特許第5965298号(P5965298)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 未来工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5965298-切断工具 図000002
  • 特許5965298-切断工具 図000003
  • 特許5965298-切断工具 図000004
  • 特許5965298-切断工具 図000005
  • 特許5965298-切断工具 図000006
  • 特許5965298-切断工具 図000007
  • 特許5965298-切断工具 図000008
  • 特許5965298-切断工具 図000009
  • 特許5965298-切断工具 図000010
  • 特許5965298-切断工具 図000011
  • 特許5965298-切断工具 図000012
  • 特許5965298-切断工具 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965298
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】切断工具
(51)【国際特許分類】
   B26B 13/00 20060101AFI20160721BHJP
   B26B 13/22 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   B26B13/00 Z
   B26B13/00 D
   B26B13/22
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-258765(P2012-258765)
(22)【出願日】2012年11月27日
(65)【公開番号】特開2014-104118(P2014-104118A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079968
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 光司
(72)【発明者】
【氏名】松田 翔平
【審査官】 大山 健
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−053786(JP,U)
【文献】 特開2007−054391(JP,A)
【文献】 米国特許第4336652(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 13/00−13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺材を切断する切断工具であって、
前記長尺材を切断すべく支持するための支持体を有する、工具本体と、前記工具本体における前記支持体の側方を回動軸心としてその回動軸心回りに回動可能な刃体と、上側にある前記刃体を下側にある前記支持体側に回動させる回動手段とを備え、
前記支持体は、アダプタが着脱可能に装着される装着部を備え、前記装着部に対して、前記アダプタを着脱することで、または、前記装着部に対して、複数種類の前記アダプタを選択的に装着することで、または、前記装着部における前記アダプタの装着位置を調節することで、前記長尺材としての、第1の長尺材と、その第1の長尺材とは異なる別の第2の長尺材とを、それぞれ切断すべく支持可能であり、
前記装着部は、前記アダプタが上方から挿入されることで、そのアダプタの、その挿入方向と直交する方向への動きを規制するように形成されており、
前記アダプタは、前記刃体が進入可能な進入空間を間に形成するように対向位置して前記長尺材を支持する一対の支持部と、それら一対の支持部を連結する連結部とを有し、
前記連結部は、前記一対の支持部の下端側に設けられており、その連結部は、前記アダプタを前記装着部に装着した状態で、前記支持体側の回動終点位置に位置する前記刃体よりも下方に位置して、前記刃体の回動範囲の外側に位置するように形成されてなる、切断工具。
【請求項2】
長尺材を切断する切断工具であって、
前記長尺材としての第1の長尺材を切断すべく支持する支持体を有する、工具本体と、前記工具本体における前記支持体の側方を回動軸心としてその回動軸心回りに回動可能な刃体と、上側にある前記刃体を下側にある前記支持体側に回動させる回動手段とを備え、
前記支持体は、前記長尺材としての、前記第1の長尺材とは異なる別の第2の長尺材を、切断すべく支持するためのアダプタが、着脱可能に装着される、装着部を備え、
前記装着部は、前記アダプタが上方から挿入されることで、そのアダプタの、その挿入方向と直交する方向への動きを規制するように形成されており、
前記アダプタは、前記刃体が進入可能な進入空間を間に形成するように対向位置して前記第2の長尺材を支持する一対の支持部と、それら一対の支持部を連結する連結部とを有し、
