【実施例】
【0049】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0050】
参考例
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンウェハを用いた。このチップ状シリコンウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果、水の接触角は34°であることが確認された。また、このシリコンウェハの表面を電子顕微鏡で観察したところ、その表面は平滑であることが確認された。
【0051】
実施例1
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンウェハを用いた。このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mLに浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理した。
【0052】
次に、このチップ状シリコンウェハをニッケル製の反応管(内径:20mm、長さ:250mm)内に入れた後、当該反応管内の不純物ガスを除去するために、室温下で反応装置の内圧が0.1Pa以下となるまで減圧した。
【0053】
反応管内にフッ素ガス(純度:99.7%)を導入し、反応管内のフッ素ガスの圧力を1.33kPaに調整した後、室温(約23℃)で60分間静置することにより、フッ素ガスとチップ状シリコンウェハとを接触させ、チップ状シリコンウェハの表面を改質させた。その後、このチップ状シリコンウェハを反応管から取り出した。
【0054】
次に、このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mL中に浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理することにより、表面が改質されたチップ状シリコンウェハを製造した。このチップ状シリコンウェハの電子顕微鏡写真を
図1(c)に示す。
図1(c)に示された結果から、このチップ状シリコンウェハの表面には微細な凹凸が形成されていることが確認された。また、このチップ状シリコンウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果を
図2(c)に示す。
図2(c)に示された結果から、水の接触角は7°であることが確認された。
【0055】
実施例2
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンウェハを用いた。このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mLに浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理した。
【0056】
次に、このチップ状シリコンウェハをニッケル製の反応管(内径:20mm、長さ:250mm)内に入れた後、当該反応管内の不純物ガスを除去するために、室温下で反応装置の内圧が0.1Pa以下となるまで減圧した。
【0057】
反応管内にフッ素ガス(純度:99.7%)を導入し、反応管内のフッ素ガスの圧力を1.33kPaに調整した後、室温(約23℃)で10分間静置することにより、フッ素ガスとチップ状シリコンウェハとを接触させ、チップ状シリコンウェハの表面を改質させた。その後、このチップ状シリコンウェハを反応管から取り出した。
【0058】
次に、このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mL中に浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理することにより、表面が改質されたチップ状シリコンウェハを製造した。このチップ状シリコンウェハの電子顕微鏡写真から、このチップ状シリコンウェハの表面には微細な凹凸が形成されていることが確認された。また、このチップ状シリコンウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果、水の接触角は9°であることが確認された。
【0059】
実施例3
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンウェハを用いた。このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mLに浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理した。
【0060】
次に、このチップ状シリコンウェハをニッケル製の反応管(内径:20mm、長さ:250mm)内に入れた後、当該反応管内の不純物ガスを除去するために、室温下で反応装置の内圧が0.1Pa以下となるまで減圧した。
【0061】
反応管内にフッ素ガス(純度:99.7%)を導入し、反応管内のフッ素ガスの圧力を1.33kPaに調整した後、室温(約23℃)で120分間静置することにより、フッ素ガスとチップ状シリコンウェハとを接触させ、チップ状シリコンウェハの表面を改質させた。その後、このチップ状シリコンウェハを反応管から取り出した。
【0062】
次に、このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mL中に浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理することにより、表面が改質されたチップ状シリコンウェハを製造した。このチップ状シリコンウェハの電子顕微鏡写真から、このチップ状シリコンウェハの表面には微細な凹凸が形成されていることが確認された。また、このチップ状シリコンウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果、水の接触角は10°であることが確認された。
