特許第5965316号(P5965316)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5965316ウエハ分離装置、ウエハ分離搬送装置、ウエハ分離方法、ウエハ分離搬送方法及び太陽電池用ウエハ分離搬送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965316
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】ウエハ分離装置、ウエハ分離搬送装置、ウエハ分離方法、ウエハ分離搬送方法及び太陽電池用ウエハ分離搬送方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20160721BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20160721BHJP
   B65G 49/07 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   H01L21/304 611A
   B65G49/07 Z
   B65G49/07 A
【請求項の数】22
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-523925(P2012-523925)
(86)(22)【出願日】2011年7月8日
(86)【国際出願番号】JP2011065657
(87)【国際公開番号】WO2012005344
(87)【国際公開日】20120112
【審査請求日】2014年7月7日
(31)【優先権主張番号】特願2010-156151(P2010-156151)
(32)【優先日】2010年7月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591277382
【氏名又は名称】株式会社渡辺商行
(74)【代理人】
【識別番号】100088096
【弁理士】
【氏名又は名称】福森 久夫
(72)【発明者】
【氏名】綱島 共平
(72)【発明者】
【氏名】楠原 一樹
【審査官】 儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−025028(JP,A)
【文献】 特開平08−250570(JP,A)
【文献】 特開昭51−012568(JP,A)
【文献】 特開2002−254378(JP,A)
【文献】 特開2005−093733(JP,A)
【文献】 特開2010−131544(JP,A)
【文献】 特開2010−073848(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/074317(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 49/07
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枚葉化された多数枚のウエハを密着状態の横置きで収納すると共に少なくとも左右に開放するカセットと、該カセットを着脱可能支持し且つ少なくとも左右に開放するカセット支持体と、該カセット支持体を前記カセットと一体に昇降させる昇降装置と、該昇降装置が下降した際に前記カセット支持体が前記カセットと一体に浸される液体を収容した液槽と、該液槽内に設置されて前記カセット支持体の側面から多数枚のウエハに向って微細気泡を噴出するノズルと、
該ノズルから噴出される微細気泡を発生させる微細気泡発生装置とを備え、
前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させることを特徴とするウエハ分離装置。
【請求項2】
枚葉化された多数枚のウエハを密着状態の横置きで収納すると共に、少なくも左右に開放するカセッ
トと、該カセットを着脱可能支持し且つ少なくとも上下に開放するカセット支持体と、該カセット支
持体を前記カセットと一体に昇降させる昇降装置と、該昇降装置に設置されて前記カセットに収納さ
れたウエハを縦置き状態から、横置き状態とに切り換えるように前記カセット支持体を前記カセット
と一体に回動させる回動装置と、前記昇降装置が下降した際に前記カセット支持体が前記カセットと
一体に浸される液体を収容した液槽と、該液槽内に設置されて前記カセット支持体の下方から多数枚
のウエハに向って微細気泡を噴出するノズルと、該ノズルから噴出される微細気泡を発生させる微細
気泡発生装置と、前記液槽内から浮き上がり、上昇された横置き状態のウエハを最上位から取り出す
取出体と、該取出体で取り出した最上位のウエハを搬送する搬送体とを備え、
前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させたことを特徴とするウエハ分離搬送装置。
【請求項3】
枚葉化された多数枚のウエハを密着状態の横置きで収納すると共に、少なくとも左右に開放するカッ
トと、該カセットを着脱可能支持し且つ少なくとも上下に開放するカセット支持体と、該カセット支
持体を前記カセットと一体に昇降させる昇降装置と、該昇降装置に設置されて前記カセットに収納さ
れたウエハを縦置き状態から、横置き状態とに切り換えるように前記カセット支持体を前記カセット
と一体に回動させる回動装置と、前記昇降装置が下降した際に前記カセット支持体が前記カセットと
一体に浸される液体を収容した液槽と、該液槽内に設置されて前記カセット支持体の下方から多数枚
のウエハに向って微細気泡を噴出するノズルと、該ノズルから噴出される微細気泡を発生させる微細
気泡発生装置と、前記液槽内から浮き上がり、上昇された横置き状態のウエハを、吸引しながら移動
するウエハ分離用真空吸引装置とを備え、
前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させたことを特徴とするウエハ分離搬送装置。
【請求項4】
前記ノズル又は前記カセット支持体をウエハの隣接方向に沿って移動させる移動装置を備えている
ことを特徴とする請求項2または3に記載のウエハ分離搬送装置。
【請求項5】
前記微細気泡発生装置は、マイナスに帯電された微細気泡を前記ノズルから噴出させることを特徴と
する請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のウエハ分離搬送装置。
【請求項6】
前記微細気泡発生装置は、シリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーのワイヤ径以下
の直径の微細気泡を前記ノズルから噴出させることを特徴とする請求項2乃至請求項の何れかに記
載のウエハ分離搬送装置。
【請求項7】
前記回動装置は、前記カセット支持体を起立された際に、前記カセットに収納した横置き状態でのウ
エハ上縁部が前記液槽の縦内壁面に近接するように前記カセット支持体を支持していることを特徴す
る請求項2乃至請求項の何れかに記載のウエハ分離搬送装置。
【請求項8】
前記ウエハ分離用真空吸引装置は、前記ウエハを吸引し搬送する真空吸引ベルトと、前記真空吸引ベ
ルトを真空とする真空排気ポンプと、ウエハの重なりを防止するバックスピンローラーにより構成さ
れたことを特徴とする請求項3記載のウエハ分離搬送装置。
【請求項9】
前記カセットに横置きで収納されたウエハは、水平面に対する角度と、前記ウエハ分離用真空吸引装
置の真空吸引ベルトの水平面に対する角度とが同一であることを特徴とする請求項3または請求項
に記載のウエハ分離搬送装置。
【請求項10】
枚葉化された多数枚のウエハを少なくとも左右に開放するカセット内に密着状態の横置きで収納す
る収納ステップと、少なくとも上下に開放するカセット支持体に前記カセットを装着支持させる装着
支持ステップと、昇降装置を用いて前記カセット支持体を前記カセットと一体に下降させて横置き状
態のウエハを液槽内の液体に浸す下降ステップと、前記カセット支持体の下方から横置き状態のウエ
ハに向けて微細気泡発生装置で発生させた微細気泡を水平方向に噴出して多数枚の各ウエハ内に微
細気泡を侵入停滞させる微細気泡噴出ステップとを備え、
前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させることを特徴とするウエハ分離方法。
【請求項11】
枚葉化された多数枚のウエハを少なくとも上下に開放するカセット内に密着状態の縦置きで収納す
る収納ステップと、少なくとも上下に開放するカセット支持体に前記カセットを装着支持させる装着
支持ステップと、回動装置を用いてカセット支持体を前記カセットと一体に回動させて多数枚のウエ
