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする。続いて、大当り情報テーブルまたははずれ情報テーブル、小当り情報テーブルから監視対象の始動口入賞演出図柄コマンドを取得して、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA242)。
【0115】
次に、始動口スイッチ33aまたは34aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA243)、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備し(ステップA244)、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA245)を行った後、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA246)を行う。その後、ステップA248へ移行して、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う。
【0116】
そして、変動パターンの前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備(ステップA249)した後、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備(ステップA250)し、該コマンドを演出制御装置300へ送信するためのコマンド設定処理(ステップA251)を行う。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA252)、コマンド設定処理(ステップA253)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。表示装置41に表示する保留の表示態様で先読み演出を実行する場合には、ステップA252で演出制御装置へ送信する先読みコマンドが準備されることとなる。
上記処理により、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、例えば表示装置41に表示される特図保留図柄を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。以上の説明より、本実施形態においては、遊技制御装置100が、遊技結果事前判定手段として機能することが分かる。
【0117】
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図12に示すように、特図普段処理では、先ず、特
図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。
ここで、特
図2保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、特
図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。そして、特
図1保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモフラグをセーブする処理(ステップA307)を行う。
【0118】
続いて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、該コマンドを演出制御装置300へ送信するためのコマンド設定処理(ステップA309)を行う。
一方、ステップA306にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA310に移行する。
【0119】
次に、特図普段処理移行設定処理(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。なお、ステップA310における特図普段処理移行設定処理の詳細については後述する。
一方、ステップA302にて、特
図2保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特
図2変動開始処理(ステップA311)を行う。なお、ステップA311における特
図2変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特
図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)を行って、特図普段処理を終了する。
【0120】
また、ステップA304にて、特
図1保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特
図1変動開始処理(ステップA313)を行う。なお、ステップA313における特
図1変動開始処理の詳細については後述する。その後、特
図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA314)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA301とステップA302における特
図2保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における特
図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特
図2保留数が0でない場合には、特
図2変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
【0121】
次に、上述の特図普段処理における特
図1変動開始処理(ステップA313)および特
図2変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。
特
図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、
図13(A)に示すように、先ず、大当り乱数に基づいて第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。続いて、大当り乱数に基づいて、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報や、小当りの発生確率を低確率とするか高確率とするか示す小当り確率変動判定フラグを設定する小当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特
図1停止図柄)の設定に係る特
図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、第1特図停止図柄番号(特
図1停止図柄番号)に対応する信号を試験ポートより出力させるための試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA324)。
続いて、特
図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄情報をロードし、当該停止図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA325)。
【0122】
次に、特
図1変動フラグを設定して準備し(ステップA326)、特
図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブ(ステップA327)してから、変動パターンを選択するための変動パターンテーブルを設定する変動パターンテーブル設定処理(ステップA328)を行う。変動パターンテーブル設定処理(ステップA328)については、後に
図14を用いて説明する。
ステップA328に続いて、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA329)を行う。続いて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA330)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA331)を行う。
その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA332)を行って、特
図1変動開始処理を終了する。
【0123】
次に、上述の特図普段処理における特
図2変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。
特
図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、
図13(B)に示すように、先ず、大当り乱数に基づいて第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA341)を行う。続いて、大当り乱数に基づいて、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報や、小当りの発生確率を低確率とするか高確率とするか示す小当り確率変動判定フラグを設定する小当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特
図2停止図柄の設定に係る特
図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、特
図2停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA344)。続いて、特
図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードし、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA345)。
【0124】
次に、特
図2変動フラグを設定して準備し(ステップA346)、特
図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブ(ステップA347)してから、変動パターンを選択するための変動パターンテーブルを設定する変動パターンテーブル設定処理(ステップA348)を行う。
続いて、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA349)、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA350)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA351)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA352)を行って、特
図2変動開始処理を終了する。
【0125】
図14には、特
図1変動開始処理中の変動パターンテーブル設定処理(ステップA327)と特
図2変動開始処理中の変動パターンテーブル設定処理(ステップA347)の手順が示されている。
図14に示すように、変動パターンテーブル設定処理においては、先ず
図13のステップA322またはA342で設定される小当り確率変動判定フラグを参照して小当り高確率中であるか否か判定(ステップA371)し、小当り高確率中である(Yes)であると判定すると、ステップA372へ進み、変動パターンに関する情報を設定するテーブルとして
図15(B)に示すような小当りモード用変動パターンテーブルを準備して、変動パターンテーブル設定処理から抜ける。
【0126】
また、上記ステップA371で小当り高確率中でない(No)であると判定すると、ステップA373へ移行して、
図23のステップA717で設定される小当りモードフラグがオン状態になっているか否か判定し、小当りモードフラグがオン状態になっている(Yes)と判定すると、ステップA372へ移行して変動パターンに関する情報を設定するテーブルとして
図15(B)に示すような小当りモード用変動パターンテーブルを準備する。また、ステップA373で、小当りモードフラグがオン状態になっていない(No)であると判定すると、ステップA374へ進み、変動パターンに関する情報を設定するテーブルとして例えば
図15(A)に示すような通常変動パターンテーブルを準備して、変動パターンテーブル処理から抜ける。
【0127】
図15には、
図14の変動パターンテーブル設定処理中で参照される変動パターンテーブルの例が示されている。このうち、
図15(A)は小当りモードでない場合(小当り低確率時)に、変動パターンに関する情報を設定するための通常変動パターンテーブルである。
