(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0016】
図1は、本発明のある実施形態に係るイオン注入装置100を概略的に示す図である。イオン注入装置100は、被処理物Wの表面にイオン注入処理をするよう構成されている。被処理物Wは、例えば基板であり、例えばウエハである。よって以下では説明の便宜のため被処理物Wを基板Wと呼ぶことがあるが、これは注入処理の対象を特定の物体に限定することを意図していない。
【0017】
イオン注入装置100は、イオン源装置102と、ビームライン装置104と、注入処理室106と、を備える。イオン注入装置100は、ビームスキャン及びメカニカルスキャンの少なくとも一方により基板Wの全体にわたってイオンビームBを照射するよう構成されている。
【0018】
イオン源装置102は、イオンビームBをビームライン装置104に与えるよう構成されている。イオン源装置102については
図2(a)を参照して後述する。
【0019】
ビームライン装置104は、イオン源装置102から注入処理室106へとイオンを輸送するよう構成されている。イオン源装置102の下流には質量分析装置108が設けられており、イオンビームBから必要なイオンを選別するよう構成されている。
【0020】
ビームライン装置104は、質量分析装置108を経たイオンビームBに、例えば、偏向、加速、減速、整形、走査などを含む操作をする。ビームライン装置104は例えば、イオンビームBに電場または磁場(またはその両方)を印加することによりイオンビームBを走査するビーム走査装置110を備えてもよい。このようにして、ビームライン装置104は、基板Wに照射されるべきイオンビームBを注入処理室106に供給する。
【0021】
注入処理室106は、1枚又は複数枚の基板Wを保持する物体保持部107を備える。物体保持部107は、イオンビームBに対する相対移動(いわゆるメカニカルスキャン)を必要に応じて基板Wに提供するよう構成されている。
【0022】
また、イオン注入装置100は、イオン源装置102、ビームライン装置104、及び注入処理室106に所望の真空環境を提供するための真空排気系(図示せず)を備える。真空排気系は、後述するイオン源室116の内部空間118(
図2(a)及び
図2(b)参照)を真空に排気するために使用される。
【0023】
イオン注入装置100は、イオン源装置102及びその他の構成要素のための電源装置111を備える。電源装置111は、例えば1kV以上(例えば数kVないし数百kV)の直流の電圧を電極に印加するよう構成されている。電源装置111は、イオン源室116及びイオン源支持部120(
図2(a)参照)のそれぞれに異なる電位の高電圧を印加するために使用される。また、必要とされる場合には、電源装置111は、実効値で例えば1kV以上の交流の電圧を電極に印加するよう構成されていてもよい。
【0024】
図2(a)は、本発明のある実施形態に係るイオン源装置102を概略的に示す図である。イオン源装置102は、イオン源112と、イオン源112からイオンビームBを引き出すための引出電極部114と、イオン源112及び引出電極部114を収容するためのイオン源室116と、を備える。イオン源室116は、真空に排気される内部空間118を囲む真空容器である。
【0025】
イオン源装置102は、イオン源112を内部空間118に配置するようにイオン源112を支持するイオン源支持部120を備える。イオン源支持部120は、支持板122と支持体124を備える。支持板122の一方側は内部空間118に面し、その反対側は大気圧環境または外部環境に面する。支持体124は内部空間118に収容されており、イオン源112を支持板122に接続する。
【0026】
イオン源装置102は、イオン源室116とイオン源支持部120とを接続するためのブッシング126を備える。ブッシング126は、例えばセラミックスや樹脂などの絶縁材料で形成されている絶縁体である。ブッシング126は、内部空間118を囲むブッシング内壁面128を備える中空の筒状の部材である。ブッシング内壁面128は、内部空間118に露出されている。また、ブッシング126は、外部空間119に露出されたブッシング外壁面129を備える。ブッシング外壁面129は、大気圧環境または外部環境に面する。
【0027】
ブッシング126の一端は第1導体フランジ130に固定され、ブッシング126の他端は第2導体フランジ132に固定されている。第1導体フランジ130は、イオン源室116の一部分であり、支持板122に対向するイオン源室116の部位に形成されている。イオン源室116の壁部が外壁と内壁(いわゆるライナ)とを有する場合には、第1導体フランジ130は内壁に連続して形成されていてもよい。第2導体フランジ132は、支持板122の外周部に形成されている。こうして、第1導体フランジ130と第2導体フランジ132とはブッシング126を挟むように対向する。
【0028】
イオン源室116及びイオン源支持部120は、金属(例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金)などの導電材料で形成されている。上述の電源装置111(
図1参照)によって、イオン源室116には第1直流電圧が印加され、イオン源支持部120には第1直流電圧より高い第2直流電圧が印加される。イオン源室116及びイオン源支持部120にはそれぞれ正の高電圧が印加される。あるいは、イオン源室116及びイオン源支持部120にはそれぞれ負の高電圧が印加されてもよい。イオン源室116(または第1導体フランジ130)を低電圧が印加される第1導体部または第1電極体と呼び、イオン源支持部120(または第2導体フランジ132)を高電圧が印加される第2導体部または第2電極体と呼ぶこともできる。
