(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、LEDを用いた光機能素子が注目されている。
このような光機能素子としては、小型化等のため、LEDチップを配線基板上に直接実装するフリップチップ実装が行われている。
配線基板上にLEDチップをフリップチップ実装する方法としては、
図4(a)〜(c)に示すように、従来、種々のものが知られている。
【0003】
図4(a)は、ワイヤボンディングによる実装方法である。
図4(a)に示す発光装置101では、LEDチップ103の第1及び第2の電極104、105を上側(配線基板102と反対側)にした状態で、LEDチップ103を配線基板102上にダイボンド接着剤110、111によって固定する。
そして、ボンディングワイヤ106、108によって配線基板102上の第1及び第2のパターン電極107、109とLEDチップ103の第1及び第2の電極104、105をそれぞれ電気的に接続する。
【0004】
図4(b)は、導電性ペーストによる実装方法である。
図4(b)に示す発光装置121では、LEDチップ103の第1及び第2の電極104、105を配線基板102側に向けた状態で、これら第1及び第2の電極104、105と配線基板102の第1及び第2のパターン電極124、125とを、例えば銅ペースト等の導電性ペースト122、123によって電気的に接続するとともに、封止樹脂126、127によってLEDチップ103を配線基板102上に接着する。
【0005】
図4(c)は、異方性導電接着剤による実装方法である。
図4(c)に示す発光装置131では、LEDチップ103の第1及び第2の電極104、105を配線基板102側に向けた状態で、これら第1及び第2の電極104、105と、配線基板102の第1及び第2のパターン電極124、125上に設けたバンプ132、133とを、異方性導電接着剤134中の導電性粒子135によって電気的に接続するとともに、異方性導電接着剤134中の絶縁性接着剤樹脂136によってLEDチップ103を配線基板102上に接着する。
【0006】
しかしながら、上述した従来技術には、種々の課題がある。
まず、ワイヤボンディングによる実装方法においては、金からなるボンディングワイヤ106、108が例えば波長が400〜500nmの光を吸収するため、発光効率が低下してしまう。
また、この方法の場合、オーブンを用いてダイボンド接着剤110、111を硬化させるため、硬化時間が長く、生産効率を向上させることが困難である。
【0007】
一方、導電性ペースト122、123を用いる実装方法では、導電性ペースト122、123のみの接着力は弱く、封止樹脂126、127による補強が必要となるが、この封止樹脂により、導電性ペースト122、123内へ光が拡散したり、導電性ペースト122、123内において光が吸収されることにより、発光効率が低下してしまう。
また、この方法の場合、オーブンを用いて封止樹脂126、127を硬化させるため、硬化時間が長く、生産効率を向上させることが困難である。
【0008】
他方、異方性導電接着剤134を用いる実装方法では、異方性導電接着剤134中の導電性粒子135の色が茶色であるため絶縁性接着剤樹脂136の色も茶色になり、異方性導電接着剤134内において光が吸収されることにより、発光効率が低下してしまう。
【0009】
このような問題を解決するため、光の反射率が高く、電気抵抗が低い銀(Ag)を用いて導電層を形成することによって光の吸収を抑え、発光効率を低下させることのない異方性導電接着剤を提供することも提案されている。
【0010】
しかし、銀は化学的に不安定な材料であるため、酸化や硫化しやすいという問題があり、また、熱圧着後において、通電を行うことによってマイグレーションが発生し、これにより配線部分の断線や接着剤の劣化による接着強度の低下を引き起こすという問題がある。
【0011】
かかる問題を解決するため、例えば特許文献4に記載されているように、反射率、耐食性、耐マイグレーション性に優れたAg系薄膜合金も提案されている。
このAg系薄膜合金を導電性粒子の表面に被覆すれば、耐食性、耐マイグレーション性は向上するが、このAg系薄膜合金を最表層に用い、下地層に例えばニッケルを用いると、ニッケルの反射率がAgより低いため、導電性粒子全体の反射率が低下してしまうという問題がある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
なお、本発明は、ペースト状の異方導電性接着剤に特に好ましく適用することができるものである。
