(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
その上に児を寝かせることができる臥床台本体と、上記臥床台本体の外周囲付近の少なくとも一部を囲むことができる少なくとも1つのガード部材とを備えている、保育器における臥床台を使用する方法において、
上記臥床台本体の外周囲付近に少なくとも1つの取り付け孔を設け、
上記ガード部材として複数種類のガード部材を用意し、
上記複数種類のガード部材のそれぞれに少なくとも1つの被取り付け部を設け、
上記複数種類のガード部材のうちのいずれか1つのガード部材を任意に選択して、この任意に選択したガード部材の被取り付け部を上記取り付け孔に凹凸嵌合させることによって、上記複数種類のガード部材のうちの任意の1つのガード部材を上記臥床台本体に着脱自在に取り付けるようにしたことを特徴とする、保育器における臥床台の使用方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を閉鎖型保育器兼用の開放型保育器に適用した一実施例を、「1、保育器全体の概略的な説明」、「2、臥床台本体の説明」、「3、短辺側ガード部材の説明」、「4、長辺側ガード部材の説明」、「5、ガード部材の誤装着操作の説明」および「6、臥床台の実施形態の説明」に項分けして、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
1、保育器全体の概略的な説明
【0019】
保育器1は、
図3に示すように、平面的に見てほぼ長方形状などの基台2と、この基台2のほぼ外周囲に沿って立設されているほぼ直方体形状などのエンクロージャ3とを備えている。そして、基台2上には、臥床架4が配置されている。また、この臥床架4上には、臥床台5が配置されている。さらに、この臥床台5上には、児用のマット6が配置されている。そして、この児用マット6の上面に必要に応じて薄いシーツ(図示せず)が敷かれてから、未熟児などの児7(
図6参照)が、児用マット6上に横たわらされて、診察、処置、保育などを施される。なお、エンクロージャ3は、一部を除いて、全体としてほぼ透明であってよい。そして、エンクロージャ3は、児用マット6上の児収容空間の外周囲を包囲し得るように、前側(すなわち、先端部側)の壁部11、後側(すなわち、基端部側)の壁部12、左側の壁部(図示せず)および右側の壁部13をそれぞれ備えている。また、前側の壁部11、後側の壁部12、上記左側の壁部および右側の壁部13によって、平面的に見てほぼ長方形状などの周囲枠部8が児収容空間として構成されている。さらに、前側の壁部11、上記左側の壁部、右側の壁部13などは、処置窓またはフェンスがエンクロージャ3に形成されるようにするために、ほぼ下方に向かって往回動することまたはほぼ下方に向ってほぼ直線的に往動することなどによって、全体的にまたは部分的に開放され得るように構成されている。したがって、医師、看護師などの取扱者は、児に対する診察、処置、保育などを、上記処置窓を通してまたは上記フェンス越しに、任意の方向から施すことができる。
【0020】
上記左側の壁部および右側の壁部13のそれぞれには、左右一対の手入れ窓14、15が配置されている。また、前側の壁部11にも、手入れ窓16が配置されている。さらに、これら左側の壁部、右側の壁部13および前側の壁部11のそれぞれには、これらの手入れ窓14〜16のそれぞれを開閉するための開閉用の扉21、22、23が配設されている。そして、これらの開閉用扉21〜23は、一部を除いて、全体としてほぼ透明であってよい。また、開閉用扉21、22は、
図3に示すように、外側から見てほぼ凹型の形状に構成されている。さらに、開閉用扉23は、ほぼ平板の形状に構成されている。なお、前側の壁部11、上記左側の壁部および右側の壁部13のいずれもが
図1および
図2に示すように完全に開放されたときには、保育器1を蘇生処置用装置としても用いることができる。
【0021】
図1〜
図3に示す基台2は、ほぼ前後方向に延在しているフレーム17上に取り付け支持されている。そして、このフレーム17は、メイン支柱24上に支持されている。また、このメイン支柱24は、それぞれが車輪25付きの合計で例えば4本の腕部を有する前後一対のベース26に取り付け支持されている。さらに、これら一対のベース26は、共通の連結部材27によって、互いに連結されている。そして、この連結部材27には、メイン支柱24が立設されている。また、
図3に示すメイン支柱24に取り付け支持されているフレーム17には、
図1および
図2に示すように互いにほぼ左右対称であってよい左右一対のサブ支柱31a、31bが共通の連結部材32を介して取り付け支持されている。そして、これら左右一対のサブ支柱31a、31bは、後側の壁部12から外方側に遠ざかる方向に向かってエンクロージャ3から離間した状態でもって、後側の壁部12よりもさらに外方側に配置されている。
【0022】
エンクロージャ3は、
図3に示すように、天面フード33をさらに備えている。したがって、エンクロージャ3内の児収容空間は、ほぼ閉鎖状態にされることができる。そして、左右一対のサブ支柱31a、31bのうちの
図3における例えば左側の加熱器用サブ支柱31aには、
図3に示すように、加熱器34が支持軸35によって取り付け支持されている。また、
図3における例えば右側の天面フード用サブ支柱31bには、天面フード33が支持腕36によって取り付け支持されている。この場合、天面フード33は、ほぼ四角錐台形状などであってよく、また、その下面が開放された中空体であってよい。したがって、エンクロージャ3は、周囲枠部8と、この周囲枠部8の上端開口を選択的に覆うことができる天面フード33とを備えている。そして、
図3に示す閉鎖型の状態での保育器1においては、エンクロージャ3は、ごく小さいほぼ小屋形状に構成されている。なお、左右一対のベース26のそれぞれには、前後一対のフットスイッチ37a、37bが互いに隣接して配設されている。そして、操作者が向って左側のフットスイッチ37aを足などで押圧操作したときには、フレーム17がメイン支柱24に対して下降するので、このフレーム17に取り付けられている基台2などが同様に下降する。また、操作者が向って右側のフットスイッチ37bを足などで押圧操作したときには、フレーム17がメイン支柱24に対して上昇するので、このフレーム17に取り付けられている基台2などが同様に上昇する。
【0023】
図1および
図2に示す加熱器用サブ支柱31aおよび天面フード用サブ支柱31bのそれぞれは、固定支柱41および可動支柱42から成っている。そして、左右一対のサブ支柱31a、31bの固定支柱41の下端部は、共通の連結部材32を介してフレーム17に取り付け支持されている。また、上記一対の可動支柱42は、従動歯車、駆動用チェーン、駆動歯車、電動モータなどの昇降駆動機構(いずれも図示せず)によって、固定支柱41内を上下方向にそれぞれ往復駆動(換言すれば、昇降駆動であって、固定支柱41に対して伸縮可能に駆動)されるように構成されている。そして、天面フード33が
図1および
