特許第5965300号(P5965300)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965300
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】現像剤を混合する装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 9/087 20060101AFI20160721BHJP
   G03G 9/107 20060101ALI20160721BHJP
   B65B 1/46 20060101ALI20160721BHJP
   B01F 11/00 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   G03G9/08 381
   G03G9/08 331
   G03G9/10 321
   G03G9/10 311
   B65B1/46
   B01F11/00 C
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-267713(P2012-267713)
(22)【出願日】2012年12月6日
(65)【公開番号】特開2013-130869(P2013-130869A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2015年12月3日
(31)【優先権主張番号】13/333,426
(32)【優先日】2011年12月21日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マジッド・カメル
(72)【発明者】
【氏名】スィア・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ピー・エヌ・ヴェアジン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エス・ホーキンス
(72)【発明者】
【氏名】クォン・フォン
(72)【発明者】
【氏名】サンティアゴ・フォーシェ
【審査官】 野田 定文
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−133661(JP,A)
【文献】 特開2006−343649(JP,A)
【文献】 特開2004−101648(JP,A)
【文献】 米国特許第07188993(US,B1)
【文献】 特開2007−298977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 9/00 − 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を混合する装置であって、
所定量のトナー粒子を容器に分注するための第1のローダーと、
所定量のキャリア粒子を前記容器に分注するための第2のローダーと、
前記容器を密封するためのシーラーと、
容器、トナー粒子、キャリア粒子を共振周波数で振動させるための音波ミキサーとを備える、装置。
【請求項2】
前記共振周波数が15ヘルツ〜2000ヘルツである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記容器、前記トナー粒子、前記キャリア粒子は、15秒から3分、振動させられる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のローダーおよび第2のローダーから前記シーラーに容器を移動させるアームをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記シーラーから前記音波ミキサーに容器を移動させるアームをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
容器を計量するためのはかりをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記容器は、プラスチック、金属、ガラスからなる群から選択される材料である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
現像剤を混合する装置であって、
所定量のポリエステルトナー粒子を容器に分注するための第1のローダーと、
顆粒状ジルコン、顆粒状ケイ素、ガラス、鋼、ニッケル、フェライト、鉄フェライト、二酸化ケイ素からなる群から選択されるコアを含む所定量のキャリア粒子を前記容器に分注するための第2のローダーと、
前記容器を密封するためのシーラーと、
容器、トナー粒子、キャリア粒子を共振周波数で振動させるための音波ミキサーとを備える、装置。
【請求項9】
前記音波ミキサーが、2〜100gの力を与える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記トナー粒子は、乳化凝集トナー粒子を含む、請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、静電写真式装置に適した現像剤(例えば、トナー粒子およびキャリア粒子の混合物)を生産するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般的に、画像を作成し、現像するための現像剤に関する。さらに具体的には、本開示は、顧客へ発送するために費用対効果の大きい様式で生産し、包装することができる現像剤に関する。
【0003】
トナー、トナーを含む現像剤は、電子写真式画像形成システムの必須要素である。従来の電子写真式画像形成システムでは、まず、帯電プロセスおよび露光プロセスを行うことによって、画像を感光体の上に投影する。まず、現像剤を帯電させ、次いで、現像剤の帯電したトナー粒子を感光体へと移動させることによって感光体の上に静電潜像を作成し、静電潜像を現像する。次いで、現像した静電潜像を記録媒体(例えば、紙)に転写する。最後に、熱、圧力および/または光を用い、記録媒体にトナーを融合させることによって、固定した静電画像を得る。
【0004】
静電潜像を現像する方法には、トナーのみを用いる単成分系現像プロセスがある。別の方法として、トナーとキャリアとを用いる2成分系現像プロセスが知られている。この2成分系現像プロセスでは、トナーとキャリアを混合し、摩擦帯電による反対の極性によって電気的に帯電されるようになる。
【0005】