前記連結部は、前記一対の支持部の下端側に設けられており、その連結部は、前記アダプタを前記装着部に装着した状態で、前記支持体側の回動終点位置に位置する前記刃体よりも下方に位置して、前記刃体の回動範囲の外側に位置するように形成されてなる、切断工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、長尺材を切断する切断工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺材を切断する切断工具として、例えば、樹脂製パイプを切断するパイプカッターがあった(特許文献1参照)。図12に示されるように、このパイプカッター101は、基端側を操作柄部103とした一対の作動片102、102が、ピン104を介して回動自在に軸支されていた。そして、一方の作動片102の先端側には、樹脂製パイプ(図示せず)を切断可能な刃部105が設けられ、他方の作動片102の先端側には、樹脂製パイプ(図示せず)を収容可能な円弧面106a、106aを形成した保持部106が設けられていた。さらに、その保持部106の左右の円弧面106a、106aには、小径の樹脂製パイプ(図示せず)を収容可能な一組のアダプタ107、107を取り付けるための穴106b、106bが形成されていた。こうして、このパイプカッター101は、保持部106の円弧面106a、106aに対して、一組のアダプタ107、107を着脱することにより、径の異なる複数の樹脂製パイプの切断に使用することができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−275462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このパイプカッター101にあっては、一組のアダプタ107、107の双方を、円弧面106a、106aに対してそれぞれ個別に着脱しなければならなかった。このため、アダプタ107、107の着脱に手間がかかり、また、アダプタ107の不使用時には、両アダプタ107、107が散らばって紛失しないように注意を払う必要があった。このように、パイプカッター101は、使い勝手がよくなかった。
【0005】
この発明は、上記した問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、互いに異なる別の長尺材をそれぞれ切断することができ、かつ、使い勝手がよい切断工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る切断工具は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る切断工具は、長尺材を切断する切断工具であって、前記長尺材を切断すべく支持するための支持体を有する、工具本体と、前記工具本体における前記支持体の側方を回動軸心としてその回動軸心回りに回動可能な刃体と、上側にある前記刃体を下側にある前記支持体側に回動させる回動手段とを備える。ここで、前記支持体は、アダプタが着脱可能に装着される装着部を備え、前記装着部に対して、前記アダプタを着脱することで、または、前記装着部に対して、複数種類の前記アダプタを選択的に装着することで、または、前記装着部における前記アダプタの装着位置を調節することで、前記長尺材としての、第1の長尺材と、その第1の長尺材とは異なる別の第2の長尺材とを、それぞれ切断すべく支持可能である。そして、前記装着部は、前記アダプタが上方から挿入されることで、そのアダプタの、その挿入方向と直交する方向への動きを規制するように形成されている。また、前記アダプタは、前記刃体が進入可能な進入空間を間に形成するように対向位置して前記長尺材を支持する一対の支持部と、それら一対の支持部を連結する連結部とを有する。さらに、前記連結部は、前記一対の支持部の下端側に設けられており、その連結部は、前記アダプタを前記装着部に装着した状態で、前記支持体側の回動終点位置に位置する前記刃体よりも下方に位置して、前記刃体の回動範囲の外側に位置するように形成されている。
【0007】
この切断工具によると、工具本体は、長尺材を切断すべく支持するための支持体を有し、その支持体は、アダプタが着脱可能に装着される装着部を備えている。そこで、装着部に対して、アダプタを着脱することで、または、装着部に対して、複数種類のアダプタを選択的に装着することで、または、装着部におけるアダプタの装着位置を調節することで、前記長尺材としての、第1の長尺材と、その第1の長尺材とは異なる別の第2の長尺材とを、それぞれ切断すべく支持可能となり、その後、回動手段により、刃体を支持体側に回動させることで、この切断工具は、それら長尺材、すなわち、互いに異なる別の長尺材をそれぞれ切断することができる。ここで、アダプタは、刃体が進入可能な進入空間を間に形成するように対向位置して長尺材を支持する一対の支持部が、連結部によって連結されており、装着部に対して各支持部をそれぞれ個別に着脱する必要がない。このため、この切断工具は、アダプタの着脱に手間がかからず、また、アダプタの不使用時に、両支持部が散らばって紛失しないように注意を払う必要もない。しかも、連結部は、アダプタを装着部に装着した状態で、刃体の回動範囲の外側に位置するように形成されているため、長尺材を切断する際に、連結部が刃体と干渉して刃体の回動を妨げる虞もない。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る切断工具は、長尺材を切断する切断工具であって、前記長尺材としての第1の長尺材を切断すべく支持する支持体を有する、工具本体と、前記工具本体における前記支持体の側方を回動軸心としてその回動軸心回りに回動可能な刃体と、上側にある前記刃体を下側にある前記支持体側に回動させる回動手段とを備える。ここで、前記支持体は、前記長尺材としての、前記第1の長尺材とは異なる別の第2の長尺材を、切断すべく支持するためのアダプタが、着脱可能に装着される、装着部を備える。そして、前記装着部は、前記アダプタが上方から挿入されることで、そのアダプタの、その挿入方向と直交する方向への動きを規制するように形成されている。また、前記アダプタは、前記刃体が進入可能な進入空間を間に形成するように対向位置して前記第2の長尺材を支持する一対の支持部と、それら一対の支持部を連結する連結部とを有する。さらに、前記連結部は、前記一対の支持部の下端側に設けられており、その連結部は、前記アダプタを前記装着部に装着した状態で、前記支持体側の回動終点位置に位置する前記刃体よりも下方に位置して、前記刃体の回動範囲の外側に位置するように形成されている。
【0009】
この切断工具によると、工具本体は、第1の長尺材を切断すべく支持する支持体を有し、その支持体は、第1の長尺材とは異なる別の第2の長尺材を、切断すべく支持するためのアダプタが、着脱可能に装着される、装着部を備えている。そこで、装着部に対して、アダプタを着脱することで、第1の長尺材と第2の長尺材とを、それぞれ切断すべく支持可能となり、その後、回動手段により、刃体を支持体側に回動させることで、この切断工具は、それら長尺材、すなわち、互いに異なる別の長尺材をそれぞれ切断することができる。ここで、アダプタは、刃体が進入可能な進入空間を間に形成するように対向位置して第2の長尺材を支持する一対の支持部が、連結部によって連結されており、装着部に対して各支持部をそれぞれ個別に着脱する必要がない。このため、この切断工具は、アダプタの着脱に手間がかからず、また、アダプタの不使用時に、両支持部が散らばって紛失しないように注意を払う必要もない。しかも、連結部は、アダプタを装着部に装着した状態で、刃体の回動範囲の外側に位置するように形成されているため、第2の長尺材を切断する際に、連結部が刃体と干渉して刃体の回動を妨げる虞もない。
【0010】
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る切断工具によれば、支持体の装着部に対してアダプタを着脱することで、または、装着部に対して、複数種類のアダプタを選択的に装着することで、または、装着部におけるアダプタの装着位置を調節することで、互いに異なる別の長尺材をそれぞれ切断することができる。そして、アダプタは、一対の支持部が連結部によって連結されているため、装着部に対して各支持部をそれぞれ個別に着脱する必要がなく、使い勝手がよい。しかも、連結部は、アダプタを装着部に装着した状態で、刃体の回動範囲の外側に位置するように形成されているため、連結部が刃体と干渉して刃体の回動を妨げる虞もない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明の第一の実施の形態の、切断工具の正面図である。
図2】同じく、切断工具の平面図である。
図3】同じく、図1におけるA−A線による拡大断面図である。
図4】同じく、支持体およびアダプタの拡大斜視図である。
図5】同じく、第1の長尺材と第2の長尺材とを組み付けた状態を示す、拡大縦断面図である。
図6】同じく、第1の長尺材を切断する過程を示す、正面図である。
図7】同じく、第2の長尺材を切断する過程を示す、正面図である。
図8】同じく、別の第1の長尺材を切断する過程を示す、正面図である。
図9】この発明の第二の実施の形態の、支持体およびアダプタの拡大斜視図である。
図10】同じく、第1の長尺材を切断する過程を示す、正面図である。
図11】同じく、第2の長尺材を切断する過程を示す、正面図である。
図12】従来の切断工具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明に係る切断工具を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1図7は、本発明の第一の実施の形態を示す。図中符号1は、長尺材を切断する切断工具を示す。
【0015】
この切断工具1は、前記長尺材としての第1の長尺材51を切断すべく支持する支持体2を有する、工具本体3と、工具本体3における支持体2の側方を回動軸心4としてその回動軸心4回りに回動可能な刃体5と、上側にある刃体5を下側にある支持体2側に回動させる回動手段6とを備える。
【0016】
ここで、支持体2は、前記長尺材としての、第1の長尺材51とは異なる別の第2の長尺材52を、切断すべく支持するためのアダプタ7が、着脱可能に装着される、装着部8を備える。すなわち、この切断工具1にあっては、支持体2は、装着部8に対して、アダプタ7を着脱することで、第1の長尺材51と第2の長尺材52とを、それぞれ切断すべく支持可能である。そして、アダプタ7は、刃体5が進入可能な進入空間9を間に形成するように対向位置して第2の長尺材52を支持する一対の支持部7a、7aと、それら一対の支持部7a、7aを連結する連結部7bとを有する。さらに、連結部7bは、アダプタ7を装着部8に装着した状態で、刃体5の回動範囲の外側に位置するように形成されている。図示実施の形態においては、連結部7bは、一対の支持部7a、7aの下端側に設けられており、その連結部7bは、アダプタ7を装着部8に装着した状態で、支持体2側の回動終点位置に位置する刃体5よりも下方に位置する(図3参照)。