【0018】
図1(a)は、本発明に係る異方性導電接着剤の構成を模式的に示す断面図、
図1(b)及び(c)は、本発明に用いる導電性粒子の構成を示す拡大断面図、
図1(d)は、本発明に係る発光装置の実施の形態の構成を示す断面図である。
【0019】
図1(a)に示すように、本発明の異方性導電接着剤1は、絶縁性接着剤樹脂2中に、複数の導電性粒子3が分散された状態で含有してなるものである。
本発明の場合、絶縁性接着剤樹脂2としては、特に限定されることはないが、透明性、接着性、耐熱性、機械的強度、電気絶縁性に優れる観点からは、エポキシ樹脂と、その硬化剤とを含む組成物を好適に用いることができる。
【0020】
エポキシ系樹脂は、具体的には、脂環式エポキシ化合物や複素環式エポキシ化合物や水素添加エポキシ化合物などである。脂環式エポキシ化合物としては、分子内に2つ以上のエポキシ基を有するものが好ましく挙げられる。これらは液状であっても、固体状であってもよい。具体的には、グリシジルヘキサヒドロビスフェノールA、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート等を挙げることができる。中でも、硬化物にLED素子の実装等に適した光透過性を確保でき、速硬化性にも優れている点から、グリシジルヘキサヒドロビスフェノールA、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートを好ましく使用することができる。
複素環系エポキシ化合物としては、トリアジン環を有するエポキシ化合物を挙げることができ、特に好ましくは1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオンを挙げることができる。
水素添加エポキシ化合物としては、先述の脂環式エポキシ化合物や複素環式エポキシ化合物の水素添加物や、その他公知の水素添加エポキシ樹脂を使用することができる。
また、これらのエポキシ化合物に加えて本発明の効果を損なわない限り、他のエポキシ樹脂を併用してもよい。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、ジアリールビスフェノールA、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、クレゾール、テトラブロモビスフェノールA、トリヒドロキシビフェニル、ベンゾフェノン、ビスレゾルシノール、ビスフェノールヘキサフルオロアセトン、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、ビキシレノール、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの多価フェノールとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエーテル1グリセリン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、チレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの脂肪族多価アルコールとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエーテルlp−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル1フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、エンドメチレンテトラハイドロフタル酸、エンドメチレンヘキサハイドロフタル酸、トリメリット酸、重合脂肪酸のようなポリカルボン酸から得られるポリグリシジルエステル1アミノフェノール、アミノアルキルフェノールから得られるグリシジルアミノグリシジルエーテル1アミノ安息香酸から得られるグリシジルアミノグリシジルエステル1アニリン、トルイジン、トリブロムアニリン、キシリレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホンなどから得られるグリシジルアミン1エポキシ化ポリオレフィン等の公知のエポキシ樹脂類が挙げられる。
また、硬化剤としては、酸無水物、イミダゾール化合物、ジシアンなどを挙げることができる。中でも、硬化剤を変色させ難い酸無水物、特に脂環式酸無水物系硬化剤を好ましく使用することができる。具体的には、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物等を好ましく挙げることができる。
