(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本技術の実施の形態を図面を参照して説明する。
[実施の形態]
以下、実施の形態のタグアクセス装置を、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、実施の形態のタグアクセス装置を示す図である。
タグアクセス装置1は、RFIDタグ11にアクセスして情報を取得する情報取得装置である。タグアクセス装置1は、タグアクセスアンテナ装置2とリーダライタ3とを有している。なお、RFIDタグ11は、電波による個体識別が可能な無線タグである。
【0013】
タグアクセスアンテナ装置2は、リーダライタ3の指示に応じて電界を発生し、複数の試験管10それぞれに取り付けられたRFIDタグ11にアクセスする。なお、試験管10は、検体容器の一例である。各試験管10には、たとえば血液等の検体が収容されている。各試験管10の半径は、たとえば12mm程度である。検体、または検体を収容する検体容器は、一意の識別対象となる識別対象物である。
【0014】
各試験管10は、検体ラック12に収容されている。検体ラック12は、複数の試験管10を所定の間隔(たとえば、試験管の中心間が20mm間隔)に格子状に並べて保持する。この検体ラック12は、各試験管10が情報取得領域に位置するように、図示しない支持機構によって支持されている。情報取得領域は、タグアクセスアンテナ装置2がRFIDタグ11にアクセスして情報を取得可能な領域である。情報取得領域は、タグアクセスアンテナ装置2に対してX方向、Y方向、およびZ方向において所定の位置関係にある領域である。
【0015】
タグアクセスアンテナ装置2は、筐体21と、筐体21に取り付けられた4つのアンテナ20と、仕切壁23とを有している。なお、
図1では、筐体21を点線で示し、筐体21の内部および仕切壁23を透過して示している。
【0016】
筐体21は、アンテナ20を収容する収容体である。筐体21は、直方体の箱形状であり、検体ラック12に臨む面を情報取得領域対向面24とする。情報取得領域対向面24は、検体ラック12を載置する載置面であってもよく、この場合、筐体21は、検体ラック12の支持機構を兼ねる。
【0017】
筐体21は、導電性部材で構成される。筐体21は、たとえば、鉄、銅、SUS(Steel Use Stainless:ステンレス鋼)等の金属板で構成されている。そして、筐体21の側面および上面は、たとえば、樹脂等の絶縁部材からなる化粧板で導電性部材が覆われている。
【0018】
タグアクセスアンテナ装置2は、筐体21の底面を導電性部材で構成することにより、アンテナ20の電波特性の安定を図ることができる。アンテナ20は、放射面22を情報取得領域対向面24に向けて筐体21の底面に支持されて筐体21に収容される。アンテナ20は、それぞれが発生させる電界の一部が互いに重なるように等間隔(たとえば、150〜200mm間隔)で筐体21に取り付けられている。すなわち、各アンテナ20は、情報取得領域のうちのそれぞれ異なる一部に放射面を向ける。各アンテナ20は、それぞれ同軸ケーブル5によってリーダライタ3に接続されている。なお、筐体21の側面には、同軸ケーブル5を通す孔部が設けられている。
【0019】
仕切壁23は、筐体21の内部に位置し、各アンテナ20の収容空間を仕切る導電性の板状部材である。仕切壁23は、たとえば、鉄、銅、SUS等の金属板で構成されている。仕切壁23は、仕切壁23によって、あるいは仕切壁23と筐体21の側壁とによって、筐体21より小容量の導電性収容体を形成する。
図1に示す仕切壁23は、4つの収容小室内にそれぞれアンテナ20が位置するように、筐体21の収容室内を十字状に仕切る。仕切壁23によって形成される導電性収容体は、アンテナ20を収容し、導電性収容体の開放端面となる放射面22への磁界強度を増加させる作用を有する。
【0020】
また、仕切壁23は、筐体21の側壁より筐体21の底面からの高さが低いため、筐体21の天井面である情報取得領域対向面24との間に間隙を有する。仕切壁23は、間隙によりアンテナ20からの漏れ電磁界を生じさせ、各アンテナ20の情報取得領域を重複させる。
【0021】
アンテナ20は、円筒形状のマルチフィラ(多巻線)ヘリカルアンテナである。例示するアンテナ20は、4巻線であるが、その他の巻線数(たとえば、2巻線、8巻線など)であってもよい。また、アンテナ20は、パッチアンテナなど、その他のアンテナであってもよい。
【0022】
各アンテナ20は、円偏波アンテナを構成する給電点にハイブリッド(90°位相器付きの分配器)を有している。これにより、RFIDタグ11へのアクセス精度が向上する。各アンテナ20は、UHF帯(たとえば920MHz帯)を用いてRFIDタグ11にアクセスする。UHF帯を用いることで、RFIDタグ11にアクセス可能な距離を、13.56MHz帯を用いてアクセス可能な距離よりも延長することができる。
【0023】
リーダライタ3は、制御装置4のRFIDタグ11へのアクセス要求に応じて制御装置4と各種コマンドをやりとりする。その後、アンテナ20に対し、電力を供給し、アンテナ20に電界を発生させる。また、リーダライタ3は、電界の発生によりRFIDタグ11から得られた情報を制御装置4に転送する。
【0024】
制御装置4は、ユーザが、タグアクセス装置1にRFIDタグ11へのアクセスを実行させる際に操作する装置である。
次に、RFIDタグを付した試験管について
図2を用いて説明する。
図2は、実施の形態のRFIDタグを付した試験管の概観を示す図である。
【0025】
試験管10は、上端を開放し、下端を短径長尺の円筒形状の検体収容容器である。試験管10は、ガラスや樹脂等の絶縁性部材で形成されている。試験管10は、側面にシール状のRFIDタグ11を貼付する。RFIDタグ11は、適度の柔軟性を有し、試験管10の外周面に沿って円弧状に貼付される。RFIDタグ11の試験管10の外周の長さに比して幅が短い。
【0026】
RFIDタグ11は、PET(ポリエチレンテレフタラート)などの基材に、微小ループアンテナ13とIC(Integrated Circuit)チップ14を備える。微小ループアンテナ13は、基材上にループアンテナを形成する。ICチップ14は、ユニークなIDや、試験管10に収容された検体に関する情報を記憶する。なお、この他にもRFIDタグ11に数字やバーコード情報等任意の情報が設定されていてもよい。たとえば微小ループアンテナ111の最大外径は、33mm、厚さは20μm、パタン幅は2mmとすることができる。また、微小ループアンテナ13の構成材料は、たとえば、銅とすることができるが、銅以外にも銀や、アルミニウム等の導電体を用いることができる。