図2に示すように上昇位置まで移動したときには、保育器1は、開放型保育器として機能する。また、天面フード33が
図3に示すように下降位置まで移動したときには、保育器1は、閉鎖型保育器として機能する。さらに、この閉鎖型保育器として機能するときには、加熱器34は、その使用状態(この場合には、使用状態であっても少量の熱線しか放射されない。)においては
図1および
図2に示す上昇位置(図示せず)に留まり、その不使用状態においては
図3に示す下降位置まで移動していてよい。なお、加熱器34およびその回動駆動機構のそれぞれの構成や加熱器34と天面フード33との相互の関係を含む保育器1の全体構成の詳細は、本発明の要旨ではないので、その詳細な図示および詳細な説明は、本文においては省略する。
【0024】
サブ支柱31aの固定支柱41には、
図1〜
図3に示すように、操作ユニット兼用の表示ユニット38が取り付けられている。そして、この操作ユニット兼用の表示ユニット38は、表示ユニット本体39と、この表示ユニット本体39を固定支柱41に連結するための支持アーム機構(図示せず)とを備えている。また、表示ユニット39は、保育器1のエンクロージャ3内の保育環境などについての各種の情報を表示する表示画面40を備えている。さらに、この表示画面40は、タッチパネルタイプの液晶表示パネルの表示画面によって構成されていてよい。そして、基台2の前側の壁部11側には、
図3に示すように、開閉用ドア43が配設されている。また、この開閉用ドア43は、加湿器としての加湿ユニット(図示せず)を基台2に装着したり取り出したりするのに用いられる開口44を開閉することができる。さらに、基台2の右側の壁部13側には、
図3に示すように、開閉用ドア49が配設されている。そして、この開閉用ドア49は、臥床架4と臥床台5との間に形成されているカセッテトレー用の収納空間50(
図4参照)にカッセテトレー54を装着してり取り出したりするのに用いられる開口55を開閉することができる。なお、このようなカセッテトレー54の装着および取り出しに用いられる開閉用ドア49は、基台2の前記左側の壁部側にも配設されている。
【0025】
基台2の前側の壁部(換言すれば、エンクロージャ3の長さ方向における一方の側の壁部)11には、
図1〜
図3に示すように、上記一方の側の外方から見た左側端部および右側端部においてそれぞれ開放されている上下一対の左側の切り欠き部45aおよび上下一対の右側の切り欠き部45bが、切り欠き形状の開口として形成されている。さらに、これらの切り欠き部45a、45bのそれぞれには、これらの切り欠き部45a、45bを一回り大きくした比較的小型のグロメット部材46a、46bが嵌め込みによって取り付け固定されている。なお、グロメット部材46a、46bのそれぞれには、これらのグロ
メット部材46a、46bの外側の縁から内側の縁に向って途中までほぼ水平な状態でもって延在している第1の切れ目47と、この第1の切れ目47とほぼ直交するように、左右方向におけるほぼ中央部分のみをほぼ垂直な状態でもって延在している複数本の第2の切れ目48とが形成されている。さらに、後側の壁部(換言すれば、エンクロージャ3の長さ方向における他方の側の壁部)12にも、前側の壁部11の場合と同様に、上下一対の左側の切り欠き部51aおよび上下一対の右側の切り欠き部51bが、切り欠き形状の開口として形成されていてよい。そして、これら左側および右側の切り欠き部51a、51bのそれぞれにも、グロメット部材46a、46bとほぼ同一の構成をそれぞれ有する比較的小型のグロメット部材52a、52bが嵌め込みによって取り付け固定されていてよい。また、後側の壁部12には、この後側の壁部12の上端から下方に向かって延在している比較的大型のグロメット部材53も配設されている。
【0026】
2、臥床台本体の説明
【0027】
第1の実施形態での臥床台5は、
図4〜
図6に示すように、平面的に見てほぼ長方形状であってよいほぼお盆形状の臥床台本体61と、この臥床台本体61にそれぞれ着脱自在に取り付けられる左右一対の長辺側のガード部材62a、62bおよび前後一対の短辺側のガード部材63a、63bとを備えている。なお、臥床台本体61は、臥床架(換言すれば、臥床台トレー)4上に配置されている。そして、臥床架4は、臥床架用の支持機構(図示せず)を介して基台2上に配置されている。具体的には、基台2の上面には、
図4および
図4Aに示すように、部分的なほぼ円柱面形状を有する凹部64が設けられている。そして、臥床架4には、この凹部64にほぼ対応した突部65aをその幅方向におけるほぼ中心部分に有する底面部65が設けられている。また、この底面部65(ひいては、突部65a)は、部分的な円柱面形状をそれぞれ有している。そして、取扱者が操作用ダイヤル66(
図1参照)を右回り方向または左回り方向に回動操作したときには、前記臥床架用支持機構は、児7の頭部71を上方または下方に移動させるために、臥床架4(ひいては、臥床台本体61)を前後に揺動させることができる。
【0028】
臥床架4には、
図4および
図4Aに示すように、臥床台本体61をほぼ左右方向(換言すれば、幅方向)に往復動させるための前後一対のガイドレール部72a、72bが設けられている。そして、臥床台本体61には、これら前後一対のガイドレール部72a、72bにそれぞれ対応する前後一対の被ガイド用の突条部73a、73bが設けられている。また、ガイドレール部72a、72bのそれぞれは、ほぼ左右方向に延在している長手状の凹部74と、この長手状凹部74から被ガイド用突条部73a、73bが抜け出るのを防止することができる左右一対の抜け止め用の突出部75とを備えている。このために、被ガイド用突条部73a、73bのそれぞれには、抜け止め用の突出部75に係合させることができる被係合用の突起部76が設けられている。そして、臥床台本体61が、左右方向において、臥床架4に対して位置ずれしていない状態(換言すれば、臥床台本体61の幅方向における中心線が、平面的に見て、臥床架4の幅方向における中心線とほぼ一致している状態)においては、抜け止め用突出部75は、平面的に見て、左右一対の被係合用突起部76の間に位置している。このために、臥床台本体61を臥床架4から持ち上げようとしたときに、左右一対の被係合用突起部76は、抜け止め用突出部75に当接することなく、ほぼ上方に移動するので、突条部73a、73bをガイドレール部72a、72bからそれぞれ離脱させることができる。しかし、臥床台本体61が臥床架4に対して左右方向のうちのいずれか一方の方向に或る程度移動しているときには、臥床台本体61を臥床架4から持ち上げようとしても、左右一対の被係合用突起部76のうちのいずれか一方が抜け止め用突出部75にストッパとして当接するので、突条部73a、73bをガイドレール部72a、72bから離脱させることができない。さらに、臥床台本体61を臥床架4に対して左右方向のうちのいずれか一方の方向に大きく移動させようとしたときには、臥床台本体61が臥床架4のストッパ(図示せず)に当接してそれ以上の移動を阻止されるので、臥床台本体61の左右方向への必要以上に大きな移動が阻止される。
【0029】
カセッテトレー用収納空間50は、
