(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5965349
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】自動車のエネルギー受給口装置
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20060101AFI20160721BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20160721BHJP
B60K 15/035 20060101ALI20160721BHJP
B60L 11/18 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B60K15/035 B
B60L11/18 C
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-86974(P2013-86974)
(22)【出願日】2013年4月17日
(65)【公開番号】特開2014-210473(P2014-210473A)
(43)【公開日】2014年11月13日
【審査請求日】2015年8月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000146434
【氏名又は名称】株式会社城南製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 礼兼
(72)【発明者】
【氏名】近藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】竹原 秀明
(72)【発明者】
【氏名】桜井 瞬
【審査官】
須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−034543(JP,A)
【文献】
特開平11−332024(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/042954(WO,A1)
【文献】
特開2012−236457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
B60K 15/035
B60L 11/18
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の一部に設けた受給ポートの凹所空間内に受給口を設けると共に、受給ポートを開閉するリッドを有し、
リッドは、閉じた状態で一枚のリッドの態様となる第1のリッドと第2のリッドとからなり、
第1のリッドは回転しながら移動され、第2のリッドは姿勢を維持しながらほぼ直線的にスライド移動されるものであって、
エネルギー源受給中は第1のリッドと第2のリッドが、これらで受給口に接続された供給ガンを挟み込んで供給ガンの抜き取りを阻害するロック位置とされることを特徴としたエネルギー受給口装置。
【請求項2】
第1のリッドと第2のリッドは、モータで駆動されるリンク機構により開閉移動され、ロック位置ではモーターによりロックされることを特徴とした請求項1に記載のエネルギー受給口装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行のためのエネルギーに電気や水素など、受給に時間を要するエネルギー源を利用する自動車(新世代自動車と呼ぶ)のエネルギー受給口装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気や水素を駆動のエネルギー源とする新世代自動車が開発されている。これらのエネルギー源を車体に取り込むエネルギー受給口装置は車体の一部に設けられ、車体に形成した受給ポート(凹所空間)に受給口(インレット)を設け、受給ポートをリッド(蓋)で開閉可能としている。
新世代自動車にエネルギー源を供給するときは、リッドを開け、供給ケーブル(液体用チューブの場合を含む)の先端に取り付けた供給ガンを受給口に差込む。一方、現状において、電力供給は急速充電の場合でも30分から45分程度を要するので、需要者はこれまでのガソリン受給時のように、その場に立ち会っていることは難しく、自動車から離れてしまうことが多い。これが普通充電の場合は8時間にもなり、また、夜間の格安な電力を利用したりするので、通常、自動車は供給ガン(充電ガン)を接続したまま放置される。水素を供給するときも、ガソリン受給時のようにはいかず、同様に長時間を要するので、同じ事態が考えられる。