【0017】
具体的には、回動手段6は、工具本体3に備わる固定ハンドル3aと、工具本体3に回動可能に取り付けられて、固定ハンドル3aに近接したり離間したりするように遥動操作される操作ハンドル10と、その操作ハンドル10の遥動操作により、刃体5を支持体2側に回動させるラチェット機構11とを備える。ここにおいて、固定ハンドル3aおよび操作ハンドル10は、刃体5の回動軸心4を基準に、支持体2側とは反対側に延出するようにして設けられている。なお、刃体5の回動範囲は、工具本体3に対してやや垂直寄りで斜めに起立する回動始点位置(図1図2において実線で示される。)から、工具本体3に対して略平行となる前記回動終点位置(図1図3において二点鎖線で示される。)までとなる。
【0018】
工具本体3は、本体12と、前記支持体2と、前記操作ハンドル10を軸支するためのハンドル支持材13とを備える。ここで、本体12は、その中央下部から、支持体2側に突出する顎部12aと、その中央上部から、支持体2側とは反対側に突出する前記固定ハンドル3aとを有する。この本体12には、刃体5の基端部分が収容される第1のスリット12bが形成されている(図2参照)。そして、本体12には、第1のスリット12bを横切るようにして、刃体5の回動軸心4を形成するための、軸部材14が取り付けられる。なお、刃体5は、本体12の内部に配備された(詳しくは、軸部材14を巻回するように配備された)スプリング(図示せず)により、支持体2から離れた上方を向くように弾性付勢される。
【0019】
ハンドル支持材13は、本体12(詳細には、本体12の中央下部)に、ピン15、15を用いて固定される。そして、このハンドル支持材13に、前記操作ハンドル10が、ピン16を用いることで、そのピン16の軸心回りに回動可能に取り付けられる。ここで、操作ハンドル10は、その内部に配備された(詳しくは、後述するピン21を巻回するように配備された)スプリング(図示せず)により、固定ハンドル3aから離間するように弾性付勢される。なお、図1図6および図7においては、ストッパー17が、操作ハンドル10の内側に設けられた被ストッパー部(図示せず)に掛け止められて、操作ハンドル10の揺動操作が規制された状態となっている。
【0020】
また、ラチェット機構11は、刃体5の基端部側の端面に形成された爪車部5aと、その爪車部5aを送る爪部材18と、爪車部5aの戻りを止める戻り止め部材19とを備える。そして、図示実施の形態においては、ラチェット機構11は、爪車部5aの戻りを補助的に止める補助戻り止め部材20を有している。爪部材18は、操作ハンドル10に、ピン21を用いることで、そのピン21の軸心回りに回動可能に取り付けられ、かつ、ピン21を巻回するように配備された前記スプリング(図示せず)により、爪車部5a側に弾性付勢される。戻り止め部材19および補助戻り止め部材20は、固定ハンドル3aに、ピン22を用いることで、そのピン22の軸心回りに回動可能に取り付けられ、かつ、固定ハンドル3aの内部に配備された(詳しくは、ピン23を巻回するように配備された)スプリング(図示せず)により、爪車部5a側に弾性付勢される。
【0021】
ここで、この切断工具1によって切断される第1の長尺材51および第2の長尺材52や、それら第1の長尺材51や第2の長尺材52を切断すべく支持する、支持体2およびアダプタ7、ならびにアダプタ7が装着される装着部8について、詳細に説明する。
【0022】
第1の長尺材51は、例えば、配管材保護カバー53(例えば、通水管やエアコン用の冷媒管とか給水湯管等の配管材54を収容保護する、モール・ダクト類)を構成するベース体からなる(図5参照)。また、第2の長尺材52は、例えば、同じく配管材保護カバー53を構成するカバー体からなり、第1の長尺材51とは、縦断面の形状および大きさが異なっている。すなわち、ベース体からなる第1の長尺材51とカバー体からなる第2の長尺材52とは、互いに組み付けられて、配管材保護カバー53を構成する。そして、図示実施の形態の配管材保護カバー53は、第1の長尺材51にアタッチメント55を取り付けることによって、4本の配管材54、54を上下2段に分けて収容することができる。なお、符号56は、断熱材を示し、縦断面形状が略逆U字状のカバー体からなる、第2の長尺材52の内面側を覆うように設けられている。
【0023】
一方、支持体2は、取付ネジ(図示せず)を用いることで、本体12(詳細には顎部12a)に着脱可能に固定される。そして、支持体2には、刃体5が進入する、前記本体12の第1のスリット12bと連通する第2のスリット2aが設けられている(図2および図4参照)。詳細には、支持体2は、基部2bと、その基部2bから上方に向かって起立する起立部2cとを備える。この起立部2cは、第2のスリット2aを間に形成するように対向位置する一対の支持壁部2d、2dと、それら一対の支持壁部2d、2dを、前端部にて連結する連結壁部2eとを有し、平面視略コ字状に形成されている(図2図4参照)。図示実施の形態においては、第2のスリット2aは、底部側ほど若干幅狭となるように、テーパ状に形成されている(図3参照)。そして、連結壁部2eは、刃体5の回動範囲の外側(図示実施の形態においては、前記回動終点位置に位置する刃体5の長手方向における、固定ハンドル3aおよび操作ハンドル10側とは反対側の延長線上)に位置している。