【0063】
実施例4
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンウェハを用いた。このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mLに浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理した。
【0064】
次に、このチップ状シリコンウェハをニッケル製の反応管(内径:20mm、長さ:250mm)内に入れた後、当該反応管内の不純物ガスを除去するために、室温下で反応装置の内圧が0.1Pa以下となるまで減圧した。
【0065】
反応管内にフッ素ガス(純度:99.7%)を導入し、反応管内のフッ素ガスの圧力を13.3kPaに調整した後、室温(約23℃)で10分間静置することにより、フッ素ガスとチップ状シリコンウェハとを接触させ、チップ状シリコンウェハの表面を改質させた。その後、このチップ状シリコンウェハを反応管から取り出した。
【0066】
次に、このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mL中に浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理することにより、表面が改質されたチップ状シリコンウェハを製造した。このチップ状シリコンウェハの電子顕微鏡写真から、このチップ状シリコンウェハの表面には微細な凹凸が形成されていることが確認された。また、このチップ状シリコンウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果、水の接触角は13°であることが確認された。
【0067】
実施例5
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンウェハを用いた。このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mLに浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理した。
【0068】
次に、このチップ状シリコンウェハをニッケル製の反応管(内径:20mm、長さ:250mm)内に入れた後、当該反応管内の不純物ガスを除去するために、室温下で反応装置の内圧が0.1Pa以下となるまで減圧した。
【0069】
反応管内にフッ素ガス(純度:99.7%)を導入し、反応管内のフッ素ガスの圧力を50.5kPaに調整した後、室温(約23℃)で10分間静置することにより、フッ素ガスとチップ状シリコンウェハとを接触させ、チップ状シリコンウェハの表面を改質させた。その後、このチップ状シリコンウェハを反応管から取り出した。
【0070】
次に、このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mL中に浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理することにより、表面が改質されたチップ状シリコンウェハを製造した。このチップ状シリコンウェハの電子顕微鏡写真から、このチップ状シリコンウェハの表面には微細な凹凸が形成されていることが確認された。また、このチップ状シリコンウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果、水の接触角は25°であることが確認された。
【0071】
実施例6
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンウェハを用いた。このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mLに浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理した。
【0072】
次に、このチップ状シリコンウェハをニッケル製の反応管(内径:20mm、長さ:250mm)内に入れた後、当該反応管内の不純物ガスを除去するために、室温下で反応装置の内圧が0.1Pa以下となるまで減圧した。
【0073】
反応管内にフッ素ガス(純度:99.7%)を導入し、反応管内のフッ素ガスの圧力を1.33kPaに調整した後、室温(約23℃)で60分間静置することにより、フッ素ガスとチップ状シリコンウェハとを接触させ、チップ状シリコンウェハの表面を改質させた。その後、このチップ状シリコンウェハを反応管から取り出した。
【0074】
次に、このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水50容量%とエタノール50容量%とからなるエタノール水溶液150mL中に浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理することにより、表面が改質されたチップ状シリコンウェハを製造した。このチップ状シリコンウェハの電子顕微鏡写真から、このチップ状シリコンウェハの表面には微細な凹凸が形成されていることが確認された。また、このチップ状シリコンウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果、水の接触角は6°であることが確認された。
【0075】
実施例7