【0003】
なお、電気の場合、供給用ケーブル(電力供給用ケーブル)は、自動車に電力を供給するばかりでなく、停電時や電力逼迫時のピークシフトのために自動車のバッテリーから外部へ電力を供給するためにも用いられる。この場合も、自動車は供給ガンを接続したまま放置されることが多い。
【0004】
このため、供給ケーブルの盗難や受給口へのいたずらなどを防止するために種々の提案がなされている。
特許文献1のエネルギー受給口装置(充電ポート)は、開放された状態のリッド(7)に充電ポート用カバー(35)を装着し、この状態でリッド(7)を前記カバー(35)と共に閉じることで開放部(36)を塞ぎ、長時間充電時の内部へのいたずらや電力供給用ケーブルの盗難を防止している。
【0005】
特許文献2は充電スタンド(1)であるが、待機時に充電用接続部(2a)(充電ガン)に対するいたずらを防止するために、カバー(4a)と施錠手段(4b)を設け、施錠されたカバー(4a)により前記の充電用接続部(2a)を外すことができない構造としている。
特許文献3のエネルギー源受給装置では、給電プラグ(10)にメカニカルキーとキーシリンダ(31)によるロック装置(30)を設け、受電コネクタ(5)に接続した給電プラグ(10)を取り外すときは、前記ロック装置(30)による施錠を解除しないと、給電プラグ(10)の係止爪(21)を操作できない構造としている。
【0006】
特許文献4のエネルギー源受給装置では、給電プラグ(10)をインレット(31)に差し込むだけで給電プラグ(10)の係止爪(16)がロックピース(50)に係合されて操作部(19)を操作できない構造とし、ロック状態の解除を電子キーシステムやメカニカルキーシステムで解除できる構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012−76599号公報
【特許文献2】特開2010−259277号公報
【特許文献3】特開2011−238535号公報
【特許文献4】特開2011−243343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のエネルギー受給口装置は、充電ポート用カバー(35)で開放部(36)を塞ぐので充電ポートの内部にいたずらをされることが少ない。また、充電ポート用カバーはストライカーを備え、これを車体側のリッド用ロック装置に係合させて施錠するので、解錠しない限り充電中に充電用ケーブルやガンが引き抜かれたり、盗難にあったり、また、いたずらされることはない。
しかし、充電ポート用カバーを別途準備しておく煩わしさがあり、その着脱が面倒である。
【0009】
特許文献2のエネルギー受給口装置は、いわばカバー(4a)内に充電ガンを収納してカバーに施錠をするというものであるが、自動車に設ける受給口装置のリッドは充電時に充電ガンを収納できるような形態に形成することが困難である。
さらに、特許文献3,4のエネルギー受給口装置は、給電プラグ(10)の係止爪(16)で給電プラグ(10)をインレットに係合させて施錠し、解錠しない限り、係止爪(16)の係合を解くことができないようにしたもので、給電中に給電プラグ(10)や充電ケーブルが引き抜かれてしまうことを避けることができるものの、給電ポートは開放されているので、内部にいたずらをされる恐れがある。
【0010】
この発明は、前記のカバー部材のような車体とは別個の部材を用いることなく、受給ポートを開閉するリッドだけで、エネルギー源の供給中に供給ガンが抜き取られるのを阻止し、また、供給中に受給ポートが大きく開放されたままとなる事態を改善するエネルギー受給口装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
車体の一部に設けた受給ポートの凹所空間内に受給口を設けると共に、受給ポートを開閉するリッドを有し、エネルギー源受給中は受給口に接続された供給ガンの抜き取りがリッドによって阻害されるエネルギー受給口装置とする。
リッドは一枚で開閉するタイプのものもあれば、閉じた状態で一枚のリッドの態様となる第1のリッドと第2のリッドとからなる場合もある。
供給ガンの抜き取りをリッドによって阻害する構成は一枚のリッドの場合は回動の途中で供給ガンを押さえ込むように構成する。
【0012】
リッドが2枚からなる場合は、第1のリッドと第2のリッドとで供給ガンを挟みこみ、供給ガンの抜き取りをリッドによって阻害することもできる。