現時点では、現像剤は、適切な量のトナーとキャリアを混合することによって生産される。それぞれの混合工程およびブレンド工程の後に、得られた現像剤を、顧客に発送するための1つ以上の包装に移す。ミキサーまたはブレンダーは、色が相互に混ざり合ってしまわないように、次のバッチのために洗浄する必要がある。この洗浄工程は、明らかに収量および製造効率を下げてしまう。調製工程、混合工程、洗浄工程および包装工程は、特に、小規模な発送の場合には費用がかさむ。したがって、ブレンド時間が短く、収量が高く、儲けを大きくすることができ、新規事業の機会をつかむことができるような改良された現像剤調製技術が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一実施形態によれば、トナー粒子およびキャリア粒子の混合物を容器に詰め込むことと、この容器を密封することとを含むプロセスが開示されている。容器、トナー粒子、キャリア粒子の共振周波数で音波によって混合することによって、混合物を混合する。
【0007】
別の実施形態によれば、現像剤を混合する装置が記載されている。この装置は、所定量のトナー粒子を容器に分注するための第1のローダーと、所定量のキャリア粒子を前記容器に分注するための第2のローダーとを備える。シーラーは容器を密封する。音波ミキサーは、容器、トナー粒子、キャリア粒子を共振周波数で混合するために与えられている。
【0008】
別の実施形態によれば、現像剤を混合する装置が提供される。この装置は、所定量のポリエステルトナー粒子を容器に分注するための第1のローダーを備えている。この装置は、所定量のキャリア粒子を前記容器に分注するための第2のローダーを備えており、ここで、キャリア粒子は、顆粒状ジルコン、顆粒状ケイ素、ガラス、鋼、ニッケル、フェライト、鉄フェライト、二酸化ケイ素からなる群から選択されるコアを含む。容器を密封するためのシーラーが提供されている。音波ミキサーは、容器、トナー粒子、およびキャリア粒子を共振周波数で振動するために与えられている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、容器をつまみ上げ、現像剤を詰め込み、計量し、現像剤を混合し、最後に発送のために包装する装置の一実施形態を示す。
図2図2は、音波ミキサー(Resodyn(商標))および標準的な実験用ミキサー(TURBULA(登録商標))を用いて調製した4種類の現像剤サンプルについて、混合時間に対する現像剤の電荷(μc/g)を示す。
図3図3は、図2に示すような音波ミキサー(Resodyn(商標))および標準的な実験用ミキサー(TURBULA(登録商標))を用いて調製した4種類の現像剤サンプルについて、混合時間に対する上端部、中間点、底部の現像剤の電荷(μc/g)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
現像剤を製造するために現在使用されている方法は、TURBULA(登録商標)から入手可能なミキサーを用いて行われる。TURBULA(登録商標)は、不活性な内表面を有するシェーカー型のミキサーである。TURBULA(登録商標)ミキサーを用いると、実験室で約50グラム〜500グラムの範囲で現像剤を製造するのに、典型的には10分かかり、一方、例えば、FM50ミキサー(Littleford製)までスケールアップすると、現像剤約10kg〜約50kgの生産スケールだと、30分かかるだろう。顧客に発送するための現像剤を生産するために、適切な量のトナーおよびキャリアを計量し、FM50ミキサーに入れ、30分間混合する。次いで、この現像剤を包装した後、顧客に発送する。それぞれの現像剤をブレンドした後に、色が相互に混ざり合ってしまわないようにFM50ミキサーを十分に洗浄する。少量の特殊な現像剤(例えば、カスタムカラー)の場合、生産用ミキサーでは大きすぎ、もっと小さなミキサーを使用しなければならない。小規模の生産だと、調製、混合、洗浄にかかる費用は、標準的な現像剤よりも高い。
【0011】
本明細書には、発送のための現像剤をさらに効率的な様式で調製することができる装置が開示されている。トナーおよびキャリアの混合およびブレンドは、シェーカー型のミキサーを用いる場合よりも速く、ミキサーの洗浄は、まったく必要としない。この装置は、適切な量のトナーおよびキャリアを計量し、トナーおよびキャリアを容器に詰め込む。この容器を密封し、この集合体(容器/袋およびキャリアおよびトナー)の共振周波数で、音波ミキサーによって混合する。次いで、この容器をミキサーから取り出し、顧客に発送される前に、最終的な包装のためのコンベヤデバイスに置く。
【0012】
図1は、装置15の構成要素を示す。装置15は、電子写真用途で使用するための現像剤を計量し、混合し、包装する。図1は、容器12をつまみ上げるような構成の回転アーム10を示す。このアームは、矢印11によって示されるように回転し、容器12をはかり14の上に配置する。所定量のトナーをローダー16によって容器12に詰め込む。所定量のキャリアをローダー18によって容器12に詰め込む。はかり14は、容器12に適切な量の現像剤およびトナーを確実に詰め込むために、場合により与えられている。容器12を密封し、回転アーム10によって音波ミキサー19の上に配置する。音波ミキサー19を、容器12、トナー16、キャリア18を含む集合体の共振周波数に設定する。この集合体を共振周波数で15秒間〜約3分間、または約20秒間〜約2分間、または約30秒間〜約1.5分間ブレンドする。現像剤(トナーおよびキャリア)が入った容器12を、アーム10によって音波ミキサー19から包装ステーション(示さず)に移動した後、最終的な包装および顧客への発送を行う。この4工程(容器をつまみ上げる、現像剤を詰め込み、計量する、現像剤を混合する、最終的な包装をする)は、1つの機械で行うことができ、効率的なプロセスを与え、費用が安くなる。
【0013】
一実施形態によれば、現像剤を混合するプロセスが開示されている。このプロセスは、トナー粒子およびキャリア粒子の混合物を容器に詰め込むことと、この容器を密封することとを含む。この混合物は、容器、トナー粒子、キャリア粒子の共振周波数で音波によって混合することによって混合される。
【0014】
本明細書に記載する方法および装置で利用する容器は、プラスチック袋、金属容器、ガラス容器、または任意の他の密封可能な容器であってもよい。この容器は、混合後に、さらに処理することなく発送できる状態になっている。
【0015】
現像剤組成物は、2成分系現像剤組成物を得るために、トナー粒子とキャリア粒子とを混合することによって配合される。現像剤中のトナー濃度は、現像剤の合計重量の約1重量%〜約25重量%、いくつかの実施形態では、現像剤の合計重量の約2重量%〜約15重量%、いくつかの実施形態では、現像剤の合計重量の約3重量%〜約13重量%であってもよい。
【0016】
