(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記半導体素子回路は、スイッチング動作による前記パルス状の駆動電力を出力するスイッチング素子と、該スイッチング素子に流れる過電流を検知し、該検知した過電流検知信号を前記制御手段に出力する保護回路とを有し、
前記制御手段は、前記保護回路からの過電流検知信号を受けとると、前記半導体素子回路に過電流が生じていると判断し、前記ブレーキペダルの操作に応じた駆動信号をオン幅の短い信号として所定回数出力し、
前記保護回路は、前記オン幅の短い信号に基づいて前記スイッチング素子をオン/オフさせる
ことを特徴とする請求項1に記載の制動灯駆動制御装置。
前記制御手段は、前記駆動電源が再度オンされたとき、前記保護回路からの過電流検知信号を受けとると、前記駆動信号を前記所定回数より少ない回数だけ出力することを特徴とする請求項2に記載の制動灯駆動制御装置。
前記制御手段は、前記駆動電源が再度オンされたとき、前記保護回路からの過電流検知信号を受けとらなければ、前記駆動信号を前記スイッチのオン期間に合わせたパルス状の信号として出力することを特徴とする請求項2に記載の制動灯駆動制御装置。
【背景技術】
【0002】
車両の後部の左右には制動灯であるブレーキランプが配置されているが、車両の後部の中程にはブレーキランプとは別の制動灯であるストップランプが設けられていることがある。これらの制動灯は、ブレーキペダルを踏むと、制動灯駆動制御装置により点灯されるようになっている。
【0003】
すなわち、制動灯駆動制御装置は、たとえば制動灯に駆動電力を出力する半導体素子回路と、この半導体素子回路の動作を制御する制御部とを有している。そして、たとえばキーをエンジンスタート位置まで回すことでイグニッションスイッチがオンされ、ブレーキペダルの操作に応じてストップランプスイッチがオンすると、制御部からのパルス状の駆動信号が半導体素子回路に出力される。
【0004】
そして、半導体素子回路のスイッチング動作によるパルス幅変調された駆動電力が制動灯に供給され、制動灯が点灯する。
【0005】
ところで、このような半導体素子回路では、過電流による破壊や劣化を防止するために、保護回路が組み込まれていることがある。
【0006】
この保護回路は、たとえば特許文献1に示されている通電制御装置のように、異常検出手段によって異常が検知された場合、スイッチング素子に供給される駆動信号を一時的にオフすることで、スイッチング素子の動作を停止させるようにしたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記の過電流は、たとえば半導体素子回路と制動灯との間に何らかの原因(配線の劣化等)によってショートが発生した場合、半導体素子回路に流れることがある。なお、ショートには、グランド(車体)との間でのショートであるデットショートと、絶縁皮膜の劣化等による線間でのショートであるレアショートとがある。
【0009】
この場合、特許文献1に示されている通電制御装置のように、スイッチング素子に供給される駆動信号を一時的にオフすることで、半導体素子回路のスイッチング素子に流れる過電流を阻止することができる。
【0010】
ところが、特許文献1での通電制御装置は、グロープラグの通電制御に関わるものであるため、車両に搭載されるストップランプやブレーキランプ等の制動灯の駆動を行うための半導体素子回路の保護を行うものに適用しようとすると、ブレーキペダルの操作に応じた半導体素子回路の過電流保護が必要となる。
【0011】
このようなブレーキペダルの操作に応じた半導体素子回路の過電流保護の一例について、
図3を参照しながら説明する。
【0012】
すなわち、同図(a)に示すように、ストップランプスイッチのスイッチ入力信号がブレーキペダルの操作に応じてオン/オフされているものとする。また、同図(a)のa−1で示す期間にたとえばパニックブレーキが生じ、たとえば半導体素子回路と制動灯との間にショートが発生したものとする。
【0013】
また、ショートが発生した場合、半導体素子回路の保護回路から制御部に過電流検知信号が出力されるものとする。このとき、制御部によるラッチが無い場合は、同図(b)のb−1、b−2に示すように、半導体素子回路への駆動信号がスイッチ入力信号と同じパルス幅の信号とされる。なお、ここでのラッチとは、制御部が過電流検知信号を受けとると、上述したスイッチ入力信号が検知される度に、半導体素子回路のスイッチング素子の動作のオフを継続させることを意味する。
【0014】