なお、脂環式のエポキシ化合物と脂環式酸無水物系硬化剤とを使用する場合、それぞれの使用量は、脂環式酸無水物形硬化剤が少なすぎると未硬化エポキシ化合物が多くなり、多すぎると余剰の硬化剤の影響で被着体材料の腐食が促進される傾向があるので、脂環式エポキシ化合物100質量部に対し、好ましくは80〜120質量部、より好ましくは95〜105質量部の割合で使用することができる。
【0021】
また、異方導電性接着剤1全体の反射率を向上させる観点からは、絶縁性接着剤樹脂2として、硬化後において、例えば青色光のピーク波長であるピーク波長460nmにおける反射率が30%以上のものを用いることが好ましい。
【0022】
図1(b)に示すように、本発明の導電性粒子3は、核となる球状の樹脂粒子30を有し、この樹脂粒子30の表面に、銀合金からなる光反射性金属層31が形成されている。
【0023】
本発明の場合、樹脂粒子30は、特に限定されることはないが、高い導通信頼性を得る観点からは、例えば架橋ポリスチレン系、ベンゾグアナミン系、ナイロン系、PMMA(ポリメタクリレート)系などからなる樹脂粒子を好適に用いることができる。
樹脂粒子30の大きさは、特に限定されることはないが、高い導通信頼性を得る観点からは、平均粒径で3μm〜5μmのものを好適に用いることができる。
【0024】
また、光反射性金属層31との密着性を向上させる観点からは、
図1(c)に示すように、樹脂粒子30の表面に例えばニッケルや金等の金属による下地めっき層32を形成したものを用いることもできる。
【0025】
光反射性金属層31は、銀(Ag)と、金(Au)と、ハフニウム(Hf)とを含む合金からなるものである。
この場合、銀としては、純度(金属中における割合)が98重量%以上のものを用いることが好ましい。
【0026】
本発明の場合、光反射性金属層31の形成方法は、特に限定されることはないが、銀合金を均一に被覆する観点からは、スパッタリング法を採用することが好ましい。
【0027】
スパッタリング法は、物体に薄膜を形成する方法の一つであり、真空中で行うものである。スパッタリング法では、容器内を真空にした状態でスパッタガスを導入し、成膜対象物とスパッタリングターゲットとの間に電圧を印加してグロー放電を生じさせる。これにより発生した電子やイオンが高速でターゲットに衝突することにより、ターゲット材料の粒子が弾き飛ばされ、その粒子(スパッタ粒子)が成膜対象物の表面に付着して薄膜が形成される。
ここで、本発明のような微小な粒子にスパッタリングによって薄膜を形成する方法としては、一次粒子まで分散させた微粒子を装置内の容器にセットし、容器を回転させて微粒子を流動させるとよい。すなわち、このような流動状態の微粒子に対してスパッタリングを行うことにより、各微粒子の全面にターゲット材料のスパッタ粒子が衝突し、各微粒子の全面に薄膜を形成させることができる。
また、本発明に適用するスパッタリング法としては、二極スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、高周波スパッタリング法、反応性スパッタリング法を含む公知のスパッタリング法を採用することが可能である。
【0028】
本発明の場合、光反射性金属層31の組成比は特に限定されることはないが、所望の反射率及び耐マイグレーション性を確保する観点からは、銀が50重量%以上80重量%以下、金が10重量%以上45重量%以下、ハフニウムが10重量%以上40重量%以下で、全体として100重量%を超えない範囲に調整することが好ましい。
【0029】
ここで、金の比率が大きくなると、反射率が低下する傾向があり、ハフニウムの比率が大きくなると、導通性が低下する傾向があり、他方、金及びハフニウムの比率が小さくなると、耐マイグレーション性が低下する傾向がある。
【0030】
本発明の場合、光反射性金属層31の組成比を調整する方法としては、例えば、スパッタリングの際に、銀と、金と、ハフニウムとを含む合金からなるターゲット(図示せず)を用い、その組成比を調整することによって行うことができる。
なお、光反射性金属層31において、他に含有する金属としては、例えば、ビスマス、ネオジム等があげられる。
【0031】
本発明の場合、光反射性金属層31の厚さは特に限定されることはないが、所望の反射率を確保する観点からは、0.1μm以上に設定することが好ましい。
【0032】
本発明の場合、絶縁性接着剤樹脂2に対する導電性粒子3の含有量は特に限定されることはないが、光反射率、耐マイグレーション性、絶縁性の確保を考慮すると、絶縁性接着剤樹脂2を100重量部に対し、導電性粒子3を1以上100重量部以下含有させることが好ましい。