音響共鳴による混合は、遊星型ミキサー内にある従来のインペラによる撹拌または超音波混合とは明らかに違う。低周波数、高強度の音響エネルギーを用い、混合容器全体に均一なせん断場が作られる。その結果は、迅速な材料の流動化(流動床のような)および分散である。
【0017】
音響共鳴による混合は、音波エネルギーの周波数が数桁低いという点で、超音波混合とは異なる。結果として、混合スケールがさらに大きくなる。大きな流れを誘発することによって混合するインペラによる撹拌とは異なり、混合容積全体で、マイクロスケールで音波による混合が起こる。
【0018】
音波による混合では、混合対象の成分に音響エネルギーを送る。振動する機械的な駆動因子が、設計されたプレート、変わったおもり、バネから構成される機械システムで動きを作り出す。次いで、このエネルギーを、混合対象の材料に音波によって移動する。その背後にある技術的な原理は、このシステムが共振状態で操作されることである。この様式で、質量要素と機械システム内の要素との間でエネルギーがほぼ完全に交換される。
【0019】
音響共鳴による混合では、エネルギーを吸収する唯一の要素(ある程度無視できる摩擦損失とは別)は、混合される充填物自体である。したがって、音響共鳴による混合は、混合材料に機械エネルギーを直接移動させる非常に効率的な様式を与える。現像剤の混合では、共振周波数は、容器およびその内容物(すなわち、トナー粒子およびキャリア粒子)の共振周波数である。共振周波数は、約15ヘルツ〜約2000ヘルツ、またはいくつかの実施形態では、約20ヘルツ〜約1800ヘルツ、または約20ヘルツ〜約1700ヘルツであってもよい。音波ミキサーから混合される充填剤に加えられる力(g)は、約2g〜約100gの力であってもよい。
【0020】
音響共鳴ミキサーは、Resodyn(商標)Acoustic Mixerから入手可能である。
【0021】
キャリアとブレンドするのに適したトナーとしては、顔料と組み合わせた樹脂を挙げることができる。ラテックス樹脂は、当業者の技術常識の範囲内にある任意の方法によって調製されてもよいが、いくつかの実施形態では、ラテックス樹脂は、半連続的な乳化重合を含む乳化重合方法によって調製されてもよく、トナーとしては、乳化凝集トナーを挙げることができる。乳化凝集は、大きさがミクロン未満のラテックスと顔料粒子を凝集させ、トナーの大きさの粒子にすることを含み、粒径の成長は、例えば、いくつかの実施形態では、約0.1ミクロン〜約15ミクロンである。
【0022】
(樹脂)
任意のトナー樹脂を本開示で利用してもよい。また、このような樹脂は、任意の適切な重合方法によって、任意の適切な1種類以上のモノマーから作られてもよい。いくつかの実施形態では、樹脂は、乳化重合以外の方法によって調製されてもよい。さらなる実施形態では、樹脂は、縮重合によって調製されてもよい。
【0023】
トナー組成物は、アモルファス樹脂を含んでいてもよい。アモルファス樹脂は、直鎖であっても分岐していてもよい。いくつかの実施形態では、アモルファス樹脂は、少なくとも1つの低分子量アモルファスポリエステル樹脂を含んでいてもよい。低分子量アモルファスポリエステル樹脂は、多くの供給源から入手可能であり、さまざまな融点を有していてもよく、例えば、約30℃〜約120℃、いくつかの実施形態では、約75℃〜約115℃、いくつかの実施形態では、約100℃〜約110℃、および/またはいくつかの実施形態では、約104℃〜約108℃であってもよい。
【0024】
利用可能な直鎖アモルファスポリエステル樹脂の例としては、ポリ(プロポキシル化 ビスフェノールA コ−フマレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノールA コ−エトキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)、ポリ(1,2−プロピレンフマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−マレエート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA コ−マレエート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールA コ−マレエート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノールA コ−エトキシル化ビスフェノールA コ−マレエート)、ポリ(1,2−プロピレンマレエート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−イタコネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA コ−イタコネート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールA コ−イタコネート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノールA コ−エトキシル化ビスフェノールA コ−イタコネート)、ポリ(1,2−プロピレンイタコネート)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0025】
いくつかの実施形態では、低分子量アモルファスポリエステル樹脂は、飽和または不飽和のアモルファスポリエステル樹脂であってもよい。本開示のプロセスおよび粒子のために選択される飽和および不飽和のアモルファスポリエステル樹脂の具体例としては、任意の種々のアモルファスポリエステル、例えば、ポリエチレン−テレフタレート、ポリプロピレン−テレフタレート、ポリブチレン−テレフタレート、ポリペンチレン−テレフタレート、ポリヘキサレン−テレフタレート、ポリヘプタデン−テレフタレート、ポリオクタレン−テレフタレート、ポリエチレン−イソフタレート、ポリプロピレン−イソフタレート、ポリブチレン−イソフタレート、ポリペンチレン−イソフタレート、ポリヘキサレン−イソフタレート、ポリヘプタデン−イソフタレート、ポリオクタレン−イソフタレート、ポリエチレン−セバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレン−セバケート、ポリエチレン−アジペート、ポリプロピレン−アジペート、ポリブチレン−アジペート、ポリペンチレン−アジペート、ポリヘキサレン−アジペート、ポリヘプタデン−アジペート、ポリオクタレン−アジペート、ポリエチレン−グルタレート、ポリプロピレン−グルタレート、ポリブチレン−グルタレート、ポリペンチレン−グルタレート、ポリヘキサレン−グルタレート、ポリヘプタデン−グルタレート、ポリオクタレン−グルタレートポリエチレン−ピメレート、ポリプロピレン−ピメレート、ポリブチレン−ピメレート、ポリペンチレン−ピメレート、ポリヘキサレン−ピメレート、ポリヘプタデン−ピメレート、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−フマレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−サクシネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−アジペート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−グルタレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−テレフタレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−イソフタレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−ドデセニルサクシネート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−フマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−サクシネート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−アジペート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−グルタレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−テレフタレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−イソフタレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−ドデセニルサクシネート)、SPAR(Dixie Chemicals)、BECKOSOL(Reichhold Inc)、ARAKOTE(Ciba−Geigy Corporation)、HETRON(Ashland Chemical)、PARAPLEX(Rohm & Haas)、POLYLITE(Reichhold Inc)、PLASTHALL(Rohm & Haas)、CYGAL(American Cyanamide)、ARMCO(Armco Composites)、ARPOL(Ashland Chemical)、CELANEX(Celanese Eng)、RYNITE(DuPont)、STYPOL(Freeman Chemical Corporation)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。また、樹脂は、官能基化されていてもよく(例えば、カルボン酸化、スルホン酸化など)、特に、例えば、所望な場合にソジオスルホン酸化されていてもよい。
【0026】
低分子量アモルファスポリエステル樹脂は、分岐した樹脂であってもよい。本明細書で使用する場合、「分岐した」または「分岐している」との用語は、分岐した樹脂および/または架橋した樹脂を含む。これらの分岐した樹脂を作成するときに使用する架橋剤としては、例えば、多価ポリ酸、例えば、1,2,4−ベンゼン−トリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレン−カルボキシルプロパン、テトラ(メチレン−カルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、これらの酸無水物、炭素原子が1〜約6個のこれらの低級アルキルエステル;多価ポリオール、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、スクロース、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、これらの混合物などが挙げられる。選択される架橋剤の量は、例えば、樹脂の約0.1〜約5モル%である。
【0027】
いくつかの実施形態では、低分子量アモルファスポリエステル樹脂、または低分子量アモルファス樹脂の組み合わせは、ガラス転移温度が約30℃〜約80℃、いくつかの実施形態では、約35℃〜約70℃であってもよい。さらなる実施形態では、組み合わせたアモルファス樹脂は、約130℃での溶融粘度が約10〜約1,000,000Pa*S、いくつかの実施形態では、約50〜約100,000Pa*Sであってもよい。
【0028】
本開示のトナー粒子中の低分子量アモルファスポリエステル樹脂の量は、コアであるか、シェルであるか、またはその両方であるかを問わず、トナー粒子(すなわち、外部添加剤と水を除くトナー粒子)の25〜約50重量%、いくつかの実施形態では、約30〜約45重量%、いくつかの実施形態では、約35〜約43重量%の量で存在していてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、トナー組成物は、少なくとも1つの結晶性樹脂を含む。本明細書で使用する場合、「結晶性」とは、三次元の規則性をもつポリエステルを指す。「半結晶性樹脂」とは、本明細書で使用する場合、結晶性率が約10〜約90%、またはいくつかの実施形態では、約12〜約70%の樹脂を指す。さらに、本明細書で以下「結晶性ポリエステル樹脂」および「結晶性樹脂」を使用する場合、他の意味であると明記されていない限り、結晶性樹脂および半結晶性樹脂の両方を包含する。
【0030】
いくつかの実施形態では、結晶性ポリエステル樹脂は、飽和結晶性ポリエステル樹脂または不飽和結晶性ポリエステル樹脂である。
【0031】