このために、第1のリッドの開閉装置は、第1のリッドを回転させながら移動させるリンク機構とし、第2のリッドの開閉装置は、第2のリッドの姿勢を維持してスライド移動させるリンク機構とすることがある。
第1のリッドと第2のリッドは、受給ポートを閉じた閉じ位置と、回転した第1のリッドの下面側と第2のリッドの先端縁とのあいだに供給ガンを挟みこんだロック位置、及び第1のリッドと第2のリッド間に供給ガンを抜き差しが可能な開き位置とをとることができ、前記のロック位置では供給ガンの抜き取りを阻害する配置とすることがある。
【発明の効果】
【0013】
リッドによって受給ポートを開閉できると共に、供給ガンが受給口に接続されているときは、供給ガンをリッドで押さえ込み、あるいは第1のリッドと第2のリッドとで挟みこみ、リッドの動きだけで供給ガンの抜き差し方向の移動をロックできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】新世代自動車の斜視図(エネルギー受給中)。
【
図2】リッドの開閉装置を示した側面図(閉じ状態)。
【
図3】リッドの開閉装置を示した側面図(開き状態)。
【
図4】リッドの開閉装置を示した側面図(ロック状態)。
【
図5】リッドの開閉装置を示した正面図(開き状態左側)。
【
図6】リッドの開閉装置を示した正面図(開き状態右側)。
【
図7】供給ガンの斜視図、(イ)は急速充電用、(ロ)は普通充電用。
【
図11】供給ガンがリッドによってロックされている状態を示した側面図。
【
図12】他の実施例によるリッドの開閉装置を示す側面図(ロック状態)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、電気をエネルギー源とした新世代自動車1(EV)であり、車体2にエネルギー受給口装置3が設けられている。エネルギー受給口装置3は、受給ポート4とリッド5、リッド5を開閉方向に移動させる開閉装置6および受給ポート4の凹所空間7に配置された受給口8を備える。
受給口8はこの実施例において急速充電用のインレット8aと普通充電用のインレット8bであり、
図1では、普通充電用インレット8bに供給ケーブル9(充電ケーブル)の先端に取り付けた供給ガン10(充電ガン)が接続されている。
【0016】
リッド5は受給ポート4の凹所空間7を外部に対して開閉するものであり、この実施例において、上方の第1のリッド5aと下方の第2のリッド5bの2枚で構成されている(
図2〜
図4)。これらは開閉装置6により開閉移動される。開閉装置6はリンク機構11とモーター12及び連動ギア13で構成されており(
図2)、第1のリッド5aは第1のリンク機構11aで開閉移動され、第2のリッド5bは第2のリンク機構11bで開閉方向に移動される(
図4が分かりやすい)。
以下、第1と第2を区別する必要のあるとき、第1のものに付加符号aを、第2のものに付加符号bを付す。
【0017】
なお、第1のリンク機構11aは第1のリッド5aの左右両側に同じ構成(モーター12aを除く)のものが対照に配置され、第2のリンク機構11bは第2のリッド5bの左右両側に同じ構成(モーター12bを除く)のものが対照に配置されている(
図5、
図6)。
【0018】
開閉装置6のリンク機構11は、基本的に基板14と主リンク15および副リンク16とで構成され、主リンク15の基部に連動ギア13が固定されている。連動ギア13はモーター12の出力軸に固定されたピニオン17と噛み合っている。
【0019】
第1のリンク機構11a(
図3、
図6が分かりやすい)は、主リンク15aと副リンク16aの基部が第1の基板14aに軸18a,19aで軸支され、先端が軸20aと軸21aとで第1のリッド5aに軸支されている。軸18aは軸19aよりも後方(
図1における車体2の前後方向で)に位置し、軸20aは軸21aに対して後方に配置されている。主リンク15aは副リンク16aよりも短く、前記の軸18a,19aの間隔は軸20a,21aの間隔よりも大きい。
【0020】
主・副リンク15a,16aの長さと軸18a,19aの間隔と軸20a,21a間の間隔の大きさは、モーター12aによって連動ギア13aが駆動されたとき、第1のリッド5aが前方へ傾斜した状態(
図2、閉じ状態)から中間状態(
図4)を経て、後方へ傾斜した状態(
図3、開き状態)まで回動する設計とされている。モーター12aが逆回転されると、第1のリッド5aは、前記とは逆の経緯で中間状態を経て閉じた状態に戻る。
【0021】