【0033】
本発明の異方性導電接着剤1を製造するには、例えば、所定のエポキシ樹脂等を溶解させた溶液に、所定の溶剤に分散させた上記導電性粒子3を加えて混合してバインダーペーストを調製する。
【0034】
ここで、異方性導電接着剤フィルムを製造する場合には、このバインダーペーストを例えばポリエステルフィルム等の剥離フィルム上にコーティングし、乾燥後、カバーフィルムをラミネートして所望の厚さの異方導電性接着フィルムを得る。
【0035】
一方、
図1(d)に示すように、本実施の形態の発光装置10は、例えばセラミックスからなる配線基板20と、この配線基板20上に発光素子40が実装されて構成されている。
【0036】
本実施の形態の場合、配線基板20上には、対となる接続電極として、第1及び第2の接続電極21、22が、例えば、銀めっきによって所定のパターン形状に形成されている。
第1及び第2の接続電極21、22の例えば隣接する端部には、例えばスタッドバンプからなる凸状の端子部21b、22bがそれぞれ設けられている。
【0037】
一方、発光素子40としては、例えば、ピーク波長が400nm以上500nm以下の可視光を発光するLED(発光ダイオード)が用いられている。
本発明は、特に、ピーク波長が460nm近傍の青色用のLEDを好適に用いることができる。
【0038】
発光素子40は、その本体部40aが例えば長方体形状に形成され、一方の面上に、アノード電極及びカソード電極である、第1及び第2の接続電極41、42が設けられている。
【0039】
ここで、配線基板20の第1及び第2の接続電極21、22の端子部21b、22bと、発光素子40の第1及び第2の接続電極41、42とは、対向させて配置した場合に、各接続部分が対向するように、それぞれの大きさ並びに形状が設定されている。
そして、発光素子40が、硬化させた上記異方性導電接着剤1によって配線基板20上に接着されている。
【0040】
さらに、発光素子40の第1及び第2の接続電極41、42が、異方性導電接着剤1の導電性粒子3を介して配線基板20の対応する第1及び第2の接続電極21、22(端子部21b、22b)に対しそれぞれ電気的に接続されている。
【0041】
すなわち、発光素子40の第1の接続電極41が、導電性粒子3の接触によって配線基板20の第1の接続電極21の端子部21bに対し電気的に接続されるとともに、発光素子40の第2の接続電極42が、導電性粒子3の接触によって配線基板20の第2の接続電極22の端子部22bに対し電気的に接続されている。
【0042】
その一方で、配線基板20の第1の接続電極21及び発光素子40の第1の接続電極41と、配線基板20の第2の接続電極22及び発光素子40の第2の接続電極42とは、異方性導電接着剤1中の絶縁性接着剤樹脂2によって互いに絶縁されている。
【0043】
図2(a)〜(c)は、本発明の発光装置の製造工程の実施の形態を示す図である。
まず、
図2(a)に示すように、対となる第1及び第2の接続電極21、22を有する配線基板20と、配線基板20の第1及び第2の接続電極21、22にそれぞれ対応する第1及び第2の接続電極41、42を有する発光素子40とを用意する。
【0044】
そして、配線基板20の第1及び第2の接続電極21、22の端子部21b、22bと、発光素子40の第1及び第2の接続電極41、42とを、対向する方向に配置した状態で、配線基板20の第1及び第2の接続電極21、22の端子部21b、22bを覆うように未硬化のペースト状の異方性導電接着剤1aを配置する。
【0045】
なお、例えば未硬化の異方性導電接着剤1aがフィルム状のものである場合には、例えば図示しない貼付装置によって未硬化の異方性導電接着剤1aを、配線基板20の第1及び第2の接続電極21、22が設けられた側の面の所定位置に貼り付ける。
【0046】
そして、
図2(b)に示すように、未硬化の異方性導電接着剤1a上に発光素子40を載置し、図示しない熱圧着ヘッドによって発光素子40の発光側の面、すなわち、第1及び第2の接続電極41、42が設けられた側と反対側の面40bに対して所定の圧力及び温度で加圧・加熱を行う。
【0047】
これにより、未硬化の異方性導電接着剤1aの絶縁性接着剤樹脂2aが硬化し、
図2(c)に示すように、その接着力によって発光素子40が配線基板20上に接着固定される。
【0048】