結晶性ポリエステル樹脂の具体例としては、任意の種々の結晶性ポリエステル、例えば、ポリ(エチレン−アジペート)、ポリ(プロピレン−アジペート)、ポリ(ブチレン−アジペート)、ポリ(ペンチレン−アジペート)、ポリ(ヘキシレン−アジペート)、ポリ(オクチレン−アジペート)、ポリ(エチレン−サクシネート)、ポリ(プロピレン−サクシネート)、ポリ(ブチレン−サクシネート)、ポリ(ペンチレン−サクシネート)、ポリ(ヘキシレン−サクシネート)、ポリ(オクチレン−サクシネート)、ポリ(エチレン−セバケート)、ポリ(プロピレン−セバケート)、ポリ(ブチレン−セバケート)、ポリ(ペンチレン−セバケート)、ポリ(ヘキシレン−セバケート)、ポリ(オクチレン−セバケート)、ポリ(ノニレン−セバケート)、ポリ(デシレン−セバケート)、ポリ(ウンデシレン−セバケート)、ポリ(ドデシレン−セバケート)、ポリ(エチレン−ドデカンジオエート)、ポリ(プロピレン−ドデカンジオエート)、ポリ(ブチレン−ドデカンジオエート)、ポリ(ペンチレン−ドデカンジオエート)、ポリ(ヘキシレン−ドデカンジオエート)、ポリ(オクチレン−ドデカンジオエート)、ポリ(ノニレン−ドデカンジオエート)、ポリ(デシレン−ドデカンジオエート)、ポリ(ウンデシレン−ドデカンジオエート)、ポリ(ドデシレン−ドデカンジオエート)、ポリ(エチレン−フマレート)、ポリ(プロピレン−フマレート)、ポリ(ブチレン−フマレート)、ポリ(ペンチレン−フマレート)、ポリ(ヘキシレン−フマレート)、ポリ(オクチレン−フマレート)、ポリ(ノニレン−フマレート)、ポリ(デシレン−フマレート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−アジペート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−アジペート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(エチレン−サクシネート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(プロピレン−サクシネート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ブチレン−サクシネート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−サクシネート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−サクシネート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(オクチレン−サクシネート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−セバケート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−セバケート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−セバケート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−セバケート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−セバケート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−セバケート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−アジペート)、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0032】
本発明で半結晶性ポリエステル樹脂を使用する場合、半結晶性樹脂としては、ポリ(3−メチル−1−ブテン)、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ(エチレン−p−カルボキシフェノキシ−ブチレート)、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)、ポリ(アクリル酸ドコシル)、ポリ(アクリル酸ドデシル)、ポリ(アクリル酸オクタデシル)、ポリ(メタクリル酸オクタデシル)、ポリ(ベヘニルポリエトキシエチルメタクリレート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(デカメチレンアジペート)、ポリ(デカメチレンアゼラエート)、ポリ(ヘキサメチレンオキサレート)、ポリ(デカメチレンオキサレート)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ブタジエンオキシド)、ポリ(デカメチレンオキシド)、ポリ(デカメチレンスルフィド)、ポリ(デカメチレンジスルフィド)、ポリ(エチレンセバケート)、ポリ(デカメチレンセバケート)、ポリ(エチレンスベレート)、ポリ(デカメチレンサクシネート)、ポリ(エイコサメチレンマロネート)、ポリ(エチレン−p−カルボキシフェノキシ−ウンデカノエート)、ポリ(エチレンジチオンイソフタレート)、ポリ(メチルエチレンテレフタレート)、ポリ(エチレン−p−カルボキシフェノキシ−バレレート)、ポリ(ヘキサメチレン−4,4’−オキシジベンゾエート)、ポリ(10−ヒドロキシカプリン酸)、ポリ(イソフタルアルデヒド)、ポリ(オクタメチレンドデカンジオエート)、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(ジプロピルシロキサン)、ポリ(テトラメチレンフェニレンジアセテート)、ポリ(テトラメチレントリチオジカルボキシレート)、ポリ(トリメチレンドデカンジオエート)、ポリ(m−キシレン)、ポリ(p−キシリレンピメルアミド)、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0033】
本開示のトナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の量は、コアであるか、シェルであるか、またはその両方であるかを問わず、トナー粒子(すなわち、外部添加剤と水を除くトナー粒子)の1〜約15重量%、いくつかの実施形態では、約5〜約10重量%、いくつかの実施形態では、約6〜約8重量%の量で存在していてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、本開示のトナーは、少なくとも1つの高分子量の分岐または架橋したアモルファスポリエステル樹脂を含んでいてもよい。この高分子量樹脂としては、いくつかの実施形態では、例えば、分岐したアモルファス樹脂またはアモルファスポリエステル、架橋したアモルファス樹脂またはアモルファスポリエステル、またはこれらの混合物、または架橋反応を受けたが架橋していないアモルファスポリエステル樹脂を挙げることができる。本開示によれば、約1重量%〜約100重量%の高分子量アモルファスポリエステル樹脂が、分岐または架橋していてもよく、いくつかの実施形態では、約2重量%〜約50重量%の高分子量アモルファスポリエステル樹脂が、分岐または架橋していてもよい。
【0035】
高分子量アモルファス樹脂は、多くの供給源から入手可能であり、種々のガラス転移開始温度(Tg)を有していてもよく、例えば、示差走査熱量測定(DSC)によって測定した場合、約40℃〜約80℃、いくつかの実施形態では、約50℃〜約70℃、いくつかの実施形態では、約54℃〜約68℃であってもよい。直鎖および分岐したアモルファスポリエステル樹脂は、いくつかの実施形態では、飽和樹脂であってもよく、不飽和樹脂であってもよい。
