(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施形態における下水道システムの構成例を示している。本実施形態における下水道システムは、複数の真空弁ユニットのそれぞれに貯留された汚水を真空下水管経由で真空ステーションに搬送する、真空式といわれるものである。
本実施形態における下水道システムは、
図1に示すように、複数の住宅10に対応する。
例えば住宅10(あるいは商業設備、公共設備などであってもよい)の近傍には、真空弁ユニット11が設置される。この真空弁ユニット11は、地中の自然流下管21を介して1または複数の住宅10と接続されている。また、真空弁ユニット11と真空ステーション40における集水タンク41との間は、真空下水管22により接続されている。
真空弁ユニット11は、汚水を貯留する汚水ますや、真空下水管22に接続される真空弁などを備える。
【0014】
住宅10から排出された排水(汚水)は、自然流下管21を通過して真空弁ユニット11における汚水ますに流入し、ここで貯留される。汚水ますに貯留された汚水は、真空ステーション40にて発生された真空圧(大気圧よりも低い圧力)によって真空下水管22を通過して気液混送流となり、真空ステーション40の集水タンク41まで搬送される。
【0015】
真空ステーション40は、真空ポンプ方式により真空弁ユニット11のそれぞれに貯留された汚水を吸引するように集めたうえで、集めた汚水を、例えば公共下水道23へと供給する。このために、真空ステーション40は、集水タンク41、真空ポンプ42及び圧送ポンプ43を備える。
【0016】
真空ポンプ42は、密閉された集水タンク41内の空気を吸引することにより、集水タンク41と接続される真空下水管22に真空圧を発生させる。例えば真空ポンプ42は、真空下水管22を0.4気圧程度の真空状態とする。これにより、各真空弁ユニット11にて貯留された汚水が吸引され集水タンク41に流入する。
このように集水タンク41に貯留された汚水は、圧送ポンプ43によって例えば公共下水道23に排出される。
【0017】
また、真空ステーション40は、下水道システムにおける複数の真空弁ユニット11の各々に異常の発生がしていないか否かを監視する。このために、真空ステーション40は、制御盤100と、通報装置200を備える。
【0018】
ここで、下水道システムにおける複数の真空弁ユニット11には、それぞれ、弁センサ12−1と水位センサ12−2が備えられる。
弁センサ12−1は、真空弁ユニット11における真空弁の開閉状態(開閉しているか否か)を検出対象として検出するセンサである。弁センサ12−1は、例えば、真空弁が閉状態であることを検出しているときには「Hi」のセンサ信号を出力し、真空弁が開状態であることを検出しているときには「Low」のセンサ信号を出力する。
【0019】
また、水位センサ12−2は、真空弁ユニット11における汚水ますの水位を検出対象として検出するセンサである。水位センサ12−2は、汚水ますの水位が一定以上であることを検出しているときには「Hi」のセンサ信号を出力し、汚水ますの水位が一定未満であることを検出しているときには「Low」のセンサ信号を出力する。
各真空弁ユニット11に備えられる弁センサ12−1と水位センサ12−2の各センサ信号は、伝送線網30を経由して制御盤100に入力される。
なお、以降において弁センサ12−1と水位センサ12−2とを特に区別して説明する必要の無い場合には、センサ12と記載する。
【0020】
制御盤100は、真空弁ユニット11ごとに備えられる弁センサ12−1と水位センサ12−2のセンサ信号をそれぞれ監視する。これにより、制御盤100は、真空弁ユニット11ごとにおける弁の開閉状態についての異常と汚水ますの水位についての異常が発生しているか否かについてそれぞれ判定する。そして、異常が発生した場合には、その異常が発生した真空弁ユニット11と、異常の発生が弁の開閉状態と水位のいずれにおけるものであるのかを示す通知信号を通報装置200に対して出力する。
【0021】
通報装置200は、入力した通知信号にしたがって、異常が発生した真空弁ユニット11と、異常の発生が真空弁の開閉状態または汚水ますの水位に関するものであることを示す通報を管理者に対して行う。一例として、通報装置200は、例えば通報のためのメールを作成し、作成したメールを管理者のメールアドレス宛に送信する。また、予め登録された携帯電話番号を呼び出し、通報の音声メッセージを送話音声として送信する。