また、この熱圧着工程において、配線基板20の第1及び第2の接続電極21、22の端子部21b、22bと、発光素子40の第1及び第2の接続電極41、42とに複数の導電性粒子3がそれぞれ接触して加圧され、その結果、発光素子40の第1の接続電極41と配線基板20の第1の接続電極21、並びに、発光素子40の第2の接続電極42と配線基板20の第2の接続電極22が、それぞれ電気的に接続される。
【0049】
その一方で、配線基板20の第1の接続電極21及び発光素子40の第1の接続電極41と、配線基板20の第2の接続電極22及び発光素子40の第2の接続電極42とは、異方性導電接着剤1中の絶縁性接着剤樹脂2によって互いに絶縁された状態になる。
そして、以上の工程により、目的とする発光装置10が得られる。
【0050】
以上述べた本実施の形態によれば、異方性導電接着剤1の導電性粒子3が、核となる樹脂粒子30の表面に、銀と、金と、ハフニウムとを含有する合金からなる光反射性金属層31が形成されており、銀と同等の反射率を有することから、異方性導電接着剤1による光の吸収を最小限に抑えることができる。
その結果、本実施の形態の異方性導電接着剤1を用いて配線基板20上に発光素子40を実装すれば、発光素子40の発光効率を低下させることがなく、効率良く光を取り出すことが可能な発光装置10を提供することができる。
また、本発明の異方性導電接着剤1は、導電性粒子3の光反射性金属層31がマイグレーションの起こりにくいハフニウム及び金を含む合金からなることから、耐マイグレーション性を向上させることができる。
一方、本実施の形態の方法によれば、異方性導電接着剤1の配置工程と、熱圧着工程という簡素で迅速な工程により、発光装置10を製造することができるので、生産効率を大幅に向上させることができる。
【0051】
なお、本発明は上述した実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、
図1(c)及び
図2(a)〜(c)に示す発光装置10は、その形状や大きさを簡略化して模式的に示したもので、配線基板並びに発光素子の接続電極の形状、大きさ及び数等については、適宜変更することができる。
また、本発明は例えばピーク波長が460nm近傍の青色用の発光素子のみならず、種々のピーク波長を有する発光素子に適用することができる。
ただし、本発明は、ピーク波長が460nm近傍の発光素子に適用した場合に最も効果があるものである。
【実施例】
【0052】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<接着剤組成物>
エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製 CEL2021P)100重量部、硬化剤として、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化社製 MH−700)100重量部、硬化促進剤(四国化学社製 2E4MZ)2重量部及び溶剤であるトルエンを用いて接着剤組成物を調製した。
<導電性粒子の作成>
〔実施例粒子1〕
平均粒径5μmの架橋アクリル樹脂からなる樹脂粒子(根上工業社製 アートパール J−6P)の表面に、スパッタリング法により、厚さ0.2μmの銀合金(銀:金:ハフニウム=60:30:20)からなる光反射性金属層を形成した。
この場合、スパッタリング装置としては、(共立社製 粉体スパッタリング装置)を用い、スパッタターゲットとしては、溶解、鋳造法により作製したAg・Au・Hf合金ターゲットを用いた。
【0053】
〔実施例粒子2〕
光反射性金属層の組成比を銀:金:ハフニウム=50:10:40とした以外は実施例粒子1と同一の条件で実施例粒子2を作成した。
【0054】
〔実施例粒子3〕
光反射性金属層の組成比を銀:金:ハフニウム=50:40:10とした以外は実施例粒子1と同一の条件で実施例粒子3を作成した。
【0055】
〔実施例粒子4〕
光反射性金属層の組成比を銀:金:ハフニウム=80:10:10とした以外は実施例粒子1と同一の条件で実施例粒子4を作成した。
【0056】
〔実施例粒子5〕
厚さ0.2μmのニッケルめっきを施した平均粒径4.6μmのアクリル樹脂からなる樹脂粒子(日本化学社製)を用いた以外は実施例粒子1と同一の条件で実施例粒子5を作成した。
【0057】
〔比較例粒子1〕
樹脂粒子の表面に金からなる光反射性金属層を形成した以外は実施例粒子1と同一の条件で比較例粒子1を作成した。
【0058】
〔比較例粒子2〕
樹脂粒子の表面に銀からなる光反射性金属層を形成した以外は実施例粒子1と同一の条件で比較例粒子2を作成した。
【0059】
〔比較例粒子3〕
