【実施例】
【0024】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は自動車のシートベルト装置取付構造を示し、
図1は該シートベルト装置取付構造を備えた自動車の側面図(但し、
図1は
図2のB−B線矢視断面図に相当)、
図2は
図1のA−A線矢視に沿う正面図である。
図1,
図2において、車両の前後方向に延びるフロントフロアパネル1の後部には、キックアップ部2を介してリヤフロア3を一体的に連設し、該リヤフロア3の車幅方向中間部には下方に段下げ形成された収納凹部4を一体的に形成している。
【0025】
リヤフロア3の後端部には、収納凹部4を後方から塞ぐように、リヤエンドパネル5を立設固定し、このリヤエンドパネル5の後部にはリヤエンドクロスメンバ6を接合固定し、該リヤエンドクロスメンバ6とリヤエンドパネル5との間に、車幅方向に延びるリヤエンド閉断面7を形成して、後部車体剛性の向上を図っている。
また、リヤフロア3の下部左右両サイドには、車両の前後方向に延びるリヤサイドフレーム8,8を接合固定し、リヤフロア3とリヤサイドフレーム8との間には、車両の前後方向に延びる閉断面9を形成して、下部車体剛性の向上を図っている。
【0026】
一方、
図1に示すように、フロントフロアパネル1上には1列目シート11を配設し、リヤフロア3前部上方には2列目シート12を配設し、リヤフロア3後部上方には3列目シート13を配設している。
上述の1列目シート11は、シートクッション11Cとシートバック11Bとヘッドレスト11Hとを有するセパレート構造の運転席と助手席とを備えている。
【0027】
3列目シート13は、
図1,
図2に示すように、ベンチシート構造のシートクッション13Cと、左右に4:6に分割されたシートバック13B,13Bと、複数のヘッドレスト13H,13H,13Hとを有しており、
図2の中央に位置するヘッドレスト13Hに対応する部分が3列目中央席となる。
【0028】
2列目シート12は、3列目シート13と同様に形成されている。すなわち、2列目シート12は
図1のみに示すように、ベンチシート構造のシートクッション12Cと左右に4:6分割されたシートバック12B,12Bと、複数のヘッドレスト12H,12H,12Hとを有しており、複数のヘッドレストのうち中央に位置するヘッドレスト12Hに対応する部分が2列目中央席となる。
なお、
図1,
図2において仮想線αは2列目シート12に着座する乗員の頭部であり、仮想線βは3列目右側のシート13に着座する乗員の頭部である。
【0029】
図1,
図2に示すように、リヤフロア3上には、2列目シート12と3列目シート13とに共用される長尺のシートスライドレール14,14を設けると共に、2列目シート12用のシートスライドレール15,15を設けている。ここで、シートスライドレール14はリヤサイドフレーム8の位置に対応すべくリヤフロア3の左右両サイドに設けられており、シートスライドレール15はリヤフロア3の車幅方向中間部に設けられている。
【0030】
ところで、車体上部前端において車幅方向に延びる閉断面構造のフロントヘッダ(図示せず)と、車体上部後端において車幅方向に延びる閉断面構造のリヤヘッダ16(
図1参照)とを設け、フロントヘッダとリヤヘッダ16との左右両端部を車両前後方向に連結する左右のルーフサイドレール17,17を設けている(
図2参照)。
【0031】
図2に示すように、ルーフサイドレール17は、ルーフサイドレールアウタ18とルーフサイドレールインナ19とを接合固定して、車両の前後方向に延びるルーフサイド閉断面20を形成した車体強度部材である。
上述のフロントヘッダ、リヤヘッダ16、左右のルーフサイドレール17,17で囲繞された天井スペースを覆うルーフパネル21を設け、ルーフパネル21の左右の車幅方向両端部は、
図2に示すように、ルーフサイドレールアウタ18とルーフサイドレールインナ19との間で挟持固定している。
【0032】
一方、
図1に示すように車体側部には、1列目シート11のシートバック11Bの位置と略対応して上下方向に延びる閉断面構造のセンタピラー22と、2列目シート12のシートバック12Bと3列目シート13のシートクッション13C前端部との間の位置に略対応して上下方向に延びる閉断面構造の中間ピラー23と、車両後端位置に対応して上下方向に延びる閉断面構造のリヤピラー24と、が設けられている。
【0033】
また、
図1に示すように、ルーフパネル21の下面には、該ルーフパネル21の下面に沿って車幅方向に延設される複数のルーフレイン25,26,27,28,29,30,31が配設されている。これらの各ルーフレイン25〜31は左右のルーフサイドレール17,17間に横架されてルーフパネル21を支えるものである。