【0022】
図2は、制御盤100におけるセンサ信号の入力と、通知信号の出力についての一般的な構成例を示している。
図1に示す伝送線網30は、各真空弁ユニット11の弁センサ12−1と水位センサ12−2のセンサ信号ごとに対応する信号線を含む伝送線網である。これに応じて、制御盤100は、各真空弁ユニット11の弁センサ12−1と水位センサ12−2の各センサ信号を個別に入力する。
【0023】
図2においては、下水道システムにおいて100個の真空弁ユニット11が備えられる場合の例を示している。これら100個の真空弁ユニット11には、それぞれ、#1〜#100までのユニット番号が割り当てられている。
センサ信号Sv#1は、ユニット番号#1の真空弁ユニット11に備えられる弁センサ12−1から出力されたセンサ信号である。センサ信号Sw#1は、同じユニット番号#1の真空弁ユニット11に備えられる水位センサ12−2から出力されたセンサ信号である。
同様に、センサ信号Sv#2〜Sv#100は、それぞれ、ユニット番号#2〜#100の真空弁ユニット11に備えられる弁センサ12−1から出力されたセンサ信号である。センサ信号Sw#2〜Sw#100は、それぞれ、ユニット番号#2〜#100の真空弁ユニット11に備えられる水位センサ12−2から出力されたセンサ信号である。
【0024】
この場合の制御盤100は、上記のように入力されたセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100ごとの監視を行う。この監視により、制御盤100は、センサ信号Sv#1〜Sv#100のうちで弁の開閉状態が異常であることを示しているものが有るか否かについて判定する。また、制御盤100は、センサ信号Sw#1〜Sw#100のうちで、汚水ますの水位が異常であることを示しているものが有るか否かについて判定する。
【0025】
このように、制御盤100は、200のセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100のそれぞれを監視することにより、真空弁ユニット11ごとの弁の開閉状態または汚水ますの水位についての異常の有無を判定する。そのうえで、この場合の制御盤100は、異常の発生を通知するための通知信号として、200のセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100ごとに対応付けられた同じ200個の通知信号Iv#1〜Iv#100、Iw#1〜Iw#100を出力する。
【0026】
具体例として、例えば、ユニット番号#2の真空弁ユニット11の弁センサ12−1から出力されたセンサ信号Sv#2が異常であることを示していると判定した場合、制御盤100は、以下のように通知信号を出力する。つまり、制御盤100は、通知信号Iv#1〜Iv#100、Iw#1〜Iw#100のうち、通知信号Iv#2を出力する。
【0027】
図2の通報装置200は、200個の通知信号Iv#1〜Iv#100、Iw#1〜Iw#100が個別に出力されるのに応じて、同じ200個の入力端子Ti1〜Ti200を備える。
上記のように制御盤100から出力された通知信号Iv#2は、通報装置200における入力端子Ti3に入力される。通報装置200は、入力端子Ti1〜Ti200ごとに、ユニット番号と検出対象の種別(真空弁の開閉状態または汚水ますの水位)を対応付けて記憶している。通報装置200は、上記のように入力端子Ti3に通知信号が入力されるのに応じて、ユニット番号#2の真空弁ユニット11における真空弁について異常が発生したことを認識する。そして、通報装置200は、ユニット番号#2の真空弁ユニット11における真空弁について異常が発生したことをメール送信などにより管理者に通報する。
【0028】
通報装置200は、通知信号を入力するために、制御盤100が出力する通知信号の数に応じた入力端子を備える。下水道システムにおいて1つの真空ステーション40に対応する真空弁ユニット11は相当に多数であるうえに、1つの真空弁ユニット11に対しては、例えば真空弁の開閉状態や水位などのようにそれぞれ検出対象が異なる複数のセンサが備えられる。
センサ信号の数は、真空弁ユニット11の数と、1つの真空弁ユニット11に備えられるセンサの数とを乗算したものとなるので、真空弁ユニットの倍数で増加する。これまでの説明からも分かるように、