【0029】
このようにして、ブッシング126の一方側にイオン源室116(または第1導体フランジ130)が取り付けられている。イオン源室116とブッシング126(ブッシング内壁面128)との接続部は真空の内部空間118に面している。また、ブッシング126の他方側にイオン源支持部120(または第2導体フランジ132)が取り付けられている。イオン源支持部120とブッシング126(ブッシング内壁面128)との接続部もまた内部空間118に面している。
【0030】
したがって、イオン源室116とブッシング126(ブッシング内壁面128)との接続部には、導体、絶縁体、及び真空の境界線(いわゆる三重点であり、トリプルジャンクションとも呼ばれる)が形成されている。この境界線の近傍を以下では説明の便宜上、第1三重点領域134と呼ぶことがある。また、イオン源支持部120とブッシング126(ブッシング内壁面128)との接続部にも同様に、導体、絶縁体、及び真空の境界線が形成されており、この境界線の近傍を以下では第2三重点領域136と呼ぶことがある。第1三重点領域134及び第2三重点領域136はそれぞれ、ブッシング内壁面128の端部に沿って環状に形成されている。
図2(a)及び
図2(b)においては第1三重点領域134及び第2三重点領域136を破線の円で示す。
【0031】
第1導体フランジ130は、ブッシング126に接する第1接合領域138を、第1三重点領域134を境界として片側(外側)に備える。第1導体フランジ130は、内部空間118に露出されている第1露出領域140を、第1三重点領域134を境界として第1接合領域138と反対側(内側)に備える。第1導体フランジ130は、第1接合領域138と第1露出領域140との間に第1境界ゾーン142を備える。第1境界ゾーン142は、第1露出領域140とブッシング内壁面128との境界部分に沿って延びている。
【0032】
同様に、第2導体フランジ132は、ブッシング126に接する第2接合領域144を、第2三重点領域136を境界として片側(外側)に備える。第2導体フランジ132は、内部空間118に露出されている第2露出領域146を、第2三重点領域136を境界として第2接合領域144と反対側(内側)に備える。第2導体フランジ132は、第2接合領域144と第2露出領域146との間に第2境界ゾーン148を備える。第2境界ゾーン148は、第2露出領域146とブッシング内壁面128との境界部分に沿って延びている。
【0033】
なお、大気側にも三重点は形成される。第1導体フランジ130(または第2導体フランジ132)は、外部空間119への露出領域を備える。また、第1導体フランジ130(または第2導体フランジ132)は、外部空間119への露出領域と第1接合領域138(または第2接合領域144)との間にもう1つの境界ゾーンを備える。この境界ゾーンとブッシング外壁面129との間に、導体、絶縁体、及び大気空間の境界線が形成される。
【0034】
図2(b)は、本発明のある実施形態に係る高電圧電極の絶縁構造を概略的に示す図である。なお
図2(b)は、第1導体フランジ130、第2導体フランジ132、ブッシング126、及び導体要素150の位置関係を概略的に示す図であり、簡明化のためにその他の構成要素(例えばイオン源112など)の図示を省略している。
図3(a)は、本発明のある実施形態に係り、第1三重点領域134に形成されている高電圧電極の絶縁構造を概略的に示す断面図であり、
図3(b)は、本発明のある実施形態に係る高電圧電極の絶縁構造を概略的に示す上面図である。
【0035】
詳しくは後述するが、この高電圧電極の絶縁構造においては、ブッシング内壁面128に隣接する耐熱部が、第1導体フランジ130に形成されている。耐熱部は、ブッシング126と第1導体フランジ130との接合領域の縁部に沿って設けられている。耐熱部は、耐熱性を有する導電領域である。
【0036】
図2(b)及び
図3(a)に示されるように、第1導体フランジ130は導体要素150を備える。第1導体フランジ130はその表面上に導体要素150を支持する導体本体である。導体要素150は、第1導体フランジ130とは別体である追加の環状部材である。導体要素150は第1導体フランジ130に支持されているので、導体要素150は第1導体フランジ130と等しい電位を有する。
【0037】
導体要素150は、第1接合領域138に隣接しかつブッシング内壁面128に隣接するように第1境界ゾーン142上に配置されている。導体要素150は、第1露出領域140にも隣接する。第1境界ゾーン142は、導体要素150によって覆われた第1導体フランジ130の表面の一部である。図においては、導体要素150の上方にブッシング内壁面128、導体要素150の左方に第1接合領域138、導体要素150の右方に第1露出領域140が隣接する。導体要素150は、第1露出領域140とブッシング内壁面128との境界部分に沿って設けられている。
【0038】
図3(b)には第1導体フランジ130に接するブッシング126の端面が示されている。この端面は、ブッシング126を第1導体フランジ130に接続するブッシング126の電極接合表面である。導体要素150に相当する部分が