【0034】
ルーフレイン26はセンタピラー22と対応する位置に設けられており、ルーフレイン29は中間ピラー23と対応する位置に設けられており、ルーフレイン30は中間ピラー23の直後近傍位置と対応するように設けられており、ルーフレイン31は該ルーフレイン30とリヤヘッダ16との間に対応する位置に設けられている。
さらに、
図1,
図2に示すように、フロントヘッダ、リヤヘッダ16および各ルーフレイン25〜31を含んで、ルーフパネル21を下方から覆うトップシーリング32を設けている。
【0035】
図3は
図1の要部拡大側面図、
図4はシートベルト装置取付構造を示す平面図、
図5はシートベルト装置取付構造を示す底面図、つまり車室内から上方を見上げた状態で示す図、
図6はアンカブラケットを下方から見上げた状態で示す斜視図、
図7は
図3の要部拡大側面図、
図8は
図2の要部拡大正面図である。
【0036】
図3に示すように、上述のリヤヘッダ16はリヤヘッダアッパ16Aとリヤヘッダロア16Bとリヤヘッダレインフォースメント16Cとの三者を接合固定して、車幅方向に延びるヘッダ閉断面16Dを形成した車体強度部材である。
図3に示すように、中間ピラー23の直後近傍に対応する位置に設けられたルーフレイン30は、ルーフレインアッパ30Aとルーフレインロア30Bとを接合固定して、車幅方向に延びる閉断面30Cを有するもので、このルーフレイン30(2列目アンカ支持用のルーフレイン)は、他のルーフレイン25〜29,31の断面よりも、その断面を上下方向に拡大し、強度が大となるように形成されている。
【0037】
図2,
図5,
図8に示すように、ルーフレイン30の下面を補強するガセット33を設けている。このガセット33の車幅方向内端は、後述するアンカブラケット40よりも車両の車幅方向中央部近傍まで内方に延びており、該ガセット33の車幅方向内端部はボルト、ナット34を用いてルーフレイン30に締結されている。また、該ガセット33の車幅方向外側端部はルーフレイン30のルーフレインロア30Bよりも下方でルーフサイドレール17におけるルーフサイドレールインナ19に、ボルト、ナット35を用いて締結固定されている。
【0038】
そして、
図8に示すように、ルーフレインロア30Bと、ルーフサイドレールインナ19と、ガセット33の車幅方向外側部との三者でトライアングル構造を形成し、強度の向上を図っている。ここで、上述の各ボルト、ナット34,35は何れもそのボルトを車室内から締付けるように、ナットが予めルーフレインロア30B上面、ルーフサイドレールインナ19の閉断面20側の面に溶接固定されたものである。
【0039】
図4,
図5に示すように、2列目中央席用のリトラクタ36(以下単に2ndリトラクタ36と略記する)と3列目中央席用のリトラクタ37(以下単に3rdリトラクタ37と略記する)との両方を取付けた単一のリトラクタブラケット38を設け、このリトラクタブラケット38を
図1に示すように3列目シート13上方のルーフサイドレール17とリヤヘッダ16との間に架設している。
上述のリトラクタブラケット38は、2列目シート12よりも後方の車体側構成部材としてのルーフサイドレール17およびリヤヘッダ16に連結されたもので、2ndリトラクタ36も該リトラクタブラケット38を介して2列目シート12よりも後方の車体側構成部材に連結されている。
【0040】
図4,
図5に示すように、2ndリトラクタ36と前方に離間して、ルーフの所定位置(好ましくは、2列目シート12に着座する乗員の位置よりも上部後方の位置)には、2列目中央席3点式シートベルトのアンカ部39を有するアンカブラケット40が設けられている。
このアンカブラケット40は、2列目シート12の上方後部でルーフパネル21の下面に沿って車幅方向に延設された上述のルーフレイン30の車幅方向2ヶ所と、該ルーフレイン30よりも後方位置のルーフサイドレール17の1ヶ所とに、ボルト、ナット41,42,43を用いて連結されており、上述のアンカ部39はルーフレイン30よりも後方に配置されている。
【0041】
上述のアンカブラケット40は、
図4,
図5,
図6に示すように、前部内側連結部40Aと、前部外側連結部40Bと、後部外側連結部40Cとを備えた三つ又構造に形成されており、
図8に示すように、アンカブラケット40の前部内側連結部40Aはガセット33と共に、上述のボルト、ナット41を用いて、ルーフレイン30のルーフレインロア30Bに共締め固定されており、アンカブラケット40の前部外側連結部40Bはガセット33と共に、上述のボルト、ナット42を用いて、ルーフレイン30のルーフレインロア30Bに共締め固定されている。