ハを横置きとする回動ステップと、昇降装置を用いて前記カセット支持体を前記カセットと一体に下
降させて横置き状態のウエハを液槽内の液体に浸す下降ステップと、前記カセット支持体の側面から
横置き状態のウエハに向けて微細気泡発生装置で発生させた微細気泡を噴出して多数枚の各ウエハ
間に微細気泡を侵入停滞させる微細気泡噴出ステップと、前記横置状態のウエハをウエハが最上位か
ら順次浮き上がらせる上昇処置ステップと、液面よりも上方に引き上げられた最上位のウエハを取り
出す取り出しステップと、取り出し後のウエハを搬送する搬送ステップとを備え、
前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させることを特徴とするウエハ分離搬送方法。
【請求項12】
枚葉化された多数枚のウエハを少なくとも上下に開放するカセット内に密着状態の縦置きで収納す
る収納ステップと、少なくとも上下に開放するカセット支持体に前記カセットを装着支持させる装着
支持ステップと、回動装置を用いてカセット支持体を前記カセットと一体に回動させて多数枚のウエ
ハを横置きとする回動ステップと、昇降装置を用いて前記カセット支持体を前記カセットと一体に下
降させて横置き状態のウエハを液槽内の液体に浸す下降ステップと、前記カセット支持体の側面から
横置き状態のウエハに向けて微細気泡発生装置で発生させた微細気泡を噴出して多数枚の各ウエハ
間に微細気泡を侵入停滞させる微細気泡噴出ステップと、前記横置状態のウエハをウエハが最上位か
ら順次浮き上がらせる上昇処置ステップと、最上位から浮き上がったウエハを前記液槽の少なくとも
液面よりも上方へと引き上げる上昇ステップと、最上位から浮き上がったウエハを前記液槽の少なく
とも液面にて、ウエハ分離用真空吸引装置の真空吸引ベルトに吸着させて搬送する搬送ステップとを
備え、
前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させることを特徴とするウエハ分離搬送方法。
【請求項13】
前記微細気泡発生装置は、マイナスに帯電された微細気泡を前記ノズルから噴出させることを特徴と
する請求項1または請求項1に記載のウエハ分離搬送方法。
【請求項14】
前記微細気泡発生装置は、シリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーのワイヤ径以
下の直径の微細気泡を前記ノズルから噴出させることを特徴とする請求項1乃至請求項1のい
ずれかに記載のウエハ分離搬送方法。
【請求項15】
前記ウエハ分離用真空吸引装置は、前記ウエハを吸引し搬送する真空吸引ベルトと、前記真空吸引ベ
ルトを真空とする真空排気ポンプと、ウエハの重なりを防止するバックスピンローラーにより構成され
たことを特徴とする請求項1記載のウエハ分離搬送方法。
【請求項16】
前記カセットに横置きで収納されたウエハは、水平面に対する角度と、前記ウエハ分離用真空吸引装
置の真空吸引ベルトの水平面に対する角度とを同一とすることを特徴とする請求項3または請求項
または請求項15に記載のウエハ分離搬送方法。
【請求項17】
シリコンインゴットを支持板と一体に多数枚に切断する切断ステップと、切断後のシリコンインゴット
を支持板から剥離して枚葉化する剥離ステップと、剥離後の枚葉化された多数枚のウエハを少なくとも
上下に開放するカセット内に密着状態の縦置きで収納する収納ステップと、少なくとも上下に開放する
カセット支持体に前記カセットを装着支持させる装着支持ステップと、昇降装置を用いて前記カセット
支持体を前記カセットと一体に下降させて縦置き状態のウエハを液槽内の液体に浸す下降ステップと、
前記カセット支持体の下方から縦置き状態のウエハに向けて微細気泡発生装置で発生させた微細気泡を噴出して多数枚の各ウエハ間に微細気泡を侵入停滞させる微細気泡噴出ステップと、回動装置を用いて多数枚の各ウエハ間に微細気泡を侵入停滞させたままのカセット支持体を前記カセットと一体に回動させて多数枚のウエハを横置きとする回動ステップと、前記昇降装置を用いてウエハを横置き状態としたまま前記カセット支持体を前記カセットと一体に上昇させて最上位に位置するウエハを前記液槽の少なくとも液面よりも上方へと引き上げる上昇ステップと、液面よりも上方に引き上げられた最上位のウエハを取り出す取り出しステップと、取り出し後のウエハを搬送する搬送ステップと、搬送されたウエハを太陽電池製造装置に移送する移送ステップとを備え、
前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させることを特徴とする太陽電池用ウエハ分離搬送方法。
【請求項18】
シリコンインゴットを支持板と一体に多数枚に切断する切断ステップと、切断後のシリコンインゴット
を支持板から剥離して枚葉化する剥離ステップと、剥離後の枚葉化された多数枚のウエハを少なくとも
上下に開放するカセット内に密着状態の縦置きで収納する収納ステップと、少なくとも上下に開放する
カセット支持体に前記カセットを装着支持させる装着支持ステップと、昇降装置を用いて前記カセット
支持体を前記カセットと一体に下降させて縦置き状態のウエハを液槽内の液体に浸す下降ステップと、
前記カセット支持体の下方から縦置き状態のウエハに向けて微細気泡発生装置で発生させた微細気泡を噴出して多数枚の各ウエハ間に微細気泡を侵入停滞させる微細気泡噴出ステップと、回動装置を用いて多数枚の各ウエハ間に微細気泡を侵入停滞させたままのカセット支持体を前記カセットと一体に回動させて多数枚のウエハを横置きとする回動ステップと、前記昇降装置を用いてウエハを横置き状態としたまま前記カセット支持体を前記カセットと一体に上昇させて最上位に位置するウエハを前記液槽の少なくとも液面よりも上方へと引き上げる上昇ステップと、液面よりも上方に引き上げられた最上位のウエハを、ウエハ分離用真空吸引装置の真空吸引ベルトに吸着させて搬送する搬送ステップとを備え、
前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させることを特徴とする太陽電池用ウエハ分離搬送方法。
【請求項19】
前記移送ステップは、P型ウエハ又はN型ウエハを製造するためのテクスチャ処理を施すための化学エ
ッチング装置に向けてウエハを移送することを特徴とする請求項17または請求項18に記載の太陽
電池用ウエハ分離搬送方法。
【請求項20】
前記微細気泡噴出ステップでは、前記ノズル又は前記カセット支持体をウエハの隣接方向に沿って移動
させることを特徴とする請求項17ないし請求項19のいずれかに記載の太陽電池用ウエハ分離搬送
方法。
【請求項21】
前記ウエハ分離用真空吸引装置は、前記ウエハを吸引し搬送する真空吸引ベルトと、前記真空吸引ベル
トを真空とする真空排気ポンプと、ウエハの重なりを防止するバックスピンローラーにより構成される
ことを特徴とする請求項18記載の太陽電池用ウエハ分離搬送方法。
【請求項22】
前記カセットに横置きで収納されたウエハは、水平面に対する角度と、前記ウエハ分離用真空吸引装置
の真空吸引ベルトの水平面に対する角度とを同一とすることを特徴とする請求項18または請求項2
に記載の太陽電池用ウエハ分離搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枚葉化された分離前のウエハを分離するウエハ分離装置、ウエハ分離搬送装置、ウエハ分離方法、ウエハ分離搬送方法及び太陽電池用ウエハ分離搬送方法に関し、特に、ウエハを横置き状態にして、マイナスに帯電された微細気泡によって、ウエハを分離する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、化石燃料資源の枯渇等のエネルギー問題及び地球温暖化等の環境問題に関する意識の高まりから、太陽電池の需要が近年急速に伸びている。
【0003】
この際、太陽電池のセルとなりうるシリコンは、純度99.9999%以上で、比抵抗0.5Ωcm以上という高純度のものが求められており、半導体産業で用いられる高純度シリコンまたはICやLSI等の基板を製造したときに発生する規格外品が原料として利用されていた。
【0004】
しかしながら、特に太陽電池においては、一辺が5インチの四角形型のシリコンウエハを54枚程度用いて1枚の太陽電池モジュールを製造するため、その使用量はICやLSI等のシリコンウエハの使用量に比べて膨大であるうえ、半導体用高純度シリコンは高価で、しかも、規格外品の発生量は少ないため、太陽電池用のシリコン材料としての供給量には限界があるという問題が発生していた。
【0005】
また、これまでは電子デバイス用シリコンの規格外品の発生量が太陽電池の需要量に勝っていたため問題はなかったが、最近では太陽電池の需要量が電子デバイス用シリコンの規格外品の発生量を上回りつつあり、太陽電池用シリコンの原料不足が深刻な問題となってきている。