【0027】
図2では、微小ループアンテナ13の電波の指向性の一例を破線で示している。微小ループアンテナ13は、RFIDタグ11が試験管10の側面外周を巻回するように貼付されることで、水平方向に比べ、垂直方向、すなわち試験管10の長手方向に強い指向性を示す。このため、試験管10内部の検体や、隣接する試験管10やその内部の検体に電波が遮られる可能性を低くすることができる。また、RFIDタグ11を側面に取り付けるだけで、垂直方向に強い指向性を示すので、RFIDタグ11を取り付ける特別な試験管を用意することなく、既存の試験管10を用いることができる。更に、水平方向への指向性の低い微小ループアンテナ13を採用したRFIDタグ11を用いることで、試験管内部の物質の誘電率等の影響を受け難くなっている。この事で、試験管内部の検体の量や組成による影響を受け難くすることができる。
【0028】
次に、検体ラックに収容されている状態の試験管について
図3を用いて説明する。
図3は、実施の形態の検体ラックに収容されている状態の試験管を俯瞰した図である。
検体ラック12は、縦横に直交する格子状に配列して、複数の試験管10を収容する。図示する検体ラック12は、6行8列48本の試験管10を収容するが、これに限らず10行10列100本の試験管10を収容するものであってもよい。また、検体ラック12は、収容位置に漏れなく試験管10を収容するが、必ずしもこれに限らない。
【0029】
試験管10は、検体ラック12によって外周方向の向きを何ら規制されない。そのため、検体ラック12は、試験管10に貼付されるRFIDタグ11の向きを不揃いにしている。特に人手を用いる場合、試験管10がRFIDタグ11の向きを揃えて検体ラック12に収容されることは、期待できない。
【0030】
そのため、RFIDタグ11の微小ループアンテナ13の向きは、試験管10ごとに異なり、また試験管が収容する検体の影響も異なる。そのため、微小ループアンテナ13は、試験管10ごとに受信感度が異なる。
【0031】
タグアクセスアンテナ装置2は、4つのアンテナ20を備え、各アンテナ20が情報取得領域R1を分担する。4つのアンテナ20は、それぞれ情報取得領域R2,R3,R4,R5に位置するRFIDタグ11からの情報取得を担当する。情報取得領域R2,R3,R4,R5は、それぞれ他の情報取得領域と重複する領域と、いずれの情報取得領域とも重複しない領域とからなる。いずれの情報取得領域とも重複しない領域は、1つのアンテナ20によってRFIDタグ11からの情報取得を十分におこなうことができる領域である。他の情報取得領域と重複する領域は、1つのアンテナ20によってRFIDタグ11からの情報取得をおこなうことができない場合がある領域であり、2以上のアンテナ20によってRFIDタグ11からの情報取得を十分におこなうことができる領域である。
【0032】
他の情報取得領域と重複する領域と、いずれの情報取得領域とも重複しない領域との設定は、アンテナ20の出力、放射面22の向きなどによって変わるほか、試験管10のRFIDタグ11の向きなどによっても変わり得る。タグアクセスアンテナ装置2は、筐体21の内部に位置し、各アンテナ20の収容空間を仕切る仕切壁23によっても、他の情報取得領域と重複する領域と、いずれの情報取得領域とも重複しない領域との設定をおこなっている。これにより、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ20の出力を抑制してRFIDタグ11へのアクセスを効率よくおこなうことができる。
【0033】
次に、仕切壁からの漏れ電磁界について
図4を用いて説明する。
図4は、実施の形態のタグアクセスアンテナ装置における仕切壁からの漏れ電磁界の様子を示す図である。
タグアクセスアンテナ装置2は、筐体21の側面上端より高さd1(たとえば、1mmから2mm)だけ下がった位置にアンテナ20の放射面22が位置するようにアンテナ20を収容する。すなわち、アンテナ20の放射面22は、筐体21の天井面より高さd1だけ離れている。タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ20の放射面22より高さd2(たとえば、5mm)だけ下がった位置に仕切壁23の上端が位置する。アンテナ20は、筐体21の側面と仕切壁23とにより上端面を開放した導体性の小箱に収容された状態となり放射面22への磁界強度を増加させる。シミュレーションによれば、タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁23により磁界強度が40%程度増加する。
【0034】
放射面22と筐体21の側面上端との高さd1、および放射面22と仕切壁23の上端との高さd2は、その大きさに応じた漏れ電磁界を生じる。なお、タグアクセスアンテナ装置2は、高さd2>高さd1とすることで、磁界強度の増加と、漏れ電磁界による情報取得領域の重複の両立を図る。なお、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ20の放射面22の上方、高さd3の位置にRFIDタグ11が位置する。高さd3(たとえば、47mm)は、高さd1、および高さd2と比較して十分大きい。
【0035】
たとえば、アンテナ20aは、情報取得領域R2の範囲にあるRFIDタグ11を情報取得対象とする。アンテナ20bは、情報取得領域R3の範囲にあるRFIDタグ11を情報取得対象とする。アンテナ20aは、アンテナ20aの放射面22の上方に試験管10aが位置することから、RFIDタグ11aから良好に情報を取得することができる。アンテナ20aは、アンテナ20aの放射面22の上方に試験管10bが位置しないことから、RFIDタグ11bから情報を取得できない場合がある。このような場合に、アンテナ20bは、アンテナ20aに代わってRFIDタグ11bから情報を取得できる場合がある。このように、アンテナ20aとアンテナ20bが相互に補完することで、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大に設定しなくてもよい。