つまり、上述のガセット33がアンカブラケット40と共にルーフレイン30に共締め固定されたものである。
【0042】
また、
図4に示すように、ルーフサイドレールインナ19の閉断面20側の面には、補強部材44が設けられており、アンカブラケット40の後部外側連結部40Cは補強部材44と共に、上述のボルト、ナット43を用いて、ルーフサイドレール17のルーフサイドレールインナ19に共締め固定されている。
ここで、上述の各ボルト、ナット41,42,43は何れもそのボルトを車室内から締付けるように、ナットが予めルーフレインロア30B上面、補強部材44における閉断面20側の面に溶接固定されたものである。
また、上述のアンカ部39は、シートベルト45を挿通するベルト挿通孔39aをもったベゼル39bを備えている。
【0043】
さらに、
図7に側面図で示すように、アンカブラケット40の後部は後傾するルーフパネル21に近接するように取付けられている。すなわち、ルーフパネル21の後部は前高後低状に傾斜しており、一方、アンカブラケット40の後部外側連結部40Cに対応する後部は略水平状になるように取付けられていて、これにより、後部外側連結部40Cのレイアウトスペースおよびヘッドクリアランスを確保するように構成している。
しかも、アンカブラケット40に対して後方に位置する2ndリトラクタ36は、
図7に示すように、その上部にシートベルト45をルーフパネル21下面に沿ってアンカ部39に導く引出し部36aを備えている。これにより、シートベルト45配索位置をルーフパネル21面に近接させて、該シートベルト45をルーフパネル21に沿って、アンカブラケット40とルーフパネル21との間の狭い空間に通して、アンカブラケット40と2ndリトラクタ36との間において、3列目シート13乗員のヘッドクリアランスX(
図2参照)改善を図るように構成している。
【0044】
また、
図8に示すように、ルーフレイン30のルーフレイン30Bにおけるボルト、ナット41,42間の下面部と、ボルト、ナット41,42間に位置するガセット33の下面部とには、上方に窪んで前後方向に延びる凹部46が設けられており、同図に示すように、この凹部46にシートベルト45を配索している。これにより、アンカブラケット40でルーフレイン30の凹部46を補強して、ルーフレイン30の剛性を確保しつつ、ベルトクリアランスとヘッドクリアランスX(
図2参照)とを確保すべく構成している。
【0045】
さらに、
図7に示すように、ルーフレイン30はアンカ部39よりも中間ピラー23に近くなるように配置されており、アンカ部39前方に設けたルーフレイン30が、側突時の中間ピラー23荷重を効果的に受け持って、2列目シート12の乗員空間の変形を効果的に抑制すべく構成している。
【0046】
図6にアンカブラケット40の斜視図を示すように、該アンカブラケット40には車室側に膨出する複数のビード40a,40b,40c,40d,40eが一体形成されており、ビード40a,40bは前部内側連結部40Aから後方に延びて、これら2本のビード40a,40bによりアンカ部39を挟み込むように形成されており、ビード40d,40eは後部外側連結部40Cから前方に延びて、これら2本のビード40d,40eによりアンカ部39を挟み込むように形成されている。これにより、各ビード40a,40b,40d,40eにて前部内側連結部40Aとアンカ部39との間、並びに、後部外側連結部40Cとアンカ部39との間の捩れを防止すると共に、アンカブラケット40それ自体の剛性向上を図り、かつ、アンカ部39に入力される荷重を前後の車体締結部(前部内側連結部40A、後部外側連結部40C参照)に良好に伝達すべく構成している。
【0047】
また、アンカブラケット40の後部外側連結部40Cからビード40eに沿って前方に延びるリブ40fと、後部外側連結部40Cからビード40dに沿って斜め前方に延びた後に、ビード40aの車幅方向内側に沿うように前方に延びるリブ40gと、を下向きに一体形成し、これら各リブ40f,40gによりアンカブラケット40それ自体の強度向上を図るように構成している。
【0048】
さらに、アンカブラケット40の中間部には軽量化用の開口部40hを形成し、この開口部40hのうち応力集中が見込まれる車幅方向内側の口縁には下向きのフランジ40iを一体形成して、剛性の向上を図っている。
加えて、上述のアンカ部39および凹部46の下方には、
図7に示すように、中間タング47を係止保持するガイド部49aと、先端タング48を係止保持するガイド部49bと、を備えたタングホルダ49が設けられている。