図3(b)に破線で示されている。図示されるように、導体要素150は、ブッシング内壁面128の全周に沿って設けられている。
【0039】
導体要素150はその全体が第1導体フランジ130の凹部152に収容されている。凹部152は、第1導体フランジ130に形成されており、第1境界ゾーン142と対向部分154との間にある。対向部分154は、第1境界ゾーン142に対向するブッシング126の部分である。
【0040】
ブッシング内壁面128を境界として導体要素150の上面156の一部分(例えば半分)は内部空間118に露出されている。導体要素150上に三重点を形成するためには実用上、内部空間118に露出された上面156の一部分の幅は例えば約5mmないし約10mm以内であり、またはそれより大きくてもよい。上面156の他の一部分(例えば残りの半分)はブッシング126の対向部分154に覆われている。同様に、対向部分154に覆われた上面156の他の一部分の幅は例えば約5mmないし約10mm以内であり、またはそれより大きくてもよい。対向部分154は内部空間118に露出されていない。
【0041】
また、凹部152の深さは、導体要素150の厚さDに実質的に等しい。そのため、ブッシング内壁面128に隣接する導体要素150の上面156は、第1導体フランジ130の第1接合領域138(及び第1露出領域140)と実質的に同一の平面を形成する。
【0042】
導体要素150の厚さD(または凹部152の深さ)は、上面156が第1接合領域138(及び第1露出領域140)よりもわずかに(例えば寸法公差程度)下方に位置するように定められていてもよい。上面156と第1接合領域138(及び第1露出領域140)との高さ差は、約1mm以内、または約0.5mm以内であってもよい。この場合、導体要素150の上面156とブッシング内壁面128との間に隙間が形成される。この隙間は導体要素150とブッシング126との干渉を避けるのに役立つ。
【0043】
逆に、導体要素150の厚さD(または凹部152の深さ)は、上面156が第1接合領域138(及び第1露出領域140)よりもわずかに上方に位置するように定められていてもよい。この場合、導体要素150の上面156がブッシング126の対向部分154に押し付けられて上面156と第1接合領域138とが実質的に同一の平面を形成するように、導体要素150は柔軟性及び/または弾力性を有していてもよい。
【0044】
導体要素150は、第1導体フランジ130と異なる材料、具体的には、第1導体フランジ130よりも高融点の導電材料で形成されている。導体要素150はその全体が耐熱部を形成する。この導電材料は例えば、第1導体フランジ130よりも低い導電率を有する。
【0045】
導体要素150は例えば、グラファイト製の板またはシートである。導体要素150としてグラファイト板またはグラファイトシートを用いることは、コスト面や取り扱いの容易さといった点から有利である。
【0046】
ところで、現実には、第1接合領域138(または第2接合領域144)及びそれに接するブッシング126の表面(電極接合表面)はそれぞれ微視的な凹凸(例えば微小突起)を有する。こうした凹凸は例えば、ブッシング126及び第1導体フランジ130(または第2導体フランジ132)を製造するための機械加工によって形成される。その結果、第1接合領域138(または第2接合領域144)とブッシング126との間には微小隙間が生じうる。微小隙間には残留ガスが存在しうる。また、第1導体フランジ130(または第2導体フランジ132)に高電圧が印加されたとき、第1三重点領域134(または第2三重点領域136)付近にはその周囲よりも強い電界が生じうる。微小突起から微小隙間に電子が放出されうる。
【0047】
こうした要因によって、第1三重点領域134(または第2三重点領域136)は他の場所に比べて、電子の供給やガスのイオン化など放電の初期事象が発生しやすい。初期事象の発生場所の近傍に例えばアルミニウムのような低融点の材料が存在する場合には、材料の気化、ガスのイオン化、イオンの静電加速、及び周辺部材へのイオンの衝突が相乗的に進展しうる。
【0048】
仮に、ブッシング内壁面128が第1導体フランジ130の表面(例えば第1露出領域140)に直に接触する場合には、その接触部分に低融点の導電材料、絶縁材料、及び真空の三重点が形成されるので、初期事象さらには放電が頻発するかもしれない。あるいは、初期事象が大規模な放電へと発展するかもしれない。
【0049】
放電電流が過大であると、第1導体フランジ130(または第2導体フランジ132)の電源(例えば電源装置111)の電圧が瞬間的に降下しうる。そうした電圧の変動は、イオン源装置102により生成されるイオンビームBの品質に影響しうる。極端な場合には、放電によって第1三重点領域134(または第2三重点領域136)の周辺の部材に炭化などの損傷が生じうる。長期的にはこうした損傷が成長し、例えば、絶縁体表面に大規模な炭化路が形成されることもありうる。
【0050】
導体要素150が設けられていなかったとしたら、凹部152が内部空間118に開放されるので、ブッシング126、第1導体フランジ130(または第2導体フランジ132)、及び内部空間118の境界が第1接合領域138(または第2接合領域144)の縁部に形成されることになる。以下では説明の便宜上、このように導体要素150がない場合に形成されるであろう三重点を、旧三重点158と呼ぶことがある。これに対して、導体要素150が設けられている場合に形成される三重点を、新三重点160と呼ぶことがある。
【0051】