図15(A)より、小当りモードでない場合に変動表示ゲームで小当りに当選すると、必ず変動パターン3が選択される。そして、この場合、変動表示ゲーム開始時点から小当りモードの演出が行われることが分かる。ここで、小当りに当選していない変動表示ゲームにおいて変動パターン3が選択された場合には、小当りモード演出ではなくロングリーチに対応する演出が行われる。また、変動パターン1は変動表示ゲームの結果がはずれの場合にのみ選択される。一方、変動パターン5〜2は、変動表示ゲームの結果がはずれの場合でも稀に選択される。
【0128】
図15(B)は小当りモードである場合に変動パターンに関する情報を設定するための小当りモード用変動パターンテーブルである。
図15(B)より、小当りモードである場合に大当り(16R)に当選すると変動パターンE〜Cが選択され、小当りに当選すると変動時間の短い変動パターンBまたはAが選択されることが分かる。また、小当りモードである場合に当選した大当りが2Rであった場合には、小当りと同様に変動パターンBまたはAが選択される(ただし変動パターンBの方が多い)。つまり、実行される変動パターンからは、小当りに当選しているのか大当り(2R)に当選しているのか分からないようになっている。また、変動表示ゲームの結果がはずれの場合でも変動パターンBまたはAが選択される(ただし変動パターン1の方が多い)。従って、変動パターンBまたはAの変動表示ゲームは、はずれの場合もある。
上記のように、小当りモード中は大当り(16R)に当選する場合以外は、変動時間の短い変動パターン2または1が選択されることでテンポ良く変動表示ゲームを進行させ、遊技者が飽きないようにすることができる。また、小当りモード中に大当り(16R)に当選すると、変動時間の長いリーチの変動パターンが選択されるので、リーチの発生が大当りの報知となる。
【0129】
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理(
図8)における特図変動中処理(ステップA10)の詳細について説明する。
図16に示すように、特図変動中処理では、先ず、ステップA521で、特図変動開始処理(
図13)のステップA325、A345でセーブした図柄情報がはずれ図柄情報であるかチェックし、はずれ図柄情報でない(ステップA522:No)と判定すると、大当りまたは小当り図柄であるということであるため、ステップA523へ移行して特別結果態様が導出されて大当りまたは小当りとなる場合の特図表示時間ポインタを設定する。
【0130】
また、ステップA522で、はずれ図柄情報である(Yes)と判定すると、ステップS524へ進み、後半変動パターン設定処理にて設定された後半変動番号がリーチなしの番号であるか否かをチェックする。そして、後半変動番号がリーチなしの番号である(Yes)と判定すると、ステップA526へ進み、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合の特図表示時間ポインタを設定する処理を行う。一方、ステップA525にて、後半変動番号がリーチなしの番号でない、即ち、リーチありの番号である(ステップA525;No)と判定すると、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合であってリーチ状態が発生する場合の特図表示時間ポインタを設定する処理(ステップA527)を行う。
【0131】
その後、ステップA528へ進み、特図表示時間テーブルを設定し、該テーブルよりステップA523またはA526、A527の何れかにて設定された特図表示時間ポインタに対応する特図表示時間を取得する処理(ステップA529)を行う。ここで、はずれ時の特図表示時間は例えば600ms、はずれリーチ時の特図表示時間は例えば800ms、大当り時の特図表示時間は例えば3600ms、小当り時の特図表示時間は大当り時の特図表示時間とほぼ同一の時間である。
そして、取得された停止時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする処理(ステップA530)、特図表示中処理に移行するための準備(処理番号の設定等)を行う特図表示中処理移行設定処理(ステップA531)を実行し、当該特図変動中処理を終了する。
【0132】
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理(
図8)における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。
図17に示すように、特図表示中処理では、先ず、特
図2変動開始処理(
図13)における小当りフラグ2設定処理(ステップA342)にて設定された小当りフラグ2をロードして(ステップA541)、RWMの小当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA542)を行う。続いて、特
図1変動開始処理(
図13)における小当りフラグ1設定処理(ステップA322)にて設定された小当りフラグ1をロードして(ステップA543)、RWMの小当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA544)を行う。
【0133】
次に、特
図2変動開始処理(
図13)における大当りフラグ2設定処理(ステップA341)にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA545)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA546)を行う。
次に、ロードされた大当りフラグ2をチェックして(ステップA547)、大当りである(ステップA548;Yes)と判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA554)を行い、第2特図変動表示ゲームの大当り(特
図2大当り)に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA555)、ステップA556へ処理を移行する。
【0134】
一方、ステップA548にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA548;No)と判定すると、特
図1変動開始処理(
図13)における大当りフラグ1設定処理(ステップA321)にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA549)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA550)を行う。
続いて、ロードされた大当りフラグ1をチェックして(ステップA551)、大当りである(ステップA552;Yes)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特
図1大当り)に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA553)、ステップA556へ処理を移行する。
【0135】
そして、A556において特
図2の大当りに関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブした後、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理を行う。
次に、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA557)。続いて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポインタをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA558)。
【0136】
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA559)、該コマンドを演出制御装置300へ送信するためのコマンド設定処理(ステップA560)を行う。
続いて、停止図柄パターン情報に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA561)、コマンド設定処理(ステップA562)を行う。
その後、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA563)、コマンド設定処理(ステップA564)を行う。
【0137】
次に、大入賞口開放情報判定フラグに対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA565)。続いて、大入賞口開放情報判定フラグに対応するファンファーレ時間を設定して(ステップA566)、当該ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA567)。
その後、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA568)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA569)。そして、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するための設定処理1(ステップA570)を実行して、当該特図表示中処理から抜ける。
【0138】
一方、ステップA552にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA552;No)と判定すると、符号「2」に従って、
図18のステップA571へ移行して、小当りフラグ1が小当りかチェックして、小当りである(ステップA572;Yes)と判定すると、ステップA575へ移行する。また、ステップA571で小当りでない(No)と判定すると、ステップA573へ進み、小当りフラグ2が小当りかチェックして、小当りである(ステップA574;Yes)と判定すると、ステップA575へ移行する。
【0139】
ステップA575では、時間短縮変動回数を更新する処理を行い、続いて、小当り高確率変動回数を更新する処理(ステップA576)、小当りモードでの変動回数を更新する処理(ステップA577)を行う。それから、ステップA578へ進み、飾り特図コマンド領域からコマンドをロードして準備した後、該コマンドを演出制御装置300へ送信するためのコマンド設定処理(ステップA579)を行う。その後、ファンファーレコマンドを準備し(ステップA580)、コマンド設定処理(ステップA581)を行ってから、小当りファンファーレ中処理へ移行するための設定処理(ステップA582)を行って特図表示中処理から抜ける。
一方、ステップA574にて、小当りでない(ステップA574;No)と判定すると、ステップA583へ移行して、時間短縮変動回数を更新する処理を行い、続いて、小当り高確率変動回数を更新する処理(ステップA584)、小当りモードでの変動回数を更新する処理(ステップA585)を行う。それから、ステップA586へ進み、特図普段処理へ移行するための設定処理を行って特図表示中処理から抜ける。従って、遊技制御装置は小当り高確率状態(小当りモード)での変動表示ゲームの実行回数を計数する計数手段(カウンタ)として機能することが分かる。
【0140】
なお、ここで、小当り高確率変動回数更新処理(ステップA576,A584)と小当りモード変動回数更新処理(ステップA577,A585)という互いに類似する2つの回数更新処理を設けているのは、小当り高確率状態となることで小当りが多く発生する状態が長くなり過ぎると遊技店の利益が損なわれるので、高確率状態での変動表示ゲームの実行回数が所定数に達したら低確率状態へ移行する(
図20の処理)ことで回数制限するためと、小当りモードの制御を円滑に実行するため本実施例では小当りモードフラグなるフラグを設けており、該フラグの状態を適切に設定するためである(
図21の処理)。すなわち、本実施例では、変動表示ゲームの開始時に小当りモードの演出を開始するため、その際に小当りモードフラグをオンに設定するようにしているので、小当りモードフラグは小当り高確率状態でない場合にもオン状態にしたり、2R大当りに当選した場合にも小当りモード演出を実行するようにしているためである。
【0141】
次に、上記特図表示中処理(
図18)における時間短縮変動回数更新処理(ステップA575,A583)の詳細について説明する。