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンウェハを用いた。このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mLに浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理した。
【0076】
次に、このチップ状シリコンウェハをニッケル製の反応管(内径:20mm、長さ:250mm)内に入れた後、当該反応管内の不純物ガスを除去するために、室温下で反応装置の内圧が0.1Pa以下となるまで減圧した。
【0077】
反応管内にフッ素ガス(純度:99.7%)を導入し、反応管内のフッ素ガスの圧力を1.33kPaに調整した後、室温(約23℃)で60分間静置することにより、フッ素ガスとチップ状シリコンウェハとを接触させ、チップ状シリコンウェハの表面を改質させた。その後、このチップ状シリコンウェハを反応管から取り出した。
【0078】
次に、このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水10容量%とエタノール90容量%とからなるエタノール水溶液150mL中に浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理することにより、表面が改質されたチップ状シリコンウェハを製造した。このチップ状シリコンウェハの電子顕微鏡写真から、このチップ状シリコンウェハの表面には微細な凹凸が形成されていることが確認された。また、このチップ状シリコンウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果、水の接触角は8°であることが確認された。
【0079】
実施例8
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンウェハを用いた。このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mLに浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理した。
【0080】
次に、このチップ状シリコンウェハをニッケル製の反応管(内径:20mm、長さ:250mm)内に入れた後、当該反応管内の不純物ガスを除去するために、室温下で反応装置の内圧が0.1Pa以下となるまで減圧した。
【0081】
反応管内にフッ素ガス(純度:99.7%)を導入し、反応管内のフッ素ガスの圧力を1.33kPaに調整した後、室温(約23℃)で60分間静置することにより、フッ素ガスとチップ状シリコンウェハとを接触させ、チップ状シリコンウェハの表面を改質させた。その後、このチップ状シリコンウェハを反応管から取り出した。
【0082】
次に、このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水0.5容量%とエタノール99.5容量%とからなるエタノール水溶液150mL中に浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理することにより、表面が改質されたチップ状シリコンウェハを製造した。このチップ状シリコンウェハの電子顕微鏡写真から、このチップ状シリコンウェハの表面には微細な凹凸が形成されていることが確認された。また、このチップ状シリコンウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果、水の接触角は10°であることが確認された。
【0083】
実施例9
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンウェハを用いた。このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mLに浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理した。
【0084】
次に、このチップ状シリコンウェハをニッケル製の反応管(内径:20mm、長さ:250mm)内に入れた後、当該反応管内の不純物ガスを除去するために、室温下で反応装置の内圧が0.1Pa以下となるまで減圧した。
【0085】
反応管内にフッ素ガス(純度:99.7%)を導入し、反応管内のフッ素ガスの圧力を1.33kPaに調整した後、室温(約23℃)で60分間静置することにより、フッ素ガスとチップ状シリコンウェハとを接触させ、チップ状シリコンウェハの表面を改質させた。その後、このチップ状シリコンウェハを反応管から取り出した。
【0086】
次に、このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水0.5容量%とエタノール99.5容量%とからなるエタノール水溶液150mL中に浸漬し、60分間超音波洗浄機で処理することにより、表面が改質されたチップ状シリコンウェハを製造した。このチップ状シリコンウェハの電子顕微鏡写真から、このチップ状シリコンウェハの表面には微細な凹凸が形成されていることが確認された。また、このチップ状シリコンウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果、水の接触角は7°であることが確認された。
【0087】
実施例10
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンカーバイドウェハを用いた。このチップ状シリコンカーバイドウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mLに浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理した。
【0088】