本実施形態によると、旧三重点158は導体要素150で覆い隠されており、導体要素150の上面156に新三重点160が形成されている。新三重点160は、高融点の導電材料、絶縁材料、及び真空の境界である。したがって、新三重点160における導電材料の気化が抑制される。そのため、放電の発生頻度を抑えることができる。あるいは、放電の規模を小さくすることができる。
【0052】
その結果、本実施形態によると、第1導体フランジ130(または第2導体フランジ132)に印加されている高電圧の放電に起因する変動が抑制され、イオン源装置102により生成されるイオンビームBの品質が安定する。したがって、本実施形態に係る高電圧電極の絶縁構造は、イオン注入装置100の生産性に貢献する。
【0053】
上述の実施形態においては、第1導体フランジ130に絶縁構造が形成されている。この構成が実用上有用であるのは、第1導体フランジ130が第2導体フランジ132に対して陰極となる場合であり、従って第1導体フランジ130が電子の放出源となりうるからである。しかし、本実施形態に係る高電圧電極の絶縁構造は、第1導体フランジ130だけでなく、第2導体フランジ132にも同様に設けられてもよい(
図2(b)参照)。あるいは、状況によっては、第2導体フランジ132だけに絶縁構造が設けられてもよい。
【0054】
上述の実施形態においては、導体要素150は、グラファイト製の板またはシートである。しかし、導体要素150の材料は、純粋なグラファイトでなくてもよい。導体要素150は、グラファイトを主成分(例えば純度80%以上、以下同様)とする材料で形成されていてもよい。
【0055】
また、導体要素150は、タングステン、タンタル、またはモリブデンなどの高融点金属、または、そうした高融点金属を主成分とする材料で形成されていてもよい。導体要素150は、シリコンカーバイド、タンタルカーバイド、またはタングステンカーバイドを主成分とする材料で形成されていてもよい。導体要素150は、鉄またはその合金(例えば、純鉄、鋼鉄、ステンレス鋼など)を主成分とする材料で形成されていてもよい。
【0056】
なお、導体要素150を形成する材料の導電率は、第1導体フランジ130の導電率と等しいかそれより大きくてもよい。また、導体要素150の一部が第1導体フランジ130と同じ材料で形成されていてもよい。
【0057】
上述の実施形態においては、導体要素150の全体が第1導体フランジ130の凹部152に収容されている。凹部152は第1導体フランジ130にのみ形成されている。しかし、凹部152は、第1導体フランジ130及びブッシング126の両方に形成されていてもよい。
【0058】
図4(a)に示されるように、導体要素150は、上側凹部162と下側凹部164とからなる凹部153に収容されていてもよい。下側凹部164は第1導体フランジ130に形成され、上側凹部162は下側凹部164に対向してブッシング126に形成されている。この場合、導体要素150は、凹部153から内部空間118にはみ出した露出部分166を有する。このようにしても、
図3(a)及び
図3(b)に示す実施形態と同様に、旧三重点158を導体要素150で覆い、導体要素150の上面156に新三重点160を形成することができる。
【0059】
イオン源装置102の運転が長期的に継続されるとき、新三重点160の近傍で導体要素150の材料が徐々に消耗しうる。導体要素150に十分な寿命を与えるには、新三重点160における導体要素150の厚さDは、例えば約30μm以上、または50μm以上であることが好ましい。厚さDは、例えば約0.1mmから約5mmの範囲にあってもよい。
【0060】
また、新三重点160を高融点導電材料で形成するためには、新三重点160から第1接合領域138(即ち旧三重点158)への沿面距離(破線の矢印Eで図示する)は、約0.5mm以上であり、及び/または、約5mm以下(または約10mm以下)であることが好ましい。新三重点160から第1露出領域140への沿面距離(破線の矢印Fで図示する)は、約0.5mm以上であり、及び/または、約5mm以下(または約10mm以下)であることが好ましい。
【0061】
また、第1導体フランジ130が導体要素150を収容する凹部を有することに代えて、
図4(b)に示されるように、導体要素150は、ブッシング126に形成されているブッシング凹部168に収容されていてもよい。導体要素150の幅Gよりもブッシング凹部168の深さHが小さいので、導体要素150は、ブッシング凹部168から内部空間118にはみ出した露出部分170を有する。このようにしても、
図3(a)及び
図3(b)に示す実施形態と同様に、旧三重点158を導体要素150で覆い、導体要素150の上面156に新三重点160を形成することができる。
【0062】
露出部分170を有さずに導体要素150の全体がブッシング凹部168に収容されるように、ブッシング凹部168の深さHは導体要素150の幅Gに等しいか又はそれより大きくてもよい。このようにしても、旧三重点158を導体要素150で覆い、導体要素150の上面156に新三重点160を形成することができる。
【0063】
あるいは、第1導体フランジ130及びブッシング126のいずれにも、導体要素150を収容する凹部が形成されていなくてもよい。
図5に示されるように、導体要素150は、第1接合領域138に接するブッシング126の基部172に隣接するように配置されている。このようにすれば、既存の第1導体フランジ130及びブッシング126によって形成された旧三重点158を覆い隠すように導体要素150を設置することができる。導体要素150は、旧三重点158を覆う、いわばカバーである。