図19に示すように、時間短縮変動回数更新処理では、先ず、遊技状態が、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームを時短動作状態とし、普通変動入賞装置37の開放時間を延長する時短状態であるか否かを判定する(ステップA610)。
ステップA610で、遊技状態が時短状態でない(No)と判定すると、時間短縮変動回数更新処理から抜ける。また、時短状態である(ステップA610;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームが時短動作状態で行われる回数(例えば、100回)に係る時間短縮変動回数を更新(−1)した後(ステップA611)、当該更新後の時間短縮変動回数が0であるか否かを判定する処理(ステップA612)を行う。
【0142】
そして、時間短縮変動回数が0でない(ステップA612;No)と判定すると、時間短縮変動回数更新処理から抜ける。また、時間短縮変動回数が0である(ステップA612;Yes)と判定すると、即ち、時短状態にて特図変動表示ゲームが時短動作状態での所定回数の実行が完了した場合には、時短状態を終了する場合の確率情報コマンドを準備して(ステップA613)、該コマンドを演出制御装置300へ送信するためのコマンド設定処理(ステップA614)を行う。
その後、時短状態(時短制御)の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする処理(ステップA615)、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップA616)を行う。
さらに、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブする処理(ステップA617)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしフラグをセーブする処理(ステップA618)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする処理(ステップA619)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする処理(ステップA620)を行い、時間短縮変動回数更新処理から抜ける。
【0143】
〔小当り高確率変動回数更新処理〕
次に、上記特図表示中処理(
図18)における小当り高確率変動回数更新処理(ステップA576,A584)の詳細について説明する。
図20に示すように、小当り高確率変動回数更新処理では、先ず、遊技状態が、特図変動表示ゲームで小当りが発生する確率の高い小当り高確率状態であるか否かを判定する(ステップA621)。
ステップA621で、遊技状態が小当り高確率状態でない(No)と判定すると、小当り高確率変動回数更新処理から抜ける。また、小当り高確率状態である(ステップA621;Yes)と判定すると、小当り高確率状態で行われる特図変動表示ゲームの実行回数(例えば10回)を更新(−1)した後(ステップA622)、当該更新後の小当り高確率変動回数が0であるか否かを判定する処理(ステップA623)を行う。
【0144】
そして、小当り高確率変動回数が0でない(ステップA623;No)と判定すると、小当り高確率変動回数更新処理から抜ける。また、小当り高確率変動回数が0である(ステップA623;Yes)と判定すると、特図ゲームモードフラグ領域に小当り低確率フラグをセーブして(ステップA624)、小当り確率状態を演出制御装置300へ知らせる確率情報コマンドを設定するコマンド設定処理(ステップA625)を行う。
その後、小当り高確率状態の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする処理(ステップA626)、小当り高確率状態の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップA627)を行う。
さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(小当り低確率)をセーブする処理(ステップA628)を行い、時間短縮変動回数更新処理から抜ける。
【0145】
〔小当りモード変動回数更新処理〕
次に、上記特図表示中処理(
図18)における小当りモード変動回数更新処理(ステップA577,A585)の詳細について説明する。
図21に示すように、小当りモード変動回数更新処理では、先ず、遊技状態が、特図変動表示ゲームで小当りが発生する確率の高い小当り高確率状態であるか否かを判定する(ステップA631)。
ステップA631で、遊技状態が小当り高確率状態でない(No)と判定すると、ステップA632へ移行して小当りモードフラグがオンになっているか否かを判定する。
【0146】
ステップA632で、小当りモードフラグがオンになっていない(No)と判定すると、小当りモード変動回数更新処理から抜ける。また、遊技状態が、小当り高確率状態である(ステップA631;Yes)または小当りモードフラグがオンになっている(ステップA632;Yes)と判定すると、ステップA633へ移行して小当り高確率状態(小当りモード)で行われる特図変動表示ゲームの実行回数(小当りモード回数)を更新(−1)した後、当該更新後の小当りモード変動回数が0であるか否かを判定する処理(ステップA634)を行う。
そして、小当りモード変動回数が0でない(ステップA634;No)と判定すると、小当りモード変動回数更新処理から抜ける。また、小当りモード変動回数が0である(ステップA634;Yes)と判定すると、小当りモードフラグをオフにして(ステップA635)、小当りモード変動回数更新処理から抜ける。
【0147】
次に、上記特図表示中処理(
図18)における特図普段処理移行処理(ステップA582,A586)の詳細について説明する。
図22に示すように、特図普段処理移行処理では、先ず、特図普段処理(
図12)へ移行するために処理番号として「0」を設定(ステップA641)し、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA642)。次に、変動図柄判別フラグ領域の情報をリセット(ステップA643)し、大入賞口監視期間フラグ領域に不正監視期間中であることを示すフラグをセーブ(ステップA644)する。
【0148】
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
図23には、
図17の特図表示中処理のステップA570におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1の具体的な手順の一例が示されている。
このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、先ず処理番号として「3」を設定(ステップA701)し、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA702)。次に、外部情報端子に特別遊技状態(大当り状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブ(ステップA703)し、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率である状態や時短制御の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA704)。
【0149】
続いて、ラウンド数領域の情報をリセットする処理(ステップA705)、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブする処理(ステップA706)を実行した後、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしを示すフラグの情報をセーブする(ステップA707)。次に、変動図柄判別フラグ領域の情報をリセット(ステップA708)した後、高確率報知フラグ領域の情報をリセット(ステップA709)する。その後、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブ(ステップA710)し、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブ(ステップA711)してから、時短変動回数領域の情報をリセットする(ステップA712)。
【0150】
次に、ステップA713へ移行して小当り確率が高確率の状態であるか否か判定し、小当り確率が高確率の状態である(Yes)と判定するとステップA714へ進んで、特図ゲームモードフラグ領域に小当り低確率フラグをセーブしてから、小当り高確率変動回数領域をリセットする(ステップA715)。つまり、小当りモード中に大当りに当選した場合には、小当り確率が低確率に落ち、小当りモードは終了することとなる。
続いて、当該大当りは2R大当りであるか否か判定し(ステップA716)、2R大当りである(Yes)と判定するとステップA717へ進んで、小当りモードフラグをオンにしてファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1から抜ける。また、ステップA716で、2R大当りでない(No)と判定すると、ステップA717をスキップしてファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1から抜ける。つまり、小当りモード中に16R大当りに当選した場合には小当りモードは終了するが、2R大当りに当選した場合には小当りモード演出は継続することとなる。
【0151】
一方、ステップA713で、小当り確率が高確率の状態でない(No)と判定するとステップA718へ移行して、小当りモードフラグがオンであるか否か判定し、オンである(Yes)と判定するとステップA719へ進んで、当該大当りは2R大当りであるか否か判定し、2R大当りでない(No)と判定するとステップA720へ進んで、小当りモードフラグをオフにしてファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1から抜ける。また、ステップA718で小当りモードフラグがオンでない(No)と判定した場合やステップA719で当該大当りは2R大当りである(Yes)と判定した場合は、ステップA720をスキップしてファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1から抜ける。
【0152】
〔小当りファンファーレ中処理移行設定処理〕
図24(A)には、
図18の特図表示中処理のステップA582における小当りファンファーレ中処理移行設定処理の具体的な手順の一例が示されている。
この小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、先ず処理番号として「7」を設定(ステップA801)し、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA802)。次に、小当りファンファーレ時間を設定(ステップA803)し、その小当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA804)。その後、外部情報端子に小当り遊技の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブ(ステップA805)し、小当り遊技の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA806)。
【0153】
続いて、小当り用ラウンドLEDのポインタの値(アドレス)をラウンドLEDポインタ領域にセーブする処理(ステップA807)を実行した後、変動図柄判別フラグ領域の情報をリセット(ステップA808)し、大入賞口不正入賞数領域の情報をリセット(ステップA809)する。その後、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブ(ステップA810)して、小当りファンファーレ中処理移行設定処理から抜ける。
【0154】
〔小当りファンファーレ中処理〕
図24(B),(C)には、
図8の特図ゲーム処理のステップA16における小当りファンファーレ中処理の具体的な手順の一例が示されている。