【0036】
次に、実施の形態の制御装置4のハードウェア構成について
図5を用いて説明する。
図5は、実施の形態の制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
制御装置4は、コンピュータ100と、コンピュータ100に接続する複数の周辺機器を含む。コンピュータ100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス109を介してRAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、たとえばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。またプロセッサ101は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
【0037】
RAM102は、コンピュータ100の主記憶装置として使用される。RAM102には、プロセッサ101に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、プロセッサ101による処理に必要な各種データが格納される。
【0038】
バス109に接続されている周辺機器としては、HDD(Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入出力インタフェース105、光学ドライブ装置106、機器接続インタフェース107およびネットワークインタフェース108がある。
【0039】
HDD103は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しをおこなう。HDD103は、コンピュータ100の補助記憶装置として使用される。HDD103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
【0040】
グラフィック処理装置104には、モニタ104aが接続されている。グラフィック処理装置104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をモニタ104aの画面に表示させる。モニタ104aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0041】
入出力インタフェース105には、キーボード105aとマウス105bと、図示しないリーダライタ3が接続されている。入出力インタフェース105は、プロセッサ101から送られてくる信号をリーダライタ3に送信する。入出力インタフェース105は、キーボード105aやマウス105b、リーダライタ3から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス105bは、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0042】
光学ドライブ装置106は、レーザ光などを利用して、光ディスク106aに記録されたデータの読み取りをおこなう。光ディスク106aは、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク106aには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
【0043】
機器接続インタフェース107は、コンピュータ100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置107aやメモリリーダライタ107bを接続することができる。メモリ装置107aは、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ107bは、メモリカード107cへのデータの書き込み、またはメモリカード107cからのデータの読み出しをおこなう装置である。メモリカード107cは、カード型の記録媒体である。
【0044】
ネットワークインタフェース108は、ネットワーク60に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワーク60を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信をおこなう。
【0045】
以上のようなハードウェア構成によって、実施の形態のコンピュータ100の処理機能を実現することができる。
コンピュータ100は、たとえば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、制御装置4の処理機能を実現する。コンピュータ100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。たとえば、コンピュータ100に実行させるプログラムをHDD103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、HDD103内のプログラムの少なくとも一部をRAM102にロードし、プログラムを実行する。また、コンピュータ100に実行させるプログラムを、光ディスク106a、メモリ装置107a、メモリカード107cなどの可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、HDD103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0046】
次に、広域読取処理について
図6を用いて説明する。
図6は、実施の形態の広域読取処理のフローチャートである。
広域読取処理は、タグアクセスアンテナ装置2の上に載置された検体ラック12に収容されている試験管10に付されているRFIDタグ11にアクセスして情報を読み取る処理である。広域読取処理は、制御装置4により実行される。制御装置4は、ユーザの指示を受けて広域読取処理を実行する。なお、制御装置4は、タグアクセスアンテナ装置2の上に検体ラック12が載置されたことを検出して広域読取処理を実行するものであってもよい。
【0047】
[ステップS11]制御装置4は、すべてのアンテナ20(第1アンテナ、第2アンテナ、第3アンテナ、および第4アンテナの4つ)の送信電力(たとえば、24dBm)を決定する。