【0006】
一方、太陽電池用シリコンウエハの表面は、粗面である方が表面積を確保することができることから、シリコンインゴットをワイヤソーで切断した後に枚葉化されたウエハは、半導体用ウエハのように表面を鏡面仕上げに研磨加工することはない。
【0007】
従って、半導体用ウエハの製造工程では、枚葉化されたウエハを次工程(表面仕上げ工程等)の機械へと搬送するために高価で大型な分離・搬送装置を用いているが、太陽電池用ウエハの製造工程では、製品単価にも影響する高価で大型な分離・搬送装置は用いておらず、1枚毎に手作業で分離しているのが実情であった。
【0008】
その一方で、上述した太陽電池用シリコンの原料不足の問題及び原料単価の問題等を考慮すると、太陽電池用ウエハにあっても、半導体用ウエハと同様に薄肉化されつつあり、太陽電池用ウエハの製造工程で1枚毎に手作業で分離していたのでは破損等が発生し易くなってしまうことから、安価で小型な分離装置の要求が高まってきている。
【0009】
ところで、略円柱形状に形成されたインゴットを支持板に貼着した状態でワイヤソーによりスライスした多数枚のウエハは、支持板に貼着した柱状集合状態のままスラリーや切粉等を除去するために予備洗浄装置により予備洗浄し、その予備洗浄されたウエハを支持板から剥離して枚葉化するために剥離装置により支持板から剥離した後、分離・搬送装置によって1枚毎に分離されたうえで次工程へと搬送されている。
【0010】
この際、ウエハに付着したスラリーや切粉等は、予備洗浄装置によって発生された気泡を用いて除去する超音波洗浄技術が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0011】
超音波洗浄では、シリコンインゴットの側面や両端面の洗浄には効果を発揮するが、切断されたウエハ間の深部にまで噴射された洗浄液が到達することは困難で、ウエハ表面に付着したスラリーや切粉等を完全に除去することができず、洗浄効果が低下するという問題がある。
【0012】
そこで、予備洗浄後のウエハは、剥離装置により支持板から剥離(枚葉化)する際、酢酸等の溶液中に浸して支持板からウエハを剥離すると同時に二次洗浄を行うことで残存したスラリーや切粉等を除去している。
【0013】
ところが、二次洗浄後の枚葉化された各ウエハは、搬送時には横向きの積層状態(畳重状態)で密着しているので、最上位で静止しているウエハをその下部(直下)のウエハから分離する初期の抵抗は、動摩擦抵抗に比して大きい静摩擦抵抗であるため、確実な分離動作を行うことが難しいという問題があった。
【0014】
そこで、上述した特許文献1には、分離・搬送装置におけるシュータの内側下部に、水を上方へ噴出する2つの噴出ノズルを配置し、この噴出ノズルからシュータと積層ウエハとの間の隙間を通って圧力水を噴き上げることによって、最上位のウエハがシュータの上面に搬送されたときに噴き上げられた圧力水によって僅かに持ち上げる結果、最上位のウエハとその直下のウエハとの密着力を弱めてウエハの分離動作を円滑に行う旨が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平09−237770号公報
【特許文献2】特開平11−214336号公報
【特許文献3】特開平11−233461号公報
【特許文献4】特開2010−245303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上述した分離・搬送装置にあっては、薄肉化されつつあるウエハに圧力水を吹き付けた際に、ウエハが欠けてしまう虞があるうえ、次層のウエハが最上位のウエハよりも搬送方向下流側に位置していた場合には、その次位のウエハも最上位のウエハと一緒に浮き上がってしまい、分離されないまま一緒に搬送されてしまう虞があるという問題が生じていた。
【0017】
また、特許文献4では、ウエハと、ウエハ受け取り手段との隙間に流体の噴流を発生させて、ウエハと吸着コンベアとの間に負圧を発生させて、ウエハを吸着コンベアへ移動させることが記載されているが、装置が複雑になる欠点と、流体の噴流によって、ウエハを痛める場合があり、また、ウエハが2枚重なった場合への対策は、なく、従って、ウエハの安定した搬送は困難であった。
【0018】
そこで、本発明は、安価且つ小型でありながら、分離・搬送時におけるウエハの分離性能を向上すると共に、分離・搬送時におけるウエハの破損等の発生を抑制することができるウエハ分離装置、ウエハ分離搬送装置、ウエハ分離方法、ウエハ分離搬送方法及び太陽電池用ウエハ分離搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の請求項1のウエハ分離装置は、枚葉化された多数枚のウエハを密着状態の横置きで収納すると共に少なくとも左右に開放するカセットと、該カセットを着脱可能支持し且つ少なくとも左右に開放するカセット支持体と、該カセット支持体を前記カセットと一体に昇降させる昇降装置と、該昇降装置が下降した際に前記カセット支持体が前記カセットと一体に浸される液体を収容した液槽と、該液槽内に設置されて前記カセット支持体の側面から多数枚のウエハに向って微細気泡を噴出するノズルと、該ノズルから噴出される微細気泡を発生させる微細気泡発生装置とを備え、前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させることを特徴とするウエハ分離装置である。
【0020】
本発明の請求項2のウエハ分離搬送装置は、枚葉化された多数枚のウエハを密着状態の横置きで収納すると共に、少なくも左右に開放するカセットと、該カセットを着脱可能支持し且つ少なくとも上下に開放するカセット支持体と、該カセット支持体を前記カセットと一体に昇降させる昇降装置と、該昇降装置に設置されて前記カセットに収納されたウエハを縦置き状態から、横置き状態とに切り換えるように前記カセット支持体を前記カセットと一体に回動させる回動装置と、前記昇降装置が下降した際に前記カセット支持体が前記カセットと一体に浸される液体を収容した液槽と、該液槽内に設置されて前記カセット支持体の下方から多数枚のウエハに向って微細気泡を噴出するノズルと、該ノズルから噴出される微細気泡を発生させる微細気泡発生装置と、前記液槽内から浮き上がり、上昇された横置き状態のウエハを最上位から取り出す取出体と、該取出体で取り出した最上位のウエハを搬送する搬送体とを備え、前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させたことを特徴とするウエハ分離搬送装置である。
【0021】
本発明の請求項3のウエハ分離搬送装置は、枚葉化された多数枚のウエハを密着状態の横置きで収
納すると共に、少なくとも左右に開放するカットと、該カセットを着脱可能支持し且つ少なくとも上
下に開放するカセット支持体と、該カセット支持体を前記カセットと一体に昇降させる昇降装置と、
該昇降装置に設置されて前記カセットに収納されたウエハを縦置き状態から、横置き状態とに切り換
えるように前記カセット支持体を前記カセットと一体に回動させる回動装置と、前記昇降装置が下降
した際に前記カセット支持体が前記カセットと一体に浸される液体を収容した液槽と、該液槽内に設
置されて前記カセット支持体の下方から多数枚のウエハに向って微細気泡を噴出するノズルと、該ノ
ズルから噴出される微細気泡を発生させる微細気泡発生装置と、前記液槽内から浮き上がり、上昇さ
れた横置き状態のウエハを、吸引しながら移動するウエハ分離用真空吸引装置とを備え、前記微細気
泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断され
た際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させたこ
とを特徴とするウエハ分離搬送装置である。
【0022】
本発明の請求項4のウエハ分離搬送装置は、前記ノズル又は前記カセット支持体をウエハの隣接方向に沿って移動させる移動装置を備えていることを特徴とする請求項2または3に記載のウエハ分離搬送装置である。
【0023】
本発明の請求項5のウエハ分離搬送装置は、前記微細気泡発生装置は、マイナスに帯電された微細気泡を前記ノズルから噴出させることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のウエハ分離搬送装置である。
【0025】
本発明の請求項のウエハ分離搬送装置は、前記微細気泡発生装置は、シリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーのワイヤ径以下の直径の微細気泡を前記ノズルから噴出させることを特徴とする請求項2乃至請求項の何れかに記載のウエハ分離搬送装置である。