【0049】
ところで、
図4,
図5に示すように、2ndリトラクタ36と3rdリトラクタ37とを取付けた単一のリトラクタブラケット38は、3列目シート13上方のルーフサイドレール17とリヤヘッダ16との間に架設されている。
【0050】
図9は
図1のC−C線に沿う要部の正面図、
図10は
図4のD−D線矢視断面図であって、
図9に示すように、上述のリトラクタブラケット38は、ルーフサイドレール17側の低い位置に2ndリトラクタ36を配置し、車室中央部側の高い位置に3rdリトラクタ37を配置している。すなわち、
図9に示すように、ルーフサイドレール17側は3列目シート13に着座する乗員の肩部に相当するので、このように設定することで、該3列目シート13に着座する乗員のヘッドクリアランス向上を図ることができる。
【0051】
図4,
図5,
図9,
図10に示すように、上述のリトラクタブラケット38は前部内側連結部38A、後部内側連結部38B、前部外側連結部38C、後部外側連結部38Dを備えており、
図4,
図5,
図9に示すように、前部外側連結部38Cは、ボルト、ナット50およびブラケット51を介してルーフサイドレールインナ19に連結固定している。なお、この実施例では、
図9に示すように、ルーフサイドレール17の後端部におけるルーフサイドレールインナ19の車幅方向内側面には、リヤピラー24の上部24aが一体的に接合されるので、上述の前部外側連結部38Cは、各要素50,51,24aを介してルーフサイドレールインナ19に連結されることになる。
また、他の連結部38A,38B,38Dは、
図5,
図10に示すように、ボルト、ナット52,53,54を介してリヤヘッダ16のリヤヘッダロア16Bに連結固定されている。ここで、上述のボルト、ナット50,52,53,54のうちのボルトを車室内側から締付けるように、ナットは予めボディ側に溶接固定されている。
【0052】
さらに、
図4,
図5,
図9に示すように、リトラクタブラケット38の2ndリトラクタ36の取付部36Bと、3rdリトラクタ37の取付部37Bとの間に、平面視でL字状の段差部38Eが形成されている。この段差部38Eの前部はルーフサイドレール17と略平行に形成されており、また段差部38Eの後部はリヤヘッダ16と略平行に形成されている。そして、上述の段差部38Eによりリトラクタブラケット38の剛性を向上しつつ、片持ち状態に近く剛性的に不利な3rdリトラクタ37の支持剛性向上を図ると共に、リトラクタブラケット38の振動を抑制すべく構成している。
【0053】
図4に示すように、3列目中央席用のシートベルト55のアンカ部56がリトラクタブラケット38の後部に配置されるが、このアンカ部56は単一のリトラクタブラケット38の後部左右2点の車体締結部(ボルト、ナット53,54の位置参照)を通る線Lよりも後方に配置されている。これにより、3rdリトラクタ37を車体締結部側に近付けて、その支持剛性向上を図りつつ、アンカ部56の位置を、後部左右2点の車体締結部(ボルト、ナット53,54参照)の後方配置限界に関係なく、3列目シート13のシートバック13Bよりも後方の効果的な位置に配設して、シートベルト55にて安定した乗員拘束を行なうように構成している。
図4,
図5に示すように、上述のアンカ部56はベルト挿通孔56aをもったベゼル56bを備えている。
【0054】
図11は、リトラクタおよびタングホルダが組付けられたリトラクタブラケットを、車室内側から見上げた状態で示す斜視図であって、
図4,
図5,
図10においては、便宜上、その図示を省略したが、
図11に示すように、リトラクタブラケット38には、車室内側へ膨出する縦横のビード38a,38bが一体形成されている。
【0055】
また、
図4,
図5,
図11に示すように、上述のリトラクタブラケット38の前端部および車幅方向内端部には上方に延びるリブ38c,38dが一体形成されている。さらに、
図5,
図11に示すように、アンカ部56の後部におけるリトラクタブラケット38には、下方に延びるリブ38eが一体形成されている。そして、これらのビード38a,38b、リブ38c,38d,38eにより、リトラクタブラケット38それ自体の剛性向上を図っている。
さらに、
図11に示すように、上述のリトラクタブラケット38には、3rdリトラクタ37とアンカ部56との間にタング収容孔としてのホルダ用開口60が設けられている。
上述のホルダ用開口60には、タング係止ベゼルとしての合成樹脂製のタングホルダ61が取付けられている。
【0056】
図12はタングホルダ61の斜視図、