小当りファンファーレ中処理には小当り中処理移行設定処理(ステップA820)が含まれ、この小当り中処理移行設定処理では、先ず処理番号として「8」を設定(ステップA821)し、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA822)。次に、小当り遊技における大入賞口の開放時間(小当り開放時間)を設定(ステップA823)し、その小当り開放時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA824)。その後、外部情報端子に大入賞口の開放に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA825)。
続いて、大入賞口の開放用のソレノイドの駆動信号に関するデータを出力データ領域にセーブする処理(ステップA826)を実行した後、大入賞口へ入賞した遊技球数を計数する領域のカウント数をリセット(ステップA827)して、小当り中処理移行設定処理(小当りファンファーレ中処理)から抜ける。
【0155】
〔小当り終了処理〕
図25には、
図8の特図ゲーム処理のステップA19における小当り終了処理の具体的な手順の一例が示されている。
小当り終了処理では、先ず、遊技状態が、特図変動表示ゲームで小当りが発生する確率の高い小当り高確率状態であるか否かを判定する(ステップA831)。そして、遊技状態が小当り高確率状態でない(ステップA831;No)と判定すると、ステップA832へ進んで、特図変動表示ゲームで大当りが発生する確率の高い大当り高確率状態(いわゆる確変)であるか否かを判定する。そして、遊技状態が大当り高確率状態でない(ステップA832;No)と判定すると、ステップA833へ進んで、
図13の特図変動開始処理のステップA322やA342で設定される小当り確率変動判定フラグをロードする。
【0156】
そして、ロードした判定フラグによる分岐(ステップA834)を行い、判定フラグが「0」の場合には、ステップA835へ進み、特図ゲームモードフラグ領域に小当り低確率フラグをセーブしてからステップA850へ移行して特図普段処理移行設定処理を実行して小当り終了処理から抜ける。
一方、判定フラグが「1」の場合には、ステップA836へ移行して、特図ゲームモードフラグ領域に小当り高確率フラグをセーブする。これにより、小当り高確率状態(小当りモード)が発生する。それから、
図19の処理で更新される小当り高確率変動回数領域に高確率変動回数の初期値(例えば「10」、「25」、「50」のいずれか)をセーブする処理(ステップA837)、
図20の処理で更新される小当りモード変動回数領域にモード変動回数の初期値(例えば「10」、「25」、「50」のいずれか)をセーブする処理(ステップA838)を行う。
【0157】
その後、ステップA833でロードした小当り確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンド(小当り低確率または小当り高確率)を準備(ステップA839)、該コマンドを演出制御装置300へ送信するためのコマンド設定処理(ステップA840)を行ってから、ステップA850へ移行して特図普段処理移行設定処理を実行して小当り終了処理から抜ける。なお、演出制御装置300へ送信する確率情報コマンドには、ステップA836で設定された小当り高確率変動回数も含まれる。
なお、ステップA831で小当り高確率状態である(Yes)と判定した場合には、ステップA850へ移行して特図普段処理移行設定処理を実行して小当り終了処理から抜ける。つまり、既に小当り高確率状態である場合には再度小当り高確率状態を発生しないようにする。また、ステップA832で大当り高確率状態である(Yes)と判定した場合も、ステップA850へ移行して特図普段処理移行設定処理を実行して小当り終了処理から抜ける。つまり、小当り高確率状態(小当りモード)で大当りの高確率状態(確変)が発生した場合には小当り高確率状態を終了するようになっている。従って、小当りの確率大当りの確率が共に高確率になることはない。これにより、遊技者にとって有利となり過ぎて遊技店が大きな不利益を被るのを回避することができる。
【0158】
図26には、
図25の小当り終了処理のステップA850における特図普段処理移行設定処理の具体的な手順の一例が示されている。
この特図普段処理移行設定処理(小当り終了)では、先ず処理番号として「0」を設定(ステップA851)し、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA852)。次に、小当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする処理(ステップA853)、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップA854)を行う。
続いて、
図25のステップA833でロードした小当り確率変動判定フラグが格納されているフラグ領域をリセットする(ステップA855)。その後、小当り用ラウンドLEDのポインタの値(アドレス)を格納しているラウンドLEDポインタ領域をリセット(ステップA856)した後、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブ(ステップA857)して、特図普段処理移行設定処理から抜ける。
【0159】
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理(
図8)における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。
図27に示すように、大当り終了処理では、先ず、確率変動判定フラグをロード(ステップA361)し、フラグによる分岐処理(ステップA362)を行う。すなわち、フラグが「0」の場合は大当り終了設定処理1(ステップA363)を実行し、フラグが「1」の場合は大当り終了設定処理2(ステップA364)を実行し、フラグが「2」の場合は大当り終了設定処理3(ステップA365)を実行する。大当り終了設定処理1〜3については、後に説明する。
続いて、ステップA361でロードした確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA366)、該コマンドを送信するためのコマンド設定処理(ステップA367)を実行する。その後、特図普段処理へ移行するための設定処理(ステップA368)を実行して当該大当り終了処理から抜ける。
【0160】
図28には、
図27の大当り終了処理のステップA368における特図普段処理移行設定処理の具体的な手順の一例が示されている。
この特図普段処理移行設定処理(大当り終了)では、先ず処理番号として「0」を設定(ステップA61)し、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA682)。次に、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする処理(ステップA683)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップA684)を行う。
続いて、
図27のステップA361でロードした確率変動判定フラグが格納されているフラグ領域をリセットする(ステップA685)。その後、大当り用ラウンドLEDのポインタの値(アドレス)を格納しているラウンドLEDポインタ領域をリセット(ステップA686)した後、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブ(ステップA687)して、特図普段処理移行設定処理から抜ける。
【0161】
次に、上述の大当り終了処理(
図27)のステップA363〜A365における大当り終了設定処理1〜3の詳細について、
図29を用いて説明する。
図29(A)に示す大当り終了設定処理1においては、先ず、特図変動表示ゲームを遊技者にとって有利に進行させるいわゆる時短制御の開始に関する信号(時短開始信号)を外部情報出力端子より出力させるためのデータを設定する外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA631)。次いで、時短制御の開始に関する信号(時短開始信号)を試験ポートより出力させるためのデータを設定する試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA632)。
【0162】
次いで、遊技状態を表す表示番号領域に時短時の番号をセーブする(ステップA633)。それから、普図変動表示ゲームのモードを示すモードフラグ領域に普図変動表示ゲームが高確率でかつ普電サポート(普通変動入賞装置の開放時間を長くする等の支援制御)があることを示すフラグをセーブする(ステップA634)。その後、特図変動表示ゲームのモードを示すモードフラグ領域に特図変動表示ゲームが低確率でかつ時短(変動時間の短縮を行う支援制御)があることを示すフラグをセーブする(ステップA635)。
続いて、停電復旧時に送信するコマンドを設定する停電復旧時送信コマンド領域に、時短状態であることを知らせる確率情報コマンド(時短)をセーブする(ステップA636)。その後、時短変動回数領域に時短変動回数の初期値(例えば100回)をセーブ(ステップA637)して、当該大当り終了設定処理1から抜ける。上記処理によって、普図変動表示ゲームが高確率で特図変動表示ゲームが低確率である時短モードが設定される。なお、時短制御中は、はずれ時短の当選は行わないが、大当りに伴う時短は発生可能とする。また、大当りに伴って時短が発生したときは時短回数が初期値に書き換えられる。
【0163】
図29(B)に示す大当り終了設定処理2においては、先ず、特図変動表示ゲームにおいて大当りを通常よりも高い確率で発生させる高確率制御の開始に関する信号(確変開始信号)を外部情報出力端子より出力させるためのデータを設定する外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA641)。次いで、高確率制御の開始に関する信号(確変開始信号)を試験ポートより出力させるためのデータを設定する試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA642)。
次いで、遊技状態を表す表示番号領域に高確率時の番号をセーブする(ステップA643)。それから、普図変動表示ゲームのモードを示すモードフラグ領域に普図変動表示ゲームが高確率でかつ普電サポートがあることを示すフラグをセーブする(ステップA644)。その後、特図変動表示ゲームのモードを示すモードフラグ領域に特図変動表示ゲームが高確率でかつ時短制御があることを示すフラグをセーブする(ステップA645)。
【0164】
続いて、停電復旧時に送信するコマンドを設定する停電復旧時送信コマンド領域に、特図が高確率状態であることを知らせる確率情報コマンド(高確率)をセーブする(ステップA646)。その後、時短変動回数領域をリセット(ステップA647)して、当該大当り終了設定処理2から抜ける。上記処理によって、普図変動表示ゲームが高確率で特図変動表示ゲームが高確率である高確率モードが設定される。
図29(C)に示す大当り終了設定処理3においては、先ず、例えば確変を伴うがそれを報知しない大当り遊技後の遊技状態である潜伏確変の開始に関する信号(確変開始信号)を外部情報出力端子より出力させるためのデータを設定する外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA651)。次いで、潜伏確変の開始に関する信号(潜伏確変開始信号)を試験ポートより出力させるためのデータを設定する試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA652)。
【0165】
次いで、遊技状態を表す表示番号領域に潜伏確変時の番号をセーブする(ステップA653)。それから、普図変動表示ゲームのモードを示すモードフラグ領域に普図変動表示ゲームが低確率でかつ普電サポートがないことを示すフラグをセーブする(ステップA654)。その後、特図変動表示ゲームのモードを示すモードフラグ領域に特図変動表示ゲームが高確率でかつ時短制御がないことを示すフラグをセーブする(ステップA655)。
続いて、停電復旧時に送信するコマンドを設定する停電復旧時送信コマンド領域に、特図が潜伏確変状態であることを知らせる確率情報コマンド(潜伏確変)をセーブする(ステップA656)。その後、時短変動回数領域をリセット(ステップA657)して、当該大当り終了設定処理3から抜ける。上記処理によって、普図変動表示ゲームが低確率で特図変動表示ゲームが高確率である潜伏確変モードが設定される。