【0026】
参考発明のウエハ分離搬送装置は、前記微細気泡発生装置は、100μm以下の直径の微細気泡を前記ノズルから噴出させることを特徴とする。
【0027】
参考発明のウエハ分離搬送装置は、前記微細気泡発生装置が、平均20μm以下の直径の微細気泡を前記ノズルから噴出させることを特徴とする。
【0028】
本発明の請求項のウエハ分離搬送装置は、前記回動装置が、前記カセット支持体を起立された際に、前記カセットに収納した横置き状態でのウエハ上縁部が前記液槽の縦内壁面に近接するように前記カセット支持体を支持していることを特徴とする請求項2乃至請求項の何れかに記載のウエハ分離搬送装置である。
【0029】
本発明の請求項のウエハ分離搬送装置は、前記ウエハ分離用真空吸引装置が、前記ウエハを吸引し搬送する真空吸引ベルトと、前記真空吸引ベルトを真空とする真空排気ポンプと、ウエハの重なりを防止するバックスピンローラーにより構成されたことを特徴とする請求項3記載のウエハ分離搬送装置である。
【0030】
本発明の請求項のウエハ分離搬送装置は、前記カセットに横置きで収納されたウエハは、水平面に対する角度と、前記ウエハ分離用真空吸引装置の真空吸引ベルトの水平面に対する角度とが同一であることを特徴とする請求項3または請求項に記載のウエハ分離搬送装置である。
【0031】
本発明の請求項1のウエハ分離方法は、枚葉化された多数枚のウエハを少なくとも左右に開放するカセット内に密着状態の横置きで収納する収納ステップと、少なくとも上下に開放するカセット支持体に前記カセットを装着支持させる装着支持ステップと、昇降装置を用いて前記カセット支持体を前記カセットと一体に下降させて横置き状態のウエハを液槽内の液体に浸す下降ステップと、前記カセット支持体の下方から横置き状態のウエハに向けて微細気泡発生装置で発生させた微細気泡を水平方向に噴出して多数枚の各ウエハ内に微細気泡を侵入停滞させる微細気泡噴出ステップとを備え、前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させることを特徴とするウエハ分離方法である。
【0032】
本発明の請求項1のウエハ分離搬送方法は、枚葉化された多数枚のウエハを少なくとも上下に開放するカセット内に密着状態の縦置きで収納する収納ステップと、少なくとも上下に開放するカセット支持体に前記カセットを装着支持させる装着支持ステップと、回動装置を用いてカセット支持体を前記カセットと一体に回動させて多数枚のウエハを横置きとする回動ステップと、昇降装置を用いて前記カセット支持体を前記カセットと一体に下降させて横置き状態のウエハを液槽内の液体に浸す下降ステップと、前記カセット支持体の側面から横置き状態のウエハに向けて微細気泡発生装置で発生させた微細気泡を噴出して多数枚の各ウエハ間に微細気泡を侵入停滞させる微細気泡噴出ステップと、前記横置状態のウエハをウエハが最上位から順次浮き上がらせる上昇処置ステップと、液面よりも上方に引き上げられた最上位のウエハを取り出す取り出しステップと、取り出し後のウエハを搬送する搬送ステップと、を備え、前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させることを特徴とするウエハ分離搬送方法である。
【0033】
本発明の請求項1のウエハ分離搬送方法は、枚葉化された多数枚のウエハを少なくとも上下に開放するカセット内に密着状態の縦置きで収納する収納ステップと、少なくとも上下に開放するカセット支持体に前記カセットを装着支持させる装着支持ステップと、回動装置を用いてカセット支持体を前記カセットと一体に回動させて多数枚のウエハを横置きとする回動ステップと、昇降装置を用いて前記カセット支持体を前記カセットと一体に下降させて横置き状態のウエハを液槽内の液体に浸す下降ステップと、前記カセット支持体の側面から横置き状態のウエハに向けて微細気泡発生装置で発生させた微細気泡を噴出して多数枚の各ウエハ間に微細気泡を侵入停滞させる微細気泡噴出ステップと、前記横置状態のウエハをウエハが最上位から順次浮き上がらせる上昇処置ステップと、最上位から浮き上がったウエハを前記液槽の少なくとも液面よりも上方へと引き上げる上昇ステップと、最上位から浮き上がったウエハを前記液槽の少なくとも液面にて、ウエハ分離用真空吸引装置の真空吸引ベルトに吸着させて搬送する搬送ステップとを備え、前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させることを特徴とするウエハ分離搬送方法である。
【0034】
本発明の請求項1のウエハ分離搬送方法は、前記微細気泡発生装置は、マイナスに帯電された微細気泡を前記ノズルから噴出させることを特徴とする請求項1または請求項1に記載のウエハ分離搬送方法である。
【0036】
本発明の請求項1のウエハ分離搬送方法は、前記微細気泡発生装置が、シリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーのワイヤ径以下の直径の微細気泡を前記ノズルから噴出させることを特徴とする請求項1乃至請求項1のいずれかに記載のウエハ分離搬送方法である。
【0037】
参考発明のウエハ分離搬送方法は、前記微細気泡発生装置が、100μm以下の直径の微細気泡を前記ノズルから噴出させることを特徴とす
【0038】
参考発明のウエハ分離搬送方法は、前記微細気泡発生装置が、平均20μm以下の直径の微細気泡を前記ノズルから噴出させることを特徴とする。
【0039】
本発明の請求項15のウエハ分離搬送方法は、前記ウエハ分離用真空吸引装置は、前記ウエハを吸引し搬送する真空吸引ベルトと、前記真空吸引ベルトを真空とする真空排気ポンプと、ウエハの重なりを防止するバックスピンローラーにより構成されたことを特徴とする請求項1記載のウエハ分離搬送方法である。
【0040】
本発明の請求項16のウエハ分離搬送方法は、前記カセットに横置きで収納されたウエハと、水平面に対する角度と、前記ウエハ分離用真空吸引装置の真空吸引ベルトの水平面に対する角度とを同一とすることを特徴とする請求項3または請求項1または請求項15に記載のウエハ分離搬送方法である。
【0041】
本発明の請求項17の太陽電池用ウエハ分離搬送方法は、シリコンインゴットを支持板と一体に多数枚に切断する切断ステップと、切断後のシリコンインゴットを支持板から剥離して枚葉化する剥離ステップと、剥離後の枚葉化された多数枚のウエハを少なくとも上下に開放するカセット内に密着状態の縦置きで収納する収納ステップと、少なくとも上下に開放するカセット支持体に前記カセットを装着支持させる装着支持ステップと、昇降装置を用いて前記カセット支持体を前記カセットと一体に下降させて縦置き状態のウエハを液槽内の液体に浸す下降ステップと、前記カセット支持体の下方から縦置き状態のウエハに向けて微細気泡発生装置で発生させた微細気泡を噴出して多数枚の各ウエハ間に微細気泡を侵入停滞させる微細気泡噴出ステップと、回動装置を用いて多数枚の各ウエハ間に微細気泡を侵入停滞させたままのカセット支持体を前記カセットと一体に回動させて多数枚のウエハを横置きとする回動ステップと、前記昇降装置を用いてウエハを横置き状態としたまま前記カセット支持体を前記カセットと一体に上昇させて最上位に位置するウエハを前記液槽の少なくとも液面よりも上方へと引き上げる上昇ステップと、液面よりも上方に引き上げられた最上位のウエハを取り出す取り出しステップと、取り出し後のウエハを搬送する搬送ステップと、搬送されたウエハを太陽電池製造装置に移送する移送ステップとを備え、前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させることを特徴とする太陽電池用ウエハ分離搬送方法である。
【0042】
本発明の請求項18の太陽電池用ウエハ分離搬送方法は、シリコンインゴットを支持板と一体に多数枚に切断する切断ステップと、切断後のシリコンインゴットを支持板から剥離して枚葉化する剥離ステップと、剥離後の枚葉化された多数枚のウエハを少なくとも上下に開放するカセット内に密着状態の縦置きで収納する収納ステップと、少なくとも上下に開放するカセット支持体に前記カセットを装着支持させる装着支持ステップと、昇降装置を用いて前記カセット支持体を前記カセットと一体に下降させて縦置き状態のウエハを液槽内の液体に浸す下降ステップと、前記カセット支持体の下方から縦置き状態のウエハに向けて微細気泡発生装置で発生させた微細気泡を噴出して多数枚の各ウエハ間に微細気泡を侵入停滞させる微細気泡噴出ステップと、回動装置を用いて多数枚の各ウエハ間に微細気泡を侵入停滞させたままのカセット支持体を前記カセットと一体に回動させて多数枚のウエハを横置きとする回動ステップと、前記昇降装置を用いてウエハを横置き状態としたまま前記カセット支持体を前記カセットと一体に上昇させて最上位に位置するウエハを前記液槽の少なくとも液面よりも上方へと引き上げる上昇ステップと、液面よりも上方に引き上げられた最上位のウエハを、ウエハ分離用真空吸引装置の真空吸引ベルトに吸着させて搬送する搬送ステップとを備え、前記微細気泡発生装置は、直径がシリコンインゴットを枚葉化する際に用いられたワイヤソーによって切断された際の溝幅以下であって、1−20μmの気泡を、20%以上の個数としてノズルから噴出させることを特徴とするウエハ分離搬送方法である。