【0064】
導体要素150はブッシング126の基部172に接触していなくてもよい。導体要素150の取り付けまたは取り外しを容易にするために、導体要素150とブッシング126の基部172との隙間Jは、例えば約1mm以内、または約0.5mm以内であってもよい。このようにしても、新三重点160を導体要素150に形成することができる。
【0065】
図6に示されるように、導体要素150は複数の部材を備えてもよい。例えば、導体要素150は、凹部152に収容されている第1導体部材174と、ブッシング126の基部172に隣接する第2導体部材176と、を備えてもよい。第2導体部材176は、第1導体部材174の露出された表面を覆うように第1導体部材174の上に配置されている。
【0066】
図6に示される導体要素150は全体として、L字型形状の断面を有する環状の部材である。一方、
図3(a)、
図4(a)、
図4(b)、及び
図5に示される導体要素150は、矩形の断面を有する。しかし、導体要素150の断面は、L字型や矩形に限られず、その他どのような形状であってもよい。
【0067】
上述の実施形態においては、
図3(b)に示されるように、導体要素150はブッシング内壁面128の全周に沿って設けられている。導体要素150は周方向に連続する部材である。しかし、ある実施形態においては、導体要素150は、周方向に沿って複数のセクター型に分割されていてもよい。なお、複数に分割された導体要素間の隙間は、0.5mm以内であることが好ましい。
【0068】
また、
図7に示されるように、本発明のある実施形態に係る高電圧電極の絶縁構造は、導体要素150を保持する1つ又は複数の保持部材178を備えてもよい。保持部材178は導体要素150に隣接して第1導体フランジ130上に配置されている。保持部材178は、導体要素150を構造的に支持するために設けられていてもよい。保持部材178は、導体要素150の取付作業を容易にするために設けられていてもよい。
【0069】
保持部材178は、導体要素150とは異なる材料で形成されている。よって、保持部材178は、導体要素150とは異なる融点及び/または導電率を有する。保持部材178は第1導体フランジ130と同一の又はその他の導電材料で形成されていてもよい。保持部材178は絶縁材料で形成されていてもよい。
【0070】
導体要素150は、保持部材178とともに単一の部品を構成するように保持部材178に固定されていてもよい。例えば、導体要素150は原子レベルで保持部材178に結合されていてもよい。導体要素150は、保持部材178の表面上に形成された層または膜であってもよい。あるいは、導体要素150は、保持部材178から取り外し可能であってもよい。
【0071】
図8に示されるように、第1接合領域138とこれに接するブッシング126の部分との間に真空封止部材180(例えばOリング)が設けられていてもよい。真空封止部材180は、導体要素150とは別の部材として導体要素150から離れて設けられている。真空封止部材180は、第1導体フランジ130の第1接合領域138に形成された溝182に収容されている。なお、溝182はブッシング126に形成されていてもよい。
【0072】
図9には、
図3(b)と同様に第1導体フランジ130に接するブッシング126の端面が示されている。
図9に示されるように、導体要素150は、ブッシング内壁面128の一部(例えば半周)に沿って形成されていてもよい。周方向に特定の場所で放電が生じやすい場合には、そうした場所に導体要素150を配置し、相対的に放電が生じにくい場所には導体要素150を設けないようにしてもよい。なお、導体要素150の周方向の形状は、導体要素150に接する他の部材との沿面距離を充分にとれていれば、図示される円弧形状には限られない。
【0073】
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
【0074】
上述の実施形態においては、第1導体フランジ130においてブッシング126に対向する表面が平面状に形成されている。例えば、
図3(a)に示す実施形態においては、第1導体フランジ130の第1接合領域138及び第1露出領域140と導体要素150の上面156とが同一平面をなし、この平面と第1境界ゾーン142とが平行である。しかし、これら各部分の相対位置関係は、そのような具体的構成には限られない。
【0075】
例えば、第1接合領域138と第1露出領域140との間に高さ差が形成されるように第1境界ゾーン142が段差を有してもよい。この場合、第1接合領域138に対して第1露出領域140が上方に位置してもよいし、下方に位置してもよい。また、第1接合領域138と第1露出領域140とが交差するように第1境界ゾーン142が角部を有してもよい。第1接合領域138に対して第1露出領域140が上向きに傾斜していてもよいし、下向きに傾斜していてもよい。例えば、第1接合領域138に対し第1露出領域140が垂直であってもよい。
【0076】
さらに、第1接合領域138、第1露出領域140、及び第1境界ゾーン142の少なくとも1つは、平坦でなくてもよく、例えば凸部または凹部を有してもよい。例えば、第1露出領域140の凸部は、内部空間118に対して第1接合領域138及び/または第1境界ゾーン142を覆うためのカバー又はその一部であってもよい。
【0077】