図4に示すように、臥床台本体61のほぼ水平な板状部77と、臥床台本体61の前後一対の突条部73a、73bと、臥床架4とによって囲まれた空間から構成されている。そして、カセッテトレー54の上面部の前後両端部付近には、前方および後方に向かってほぼ水平な状態でそれぞれ突出している係合用の突条部81が形成されている。また、臥床台本体61の突条部73a、73bには、前後一対の支持用の突条部82が形成されている。そして、前後一対の係合用突条部81のそれぞれが前後一対の支持用突条部82上に載置されることによって、カセッテトレー54は、臥床台本体61の板状部77の下側面に隣接した状態でもって、臥床台本体61に支持されている。また、カセッテトレー54をカセッテトレー用収納空間50から取り出したいときには、取扱者が、基台2の前記左側の壁部または右側の壁部13の開閉用ドア49を開放してから、カセッテトレー54の把手83を掴んで外部に引っ張り出せばよい。さらに、カセッテトレー54をカセッテトレー用収納空間50に装着したいときには、上記取り出しのときとは逆の操作を行えばよい。なお、カセッテトレー54上には、例えば、X線撮影用フィルム(図示せず)が載置されることができる。そして、上記フィルムは、児7の身体の一部についてX線撮影するのに用いられることができる。
【0030】
臥床台本体61の板状部77は、
図5に示すように、ほぼ長方形状であってよい比較的肉薄の板状部本体84と、この板状部本体84から上方に突出するように板状部本体84の外周囲に沿って延在していてほぼ長方形の枠形状であってよい比較的厚みの大きい枠部85とから成っていてよい。そして、枠部85の左側の長辺側の枠片部86aには、前側の取り付け孔91および後側の取り付け孔92がそれぞれ配設されている。また、枠部85の右側の長辺側の枠片部86bには、前側の取り付け孔93および後側の取り付け孔94がそれぞれ配設されている。さらに、枠部85の前側(換言すれば、先端部側)の短辺側の枠片部95aには、左側の取り付け孔96および右側の取り付け孔97がそれぞれ配設されている。また、枠部85の後側(換言すれば、基端部側)の短辺側の枠片部95bには、左側の取り付け孔98および右側の取り付け孔99がそれぞれ配設されている。なお、取り付け孔91〜99のそれぞれの具体的な形状などは、次項(すなわち、「3、短辺側ガード部材の説明」)および次々項(すなわち、「4、長辺側ガード部材の説明」)において説明する。そして、枠部85の四隅付近には、チューブホルダ取り付け用の取り付け孔100がそれぞれ形成されている。また、これらの取り付け孔100には、チューブホルダの基端部が、必要に応じて、差し込みによって取り付けられることができる。
【0031】
3、短辺側ガード部材の説明
【0032】
短辺側のガード部材としては、
図1〜
図13に示す第1の実施形態において用いられている第1の種類の短辺側ガード部材63a、63b以外にも、
図14に示す第2の実施形態において用いられている第2の種類の短辺側ガード部材101a、101bと、
図16に示す第3の実施形態、
図19に示す第4の実施形態および
図23に示す第5の実施形態においてそれぞれ用いられている第3の種類の短辺側ガード部材102a、102bとがそれぞれ用意されている。したがって、第1〜第3の種類の短辺側ガード部材63a、63b、101a、101b、102a、102bを、「(1)第1の種類の短辺側ガード部材」、「(2)第2の種類の短辺側ガード部材」および「(3)第3の種類の短辺側ガード部材」に項分けして、図面を参照しつつ説明する。
【0033】
(1)第1の種類の短辺側ガード部材
【0034】
前後一対の第1の種類の短辺側ガード部材63a、63bのそれぞれは、ほぼ透明などの合成樹脂などから一体成形されていてよく、
図5に示すように、ガード部材本体103と、短辺側ガード部材63a、63bのそれぞれを臥床台本体61の左右一対の取り付け孔96〜99にそれぞれ取り付けるための左右一対の被取り付け部104、105とから成っている。なお、前側の短辺側ガード部材63aと後側の短辺側ガード部材63bとは、
図4および
図5においては互いに向き合っていることを除いて、互いにほぼ同形であってよい。そして、ガード部材本体103のそれぞれは、横長のほぼ長方形状の板状体であってよい。また、ガード部材本体103の両端部のそれぞれは、平面的に見て、内側に向かってほぼ円弧状に湾曲していてよい。
【0035】
短辺側ガード部材63a、63bの左右一対の被取り付け部104、105のそれぞれは、
図5および
図7に示すように、互いにほぼ同形であってよい。具体的には、被取り付け部104、105のそれぞれは、ガード部材本体103と一体成形されかつこのガード部材本体103の下端からほぼ下方に突出している左右一対の位置決め用差し込み部106a、106bと、ガード部材本体103と一体成形されかつこれら左右一対の位置決め用差し込み部106a、106bの間においてこのガード部材本体103の下端からほぼ下方に突出している中央の誤装着防止用の差し込み部107とを備えている。そして、誤装着防止用の差し込み部107の下端部には、被取り付け部104、105の内側面側に段部111を介して突出している突出部112が形成されている。また、左右一対の位置決め用差し込み部106a、106bは、互いにほぼ同形であってよい。したがって、被取り付け部104、105のそれぞれは、ガード部材本体103の下端からほぼ下方に突出している肉薄の板状体に、差し込み部106a、106b、107を形成するために、左右一対のスリット113、114を形成した形状と実質的に同一の形状を有していてよい。この場合、誤装着防止用差し込み部107には、段部111を形成するために、突出部112が一体的に連設されている。また、突出部112の厚みが差し込み部106a、106bの厚みとほぼ同一になるように、差し込み部107のうちの突出部112を除く基端側の部分は、その内側面を削られたのと実質的に同一の形状になるように肉薄になっている。さらに、段部111の先端側は、切り欠き115の上端にほぼ仮係止状態でもって係止されるように、多少丸みを帯びている。
【0036】
短辺側ガード部材63a、63bの左右一対の被取り付け部104、105のそれぞれが差し込まれる取り付け孔96〜99のそれぞれの形状は、
図5および
図7に示すように、互いにほぼ同一であってよい。なお、取り付け孔96〜99のそれぞれは、切り欠き形状の凹部115を有することを除いて本の外箱とほぼ同一の形状であってよい突出壁部116によって形成されていてよい。そして、中空形状で上面全体が開口している突出壁部116は、枠部85の上面からほぼ下方に向かって突出していてよい。また、取り付け孔96〜99のそれぞれに形成されている切り欠き形状の凹部(換言すれば、係止部)115は、この突出壁部116の前後方向における両壁部のうちの板状部本体84側の壁部117のみに形成されている。さらに、切り欠き形状の凹部115は、誤装着防止用差し込み部107にほぼ対応するように、壁部117の左右方向におけるほぼ中央部に配設されている。そして、被取り付け部104、105のそれぞれのほぼ水平方向における長さL
1は、