図13は該タングホルダ61の車幅方向中央で縦断した断面図であって、該タングホルダ61の前部左右には係止爪62,63を設け、左右の係止爪62,63間にはクリップ64を設ける一方、タングホルダ61の後部には嵌合溝65を形成している。
また、タングホルダ61の車幅方向中央前部において、先端タング66(
図11参照)のガイドスリット67を下方に、フック部68を上方にそれぞれ設けている。さらに、タングホルダ61の車幅方向中央後部において、中間タング69(
図11参照)のガイドスリット70を上方に、フック部71を下方にそれぞれ設けている。
【0057】
そして、タングホルダ61がホルダ用開口60に対し、後部の嵌合溝65と、前部左右の係止爪62,63と、前部中央のクリップ64とで係合されており、これによりタングホルダ61の組付け性向上を図ると共に、組付け後にはタングホルダ61がリトラクタブラケット38に支持されることで、その剛性向上を図っている。
また、先端タング66のガイドスリット67を下方に、フック部68を上方に設け、中間タング69のガイドスリット70を上方に、フック部71を下方に設けることにより、タングホルダ61の上下方向寸法のコンパクト化を図っている。
【0058】
ところで、
図10,
図11に示すように、車幅方向内側に位置するリトラクタ、すなわち、3rdリトラクタ37とリヤヘッダ16との間には緩衝材72が挟持されている。この実施例では、
図10,
図11に示すように、緩衝材72の支持部を、3rdリトラクタ37のタイバー73で一体形成しており、このタイバー73に緩衝材72を取付け、該緩衝材72の後面側にスリットを形成して、このスリットにリヤヘッダアッパ16A、リヤヘッダロア16B、リヤヘッダレインフォースメント16Cのそれぞれの前側フランジ部を差込んでいる。
【0059】
上述の緩衝材72としてはウレタンスポンジやシーラなどを用いることができ、上記構成により、片持ち状態に近くなる車幅方向内側のリトラクタ(3rdリトラクタ37)とリヤヘッダ16との間で、必要最小限の緩衝材72により効果的にリトラクタブラケット38全体の振動を抑制すべく構成している。
なお、
図3,
図7,
図9において、74はリトラクタブラケット38とトップシーリング32との間に介設したクッション材である。また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
【0060】
このように、上記実施例の自動車のシートベルト装置取付構造は、1列目シート11、2列目シート12、3列目シート13を備える自動車の2列目シート中央席用の3点式シートベルト装置を車体に取付ける自動車のシートベルト装置取付構造であって、2列目シート12よりも後方の車体側構成部材(リヤヘッダ16、ルーフサイドレール17参照)にリトラクタ36が連結され、該リトラクタ36と離間して、ルーフの所定位置に、2列目中央席3点式シートベルトのアンカ部39を有するアンカブラケット40が設けられており、該アンカブラケット40は、2列目シート12上方でルーフパネル21下面に沿って車幅方向に延設されるルーフレイン30の車幅方向2ヶ所と、該ルーフレイン30後方位置のルーフサイドレール(17)1ヶ所に連結され、上記アンカ部39が上記ルーフレイン30よりも後方に配置されたものである(
図1,
図4,
図5参照)。
【0061】
この構成によれば、アンカブラケット40が前後方向に延びており、アンカ部39はルーフレイン30に対して後方にずれた位置に配置されているので、アンカ部39とルーフレイン30とが上下方向に重なることはなく、これにより天井の下方への突出量低減を図って、ヘッドクリアランスの向上を図ることができる。
また、上述のアンカブラケット40は、ルーフレイン30の車幅方向2ヶ所と、ルーフサイドレール(17)1ヶ所との3点で支持されているので、該アンカブラケット40の高い支持剛性を確保することができる。
【0062】
さらに、シートベルト45からアンカ部39に入力される荷重は、アンカブラケット40からルーフサイドレール17と、車幅方向2ヶ所で連結されたルーフレイン30とに荷重分散して伝達されるので、局部的に応力が集中するのを回避し、以て、ルーフレイン30を特別に補強しなくても、該ルーフレイン30の変形を防止することができる。
要するに、アンカブラケット40の支持剛性確保と、2列目中央席ベルト配索における3列目シート乗員のヘッドクリアランス向上と、の両立を図ることができる。
また、上記アンカブラケット40の後部が後傾するルーフパネル21に近接しており、後方の2列目のベルトリトラクタ36は、その上部にシートベルト45をルーフパネル21下面に沿って上記アンカ部39に導く引出し部36aを備えたものである(