このとき、保護回路により半導体素子回路のスイッチング素子の動作が制御され、同図(c)のc−1、c−2に示すように、b−1、b−2での駆動信号のオン期間内で短いパルス幅でのオン/オフの繰り返しとされた信号(駆動電力)とされて出力される。つまり、たとえばb−1の駆動信号でオンするスイッチング素子が保護回路により直ちに遮断されるような動作が繰り返されることで、オン/オフが繰り返される。
【0015】
これにより、半導体素子回路のスイッチング素子や半導体素子回路から下流側の負荷に対するストレスが軽減されるようになっている。
【0016】
一方、制御部による上記のラッチがある場合は、同図(d)のd−1、d−2に示すように、半導体素子回路への駆動信号がスイッチ入力信号のオン開始時に同期し、かつオン幅の短いパルス信号とされる。
【0017】
これにより、保護回路により半導体素子回路のスイッチング素子の動作が制御され、半導体素子回路からその駆動信号に応じた出力が行われる。すなわち、たとえば同図(e)のたとえばe−1に示すように、スイッチング素子がたとえばd−1のパルスの立ち上がり時に復帰するが、保護回路により直ちに遮断されるような出力となる。なお、この場合、半導体素子回路から制動灯への出力がさらに少なくされるため、制動灯の明るさがさらに低下するか、又は制動灯が点灯しなくなる。
【0018】
以上のように、ショート状態にあるとき、制御部による上記のラッチがある場合は、ラッチが無い場合に比べて半導体素子回路からの出力を示すパルスのオン期間が少ないものとされる。これにより、半導体素子回路のスイッチング素子や半導体素子回路から下流側の負荷へのストレスをさらに軽減させることができる。
【0019】
ところが、制御部による上記のラッチがある場合であっても、制御部から半導体素子回路への駆動信号が出力される度に、半導体素子回路のスイッチング素子がオン/オフを繰り返すことになる。
【0020】
また、制動灯は車両の後部に配置されているため、第三者に指摘されないと制動灯が点灯しなくなっていることに気づかない場合も多々ある。
【0021】
そのため、半導体素子回路のオン/オフの繰り返しが増えるに従い、半導体素子回路のスイッチング素子に対するストレスが高められ、場合によっては半導体素子回路の破壊や劣化を招いてしまうという問題があった。
【0022】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、半導体素子回路と制動灯との間がショート状態にあっても、半導体素子回路の半導体素子へのストレスを軽減し、半導体素子の破壊や劣化を確実に防止することができる制動灯駆動制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の制動灯駆動制御装置は、車両に搭載される制動灯の駆動制御を行う制動灯駆動制御装置であって、パルス状の駆動電力を前記制動灯に出力する半導体素子回路と、該半導体素子回路の駆動を制御するために、駆動電源がオンのとき、ブレーキペダルの操作に応じてオンするスイッチのオン期間に合わせたパルス状の駆動信号を出力する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記半導体素子回路に過電流が生じている場合、前記ブレーキペダルの操作が複数回繰り返された場合であっても、そのブレーキペダルの操作に応じた駆動信号を所定回数出力した後、その駆動信号の出力を停止することを特徴とする。
また、前記半導体素子回路は、スイッチング動作による前記パルス状の駆動電力を出力するスイッチング素子と、該スイッチング素子に流れる過電流を検知し、該検知した過電流検知信号を前記制御手段に出力する保護回路とを有し、前記制御手段は、前記保護回路からの過電流検知信号を受けとると、前記半導体素子回路に過電流が生じていると判断し、前記ブレーキペダルの操作に応じた駆動信号をオン幅の短い信号として所定回数出力し、前記保護回路は、前記オン幅の短い信号に基づいて前記スイッチング素子をオン/オフさせることを特徴とする。
また、前記制御手段は、前記駆動電源が再度オンされたとき、前記保護回路からの過電流検知信号を受けとると、前記駆動信号を前記所定回数より少ない回数だけ出力することを特徴とする。
また、前記制御手段は、前記駆動電源が再度オンされたとき、前記保護回路からの過電流検知信号を受けとらなければ、前記駆動信号を前記スイッチのオン期間に合わせたパルス状の信号として出力することを特徴とする。
本発明の制動灯駆動制御装置では、制御手段により、パルス状の駆動電力を制動灯に出力する半導体素子回路に過電流が生じている場合、ブレーキペダルの操作が複数回繰り返された場合であっても、そのブレーキペダルの操作に応じた駆動信号が所定回数出力された後、その駆動信号の出力が停止されることで、半導体素子回路のオン/オフの繰り返しが低減される。
【発明の効果】