また、導体要素150は第1露出領域140の少なくとも一部を覆っていてもよい。すなわち、内部空間118に露出された第1導体部の表面は導体要素150で覆われていてもよい。あるいは、導体要素150は第1接合領域138の少なくとも一部を覆っていてもよい。この場合、導体要素150の表面がブッシング126に接合されていてもよい。
【0078】
上述の実施形態においては、導体要素150は、第1導体フランジ130とは別体の部材である。しかし、ある実施形態においては、導体要素150が第1導体フランジ130に一体に形成され、第1導体フランジ130に密着した耐熱部が設けられていてもよい。
【0079】
上述の実施形態においては、導体要素150は耐熱性を有する材料で形成されている。しかし、導体要素150の材料の性質については、別の解釈もあり得る。例えば、導体要素150は、電導電子密度が小さい材料で形成されていてもよい。スパッタによる電子はグラファイト(黒鉛)のような電導電子密度の低い物質のほうが発生しにくい。導体要素150は、仕事関数が大きい材料で形成されていてもよい。電界放出は仕事関数が大きいほど起こりにくいからである。グラファイトやタングステンはアルミニウムよりも仕事関数が大きい。このように、第1導体フランジ130に比べて電子を放出しにくい電子非放出材料で、導体要素150が形成されていてもよい。ここで、電子非放出材料とは、導体要素150が配置される導体部に比べて電子を放出しにくい材料を意味する。三重点領域での空間への電子の放出を抑制することができるので、放電の頻度または規模を小さくすることができる。
【0080】
本発明の実施形態に係る高電圧電極の絶縁構造が第1導体フランジ130及び第2導体フランジ132の両方に形成される場合には、それらが互いに異なる構造を有してもよい。上述の実施形態のいずれかが第1導体フランジ130に採用され、上述の実施形態の他のいずれかが第2導体フランジ132に採用されてもよい。
【0081】
本発明の実施形態に係る高電圧電極の絶縁構造は、イオン源装置102のいずれかの導体部または電極体に適用することができる。また、本発明の実施形態に係る高電圧電極の絶縁構造は、イオン注入装置100のいずれかの導体部または電極体に適用することができる。
【0082】
また、本発明の実施形態に係る高電圧電極の絶縁構造は、交流の高電圧が印加される2つの導体部または電極体に適用することもできる。この場合、導体要素150は、2つの導体部または電極体のそれぞれに設けられていてもよい。例えば、ビーム走査装置110の走査電極とこれを支持する絶縁体との間に導体要素150が設けられてもよい。
【0083】
また、絶縁体の露出表面は、真空空間に露出されていてもよいし、大気空間に露出されていてもよい。あるいは、絶縁体の露出表面は、例えば絶縁オイルなどの流体で満たされた流体空間に露出されていてもよい。同様に、導体本体の露出領域は、真空空間に露出されていてもよいし、大気空間に露出されていてもよいし、流体空間に露出されていてもよい。よって、三重点は、導体部と絶縁体と真空空間との間に形成されてもよいし、導体部と絶縁体と大気空間との間に形成されてもよいし、導体部と絶縁体と流体空間との間に形成されてもよい。本実施形態に係る高電圧電極の絶縁構造はこうした三重点に適用することができる。
【0084】
以下、本発明の幾つかの態様を挙げる。
【0085】
A0.イオン注入装置のための高電圧電極の絶縁構造であって、
空間への露出表面を備える絶縁体と、
前記絶縁体に接する接合領域と、前記空間への露出領域と、前記接合領域と前記露出領域との間で前記絶縁体の前記露出表面に沿って延びている境界ゾーンと、を備える導体部と、を備え、
前記導体部は、前記境界ゾーンを備える導体本体と、前記導体本体に配置される少なくとも1つの導体要素と、を備え、
前記導体要素は、前記絶縁体の前記露出表面に隣接するように前記境界ゾーンの少なくとも一部に設けられ、前記導体部よりも高融点の導電材料で形成されていることを特徴とする高電圧電極の絶縁構造。
【0086】
A1.イオン注入装置のための高電圧電極の絶縁構造であって、
電極である2つの導体部と、
前記2つの導体部の間に介在する絶縁体と、を備え、
前記2つの導体部はそれぞれ前記絶縁体に接続されており、
前記絶縁体は、真空空間への露出表面を備え、
前記2つの導体部の各々は、前記絶縁体に接する接合領域と、前記真空空間への露出領域と、前記接合領域と前記露出領域との間にある境界ゾーンと、を備える導体本体を備え、
前記2つの導体部の少なくとも一方は、前記導体本体に配置される少なくとも1つの導体要素を備え、
前記導体要素は、前記絶縁体の前記露出表面に隣接するように前記境界ゾーンの少なくとも一部に設けられ、前記導体部よりも高融点の導電材料で形成されていることを特徴とする高電圧電極の絶縁構造。
【0087】
A2.前記導体要素は、前記絶縁体の前記露出表面との間に隙間を有して配置されていることを特徴とする実施形態A0またはA1に記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0088】
A3.前記絶縁体は、前記境界ゾーンに対向する対向部分を備え、前記対向部分及び前記境界ゾーンの少なくとも一方に凹部が形成され、前記導体要素の少なくとも一部が前記凹部に収容されていることを特徴とする実施形態A0からA2のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0089】