図7に示すように、取り付け孔96〜99のそれぞれのほぼ水平方向における長さL
2とほぼ同一であってよい。また、被取り付け部104、105のそれぞれの厚みは、取り付け孔96〜99のそれぞれの厚みとほぼ同一または多少小さくてよい。さらに、誤装着防止用差し込み部107の基端から段部111までのほぼ上下方向における長さL
3は、取り付け孔96〜99のそれぞれの上端から切り欠き形状の凹部115の上端までのほぼ上下方向における長さL
4とほぼ同一であってよい。さらに、被取り付け部104の差し込み部106aの左端から被取り付け部105の差し込み部106bの右端までのほぼ水平方向における長さL
5は、左側の取り付け孔96の左端から右側の取り付け孔97の右端までのほぼ水平方向における長さL
6とほぼ同一であってよい。
【0037】
図6および
図8は、短辺側のガード部材63a、63bのそれぞれが臥床台本体61に正常に取り付けられた状態を示している。そして、
図6および
図8に示す状態においては、被取り付け部104、105(換言すれば、位置決め用差し込み部106a、106bおよび誤装着防止用差し込み部107)のそれぞれが、左側および右側の取り付け孔96〜99に凹凸嵌合によりほぼ嵌合することによって、短辺側ガード部材63a、63bのそれぞれが臥床台本体61に取り付け固定されている。また、誤装着防止用差し込み部107の段部111が、切り欠き115の上端にほぼ仮係止状態でもってほぼ係止されている。したがって、被取り付け部104、105(ひいては、短辺側のガード部材63a、63b)のそれぞれは、臥床台本体61に良好に取り付けられている。なお、短辺側ガード部材63a、63bのそれぞれを臥床台本体61から取り外すときには、短辺側ガード部材63a、63bのそれぞれの左右方向における中間部部分などを片手などで掴んでからほぼ上方に引っ張り上げればよい。この場合、左右一対の誤装着防止用差込部107の段部111のそれぞれは、左右一対の突出壁部116のそれぞれの切り欠き形状の凹部115とのほぼ仮係止状態での係止を解消して、ほぼ上方に移動することができる。したがって、被取り付け部104、105のそれぞれは、取り付け孔96〜99から比較的簡単に抜け出るので、短辺側ガード部材63a、63bのそれぞれを臥床台本体61から比較的簡単に取り外すことができる。
【0038】
(2)第2の種類の短辺側ガード部材
【0039】
前後一対の第2の種類の短辺側ガード部材101a、101bのそれぞれは、
図14および
図15に示すように、ガード部材本体103と、短辺側ガード部材101a、101bのそれぞれを臥床台本体61の左右一対の取り付け孔96〜99にそれぞれ取り付けるための左右一対の被取り付け部104、105とから成っている。なお、前側の短辺側ガード部材101aと後側の短辺側ガード部材101bとは、
図14および
図15においては互いに向き合っていることを除いて、互いにほぼ同形であってよい。そして、前後一対の第2の種類の短辺側ガード部材101a、101bのそれぞれは、特に矛盾を生じない限り、以下において説明する点を除いて、前後一対の第1の種類の短辺側ガード部材63a、63bのそれぞれとほぼ同一の構成を有しかつほぼ同一の作用効果を奏するものであってよい。また、前後一対の第2の種類の短辺側ガード部材101a、101bのそれぞれが取り付けられる臥床台本体61は、前後一対の第1の種類の短辺側ガード部材63a、63bのそれぞれが取り付けられる臥床台本体61と同一のものであってよい。
【0040】
前後一対の第2の種類の短辺側ガード部材101a、101bのそれぞれの左右両側の被取り付け部104、105のそれぞれは、
図14に示すように、前後一対の第1の種類の短辺側ガード部材63a、63bのそれぞれの左右両側の被取り付け部104、105のそれぞれとほぼ同一の構成を有しかつほぼ同一の作用効果を奏するものであってよい。しかし、前後一対の第2の種類の短辺側ガード部材101a、101bのガード部材本体(以下、「第2の種類のガード部材本体」という。)103のそれぞれは、前後一対の第1の種類の短辺側ガード部材63a、63bのガード部材本体(以下、「第1の種類のガード部材本体」という。)103のそれぞれとは、その形状が大幅に相違している。そして、第2の種類のガード部材本体103のそれぞれは、各種の医療用器具などの小物を入れる収納用容器を兼用することができる形状に構成されている。具体的には、第2の種類のガード部材本体103は、第1の種類のガード部材本体103にほぼ対応する外側の壁部121と、内側の壁部122と、底壁部123とをそれぞれ有するほぼ左右方向に長細い容器形状に構成されている。したがって、外側の壁部121と内側の壁部122とは、左右両端においてほぼ一体的に連結されている。そして、内側の壁部122は、両端部分を除いて、外側の壁部121よりも高さが大きくなっている。
【0041】
(3)第3の種類の短辺側ガード部材
【0042】
前後一対の第3の種類の短辺側ガード部材102a、102bのそれぞれは、
図16および
図17に示すように、ガード部材本体103と、短辺側ガード部材101a、101bのそれぞれを臥床台本体61の左右両側の取り付け孔96〜99にそれぞれ取り付けるための左右両側の被取り付け部104、105とから成っている。なお、前側の短辺側ガード部材102aと後側の短辺側ガード部材102bとは、
図16および
図17においては互いに向き合っていることを除いて、互いにほぼ同形であってよい。そして、前後一対の第3の種類の短辺側ガード部材102a、102bのそれぞれは、特に矛盾を生じない限り、以下において説明する点を除いて、前後一対の第1の種類の短辺側ガード部材63a、63bのそれぞれとほぼ同一の構成を有しかつほぼ同一の作用効果を奏するものであってよい。また、前後一対の第3の種類の短辺側ガード部材102a、102bのそれぞれが取り付けられる臥床台本体61は、前後一対の第1の種類の短辺側ガード部材63a、63bのそれぞれが取り付けられる臥床台本体61と同一のものであってよい。
【0043】
前後一対の第3の種類の短辺側ガード部材102a、102bのそれぞれの左右両側の被取り付け部104、105のそれぞれは、
図16に示すように、前後一対の第1の種類の短辺側ガード部材63a、63bのそれぞれの左右両側の被取り付け部104、105のそれぞれとほぼ同一の構成を有しかつほぼ同一の作用効果を奏するものであってよい。しかし、前後一対の第3の種類の短辺側ガード部材102a、102bのガード部材本体(以下、「第3の種類のガード部材本体」という。)103のそれぞれは、前後一対の第1の種類の短辺側ガード部材63a、63bのガード部材本体(以下、「第1の種類のガード部材本体」という。)103のそれぞれとは、その形状が多少相違している。そして、この相違点は、第3の種類のガード部材本体103のそれぞれがグロメット部材124を備えている点のみである。具体的には、第3の種類のガード部材本体103のそれぞれのほぼ中央の部分には、
図16および