【0166】
次に、本実施例における小当りモードの詳細について説明する。
図30には、小当り確率の低い遊技状態で小当りに当選した場合のタイミングチャートが示されている。このうち、
図30(A)は当選した小当り変動ゲームで特定の条件が成立した場合のタイミングを、
図30(B)は当選した小当り変動ゲームで特定の条件が成立しなかった場合のタイミングを示す。ここで、「特定の条件」とは小当りとなる変動結果のうちの一部の結果となる場合を指す。特定の条件が成立したか否かは、大当りとするか否かの抽選に使用する大当り乱数に基づいて判定することができる。また、小当りモード中に実行される特図変動表示ゲームの変動パターンは比較的短い時間のものが選択され、さらに、はずれとなる特図変動表示ゲームの方が小当りとなる特図変動表示ゲームよりも変動時間が短いパターンが選択される(
図15参照)。
【0167】
図30(A),(B)から分かるように、この実施例では、何れの場合にも、小当りに当選する特図変動表示ゲームの開始と同時に小当りモード演出が開始される(タイミングt1)。そして、小当りで特定の条件が成立した場合には、
図30(A)のように、小当り遊技の終了すなわち大入賞口の作動停止タイミングt2で小当り確率が高確率である遊技状態が開始される。そして、その後、所定回数(例えば10回)の特図変動表示ゲーム(最後のゲームが小当りの場合は小当り遊技)が終了するタイミングt6で小当り確率が低確率である遊技状態へ復帰する。一方、小当りに当選するゲームで特定の条件が成立しなかった場合には、
図30(B)のように、小当り遊技の終了すなわち大入賞口の作動停止タイミングt2で小当りモード演出が終了し、確率状態も変化しないように制御される。
【0168】
図31には、小当り確率が低い遊技状態で小当りに当選しかつ特定条件が成立して小当り確率が高確率に変化し、その後大当りが発生した場合のタイミングチャートが示されている。このうち、
図31(A)は16R大当りが発生した場合のタイミングを、
図31(B)は2R大当りが発生した場合のタイミングを示す。
図31(A),(B)から分かるように、この実施例では、何れの場合にも、小当りに当選する特図変動表示ゲームの開始と同時に小当りモード演出が開始される(タイミングt1)。そして、小当りで特定の条件が成立し、小当り遊技の終了すなわち大入賞口の作動停止タイミングt2で小当り確率が高確率である遊技状態が開始される。
【0169】
そして、その後、16R大当りが発生すると、
図31(A)に示すように、大当りとなる特図変動表示ゲームが開始するタイミングt3で小当りモード演出が終了し、特図変動表示ゲームが終了して大入賞口が作動するタイミングt4で、小当り確率が低確率である遊技状態へ復帰する。一方、小当りモード中に2R大当りが発生すると、
図31(B)のように、特図変動表示ゲームが終了して大入賞口が作動するタイミングt4で、小当り確率が低確率である遊技状態へ復帰し、小当りモード開始後2R大当りのゲームを含め所定回数(例えば10回)の特図変動表示ゲーム(最後のゲームが小当りの場合は小当り遊技)が終了するタイミングt6で、小当りモード演出が終了するように制御される。
すなわち、本実施例では、小当りモード中に16R大当りが発生すると小当りモードが終了する一方、小当りモード中に2R大当りが発生しても小当りモード演出が継続されるようになっている。これにより、遊技者は、小当りと2R大当りを区別することができず、2R大当りで潜伏確変が発生してタイミングt5で大当り確率が高確率に変化したとしても、特図変動表示ゲームの確率状態を認識することができない。そのため、小当りが発生した場合にも2R確変大当りが発生しているかもしれないと遊技者に思わせることができ、期待感を高めることができる。
【0170】
次に、前記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、
図32に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるコマンド受信割込み処理とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
〔演出制御装置の1stメイン処理〕
図32に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB2)を行い、1stCPU311の初期化処理(ステップB3)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB4)を行い、乱数初期化処理(ステップB5)を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB6)を行い、割込みを許可する(ステップB7)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB8〜B18を行う。
【0171】
このメインループ処理では、先ず、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB8)を行う。そして、演出操作ボタンSW25aからの入力処理(ステップB9)を行い、遊技制御コマンド解析処理(ステップB10)を行う。
この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。
【0172】
そして、受信した第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾しない場合(例えば、MODE→ACTIONの順に受信した場合)に正しくコマンドを受信したと判定し、第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾する場合(例えば、ACTION→ACTIONの順やMODE→MODE→MODEの順に受信した場合)にコマンドの受信が異常であると判定するようになっている。
続いて、テストモード処理(ステップB11)を行った後、特図変動表示ゲームに関する処理を行うシーン制御処理(ステップB12)を行う。このシーン制御処理(ステップB12)については、後に詳しく説明する。
【0173】
その後、前面枠(内枠)12やガラス枠15の開放などのエラー発生の監視を行う遊技機エラー監視処理(ステップB13)、特図変動表示ゲームにおける演出に関する演出コマンド編集処理(ステップB14)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB15)、前面枠に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB16)を行う。そして、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB17)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB18)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB8)に戻る。
【0174】
次に、2ndCPU312による制御について説明する。2ndCPU312による制御処理には、2ndメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるVブランク割込み処理がある。
図33には、実施形態の演出制御装置によって実行される演出制御のうち2ndCPUによる2ndメイン処理の手順の一例が示されている。
2ndメイン処理においては、先ず、2ndCPU312の初期化処理(ステップB41)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB42)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB43)を行い、VDP313の初期化処理(ステップB44)を行う。その後、各種割込みを許可する処理(ステップB45)を行い、各種制御処理の初期化処理(ステップB46)を行う。
【0175】
次いで、VDP313による画像描画を許可する処理(ステップB47)を行った後、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB48)を行う。
ここで、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(ステップB49;No)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、ステップB49の処理を繰り返し行う。
一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(ステップB49;Yes)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB50)を行い、通常ゲーム処理(ステップB51)を行い、ステップB48へ戻る。
【0176】
図34には、
図32に示した1stメイン処理におけるシーン制御処理(ステップB12)の具体的な手順の一例を示す。このシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、シーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
【0177】
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
【0178】
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
【0179】
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。また、図柄停止コマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップB72)を行う。この図柄停止処理(ステップB72)では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。
【0180】
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB73)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB74)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB75)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB76)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB77)を行い、その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(大当りの低確率、高確率および小当りの低確率、高確率)に基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB78)を行う。
【0181】
図35には、
図33の2ndメイン処理中に実行される通常ゲーム処理(ステップB51)の手順の一例が示されている。
この通常ゲーム処理では、先ず、1stCPUから受信したコマンドを特定し区分けする受信コマンドチェック処理(ステップB511)を行う。続いて、変動開始コマンドを受信したか否か判定し(ステップB512)、変動開始コマンドを受信した(ステップB512;Yes)と判定した場合には、ステップB513へ進んで変動パターンを選択してから、演出設定処理(ステップB514)を実行する。演出設定処理については、後に
図36を用いて説明する。また、ステップB512で、変動開始コマンドを受信していない(No)と判定した場合には、ステップB513,B514をスキップしてステップB515へ移行する。
【0182】
そして、ステップB515では、確率状態(通常確率/高確率)や客待ちなどの遊技状態、演出モード、リーチシーンに応じた背景表示設定を行う背景処理を実行した後、変動表示ゲームにおける図から変動に関する表示制御を行うリール制御/表示処理(ステップB516)、始動記憶領域に記憶されている事前演出情報に基づいて保留表示を変化させて先読み演出を行う保留表示処理(ステップB517)、客待ちデモ画面表示を行う客待ちデモ処理(ステップB518)、予告キャラクタ等の設定や表示の優先順位を設定して表示内容を決定するシーン制御/表示処理(ステップB519)、画像ROMに格納されている画像データをRAMに転送して表示装置への表示を行わせる表示システム処理(ステップB520)を行い、通常ゲーム処理を終了する。