【0048】
[ステップS12]制御装置4は、第1アンテナによりRFIDタグ11からEPC(Electronic Product Code)コード(情報)を取得する。制御装置4は、検体ラック12に収容されている試験管10に付されているRFIDタグ11のうちのいくつか(最大で全部)からEPCコードを取得する。
【0049】
[ステップS13]制御装置4は、第2アンテナによりRFIDタグ11からEPCコードを取得する。制御装置4は、検体ラック12に収容されている試験管10に付されているRFIDタグ11のうちのいくつか(最大で全部)からEPCコードを取得する。
【0050】
[ステップS14]制御装置4は、第3アンテナによりRFIDタグ11からEPCコードを取得する。制御装置4は、検体ラック12に収容されている試験管10に付されているRFIDタグ11のうちのいくつか(最大で全部)からEPCコードを取得する。
【0051】
[ステップS15]制御装置4は、第4アンテナによりRFIDタグ11からEPCコードを取得する。制御装置4は、検体ラック12に収容されている試験管10に付されているRFIDタグ11のうちのいくつか(最大で全部)からEPCコードを取得する。
【0052】
[ステップS16]制御装置4は、すべてのアンテナの読取結果をマージする。すなわち、制御装置4は、各アンテナの正常な読取結果から全体の読取結果を生成する。したがって、制御装置4は、1以上のアンテナで正常な読取結果を得ることができればよい。
【0053】
[ステップS17]制御装置4は、マージした読取結果が可読可能最大数(あらかじめ設定された設定数)であるか否かを判定する。なお、可読可能最大数は、検体ラック12の試験管10の最大収容数(たとえば、100)に、検体ラック12に付された管理用RFIDタグの数1を加えた数である。制御装置4は、マージした読取結果が可読可能最大数でない場合にステップS18にすすみ、マージした読取結果が可読可能最大数である場合に広域読取処理を終了する。
【0054】
[ステップS18]制御装置4は、試行回数がリトライ上限か否かを判定する。リトライ上限は、あらかじめ設定(たとえば、4回)される。制御装置4は、試行回数がリトライ上限でない場合にステップS19にすすみ、試行回数がリトライ上限である場合に広域読取処理を終了する。制御装置4は、試行回数にリトライ上限を設けることにより、検体ラック12が必ずしも最大収容数の試験管を収容していなくとも、所定時間内にRFIDタグ11の読取を完了することができる。
【0055】
[ステップS19]制御装置4は、試行回数を1インクリメントし、送信電力を変更する。制御装置4は、送信電力を所定量だけ増大または減少させてステップS12にすすむ。なお、制御装置4は、送信電力の増大により電力不足を原因とするRFIDタグ11の読取不良を改善する。また、制御装置4は、送信電力の減少によりRFIDタグ11の応答による干渉を原因とするRFIDタグ11の読取不良を改善する。
【0056】
これにより、制御装置4は、タグアクセスアンテナ装置2の上に載置された検体ラック12に収容されている試験管10に付されているRFIDタグ11にアクセスして情報を読み取ることができる。また、制御装置4は、アンテナ20の上方に限らない広域の情報取得領域にあるRFIDタグ11から情報を読み取ることができる。
【0057】
なお、制御装置4は、アンテナ20ごとの出力を異ならせて、その出力の組み合わせを変更するものであってもよい。たとえば、制御装置4は、第1アンテナ、第2アンテナ、第3アンテナ、および第4アンテナの出力をそれぞれ20dBm、22dBm、24dBm、26dBmとし、試行ごとに組み合わせをローテーションしてもよい。この場合、制御装置4は、試行ごとの出力を一定にすることができる。
【0058】
なお、識別対象物となる検体容器の一例として、試験管10を例示したが、真空採血管やその他の検体容器などであってもよい。また、識別対象物は、検体容器に限らず、工場等の製造ラインを流れるワーク、物流センタを流れる荷物などであってもよい。
[変形例1]
次に、仕切壁の形態について
図7および
図8を用いて説明する。
図7および
図8は、仕切壁の形態例を示す図である。
【0059】
図7および
図8に示す仕切壁は、
図1に示した仕切壁23の変形例であり、十字状の4枚ばねの1枚ごとの形状を表す。
図7(1)に示す仕切壁201は、上端部を一様に切欠く。タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁201の切欠き部201aより、アンテナ20からの漏れ電磁界を生じる。これにより、仕切壁201は、アンテナ20の放射面22への磁界強度を増加させるとともに、切欠き部201aが形成する間隙によりアンテナ20からの漏れ電磁界を生じさせ、各アンテナ20の情報取得領域を重複させる。
【0060】
図7(2)に示す仕切壁202は、上端中央部より一側端部に向けて略三角形状に上端部を切欠く。タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁202の切欠き部202aより、アンテナ20からの漏れ電磁界を生じる。これにより、仕切壁202は、アンテナ20の放射面22への磁界強度を増加させるとともに、切欠き部202aが形成する間隙によりアンテナ20からの漏れ電磁界を生じさせ、各アンテナ20の情報取得領域を重複させる。なお、切欠き部202aは、筐体21の側面側に向けて切欠いたものであってもよいし、筐体21の中央側に向けて切欠いたものであってもよい。
【0061】
図7(3)に示す仕切壁203は、上端両側より上端中央部に向けて略三角形状に上端部を切欠く。タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁203の切欠き部203aより、アンテナ20からの漏れ電磁界を生じる。これにより、仕切壁203は、アンテナ20の放射面22への磁界強度を増加させるとともに、切欠き部203aが形成する間隙によりアンテナ20からの漏れ電磁界を生じさせ、各アンテナ20の情報取得領域を重複させる。なお、切欠き部203aは、二等辺三角形状に限らず、三角形状を一側端部に偏らせたものであってもよい。
【0062】