次に、このチップ状シリコンカーバイドウェハをニッケル製の反応管(内径:20mm、長さ:250mm)内に入れた後、当該反応管内の不純物ガスを除去するために、室温下で反応装置の内圧が0.1Pa以下となるまで減圧した。
【0089】
反応管内にフッ素ガス(純度:99.7%)を導入し、反応管内のフッ素ガスの圧力を1.33kPaに調整した後、室温(約23℃)で60分間静置することにより、フッ素ガスとチップ状シリコンカーバイドウェハとを接触させ、チップ状シリコンカーバイドウェハの表面を改質させた。その後、このチップ状シリコンカーバイドウェハを反応管から取り出した。
【0090】
次に、このチップ状シリコンカーバイドウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mL中に浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理することにより、表面が改質されたチップ状シリコンカーバイドウェハを製造した。このチップ状シリコンカーバイドウェハの電子顕微鏡写真の結果から、このチップ状シリコンカーバイドウェハの表面には微細な凹凸が形成されていることが確認された。また、このチップ状シリコンカーバイドウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果から、水の接触角は7°であることが確認された。
【0091】
比較例1
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンウェハを用いた。このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mLに浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理した。このチップ状シリコンウェハの表面の電子顕微鏡写真を
図1(a)に示す。
図1(a)に示された結果から、このチップ状シリコンウェハの表面は平滑であることが確認された。また、このチップ状シリコンウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果を
図2(a)に示す。
図2(a)に示された結果から、水の接触角は34°であることが確認された。
【0092】
比較例2
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンウェハを用いた。このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mLに浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理した。
【0093】
次に、このチップ状シリコンウェハをニッケル製の反応管(内径:20mm、長さ:250mm)内に入れた後、当該反応管内の不純物ガスを除去するために、室温下で反応装置の内圧が0.1Pa以下となるまで減圧した。
【0094】
反応管内にフッ素ガス(純度:99.7%)を導入し、反応管内のフッ素ガスの圧力を1.33kPaに調整した後、室温(約23℃)で60分間静置することにより、フッ素ガスとチップ状シリコンウェハとを接触させ、チップ状シリコンウェハの表面を改質させた。その後、このチップ状シリコンウェハを反応管から取り出した。
【0095】
以上のようにして表面が改質されたチップ状シリコンウェハの電子顕微鏡写真を
図1(b)に示す。
図1(b)に示された結果から、このチップ状シリコンウェハの表面には微細な凹凸が形成されていることが確認された。このチップ状シリコンウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果を
図2(b)に示す。
図2(b)に示された結果から、水の接触角は40°であることが確認された。
【0096】
比較例3
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンウェハを用いた。このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mLに浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理した。
【0097】
次に、このチップ状シリコンウェハをニッケル製の反応管(内径:20mm、長さ:250mm)内に入れた後、当該反応管内の不純物ガスを除去するために、室温下で反応装置の内圧が0.1Pa以下となるまで減圧した。
【0098】
反応管内にフッ素ガス(純度:99.7%)を導入し、反応管内のフッ素ガスの圧力を1.33kPaに調整した後、室温(約23℃)で10分間静置することにより、フッ素ガスとチップ状シリコンウェハとを接触させ、チップ状シリコンウェハの表面を改質させた。その後、このチップ状シリコンウェハを反応管から取り出した。このチップ状シリコンウェハの電子顕微鏡写真から、このチップ状シリコンウェハの表面には微細な凹凸が形成されていることが確認された。このチップ状シリコンウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果、水の接触角は50°であることが確認された。
【0099】
比較例4
半導体基材として、チップ状(縦:10mm、横:10mm、厚さ:1mm)に切断したシリコンウェハを用いた。このチップ状シリコンウェハを300mL容量のビーカーに入れた超純水150mLに浸漬し、30分間超音波洗浄機で処理した。
【0100】
次に、このチップ状シリコンウェハをニッケル製の反応管(内径:20mm、長さ:250mm)内に入れた後、当該反応管内の不純物ガスを除去するために、室温下で反応装置の内圧が0.1Pa以下となるまで減圧した。