第2のリンク機構11b(
図4、
図6が分かりやすい)は、主リンク15bと副リンク16bの基部が第2の基板14bに軸18b,19bで軸支され、先端が軸20bと軸21bとで第2のリッド5bに軸支されている。軸18bは軸19bよりも後方(前記)に位置し、軸20bは軸21bに対して後方に配置されている。主リンク15bの軸間距離(軸18b・軸20b間)と副リンク16bの軸間距離(軸19b・軸21b間)はほぼ等しく、また、前記の軸18b,19bの間隔は軸20b,21bの間隔とほぼ等しく、且つ、これらの軸間を結ぶ線がほぼ平行となるように配置されている。これは第2のリッド5bが開き位置で供給ガン10やバンパーに当たらないようにするためである。このため、厳密に比較すれば軸間距離は等しくなく、また、軸間を結ぶ線も正確に平行ではない。
【0022】
すなわち、主リンク15bと副リンク16bと軸18b〜軸21bは4節の平行リンク構造である。このため、モーター12bによって連動ギア13bが駆動されたとき、第2のリッド5bは前方へ傾斜した閉じた状態(
図2)から、その姿勢を維持したまま斜め下方へスライド移動し、中間状態(
図4)を経て、開いた状態(
図3)まで移動する。モーター12bが逆回転されると、第2のリッド5bは、前記とは逆の経緯で中間状態を経て閉じ状態に戻る。
【0023】
前記のモーター12a,12bは、車載の制御装置の管理下に置かれ、例えばリモートキーからの操作で連繋して駆動される。
図7は、供給ガン10を示し、急速充電ガン10aと普通充電ガン10bを示している。いずれの供給ガン10もハンドル部22と接続部23を有し、ハンドル部22と接続部23はへ字形に屈曲されている。この実施例において、急速充電ガン10aは接続部23からハンドル部22の下方へ至る接続操作用のレバー24を備えている。
【0024】
エネルギー源を供給するときは、新世代自動車1のパワースイッチをOFFとし、リモートキーからリッド5の開放を指令する。これにより閉じ位置に保持されていた上下のリッド5a、5b(
図8)は、モーター12a,12bが駆動されることにより、上部の第1リッド5aは、開閉装置6aにより上方へ移動しながら前方傾斜状態(
図8)から後方傾斜状態(
図9)となるまで回動される。同時に、下部の第2のリッド5bは、前方傾斜状態のまま下方へスライド移動される。
【0025】
これによって、前記の受給ポート4の凹所空間7は大きく開放される(
図9の状態)。この状態(開き位置)になったとき、車載の制御装置がモーター12a,12bの駆動を停止し、第1のリッド5a及び第2のリッド5bをその位置に維持する。制御装置は、主リンク15や副リンク16の回転角度を検出するセンサーあるいは負荷センサーからの検出信号を監視し、前記モーター12a,12bを停止すべきタイミングを判断する。
【0026】
次いで、需要者は、一端にコンセントを他端に供給ガン10(充電ガン)を備えた供給ケーブルを持ち出し、コンセントを電源に接続し、供給ガン10を開放された受給ポート4内の受給口8(インレット)に接続する。そして、接続が確認されたらリモートキーを操作してリッド5を閉じる操作をする。すると、前記のモーター12a,12bは前記とは逆回転してリンク機構11a,11bにより、リッド5を閉じ方向に移動させる。
【0027】
このとき、第1のリッド5aは後方傾斜の状態から前方傾斜の状態へ戻る回動をしながら下方へ移動し、第2のリッド5bは下方から斜め上方へスライド移動してくる。前記のように、供給ガン10はすでに受給口8に接続されているので、やがて、第1のリッド5aは供給ガン10の上方へ覆い被さり、第2のリッド5bは下方から供給ガン10のへ字形屈曲部(ハンドル部22と接続部23をつなぐ部分)に突き当たる(
図11)。
【0028】
この状態は、供給ガン10が上方への移動と前方への移動が阻止された状態であり、受給ポート4から引き抜くことはできず、供給ガン10をロックした状態である。車載制御装置は、このロック状態を検出すると、モーター12a,12bの駆動を停止し、その状態を維持する(
図10の状態)。ロック状態の検出は前記の負荷センサーからの信号か、リンクの回転位置に関して予め定めた設定位置への到達である。
【0029】
車載の制御装置は、エネルギーの受給が終了するまでこの状態を維持する。無理に供給ガン10を引き抜く操作が行われると、前記の回転センサや負荷センサがこれを検出して盗難防止のアラームを発するようにすることもできる。