【0024】
ここで、支持壁部2dは、回動軸心4に近い側に、前記ベース体からなる第1の長尺材51を切断すべく支持するように受ける支持受け部2fを備える(図6参照)。この支持受け部2fは、第1の長尺材51が載置される載置部2gと、その載置部2gに載置された第1の長尺材51の切断時における横ずれを規制する、左右の規制部2h、2hとを備える。図示実施の形態においては、載置部2gは、回動軸心4側ほど低くなるように傾斜する傾斜面2iを有し、また、規制部2h、2hは、その傾斜面2iの傾斜方向の両側に規制面2j、2jを有する。詳しくは、傾斜面2iの低い側である一方側(すなわち、回動軸心4に近い側)には、段差水平面2kを間に置いて、一方の前記規制面2jが、傾斜面2iの傾斜方向に対して略直交するように斜めに起立し、また、傾斜面2iの高い側である他方側(すなわち、回動軸心4から遠い側)には、他方の前記規制面2jが、傾斜面2iの端部にてその傾斜面2iの傾斜方向に対して略直交するように斜めに起立している。
【0025】
また、支持壁部2dは、第2の長尺材52の片側の側壁部52aを嵌め入れるための溝部2mを備える。この溝部2mは、回動軸心4から遠い側に位置する規制部2hに隣接するようにして設けられており、かつ、その規制部2h側に位置する一方の溝部側壁2pは、その下部が、相対向する他方の溝部側壁2qの下端に向かって湾曲するように延びている。こうして、この溝部2mは、底部2rが開口部2sよりも幅狭となっている(図1および図6参照)。
【0026】
そして、図示実施の形態においては、支持受け部2fの中央部分に、前記装着部8が設けられている。具体的には、装着部8は、アダプタ7(詳細には、一対の支持部7a、7aの後述する延設部7d、7d、および連結部7b)が挿入される挿入穴部8aを有する(図2図4参照)。この挿入穴部8aは、一対の支持壁部2d、2dおよび基部2bの内面側が凹んで、第2のスリット2aと連通する、平面視矩形状の縦穴となっている(図2および図4参照)。そして、この挿入穴部8aの両側を囲う各支持壁部2d、2dは、前記内面側の凹みに対応して、その外面側が外方に突き出ている(図4参照)。さらに、アダプタ7を装着部8に装着した状態において、第2スリット2aの底面と、アダプタ7の連結部7bの内面とが面一となっている(図3参照)。
【0027】
アダプタ7は、鉄等の強磁性体金属からなり、装着部8には、アダプタ7を吸着固定する磁石部8bが設けられている。詳細には、磁石部8bは、基部2b内であって、挿入穴部8aの底部下方に設けられている(図3および図4参照)。そして、アダプタ7を装着部8に装着した状態においては、進入空間9が、第2スリット2aと重なり、かつ、連結部7bは、刃体5の回動範囲の外側となる、前記回動終点位置に位置する刃体5よりも下方に位置する(図1および図3参照)。
【0028】
また、この装着部8に装着される前記アダプタ7は、その縦断面形状が細幅の略U字状に形成されている(図3参照)。詳細には、アダプタ7の各支持部7a、7aは、幅広に形成された支持本体7c、7cと、その支持本体7c、7cの下部中央から幅狭で下方に延設された延設部7d、7dとを備え、それら延設部7d、7dの下端間に渡すように、前記連結部7bが、支持部7a、7aと一体に形成されている(図1および図4参照)。詳しくは、支持本体7cの下辺7eは、支持壁部2dが備える載置部2gの傾斜面2iに沿うように斜めに形成された直線部を備え、また、その上辺7fは、水平に形成された直線部を備える(図4および図7参照)。さらに、支持本体7cの左右の各側辺7g、7gは、鉛直に形成された直線部を備える。そして、前記上辺7fと、一方の側辺7g(すなわち、アダプタ7が装着部8に装着された際に、回動軸心4に近い側に位置することとなる側辺7g)とは、第2の長尺材52の内側コーナー部Cの曲面に対応するように湾曲する、曲線部7hを介してつながっている。なお、図示実施の形態においては、一対の支持部7a、7a(支持本体7c、7cおよび延設部7d、7d)の離間寸法は、支持体2の第2のスリット2aの溝幅よりも若干広く形成されている(図3参照)。
【0029】
次に、以上の構成からなる切断工具1の作用効果について説明する。この切断工具1を用いて、第1の長尺材51を切断するには、始めに、第1の長尺材51を、支持体2の支持受け部2f内の載置部2g、2g(傾斜面2i、2i)に載置する(図6参照)。このとき、第1の長尺材51は、前記回動始点位置に位置する刃体5側を向くように傾斜するとともに、その第1の長尺材51の下側に位置する側方が、回動軸心4に近い側である一方の規制面2jに当接するようにして、支持される。そこで、回動手段6により、すなわち、操作ハンドル10を遥動操作することで、刃体5を支持体2側に回動させる。そして、刃体5が第2のスリット2a内に進入して、第1の長尺材51を切断する。なお、第1の長尺材51が、刃体5による切断の際に横ずれしようとしても、規制部2h、2h(規制面2j、2j)がその横ずれを規制することとなる。