図7参照)。
【0063】
この構成によれば、2列目のベルトリトラクタ36の引出し部36aが上部に設けられているので、シートベルト45位置をルーフパネル21面に近接させることができ、該シートベルト45をルーフパネル21に沿って、アンカブラケット40とルーフパネル21との間の狭い空間に通すことができ、アンカブラケット40と2列目ベルトリトラクタ36との間において、3列目シート13乗員のヘッドクリアランスをさらに改善することができる。
また、ルーフサイドレール17の上下寸法を狭く設定しても、アンカブラケット40の後部外側連結部40Cを、該アンカブラケット40の本体よりも下方側に設けているので、そのスペース取りが容易であって、さらにボルト、ナット43のボルトによる取付け作業も容易となる。
さらに、上記ルーフレイン30の下面部に上方に窪んで前後方向に延びる凹部46が設けられ、該凹部46は上記アンカブラケット40とルーフレイン30の2ヶ所の連結部位の間に形成されており、該凹部46にシートベルト45が配索されたものである(
図8参照)。
【0064】
この構成によれば、アンカブラケット40でルーフレイン30の上記凹部46を補強して、ルーフレイン30の剛性を確保しつつ、ベルトクリアランスとヘッドクリアランスとを確保することができる。
さらにまた、上記ルーフレイン30の下面を補強するガセット33を設け、該ガセット33が上記アンカブラケット40と共に上記ルーフレイン30に共締め固定され、該ガセット33の車幅方向外側端部が上記ルーフレイン30よりも下方でルーフサイドレール17に固定されたものである(
図5,
図8参照)。
【0065】
この構成によれば、ガセット33がルーフレイン30のアンカブラケット40よりも車幅方向内側の部位とルーフサイドレール17との双方に固定されているので、シートベルト45からアンカ部39に入力される荷重(いわゆるベルト荷重)を、ルーフサイドレール17に荷重分散させて、ルーフレイン30の負担を軽減し、応力分散を図ることで、ルーフレイン30の折れ防止を図ることができる。
加えて、上記ルーフレイン30が上記アンカ部39よりも中間ピラー23に近くなるように配置されたものである(
図3,
図7参照)。
【0066】
この構成によれば、アンカ部39前方に設けたルーフレイン30が、側突時の中間ピラー23荷重を効果的に受け持つので、2列目シート12の乗員空間の変形を抑制することができる。
【0067】
図14,
図15は自動車のシートベルト装置取付構造の他の実施例を示し、
図7で示した構成に代えて、
図14または
図15に示す構成を採用してもよい。
図14に示す構成は、アンカブラケット40の前部内側連結部40Aをルーフレインアッパ30Aの上側に取付けたものである。ルーフレイン30のルーフレインアッパ30Aとルーフレインロア30Bとの間には予めカラー75を配置すると共に、前部内側連結部40Aの上面にはボルト、ナット41のナットを予め溶接固定し、ボルト、ナット41のボルトをカラー75を介してナットに締付けるように構成している。
このように構成すると、シートベルト45からアンカ部39に入力される荷重を、アンカブラケット40前部とルーフレイン30に荷重伝達でき、締結部の応力集中を減らして、ボルト、ナット41の低剛性化、低コスト化を図ることができる。
【0068】
図14に示すように構成しても、その他の構成、作用、効果については、
図1〜
図13で示した先の実施例とほぼ同様であるから、
図14において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0069】
図15に示す構成は、アンカブラケット40の前部内側連結部40Aを、ルーフレイン30の後面、詳しくは、ルーフレイン30とガセット33とが重合する部分の後面に取付けるように構成したものである。
このように構成すると、ボルト、ナット41のボルトが略前方に指向するので、該ボルトの長さを長く設定することができる。
図15に示す構成においても、その他の構成、作用、効果については、
図1〜
図13で示した先の実施例と略同様であるから、
図15において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0070】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の車体側構成部材は、ルーフサイドレール17、リヤヘッダ16に対応し、
以下同様に、
ベルトは、シートベルト45に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。