図17に示すように、上端においてそれぞれ開放されている切り欠き部125が切り欠き形状の開口として形成されている。そして、これらの切り欠き部125のそれぞれには、これらの切り欠き部125を一回り大きくした比較的小型のグロメット部材124が嵌め込みによって取り付け固定されている。なお、グロメット部材124のそれぞれには、これらのグロメット部材124の上側の縁から下側の縁に向かって途中までほぼ垂直な状態でもって延在している第1の切れ目126と、この第1の切れ目126とほぼ直交するように上下方向におけるほぼ中央部分のみをほぼ水平な状態でもって延在している複数本の第2の切れ目127とが形成されている。そして、グロメット部材124には、グロメット部材45a、45b、46a、46b、51a、51b、52a、52bの場合と同様に、チューブ、ケーブルなどのケーブル類が保持されることができる。具体的には、例えば、人工呼吸器(図示せず)を用いて児7に酸素を供給するための酸素マスク(図示せず)の酸素供給用チューブ(図示せず)が短辺側のガード部材101aまたは101bの外側からグロメット部材124の第1および/または第2の切れ目126、127を通してガード部材101aまたは101bの内側に導き入れられることができる。したがって、上記酸素供給用チューブは、グロメット部材101aまたは101bによって保持される。この場合、上記酸素供給用チューブは、吸気用、呼気用などの複数本のチューブが束ねられた状態でもって蛇腹状の外被チューブによって被覆されたものであってもよい。また、上記ケーブル類は、SpO
2センサのケーブルであってもよい。
【0044】
4、長辺側ガード部材の説明
【0045】
長辺側のガード部材としては、
図1〜
図13に示す第1の実施形態、
図14および
図15に示す第2の実施形態および
図16および
図17に示す第3の実施形態においてそれぞれ用いられている第1の種類の長辺側ガード部材62a、62b以外にも、
図18〜
図22に示す第4の実施形態において用いられている第2の種類の長辺側ガード部材131a、131bと、
図23および
図24に示す第5の実施形態において用いられている第3の種類の長辺側ガード部材132とがそれぞれ用意されている。したがって、第1〜第3の種類の長辺側ガード部材62a、62b、131a、131b、132を、「(1)第1の種類の長辺側ガード部材」、「(2)第2の種類の長辺側ガード部材」および「(3)第3の種類の長辺側ガード部材」に項分けして、図面を参照しつつ説明する。
【0046】
(1)第1の種類の長辺側ガード部材
【0047】
左右一対の第1の種類の長辺側ガード部材62a、62bのそれぞれは、
図5、
図6、
図14、
図15、
図16および
図17に示すように、ガード部材本体133と、長辺側ガード部材62a、62bのそれぞれを臥床台本体61の前後一対の取り付け孔91〜94にそれぞれ取り付けるための前後一対の被取り付け部134、135とから成っている。なお、左側の長辺側ガード部材62aと右側の長辺側ガード部材62bとは、
図6などにおいて互いに向き合っていることを除いて、互いにほぼ同形であってよい。そして、左右一対の第1の種類の長辺側ガード部材62a、62bのそれぞれは、特に矛盾を生じない限り、以下において説明する点を除いて、前後一対の第1の種類の短辺側ガード部材63a、63bのそれぞれとほぼ同一の構成を有しかつほぼ同一の作用効果を奏するものであってよい。また、左右一対の第1の種類の長辺側ガード部材62a、62bのそれぞれが取り付けられる臥床台本体61は、前後一対の第1の種類の短辺側ガード部材63a、63bのそれぞれが取り付けられる臥床台本体61と同一のものであってよい。さらに、長辺側ガード部材62a、62bのそれぞれは、前後方向における長さが短辺側ガード部材63a、63bのガード部材本体103とほぼ同一であってよく、また、上下方向における高さがガード部材本体103よりもかなり小さくてよい。
【0048】
図5などに示す左右一対の長辺側ガード部材62a、62bのそれぞれの前後一対の被取り付け部134、135のそれぞれが差し込まれる取り付け孔91〜94のうちの取り付け孔91、94のそれぞれの形状は、互いにほぼ同一であってよい。そして、取り付け孔92、93のそれぞれの形状も、互いにほぼ同一であってよい。しかし、取り付け孔91、94のそれぞれの形状は、
図9に示すように、取り付け孔92、93のそれぞれの形状とは多少相違している。なお、
図9に例示する取り付け孔91〜94のそれぞれは、
図7に例示する取り付け孔96〜99のそれぞれと類似しているが、これらの取り付け孔96〜99のそれぞれとは多少相違している。具体的には、取り付け孔91〜94のそれぞれは、
図9に示すように、その底部の全体が開口している貫通孔になっている。そして、取り付け孔91〜94のそれぞれの深さは、取り付け孔96〜99の深さよりも多少浅くなっている。また、取り付け孔91、94のそれぞれの切り欠き形状の凹部(換言すれば、係止部)136の深さは、取り付け孔96〜99のそれぞれの切り欠き形状の凹部(換言すれば、係止部)115のそれぞれの深さよりも多少小さくなっている。さらに、取り付け孔91〜94のそれぞれの上端から切り欠き形状の凹部136の上端までのほぼ上下方向における長さL
7は、
図7に示す取り付け孔96〜99のそれぞれについての長さL
4よりは小さくなっている。そして、後側の取り付け孔92の切り欠き形状の凹部136からこの孔92の前壁までのほぼ水平方向における長さL
8と、前側の取り付け孔93の切り欠き形状の凹部136からこの孔93の後壁までのほぼ水平方向における長さL
8とのそれぞれは、前側の取り付け孔91の切り欠き形状の凹部136からこの孔91の前壁または後壁までのほぼ水平方向における長さL
9と、前側の取り付け孔91の切り欠き形状の凹部136からこの孔91の後壁までのほぼ水平方向における長さL
9と、前側の取り付け孔93の切り欠き形状の凹部136からこの孔93の前壁までのほぼ水平方向における長さL
9と、後側の取り付け孔94の切り欠き形状の凹部136からこの孔94の前壁または後壁までのほぼ水平方向における長さL
9とのそれぞれよりは小さくなっている。
【0049】
長辺側ガード部材62aの前側の被取り付け部134と、長辺側ガード部材62bの後側の被取り付け部135とのそれぞれは、
図7および
図9に示すように、前後一対の差し込み部137a、137bの間に配設されている誤装着防止用差し込み部138の形状が多少相違している点を除いて、
図7に示す被取り付け部104、105のそれぞれとほぼ同一の形状であってよい。具体的には、長辺側ガード部材62aの前側の被取り付け部134および長辺側ガード部材62bの後側の被取り付け部135のそれぞれの誤装着防止用差し込み部138においては、その上端から段部141までのほぼ上下方向における長さL
10が
図7に示す長さL
3よりも多少小さくなっている。そして、左側の長辺側ガード部材62aの後側の被取り付け部135と、右側の長辺側ガード部材62bの前側の被取り付け部134とのそれぞれは、前側の差し込み部137a(左側の長辺側ガード部材62aの場合)または後側の差し込み部137b(右側の長辺側ガード部材62bの場合)のほぼ水平方向における長さL