【0183】
〔演出設定処理〕
図36には、
図35の通常ゲーム処理における演出設定処理(ステップB514)の具体的な手順の一例を示す。
この演出設定処理では、先ず、当該変動表示ゲームの結果は16R大当り当選であるか否かを判定し(ステップB141)、16R大当り当選でない(ステップB141;No)と判定した場合は、ステップB142へ進み、小当りモード演出実行中であるか否かを判定する。そして、小当りモード演出実行中でない(ステップB142;No)と判定した場合は、ステップB143へ進み、当該変動表示ゲームの結果は小当り当選であるか否かを判定する。
ここで、小当り当選でない(ステップB143;No)と判定した場合は、ステップB144へ進む。また、ステップB141で16R大当り当選である(Yes)と判定した場合も、ステップB144へ移行する。そして、ステップB144では、
図35の通常ゲーム処理のステップB513で選択された変動パターンをチェックし、変動パターンに対応した演出内容を選択する(ステップB145)。
【0184】
一方、ステップB143で小当り当選である(Yes)と判定した場合は、ステップB146へ移行して、小当りモード演出を開始する処理を実行してから、ステップB147へ進み、特定の条件が成立したか否か判定する。そして、特定の条件が成立している場合(ステップB147;Yes)は、小当り高確率変動回数領域に初期値(例えば「10」、「25」、「50」のいずれか)を設定(ステップB148)して、演出設定処理から抜ける。なお、変動回数の初期値は、受信コマンドに付随しているデータから分かる。また、ステップB147で、特定の条件が成立していない(No)と判定した場合は、ステップB149へ進み、当該変動が終了したら小当りモード演出を終了させるために、小当りモード演出終了フラグをオンにして、演出設定処理から抜ける。従って、小当りとなる変動表示ゲームで特定の条件が成立していない場合は、そのゲーム中だけ小当りモード演出が実行される単発の演出となる。
【0185】
従って、小当りモード演出の冒頭の演出が、単発小当りの際の演出内容と同じになる。これにより、小当り確率低確時に小当り専用演出にて変動表示ゲームが始まったら、当該変動によって小当りに当選するのか、小当り確変に当選するのか、変動表示ゲームが終わるまでわからないので、変動が停止するまで遊技者の興趣を維持させることができる。また、小当りの変動開始時から小当りモード演出を行うので、変動停止後の小当り遊技の実行中だけ小当り演出を行う場合に比べて演出時間を長くすることができ、モード中と同様の演出が実行されても、すぐに終わってしまわないので違和感が少ない。さらに、小当りモード専用の演出を設けることで、小当り高確中を報知する演出データと小当り変動時の演出データとをそれぞれに設ける必要がないので、ROMの記憶容量を節約できるとともに、制御プログラムの簡略化が可能となる。
【0186】
一方、上記ステップB142で、既に小当りモード演出実行中である(Yes)と判定した場合は、ステップB150へ移行する。そして、小当り高確率変動回数領域を更新(−1)してから、ステップB151へ進み、小当り高確率変動回数領域の残り回数をチェックする。そして、残り回数が「0」でない(ステップB152;No)場合には、何もせずにそのまま演出設定処理から抜ける。また、ステップB152で、残り回数が「0」である(Yes)と判定した場合は、ステップB149へ進み、当該変動が終了したら小当りモード演出を終了させるために、小当りモード演出終了フラグをオンにして、演出設定処理から抜ける。従って、ステップB146で小当りモード演出を開始した後、ステップB148で設定された初期値の数だけ変動表示ゲームが実行されると、小当りモード演出が終了することとなる。
【0187】
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例を説明する。上記実施形態は小当り確率を高確率にする特定条件が複数の小当りうちの一部である場合であるのに対し、この変形例は、小当り確率を高確率にする特定条件が小当り以外の条件(例えば外れ変動ゲームの一部あるいは所定ゲーム数連続して外れとなったこと)としたものである。
図37にこの変形例における演出設定処理の手順の例を示す。
図37の演出設定処理2は、
図36の演出設定処理に代えて
図35の通常ゲーム処理のステップB514において実行される。
この変形例の演出設定処理では、先ず、当該変動表示ゲームの結果は16R大当り当選であるか否かを判定し(ステップB141)、16R大当り当選でない(ステップB141;No)と判定した場合は、ステップB144へ移行して、
図35の通常ゲーム処理のステップB513で選択された変動パターンをチェックし、変動パターンに対応した演出内容を選択(ステップB145)して演出設定処理から抜ける。
【0188】
また、ステップB141で16R大当り当選でない(No)と判定した場合は、ステップB142へ進み、小当りモード演出実行中であるか否かを判定する。そして、小当りモード演出実行中でない(ステップB142;No)と判定した場合は、ステップB143へ進み、当該変動表示ゲームの結果は小当り当選であるか否かを判定する。
ここで、小当り当選である(ステップB143;Yes)と判定した場合は、ステップB149へ進み、当該変動が終了したら小当りモード演出を終了させるために、小当りモード演出終了フラグをオンにしてから、ステップB146へ進み、小当りモード演出開始処理を行って、演出設定処理から抜ける。従って、小当りに当選するとその変動表示ゲームで、単発的に小当りモード演出が実行されることとなる。
【0189】
一方、ステップB143で小当り当選でない(No)と判定した場合は、ステップB147へ移行して、所定の条件(例えば外れ変動ゲームの一部あるいは所定ゲーム数連続して外れとなったこと)が成立したか否か判定し、成立していない(ステップB147;No)と判定した場合は、何もせずにそのまま演出設定処理から抜ける。また、ステップB147で、所定の条件が成立した(Yes)と判定した場合は、ステップB148へ進み、小当り高確率変動回数領域に初期値(例えば「10」、「25」、「50」のいずれか)を設定してから、小当りモード演出開始処理(ステップB146)を行って、演出設定処理から抜ける。
【0190】
そして、再びこの演出設定処理が実行されて、ステップB141からステップB142へ進み、ここで、小当りモード演出実行中である(Yes)と判定されると、ステップB150へ移行して、小当り高確率変動回数領域を更新(−1)してから、ステップB151へ進み、小当り高確率変動回数領域の残り回数をチェックする。そして、残り回数が「0」でない(ステップB152;No)の場合には、何もせずにそのまま演出設定処理から抜ける。また、ステップB152で、残り回数が「0」である(Yes)と判定した場合は、ステップB153へ進み、当該変動が終了したら小当りモード演出を終了させるために、小当りモード演出終了フラグをオンにして、演出設定処理から抜ける。従って、ステップB146で小当りモード演出を開始した後、ステップB148で設定された初期値の数だけ変動表示ゲームが実行されると、小当りモード演出が終了することとなる。
【0191】
図38〜
図40には、具体的な小当りモード演出の例が示されている。なお、これらの演出は、いずれも
図36(第1実施例)の演出設定処理が実行された場合のものである。
図38(A)に示すように、次に実行される保留記憶R1が小当りに当選するものであると、
図38(B)に示すように、表示装置41の画面全体に背景画像として小当りモード専用の画像(図では海中シーン)が表示され、変動表示ゲームの図柄変動は画面の右上に縮小して表示される。そして、
図38(C)に示すように、変動表示ゲームの図柄変動が停止して小当り当選図柄(図では「135」)が表示される。その後、
図38(D)に示すように、大入賞口の開閉が実行された後、特定の条件が成立した場合には小当り確率が高確率に変更され、
図38(E)に示すように、次の変動表示ゲームが開始されても小当りモード演出が継続される。一方、特定の条件が成立しなかった場合は、小当り確率が低確率のままとされ、
図38(F)に示すように、次の変動表示ゲームが開始されると通常画像に戻り、小当りモード演出が終了する。
【0192】
図39は、小当りモード演出の実行中は、変動表示ゲームの図柄変動を画面上に表示しないようにして、代わりに第4図柄F1,F2を例えば左上に表示しそれを点滅させることで変動中であることを現わすようにしたものである。
図39の(A)と(C)と(E)は変動中を現わしており、
図39(B)は変動が停止して小当りに当選して大入賞口の開閉されることを、また
図39(D)は変動が停止してはずれとなり大入賞口が開閉されないことを現わしている。なお、第4図柄F1は始動口36への入賞で開始される特
図1の変動表示ゲームの変動を、F2は始動口37への入賞で開始される特
図2の変動表示ゲームの変動を表示するものである。
図39に示すように、本実施例では、小当りモード中は、その間に実行された変動表示ゲームで結果が外れとなったとしても小当りモード演出が継続されるため、遊技者は変動表示ゲームで結果が外れとなって大入賞口が開閉されなかったとしても小当りモードが継続しており低確率状態に落ちていないことが分かるので、安心して遊技を行うことができる。
【0193】
図40は、小当りモード中の変動表示ゲームで16R大当りが発生する場合とそれ以外の結果となる場合の演出の進行例を示す。
図40の左側の列(B)〜(E)は変動表示ゲームで16R大当り以外の結果(小当り、2R当りまたは外れ)となる場合の演出の進行の様子を示しており、
図39と同じである。右側の列(F)〜(I)は、16R大当りが発生する場合で、16R大当りに当選する変動表示ゲームが開始されると同時に小当りモード演出が終了して、通常の変動図柄による変動表示が開始される(F)。そして、例えばバトル演出のような画像(G)が表示され、変動図柄が大当り態様(例えば「777」)で停止してバトルで勝利した画像(H)が表示された後に、大入賞口が開閉されるラウンド遊技が開始される(I)。
【0194】
(第2実施例)
次に、上記実施形態の第2実施例を説明する。前記第1実施例においては、小当りモード中に小当りに当選すると当選したゲームの直後に大入賞口を開閉する制御を実行するのに対し、この第2実施例は、小当りモード中に小当りに当選して獲得した大入賞口開閉権利をストックしておいて、小当りモード終了直後に大入賞口をまとめて開閉する制御を実行するようにしたものである。なお、小当りモード演出は、ストック放出中も実行する。
このような制御を実行するために、遊技制御装置100によって実行される特図ゲーム処理、特図変動開始処理、特図表示中処理、特図普段処理移行設定処理が、第1実施例における同一の処理から一部変更される。以下、変更のあるこれらの処理について説明する。
【0195】
図41には、第2実施例を適用した遊技機の遊技制御装置100において実行される特図ゲーム処理のフローチャートが示されている。
図8に示す第1実施例における特図ゲーム処理との差異は、
図41の特図ゲーム処理では、ストック小当り実行処理A30が追加され、処理番号が「9」の場合にこのストック小当り実行処理A30が実行されるとともに、処理番号が「10」の場合に小当り残存球処理A18が実行され、処理番号が「11」の場合に小当り終了処理A19が実行されるようになっている点にある。
【0196】
図42(A)、(B)には、第2実施例における特図変動開始処理のフローチャートが示されている。
図13(A)、(B)に示す第1実施例における特図変動開始処理との差異は、変動開始情報設定処理(A332,A352)の次に、それぞれ判定結果が小当りか否か判定する(ステップA333,A353)と、判定結果が小当りの場合に小当りモード中か否か判定する処理(ステップA334,A354)と、判定結果が小当りモードの場合に小当りストックフラグをオンにする処理(ステップA335,A355)とが設けられている点にある。このステップA335,A355で小当りストックフラグがオンにされることによって、後述の特図表示中処理の中で小当りモード中に発生した大入賞口開閉権利をストックする小当りストック処理が実行されるようになる。
【0197】
図43及び
図44には、第2実施例における特図表示中処理(
図41のステップA11)の具体的な手順の例が示されている。このうち
図44に示すフローチャートは
図18に示すフローチャートに代わるもので、
図43のフローチャートは
図17に示すフローチャートと同一であるので、説明を省略する。