【0030】
また、この切断工具1を用いて、第2の長尺材52を切断するには、始めに、刃体5が前記回動始点位置に位置した状態で、アダプタ7の延設部7d、7dおよび連結部7bを、装着部8の挿入穴部8aに挿入する(図7参照)。このとき、支持部7a、7a(詳しくは、支持本体7c、7cの下辺7e、7e)は、支持壁部2d、2dの載置部2g、2g(傾斜面2i、2i)と当接し、また、延設部7d、7dおよび連結部7bは、支持壁部2d、2dおよび基部2bの前記内面側の凹みに嵌り込む(図3参照)。これにより、アダプタ7は、その挿入方向と直交する方向への動きが規制され、支持体2に対して位置決めされる。さらに、連結部7bが磁石部8bに吸着固定され、こうして、アダプタ7が装着部8に装着される。そして、第2の長尺材52を、その内面側を下向きにして、支持部7a、7aに載置するとともに、片側の側壁部52aを、支持壁部2d、2dの溝部2m、2mに嵌め入れる。このとき、第2の長尺材52は、両側壁部52a、52a間が若干押し広げられた状態となって、片側の側壁部52aが、溝部2m、2mに嵌り込み、かつ、反対側の側壁部52aおよび上壁部52bが、アダプタ7の支持部7a、7a(詳細には、支持本体7c、7c)に当接するようにして、支持される。そこで、回動手段6により、すなわち、操作ハンドル10を遥動操作することで、刃体5を支持体2側に回動させる。そして、刃体5が、アダプタ7の前記進入空間9内および第2のスリット2a内に進入して、第2の長尺材52を切断する。なお、第2の長尺材52が、刃体5による切断の際に横ずれしようとしても、アダプタ7の支持部7a、7a(詳細には、支持本体7c、7cの、回動軸心4に近い側に位置する一方の側辺7g、7gおよび曲線部7h、7h)が、その横ずれを規制することとなる。
【0031】
このように、この切断工具1にあっては、工具本体3は、第1の長尺材51を切断すべく支持する支持体2を有し、その支持体2は、第1の長尺材51とは縦断面の形状または/および大きさ(図示実施の形態においては、縦断面の形状および大きさ)が異なる別の第2の長尺材52を、切断すべく支持するためのアダプタ7が、着脱可能に装着される、装着部8を備えている。そこで、装着部8に対して、アダプタ7を着脱することで、第1の長尺材51と第2の長尺材52とを、それぞれ切断すべく支持可能となり、その後、回動手段6により、刃体5を支持体2側に回動させることで、この切断工具1は、それら長尺材、すなわち、縦断面の形状または/および大きさ(図示実施の形態においては、縦断面の形状および大きさ)が互いに異なる別の長尺材をそれぞれ切断することができる。ここで、アダプタ7は、刃体5が進入可能な進入空間9を間に形成するように対向位置して第2の長尺材52を支持する一対の支持部7a、7aが、連結部7bによって連結されており、装着部8に対して各支持部7a、7aをそれぞれ個別に着脱する必要がない。このため、この切断工具1は、アダプタ7の着脱に手間がかからず、また、アダプタ7の不使用時に、両支持部7a、7aが散らばって紛失しないように注意を払う必要もなく、使い勝手がよい。しかも、連結部7bは、アダプタ7を装着部8に装着した状態で、刃体5の回動範囲の外側(図示実施の形態においては、支持体2側の回動終点位置に位置する刃体5よりも下方)に位置するように形成されているため、第2の長尺材52を切断する際に、連結部7bが刃体5と干渉して刃体5の回動を妨げる虞もない。
【0032】
また、図示実施の形態においては、アダプタ7は、鉄等の強磁性体金属からなり、装着部8には、アダプタ7を吸着固定する磁石部8bが設けられているため、アダプタ7が装着部8から不用意に抜脱するのを防止することができる。
【0033】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、第1の長尺材51は、配線材保護カバー(例えば、信号線や電力線等の配線材を収容保護するモール・ダクト類)を構成するベース体からなってもよく、また、第2の長尺材52は、同じく配線材保護カバーを構成するカバー体からなってもよい。
【0034】
ここで、例えば、図8に示されるような配管材保護カバー53aを、この切断工具1を用いて切断する場合において、その配管材保護カバー53aを構成するベース体53bとカバー体53cとを、組み付けたまま同時に切断しても構わない。この配管材保護カバー53aは、前述の配管材保護カバー53とは、カバー体の縦断面の形状および大きさが異なっている(具体的には、カバー体53cの高さ寸法が、カバー体からなる前述の第2の長尺材52の高さ寸法の半分強の寸法となっている)。そして、切断工具1を用いて、配管材保護カバー53aを切断するには、始めに、配管材保護カバー53aを、支持体2の支持受け部2f内の載置部2g、2g(傾斜面2i、2i)に載置する(図8参照)。このとき、配管材保護カバー53aは、前記回動始点位置に位置する刃体5側を向くように傾斜するとともに、その配管材保護カバー53a(詳細には、カバー体53c)の下側に位置する側方が、回動軸心4に近い側である一方の規制面2jに当接するようにして、支持される。そこで、回動手段6により、すなわち、操作ハンドル10を遥動操作することで、刃体5を支持体2側に回動させる。そして、刃体5が第2のスリット2a内に進入して、配管材保護カバー53aを切断する。なお、配管材保護カバー53aが、刃体5による切断の際に横ずれしようとしても、規制部2h、2h(規制面2j、2j)がその横ずれを規制し、また、カバー体53cが、刃体5による切断の際に変形しようとしても、ベース体53bが下から支えてその変形を阻止することとなり、こうして、それらベース体53bとカバー他53cとが同時に切断される。