【0043】
本発明の請求項19の太陽電池用ウエハ分離搬送方法は、前記移送ステップは、P型ウエハ又はN型ウエハを製造するためのテクスチャ処理を施すための化学エッチング装置に向けてウエハを移送することを特徴とする請求項17または請求項18に記載の太陽電池用ウエハ分離搬送方法である。
【0044】
本発明の請求項2の太陽電池用ウエハ分離搬送方法は、前記微細気泡噴出ステップでは、前記ノズル又は前記カセット支持体をウエハの隣接方向に沿って移動させることを特徴とする請求項17ないし請求項19のいずれかに記載の太陽電池用ウエハ分離搬送方法である。
【0045】
本発明の請求項2の太陽電池用ウエハ分離搬送方法は、前記ウエハ分離用真空吸引装置は、前記ウエハを吸引し搬送する真空吸引ベルトと、前記真空吸引ベルトを真空とする真空排気ポンプと、ウエハの重なりを防止するバックスピンローラーにより構成されることを特徴とする請求項18記載の太陽電池用ウエハ分離搬送方法である。
【0046】
本発明の請求項2の太陽電池用ウエハ分離搬送方法は、前記カセットに横置きで収納されたウエハは、水平面に対する角度と、前記ウエハ分離用真空吸引装置の真空吸引ベルトの水平面に対する角度とを同一とすることを特徴とする請求項18または請求項2に記載の太陽電池用ウエハ分離搬送方法である。
【発明の効果】
【0047】
本発明の請求項1のウエハ分離装置によれば、安価且つ小型でありながら、ウエハの分離性能を向上すると共に、ウエハの破損等の発生を抑制することができる。
【0048】
本発明の請求項2のウエハ分離搬送装置によれば、安価且つ小型でありながら、分離・搬送時におけるウエハの分離性能を向上すると共に、分離・搬送時におけるウエハの破損等の発生を抑制することができる。特に、ウエハが横置状態であるので、分離後、ウエハは、順次上昇していき、効率が良い。
【0049】
本発明の請求項3のウエハ分離搬送装置によれば、分離された横置き状態のウエハを、吸引しながら移動するウエハ分離用真空吸引装置が設置されているので、安価且つ小型でありながら、分離・搬送時におけるウエハの分離性能を向上すると共に、分離・搬送時におけるウエハの破損等の発生を抑制することができる。
従来の特許文献4では、吸着コンベアとウエハの間に流体の噴流を生じさせ、ウエハと吸着コンベアとの間に負圧を発生させていたが、本発明は、積載したウエハの側面に微細気泡を当てて、ウエハを微細気泡によって上昇させるので、本発明のウエハ分離搬送装置の方が、搬送中のウエハを痛めることがない。また、従来の特許文献4では、ウエハが2枚重なって、ウエハ搬送装置の吸着コンベアに運ばれた場合に、下側の重なった1枚のウエハを剥がす手段がなかったが、本発明のウエハ分離搬送装置では、ウエハ分離用真空吸引装置がバックスピンを設置しているので、下側の重なった1枚のウエハを剥がすことが可能であり、信頼性が格段に向上する。
【0050】
本発明の請求項4に記載のウエハ分離搬送装置によれば、各ウエハ間に向けて万遍無く微細気泡を噴出することができる。
【0051】
本発明のウエハ分離搬送装置によれば、ウエハ間に形成される溝の溝幅はワイヤソーのワイヤ径以上となるのが一般的であるため、ワイヤ径を基準としてそれ以下の気泡径の微細気泡を噴出することで、ウエハ間に微細気泡をより確実に侵入させることが可能となる。
【0052】
本発明の請求項1、7に記載のウエハ分離搬送装置によれば、ワイヤソーに用いられるワイヤのワイヤ径が100〜150μmであることから、その最小径を基準とした気泡径の微細気泡を発生させることで、特別な設定変更等をせずにウエハ間に微細気泡を確実に侵入させることが可能となる。
【0053】
本発明のウエハ分離搬送装置によれば、平均20μm以下の直径の微細気泡を前記ノズルから噴出させることにより、ウエハ間に侵入した微細気泡の数を大量化することにより、気体層の体積を増やすことができ、より確実な分離を実現することができる。尚、実際の微細気泡の気泡径は、ある程度の大小誤差が発生してしまうため、その平均値を気泡径の発生基準とすることにより、気泡径を規定することができる。
【0054】
本発明の請求項に記載のウエハ分離搬送装置によれば、前記回動装置が、前記カセット支持体を起立された際に、前記カセットに収納した横置き状態でのウエハ上縁部が前記液槽の縦内壁面に近接するように前記カセット支持体を確実の支持することができる。
【0055】
本発明の請求項1に記載のウエハ分離方法によれば、安価且つ小型でありながら、ウエハの分離性能を向上すると共に、ウエハの破損等の発生を抑制するウエハ分離方法を提供できる。
【0056】
本発明の請求項1に記載のウエハ分離搬送方法によれば、安価且つ小型でありながら、分離・搬送時におけるウエハの分離性能を向上すると共に、分離・搬送時におけるウエハの破損等の発生を抑制することができる。特に、ウエハが横置状態であるので、分離後、ウエハは、順次上昇していき、効率が良い。
【0057】
本発明の請求項1に記載のウエハ分離搬送方法によれば、分離された横置き状態のウエハを、吸引しながら移動するウエハ分離用真空吸引装置が設置されているので、安価且つ小型でありながら、分離・搬送時におけるウエハの分離性能を向上すると共に、分離・搬送時におけるウエハの破損等の発生を抑制することができる。
従来の特許文献4では、吸着コンベアとウエハの間に流体の噴流を生じさせ、ウエハと吸着コンベアとの間に負圧を発生させていたが、本発明のウエハ分離搬送装置では、積載したウエハの側面に微細気泡を当てて、ウエハを微細気泡によって上昇させるので、本発明のウエハ分離搬送装置の方が、搬送中のウエハを痛めることがない。また、従来の特許文献4では、ウエハが2枚重なって、ウエハ搬送装置の吸着コンベアに運ばれた場合に、下側の重なった1枚のウエハを剥がす手段がなかったが、本発明のウエハ分離搬送方法では、ウエハ分離用真空吸引装置がバックスピンを設置しているので、下側に重なった1枚のウエハを剥がすことが可能であり、信頼性が格段に向上する。
【0058】
本発明の請求項17に記載の太陽電池用ウエハ分離搬送方法によれば、安価且つ小型でありながら、分離・搬送時におけるウエハの分離性能を向上すると共に、分離・搬送時におけるウエハの破損等の発生を抑制することができる。特に、ウエハが横置状態であるので、分離後、ウエハは、順次上昇していき、効率が良い。
【0059】
本発明の請求項18に記載の太陽電池用ウエハ分離搬送方法によれば、分離された横置き状態のウエハを、吸引しながら移動するウエハ分離用真空吸引装置が設置されているので、安価且つ小型でありながら、分離・搬送時におけるウエハの分離性能を向上すると共に、分離・搬送時におけるウエハの破損等の発生を抑制することができる。
【0060】
本発明によれば、微細気泡によってウエハを上昇させるので、ウエハの搬送中においてウエハを痛めることがなく、また搬送中のウエハが2枚重なることを防止することができる信頼性の高い、安価且つ小型でありながら、太陽電池用ウエハの分離・搬送時におけるウエハの分離性能を向上すると共に、分離・搬送時におけるウエハの破損等の発生を抑制することができるウエハ分離装置、ウエハ分離搬送装置、ウエハ分離方法、ウエハ分離搬送方法及び太陽電池用ウエハ分離搬送方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本発明の実施の形態1のウエハ分離搬送装置の正面方向の断面図である。
図2】本発明の実施の形態1のウエハ分離搬送装置の正面方向の断面図であって、図1において、回動装置15によって、ウエハを横置状態として、ウエハカセットを槽内の溶液に浸漬した状態である。
図3】本発明のウエハ分離搬送装置の側面方向の断面図であって、ノズル17がウエハWに向かっている図である。
図4】本発明のウエハ分離搬送装置の側面方向の断面図であって、ウエハWから、上側のウエハW3、W2が順次、槽内の溶液中を上昇していく図である。
図5】本発明のウエハ分離搬送装置での気泡の説明図であって、図5(A)はウエハと気泡との関係を示す要部の拡大断面図、図5(B)は気泡の説明図である。