図2の例では、真空弁ユニット11の数が100で、1つの真空弁ユニット11に備えられるセンサは弁センサ12−1と水位センサ12−2の2つであるから、センサ信号の数は、真空弁ユニット11の数の2倍の200となる。
そして、
図2の制御盤100の構成では、通知信号もセンサ信号ごとに対応して個別に出力されることから、通知信号の数もセンサ信号の数と同じにまで増加してしまう。
【0029】
このように、通知信号の数が増加するのに応じて、通報装置200において通知信号を入力するための入力端子の数も増加することになる。このような通報装置200における入力端子数の増加は、例えばコストアップ、ハードウェアの規模の拡大、シーケンサの複雑化などを招くことからできるだけ抑えられることが好ましい。
そこで、本実施形態においては、以降説明するように制御盤100を構成することにより、制御盤100が出力する通知信号の数を削減する。これにより、通報装置200が備えるべき入力端子の数が削減される。
【0030】
図3は、本実施形態における制御盤100(真空弁ユニット監視装置)の構成例を示している。なお、この図も、
図1の下水道システムとして、ユニット番号#1〜#100が割り当てられた100個の真空弁ユニット11を備える場合に対応している。
この図に示す制御盤100は、信号入力部101、判定部102、記憶部103、信号出力制御部104及び信号出力部105を備える。
【0031】
信号入力部101は、複数の真空弁ユニット11ごとに対して備えられた検出対象が異なる複数のセンサ12がそれぞれ出力したセンサ信号を入力する。
つまり、信号入力部101は、ユニット番号#1〜#100の真空弁ユニット11ごとの弁センサ12−1と水位センサ12−2からのセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100を入力する。なお、センサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100は、それぞれ、
図1の伝送線網30において個別の信号線を経由して伝送される。
【0032】
判定部102は、信号入力部により入力されたセンサ信号のうちで検出対象が異常を示しているセンサ信号(異常指示センサ信号)が有るか否かについて判定する。
このために、判定部102は、信号入力部101が入力したセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100をさらに入力し、入力したセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100を個々に監視する。
なお、判定部102は、センサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100を監視するにあたり、例えば、信号入力部101から一定周期ごとに順次、センサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100を入力すればよい。あるいは、センサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100を個別に入力し、入力したセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100をそれぞれ同時に監視できるように構成してもよい。
【0033】
具体的に、判定部102は、センサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100を監視することにより、以下のように、異常指示センサ信号が有るか否かについて判定すればよい。
つまり、判定部102は、例えば弁センサ12−1から出力されるセンサ信号Sv#1〜Sv#100については、「Hi」の状態が予め定められた閾値時間(例えば1分程度)以上継続した場合に、そのセンサ信号が真空弁について異常であることを示す異常指示センサ信号であると判定する。このように、判定部102は、真空弁が例えば1分以上閉じたままの状態が継続した場合に、その真空弁に異常が発生したものと判定する。
また、水位センサ12−2から出力されるセンサ信号Sw#1〜Sw#100については、「Hi」の状態が予め定められた閾値時間(例えば1分10秒程度)以上継続した場合に、そのセンサ信号が水位について異常であることを示す異常指示センサ信号であると判定する。このように、判定部102は、汚水ますの水位が或る一定以上となる状態が例えば1分10秒以上継続した場合に、その水位について異常が発生したものと判定する。