【0035】
なお、図8に示されるように、配管材保護カバー53aを、ベース体53bとカバー体53cとを組み付けたまま同時に切断する場合には、配管材保護カバー53aは、第1の長尺材51に該当する。これに対し、ベース体53bとカバー体53cとを、別々に切断する場合において、例えば、それらベース体53bとカバー体53cとを、別々に支持体2の支持受け部2f内の載置部2g、2g(傾斜面2i、2i)に載置して切断する場合には、ベース体53bおよびカバー体53cが、第1の長尺材51に該当する。一方、ベース体53bとカバー体53cとを、別々に切断する場合において、例えば、図6および図7に示される実施の形態と同様に、ベース体53bを、支持体2の支持受け部2f内の載置部2g、2g(傾斜面2i、2i)に載置して切断し、かつ、カバー体53cを、アダプタ7の支持部7a、7aに載置して切断する場合には、ベース体53bが第1の長尺材51に該当し、カバー体53cが、第2の長尺材52に該当する。
【0036】
また、第1の長尺材および第2の長尺材は、前述したようなベース体やカバー体(あるいは、ベース体とカバー体とを組み付けてなる配線・配管材保護カバー)からならなくてもよく、例えば、管材(例えば、前述の配管材54など)からなってもよい。すなわち、図9図11に示される第二の実施の形態においては、第1の長尺材51は、相対的に径の大きい、縦断面円形状の管材からなる(図10参照)。また、第2の長尺材52は、相対的に径の小さい、縦断面円形状の管材からなり、第1の長尺材51とは、縦断面の大きさが異なっている(図11参照)。この実施の形態において、切断工具1は、支持体2を有する工具本体3と、刃体5と、回動手段6とを備える。そして、支持体2の支持受け部2f内の載置部2gは、第1の長尺材51の外周に沿うことができるように、半円弧状に湾曲形成された湾曲面2tを有し、この湾曲面2tの両側上部が、規制部2hを構成する規制面2jの役目を果たす。また、支持受け部2fの中央部分には、挿入穴部8aを有する装着部8が設けられている。そして、この切断工具1においても、支持体2は、既述した第一の実施の形態と同様に、装着部8に対して、アダプタ7を着脱することで、第1の長尺材51と第2の長尺材52とを、それぞれ切断すべく支持可能である。
【0037】
一方、アダプタ7は、刃体5が進入可能な進入空間9を間に形成するように対向位置する一対の支持部7a、7aと、それら一対の支持部7a、7aを連結する連結部7bとを有する。このアダプタ7の支持部7aは、その支持本体7cが、支持壁部2dの湾曲面2tに沿うように円弧状に湾曲形成された、左右の外側円弧部7i、7iと、第2の長尺材52の外周に沿うことができるように、円弧状に湾曲形成された内側円弧部7jとを有し、正面視略C字状に形成されている。そして、各支持本体7c、7cの下部中央から延設された延設部7d、7dの下端間に渡すように、前記連結部7bが、支持部7a、7aと一体に形成されている(図9および図11参照)。
【0038】
この切断工具1を用いて、第1の長尺材51を切断する場合には、始めに、第1の長尺材51を、支持体2の支持受け部2f内の載置部2g、2g(湾曲面2t、2t)に載置する(図10参照)。そこで、回動手段6により、すなわち、操作ハンドル10を遥動操作することで、刃体5を支持体2側に回動させる。そして、刃体5が第2のスリット2a内に進入して、第1の長尺材51を切断する。なお、第1の長尺材51が、刃体5による切断の際に横ずれしようとしても、規制部2h、2h(規制面2j、2j)がその横ずれを規制することとなる。
【0039】
また、切断工具1を用いて、第2の長尺材52を切断する場合には、始めに、刃体5が前記回動始点位置に位置した状態で、アダプタ7の延設部7d、7dおよび連結部7bを、装着部8の挿入穴部8aに挿入する(図11参照)。このとき、支持部7a、7a(詳しくは、支持本体7c、7cの外側円弧部7i、7i)は、支持壁部2d、2dの載置部2g、2g(湾曲面2t、2t)と当接し、また、既述した第一の実施の形態と同様に、延設部7d、7dおよび連結部7bは、支持壁部2d、2dおよび基部2bの内面側の凹みに嵌り込む。そして、第2の長尺材52を、支持部7a、7aの内側円弧部7j、7jに載置する(図11参照)。そこで、回動手段6により、すなわち、操作ハンドル10を遥動操作することで、刃体5を支持体2側に回動させる。そして、刃体5が、アダプタ7の前記進入空間9内および第2のスリット2a内に進入して、第2の長尺材52を切断する。なお、第2の長尺材52が、刃体5による切断の際に横ずれしようとしても、アダプタ7の支持部7a、7a(詳細には、支持本体7c、7cの内側円弧部7j、7jの両側上部)が、その横ずれを規制することとなる。