図44に示すフローチャートと
図18に示すフローチャートとの差異は、
図44のフローチャートでは、
図18のフローチャートにおける小当り高確率変動回数更新処理(ステップA576,A584)がなく、代わりに、コマンド設定処理A579の次に小当りストックフラグがオンか否か判定するステップA587と、該ステップでフラグがオンされている(Yes)と判定された場合に実行される小当りストック処理(ステップA588)とおよび特図普段処理移行設定処理2(ステップA589)が追加されている点にある。
なお、ステップA588の小当りストック処理は、当該変動ゲームで小当りに当選して小当りストックフラグがオンされた場合に実行される。ステップA586の特図普段処理移行設定処理1は、第1の実施例の特図普段処理移行設定処理(
図22)と同じで良い。
【0198】
図45には、
図44の特図表示中処理のフローチャートのステップA588で実行される小当りストック処理の詳細な手順が示されている。
図45に示すように、小当りストック処理においては、先ず、小当りストック数を更新(+1)する処理(ステップA881)を行ってから、ストックがあることを表示させるための小当りストック表示更新コマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップA882)を行う。その後、小当りストックフラグをオフ(ステップA883)させてから、当該変動が特
図1か特
図2かを示す変動フラグがセーブされている変動図柄判別フラグ領域をリセットする処理(ステップA884)を行う。
ステップA882で小当りストックフラグがオフされることで、
図44のステップA588の小当りストック処理は、当該変動ゲームで小当りに当選して小当りストックフラグがオンされた場合に限定されることとなる。ステップA883の変動図柄判別フラグ領域のリセットは、小当り実行時は
図24(A)の小当りファンファーレ中処理移行設定処理の中で行う。
【0199】
図46には、第2の実施例における特図普段処理移行設定処理2の詳細な手順が示されている。このうち、
図46(A)の処理は
図44のフローチャートのステップA589で実行される処理の手順で、
図22に示す第1実施例における特図普段処理移行設定処理に代わるものである。また、
図46(B)の処理は
図25に示す小当り終了処理のステップA850で実行される
図26の特図普段処理移行設定処理に代わるもの、
図46(C)の処理は
図27に示す大当り終了処理のステップA368で実行される
図28の特図普段処理移行設定処理に代わるものである。
【0200】
図46(A)の特図普段処理移行設定処理2においては、変動図柄判別フラグ領域をリセットする処理(ステップA463)を行い、大入賞口監視期間フラグ領域に不正監視期間中であることを示すフラグをセーブ(ステップA644)してから、ストック小当り実行処理へ移行するための移行設定処理(ステップA645)を実行する。
また、
図46(B)の特図普段処理移行設定処理2においては、
図26における小当り終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブするステップA853の処理から、大入賞口監視期間フラグ領域に不正監視期間中であることを示すフラグをセーブするステップA857の処理までを実行してから、ストック小当り実行処理へ移行するための移行設定処理(ステップA858)を実行する。
図46(C)の特図普段処理移行設定処理2においては、
図28における大当り終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブするステップA683の処理から、大入賞口監視期間フラグ領域に不正監視期間中であることを示すフラグをセーブするステップA687の処理までを実行してから、ストック小当り実行処理へ移行するための移行設定処理(ステップA688)を実行する。
【0201】
図47には、
図46(A)のステップA465、
図46(B)のステップA858または
図46(C)のステップA688で実行されるストック小当り実行処理移行設定処理の詳細な手順が示されている。
図47のストック小当り実行処理移行設定処理においては、先ず、小当りモード中であるかチェックする(ステップA690)。そして、小当りモード中である(ステップA691;Yes)と判定すると、ステップA692へ進み、小当りモード変動回数を更新(−1)する。続いて、更新(−1)された値をモード変動回数カウンタにセットし(ステップA693)、モード変動回数が「0」か否か判定する(ステップA694)。
【0202】
ここで、モード変動回数が「0」である(ステップA694;Yes)つまり小当りモードが終了したと判定すると、ステップA695へ進み、小当りモード中であることを示す小当りモードフラグをクリアしてから、小当りストックがあるか否か判定する(ステップA696)。そして、小当りストックがある(ステップA696;Yes)と判定すると、ステップA697へ進み、
図41のステップA30のストック小当り実行処理へ移行するために処理番号として「9」を設定してから、ステップA699へ進み、特図ゲーム処理番号領域に処理番号「9」をセーブして、ストック小当り実行処理移行設定処理から抜ける。
一方、ステップA691において小当りモード中でない(No)と判定した場合や、ステップA694においてモード変動回数が「0」でない(No)と判定した場合、ステップA696において小当りストックがない(No)と判定した場合には、ステップA698へ移行して、
図41のステップA9の特図普段処理へ移行するために処理番号として「0」を設定してから、ステップA699へ進み、特図ゲーム処理番号領域に処理番号「0」をセーブして、ストック小当り実行処理移行設定処理から抜ける。
【0203】
〔ストック小当り実行処理〕
図48には、
図41の特図ゲーム処理のステップA30で実行されるストック小当り実行処理の詳細な手順が示されている。
図48のストック小当り実行処理においては、先ず、小当りストックがあるか否か判定する(ステップA31)。そして、小当りストックがある(ステップA31;Yes)と判定すると、ステップA32へ進み、外部情報端子に小当り遊技の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし、小当り遊技の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA33)。
【0204】
続いて、小当り用ラウンドLEDのポインタの値(アドレス)をラウンドLEDポインタ領域にセーブする処理(ステップA34)を実行した後、小当りストックを減算(−1)し(ステップA35)し、小当りストックがあることを表示させるための小当りストック表示更新コマンドを演出制御装置300へ送信する(ステップA36)。その後、ストック小当り終了処理(ステップA37)を実行して、ストック小当り実行処理から抜ける。
一方、ステップA31で、小当りストックがない(No)と判定すると、ステップA38へ移行して、
図41のステップA18の小当り残存球処理へ移行するために処理番号として「10」を設定して、ストック小当り実行処理から抜ける。
【0205】
図49には、
図48のストック小当り実行処理のステップA37で実行されるストック小当り終了処理の詳細な手順が示されている。
図49のストック小当り終了処理においては、先ず、アタッカ(大入賞口)の所定開放時間を経過したか否か判定する(ステップA381)。そして、所定開放時間を経過していない(No)と判定すると、何もせずに、ストック小当り終了処理から抜ける。一方、ステップA381で、所定開放時間を経過した(Yes)と判定すると、ステップA382へ進み、外部情報端子に小当り遊技の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし、小当り遊技の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA383)。その後、小当り用ラウンドLEDのポインタの値(アドレス)をリセットする処理(ステップA384)を実行して、ストック小当り終了処理から抜ける。
【0206】
図50〜
図52には、第2の実施例を適用した遊技機において、小当り確率が高確率状態になる小当りモードが発生し小当りストック処理が実行された場合のタイミングの例が示されている。なお、これらのタイミングは、いずれも小当りモードで10回の変動表示ゲームに亘って小当り確率を高確率状態にする制御を行うようにした場合のもので、一例として小当りモード中に7回小当りに当選したと仮定した場合のタイミングを示している。また、タイミングt1で小当りモードが開始され、タイミングt2で小当り確率が高確率状態に変化し、その後タイミングt3で小当り確率が低確率状態に戻ってストック分の大入賞口の開閉が開始され、タイミングt4で終了する。小当りモード演出はタイミングt1で開始され、タイミングt4まで継続される。
【0207】
図50〜
図52のうち、
図50のタイミングは、小当りに当選してもゲーム毎のファンファーレ処理を実行しないようにした場合のものである。
図51のタイミングは、小当りに当選すると大入賞口の開閉はせずにゲーム毎のファンファーレ処理だけ実行するようにした場合のものである。
図52のタイミングは、大入賞口の開閉開始タイミングを変えたものである。
図51では、小当りモードの最後のゲームで小当りに当選した場合にファンファーレ処理期間が経過してからストック分の大入賞口の開閉が開始されるのに対し、
図52では、小当りモードの最後のゲームの図柄が停止したら直ちにストック分の大入賞口の開閉を開始するようにしている。
なお、ストックした小当り当選による大入賞口の集中的な開閉は、小当りの当選回数をnとすると、nの2倍の回数(2n)だけ大入賞口を繰り返し開閉させても良いし、小当り当選分の開放時間のトータル時間(1.8s×2n)だけ連続して大入賞口を開放させるようにしても良い。
【0208】
上記のように、小当りモード中に発生した小当りをストックして集中的に大入賞口の開閉を実行することにより、遊技者が大入賞口(変動入賞装置、特別変動入賞装置38)を狙ってより多くの入賞を発生させ易くすることができる。また、小当りモード中は小当りモード演出を実行せずに、小当りモード中の小当りをストックしておいて小当りモード終了時に集中的に大入賞口の開閉する制御も考えられるが、本実施例のように小当りモード中は小当りモード演出を実行するように構成することによって、特に初心者が小当りのストックがあるにもかかわらず小当りモードの途中で遊技を終了してしまうようなことを回避することができる。また、大入賞口の連続開放により、遊技者が大入賞口を狙ってより多くの入賞を発生させ易くすることができる。
【0209】
さらに、本実施例のように小当りストック制御を実行する場合、第1実施例のように小当り当選ごとに小当り遊技を実行する場合に比べて図柄停止時間を短く(はずれ変動と同じ時間値で)設定すると良い。小当りストックをしない第1の実施例では大入賞口開閉動作を行うために小当り変動ゲームにおいては図柄停止時間を長く設けているので、毎回の変動後の図柄停止時間を長くなって間延びしてしまう。これに対し、本実施例のように、小当たり動作をストックして後でまとめて実行するようにした場合には、図柄停止時間を短くしてテンポよく変動表示ゲームを進行させることができ、遊技者を飽きさせることがないという利点がある。
【0210】
以上の説明より、上記実施形態には、
複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な装飾表示装置と、遊技領域を流下する遊技球の始動入賞領域への入賞に基づき前記変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段と、当該遊技制御手段からの指令情報に基づき前記変動表示ゲームの表示制御を行う演出制御手段と、を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果態様が予め定めた特別結果となった場合に、遊技領域を流下する遊技球を受け入れ可能な状態に変動入賞装置を開閉させることにより遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記遊技制御手段は、前記停止結果態様が特別結果となった場合に、前記変動入賞装置を開閉可能とする変動入賞装置開閉制御手段を備え、
前記特別遊技状態は、
前記停止結果態様が所定の第1特別結果となった場合に、前記変動入賞装置開閉制御手段が前記変動入賞装置の動作態様として第1動作態様を選択する第1特別遊技状態と、