なお、例えば記憶部103に上記の閾値時間を予め記憶させておいたうえで、判定部102は、この記憶部103から読み出した閾値時間を利用して上記のように判定を行うようにすればよい。
【0034】
判定部102は、上記のように異常指示センサ信号の有ることを判定すると、その判定結果として、このセンサ信号が入力された信号入力部101のポート(端子)番号を示す信号を信号出力制御部104に出力する。
信号入力部101はセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100ごとに対応する200個のポート(端子)を備えており、これらのポートには、例えば
図3の信号入力部101において示すように、例えば「#1」〜「#200」の番号が付されている。
【0035】
判定部102は、信号入力部101からセンサ信号を入力するときに、その入力したセンサ信号が、信号入力部101におけるどの番号のポート(端子)から入力されたものであるのかを認識している。
そこで、判定部102は、異常指示センサ信号の有ることを判定した場合、この異常指示センサ信号が入力された信号入力部101のポート番号を示す信号(ポート番号信号)を生成し、信号出力制御部104に出力する。なお、このポート番号信号は、例えば所定のビット数によりポート番号を示すものであればよい。
【0036】
信号出力制御部104は、判定部102により異常指示センサ信号が有ると判定されるのに応じて、この異常指示センサ信号を出力したセンサを備える真空弁ユニット11を示すように選択した真空弁ユニット通知用の信号線から信号を出力させるとともに、この異常指示センサ信号を出力したセンサの検出対象の種別を示すように選択した検出対象種別通知用の信号線から信号を出力させるように信号出力部105を制御する。
一例として、本実施形態における信号出力制御部104は、判定部102により異常指示センサ信号が有ると判定されるのに応じて、この異常指示センサ信号を出力したセンサ12を備える真空弁ユニット11に対応する真空弁ユニット通知用の信号線を選択するとともに、異常指示センサ信号を出力したセンサの検出対象の種別に対応する検出対象種別通知用の信号線を選択する。
【0037】
このために、信号出力制御部104は、例えば判定部102からポート番号信号が示すポート番号に基づいて、異常指示センサ信号を出力したセンサ12を備える真空弁ユニット11のユニット番号を認識する。これとともに、信号出力制御部104は、異常指示センサ信号を出力したセンサ12(弁センサ12−1または水位センサ12−2)の検出対象の種別を認識する。
【0038】
例えば、記憶部103は、信号入力部101の各ポートと、各ポートに入力されるセンサ信号を出力したセンサ12を備える真空弁ユニット11のユニット番号と、そのセンサ12の検出対象の種別とを対応付けたポートテーブルを記憶している。
信号出力制御部104は、入力したポート番号信号が示すポート番号に対応付けられているユニット番号と検出対象の種別をポートテーブルから読み出す。これにより、信号出力制御部104は、ユニット番号と検出対象の種別を認識する。
【0039】
信号出力部105は、異常指示センサ信号を出力したセンサ12を備える真空弁ユニット11を示す信号を真空弁ユニット通知用の複数の信号線を利用して出力し、異常指示センサ信号を出力したセンサの検出対象の種別を示す信号を検出対象種別通知用の信号線を利用して出力する。
一例として、本実施形態における信号出力部105は、異常指示センサ信号を出力したセンサ12を備える真空弁ユニット11を示すための信号を、複数の真空弁ユニット11ごとに対応する真空弁ユニット通知用の信号線から個別に出力する。また、これとともに、信号出力部105は、異常指示センサ信号を出力したセンサ12の検出対象の種別を示すための信号を、検出対象の種別ごとに対応する検出対象種別通知用の信号線から個別に出力する。
【0040】
具体的に、信号出力部105は、真空弁ユニット通知信号出力部105Aと、検出対象通知信号出力部105Bとを備える。
真空弁ユニット通知信号出力部105Aは、複数の真空弁ユニットごとに対応する真空弁ユニット通知信号Iu#1〜Iu#100を、それぞれ真空弁ユニット通知用の信号線L1〜L100から個別にする。
検出対象通知信号出力部105Bは、検出対象の種別が真空弁の開閉状態であることを示す検出対象通知信号Ivと、検出対象の種別が汚水ますの水位であることを示す検出対象通知信号Iwとをそれぞれ検出対象種別通知用の信号線L101、L102から個別に出力する。