A4.前記導体要素は、前記接合領域に接する前記絶縁体の基部に隣接することを特徴とする実施形態A0からA3のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0090】
A5.前記導体要素を保持する保持部材をさらに備え、前記保持部材は前記導体要素とは異なる材料で形成されていることを特徴とする実施形態A0からA4のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0091】
A6.前記導体要素は、前記絶縁体の前記露出表面と前記接合領域との間に0.5mm以上の沿面距離を有することを特徴とする実施形態A0からA5のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0092】
A7.前記導体要素は、前記絶縁体の前記露出表面と前記露出領域との間に0.5mm以上の沿面距離を有することを特徴とする実施形態A0からA6のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0093】
A8.前記導体要素は、前記絶縁体の前記露出表面と前記導体本体との間に30μm以上の厚さを有することを特徴とする実施形態A0からA7のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0094】
A9.前記空間は真空に排気される空間であり、前記接合領域と前記絶縁体との間に真空封止部材が設けられていることを特徴とする実施形態A0からA8のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0095】
A10.前記絶縁体の前記露出表面は前記空間を囲む前記絶縁体の内壁面であり、前記導体要素は前記内壁面の全周に沿って形成されていることを特徴とする実施形態A0からA9のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0096】
A11.前記絶縁体の前記露出表面は前記空間を囲む前記絶縁体の内壁面であり、前記導体要素は前記内壁面の一部に沿って形成されていることを特徴とする実施形態A0からA9のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0097】
A12.第1の導体部には第1直流電圧が印加され、
前記絶縁体には前記第1直流電圧と異なる第2直流電圧が印加される第2の導体部が取り付けられていることを特徴とする実施形態A0からA11のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0098】
A13.前記絶縁体には第1の導体部と異なる第2の導体部が取り付けられており、2つの導体部の間には交流電圧が印加され、前記第2の導体部は第2の導体要素を備えることを特徴とする実施形態A0からA11のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0099】
A14.前記導電材料は、グラファイトを含むことを特徴とする実施形態A0からA13のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0100】
A15.前記導電材料は、タングステン、タンタル、またはモリブデンを含むことを特徴とする実施形態A0からA13のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0101】
A16.前記導電材料は、シリコンカーバイド、タンタルカーバイド、またはタングステンカーバイドを含むことを特徴とする実施形態A0からA13のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0102】
A17.前記導電材料は、鉄を含むことを特徴とする実施形態A0からA13のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0103】
A18.前記導体要素は、前記導電材料に代えて、電子非放出材料で形成されていることを特徴とする実施形態A0からA17のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0104】
A19.実施形態A0からA18のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造を備えるイオン源装置。
【0105】
A20.実施形態A0からA18のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造を備えるイオン注入装置。
【0106】
B1.イオン注入装置のための高電圧電極の絶縁構造であって、
露出表面を備える絶縁体と、
前記絶縁体に接する接合領域と、前記絶縁体の前記露出表面に隣接するように前記接合領域の縁部の少なくとも一部に沿って設けられている耐熱部と、を備える導体部と、を備え、
前記耐熱部は、前記絶縁体の前記露出表面との間に隙間を有して配置され、前記導体部よりも高融点の導電材料で形成されていることを特徴とする高電圧電極の絶縁構造。
【0107】
B2.前記導体部は、前記耐熱部を備えており前記縁部に配置される少なくとも1つの導体要素と、を備えることを特徴とする実施形態B1に記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0108】