図7(4)に示す仕切壁204は、上端一側部より上端他側部に向けて略三角形状に上端部を切欠く。タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁204の切欠き部204aより、アンテナ20からの漏れ電磁界を生じる。これにより、仕切壁204は、アンテナ20の放射面22への磁界強度を増加させるとともに、切欠き部204aが形成する間隙によりアンテナ20からの漏れ電磁界を生じさせ、各アンテナ20の情報取得領域を重複させる。なお、切欠き部204aは、筐体21の側面側を上端一側として切欠いたものであってもよいし、筐体21の中央側を上端一側として切欠いたものであってもよい。
【0063】
図7(5)に示す仕切壁205は、上端中央部から上端両側に向けてそれぞれ略三角形状に上端部を切欠く。タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁205の切欠き部205a,205bより、アンテナ20からの漏れ電磁界を生じる。これにより、仕切壁205は、アンテナ20の放射面22への磁界強度を増加させるとともに、切欠き部205a,205bが形成する間隙によりアンテナ20からの漏れ電磁界を生じさせ、各アンテナ20の情報取得領域を重複させる。なお、切欠き部205aと切欠き部205bとは、同一形状に限らなくともよい。
【0064】
図8(1)に示す仕切壁206は、一側端部を一様に切欠く。タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁206の切欠き部206aより、アンテナ20からの漏れ電磁界を生じる。これにより、仕切壁206は、アンテナ20の放射面22への磁界強度を増加させるとともに、切欠き部206aが形成する間隙によりアンテナ20からの漏れ電磁界を生じさせ、各アンテナ20の情報取得領域を重複させる。なお、切欠き部206aは、筐体21の側面側を切欠いたものであってもよいし、筐体21の中央側を切欠いたものであってもよい。
【0065】
図8(2)に示す仕切壁207は、下端両側部から上端部に向けてそれぞれ略三角形状に両側部を切欠く。タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁207の切欠き部207a,207bより、アンテナ20からの漏れ電磁界を生じる。これにより、仕切壁207は、アンテナ20の放射面22への磁界強度を増加させるとともに、切欠き部207a,207bが形成する間隙によりアンテナ20からの漏れ電磁界を生じさせ、各アンテナ20の情報取得領域を重複させる。なお、切欠き部207aと切欠き部207bとは、同一形状に限らなくともよい。
【0066】
図8(3)に示す仕切壁208は、上端部を鋸歯(ジグザグ)状に切欠く。タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁208の切欠き部208aより、アンテナ20からの漏れ電磁界を生じる。これにより、仕切壁208は、アンテナ20の放射面22への磁界強度を増加させるとともに、切欠き部208aが形成する間隙によりアンテナ20からの漏れ電磁界を生じさせ、各アンテナ20の情報取得領域を重複させる。なお、鋸歯状の切欠き部208aは、同一形状に限らなくともよい。
【0067】
図8(4)に示す仕切壁209は、上端部に複数の孔209aを有する。タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁209の孔209aより、アンテナ20からの漏れ電磁界を生じる。これにより、仕切壁209は、アンテナ20の放射面22への磁界強度を増加させるとともに、孔209aが形成する間隙によりアンテナ20からの漏れ電磁界を生じさせ、各アンテナ20の情報取得領域を重複させる。なお、仕切壁209は、上端側ほど密に孔209aを設けるが、これに限らず、必要に応じて粗密部を設定できる。
【0068】
図8(5)に示す仕切壁210は、両側端部に複数の孔210aを有する。タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁210の孔210aより、アンテナ20からの漏れ電磁界を生じる。これにより、仕切壁210は、アンテナ20の放射面22への磁界強度を増加させるとともに、孔210aが形成する間隙によりアンテナ20からの漏れ電磁界を生じさせ、各アンテナ20の情報取得領域を重複させる。仕切壁210は、両側端に孔210aを設けるが、これに限らず、必要に応じて穿孔位置を設定できる。
【0069】
なお、孔209a,210aは、同一形状に限らなくともよいし、同一サイズに限らなくともよい。粗密部は、孔209a,210aの位置、数、大きさ、形状、またはその組み合わせによって設定できる。また、切欠き部201a,202a,203a,204a,205a,205b,206a,207a,207b,208aは、直線状に限らず、曲線状や波線状、鋸歯状などであってもよい。
【0070】
なお、タグアクセスアンテナ装置2は、十字状の4枚ばねを同一形態としてもよいし、異なる形態の組合せとしてもよい。タグアクセスアンテナ装置2は、各アンテナ20の特性、検体ラック12に収容されている試験管10に付されているRFIDタグ11の位置等に応じて適宜設定可能である。
[変形例2]
次に、仕切壁の配置について
図9および
図10を用いて説明する。
図9および
図10は、仕切壁の配置例を示す図である。
【0071】
図9(1)に示す仕切壁23は、
図1と同様に十字状であり、筐体21の各側面を二分するようにして各側面に当接し、アンテナ20の収容空間を4つの矩形の小室に仕切る。アンテナ20は、各小室の略中央部に位置する。このようなアンテナ20と仕切壁23の配置により筐体21の中央部を各アンテナ20が補完し合い、筐体21の角部を各アンテナ20が担うことで、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
【0072】
図9(2)に示す仕切壁211は、十字状であり、筐体21の各角部に当接し、アンテナ20の収容空間を4つの三角形の小室に仕切る。アンテナ20は、各小室の中央部であって筐体21の側面よりに位置する。このようなアンテナ20と仕切壁211の配置により筐体21の中央部を各アンテナ20が補完し合い、筐体21の角部を各アンテナ20が担うことで、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
【0073】