前記停止結果態様が所定の第2特別結果となった場合に、前記変動入賞装置開閉制御手段が前記変動入賞装置の動作態様として前記第1動作態様よりも遊技者が獲得可能な遊技価値が少ない第2動作態様を選択する第2特別遊技状態と、を含み、
前記変動表示ゲームの実行結果が前記第2特別遊技状態の特別結果となる確率を示す確率状態には、第1確率状態と、前記第1確率状態よりも前記特別結果となる確率が高い第2確率状態と、があり、
特定条件の成立を契機として、前記確率状態を前記第1確率状態から前記第2確率状態へと変更する確率変更手段が、前記遊技制御手段に設けられ、
前記演出制御手段は、前記確率状態として前記第2確率状態が設定されている間、遊技者に第2確率状態であることを示唆する特定演出を実行し、
前記特定演出は、前記変動表示ゲームの変動または該変動表示ゲームの停止結果態様にかかわらず進行される連続演出であるようにした発明が含まれることが分かる。
【0211】
上記のような発明によれば、特定条件が成立すると変動表示ゲームごとに特定演出を繰り返さず、連続した演出によって高確率状態であることを示唆する特定演出を行うので、遊技者にとっては、特定条件が成立する度に同じ演出が何度も繰り返し出現する煩わしさを回避することができるとともに、演出制御手段にとっては、高確率状態を示唆する特定演出の制御を簡略化して負担を軽減することができる。
【0212】
また、上記実施形態には、前記演出制御手段は、前記第1確率状態で前記第2特別遊技状態が発生する場合にも、前記特定演出を実行するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、変動表示ゲームの実行結果が獲得可能な遊技価値が少ない第2特別遊技状態の特別結果(小当り)となる確率の低い第1確率状態で第2特別遊技状態が発生する場合にも、第2特別遊技状態の特別結果(小当り)となる確率の高い第2確率状態で第2特別遊技状態が発生する場合と同じ特定演出を実行するので、第2特別遊技状態(小当り)の高確率中のモード演出と、第2特別遊技状態の低確率中に発生する単発の第2特別遊技状態(小当り)の演出とが共通の演出となり、演出データを記憶する記憶手段(ROM)の容量を低減することができる。
【0213】
また、上記実施形態には、前記演出制御手段は、前記特定演出を実行する場合に、当該特定演出が開始する契機となる変動表示ゲームにおける変動開始の時点から前記特定演出を開始するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、特定演出を変動表示ゲームの開始時から行うので、遊技者の興趣を早い段階から高めることが可能となるとともに、単発での第2特別遊技状態(小当り)が発生するのか、小当り確率が高確率状態に移行する第2特別遊技状態(小当り)が発生するのかは変動が停止するまで分からないので、遊技者の期待感を変動停止まで引き伸ばすことが可能となる。また、単発の第2特別遊技状態(小当り)が発生する場合において特定演出を行う際に、十分な演出時間を確保することが可能となる。
【0214】
さらに、前記実施形態には、
前記所定の第1特別結果は条件装置の作動を伴う特別結果であり、前記所定の第2特別結果は条件装置の作動を伴わない特別結果であり、
前記条件装置の作動を伴う第1特別結果となった場合に選択される前記特別遊技状態には、前記第1特別遊技状態の他に、前記変動入賞装置開閉制御手段が行う前記変動入賞装置の動作態様として前記第2動作態様または前記第1動作態様よりは遊技者が獲得可能な遊技価値が少ない第3動作態様を選択する第3特別遊技状態があり、
前記演出制御手段は、
前記特定演出の実行中に前記第1特別遊技状態となる変動表示ゲームが実行される場合には前記特定演出を終了し、当該変動表示ゲームにて設定された変動パターンに対応した演出を実行する一方、前記第3特別遊技状態となる変動表示ゲームが実行される場合には前記特定演出を継続するようにした発明が含まれる。
【0215】
そして、かかる発明によれば、特定演出を行い変動表示ゲームに対応した演出を行わない第2特別遊技状態の特別結果(小当り)となる確率の高い第2確率状態(小当りモード)においても、大当りが発生する変動表示ゲームにおいては特定演出ではなく該変動に対応した演出を実行するので、大当りに対する遊技者の興趣を高めることが可能となる。
また、特定演出が実行されることでいつの間にか大当りとなって特別遊技状態(大当りラウンド遊技)が開始していることに遊技者が気付かず達成感を満たすことができなかったり、大当りラウンド遊技の開始に対して予め持ち球等の準備をしておく時間が無く、遊技者に不利益が生じてしまったりするのを防止することができる。
【0216】
さらに、条件装置の作動を伴う第1特別結果となった場合に選択される特別遊技状態として、前記第1特別遊技状態の他に、前記変動入賞装置開閉制御手段が行う前記変動入賞装置の動作態様として第3動作態様を選択する第3特別遊技状態を設けているので、変動表示ゲームにおける大当りの発生確率の高い確変状態を発生可能な遊技機において、第2確率状態(小当りモード)中に第3特別遊技状態となる第1特別結果(突確)が発生した場合に、小当り当選の場合と同じ特別遊技が行われることとなるので、大当り(突確)の発生を遊技者に報知しないことで、小当りモード中にいつの間にか大当り確率が高確率の状態(確変)になっているという状況を生じさせることができ、これによって遊技の興趣を高めることができる。
【0217】
また、上記実施形態には、前記遊技制御手段は、前記第2確率状態において実行された変動表示ゲームで停止結果態様が前記第2特別遊技状態の特別結果となった場合に、前記第2特別遊技状態の実行を保留し、前記第2確率状態の終了時に、保留されていた前記第2特別遊技状態をまとめて実行する特別遊技ストック制御手段を備えるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技者が変動入賞装置を狙ってより多くの入賞を発生させ易くすることができる。また、第2確率状態(小当りモード)中は特定演出を実行することで、初心者が特別遊技のストックがあるにもかかわらず途中で遊技を終了してしまうようなことを回避することができる。
【0218】
(第2の変形例)
次に、本発明に係る遊技機の第2の変形例について説明する。第2の変形例は、
図53に示すように、遊技制御装置100と外部情報端子71および一括表示装置50との間に図柄制御基板80を設けて、前記実施例では遊技用マイコン110が行っていた処理の一部を図柄制御基板80が行うことで、遊技用マイコン110の負担を軽減するようにしたものである。また、本変形例では、一括表示装置50に、特
図1変動表示ゲームを実行するセグメント型表示器(特
図1表示器)51および特
図2変動表示ゲームを実行するセグメント型表示器(特
図1表示器)52の他、普図変動表示ゲームを実行するセグメント型表示器(普図表示器)54を設けている。
【0219】
本変形例における図柄制御基板80は、遊技制御装置100から出力される始動入賞口36への入賞検出信号としての始動口1入賞信号と普通変動入賞装置37への入賞検出信号としての始動口2入賞信号との論理和をとって延長した信号を始動口信号として生成する合成回路81、特図変動表示ゲームで小当りに当選した場合に遊技制御装置100から出力される特別図柄小当り信号と特別図柄当り信号との論理和をとった信号を大当り1信号として生成する合成回路82、2R大当りの発生に基づいて遊技制御装置100から出力される役物連続作動装置作動中信号と2R表示LED信号と普通変動時間短縮状態信号との論理和をとった信号を大当り2信号として生成する合成回路83を備える。
【0220】
また、図柄制御基板80は、2R大当りの発生に基づいて遊技制御装置100から出力される役物連続作動装置作動中信号と2R表示LED信号との論理和をとった信号を大当り3信号として生成する合成回路84、遊技機で前面枠開放や遊技枠開放、磁気エラーなどの異常が発生した場合に遊技制御装置100から出力される遊技機エラー状態信号を扉・枠開放・セキュリティ信号として生成する中継回路85、特
図1変動表示ゲームや特
図2変動表示ゲームの開始に伴って遊技制御装置100から出力される特別図柄1変動中信号と特別図柄2変動中信号との論理和をとった信号を特図図柄確定回数信号として生成する合成回路86を備える。
【0221】
さらに、図柄制御基板80は、普図変動表示ゲームの開始に伴って遊技制御装置100から出力される普通図柄変動中信号を普図図柄確定回数信号として出力する中継回路87、特
図1変動表示ゲームや特
図2変動表示ゲームの開始に伴って遊技制御装置100から出力される特別図柄1変動中信号や特別図柄2変動中信号、普図変動表示ゲームの開始に伴って出力される普通図柄変動中信号、一括表示装置50のセグメント型表示器51,52,54を駆動するために遊技制御装置100から出力されるセグメント信号(前段セグメント信号)やデジット信号に基づいてセグメント型表示器51,52,54へ供給するセグメント駆動信号(後段セグメント信号)やデジット駆動信号(後段デジット信号)を生成して出力する図柄変動制御回路88を備える。
【0222】
図54には、上記図柄変動制御回路88の機能が示されている。
図54において左側は遊技制御装置100から変動停止中と変動中にそれぞれ出力される前段セグメント信号を、また右側は前段セグメント信号を受けて図柄変動制御回路88から出力される後段セグメント信号を示す。
図54に示されているように、変動停止中は遊技制御装置100からの前段セグメント信号がほぼそのままの形態で後段セグメント信号として図柄変動制御回路88から出力される。一方、変動中は遊技制御装置100から例えば直前の停止時の前段セグメント信号がそのまま出力され、図柄変動制御回路88は変動中を示す信号に基づいて対応するセグメント型表示器へ、中央のセグメントのみが点滅を繰り返すような後段セグメント信号を生成して出力するようになっている。
【0223】
図55には、
図53の図柄変動制御回路88の動作タイミングチャートが示されている。
図55において、(A)は遊技制御装置100から図柄変動制御回路88へ供給される前段セグメント信号、(B)は遊技制御装置100から図柄変動制御回路88へ供給されるデジット信号、(C)は遊技制御装置100から図柄変動制御回路88へ供給される変動中信号で、特
図1用と特
図2用と普図用の3種類がある。また、(D)は図柄変動制御回路88から出力される後段セグメント信号である。
図55においては、期間T1の間に特
図1の変動中信号がハイレベル(有効レベル)になっているので、ハッチングが付されている特
図1の図柄のみ変動表示され、他の図柄は静止表示されることとなる。
【0224】
図53のように、遊技制御装置100と外部情報端子71および一括表示装置50との間に、上記のような図柄制御基板80を設けることによって、外部情報端子71を介して外部の試験装置へ出力する信号を生成する遊技制御装置100(特に遊技用マイコン110)の負担を軽減することができるとともに、試験装置による試験時間を短縮することができるという利点がある。
また、図柄制御基板80は、機種すなわち遊技盤30の構成(仕様)が変わっても共通に使用可能に構成することができ、これによって製造コストの低減を図ることができる。
なお、変動中を示す信号に基づいて対応するセグメント型表示器へ中央のセグメントのみが点滅を繰り返すような後段セグメント信号を生成して出力する代わりに、クロック信号で更新動作を行うカウンタ回路を図柄変動制御回路88に設け、カウンタ回路の値を用いて「0」〜「9」のような数字やその他の記号を順繰りに表示させるようなセグメント信号を生成して表示器51,52または54へ出力するように構成しても良い。
【0225】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。例えば、前記実施例では、始動入賞口36への入賞で特
図1変動表示ゲームを実行し、普通変動入賞装置37への入賞で特
図2変動表示ゲームを実行するようにしているが、始動入賞口36と普通変動入賞装置37への入賞を区別せず共通の特図変動表示ゲームとして実行するようにしてもよい。また、前記実施例では、小当りモード中の特定演出(小当り演出)として通常は出現しない背景画像を表示する演出を行うようにしたが、通常は出現しない特定のキャラクタ画像を表示させることで特定演出としても良い。また、特定演出は、装飾表示装置としての液晶表示装置41における表示に限定されず、前面枠に設けられている装飾ランプを使用したものやスピーカから出力される効果音を使用した演出としても良い。