供給ガン10を抜くときは、リモートキーからリッド開の信号を発することで、車載の制御装置は前記のロック状態を解き、モーター12a,12bを駆動してリッド5を開放位置へ移動させる。
供給ガン10を受給ポート4から取り外した後は、リモートキーからリッド閉じの操作をすることにより、車載制御装置がモーター12a,12bを駆動してリッド5で受給ポート4を閉じる(
図8の状態)。
【0030】
この実施例に拠れば、受給ポート4に供給ガン10を取付けているときは、供給ガン10が上方から回動してきた第1のリッド5aで押さえられるともに、下方から突き上げてきた第2のリッド5bとで挟まれ、かつ、第2のリッド5bの上縁で供給ガン10のへ字形部分が抜き取り方向には係合される構造となるので、供給ガン10を受給ポート4から抜き取ることはできない。
また、前記のロック状態では第1のリッド5aの下縁と第2のリッド5bの上縁は近接し、受給ポート4がほとんど閉じられた状態となるので、開放状態で供給している場合に比べて、受給ポート4の内部にいたずらされる割合も少なくなる。
【0031】
なお、第1のリッド5aの下縁と第2のリッド5bの上縁に供給ガン10の一部を逃す切欠き部を設ければ、エネルギー供給中においても受給ポート4をほとんど閉じた状態とすることができる。この場合、供給ガン10を取り外し、第1のリッド5aと第2のリッド5bを閉じた状態としたとき、第1のリッド5aと第2のリッド5bとの突き合わせ箇所に切欠き部が目立つことになるが、
どちらかのリッドに回動させて切欠き部を隠すことができるエンブレムのような装飾部材を取付けておくとよい。
【0032】
図12は、第2の実施例であり、リッド5が一枚で構成され、供給ガン10(普通充電ガン10b)が回動してきたリッド5で押さえ込まれた位置に維持されることにより、その位置にロックされている。リッド5の開閉はリンク機構11によるものであり、図示していない駆動装置によって開閉される。駆動装置とリンク機構11によるリッドの開閉は、リッド5を開き位置とロック位置および凹所空間7が閉じられた閉じ位置とに配置することができる。
供給ガン10は、リッド5が開き位置のときに受給口8に接続され、その状態でリッド5がロック位置まで閉じられる。ついで、給電が行われる。給電が完了すると、リッド5が開き位置に戻され、供給ガン10を抜き取ることができる。供給ガン10が抜き取られると、リッド5は閉じ位置まで回動されて、凹所空間7を閉鎖する。
実施例2においても実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。
【0033】
以上、電気を駆動源とするEV車について実施例を説明したが、電力を補助として使用するPHEV車でも同様である。また、受給に時間を要すると考えられる水素を利用する自動車でも同様の構成を採用できる。
閉じたリッドの傾斜方向はこの実施例において前方であったが、傾斜方向は車体2に受給ポート4を設ける箇所によって異なる。
実施例では、リッド5の開閉操作をリモートキーから行っているが、車内に設置する操作パネルから行う場合もある。
普通充電ガンの場合について説明したが、急速充電ガンの場合も、第1のリッド5a,第2のリッド5bが駆動される程度は異なるが、基本的に前記実施例の場合と同様に構成することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 新世代自動車
2 車体
3 エネルギー受給口装置
4 受給ポート
5 リッド
5a 第1のリッド
5b 第2のリッド
6 開閉装置
6a 第1の開閉装置
6b 第2の開閉装置
7 凹所空間
8 受給口
8a 急速充電用のインレット
8b 普通充電用のインレット
9 供給ケーブル(チューブ)
10 供給ガン
10a 急速充電ガン
10b 普通充電ガン
11 リンク機構
11a 第1のリンク機構
11b 第2のリンク機構
12 モーター
12a 第1のモーター
12b 第2のモーター
13 連動ギア
13a 第1の連動ギア
13b 第2の連動ギア
14 基板
14a 第1の基板
14b 第2の基板
15 主リンク
15a 第1の主リンク
15b 第2の主リンク
16 副リンク
16a 第1の副リンク
16b 第2の副リンク
17 ピニオン
17a 第1のピニオン
17b 第2のピニオン
18 軸
18a 第1の軸
18b 第2の軸
19 軸
19a 第1の軸
19b 第2の軸
20 軸
20a 第1の軸
20b 第2の軸
21 軸
21a 第1の軸
21b 第2の軸
22 ハンドル部
23 接続部
24 接続操作用のレバー