図9(3)に示す仕切壁23は、
図1と同様に十字状であり、筐体21の各側面を二分するようにして各側面に当接し、アンテナ20の収容空間を4つの矩形の小室に仕切る。アンテナ20は、各小室内にあって筐体21の各角部よりに位置する。このようなアンテナ20と仕切壁23の配置により筐体21の中央部を各アンテナ20が補完し合い、筐体21の角部を各アンテナ20が担うことで、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
【0074】
図10(1)に示す仕切壁212は、筐体21の中央部に筐体21と相似形の小室を筐体21と向きを揃えて形成するとともに、相似形の小室の各角部から筐体21の各角部とを接続して4つの台形状の小室を形成する。アンテナ20は、各小室の略中央部に位置する。このようなアンテナ20と仕切壁212の配置により、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
【0075】
図10(2)に示す仕切壁213は、筐体21の中央部に筐体21と相似形の小室を筐体21に対して傾き(たとえば、45度)を有して形成するとともに、相似形の小室の各角部から筐体21の各側面略中央部とを接続して4つの五角形状の小室を形成する。アンテナ20は、各小室の略中央部に位置する。このようなアンテナ20と仕切壁212の配置により、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。なお、アンテナ20を収容する小室は、
図9(1)、
図9(2)、および
図9(3)に示したように同一形状の組合せであってもよいし、
図10(1)および
図10(2)に示したように異なる形状の組合せであってもよい。
[変形例3]
次に、平面視で間隙を有する仕切壁の配置について
図11から
図13を用いて説明する。
図11から
図13は、平面視で間隙を有する仕切壁の配置例を示す図である。
【0076】
図11(1)に示す仕切壁214は、筐体21の各側面の略中央部から筐体21の中心部に向かう4つの壁である。4つの壁は、
図1に示した仕切壁23と異なり、それぞれが当接することなく筐体21の中心部に平面視の間隙を有する。したがって、仕切壁214は、アンテナ20の収容空間を4つの小室に仕切るものの、各小室は、間隙により平面視で接続する。アンテナ20は、各小室の略中央部に位置する。このようなアンテナ20と仕切壁214の配置により筐体21の中央部を各アンテナ20が補完し合うことで、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
【0077】
図11(2)に示す仕切壁215は、十字状であり、筐体21の中心部から筐体21の各側面の略中央部に向かう4つの壁である。十字状の壁は、
図1に示した仕切壁23と異なり、筐体21の各側面と当接することなく筐体21の各側面との間に平面視の間隙を有する。したがって、仕切壁215は、アンテナ20の収容空間を4つの小室に仕切るものの、各小室は、間隙により平面視で接続する。アンテナ20は、各小室の略中央部に位置する。このようなアンテナ20と仕切壁215の配置により筐体21の側面中央部を各アンテナ20が補完し合うことで、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
【0078】
図11(3)に示す仕切壁216は、筐体21の各側面の略中央部近傍から筐体21の中心部に向かう4つの壁である。4つの壁は、
図1に示した仕切壁23と異なり、それぞれが当接することなく筐体21の中心部に平面視の間隙を有し、さらに筐体21の各側面との間に平面視の間隙を有する。したがって、仕切壁216は、アンテナ20の収容空間を4つの小室に仕切るものの、各小室は、間隙により平面視で接続する。アンテナ20は、各小室の略中央部に位置する。このようなアンテナ20と仕切壁214の配置により筐体21の中央部と筐体21の側面中央部とを各アンテナ20が補完し合うことで、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
【0079】
このように、タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁に間隙を設定することで各アンテナ20の漏れ電磁界を任意に設定することができる。
図12(1)に示す仕切壁217は、
図11(3)に示した仕切壁216を形成する4つの壁のそれぞれに平面視で所定の傾き(たとえば、反時計回りに20度)を与えたものである。したがって、仕切壁217は、アンテナ20の収容空間を4つの小室に仕切るものの、各小室は、間隙により平面視で接続する。アンテナ20は、各小室の略中央部に位置する。このようなアンテナ20と仕切壁217の配置により筐体21の中央部を各アンテナ20が補完し合うことで、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
【0080】
このように、タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁に傾きを設定することで各アンテナ20の漏れ電磁界を任意に設定することができる。なお、仕切壁の傾きは、それぞれの壁ごとに任意の傾きが設定されるものであってもよい。
【0081】
図12(2)に示す仕切壁218は、
図12(1)に示した仕切壁217を形成する4つの壁のそれぞれの略中央に間隙を設けたものである。したがって、仕切壁218は、アンテナ20の収容空間を4つの小室に仕切るものの、各小室は、間隙により平面視で接続する。アンテナ20は、各小室の略中央部に位置する。このようなアンテナ20と仕切壁218の配置により筐体21の中央部を各アンテナ20が補完し合うことで、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
【0082】
このように、タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁の一側端、あるいは両側端に限らず、仕切壁の任意の場所に間隙を設定することで各アンテナ20の漏れ電磁界を任意に設定することができる。なお、仕切壁の間隙は、それぞれの壁ごとに任意の間隙が設定されるものであってもよい。
【0083】
図12(3)に示す仕切壁219は、
