【実施例1】
【0018】
図1および
図2は本発明に係る基礎補強構造の一実施例を示す。
これらの図において、符号1は布基礎で、この布基礎1は、基部と立ち上がり1aとによって逆T字状を呈して形成されている。なお、この布基礎1やその上部に構築される建物は従来から周知の構造をもつものであり、ここでの具体的な構造は省略する。
【0019】
本発明は上述した構成による布基礎1の立ち上がり1aを耐震補強するにあたって、一方向に延びる補強部としての複数のリブ状部分11を有し該リブ状部分11を水平方向に延設させた状態で前記基礎立ち上がり1aの側壁面に沿って貼り付けられるラス網10と、このラス網10上に塗り付けられるモルタルによる壁部20とを用いている。すなわち、本発明によれば、従来から一般的に用いられている素材としてのラス網10やモルタルを用い、このモルタルによる壁部20によって基礎立ち上がり1aの側壁面を補強するように構成したところを特徴としている。
【0020】
ここで、前記ラス網10は多数の切れ目を設けた鋼板(鋼帯)を引伸して網目を形成する従来から周知の構造をもつものである。この実施例では、鋼板(鋼帯)の一方向に延びかつ一定の間隔をおいて形成された複数の帯状部分(リブ状部分11となる部分)には切れ目を設けず、その他の部分には切れ目を設けた後に、上記リブ状部分11の方向と直交する方向に引伸して網目状の部材を形成したものである。また、上述したように切れ目を設けずに形成した複数の帯状部分は、その幅方向において略U字状に呈するように折り曲げ形成することにより、リブ状部分11として形成されている。
【0021】
そして、上述したラス網10は、そのリブ状部分11の長手方向を水平方向に沿わせた状態で、鉄筋釘12で前記基礎立ち上がり1の側壁面に組付け固定されている。その後、該ラス網10を埋設するようにしてモルタルを基礎立ち上がり1aの側壁面に塗り付けることにより該モルタルによる壁部20を、基礎立ち上がり側壁面に重ね合わせて形成する。
【0022】
このような構成によれば、ラス網10のリブ状部分11を基礎立ち上がり1aの方向に突出させた状態で、このリブ状部分11を、基礎立ち上がり1aの側壁面上で水平方向に沿って配置し、これを埋設した状態でモルタルによる壁部20を該側壁面に一体化させて設けることにより、基礎立ち上がり1aの強度を確保し、所要の耐震性を確保することができる。しかも、このような構成では、素材として一般的なものでよく、コストを安価に抑えることができるとともに、施工としても一般的なものであり、簡単に作業でき、施工性の面で優れており、基礎立ち上がりの耐震性を簡単かつ安価に向上させることができる。
【0023】
ここで、この実施例では、一方向に延びた補強部(リブ状部分11)を有するラス網10を用いた場合を説明したが、本発明はこれに限定されず、たとえば
図3に示すように、リブ状部分のような補強部がないラス網10Aを用い、鉄筋40を補強部としてラス網10Aの上側および下側部分に沿わせた状態で付設し、これらを一体的にモルタル内に埋設することで、壁部20を形成するように構成してもよい。
【0024】
この場合、ラス網10Aや鉄筋40を、基礎立ち上がり1aの側壁部に沿って貼り付け保持させるために、ラス網10Aの複数個所を引っかけて支持するための引っかけ部31を有し前記基礎立ち上がり1aの側壁面に鉄筋釘32で組み付け固定されるランナ30を用いている。
【0025】
すなわち、このランナ30を基礎立ち上がり1aの側壁面に固定し、その複数の引っかけ部31に前記ラス網10Aを引っかけ支持する。このとき、鉄筋40も水平方向に延設させた状態で、該ラス網10Aと共にランナ30に引っかけ部31に引っかけ支持する。
【0026】
そして、この状態でラス網10Aと補強部としての鉄筋40とを埋め込むようにしてモルタルを塗り付け、壁部20を形成し、これにより基礎立ち上がり1aの側壁面を耐震補強することができる。
【0027】
なお、上述した
図1ないし
図3の斜視図や断面図では、構造を解り易くするために、基礎立ち上がり1aの側壁部と、ラス網10、さらにランナ30、鉄筋40、モルタルによる壁部20が離れているように見える部分もあるが、実際には、基礎立ち上がり1aの側壁部にラス網10、さらにランナ30、鉄筋40が密接して設けられ、これらを埋め込むようにしてモルタルによる壁部20が、側壁面1aに密着して形成されることは勿論である。また、壁部20を形成するモルタルの厚さは、ラス網10、ランナ30、鉄筋40に対して所定のかぶり厚が確保できるように設定されている。
【0028】
図4および
図5は本発明に係る基礎補強構造の他の実施例を示す。
この実施例では、補強部として複数のリブ状部分11を有するラス網10を、基礎立ち上がり1aの側壁面に固定したランナ30の引っかけ部31にリブ状部分11を引っかけることで貼り付けし、モルタルを塗りつけることで壁部20を形成している。
このようにしても、上述した実施例と同等の作用効果を得ることができる。
【0029】
図6および
図7は本発明に係る基礎補強構造のさらに別の実施例を示す。
この実施例では、リブ状部分11を有するラス網10を用いるとともに、これに加えて補強部としての鉄筋40を並設し、これらをランナ30の引っかけ部31により引っかけ支持することにより、ラス網10を基礎立ち上がり1aの側壁面に貼り付けるようにしている。そして、モルタルを塗りつけて壁部20を形成することで、基礎立ち上がり1aを補強することができる。
【0030】
ここで、この実施例でも、鉄筋40は、ラス網10の上側部分、下側部分に沿うように設けられている。勿論、この鉄筋40の本数はこれに限定されず、基礎立ち上がり1aの補強すべき大きさなどに応じて適宜設定されることは言うまでもない。
【0031】
なお、本発明は上述した実施例で説明した構造には限定されず、ラス網10やその補強部としてのリブ状部分11、補強部としての鉄筋40等を初めとする各部の形状、構造、配設状態等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
【0032】
また、上述した実施例では、基礎として布基礎を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばべた基礎等であっても適用し得ることは容易に理解される。