B3.前記絶縁体は、前記接合領域の前記縁部に対向する対向部分を備え、前記対向部分及び前記縁部の少なくとも一方に凹部が形成され、前記耐熱部の少なくとも一部が前記凹部に収容されていることを特徴とする実施形態B1またはB2に記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0109】
B4.前記耐熱部は、前記接合領域に接する前記絶縁体の基部に隣接することを特徴とする実施形態B1からB3のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0110】
B5.前記耐熱部を保持する保持部材をさらに備え、前記保持部材は前記耐熱部とは異なる材料で形成されていることを特徴とする実施形態B1からB4のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0111】
B6.前記耐熱部は、前記絶縁体の前記露出表面と前記接合領域との間に0.5mm以上の沿面距離を有することを特徴とする実施形態B1からB5のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0112】
B7.前記耐熱部は、前記絶縁体の前記露出表面と前記露出領域との間に0.5mm以上の沿面距離を有することを特徴とする実施形態B1からB6のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0113】
B8.前記耐熱部は、前記絶縁体の前記露出表面と前記導体本体との間に30μm以上の厚さを有することを特徴とする実施形態B1からB7のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0114】
B9.前記露出表面は真空に排気される空間に露出される表面であり、前記接合領域と前記絶縁体との間に真空封止部材が設けられていることを特徴とする実施形態B1からB8のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0115】
B10.前記絶縁体の前記露出表面は前記絶縁体の内壁面であり、前記耐熱部は前記内壁面の全周に沿って形成されていることを特徴とする実施形態B1からB9のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0116】
B11.前記絶縁体の前記露出表面は前記絶縁体の内壁面であり、前記耐熱部は前記内壁面の一部に沿って形成されていることを特徴とする実施形態B1からB9のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0117】
B12.前記導体部には第1直流電圧が印加され、
前記絶縁体には前記第1直流電圧と異なる第2直流電圧が印加される第2の導体部が取り付けられていることを特徴とする実施形態B1からB11のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0118】
B13.前記絶縁体には前記導体部と異なる第2の導体部が取り付けられており、2つの導体部の間には交流電圧が印加され、前記第2の導体部は第2の耐熱部を備えることを特徴とする実施形態B1からB11のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0119】
B14.導電材料は、グラファイトを含むことを特徴とする実施形態B1からB13のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0120】
B15.導電材料は、タングステン、タンタル、またはモリブデンを含むことを特徴とする実施形態B1からB13のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0121】
B16.前記導電材料は、シリコンカーバイド、タンタルカーバイド、またはタングステンカーバイドを含むことを特徴とする実施形態B1からB13のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0122】
B17.導電材料は、鉄を含むことを特徴とする実施形態B1からB13のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0123】
B18.前記導体要素は、前記導電材料に代えて、電子非放出材料で形成されていることを特徴とする実施形態B1からB17のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造。
【0124】
B19.実施形態B1からB18のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造を備えるイオン源装置。
【0125】
B20.実施形態B1からB18のいずれかに記載の高電圧電極の絶縁構造を備えるイオン注入装置。
【0126】
C.少なくとも二つ以上の電極体が絶縁物を介して接合するように配置され、
各電極体間には実効値1kV以上の直流もしくは交流の電圧が
掛かり、
各々の電極体と絶縁物との接合部の少なくとも一部が真空と接し、各電極体と絶縁物と真空との境界線(いわゆる三重点)が形成される電極体構造において、
高融点物質で構成され導電性である追加部材を、元の三重点を覆い隠すように絶縁物と電極体との近傍に配置し、
該追加部材の電位は該電極体と等しくさせ、
該追加部材を取り付けた部分では、三重点(絶縁物と導体と真空とが接する境界線)を該追加部材上に形成することを特徴とする真空用電極体構造。