図6】本発明の実施の形態1でのウエハ分離搬送装置における、ウエハ切断から分離・搬送に至る作業ルーチンを示すフロー図である。
図7】本発明の実施の形態2のウエハ分離搬送装置の正面方向の断面図である。
図8図7における、分離用真空ベルトの平面図である。
図9】シリコンインゴットの成形過程を示す説明図である。
図10】シリコンインゴットのワイヤソー切断状態を示す説明図である。
図11】シリコンインゴットの分離前(バッチ)状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0062】
1…シリコンインゴット
1a…シリコン端材
1b…シリコン端材
2…シリコンブロック
3…ワイヤソー
4…ワイヤ
5…ワイヤガイド
6…ワイヤ繰出しプーリ
7…ワイヤ巻取りプーリ
8…ワイヤ巻取り装置
9…取付体
10…支持板
11…ウエハ分離搬送装置
12…カセット
12a…下方開口
13…カセット支持体
13a…下方開口
14…昇降装置
15…回動装置
16…液槽
17…ノズル
18…微細気泡発生装置
19…取出体
20…搬送体
21…移動装置
23…シャフト
24…中間支持体
25…ガイドレール
26…ガイド板
27…固定シャフト
28…固定基板
29…支持基板
29a…下板
29b…上板
29c…縦板
30…軸支持部
31…駆動モータ
32…駆動プーリ
33…回転軸
34…従動プーリ
35…無端ベルト
36…回動アーム
37…搬送支持プレート
40…ウエハ分離用真空吸引装置
41…真空排気ポンプ
42…真空吸引ベルト
43…吸引穴
19a…バックスピンローラー
20a…搬送ローラー
W、W1、W2…ウエハ
120…カセット
【発明を実施するための形態】
【0063】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るウエハ分離搬送装置について、図面を参照して説明する。尚、以下に示す実施形態は本発明のウエハ分離搬送装置における好適な具体例であり、例えば、数値限定や材料限定等の技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。
【0064】
先ず、本発明の実施の形態1に係るウエハ分離搬送装置について、図9図11に基づいて、単結晶シリコンウエハの分離前に至る製造工程の一例を説明する。
【0065】
即ち、図9に示すように、単結晶シリコンウエハは、先ず、CZ法(引き上げ法)等によって製造された図示左右両端(成長時上下)に略円錐形のシリコン端材を一体に備えた略円筒形型のシリコンインゴット1(図9上段参照)を、その各シリコン端材1a,1bを切り出したうえで必要に応じて適当な寸法(長さ)に切り出し(図9中段参照)、次いでバンドソー等を用いて円柱体から断面略四角形の角柱体(場合によって各角部を面取り)のシリコンブロック2を得る(図9下段参照)。
【0066】
即ち、太陽電池用のシリコンウエハの製造においては、シリコンブロック2の断面形状は、矩形または略矩形であるのが好ましく、シリコンインゴット1から切り出したものであるのが好ましい。
【0067】
次に、図10に示すように、ワイヤソー3を用いて、シリコンブロック2を多数枚に切断する。
【0068】
このワイヤソーは、複数の溝に沿って切断用のワイヤ4を螺旋状に巻きつけた複数本(例えば、3本)のワイヤガイド5を回転させ、ワイヤ4を走行させ、オイルと砥粒の混合液であるスラリーをスラリーノズル(図示せず)から吐出させると共に、その状態でワイヤ4とシリコンブロック2との間に切削送りを付与してシリコンブロック2を多数枚に切断する。
【0069】
尚、図10中、6はワイヤ繰出しプーリ、7はワイヤ巻取りプーリ、8はワイヤ巻取り装置である。
【0070】
また、ワイヤ4によるシリコンブロック2を切断する際には、例えば、ブロック昇降支持装置(図示せず)に設けられたステンレス等の取付体9にガラス等の支持板10を装着し、この支持板10の下面に接着剤(図示せず)を介してシリコンブロック2の上面を接着固定する。また、ワイヤ4による切断時には、切断後の各ウエハの枚葉化が容易となるように、支持板10の下側一部まで切溝を入れる。
【0071】
その後、取付体9から支持板10を取り外すと、図11に示すように、支持板10に貼着した柱状集合状態の切溝入りシリコンブロック2を得ることができる。
【0072】
このシリコンブロック2は、支持板10に貼着した柱状集合状態のままスラリーや切粉等を除去するために予備洗浄装置(図示せず)により予備洗浄した後、二次洗浄によってシリコンブロック2から支持板10を剥離して枚葉化する。
【0073】
以下、本発明の実施の形態1に係るウエハ分離搬送装置を図1から図5を参照して説明する。
【0074】
図1は本発明の一実施形態に係るウエハセット状態のウエハ分離搬送装置の正面図である。
図2は、本発明のウエハ分離搬送装置の正面方向の断面図であって、図1において、回動装置15によって、ウエハを横置状態として、ウエハカセットを槽内の溶液に浸漬した状態である。
図3は、本発明のウエハ分離搬送装置の側面方向の断面図であって、ノズル17がウエハWに向かっている図である。
図4は、本発明のウエハ分離搬送装置の側面方向の断面図であって、ウエハWから、上側のウエハW3、W2が順次、槽内の溶液中を上昇していく図である。
図5は本発明の一実施形態に係るウエハ分離装置を示し、図5(A)はウエハと気泡との関係を示す要部の拡大断面図、図5(B)は気泡の説明図である。
図6は本発明の一実施形態に係るウエハ分離装置を示し、ウエハ切断から分離・搬送に至る作業ルーチンを示すフロー図である。
なお、上記説明及び以下の説明はエハを例にとっているが、薄膜基板が密着して積層している場合全てについて本発明は適用することが可能であり、本願書類においてはウエハの概念の中に薄膜基板を含むものとする。
また、薄膜基板は200μm以下のものが一般的に使用されるが、100μm以下の場合に本発明の効果は特に顕著となる。すなわち、100μm以下の板厚の場合には、わずかな外部圧力により簡単に割れが生じてしまうため、外部機器と非接触状態で分離が望まれるからである。
【0075】
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係るウエハ分離搬送装置11は、枚葉化された多数枚のウエハWを密着状態の縦置きで収納すると共に少なくとも上下に開放するカセット12と、カセット12を着脱可能支持し且つ少なくとも上下に開放するカセット支持体13と、カセット支持体13をカセット12と一体に昇降させる昇降装置14と、昇降装置14に設置されてカセット12に収納されたウエハWを縦置き状態と横置き状態とに切り換えるようにカセット支持体13をカセット12と一体に回動させる回動装置15と、昇降装置14が下降した際にカセット支持体13がカセット12と一体に浸される液体を収容した液槽16と、液槽16内に設置されてカセット支持体13の下方から多数枚のウエハWに向って微細気泡を噴出するノズル17と、ノズル17から噴出される微細気泡を発生させる微細気泡発生装置18と、液槽16内から上昇された縦置き状態のウエハWを最上位から取り出す取出体19と、取出体19で取り出した最上位のウエハWを搬送する搬送体20(図3にて、図示している。)とを備えている。
【0076】
このような構成のウエハ分離搬送装置11によれば、安価且つ小型でありながら、分離・搬送時におけるウエハWの分離性能を向上すると共に、分離・搬送時におけるウエハWの破損等の発生を抑制することができる。
【0077】
この際、ウエハ分離搬送装置11は、ノズル17又はカセット支持体13をウエハWの隣接方向に沿って移動させる移動装置21を設けることにより、各ウエハW間に向けて万遍無く微細気泡を噴出することができる。
【0078】
さらに、微細気泡発生装置18は、マイナスに帯電された微細気泡をノズル17から噴出させることにより、ワイヤソー3による切断後のウエハW間がプラスに帯電されている場合に、ウエハW間へ微細気泡を引き込むように侵入させることができる。
【0079】
また、微細気泡発生装置18は、ワイヤソー3によって切断された際の溝幅以下の直径の微細気泡をノズル17から噴出させるのが好ましく、シリコンインゴット1を枚葉化する際に用いられたワイヤソー3に用いられているワイヤ4のワイヤ径以下の直径の微細気泡をノズル17から噴出させるのがより好ましく、100μm以下の直径の微細気泡をノズル17から噴出させるのがより一層好ましく、平均20μm以下の直径の微細気泡をノズル17から噴出させるのが最良である。
任意の一定時間にノズルから噴出される例えばN個の泡のそれぞれの直径D1−DNを平均化して得られた平均値が100μm以下であることが好ましい。また、20μm以下がさらに好ましい。直径の分布としては、正規分布、ガンマ分布、カイ二乗分布のいずれの分布でもよい。なお、気泡作成の困難性の点から下限としては0.1μmが好ましい。