図11(3)に示した仕切壁216を形成する4つの壁のそれぞれの配置位置を特定方向にシフトしたものである。したがって、仕切壁219は、アンテナ20の収容空間を4つの小室に仕切るものの、各小室は、間隙により平面視で接続する。また、各小室は、大きさが不均一である。アンテナ20は、
図11(3)に示した仕切壁216が各小室を形成した場合の略中央部に位置する。たとえば、アンテナ20aがRFIDタグ11の読取性能に劣り、アンテナ20bがRFIDタグ11の読取性能に優れる場合に、仕切壁219は、アンテナ20a近傍へのアンテナ20bの漏れ電磁界を増やす。これにより、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
【0084】
このように、タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁のシフト量を設定することで各アンテナ20の漏れ電磁界を任意に設定することができる。なお、仕切壁のシフト量は、それぞれの壁ごとに任意の大きさが設定されるものであってもよい。
【0085】
図13(1)に示す仕切壁220は、
図12(1)に示した仕切壁217を形成する4つの壁を弧状に形成したものである。したがって、仕切壁220は、アンテナ20の収容空間を4つの小室に仕切るものの、各小室は、間隙により平面視で接続する。アンテナ20は、各小室の略中央部に位置する。このようなアンテナ20と仕切壁220の配置により筐体21の中央部を各アンテナ20が補完し合うことで、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
【0086】
このように、タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁を直線状に限らず、弧状部を設けて形成することができる。また、タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁に屈曲部を設けて形成してもよい。なお、仕切壁の弧状部あるいは屈曲部は、それぞれの壁ごとに任意の態様で設定されるものであってもよい。
【0087】
図13(2)に示す仕切壁221は、
図11(3)に示した仕切壁216を形成する4つの壁の筐体21の中心部の間隙を大きくしたものである。タグアクセスアンテナ装置2は、中心部の間隙部分にアンテナ20cを備える。また、タグアクセスアンテナ装置2は、筐体21の各角部近傍にアンテナ20dを備える。したがって、仕切壁221は、アンテナ20dの収容空間を4つの小室に仕切るものの、各小室は、間隙により平面視で接続する。また、仕切壁221は、アンテナ20cを収容する小室を明確に形成しない。このように、タグアクセスアンテナ装置2は、仕切壁221によりすべてのアンテナ20ごとに収容空間を仕切るものでなくともよい。仕切壁は、任意のアンテナ20の磁界強度増加と漏れ電磁界の設定に貢献する態様で設定されるものであればよい。
[変形例4]
次に、アンテナごとに独立した小室を形成する仕切壁の配置について
図14を用いて説明する。
図14は、アンテナごとに独立した小室を形成する仕切壁の配置例を示す図である。
【0088】
図14(1)に示す仕切壁222は、平面視で矩形状であって、筐体21が収容するアンテナ20を1つずつ小室に区分する。仕切壁222は、アンテナ20ごとの独立した小室を形成することで、アンテナ20ごとの磁界強度増加を図る。仕切壁222は、変形例1で示したような切欠き部を有し、所定の漏れ電磁界を設定する。このようなアンテナ20と仕切壁222により、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。なお、仕切壁222が形成するアンテナ20ごとの独立した小室は、アンテナ20ごとに大きさが異なるものであってもよい。なお、仕切壁222は、小室ごとに切欠き部あるいは孔部の形態が異なるものであってもよい。
【0089】
図14(2)に示す仕切壁223は、平面視で矩形状に限らない任意の形状(たとえば、角部を丸めた四角形状)であってもよい。アンテナ20ごとの磁界強度増加と漏れ電磁界の設定とに応じて、仕切壁223は、任意の形状を設定できる。このようなアンテナ20と仕切壁223により、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
[変形例5]
次に、アンテナの放射面の傾斜について
図15を用いて説明する。
図15は、放射面を傾斜させたアンテナの配置例を示す図である。
【0090】
図15(1)に示すアンテナ20eは、RFIDタグ11からの情報の読み取りを他のアンテナ20eからのカバーが困難な領域(たとえば、筐体21の角部)に配置される。アンテナ20eは、放射面22を筐体21の中央側に傾ける。このようなアンテナ20eと仕切壁23により、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
【0091】
図15(2)に示すアンテナ20fは、RFIDタグ11からの情報の読み取りを他のアンテナ20fからのカバーが困難な領域(たとえば、筐体21の中央部)に配置される。アンテナ20eは、放射面22を筐体21の角部側に傾ける。このようなアンテナ20fと仕切壁23により、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
【0092】
図15(3)に示すアンテナ20gは、RFIDタグ11からの情報の読み取りを他のアンテナ20gからのカバーが困難な領域(たとえば、筐体21の角部)に配置される。アンテナ20gは、他のアンテナ20gの1つに放射面22を向けて傾ける。たとえば、左上のアンテナ20gは、右上のアンテナ20gに放射面22を向け、右上のアンテナ20gは、右下のアンテナ20gに放射面22を向ける。右下のアンテナ20gは、左下のアンテナ20gに放射面22を向け、左下のアンテナ20gは、左上のアンテナ20gに放射面22を向ける。このように、4つのアンテナ20gは、個々のアンテナ20gがカバー困難な情報読取領域を全体としてカバーする。このようなアンテナ20gと仕切壁23により、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ出力を過大にすることなくRFIDタグ11の好適なアクセスをおこなうことができる。
【0093】