【0036】
高分子量アモルファスポリエステル樹脂は、直鎖ポリエステル樹脂を分岐させるか、または架橋することによって調製されてもよい。架橋剤(例えば、三官能モノマーまたは多官能モノマー)を利用してもよく、架橋剤は、通常、ポリエステルの分子量および多分散性を高める。適切な架橋剤としては、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジグリセロール、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、これらの組み合わせなどが挙げられる。これらの架橋剤を、樹脂を製造するのに使用される出発物質である二酸またはジエステルを基準として、約0.1モル%〜約20モル%の有効な量で利用してもよい。
【0037】
高分子量ポリエステル樹脂を作成するのに利用可能な、多塩基性カルボン酸を用いて改質したポリエステル樹脂を含む組成物としては、米国特許3,681,106号に開示されているもの、および米国特許第4,863,825号;同第4,863,824号;同第4,845,006号;同第5,143,809号;同第5,057,596号;同第4,988,794号;同第4,981,939号;同第4,980,448号;同第4,933,252号;同第4,931,370号;同第4,917,983号および同第4,973,539に示されるような、多価酸またはアルコールから誘導される分岐または架橋したポリエステルが挙げられる。
【0038】
いくつかの実施形態では、架橋したポリエステル樹脂は、遊離ラジカル条件で反応することが可能な不飽和部を含む直鎖アモルファスポリエステル樹脂から製造されてもよい。このような樹脂の例としては、米国特許第5,227,460号;同第5,376,494号;同第5,480,756号;同第5,500,324号;同第5,601,960号;同第5,629,121号;同第5,650,484号;同第5,750,909号;同第6,326,119号;同第6,358,657号;同第6,359,105号;同第6,593,053号に開示されているものが挙げられる。いくつかの実施形態では、適切な不飽和ポリエステルのベース樹脂は、二酸および/または酸無水物(例えば、無水マレイン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、フマル酸など、およびこれらの組み合わせ)と、ジオール(例えば、ビスフェノール−A エチレンオキシド付加物、ビスフェノールA−プロピレンオキシド付加物など、およびこれらの組み合わせ)から調製されてもよい。いくつかの実施形態では、適切なポリエステルは、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−フマル酸)である。
【0039】
いくつかの実施形態では、架橋した分岐したポリエステルを高分子量アモルファスポリエステル樹脂として利用してもよい。このようなポリエステル樹脂は、2個以上のヒドロキシル基またはそのエステルを含む少なくとも1つのポリオール、少なくとも1つの脂肪族または多官能芳香族酸またはそのエステル、または少なくとも3個の官能基を含むこれらの混合物と、場合により、少なくとも1つの長鎖脂肪族カルボン酸またはそのエステル、または芳香族モノカルボン酸またはそのエステル、またはこれらの混合物を含む少なくとも2種類のプレゲル組成物から作られてもよい。別個の反応器で、この2成分を実質的に反応が終了するまで反応させ、第1の反応器で、カルボキシル末端基を含むプレゲルを含む第1の組成物を生産し、第2の反応器で、ヒドロキシル末端基を含むプレゲルを含む第2の組成物を生産してもよい。次いで、この2種類の組成物を混合し、架橋した分岐したポリエステル高分子量樹脂を作成してもよい。このようなポリエステルおよびその合成方法の例としては、米国特許第6,592,913号に開示されているものが挙げられる。
【0040】
いくつかの実施形態では、高分子量樹脂(例えば、分岐したポリエステル)が、トナー粒子表面に存在していてもよい。トナー粒子表面にある高分子量樹脂は、粒状物の性質をもっていてもよく、高分子量樹脂粒子は、直径が約100ナノメートル〜約300ナノメートル、いくつかの実施形態では、約110ナノメートル〜約150ナノメートルである。
【0041】
トナー粒子中の高分子量アモルファスポリエステル樹脂の量は、コアであるか、シェルであるか、またはその両方であるかを問わず、トナー(すなわち、外部添加剤と水を除くトナー粒子)の約25重量%〜約50重量%、いくつかの実施形態では、約30重量%〜約45重量%、他の実施形態では、約40重量%〜約43重量%であってもよい。
【0042】
結晶性樹脂と低分子量アモルファス樹脂と高分子量アモルファスポリエステル樹脂との比率は、約1:1:98〜約98:1:1〜約1:98:1、いくつかの実施形態では、約1:5:5〜約1:9:9、またはいくつかの実施形態では、約1:6:6〜約1:8:8であってもよい。
【0043】
(界面活性剤)
いくつかの実施形態では、トナー組成物を作成するのに利用される樹脂、ワックスおよび他の添加剤は、界面活性剤を含む分散物の状態であってもよい。さらに、トナー粒子は、樹脂およびトナーの他の要素を、1つ以上の界面活性剤が存在する状態におき、エマルションを生成させ、トナー粒子が凝集し、融着し、場合により、これを洗浄し、乾燥させ、回収するような乳化凝集方法によって作られてもよい。
【0044】
1種類、2種類またはそれ以上の界面活性剤を利用してもよい。界面活性剤は、イオン系界面活性剤および非イオン系界面活性剤から選択されてもよい。アニオン系界面活性剤およびカチオン系界面活性剤が用語「イオン系界面活性剤」に包含される。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、トナー組成物の約0.01重量%〜約5重量%、例えば、トナー組成物の約0.75重量%〜約4重量%、いくつかの実施形態では、トナー組成物の約1重量%〜約3重量%の量で存在するように利用されてもよい。
【0045】
(トナー)
上述の樹脂エマルションの樹脂、いくつかの実施形態では、ポリエステル樹脂を、トナー組成物を作成するのに利用してもよい。このようなトナー組成物は、場合により着色剤と、場合によりワックスと、他の添加剤とを含んでいてもよい。トナーは、限定されないが、乳化凝集方法を含む当業者の技術常識の範囲内にある任意の方法を利用して作られてもよい。
【0046】
(着色剤)