【0024】
本発明の制動灯駆動制御装置によれば、制御手段により、パルス状の駆動電力を制動灯に出力する半導体素子回路に過電流が生じている場合、ブレーキペダルの操作が複数回繰り返された場合であっても、そのブレーキペダルの操作に応じた駆動信号が所定回数出力された後、その駆動信号の出力が停止されることで、半導体素子回路のオン/オフの繰り返しが低減されることから、半導体素子回路と制動灯との間がショート状態にあっても、半導体素子回路の半導体素子へのストレスを軽減し、半導体素子の破壊や劣化を確実に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の制動灯駆動制御装置の一実施形態の詳細を、
図1を参照して説明する。なお、本実施形態での制動灯駆動制御装置による基本の制御動作は、
図3(d)(e)で説明したように、制御部によるラッチがある場合となっている。なお、ラッチとは、上述したように、制御部が過電流検知信号を受けとると、上述したスイッチ入力信号が検知される度に、半導体素子回路のスイッチング素子の動作のオフを継続させることを意味する。
【0027】
図1に示すように、制動灯駆動制御装置は、制御部10及び半導体素子回路20を備えている。
【0028】
制御部10の入力側には、バッテリ1に接続されたイグニッションスイッチ(IGN SW)2と、このイグニッションスイッチ2がオンされたことを示す信号を制御部10に出力するインタフェース(I/F)3とが接続されている。
【0029】
ここで、イグニッションスイッチ2は、たとえばキーを、たとえばエンジンスタート位置まで回すと、オンするようになっている。
【0030】
また、制御部10の入力側には、ストップランプスイッチ(STOP LAMP SW)4と、このストップランプスイッチ4がオンされたことを示す信号を制御部10に出力するインタフェース(I/F)5とが接続されている。ここで、ストップランプスイッチ4は、ブレーキペダルの操作に応じてオン/オフするようになっている。
【0031】
そして、制御部10は、イグニッションスイッチ2がオンされているとき、ブレーキペダルの操作に応じてストップランプスイッチ4がオンすると、半導体素子回路20へパルス幅変調された駆動信号を出力する。
【0032】
また、制御部10は、半導体素子回路20の後述の図示しない保護回路からのショート発生時に出力される過電流検知信号を受けとると、半導体素子回路20と後述の制動灯30との間にショートが発生したことを認識し、そのショート状態に応じた駆動信号を出力するが、その詳細については後述する。なお、ショートには、上述したように、グランド(車体)との間でのショートであるデットショートと、絶縁皮膜の劣化等による線間でのショートであるレアショートとがある。本実施形態では、以下に記載するショートを、これらのデットショート及びレアショートを含めたものとする。
【0033】
半導体素子回路20は、制御部10からの駆動信号に基づき、ストップランプやブレーキランプ等の制動灯30を点灯させる。また、半導体素子回路20は、制御部10からの駆動信号に基づき、スイッチング動作によるパルス状の駆動電力を出力する図示しないスイッチング素子と、後述のショート発生時等においての過電流を検知し、スイッチング素子の動作を制御する図示しない保護回路とを有している。また、保護回路は、過電流を検知することで、制御部10へ過電流検知信号を出力する。
【0034】
なお、図中符号Vbは、駆動電源であるバッテリ1の電源電圧を示している。
【0035】
次に、
図2を参照し、本実施形態での制動灯駆動制御装置による動作について説明する。まず、制動灯駆動制御装置による通常の動作は、たとえば同図(a)のa−1に示すようにイグニッションスイッチ2がオン(イグニッション信号がオン)されているとき、同図(b)のbに示すようにストップランプスイッチ4のスイッチ入力信号がブレーキペダルの操作に応じてオンされると、たとえば同図(c)のcに示すように半導体素子回路20へパルス状の駆動信号が出力される。
【0036】
ここで、同図(c)のcに示す駆動信号のパルス幅は、同図(b)のbに示すスイッチ入力信号のパルス幅と同じとされている。そして、制御部10からの駆動信号に基づき、たとえば同図(d)のdに示すように、半導体素子回路20の図示しないスイッチング素子によるスイッチング動作によるパルス状の駆動電力が制動灯30に出力される。これにより、ブレーキペダルの操作に合わせて制動灯30が点灯する。
【0037】
ここで、同図(b)のb−1で示す期間に、たとえばパニックブレーキが生じ、
図1に示すように、たとえば半導体素子回路20と制動灯30との間にショートが発生したものとする。
【0038】