11が小さいことを除いて、長辺側ガード部材62aの前側の被取り付け部134と、長辺側ガード部材62bの後側の被取り付け部135とのそれぞれとほぼ同一の形状であってよい。
【0050】
したがって、
図5および
図9に示すように、左側の長辺側枠片部86aの後側の取り付け孔92の長さL
12と、右側の長辺側枠片部86bの前側の取り付け孔93の長さL
12とのそれぞれは、左側の長辺側枠片部86aの前側の取り付け孔91の長さL
2と、右側の長辺側枠片部86bの後側の取り付け孔94の長さL
2とのそれぞれとは、長さ(L
9−L
8)だけ小さくなっている。ただし、長辺側枠片部86a、86bの前側の取り付け孔91、93のそれぞれの前端から後側の取り付け孔92、94のそれぞれの後端までのそれぞれの長さL
6は、短辺側枠片部95a、95bにおけるそれぞれの長さL
6とほぼ同一であってよい。そして、左側の長辺側ガード部材62aの後側の被取り付け部135の長さL
13と、右側の長辺側ガード部材62bの前側の被取り付け部134の長さL
13とのそれぞれは、左側の長辺側ガード部材62aの前側の被取り付け部134の長さL
1と、右側の長辺側ガード部材62bの後側の被取り付け部135の長さL
1とのそれぞれとは、長さ(L
14−L
11)だけ小さくなっている。ここで、長さL
14は、左側の長辺側のガード部材62aの前側の被取り付け部134の差し込み部137a、137bと、後側の被取り付け部135の差し込み部137bと、右側の長辺側ガード部材62bの前側の被取り付け部134の前側の差し込み部137aと、後側の被取り付け部135の差し込み部137a、137bとのそれぞれのほぼ水平方向における長さを意味している。そして、長辺側ガード部材62a、62bの前側の被取り付け部134の前端から後側の被取り付け部135の後端までのそれぞれの長さL
5は、短辺側枠片部95a、95bにおけるそれぞれの長さL
6とほぼ同一であってよい。
【0051】
図6および
図10は、長辺側のガード部材62a、62bのそれぞれが臥床台本体61に正常に取り付けられた状態を示している。そして、
図6および
図10に示す状態においては、被取り付け部134、135のそれぞれが、前側および後側の取り付け孔91〜94に凹凸嵌合によりほぼ嵌合することによって、長辺側ガード部材62a、62bのそれぞれが臥床台本体61に取り付け固定されている。また、誤装着防止用差し込み部138の段部141が切り欠き形状の凹部136の上端に仮係止状態でもってほぼ係止されている。したがって、被取り付け部134、135(ひいては、長辺側ガード部材62a、62b)のそれぞれは、臥床台本体61に良好に取り付けられている。なお、長辺側ガード部材62a、62bのそれぞれを臥床台本体61から取り外すときには、取扱者は、長辺側ガード部材62a、62bのそれぞれの左右方向における中間部分を片手などで掴んでから、ほぼ上方に持ち上げればよい。この場合、左右一対の誤装着防止用差し込み部138の段部141のそれぞれは、これらの段部141の先端側が多少丸みを帯びているために、前後一対の突出壁部142のそれぞれの切り欠き形状の凹部136とのほぼ仮係止状態での係止を解消して、ほぼ上方に移動することができる。したがって、被取り付け部134、135のそれぞれは、取り付け孔91〜94から抜け出るので、長辺側ガード部材62a、62bのそれぞれを臥床台本体61から比較的簡単に取り外すことができる。なお、上記段部141は、段部111の場合と同様に、突出部148の上端部によって構成されていてよい。
【0052】
(2)第2の種類の長辺側ガード部材
【0053】
左右一対の第2の種類の長辺側ガード部材131a、131bのそれぞれは、
図18および
図19に示すように、ほぼ長板形状のガード部材本体140と、長辺側ガード部材131a、131bのそれぞれを臥床台本体61の前後一対の取り付け孔91〜94にそれぞれ取り付けるための前後一対の被取り付け部材146、147とから成っている。なお、左側の長辺側ガード部材131aと右側の長辺側ガード部材131bとは、互いにほぼ同形であってよい。そして、左右一対の第2の種類の長辺側ガード部材131a、131bのそれぞれは、特に矛盾を生じない限り、以下において説明する点を除いて、左右一対の第1の種類の長辺側ガード部材62a、62bのそれぞれとほぼ同一の構成を有しかつほぼ同一の作用効果を奏するものであってよい。また、左右一対の第2の種類の長辺側ガード部材131a、131bのそれぞれが取り付けられる臥床台本体61は、左右一対の第1の種類の長辺側ガード部材62a、62bがそれぞれ取り付けられる臥床台本体61と同一のものであってよい。
【0054】
左右一対の第2の種類の長辺側ガード部材131a、131bのガード部材本体140のそれぞれは、
図18および
図19に示すように、互いにほぼ同形であってよい。具体的には、これらのガード部材本体140のそれぞれは、長辺側枠片部86a、86bのそれぞれとほぼ等長であってよい。そして、これらのガード部材本体140のそれぞれの幅は、短辺側ガード部材102a、102bのそれぞれの幅の1/2倍〜1倍であってよい。また、長辺側ガード部材131a、131bのそれぞれの前後一対の被取り付け部材146、147のそれぞれは、ガード部材本体140の下端部に嵌合される縦断面がほぼU字形状の嵌合部(換言すれば、連結部)143と、この嵌合部143からほぼ下方に延在しているほぼ長方形のほぼ平板形状の被取り付け部144とから成っていてよい。さらに、嵌合部143と被取り付け部144とは、例えば、アルミニウム合金、その他の金属、合成樹脂などから、縦断面がほぼY字形状になるように、一体成形されていてよい。これに対し、ガード部材本体140は、例えば、ほぼ透明などの合成樹脂などから、ほぼ表裏同形に(換言すれば、表裏がほぼ無いように)、一体成形されていてよい。なお、ガード部材本体133への嵌合部143の取り付けは、嵌合部133のそれぞれに互いに対向するようにそれぞれ配設したねじ挿通孔およびねじ孔と、止めねじ145とを用いて行われていてよい。具体的には、上記ねじ挿通孔に挿通させた止めねじ145を上記ねじ孔にねじ込むことによって行われていてよい。
【0055】
図20および
図21は、前側および後側の被取り付け部134、135を前側および後側の取り付け孔91、92にそれぞれ取り付ける前の状態および取り付けた後の状態をそれぞれ示している。なお、
図20および
図21における長さL
2、L
5〜L
7、L
12およびL
13は、
図9における長さL
2、L
5〜L
7、L
12およびL
13とそれぞれ対応しかつほぼ同一の長さであってよい。そして、
図18などに示す左右一対の長辺側ガード部材131a、131bのそれぞれの前後一対の被取り付け部材146、147のそれぞれが差し込まれる取り付け孔91〜94のうちの取り付け孔91、94のそれぞれの形状は、互いにほぼ同一であってよい。また、取り付け孔92、93のそれぞれの形状もほぼ同一であってよい。したがって、長辺側のガード部材131a、131bのそれぞれが臥床台本体61に正常に取り付けられたときには、
図21に示す取り付け状態が得られる。また、