【0041】
信号出力制御部104は、信号線L1〜L100のうちから認識したユニット番号に対応する信号線を選択したうえで、この選択した信号線から信号出力部105が真空弁ユニット通知信号を出力するように制御する。
また、信号出力制御部104は、信号線L101、L102のうちから認識した検出対象の種別に対応する信号線を選択したうえで、この選択した信号線から信号出力部105が検出対象通知信号を出力するように制御する。
【0042】
具体例として、信号入力部101のポート番号#3のセンサ信号Sv#2が異常であることを示す異常指示センサ信号である場合、判定部102は、「#3」を示すポート番号信号を信号出力制御部104に出力する。
信号出力制御部104は、記憶部103に記憶されるポートテーブルを参照することで、入力されたポート番号信号が示すポート番号#3に対応付けられているユニット番号が「#2」であり、検出対象の種別が「真空弁の開閉状態」であることを認識する。
そこで、信号出力制御部104は、ユニット番号#2に対応する信号線L2を選択し、この信号線L2から真空弁ユニット通知信号Iu#2が出力されるように真空弁ユニット通知信号出力部105Aを制御する。これとともに、信号出力制御部104は、検出対象の種別が真空弁の開閉状態である場合に対応する信号線L102を選択し、この信号線L102から検出対象通知信号Ivが出力されるように検出対象通知信号出力部105Bを制御する。
【0043】
通報装置200は、真空弁ユニット通知信号Iu#1〜Iu#100に対応する信号線L1〜L100の各々と接続される100個の入力端子Ti1〜Ti100を備える。また、通報装置200は、検出対象通知信号Ivと検出対象通知信号Iwに対応する信号線L101、L102の各々と接続される2個の入力端子Ti101、Ti102を備える。
【0044】
通報装置200は、真空弁ユニット通知信号が入力された入力端子と、検出対象通知信号が入力された入力端子を識別することにより、どのユニット番号の真空弁ユニットに異常が発生し、また、その異常が発生した部位がどこであるのかを認識する。そして、通報装置200は、認識結果にしたがって、例えば異常が発生した真空弁ユニットのユニット番号と、この真空弁ユニットにおいて異常が発生した部位とを示す内容を示す通報を送信する。
【0045】
一例として、上記したように信号出力部105が信号線L2から真空弁ユニット通知信号Iu#2を出力し、信号線L101から検出対象通知信号Ivを出力した場合、通報装置200においては、入力端子Ti2に真空弁ユニット通知信号Iu#2が入力され、入力端子Ti101に検出対象通知信号Ivが入力される。
通報装置200は、例えば内部のシーケンサにより、入力端子Ti2に真空弁ユニット通知信号が入力された場合には、異常が発生した真空弁ユニット11のユニット番号が「#2」であると認識する。また、通報装置200は、入力端子Ti101に検出対象通知信号が入力された場合には、その真空弁ユニット11において「真空弁の開閉状態」について異常が発生したと認識する。そこで、通報装置200は、ユニット番号#2の真空弁ユニットにおいて、真空弁の開閉状態について異常が発生したことを示す内容の通報を管理者の端末などに送信する。
【0046】
先に示した
図2の構成の場合には、真空弁ユニット11に備えられるセンサ12ごとに対応して各1つの通知信号を個別に出力させていた。この場合、制御盤100から出力される通知信号の数は、真空弁ユニット11の数をa、真空弁ユニット11ごとに備えられるセンサ12の数をbとした場合、a×bとなる。
これに対して、本実施形態としての
図3の構成の場合には、真空弁ユニット11のユニット番号ごとに対応する数の真空弁ユニット通知信号と、センサ12の検出対象の種別ごとに対応する検出対象通知信号とを出力させている。つまり、本実施形態では、真空弁ユニット番号を示すための信号群と、センサ12の検出対象の種別を示すための信号群の組み合わせにより
図2と同じ内容を通知するものである。
この場合、本実施形態において制御盤100から出力される通知信号の数は、a+bとなる。これに伴い、通報装置200に設けるべき入力端子の数も、
図2の場合にはa×bであるのに対して、
図3に示す本実施形態の場合には、a+bでよいことになる。
具体的に、
図2の通報装置200が備える入力端子は、