ショートが発生した場合は、半導体素子回路20の図示しない保護回路が過電流を検知し、制御部10に過電流検知信号を出力する。
【0039】
制御部10は、半導体素子回路20からの過電流検知信号を受けとると、たとえば半導体素子回路20と制動灯30との間にショートが発生したことを認識する。
【0040】
このとき、制御部10は、上述したラッチを有していることで、ブレーキペダルが操作される度に、同図(c)のc−1〜c−nに示すように、スイッチ入力信号のオン開始時に同期し、かつオン幅の短いパルス信号とされた駆動信号を半導体素子回路20への出力する。同時に、制御部10は、ショート発生後において同図(c)のc−1〜c−nで示す駆動信号を出力する度に、その駆動信号の出力回数をカウントする。
【0041】
これにより、ショート発生後に制御部10から出力された駆動信号に基づき、半導体素子回路20の図示しないスイッチング素子のスイッチング動作によるパルス状の駆動電力が制動灯30に出力される。
【0042】
また、その駆動電力は、同図(d)のd−1〜d−nに示すように、オン幅の短いパルス状の出力となる。すなわち、同図(d)のたとえばd−1に示すように、スイッチング素子がたとえばc−1のパルスの立ち上がり時に復帰するが、保護回路により直ちに遮断されるような出力となる。この場合、半導体素子回路20から制動灯30への駆動電力が少なくされるため、制動灯30の明るさが低下するか、又は点灯しなくなる。
【0043】
ここで、制御部10は、ショート発生後に出力した同図(c)のc−1〜c−nで示す駆動信号の出力回数がたとえば10回(n=10)となると、以降にブレーキペダルが操作されても、駆動信号の出力を停止する。これにより、半導体素子回路20の図示しないスイッチング素子のスイッチング動作が停止し、制動灯30への駆動電力の出力が停止する。
【0044】
次に、同図(a)のa−2に示すようにイグニッションスイッチ2が一旦オフ(イグニッション信号がオフ)された後、同図(a)のa−3に示すようにオン(イグニッション信号がオン)されたとする。
【0045】
このとき、同図(b)のb−2に示すようにストップランプスイッチ4のスイッチ入力信号がブレーキペダルの操作に応じてオンされると、制御部10が同図(c)のc−n−1に示すように、たとえば上記c−1と同様のオン幅の短いパルス信号とされた駆動信号を半導体素子回路20への出力する。そして、同図(d)のd−n−1に示すように、たとえば上記d−1と同様のオン幅の短いパルス状の駆動電力が制動灯30に出力される。
【0046】
なお、同図(c)では、オン幅の短いパルス信号とされた駆動信号が1回のみ出力されている場合として示しているが、これに限らず、同図(c)のc−1〜c−nで示す出力回数より少ない出力回数であればよい。
【0047】
このとき、半導体素子回路20の図示しない保護回路が過電流を検知している場合、制御部10に過電流検知信号を出力する。
【0048】
制御部10は、半導体素子回路20からの過電流検知信号を受けとると、たとえばショートの発生が継続していることを認識し、以降にブレーキペダルが操作されても、駆動信号の出力を停止する。これにより、半導体素子回路20の図示しないスイッチング素子のスイッチング動作が停止し、制動灯30への駆動電力の出力が停止する。この場合、制動灯30が点灯しなくなる。
【0049】
ここで、たとえばAの期間で修理等によりショートが解除されると、保護回路からの過電流検知信号の出力が停止する。これにより、制御部10は、ショートが解除されたことを認識する。そして、同図(a)のa−4に示すようにイグニッションスイッチ2が一旦オフ(イグニッション信号がオフ)された後、同図(a)のa−5に示すようにオン(イグニッション信号がオン)されたとする。
【0050】
このとき、同図(b)のb−3に示すようにストップランプスイッチ4のスイッチ入力信号がブレーキペダルの操作に応じてオンされると、制御部10が同図(c)のc−n−2に示すように、ストップランプスイッチ4のスイッチ入力信号のパルス幅に応じた通常の駆動信号を出力する。
【0051】
そして、制御部10からの駆動信号に基づき、たとえば同図(d)のd−n−2に示すように、半導体素子回路20の図示しないスイッチング素子によるスイッチング動作によるパルス状の駆動電力が制動灯30に出力される。
【0052】
以降、ストップランプスイッチ4のスイッチ入力信号がブレーキペダルの操作に応じてオンされると、制御部10が同図(c)のc−n−3に示すように、ストップランプスイッチ4のスイッチ入力信号のパルス幅に応じた通常の駆動信号を出力する。
【0053】