図21に示す状態においては、左側の長辺側ガード部材131aの後側の被取り付け部材147の被取り付け部144および右側の長辺側ガード部材131bの前側の被取り付け部材146の被取り付け部144のそれぞれが、それぞれほぼ長方形のほぼ平板形状である後側の取り付け孔92および前側の取り付け孔93に嵌合する。そして、これらの嵌合においては、取り付け孔92、93のぞれぞれが被取り付け部144のそれぞれとほぼ同形(換言すれば、ほぼ長方形のほぼ平板形状)である。このために、上記嵌合においては、被取り付け部144のそれぞれの前後左右の外周壁部が取り付け孔92、93のそれぞれの前後左右の内周壁部にほぼ当接するので、被取り付け部144のそれぞれが取り付け孔92、93のそれぞれに凹凸嵌合によって取り付け固定される。
【0056】
これに対し、それぞれほぼ長方形のほぼ平板形状の前側の取り付け孔91および左側の取り付け孔94のそれぞれは、
図21に示すように、左側の長辺側ガード部材131aの前側の被取り付け部材146の被取り付け部144および右側の長辺側ガード部材131bの後側の被取り付け部材147の被取り付け部144のそれぞれとは、ほぼ前後方向における長さが多少短かくなっている。このために、左側の長辺側ガード部材131aの前側被取り付け部材146の被取り付け部144の前端面および右側の長辺側ガード部材131bの後側の被取り付け部材147の被取り付け部144の後端面のそれぞれは、
図21に示すように、取り付け孔91の前端面および取り付け孔94の後端面にほぼ当接する。したがって、左側および右側の長辺側ガード部材131a、131bは、前後方向および左右方向のそれぞれにおいて、臥床台本体61に確実に位置保持されるので、臥床台本体61に良好に取り付けられる。しかし、左側の長辺側ガード部材131aの前側の被取り付け部材146の被取り付け部144の後端面および右側の長辺側ガード部材131bの後側の被取り付け部材147の被取り付け部144の前端面のそれぞれは、取り付け孔91の後端面および取り付け孔94の前端面のそれぞれとは、長さL
15の間隙151を有している。なお、この理由は、
図20に示すように、
(a)長さL
5と長さL
6とが互いにほぼ同一の大きさであること、
(b)長さL
13が長さL
2よりもほぼ長さL
15だけ小さいこと、
である。
【0057】
図19などに示す長辺側ガード部材131a、131bのそれぞれを臥床台本体61から取り外すときには、取扱者は、長辺側ガード部材131a、131bのそれぞれ左右方向における中間部分などを片手などで掴んでから、ほぼ上方に持ち上げればよい。この場合、被取り付け部144のそれぞれは、取り付け孔91〜94から比較的簡単に抜け出るので、長辺側ガード部材131a、131bのそれぞれを臥床台本体61から比較的簡単に取り外すことができる。そして、上述のように構成された長辺側のガード部材131a、131bによれば、臥床台本体61の左側の縁部と右側の縁部とに長さが比較的長くかつ高さが比較的高いガード(いわゆる、ベビーガード)またはフェンスを着脱自在(換言すれば、抜き差し自在)に配設することができる。
【0058】
(3)第3の種類の長辺側ガード部材
【0059】
第3の種類の長辺側ガード部材151は、
図23および
図24に示すように、ほぼアーチ形状のガード部材本体152と、長辺側ガード部材151(換言すれば、ガード部材本体152)の左右両側端部のそれぞれを臥床台本体61の前後一対の取り付け孔91〜94にそれぞれ取り付けるための前後一対の被取り付け部材146、147とから成っている。なお、端的に言えば、第3の種類の長辺側ガード部材151は、
図18および
図19にそれぞれ示す左右一対の長辺側ガード部材131aおよび長辺側ガード部材131bの左右一対のガード部材本体140を、全体としてほぼアーチ形状になるように、一体的に連結した形状であってよい。そして、長辺側ガード部材151のほぼアーチ形状のガード部材本体152は、合成樹脂から一体成形されたものであってよい。また、長辺側ガード部材151の左側の半分と右側の半分とは、互いにほぼ対称的な形状であってよい。さらに、第3の種類の長辺形ガード部材151は、特に矛盾を生じない限り、以下に説明する点を除いて、左右一対の第2の種類の長辺側ガード部材131a、131bを全体としてほぼアーチ形状になるように一体的に連結したものとほぼ同一の構成を有しかつほぼ同一の作用効果を奏するものであってよい。そして、第3の種類の長辺側ガード部材151aが取り付けられる臥床台本体61は、左右一対の第2の種類の長辺側ガード部材62a、62bがそれぞれ取り付けられる臥床台本体61と同一のものであってよい。
【0060】
上述のように構成された長辺側ガード部材151が臥床台本体61に正常に取り付けられた
図24に示す場合には、臥床台本体61上の児から放射される輻射熱がほぼアーチ形状のガード部材本体152によってかなりの程度において遮蔽される。このために、児の体温の低下をかなり抑制することができるので、児7の体温が急激に低下するおそれが少ない。さらに、保育器1のエンクロージャ3の外側の気温が比較的低い場合でも、臥床台本体61上に寝かせた児7の体温がこのような比較的低い外気の輻射熱によって低下することを、ほぼアーチ形状のガード部材本体152によって、かなり抑制することができる。
【0061】
5、ガード部材の誤装着操作の説明
【0062】
臥床台本体61に対するガード部材62a、62b、63a、63b、101a、101b、102a、102b、131a、131b、151の誤装着操作についての4種類の実例を、「(1)第1の種類の誤装着操作」、「(2)第2の種類の誤装着操作」、「(3)第3の種類の誤装着操作」、「(4)第4の種類の誤装着操作」に項分けして、
図11〜
図13および
図14をそれぞれ参照しつつ説明する。
【0063】
(1)第1の種類の誤装着操作
【0064】
第1の種類の誤装着操作は、
図11に示すように、臥床台本体61の前側の短辺側枠片部95aに配設された左右一対の取り付け孔96、97に長辺側ガード部材62aの前後一対の被取り付け部134、135をそれぞれ取り付ける操作が行われた場合である。この場合、左右一対の被取り付け部134、135は、左右一対の取り付け孔96、97にそれぞれ嵌合される。しかし、誤装着防止用差し込み部138の上端から段部141までの長さL
10が取り付け孔96、97の上端から切り欠き形状の凹部115までの長さL
4よりも多少小さくなっている。このために、段部141が切り欠き形状の凹部115に仮係止状態でもって係止することがないので、取扱者は、誤装着操作を行っていることを手などで感覚的に認識することができる。
【0065】
(2)第2の種類の誤装着操作
【0066】
第2の種類の誤装着操作は、
図12に示すように、臥床台本体61の左側の長辺側枠片部86aに配設された前後一対の取り付け孔91、92に短辺側ガード部材63aの左右一対の被取り付け部104、105をそれぞれ取り付ける操作が行われようとした場合である。この場合、前側の取り付け孔91のほぼ水平方向における長さL
2は、被取り付け部104のほぼ水平方向における長さL
1とほぼ同一の長さであるから、被取り付け部104は、前側の取り付け孔91に理論的には嵌合する。しかし、後側の取り付け孔92のほぼ水平方向における長さL