ウエハの非分離の発生頻度についてみると、気泡の平均直径が100μmの場合を1とすると、150μmの場合はその発生頻度は約5である。200μmの場合は、その発生頻度は、約5.5となる。しかも、3枚重ね状態も頻発する。一方、20μm以下の場合は、その発生頻度は、約0.1となる。
なお、平均値にかかわりなく、1−20μmの気泡が全体の気泡中に20%(個数%)以上存在した場合には、20%未満の場合に比べて著しく非分離の発生頻度が減少する。20%を1とすると、5%では4、10%では6、30%では0.8、40%、50%では0.8となる。したがって、1−20μmの気泡が全体の20%以上とすることが好ましい。なお、40%を超えても効果は飽和するので20−40%とすることが好ましい。
【0080】
尚、カセット12には、シリコンインゴット1を枚葉化する際に用いられたワイヤソー3の走行方向と取出体19及び搬送体20によるウエハW取出・搬送方向とが同じとなるように、枚葉化された多数枚のウエハWが密着状態の縦置きで収納されるのが好ましい。
【0081】
以下、本発明のウエハ分離搬送装置11の具体的な構成を説明する。
【0082】
カセット12は、多数枚のウエハWを収納することができ且つノズル17から噴射された微細気泡を通過させるための下方開口12aが形成されていれば、特に、強度を確保したうえで形状や材質等は限定されるものではない。尚、本実施の形態においては、ウエハWの収納が可能となるように、上方にも開口していると共に、後述するウエハWの取り出し時に取出体19が横置き最上位に位置するウエハWと接触することができるように、ウエハWの高さ(縦置き時)よりも低く設定されている。
【0083】
カセット支持体13は、カセット12の着脱及び支持をすることができ且つノズル17から噴射された微細気泡を通過させるための下方開口13aが形成されていれば、特に、強度を確保したうえで形状や材質等は限定されるものではない。尚、本実施の形態においては、カセット12の収納が可能となるように、上方にも開口していると共に、後述する取り出し時に取出体19が横置き最上位に位置するウエハWと接触することができるように、ウエハWの高さ(縦置き時)よりも低く設定されている。
【0084】
昇降装置14は、図示を略す昇降駆動装置(例えば、ソレノイド)の駆動によって伸張するシャフト23と、シャフト23の上端に固定された中間支持体24と、液槽16の側壁に上下方向に沿って延在固定されたガイドレール25と、中間支持体24に設けられてガイドレール25に案内されるガイド板26と、中間支持体24から立設された固定シャフト27と、固定シャフト27の上端に固定された固定基板28と、固定基板28に固定された断面クランク形状の支持基板29と、支持基板29の下板29aに固定された軸支持部30と、を備えている。
【0085】
尚、ガイドレール25とガイド板26とは、固定シャフト27によって回動装置15並びにカセット12を片持ち状態で支持することから、その重量バランス(図1の紙面左右方向)を考慮した位置でスライドするように設定されている。
【0086】
また、支持基板29は、固定基板28の上面に固定されて先端が液槽16の内側に突出する上板29bと、上板29bの先端から下方に延びる縦板29cと、縦板29cの下端から液槽16の内方側に向けて直角に屈曲する水平な下板29aと、を一体に備え、これら各板29a,29b,29cによって断面略クランク形状に形成されている。)
【0087】
回動装置15は、上板29bに固定されてその出力軸が液槽16の内側に向けて突出した駆動モータ31と、駆動モータ31に設けられた駆動プーリ32と、軸支持部30を貫通する回転軸33と、回転軸33の一端に設けられた従動プーリ34と、各プーリ32,34間に回動移動可能に張設された無端ベルト35と、回転軸33の他端に設けられた回動アーム36と、を備え、この回動アーム36(35)にカセット支持体13が固定されている。また、駆動モータ31の駆動によって、回動アーム35を回動させることによって、カセット12がカセット支持体13と一体に回動し、
図1に示すように、その倒伏状態(水平状態)のときにカセット12に収納された各ウエハWが縦置きとなり、
図2に示すように、その起立状態(垂直状態)のときにカセット12に収納されたウエハWが横置きとなる。
【0088】
また、回動アーム36は、その起立状態のときに、カセット12に収納されたウエハWの上縁部(縦置き時)が液槽16の内壁面に略密着する位置にまで接近できるように設定されている。尚、その起立時にウエハWの上縁部(縦置き時)が液槽16の内壁面に略密着する位置にまで接近させると、後述するウエハW間に侵入した微細気泡Bによって各ウエハWが不測に動いてしまうことを抑制することができる。
【0089】
液槽16は、その内部に、純水等の液体が収納され、昇降装置14の下降によってカセット12に収納されたウエハWが完全に浸されるような深さを備えている。尚、本実施の形態においては、液槽16の深さは、昇降装置14が下死点に位置した状態でカセット支持体13を起立させた状態においても、ウエハWが完全に浸っている深さ(少なくとも液位)に設定されている。また、液槽16内に収納される液体は、後述する微細気泡がウエハW間にある程度の時間留まる必要があることを考慮し、揮発性を除いて適宜選択し得るもので、例えば、2次洗浄を兼ねた場合には2次洗浄液等を用いることができる。
【0090】
ノズル17は、液槽16の最深部付近に設置され、微罪気泡発生装置18で発生された微細気泡を噴出することができれば、その数等は特に限定されるものではない。
【0091】
微細気泡発生装置18は、例えば、ポンプやミキサー(共に図示せず)等を備え、その圧力設定を行うことで発生させる微細気泡の気泡径を変更調節することができる公知のものが用いられている。尚、本実施の形態においては、100μm以下とされ、厳密には、図5(A)に示すように、ウエハW間に侵入した微細気泡Bの平均気泡径が20μm付近である、所謂、ナノバブルを発生させることができれば、その構造等は特に限定されるものではない。
【0092】
この際、微細気泡発生装置18は、図5(B)に示すように、その気泡内周囲がマイナス(−)に帯電されている。
【0093】
これにより、例えば、予備洗浄又は二次洗浄時に除去されるスラリー等がプラスに帯電されていることから、このスラリーが二次洗浄後においても残存してしまっている場合を含め、ウエハWの間等がプラスに帯電されていることが多いものとして、マイナスに帯電された微細気泡を引き付き効果によって効率良くウエハW間に侵入させることができる。
【0094】
取出体19には、図示を略する駆動モータ等の駆動によって回転(図1の反時計回り方向)するローラ体等が用いられており、その材質等は、弾性を備え且つ摩擦抵抗が比較的高いものが用いられている。また、取出体19は、本実施の形態では、一つのローラ体からなるが、ウエハWの搬送幅を考慮した位置並びに数に設定することができる。
【0095】
搬送体20は、取出体19を回転駆動させる駆動モータを兼用又は別途設置によって、互いに逆方向に回転することでウエハWをニップ搬送する上下一対のローラ体から構成され、必要に応じて、搬送方向下流側に複数設置すると共に、その搬送体20間に搬送支持プレート37等を設置することができる。尚、搬送体20の材質等は、弾性を備え且つ摩擦抵抗が比較的高いものが用いられている。
【0096】
移動装置21は、ノズル17をウエハWの隣接方向に沿って水平に移動させるもので、例えば、5.0mm/secの速度で移動させる。尚、この移動装置21は、ノズル17を移動させる代わりに、カセット12をウエハWの隣接方向に沿って水平に移動させても良い。
【0097】
図6は、本発明の実施の形態1でのウエハ分離搬送装置における、ウエハ切断から分離・搬送に至る作業ルーチンを示すフロー図である。図6に記載したステップを用いて以下説明する。
前記ウエハ分離搬送装置11の構成において、ウエハWは、シリコンインゴット1を支持板10と一体に多数枚に切断する切断ステップ(ステップS1)と、切断後のシリコンインゴット1を支持板10から剥離して枚葉化する剥離ステップ(ステップS2)と、剥離後の枚葉化された多数枚のウエハWを少なくとも上下に開放するカセット12内に密着状態の縦置きで収納する収納ステップ(ステップS3)と、少なくとも上下に開放するカセット支持体13にカセット12を装着支持させる装着支持ステップ(ステップS4)と、