これにより、上記の図示しないスイッチング素子によるスイッチング動作により、たとえば同図(d)のd−n−2に示すように、半導体素子回路20の図示しないスイッチング素子によるスイッチング動作によるパルス状の駆動電力が制動灯30に出力される。
【0054】
このように、ショートが解除された後では、制御部10からの駆動信号がブレーキペダルの操作に応じたものとされるため、制動灯30は通常の明るさでの点灯を行うことができる。
【0055】
このように、本実施形態では、制御手段(制御部10)により、パルス状の駆動電力を制動灯30に出力する半導体素子回路20に過電流が生じている場合、ブレーキペダルの操作が複数回繰り返された場合であっても、そのブレーキペダルの操作に応じた駆動信号が所定回数出力された後、その駆動信号の出力が停止されることで、半導体素子回路20の半導体素子である図示しないスイッチング素子のオン/オフの繰り返しが低減されるようにした。
【0056】
具体的には、本実施形態では、半導体素子回路20は、上記のスイッチング素子に流れる過電流を検知し、該検知した過電流検知信号を制御部10に出力する図示しない保護回路を有し、制御部10がその保護回路からの過電流検知信号を受けとると、半導体素子回路20に過電流が生じていると判断し、ブレーキペダルの操作に応じた駆動信号をオン幅の短い信号として所定回数(本実施形態ではたとえば10回)出力すると、上記の保護回路がそのオン幅の短い信号に基づいて上記のスイッチング素子をオン/オフさせることから、半導体素子回路20と制動灯30との間がショート状態にあっても、半導体素子回路の図示しないスイッチング素子へのストレスを軽減し、そのスイッチング素子の破壊や劣化を確実に防止することができる。
【0057】
なお、本実施形態では、ブレーキペダルの操作に応じた駆動信号をオン幅の短い信号として所定回数(本実施形態ではたとえば10回)出力すると、上記の保護回路がそのオン幅の短い信号に基づいて上記のスイッチング素子をオン/オフさせることから、特に、たとえば緊急時のパニックブレーキにより、ブレーキペダルの操作に応じてオンするストップランプスイッチ4のスイッチ入力信号のオン/オフが短時間で複数回繰り返された場合、直ちに半導体素子回路20の図示しないスイッチング素子によるスイッチング動作によるオン/オフの繰り返しを停止させることができる。この場合、半導体素子回路20と制動灯30との間がショート状態にあっても、半導体素子回路の図示しないスイッチング素子へのストレスをさらに軽減することができ、そのスイッチング素子の破壊や劣化をより確実に防止することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態では、制御部10は、イグニッションスイッチ2が再度オンされたとき、上記の保護回路からの過電流検知信号を受けとると、たとえばショートの発生が継続していることを認識し、駆動信号を所定回数より少ない回数(本実施形態ではたとえば1回)だけ出力するようにしているので、イグニッションスイッチ2が再度オンされても、直ちにスイッチング素子をオン/オフの繰り返しを停止させることができる。
【0059】
また、本実施形態では、制御部10は、イグニッションスイッチ2が再度オンされたとき、上記の保護回路からの過電流検知信号を受けとらなければ、駆動信号をスイッチであるストップランプスイッチ4のオン期間に合わせたパルス状の信号として出力するようにしているため、修理等によりショートが解除された場合、直ちに制動灯30を通常の明るさで点灯させることができる。
【0060】
なお、本実施形態では、イグニッションスイッチ2が再度オンされたとき、過電流検知信号を受けとると、駆動信号を所定回数より少ない回数(本実施形態ではたとえば1回)だけ出力するようにしている場合として説明したが、これに限らず、バッテリを入れ替えた場合も、過電流検知信号を受けとると、駆動信号を所定回数より少ない回数(本実施形態ではたとえば1回)だけ出力するようにすることができる。
【0061】
また、本実施形態では、イグニッションスイッチ2が再度オンされたとき、上記の保護回路からの過電流検知信号を受けとらなければ、駆動信号をスイッチであるストップランプスイッチ4のオン期間に合わせたパルス状の信号として出力するようにしている場合として説明したが、これに限らず、バッテリを入れ替えた場合も、過電流検知信号を受けとらなければ、駆動信号をスイッチであるストップランプスイッチ4のオン期間に合わせたパルス状の信号として出力するようにすることができる。
【0062】
また、本実施形態では、制御部10によるラッチがある場合として説明したが、制御部10によるラッチがない場合であっても、上記同様の制御により、半導体素子回路のスイッチング素子へのストレスを軽減し、スイッチング素子の破壊や劣化を防止することができる。