12は、被取り付け部105のほぼ水平方向における長さL
1よりは多少小さくなっている。このために、位置決め用差し込み部106aが臥床台本体61の長辺側枠片部86a(具体的には、後側の取り付け孔92の近傍部分)に当接する。したがって、取扱者は、被取り付け部105を後側の取り付け孔92に嵌合させることができないので、誤装着操作を行おうとしていることを明確に認識することができる。なお、上述のような事態は、
図14に示す短辺側ガード部材101aおよび
図18に示す短辺側ガード部材102aのそれぞれの左右一対の被取り付け部104、105を前後一対の取り付け孔91、92にそれぞれ嵌合させる誤装着操作を行おうとした場合にも生じる。
【0067】
(3)第3の種類の誤装着操作
【0068】
第3の種類の誤装着操作は、
図13に示すように、臥床台本体61の左側の長辺側枠片部86aに配設された前後一対の取り付け孔91、92に左側の長辺側ガード部材62aの前後一対の被取り付け部134、135をそれぞれ取り付ける操作が行われようとした場合であって、特に、長辺側ガード部材62aの外側面と内側面とを互いに逆にして取り付けようとした場合である。この場合、前側の取り付け孔91のほぼ水平方向における長さL
2は、被取り付け部135のほぼ水平方向における長さL
13よりも大きいから、被取り付け部135は、前側の取り付け孔91に理論的には嵌合する。しかし、後側の取り付け孔92のほぼ水平方向における長さL
12は、被取り付け部134のほぼ水平方向における長さL
1よりは多少小さくなっている。このために、位置決め用差し込み部137bが臥床台本体61の長辺側枠片部86a(具体的には、後側の取り付け孔92の近傍部分)に当接する。したがって、取扱者は、被取り付け部134を後側の取り付け孔92に嵌合させることができないので、誤装着操作を行おうとしていることを明確に認識することができる。
【0069】
(4)第4の種類の誤装着操作
【0070】
第4の種類の誤装着操作は、
図22に示すように、臥床台本体61の前側の短辺側枠片部95aに配設された左右一対の取り付け孔96、97に
図18に示す左側の長辺側ガード部材131aの一対の被取り付け部146、147をそれぞれ取り付ける操作が行われた場合である。この場合、左右一対の被取り付け部146、147は、左右一対の取り付け孔96、97にそれぞれ良好に嵌合する。しかし、長辺側ガード部材131aの長さが短辺側枠片部95aの長さよりも十分に長いので、長辺側ガード部材131aは、その両端部が臥床台本体61の左右両側からそれぞれ外方に突出した状態でもって、臥床台本体61に取り付けられる。このために、取扱者は、長辺側ガード部材131aが正常な取り付け位置に取り付けられていないことを容易にかつ明確に認識することができる。
【0071】
上述のような事態は、
図23に示す長辺側ガード部材132の前後一対の被取り付け部146、147を左右一対の取り付け孔96、97にそれぞれ嵌合させる誤装着操作によっても生じる。この場合には、長辺側ガード部材132の本来の左右方向における幅(換言すれば、左側の長辺側枠片部86a部と右側の長辺側枠片部86bとの間隔)が臥床台本体61の前後方向における長さ(換言すれば、前側の短辺側枠片部95aと後側の短辺側枠片部95bとの間隔)よりも十分に小さい。このために、取扱者は、長辺側ガード部材132が正常な取り付け位置に取り付けられていないことを容易にかつ明確に認識することができる。
【0072】
6、臥床台の実施形態の説明
【0073】
短辺側ガード部材としては、前記第3項(すなわち、「3、短辺側ガード部材の説明」の項)に記載したように、第1の種類の短辺側ガード部材63a、63b、第2の種類の短辺側ガード部材101a、101bおよび第3の種類の短辺側ガード部材102a、102bがそれぞれ用意されている。そして、長辺側ガード部材としては、前記第4項(すなわち、「4、長辺側ガード部材の説明」の項)に記載したように、第1の種類の長辺側ガード部材62a、62b、第2の種類の長辺側ガード部材131a、131bおよび第3の種類の長辺側ガード部材132がそれぞれ用意されている。したがって、前側の短辺側ガード部材および後側の短辺側ガード部材として互いに同種のガード部材を用いるとともに、左側の長辺側ガード部材および右側の長辺側ガード部材として互いに同種のガード部材を用いる場合には、臥床台5の実施形態として、9種類の実質形態が考えられる。そして、図示の実施例においては、
(a)
図1〜
図13に示す第1の実施形態、
(b)
図14に示す第2の実施形態、
(c)
図16に示す第3の実施形態、
(d)
図19に示す第4の実施形態、
(e)
図23に示す第5の実施形態、
がそれぞれ示されている。
【0074】
しかし、前側の短辺側ガード部材および後側の短辺側ガード部材として互いに同種のガード部材を用いる必要は必ずしもない。これとともに、左側の長辺側ガード部材および右側の長辺側ガード部材として互いに同種のガード部材を用いる必要は必ずしもない。したがって、図示の実施例におけるように、3種類の短辺側ガード部材および3種類の長辺側ガード部材を用意しておけば、臥床台5の実施形態として、上記9種類よりもずっと多数の実施形態を実現することが可能である。
【0075】
以上、本発明の一実施例について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている発明の趣旨に基づいて各種の変更および修正が可能である。
【0076】
例えば、上述の実施例においては、本発明を閉鎖型保育器兼用の開放型保育器1に適用したが、本発明は、閉鎖型保育器、開放型保育器などの他の保育器にも適用することができる。
【0077】
また、上述の実施例においては、ほぼお盆形状の臥床台本体61がほぼ長方形状に構成されているが、臥床台61は、ほぼ五角形状、ほぼ六角形状、ほぼ長円形状などの別の形状であってもよい。
【0078】
また、上述の実施例においては、第1〜第3の種類の長辺側ガード部材62a、62b、131a、131b、132と第1〜第3の種類の短辺側ガード部材63a、63b、101a、101b、102a、102bとを個別のグループとしてそれぞれ構成した。しかし、少なくとも一種のガード部材を長辺側ガード部材兼用の短辺側ガード部材として用いることもできる。
【0079】
さらに、
図21に示す場合には、左側の長辺側ガード部材131aの前側の被取り付け部材146の被取り付け部144の後端面および右側の長辺側ガード部材131bの後側の取り付け部材147の被取り付け部144の前端面のそれぞれが、取り付け孔91の後端面および取り付け孔94の前端面のそれぞれとは、長さL
15の間隙151を有している。しかし、これとは逆に、左側の長辺側ガード部材131aの前側の被取り付け部材146の被取り付け部144の前端面および右側の長辺側ガード部材131bの後側の被取り付け部材147の被取り付け部144の後端面のそれぞれが、取り付け孔91の前端面および取り付け孔94の後端面のそれぞれとは、長さL
15の間隙を有するようにしてもよい。