なお、図示するアンテナ20(20e,20f,20g)は、理解を容易にするため傾きを誇張している。なお、アンテナ20(20e,20f,20g)の傾きの大きさは、アンテナ20(20e,20f,20g)ごとに異なるものであってもよい。アンテナ20(20e,20f,20g)の傾きの大きさは、個々のアンテナ20eの特性や、周囲環境に応じて任意の大きさに設定できる。また、アンテナ20(20e,20f)の傾きの方向は、アンテナ20(20e,20f)ごとに異なるものであってもよい。アンテナ20(20e,20f)の傾きの方向は、個々のアンテナ20の特性や、周囲環境に応じて任意の方向に設定できる。
[変形例6]
次に、アンテナの取付向きについて
図16を用いて説明する。
図16は、アンテナの取付向きを回転させたアンテナの配置例を示す図である。
【0094】
図16(1)に示すアンテナ20は、筐体21へのアンテナ20の取付向きをアンテナ20ごとに調整している。アンテナ20は、4巻線のアンテナパタンを筒状にして備えるヘリカルアンテナである。アンテナパタン230は、たとえば、円筒形状の躯体の表面に金属ペーストインク(銀ペーストインクなど)によって印刷されたパタンである。アンテナ20は、外周部に沿って等間隔(90度間隔)に4つのアンテナパタン230を備える。
【0095】
アンテナ20hは、図示する筐体21の縦方向(L)に対して角度α0の取付向きで筐体21に配置される。アンテナ20iは、図示する筐体21の縦方向(L)に対して角度α1の取付向きで筐体21に配置される。アンテナ20jは、図示する筐体21の縦方向(L)に対して角度α2の取付向きで筐体21に配置される。アンテナ20kは、図示する筐体21の縦方向(L)に対して角度α3の取付向きで筐体21に配置される。
【0096】
このように、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ20の軸比が筐体21内の導電体により歪む影響をアンテナ20の取付向きで調整する。
[変形例7]
次に、アンテナパタンの巻回方向について
図17を用いて説明する。
図17は、巻回方向の異なるアンテナの配置例を示す図である。
【0097】
アンテナ20mは、アンテナパタンの巻回方向が右回りの右旋旋回ヘリカルアンテナである。すなわち、アンテナ20mは、右旋偏波アンテナである。アンテナ20nは、アンテナパタンの巻回方向が左回りの左旋旋回ヘリカルアンテナである。すなわち、アンテナ20mは、左旋偏波アンテナである。
【0098】
このように、タグアクセスアンテナ装置2は、アンテナ20の指向性が筐体21内の導電体により歪む影響をアンテナパタンの巻回方向で調整する。
[変形例8]
次に、反射板を備えるタグアクセスアンテナ装置について
図18を用いて説明する。
図18は、反射板を備えるタグアクセスアンテナ装置を示す図である。
【0099】
タグアクセスアンテナ装置240は、アンテナ20の放射面22の上方に反射板241を備える。すなわち、タグアクセスアンテナ装置240は、アンテナ20の放射面22と、反射板241との間にRFIDタグ11を位置させるために、試験管10を収容した検体ラック12を位置させる。これにより、アンテナ20からRFIDタグ11までの電波経路は、アンテナ20からRFIDタグ11に至る直接経路である経路P1と、アンテナ20から反射板241を経てRFIDタグ11に至る間接経路である経路P2とがある。
【0100】
経路P1は、放射面22からRFIDタグ11まで距離d4である。放射面22から反射板241まで距離d5であることから、経路P2は、距離d5×2−距離d4である。タグアクセスアンテナ装置240は、距離d5を調整して位相合わせをおこなうことでRFIDタグ11への電力供給を増大させることができる。
【0101】
これにより、タグアクセスアンテナ装置240は、アンテナ20の電力を据え置いた状態で、1つのアンテナ20あたりのRFIDタグ11の読取数を増大させることができる。すなわち、タグアクセスアンテナ装置240は、反射板241によりアンテナ20の情報取得領域を拡大する。
【0102】
これにより、タグアクセスアンテナ装置240は、検体ラック12に収容する試験管10の数を増大させることができ、RFIDタグ11の読取作業の効率化に寄与する。
次に、実施の形態のタグアクセス装置1の使用例を、採血を例に説明する。
【0103】
図19は、実施の形態のタグアクセス装置の使用例を説明する図である。
本使用例では、採血をおこなう病院40と、タグアクセス装置1が設けられた検査センタ50が離れた場所に存在するものとする。
【0104】
まず、病院40にて医師や看護師が、バーコードや視認可能な固有の数字等が設定されたRFIDタグ11を用意する。なお、バーコードや視認可能な固有の数字は省略することもできる。
【0105】
医師や看護師が、血液提供者から血液を採取する度に、採取した血液が収容された試験管10に、RFIDタグ11を取り付ける。そして、RFIDタグ11にあらかじめ設定されている数字11aと採取した血液の検査内容とを関連づけた検査データを端末装置41に入力する。その後、医師や看護師は、端末装置41を操作して検査データをLAN等のネットワーク70を介して、検査センタ50に設けられたサーバ装置51に送信する。なお、
図19では1つの病院40を図示しているが、複数の病院からサーバ装置51に検査データが送られるようにしてもよい。
【0106】
サーバ装置51は、ネットワーク60を介して制御装置4に接続されている。このサーバ装置51は、端末装置41から送られてきた検査データをサーバ装置51内部のHDD等に記憶しておく。採取した血液が収容されRFIDタグ11が取り付けられた複数の試験管10が病院40から送られてくると、制御装置4の利用者は、制御装置4を操作することにより、制御装置4にタグアクセス装置1を動作させてRFIDタグ11それぞれに記憶されている情報を読み出させる。その後、利用者は、制御装置4を操作して、読み出したRFIDタグ11それぞれに一致する検査内容を、サーバ装置51のHDD等に記憶された検査データから特定させる。これにより、バーコード等を用いて検査内容を特定する方法等に比べ複数の試験管10に対する検査内容を迅速に、かつ、正確に特定することができる。このため、検査内容の特定の効率化を図ることができる。
【0107】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。