上述のように生産される粒子を着色剤に加え、トナーを生産してもよい。いくつかの実施形態では、着色剤は、分散物の状態であってもよい。着色剤分散物としては、例えば、体積平均径が約50〜約500ナノメートル、いくつかの実施形態では、約100〜約400ナノメートルのミクロン未満の着色剤粒子を挙げることができる。着色剤粒子を、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤またはこれらの組み合わせを含有する水系の水相に懸濁してもよい。適切な界面活性剤としては、上述の任意の界面活性剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、イオン系であってもよく、分散物中に、着色剤の約0.1〜約25重量%、いくつかの実施形態では、着色剤の約1〜約15重量%の量で存在していてもよい。
【0047】
本開示のトナーを作成するのに有用な着色剤としては、顔料、染料、顔料と染料の混合物、顔料混合物、染料混合物などが挙げられる。着色剤は、例えば、カーボンブラック、シアン、イエロー、マゼンタ、レッド、オレンジ、ブラウン、グリーン、ブルー、バイオレット、またはこれらの混合物であってもよい。
【0048】
(ワックス)
場合により、ワックスを、トナー粒子を作成するときに樹脂と組み合わせてもよい。ワックスが含まれる場合、ワックスは、例えば、トナー粒子の約1重量%〜約25重量%、いくつかの実施形態では、トナー粒子の約5重量%〜約20重量%の量で存在していてもよい。
【0049】
(トナーの調製)
トナー粒子は、当業者の技術常識の範囲内にある任意の方法によって調製されてもよい。トナー粒子の製造に関連する実施形態を、乳化凝集プロセスに関して以下に記載しているが、例えば、米国特許第5,290,654号および同第5,302,486号に開示される懸濁およびカプセル化のプロセスのような化学プロセスを含む、トナー粒子を調製する任意の適切な方法を用いてもよい。いくつかの実施形態では、トナー組成物およびトナー粒子は、粒径の小さな樹脂粒子が適切なトナー粒径になるまで凝集させ、次いで、最終的なトナー粒子の形状および形態を得るまで融着させる、凝集融着プロセスによって調製することができる。
【0050】
(キャリア)
種々の適切な固体コア材料を、本開示のキャリアおよび現像剤に利用することができる。特徴的なコアの特性としては、いくつかの実施形態では、トナー粒子が正電荷または負電荷を得ることができるという特性、電子写真式画像化装置中に存在する現像剤貯蔵部内で望ましい流動特性を可能にするキャリアコアが挙げられる。コアの他の望ましい特性としては、例えば、磁気ブラシ現像プロセス中に磁気ブラシを作成することができる適切な磁気特徴;望ましい機械エージング特徴;キャリアおよび適切なトナーを含む任意の現像剤の高い導電性を可能にするような望ましい表面形態が挙げられる。
【0051】
利用可能なキャリアコアの例としては、鉄および/または鋼、例えば、Hoeganaes CorporationまたはPomaton S.p.A(イタリア)から入手可能な噴霧鉄または鋼粉末;D.M.Steward CorporationまたはPowdertech Corporationから市販されているものを含む、フェライト、例えば、約11%の酸化銅、約19%の酸化亜鉛、約70%の酸化鉄を含有するCu/Zn−フェライト、Powdertech Corporationから入手可能なNi/Zn−フェライト、例えば、Powdertech Corporationから市販されている約14%の酸化ストロンチウム、約86%の酸化鉄を含有するSr(ストロンチウム)−フェライト、およびBa−フェライト;例えば、Hoeganaes Corporation(スウェーデン)から市販されているものを含む、マグネタイト;ニッケル;これらの組み合わせなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、得られたポリマー粒子を使用し、種々の既知の方法によって、任意の既知の種類のキャリアコアをコーティングしてもよく、次いで、キャリアを既知のトナーとともに組み込み、電子写真式印刷のための現像剤を作成する。他の適切なキャリアコアは、例えば、米国特許第4,937,166号、同第4,935,326号および同第7,014,971号に示されており、顆粒状ジルコン、顆粒状ケイ素、ガラス、二酸化ケイ素、これらの組み合わせなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、適切なキャリアコアは、平均粒径が、例えば、直径で約20ミクロン〜約400ミクロン、いくつかの実施形態では、直径で約40ミクロン〜約200ミクロンであってもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、金属(例えば、鉄)および少なくとも1つのさらなる金属(例えば、銅、亜鉛、ニッケル、マンガン、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ストロンチウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、ビスマス、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ストロンチウム、バリウム、イットリウム、ランタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、これらの組み合わせなどを含むフェライトをコアとして利用してもよい。
【0053】
コア金属表面の少なくとも一部の上にあるポリマーコーティングは、ラテックスを含む。いくつかの実施形態では、キャリアコアのコーティングとして利用されるラテックスコポリマーとしては、少なくとも1つのアクリレート、メタクリレート、これらの組み合わせなど、およびカチオン結合モノマーを挙げることができる。いくつかの実施形態では、アクリレートは、脂肪族環状アクリレートであってもよい。ポリマーコーティングを作成するのに利用可能な適切なアクリレートおよび/またはメタクリレートとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロプロピル、アクリル酸シクロブチル、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロプロピル、メタクリル酸シクロブチル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸イソボルニル、これらの組み合わせなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、キャリアコアのためのポリマーコーティングは、脂肪族環状アクリレートと、少なくとも1つのさらなるアクリレートとから誘導されるコポリマーを含んでいてもよい。他の実施形態では、コーティングは、シクロヘキシルメタクリレートとメタクリル酸イソボルニルとのコポリマーを含んでいてもよく、シクロヘキシルメタクリレートは、コポリマーの約0.1重量%〜約99.9重量%、いくつかの実施形態では、コポリマーの約35重量%〜約65重量%、メタクリル酸イソボルニルは、コポリマーの約99.9重量%〜約0.1重量%、いくつかの実施形態では、コポリマーの約65重量%〜約35重量%の量で存在する。