光反射性金属層の組成比を銀:金:ハフニウム=98:1:1とした以外は実施例粒子1と同一の条件で比較例粒子3を作成した。
【0060】
〔比較例粒子4〕
光反射性金属層の組成比を銀:金:ハフニウム=30:5:65とした以外は実施例粒子1と同一の条件で実施例粒子4を作成した。
【0061】
〔比較例粒子5〕
光反射性金属層の組成比を銀:金:ハフニウム=30:62:8とした以外は実施例粒子1と同一の条件で比較例粒子5を作成した。
【0062】
<異方性導電接着剤の作成>
上述した接着剤組成物100重量部(溶剤を除く)に、上述した実施例粒子1〜5及び比較例粒子1〜5をそれぞれ15重量部混入して、実施例1〜5並びに比較例1〜5の異方性導電接着剤を得た。
【0063】
<評価>
(1)反射率
実施例1〜5及び比較例1〜5の異方性導電接着剤を平滑な白色板上に乾燥後の厚さが100μmとなるように塗布し、温度200℃で1分間加熱硬化させて反射率測定用のサンプルを作成した。
各サンプルについて、分光測色計(コニカミノルタ社製 CM−3600d)を用い、青色波長である波長460nmにおける反射率を測定した。その結果を表1に示す。
【0064】
(2)LED実装サンプルの作成及び全光束量評価
実施例1〜5及び比較例1〜5の異方性導電接着剤を、平滑化処理がなされた金バンプ付きの配線基板上に塗布した。この配線基板の電極間ピッチは、100μmで、ニッケル/金めっき=5.0μm/0.3μmが施されている。また、金バンプの厚さは15μmとした。
上述した配線基板上に青色LEDチップ(Vf=3.2V(If=20mA))をアライメントして搭載し、温度200℃、1チップ当たり1kgの圧力で20秒間加熱圧着を行い、実施例1〜5及び比較例1〜5のLED実装サンプルを作成した。
積分全球型の全光束量測定システム(大塚電子社製 LE−2100)を用い、If=20mAの定電流制御の条件下で、実施例1〜5及び比較例1〜5のLED実装サンプルの全光束量を測定した。その結果を表1に示す。
【0065】
(3)耐マイグレーション性
上述した実施例1〜5及び比較例1〜5のLED実装サンプルに対し、それぞれ温度85℃、相対湿度85%RHの環境下で通電させる高温高湿試験を500時間行った後の全光束量を測定し、それぞれの変化率を算出した。その結果を表1に示す。
【0066】
(4)導通信頼性
上述した耐マイグレーション性試験の前後において電気測定を行い、導通の破断(オープン)の有無、短絡発生の有無を確認した。ここで、導通の破断が確認できた場合は「○」として評価し、測定パターンの一部がショートした場合を「△」として評価した。その結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
<実施例1>
表1から明らかなように、銀:金:ハフニウム=60:30:20からなる光反射性金属層を形成した実施例1の異方性導電接着剤を用いた樹脂硬化物は、反射率が45%を示すとともに、LED実装サンプルの全光束量は330mlmを示した。これは、金からなる光反射性金属層を樹脂粒子表面に形成した導電性粒子を用いた比較例1のものより高い値を示し、LED実装サンプルからの光の取り出し効率の向上がみられた。
さらに、500時間の高温高湿試験後において初期全光束量の変化はなく、また、電気特性についてはも初期状態から変化がなかった。これらの結果から、導電性粒子の変色及びマイグレーションが発生していないことを確認した。
【0069】
<実施例2>
銀:金:ハフニウム=50:10:40からなる光反射性金属層を形成した実施例2の異方性導電接着剤を用いた樹脂硬化物は、反射率が40%を示すとともに、LED実装サンプルの全光束量は300mlmを示した。これは、金からなる光反射性金属層を樹脂粒子表面に形成した導電性粒子を用いた比較例1のものより高い値を示し、LED実装サンプルからの光の取り出し効率の向上がみられた。
さらに、500時間の高温高湿試験後において初期全光束量の変化はなく、また、電気特性についてはも初期状態から変化がなく、導電性粒子の変色及びマイグレーションが発生していないことを確認した。
【0070】
<実施例3>
銀:金:ハフニウム=50:40:10からなる光反射性金属層を形成した実施例3の異方性導電接着剤を用いた樹脂硬化物は、反射率が35%を示すとともに、LED実装サンプルの全光束量は280mlmを示した。これは、金からなる光反射性金属層を樹脂粒子表面に形成した導電性粒子を用いた比較例1のものより高い値を示し、LED実装サンプルからの光の取り出し効率の向上がみられた。