【0040】
もちろん、第1の長尺材51および第2の長尺材52は、前述したようなベース体やカバー体(あるいは、ベース体とカバー体とを組み付けてなる配線・配管材保護カバー)とか管材に限定されるものではなく、様々な形状、大きさ、材料からなる長尺材を用いることができる。
【0041】
また、連結部7bは、アダプタ7を装着部8に装着した状態で、支持体2側の回動終点位置に位置する刃体5よりも下方に位置していなくてもよく、例えば、支持体2の連結壁部2eのように、前記回動終点位置に位置する刃体5の長手方向における、固定ハンドル3aおよび操作ハンドル10側とは反対側の延長線上に位置してもよい。したがって、連結部7bは、一対の支持部7a、7aの下端側に設けられていなくてもよい。
【0042】
なお、既述した第一および第二の実施の形態の切断工具1にあっては、支持体2は、装着部8に対して、アダプタ7を着脱することで、第1の長尺材51と第2の長尺材52とを、それぞれ切断すべく支持可能であるが、これに限定されるわけではなく、例えば、支持体2は、装着部8に対して、複数種類のアダプタ(例えば、延設部および連結部が共通するも、支持本体が、互いに異なる形状や大きさ等からなる、複数種類のアダプタ)を選択的に装着することで、第1の長尺材と第2の長尺材とを、それぞれ切断すべく支持可能であってもよい。また、このような切断工具1にあっては、支持体2が、第1の長尺材51を切断すべく支持するように受ける支持受け部2fとか、第2の長尺材52の片側の側壁部52aを嵌め入れるための溝部2mとかを備えていなくても構わない。また、既述した第一および第二の実施の形態の切断工具1において、支持体2は、装着部8に対して、前記複数種類のアダプタを選択的に装着することで、第1の長尺材51に加えて、その第1の長尺材51とは異なる別の複数種類の第2の長尺材を、それぞれ切断すべく支持可能であってもよい。
【0043】
また、支持体2は、装着部8におけるアダプタ7の装着位置を調節することで(例えば、装着部8は、アダプタ7の位置を調節する位置調節手段を備え、その位置調節手段によって、工具本体3の長手方向におけるアダプタ7の位置を調節することで)、第1の長尺材と第2の長尺材とを、それぞれ切断すべく支持可能であってもよい。ここにおいて、位置調節手段は、例えば、装着部8が、工具本体3の長手方向に並ぶ複数の装着穴部を有する構成からなり、それら複数の装着穴部のうちの任意の装着穴部に対して、アダプタ7を装着することで、前記長手方向におけるアダプタ7の位置を調節することができるようなものであってもよい。そして、このような切断工具1にあっても、支持体2が、支持受け部2fとか溝部2mとかを備えていなくても構わない。また、既述した第一および第二の実施の形態の切断工具1において、支持体2は、装着部8におけるアダプタ7の装着位置を調節することで、第1の長尺材51に加えて、その第1の長尺材51とは異なる別の複数種類の第2の長尺材を、それぞれ切断すべく支持可能であってもよい。
【0044】
そして、上述したように、支持体2が、装着部8に対して複数種類のアダプタを選択的に装着することで、または、装着部8におけるアダプタ7の装着位置を調節することで、第1の長尺材と第2の長尺材とを、それぞれ切断すべく支持可能である構成においても、連結部7bは、アダプタ7を装着部8に装着した状態で、刃体5の回動範囲の外側に位置するように形成されていればよく、必ずしも、支持体2側の回動終点位置に位置する刃体5よりも下方に位置していなくてもよい。したがって、連結部7bは、アダプタ7を装着部8に装着した状態で、例えば、支持体2の連結壁部2eのように、前記回動終点位置に位置する刃体5の長手方向における、固定ハンドル3aおよび操作ハンドル10側とは反対側の延長線上に位置してもよく、必ずしも、一対の支持部7a、7aの下端側に設けられている必要はない。
【0045】
また、切断工具1は、必ずしも、装着部8に一度に装着できるアダプタの数が1つであるような構成に限定されるものではなく、例えば、一対の支持部と、それら一対の支持部を連結する連結部とを有するアダプタが、装着部8に一度に複数装着できるような構成(例えば、装着部8が、複数の装着穴部を有する等)であっても構わない。
【0046】
また、アダプタ7は、鉄等の強磁性体金属からならなくてもよく、例えば、強磁性体以外の金属とか合成樹脂などからなっていてもよい。また、装着部8には、アダプタ7を吸着固定する磁石部8bが設けられていなくてもよい。
【0047】
また、回動手段6は、ラチェット機構11を備えているが、他の倍力機構を備えるものであってもよく、また、それらの機構を備えることなく、単に、操作ハンドル10が、刃体5に直接連結されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 切断工具
2 支持体
3 工具本体
4 回動軸心
5 刃体
6 回動手段
7 アダプタ
7a 支持部
7b 連結部
8 装着部
51 第1の長尺材
52 第2の長尺材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12