回動装置15を用いて多数枚の各ウエハW間に微細気泡を侵入停滞させたままのカセット支持体13をカセット12と一体に回動させて多数枚のウエハWを横置きとする回動ステップ(ステップ5)と、昇降装置14を用いてカセット支持体13をカセット12と一体に下降させて横置き状態のウエハWを液槽16内の液体に浸す横置き状態下降ステップ(ステップS6)と、カセット支持体13の下方から横置き状態のウエハWに向けて微細気泡発生装置18で発生させた微細気泡をノズル17から噴出して多数枚の各ウエハW間に微細気泡を侵入停滞させる微細気泡噴出ステップ(ステップS7)と、自然に分離した最上位に位置するウエハWを液槽16の少なくとも液面よりも上方へと引き上げる上昇ステップ(ステップS8)と、液面よりも上方に引き上げられた最上位のウエハWを取り出す取り出しステップ(ステップS9)と、取り出し後のウエハWを搬送する搬送ステップ(ステップS10)と、搬送されたウエハWを太陽電池製造装置に移送する移送ステップ(ステップS11)と、を経由することによって、例えば、P型ウエハW又はN型ウエハWを製造するためのテクスチャ処理を施すための化学エッチング装置に向けてウエハWを移送するといったように、太陽電池用ウエハとして製造工程に引き継ぐことができる。
【0098】
即ち、ステップS1でワイヤソー3を用いてシリコンインゴット1を切断した後には、ワイヤソー3から支持体10で支持されたままの切断済みシリコンインゴット1が、公知の予備洗浄装置並びに二次洗浄装置を経由することでスラリー等が除去されると共に、支持体10が除去されて、ウエハWが枚葉化される(ステップS2。
【0099】
その枚葉化された各ウエハWは、今まで手作業で洗浄・剥離・分離作業が行われていた際に使用されていたカセット12等を用いて、そのカセット12内に密着した状態のまま多数枚のウエハWが収納され(ステップS3)、工場等に応じてウエハ分離搬送装置11にまで持ち込まれたうえで、そのカセット12をカセット支持体13に装着支持させる(ステップS4)。
【0100】
その後に、ソレノイド等を駆動してカセット支持体13を下降させて予め液体が収納された液槽16にウエハWが完全に浸る下死点にまで下降させる(ステップS5)。
【0101】
次に、微細気泡発生装置18を駆動させて、ノズル17から平均で気泡径20μmの微細気泡を噴出させ、ノズル17を所定の速度で移動させつつ各ウエハWの間に、その平均気泡径20μmの微細気泡(ナノバブル)Bを侵入させる(ステップS6)。
【0102】
さらに、全てのウエハW間に微細気泡Bが侵入したらば、駆動モータ31を駆動させて無端ベルト35の回動移動により回転軸33を回転させ、回動アーム36の回動に連動してカセット支持体13を起立させる(ステップS7)。
【0103】
この後、最上位に位置するウエハWが液槽16の上縁部よりも上方に位置した所定取り出し位置にまでカセット支持体13を上昇させ、その所定取り出し位置にて停止する(ステップS8)。
【0104】
すると、最上位に位置したウエハWに取出体19が接し、取出体19の回転によって最上位に位置するウエハWが取り出され(ステップS9)、そのまま搬送体20によってニップ搬送され(ステップS10)、太陽電池製造装置へと移送される(ステップS11)。 尚、このステップS9〜S11は、次段以降の順次最上位に位置するウエハWに対しても行われ、必要に応じて(例えば、3枚毎等)昇降装置14が下セット支持体13を上昇させる。
【0105】
このように、本発明に係るウエハ分離装置によれば、支持体10から剥離された後の多数枚の各ウエハW間に微細気泡Bを侵入させることにより、各ウエハW間のくっつきを抑制し、効率良く分離作業を行うことができる。
【0106】
また。微細気泡Bが各ウエハW間に侵入しているだけで、分離状態となっていることから、強引な分離(例えば、圧力水噴射等)による破損等の発生を抑制することができる。
【0107】
ところで、上記実施の形態では、本発明に係るウエハ分離装置を単結晶シリコンウエハに適用して説明したが、多結晶シリコンウエハへの適用も可能である。
【0108】
この際、多結晶シリコンウエハは、例えば、バンドソーなどを用いて四角形型の多結晶シリコンインゴットを四角形型の多結晶シリコンブロックに切り出したうえで、寸法出しやエッチング等の仕上げ工程に付した後、上述したワイヤソー等によって切断される。
従来の特許文献4では、吸着コンベアとウエハの間に流体の噴流を生じさせ、ウエハと吸着コンベアとの間に負圧を発生させていたが、本実施の形態1のウエハ分離搬送装置は、積載したウエハの側面に微細気泡を当てて、ウエハを微細気泡によって上昇させるので、本発明のウエハ分離搬送装置の方が、搬送中のウエハを痛めることがない。
(実施の形態2)
【0109】
図7は、本発明の実施の形態2のウエハ分離搬送装置の正面方向の断面図である。
図8は、真空ベルトの平面図である。図8にて、真空ベルト42には、吸引穴43が配列されている。
【0110】
図7のウエハ分離搬送装置11は、枚葉化された多数枚のウエハを密着状態の横置きで収納すると共に、少なくとも左右に開放するカセットと、該カセットを着脱可能支持し且つ少なくとも上下に開放するカセット支持体と、該カセット支持体を前記カセットと一体に昇降させる昇降装置と、該昇降装置に設置されて前記カセットに収納されたウエハを縦置き状態から、横置き状態とに切り換えるように前記カセット支持体を前記カセットと一体に回動させる回動装置と、前記昇降装置が下降した際に前記カセット支持体が前記カセットと一体に浸される液体を収容した液槽と、該液槽内に設置されて前記カセット支持体の下方から多数枚のウエハに向って微細気泡を噴出するノズルと、該ノズルから噴出される微細気泡を発生させる微細気泡発生装置と、前記液槽内から浮き上がり、上昇された横置き状態のウエハを、吸引しながら移動するウエハ分離用真空吸引装置40を備えている。
ここで、カセット支持体、回動装置は、先の図1図4に示した内容と、構造が同一であり、図7では、図示していない。
【0111】
なお、図7にて、ウエハを収納したカセット120は、水平面に対して、角度を有した配置であって、先の実施の形態1で説明した回動装置によって、水槽の水面化で、上部が、水面の近い位置で、保持されている。
【0112】
また、ウエハ分離用真空吸引装置40は、先のカセット120の水平面に対する角度と同じ程度の角度が調整されて固定されている。
前記ウエハ分離用真空吸引装置40は、前記ウエハを吸引し搬送する真空吸引ベルト42と、前記真空吸引ベルト42を真空とする真空排気ポンプ41と、ウエハの重なりを防止するバックスピンローラー19aにより構成されている。
【0113】
さらに、微細気泡発生装置が、マイナスに帯電された微細気泡をノズル17から噴出させることにより、ワイヤソー3による切断後のウエハW間がプラスに帯電されている場合に、ウエハW間へ微細気泡を引き込むように侵入させることができる。
移動装置21は、ノズル17をウエハWの隣接方向に沿って水平に移動させるもので、例えば、5.0mm/secの速度で移動させる。尚、この移動装置21は、ノズル17を移動させる代わりに、カセット12をウエハWの隣接方向に沿って水平に移動させても良い。
【0114】
ウエハ分離用真空吸引装置4は、液槽内から浮き上がり、上昇された横置き状態のウエハを、吸引しながら移動する機能を有する。ここで、バックスピンローラー19aは、反時計まわりの回転を行い、例えば、ウエハが2枚重なった場合、下側のウエハを剥離する作用を行う。
従来の特許文献4では、吸着コンベアとウエハの間に流体の噴流を生じさせ、ウエハと吸着コンベアとの間に負圧を発生させていたが、本実施の形態2のウエハ分離搬送装置は、積載したウエハの側面に微細気泡を当てて、ウエハを微細気泡によって上昇させるので、本発明のウエハ分離搬送装置の方が、搬送中のウエハを痛めることがない。
また、従来の特許文献4では、ウエハが2枚重なって、ウエハ搬送装置の吸着コンベアに運ばれた場合に、下側の重なった1枚のウエハを剥がす手段がなかったが、本実施の形態2のウエハ分離搬送装置では、ウエハ分離用真空吸引装置がバックスピンを設置しているので、下側に重なった1枚のウエハを剥がすことが可能であり、信頼性が格段に向上する。
【産業上の利用分野】
【0115】
本発明のウエハ分離装置、ウエハ分離搬送装置、ウエハ分離方法、ウエハ分離搬送方法及び太陽電池用ウエハ分離搬送方法によれば、安価且つ小型でありながら、半導体製造装置におけるウエハの分離・搬送時におけるウエハの分離性能を向上すると共に、分離・搬送時におけるウエハの破損等の発生を抑制することができ、また、ウエハが2枚重なることを防止することができ、半導体製造装置への適用、主として太陽電池用シリコンウエハを扱う半導体製造装置への適用に最適である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11