【0054】
ある実施形態では、キャリアコーティングは、導電性成分を含んでいてもよい。適切な導電性成分としては、例えば、カーボンブラックが挙げられる。
【0055】
キャリアに例えば、帯電向上添加剤(粒状アミン樹脂、例えば、メラミン)および特定のフルオロポリマー粉末、例えば、アルキル−アミノアクリレートおよびメタクリレート、ポリアミド、フッ素化ポリマー、例えば、フッ化ポリビニリデンおよびポリ(テトラフルオロエチレン)、フルオロアルキルメタクリレート、例えば、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートのような多くの添加剤を加えてもよい。利用可能な他の帯電向上添加物としては、ジステアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェート(DDAMS)、ビス[1−[(3,5−二置換−2−ヒドロキシフェニル)アゾ]−3−(一置換)−2−ナフタレノラト(2−)]クロメート(1−)、アンモニウムナトリウムおよび水素(TRH)、セチルピリジニウムクロリド(CPC)、FANAL PINK(登録商標)D4830を含む四級アンモニウム塩、これらの組み合わせなど、および他の有効な既知の電荷剤または添加剤が挙げられる。電荷添加剤成分は、種々の有効な量で、例えば、ポリマー/コポリマー、導電性成分および他の電荷添加剤成分の合計重量の約0.5重量%〜約20重量%、約1重量%〜約3重量%の量で選択されてもよい。
【実施例】
【0056】
(実施例1 黒色現像剤の調製)
黒色乳化凝集トナーを20ガロンスケール(乾燥トナー理論量11kg)で調製した。2種類のアモルファスポリエステルエマルション(Mwが約19,400、Mnが約5,000、Tg開始が約60℃、固形分約35%のエマルション中のアモルファスポリエステル樹脂(ポリエステルエマルションA)5.06kg、重量平均分子量(Mw)が約86,000、数平均分子量(Mn)が約5,600、ガラス転移開始温度(Tg開始)が約56℃、固形分約35%のエマルション中のアモルファスポリエステル樹脂(ポリエステルエマルションB)7.62kg)、結晶性ポリエステルエマルション(Mwが約23,300、Mnが約10,500、融点(Tm)が約71℃、固形分約35.4%)2.2kg、Tmが約90℃、固形分約30%のエマルション状態のポリエチレンワックス3.2kg、黒色顔料分散物(NIPEX−35、Evonik Degussa、パーシッパニー、ニュージャージーから得た)6.04kg、シアン顔料分散物(Pigment Blue 15:3、固形分約17%、Sun Chemical Corporationから得た)1.02kgを混合した。両アモルファス樹脂は、以下の式を有し、
【化1】
式中、mは約5〜約1000である。結晶性樹脂は、以下の式を有し、
【化2】
式中、bは約5〜約2000であり、dは約5〜約2000である。
【0057】
その後に、0.3M硝酸を用いてpHを4.2に調節した。次いで、凝固剤(197gのAl(SOを2.44kgの脱イオン水と混合)を加えつつ、3000〜4000rpmで合計40分間、スラリーを均質化した。スラリーの混合を250rpmに設定した。その後に、バッチ温度42℃でスラリーを凝集させた。凝集中、コアと同じアモルファスエマルションを含むシェルのpHを硝酸を用いて3.3に調節し、上のバッチに加えた。次いで、このバッチは目標粒径に引き続き達していた。目標粒子径になったら、NaOHおよびEDTAを用いてpHを7.8に調節し、凝集工程を凍結させた。反応器の温度を70℃まで上げつつ、プロセスを進め、この所望な温度で、pH5.7の酢酸ナトリウム/酢酸バッファーを用いてpHを6.45に調節し、この時点で粒子が融着し始めた。約1時間後、粒子は真円度>0.965に達し、熱交換器を用いて急冷した。脱イオン水洗浄液を用い、トナーを室温で3回洗浄し、フラッシュドライヤーを用い、乾燥させた。最終的なトナー粒径、GSDv、GSDnは、それぞれ5.36μm、1.22、1.24であった。微粒子(1.3〜4μm)、粗粒子(>16μm)、真円度は、22.38%、0.1%、0.952であった。
【0058】
この黒色トナー8g、Xerox 700キャリア92gを秤量し、500mlのポリエチレン瓶に入れた。このトナーおよびキャリアを音響共鳴ミキサー(例えば、Resodyn(商標) LabRAM 500gモデル)に入れた。機械の電源を入れた後、機械は、自動的に検索を行い、共振周波数61.13Hzに固定された。4種類のサンプルをこの音波ミキサーで、それぞれ0.75分、1.5分、2.5分および5分かけ、強度90%(加速度92G、1Gは、地球の重力加速度であり、すなわち、9.81m/sec)で混合した。図2に示すように、各サンプルについて、摩擦電荷(q/m)およびq/dの測定を行った。標準的なブローオフ方法を用い、q/mを測定した。電場100V/cmを用いた電荷スペクトログラフを用い、現像剤の電荷q/dを測定した。現像剤の電荷(q/d)をトナー電荷分布の中点として、通常はゼロラインからの変位として視覚的に記録した。図3は、図2のそれぞれのサンプルについて、上端部(中間点)および底部の現像剤電荷を示す。
【0059】
図2から、音波ミキサーは、標準的な実験用ミキサー(TURBULA(登録商標))と比較し、帯電が速くなることがわかるだろう。全体的にわずかに電荷が高いことは、混合が非常に効率的であり、効果的であることを示唆している。摩擦電荷のデータから、TURBULA(登録商標)実験用ミキサーで5分で終了できるであろう同じレベルまで現像剤を混合し、帯電するのに、45秒以下で十分な時間である。ピーク電荷には、ほぼ1.5分で到達する。スケールアップすると、FM−50生産ミキサーでは30分かかるのに対し、TURBULA(登録商標)実験用ミキサーでは10分になる。Resodyn(商標)の文献によれば、Resodynで大きなスケールでの混合時間は、スケールには依存せず、そのため、生産スケールに必要な時間は45秒未満であろう。
図1
図2
図3