さらに、500時間の高温高湿試験後において初期全光束量の変化はなく、また、電気特性についてはも初期状態から変化がなく、導電性粒子の変色及びマイグレーションが発生していないことを確認した。
【0071】
<実施例4>
銀:金:ハフニウム=80:10:10からなる光反射性金属層を形成した実施例4の異方性導電接着剤を用いた樹脂硬化物は、反射率が50%を示すとともに、LED実装サンプルの全光束量は360mlmを示した。これは、金からなる光反射性金属層を樹脂粒子表面に形成した導電性粒子を用いた比較例1のものより高い値を示し、LED実装サンプルからの光の取り出し効率の向上がみられた。
さらに、500時間の高温高湿試験後において初期全光束量の変化はなく、また、電気特性についてはも初期状態から変化がなく、導電性粒子の変色及びマイグレーションが発生していないことを確認した。
【0072】
<実施例5>
ニッケルめっきを施した樹脂粒子表面に銀:金:ハフニウム=60:30:20からなる光反射性金属層を形成した実施例5の異方性導電接着剤を用いた樹脂硬化物は、反射率が50%を示すとともに、LED実装サンプルの全光束量は370mlmを示した。これは、金からなる光反射性金属層を樹脂粒子表面に形成した導電性粒子を用いた比較例1のものより高い値を示し、LED実装サンプルからの光の取り出し効率の向上がみられた。
さらに、500時間の高温高湿試験後において初期全光束量の変化はなく、また、電気特性についてはも初期状態から変化がなく、導電性粒子の変色及びマイグレーションが発生していないことを確認した。
【0073】
<比較例1>
樹脂粒子の表面に金からなる光反射性金属層を形成した導電性粒子を用いた比較例1の異方性導電接着剤を用いた樹脂硬化物は、反射率が8%を示すとともに、LED実装サンプルの全光束量は200mlmを示し、LEDチップからの光の取り出し効率が実施例1〜5のものと比較して小さかった。これは、LEDチップから発生した光が導電性粒子表面の金に吸収されるためであると考えられる。
【0074】
<比較例2>
樹脂粒子の表面に銀からなる光反射性金属層を形成した比較例2のものは、反射率が55%を示すとともに、LED実装サンプルの全光束量は390mlmを示し、LEDチップからの光の取り出し効率は大きかった。
しかし、500時間の高温高湿試験後における全光束量が20%減少した。さらに、同試験後において軽度のリーク(短絡)が発生するとともに、顕微鏡による外観観察において、導電性粒子の変色を確認した。
【0075】
<比較例3>
光反射性金属層の組成比を銀:金:ハフニウム=98:1:1とした比較例3のものは、反射率が52%を示すとともに、LED実装サンプルの全光束量は370mlmを示しLEDチップからの光の取り出し効率は大きかった。
しかし、500時間の高温高湿試験後における全光束量が15%減少した。さらに、同試験後において軽度のリーク(短絡)が発生するとともに、顕微鏡による外観観察において、導電性粒子の変色を確認した。
【0076】
<比較例4>
光反射性金属層の組成比を銀:金:ハフニウム=30:5:65とした比較例4のものは、反射率が35%を示すとともに、LED実装サンプルの全光束量は280mlmを示しLEDチップからの光の取り出し効率は実施例3のものと同等であった。
しかし、初期及び500時間の高温高湿試験後において、導通抵抗が大きくなることを確認した。
【0077】
<比較例5>
光反射性金属層の組成比を銀:金:ハフニウム=30:62:8とした比較例5のものは、反射率が15%を示すとともに、LED実装サンプルの全光束量は230mlmを示し、LEDチップからの光の取り出し効率が実施例1〜5のものと比較して小さかった。
【0078】
図3は、異方導電性接着剤の入射光の波長に対する反射率の関係を示すグラフであり、上述した全光束量測定システムを用いて測定したものである。
図3におけるグラフの曲線aは、上記実施例5の異方性導電接着剤の反射率を示すものであり、
図3のグラフの曲線bは、上記比較例1の異方性導電接着剤の反射率を示すものである。
【0079】
図3から理解されるように、ニッケルめっきを施した樹脂粒子表面に銀:金:ハフニウム=60:30:20からなる光反射性金属層を形成した実施例5のものは、樹脂粒子の表面に金からなる光反射性金属層を形成した比較例1のものと比較して、360nm以上500nm以下の範囲においても、反射率が30%以上と大きな値になっている。
【0080】
以上の結果より、本発明によれば、光反射率が高く、しかも優れた耐マイグレーション性を有する発光素子用の異方性導電接着剤が得られることを実証することができた。