【0101】
反応管内にフッ素ガス(純度:99.7%)を導入し、反応管内のフッ素ガスの圧力を13.3kPaに調整した後、室温(約23℃)で10分間静置することにより、フッ素ガスとチップ状シリコンウェハとを接触させ、チップ状シリコンウェハの表面を改質させた。その後、このチップ状シリコンウェハを反応管から取り出した。このチップ状シリコンウェハの電子顕微鏡写真から、このチップ状シリコンウェハの表面には微細な凹凸が形成されていることが確認された。このチップ状シリコンウェハに水滴径が約1mmの水滴を滴下し、接触角計〔協和界面科学(株)製、品番:DM−701〕を用いて室温(約25℃)における水の接触角を測定した。その結果、水の接触角は63°であることが確認された。
【0102】
実験例1
各実施例、各比較例および参考例のチップ状シリコンウェハまたはチップ状シリコンカーバイドウェハにセンシタイジング(感応化処理)を施すために、塩酸および蒸留水を混合することによって得られた酸性水溶液100mLに塩化第一スズ約5gを添加し、溶解させた溶液を調製した。
【0103】
前記で得られた溶液に、各実施例、各比較例および参考例のチップ状シリコンウェハまたはチップ状シリコンカーバイドウェハを約5分間浸漬させ、その表面にスズイオン(Sn
2+)を存在させた。その後、前記チップ状シリコンウェハまたはチップ状シリコンカーバイドウェハを蒸留水中に浸漬することによって水洗した。
【0104】
チップ状シリコンウェハまたはチップ状シリコンカーバイドウェハにアクチベーション(活性化処理)を施すために、塩酸および蒸留水を混合することによって得られた酸性水溶液100mLに塩化パラジウム約0.03gを添加し、溶解させた溶液を調製した。この溶液に、前記で水洗されたチップ状シリコンウェハまたはチップ状シリコンカーバイドウェハを約5分間浸漬させ、その表面に金属パラジウムのコロイド状微細粒子を担持させた。
【0105】
なお、本発明は、この実験例1で採用したセンシタイジングおよびアクチベーションに限定されるものではなく、例えば、表面改質されたチップ状シリコンウェハまたはチップ状シリコンカーバイドウェハに、反応性を有するイオンを吸着させるなどの活性化処理を施してもよい。また、塩化パラジウムを含む溶液は、塩化パラジウムを添加して溶解させた溶液であってもよく、例えば、塩化パラジウムと塩化第一スズを添加して混合し、溶解させた溶液であってもよい。
【0106】
以上のようにしてパラジウム微粒子が担持されたチップ状シリコンウェハおよびチップ状シリコンカーバイドウェハは、その表面上に存在するパラジウム微粒子を有するので、当該パラジウム微粒子を核にしい還元反応によってニッケルが析出することから、ニッケルめっき皮膜を形成させることができる。
【0107】
次に、硫酸ニッケル(II)23.7g/L、塩化ニッケル(II)59.4g/L、クエン酸三ナトリウム二水和物26.4g/L、塩化アンモニウム98.4g/Lおよび還元剤として次亜リン酸ナトリウム8.9g/Lからなる水溶液を調製し、アンモニア水を用いてpHを9〜10に調整することにより、めっき浴を得た。得られためっき浴の温度を45℃に調整し、このめっき浴に、パラジウム微粒子が担持されたチップ状シリコンウェハまたはチップ状シリコンカーバイドウェハを30分間浸漬することにより、チップ状シリコンウェハまたはチップ状シリコンカーバイドウェハの表面上にニッケルめっき皮膜(めっき皮膜の厚さ:1μm)が形成された試料を作製した。
【0108】
次に、各試料を用いて金属めっき皮膜の密着性を以下の方法にしたがって調べた。
〔金属めっき皮膜の密着性〕
試料の金属めっき皮膜が形成されている面に、セロハン粘着テープ〔ニチバン(株)製、商品名:セロテープ(登録商標)〕を貼付し、セロハン粘着テープにカッターナイフで傷を入れ、半導体基材に達する1mm×1mm×100個の碁盤目を形成し、その上にセロハン粘着テープを貼り付けた後、急激にセロハン粘着テープを引き剥がし、碁盤目の剥離状態を観察し、残存している碁盤目の数をカウントし、その数を表1に記載した。当該残存している碁盤目の数が多いほど、金属めっき皮膜の密着性に優れている。
【0109】
【表1】
【0110】
表1に示された結果から、各実施例で得られたニッケルめっき皮膜が形成された試料は、いずれも、各比較例で得られたニッケルめっき皮膜が形成された試料と対比して、金属めっき皮膜の剥離がほとんど認められず、金属めっき皮膜の密着性に優れていることがわかる。
【0111】
実験例2
硫酸銅200g/L、硫酸45g/Lからなる水溶液に塩化ナトリウム水溶液を適宜加えて塩化物イオン濃度を60ppmとした水溶液を調製し、25℃に調整し、めっき浴とした。
【0112】
実験例1において、実施例1のチップ状シリコンウェハを用いて製造されたニッケルめっき皮膜が形成された試料をこのめっき浴に浸漬し、リードをとって陰極とした。この試料の面積の2倍の面積を有する銅板を当該めっき浴に陰極と接触しないようにして浸漬し、リードをとって陽極とした。陰極の電流密度を2A/dm
2とし、銅めっき皮膜の厚さが0.5μmとなるように設定した電気量を通電し、試料の表面のニッケルめっき層上にさらに銅めっき層が積層された積層金属めっき皮膜が形成された試料を作製した。得られた試料の断面の電子顕微鏡写真を
図5に示す。
図5において、符号1〜4は、それぞれ順に銅メッキ層、ニッケルめっき層、フッ素化によって形成された層およびシリコン基板である。
【0113】
次に、前記で得られた積層金属めっき皮膜が形成された試料の金属めっき皮膜の密着性を実験例1と同様にして調べた。その結果、残存している碁盤目の数が100個であったことから、金属めっき皮膜の密着性に優れていることが確認された。