図2では入力端子Ti1〜Ti200の200(=100×2)個であるのに対して、本実施形態の
図3では、入力端子Ti1〜Ti102の102(=100+2)個となっており、80個の削減が図られている。
このように、本実施形態では、通報装置200が備えるべき入力端子の数を有効に削減することが可能である。
【0047】
[処理手順例]
図4は、
図3に示した本実施形態の制御盤100が実行する手順例を示している。
判定部102は、信号入力部101が入力したセンサ信号Sv#1〜Sv#100、Sw#1〜Sw#100の監視を行い(ステップS101)、これらのうちで、異常であることを示すセンサ信号(異常指示センサ信号)が有るか否かについて判定する(ステップS102)。
【0048】
異常指示センサ信号が無いと判定した場合(ステップS102−NO)、判定部102は、ステップS101に処理を戻す。
これに対して、異常指示センサ信号が有ると判定した場合(ステップS102−YES)、判定部102は、信号出力制御部104に対して、異常指示センサ信号が入力された信号入力部101のポート番号を示すポート番号信号を出力する(ステップS103)。
【0049】
次に、信号出力制御部104は、異常指示センサ信号を出力したセンサ12を備える真空弁ユニット11のユニット番号と、異常指示センサ信号を出力したセンサ12の検出対象の種別とを認識する(ステップS104)。
このために、信号出力制御部104は、ポートテーブルを参照して、ステップS103に応じて入力したポート番号信号が示すポート番号に対応付けられたユニット番号と検出対象の種別とを取得する。
【0050】
そして、信号出力制御部104は、ステップS104により認識したユニット番号に対応する信号線から真空弁ユニット通知信号が出力されるように、真空弁ユニット通知信号出力部105Aを制御する(ステップS105)。
これとともに、信号出力制御部104は、ステップS104により認識した検出対象の種別に対応する信号線から検出対象通知信号が出力されるように、検出対象通知信号出力部105Bを制御する(ステップS106)。ステップS106の処理を終了した後、信号出力制御部104は、ステップS101に処理を戻す。
【0051】
なお、真空弁ユニット通知信号について、信号線ごとにビットを割り当て、これらの信号線に対して「1」と「0」の値に応じて、「Hi」と「Low」が出力されるように構成してもよい。
具体例として、真空弁ユニット11の数が「100」である場合、真空弁ユニット通知信号出力部105Aに第1ビット〜第8ビットまでに対応する8本の信号線を設ける。そのうえで、信号出力制御部104は、通知すべきユニット番号に応じて、8本の信号線について「Hi」と「Low」のいずれを出力させるべきかを適宜選択する。
例えば、ユニット番号#3を通知すべき場合には、第1ビットと第2ビットの信号線には、「1」に対応する「Hi」を出力させ、残る第3ビット〜第8ビットの信号線には、「0」に対応する「Low」を出力させる。通報装置200は、このように入力された真空弁ユニット通知信号をビットパターンとして処理することにより、通知されたユニット番号が「#3」であることを認識できる。これにより、真空弁ユニット11のユニット番号ごとに1つの信号線を割り当てる場合より、さらに信号線の数を削減できる。
また、検出対象通知信号についても同様に信号線ごとにビットを割り当てることとすれば、同様に信号線の数を削減できる。
【0052】
また、制御盤100の構成は
図3に示したものに限定されない。また、
図3の判定部102及び信号出力制御部104などとしての機能は、例えば、CPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることにより実現されてもよい。あるいは、
図3の判定部102及び信号出力制御部104などとしての機能は、論理回路などにより構成されてもよい。
【0053】
また、
図3に判定部102及び信号出力制御部104などの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより真空弁ユニット11の監視を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0054】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0055】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。